JP4662288B2 - 導電性ローラ - Google Patents

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Description

本発明は導電性ローラ(以下、単に「ローラ」とも称する)に関し、詳しくは、複写機やプリンタ等の電子写真方式を用いた画像形成装置において使用される導電性ローラに関する。
複写機やプリンタ等の電子写真方式を用いた画像形成装置においては、現像、帯電、転写(トナー供給、クリーニング)等の電子写真プロセスにおいて、導電性を付与したローラ部材が用いられている。
従来、これら現像ローラ、帯電ローラ、転写ローラ(トナー供給、クリーニング)等として用いられる導電性ローラとしては、軸の外周に、導電剤を配合することにより導電性を付与した導電性のゴムや高分子エラストマー、高分子フォーム等からなる導電性弾性層を形成した構造を基本構造として、所望の表面粗さや導電性、硬度などを得るために、その外周に一層または複数層の塗膜を設けたものが使用されている。
この場合、例えば、ウレタンソリッド素材からなる弾性層表面については、1層の塗膜形成で所望の表面粗さが得られるが、ウレタンフォームからなる弾性層の場合には、フォーム表面にセルが開口しているために、溶剤系の塗料では弾性層表面が溶解するなどの不具合を生じ、水系塗料で目止めを行わなければ表面粗さの制御を行うことができない。表面粗さが制御できないと、プリント画像が粗くなり、トナーフィルミングが発生するなどの問題が生ずるため、ウレタンフォームからなる弾性層の場合には、従来、水系塗料を2〜6回程度ディップ塗工した後、溶剤系塗料を塗工することにより、表面粗さを調整する手法が用いられていた。
導電性ローラに係る改良技術としては、例えば、特許文献1に、表面層に用いる透湿性ポリウレタン樹脂の透湿度および水膨潤度を所定に規定した帯電用部材が開示されている。
特開平6−301267号公報(特許請求の範囲等)
しかしながら、上記のうち、ウレタンソリッド素材からなる弾性層においては、表面粗さ等の調整は容易であるものの、シャープな当接痕が付きやすいという難点があった。また、ウレタンフォームからなる弾性層の場合、上記のように、水系塗料により表面の開口セルを目止めすることで所望に粗さ制御を行うことは可能であるが、この場合、水系塗料を複数回重ね塗りすることが必要となるために、塗料材料費がかさむという問題が生ずる。また、ディップ工程数が増えることにより製造工程が煩雑となって、製造設備にコストがかかるとともに、塗工工程が増えることにより不良率が高まるという問題や、圧縮永久歪みが悪い水系塗料層の膜厚が増大するために、ローラのセット性が悪化するなどの問題をも有するものであった。
そこで本発明の目的は、上記の問題を解消して、従来のようなコスト性や圧縮永久歪み等の問題を有することなく、所望の表面粗さを容易に得ることができ、かつ、セット性についても良好な導電性ローラを提供することにある。
本発明者は鋭意検討した結果、導電性ローラの弾性層を、その外周面に形成される表層用塗料に用いる溶剤に対する膨潤度が所定値以下であるウレタンフォームを用いて形成することで、上記の問題を解消できることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の導電性ローラは、軸と、該軸の外周に担持された弾性層と、該弾性層の外周面に形成された1層の表層と、を備える導電性ローラにおいて、
前記弾性層が、前記表層の形成に用いられる溶剤に対する膨潤度が120%以下であるウレタンフォームからなり、かつ、該ウレタンフォームが、ポリオール成分として、水酸基価200〜400、官能基数3以上のポリエステルポリオールを含むことを特徴とするものである。
本発明において前記ウレタンフォームのポリオール成分に占める前記ポリエステルポリオールの含有量は、好適には10〜60重量%の範囲内である。また、前記表層の膜厚は、好適には5〜25μmの範囲内とする。
本発明によれば、上記構成としたことにより、従来のようなコスト性や圧縮永久歪み等の問題を有することなく、所望の表面粗さを容易に得ることができ、かつ、セット性についても良好な導電性ローラを実現することが可能となった。なお、前述したように、特許文献1には、表面層の水に対する膨潤度を規定したローラが開示されているが、弾性層の膨潤度に関する記載は一切存在しない。本発明においては、弾性層上に表層を形成する際に用いる溶剤に対する弾性層の膨潤を問題としたものであり、ウレタンフォームからなる弾性層の、かかる溶剤に対する膨潤度を考慮しない場合、溶剤系塗料により表層を形成する際に弾性層が膨潤した状態となり、その後の乾燥でフォームが収縮するため表面にしわが寄って、表層により表面粗さを制御することが困難となってしまう。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
図1に、本発明の一実施の形態に係る導電性ローラの幅方向断面図を示す。図示するように、本発明の導電性ローラ10は、軸1と、その外周に担持された弾性層2と、弾性層2の外周面に形成された1層の表層3と、を備えるものである。
本発明においては、弾性層2が、表層3の形成に用いられる溶剤に対する膨潤度が120%以下であるウレタンフォームからなる点が重要である。上記膨潤度を120%以下に抑えたことで、表層塗工後の乾燥時にウレタンフォームが収縮して、表面にしわが寄るなどにより表面粗さが変化することを防止でき、結果として、粗さ制御が容易となる。
上記膨潤度は、ウレタンフォームの、上記溶剤による膨潤前の体積および膨潤後の体積から、下記式に従い得ることができ、具体的には、ウレタンフォームを表層に用いる溶剤に浸漬して、その前後でのウレタンフォームの寸法を測定した結果から算出される。なお、本発明において上記膨潤度は、120%以下とすることが必要であるが、低ければ低いほどよい。
膨潤度={(膨潤後体積−膨潤前体積)/膨潤前体積}×100(%)
本発明において、上記膨潤度を満足するウレタンフォームを得るためには、原料のポリオール成分として、水酸基価200〜400、官能基数3以上のポリエステルポリオールを用いることが好ましい。かかる水酸基価および官能基数のポリエステルポリオールを用いることで、得られるウレタンフォームの架橋密度を高めることができ、これらは高いほど良好であるが、あまりに高すぎると反応の進行が速すぎて製造時に制御が困難となる。なお、これら水酸基価および官能基数の条件は、双方を満足できないと、十分な効果が得られない。
より好適には、かかるポリエステルポリオールの含有量を、ポリオール成分のうち10〜60重量%とする。ポリオール成分としてのポリエステルポリオールの含有量が少ないと、上記効果が十分ではなく、一方、ポリエステルポリオールの含有量が多すぎると、柔軟な弾性層を得ることができない。
上記ポリエステルポリオールと併用可能なポリオール成分としては、特に制限されるものではなく、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとを付加重合したポリエーテルポリオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、酸成分とグリコール成分を縮合したポリエステルポリオール、カプロラクトンを開環重合したポリエステルポリオール、ポリカーボネートジオール等の慣用のものを用いることができる。
エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとを付加重合したポリエーテルポリオールは、例えば、水、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、トリエタノールアミン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール、エチレンジアミン、メチルグルコジット、芳香族ジアミン、ソルビトール、ショ糖、リン酸等を出発物質とし、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドを付加重合したものを挙げることができるが、特に、水、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオールを出発物質としたものが好適である。付加するエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの比率やミクロ構造については、エチレンオキサイドの比率が2〜95重量%であることが好ましく、より好ましくは5〜90重量%である。特に、末端にエチレンオキサイドが付加しているものが好ましく用いられる。また、分子鎖中のエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの配列は、ランダムであることが好ましい。このポリエーテルポリオールの分子量は、水、プロピレングリコール、エチレングリコールを出発物質とする場合は2官能となり、重量平均分子量で300〜6000の範囲のものが好ましく、特には400〜3000の範囲のものが好ましい。また、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオールを出発物質とする場合は3官能となり、重量平均分子量で900〜9000の範囲のものが好ましく、特に1500〜6000の範囲のものが好ましい。また、2官能のポリオールと3官能のポリオールを適宜ブレンドして用いることもできる。
ポリテトラメチレンエーテルグリコールは、例えば、テトラヒドロフランのカチオン重合によって得られ、重量平均分子量が400〜4000のもの、特に650〜3000の範囲にあるものが好ましく用いられる。また、分子量の異なるポリテトラメチレンエーテルグリコールをブレンドすることも好ましい。更に、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドを共重合して得られたポリテトラメチレンエーテルグリコールを用いることもできる。ポリテトラメチレンエーテルグリコールと、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとを付加重合したポリエーテルポリオールとをブレンドして用いることも好ましく、この場合、ポリテトラメチレンエーテルグリコールと、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとを付加重合したポリエーテルポリオールとの比率が重量比で95:5〜20:80の範囲になるように用いることが好ましく、特に90:10〜50:50の範囲になるように用いることが好ましい。また、上記ポリオール成分とともに、ポリオールをアクリロニトリル変性したポリマーポリオール、ポリオールにメラミンを付加したポリオール、ブタンジオール等のジオール類、トリメチロールプロパンなどのポリオール類やそれらの誘導体を併用することができる。
また、ウレタンフォームを構成するイソシアネートとしては、芳香族イソシアネートまたはその誘導体、脂肪族イソシアネートまたはその誘導体、脂環族イソシアネートまたはその誘導体が用いられる。これらの中でも芳香族イソシアネートまたはその誘導体が好ましく、特に、トリレンジイソシアネート(TDI)またはその誘導体、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)またはその誘導体が好適に用いられる。
トリレンジイソシアネートまたはその誘導体としては、粗製トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートと2,6−トリレンジイソシアネートとの混合物、これらのウレア変性物、ビュレット変性物、カルボジイミド変性物、ポリオール等で変性したウレタン変性物等が用いられる。ジフェニルメタンジイソシアネートまたはその誘導体としては、例えば、ジアミノジフェニルメタンまたはその誘導体をホスゲン化して得られたジフェニルメタンジイソシアネートまたはその誘導体が用いられる。ジアミノジフェニルメタンの誘導体としては多核体などがあり、ジアミノジフェニルメタンから得られた純ジフェニルメタンジイソシアネート、ジアミノジフェニルメタンの多核体から得られたポリメリック・ジフェニルメタンジイソシアネートなどを用いることができる。ポリメリック・ジフェニルメタンジイソシアネートの官能基数については、通常、純ジフェニルメタンジイソシアネートと様々な官能基数のポリメリック・ジフェニルメタンジイソシアネートとの混合物が用いられ、平均官能基数が好ましくは2.05〜4.00、より好ましくは2.50〜3.50のものが用いられる。また、これらのジフェニルメタンジイソシアネートまたはその誘導体を変性して得られた誘導体、例えば、ポリオール等で変性したウレタン変性物、ウレチジオン形成による二量体、イソシアヌレート変性物、カルボジイミド/ウレトンイミン変性物、アロハネート変性物、ウレア変性物、ビュレット変性物なども用いることができる。また、数種類のジフェニルメタンジイソシアネートやその誘導体をブレンドして用いることもできる。
また、イソシアネートをポリオールによりあらかじめプレポリマー化してもよく、その方法としては、ポリオールとイソシアネートを適当な容器に入れ、充分に攪拌し、30〜90℃、より好ましくは40〜70℃に、6〜240時間、より好ましくは24〜72時間保温する方法が挙げられる。この場合、ポリオールとイソシアネートとの分量の比率は、得られるプレポリマーのイソシアネート含有率が4〜30重量%となるように調節することが好ましく、より好ましくは6〜15重量%である。イソシアネートの含有率が4重量%未満であると、プレポリマーの安定性が損なわれ、貯蔵中にプレポリマーが硬化してしまい、使用に供することができなくなるおそれがある。また、イソシアネートの含有率が30重量%を超えると、プレポリマー化されていないイソシアネートの含有量が増加し、このポリイソシアネートは、後のポリウレタン硬化反応において用いるポリオール成分と、プレポリマー化反応を経ないワンショット製法に類似の反応機構により硬化するため、プレポリマー法を用いる効果が薄れる。イソシアネートをあらかじめポリオールによりプレポリマー化したイソシアネート成分を用いる場合のポリオール成分としては、上記ポリオール成分に加えて、エチレングリコールやブタンジオール等のジオール類、トリメチロールプロパンやソルビトール等のポリオール類やそれらの誘導体を用いることもできる。
ウレタンフォームの配合中には、用途に応じて、イオン導電剤や電子導電剤等の導電剤、カーボンブラックや無機炭酸塩等の充填材、フェノールやフェニルアミン等の酸化防止剤、低摩擦化剤、電荷調整剤などを添加することができる。イオン導電剤の例としては、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム(例えば、ラウリルトリメチルアンモニウム)、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、オクタデシルトリメチルアンモニウム(例えば、ステアリルトリメチルアンモニウム)、ベンジルトリメチルアンモニウム、変性脂肪酸ジメチルエチルアンモニウムなどの過塩素酸塩、塩素酸塩、塩酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、硫酸塩、エチル硫酸塩、カルボン酸塩、スルホン酸塩などのアンモニウム塩、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ金属やアルカリ土類金属の過塩素酸塩、塩素酸塩、塩酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、トリフルオロメチル硫酸塩、スルホン酸塩などが挙げられる。また、電子導電剤の例としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等の導電性カーボン;SAF、ISAF、HAF、FEF、GPF、SRF、FT、MT等のゴム用カーボン;酸化処理を施したインク用カーボン、熱分解カーボン、天然グラファイト、人造グラファイト;酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛等の導電性金属酸化物;ニッケル、銅、銀、ゲルマニウム等の金属などを挙げることができる。これらの導電剤は単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。その配合量には特に制限はなく、所望に応じ適宜選定可能であるが、通常は、ポリオールとイソシアネートとの総量100重量部に対し、0.1〜40重量部、好ましくは0.3〜20重量部の割合である。
ウレタンフォームの硬化反応に用いる触媒としては、トリエチルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン等のモノアミン類、テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチルプロパンジアミン、テトラメチルヘキサンジアミン等のジアミン類、ペンタメチルジエチレントリアミン、ペンタメチルジプロピレントリアミン、テトラメチルグアニジン等のトリアミン類、トリエチレンジアミン、ジメチルピペラジン、メチルエチルピペラジン、メチルモルホリン、ジメチルアミノエチルモルホリン、ジメチルイミダゾール等の環状アミン類、ジメチルアミノエタノール、ジメチルアミノエトキシエタノール、トリメチルアミノエチルエタノールアミン、メチルヒドロキシエチルピペラジン、ヒドロキシエチルモルホリン等のアルコールアミン類、ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル、エチレングリコールビス(ジメチル)アミノプロピルエーテル等のエーテルアミン類、スタナスオクトエート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マーカプチド、ジブチル錫チオカルボキシレート、ジブチル錫ジマレエート、ジオクチル錫マーカプチド、ジオクチル錫チオカルボキシレート、フェニル水銀プロピオン酸塩、オクテン酸鉛等の有機金属化合物などが挙げられる。これらの触媒は単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、ウレタンフォーム配合中にシリコーン整泡剤や各種界面活性剤を配合することが、フォーム材のセルを安定させるために好ましい。シリコーン整泡剤としては、ジメチルポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合物等が好適に用いられ、分子量350〜15000のジメチルポリシロキサン部分と分子量200〜4000のポリオキシアルキレン部分とからなるものが特に好ましい。ポリオキシアルキレン部分の分子構造は、エチレンオキサイドの付加重合物やエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共付加重合物が好ましく、その分子末端をエチレンオキサイドとすることも好ましい。界面活性剤としては、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性等のイオン系界面活性剤や各種ポリエーテル、各種ポリエステル等のノニオン性界面活性剤が挙げられる。シリコーン整泡剤や各種界面活性剤の配合量は、ポリオール成分とイソシアネート成分との総量100重量部に対して0.1〜10重量部とすることが好ましく、0.5〜5重量部とすることが更に好ましい。
本発明で用いるウレタンフォームは、表面粗さ制御を容易にする観点からは、フォーム密度が0.5〜0.9g/cmであることが好ましい。また、同様の観点から、ウレタンフォーム表面に存在する穴は、直径100μm以下、特には15〜100μmであって、深さ25μm以下であることが好ましく、かかる穴の数は、好適には6個/mm以下である。
また、本発明の導電性ローラの軸1としては、良好な導電性を有するものであれば特に制限はなく、いずれのものも使用し得るが、例えば、硫黄快削鋼などの鋼材にニッケルや亜鉛等のめっきを施したものや、鉄、ステンレススチール、アルミニウム等の金属製の中実体からなる芯金、内部を中空にくりぬいた金属製円筒体等の金属製シャフトを用いることができる。
本発明において、弾性層2上に設ける表層3は、いかなる樹脂を用いて形成してもよく、かかる樹脂としては、例えば、ナイロン、ポリエステル、ウレタン変性アクリル樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、尿素樹脂、フッ素樹脂等を挙げることができ、好適には、ウレタン樹脂を用いる。また、表層3には、前述した弾性層と同様のイオン導電剤や電子導電剤を配合することで、所望の導電性を付与することができる。
表層3の膜厚は、特に制限されるものではないが、好適には、5〜25μmの範囲内とする。本発明においては、表層3の形成時に溶剤系塗料を使用するため、所望の表面粗さを担保しつつ、1層の塗工でかかる膜厚を得ることができ、複数層の重ね塗りを必要とした従来に比して、製造コストを低減できるメリットもある。なお、本発明において表層の形成に用いることのできる溶剤としては、具体的には例えば、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、酢酸エチル、トルエン、ベンゼン、アセトン等の汎用の溶剤を挙げることができる。
本発明の導電性ローラを製造するに際して、弾性層2の成形条件や表層3の形成条件については特に制限はなく、常法に従い行うことができる。例えば、本発明において、ウレタンフォーム原料をあらかじめ発泡させるための方法としては、従来から用いられているメカニカルフロス法、水発泡法、発泡剤フロス法等の方法を用いることができるが、特には、不活性ガスを混入しながら機械的攪拌により発泡させるメカニカルフロス法を用いることが好ましい。ここで、メカニカルフロス法において用いる不活性ガスは、ポリウレタン反応において不活性なガスであればよく、ヘリウム、アルゴン、キセノン、ラドン、クリプトン等の狭義の不活性ガスの他、窒素、二酸化炭素、乾燥空気等のウレタンフォーム原料と反応しない気体が挙げられる。
また、本発明においては、弾性層2を形成するに際し、上記のようにして発泡させたウレタンフォーム原料を、軸を配置した金属モールド等に注型して硬化させる金型成形の手法を好適に用いることができ、これにより、金属モールドに接した部分に自己スキン層(薄い層状の皮膜)が形成されたウレタンフォームを得ることができる。その際、金属モールドの内面をフッ素樹脂等でコーティングする等の方法により、金属モールドに離型性を付与することができる。成形されたウレタンフォームは、モールドから脱型した後、研磨工程なしで表層用塗料の塗工工程に供することができ、表層用塗料の塗工を、ディップ塗布、スプレー塗布、ロールコーター塗布などの公知の手法を用いて行った後、乾燥し、所望に応じ加熱硬化させることで、本発明の導電性ローラを得ることができる。
本発明の導電性ローラは、特に制限されるものではなく、電子写真方式の画像形成装置における現像ローラ、帯電ローラ、転写ローラ(トナー供給ローラ、クリーニングローラ)等の各種ローラ部材として好適に用いることができ、特には、現像ローラとして有用である。また、本発明の導電性ローラの表面粗さは、好適には、算術平均粗さRaで0.3〜1.8μmである。
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明する。
図1に示すような、軸1と、その外周に順次形成された弾性層2および表層3とを備える導電性ローラ10を、下記表1〜4中にそれぞれ示す配合内容、配合部数および下記の手順に従い、作製した。
円筒状の金型に軸1としての金属製シャフトを挿入し、上型、下型で金属製シャフト1を固定した後、上型のゲート口からメカニカルフロス法で発泡させたウレタンフォーム原料(弾性層配合物)を注型して、ウレタンフォーム原料が充填された金型を加熱炉で110℃0.5時間加熱して熱硬化させた。熱硬化が完了した後、金型を冷却して脱型し、金属製シャフト1の外周に、ウレタンフォームからなる弾性層2を担持させた。次いで、この弾性層2の外周に、溶剤系ウレタン塗料(表層配合物)をディップ塗工して風乾し、その後、加熱炉で100℃1.5時間加熱して熱硬化させることにより、表層3を形成して、導電性ローラ10を得た。
なお、比較例4の導電性ローラについては、以下の手順により作製した。
円筒状の金型に軸1としての金属製シャフトを挿入し、上型、下型で金属性シャフト1を固定した後、上型のゲート口からウレタンフォーム原料を注型して、ウレタンフォーム原料が充填された金型を加熱炉で110℃0.5時間加熱して熱硬化させた。熱硬化が完了した後、金型を冷却して脱型し、金属製シャフト1の外周に、ウレタンフォームからなる弾性層2を担持させた。次いで、弾性層2の表面を研磨し、製品寸法、表面粗さを整えた後、上記と同様にディップ塗工工程を行って表層3を形成し、ウレタンエラストマー(ソリッドウレタン)を弾性層2とする導電性ローラを得た。
各実施例および比較例の導電性ローラにつき、以下に従い、評価を行った。その結果を、下記の表3、4中に併せて示す。
<膨潤度の測定>
各実施例および比較例の供試ローラにつき、弾性層から所定寸法の試験片を切り出して、表層用塗料に用いられる溶剤(MEK)中に1時間浸漬し、その前後での各試験片の寸法を測定して、下記式に従い、膨潤度を算出した。ここで、浸漬時間を1時間としているのは、ディップ塗工時における膨潤を問題とするためであり、完全に膨潤する前に測定を行っている。
膨潤度={(膨潤後体積−膨潤前体積)/膨潤前体積}×100(%)
<黒ベタ画像>
HP製のレーザービームプリンタLaser jet4060に、各実施例および比較例の導電性ローラを現像ローラとして組み込んで、黒ベタ画像をプリントし、以下の基準により評価した。
○:良好
○△:よく見ると白抜けがある
△:白抜けがところどころ見える
△×:白抜けが多く、画像が少し粗い
×:白抜けが激しく、画像が粗い
<当接痕>
各実施例および比較例の導電性ローラを現像ローラとして組み込んだトナーカートリッジを温度40℃湿度95%で7日間放置し、HP製レーザービームプリンタLaserjet4060に装着して、常温常湿環境において黒ベタ画像をプリントし、プリント画像に入る横筋の程度を、以下の基準で評価した。
○:良好
○△:薄い横筋が見えるが、10枚目で消える
△:横筋が見えるが、10枚目で消える
△×:濃い横筋が見えるが、10枚目で消える
×:横筋が見え、10枚目で消えない
Figure 0004662288
*1)水酸基価336、官能基数3
Figure 0004662288
Figure 0004662288
*2)弾性層表面における直径15〜100μmの穴の個数である。
Figure 0004662288
上記表中の結果から明らかなように、弾性層に、所定の膨潤度を有するウレタンフォームを用いた実施例においては、良好な圧縮永久歪みおよび表面粗さを担保しつつ、セット性の良好な導電性ローラが得られることが確かめられた。
本発明の一実施の形態に係る導電性ローラを示す幅方向断面図である。
符号の説明
1 軸
2 弾性層
3 表層
10 導電性ローラ

Claims (3)

  1. 軸と、該軸の外周に担持された弾性層と、該弾性層の外周面に形成された1層の表層と、を備える導電性ローラにおいて、
    前記弾性層が、前記表層の形成に用いられる溶剤に対する膨潤度が120%以下であるウレタンフォームからなり、かつ、該ウレタンフォームが、ポリオール成分として、水酸基価200〜400、官能基数3以上のポリエステルポリオールを含むことを特徴とする導電性ローラ。
  2. 前記ウレタンフォームのポリオール成分に占める前記ポリエステルポリオールの含有量が10〜60重量%の範囲内である請求項記載の導電性ローラ。
  3. 前記表層の膜厚が5〜25μmの範囲内である請求項1または2記載の導電性ローラ。
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