JP3474675B2 - 電子写真装置用クリーニングブレード - Google Patents

電子写真装置用クリーニングブレード

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JP3474675B2 JP14410795A JP14410795A JP3474675B2 JP 3474675 B2 JP3474675 B2 JP 3474675B2 JP 14410795 A JP14410795 A JP 14410795A JP 14410795 A JP14410795 A JP 14410795A JP 3474675 B2 JP3474675 B2 JP 3474675B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低摩擦係数を有するブ
レード部材からなる電子写真装置用クリーニングブレー
ドに関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真装置は、表面に光導電体層を設
けた感光体を有しており、作動の際、上記感光体の外周
面が一様に帯電され、ついで被模写体の被模写像を介し
てその外周面を露光することにより、静電潜像を形成
し、この静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成
し、これを紙等に転写し、定着させるものである。
【0003】この過程において、転写後の感光体の外周
上にはトナーが一部残留するので、この残留トナーを除
去する必要がある。このようなトナーの除去は、クリー
ニングブレードにより行われている。クリーニングブレ
ードは、通常、金属板よりなる支持部材、弾性体よりな
るブレード部材、及び、支持部材にブレード部材を取り
付けるための接着剤層より形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記ブレード部材は、
ウレタンエラストマーから製造されるのが一般的である
が、ウレタンエラストマーは感光体との摩擦係数が大き
く、特に、クリーニングブレードを感光体に初めて装着
させた場合、トナー消費量が少ない画像を連続的に多量
複写した場合等には、大きい摩擦力により、ブレードエ
ッジ部がめくれてクリーニング不能となる問題があっ
た。
【0005】このような問題を避けるために、ブレード
エッジ部にポリふっ化ビニリデン、ポリ四ふっ化エチレ
ン等のふっ素系の樹脂微粉末を塗布して、潤滑剤として
作用させることが行われているが、ブレード長手方向に
微粉末を均一に塗布することが容易でなく、塗布のバラ
ツキがあると上述したクリーニング不能が発生する等の
欠点があった。
【0006】更に、クリーニングを繰り返すうちに、こ
の微粉末が消耗し、これに代わってトナーが潤滑剤とし
て作用するようになるが、潤滑効果の低減は避けられ
ず、比較的機械的強度の低い有機半導体を感光体として
使用する場合には、感光体を損傷し、寿命を短くする等
の問題を有していた。
【0007】クリーニングブレードが長期間安定した性
能を発揮し続けるには、ブレード部材先端縁の感光体表
面への接触が常時適切な圧力で均一になされていること
が必要であり、このためにはクリーニングブレード先端
縁の平滑性が良好であることはもちろんのこと、ブレー
ド部材の支持部材への取付が位置ずれのない高い精度で
行われ、かつ、剥離等による位置ずれ、支持部材からの
浮き上がり等が生じないように強固に固定されている必
要がある。
【0008】上述したクリーニング不能の問題を改良す
るために、ブレード部材の材料中に潤滑剤を含有させる
工夫が行われてきているが、このような潤滑剤を含有さ
せたブレード部材は、表面が疎水化されているので、支
持部材との接着が困難である等の問題が発生する。
【0009】本発明は、上記に鑑み、感光体の損傷が小
さく、かつ、耐久性に優れた電子写真装置用クリーニン
グブレードを提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、ブレー
ド部材と、支持部材と、接着剤層とからなる電子写真装
置用クリーニングブレードにおいて、上記ブレード部材
を、少なくとも感光体と当接する部分をポリシラザンに
より被覆したものとするところにある。
【0011】本発明で使用されるブレード部材として
は、硬度40〜95(JIS−A)のものであれば特に
限定されず、例えば、熱可塑性エラストマー、熱硬化性
エラストマー等を用いることができる。なかでも、熱硬
化性ウレタンエラストマーが好ましい。
【0012】上記熱硬化性ウレタンエラストマーとして
は、例えば、イソシアネート化合物、高分子量ポリオー
ル、及び、架橋剤からなり、熱硬化反応したもの等を挙
げることができる。
【0013】上記イソシアネート化合物としては、例え
ば、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ト
リレンジイソシアネート(TDI)、ナフタレンジイソ
シアネート(NDI)、トリジンジイソシアネート(T
ODI)等を挙げることができる。
【0014】上記高分子量ポリオールとしては、例え
ば、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオ
ール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートエー
テルポリオール等を挙げることができる。上記架橋剤と
しては、例えば、ブタンジオール、エチレングリコー
ル、トリメチロールプロパン、グリセリン等の多価アル
コール等を挙げることができる。
【0015】本発明で使用されるブレード部材は、少な
くとも感光体と当接する部分をポリシラザンにより被覆
したものである。上記ポリシラザンとしては、シラザン
結合(−Si−N−)を主鎖とするポリマーであれば特
に限定されず、例えば、東燃ポリシラザン(東燃社
製)、フリコート(DEXTER社製)等を挙げること
ができる。
【0016】上記ポリシラザンをブレード部材に被覆す
る方法としては、例えば、ポリシラザンを有機溶媒に溶
解し、この溶液にブレード部材を浸漬する方法、この溶
液をブレード部材にスプレー塗布した後溶媒を蒸発する
方法等を挙げることができる。本発明においては、上記
ポリシラザンを被覆後、焼結させることが好ましい。上
記焼結の方法としては、ポリシラザンを被覆した後、5
0〜150℃にて加熱処理を行えばよい。
【0017】本発明で使用される支持部材としては通常
用いられているものであれば特に限定されず、例えば、
剛体の金属、弾性を有する金属、プラスチック、セラミ
ック等から製造されたもの等が挙げられ、なかでも、経
時変化せず、耐腐食性を有するので、無処理の鋼板;リ
ン酸亜鉛処理、クロメート処理等の表面処理が施された
鋼板;その他メッキ処理が施された鋼板等から製造され
たものが好ましい。
【0018】本発明の電子写真装置用クリーニングブレ
ードにおける接着方法としては、通常用いられる方法で
行われ、例えば、上記支持部材に、通常用いられる接着
剤を塗布し、その上にブレード部材を貼り合わせ、加
熱、加圧する方法、金型成形による接着剤を塗布した支
持部材とブレード部材との一体成形法等による方法があ
る。
【0019】
【作用】本発明の電子写真装置用クリーニングブレード
は、ブレード部材の少なくとも感光体と当接する部分
が、ポリシラザン又はその焼結物からなる薄膜(サブミ
クロン〜数ミクロンの厚さ)により被覆されているの
で、感光体との当接部の寸法精度を損なうことなく感光
体との摩擦係数を低くすることができる。
【0020】また、ポリシラザンは、ブレード部材を形
成するポリウレタン等との密着性にも優れるので、被膜
がはがれたりすることがなく、耐久性にも優れたものと
なる。特に、ポリシラザンを塗布後焼結することによ
り、薄膜がかたく強固になり、ブレード部材との密着性
も増すので、更に、低摩擦で耐久性に優れたものとな
る。
【0021】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0022】実施例1 エチレンアジペートエステルポリオール(分子量200
0)と4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートと
より得られるウレタンプレポリマー(イソシアネート含
有率=6.3%)100重量部と、1,4−ブタンジオ
ール/トリメチロールプロパン(モル比=60/40)
の混合物6.5重量部とからなるウレタン組成物を作製
し、これを遠心成型機(ドラム温度140℃、ドラム内
型720mm、回転数600rpm)に注入後60分間
加熱し、ドラムから取り出し110℃で24時間更に加
熱することにより、ウレタンエラストマーシートを作製
した。このシートを所定サイズに裁断することにより、
ブレード部材とした。
【0023】一方、リン酸塩処理された鋼板(新日本製
鉄社製、ボンデ鋼板)を用いて製造した支持金具を塩化
メチレンにて洗浄し、この支持金具に、接着剤としてホ
ットメルト接着剤(ヘンケル白水社製、マクロメルト6
238)を用い、195℃に加熱溶融し、アプリケータ
ーを用いて厚さが100μmになるように支持金具に塗
布した。この支持金具とブレード部材とを熱プレスで加
熱加圧して接着させることにより、クリーニングブレー
ドを作製した。このクリーニングブレードの先端をポリ
シラザン溶液(フリコート、DEXTER社製)に浸漬
し、室温で乾燥させた。
【0024】実施例2 クリーニングブレードの先端をポリシラザン溶液に浸漬
した後、110℃で1時間加熱処理を行った以外は実施
例1と同様に行った。
【0025】比較例1 クリーニングブレードの先端をポリシラザン溶液に浸漬
しなかった以外は実施例1と同様に行った。
【0026】評価 得られた実施例1及び2並びに比較例1のクリーニング
ブレードをヘイドン表面性測定機にセットし、アクリル
板との摩擦係数を測定した。また、得られたクリーニン
グブレードを市販の乾式普通紙電子写真複写機に装着
し、35000枚連続複写させた後の感光体の表面状態
及びブレードエッジ部を観察し、更に、摩擦係数も測定
した。その結果を表1に示した。
【0027】
【表1】
【0028】
【発明の効果】本発明の電子写真装置用クリーニングブ
レードは、上述した構成よりなるので、低摩擦係数を有
し、感光体の損傷が小さく、また、ブレードエッジ部の
磨耗も小さく、耐久性に優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−199761(JP,A) 特開 平4−212190(JP,A) 特開 昭55−77773(JP,A) 特開 平5−119504(JP,A) 特開 平6−47862(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 21/00 G03G 21/10 - 21/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレード部材と、支持部材と、接着剤層
    とからなる電子写真装置用クリーニングブレードにおい
    て、前記ブレード部材が、少なくとも感光体と当接する
    部分をポリシラザンにより被覆したものであることを特
    徴とする電子写真装置用クリーニングブレード。
  2. 【請求項2】 ポリシラザンが、焼結されたものである
    請求項1記載の電子写真装置用クリーニングブレード。
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JP6318858B2 (ja) * 2014-05-27 2018-05-09 株式会社リコー 粉体搬送装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置

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