JP2019101374A - 導電性ローラ - Google Patents

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【課題】ローラ端部の削れ耐久性に優れるとともに、端部コート層と表層との接着性に優れた導電性ローラを提供する。【解決手段】上記課題を解決するべく、本発明の導電性ローラ1は、基層3上に、導電性を有する表層4を少なくとも備えた導電性ローラ1であって、前記表層3の両端部上に、イソシアネート組成物からなる端部コート層5をさらに備え、前記イソシアネート組成物は、少なくとも、破断伸びが60%以上である軟質イソシアネート、及び、破断伸びが5%以下である硬質イソシアネートを含むことを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、導電性ローラに関する。
一般に、複写機、プリンタ等の電子写真方式の画像形成装置等における現像部には、図1に示すように、静電潜像を保持する感光体等の画像形成体11と、この画像形成体11に当接して表面に担持したトナー15を付着させることにより静電潜像を可視画像化する現像ローラ12と、この現像ローラ12にトナーを供給するためのトナー供給ローラ13とが設けられており、トナー15を、トナー収容部14からトナー供給ローラ13及び現像ローラ12を介して画像形成体11まで搬送する一連のプロセスにより、画像形成が行われる。
そして、上述した現像ローラ12や、トナー供給ローラ13等の導電性ローラについては、長寿命化の観点から、ローラ表層のうち特に端部の削れ耐久性(耐摩耗性)の向上が望まれている。
導電性ローラの表面は、クリーニングブレード16等の他部材との摩擦があることが知られており、特にローラ端部(ローラ軸方向の両端にあたる部分)の表面の剥離や削れが多く、これが導電性ローラの交換時期を早める原因となっていたためである。
そのため、導電性ローラ端部の削れ耐久性を向上させるための技術が開発されている。
例えば、特許文献1には、イソシアネート又は熱可塑性ウレタンからなる処理剤によって、導電性ローラの端部をコーティングする技術が開示されている。
特開2014−74750号公報
ただし、特許文献1に開示された技術については、一定のローラ端部の耐摩耗性向上効果が得られるものの、さらなる長寿命化の観点から、より優れた削れ耐久性を実現することが望まれていた。
さらに、ローラ端部の削れ耐久性を向上させるためには、コーティングの硬質化を図り、端部を削れ難くすることが考えられるが、その場合、導電性ローラ表面との接着性が悪化し、コーティングが剥離しやすくなるという問題があった。
そのため、本発明の目的は、ローラ端部の削れ耐久性に優れるとともに、端部コート層と表層との接着性に優れた導電性ローラを提供することにある。
本発明者らは、基層上に、導電性を有する表層を少なくとも備えた導電性ローラについて、上記課題を解決するべく検討を行った。その結果、表層の両端部上に、イソシアネート組成物からなる端部コート層を設けるとともに、イソシアネート組成物を、破断伸びの大きな軟質イソシアネート及び破断伸びの小さな硬質イソシアネートを含むように構成することによって、削れ耐久性の向上と、表層との接着性とを高いレベルで両立できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の導電性ローラは、基層上に、導電性を有する表層を少なくとも備えた導電性ローラであって、
前記表層の両端部上に、イソシアネート組成物からなる端部コート層をさらに備え、前記イソシアネート組成物は、少なくとも、破断伸びが60%以上である軟質イソシアネート、及び、破断伸びが5%以下である硬質イソシアネートを含むことを特徴とする。上記構成を具えることによって、ローラ端部の削れ耐久性、及び、端部コート層と表層との接着性を向上できる。
また、本発明の導電性ローラについては、前記イソシアネート組成物における、前記軟質イソシアネートの含有量に対する、前記硬質イソシアネートの含有量の質量比(硬質イソシアネートの含有量/軟質イソシアネートの含有量)が、0.27〜0.81であることがより好ましい。ローラ端部の削れ耐久性、及び、端部コート層と表層との接着性をより高いレベルで両立できるためである。
さらに、本発明の導電性ローラについては、前記軟質イソシアネートが、変性ポリイソシアネートであることがより好ましい。端部コート層と表層との接着性をより向上できるためである。
また、本発明の導電性ローラについては、前記硬質イソシアネートが、トリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリイソシアネートであることが好ましい。ローラ端部の削れ耐久性をより向上できるためである。
さらにまた、本発明の導電性ローラについては、前記端部コート層の平均厚さが、1〜30μmであることが好ましい。他部材との過度の摩擦を引き起こすことなく、ローラ端部の削れ耐久性を向上できるためである。
本発明によれば、ローラ端部の削れ耐久性に優れるとともに、端部コート層と表層との接着性に優れた導電性ローラを提供することができる。
画像形成装置の一例を模式的に示した部分断面図である。 本発明の導電性ローラの一実施形態を模式的に示した斜視図である。 本発明の導電性ローラの一実施形態の一部を模式的に示した断面図である。
以下、本発明の一実施形態について、必要に応じて図面を用いて説明する。
ここで、図2は、本発明の導電性ローラ1の一実施形態を模式的に示したものであり、図3は、本発明の導電性ローラ1の一実施形態の端部近傍位置の断面を模式的に示したものである。
<導電性ローラ>
本実施形態の導電性ローラは、図2に示すように、基層3上に、導電性を有する表層4を少なくとも備えた導電性ローラ1である。
ここで、本発明の導電性ローラの例として、具体的には、感光体等の像担持体を一様に帯電させる帯電ローラ、現像剤を担持搬送して像担持体に供給する現像ローラ、現像ローラに現像剤を帯電させつつ供給する現像剤供給ローラ、記録紙等の記録体に転写された現像剤像を定着させる定着ローラ、像担持体等に付着した現像剤等を除去するクリーニングローラ等が挙げられる。
これらの中でも、本発明の導電性ローラは、現像ローラとして用いられることが好ましい。現像ローラは、特に、ローラ端部の削れ耐久性、及び、端部コート層と表層との接着性の向上が要求されている部材であることから、本発明の課題解決による利益を効果的に享受できるためである。
また、図2及び3に示すように、本実施形態の導電性ローラ1は、長さ方向両端部を軸支されて取り付けられるシャフト2を備えている。なお、前記シャフト2については、良好な導電性を有する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、金属製又は樹脂製の、中空円筒体、中実円柱体等からなるシャフトとすることができる。
(基層)
本実施形態の導電性ローラ1を構成する基層3は、図3に示すように、導電性ローラ1の最も下部に位置する(シャフト2に隣接する)層であり、ウレタン樹脂を含む基層用組成物から形成される。
前記基層用組成物については、ウレタン樹脂を含むことが好ましく、その他の含有成分については特に限定はされない。前記基層用組成物中にウレタン樹脂を含有することで、基層に適度な柔軟性を与えることができる。
ここで、前記ウレタン樹脂については、分子中にウレタン結合を有する限り、特に制限はなく、例えば、分子内にウレタン結合−OCONH−をもつ高分子化合物(ポリウレタン)からなる樹脂であり、ウレタンゴム、ウレタンフォーム等が挙げられる。その中でも、良好な柔軟性を実現できる観点から、ウレタンフォームを用いることが好ましい。
また、前記ウレタン樹脂については、水酸基を有することが好ましい。水酸基を有することで、当該水酸基と後述する表層中にイソシアネート基が含まれる場合には、ウレタン結合が形成され、基層と中間層との接着力をより向上させることができるためである。
なお、前記ウレタン樹脂中の水酸基の態様については、特に限定はされない。例えば、分子中に遊離した状態で存在している水酸基等が考えられる。また、前記ウレタン樹脂は、(メタ)アクリロイル基を有することがより好ましい。(メタ)アクリロイル基を有することで、後述する表層とともにエネルギー線での硬化が行われる際、中間層と表層との接着力だけでなく、基層と中間層の接着力についてもより向上させることができるためである。なお、前記ウレタン樹脂中の(メタ)アクリロイル基の態様については、特に限定はされない。例えば分子中に遊離した状態で存在している(メタ)アクリロイル基等が考えられる。
前記基層用組成物に含まれ得るその他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、ポリオール、イソシアネート、ウレタン結合触媒、整泡剤、溶媒、イオン導電剤、充填剤、しゃく解剤、可塑剤、軟化剤、粘着付与剤、粘着防止剤、分離剤、離型剤、増量剤、着色剤、架橋剤、加硫剤、重合禁止剤、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ポリオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリテトラメチレングリコール、ポリブタジエンポリオール、アルキレンオキサイド変性ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ポリエーテルポリオールが、樹脂の柔軟性、永久圧縮ひずみを少なくする点で、好ましい。
前記イソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、プレポリマー化トリレンジイソシアネート(プレポリマー化TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、粗製ジフェニルメタンジイソシアネート(クルードMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI);これらのイソシアヌレート変性物、カルボジイミド変性物、グリコール変性物等;などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、プレポリマー化トリレンジイソシアネート(プレポリマー化TDI)が、ウレタン反応活性が高く、基層ひいては積層体の弾性を向上させやすい等の点で、好ましい。
前記ウレタン結合触媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫アセテート、ジオクチル錫ビス(エチルマレート)、ジブチル錫ビス(オレイルマレート)、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫チオカルボキシレート、ジブチル錫ジマレート、ジオクチル錫チオカルボキシレート、オクテン酸錫、モノブチル錫オキシド、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ジブチル錫ジラウレートが、触媒活性が高い点で、好ましい。
前記整泡剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、シリコーン系整泡剤、イオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、シリコーン系整泡剤が、発泡体の泡均一性が良好となる点で、好ましい。
前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類;酢酸ブチル;ジメチルスルホン;ジメチルスルホキシド;テトラヒドロフラン;ジオキサン;トルエン;キシレン;などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、酢酸ブチルが、揮発速度が速い点で、好ましい。
(表層)
本実施形態の導電性ローラ1を構成する表層4は、図3に示すように、前記基層3上に、直接又は接着層等を介して形成された、導電性を有する層である。
ここで、前記表層4の形成方法としては、導電剤を含有する表層用塗料を前記基層3に塗布することにより形成する方法や、導電剤及びイソシアネート化合物を含有する表面処理液を前記基層3の表層部に含浸させることにより形成する方法が挙げられる。これらの方法により、導電剤が基層3の外周に固定化されて、導電性を有する表層4を形成することができる。
前記表層用塗料又は前記表面処理液中に含有する導電剤としては、カーボンブラック、金属粉等の電子導電性付与剤や、イオン導電性付与剤、又はこれらの両者を混合して用いることができる。カーボンブラックは種々の性質を持ったものがあるが、カーボン微粉末を用いるのが好ましい。イオン導電性付与剤としては、有機塩類、無機塩類、金属錯体、イオン性液体等が挙げられる。有機塩類、無機塩類としては、過塩素酸リチウム、4級アンモニウム塩、三フッ化酢酸ナトリウム等が挙げられる。また、金属錯体としては、ハロゲン化第二鉄−エチレングリコール等を挙げることができ、例えば、特許第3655364号公報に記載されたものを挙げることができる。一方、イオン性液体は、室温で液体である溶融塩であり、常温溶融塩とも呼ばれるものであり、特に、融点が70℃以下、好ましくは30℃以下のものをいう。例えば、特開2003-202722号公報に記載されたものを挙げることができる。
なお、前記表層用塗料を塗布することにより表層4を形成する場合は、導電剤に加えて、有機溶媒と、有機溶媒に可溶のゴム及び樹脂のうち少なくとも一方と、を含む表層用塗料を塗布し、乾燥硬化させることにより、表層4を形成することができる。これにより、ゴムや樹脂がバインダーとなり、導電剤が基層3の外周及び端部に固定化されることにより、十分な導電性を確保することができる。
また、前記表層用塗料は、添加剤を含有していてもよい。添加剤としては、フッ素化合物、シリコーン、シリカ等を挙げることができる。添加剤を配合することにより、導電性ローラ1の表面における離型性が向上する。
前記ゴム及び樹脂は、少なくとも一方を用いればよく、併用することもできる。ゴム及び樹脂は、有機溶媒に可溶である必要があり、また、使用時の変形に耐えることができるように、乾燥後に伸びるものが好ましい。また、ゴム及び樹脂は、前記基層用組成物とのSP値(溶解度パラメータ)が近いものを選択するのが好ましい。SP値が近いものを選択することにより、基層3に含浸しやすく、密着性が向上する。これにより、より耐久性に優れた導電性ロールとすることができる。樹脂としては、アクリル樹脂、アミド樹脂、フッ素樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂が挙げられ、ゴムとしては、ウレタンゴム、シリコーンゴム、アクリルゴム等が挙げられる。なお、アミド樹脂としては、ナイロンが挙げられる。その中でも、シリコーンゴム、ウレタンゴム、アクリルゴムは、柔軟性及び基層3との密着性に優れるため特に好ましい。
前記有機溶媒は、塗料を溶解し、導電剤を分散させることができるものであればよい。例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン(MEK)メチルエチルイソブチルケトン(MIBK)、トルエン等が好適に用いられる。
前記表層用塗料を塗布する方法としては、基層3に表層用塗料をスプレーコート法、ロールコート法、ディップコート法等が挙げられるが、スプレーコート法、ロールコート法を用いることが好ましい。このとき、表層4の厚さが所望の範囲となるように、表層用塗料のゴムや樹脂の種類・配合量、塗布量、塗布エアー圧、塗布回数、ロール押付け量等を適宜調整する。
また、導電剤及びイソシアネート化合物を含有する表面処理液を、基層3の表層部に含浸させることにより表層4を形成する場合は、基層3を表面処理液に浸漬させる、又は基層3に表面処理液をスプレー塗布などにより塗布し、乾燥硬化させることにより、表層4を形成する。この場合は、表層4は、基層3と一体的に形成される。具体的には、表面処理液中の有機溶媒が基層3に浸透することにより、基層3はわずかに膨潤して微細な溝が発生し、この微細な溝に表面処理液中の少なくともイソシアネート成分及び導電剤が充填されて、基層3と一体的な表層4が形成される。
ここで、前記表面処理液については、有機溶媒に、少なくともイソシアネート成分を溶解させたものである。
表面処理液に含まれるイソシアネート成分としては、2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、パラフェニレンジイソシアネート(PPDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)及び3,3−ジメチルジフェニル−4,4’−ジイソシアネート(TODI)等のイソシアネート化合物、並びに、これらの多量体及び変性体を挙げることができる。さらに、ポリオールとイソシアネートからなるプレポリマーを挙げることができる。
なお、前記表面処理液には、ポリエーテル系ポリマーを含有させてもよい。ここで、ポリエーテル系ポリマーは、有機溶媒に可溶であるのが好ましく、また、活性水素を有して、イソシアネート化合物と反応して化学的に結合可能なものが好ましい。
活性水素を有する好適なポリエーテル系ポリマーとしては、例えば、エピクロルヒドリンゴムが挙げられる。ここでいうエピクロルヒドリンゴムは未加硫状態のものを指す。エピクロルヒドリンゴムは、導電層に導電性と共に弾性を付与することができるため好ましい。なお、エピクロルヒドリンゴムは、末端に活性水素(水酸基)を有しているが、ユニットに水酸基、アリル基等の活性水素を有しているものも好ましい。なお、エピクロルヒドリンゴムとしては、エピクロルヒドリン単独重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体、エピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル共重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体やその誘導体等を挙げることができる。
活性水素を有する他の好適なポリエーテル系ポリマーとしては、水酸基又はアリル基を有するポリマーが挙げられ、例えば、ポリオール、グリコール等が挙げられる。このようなポリエーテル系ポリマーは活性水素を有する基を両末端に備えたものよりも片末端にのみ備えたものが好ましい。また、数平均分子量が300〜1000であることが好ましい。導電層に弾性を付与することができるためである。このようなポリエーテル系ポリマーとしては、例えば、ポリアルキレングリコールモノメチルエーテル、ポリアルキレングリコールジメチルエーテル、アリル化ポリエーテル、ポリアルキレングリコールジオール、ポリアルキレングリコールトリオール等を挙げることができる。
また、前記表面処理液には、アクリルフッ素系ポリマー及びアクリルシリコーン系ポリマーから選択される少なくとも一種のポリマーを含有させてもよい。
前記アクリルフッ素系ポリマー及びアクリルシリコーン系ポリマーは、所定の溶媒に可溶でイソシアネート化合物と反応して化学的に結合可能なものである。アクリルフッ素系ポリマーは、例えば、水酸基、アルキル基、又はカルボキシル基を有する溶媒可溶性のフッ素系ポリマーであり、例えば、アクリル酸エステルとアクリル酸フッ化アルキルのブロックコポリマーやその誘導体等を挙げることができる。また、アクリルシリコーン系ポリマーは、溶媒可溶性のシリコーン系ポリマーであり、例えば、アクリル酸エステルとアクリル酸シロキサンエステルのブロックコポリマーやその誘導体等を挙げることができる。
さらに、前記表面処理液は、イソシアネート成分、ポリエーテル系ポリマー、アクリルフッ素系ポリマー及びアクリルシリコーン系ポリマーを溶解する有機溶媒を含有する。有機溶媒としては特に限定されないが、酢酸エチル、メチルエチルケトン(MEK)、トルエン等の有機溶媒を用いればよい。
上述したように、基層3の表層部に表面処理液を含浸・硬化させて表層4を設けることで、表層4は、基層3の表層部に含浸されて一体的に設けられる。このような表層4は、主にイソシアネート成分がバインダーとなり、硬化することにより導電剤が基層3の外周に固定化されることで、十分な導電性を確保することができる。
(端部コート層)
そして、本実施形態の導電性ローラ1は、図2に示すように、前記表層4の両端部上に、イソシアネート組成物からなる端部コート層5をさらに備え、前記イソシアネート組成物は、少なくとも、破断伸びが60%以上である軟質イソシアネート、及び、破断伸びが5%以下である硬質イソシアネートを含むことを特徴とする。
破断伸びが大きく、表層4との接着性向上に寄与する軟質イソシアネートと、破断伸びが小さく、削れ耐久性の向上に寄与する硬質イソシアネートとを含むイソシアネート組成物から、端部コート層5を形成することによって、ローラ端部における削れ耐久性及び端部コート層5の表層4との接着性を高いレベルで両立できる。
ここで、前記端部コート層5が設けられる前記表層4の両端部とは、図2に示すように、前記表層4のローラ軸方向Aの両端部のことである。また、前記端部コート層5が前記表層4を覆う範囲R(図3)については、特に限定はなく、ローラ軸方向Aの端から数mm程度である。ただし、前記表層4の摩耗や削れを効果的に抑制しつつ、表層4の機能(例えば現像ローラの場合、画像形成領域における現像剤搬送機能)を妨げない観点からは、前記表層4を覆う範囲Rが、ローラ軸方向Aの端(シャフト2を除く)から10mm以内であることが好ましく、8mm以内であることがより好ましい。
また、前記端部コート層5の厚さTについても特に限定はされないが、他部材との過度の摩擦を引き起こすことなく、ローラ端部の削れ耐久性の向上を図る観点からは、1〜30μmであることが好ましく、5〜25μmであることがより好ましく、5〜20μmであることが特に好ましい。前記端部コート層5の厚さTを1μm以上とすることで、より優れたローラ端部の削れ耐久性を確保できるとともに、前記端部コート層5の厚さTを20μm以下とすることで、クリーニングブレード等の他部材との過度な摩擦を抑えることができ、端部コート層5の剥離等を抑制することができる。
ここで、前記イソシアネート組成物については、少なくとも、破断伸びが60%以上である軟質イソシアネート、及び、破断伸びが5%以下である硬質イソシアネートを含んでいる。ただし、軟質イソシアネート及び硬質イソシアネート以外のイソシアネートを含むことも可能である。例えば、破断伸びが5%を超え且つ60%未満であるイソシアネートを一定量含むことも可能である。
ただし、本発明の導電性ローラでは、破断伸びが60%以上である軟質イソシアネートと破断伸びが5%以下である硬質イソシアネートを混合することによって、イソシアネート組成物全体の破断伸びや、硬度等を調整し、ローラ端部の削れ耐久性及び表層との接着性のバランスを取るという効果に留まらず、軟質のイソシアネートと、硬質のイソシアネートの混合物とすることによって、ローラ端部の削れ耐久性及び表層との接着性のいずれについても、低下させることなく、大きく向上させることができる、という効果を得ることができる。そのため、軟質イソシアネート及び硬質イソシアネート以外のイソシアネート(破断伸びが5%超え且つ60%未満の範囲に該当するイソシアネート)を含む場合であっても、その含有量はイソシアネート組成物における20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、含まないことが最も好ましい。
また、前記前記イソシアネート組成物における、前記軟質イソシアネートの含有量に対する、前記硬質イソシアネートの含有量の質量比(硬質イソシアネートの含有量/軟質イソシアネートの含有量)が、0.09〜1.00であることが好ましく、0.27〜1.00であることがより好ましく、0.81〜1.00であることが特に好ましい。軟質イソシアネートの含有量に対する硬質イソシアネートの含有量の質量比を、0.27以上とすることで、より優れたローラ端部の耐久性を得ることができ、1.00以下とすることで、より優れた表層との接着性を得ることができる。
前記軟質イソシアネートについては、上述したように破断伸びが60%以上であるイソシアネートである。なお、前記軟質イソシアネートについては、一種類のイソシアネートから構成しても、二種類以上の破断伸びが60%以上であるイソシアネートから構成することもできる。
前記軟質イソシアネートの具体的な種類については、破断伸びが60%以上であるイソシアネートであれば特に限定はされない。例えば、変性ポリイソシアネート、水系ブロックイソシアネート等が挙げられる。それらの中でも、変性ポリイソシアネートであることが好ましい。高い破断伸びが得られるため、前記端部コート層5と前記表層4との接着性をより向上できるからである。
また、前記軟質イソシアネートの破断伸びは、60%以上である必要がある。前記軟質イソシアネートの、柔軟性及び密着性が高くなることから、前記表層との接着性の向上を図れるためである。
さらに、前記端部コート層5と前記表層4との接着性をより向上させる観点からは、前記軟質イソシアネートの破断伸びは、70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましい。一方、前記端部コート層5の形成を阻害しない点や、高い削れ耐久性を維持する観点からは、前記軟質イソシアネートの破断伸びの上限は、100%とすることが好ましく、90%とすることがより好ましい。
なお、前記軟質イソシアネートの破断伸びについては、イソシアネートを硬化させ塗膜とした状態で、JIS 7127(1999年)に準拠して測定されるものである。
前記硬質イソシアネートについては、上述したように破断伸びが5%以下であるイソシアネートである。なお、前記硬質イソシアネートについては、一種類のイソシアネートから構成しても、二種類以上の破断伸びが5%以下であるイソシアネートから構成することもできる。
前記硬質イソシアネートの具体的な種類については、破断伸びが5%以下のイソシアネートであれば特に限定はされない。例えば、トリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、ポリイソシアネート等が挙げられる。それらの中でも、トリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリイソシアネート及びポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートのうちの少なくとも一種であることが好ましい。前記ローラ端部の削れ耐久性をより向上できるためである。
また、前記硬質イソシアネートの破断伸びは、5%以下である必要がある。前記硬質イソシアネートの、硬度及び耐久性が高くなることから、ローラ両端部における削れ耐久性の向上を図れるためである。
さらに、より優れた削れ耐久性を得る観点からは、前記硬質イソシアネートの破断伸びは、3%以下であることが好ましく、0%であることがより好ましい。
なお、前記硬質イソシアネートの破断伸びについては、当該硬質イソシアネートを硬化させ塗膜とした状態で、JIS 7127(1999年)に準拠して測定されるものである。
(その他の層)
本発明の積層体は、図2に示すように、基層3と、表層4と、端部コート層5とを備えるが、必要に応じて、その他の層をさらに備えることができる。
前記その他の層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、基層3と表層4との間に形成される接着層、表層3とシャフト2との間に形成される接着層等が挙げられる。前記接着層ついては、特に限定はされず、基層及び表層の種類に応じて、適宜選択することが可能である。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1〜5、比較例1〜5)
以下に示す方法で、サンプルとなる導電性ローラを作製した。
図2に示すように、シャフト2を中心軸として基層3と該基層3上に表層4を形成した。そして、表層4の両端部(シャフト2を除くローラ軸方向の端から10mmの範囲(R=10mm))には、10μmの厚さを有する端部コート層5を形成した。
(1)前記基層3については、ポリオールとイソシアネートからなり、導電性成分を添加している。
ポリオールとしてクラレポリオールF510(ポリエステルポリオール、(株)クラレ製 OHv=335.5mgKOH/g、MW500)とクラレポリオールF1010(ポリエステルポリオール、(株)クラレ製 OHv=168mgKOH/g、MW1000)に、導電性カーボンであるデンカブラックと、さらに反応性促進触媒としてのネオスタンU100(ジブチル錫ジラウレート)を、ウレタン総量に対して220ppm添加混合した。
これらポリオールと触媒を主剤として、硬化剤のイソシアネートは、サンプレンBS-4(ウレタンプレポリマー/トリレンジイソシアネート、日東化成(株)製)を主剤と混合し軸体を固定した金型に流し込み熱硬化させた。
(2)また、表層4については、ウレタンアクリレート(「PX31-76」亜細亜工業(株)製)を用い、前記基層3に塗布し、硬化させることで形成した。バインダー樹脂に、イオン導電材0.4部(三菱マテリアル(株)製))とSi系添加剤7.7部(「UT4580:日本合成化学工業(株)製)、フッ素系添加剤(「メガファックRS-72-K」DIC製)を添加して調整した。
(3)なお、端部コート層5については、表1に示す成分組成のイソシアネート組成物を用いて形成した。また、端部コート層5の形成用いたイソシアネート組成物については、破断伸び(%)及び破断強度(N/mm2)を、JIS K 7127(1999年) に準拠して測定し、測定結果を表1に示す。
(評価)
作製した実施例及び比較例の導電性ローラの各サンプルについて、ローラ端部の削れ耐久性及びローラ端部における端部コート層の接着性を確認するため、以下の評価を行った。
実施例及び比較例の各サンプルについて、端部コート層を設けた部分に、金属片(SUS製、曲率半径:15mm)を一定距離でサンプルに押し当てた状態で、導電ローラを400rpm、5分間運動させた。そして、回転運動後の各サンプルのローラ端部の状態を、目視により観察し、以下の基準に従って評価を行った。
◎:端部コート層の削れ又は剥離が見られず、下地(表面層)が出ていない。
○:端部コート層の削れ又は剥離が一部見られるものの、下地(表面層)の露出はほとんどない。
×:端部コート層の多くが、削れるか、剥離しており、下地(表面層)の多くが露出している。
Figure 2019101374
*1:亜細亜工業株式会社製 「PD−200」、破断伸び: 83%
*2:PROSPECTOR社製 「デスモジュールRE」、破断伸び: 0%
*3:住化バイエルウレタン株式会社製 「スミジュール44V20L」、破断伸び:0%
*4:東ソー株式会社製 「コロネートL45E」、破断伸び:6%
*5:三井化学株式会社製 「タケネートXWB-F206」、破断伸び:8%
表1の結果から、各実施例の導電性ローラは、比較例の導電性ローラに比べて、いずれも優れた結果を示すことがわかった。
本発明によれば、ローラ端部の削れ耐久性に優れるとともに、端部コート層と表層との接着性に優れた導電性ローラを提供することができる。
1 導電性ローラ
2 シャフト
3 基層
4 表層
5 端部コート層
A 導電性ローラのローラ軸方向
R 端部コート層の端からの範囲
T 端部コート層の厚さ

Claims (5)

  1. 基層上に、導電性を有する表層を少なくとも備えた導電性ローラであって、
    前記表層の両端部上に、イソシアネート組成物からなる端部コート層をさらに備え、前記イソシアネート組成物は、少なくとも、破断伸びが60%以上である軟質イソシアネート、及び、破断伸びが5%以下である硬質イソシアネートを含むことを特徴とする、導電性ローラ。
  2. 前記イソシアネート組成物における、前記軟質イソシアネートの含有量に対する、前記硬質イソシアネートの含有量の質量比(硬質イソシアネートの含有量/軟質イソシアネートの含有量)が、0.27〜1.00であることを特徴とする、請求項1に記載の導電性ローラ。
  3. 前記軟質イソシアネートが、変性ポリイソシアネートであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の導電性ローラ。
  4. 前記硬質イソシアネートが、トリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリイソシアネートであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電性ローラ。
  5. 前記端部コート層の平均厚さが、1〜30μmであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電性ローラ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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