JP5121317B2 - 現像ローラ - Google Patents

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Description

本発明は現像ローラ(以下、単に「ローラ」とも称する)に関し、詳しくは、複写機、プリンタ等の電子写真装置や静電記録装置などの画像形成装置において用いられる現像ローラに関する。
複写機やプリンタ等の電子写真方式を用いた画像形成装置においては、現像、帯電、転写(トナー供給、クリーニング)等の電子写真プロセスにおいて、導電性を付与したローラ部材が用いられている。
従来、これら現像ローラ、帯電ローラ、転写ローラ(トナー供給、クリーニング)等として用いられるローラ部材としては、軸の外周に、導電剤を配合することにより導電性を付与した導電性のゴムや高分子エラストマー、高分子フォーム等からなる弾性層を形成した構造を基本構造として、所望の表面粗さや導電性、硬度などを得るために、その外周に一層または複数層の塗膜を設けたものが使用されている。
この場合、例えば、ウレタンフォームからなる弾性層の場合には、フォーム表面にセルが開口しているために、溶剤系の塗料を直接塗工すると、弾性層表面が溶解するなどの不具合を生ずる。そのため従来、弾性層上に水系樹脂を用いた水系塗料で下塗層を形成して、目止めを行った後、溶剤系塗料で表層を形成することが行われている。
かかる現像ローラに関する改良技術としては、例えば、特許文献1に、弾性層上に、少なくとも1層の下層導電層と、表層樹脂層とを順次備え、弾性層が独立気泡構造を有する発泡体からなり、下層導電層が導電剤を含む水系塗料からなり、かつ、下層導電層のうち少なくとも弾性層に接する1層がクロロプレン・メタクリル酸共重合物を主成分とする現像ローラが開示されている。
また、特許文献2には、弾性層と、その外側に直接または他の層を介して形成された塗膜層とを有する帯電ローラにおいて、塗膜層を形成する塗膜材料として、3〜15モル%のアクリロニトリル残基を含むアクリル系樹脂を使用する技術が、特許文献3には、弾性層と、その外側に直接又は他の層を介して形成された塗膜層とを有し、塗膜層が、活性水素を持つ樹脂を2つ以上のオキサゾリン基を有するオキサゾリン系架橋剤によって架橋した水系塗膜である帯電部材が、それぞれ開示されている。
特開2006−349741号公報(特許請求の範囲等) 特開2002−072627号公報(特許請求の範囲等) 特開平11−084821号公報(特許請求の範囲等)
上述のように、現像ローラ等のローラ部材については従来より種々検討されてきているが、近年のプリンタの画質向上により、従来の材料では、ローラの変形に起因する画像不良を防ぐことが困難になってきている。
特に、カートリッジに組み込んで長期間保管した後に感光体ドラムに長期間圧接した状態でも、変形に起因する画像不良の問題を生じない現像ローラが必要とされている。また、近年では、高速印字に対応してトナー融点が低くなってきており、耐久時のトナーダメージを低減させるために、現像ローラの低硬度化が求められるようになってきている。
これらの問題に対し、従来より、水系塗料を使用した下塗層の圧縮永久歪(セット)性能の向上と低硬度化との両立が課題として検討され続けているが、これら性能の両立は困難であり、未だ十分なものは得られておらず、軟らかくてセット性が良い現像ローラの実現が求められていた。
そこで本発明の目的は、上記問題を解消して、下塗層のセット性と低硬度化とを両立することで、長期にわたり良好な画像が得られる現像ローラを提供することにある。
本発明者らは鋭意検討した結果、下塗層に用いる水系樹脂として、所定の水系アクリル樹脂を用いることで、上記セット性と低硬度化との両立が実現できることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の現像ローラは、軸と、該軸の外周に担持された弾性層と、該弾性層の外周面に順次設けられた1層以上の下塗層および表層と、を備える現像ローラにおいて、
前記1層以上の下塗層がすべて水系樹脂からなり、該下塗層のうち少なくとも1層が、アクリロニトリルとn−ブチルアクリレートとをモノマー比率1〜25:99〜75にて含み、かつ、分子中に活性水素を有する基を含む水系アクリル樹脂を、オキサゾリン系架橋剤にて架橋させてなることを特徴とするものである。
本発明において好適には、前記オキサゾリン系架橋剤が、2つ以上のオキサゾリン基を有する。また、前記水系アクリル樹脂の表面酸価は10mg/g以上であることが好ましく、前記活性水素を有する基は、好適にはカルボキシル基である。さらに、本発明において、前記弾性層は、メカニカルフロス法により形成されたポリウレタンフォームであることが好ましい。
本発明によれば、上記構成としたことにより、下塗層のセット性と低硬度化とを両立して、長期にわたり良好な画像が得られる現像ローラを実現することが可能となった。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
図1に、本発明の一実施の形態に係る現像ローラの軸方向断面図を示す。図示するように、本発明の現像ローラ10は、軸1と、その外周に担持された弾性層2と、弾性層2の外周面に順次設けられた1層以上、図示する例では1層の下塗層3および表層4と、を備えるものである。
本発明においては、1層以上で設けられる下塗層がすべて水系樹脂からなり、かつ、この下塗層のうち少なくとも1層が、以下に詳述する特定の水系アクリル樹脂からなる点が重要である。
本発明において下塗層3に用いる水系アクリル樹脂は、アクリロニトリルとn−ブチルアクリレートとを必須成分とし、任意にその他のモノマーを含むものであり、その他のモノマーとしては、エチルアクリレート、アクリル酸2−エチルへキシル、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。アクリロニトリルおよびn−ブチルアクリレートを必須成分とするのは、これらが弾性(セット性)の向上に寄与するためであり、かかる観点からは、可能な限りn−ブチルアクリレート量を増量し、他の成分を減量するとともに、必須成分以外のその他のモノマー成分のモノマー比率を減らすことが好ましい。一方、アクリロニトリルの比率を高めすぎると、下塗層が硬くなってしまうため好ましくない。したがって、必須成分であるアクリロニトリルとn−ブチルアクリレートとのモノマー比率は、モル比で1〜25:99〜75、特には5〜20:95〜80の範囲内とすることが好ましい。
また、本発明に用いる上記水系アクリル樹脂は、分子中に活性水素を有する基を含んでいることが必要である。活性水素を有する基としては、カルボキシル基、水酸基、アミノ基等が挙げられるが、好適にはカルボキシル基である。本発明において、かかる活性水素を有する基を含むモノマーの比率は、全モノマー量の3〜6%の範囲内とすることが好ましい。本発明においては、活性水素を有する基を含むモノマーの比率をこの範囲内とすることで、表面酸価が10mg/g以上、例えば10〜20mg/gに調整された水系アクリル樹脂を好適に用いることができる。
さらに、本発明に係る上記水系アクリル樹脂は、オキサゾリン系架橋剤にて架橋されて下塗層を形成する。かかるオキサゾリン系架橋剤としては、水溶性のものであればいかなるものを用いてもよいが、2つ以上のオキサゾリン基を有するものが好ましく、特には、オキサゾリン基当量が300〜1000であって、Tg=−50℃〜50℃のものを好適に用いることができる。オキサゾリン基当量が1000を超えると分子量が大きくなるため室温での取扱いが困難となり、一方、300未満であると、反応性が大きすぎてゲル化が生ずるため、いずれも好ましくない。かかるオキサゾリン系架橋剤の配合量は、水系アクリル樹脂100重量部に対し、5〜50重量部とすることができる。
本発明においては、下塗層のうち少なくとも1層を上記水系アクリル樹脂からなるものとする点のみが重要であり、それ以外の下塗層は設けても設けなくてもよい。他の下塗層を設ける場合の他の下塗層に用いる水系樹脂としては、ゴム系、ウレタン系および上記以外のアクリル系のものが挙げられ、これらから選択されるいずれか1種または2種以上を好適に用いることができる。ゴム系としては、天然ゴム(NR)、クロロプレンゴム(CR)、ニトリルゴム(NBR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)等のラテックス、ウレタン系としては、エーテル系、エステル系等のエマルジョンやディスパージョン、アクリル系としては、アクリル、アクリルスチレン等のエマルジョンを好適に用いることができる。
また、下塗層には、導電剤を適宜添加して導電性を付与する。かかる導電剤としては、イオン導電剤と電子導電剤とがあり、イオン導電剤の例としては、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム(例えば、ラウリルトリメチルアンモニウム)、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、オクタデシルトリメチルアンモニウム(例えば、ステアリルトリメチルアンモニウム)、ベンジルトリメチルアンモニウム、変性脂肪酸ジメチルエチルアンモニウムなどの過塩素酸塩、塩素酸塩、塩酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、硫酸塩、エチル硫酸塩、カルボン酸塩、スルホン酸塩などのアンモニウム塩、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ金属やアルカリ土類金属の過塩素酸塩、塩素酸塩、塩酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、トリフルオロメチル硫酸塩、スルホン酸塩などが挙げられる。また、電子導電剤の例としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等の導電性カーボン;SAF、ISAF、HAF、FEF、GPF、SRF、FT、MT等のゴム用カーボン;酸化処理を施したインク用カーボン、熱分解カーボン、天然グラファイト、人造グラファイト;酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛等の導電性金属酸化物;ニッケル、銅、銀、ゲルマニウム等の金属などを挙げることができる。これらの導電剤は単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、その配合量には特に制限はなく、所望に応じ適宜選定可能であるが、例えば、下塗層を構成する樹脂成分100重量部に対し、1〜20重量部とすることができる。
さらに、下塗層には、所望に応じ、その他加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤などを適宜添加することが可能である。
下塗層の総厚みは、20〜600μmの範囲内とすることができ、この厚みが薄すぎると耐溶剤性が悪化する一方、この範囲より厚く塗工することは困難である。本発明においてかかる下塗層は、弾性層2上に、ディップ塗布、スプレー塗布、ロールコーター塗布などの公知の手法を用いて、上記所定の水系塗料を塗工、乾燥し、所望に応じ加熱硬化させることで、形成することができる。
また、本発明の現像ローラの軸1としては、良好な導電性を有するものであれば特に制限はなく、いずれのものも使用し得るが、例えば、硫黄快削鋼などの鋼材にニッケルや亜鉛等のめっきを施したものや、鉄、ステンレススチール、アルミニウム等の金属製の中実体からなる芯金、内部を中空にくりぬいた金属製円筒体等の金属製シャフトを用いることができる。
本発明の現像ローラの弾性層2は、好適には、ポリウレタンフォームにより形成する。かかるポリウレタンフォームの原料としては、樹脂中にウレタン結合を含むものであれば、特に制限はない。ポリオール成分としては、例えば、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとを付加重合したポリエーテルポリオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、酸成分とグリコール成分を縮合したポリエステルポリオール、カプロラクトンを開環重合したポリエステルポリオール、ポリカーボネートジオール等を用いることができる。
エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとを付加重合したポリエーテルポリオールとしては、例えば、水、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、トリエタノールアミン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール、エチレンジアミン、メチルグルコジット、芳香族ジアミン、ソルビトール、ショ糖、リン酸等を出発物質とし、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドを付加重合したものを挙げることができるが、特に、水、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオールを出発物質としたものが好適である。付加するエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの比率やミクロ構造については、エチレンオキサイドの比率が好ましくは2〜95重量%、より好ましくは5〜90重量%であり、末端にエチレンオキサイドが付加しているものが好ましい。また、分子鎖中のエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの配列は、ランダムであることが好ましい。
なお、かかるポリエーテルポリオールの分子量としては、水、プロピレングリコール、エチレングリコールを出発物質とする場合は2官能となり、重量平均分子量で300〜6000の範囲のものが好ましく、400〜3000の範囲のものがより好ましい。また、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオールを出発物質とする場合は3官能となり、重量平均分子量で900〜9000の範囲のものが好ましく、1500〜6000の範囲のものがより好ましい。更に、2官能のポリオールと3官能のポリオールとを適宜ブレンドして用いることもできる。
また、ポリテトラメチレンエーテルグリコールは、例えば、テトラヒドロフランのカチオン重合によって得ることができ、重量平均分子量が400〜4000の範囲、特には、650〜3000の範囲にあるものが好ましく用いられる。また、分子量の異なるポリテトラメチレンエーテルグリコールをブレンドすることも好ましい。さらに、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドを共重合して得られたポリテトラメチレンエーテルグリコールを用いることもできる。
さらに、ポリテトラメチレンエーテルグリコールと、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとを付加重合したポリエーテルポリオールとをブレンドして用いることも好ましい。この場合、これらのブレンド比率が、重量比で95:5〜20:80の範囲、特には90:10〜50:50の範囲となるよう用いることが好適である。
また、上記ポリオール成分とともに、ポリオールをアクリロニトリル変性したポリマーポリオール、ポリオールにメラミンを付加したポリオール、ブタンジオール等のジオール類、トリメチロールプロパンなどのポリオール類やこれらの誘導体を併用することもできる。
また、ウレタンフォームを構成するイソシアネートとしては、芳香族イソシアネートまたはその誘導体、脂肪族イソシアネートまたはその誘導体、脂環族イソシアネートまたはその誘導体が用いられる。これらの中でも芳香族イソシアネートまたはその誘導体が好ましく、特に、トリレンジイソシアネート(TDI)またはその誘導体、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)またはその誘導体が好適に用いられる。
トリレンジイソシアネートまたはその誘導体としては、粗製トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートと2,6−トリレンジイソシアネートとの混合物、これらのウレア変性物、ビュレット変性物、カルボジイミド変性物、ポリオール等で変性したウレタン変性物等が用いられる。ジフェニルメタンジイソシアネートまたはその誘導体としては、例えば、ジアミノジフェニルメタンまたはその誘導体をホスゲン化して得られたジフェニルメタンジイソシアネートまたはその誘導体が用いられる。ジアミノジフェニルメタンの誘導体としては多核体などがあり、ジアミノジフェニルメタンから得られた純ジフェニルメタンジイソシアネート、ジアミノジフェニルメタンの多核体から得られたポリメリック・ジフェニルメタンジイソシアネートなどを用いることができる。ポリメリック・ジフェニルメタンジイソシアネートの官能基数については、通常、純ジフェニルメタンジイソシアネートと様々な官能基数のポリメリック・ジフェニルメタンジイソシアネートとの混合物が用いられ、平均官能基数が好ましくは2.05〜4.00、より好ましくは2.50〜3.50のものが用いられる。また、これらのジフェニルメタンジイソシアネートまたはその誘導体を変性して得られた誘導体、例えば、ポリオール等で変性したウレタン変性物、ウレチジオン形成による二量体、イソシアヌレート変性物、カルボジイミド/ウレトンイミン変性物、アロハネート変性物、ウレア変性物、ビュレット変性物なども用いることができる。また、数種類のジフェニルメタンジイソシアネートやその誘導体をブレンドして用いることもできる。
また、イソシアネートをポリオールによりあらかじめプレポリマー化してもよく、その方法としては、ポリオールとイソシアネートを適当な容器に入れ、充分に攪拌し、30〜90℃、より好ましくは40〜70℃に、6〜240時間、より好ましくは24〜72時間保温する方法が挙げられる。この場合、ポリオールとイソシアネートとの分量の比率は、得られるプレポリマーのイソシアネート含有率が4〜30重量%となるように調節することが好ましく、より好ましくは6〜15重量%である。イソシアネートの含有率が4重量%未満であると、プレポリマーの安定性が損なわれ、貯蔵中にプレポリマーが硬化してしまい、使用に供することができなくなるおそれがある。また、イソシアネートの含有率が30重量%を超えると、プレポリマー化されていないイソシアネートの含有量が増加し、このポリイソシアネートは、後のポリウレタン硬化反応において用いるポリオール成分と、プレポリマー化反応を経ないワンショット製法に類似の反応機構により硬化するため、プレポリマー法を用いる効果が薄れる。イソシアネートをあらかじめポリオールによりプレポリマー化したイソシアネート成分を用いる場合のポリオール成分としては、上記ポリオール成分に加えて、エチレングリコールやブタンジオール等のジオール類、トリメチロールプロパンやソルビトール等のポリオール類やそれらの誘導体を用いることもできる。
ウレタンフォーム原料中には、これらポリオール成分およびイソシアネート成分に加え、所望に応じて前述したのと同様の導電剤や、発泡剤(水、低沸点物、ガス体等)、架橋剤、界面活性剤、触媒、整泡剤等を添加することができ、これにより所望に応じた弾性層とすることができる。
ウレタンフォームの硬化反応に用いる触媒としては、トリエチルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン等のモノアミン類、テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチルプロパンジアミン、テトラメチルヘキサンジアミン等のジアミン類、ペンタメチルジエチレントリアミン、ペンタメチルジプロピレントリアミン、テトラメチルグアニジン等のトリアミン類、トリエチレンジアミン、ジメチルピペラジン、メチルエチルピペラジン、メチルモルホリン、ジメチルアミノエチルモルホリン、ジメチルイミダゾール等の環状アミン類、ジメチルアミノエタノール、ジメチルアミノエトキシエタノール、トリメチルアミノエチルエタノールアミン、メチルヒドロキシエチルピペラジン、ヒドロキシエチルモルホリン等のアルコールアミン類、ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル、エチレングリコールビス(ジメチル)アミノプロピルエーテル等のエーテルアミン類、スタナスオクトエート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マーカプチド、ジブチル錫チオカルボキシレート、ジブチル錫ジマレエート、ジオクチル錫マーカプチド、ジオクチル錫チオカルボキシレート、フェニル水銀プロピオン酸塩、オクテン酸鉛等の有機金属化合物などが挙げられる。これらの触媒は単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、ウレタンフォーム配合中にシリコーン整泡剤や各種界面活性剤を配合することが、フォーム材のセルを安定させるために好ましい。シリコーン整泡剤としては、ジメチルポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合物等が好適に用いられ、分子量350〜15000のジメチルポリシロキサン部分と分子量200〜4000のポリオキシアルキレン部分とからなるものが特に好ましい。ポリオキシアルキレン部分の分子構造は、エチレンオキサイドの付加重合物やエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共付加重合物が好ましく、その分子末端をエチレンオキサイドとすることも好ましい。界面活性剤としては、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性等のイオン系界面活性剤や各種ポリエーテル、各種ポリエステル等のノニオン性界面活性剤が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。シリコーン整泡剤や各種界面活性剤の配合量は、ポリオール成分とイソシアネート成分との総量100重量部に対して0.1〜10重量部とすることが好ましく、0.5〜5重量部とすることが更に好ましい。
本発明におけるウレタンフォーム原料の発泡方法としては、従来から用いられているメカニカルフロス法、水発泡法、発泡剤フロス法等の方法を用いることができるが、特には、不活性ガスを混入しながら機械的攪拌により発泡させるメカニカルフロス法を用いることが好ましい。ここで、メカニカルフロス法において用いる不活性ガスは、ポリウレタン反応において不活性なガスであればよく、ヘリウム、アルゴン、キセノン、ラドン、クリプトン等の狭義の不活性ガスの他、窒素、二酸化炭素、乾燥空気等のウレタンフォーム原料と反応しない気体が挙げられる。なお、本発明において、かかるウレタンフォーム原料からなる弾性層2の成形条件については特に制限はなく、通常の条件に従えばよい。
また、本発明において、下塗層上に設ける表層4は、ウレタン系、アクリル系、アクリルウレタン系、フッ素系等の溶剤系塗料により形成することができ、図1(b)の拡大断面図に示すように、ウレタン、アクリル、シリカ等からなる球状微粒子5を含有させることで、表面粗さを調整することができる。かかる表層4の表面粗さは、JIS算術平均粗さRaで、通常2μm以下、特には0.5〜1.5μmの範囲内とすることができる。また、表層4についても、導電剤として前述したイオン導電剤や電子導電剤を適宜含有させることで、所望の導電性を付与することができる。表層4の厚さは、特に制限されるものではないが、通常1〜50μm、特には1〜40μm程度とすることができる。かかる表層4は、上記下塗層上に、ディップ塗布、スプレー塗布、ロールコーター塗布などの公知の手法を用いて所定の溶剤系塗料を塗工、乾燥し、所望に応じ加熱硬化させることで、形成することができる。
上記のようにして得られる本発明の現像ローラ10の表面粗さは、好適には、算術平均粗さRaで0.5〜1.0μmとすることができる。また、本発明の現像ローラ10の硬度は、好適にはマイクロ硬度で55°以下、例えば、40°〜55°であり、このマイクロ硬度は、例えば、マイクロゴム硬度計MD−1型により測定することが可能である。
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明する。
図1に示すような、軸1と、その外周に順次形成された弾性層2、下塗層3および表層4とを備える現像ローラ10を、下記の手順に従い、作製した。
まず、軸1としての芯金(φ8mm、長さ260mm、材質:硫黄快削鋼)の外周に、メカニカルフロス法によりポリウレタンフォームを担持させて、ポリウレタンフォームからなる弾性層2を形成した。
具体的には、プレポリマー化イソシアネート(TDI+ポリオール)100重量部と、ポリエーテルポリオール20重量部と、アセチレンブラック2重量部と、イオン導電剤(過塩素酸ナトリウム)0.2重量部とからなるポリウレタン原料を調製し、このポリウレタン原料をミキサーにより機械的に攪拌して乾燥空気を混入して、発泡させた。このウレタンフォーム原料を、端部にシャフトを貫通させるための穴が設けられ、かつ、シャフトを支持するための金属製キャップが設置されている金属製円筒状モールドに注型した。このモールドの内部には、前記芯金1を、外周に接着剤を塗布した状態で配置した。次いで、ウレタンフォーム原料が注型されたモールドを90℃に調整した熱風オーブン中に4時間放置し、ウレタンフォーム原料を硬化させた。
次いで、硬化したポリウレタンフォームをモールドから取り外して、下記表1に示す配合の下塗層用水系塗料をディップ塗布することにより、その外周に、膜厚100μmの下塗層3を形成した。
さらに、その外周に、溶剤としてメチルエチルケトンを用いて、ポリウレタン樹脂100重量部に対しアセチレンブラック10重量部および平均粒径D50=10μmの球状ポリウレタン粒子10重量部を配合した表層用塗料をディップ塗布することにより、膜厚10μmの表層4を形成して、ローラ本体部がφ16mm、長さ240mmである現像ローラを作製した。得られたローラの表面粗さはJIS算術平均粗さRaで0.6〜1.0μmであった。
<凹み評価>
得られた各ローラの両端部にそれぞれ500gの荷重をかけて、感光体に当接させ、40℃×95%の高温高湿下で7日間放置した。その後、ローラを取り出し、当接部分の凹み量を表面粗さ計(東京精密製)を用いて測定した。
<ローラ硬度>
得られた各ローラのローラ硬度を、マイクロ硬度計(高分子計器(株)製 MD−1)にて測定した。
<画出し評価>
上記凹み評価後の各ローラを現像ローラとしてプリンタカートリッジに装着し、ヒューレットパッカード社製のLaser Jet4050に組み込んで、画像試験を実施した。
これらの結果を、下記の表1中に併せて示す。
Figure 0005121317
*1)水系アクリル樹脂以外は、水系アクリル樹脂100重量部に対する重量部を示す。
*2)(株)日本触媒製,品名:エポクロスK−2010E(オキサゾリン価550gsolid/eqのオキサゾリン基を有するオキサゾリン系架橋剤)
*3)ケッチェンブラック
上記表1からわかるように、本発明に係る所定の条件を満足する水系アクリル樹脂を下塗層に用いた各実施例のローラは、所望の低硬度を有するとともに、セット性にも優れていることが確認された。
(a)は本発明の一実施の形態に係る現像ローラを示す軸方向断面図であり、(b)はその表面近傍を示す拡大断面図である。
符号の説明
1 軸
2 弾性層
3 下塗層
4 表層
5 球状微粒子
10 現像ローラ

Claims (5)

  1. 軸と、該軸の外周に担持された弾性層と、該弾性層の外周面に順次設けられた1層以上の下塗層および表層と、を備える現像ローラにおいて、
    前記1層以上の下塗層がすべて水系樹脂からなり、該下塗層のうち少なくとも1層が、アクリロニトリルとn−ブチルアクリレートとをモノマー比率1〜25:99〜75にて含み、かつ、分子中に活性水素を有する基を含む水系アクリル樹脂を、オキサゾリン系架橋剤にて架橋させてなることを特徴とする現像ローラ。
  2. 前記オキサゾリン系架橋剤が、2つ以上のオキサゾリン基を有する請求項1記載の現像ローラ。
  3. 前記水系アクリル樹脂の表面酸価が10mg/g以上である請求項1または2記載の現像ローラ。
  4. 前記活性水素を有する基がカルボキシル基である請求項1〜3のうちいずれか一項記載の現像ローラ。
  5. 前記弾性層が、メカニカルフロス法により形成されたポリウレタンフォームである請求項1〜4のうちいずれか一項記載の現像ローラ。
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