JP5183018B2 - 帯電部材、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents

帯電部材、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 Download PDF

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Description

本発明は、帯電部材、並びに、帯電部材を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。
電子写真方式を採用した画像形成装置、いわゆる電子写真装置は、電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段を有するものが一般的である。
また、この帯電手段としては、電子写真感光体の表面に接触又は近接配置された帯電部材に電圧(直流電圧のみの電圧又は直流電圧に交流電圧を重畳した電圧)を印加することによって該電子写真感光体の表面を帯電する方式のものが多く採用されている。
帯電部材に印加する電圧として、直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を採用した場合、交流電源が必要となって電子写真装置の大型化やコストアップを招いたり、電力消費量が増加したり、交流電流の使用によるオゾン等の多量発生によって帯電部材や電子写真感光体の耐久性が低下したりするため、帯電部材への印加電圧は直流電圧のみであることが好ましい。
更には、帯電の安定性、オゾン発生の低減、あるいは、低コスト化という観点から、接触式の帯電方式が好んで用いられている。
接触式の帯電方式の場合、帯電部材は、電子写真感光体に対して、バネ等の押し圧力により当接され、従動回転するように配置される。また、帯電部材と被帯電体との当接力は固定されている場合が多い。
電子写真装置や、これら電子写真装置の中心部分を収めた、いわゆるカートリッジ等の製品が製造されてからユーザーが初めて使用するまでの間、帯電部材と被帯電体とはバネ等の押し圧力で当接されたまま数週間から数年という長期に亘って放置されることもありうる。また、ユーザーが電子写真装置を使用しない場合には、当然、当接されたまま長期に放置されてしまう可能性がある。このように長期間放置された場合、被帯電体と帯電部材との当接部では帯電部材が変形したまま当初の形状に戻らなくなり、圧縮永久歪みによる変形やへたり、いわゆるCセット、が発生することがある。
近年、電子写真装置に対して、より一層の高速化、高画質化及び高耐久化が要求されている。これらの傾向は、当接部(Cセット部)の画像への影響がより顕著になる方向であることが、本発明者らの検討より明らかとなった。Cセット部は、例えば、ハーフトーン画像を出力した際、長手方向の横黒スジ及び/又は横白スジ(Cセット画像)となって現れ、これは、帯電部材の帯電ムラによるものであることがわかっている。また、前記のCセット画像は、帯電部材の印加電圧を直流電圧のみの電圧とした場合において、特に発生し易いことも明らかとなった。
このようなCセットという技術課題に対し、例えば特許文献1には、ヨウ素価が23〜32であるジエン分を共重合成分として含有したエチレン、プロピレンの共重合体を弾性層に含有せしめることによって、前記Cセットの改善が図れることが記載されている。しかしながら、本発明者らの検討によれば、より過酷な条件、例えば前記したような、帯電部材への印加電圧を直流電圧のみとしたような状況においては、特許文献1に記載の技術ではCセットの改善を十分には図ることができない、との知見を得た。
特開平10−48913号公報
そこで、本発明の目的は、帯電部材に印加する電圧が直流電圧のみである電子写真装置のような、Cセットという技術課題の解決が極めて困難な状態に置かれる電子写真装置に適用された場合であっても、画像欠陥(特にCセット画像)のない良好な画像を出力することができる帯電部材を提供すること、また、このような帯電部材を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することである。
本発明は、支持体及び該支持体上に設けられた少なくとも1層の被覆層を有する帯電部材において、
該被覆層のうち該帯電部材の最表面に位置する最外層が、第1の金属酸化物粒子にカーボンブラックを被覆した複合粒子と、第2の金属酸化物粒子と、バインダーとを含有し、
前記複合粒子と前記第2の金属酸化物粒子との質量比(複合粒子/第2の金属酸化物粒子)が、0.2〜3.9であり、
前記第1の金属酸化物粒子が、シリカ、酸化チタン、酸化鉄、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム及びチタン酸バリウムからなる群より選択される金属酸化物の粒子であり、
前記第2の金属酸化物粒子が、酸化チタン及びチタン酸カルシウムからなる群より選択される金属酸化物の粒子であ
ことを特徴とする帯電部材である。
また、本発明は、電子写真感光体と、上記帯電部材とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジである。
また、本発明は、電子写真感光体と、上記帯電部材と、露光手段と、現像手段と、転写手段とを有する電子写真装置である。
本発明によれば、帯電部材に印加する電圧が直流電圧のみの電子写真装置に適用された場合であっても、画像欠陥(特にCセット画像)のない良好な画像を出力することができる帯電部材を提供することができ、また、このような帯電部材を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することができる。
本発明者らは、上記の課題に対して検討を重ね、その結果として、Cセット画像を抑制するための手段として、Cセット画像に起因するCセット部変形量を減少させるということ、及びCセット部が存在しても、画像上に目立たせなくすること、の2点を同時に達成することのできる帯電部材の構成を見出し、本発明を為すに至ったものである。
カーボンブラックは、ゴム、樹脂、エラストマー等に含有させると、それらを導電性にするとともに、補強することが知られている。本発明の様に、カーボンブラックを被覆した複合粒子を、帯電部材の最表面に位置する最外層に含有させることにより、カーボンブラックと最外層に使用するゴムや樹脂等の材料とは強固に結合し、強度を増すことが可能となる。しかしながら、本発明者らの検討によれば、カーボンブラックのみを最外層に含有させた場合、その量によっては、補強効果が大きくなり過ぎ、その結果として帯電部材表面の硬度が上昇し、電子写真感光体と当接不良や、従動回転がうまくいかずスリップしてしまう等の弊害が発生することがあった。更には、紙等に転写されずに電子写真感光体上に残った汚れ成分が帯電部材に押しつぶされ易くなり、帯電部材表面に汚れが付着し易くなってしまうため、帯電部材の耐久性が低下するという弊害も発生する。その一方で、カーボンブラックの添加量を減少させて補強効果を落とすと、表面層に対して所望の導電性を発現することが難しくなる。即ち、表面層の補強効果と導電性との双方を高いレベルで満たし得るようなカーボンブラックの添加量を見出し得なかった。
このような実験結果に鑑み、本発明者らは更なる検討を重ねた結果、帯電部材の最外層を、バインダーからなるマトリックス中に、第1の金属酸化物粒子にカーボンブラックを被覆した複合粒子によって形成されてなる第1のセグメントと、第2の金属酸化物粒子によって形成されてなる第2のセグメントと、が存在するような構成とすることで、最外層に外力が加わったときの最外層の柔軟な変形性と、当該外力が除去されたときの最外層の復元性とを高いレベルで両立できることを見出し、本発明を為すに至った。上記したような構成により柔軟な変形性と復元性が高いレベルで達成できる理由は明らかでないが、本発明者らは以下のように考えている。
即ち、図4は、本発明に係る最外層400の断面を模式的に表した図面であり、同図中、401はマトリクスとしてのバインダーを示し、403は、図3に示した様に第1の金属酸化物粒子301をカーボンブラック303で被覆した複合粒子からなる第1のセグメント、405は、第2の金属酸化物粒子からなる第2のセグメントである。そして該第1のセグメントは、第1の金属酸化物粒子を、被覆しているカーボンブラック303によって周囲のバインダーと化学的に結合し、最外層における位置が概略固定されている。他方、第2のセグメントは、周囲のバインダーとの結合性が殆どないため、最外層における位置が比較的自由度に富んでいる。そのため、最外層に外力が加えられたときには、バインダーに対し親和性が低いことによりバインダーに対する位置が明確に固定されていない第2のセグメントは、最外層に加えられた外力によって最外層中での位置を柔軟に変化させ、それにより当該外力を吸収する。その一方で、バインダーに対する相対的位置が固定的である第1のセグメントにより、当該外力が最外層から除去されたときの該最外層に復元性が生じている。
これにより、帯電部材表面は低硬度を維持しつつ、Cセット変形量を小さくすることが可能になったと考えられる。
本発明における最外層の断面は、帯電部材の切片(最外層を含む)をアクリル樹脂で硬化し、これを、ミクロトームで切削することにより薄片を作製し、TEM(Transmission Electron Microscope:透過型電子顕微鏡)写真により観察することができる。
なお、本発明に係る複合粒子に類似する粒子を最外層に含む帯電部材については、特開2003−162106号公報、並びに特開2004−126064号公報に開示されている。具体的には、特開2003−162106号公報は、有機高分子材料である母粒子の周りに導電性のカーボンブラックを被覆した複合粒子を含有する導電性ロールを提案し、ポリエチレン樹脂やアクリル樹脂といったカーボンブラックに比べて大きい粒径を有する有機高分子からなる母粒子にカーボンブラックが乗った導電粒子を添加し、このようにカーボンブラックを巨大な粒子に担持させることでカーボンブラック自体の凝集を抑制することができ、このような構成においては母粒子が数珠状に接触してネットワークを形成して、導電層中にカーボンブラックが偏在した状態となり、少量添加で安定に高導電性が得られる、と記載している。しかしながら、上記特開2003−162106号公報のようにカーボンブラックが偏在した状態では、上述した本発明で目的とするところの、最外層構造は得られていないと考察することができる。
また、特開2004−126064号公報は、無機酸化物粒子の表面が電子伝導性を有する表面層で被覆された複合粒子粉末を含有する導電部材を提案しているものの、本発明に係る第2の金属酸化物粒子の含有、及びその作用効果については何ら記載がなく、本発明に係る最外層の構造は得られていないと考察することができる。
以下、本発明に係る帯電部材の実施の形態について更に詳細に説明する。
前記した様に、本発明の一態様に係る帯電部材は、支持体上に被覆層を有する帯電部材であって、該帯電部材は、第1の金属酸化物粒子にカーボンブラックを被覆した複合粒子と、第2の金属酸化物粒子と、バインダーとを含有する最外層を具備している。
(a)複合粒子について;
本発明における複合粒子は、図3に示すように、第1の金属酸化物粒子にカーボンブラックを被覆した粒子である。
帯電部材が電子写真感光体の表面を帯電するということは、帯電部材から電子写真感光体の表面への放電が起こり、電荷が移動するということである。帯電部材の表面のある点Xと、その点Xを通る帯電部材の半径を延長した線が電子写真感光体の表面に交差する点を点Yとしたとき、その点Xと点Yとの間での電位差Vxyが、パッシェンの放電限界の電圧(放電開始電圧)Vpaを超えると放電が発生し、電荷ΔQが電子写真感光体の表面に、逆電荷−ΔQが帯電部材の表面に移動する。このΔQの総和が、電子写真感光体の表面に蓄積される電荷Qであり、電子写真感光体の表面の電位VはV=Q/C(Cは電子写真感光体の支持体上に形成された層の静電容量)の関係より算出することができる。ここで、電荷(放電電荷密度)ΔQは、数式(1)から算出できる。
Figure 0005183018
数式(1)中のDはD=Σdi/εi=dc/εc+dp/εpであり、dcは帯電部材の支持体上に形成された層(1層又は2層以上)の厚さの合計(合計膜厚)[m]であり、dpは電子写真感光体の支持体上に形成された層(1層又は2層以上)の厚さの合計(合計膜厚)[m]であり、εcは帯電部材の支持体上に形成された層の比誘電率であり、εpは電子写真感光体の支持体上に形成された層の比誘電率であり、Gは点Xと点Yとの間の距離(ギャップ)[m]であり、Vxyは点Xと点Yとの間での電位差[V]であり、Vpaは数式(2)及び図13に示すパッシェンの法則から導き出される放電開始電圧[V]である。
Figure 0005183018
数式(1)によれば、放電により移動する電荷ΔQは、G、すなわち帯電部材と電子写真感光体とのギャップに依存するということである。即ち、Cセット部の変形によって、通常の帯電部材表面部分とCセット変形部分との間にギャップの差が発生してしまい、ΔQに差ができてしまうためCセット画像(長手方向の横黒スジ及び/又は横白スジ)が発生すると考えられる。
このとき、数式(1)によれば、Dを小さくすることによりギャップ距離Gの変化に対するΔQ変化を小さくすることができることがわかる。すなわち、帯電部材としては、支持体上に形成された層の比誘電率を増加させることにより、Cセット部分を画像上見え難くすることが可能になるのである。
従って、本発明は、最外層の比誘電率をより高くするという効果を得るため、複合粒子には金属酸化物粒子(第1の金属酸化物粒子)を使用する。
また、比誘電率は、層中における導電性部分の分布によって大きく変化することがわかっている。本発明者ら検討より、最外層を前述したセグメントを有する構造とすることにより、その比誘電率を増大させることが可能であることが明らかとなった。このような構造制御を行うためには、複合粒子に加え、更に、第二の粒子を含有させることが必要であり、特に、粒子としてはゴム、樹脂、エラストマー等への分散性に優れた金属酸化物粒子を用いるのが好ましい。
複合粒子の平均粒子径は1〜1000nmが好ましい。より好ましくは5〜500nmである。この範囲であれば、前述した構造における最外層の補強効果が十分に発揮される。また、複合粒子同士の凝集による最外層への分散性の低下を抑制することも容易である。
複合粒子形状は、球状、粒状、多面体状、針状、紡錘状、米粒状、フレーク状、鱗片状及び板状等のいずれの形状であっても良いが、前記Cセット性をより向上させるためには、球状又は粒状が好ましい。
第1の金属酸化物粒子は、金属酸化物又は複合金属酸化物粒子であり、具体的には、酸化亜鉛、酸化錫、酸化インジウム、酸化チタン(二酸化チタン、一酸化チタン等)、酸化鉄、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸バリウム及びジルコン酸カルシウム等を挙げることができる。より好ましくは、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化鉄、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸バリウム、ジルコン酸カルシウムである。
複合粒子の形状は、第1の金属酸化物粒子の粒径や形状に大きく依存する。従って、第1の金属酸化物粒子の平均粒子径も、1〜1000nmが好ましい。より好ましくは5〜500nmである。
第1の金属酸化物粒子の形状は、球状、粒状、多面体状、針状、紡錘状、米粒状、フレーク状、鱗片状及び板状等のいずれの形状であっても良いが、前記Cセット性をより向上させるためには、球状又は粒状が好ましい。
第1の金属酸化物粒子に被覆するカーボンブラックは、ファーネスブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック等が好ましく用いられる。
より具体的には、電気化学(株)製粒状アセチレンブラック、旭カーボン(株)製HS−500、アサヒサーマルFT、アサヒサーマルMT、ライオンアグゾ(株)製ケッチェンブラック、キャボット(株)製バルカンXC−72、キャボット社の「REGAL 400R」、「MONARCH 1300」、Degussa社の「Color Black FW200」、「SPECIAL BLACK 4」、「PRINTEX150T」、「PRINTEX140T」、「PRINTEX U」等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
第1の金属酸化物粒子は表面処理されていることが好ましい。これにより、第1の金属酸化物粒子表面とカーボンブラックをより強固に付着させることができる。これにより、前記複合粒子をゴム、樹脂、エラストマー等に分散させる際に、カーボンブラックの脱離等を防ぐことができ、よりCセット改善効果を発揮することができる。
表面処理としては、好ましくはアルコキシシラン、フルオロアルキルシラン、ポリシロキサン等の有機ケイ素化合物、シラン系、チタネート系、アルミネート系及びジルコネート系の各種カップリング剤、オリゴマー又は高分子化合物の一種又は二種以上を用いることができる。より好ましくはアルコキシシラン、ポリシロキサン等の有機ケイ素化合物、シラン系、チタネート系、アルミネート系及びジルコネート系の各種カップリング剤であり、更に、好ましくは、有機ケイ素化合物を挙げることができる。
上記有機ケイ素化合物としては、式(1)で表わされるアルコキシシラン、アルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物、式(2)で表わされるポリシロキサン、式(3)で表わされる変成ポリシロキサン、式(4)で表わされる末端変成ポリシロキサン並びに式(5)で表されるフルオロアルキルシラン又はこれらの混合物を例示することができる。
Figure 0005183018
アルコキシシランとしては、具体的には、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン及びデシルトリメトキシシラン等が挙げられる。
第1の金属酸化物粒子へのカーボンブラックの付着強度を考慮すると、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン等のアルコキシシラン、又は、前記アルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物がより好ましいといえる。
Figure 0005183018
Figure 0005183018
Figure 0005183018
また、ポリシロキサンとしては、メチルハイドロジェンシロキサン単位を有するポリシロキサン、ポリエーテル変成ポリシロキサン及び末端がカルボン酸で変成された末端カルボン酸変成ポリシロキサンを挙げることができる。
フルオロアルキルシランとしては、具体的には、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルロデシルメチルジメトキシシラン、トリフルオロプロピルエトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン及びヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシラン等が挙げられる。
Figure 0005183018
カップリング剤のうち、シラン系カップリング剤としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン及びγ−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
チタネート系カップリング剤としては、イソプロピルトリステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル・アミノエチル)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスフェイト)チタネート、テトラ(2−2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスフェイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート及びビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート等が挙げられる。
アルミネート系カップリング剤としては、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムジイソプロボキシモノエチルアセトアセテート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート及びアルミニウムトリスアセチルアセトネート等が挙げられる。
ジルコネート系カップリング剤としては、ジルコニウムテトラキスアセチルアセトネート、ジルコニウムジブトキシビスアセチルアセトネート、ジルコニウムテトラキスエチルアセトアセテート、ジルコニウムトリブトキシモノエチルアセトアセテート及びジルコニウムトリブトキシアセチルアセトネート等が挙げられる。
オリゴマーとしては、分子量300以上、10,000未満のものが好ましく、高分子化合物としては、分子量10,000以上、100,000程度のものが好ましい。第1の金属酸化物粒子への均一な被覆処理を考慮すれば、液状、もしくは、水又は各種溶剤に可溶なオリゴマー又は高分子化合物が好ましい。
表面処理剤の被覆量は、第1の金属酸化物粒子に対して0.01〜15.0質量%が好ましい。0.01質量%未満の場合には、第1の金属酸化物粒子にカーボンブラックを付着させることが困難であることがある。15.0質量%あれば、カーボンブラックを第1の金属酸化物粒子に対して、十分強固に、かつ十分な量において付着させることができるため、それ以上に被覆する意味がない。より好ましくは0.02〜12.5質量%、最も好ましくは0.03〜10.0質量%である。
本発明の複合粒子の体積抵抗値は、付着に用いるカーボンブラックの体積抵抗値と第1の金属酸化物粒子の体積抵抗値との間で任意に制御することができる。具体的には1.0×10〜1.0×10Ω・cmであり、好ましくは5.0×10〜5.0×10Ω・cmである。
カーボンブラックの付着量は、第1の金属酸化物粒子100質量部に対して1〜500質量部である。1質量部未満の場合には、得られる複合粒子の電気抵抗を低減することが困難である。500質量部を超える場合には、電気抵抗の低減効果が十分に得られるので、500質量部を超えて付着させる意味がない。
複合粒子は、第1の金属酸化物粒子とカーボンブラックとを混合することにより得ることができる。第1の金属酸化物粒子へのカーボンブラックの付着は、まず、第1の金属酸化物粒子を表面処理し、次いで、表面処理された第1の金属酸化物粒子とカーボンブラックを混合することによって行うことができる。
第1の金属酸化物粒子の表面処理は、第1の金属酸化物粒子と表面処理剤又は表面処理剤の溶液とを機械的に混合攪拌したり、第1の金属酸化物粒子に表面処理剤又は表面処理剤の溶液を噴霧しながら機械的に混合攪拌することによって行うことができる。
なお、表面処理剤としてアルコキシシラン又はフルオロアルキルシランを用いた場合、アルコキシシラン又はフルオロアルキルシランは、その一部が被覆工程を経ることによって、アルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物、又はフルオロアルキルシランから生成するフッ素含有オルガノシラン化合物として施与されていてもよい。この場合においてもその後のカーボンブラックの付着に影響することはない。
表面処理剤を均一に第1の金属酸化物粒子の表面に被覆するためには、第1の金属酸化物粒子の凝集を予め粉砕機を用いて解きほぐしておくことが好ましい。
第1の金属酸化物粒子とカーボンブラック、表面処理されている第1の金属酸化物粒子とカーボンブラック、第1の金属酸化物粒子と表面処理剤との混合攪拌をするための機器としては、粉体層にせん断力を加えることのできる装置が好ましく、殊に、せん断、へらなで及び圧縮が同時に行える装置、例えば、ホイール型混練機、ボール型混練機、ブレード型混練機、ロール型混練機を用いることができ、ホイール型混練機がより効果的に使用できる。また、混合攪拌後、必要に応じて更に乾燥乃至熱処理を行ってもよい。
更に、第1の金属酸化物粒子の表面処理に関しては、第1の金属酸化物粒子と表面処理剤とを適当な溶剤中で混合、分散し、処理剤を粒子表面に付着させる方法を挙げることができる。分散の手段としては、ボールミル、サンドミル、ペイントシェーカー、ダイノミル及びパールミル等の従来公知の溶液分散手段を用いることができる。次に、この分散溶液から溶剤を除去し、粒子表面に表面処理剤を固着させる。また、必要に応じて、この後、更に熱処理を行ってもよい。また、混合溶液中には反応促進のための触媒を添加することができる。更に、必要に応じて表面処理後の粒子に更に粉砕処理を施してもよい。
第1の金属酸化物粒子は、粒子表面を予め、アルミニウムの水酸化物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸化物より選ばれる少なくとも1種からなる中間被覆物で被覆しておいてもよい。これにより、第1の金属酸化物粒子表面とカーボンブラックとの付着力を強めることが可能な場合も存在するからである。
中間被覆物による被覆量は、0.01〜20質量%が好ましい。0.01質量%未満である場合には、カーボンブラックの付着向上効果が得られないことがある。20質量%を超えても、付着力向上効果が得られないことから、それ以上に被覆する意味がない。
(b)第2の金属酸化物粒子について;
続いて、第2の金属酸化物粒子について説明する。第2の金属酸化物粒子は前述した第1の金属酸化物粒子と同様の金属酸化物粒子を使用することができる。
第2の金属酸化物粒子の平均粒子径は1nm〜1000nmが好ましい。より好ましくは5〜500nmである。この範囲内とすることで、前述した構造による最外層の補強効果を十分に発揮することができ、また第2の金属酸化物粒子同士の凝集を抑え最外層中のバインダーへの分散性を良好に制御することができる。
第2の金属酸化物粒子は、表面処理されていることが好ましい。表面処理としては、前述した第1の金属酸化物粒子と同様の表面処理方法に加え、脂肪酸、脂肪酸金属塩による表面処理を挙げることができる。
脂肪酸としては、飽和又は不飽和の脂肪酸を用いることができ、炭素数12〜22のものが好ましい。脂肪酸金属塩としては、飽和又は不飽和の脂肪酸と金属との塩類を用いることができ、炭素数12〜18の脂肪酸とマグネシウム、カルシウム、ストロンチウム及びバリウム等のアルカリ土類金属、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属及び亜鉛、アルミニウム、銅、鉄、鉛、スズ等の金属との塩類を挙げることができる。
本発明における金属酸化物の表面処理は、とりわけ、アルコキシシラン、ポリシロキサン等の有機ケイ素化合物による表面処理が好ましい。これは、これらの化合物は、金属酸化物粒子表面への付着性が良好であると同時に、金属酸化物粒子のゴム、樹脂、エラストマー等に対する分散性をより向上させる効果がある。また、複合粒子に使用する表面処理剤と類似する化合物にすることで、複合粒子間に第2の金属酸化物粒子を存在させるための分散をより容易にすることができる。
表面処理剤の被覆量は、0.01〜15.0質量%が好ましい。この範囲内であれば、第2の金属酸化物粒子に十分な分散性を付与することができる。より好ましくは0.02〜12.5質量%、最も好ましくは0.03〜10.0質量%である。
第2の金属酸化物粒子の比誘電率は30以上であることがより好ましい。これは、前述した、最外層の比誘電率を、より増大させることが好ましいからである。従って、第2の金属酸化物粒子は、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸バリウムより選ばれることがより好ましいといえる。
第2の金属酸化物粒子の表面処理は、前記第1の金属酸化物粒子と同様の方法で行うことができる。
それらの方法の中でも、特に、溶液中への混合及び分散方法が好ましい。この方法によれば、第2の金属酸化物粒子表面を強固にかつ均一に処理することが可能になり、第2の金属酸化物粒子の分散性を非常に向上させることができ、前述した本発明で目的とするところの最外層構造を得ることが容易になる。
また、第1及び第2の金属酸化物粒子のいずれか一方、或いは両方は、絶縁性粒子であることが好ましい。ここで絶縁性粒子とは、1×10Ω・cmより大きい体積抵抗率を有するものを指す。金属酸化物粒子が絶縁性であることにより、カーボンブラックによる導電経路を制御することができ、本発明に係る目的とするところの最外層構造において、より高い比誘電率を達成することができる。
最外層に於ける複合粒子と第2の金属酸化物粒子との質量比(複合粒子第2の金属酸化物粒子)は、0.01〜100が好ましく、より好ましくは0.1〜50、更に好ましくは、0.2〜15、そして、特に好ましくは、0.2〜3.9である。本範囲であれば、本発明で目的とするところの最外層構造を得ることが容易になり、Cセット画像に対するより高い効果を発揮することができる。
最外層に於ける複合粒子と第2の金属酸化物粒子との総量の最外層バインダーに対する割合は5〜200質量%が好ましく、より好ましくは、10〜150質量%である。この範囲であれば、本発明で目的とするところの最外層構造を得ることが容易になり、Cセット画像に対するより高い効果を発揮することができる。
(c)帯電部材について;
(c−1)層構成;
本発明にかかる帯電部材は、支持体上に被覆層を1層以上有する帯電部材である。
被覆層としては、従来から知られている様々な構成の層を採用することができ、例えば、樹脂や、ゴム(天然ゴム(加硫処理をしてもよい)や合成ゴム)、熱可塑性エラストマー等のエラストマーを結着材料として用いた層等が挙げられる。
樹脂としては、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ブチラール樹脂、スチレン−エチレン・ブチレン−オレフィン共重合体(SEBC)及びオレフィン−エチレン・ブチレン−オレフィン共重合体(CEBC)等が挙げられる。
合成ゴムとしては、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、シリコーンゴム、ウレタンゴム、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリルゴム及びエピクロルヒドリンゴム等が挙げられる。
熱可塑性エラストマーとしては、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、フッ素ゴム系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー、エチレン酢酸ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマー及び塩素化ポリエチレン系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
これらは、単独で用いてもよいし、混合又は共重合体として2種以上用いてもよい。
また、本発明の帯電部材には、支持体上に被覆層を2層以上設けること好ましい。
帯電部材の支持体としては、導電性を有していればよく(導電性支持体)、例えば、鉄、銅、ステンレス、アルミニウム、ニッケル等の金属性(合金製)の支持体を用いることができる。また、これらの表面に耐傷性付与を目的として、導電性を損なわない範囲で、メッキ処理等を施してもよい。
帯電部材を電子写真感光体に接触配置して使用する場合、その電子写真感光体に対する給電を良好にする、また、その電子写真感光体と帯電部材との均一密着性を良好にするという観点から、帯電部材の最外層となる被覆層(以下、「表面被覆層」ともいう)と支持体との間には、導電性及び弾性を有する導電性弾性層となる被覆層(以下、「弾性被覆層」ともいう)を設けることが好ましい。
帯電部材の層構成の例を図5〜12に示す。
図5に示す帯電部材は、ローラー形状の帯電部材であり、支持体aと、支持体a上に形成された表面被覆層cとを有する1層構成の帯電部材である。
図6に示す帯電部材は、ローラー形状の帯電部材であり、支持体aと、支持体a上に形成された弾性被覆層bと、弾性被覆層b上に形成された表面被覆層cとを有する2層構成の帯電部材である。
図7に示す帯電部材は、ローラー形状の帯電部材であり、図6に示す帯電部材の弾性被覆層bと表面被覆層cとの間に抵抗層(被覆層の1種)dを設けた3層構成の帯電部材である。
図8に示す帯電部材は、ローラー形状の帯電部材であり、図7に示す帯電部材の抵抗層dと表面被覆層cとの間に第2の抵抗層(被覆層の1種)eを設けた4層構成の帯電部材である。
なお、本発明の帯電部材は、ローラー形状が好ましいが、図9〜12に例示するように、シート形状、ベルト形状、フィルム形状、板状等の様々な形状を採ることも可能であり、また、それらの形状の帯電部材はそれぞれ、上述の層構成を採ることが可能である。以下、ローラー形状の帯電部材を「帯電ローラー」ともいう。
ローラー形状の帯電部材、すなわち帯電ローラーは、帯電ローラーと電子写真感光体との均一密着性を良好にするという観点から、長手方向中央部が一番太く、長手方向両端部にいくほど細くなる形状、いわゆるクラウン形状に形成することが好ましい。帯電ローラーは、一般的に、支持体の両端部に所定の押圧力が与えられて電子写真感光体と当接することになり、押圧力が長手方向中央部において小さく、長手方向両端部にいくほど大きくなるため、中央部に対応する画像と両端部に対応する画像との間に濃度ムラが生じてしまう場合がある。クラウン形状はこれを防止するために形成される。クラウン量は、中央部の外径と中央部から90mmは離れた位置の外径との差が、30〜200μmが好ましい。30μmより小さいと、端部が当接して中央部が当接しないという状態が発生し易くなる。200μmより大きい場合、逆に、中央部は当接するが、端部が当接しないという状態が発生し易くなる。
帯電部材を電子写真感光体やその他の部材に接触配置して使用する場合、その電子写真感光体やその他の部材を汚染しないようにするためには、表面被覆層には、離型性の高い材料を用いることが好ましい。その観点から、表面被覆層の結着材料としては、樹脂を用いることが好ましい。
(c−2)最外層が含んでいてもよい他の粒子について;
本発明では、前記複合粒子及び第2の金属酸化物粒子の他に、その他の粒子を本発明の効果を損なわない程度に含有することも可能である。
表面被覆層に含有させ得る粒子は、導電性粒子と絶縁性粒子とに大別される。本発明において、「導電性粒子」とは、体積抵抗率が1×10Ω・cm以下の粒子を意味し、「絶縁性粒子」とは、前述したように、体積抵抗率が1×10Ω・cmを超える粒子を意味する。
導電性粒子としては、例えば、カーボンブラック、酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、銅、アルミニウム及びニッケル等の粒子が挙げられる。
絶縁性粒子としては、高分子化合物の粒子、例えば、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、(メタ)アクリル樹脂、スチレン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、オレフィン樹脂、エポキシ樹脂、及び、これらの共重合体や変性物、誘導体等の樹脂粒子や、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、シリコーンゴム、ウレタンゴム、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、エピクロルヒドリンゴム等のゴム粒子や、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、フッ素ゴム系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー、エチレン酢酸ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマー及び塩素化ポリエチレン系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマー粒子が挙げられる。
また、その他の絶縁性粒子としては、硫酸バリウム、二硫化モリブデン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、タルク、カオリンクレー、マイカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ゼオライト、ウオラストナイト、けいそう土、ガラスビーズ、ベントナイト、モンモリロナイト、アスベスト、中空ガラス球、黒鉛、もみ殻、有機金属化合物及び有機金属塩等の粒子を挙げることができる。また、フェライト、マグネタイト、ヘマタイト等の酸化鉄類や活性炭等も使用することができる。フェライトとしては、例えば、“電子材料シリーズフェライト”(丸善(株),平成9年10月10日発行,第5刷)等に記載されているフェライトが挙げられ、具体的には、MnFe、FeFe、ZnFe、MgFe及びγ−Fe等を例示することができる。活性炭としては、例えば、“新版活性炭−基礎と応用”((株)講談社,1992年10月20日発行,第2刷)等に記載されている活性炭等が挙げられ、具体的には、木材系活性炭、ヤシ殻系活性炭、及び石炭系活性炭等を例示することができる。
これらの粒子は個々に使用しても、2種以上を併用してもよく、また、表面処理、変性、官能基や分子鎖の導入、コーティング等を施したものでもよい。粒子の分散性を高めるために、粒子には表面処理を施すことが好ましい。この場合、粒子の表面処理は、前記第1の金属酸化物粒子及び/又は第2の金属酸化物粒子について記載した表面処理方法を用いて行うことができる。
(c−3)最外層の物性等について;
表面被覆層の体積抵抗率は、23℃/50%RH環境下で102Ω・cm以上1016Ω・cm以下であることが好ましい。表面被覆層の体積抵抗率が本範囲よりも大きくなると、帯電部材としての帯電能力が低下し、Cセット画像がより目立ち易くなるという弊害や、帯電を均一に行う能力(帯電均一性)が低下してしまうという弊害が発生する。一方、表面被覆層の体積抵抗率が本範囲よりも小さいと、被帯電体である電子写真感光体の表面のピンホールや傷等によるリークを防止することが困難になる。
また、表面被覆層には、帯電部材の表面の離型性を向上させるために、離型剤を含有させてもよい。表面被覆層に離型剤を含有させることで、帯電部材の表面の汚れ付着を低減することができるので、帯電部材の耐久性が向上し、また、帯電部材と電子写真感光体との間での相対移動が滑らかになるので、スティックスリップのような不規則な移動状態の発生を減らし、その結果、帯電部材の表面の不規則な摩耗の発生や異音の発生等を改善することができる。なお、表面被覆層に含有させる離型剤が液体の場合、表面被覆層を形成するときにレベリング剤としても作用する。
離型剤には、低表面エネルギーを利用するものと摺動性を利用するものが多く、また、その性状も液体であったり、固体であったりする。固体で摺動性を有するもの(固体潤滑剤)としては、例えば固体潤滑ハンドブック(発行所;株式会社幸書房、昭和57年3月15日発行の二版)に記載の物質、具体的には、黒鉛、フッ化黒鉛、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、窒化ホウ素及び一酸化鉛等の金属酸化物を使用することができる。
また、珪素やフッ素を分子内に含む化合物がオイル状、あるいは固体状(離型性樹脂あるいはその粉末、ポリマーの一部に離形性を有する部位を導入したもの)で使用される。更には、ワックスや高級脂肪酸(その塩やエステル、その他誘導体を含む)も挙げることができる。
(c−4)弾性層について;
弾性被覆層は、上述のとおり、導電性及び弾性を有する被覆層である。
弾性被覆層に弾性を与えるためには、その結着材料として、前述したゴムや熱可塑性エラストマー等のエラストマーを用いることが好ましく、その中でも、帯電部材と電子写真感光体との十分なニップを確保する観点から、ゴム、特には合成ゴムを用いることがより好ましい。
合成ゴムの中でも、抵抗が均一であるという観点から、極性ゴムを用いるのが好ましい。極性ゴムとしては、NBR、エピクロルヒドリンゴムを挙げることができる。特に、弾性被覆層の抵抗制御及び硬度制御を行い易いということを考慮して、エピクロルヒドリンゴムを主成分とするゴムを用いるのがより好ましいといえる。
エピクロルヒドリンゴムに関して、GECO(エチレンオキサイド(以下EOとも称す)−エピクロルヒドリン(以下EPとも称す)−アリルグリシジルエーテル(以下AGEとも称す)共重合体)やECO(エチレンオキサイド−エピクロルヒドリン共重合体)ではEOの共重合比率を変化させ、体積抵抗率を制御することが知られている。
本発明において、弾性被覆層の体積抵抗率は、23℃/50%RH環境下で10〜108Ω・cmであることが好ましい。弾性被覆層の体積抵抗率が108Ω・cmより大きいと、帯電部材の帯電能力が低くなり、Cセット画像が目立ち易いという弊害が発生する。一方、弾性被覆層の体積抵抗率が10Ω・cmより小さいと、帯電部材全体の抵抗が小さくなり過ぎてしまい、被帯電体である電子写真感光体の表面のピンホールや傷等によるリークを防止することが困難になる。
弾性被覆層の体積抵抗率を上記に収めるため、エピクロルヒドリンゴム中のエチレンオキサイドユニット含有量は55〜85mol%であることが好ましい。55mol%より少ないと上記体積抵抗値を実現することができない。一方、85mol%より多いと、弾性被覆層のCセット変形量が大きくなるという弊害が発生するだけでなく、ポリマーが結晶化し易くなり、電気抵抗値が却って高くなるという問題も生じる。
弾性被覆層は硬度等を調整するため、添加剤(軟化油、可塑剤等)や、上記の粒子を添加してもよい。
弾性被覆層を帯電部材の表面層、すなわち表面被覆層としてもよいが、この弾性被覆層に軟化油や可塑剤等の添加剤を用いる場合は、帯電部材の表面への添加剤のブリードアウトを防止するために、この弾性被覆層は帯電部材の表面層でないことが好ましい。
弾性被覆層の導電性(体積抵抗率)は、上記の結着材料中にカーボンブラック、導電性金属酸化物、アルカリ金属塩、アンモニウム塩等の導電剤を適宜添加し、調整することができる。
エピクロルヒドリンゴム成分を使用する場合、特に、アンモニウム塩を用いることが好ましい。ただし、エピクロルヒドリンゴム成分を使用する場合は、前述の通り、体積抵抗率はエチレンオキサイドユニット含有量によって大きく左右される。
また、弾性被覆層に添加剤を用いる場合、添加剤のブリードアウト防止を強化する観点から、弾性被覆層と表面被覆層との間に、1層又は2層以上の抵抗層(被覆層の1種)を設けてもよい。抵抗層の体積抵抗率は、102Ω・cm以上1016Ω・cm以下であることが好ましい。体積抵抗率が本範囲よりも大きくなると、帯電部材としての帯電能力が低下し、Cセット画像がより目立ち易くなるという弊害や、帯電を均一に行う能力(帯電均一性)が低下してしまうという弊害が発生する。一方、体積抵抗率が本範囲よりも小さいと、被帯電体である電子写真感光体の表面のピンホールや傷等によるリークを防止することが困難になる。このように抵抗層の体積抵抗率を調整するために、抵抗層に1種又は2種以上の導電性粒子を含有させてもよい。
また、上記の表面被覆層、弾性被覆層及び抵抗層には、上述の各種材料以外にも、様々な機能を有する材料を適宜含有させることができる。このような材料としては、例えば、2−メルカプトベンズイミダゾール等の老化防止剤や、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛等の潤滑剤等が挙げられる。
また、上記の表面被覆層、弾性被覆層及び抵抗層の各表面には、表面処理を施してもよい。表面処理としては、例えば、UVや電子線を用いた表面加工処理や、化合物等を表面に付着及び/又は含浸させる表面改質処理等が挙げられる。
上記の表面被覆層、弾性被覆層及び抵抗層の形成は、例えば、予め所定の膜厚に形成されたシート形状又はチューブ形状の層を接着又は被覆することによって行ってもよいし、静電スプレー塗布やディッピング塗布等の塗布法によって行ってもよい。また、押し出し成形によって大まかに層形成した後、研磨等によって層の形状を整える方法であってもよいし、型内で所定の形状に材料を硬化、成形する方法であってもよい。
塗布法によって層を形成する場合、塗布液に用いられる溶剤としては、結着材料を溶解することができる溶剤であればよく、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類や、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類や、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類や、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類や、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類や、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類や、クロロホルム、塩化エチレン、ジクロルエチレン、四塩化炭素、トリクロロエチレン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素や、ベンゼン、トルエン、キシレン、リグロイン、クロロベンゼン及びジクロロベンゼン等の芳香族化合物等が挙げられる。
粒子を被覆層材料に分散する方法としては、被覆層材料と粒子とを、リボンブレンダー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサー又はスーパーミキサー等により混合する、あるいは、バンバリーミキサーや加圧ニーダー等で混合する等、既存の方法を用いることができる。
また、塗布法によって層を形成する場合は、溶剤、被覆層材料及び粒子を混合し、前述した、ボールミル、サンドミル、ペイントシェーカー、ダイノミル及びパールミル等の従来公知の溶液分散手段を用いることができる。
(物性の測定方法)
マイクロ硬度の測定:
本発明における帯電部材表面のマイクロ硬度の測定は、マイクロ硬度計MD−1型(高分子計器株式会社製)を用い、23℃/55%RH環境においてピークホールドモードで測定する。より詳しくは帯電部材を金属製の板の上に置き、金属製のブロックを置いて帯電部材が転がらないように簡単に固定し、金属板に対して垂直方向から帯電部材の中心に正確に測定端子を押し当て5秒後の値を読み取る。これを帯電部材のゴム端部から30〜40mmの位置の両端部及び中央部のそれぞれ周方向に3箇所ずつ、計9箇所を測定し、得られた測定値の平均値をマイクロ硬度とする。
平均粒径の測定:
本発明の粒子の平均粒径は二次凝集した粒子を除いた1次粒子のみを透過型電子顕微鏡(TEM)にて100個観察し、その投影面積を求め、得られた面積の円相当径を計算して体積平均粒径を求め、それを平均粒径とした。
体積抵抗率の測定:
本発明において、上記の表面被覆層、弾性被覆層及び抵抗層等の体積抵抗率は、23℃/50%RH環境下で、三菱化学(株)製の抵抗測定装置Hiresta−UPを用い、測定対象試料に250Vの電圧を30秒間印加して測定した。被覆層がゴムや樹脂等の固形である場合の体積抵抗率の測定ついては、固形材料を用いて2mm厚の膜を成形し、これを測定対象試料とした。溶液を塗布して形成する被覆層の体積抵抗率の測定については、塗布液をアルミニウムシート上にコーティングし、これを測定対象試料とした。
また、本発明において、粒子の体積抵抗率の測定は、粒子が絶縁性領域である場合は、23℃/50%RH環境下で、三菱化学(株)製の抵抗測定装置Hiresta−UPを用い、測定対象試料に該測定対象試料の抵抗に合わせた電圧(測定する抵抗領域によって好適な印加電圧が異なる)を印加して測定した。また、導電性領域の体積抵抗率の測定は、23℃/50%RH環境下で、三菱化学(株)製の抵抗測定装置Loresta−GPを用い、測定対象試料に10Vの電圧を印加して測定した。
測定対象試料の使用量は、体積抵抗率測定対象の粒子の密度等を考慮して適宜調整することが好ましく、例えば、カーボンブラックを測定する場合は、それを0.5g用い、そして、これらに10.1MPa(102kgf/cm)の圧力をかけて圧縮したものを測定対象試料とした。
図1に、電子写真感光体及び本発明の帯電部材を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の一例の概略構成を示す。
図1において、1は円筒状の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。
回転駆動される電子写真感光体1の表面は、帯電部材(図1ではローラー形状の帯電部材:帯電ローラー)3により、正又は負の所定電位に均一に帯電され、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光等の露光手段(不図示)から出力される露光光(画像露光光)4Lを受ける。こうして電子写真感光体1の表面に、目的の画像に対応した静電潜像が順次形成されていく。
電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、現像手段5の現像剤に含まれるトナーにより現像されてトナー像となる。次いで、電子写真感光体1の表面に形成担持されているトナー像が、転写手段(転写ローラー等)6からの転写バイアスによって、転写材供給手段(不図示)から電子写真感光体1と転写手段6との間(当接部)に電子写真感光体1の回転と同期して取り出されて給送された転写材(紙等)Pに順次転写されていく。
トナー像の転写を受けた転写材Pは、電子写真感光体1の表面から分離されて定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより画像形成物(プリント、コピー)として装置外へプリントアウトされる。
トナー像転写後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段(クリーニングブレード等)7によって転写残りの現像剤(トナー)の除去を受けて清浄面化された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、電子写真感光体1の表面をクリーニング手段7によって清浄面化した後、帯電部材3による帯電の前に前露光光による電子写真感光体1の表面の除電処理を行ってもよい。
上述の電子写真感光体1、帯電部材3、現像手段5、転写手段6及びクリーニング手段7等の構成要素のうち、複数のものを容器に納めてプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンター等の電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。図1では、電子写真感光体1、帯電部材3、現像手段5及びクリーニング手段7とを一体に支持してカートリッジ化して、電子写真装置本体のレール等の案内手段10を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ9としている。
電子写真感光体1には、例えば、円筒状の支持体(導電性支持体)と該支持体上に形成された無機感光材料及び/又は有機感光材料を含有する感光層とを有する電子写真感光体等を採用することができる。また、電子写真感光体1は、電子写真感光体の表面を所定の極性、電位に帯電させるための電荷注入層を更に有していてもよい。
現像手段3が採る現像方式としては、例えば、ジャンピング現像方式、接触現像方式、及び磁気ブラシ方式等が挙げられる。カラー画像(フルカラー画像)を出力する電子写真装置の場合は、トナーの飛散を防止する目的より、特に接触現像方式が好ましい。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例10、13、15、16及び18は参考例である。


(実施例1)
(複合粒子の作製)
第1の金属酸化物粒子としてのシリカ粒子(平均粒子径17nm、体積抵抗率1.8×1012Ω・cm)7.0kgに、メチルハイドロジェンポリシロキサン140gを、エッジランナーを稼動させながらシリカ粒子に添加し、588N/cm(60Kg/cm)の線荷重で30分間混合攪拌を行った。なお、この時の攪拌速度は22rpmで行った。
次に、カーボンブラック粒子(粒子径15nm、体積抵抗率2.0×10Ω・cm)7.0kgを、エッジランナーを稼動させながら10分間かけて添加し、更に588N/cm(60Kg/cm)の線荷重で60分間混合攪拌を行い、メチルハイドロジェンポリシロキサン被覆にカーボンブラックを付着させた後、乾燥機を用いて80℃で60分間乾燥を行い、複合粒子を得た。なお、この時の攪拌速度は22rpmで行った。
得られた複合粒子は、平均粒径が15nm、体積抵抗率は1.8×10Ω・cmであった。
(第2の金属酸化物粒子の作製)
ルチル型酸化チタン粒子(平均粒径15nm、体積抵抗率5.2×1010Ω・cm)を1000g、表面処理剤としてイソブチルトリメトキシシランを110g、溶媒としてトルエンを3000g、それぞれ配合してスラリーを調製した。
このスラリーを、攪拌機で30分間混合した後、有効内容積の80%が平均粒子径0.8mmのガラスビーズで充填されたビスコミルに供給し、温度35±5℃で湿式解砕処理を行った。
湿式解砕処理して得たスラリーは、ニーダーを用いて減圧蒸留(バス温度:110℃、製品温度:30〜60℃、減圧度:約100Torr)によりトルエンを除去し、120℃で2時間表面処理剤の焼付け処理を行った。焼付け処理後の粒子は、室温まで冷却した後、ピンミルを用いて粉砕した。
(帯電部材の作製)
直径6mm、長さ252.5mmのステンレス製芯金を支持体(導電性支持体)として使用した。これに、熱硬化性接着剤(メタロックU−20 東洋化学研究所製)を塗布し、乾燥させた。
次に、エピクロルヒドリンゴム三元共重合体(エチレンオキサイド(EO)/エピクロルヒドリン(EP)/アリルグリシジルエーテル(AGE)=73mol%/23mol%/4mol%)100質量部、炭酸カルシウム45質量部、脂肪族ポリエステル系可塑剤8質量部、ステアリン酸亜鉛1質量部、2−メルカプトベンズイミダゾール(MB)(老化防止剤)0.5質量部、酸化亜鉛5質量部、下記式で示される四級アンモニウム塩2質量部、
Figure 0005183018
及び、カーボンブラック(平均粒径:50nm、体積抵抗率:0.1Ω・cm)5質量部を、50℃に調節した密閉型ミキサーにて10分間混練して、原料コンパウンドを調製した。
この原料コンパウンドに、上記エピクロルヒドリンゴム三元共重合体に対して1質量%の硫黄(加硫剤)、1質量%のジベンゾチアジルスルフィド(DM)(加硫促進剤)及び0.5質量%のテトラメチルチウラムモノスルフィド(TS)を添加し、20℃に冷却した二本ロール機にて10分間混練して、弾性被覆層用コンパウンドを得た。
接着剤を塗布した支持体上に、この弾性被覆層用コンパウンドを押し出し成型機にて押し出し、外径が約10mmのローラー形状になるように成型し、次いで、電気オーブンの中で160℃で1時間、加硫及び接着剤の硬化を行った後、ゴムの両端部を突っ切り、外径が8.5mmのローラー形状になるように表面の研磨加工を行って、支持体上に弾性被覆層を形成した。このときクラウン量(中央部と中央部から90mm離れた位置の外径の差)は110μmとした。
続いて、カプロラクトン変性アクリルポリオール溶液(商品名:プラクセルDC2016、ダイセル化学工業(株)製)にメチルイソブチルケトンを加え、固形分が20質量%となるように調整した。
この溶液500質量部に対して更に、
前記複合粒子 30質量部
前記第2の金属酸化物粒子 25質量部
変性ジメチルシリコーンオイル 0.08質量部
(商品名;SH28PA、東レ・ダウコーニングシリコーン(株)製)
ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)とイソホロンジイソシアネート(IPDI)の各ブタノンオキシムブロック体の1:1の混合物
98.84質量部
を入れ混合溶液を調整した。
このとき、HDIとIPDIの混合物は、「NCO/OH=1.0」となるように添加した。HDIとIPDIについては、HDI(商品名:デュラネートTPA−B80E、旭化成工業製)、IPDI(商品名:ベスタナートB1370、デグサ・ヒュルス製)を使用した。
450mLのガラス瓶に上記混合溶液280gと、メディアとしての平均粒径0.8mmのガラスビーズ200gを混合し、ペイントシェーカー分散機を用いて12時間分散し、分散溶液を得た。
この表面被覆層用塗布液を、弾性被覆層上に1回ディッピング塗布し、常温で30分間以上風乾し、次いで80℃に設定した熱風循環乾燥機にて1時間乾燥し、更に160℃に設定した熱風循環乾燥機にて1時間乾燥して、弾性被覆層上に表面被覆層を形成した。なお、ディッピング塗布浸漬時間は9秒、ディッピング塗布引き上げ速度は、初期速度が20mm/s、最終速度は2mm/sになるように調節し、20mm/sから2mm/sの間は、時間に対して直線的に速度を変化させた。
このようにして、支持体上に弾性被覆層及び表面被覆層(最外層)をこの順に有する帯電部材を作製した。
本実施例における帯電部材表面のマイクロ硬度の測定は、前述した方法を用いて行った。結果を表3に示す。
<Cセット評価>
作製した帯電部材を電子写真感光体ドラムに当接させ、40℃/95%RH環境に1ヶ月間放置する。本発明で用いた感光体ドラムは直径24mmのドラムであり、帯電部材を、一端で0.5kg重、両端で合計1kg重のバネによる押し圧力で当接させた。
40℃/95%RH環境に1ヶ月間放置後は、前記環境から感光体ドラムと当接した状態で、帯電部材を取り出し、23℃/50%RH環境に6時間放置した。その後、当接させた帯電部材を、図2に示す構成の電子写真装置(帯電部材には直流電圧のみの電圧を印加)に装着し、23℃/50%RH環境下において、ハーフトーン画像を出力し、その出力画像を評価した。
40℃/95%RH環境は、通常の電子写真装置の使用環境より、温度・湿度ともに高く、帯電部材の変形量が大きくなる。従って、本条件でCセット画像が発生しなければ、長期に亘ってCセットに関する問題が発生しない、ということができる。
なお、帯電部材による帯電後の電子写真感光体の表面電位(暗部電位)VDは−400Vとなるように調節した。また、プロセススピードは94mm/sとした。
出力画像の評価結果を表3に示す。表3中、評価基準は下記のとおりである。
ランク1:非常に良い
ランク2:良い
ランク3:ハーフトーン画像にわずかにスジ状の画像欠陥がある
ランク4:スジの画像欠陥が目立つ
以下に、図2に示す構成の電子写真装置について説明する。
151は円筒状の電子写真感光体であり、本実施例では直径24mmとした。この電子写真感光体151は、矢印方向に所定のプロセススピード(94mm/s)で回転駆動する。
153は帯電ローラーである。S1は帯電ローラーに直流電圧のみの電圧を印加するための電源である。帯電ローラー153は、電子写真感光体151に所定の押圧力(バネの圧力)で接触(当接)させてあり、電子写真感光体151の回転に対して順方向に回転駆動する(一端で0.5kg重、両端で合計1kg重のバネによる押圧力で当接させている)。この帯電ローラー153には、電源S1から直流電圧−1000Vのみの電圧が印加されることで、電子写真感光体151の表面が−400Vに帯電(接触帯電)される。
154は露光手段としてのレーザービームスキャナーである。帯電ローラー153により−400V(暗部電位)に帯電された電子写真感光体151の表面に、レーザービームスキャナー154により目的の画像情報に対応した露光(画像露光)光154Lが照射されることにより、電子写真感光体の表面の電位−400Vが選択的に−150V(明部電位)に減衰して、電子写真感光体151の表面に静電潜像が形成される。
155は現像装置(現像手段)である。現像装置155は、トナー(現像剤)を収容する現像容器の開口部に配設されてトナーを担持搬送するトナー担持体155aと、収容されているトナーを撹拌する撹拌部材155bと、トナー担持体155aのトナーの担持量(トナー層厚)を規制するトナー規制部材155cとを有している。現像装置155は、電子写真感光体151の表面に形成された静電潜像の明部電位部に、−350V(現像バイアス)に帯電しているトナー(ネガトナー)を選択的に付着させて、静電潜像をトナー像として可視化する。トナー担持体155aは、電子写真感光体と接触しているか、又は、担持するトナーを介して電子写真感光体と接触している。つまり、接触現像方式を採る。そのため、トナー担持体155aは、接触安定性の確保という面から、支持体(導電性支持体)上に導電性を付与した弾性被覆層(ゴム製)を設けた現像ローラーとしている(もちろん、弾性被覆層には弾性材料として発泡体を用いてもよいし、また、弾性被覆層上に別途層を設けたり、表面処理(UVや電子線を用いた表面加工処理や、化合物等を表面に付着及び/又は含浸させる表面改質処理等)を施したりしてもよい)。
156は転写手段としての転写ローラーである。転写ローラー156は、支持体(導電性支持体)上に中抵抗に調整された弾性樹脂層を被覆してなる転写ローラーである。転写ローラー156は、電子写真感光体151に所定の押圧力で接触させて転写ニップ部を形成させてあり、電子写真感光体151の回転と順方向に電子写真感光体151の回転周速度とほぼ同じ周速度で回転する。また、電源S2からトナーの帯電極性とは逆極性の転写電圧が印加される。転写ニップ部に対して不図示の給紙機構部から転写材Pが所定のタイミングで給紙され、その転写材Pの裏面が転写電圧を印加した転写ローラー156により、トナーの帯電極性とは逆極性に帯電されることにより、転写ニップ部において電子写真感光体151の表面のトナー像が転写材Pの表面(電子写真感光体151に対向する面)に静電転写される。
転写ニップ部でトナー像の転写を受けた転写材Pは、電子写真感光体151の表面から分離されて、不図示の定着装置へ導入されて、トナー像の定着を受けて画像形成物として出力される(両面画像形成モードや多重画像形成モードの場合は、この画像形成物が不図示の再循環搬送機機構に導入されて転写ニップ部へ再導入される。)。
電子写真感光体151の表面の転写残りのトナーは、不図示のクリーニングブレードによって回収される。この後、電子写真感光体151は再び帯電ローラー153によって表面が帯電され、繰り返し画像形成を行う。
<Cセット変形量の測定>
前記画像出力を行うとともに、帯電部材のCセット変形量を測定した。
帯電部材がローラー状の帯電ローラーである場合、支持体(導電性支持体)を軸として、ローラーの半径を測定し、当接部でもっとも変形している部分と当接していない部分の半径の差をもって、Cセット変形量とする。測定は、東京光電子工業(株)の全自動ローラー測定装置を用い、帯電ローラーを1°ずつ回転させ360°測定を行う。当接部の半径でもっとも小さい値と、当接していない部分の半径との差をもってCセット変形量とした。本測定をローラー長手中央部と中央部から90mmの位置の3点で測定し、最も大きな変形量を、帯電部材の変形量とした。
また、帯電部材が、シート状、ベルト状、板状等である場合には、(株)小坂研究所製の表面粗さ測定器SE−3400を用いて行った。詳しくは、本測定器により、JIS B0601表面粗さの規格における10点平均表面粗さの測定と同条件で、当接部が測定できるように8mmの長さを測定し、当接部で最も変形している部分と、当接していない部分との差をもって、Cセット変形量とした。本測定を帯電部材長手中央部と中央部から90mmの位置の3点で行い、最も大きな変形量を、帯電部材の変形量とした。Cセット変形量の結果を表3に示す。
(実施例2〜11)
第1の金属酸化物粒子、表面処理剤材料、表面処理剤添加量、カーボンブラックの種類、カーボンブラックの添加量を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして複合粒子を作製した。作製した複合粒子の平均粒径及び体積抵抗率を表1に示す。
金属酸化物粒子の表面処理剤添加量を表2に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして第2の金属酸化物粒子を作製した。
表面被覆層(最外層)作製に使用する複合粒子及び第2の金属酸化物粒子の質量部を表3に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして帯電部材を作製した。複合粒子及び第2の金属酸化物粒子は上記の方法で作製したものを用いた。
作製した帯電部材において、帯電部材表面のマイクロ硬度測定、Cセット変形量測定及びCセット画像評価を実施例1と同様の方法で行った。結果を表3に示す。
(実施例12)
第1の金属酸化物粒子を以下の要領で作製した。
ルチル型酸化チタン(平均粒径50nm)を20kgと水150Lとを用いて、酸化チタン粒子粉末を含むスラリーを得た。得られた酸化チタン粒子粉末を含む分散スラリーのpH値を、水酸化ナトリウム水溶液を用いて10.5に調整し、次いで、該スラリーに水を加えスラリー濃度を98g/Lに調整した。このスラリー150lを加熱して60℃とし、このスラリー中に1.0mol/LのNaAlO溶液5444mL(酸化チタン粒子に対して0.5質量%に相当する)を加え、30分間保持した後、酢酸を用いてpH値を7.5に調整した。この状態で30分間保持した後、濾過、水洗、乾燥、粉砕して粒子表面がアルミニウムの水酸化物により被覆されているルチル型酸化チタン粒子を得た。体積抵抗率は1.1×1010Ω・cmであった。
上記粒子を第1の金属酸化物粒子とし、表面処理剤材料と表面処理剤添加量、カーボンブラックの種類、カーボンブラックの添加量を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして複合粒子を作製した。作製した複合粒子の平均粒径及び体積抵抗率を表1に示す。
第2の金属酸化物粒子においては、実施例1と同様にして作製した。
表面被覆層(最外層)作製に使用する複合粒子及び第2の金属酸化物粒子の質量部を表3に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして帯電部材を作製した。複合粒子及び第2の金属酸化物粒子は上記の方法で作製したものを用いた。
作製した帯電部材において、帯電部材表面のマイクロ硬度測定、Cセット変形量測定及びCセット画像評価を実施例1と同様の方法で行った。結果を表3に示す。
(実施例13)
第1の金属酸化物粒子、カーボンブラックの種類、カーボンブラックの添加量を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして複合粒子を作製した。本実施例においては、第1の金属酸化物粒子の表面処理を行わなかった。作製した複合粒子の平均粒径及び体積抵抗率を表1に示す。
第2の金属酸化物粒子は、表2に示す材料を用い、表面処理を行わなかった。
表面被覆層(最外層)作製に使用する複合粒子及び第2の金属酸化物粒子の質量部を表3に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして帯電部材を作製した。複合粒子及び第2の金属酸化物粒子は上記の方法で作製したものを用いた。
作製した帯電部材において、帯電部材表面のマイクロ硬度測定、Cセット変形量測定及びCセット画像評価を実施例1と同様の方法で行った。結果を表3に示す。
(実施例14〜19、21)
第1の金属酸化物粒子、表面処理剤材料、表面処理剤添加量、カーボンブラックの種類、カーボンブラックの添加量を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして複合粒子を作製した。作製した複合粒子の平均粒径及び体積抵抗率を表1に示す。
金属酸化物粒子の材料、表面処理剤材料及び表面処理剤添加量を表2に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして第2の金属酸化物粒子を作製した。
表面被覆層(最外層)作製に使用する複合粒子及び第2の金属酸化物粒子の質量部を表3に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして帯電部材を作製した。複合粒子及び第2の金属酸化物粒子は上記の方法で作製したものを用いた。
作製した帯電部材において、帯電部材表面のマイクロ硬度測定、Cセット変形量測定及びCセット画像評価を実施例1と同様の方法で行った。結果を表3に示す。
(実施例20)
第2の金属酸化物粒子の表面処理において、表面処理剤として、イソブチルトリメトキシシランを100g及びメチルハイドロジェンポリシロキサン100gを使用した以外は、実施例19と同様にして帯電部材を作製した。
作製した帯電部材において、帯電部材表面のマイクロ硬度測定、Cセット変形量測定及びCセット画像評価を実施例1と同様の方法で行った。結果を表3に示す。
(実施例22)
第2の金属酸化物粒子の表面処理を行わなかった以外は、実施例21と同様にして帯電部材を作製した。
作製した帯電部材において、帯電部材表面のマイクロ硬度測定、Cセット変形量測定及びCセット画像評価を実施例1と同様の方法で行った。結果を表3に示す。
(実施例23及び24)
弾性被覆層作製に使用したエピクロルヒドリンゴム三元共重合体のエチレンオキサイド(EO)/エピクロルヒドリン(EP)/アリルグリシジルエーテル(AGE)の比(EO/EP/AGE)を表3に示すように変更した以外は、実施例2と同様にして帯電部材を作製した。
作製した帯電部材において、帯電部材表面のマイクロ硬度測定、Cセット変形量測定及びCセット画像評価を実施例1と同様の方法で行った。結果を表3に示す。
(実施例25)
実施例1の表面被覆層(最外層)用塗布液において、架橋ポリメチルメタクリレート(PMMA)粒子(平均粒径:5.0μm(5000nm)、体積抵抗率:1.0×1015Ω・cm)50質量部を更に追加した以外は、実施例1と同様にして帯電部材を作製した。
作製した帯電部材において、帯電部材表面のマイクロ硬度測定、Cセット変形量測定及びCセット画像評価を実施例1と同様の方法で行った。結果を表3に示す。
(比較例1)
実施例1の表面被覆層(最外層)用塗布液において、複合粒子及び第2の金属酸化物粒子を使用せず、カーボンブラック(平均粒径:20nm;体積抵抗率100Ω・cm)を30質量部使用した以外は、実施例1と同様にして帯電部材を作製した。
作製した帯電部材において、帯電部材表面のマイクロ硬度測定、Cセット変形量測定及びCセット画像評価を実施例1と同様の方法で行った。結果を表3に示す。
(比較例2)
比較例1の表面被覆層(最外層)用塗布液において、第2の金属酸化物粒子として、表面処理シリカ10質量部を更に添加した以外は、比較例1と同様にして帯電部材を作製した。
上記、第2の金属酸化物粒子は、金属酸化物粒子の材料、表面処理剤材料及び表面処理剤添加量を表2に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして作製した。
作製した帯電部材において、帯電部材表面のマイクロ硬度測定、Cセット変形量測定及びCセット画像評価を実施例1と同様の方法で行った。結果を表3に示す。
(比較例3)
実施例14において、第2の金属酸化物粒子を使用しなかった以外は、実施例14と同様にして帯電部材を作製した。
作製した帯電部材において、帯電部材表面のマイクロ硬度測定、Cセット変形量測定及びCセット画像評価を実施例1と同様の方法で行った。結果を表3に示す。
Figure 0005183018
Figure 0005183018
Figure 0005183018
電子写真感光体及び本発明の帯電部材を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の一例の概略構成を示す図である。 実施例及び比較例に用いた電子写真装置の概略構成を示す図である。 複合粒子の一例を示す概略断面図である。 最外層中の複合粒子及び第2の金属酸化物粒子の存在状態の一例を示す概略断面図である。 ローラー形状の帯電部材の層構成の例を示す図である。 ローラー形状の帯電部材の別の層構成の例を示す図である。 ローラー形状の帯電部材の別の層構成の例を示す図である。 ローラー形状の帯電部材の別の層構成の例を示す図である。 帯電部材の層構成の例を示す図である。 帯電部材の別の層構成の例を示す図である。 ベルト形状の帯電部材の層構成の例を示す図である。 ベルト形状の帯電部材の別の層構成の例を示す図である。 パッシェンの法則を説明するグラフである。
符号の説明
a 支持体
b 弾性被覆層
c 表面被覆層
d 抵抗層
e 抵抗層
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電部材(帯電ローラー)
4L 露光光(画像露光光)
5 現像手段
6 転写手段
7 クリーニング手段
8 定着手段
9 プロセスカートリッジ
10 案内手段
P 転写材
151 電子写真感光体
153 帯電ローラー
154 レーザービームスキャナー
154L 露光光
155 現像装置
155a トナー担持体
155b 撹拌部材
155c トナー規制部材
156 転写ローラー
S1 電源
S2 電源

Claims (14)

  1. 支持体及び該支持体上に設けられた少なくとも1層の被覆層を有する帯電部材において、
    該被覆層のうち該帯電部材の最表面に位置する最外層が、第1の金属酸化物粒子にカーボンブラックを被覆した複合粒子と、第2の金属酸化物粒子と、バインダーとを含有し、
    前記複合粒子と前記第2の金属酸化物粒子との質量比(複合粒子/第2の金属酸化物粒子)が、0.2〜3.9であり、
    前記第1の金属酸化物粒子が、シリカ、酸化チタン、酸化鉄、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム及びチタン酸バリウムからなる群より選択される金属酸化物の粒子であり、
    前記第2の金属酸化物粒子が、酸化チタン及びチタン酸カルシウムからなる群より選択される金属酸化物の粒子であ
    ことを特徴とする帯電部材。
  2. 前記最外層が、前記バインダーからなるマトリックス中に前記複合粒子からなる複数の第1のセグメント及び前記第2の金属酸化物粒子からなる複数の第2のセグメントを有しており、該第1のセグメントが、該第2のセグメントよりも該バインダーに対して高い親和性を有している請求項1に記載の帯電部材。
  3. 前記第2の金属酸化物粒子の平均粒径が1〜1000nmである請求項1又は2に記載の帯電部材。
  4. 前記複合粒子の平均粒径が1〜1000nmである請求項1〜のいずれか1項に記載の帯電部材。
  5. 前記第1の金属酸化物粒子及び前記第2の金属酸化物粒子の少なくとも一方が、表面処理されている請求項1〜のいずれか1項に記載の帯電部材。
  6. 前記表面処理が有機ケイ素化合物を用いて行われている請求項に記載の帯電部材。
  7. 前記第1の金属酸化物粒子及び前記第2の金属酸化物粒子の少なくとも一方が、絶縁性の金属酸化物粒子である請求項1〜のいずれか1項に記載の帯電部材。
  8. 前記被覆層が、前記最外層及び前記支持体と前記最外層との間に設けられた導電性弾性層の少なくとも2層を有している請求項1〜のいずれか1項に記載の帯電部材。
  9. 前記導電性弾性層がエピクロルヒドリンゴムを主成分として含んでいる請求項に記載の帯電部材。
  10. 前記エピクロルヒドリンゴム中のエチレンオキサイドユニット含有量が55〜85mol%である請求項に記載の帯電部材。
  11. 前記第2の金属酸化物粒子がカーボンブラックを被覆していない第2の金属酸化物粒子である請求項1〜10のいずれか1項に記載の帯電部材。
  12. 電子写真感光体と、請求項1〜11のいずれか1項に記載の帯電部材とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジ。
  13. 電子写真感光体と、請求項1〜11のいずれか1項に記載の帯電部材と、露光手段と、現像手段と、転写手段とを有する電子写真装置。
  14. 前記帯電部材に直流電圧のみの電圧を印加するための電源を有する請求項13に記載の電子写真装置。
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