以下、図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面は理解を容易にするため一部を誇張して描いており、寸法比率等は図面に記載のものに限定されるものではない。
図1は、本実施形態に係る現像ローラの概略を示す正面図であり、図2は図1のII−II線に沿った現像ローラの断面を示す断面図であり、図3は図1のIII−III線に沿った断面を示す断面図である。
本実施形態に係る現像ローラ1は、軸体2と、軸体2の外周面上に設けられた弾性層3と、弾性層3の外周面を被覆する第一の樹脂層4と、第一の樹脂層4上に設けられて現像ローラ1の最外層を成す第二の樹脂層5と、を備えている。
軸体2は、特に限定されず、公知の現像ローラに用いられる軸体であってよい。軸体2は、例えば、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼、真鍮等の金属で構成されていてよく、このような軸体2は「芯金」と言い換えることができる。軸体2は、導電性を有するものであってよい。
軸体2は、必ずしも金属製である必要は無く、例えば、樹脂材料で構成されていてよい。軸体を構成する樹脂材料は、例えば、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂に導電性付与剤を配合した導電性樹脂又はその硬化物を含むものであってよい。
軸体2は、1つの材質で構成されていてよく、2つ以上の材質で構成されていてもよい。軸体2は、例えば、芯材と、芯材の外周面を覆う外層と、から構成されていてよい。具体的には、軸体2は、例えば金属製の芯材にメッキ処理を施したものであってよい。また、軸体2は、例えば樹脂材料製の絶縁性芯材にメッキ処理を施して導電化したものであってもよい。
本実施形態において、軸体2は円柱形状を有しているが、軸体2の形状はこれに限定されない。軸体2は、例えば、円柱形状、円筒形状、多角柱状、多角筒状等であってよい。
軸体2の外周面には、弾性層3との接着性を向上させるため、洗浄処理、脱脂処理、プライマー処理等の処理が施されていてよい。
軸体2の軸線方向の長さは特に限定されず、設置される画像形成装置の形態に応じて適宜調整してよい。例えば、印字対象がA4サイズである場合、軸体2の軸線方向の長さは250〜320mmであってよく、好ましくは260〜310mmである。
軸体2の外径は特に限定されず、設置される画像形成装置の形態に応じて適宜調整してよい。例えば、軸体2の外径(外接円の直径)は、4〜14mmであってよく、好ましくは6〜10mmである。
弾性層3は、軸体2の胴体部の外周面上に設けられている。弾性層3は、ゴム弾性を有する層であってよく、ゴム弾性を有する樹脂材料から構成された層であってよい。
一態様において、弾性層3は、導電性組成物から形成されたものであってよい。すなわち、弾性層3は、導電性組成物又は導電性組成物の硬化物から構成されていてよい。導電性組成物は、例えば、ゴム成分と、導電性付与材とを含有していてよく、所望により各種添加剤を更に含有していてもよい。
導電性組成物に含まれるゴム成分としては、例えば、シリコーンゴム、シリコーン変性ゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム(エチレンプロピレンジエンゴムを含む)、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、天然ゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、エピクロルヒドリンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム等が挙げられる。導電性組成物は、シリコーンゴム、シリコーン変性ゴム及びウレタンゴムからなる群より選択される少なくとも1種のゴム成分を含有することが好ましく、耐熱性及び帯電特性に優れる観点からは、シリコーンゴム及びシリコーン変性ゴムからなる群より選択される少なくとも一種のゴム成分を含有することがより好ましい。ゴム成分は、液状型であってもミラブル型であってもよい。
導電性付与剤は、弾性層3に導電性を付与して電荷を逃がすことができるものであればよく、特に限定されない。導電性付与剤としては、例えば、導電性カーボン、ゴム用カーボン類、金属、金属酸化物、導電性ポリマー等の導電性粉末、イオン導電剤、変性シリコーンオイル、界面活性剤等が挙げられる。
各種添加剤としては、例えば、助剤(鎖延長剤、架橋剤等)、触媒、分散剤、発泡剤、老化防止剤、酸化防止剤、充填材、顔料、着色剤、加工助剤、軟化剤、可塑剤、乳化剤、耐熱性向上剤、難燃性向上剤、受酸剤、熱伝導性向上剤、離型剤、溶剤等が挙げられる。
導電性組成物としては、例えば、付加硬化型ミラブル導電性シリコーンゴム組成物、付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物等を好適に用いることができる。
付加硬化型ミラブル導電性シリコーンゴム組成物は、例えば、(A)下記平均組成式(1)で示されるオルガノポリシロキサン、(B)充填材、及び(C)導電性材料を含有するものであってよい。
R1 nSiO(4−n)/2 …(1)
式(1)中、nは1.95〜2.05を示す。また、R1は、同一又は異なっていてよい、置換又は非置換の一価の炭化水素基を示す。炭化水素基の炭素原子数は、好ましくは1〜12であり、より好ましくは1〜8である。
R1としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基及びドデシル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基、ブテニル基及びヘキセニル基等のアルケニル基、フェニル基及びトリル基等のアリール基、β−フェニルプロピル基等のアラルキル基などが挙げられる。また、R1は、これらの炭化水素基が有する水素原子の一部又は全部が置換基で置換された基であってもよい。置換基は、例えばハロゲン原子、シアノ基等であってよい。置換基を有する炭化水素基としては、例えば、クロロメチル基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル基等が挙げられる。
(A)オルガノポリシロキサンは、分子鎖末端が、トリメチルシリル基等のトリアルキルシリル基、ジメチルビニルシリル基等のジアルキルアラルキルシリル基、ジメチルヒドロキシシリル基等のジアルキルヒドロキシシリル基、トリビニルシリル基等のトリアラルキルシリル基などで封鎖されていることが好ましい。
(A)オルガノポリシロキサンは、分子中に2つ以上のアルケニル基を有することが好ましい。(A)オルガノポリシロキサンは、R1のうち0.001〜5モル%(より好ましくは0.01〜0.5モル%)のアルケニル基を有することが好ましい。(A)オルガノポリシロキサンが有するアルケニル基としてはビニル基が特に好ましい。
(A)オルガノポリシロキサンは、例えば、オルガノハロシランの1種若しくは2種以上を共加水分解縮合することによって、又は、シロキサンの3量体若しくは4量体等の環状ポリシロキサンを開環重合することによって得ることができる。(A)オルガノポリシロキサンは、基本的には直鎖状のジオルガノポリシロキサンであってよく、一部分岐していてもよい。また、(A)オルガノポリシロキサンは、分子構造の異なる2種又はそれ以上の混合物であってもよい。
(A)オルガノポリシロキサンは、25℃における粘度100cSt以上であることが好ましく、100000〜10000000cStであることがより好ましい。また、(A)オルガノポリシロキサンの重合度は、例えば100以上であってよく、好ましくは3000以上であり、100000であってよく、好ましくは10000以下である。
(B)充填材としては、例えばシリカ系充填材が挙げられる。シリカ系充填材としては、例えば、煙霧質シリカ、沈降性シリカ等が挙げられる。
シリカ系充填材としては、R2Si(OR3)3で示されるシランカップリング剤で表面処理された、表面処理シリカ系充填材を好適に用いることができる。ここで、R2は、ビニル基又はアミノ基を有する基であってよく、例えば、グリシジル基、ビニル基、アミノプロピル基、メタクリロキシ基、N−フェニルアミノプロピル基、メルカプト基等であってよい。R3はアルキル基であってよく、例えばメチル基、エチル基等であってよい。シランカップリング剤は、例えば信越化学工業株式会社製の商品名「KBM1003」、「KBE402」等として、容易に入手できる。表面処理シリカ系充填材は、定法に従って、シリカ系充填材の表面をシランカップリング剤で処理することにより得ることができる。表面処理シリカ系充填材としては、市販品を用いてもよく、例えば、J.M.HUBER株式会社製の商品名「Zeothix 95」等が挙げられる。
シリカ系充填材の配合量は、(A)オルガノポリシロキサン100質量部に対して11〜39質量部であることが好ましく、15〜35質量部であることがより好ましい。また、シリカ系充填材の平均粒子径は、1〜80μmであることが好ましく、2〜40μmであることがより好ましい。なお、シリカ系充填材の平均粒子径は、レーザー光回折法による粒度分布測定装置を用いて、メジアン径として測定できる。
(C)導電性材料は、弾性層3に導電性を付与できるものであればよく、上述した導電性付与剤であってよい。(C)導電性材料としては、カーボンブラックが好ましい。(C)導電性材料は2種以上を併用してもよい。(C)導電性材料の配合量は、(A)オルガノポリシロキサン100質量部に対して、例えば2〜80質量部であってよい。
付加硬化型ミラブル導電性シリコーンゴム組成物は、(A)〜(C)以外の添加剤を更に含有していてよい。添加剤としては、例えば、助剤(鎖延長剤、架橋剤等)、触媒、分散剤、発泡剤、老化防止剤、酸化防止剤、顔料、着色剤、加工助剤、軟化剤、可塑剤、乳化剤、耐熱性向上剤、難燃性向上剤、受酸剤、熱伝導性向上剤、離型剤、溶剤等が挙げられる。
添加剤の具体例としては、(A)オルガノポリシロキサンより重合度の低いジメチルシロキサンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、シラノール、ジフェニルシランジオール及びα,ω−ジメチルシロキサンジオール等の両末端シラノール基封止低分子シロキサン、シラン等の分散剤が挙げられる。また、添加剤の具体例としては、オクチル酸鉄、酸化鉄、酸化セリウム等の耐熱向上剤が挙げられる。また、添加剤としては、接着性、成形加工性等を向上させるための各種カーボンファンクショナルシラン、各種オレフィン系エラストマー等を用いてもよい。
付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物は、例えば、(D)分子中に2つ以上のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンと、(E)分子中にケイ素原子と結合する水素原子を2つ以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、(F)充填材と、(G)導電性付与剤と、(H)付加反応触媒と、を含有していてよい。
(D)オルガノポリシロキサンとしては、下記平均組成式(2)で示される化合物が好適である。
R4 aSiO(4−a)/2 …(2)
式(2)中、aは1.5〜2.8の正数を示し、好ましくは1.8〜2.5、より好ましくは1.95〜2.05である。また、R4は、同一又は異なっていてよい、置換又は非置換の一価の炭化水素基を示す。但し、一分子中のR4のうち少なくとも2つはアルケニル基である。炭化水素基の炭素原子数は、好ましくは1〜12であり、より好ましくは1〜8である。
R4としては、上記R1として例示した基と同じ基が例示できる。また、一分子中のR4のうち少なくとも2つがアルケニル基であり、それ以外のR4はアルキル基であることが好ましい。アルケニル基はビニル基であることが好ましく、アルキル基はメチル基であることが好ましい。また、R4のうち、例えば90%以上がアルキル基(好ましくはメチル基)であってよい。(D)オルガノポリシロキサンにおけるアルケニル基の含有量は、例えば、1.0×10−6〜5.0×10−3mol/gであってよく、5.0×10−6〜1.0×10−3mol/gであることが好ましい。
(D)オルガノポリシロキサンは、25℃で液状であることが好ましく、25℃における粘度が100〜1000000mPa・s(より好ましくは200〜100000mPa・s)であることが好ましい。また、(D)オルガノポリシロキサンの平均重合度は100〜800であることが好ましく、150〜600であることがより好ましい。
(E)オルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、下記平均組成式(3)で示される化合物が好適である。
R5 bHcSiO(4−b−c)/2 …(3)
式(3)中、bは0.7〜2.1の正数を示し、cは0.001〜1.0の正数を示し、b+cは0.8〜3.0である。また、R5は、同一又は異なっていてよい、置換又は非置換の一価の炭化水素基を示す。炭化水素基の炭素原子数は、好ましくは1〜10である。なお、R5としては、上記R1として例示した基と同じ基が例示できる。
(E)オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、ケイ素原子に結合した水素原子(Si−H)を一分子中に2つ以上有しており、3つ以上有していることが好ましい。また、(E)オルガノハイドロジェンポリシロキサンが一分子中に有する、ケイ素原子に結合した水素原子の個数は、200以下であってよく、100以下であってもよい。
(E)オルガノハイドロジェンポリシロキサンにおいて、ケイ素原子に結合した水素原子の含有量は、0.001〜0.017mol/gであることが好ましく、0.002〜0.015mol/gであることがより好ましい。
(E)オルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、例えば、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、(CH3)2HSiO1/2単位とSiO4/2単位とから成る共重合体、及び、(CH3)2HSiO1/2単位とSiO4/2単位と(C6H5)SiO3/2単位とから成る共重合体等が挙げられる。
(E)オルガノハイドロジェンポリシロキサンの配合量は、(D)オルガノポリシロキサン100質量部に対して0.1〜30質量部であることが好ましく、0.3〜20質量部であることがより好ましい。また、(D)オルガノポリシロキサンのアルケニル基に対する、(E)オルガノハイドロジェンポリシロキサンのSi−Hのモル比は、0.3〜5.0であることが好ましく、0.5〜2.5であることがより好ましい。
(F)充填材は、例えば、無機質充填材であってよい。付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物に(F)充填材を配合することで、圧縮永久歪が低くなり、体積抵抗率が経時で安定し、且つ十分なローラ耐久性が得られる。
(F)充填材の平均粒子径は、好ましくは1〜30μmであり、より好ましくは2〜20μmである。(F)充填材の平均粒子径が1μm以上であると、体積抵抗率の経時変化が一層抑制される傾向がある。また、(F)充填材の平均粒子径が30μm以下であると、耐久性に一層優れる弾性層3が得られる傾向がある。なお、(F)充填材の平均粒子径は、レーザー光回折法による粒度分布測定装置を用いて、メジアン径として測定できる。
(F)充填材の嵩密度は、好ましくは0.1〜0.5g/cm3であり、より好ましくは0.15〜0.45g/cm3である。(F)充填材の嵩密度が0.1g/cm3以上であると、圧縮永久歪をより低くすることができ、体積抵抗率の経時変化が一層抑制される傾向がある。また、(F)充填材の嵩密度が0.5g/cm3以下であると、耐久性に一層優れる弾性層3が得られる傾向がある。なお、(F)充填材の嵩密度は、JIS K 6223の見かけ比重の測定方法に基づいて求めることができる。
(F)充填材としては、例えば、珪藻土、パーライト、マイカ、炭酸カルシウム、ガラスフレーク、中空フィラー等が挙げられる。これらの中でも、(F)充填材としては、珪藻土、パーライト及び発泡パーライトの粉砕物を好適に用いることができる。
(F)充填材の配合量は、(D)オルガノポリシロキサン100質量部に対して5〜100質量部であることが好ましく、10〜80質量部であることがより好ましい。
(G)導電性付与剤は、弾性層3に導電性を付与できるものであればよく、特に限定されない。(G)導電性付与剤は、例えば、上述した導電性付与剤であってよい。(G)導電性付与剤としては、例えば、導電性カーボン、ゴム用カーボン類、金属、金属酸化物、導電性ポリマー等の導電性粉末、イオン導電剤等が好適に用いられる。
(G)導電性付与剤の配合量は、(D)オルガノポリシロキサン100質量部に対して1〜100質量部であることが好ましく、2〜80質量部であることがより好ましい。
(H)付加反応触媒は、(D)オルガノポリシロキサンと(E)オルガノハイドロジェンポリシロキサンとの付加反応を活性化できる触媒であればよい。(H)付加反応触媒としては、例えば、白金族元素を有する触媒が挙げられる。白金族元素を有する触媒としては、例えば、白金系触媒(例えば、白金黒、塩化第二白金、塩化白金酸、塩化白金酸と一価アルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフィン類との錯体、白金ビスアセトアセテート等)、パラジウム系触媒、ロジウム系触媒等が挙げられる。
(H)付加反応触媒の配合量は、触媒量であってよい。例えば、(H)付加反応触媒の配合量は、白金族元素量が、(D)オルガノポリシロキサン及び(E)オルガノハイドロジェンポリシロキサンの合計質量に対して0.5〜1000質量ppmとなる量であることが好ましく、1〜500質量ppmとなる量であることがより好ましい。
付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物は、(D)〜(H)以外の添加剤を更に含有していてよい。添加剤としては、例えば、助剤(鎖延長剤、架橋剤等)、発泡剤、分散剤、老化防止剤、酸化防止剤、顔料、着色剤、加工助剤、軟化剤、可塑剤、乳化剤、耐熱性向上剤、難燃性向上剤、受酸剤、熱伝導性向上剤、離型剤、希釈剤、反応性希釈剤、溶剤等が挙げられる。
添加剤の具体例としては、低分子シロキサンエステル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、シラノール、フェニルシランジオール等の分散剤が挙げられる。また、添加剤の具体例としては、オクチル酸鉄、酸化鉄、酸化セリウム等の耐熱向上剤が挙げられる。また、添加剤としては、接着性、成形加工性等を向上させるための各種カーボンファンクショナルシラン、各種オレフィン系エラストマー等を用いてもよい。また、添加剤としては、難燃性を付与させるハロゲン化合物等を用いてもよい。
付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物の25℃における粘度は、5〜500Pa・sであることが好ましく、5〜200Pa・sであることがより好ましい。
弾性層3は、20〜70のJIS A硬度を有していることが好ましい。このようなJIS A硬度を有することで、現像ローラ1と被当接体との接触面積を大きくすることができる。弾性層3のJIS A硬度は、20以上であることがより好ましく、25以上であることが更に好ましい。また、弾性層3のJIS A硬度は、60以下であることがより好ましく、45以下であることが更に好ましい。
弾性層3の厚さは特に限定されず、例えば1mm以上であってよく、3mm以上であってよい。また、弾性層3の厚さは、例えば、7mm以下であってよく、4mm以下であってもよい。これにより、被当接体との当接状態において、より均一なニップ幅を確保することができる。なお、本明細書における厚さは、現像ローラ1の軸線方向に垂直な方向の厚さを示す。
弾性層3の外周面には、第一の樹脂層4との接着性向上等の目的で、プライマー処理、コロナ処理、プラズマ処理、エキシマ処理、UV処理、イトロ処理、フレーム処理等の表面処理が施されていてよい。
弾性層3の形成方法は特に限定されない。例えば、弾性層3は、押出成形、LIMS成形等の方法で形成されてよい。また、弾性層3は、軸体2上に形成された弾性体の研削・研磨等によって形成してもよい。
第一の樹脂層4は、弾性層3上に設けられ、弾性層3の外周面を被覆している。第一の樹脂層4は、弾性層3の外周面の全てを被覆している必要はなく、印字機能に不具合の無い範囲で弾性層3を被覆していればよい。
第一の樹脂層4は、第一の樹脂材料から構成されている。第一の樹脂材料は、導電性を有していてよく、第一の樹脂層4の抵抗値は、後述する第二の樹脂層5の抵抗値より低いことが好ましい。なお、第一の樹脂層4及び第二の樹脂層5の抵抗値は、例えば以下の方法で測定し、比較することができる。
<抵抗値の測定>
軸体2、弾性層3及び第一の樹脂層4からなるローラを測定サンプル(1)、現像ローラ1を測定サンプル(2)として、以下の方法で電気抵抗値を測定した。電気抵抗計(商品名:ULTRA HIGH RESISTANCE METER R8340A、株式会社アドバンテスト製)を用い、測定サンプルを水平に置き、5mmの厚さ、30mmの幅、及び、測定サンプル全体を載せることのできる長さを有する金メッキ製板を電極とし、500gの荷重を測定サンプルにおける軸体2の両端それぞれに支持させた状態にして、軸体2と電極との間にDC100Vを印加し、1秒後の電気抵抗計の値を読みとり、この値を電気抵抗値(Ω)とした。測定サンプル(1)の結果を第一の樹脂層4の抵抗値と見做し、測定サンプル(1)及び(2)の結果から第二の樹脂層5の抵抗値を求めて、比較した。
なお、上記の方法において、測定サンプル(1)の結果は、弾性層3と第一の樹脂層4の合計抵抗値だが、弾性層3の抵抗値が十分に低いと仮定して、測定サンプル(1)の結果を第一の樹脂層4の抵抗値として、第二の樹脂層5の抵抗値との比較に用いてよい。すなわち、好適な一態様として、現像ローラ1は、弾性層3及び第一の樹脂層4の合計抵抗値が、第二の樹脂層5の抵抗値より低いものであってよい。
上記の方法で求められる第一の樹脂層4の抵抗値(弾性層3及び第一の樹脂層4の合計抵抗値ということもできる。)は、例えば、1.0×107Ω以下であってよく、好ましくは1.0×106Ω以下である。また、上記抵抗値は、例えば、1.0×103Ω以上であってよく、1.0×104Ω以上であってもよい。
第一の樹脂材料は、ウレタン樹脂を含有していてよい。ウレタン樹脂はウレタン結合を有する樹脂であり、例えば、ポリオール成分とポリイソシアネート成分との縮合重合によって形成される重合体であってよい。第一の樹脂材料がウレタン樹脂を含有することで、第一の樹脂層4が緩衝性に優れたものとなり、現像ローラ1の印字特性がより向上する傾向がある。
第一の樹脂材料は、例えば、ポリオール成分とポリイソシアネート成分とを含有する第一の樹脂原料の硬化物であってよい。
ポリオール成分は、ヒドロキシル基を2つ以上有する化合物である。ポリオール成分としては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリアクリルポリオール等が挙げられる。ポリオール成分はこれらの1種であってよく2種以上であってもよい。
ポリエステルポリオールは、分子内に2つ以上のエステル結合と2つ以上のヒドロキシル基を有していてよい。ポリエステルポリオールは、例えば、ジカルボン酸とポリオールとの縮合反応物であってよい。ジカルボン酸としては、例えば、フタル酸、テレフタル酸、イソフタルさん等の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸が挙げられる。ポリオールとしては、例えば、ヘキサンジオール、ブタンジオール等のジオール、2,4−ブタントリオール等のトリオールが挙げられる。
ポリカーボネートポリオールは、分子内に2つ以上のカーボネート結合と2つ以上のヒドロキシル基を有していてよい。ポリカーボネートポリオールは、例えば、上述のジオールとカーボネート化合物との縮合反応物等が挙げられる。カーボネート化合物としては、例えば、ジアルキルカーボネート、ジアリールカーボネート、アルキレンカーボネート等が挙げられる。
ポリエーテルポリオールは、分子内に2つ以上のエーテル結合と2つ以上のヒドロキシル基を有していてよい。ポリエーテルポリオールとしては、例えば、多価アルコールにポリエチレンオキシド又はプロピレンオキシドを付加重合させた重合体等が挙げられる。ポリカプロラクトンポリオールは、ポリカプロラクトン骨格と2つ以上のヒドロキシル基を有していてよい。
ポリアクリルポリオールは、アクリル系モノマー由来の繰り返し単位と2つ以上のヒドロキシル基とを有していてよい。アクリル系モノマーは、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、アクリルアミド等であってよい。第一の樹脂成分の柔軟性が向上する観点からは、ポリアクリルポリオールのTgは−70℃〜10℃であることが好ましく、−70℃〜−10℃であることがより好ましい。
ポリオール成分の数平均分子量は、第一の樹脂層4の柔軟性が向上すること、及び、加工性が良好になることから、100〜14000であることが好ましく、500〜11000であることがより好ましく、500〜6000であることが更に好ましい。なお、本明細書中、数平均分子量は、数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による標準ポリスチレン換算の値を示す。
ポリイソシアネート成分は、イソシアネート基(−NCO)を2以上有する化合物である。ポリイソシアネート成分としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、その他のポリイソシアネートなどが挙げられる。
第一の樹脂原料は、ポリオール成分とポリイソシアネート成分との縮合重合反応を促進するための重合触媒を更に含有していてよい。重合触媒としては、例えば、ジブチルスズジラウレート等のスズ系触媒が挙げられる。
圧縮永久歪がより低くなる観点から、第一の樹脂材料はエステル系ウレタン樹脂を含有することが好ましい。エステル系ウレタン樹脂は、主鎖中にエステル結合を有するウレタン樹脂である。エステル系ウレタン樹脂は、例えば、ポリエステルポリオールとポリイソシアネート成分との縮合重合によって形成される重合体であってよい。すなわち、第一の樹脂原料は、ポリオール成分としてポリエステルポリオールを含有することが好ましい。
第一の樹脂材料及び第一の樹脂原料は、導電性付与剤を更に含有していてよい。導電性付与剤は、第一の樹脂層4に導電性を付与し得る成分であればよく、特に限定されない。導電性付与剤としては、例えば、カーボンブラック(例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック)、イオン導電剤、金属、金属酸化物、導電性ポリマー、帯電防止剤、イオン導電性樹脂、界面活性剤等が挙げられる。導電性付与剤の配合量は特に限定されず、導電性付与剤の種類、所望する導電性能(抵抗値)等に応じて適宜調整してよい。また、導電性付与剤は一種を単独で用いてよく、二種以上を組み合せて用いてもよい。
好適な一態様において、第一の樹脂原料は、ヒドロキシ基を有するイオン系導電剤を更に含有していてよい。このような第一の樹脂原料を用いることで、第一の樹脂材料中でウレタン樹脂とイオン系導電剤とが結合し、イオン系導電剤のブリードアウト、第一の樹脂層4中でのイオン系導電剤の偏在などが顕著に抑制される。
好適な他の一態様において、第一の樹脂原料は、導電性付与剤としてイオン液体を含有していてよい。このような第一の樹脂原料を用いることで、導電性付与剤が第一の樹脂材料中に均一に分散しやすくなり、より均一な印字特性を有する現像ローラ1が得られやすくなる。また、第一の樹脂原料は、ヒドロキシ基を有するイオン液体を含有することがより好ましい。これにより上述の効果がより顕著に奏される。
第一の樹脂材料及び第一の樹脂原料は上記以外の添加剤を更に含有していてよい。例えば、第一の樹脂材料及び第一の樹脂原料は、シランカップリング剤、潤滑剤、分散剤等の添加剤を更に含有していてよい。
第一の樹脂層4の厚さは特に限定されず、例えば1μm以上であってよく、3μm以上であることが好ましい。また、第一の樹脂層4の厚さは、例えば20μm以下であってよく、10μm以下であることが好ましい。
第一の樹脂層4の形成方法は特に限定されない。例えば、第一の樹脂層4は、第一の樹脂原料を含有する塗布液を弾性層3上に塗布し、加熱等により第一の樹脂原料を硬化させることで形成してよい。塗布液に使用される溶媒は、第一の樹脂原料に含まれる樹脂成分を溶解可能な溶媒であることが好ましく、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル等が挙げられる。
第二の樹脂層5は、第一の樹脂層4上に設けられ、第一の樹脂層4の外周面を被覆している。第二の樹脂層5は、第一の樹脂層4の外周面の全てを被覆している必要はなく、印字機能に不具合の無い範囲で第一の樹脂層4を被覆していればよい。
第二の樹脂層5は、第二の樹脂材料から構成されている。第二の樹脂材料は、導電性を有していてよく、第二の樹脂層5の抵抗値は、第一の樹脂層4の抵抗値より高いことが好ましい。
上述した方法で求められる第二の樹脂層5の抵抗値は、例えば、1.0×1012Ω以下であってよく、好ましくは1.0×1011Ω以下である。また、第二の樹脂層5の抵抗値は、第一の樹脂層4の抵抗値より高ければよく、例えば1.0×104Ω以上であってよく、1.0×105Ω以上であることが好ましい。
第二の樹脂材料は、イオン系高分子導電剤を含有してよい。イオン系高分子導電剤としては、例えば、イオン性基を有するアクリル樹脂、イオン性基を有するポリエチレングリコール等が挙げられる。イオン系高分子導電剤の種類は、第二の樹脂材料に含まれる他の成分との相溶性を考慮して適宜選択してよい。例えば、第二の樹脂材料がアクリル系ウレタン樹脂を含有する場合は、イオン系高分子導電剤として、イオン性基を有するアクリル樹脂を選択することが好ましい。また、例えば第二の樹脂材料がエーテル系ウレタン樹脂を含有する場合は、イオン系高分子導電剤として、ポリエチレングリコールを選択することが好ましい。
イオン系高分子導電剤が有するイオン性基は、第二の樹脂材料に導電性を付与し得る基であれば特に限定されない。イオン性基としては、例えば、四級アンモニウム基、過塩素酸基等が挙げられる。
四級アンモニウム基としては、例えば、トリアルキルアンモニウム基等が挙げられ、トリアルキルアンモニウム基としては、例えば、トリメチルアンモニウム基等が挙げられる。
第二の樹脂材料におけるイオン系高分子導電剤の含有量は特に限定されず、例えば、上述の好適な抵抗値を満たす範囲で適宜選択してよい。第二の樹脂材料におけるイオン系高分子導電剤の含有量は、例えば、第二の樹脂材料の全量基準で1質量%以上であってよく、3質量%以上であることが好ましい。また、第二の樹脂材料におけるイオン系高分子導電剤の含有量は、例えば、第二の樹脂材料の全量基準で10質量%以下であってよく、7質量%以下であることが好ましい。
第二の樹脂材料は、第一の樹脂材料との親和性に優れた樹脂を含有することが好ましい。例えば、第一の樹脂材料がウレタン樹脂を含有する場合、第二の樹脂材料はウレタン樹脂を含有することが好ましい。第二の樹脂材料に含まれるウレタン樹脂としては、例えば、上述した第一の樹脂材料に含まれるウレタン樹脂の例示と同じものが挙げられる。なお、第一の樹脂材料が含有するウレタン樹脂と第二の樹脂材料が含有するウレタン樹脂は、それぞれ異なる種類のウレタン樹脂であってよい。
好適な一態様において、第一の樹脂材料はエステル系ウレタン樹脂を含有していてよく、第二の樹脂材料はアクリル系ウレタン樹脂を含有していてよい。なお、アクリル系ウレタン樹脂は、主鎖中にアクリル系モノマーが重合した重合鎖を有するウレタン樹脂である。アクリル系ウレタン樹脂は、例えば、ポリアクリルポリオールとポリイソシアネート成分との縮合重合によって形成される重合体であってよい。
第二の樹脂材料は、例えば、ポリオール成分とポリイソシアネート成分とイオン系高分子導電剤とを含有する第二の樹脂原料の硬化物であってよい。ポリオール成分及びポリイソシアネート成分としては、例えば、上述した第一の樹脂原料に含まれるポリオール成分及びポリイソシアネート成分の例示と同じものが挙げられる。
第二の樹脂材料及び第二の樹脂原料は、上記以外の添加剤を更に含有していてよい。例えば、第二の樹脂材料及び第二の樹脂原料は、シランカップリング剤、潤滑剤、分散剤等の添加剤を更に含有していてよい。
第二の樹脂層5の形成方法は特に限定されない。例えば、第二の樹脂層5は、第二の樹脂原料を含有する塗布液を第一の樹脂層4上に塗布し、加熱等により第二の樹脂原料を硬化させることで形成してよい。塗布液に使用される溶媒は、第二の樹脂原料に含まれる樹脂成分を溶解可能な溶媒であることが好ましく、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル等が挙げられる。
本実施形態では、第二の樹脂層5の厚さTに対する第二の樹脂層5の外周面の表面粗さRzの比(Rz/T)は、1以上である。このような比を満たすことで、トナーブレード等との接触によるトナー成分のダメージが抑制され、第二の樹脂層5上へのトナー成分の付着(トナーフィルミング)が抑制される。また、本実施形態では、第一の樹脂層4が緩衝性に優れたウレタン樹脂を含有すると、上記比(Rz/T)との相乗効果でトナー成分へのダメージがより顕著に抑制される。比(Rz/T)は、1を超えることが好ましく、2以上であることがより好ましい。また、比(Rz/T)は、後述する粗面化粒子の脱落等が抑制される観点からは、6以下が好ましく、5以下がより好ましい。
第二の樹脂層5の厚さTは、20μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましく、7μm以下であることが更に好ましい。また、第二の樹脂層5の厚さTは、例えば1μm以上であってよく、2μm以上であることより好ましい。なお、第二の樹脂層5の厚さTは、第二の樹脂層5の断面を顕微鏡で解析することで測定される。第二の樹脂層5は、少なくとも一部で上述の好適な厚さTの範囲を満たしていればよく、第二の樹脂層5には、厚さTとは異なる厚さを有する箇所があってもよい。
第二の樹脂層5の表面粗さRzを調整する方法は特に限定されないが、第二の樹脂層5中に粗面化粒子を分散させる方法が好ましい。この方法では、粗面化粒子の平均粒径及び配合量を調整することで、容易に第二の樹脂層5の表面粗さRzを調整できる。なお、第二の樹脂層5中に粗面化粒子が分散しているとき、上述した第二の樹脂層5の厚さは、粗面化粒子を除いた第二の樹脂層5の厚さ(すなわち、粗面化粒子が存在しない箇所の第二の樹脂層5の厚さ)を示す。
第二の樹脂層5の表面粗さRzは、例えば2μm以上であってよく、好ましくは3μm以上、より好ましくは4μm以上である。また、第二の樹脂層5の表面粗さ(Rz)は、例えば12μm以下であってよく、好ましくは10μm以下、より好ましくは8μm以下である。なお、本明細書中、第二の樹脂層5の表面粗さ(Rz)は、十点平均粗さを示す。また、本明細書では、JIS B 0601−1984に準じ、先端半径2μmの測定プローブを備えた表面粗さ計(商品名「590A」、株式会社東京精密製)を用い、測定長2.4mm、カットオフ波長0.8mm、カットオフ種別ガウシアンにより、少なくとも3点における表面粗さ測定し、これらの平均値を十点平均粗さRzとする。
粗面化粒子の種類は特に限定されず、公知の粗面化粒子から適宜選択して使用できる。例えば、粗面化粒子はシリカ、球状樹脂粒子、金属酸化物等であってよい。
粗面化粒子の平均粒径は特に限定されず、例えば上述の好適な平均粗さ(Rz)が得られる範囲で適宜選択してよい。粗面化粒子の平均粒径は、例えば1μm以上であってよく、好ましくは2μm以上、より好ましくは3μm以上である。また、粗面化粒子の平均粒径は、例えば15μm以下であってよく、好ましくは12μm以上、より好ましくは10μm以上である。なお、粗面化粒子の平均粒径は、レーザー光回折法による粒度分布測定装置を用いて、メジアン径として測定できる。
粗面化粒子の配合量は特に限定されず、例えば上述の好適な平均粗さ(Rz)が得られる範囲で適宜選択してよい。粗面化粒子の配合量は、第二の樹脂層5を構成する第二の樹脂材料100質量部に対して、例えば2質量部以上であってよく、好ましくは3質量部以上である。また、粗面化粒子の配合量は、第二の樹脂層5を構成する第二の樹脂材料100質量部に対して、例えば11質量部以下であってよく、好ましくは10質量部以下である。
現像ローラ1は、上記以外の構成を更に備えていてよい。例えば、現像ローラ1は、軸体2と弾性層3との間、弾性層3と第一の樹脂層4との間、及び/又は、第一の樹脂層4と第二の樹脂層5との間に、接着強度を向上させるための接着層を更に備えていてよい。
本実施形態に係る現像ローラ1は、印字特性に優れ、トナーフィルミングの発生を十分に抑制することができる。現像ローラ1では、第二の樹脂層5における比(Rz/T)が1以上であることで、トナーブレード等との接触によるトナー成分のダメージが抑制され、第二の樹脂層5上へのトナー成分の付着(トナーフィルミング)が抑制されると考えられる。また、第一の樹脂層4が緩衝性に優れたウレタン樹脂を含有すると、上記比(Rz/T)との相乗効果でトナー成分へのダメージがより顕著に抑制されると考えられる。
本実施形態に係る現像ローラ1は、画像形成装置における現像剤担持体として、好適に用いることができる。本実施形態において、画像形成装置における現像ローラ1以外の構成は特に限定されない。現像ローラ1は、公知の様々な画像形成装置における現像剤担持体として好適に用いることができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
無電解ニッケルメッキ処理が施された軸体(SUM22製、直径10mm、長さ275mm)をエタノールで洗浄し、その表面にシリコーン系プライマー(商品名「プライマーNo.16」、信越化学工業株式会社製)を塗布した。プライマー処理した軸体を、ギヤオーブンを用いて、150℃の温度にて10分焼成処理した後、常温にて30分以上冷却し、軸体の表面にプライマー層を形成した。
次いで、弾性層を形成するためのシリコーンゴム組成物を次のように調製した。
すなわち、両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(重合度300)100質量部、BET比表面積が110m2/gである疎水化処理されたヒュームドシリカ(日本アエロジル株式会社製、R−972)1質量部、平均粒径が6μm、嵩密度が0.25g/cm3である珪藻土(オプライトW−3005S、北秋珪藻土株式会社製)40質量部、及び、アセチレンブラック(デンカブラックHS−100、電気化学工業株式会社製)5質量部をプラネタリーミキサーに入れ、30分撹拌した後、3本ロールに1回通した。これを再度プラネタリーミキサーに戻し、架橋剤として、両末端及び側鎖にSi−H基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン(重合度17、Si−H量0.0060mol/g)2.1質量部、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.1質量部、及び、白金触媒(Pt濃度1%)0.1質量部を添加し、15分撹拌して混練して、付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物を調製した。
調製した付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物を用いた液体射出成形により、軸体の外周面上にゴム材料からなる弾性体を成形した。なお、射出成形では、付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物を150℃で10分間加熱して硬化させた。次いで、この弾性体を研磨して、外径20mmの弾性層を形成した。この弾性層のJIS A硬度は43Hsであった。
次いで、第一の樹脂層を形成するための塗布液を次のように調製した。
すなわち、直鎖状ポリエステルポリオール28質量部、ヘキサメチレンジイソシアネート(商品名「デュラネートTPA−100」、旭化成社製)14質量部、ジブチルスズジラウレート(昭和化学社製)0.03質量部、カーボンブラック(商品名「トーカブラック#5500」、東海カーボン社製))5質量部、及び、酢酸ブチル(溶媒)200質量部を混合して、塗布液を得た。
調製した塗布液を弾性層の外周面にスプレーコーティング法によって塗布し、160℃で30分間加熱して、厚さ5μmの第一の樹脂層を形成した。
次いで、第二の樹脂層を形成するための塗布液を次のように調製した。
すなわち、アクリルポリオール28質量部、ヘキサメチレンジイソシアネート(商品名「デュラネートTPA−100」、旭化成社製)14質量部、ジブチルスズジラウレート(昭和化学社製)0.03質量部、イオン系高分子導電剤(四級アンモニウム基を有するアクリル樹脂、商品名「アクリット1SX−1048I」、大成ファインケミカル株式会社製)5質量部、シリカ粒子(商品名「ACEMATT OK−607」、デグサ社製、平均粒径1.5μm)4質量部、及び、酢酸ブチル(溶媒)200質量部を混合して、塗布液を得た。
調製した塗布液を第一の樹脂層の外周面にスプレーコーティング法によって塗布し、160℃で30分間加熱して、厚さ3μmの第二の樹脂層を形成した。
以上の方法で、実施例1の現像ローラA−1を作製した。得られた現像ローラA−1について、上述の方法で第二の樹脂層5の表面粗さ(Rz)を測定したところ、表面粗さ(Rz)は5.0μmであった。また、第一の樹脂層及び第二の樹脂層の抵抗値をそれぞれ上述の方法で測定したところ、第一の樹脂層の抵抗値は1.0×104、第二の樹脂層の抵抗値は1.0×106であった。
接触型の画像形成装置(商品名「MICROLINE 1032PS」、沖データ株式会社製)を用意し、この画像形成装置の現像ローラを作製した現像ローラA−1に差し替えて、実施例1の画像形成装置を得た。得られた画像形成装置について、以下の方法で印字特性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
<フィルミングの評価>
画像形成装置のマゼンダトナーカートリッジに現像ローラを組み込み、温度23℃、相対湿度50%の環境下において、1%デューティ条件により10K(10000枚)印字した。その後、現像ローラを取り出し、現像ローラ表面の長手方向の半分をアルコールの浸み込んだ不織布で拭き、付着していた現像剤を拭き取った。その現像ローラを再びマゼンダカートリッジに組み込み、2by2ハーフトーン画像を1枚印字した。現像ローラにおける、現像剤を拭き取った側の表面で印字された2by2ハーフトーン画像と、現像剤を拭き取っていない側の表面で印字された2by2ハーフトーン画像との印字濃度をそれぞれX−Rite Spectrodensitometer(X−Rite,Inc.)で測定した。それら2つの濃度差が0.0〜0.05であった場合を「A」、0.06〜0.10であった場合を「B」、0.11以上であった場合を「C」とした。結果を表1に示す。
(比較例1)
第二の樹脂層を形成するための塗布液を調製する際にシリカ粒子の配合量を14質量部に変更したこと、及び、第二の樹脂層の形成時に厚さを20μmとしたこと以外は、実施例1と同様にして現像ローラを作製した。得られた現像ローラについて、第二の樹脂層5の表面粗さ(Rz)を測定したところ、表面粗さ(Rz)は5μmであった。
作製した現像ローラを画像形成装置に装着し、実施例1と同様の方法で印字特性の評価を行った。評価結果を表1に示す。