JP3133468B2 - 帯電ロールおよびその製造方法 - Google Patents
帯電ロールおよびその製造方法Info
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Description
る帯電ロールおよびその製造方法に関するものであり、
特に、電子写真複写機あるいは電子写真プリンターなど
の画像形成装置において用いられる、表面処理された導
電性弾性体層を有する帯電ロールおよびその製造方法に
関するものである。
は電子写真プリンターなどの画像形成装置においては、
感光体表面を一様に帯電させ、靜電気的な潜像を形成さ
せ、この潜像に対応させたトナー像を現像させ、次いで
このトナー像を転写紙上に転写させ、定着する方法を採
用している。この感光体表面上に潜像を形成させる方法
として、コロナ放電処理法が知られている。また、トナ
ー像を転写紙に転写させる方法として転写紙の背後から
コロナ放電処理せしめる方法も知られている。これらの
コロナ放電処理法は高圧電源を必要とし、装置的に複雑
になると共に高価であり、電子写真機あるいは電子写真
プリンターなどの画像形成装置を安価で小型なものを製
造する際には、ほかの方法を採用することが検討されて
きた。
を帯電させ、その表面を他の物体に接触させることによ
る帯電方法が開発されている。例えば、特開平1−25
5868号公報には、導電性ロールが開示され、その導
電ロールにバイアス電圧を印加しベルトを帯電させる技
術が開示されている。このロールを用いる方法は、コロ
ナ放電処理法と比較すると高圧電源を必要としない点で
有利であるが、ロールが帯電させたい物(以下、感光体
等という)の表面に直接接触するため、感光体等の表面
を汚してしまう恐れが常に残っている。また、感光体等
の表面が、時として、帯電されにくくなり、また、帯電
された物の表面電位が長時間保持されにくいという欠点
が指摘されている。画像形成装置の置かれた環境が低温
低湿度の時、あるいは高温高湿度の時には、上記欠点が
特に問題となった。
消することにある。すなわち、感光体等の表面の汚れを
回避し、しかも該感光体等の表面を帯電させることがで
きる帯電ロールおよびその製造方法を提供することにあ
る。とくに、画像形成装置の置かれる環境が低温低湿度
から高温高湿度まで変化しても、前記感光体等の表面の
汚れを回避でき、しかも感光体等の表面を帯電させるこ
とができるうえに感光体等の表面電位を長時間保持でき
る帯電ロールおよびその製造方法を提供することにあ
る。
達成するために提案されたものであって、導電性弾性体
層を特定の素材で構成したうえ、該導電性弾性体層表面
に特定の処理を加えることを特徴とするものである。す
なわち、本発明によれば、芯金表面に形成された導電性
弾性体層を有するロールにおいて、該導電性弾性体はポ
リエーテルポリオールおよびポリエステルポリオールの
なかから選ばれた少なくとも一つのポリオールを含む混
合物から調製されたポリウレタン弾性体層であり、しか
も該導電性弾性体層表面はポリイソシアネートを含む溶
液にて表面処理されていることを特徴とする帯電ロー
ル、および、芯金表面に、ポリエーテルポリオールおよ
びポリエステルポリオールのなかから選ばれた少なくと
も一つのポリオールとポリイソシアネートとを少なくと
も含み、かつNCO/OHが0.7ないし0.95であ
る混合物を用いてポリウレタン弾性体層を形成させ、次
いで、ポリイソシアネートを含む溶液にて該弾性体層を
表面処理することを特徴とする帯電ロールの製造方法が
提供される。
等の表面を帯電させることを目的としたロールであり、
とくに感光体表面あるいは転写ベルト表面を一様に帯電
させるための帯電ロールとして有用である。以下、本発
明を具体的に説明する。本発明の帯電ロールは、例えば
図1にその一使用例の略図が示されているが、感光体
(1)表面に帯電ロール(2)が圧接されている。この
帯電ロールは電源(5)と接続されており、ロールのシ
ャフト(3)にバイアス電圧が印加され、感光体(1)
の表面(11)を希望する電位に帯電されるように調整
されている。
て示されているが、芯金シャフト(3)表面に、導電性
のウレタン弾性体層(4)が形成され、その弾性体層
(4)の表面は表面処理液によって処理されている。
うなものでも利用可能である。
弾性体は、ポリエーテルポリオールおよびポリエステル
ポリオールのなかから選ばれた少なくとも一つのポリオ
ールを含む混合物から調製されるものである。前記混合
物には、ポリイソシアネートやポリウレタン製造に常用
される助剤などの他、導電性を付与する化合物が混合さ
れていてもよい。また、この混合物にはポリエーテルポ
リオ−ルおよびポリエステルポリオールが併用されてい
てもよい。この混合物を加熱反応させることにより、導
電性ウレタン弾性体を得ることができる。この混合物に
おけるポリオールおよびポリイソシアネートの量割合は
NCO/OHとして0.7 ないし0.95の範囲がよい。ま
た、得られた弾性体のガラス転移点がー50℃以下であ
ることが好ましい。この範囲をはずれると、とくに低温
時に抵抗値が上昇しやすくなり帯電不足を招きやすくな
るなどの点で不都合である。
エステルポリオールは、前記帯電ロールの弾性体層を形
成するポリウレタン弾性体を調製し得るものであるなら
ば、どのようなものでもよい。そのポリエーテルポリオ
−ルとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール−エチレング
リコールあるいはそれらのブレンドなどとして知られて
いるポリアルキレングリコール、ポリテトラメチレンエ
ーテルグリコール、テトラヒドロフランとアルキレンオ
キサイドとの共重合ポリオール、それらの各種変性体あ
るいはそれらのブレンドなどが例示できる。
ジピン酸等のジカルボン酸とエチレングリコールなどの
ポリオールとの縮合により得られる縮合系ポエステルポ
リオール、ラクトン系ポリエステルポリオール、ポリカ
ーボネートポリオールあるいはそれらのブレンド等が挙
げられる。
弾性体調製に際して常用されるものであればどのような
ものでもよい。
橋剤などが挙げられる。具体的には、グリコール類、ヘ
キサントリオール、トリメチロールプロパン、アミン類
が例示される。
ルカリ金属塩が好ましいものであり、とくに過塩素酸リ
チウムが好ましい。その添加量は、通常ウレタン弾性体
100重量部に対して0.1 ないし1.0 重量部の範囲であ
る。この範囲をはずれると適正な導電性が得られず、得
られる画像が不鮮明になる等の点で不都合である。
十分に混合した後、公知の成形方法を使用して、芯金表
面に弾性体層を形成させることができる。たとえば、本
発明では、公知のワンショット法あるいはプレポリマー
法を採用して弾性体層を形成させることができる。この
弾性体の硬度は15ないし50°(JIS A)が良く、さらに
25ないし40°(JIS A)が好ましい。硬度が50°(JIS
A)を越えると、感光体等の表面での接触が十分でな
く、ロールの設定クリアランスが狭くなるという欠点が
あり、硬度が15°(JIS A)以下であるとゴム弾性等の
物性が不十分となり、好ましくない。
特定のポリイソシアネートを含む溶液にて表面処理す
る。イソシアネート基は反応性に富み、水酸基やウレタ
ン基の活性水素にウレタン結合やアロハネート結合を形
成することが知られている。また、大気中などに存在す
る水分と反応し尿素結合やビュウレット結合を生成する
ことが知られている。反応は室温においても進行する
が、加熱することによりより促進される。本発明は、イ
ソシアネート基から誘導されるこれらの反応生成物を含
む弾性体表面が、導電性弾性体としての機能を維持しな
がら、電子写真に用いられる感光体の機能に対して悪影
響を及ぼさないことを見いだしたことに基づいて完成さ
れたものである。この溶液に存するポリイソシアネート
は、末端あるいは側鎖に複数のイソシアネート基を有す
る化合物であって、表面処理液として機能を果たすこと
ができるものであればどのようなものでもよいのである
が、具体的にはジフェニルメタンジイソシアネート、ト
リフェニルメタントリイソシアネートなどのポリイソシ
アネート、それらのプレポリマーまたは変性物などの他
に、イソシアネート含有化合物とポリオールとを反応さ
せて得られるポリイソシアネートなどが例示できる。な
お、これらを2種以上混合させたものを用いてもよい。
いはポリオールは自体公知の化合物を用いることができ
るが、とくに前記ポリオールとしては、とくにポリシロ
キサンポリオールが好ましく、具体的には、SF8427ある
いはSF8428(東レ・ダウコーニング社製)が例示でき
る。
機溶媒に添加・混合し、溶液とすることが望ましい。前
記有機溶媒としては、非プロトン性極性溶媒が好まし
く、特に酢酸エチル、ジメチルホルムアミドあるいはそ
れらの混合物が好適である。そして、前記表面処理液の
粘度を10ないし500 c.p.となるように、有機溶媒の量な
どを調整すると効果的である。この溶液には、各種の自
体公知の添加剤を配合することができる。添加剤の例と
しては、例えば、帯電ロールにおいて常用される配合剤
あるいはポリウレタン形成反応に際して常用される助剤
等が例示できる。
前記弾性体層の表面をポリイソシアネートを含む処理液
と接触させた後、加熱硬化することによって行われる
が、具体的には、前記弾性体をポリイソシアネートを含
む処理液内に浸漬した後、加熱処理をする方法、あるい
は、前記ポリイソシアネートを含む処理液を前記弾性体
表面に塗布し、次いで加熱する方法などが挙げられる。
前記塗布する手段としては、スプレーコート法、ロール
コート法等が例示できる。
ルは、表面処理により表面より1mm程度まで溶液が浸透
していることが好ましいが、50μmないし0.5 mm程度
まで浸透していることがより好ましい。
ついて、さらに具体的な処理条件を説明すると、処理液
の温度は、10ないし40℃、特に15ないし25℃に設定して
おくことが好ましい。浸漬する時間は、処理液の粘度等
にもよるが、5 分以内、好ましくは3 分以内2 秒以上が
よい。この時間の範囲をはずれると、表面処理層が粘着
性を帯びていたり、表面処理層のヒビ割れが起こりやす
くなり、優れた効果をもたらさなくなる。
抗が 8×104 ないし 2×107 Ωであり、弾性体層の表面
平均粗さを10μm以下に調整することが好ましい。ロー
ルの表面が粗く、特にロールの表面平均粗さが10μmを
超えると、帯電させることができにくくなる。また、体
積抵抗が上記範囲をはずれると、得られる画像の濃度ム
ラやカブリなどの問題が生じ、良好な画像を得ることが
できなくなる。
光体の表面に接触させることにより、感光体の表面を帯
電させる。前記感光体としては、自体公知の各種の感光
体があるが、特に有機感光体が好適である。また、帯電
ロールに印加される電圧は、感光体等の表面電位をどの
程度に設定するかによって変動するものである。例え
ば、有機感光体の場合には、感光体の種類によって異な
るが、通常、有機感光体の表面電位を600 ないし800 v
となるようにしたい場合、帯電ロールに印加される電圧
は1 ないし1.2 Kvが好ましい。
染を回避することができるうえに、感光体等の表面を帯
電することができるロールである。とくに、前記特定の
表面処理液により表面処理されたロールであって、一定
の体積抵抗値と表面平均粗さを有するロールは、電子複
写機あるいは静電記録プリンター等の画像形成装置が置
かれる環境が低温低湿度から高温高湿度までどのような
環境下であっても、前記感光体等の表面の汚染を回避で
き、しかも、感光体等の表面電位は必要な時間保持され
良好な帯電性をもたらすことができる帯電ロールであ
る。
に説明するが、本発明はこの実施例に限られるものでな
いことはいうまでもない。 実施例1 〈ロールの製法〉ポリエーテルポリオール(商品名:PP
TG2000、保土ケ谷化学社製)100 重量部に、過塩素酸リ
チウムを0.5 重量部加え攪拌し溶解させた後、100 ℃に
温調し、ついでポリイソシアネート(商品名:コロネー
ト−HX、日本ポリウレタン社製)を15重量部添加・攪
拌し、混合物を得た。この混合物を、あらかじめシャフ
ト(φ:6 mm、l:240 mm)が配置されている120 ℃に
予熱された金型に注入し、120 ℃にて90分間加熱し、両
端部を除くシャフト表面に、ガラス転移点が−75℃であ
る導電性ポリウレタン弾性体層が形成されたロールを得
た。このロールの硬度は30°(JIS A)であり、ロール
抵抗値は5 ×106 Ωであった。
オール(商品名:SF8427、東レダウコーニング社製)10
0重量部にポリイソシアネート(商品名:MR400 、日本
ポリウレタン社製)100 重量部を添加・混合し、130 ℃
で15分間反応させた後、酢酸エチル1800重量部に溶解さ
せる。 〈ロールの表面処理〉前記溶液を20℃に保ったまま、前
記方法で得られたロールを、60秒間浸漬後、100 ℃に保
持されたオーブンで15時間、加熱し、表面処理されたロ
ールを得た。ロール抵抗値は8 ×106 Ωであった。この
ロールを感光体表面の帯電ロールとして用い、常法の電
子写真法により複写物を得た。帯電ロールのシャフトへ
印加したバイアス電圧は−1.1 Kvであった。測定結果
を表1に示した。
ラポールP-2010、クラレ社製)100 重量部に過塩素酸リ
チウム0.5 重量部加え攪拌し溶解させた後90℃に温調
し、次いでポリイソシアネート(商品名:コロネート−
HX)15.5重量部を添加攪拌し、混合物を得た。この混
合物を、あらかじめシャフト(φ:6 mm、l:240 mm)
が配置されている130 ℃に予熱された金型に注入し、13
0 ℃にて60分間加熱し、両端部を除くシャフト表面にガ
ラス転移点が−55℃である導電性ポリウレタン層が形成
されたロールを得た。このロールの硬度は35°(JIS
A)であり、ロール抵抗値は3 ×106 Ωであった。
(商品名:デスモジュールR、バイエル社製)100 重量
部を酢酸エチル100 重量部に溶解させる。 〈ロールの表面処理〉前記溶液を20℃に保ったまま、前
記ロールを30秒間浸漬後、100 ℃に保持されたオーブン
で15時間、加熱し、表面処理されたロールを得た。ロー
ル抵抗値は5×106 Ωであった。このロールを帯電ロー
ルとして用い、実施例1と同様な操作により複写物を得
た。測定結果を表1に示した。
法によりロールを得た。このロールを帯電ロールとして
用い、実施例1と同様な操作により複写物を得た。測定
結果を表1に示した。
測定値をJIS Aに換算した。 *感光体汚染の程度は、現像ロールをニップ幅3mmでO
PCドラムに圧接し、50℃、90%Rhで10日間放置後、O
PCドラム圧接面の状態により判定した。ここで、
「中」は、ドラムの圧接面が部分的に白濁した状態、
「ナシ」は、ドラムの圧接面と非接触部との差異が認め
られない状態を示す。 *感光体表面の電位は、ロールにより帯電された感光体
の表面電位の実測値である。 *感光体表面の帯電性は、ロールにより帯電された感光
体の表面電位が時間の経過とともに変動する程度を表す
ものである。ここで「B」は感光体の表面電位が、短時
間で低下することを示し、それに対して「A」は、感光
体の表面電位が長い間保持されることを示す。
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 芯金表面に、導電性弾性体層が形成され
ている帯電ロールにおいて、該導電性弾性体層は、ポリ
エーテルポリオールおよびポリエステルポリオールのな
かから選ばれた少なくとも一つのポリオールを含む混合
物から調製されたポリウレタン弾性体層であり、しかも
該導電性弾性体層表面は、ポリイソシアネートを含む溶
液と接触させた後、加熱硬化させて表面処理されている
ことを特徴とする帯電ロール。 - 【請求項2】 芯金表面に、ポリエーテルポリオールお
よびポリエステルポリオールのなかから選ばれた少なく
とも一つのポリオールとポリイソシアネートとを少なく
とも含み、かつNCO/OHが0.7ないし0.95で
ある混合物を用いてポリウレタン弾性体層を形成させ、
次いで、該弾性体層をポリイソシアネートを含む溶液と
接触させた後、加熱硬化させて表面処理することを特徴
とする帯電ロールの製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP04077431A JP3133468B2 (ja) | 1992-03-31 | 1992-03-31 | 帯電ロールおよびその製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP04077431A JP3133468B2 (ja) | 1992-03-31 | 1992-03-31 | 帯電ロールおよびその製造方法 |
Publications (2)
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JPH05281830A JPH05281830A (ja) | 1993-10-29 |
JP3133468B2 true JP3133468B2 (ja) | 2001-02-05 |
Family
ID=13633818
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP04077431A Expired - Lifetime JP3133468B2 (ja) | 1992-03-31 | 1992-03-31 | 帯電ロールおよびその製造方法 |
Country Status (1)
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Families Citing this family (4)
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JPH08328352A (ja) * | 1995-05-30 | 1996-12-13 | Ricoh Co Ltd | 帯電部材およびそれを用いた帯電装置 |
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-
1992
- 1992-03-31 JP JP04077431A patent/JP3133468B2/ja not_active Expired - Lifetime
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