JP5435201B2 - 半導電性部材及びそれを有する現像ロール、帯電ロール、転写ベルト - Google Patents
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Description
電子写真方式の画像形成装置においては、一般に、感光体ドラム表面を均一かつ一様に帯電する工程、露光により感光体ドラム表面に静電潜像(静電荷像)を形成する工程、現像剤(トナー)によって静電潜像を可視像(トナー像)に現像する工程、感光体ドラム上のトナーを転写材(例えば、転写紙)上に転写する工程、転写材上のトナーを加圧加熱して融着する定着工程、及び感光体ドラム上に残留するトナーを清掃するクリーニング工程、などの各工程によって、画像が形成されている。
なお、本発明における半導電性とは体積抵抗率107〜1011Ωmであること意味するものとする。
(1)下記一般式(1)で表されるアルカリ金属塩を表面層中に含有する半導電性部材であって、該部材の表面にカーボンブラックが固定化され、該カーボンブラックの表面に少なくともハロゲン化アルカリ金属またはカルボン酸アルカリ金属塩を有することを特徴とする半導電性部材。
(M)n・X ・・・ (1)
但し、
nはXのアニオン価数に等しい。
M:Na+、K+、Li+
X:Cl−,Br−,I−,F−,CH3COO−,CF3COO−,CH(COOH)CHCOO−,(CHCOO−)2,CH2(COOH)CH2COO−,(CH2COO−)2,(HOOC)Ar(COO−),Ar(COO−)2,(HOOC)2Ar(COO−),(HOOC)Ar(COO−)2,Ar(COO−)3,(HOOC)3Ar(COO−),(HOOC)2Ar(COO−)2,(HOOC)Ar(COO−)3,Ar(COO − ) 4
Arはベンゼン環、ナフタレン環、ビフェニル環を表す。
(2)該カーボンブラックの平均粒子径が0.05〜1.0μmであることを特徴とする(1)に記載の半導電性部材。
(3)上記半導電性部材が部材をアルカリ金属塩溶液であって、その溶媒が水と沸点が100℃以下の水溶性有機溶媒との混合物である溶液に浸漬または該アルカリ金属塩溶液の塗布後、乾燥処理されて得られたことを特徴とする(1)又は(2)に記載の半導電性部材。
(4)(1)〜(3)の何れか1項に記載の半導電性部材を有する現像ロール。
(5)(1)〜(3)の何れか1項に記載の半導電性部材を有する帯電ロール。
(6)(1)〜(3)の何れか1項に記載の半導電性部材を有する転写ベルト。
(7)(4)〜(6)に記載の現像ロール、帯電ロール、転写ベルトの何れかを有した画像形成装置。
但し、
nはXのアニオン価数に等しい。
M:Na+、K+、Li+
X:Cl−,Br−,I−,F−,CH3COO−,CF3COO−,CH(COOH)CHCOO−,(CHCOO−)2,CH2(COOH)CH2COO−,(CH2COO−)2,(HOOC)Ar(COO−),Ar(COO−)2,(HOOC)2Ar(COO−),(HOOC)Ar(COO−)2,Ar(COO−)3,(HOOC)3Ar(COO−),(HOOC)2Ar(COO−)2,(HOOC)Ar(COO−)3,Ar(COO−)4,Ar−SO3 −,Ar(SO3 −)2、アクリル酸アニオンユニットを有するオリゴマーまたはポリマー、メタクリル酸アニオンユニットを有するオリゴマーまたはポリマー
Arはベンゼン環、ナフタレン環、ビフェニル環を表す。
上記のアクリル酸アニオンユニット、メタクリル酸アニオンユニットとは、例えばアクリル酸ナトリウム、メタクリル酸ナトリウム、アクリル酸カリウム、メタクリル酸カリウムの単量体を重合させた場合に、その単量体由来ユニットが解離して生じるアニオン種を指す。オリゴマーやポリマーにする方法は一般的なラジカル重合法が用いられ、アニオンへの変換はアクリル酸やメタクリル酸ユニットを中和することでも得られる。
M:Na+、K+、Li+
X:Cl−,Br−,I−,F−
特にナトリウム元素と塩素元素を同時に含み、エネルギー分散型X線分析(加速電圧25eV)による夫々の検出強度が下記の範囲であるようにすることが好ましい。
Na/C:0.0008から0.07
Cl/C:0.0009から0.01
アルカリ金属塩の溶液を形成するための溶媒としては、浸漬後に乾燥によって溶媒を除去する操作を容易にするために水と沸点が100℃以下の水溶性有機溶媒との混合物であることが好ましい。この様な水溶性有機溶媒としては、メタノール(65℃)、エタノール(78℃)、イソプロピルアルコール(83℃)、アセトン(56℃)、メチルエチルケトン(80℃)、テトラヒドロフラン(66℃)などを挙げることができる。
中でも、微粒子としてはゴムとの馴染みやすさなどの点でカーボンブラックが適しており、その表面にカルボン酸またはスルホン酸のアルカリ金属塩を有するとより好ましい。
微粒子の平均粒子径は0.05〜1.0μmであることが好ましい。平均粒子径の測定は一般的なSEM観察、レーザー光を利用した光散乱や回折を利用する方法によって行うことができる。
<現像ロールの製造法>
現像ロールの代表的な製造法を以下説明する。
芯金シャフト表面に、導電性のゴム弾性層好ましくはウレタン弾性層を形成し、その弾性層の表面を後述する表面処理液で処理する。芯金シャフトはロールの使用に耐えうるものであれば金属、樹脂または金属と樹脂のハイブリッド構造の何れでも良い。その芯金表面に形成される導電性ウレタン弾性体は、ポリエーテルポリオール及びポリエステルポリオールより選ばれる1種または2種以上のポリオール混合物とイソシアネートとを反応させて得られる。上記の混合物にはポリイソシアネートやポリウレタン製造に通常用いられる触媒や助剤などの他、導電性を調整する添加剤を加えることもできる。これらの混合物を室温以上の温度で加熱しウレタン反応を進行させることで導電性ウレタン弾性体を得ることができる。
前記ポリイソシアネートは、ポリウレタン弾性体調製に際して常用されるものであればどのようなものでもよいのであるが、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、それらのプレポリマーまたは変性物、あるいはそれらのブレンドなどが挙げられる。
前記助剤としては、たとえば鎖延長剤、架橋剤などが挙げられる。具体的には、グリコール類、ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、アミン類が例示される。
前記導電性ウレタン弾性体を調製するための混合物内には、シロキサン結合を有する化合物が含まれていてもよい。前記シロキサン結合を有する化合物は、ジメチルシロキサン結合を有する化合物などが例示でき、例えば、ジメチルシロキサン結合を含むイソシアネート化合物あるいはジメチルシロキサン結合を含むポリオールが挙げられる。具体的には、東レ・ダウコーニング社製の商品名SF8427やSF8428が例示できる。
かくして得られたポリイソシアネートを有機溶媒に添加・混合し、溶液とすることが望ましい。前記有機溶媒としては、非プロトン性極性溶媒が好ましく、特に酢酸エチル、ジメチルホルムアミドあるいはそれらの混合物が好適である。そして、前記表面処理液の粘度を10ないし500c.p.となるように、有機溶媒の量などを調整すると効果的である。この溶液には、各種の自体公知の添加剤を配合することができる。添加剤の例としては、例えば、現像ロールにおいて常用される配合剤あるいはポリウレタン形成反応に際して常用される助剤等が例示できる。
この表面処理によって、該ウレタン弾性体は、高硬度な表面となることが好ましい。例えば硬度が、70°(JIS A)以上であると、OPC汚染の防止がより一層効果的となる。この表面処理により表面より1mm程度まで溶液が浸透していることが好ましい。
この処理液に前記弾性体を浸漬する場合について、さらに具体的な処理条件を説明すると、処理液の温度は、10ないし40℃、特に15ないし25℃に設定しておくことが好ましい。浸漬する時間は、処理液の粘度等にもよるが10分以内、好ましくは5分以内、さらに好ましくは3分以内2秒以上がよい。この時間の範囲をはずれると、表面処理層が粘着性を帯びていたり、表面処理層のヒビ割れが起こりやすくなり、優れた効果をもたらさなくなる。
また、ゴム弾性層の圧縮永久ひずみ(JIS K6262)は、5%以下となるようにするのが好ましい。これより大きくなると、帯電量にバラツキが生じてしまうからである。
上記のようにして得られた現像ロールをアルカリ金属塩の溶液中に浸漬するか、アルカリ金属塩の溶液を塗布又は吹き付けることによって現像ロール表面にアルカリ金属塩含有層を形成する。
1)前記一般式(1)で示されるアルカリ金属塩において、ナトリウム元素と塩素元素とを同時に含み、エネルギー分散型X線分析による夫々の検出強度が下記の範囲であること。
Na/C:0.0008から0.07
Cl/C:0.0009から0.01
2)部材の表面に微粒子が固定化されており、その平均粒子径が0.05〜1.0μmであること。
3)前記微粒子がカーボンブラックであること。
4)前記カーボンブラックがその表面に少なくともカルボン酸アルカリ金属塩またはスルホン酸アルカリ金属塩を有すること。
上記4)の状態を形成する方法としては、カーボンブラックの表面を化学的に処理し、上記のカルボン酸アルカリ金属塩またはスルホン酸アルカリ金属塩を形成させる方法、及びカーボンブラックを分散させる際の分散剤としてカルボン酸アルカリ金属塩またはスルホン酸アルカリ金属塩を用いる方法を挙げることができる。
まず、プリンタ100の基本的な構成について説明する。図1は、プリンタ100を示す概略構成図である。図2に示すように、プリンタ100は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック(以下、Y、M、C、Kと記す)のトナー像を形成するための4つのプロセスカートリッジとしてのプロセスユニット1Y,M,C,Kを備えている。これらは、現像剤として、互いに異なる色のY,M,C,Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっており、寿命到達時に交換される。4つのプロセスユニット1Y,M,C,Kは同様の構成となっているので、図2では、プロセスユニット1についてY,M,C,Kを省略して説明する。
露光手段である光書込ユニット70は、感光体2に対して画像情報を露光し、静電潜像を形成する。光書込ユニット70には、レーザーダイオードを用いたレーザービームスキャンや、LED等が用いられる。
各プロセスユニット1は、中間転写ベルト16の表面移動方向の並列に4つ配置され、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの順で可視像を形成する。一次転写ローラ19には、一次転写バイアスが印加され、感光体2の表面のトナー像は中間転写ベルト16表面に転写される。中間転写ベルト16は、不図示の駆動モータによって図1中矢印方向に無端移動されるようになっており、各色の可視像がその表面に順次転写され、重ねられることによりフルカラー画像を形成する。
二次転写ニップで用紙Pに転写されず、中間転写ベルト16上に残留したトナーは、転写ベルトクリーニング装置21によって回収される。
供給ローラ15には、現像バイアスに対してトナーの帯電極性と同方向にオフセットさせた値の供給バイアスが印加される。この供給バイアスは、現像ロール11との当接部で予備帯電されたトナーを現像ロール11に押し付ける方向に作用する。
ただし、オフセットの方向はこれに限ったものではなく、トナーの種類によってはオフセットを0もしくはオフセットの方向を変えてもよい。
〈ロールの製造〉
ポリエーテル系ポリオール100重量部に、ケッチェンブラックEC(平均粒子径約0.1μm ケッチェンブラックインターナショナル社製)を3重量部添加し、さらに、ジフェニルメタンジイソシアネート20重量部を添加・混合し、あらかじめシャフトが配置されている120℃に予熱された金型に注入し、120℃にて120分間加熱し、両端部を除くシャフト表面に導電性ポリウレタン層が形成されたロールを得た。
ロールを研磨砥石で研磨し、寸法を合わせた後、特開2004−341511号公報(北辰工業)の図1に示されている方法によって湿式研磨し、周方向の表面粗さを小さくした。
酢酸エチル100重量部、イソシアネート化合物(MDI)20重量部およびアセチレンブラック(電気化学工業社製)5重量部をボールミルを用いて3時間分散混合した。
表面処理液1を20℃に保ったまま、前記ロールを30秒間浸漬後、100℃に保持されたオーブンで10時間加熱した。
〈ロールの表面処理2〉
上記ロールを表1で表される表面処理液2(25℃)に浸漬したのち乾燥させ現像ロール1〜15を得た。
表1で示した、実施例1〜15の現像ロールを、図2で示すような現像装置5に組み込んで、30[℃]・80[%RH]の高温高湿環境と10[℃]・15[%]の低温低湿環境とで、5000枚の印字テストをする実験を行い、トナー搬送量とトナー帯電量の安定性を評価した。そして、その評価結果と得られた画像の濃度安定性を基に、各実施例の現像ロールが画像形成の使用に適しているか否か、総合評価として評価した。
また、非磁性一成分現像剤としては、結着樹脂、着色剤及びワックスを含有している現像剤を用いる。
表2に評価結果示す。
トナー帯電量の安定性は、5000枚の印字テストを通じて、現像ロール上のトナー帯電量が、25±10[μC/g]であれば、「○」とし、その範囲をはずれれば「×」とした。
画像濃度の安定性は、A4サイズのハーフトーン画像を印字し、面内主走査方向3点、副走査方向3点の組み合わせ計9点の反射濃度を計測し、そのバラツキの中で、9点全てが9点の平均濃度から、25%以内であれば「○」、25〜35%であれば「△」、1点でも35%以上となる点があれば「×」とした。
上記実施例1の表面処理液1のアセチレンブラック(デンカブラックFX−35:電気化学工業社製)を下記と置き換えた以外は実施例1と同様にして現像ロール16〜19を得、実施例1と同様に評価した。
実施例16:ポリメタクリル酸メチル系架橋粒子
(エポスターMA1002:日本触媒社製)
実施例17:ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド縮合物粒子
(エポスターMS:日本触媒社製)
実施例18:アモルファスシリカ粒子(シーホスターKE−P10:日本触媒社製)
実施例19:自己分散型カーボンブラック
(Aqua−Black162:東海カーボン社製)
上記実施例1で表面処理2を行わない事以外は実施例1と同様に行った。
[比較例2]
上記比較例1で、表面処理1を行わないこと以外は比較例1と同様にして現像ロールを得て、これを比較例2とした。
2 感光体
3 感孔体クリーニング装置
4 帯電ローラ
5 現像装置
6 トナー収容室
7 トナー供給室
8 トナー攪拌部材
9 開口部
11 現像ローラ
12 薄層化ブレード
14 トナー誘導部材
15 供給ローラ
16 中間転写ベルト
18 二次転写部対向ローラ
19 一次転写ローラ
20 二次転写ローラ
21 転写ベルトクリーニング装置
34 定着装置
50 筐体の上カバー
70 光書込みユニット
100 プリンタ
Claims (7)
- 下記一般式(1)で表されるアルカリ金属塩を表面層中に含有する半導電性部材であって、該部材の表面にカーボンブラックが固定化され、該カーボンブラックの表面に少なくともハロゲン化アルカリ金属またはカルボン酸アルカリ金属塩を有することを特徴とする半導電性部材。
(M)n・X ・・・ (1)
但し、
nはXのアニオン価数に等しい。
M:Na+、K+、Li+
X:Cl−,Br−,I−,F−,CH3COO−,CF3COO−,CH(COOH)CHCOO−,(CHCOO−)2,CH2(COOH)CH2COO−,(CH2COO−)2,(HOOC)Ar(COO−),Ar(COO−)2,(HOOC)2Ar(COO−),(HOOC)Ar(COO−)2,Ar(COO−)3,(HOOC)3Ar(COO−),(HOOC)2Ar(COO−)2,(HOOC)Ar(COO−)3,Ar(COO − ) 4
Arはベンゼン環、ナフタレン環、ビフェニル環を表す。 - 該カーボンブラックの微粒子の平均粒子径が0.05〜1.0μmであることを特徴とする請求項1に記載の半導電性部材。
- 上記半導電性部材が部材をアルカリ金属塩溶液であって、その溶媒が水と沸点が100℃以下の水溶性有機溶媒との混合物である溶液に浸漬または該アルカリ金属塩溶液の塗布後、乾燥処理されて得られたことを特徴とする請求項1又は2に記載の半導電性部材。
- 請求項1〜3の何れか1項に記載の半導電性部材を有する現像ロール。
- 請求項1〜3の何れか1項に記載の半導電性部材を有する帯電ロール。
- 請求項1〜3の何れか1項に記載の半導電性部材を有する転写ベルト。
- 請求項4〜6に記載の現像ロール、帯電ロール、転写ベルトの何れかを有した画像形成装置。
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