JP4184140B2 - 遠心成形金型およびその製造方法ならびにこれを用いて製造される遠心成形体およびブレードならびにその製造方法 - Google Patents

遠心成形金型およびその製造方法ならびにこれを用いて製造される遠心成形体およびブレードならびにその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂製の薄肉円筒体を成形するための遠心成形金型およびその製造方法ならびにこれを用いて製造される樹脂製の薄肉遠心成形体および電子写真装置に用いられるブレードならびにその製造方法に関する。
【0002】
【背景技術】
コロナ放電を用いずに接触帯電処理および接触転写処理を行う電子写真装置の概略構造を図7に示す。すなわち、静電潜像が形成される電子写真感光ドラム101は、例えばアルミニウム製の導電性基体層と、この導電性基体層の外周面に形成される光導電層とを具えている。この電子写真感光ドラム101の外周面に当接し、これを所定の電位に一様に帯電させる帯電ローラ102は、心金部102aと、この心金部102aを囲む導電性弾性体層102bとを具えている。この帯電ローラ102は、図示しないばねなどの付勢手段によって電子写真感光ドラム101の外周面に所定の押圧カをもって押し付けられ、電子写真感光ドラム101の駆動回転に伴って従動回転する。そして、帯電ローラ102の心金部102aに対し、直流成分に交流成分を加えたバイアス電圧か、または直流成分のみのバイアス電圧を印加することで、電子写真感光ドラム101の表面を所定の電位に接触帯電させる。このようにして所定の電位に一様に帯電された電子写真感光ドラム101の表面にレーザーやLEDなどを用いた露光装置の結像レンズ103によって画像情報を露光することにより、この画像情報に対応した静電潜像を電子写真感光ドラム101の表面に形成し、この静電潜像を現像器104の現像スリーブ104aを介して供給されるトナー105によりトナー画像として可視化する。現像スリーブ104aの外周には、電子写真感光ドラム101へのトナー105の供給量を適切に規制するための現像ブレード104bが摺接している。電子写真感光ドラム101の表面に形成されたトナー画像に対し、両端部が回転自在に軸支される心金部106aと、この心金部106aの周囲に円柱状に設けられた導電性弾性体層106bとを有する転写ローラ106により、紙などの転写媒体107の裏面側からトナー105と逆極性の帯電を行い、これによって電子写真感光ドラム101の表面のトナー画像が転写媒体107の表面に転写される。トナー画像が転写された転写媒体107は、電子写真感光ドラム101から分離され、一対の定着ローラ108により加熱および加圧されて転写媒体107に固定される。また、転写後の電子写真感光ドラム101に付着している残留トナーは、クリーナ109に設けられたクリーニングブレード109aによって払拭され、電子写真感光ドラム101の表面が清浄化される。
【0003】
このような電子写真装置で用いられる各種ブレード部材、例えば上述した現像スリーブ104aの外周に担持されるトナー105の量を適切に規制するための現像ブレード104bや、電子写真感光ドラム101の表面に付着したトナー105を払拭するためのクリーニングブレード109aは、耐摩耗性や機械的特性に優れたウレタンゴムなどの熱硬化性樹脂を高速回転する円筒状をなす遠心成形金型の内周面に流し込んで薄く延ばし、加熱して薄肉(現像ブレード104bの場合には0.5〜2mm,クリーニングブレード109aの場合には1.5〜3mm)の円筒状シート材料とし、これを金型から取り出して所定の寸法形状に切り出すことによって製造され、これを金属製の保持部材104c,109bにそれぞれ接着剤を介して接合した状態で用いられる。
【0004】
このような薄肉円筒体を遠心成形する従来の遠心成形金型の外観を図8に一部破断状態で模式的に示す。すなわち、一端側に開口110aが形成されたカップ状をなす金型本体110の他端側には、図示しない駆動源に連結される回転軸110bが突設されている。開口110aを介して金型本体110の内周面110cに供給される熱硬化性樹脂は、駆動源の作動による金型本体110の回転に伴い、その内周面110c全域に均一に拡散し、金型本体110に埋設された図示しないヒータにより加熱を受けて硬化する。このようにして遠心成形された薄肉円筒体111は、金型本体110の回転を停止した後に金型本体110の内周面110c、つまり内壁から引き剥がされ、所定の寸法形状に切断されて上述した現像ブレード104bやクリーニングブレード109aなどとして利用される。
【0005】
ちなみに、遠心成形法によって製造される薄肉円筒体111の内周面111aは空気面、その反対側の金型本体110の内壁110cと接触する外周面111bは金型面とそれぞれ呼称され、空気面111aが鏡面状態となるのに対し、金型面111bは金型本体110の内壁110cの表面あらさが転写される性質を持つ。このため、遠心成形された薄肉円筒体111を現像ブレード104bやクリーニングブレード109aとして利用する際には、金型面111bよりも一般的に平滑性の高い空気面111aを現像スリーブ104aや電子写真感光ドラム101に対して摺接する側の面として用いられる。
【0006】
【従来の技術】
遠心成形法により製造される薄肉円筒体は、均一な厚みのものを容易に成形することができるが、近年、プリンタや複写機などの電子写真装置の高速化,カラー化,高画質化が促進され、同時にブレードの寸法形状のより高精度化が求められつつある。
【0007】
ところが、図8に示した従来の金型本体110の内周面110cの中心軸線に対し、その回転軸110bの回転中心軸線が偏心している場合や、金型本体の内周面110cの真円度が低い場合、金型の回転中に金型内周面110cの振れが発生し、円周方向に沿った遠心力の分布が不均一となる結果、得られる薄肉円筒体111の肉厚がその円周方向に沿って不均一となってしまう不具合があった。
【0008】
このような不具合を解消するため、特許文献1や特許文献2では、金型本体の内周面に偏心補償用の樹脂を供給し、これを加熱硬化させて金型本体と一体の偏心補償層をあらかじめ形成しておき、この偏心補償層の内周面に成形されるべき薄肉円筒体となる樹脂を供給することが提案されている。この方法では、金型本体の回転軸の回転中心に対し、偏心補償層の内周面の振れがその成形過程において自動的に矯正される結果、この偏心補償層の内周面に成形される薄肉円筒体の円周方向に沿った肉厚変動をほとんどなくすことができる。しかも、金型本体の内周面を鏡面加工せずとも、偏心補償層の内周面を鏡面状態にすることができるため、得られる薄肉円筒体の金型面をその空気面と同様に鏡面に仕上げることが可能となる。特に、偏心補償層としてシリコーンゴムを用いた場合には、偏心補償層の内周面に離型剤を塗布せずとも、成形された薄肉円筒体を偏心補償層から容易に剥離させることができ、離型剤を使用しないことによる洗浄工数などの省略およびコストダウンを図ることができる。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−172068号公報
【0010】
【特許文献2】
特開2001−305858号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような方法で薄肉円筒体の成形を繰り返し行っていると、偏心補償層の内周面の離型性が次第に低下して行くため、ある程度の成形回数毎に金型本体の内周面から偏心補償層を除去し、新たな偏心補償層を形成し直す必要がある。特に、偏心補償層として機械的強度が不足気味のシリコーンゴムを用いた場合、金型本体から離型性が低下したシリコーンゴムを除去する際にシリコーンゴムがちぎれ易く、これを金型本体の内周面から完全に除去するまでに極めて長い時間と労力とを必要とする。
【0012】
また、特許文献1や特許文献2に開示された方法では、金型本体の内周面を鏡面加工せずとも、偏心補償層の内周面が鏡面状態になるため、得られる薄肉円筒体の金型面がその空気面と同様に鏡面に仕上がってしまい、タック性、つまりべとつき性が増大する。この結果、得られた薄肉の遠心成形体を電子写真装置のブレードなどに加工する際に成形治具などに貼り付き易く、その取り扱いに難点が生じ、作業性の低下をもたらす。
【0013】
【発明の目的】
本発明の目的は、離型剤を使用せずとも遠心成形体の剥離が容易であって、繰り返し成形可能な使用回数が多く、しかも再生が容易である遠心成形金型およびその製造方法を提供することにある。
【0014】
本発明の他の目的は、このような遠心成形金型を用いて製造される均一な厚みを持った良好な品質の円筒状をなす遠心成形体および電子写真装置に用いられるブレードならびにその製造方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の形態は、円筒状の金型本体と、この金型本体の内周面に剥離可能に接合された保持層と、この保持層の内周面に一体的に接合された離型層とを具えた遠心成形金型であって、前記離型層はその内周面に供給される遠心成形材料を剥離可能に保持することを特徴とするものである。
【0016】
本発明においては、離型層の内周面に遠心成形材料を供給し、これが離型層の内周面全域に均一に拡散するように金型本体を駆動回転し、この状態にて遠心成形材料を硬化させた後、離型層から円筒状に成形された遠心成形体を剥離する。
【0017】
本発明の第2の形態は、円筒状をなす金型本体の内周面に剥離可能に接合される保持層を構成するための第1の液剤を供給するステップと、第1の液剤が金型本体の内周面全域に均一に拡散するように金型本体を駆動回転するステップと、金型本体の内周面全域に拡散した第1の液剤を硬化させて前記保持層を形成するステップと、この保持層の内周面に一体的に接合される離型層を構成するための第2の液剤を供給するステップと、第2の液剤が前記保持層の内周面全域に均一に拡散するように金型本体を駆動回転するステップと、金型本体の内周面全域に拡散した第2の液剤を硬化させて前記離型層を形成するステップとを具えた遠心成形金型の製造方法にある。
【0018】
本発明の第3の形態は、本発明の第1の形態による遠心成形金型あるいは本発明の第2の形態による方法によって製造された遠心成形金型を用いて製造される円筒状遠心成形体にある。
【0019】
本発明の第4の形態は、電子写真装置における電子写真感光ドラムの外周面に摺接し、接着剤を介して保持部材に保持され、前記電子写真感光ドラムの外周面を払拭するためのクリーニングブレードであって、本発明の第3の形態により製造される円筒状の遠心成形体をその周方向に沿って短冊状に切断することによって得られるようにしたことを特徴とする。
【0020】
本発明の第5の形態は、電子写真装置における現像スリーブの外周面に摺接し、接着剤を介して保持部材に保持され、前記現像スリーブによるトナーの担持量を規制するための現像ブレードであって、本発明の第3の形態により製造される円筒状の遠心成形体をその周方向に沿って短冊状に切断することによって得られるようにしたことを特徴とする。
【0021】
本発明の第6の形態は、本発明の第1の形態による遠心成形金型あるいは本発明の第2の形態により製造された遠心成形金型を用い、離型層の内周面に電子写真用ブレードとなる液体材料を供給するステップと、前記液体材料が前記離型層の内周面全域に均一に拡散するように、金型本体を駆動回転するステップと、前記離型層の内周面全域に拡散した前記液体材料を硬化させて円筒状の遠心成形体を得るステップと、金型本体の回転を停止して前記離型層から硬化した円筒状の遠心成形体を剥離させて取り出すステップと、前記遠心成形体をその周方向に沿って短冊状に切断するステップとを具えた電子写真用ブレードの製造方法にある。
【0022】
本発明の第7の形態は、本発明の第3の形態による円筒状の遠心成形体をその周方向に沿って短冊状に切断するステップを具えた電子写真用ブレードの製造方法にある。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の形態による遠心成形金型において、保持層が遠心成形材料の硬化温度以上、一般的には150℃程度の耐熱温度を有する熱硬化性樹脂にて形成されていることが好ましく、特に室温から150℃の範囲に亙ってゴム状弾性を示さないようなものであれば、金型本体から離型層と共に保持層を除去する際に有利である。このような熱硬化性樹脂としては、例えばポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂などを挙げることができるが、特に金型本体の内周面との間に適度な密着性を保持することができるエポキシ樹脂が好ましい。保持層として上述した熱硬化性樹脂以外に、溶剤などに溶解可能な樹脂など、硬化前に液体であって硬化時に固体となるものであれば、特に限定されるものではない。このような溶剤に溶解できる樹脂としては、例えばポリスチレン、ポリアミド、ポリカーボネートなどを挙げることができる。
【0024】
保持層は0.5〜5.0mmの厚みを有することが有効である。保持層の厚みが0.5mm未満の場合には、保持層の強度が不充分であり、金型本体から保持層を離型層と共に除去することが困難になる。逆に、保持層の厚みが5mmを超えると、この保持層および離型層を介して金型本体から遠心成形材料への熱伝導の効率が低下し、遠心成形材料の円滑な硬化が阻害され、その物性に悪影響を及ぼすおそれが生ずる。
【0025】
離型層を形成する材料としては、加熱により硬化する樹脂またはゴム状になるものや、溶剤や水に溶解可能な樹脂またはゴムなど、遠心成形材料に対して離型性を有し、この離型層を形成する時に液体であれば、特に限定されるものではない。しかしながら、その製造時に内周面を鏡面にしやすく、溶剤などを用いない150℃以上の耐熱性を有する熱硬化性樹脂が好ましい。このような熱硬化性樹脂としては、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、シリコーンゴムなどを挙げることができ、特に硬化前に室温で液状となっているシリコーンゴム、特に1液硬化タイプや2液硬化タイプなど、硬化剤の有無に限定されるものではないが、150℃以下で硬化する、いわゆるLTV(Low Temperature Vulcanizing:低温加硫)やRTV(Room Temperature Vulcanizing:室温加硫)タイプのものが好ましい。
【0026】
離型層は、その離型層の内周面を粗面化するための150℃程度の耐熱性を有する粉状の粗面化処理剤をその表層部に含むことができる。この粗面化処理剤として固体潤滑剤、例えばシリコーン系潤滑剤、フッ素系潤滑剤、二硫化モリブデン、黒鉛、フッ化黒鉛、窒化ホウ素、二硫化タングステン、タルクなどを採用することができる。特に、種々の作業性の観点からフッ化黒鉛が好ましく、固体潤滑剤の粒径が10μmを超えると、離型層の内周面の平滑性が低下する結果、得られる遠心成形体の厚みに悪影響を与えるので、その粒径が10μm以下、特に5μm以下であることが有効である。さらに、離型層の内周面の十点平均表面粗さRzが2〜10μmであることが好ましい。
【0027】
本発明の第2の形態による遠心成形金型の製造方法において、保持層となる第1の液剤の粘度があまり高いと遠心成形によって均一な厚みの保持層を形成することが困難となるため、第1の液剤の粘度は2Pa・s以下、特に1Pa・s以下であることが好ましい。
【0028】
金型本体の内周面に対する保持層の接合状態を適切に調整するため、第1の液剤を金型本体の内周面に供給する前に、この金型本体の内周面に少量の離型剤を塗布しておくことも有効である。このような離型剤としては、シリコーン系離型剤やフッ素系離型剤またはワックスの他、溶剤に可溶な樹脂、例えばフッ素樹脂やポリアセタールなどを溶剤に数%程度溶解したものなどを採用することができる。
【0029】
上述した保持層の場合と同様に、離型層を構成する第2の液剤の粘度があまり高いと遠心成形によって均一な厚みの離型層を形成することが困難になるため、第2の液剤の粘度も2Pa・s以下、特に1Pa・s以下であることが好ましい。
【0030】
離型層を形成するステップは、金型本体の内周面全域に拡散した第2の液剤が完全に硬化する前に、その内周面に粗面化処理剤を含む第2の液体をさらに散布し、離型層の内周面を粗面化させるステップを具えることができる。ここで、第2の液剤と共に離型層を形成する粗面化処理剤を第2の液剤に添加する目的は、離型層の内周面を粗面化することにより、得られる遠心成形体の金型面のタック性を軽減することである。この粗面化処理剤は、150℃程度の耐熱性を有する粉粒状のものであればよく、特に固体潤滑剤を用いた場合には、得られる遠心成形体の金型面のタック性をさらに低減させることが可能となる。
【0031】
粗面化処理剤を第2の液剤と共に散布する際、第2の液剤中に粗面化処理剤を均一に分散させるため、成形後の離型層内に残留しないような溶剤、例えばトルエンやヘキサンなど比較的高揮発性の溶剤を併用することが有効である。
【0032】
離型層としてシリコーンゴムを用いた場合、成形作業の反復に伴ってその離型性が徐々に低下して成形を終えた遠心成形体の取り出しが困難となって来るため、この離型層の内周面に新たな離型層を形成するステップをさらに具えることができる。
【0033】
離型層の一層当りの厚みは、0.3mm〜3mm程度、特に0.3mm〜1mmの範囲にあることが好ましい。離型層の厚みが0.3mm未満の場合には保持層の上に均一な厚みの離型層を形成することが難しく、逆に離型層の厚みが3mm以上になると複数層の離型層を積層した場合に個々の離型層の密着性が低下して層間剥離を生ずるおそれがある。また、離型層を複数積層させた場合、離型層全体の厚みは3〜20mm程度、特に5mm以内に設定することが好ましい。離型層全体の厚みが20mmを超えると、保持層および離型層を介して金型本体から遠心成形材料への熱伝導の効率が低下し、遠心成形材料の円滑な硬化が阻害され、その物性に悪影響を及ぼすおそれが生ずる。
【0034】
離型層の離型性を確保するために複数の離型層を順次形成し、その全体の厚みが得られる遠心成形体の物性に悪影響を及ぼす程度になった場合、金型本体から離型層を保持層と共に除去し、新たに保持層と離型層とを形成し直すことが有効である。すなわち、金型本体の内周面に対して保持層が適度な接合性を示すのに対し、保持層と離型層との間および複数の離型層間は強固に接合されているため、金型本体から保持層を離型層と共に除去することは比較的容易である。具体的には、金型本体を冷却し、この金型本体および保持層の熱膨張係数の相違を利用して当該金型本体から保持層を離型層と共に剥離させるステップと、離型層と共に保持層が除去された金型本体の内周面に再び保持層および離型層を順に形成するステップとをさらに具えることができる。金型本体および保持層はこれらの熱膨張係数が大きく相違する(金型の熱膨張係数は10-5,保持層の熱膨張係数は10-4程度である)ため、金型本体の冷却に伴う保持層の体積変化により、金型本体と保持層との密着性が低下して金型本体から保持層が離型層と共に容易に剥離する。
【0035】
本発明の第3の形態による円筒状の遠心成形体を構成する材料として、例えばポリウレタンゴム、シリコーンゴムなどを挙げることができるが、電子写真装置の現像ブレードやクリーニングブレードとして用いる場合には、永久歪みが小さく、耐摩耗性に優れているポリウレタンゴムが好適である。このポリウレタンゴムは、ポリイソシアネート化合物と、高分子量ポリオールと、硬化剤とを熱硬化反応させて製造される。
【0036】
上記ポリイソシアネート化合物としては、例えば4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4'-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添加MDI)、カルボジイミド変性MDI、2,4-トリレンジイソシアネートウレチジンジオン(2,4-TDIの二量体)、ポリメチレンフェニルポリイソシアネート(PAPI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)、オルトトルイジンジイソシアネート(TODI)、ナフチレンジイソシアネート(NDI)、パラフェニレンジイソシアネート(PDI)、リジンジイソシアネートメチルエステル(LDI)などを挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上併用してもよい。
【0037】
上記高分子量ポリオールとしては、ポリエステルポリオールやポリエーテルポリオールを挙げることができる。このうち、ポリエステルポリオールは、例えばポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリヘキシレンアジペート、エチレンアジペートとブチレンアジペートとの共重合体、ポリカプロラクトンなどを採用可能である。また、ポリエーテルポリオールは、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコールなどを採用可能である。この中でも、分子量は1500〜3000程度のものを用いることが好ましい。すなわち、分子量が1500未満の場合には、得られるウレタンゴムの物性が低下する傾向が見られ、逆に分子量が3000以上になるとプレポリマーの粘度が高くなり、遠心成形時の作業性が著しく悪くなる傾向が見られる。
【0038】
上記硬化剤としては、特に分子量が300以下の低分子量2価アルコールや、3価以上の多価アルコールなどを用いることができる。低分子量2価アルコールとしては、例えばエチレングリコール(EG)、ジエチレングリコール(DEG)、プロピレングリコール(PG)、ジプロピレングリコール(DPG)、1,4-ブタンジオール(1,4-BD)、ヘキサンジオール、1,4-ヘキサンジオール(HD)などを挙げることができる。3価以上の多価アルコールとしては、3官能脂肪族ポリオール、例えばグリセリン、1,2,4-ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン(TMP)、1,2,6-ヘキサントリオールなどを挙げることができる。この他、この3官能脂肪族ポリオールにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなどを付加したポリエーテルトリオールや、3官能脂肪族ポリオールにラクトンなどを付加したポリエステルトリオールなどを挙げることができ、これらは単独または2種類以上を混合して用いることができる。
【0039】
本発明の第4の形態によるクリーニングブレードまたは第5の形態による現像ブレードにおいて、保持部材が所定の機械的強度を有する金属やプラスチックまたはセラミックスであってよく、部品コストの観点から鋼板、特にリン酸亜鉛処理やクロメート処理などの表面処理を施した鋼板が腐食などに対する経時的劣化を防止する観点から好ましい。また、その接着方法としては、粘着テープや瞬間接着剤または反応性性接着剤(例えば紫外線硬化型接着剤や熱硬化性接着剤)などを利用することも可能であるが、接着力やコストの観点からホットメルトタイプの接着剤を利用することが好ましい。
【0040】
本発明の第6または第7の形態による電子写真用ブレードの製造方法において、電子写真用ブレードが、電子写真装置における電子写真感光ドラムの外周面に摺接し、接着剤を介して保持部材に保持され、電子写真感光ドラムの外周面を払拭するためのクリーニングブレードであってよい。あるいは、電子写真装置における現像スリーブの外周面に摺接し、接着剤を介して保持部材に保持され、前記現像スリーブによるトナーの担持量を規制するための現像ブレードであってよい。
【0041】
【実施例】
本発明による遠心成形金型を図7に示した電子写真装置のクリーニングブレードを製造するための遠心成形体の成形に応用した実施例について、図1〜図6を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限らず、この明細書の特許請求の範囲に記載された本発明の概念に包含されるあらゆる変更や修正が可能であり、従って本発明の精神に帰属する他の技術にも当然応用することができ、例えば上述した電子写真装置の現像ブレードなどにも適用可能である。
【0042】
本実施例における遠心成形金型の外観を模式的に図1に示し、その主要部の断面構造を図2に抽出拡大して示す。すなわち、本実施例における金型本体11は、従来から用いられていた円筒状のカップ形のものをそのまま利用することができ、具体的には一端側に開口12aが形成され、図示しない駆動源に連結される回転軸11aが他端側に突設された円筒部12を有する。この金型本体11の円筒部12の内周面12bには、遠心成形材料の硬化温度以上の耐熱温度を有する熱硬化性樹脂からなる保持層13が剥離可能に接合され、さらに、この保持層13の内周面13aには遠心成形材料を剥離可能に保持するシリコーンゴムからなる離型層14が一体的に接合されている。つまり、離型層14の内周面14aが遠心成形材料に対する成形面(金型面)となる。
【0043】
このような遠心成形金型10は、以下のようにして製造される。すなわち、駆動回転する金型本体11の円筒部12の内周面12bに第1の液剤を供給してこれを円筒部12の内周面12b全域に均一に拡散させ、この状態にて第1の液剤を硬化させて円筒部12の内周面12bに対して剥離可能に接合される保持層13を形成する。
【0044】
この場合、金型本体11を回転しながら保持層13を形成することにより、金型本体11の回転軸11aの回転中心に対する円筒部12の内周面12bの振れ幅の大きな部分には大きな遠心力が作用してより大量の第1の液剤が流動するのに対し、振れ幅の小さな部分には相対的に小さな遠心力が作用してより少ない量の第1の液剤が流れ込むため、円筒部12の内周面12bに形成される保持層13の厚みは、円筒部12の内周面12bの振れ幅の大きな部分ほど厚くなり、逆に円筒部12の内周面12bの振れ幅の小さな部分ほど薄くなる。この結果、金型本体11の回転軸11aの回転中心に対する保持層13の内周面13aの振れ幅が緩和されるように作用する。
【0045】
次に、金型本体11を駆動回転させた状態で、金型本体11に形成された保持層13の内周面13aに第2の液剤を供給してこれをその内周面全域に均一に拡散させ、この状態にて第2の液剤を硬化させて保持層13の内周面13aに対して一体的に接合される離型層14を形成する。
【0046】
先の保持層13を形成する場合と同様に、金型本体11を回転しながら離型層14を形成することにより、金型本体11の回転軸11aの回転中心に対する離型層14の内周面14aの振れがほとんどなくなる結果、この離型層14の内周面14aを金型面として形成される遠心成形体の円周方向に沿った厚みをほぼ均一にすることができる。
【0047】
得られた遠心成形金型10を用いて遠心成形体を製造する場合、離型層14の内周面14aに成形される遠心成形体の離型性が成形作業の反復によって徐々に劣化して行くため、成形作業が所定回数に達して離型性が失われた離型層14の上に、新たな離型層14を重ねて成形することが有効であり、保持層13の内周面13aに離型層14を形成する場合と同様にして順次離型層14を積層させ、遠心成形金型10の寿命を延ばすことができる。この場合、離型層14の厚みが増えた分だけ金型の直径が小さくなるため、ここに投入される遠心成形材料の重量を適宜調整することが好ましい。
【0048】
さらに、このようにして重ねられた離型層14がある程度の厚みになった場合には、離型層14を円筒部12から保持層13ごと除去し、その後、新たに保持層13と離型層14とを先の形成手順に従って形成することにより、半永久的に金型本体11を再利用することができる。
【0049】
次に、本発明による遠心成形金型10とそれ以外の遠心成形金型とを用い、電子写真装置のクリーニングブレードを製造した場合の各種特性、具体的には遠心成形金型の内周面の振れ幅の最大値,成形される遠心成形体の厚みのばらつきの最大値,成形される遠心成形体の金型面および空気面の表面粗さ,金型本体11の円筒部12に対する保持層13および離型層14の離型性,電子写真装置によって形成された画像の品質について検証した結果を表1に示す。
【0050】
なお、遠心成形金型の内周面の振れ幅は、1/100mmの精度のダイヤルゲージを用い、遠心成形金型を20rpmの回転速度で回転した状態における円周方向の最大値と最小値との差を円筒部12の奥行方向に沿って5箇所で測定し、その最大値を示した。
【0051】
遠心成形体の厚みの変動は、1/100mmの精度のダイヤル厚みゲージを用い、遠心成形体の奥行方向(回転軸11aの軸線と平行な方向)に沿った5つの場所で円周方向に沿って20箇所の測定を行い、その最大値と最小値との差で示した。
【0052】
遠心成形体の金型面および空気面の表面粗さは、株式会社小坂研究所製の表面粗さ測定器SE3500を用い、遠心成形体に対し0.05mm/sの送り速度にてそれぞれ十点平均表面粗さRzを測定した。
【0053】
円筒部12の内周面12bに対する保持層13および離型層14の剥離性は、実際に金型本体11の円筒部12の内周面12bに対する保持層13および離型層14の剥離性の良否で評価した。
【0054】
まず、開口12aの径が1050mm,円筒部12の奥行が550mm,回転軸11aの回転中心に対する円筒部12の内周面12bの半径方向の振れ幅が常温で0.09mmの金型本体11を用意し、これを140℃に加熱した状態で800rpmの回転速度で回転させ、本発明の第1の液剤としてのエポキシ樹脂を所定量だけ円筒部12の内周面12bに供給し、その内周面12b全域に行き渡らせて10分間加熱硬化させ、円筒部12の内周面12bに1mmの厚みの保持層13を形成した。
【0055】
この保持層13の形成に続き、140℃に加熱された成形金型を800rpmの回転速度で回転させたまま、保持層13の内周面13aに本発明の第2の液剤としての2液混合型シリコーンゴム(東レ・ダウコーニング株式会社製)を所定量供給し、その内周面13a全域に行き渡らせて60分間加熱硬化させ、保持層13の内周面13aに1mmの厚みの離型層14を形成して遠心成形金型(以下、これを便宜的に実施金型Iと記述する)10を製造した。
【0056】
このようにして製造した実施金型Iの離型層14の内周面14aにさらにもう1層の離型層14を先の離型層14の形成方法と同じ手順に従って1mmの厚みで形成し、第2の遠心成形金型(以下、これを便宜的に実施金型IIと記述する)を得た。従って、この実施金型IIに形成された離型層14の厚みは、合計で2mmとなる。
【0057】
電子写真装置のクリーニングブレードを製造するため、その原料として日本ポリウレタン株式会社製のエチレンアジペートおよびブチレンアジペートの共重合体(PEBA)とMDIとからなるウレタンプレポリマーと、日本ポリウレタン株式会社製の硬化剤(1,4-BD:TMP=60:40)とをOH当量/NCO当量=0.9となるような比率で混合し、これを800rpmで駆動回転する140℃に加熱された実施金型I,IIの離型層14の内周面14aに所定量ずつそれぞれ供給し、これらの内周面14a全域に行き渡らせて40分間加熱硬化させ、実施金型I,IIの運転を停止して厚みが2mmの遠心成形体を離型層14から剥離させ、実施金型I,IIからそれぞれ取り出した後、この遠心成形体を130℃で4時間に亙り2次硬化させ、クリーニングブレード15aとなる図3に示すような円筒状のブレード材料15を得た。このブレード材料15を図3中の二点鎖線で示すように円周方向に沿って切断し、その金型面15b側を図4に示すようなクロメート処理が施された鋼板からなる山形の保持部材16にホットメルトタイプの接着剤を介して接合し、これをキヤノン株式会社製のレーザープリンタ(laser shot LBP−850)のクリーナに組み込み、このレーザープリンタによって形成される画像の品質、具体的にはトナーによる汚れの有無を確認した。
【0058】
これら実施金型I,IIに対する比較として、保持層13および離型層14を形成しない状態の遠心成形金型(以下、これを便宜的に比較金型Iと記述する)と、シリコーンゴムによる離型層14のみ円筒部12の内周面12aに形成した遠心成形金型(以下、これを便宜的に比較金型IIと記述する)とを用意し、比較金型Iの場合にはその内周面にシリコーン系のオイル状離型剤を塗布した状態で上述した遠心成形体を成形し、以下同様にしてレーザープリンタによって形成される画像の品質を評価した。なお、図8に示した従来の遠心成形金型と同様な比較金型IIの円筒部の内周面に形成されるシリコーンゴムによる離型層は、60分間の加熱硬化によるものである。
【0059】
【表1】
Figure 0004184140
【0060】
表1から明らかなように、実施金型I,IIは、離型層14の内周面14aの振れ幅が小さく、成形される遠心成形体の厚みの変動幅が小さく、その表面粗さが内周面および外周面共に良好であった。実施金型I,IIから遠心成形体を剥離させる場合、実施金型IIにおける2つの離型層14の間での浮きや層間剥離などは確認されなかった。また、円筒部12から離型層14を除去する際には、保持層13ごと容易に剥離させることができた。さらに、これによって形成された遠心成形体から作られるクリーニングブレード15aをレーザープリンタに組み込み、このレーザープリンタによって画像を形成したところ、クリーニングブレード15aの金型面15bの表面粗さが小さいため、電子写真感光ドラムの外周面に付着している残留トナーのすり抜けがなく、良好な画像が得られていることを確認できた。
【0061】
これに対し、比較金型Iではその内周面の振れ幅が大きいため、得られる遠心成形体の厚みの変動幅が大きかった。また、金型本体11の円筒部12の内周面12bに離型層14や保持層13が形成されていないため、得られる遠心成形体の金型面の表面粗さは、円筒部12の内周面12bの表面粗さの影響を直接受けるため、著しく大きかった。このため、これによって形成された遠心成形体から作られるクリーニングブレード15aをレーザープリンタに組み込み、このレーザープリンタによって画像を形成した場合、クリーニングブレード15aの金型面15bの表面粗さが大きいため、電子写真感光ドラムの外周面に付着している残留トナーがすり抜け、トナーによる汚れが画像に形成されてしまっていた。
【0062】
比較金型IIの場合には、離型層14の存在によってその内周面の振れ幅が小さいため、得られる遠心成形体は上述した実施金型Iに準ずるものとなるが、円筒部12の内周面12bと離型層14との間に保持層13が存在していないため、離型層14を剥離する際に多大な労力を必要とした。
【0063】
成形面のタック性を改善するため、上述した実施例における遠心成形金型10における離型層14の内周面14aを粗面化することも有効である。
【0064】
このような本発明による他の本実施例における遠心成形金型の外観を模式的に図5に示し、その主要部の断面構造を図6に抽出拡大して示す。すなわち、本実施例における金型本体11も先の実施例と同様に、従来から用いられていた円筒状のカップ形のものをそのまま利用することができ、具体的には一端側に開口12aが形成され、図示しない駆動源に連結される回転軸11aが他端側に突設された円筒部12を有する。この金型本体11の円筒部12の内周面12bには、遠心成形材料の硬化温度以上の耐熱温度を有する熱硬化性樹脂からなる保持層13が剥離可能に接合され、さらに、この保持層13の内周面13aには遠心成形材料を剥離可能に保持するシリコーンゴムを主体とする離型層14が一体的に接合されている。つまり、離型層14の内周面14aが遠心成形材料に対する成形面(金型面)となる。この離型層14の内周面14a側、つまり表層部には、この内周面14aを粗面化するための粗面化処理剤として固体潤滑剤17が埋設されており、これによって離型層14の内周面14aは鏡面ではなく、例えば十点平均表面粗さRzで2〜10μm程度の粗面となっている。すなわち、十点平均表面粗さRzが2μm未満の場合、タック性低減の効果がそれほど得られず、逆に十点平均表面粗さRzが10μmを超えると、高価な固体潤滑剤を必要以上に使用しなければならず、そのためのコストアップを招来する可能性がある。
【0065】
このような遠心成形金型10は、以下のようにして製造される。すなわち、駆動回転する金型本体11の円筒部12の内周面12bに第1の液剤を供給してこれを円筒部12の内周面12b全域に均一に拡散させ、この状態にて第1の液剤を硬化させて円筒部12の内周面12bに対して剥離可能に接合される保持層13を形成する。
【0066】
この場合、金型本体11を回転しながら保持層13を形成することにより、金型本体11の回転軸11aの回転中心に対する円筒部12の内周面12bの振れ幅の大きな部分には大きな遠心力が作用してより大量の第1の液剤が流動するのに対し、振れ幅の小さな部分には相対的に小さな遠心力が作用してより少ない量の第1の液剤が流れ込むため、円筒部12の内周面12bに形成される保持層13の厚みは、円筒部12の内周面12bの振れ幅の大きな部分ほど厚くなり、逆に円筒部12の内周面12bの振れ幅の小さな部分ほど薄くなる。この結果、金型本体11の回転軸11aの回転中心に対する保持層13の内周面13aの振れ幅が緩和されるように作用する。
【0067】
次に、金型本体11を駆動回転させた状態で、金型本体11に形成された保持層13の内周面13aに第2の液剤を供給してこれをその内周面13a全域に均一に拡散させ、この状態にて第2の液剤を硬化させるが、この第2の液剤が完全に硬化する前に、その内周面に粗面化処理剤を含む第2の液体をさらに散布し、加熱を続けてこれらを完全に硬化させ、保持層13の内周面13aに対して一体的に接合され、内周面14aが粗面となった離型層14を形成する。
【0068】
上述した粗面化処理剤は、遠心成形金型10の内周面14aに意図的に凹凸を形成するためのものであり、特に固体潤滑剤17を粗面化処理剤として採用することにより、遠心形成体を遠心成形金型10から剥離させる際に、その一部が遠心成形体の金型面に付着して遠心成形金型10の内周面14aから剥離し、遠心成形体の金型面が梨地状となるため、そのタック性をさらに低減させることができる。
【0069】
先の保持層13を形成する場合と同様に、金型本体11を回転しながら離型層14を形成することにより、金型本体11の回転軸11aの回転中心に対する離型層14の内周面14aの振れがほとんどなくなる結果、この離型層14の内周面14aを金型面として形成される遠心成形体の円周方向に沿った厚みをほぼ均一にすることができる。しかも、本実施例では離型層14の内周面14aが固体潤滑剤17によって粗面化されているため、電子写真装置のクリーニングブレードを製造する場合、成形治具などにクリーニングブレードが貼り付くなどの不具合を防止することができ、その作業性を向上させることができる。
【0070】
得られた遠心成形金型10を用いて遠心成形体を製造する場合、離型層14の内周面14aに成形される遠心成形体の離型性が成形作業の反復によって徐々に劣化して行くため、成形作業が所定回数に達して離型性が失われた離型層14の上に、新たな離型層14を重ねて成形することが有効であり、保持層13の内周面13aに離型層14を形成する場合と同様にして順次離型層14を積層させ、遠心成形金型10の寿命を延ばすことができる。
【0071】
さらに、このようにして重ねられた離型層14がある程度の厚みになった場合には、離型層14を円筒部12から保持層13ごと除去し、その後、新たに保持層13と離型層14とを先の形成手順に従って形成することにより、半永久的に金型本体11を再利用することができる。
【0072】
次に、本発明による遠心成形金型10とそれ以外の遠心成形金型とを用い、電子写真装置のクリーニングブレードを製造した場合の各種特性、具体的には遠心成形金型の内周面の振れ幅の最大値,成形される遠心成形体の厚みのばらつきの最大値,成形される遠心成形体の金型面および空気面の表面粗さ,ならびにそのタック性,金型本体11の円筒部12に対する保持層13および離型層14の離型性について検証した結果を表2に示す。
【0073】
測定方法および評価方法に関しては、基本的に先の実施例と全く同じであるが、遠心成形体の金型面のタック性は、クリーニングブレードを製造する際に、その成形治具に対してクリーニングブレードの金型面が貼り付くか否かで良否を判定した。
【0074】
金型本体11の寸法形状や、その円筒部12の内周面12bに保持層13を形成するまでの処理は、先の実施例と全く同じである。保持層13の形成に続き、140℃に加熱された成形金型を800rpmの回転速度で回転させたまま、保持層13の内周面13aに本発明の第2の液剤としての2液混合型シリコーンゴム(東レ・ダウコーニング株式会社製)を所定量供給し、その内周面13a全域に行き渡らせて10分間の加熱処理を施し、この2液混合型シリコーンゴムが完全に硬化する前に、その内周面にフッ化黒鉛(セントラル硝子株式会社製)と、上述した2液混合型シリコーンゴムと、溶剤としてトルエンとを1:2:3の重量比で均一に混合したものを20秒間均一に散布した。この状態でさらに60分間加熱硬化させ、保持層13の内周面13aに1mmの厚みの離型層14を形成して遠心成形金型(以下、これを便宜的に実施金型IIIと記述する)10を製造した。
【0075】
なお、上述した散布により形成された離型層14のフッ化黒鉛を含む表層の厚みは、0.01mm未満である。
【0076】
このようにして製造した実施金型IIIの離型層14の内周面14aにさらにもう1層の離型層14を先の離型層14の形成方法と同じ手順に従って1mmの厚みで形成し、第2の遠心成形金型(以下、これを便宜的に実施金型IVと記述する)を得た。従って、この実施金型IVに形成された離型層14の厚みは、合計で2mmとなる。
【0077】
電子写真装置のクリーニングブレードも、先の実施例と全く同じ材料および手順で行った。
【0078】
これら実施金型III,IVに対する比較として、円筒部12の内周面12bに保持層13および離型層14を共に形成しない金型本体11からなる遠心成形金型(以下、これを便宜的に比較金型IIIと記述する)と、図8に示した従来の遠心成形金型と同様なシリコーンゴムからなる離型層14のみ円筒部12の内周面12aに形成した遠心成形金型(以下、これを便宜的に比較金型IVと記述する)とを用意し、比較金型IIIの場合にはその内周面にシリコーン系のオイル状離型剤を塗布した状態で上述した遠心成形体を成形し、それぞれ電子写真装置のクリーニングブレードに加工した。なお、比較金型IVの円筒部12の内周面12bに形成される離型層14は、円筒部の内周面全域に2液混合型シリコーンゴムを均一に行き渡らせて60分間加熱硬化させたものである。
【0079】
【表2】
Figure 0004184140
【0080】
表2から明らかなように、実施金型III,IVは、離型層14の内周面14aの振れ幅が小さく、成形される遠心成形体の厚みの変動幅が小さく、その内周面の表面粗さが良好であった。この遠心成形体の外周面には、梨地状の模様が形成されているため、そのタック性が低く、これをクリーニングブレード16aに加工する際に成形治具などに貼り付くような不具合が見られなかった。また、実施金型III,IVから遠心成形体を剥離する場合、実施金型IVにおいて2つの離型層14の間での浮きや層間剥離などは確認されなかった。さらに、円筒部12から離型層14を除去するために実施金型III,IVを冷却すると、保持層13が円筒部の内周面から浮き気味となり、保持層13を離型層14と共に容易に円筒部の内周面から除去することができた。
【0081】
これに対し、比較金型IIIではその内周面の振れ幅が大きいため、得られる遠心成形体の厚みの変動幅が大きかった。
【0082】
比較金型IVの場合には、離型層14の存在によってその内周面の振れ幅が小さいため、得られる遠心成形体の厚みは上述した実施金型IIIに準ずるものとなるが、円筒部12の内周面12bと離型層14との間に保持層13が存在していないため、離型層14を剥離する際に多大な労力を必要とした。また、遠心成形体の金型面が鏡面状態となっているため、この金型面のタック性が高く、クリーニングブレードの加工時にこれがハンドリング冶具などに貼り付く不具合を生じた。
【0083】
なお、これらの金型から得られたクリーニングブレードを組み込んだ電子写真装置により形成される画像の品質について検証した結果、実施金型III,IVおよび比較金型IVによるクリーニングブレードを用いたものは、電子写真感光ドラムの外周面に付着している残留トナーのすり抜けがなく、良好な画像が得られていたのに対し、比較金型IIIによるクリーニングブレードを用いたものは、クリーニングブレードの厚みの変動によって電子写真感光ドラムの外周面に付着している残留トナーがわずかながらすり抜け、トナーによる汚れが画像に形成されてしまっていた。
【0084】
【発明の効果】
本発明の遠心成形金型によると、円筒状の金型本体の内周面に剥離可能に保持層を接合し、さらにこの保持層の内周面に一体的に離型層を接合したので、離型層の内周面に均一な厚みを持った円筒状の遠心成形体を形成することができ、しかもこれを容易かつ確実に離型層から剥離させることできる。
【0085】
保持層が遠心成形材料の硬化温度以上、一般的には150℃程度の耐熱温度を有し、特に室温から150℃の範囲に亙ってゴム状弾性を示さないような熱硬化性樹脂にて形成されている場合、金型本体から離型層と共に保持層を除去する際に有利である。
【0086】
保持層の厚みを0.5〜5.0mmに設定した場合には、遠心成形材料を加熱硬化させる際に保持層の熱的劣化を抑制することができ、しかも保持層自体の強度を確保しつつ遠心成形材料に対する加熱を円滑に行うことが可能である。
【0087】
離型層を形成する材料として、特に硬化前に室温で液状であって150℃以下で硬化するLTVやRTVタイプのシリコーンゴムを採用した場合には、この離型層の内周面に形成される遠心成形体を離型層から容易に剥離させることができる。
【0088】
離型層の内周面の十点平均表面粗さRzが2〜10μmとなるように、離型層の表層部を粗面化するための150℃程度の耐熱性を有する粉状の粗面化処理剤、特に5μm以下の粒径のフッ化黒鉛などの固体潤滑剤を離型層に含ませるようにした場合には、この離型層の内周面に形成される遠心成形体を離型層から容易に剥離させることができ、しかも金型面を粗面化してそのタック性を少なくすることができる。
【0089】
本発明の遠心成形金型の製造方法によると、円筒状をなす金型本体の内周面に剥離可能に接合される保持層を形成し、この保持層の内周面に一体的に接合される離型層を形成したので、離型層の内周面に均一な厚みを持った円筒状の遠心成形体を形成することかでき、しかもこれを容易かつ確実に離型層から剥離させることができる。
【0090】
離型層を形成するステップが、金型本体の内周面全域に拡散した第2の液剤が完全に硬化する前に、その内周面に粗面化処理剤を含む第2の液体をさらに散布し、離型層の内周面を粗面化させるステップを具える場合、金型面が粗面化されたタック性の少ない円筒状の遠心成形体を形成することができる。
【0091】
離型層の内周面にさらに少なくとも1層の離型層を形成する場合、遠心成形作業の反復に伴って最初の離型層の離型性が徐々に低下して成形を終えた遠心成形体の取り出しが困難となって来た時点で、新たな離型層をその内周面に積層状態で形成することにより、再び遠心成形加工を継続することが可能となり、遠心成形金型の稼働率の低下を最小限に抑えることができる。
【0092】
金型本体を冷却し、この金型本体および保持層の熱膨張係数の相違を利用して金型本体から保持層を離型層と共に剥離させた後、金型本体の内周面に再び保持層および離型層を順に形成するようにした場合、遠心成形加工の繰り返しによって使用中の遠心成形金型の離型層の交換が必要になった時点で、金型本体から保持層と共に離型層を容易に除去して新たな保持層と離型層とを形成することにより、金型本体を半永久的に使用することができ、しかもその稼働率の低下を最小限に抑えることができる。
【0093】
本発明の円筒状遠心成形体によると、本発明による遠心成形金型あるいはその製造方法によって製造された遠心成形金型を用いて円筒状遠心成形体を製造するようにしたので、均一な厚みを持った高品質な製品を低コストにて効率よく製造することができる。
【0094】
本発明のクリーニングブレードまたは現像ブレードによると、本発明による遠心成形金型あるいはその製造方法によって製造された遠心成形金型を用いて円筒状遠心成形体をその周方向に沿って短冊状に切断し、これをクリーニングブレードまたは現像ブレードとして用いるようにしたので、均一な厚みを持った高品質なクリーニングブレードまたは現像ブレードを低コストにて効率よく得ることができる。
【0095】
本発明の電子写真用ブレードの製造方法によると、本発明による遠心成形金型またはその製造方法によって製造された遠心成形金型を用いて円筒状遠心成形体をその周方向に沿って短冊状に切断し、あるいは本発明による円筒状遠心成形体をその周方向に沿って短冊状に切断し、これを電子写真用ブレードとして用いるようにしたので、均一な厚みを持った高品質な電子写真用ブレードを低コストにて効率よく得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による遠心成形金型の一実施例の外観を模式的に表す斜視図である。
【図2】図1に示した遠心成形金型の円筒部の一部を抽出破断した断面図である。
【図3】図1に示した遠心成形金型によって製造される遠心成形体の外観を模式的に表す斜視図である。
【図4】電子写真装置のクリーニングブレードの部分の外観を表す破断斜視図である。
【図5】本発明による遠心成形金型の他の実施例の外観を模式的に表す斜視図である。
【図6】図5に示した遠心成形金型の円筒部の一部を抽出破断した断面図である。
【図7】電子写真装置の一例を表す模式図である。
【図8】従来の遠心成形金型の外観を模式的に表す斜視図である。
【符号の説明】
10 遠心成形金型
11 金型本体
11a 回転軸
12 円筒部
12a 開口
12b 内周面
13 保持層
13a 内周面
14 離型層
14a 内周面
15 ブレード材料
15a クリーニングブレード
15b 金型面
16 保持部材
17 固体潤滑剤

Claims (20)

  1. 円筒状の金型本体と、
    この金型本体の内周面に剥離可能に接合された保持層と、
    この保持層の内周面に一体的に接合された離型層と
    を具えた遠心成形金型であって、前記離型層はその内周面に供給される遠心成形材料を剥離可能に保持していることを特徴とする遠心成形金型。
  2. 前記離型層の内周面が粗面化されていることを特徴とする請求項1に記載の遠心成形金型。
  3. 前記離型層がシリコーンゴムにて形成され、さらにこの離型層の前記内周面を粗面化するための固体潤滑剤を含んでいることを特徴とする請求項2に記載の遠心成形金型。
  4. 前記固体潤滑剤が5μm以下の粒径のフッ化黒鉛であることを特徴とする請求項3に記載の遠心成形金型。
  5. 前記離型層の前記内周面の十点平均表面粗さRzが2〜10μmであることを特徴とする請求項2から請求項4の何れかに記載の遠心成形金型。
  6. 前記保持層は、遠心成形材料の硬化温度以上の耐熱温度を有する熱硬化性樹脂にて形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の遠心成形金型。
  7. 前記熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂であり、前記保持層が0.〜5.0mmの厚みを有することを特徴とする請求項6に記載の遠心成形金型。
  8. 円筒状をなす金型本体の内周面に剥離可能に接合される保持層を構成するための第1の液剤を供給するステップと、
    第1の液剤が金型本体の内周面全域に均一に拡散するように金型本体を駆動回転するステップと、
    金型本体の内周面全域に拡散した第1の液剤を硬化させて前記保持層を形成するステップと、
    この保持層の内周面に一体的に接合される離型層を構成するための第2の液剤を供給するステップと、
    第2の液剤が前記保持層の内周面全域に均一に拡散するように金型本体を駆動回転するステップと、
    金型本体の内周面全域に拡散した第2の液剤を硬化させて前記離型層を形成するステップと
    を具えたことを特徴とする遠心成形金型の製造方法。
  9. 前記離型層を形成するステップは、金型本体の内周面全域に拡散した第2の液剤が完全に硬化する前に、その内周面に粗面化処理剤を含む第2の液体をさらに散布し、前記離型層の内周面を粗面化させるステップを具えたことを特徴とする請求項8に記載の遠心成形金型の製造方法。
  10. 前記離型層の内周面にさらに少なくとも1層の離型層を形成するステップを具えたことを特徴とする請求項8または請求項9に記載の遠心成形金型の製造方法。
  11. 金型本体を冷却し、この金型本体および保持層の熱膨張係数の相違を利用して当該金型本体から保持層を離型層と共に剥離させるステップと、
    離型層と共に保持層が除去された金型本体の内周面に再び前記保持層および前記離型層を順に形成するステップと
    をさらに具えたことを特徴とする請求項8または請求項9に記載の遠心成形金型の製造方法。
  12. 請求項1に記載の遠心成形金型または請求項8に記載の方法により製造される遠心成形金型を用いて製造されたことを特徴とする円筒状の遠心成形体。
  13. 電子写真装置における電子写真感光ドラムの外周面に摺接し、接着剤を介して保持部材に保持され、前記電子写真感光ドラムの外周面を払拭するためのクリーニングブレードであって、
    請求項12に記載の円筒状の遠心成形体をその周方向に沿って短冊状に切断することによって得られることを特徴とするクリーニングブレード。
  14. 電子写真装置における現像スリーブの外周面に摺接し、接着剤を介して保持部材に保持され、前記現像スリーブによるトナーの担持量を規制するための現像ブレードであって、
    請求項12に記載の円筒状の遠心成形体をその周方向に沿って短冊状に切断することによって得られることを特徴とする現像ブレード。
  15. 請求項1に記載の遠心成形金型または請求項8に記載の方法により製造された遠心成形金型を用い、
    離型層の内周面に電子写真用ブレードとなる液体材料を供給するステップと、
    前記液体材料が前記離型層の内周面全域に均一に拡散するように、金型本体を駆動回転するステップと、
    前記離型層の内周面全域に拡散した前記液体材料を硬化させて円筒状の遠心成形体を得るステップと、
    金型本体の回転を停止して前記離型層から硬化した円筒状の遠心成形体を剥離させて取り出すステップと、
    前記遠心成形体をその周方向に沿って短冊状に切断するステップと
    を具えたことを特徴とする電子写真用ブレードの製造方法。
  16. 前記電子写真用ブレードが、電子写真装置における電子写真感光ドラムの外周面に摺接し、接着剤を介して保持部材に保持され、前記電子写真感光ドラムの外周面を払拭するためのクリーニングブレードであることを特徴とする請求項15に記載の電子写真用ブレードの製造方法。
  17. 前記電子写真用ブレードが、電子写真装置における現像スリーブの外周面に摺接し、接着剤を介して保持部材に保持され、前記現像スリーブによるトナーの担持量を規制するための現像ブレードであることを特徴とする請求項15に記載の電子写真用ブレードの製造方法。
  18. 請求項12に記載の円筒状の遠心成形体をその周方向に沿って短冊状に切断するステップを具えたことを特徴とする電子写真用ブレードの製造方法。
  19. 前記電子写真用ブレードが、電子写真装置における電子写真感光ドラムの外周面に摺接し、接着剤を介して保持部材に保持され、前記電子写真感光ドラムの外周面を払拭するためのクリーニングブレードであることを特徴とする請求項18に記載の電子写真用ブレードの製造方法。
  20. 前記電子写真用ブレードが、電子写真装置における現像スリーブの外周面に摺接し、接着剤を介して保持部材に保持され、前記現像スリーブによるトナーの担持量を規制するための現像ブレードであることを特徴とする請求項18に記載の電子写真用ブレードの製造方法。
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