JP3007210B2 - 現像ロール - Google Patents
現像ロールInfo
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Description
ウレタン弾性体を有する現像ロールに関するものであ
り、とくに非磁性トナー一成分系乾式現像用に適した現
像ロールに関する。
電記録法での乾式現像方式としては、トナーおよびキャ
リヤからなる二成分系現像剤を用いる方式と、キャリヤ
を含まずトナーからなる一成分系現像剤を用いる方式が
知られている。その一成分系現像剤を用いる方式にて用
いられる現像ロールは、均一ニップが得られるように
適度に柔軟であり、感光体への圧接から解放された時
に速やかにかつ十分に回復できる、芯金表面に形成さ
れた層の表面が均一であり、適度の導電率を有するな
どの性質が備わっていることが望ましいものであり、例
えば、特開昭63−189876号公報には、アルカリ
金属塩を含む弾性体層を持つ現像ロールは適度の硬度と
導電性を有することが開示され、特開平1−21488
1号公報には、弾性体に軟化剤を配合し適度の弾性を持
たせた現像ロールが開示されている。
現像ロールでは、前記均一ニップを得るためなど優れた
性能を有する現像ロールとするには、適度に柔軟である
ことが望ましいのであるが、一方柔軟な導電性ウレタン
弾性体を用いた現像ロールはOPCの汚染を受けやすく
なるという問題点が生じている。とくに一成分系現像剤
であって非磁性トナーを用いる接触方式を採用する場合
は、有機感光体(OPC)表面が汚染されやすく、それ
らの汚染を避けるために、現像ロールの開発・研究がな
されているが、いまだに十分に満足できるような成果は
得られていない。たとえば、シリコーンゴムを用いた現
像ロールの場合、OPCの汚染を回避するためには、シ
リコーンゴムを200℃にて10日間も加熱処理する必
要があり、より簡単な操作で汚染を回避できる実用的な
方法が求められている。
解消し、柔軟な導電性ウレタン弾性体を用いたロールで
あってもOPC汚染を簡単な操作で回避でき、得られた
画像の質もよく、しかも均一ニップが得られる等の優れ
た特性を発揮できる、現像ロールを提供することにあ
る。
達成するために提案されたものであって、導電性ウレタ
ン弾性体を特定の素材で構成し、該導電性ウレタン弾性
体層表面を特定の処理をすることを特徴とするものであ
る。すなわち、本発明によれば、芯金表面に形成された
導電性ウレタン弾性体を有するロールにおいて、該導電
性ウレタン弾性体はポリエーテルポリオールおよびポリ
エステルポリオールのなかから選ばれた少なくとも一つ
のポリオールを含む混合物から調製されたものであり、
しかも該導電性ウレタン弾性体層表面はジメチルシロキ
サン含量が10ないし70重量%含有するポリイソシア
ネートを含む溶液にて表面処理されていることを特徴と
する現像ロールが提供される。
る。非磁性トナーの一成分系現像剤を用いる方式におけ
る現像ロールは、例えば図1にその一使用例が示されて
いるが、ドナーロール(1)から供給されるトナー
(7)は、現像ロール(2)の回転と現像ブレード
(3)との作用により均一な厚みの層として現像ロール
(2)の表面に形成される。その一様なトナーはOPC
(4)表面に形成されている潜像に応じて現像ロールか
らOPC表面に転写される。
るが、芯金シャフト(5)表面に、導電性のウレタン弾
性体層(6)が形成され、その弾性体層(6)の表面は
表面処理液によって処理されている。
うなものでも利用可能である。
弾性体は、ポリエーテルポリオールおよびポリエステル
ポリオールのなかから選ばれた少なくとも一つのポリオ
ールを含む混合物から調製されるものである。前記混合
物には、ポリイソシアネートやポリウレタン製造に常用
される助剤などの他、導電性を付与する化合物が混合さ
れていてもよい。また、この混合物にはポリエーテルポ
リオ−ルおよびポリエステルポリオールが併用されてい
てもよい。この混合物を加熱反応させることにより、導
電性ウレタン弾性体を得ることができる。
エステルポリオールは、前記現像ロールの弾性体層を形
成するポリウレタン弾性体を調製し得るものであるなら
ば、どのようなものでもよい。そのポリエーテルポリオ
−ルとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール−エチレング
リコールあるいはそれらのブレンドなどとして知られて
いるポリアルキレングリコール、ポリテトラメチレンエ
ーテルグリコール、テトラヒドロフランとアルキレンオ
キサイドとの共重合ポリオール、それらの各種変性体あ
るいはそれらのブレンドなどが例示できる。
ジピン酸等のジカルボン酸とエチレングリコールなどの
ポリオールとの縮合により得られる縮合系ポエステルポ
リオール、ラクトン系ポリエステルポリオール、ポリカ
ーボネートポリオールあるいはそれらのブレンド等が挙
げられる。
弾性体調製に際して常用されるものであればどのような
ものでもよいのであるが、例えば、ジフェニルメタンジ
イソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフタレ
ンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、パラ
フェニレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネ
ート、それらのプレポリマ−または変性物、あるいはそ
れらのブレンドなどが挙げられる。
橋剤などが挙げられる。具体的には、グリコール類、ヘ
キサントリオール、トリメチロールプロパン、アミン類
が例示される。
ルカリ金属塩が好ましいものであり、とくに過塩素酸リ
チウムが好ましい。その添加量は、通常ウレタン弾性体
100重量部に対して0.001 ないし3.0 重量部の範囲であ
る。
の混合物内には、シロキサン結合を有する化合物が含ま
れていてもよい。前記シロキサン結合を有する化合物
は、ジメチルシロキサン結合を有する化合物などが例示
でき、例えば、ジメチルシロキサン結合を含むイソシア
ネート化合物あるいはジメチルシロキサン結合を含むポ
リオールが挙げられる。具体的には、東レ・ダウコーニ
ング社製の商品名SF8427やSF8428が例示できる。
十分に混合した後、公知の成形方法を使用して、芯金表
面に弾性体層を形成させることができる。たとえば、本
発明では、公知のワンショット法あるいはプレポリマー
法を採用して弾性体層を形成させることができる。この
弾性体の硬度は55°(JIS A)以下、好ましくは
25ないし50°(JIS A)以下が良い。硬度が5
5°(JIS A)を越えるとOPCとの均一な接触面
を得るための軸調整が困難になる等の欠点があり、好ま
しくない。
特定のポリイソシアネートを含む溶液にて表面処理す
る。この溶液に存するポリイソシアネートは、ジメチル
シロキサン結合単位が10ないし70重量%含むポリイ
ソシアネートである。好適なポリイソシアネートとして
は、両末端にイソシアネート基を有し、それらのイソシ
アネート基の間にジメチルシロキサン結合単位が連続し
てあるいは他の結合単位を介して10ないし70重量%
存在するポリイソシアネートが例示できる。このジメチ
ルポリシロキサン結合単位が10重量%以下であるとO
PC汚染を引き起こしやすくなり、前記結合単位が70
%以上であると現像ロールの表面の摩擦係数が増大し、
ロール表面が摩耗されやすくなるという欠点が生じる。
の方法を採用することができるが、例えば、ジメチルポ
リシロキサンあるいは必要に応じて任意のポリオールを
加えた混合物に、ジイソシアネートあるいはトリイソシ
アネートを当量以上添加して混合物を調製し、次いで該
混合物を加熱する方法が例示できる。
機溶媒に添加・混合し、溶液とすることが望ましい。前
記有機溶媒としては、非プロトン性極性溶媒が好まし
く、特に酢酸エチル、ジメチルホルムアミドあるいはそ
れらの混合物が好適である。そして、前記表面処理液の
粘度を10ないし500c.p.となるように、有機溶
媒の量などを調整すると効果的である。この溶液には、
各種の自体公知の添加剤を配合することができる。添加
剤の例としては、例えば、現像ロールにおいて常用され
る配合剤あるいはポリウレタン形成反応に際して常用さ
れる助剤等が例示できる。
性体を表面処理する方法は、特に限定されない。たとえ
ば、前記弾性体をその表面処理液内に浸漬し、次いで加
熱処理をする方法、前記表面処理液を弾性体表面に塗布
し、次いで加熱する方法などが好適である。前記塗布す
る手段としては、スプレーコート法、ロールコート法等
が例示できる。
は、高硬度な表面となることが好ましい。例えば硬度
が、70°(JIS A)以上であると、OPC汚染の
防止がより一層効果的となる。この表面処理により表面
より1mm程度まで溶液が浸透していることが好ましい。
ついて、さらに具体的な処理条件を説明すると、処理液
の温度は、10ないし40℃、特に15ないし25℃に
設定しておくことが好ましい。浸漬する時間は、処理液
の粘度等にもよるが10分以内、好ましくは5分以内、
さらに好ましくは3分以内2秒以上がよい。この時間の
範囲をはずれると、表面処理層が粘着性を帯びていた
り、表面処理層のヒビ割れが起こりやすくなり、優れた
効果をもたらさなくなる。
z)を、12μm以下に調整することが好ましい。ロー
ルの表面が粗く、特にロールの表面平均粗さが12μm
を超えると、摩擦帯電が不均一となり、得られる画像の
濃度ムラやカブリなどの問題が生じてくる。また、本発
明の現像ロールの体積抵抗値は、8×104 ないし1×
108 Ωの範囲に設定されることが、良好な画像を得る
ためにも望ましい。
液を浸漬させ、あるいは塗布させ、加熱するという、極
めて簡単な操作により、OPC汚染を好適に回避するこ
とができる現像ロールを提供することができる。特に、
前記特定の表面処理液により表面処理されたロールであ
って、表面が高硬度でありながらその表面の内側は柔軟
性を保っており、一定の体積抵抗値と表面平均粗さを有
するロールは、従来から指摘されていたOPC汚染を解
消すると共に、形成される画像の質も向上されており、
また、トナーを十分に摩擦帯電させることができるなど
の優れた現像ロールである。
に説明するが、本発明はこの実施例に限られるものでな
いことはいうまでもない。実施例1 〈ロールの製法〉クラポールP−2010(クラレ社製)1
00重量部に、過塩素酸リチウムを0.005部加え攪
拌し溶解させた後、100℃に温調し、ついでコロネー
トC−HX(日本ポリウレタン社製)を16重量部添加
・攪拌し、混合物を得た。この混合物を、あらかじめシ
ャフト(φ:8mm、l:270mm )が配置されている12
0℃に予熱された金型に注入し、120℃にて60分間
加熱し、両端部を除くシャフト表面に導電性ポリウレタ
ン弾性体層が形成されたロールを得た。このロールの硬
度は40°(JIS A)であり、ロール抵抗値は1×
108 Ωであった。
コーンオイル(SF8427:東レ・ダウコーニング社製)
100重量部にMR400 (日本ポリウレタン社製)10
0重量部を添加・混合し、120℃で15分間反応させ
た後、酢酸エチル2000重量部に溶解させる。この溶
液の溶質中におけるジメチルシロキサン結合単位は35
重量%であった。 〈ロールの表面処理〉前記溶液を20℃に保ったまま、
前記方法で得られたロールを、60秒間浸漬後、100
℃に保持されたオーブンで10時間、加熱する。ロール
抵抗値は1×108 Ωであった。このロールを現像ロー
ルとして用い、非磁性トナー一成分系現像方式で画像を
形成させた。測定結果を表1に示した。
量部に過塩素酸リチウム0.1重量部加え攪拌し溶解さ
せた後、100℃に温調し、A液を得た。一方、SF84
27(東レ・ダウコーニング社製)20重量部にジフェニ
ルメタンジイソシアネート4重量部、コロネートC−H
X(日本ポリウレタン社製)12重量部を添加・混合
し、120℃にて15分間反応させ、B液を得た。この
A液とB液とを混合し、あらかじめシャフト(φ:8m
m、l:270mm )が配置されている120℃に予熱され
た金型に注入し、120℃にて120分間加熱し、両端
部を除くシャフト表面に導電性ポリウレタン層が形成さ
れたロールを得た。このロールの硬度は45°(JIS
A)であり、ロール抵抗値は1×107Ωであった。
越化学社製)50重量部、MR400 (日本ポリウレタン
社製)20重量部を添加・混合し、120℃で15分間
反応させた後、酢酸エチル180重量部に溶解させる。
この溶液の溶質中におけるジメチルシロキサン結合単位
は約60重量%であった。 〈ロールの表面処理〉前記溶液を20℃に保ったまま、
前記ロールを30秒間浸漬後、100℃に保持されたオ
ーブンで10時間、加熱し、表面が高硬度の現像ロール
を得た。ロール抵抗値は2×107 Ωであった。このロ
ールを現像ロールとして用い、非磁性トナー一成分系現
像方式で画像を形成させてみた。測定結果を表1に示し
た。
法によりロールを得た。
ダウコーニング社製)を5重量部用いる以外は実施例1
と同様にして溶液を得た。この溶液の溶質中におけるジ
メチルシロキサン結合単位は約4重量%であった。 〈ロールの表面処理〉前記溶液を20℃に保ったまま、
前記ロールを60秒間浸漬後、100℃に保持されたオ
ーブンで10時間、加熱する。表面が高硬度の現像ロー
ルを得た。ロール抵抗値は2×108 Ωであった。この
ロールを現像ロールとして用い、非磁性トナー一成分系
現像方式で画像を形成させてみた。測定結果を表1に示
した。
法によりロールを得た。
学社製)を100重量部用いる以外は実施例2と同様に
して溶液を得た。この溶液の溶質中におけるジメチルシ
ロキサン結合単位は75重量%であった。 〈ロールの表面処理〉前記溶液を20℃に保ったまま、
前記ロールを60秒間浸漬後、100℃に保持されたオ
ーブンで10時間、加熱する。表面が高硬度の現像ロー
ルを得た。ロール抵抗値は2×107 Ωであった。この
ロールを現像ロールとして用い、非磁性トナー一成分系
現像方式で画像を形成させた。測定結果を表1に示し
た。
測定値をJIS Aに換算した。 *OPC汚染の程度は、現像ロールをニップ幅3mmでO
PCドラムに圧接し、50℃、90%Rhで10日間放置後、O
PCドラム圧接面の状態により判定した。ここで、
『中』は、ドラムの圧接面が部分的に白濁した状態、ナ
シは、ドラムの圧接面と非接触部との差異が認められな
い状態を示す。 *画像状態の程度は、現像ロールをニップ幅3mmでOP
Cドラムに圧接し、50℃、90%Rhで10日間放置後、その
ロールを使用して複写操作を行った結果より判定した。
ここで、『A』は、複写操作を1000回繰り返しても得ら
れる画像には白スジが見られない、『B』は、始めから
画像に白スジが見られる、『C』は、初めのころの画像
は白スジが見られないが複写操作を繰り返し行っていく
間に白スジが見られる、場合を示す。 *帯電特性の測定法は以下のようにして行った。まず、
トナーを圧縮成形によりφ:13mm、t :1mm のトナーチ
ップを作製し、そのチップを現像ロール表面でこすり、
トナーチップの表面電位を測定した。なお、シリコーン
ゴムを用いた現像ロールの帯電特性は、−14.0KVであっ
た。
系現像剤を用いる方式における一使用例を示す図であ
る。
Claims (1)
- 【請求項1】 芯金表面に、導電性ウレタン弾性体層が
形成されている現像ロールにおいて、該導電性ウレタン
弾性体は、ポリエーテルポリオールおよびポリエステル
ポリオールのなかから選ばれた少なくとも一つのポリオ
ールを含む混合物から調製されたものであり、しかも該
導電性ウレタン弾性体層表面は、ジメチルシロキサン含
量が10ないし70重量%含有するポリイソシアネート
を含む溶液にて表面処理されていることを特徴とする現
像ロール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3342834A JP3007210B2 (ja) | 1991-12-25 | 1991-12-25 | 現像ロール |
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---|---|---|---|
JP3342834A JP3007210B2 (ja) | 1991-12-25 | 1991-12-25 | 現像ロール |
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ID=18356856
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3342834A Expired - Fee Related JP3007210B2 (ja) | 1991-12-25 | 1991-12-25 | 現像ロール |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3007210B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8354164B2 (en) | 2008-12-12 | 2013-01-15 | Ricoh Company, Limited | Semiconductive member, and developing roll, charging roll, transfer belt, and image forming apparatus using same |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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CN114395129B (zh) * | 2021-12-22 | 2023-07-14 | 山东一诺威新材料有限公司 | 具有光降解特性的聚醚多元醇的制备方法 |
-
1991
- 1991-12-25 JP JP3342834A patent/JP3007210B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US8354164B2 (en) | 2008-12-12 | 2013-01-15 | Ricoh Company, Limited | Semiconductive member, and developing roll, charging roll, transfer belt, and image forming apparatus using same |
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JPH05173409A (ja) | 1993-07-13 |
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