JP3072799B2 - 画像形成装置用表面改質ロール - Google Patents
画像形成装置用表面改質ロールInfo
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Description
表面にイソシアネート処理表層を有する画像形成装置用
表面改質ロールに関するものであり、とくに非磁性トナ
ー一成分系乾式現像用に適した画像形成装置用現像ロー
ル等に関するものである。
電記録法での乾式現像方式としては、トナーおよびキャ
リヤからなる二成分系現像剤を用いる方式と、キャリヤ
を含まずトナーからなる一成分系現像剤を用いる方式が
知られている。その一成分系現像剤を用いる方式、とく
に非磁性トナーを用いる接触方式を採用する場合は、有
機感光体(OPC)表面が汚染されやすく、それらの汚
染を避けるために、現像ロール、帯電ロール、転写ロー
ル等のOPCと関連のあるロールの開発・研究がなされ
ているが、いまだに十分に満足できるような成果は得ら
れていない。たとえば、シリコーンゴムを用いた現像ロ
ールの場合、OPCの汚染を回避するためには、シリコ
ーンゴムを200℃にて10日間も加熱処理する必要が
あり、より簡単な操作で汚染を回避できる実用的な方法
が求められている。なお、本明細書においては、煩雑さ
を避ける意味で、現像ロール、帯電ロール、転写ロール
等のOPCと関連のあるロールのなかからとくに現像ロ
ールを中心にして説明していくが、本発明は現像ロール
に限定されるものでないことは了解されるであろう。
るように適度に柔軟であり、感光体への圧接から解放
された時に速やかにかつ十分に回復できる、芯金表面
に形成された層の表面が均一であり、適度の導電率を
有するなどの性質が備わっていることが望ましいもので
あり、例えば、特開昭63−189876号公報には、
アルカリ金属塩を含む弾性体層を持つ現像ロールは適度
の硬度と導電性を有することが開示され、特開平1−2
14881号公報には、弾性体に軟化剤を配合し適度の
弾性を持たせた現像ロールが開示されている。ところ
が、導電性ウレタン弾性体を用いた現像ロールでは、前
記均一ニップを得るためなど優れた性能を有する現像ロ
ールとするには、適度に柔軟であることが望ましいので
あるが、一方柔軟な導電性ウレタン弾性体を用いた現像
ロールはOPCの汚染を受けやすくなるという問題点が
生じ、OPC汚染を簡単な操作で回避できる効果的な方
法を見出すことが求められている。
解消し、柔軟な導電性ウレタン弾性体を用いたロールで
あってもOPC汚染を簡単な操作で回避でき、しかも均
一ニップが得られる等の優れた特性を発揮できる、画像
形成装置用表面改質ロールを提供することにある。
達成するために提案されたものであって、芯金表面に形
成された導電性ウレタン弾性体を有するロールにおい
て、該弾性体層の表面にイソシアネート処理表層を形成
させることにより前記目的を達成することを可能ならし
めたものである。本発明における前記イソシアネート処
理表層とは、イソシアネート含有化合物を含む溶液に、
前記弾性体層を浸漬させて加熱することにより、弾性体
表面からイソシアネート含有化合物が浸透し、弾性体の
表層部分を高硬度に改質することを意味するもので、従
来技術のように、弾性体層の表面に被覆層を形成させる
ものとは異なる技術である。
る。非磁性トナーの一成分系現像剤を用いる方式におけ
る現像ロールは、例えば図1にその一使用例が示されて
いるが、ドナーロール(1)から供給されるトナー
(8)は、現像ロール(2)の回転と現像ブレード
(3)との作用により均一な厚みの層として現像ロール
(2)の表面に形成される。その一様なトナーはOPC
(4)表面に形成されている潜像に応じて現像ロールか
らOPC表面に転写される。
この現像ロールは、例えば図2に示
されているように、芯金シャフト(5)表面に、導電性
のウレタン弾性体層(6)が形成され、その弾性体層
(6)をイソシアネート含有化合物を含む溶液に浸漬さ
せて加熱することにより、弾性体層の表層部分のウレタ
ンとイソシアネートが反応してイソシアネートによる処
理表層(7)が形成されている。
うなものでも利用可能である。
弾性体は、現像ロールとして使用されている公知のもの
であればどのようなものでもよい。ここでいう導電性ウ
レタン弾性体の好適な製法は、本出願前から広く知られ
ているウレタンゴムあるいはウレタンエラストマーの製
造工程中に導電性を付与する化合物を存在させておくも
のである。例えば、イソシアネート化合物とポリオール
と導電性を付与する化合物とを、必要に応じて他の助剤
等の存在下に加熱反応させて得ることができる。前記導
電性を付与する化合物としては、アルカリ金属塩が好ま
しいものであり、その添加量はウレタン弾性体100 重量
部に対して0.001 ないし3.0 重量部である。
えば、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジ
イソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリジ
ンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネ−
ト、イソホロンジイソシアネート、あるいはそれらのプ
レポリマ−または変性物等が挙げられる。前記ポリオー
ルとしては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポ
リオール、ポリエステルポリカーボネートポリオール等
が挙げられる。これら、イソシアネート化合物あるいは
ポリオールは、それぞれ単独で用いてももよいが、二種
以上併用することも可能である。
橋剤などが挙げられる。具体的には、グリコール類、ヘ
キサントリオール、トリメチロールプロパン、アミン類
が例示される。
ロキサン結合を有する化合物を含む混合物から形成され
ることもできる。ここでいう、混合物としてはウレタン
弾性体を製造するために常用されるものを用いることが
できる。前記シロキサン結合を有する化合物は、ジメチ
ルシロキサン結合を有する化合物あるいはメチル基の一
部がフェニル基で置換された化合物などの有機化合物を
意味し、例えば、ジメチルシロキサン結合を含むイソシ
アネート化合物あるいはジメチルシロキサン結合を含む
ポリオールが挙げられる。具体的には、東レ・ダウコー
ニング社製の商品名SF8427やSF8428が例示できる。
十分に混合した後、公知の成形方法を使用して、芯金表
面に弾性体層を形成させることができる。たとえば、本
発明では、公知のワンショット法あるいはプレポリマー
法を採用して弾性体層を形成させることができる。この
弾性体の硬度は55°(JIS A)以下、好ましくは
25ないし50°(JIS A)以下が良い。硬度が5
5°(JIS A)を越えるとOPCとの均一な接触面
を得るための軸調整が困難になる等の欠点があり、好ま
しくない。
イソシアネート処理表層を形成させる。イソシアネート
処理表層とは、弾性体層の表面にイソシアネート処理表
層がコーティングによって形成されるのではなく、弾性
体層をイソシアネート含有化合物を含む溶液に浸漬させ
て加熱することにより、弾性体層の表層部分のウレタン
とイソシアネートが反応し、弾性体層の表層が改質され
た処理表層となるものである。このイソシアネート処理
表層を形成させる方法は特に限定されない。たとえば、
イソシアネート含有化合物を含む溶液を表面処理液とし
てまず調製し、前記弾性体をその表面処理液内に浸漬
し、次いで加熱処理をする方法、前記表面処理液を弾性
体表面に塗布し、次いで加熱する方法などが好適であ
る。前記塗布する手段としては、スプレーコート法、ロ
ールコート法等が例示できる。
表層であることが好ましい。例えば硬度が、70°(J
IS A)以上であると、OPC汚染の防止がより一層
効果的となる。
合物を有機溶媒に溶解させたもの、イソシアネート含有
化合物とポリオールとを有機溶媒に溶解させたもの、そ
れらの溶液にポリウレタン形成反応に際して常用される
助剤等を添加した溶液などが例示できる。
理層を形成し得るものであればどのようなものでもよい
が、例えば前述したイソシアネート化合物から選択する
ことができる。また、該ポリオールは、前記イソシアネ
ート化合物と共に前記表面処理層を形成し得るものであ
ればどのようなものでもよいが、例えば、前述したポリ
オールから選択することができる。これら、イソシアネ
ート化合物あるいはポリオールは、また、シロキサン結
合を有するものも使用することができる。
媒が好ましく、特に酢酸エチル、ジメチルホルムアミド
あるいはそれらの混合物が好適である。そして、前記表
面処理液の粘度を10ないし500c.p.となるよう
に、有機溶媒の量などを調整すると効果的である。この
イソシアネート処理表層の厚みは特に限定されるもので
はないが、表面より1mm程度までの厚みで形成されてい
ることが好ましい。
ついて、さらに具体的な処理条件を説明すると、処理液
の温度は、10ないし40℃、特に15ないし25℃に
設定しておくことが好ましい。浸漬する時間は、処理液
の粘度等にもよるが10分以内、好ましくは5分以内が
よい。この時間の範囲をはずれると、イソシアネート処
理表層のヒビ割れが起こりやすくなり、またイソシアネ
ート処理表層が厚くなり、優れた効果をもたらさなくな
る。
が形成されていることが重要であり、その形成方法が前
記のような表面処理する方法に限定されないことは明ら
かである。また、本発明の表面処理ロールは、帯電ロー
ル、転写ロールなどOPCと密接な関連があるロールに
も使用でき、OPCの汚染を回避できることを可能にし
たものでもある。
液を浸漬させ、あるいは塗布させ、加熱するという、極
めて簡単な操作により、弾性体層表面部分がイソシアネ
ートによって改質され、OPC汚染を回避することがで
きる画像形成装置用表面改質ロールを提供することがで
きる。特に、前記イソシアネート処理により得られた表
面処理ロールであって、表面が高硬度であり、しかもそ
の表面の内側は柔軟性を保っている表面処理ロールは、
従来から指摘されていたOPC汚染などの問題点を解消
したものである。そして、このロールはトナーを十分に
摩擦帯電させることができるなどの現像ロールが必要と
する特性をも備えたものであり、現像ロールとして特に
有用である。
的に説明するが、本発明はこの実施例に限られるもので
ないことはいうまでもない。 参考例1 〈ロールの製法〉 クラポールP−2010(クラレ社製のポリエステルポリオ
ール−水酸基価56)100重量部に、過塩素酸リチウ
ムを0.005部加え攪拌し溶解させた後、100℃に
温調し、ついでコロネートC−HX(日本ポリウレタン
社製の脂肪族系ポリイソシアネート−NCO含量21重
量%)を15重量部添加・攪拌し、混合物を得た。この
混合物を、あらかじめシャフト(φ:8mm、l:270mm
)が配置されている120℃に予熱された金型に注入
し、130℃にて60分間加熱し、シャフト表面に導電
性ポリウレタン弾性体層が形成されたロールを得た。こ
のロールの硬度は30°(JIS A)であり、ロール
抵抗値は1×108 Ωであった。このロールを現像ロー
ルとして用い、非磁性トナー一成分系現像方式でPPC
に画像を形成させてみた。得られた結果を表1に示し
た。
実施例1
〈表面処理
液の調製〉 SF8427(東レ・ダウコーニング社製の両末端アルコー
ル変性シリコーンオイル−水酸基当量1200)10重
量部にMR400 (日本ポリウレタン社製)10重量部を
添加・混合し、120℃で10分間反応させた後、酢酸
エチル200重量部に溶解させる。 〈ロールの表面処理〉 前記溶液を20℃に保ったまま、参考例1のロールを5
秒間浸漬後、100℃に保持されたオーブンで10時
間、加熱する。表面が高硬度の現像ロールを得た。ロー
ル抵抗値は1×108 Ωであった。このロールを現像ロ
ールとして用い、非磁性トナー一成分系現像方式でPP
Cに画像を形成させてみた。得られた結果を表1に示し
た。
5重量部に過塩素酸リチウム0.005部加え攪拌し溶
解させた後、100℃に温調し、A液を得た。一方、S
F8427(東レ・ダウコーニング社製)15重量部にジフ
ェニルメタンジイソシアネート4重量部、コロネートC
−HX(日本ポリウレタン社製)12重量部を添加・混
合し、100℃にて30分間反応させ、B液を得た。こ
のA液とB液とを混合し、あらかじめシャフト(φ:8
mm、l:270mm )が配置されている120℃に予熱され
た金型に注入し、130℃にて60分間加熱し、両端部
を除くシャフト表面に導電性ポリウレタン層が形成され
たロールを得た。このロールの硬度は45°(JIS
A)であり、ロール抵抗値は1×108Ωであった。
−NCO含量30重量%)20重量部を酢酸エチル18
0重量部に添加・混合し、溶液を得た。
保ったまま、前記ロールを60秒間浸漬後、100℃に
保持されたオーブンで10時間、加熱する。表面が高硬
度の現像ロールを得た。ロール抵抗値は1×108 Ωで
あった。このロールを現像ロールとして用い、非磁性ト
ナー一成分系現像方式でPPCに画像を形成させてみ
た。得られた結果を表1に示す。
ン社製)を17.5重量部添加・攪拌する以外は、参考
例1と同じ操作を行い、シャフト表面に導電性ポリウレ
タン層が形成されたロールを得た。このロールの硬度は
55°(JIS A)であり、ロール抵抗値は2×10
8 Ωであった。このロールを現像ロールとして用い、非
磁性トナー一成分系現像方式でPPCに画像を形成させ
てみた。得られた結果を表1に示す。
00重量部に、1,4−ブタンジオール5重量部、トリ
メチロールプロパン2重量部、過塩素酸リチウム0.0
05部加え攪拌し溶解させた後、100℃に温調し、つ
いでジフェニルメタンジイソシアネートを34重量部添
加・攪拌し、混合物を得た。この混合物を、参考例1と
同じ操作を行い、シャフト表面に導電性ポリウレタン層
が形成されたロールを得た。このロールの硬度は70°
(JIS A)であり、ロール抵抗値は3×108 Ωで
あった。このロールを現像ロールとして用い、非磁性ト
ナー一成分系現像方式でPPCに画像を形成させてみ
た。得られた結果を表1に示す。
測定値をJIS Aに換算した。 *OPC汚染の程度は、現像ロールをニップ幅3mmでO
PCドラムに圧接し、50℃、90%Rhで10日間放置後、O
PCドラム圧接面の状態により判定した。ここで、
『大』は、ドラムの圧接面が全長にわたり白濁した状
態、『中』は、ドラムの圧接面が部分的に白濁した状
態、ナシは、ドラムの圧接面と非接触部との差異が認め
られない状態を示す。 *帯電特性の測定法は以下のようにして行った。まず、
トナーを圧縮成形によりφ:13mm、t :1mm のトナーチ
ップを作製し、そのチップを現像ロール表面でこすり、
トナーチップの表面電位を測定した。なお、シリコーン
ゴムを用いた現像ロールの帯電特性は、−14.0KVであっ
た。
系現像剤を用いる方式における一使用例を示す図であ
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 芯金表面に、導電性ウレタン弾性体層が
形成されている画像形成装置用表面改質ロールにおい
て、該導電性ウレタン弾性体層の表面が、イソシアネー
ト含有化合物を含む溶液に前記弾性体層を浸漬させ加熱
することによって改質されたイソシアネート処理表層で
あることを特徴とする表面改質ロール。 - 【請求項2】 前記溶液には、シロキサン結合を有する
化合物が含まれている請求項2記載の表面改質ロール。 - 【請求項3】 前記導電性ウレタン弾性体層は、シロキ
サン結合を有する化合物が含まれる組成物から形成され
た層である請求項1ないし3のいずれか1項記載の表面
改質ロール。
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Country Status (1)
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1991
- 1991-12-04 JP JP32065291A patent/JP3072799B2/ja not_active Expired - Lifetime
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