JP2004046145A - ブレード部材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】被接触部材に先端部を接触させて使用されるゴム弾性体12を具備するブレード部材であって、前記ゴム弾性体がポリウレタンゴムからなり、当該ゴム弾性体の少なくとも前記先端部の表面に、フッ素系ポリマー及びシリコーン系ポリマーから選択される少なくとも一種のポリマーとイソシアネート成分とを含有する表面処理液、カーボンブラックとイソシアネート成分とを含有する表面処理液、またはカーボンブラックと上記ポリマーとイソシアネート成分とを含有する表面処理液で形成された表面処理層13A〜13Cを有する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブレード部材に関し、特に、電子写真感光体、転写プロセスに用いる転写ドラム及び転写ベルト、又は中間搬送ベルトの帯電・除電・クリーニングに用いられるクリーニングブレード、並びに現像プロセスに用いられて電荷平坦化、除電及び帯電をするための現像ブレード、さらにはトナー規制ブレード等に用いて好適なブレード部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に電子写真プロセスでは、電子写真感光体に対して、少なくとも帯電、露光、現像、転写およびクリーニングの各プロセスが実行される。かかる電子写真プロセスでは、トナー像が形成され且つその後当該トナー像を転写材に転写するトナー像担持体上のトナーを除去するクリーニング部材、現像部に用いられる現像部材及び感光体を帯電させる帯電部材などにポリウレタンが使用される。
【0003】
ポリウレタンは、耐摩耗性が良好で、補強剤などを添加しなくても十分な機械的強度を有し、非汚染性であるからである。
【0004】
また、感光体などに当接させる場合に、摩擦係数が高すぎるという問題に対応し、低摩擦係数化を図るために、種々の手段がとられている。例えば、潤滑成分を当接する先端部へ塗布する方法、潤滑成分を添加する方法、潤滑成分を共重合により付加する方法、潤滑性を有するコーティングを行う方法などが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、潤滑成分を塗布する方法では効果が持続せず、潤滑成分を添加する方法では、支持部材との接着が困難となると共にブリードによる汚染の問題もある。
【0006】
また、潤滑成分を共重合する方法では、材質自体の特性が低下し、耐摩耗性が低下したり、低分子成分による汚染の問題もある。
【0007】
さらに、例えば、フッ素樹脂などの潤滑性のあるコーティング層を設ける方法では、コーティング層がブレードの変形に追従できず、割れや剥がれが発生し易いという問題がある。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑み、低摩擦係数化を図ることができ、割れや剥がれが発生しがたい表面処理層を有し、良好な特性を長期間に亘って維持することができるブレード部材を提供することを課題とする。
【0009】
【発明が解決するための手段】
前記課題を解決する本発明の第1の態様は、被接触部材に先端部を接触させて使用されるゴム弾性体を具備するブレード部材であって、前記ゴム弾性体がポリウレタンゴムからなり、当該ゴム弾性体の少なくとも前記先端部の表面に、フッ素系ポリマー及びシリコーン系ポリマーから選択される少なくとも一種のポリマーとイソシアネート成分とを含有する表面処理液で形成された表面処理層を有することを特徴とするブレード部材にある。
【0010】
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記表面処理液が、さらに、カーボンブラックを分散させたものであることを特徴とするブレード部材にある。
【0011】
本発明の第3の態様は、被接触部材に先端部を接触させて使用されるゴム弾性体を具備するブレード部材であって、前記ゴム弾性体がポリウレタンゴムからなり、当該ゴム弾性体の少なくとも前記先端部の表面に、イソシアネート成分とカーボンブラックとを含有する表面処理液で形成された表面処理層を有することを特徴とするブレード部材にある。
【0012】
本発明の第4の態様は、第2又は3の態様において、前記表面処理液中のカーボンブラックは、イソシアネート成分に対して10〜40重量%であることを特徴とするブレード部材にある。
【0013】
本発明の第5の態様は、第1〜4の何れかの態様において、前記表面処理液中のポリマーは、イソシアネート成分に対して2〜30重量%であることを特徴とするブレード部材にある。
【0014】
本発明の第6の態様は、第1〜5の何れかの態様において、前記ゴム弾性体のゴム硬度がJIS Aで50°〜90°であることを特徴とするブレード部材にある。
【0015】
本発明の第7の態様は、第1〜6の何れかの態様において、前記表面処理層が、前記ポリマーと前記イソシアネート成分とを溶解する溶剤を含有する表面処理液を前記ゴム弾性体の表面に含浸塗布し、溶媒除去することにより形成されたものであることを特徴とするブレード部材にある。
【0016】
本発明の第8の態様は、第1〜7の何れかの態様において、前記ゴム弾性体がポリオールに過剰のイソシアネートを反応させたポリウレタンからなり、当該過剰のイソシアネートと前記表面処理層のイソシアネート成分とが化学的に結合していることを特徴とするブレード部材にある。
【0017】
本発明の第9の態様は、第1〜8の何れかの態様において、前記ゴム弾性体が、導電性の支持部材に対して接着保持されていることを特徴とするブレード部材にある。
【0018】
本発明の第10の態様は、第9の態様において、前記表面処理層が前記ゴム弾性体の表面から前記支持部材表面に亘って形成されており、これにより前記ゴム弾性体の先端部と前記支持部材との間が電気的に導通されていることを特徴とするブレード部材にある。
【0019】
本発明によると、ブレード部材のゴム弾性体の少なくとも先端部表面に形成された表面処理層は、少なくとも一部がポリウレタンからなるゴム弾性層に含浸して当該ゴム弾性体と一体的に設けられたものである。すなわち、かかる表面処理層は、イソシアネート成分と共に、フッ素系ポリマー及びシリコーン系ポリマーの少なくとも一種のポリマー若しくはカーボンブラック又は両者を含有する表面処理液により形成されたものであり、これに溶剤を添加した表面処理液を含浸塗布し、溶媒を除去して形成したものであるので、当該表面処理層は表面から内部に向かって漸次疎になるように一体的に形成される。従って、一般的なコーティング層と異なり、剥がれなどの問題はない。
【0020】
すなわち、イソシアネートは、ウレタン結合と反応してアロハナート、ウレチジオン、ヌレートなどを生成して強固に結合すると推測される。また、特に遠心成形法によると、製造直後にはその遠心力により鏡面側に低比重原料由来のOH成分が偏在していると思われ、この面にイソシアネートが含浸されると、イソシアネート成分が強固に結合されると予想される。
【0021】
また、表面処理液の中のイソシアネート成分は、ゴム弾性層のイソシアネートと反応して強固に一体化されるので、さらに剥がれなどの問題が回避される。ブレード部材のゴム弾性体はポリオール由来の水酸基が残存すると好ましくなく、一般的にはイソシアネート過剰で合成されるので、この過剰イソシアネートと表面処理液のイソシアネートとを反応させるようにするのが好ましい。従って、この点を考慮すると、ブレード部材製造後、熟成して残存イソシアネートを消滅させる前に表面処理層を形成するのが好ましい。勿論、熟成後に表面処理層を形成してもよい。
【0022】
また、本発明の表面処理層は、イソシアネート成分にフッ素系ポリマーやシリコーン系ポリマーを添加した表面処理液から形成されている場合には、フッ素系ポリマーやシリコーン系ポリマーのみから形成されたコーティング層と比較して弾性変形し易く、ゴム弾性体の割れなどが発生し難い。
【0023】
なお、このような本発明の表面処理層は、イソシアネート成分の反応により表面処理層としても一体的であるので、有機感光体に接触しても汚染することはなく、低摩擦係数化を図ることができる。
【0024】
本発明で用いる表面処理液の1つは、イソシアネート成分に、フッ素系ポリマー及びシリコーン系ポリマーの少なくとも一種のポリマーを添加し、これらを溶剤に溶解したものである。
【0025】
ここで、イソシアネート成分としては、2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、パラフェニレンジイソシアネート(PPDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)及び3,3−ジメチルジフェニル−4,4’−ジイソシアネート(TODI)などのイソシアネート化合物を挙げることができる。イソシアネート成分としては、この他、これらのイソシアネート化合物の2乃至3量体を挙げることができる。
【0026】
さらに、イソシアネート成分の代わりに、又はイソシアネート成分と共に、イソシアネート化合物がポリオールと共にプレポリマー化したウレタンプレポリマーを用いることもできる。
【0027】
また、フッ素系ポリマー及びシリコーン系ポリマーは、所定の溶剤に可溶でイソシアネート化合物と反応して化学的に結合可能なものであり、特に、アクリルフッ素系ポリマー又はアクリルシリコーン系ポリマーを用いるのが好ましい。
【0028】
ここで、アクリルフッ素系ポリマーは、例えば、水酸基、アルキル基、又はカルボキシル基を有する溶剤可溶性のフッ素系ポリマーであり、例えば、アクリル酸エステルとアクリル酸フッ化アルキルのブロックコポリマーやその誘導体等を挙げることができる。また、アクリルシリコーン系ポリマーは、溶剤可溶性のシリコーン系ポリマーであり、例えば、アクリル酸エステルとアクリル酸シロキサンエステルのブロックコポリマーやその誘導体等を挙げることができる。なお、本発明では、これらのポリマーを一種又は二種以上混合して用いる。
【0029】
また、本発明で用いることができる溶剤は、酢酸エチル、メチルエチルケトン(MEK)、トルエン、アセトン、シクロヘキサノンなどの他、反応性希釈剤、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートなど用いるポリマー成分を溶解することができ且つイソシアネート成分と相溶するものであればよい。
【0030】
本発明の表面処理層は、上述したようなフッ素系ポリマー及びシリコーン系ポリマーの代わりにカーボンブラックを用いても低摩擦係数化を図ることができ、又はポリマーに加えてカーボンブラックを含有させることにより更に低摩擦係数化を図ることができる。かかるカーボンブラックは表面処理液に分散させた状態で表面処理層を形成することにより、表面処理層内に固定することができる。
【0031】
ここで、カーボンブラックとしては、低摩擦係数化の目的のためであれば、導電性を有さないカーボンブラックを用いればよいが、逆に、導電性カーボンブラックを添加することにより、表面処理層により導電性を付与することができる。なお、導電性カーボンブラックとしては、例えば、ケッチェンブラック(ライオン社製)、トーカブラック#5500(東海カーボン社製)などが挙げられる。
【0032】
表面処理液中のカーボンブラックは、イソシアネート成分に対して40重量%以下であるのが好ましい。これより多すぎると脱落等の問題が生じ好ましくないからである。なお、導電性を付与するためには、10重量%以上添加するのが好ましい。
【0033】
また、表面処理液中のポリマーの含有量は、イソシアネート成分に対して2〜30重量%とするのが好ましい。これより少ないとカーボンブラックを表面処理層中に保持する効果が小さくなり、多すぎると相対的にイソシアネート成分が少なくなって有効な表面処理層が形成できなくなり、共に好ましくない。
【0034】
一方、本発明のゴム弾性体の構成するポリウレタンは特に限定されず、従来からブレード用として用いられているものであればよい。一般的には、ポリエステル系の注型タイプのポリウレタンが用いられ、ε−カプロラクトン系ポリオール、ジオール成分と二塩基酸との脱水縮合により得られるポリエステルポリオールなどをイソシアネートで重付加し、架橋したものであればよい。
【0035】
ここで、ブレード用としては、イソシアネートを過剰として反応するのが好ましく、この過剰のイソシアネートと、表面処理層のイソシアネート成分とを反応させるようにするのが好ましい。この点から、架橋した後、熟成する前に表面処理層を形成するのが好ましい。
【0036】
ブレード形状のゴム弾性体の製造方法も特に限定されないが、好適には遠心成形により製造したシートを所定の寸法に切断する方法が採用される。
【0037】
表面処理液による表面処理層の形成も特に限定されず、少なくともゴム弾性体の被接触部材との接触端となる先端部に表面処理層を形成すればよく、表面処理層を形成する先端部の範囲は特に限定されず、先端面だけでもよいことはいうまでもない。
【0038】
表面処理液の含浸塗布方法は、塗布、噴霧、ディッピングなどの各方法により行うことができ、例えば、先端部のみに含浸塗布させてもよいし、全体に含浸塗布させてもよい。従って、ブレード形状にした状態で、先端部のみ、又は全体に含浸塗布させてもよいし、ブレード形状にしたものを支持部材に接着してアセンブリした後、先端部のみ、又は全体に含浸塗布させてもよい。また、ブレード形状に切断する前のシートの一面又は両面に表面処理層を形成した後、切断するようにしてもよく、例えば、遠心成形時に表面に表面処理層を形成することもできる。なお、表面処理層とするには、含浸塗布後、溶媒除去、すなわち、自然乾燥、強制乾燥、加熱処理などを行う。
【0039】
図1には、支持部材に接着してアセンブリした後の、ブレード部材の例を示す。図1(a)は、支持部材11に接着したゴム弾性体12の先端部のみに表面処理層13Aを設けた例、図1(b)は支持部材11に接着したゴム弾性体12の一面のみに表面処理層13Bを設けた例、図1(c)は支持部材11にゴム弾性体12を接着したのち、ゴム弾性体12の表面全体に表面処理層13Cを設けた例である。
【0040】
なお、図1(c)の場合、表面処理層13Cに導電性カーボンブラックを添加すると、ゴム弾性体12の先端部と支持部材11とを表面処理層13Cを介して電気的に導通させることもできる。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
【0042】
(実施例1)
カプロラクトン系ポリオール(分子量2000)100重量部と、MDI38重量部とを115℃×20分間反応させた後、1,4−ブタンジオール6.1重量部およびトリメチロールプロパン2.6重量部を混合し、140℃に保った金型で40分間加熱硬化させた。成形後、幅14mm、厚さ2.0mm、長さ310mmに切断加工したゴム弾性体とし、このゴム弾性体を支持板に接着し、ブレードとした。
【0043】
(表面処理液の調製)
酢酸エチル100重量部、イソシアネート化合物(MDI;大日本インキ社製)20重量部、アセチレンブラック(電気化学社製)4重量部、アクリルシリコーンポリマー(モデイバーFS700;日本油脂社製)2重量部をボールミルで3時間分散混合した。
【0044】
(ブレードの表面処理)
前記溶液を23℃に保ったまま、前記ブレードの使用稜線部分に前記溶液に10秒間浸漬後、50℃で保持されたオーブンで1時間加熱し、ブレードを得た。
【0045】
(実施例2)
(表面処理液の調製)
酢酸エチル100重量部、イソシアネート化合物(コスモネートPM−33;三井武田ケミカル(株)製)20重量部、トーカブラック#5500(東海カーボン製)4重量部、アクリルフッ素ポリマー(モデイバーF600;日本油脂社製)2重量部をボールミルで3時間分散混合した。
【0046】
(ブレードの表面処理)
前記溶液を23℃に保ったまま、実施例1と同様のブレードを10秒間浸漬後、50℃に保持されたオーブンで1時間加熱し、ブレードを得た。
【0047】
(実施例3)
酢酸エチル100重量部、イソシアネート化合物(MDI;大日本インキ社製)20重量部、アセチレンブラック(電気化学社製)4重量部をボールミルで3時間分散混合した。
【0048】
(ブレードの表面処理)
前記溶液を23℃に保ったまま、実施例1と同様のブレードを10秒間浸漬後、50℃で保持されたオーブンで1時間加熱し、ブレードを得た。
【0049】
(実施例4)
酢酸エチル100重量部、イソシアネート化合物(MDI;大日本インキ社製)20重量部、アクリルシリコーンポリマー(モデイバーFS700;日本油脂社製)2重量部をボールミルで3時間分散混合した。
【0050】
(ブレードの表面処理)
前記溶液を23℃に保ったまま、実施例1と同様のブレードを10秒間浸漬後、50℃で保持されたオーブンで1時間加熱し、ブレードを得た。
【0051】
(比較例1)
実施例1のブレードに表面処理を施さない未処理品を比較例1とした。
【0052】
(比較例2)
比較例1のブレードにポリフロンスプレータイプのフッ素コート層を形成した。
【0053】
(試験例1)
各実施例及び比較例のブレードと同様に処理したウレタンシート(厚さ2mm、5mm×30mm)を用いて図2に示すような方法で引き込み力を測定した。
【0054】
基台21上にウレタンシート22を載置し、その上にさらに厚さ0.1mm、30mm×120mmのポリエステルテレフタレート(PET)シート23を重ね、この上からフッ素樹脂ローラ24を介して100g荷重を付加して当接させ、引張速度3000mm/minでPETシートを搬送したときの引き込み力を測定した。なお、測定は、常温常湿環境(NN:23℃、50%RH)で行った。この結果は表1に示す。
【0055】
【表1】
【0056】
(試験例2)
実施例1〜4及び比較例2のブレードと同処理を施した短冊サンプル:幅5mm、厚さ2.0mm、長さ100mmを、100%、200%、及び300%伸張したときの、コート層の割れ状態を観察した。評価は、○:割れない、△:部分的に割れ、×:全体的に割れで評価した。この結果は表2に示す。
【0057】
【表2】
【0058】
(試験例3)
各実施例及び比較例のブレード(ホルダに貼り付けた状態)を、図1(c)のようにコートした。
【0059】
このブレードについて、ブレード先端とホルダ間に100Vの電圧を印加して、電極には100gの荷重をかけて電流値及び抵抗値を測定した。なお、測定は、常温常湿環境(NN:23℃、50%RH)で行った。この結果は表3に示す。
【0060】
なお、電流値及び抵抗値の測定状態の詳細を図3に示す。図3に示すように、支持部材(ホルダ)11及びゴム弾性体12を樹脂基台31に密着させて載置し、支持部材11の端部に第1の電極32を密着させると共に、ゴム弾性体12の端部に第2の電極33を密着させて両者の間に流れる電流を測定した。なお、第2の電極33の両側にはガード電極34を載置し、第2の電極33は、幅10mmで、2mm重ねて100g荷重で密着させ、ガード電極34は、1mm離して設けた。なお、支持部材11とゴム弾性体12との接着幅は4mmであり、支持部材11とゴム弾性体12との接着はRHM接着とした。
【0061】
【表3】
【0062】
(試験例1〜3の結果)
この結果より、実施例1〜4のクリーニングブレードは比較例1と比較すると引き込み力が小さい、すなわち低い摩擦係数を示すことがわかった。また、このクリーニングブレードは、コート層の対割れ・剥がれ性も良好であることがわかった。一方、比較例2は、比較例1と比較すると低い引き込み力を示したが、耐割れ・剥がれ性が悪いことがわかった。
【0063】
また、表面処理層がブレードの表面からホルダ表面にわたって形成されておりなおかつ表面処理層中に導電性カーボンブラックが添加されている場合、ブレードとホルダとの間が電気的に導通されることが明らかになった。
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のブレード部材は、低摩擦係数化を図ることができ、割れや剥がれが発生しがたい表面処理層を有し、良好な特性を長期間に亘って維持することができるという効果を奏する。また、本発明の表面処理層は、必要に応じて導電性を付与することができ、当該表面処理層によりゴム弾性体と支持部材との電気的導通を図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るブレード部材の例を示す断面図である。
【図2】本発明の試験例1の様子を示す説明図である。
【図3】本発明の試験例3の様子を示す説明図である。
【符号の説明】
11 支持部材
12 ゴム弾性体
13A〜13C 表面処理層
21 基台
22 ウレタンシート
23 ポリエステルテレフタレートシート
24 フッ素樹脂ローラ
31 樹脂基台
32 第1の電極
33 第2の電極
34 ガード電極
Claims (10)
- 被接触部材に先端部を接触させて使用されるゴム弾性体を具備するブレード部材であって、前記ゴム弾性体がポリウレタンゴムからなり、当該ゴム弾性体の少なくとも前記先端部の表面に、フッ素系ポリマー及びシリコーン系ポリマーから選択される少なくとも一種のポリマーとイソシアネート成分とを含有する表面処理液で形成された表面処理層を有することを特徴とするブレード部材。
- 請求項1において、前記表面処理液が、さらに、カーボンブラックを分散させたものであることを特徴とするブレード部材。
- 被接触部材に先端部を接触させて使用されるゴム弾性体を具備するブレード部材であって、前記ゴム弾性体がポリウレタンゴムからなり、当該ゴム弾性体の少なくとも前記先端部の表面に、イソシアネート成分とカーボンブラックとを含有する表面処理液で形成された表面処理層を有することを特徴とするブレード部材。
- 請求項2又は3において、前記表面処理液中のカーボンブラックは、イソシアネート成分に対して10〜40重量%であることを特徴とするブレード部材。
- 請求項1〜4の何れかにおいて、前記表面処理液中のポリマーは、イソシアネート成分に対して2〜30重量%であることを特徴とするブレード部材。
- 請求項1〜5の何れかにおいて、前記ゴム弾性体のゴム硬度がJIS Aで50°〜90°であることを特徴とするブレード部材。
- 請求項1〜6の何れかにおいて、前記表面処理層が、前記ポリマーと前記イソシアネート成分とを溶解する溶剤を含有する表面処理液を前記ゴム弾性体の表面に含浸塗布し、溶媒除去することにより形成されたものであることを特徴とするブレード部材。
- 請求項1〜7の何れかにおいて、前記ゴム弾性体がポリオールに過剰のイソシアネートを反応させたポリウレタンからなり、当該過剰のイソシアネートと前記表面処理層のイソシアネート成分とが化学的に結合していることを特徴とするブレード部材。
- 請求項1〜8の何れかにおいて、前記ゴム弾性体が、導電性の支持部材に対して接着保持されていることを特徴とするブレード部材。
- 請求項9において、前記表面処理層が前記ゴム弾性体の表面から前記支持部材表面に亘って形成されており、これにより前記ゴム弾性体の先端部と前記支持部材との間が電気的に導通されていることを特徴とするブレード部材。
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