JP2004009588A - 導電性樹脂チューブ及びそれを用いた装置 - Google Patents
導電性樹脂チューブ及びそれを用いた装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004009588A JP2004009588A JP2002167227A JP2002167227A JP2004009588A JP 2004009588 A JP2004009588 A JP 2004009588A JP 2002167227 A JP2002167227 A JP 2002167227A JP 2002167227 A JP2002167227 A JP 2002167227A JP 2004009588 A JP2004009588 A JP 2004009588A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- conductive
- resin
- agent
- inner layer
- resin tube
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
- Rolls And Other Rotary Bodies (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
- Dry Development In Electrophotography (AREA)
- Cleaning In Electrography (AREA)
- Electrophotography Configuration And Component (AREA)
Abstract
【課題】高い帯電能力を有すると共に繰り返し連続使用に耐える強度、特に耐クリープ性を備え、高品質な画像が安定して得られる導電性ローラを提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂、導電付与剤および発泡剤を混練してなる内層と、熱可塑性樹脂と導電付与剤を混練してなる外層とを同時に熱溶融押出し、成形後に内層に気泡を発生させて弾性フォーム化した導電性樹脂チューブ、該樹脂チューブを装着してなる導電性ローラおよび該ローラを装着してなる電子写真装置。
【選択図】 図1
【解決手段】熱可塑性樹脂、導電付与剤および発泡剤を混練してなる内層と、熱可塑性樹脂と導電付与剤を混練してなる外層とを同時に熱溶融押出し、成形後に内層に気泡を発生させて弾性フォーム化した導電性樹脂チューブ、該樹脂チューブを装着してなる導電性ローラおよび該ローラを装着してなる電子写真装置。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、主に電子写真装置や静電記録装置等における帯電、現像、転写、クリーニング等に用いられる導電性ローラに装着される導電性樹脂チューブ及びそれを装備した導電性ローラ並びに電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複写機等における電子写真プロセスでは、まず感光体の表面を一様に帯電させ、この感光体に光学系から映像を投射して、光の当たった部分の帯電を消去することによって潜像を形成し、更にトナーの付着、紙へのトナー像の転写、転写後のクリーニングにより、複写等を行う方法がとられている。
【0003】
上記感光体を帯電させる方法としては、コロナ放電方式が一般的に採用されてきた。しかし、このコロナ放電方式は、6〜10kVもの高電圧を印加する必要があるため、機械の安全保守の観点から好ましくないだけでなく、コロナ放電中にオゾン等の有害物質が発生するため、環境上も問題があった。
そこで、上記コロナ放電に比べて低い電圧で帯電を行うことができ、かつ、オゾン等の有害物質の発生を抑制することのできる帯電方式への取り組みがなされている。このような帯電方式の試みとして、例えば図2に示されるように、電圧を印加した帯電ローラ11を感光体ドラム5の被帯電体に所定の押圧力で当接させて被帯電体を帯電させる、いわゆる接触方式が提案されている。
【0004】
この接触帯電方式で使用される帯電ローラとしては、例えば、ゴムやウレタンフォーム等の弾性層の表面に、表面の平滑性確保や抵抗調整、帯電性向上のため、例えば、アクリル、ウレタン、ナイロン、ポリエチレン、エポキシ、ポリエステル、ポリエーテル、ポリスチレン、フェノール、ポリアミド、ウレタン変性アクリル等の樹脂溶液をディピング法やスプレー法等により塗布して樹脂層を形成したものが知られている。
【0005】
現像に関しては、潜像を保持した感光ドラム等に非磁性一成分現像剤を供給し、感光ドラム等の潜像に該現像剤を付着させて潜像を可視化する現像方法として、加圧現像法が知られており(米国特許第3152012号、同第3731146号等)、この方法によれば、磁性材料が不要であるため装置の簡素化、小型化が容易であると共に、トナーのカラー化が容易である。
【0006】
この加圧現像法は、トナー(非磁性一成分現像剤)を担持した現像ローラを感光ドラム等の静電潜像を保持した潜像保持体に接触させて、トナーを該潜像保持体の潜像に付着させることにより現像を行うもので、このため導電性を有する弾性体で上記現像ローラを形成する必要がある。
【0007】
即ち、この加圧現像法では、例えば図2に示されるように、トナーを供給するためのトナー塗布用ローラ4と静電潜像を保持した感光ドラム5との間に、上記現像ローラ1が感光ドラム5と触した状態でかつトナー塗布用ローラ4とは若干離間して配設され、これら現像ローラ1、感光ドラム5及びトナー塗布用ローラ4がそれぞれ図中矢印方向に回転することにより、トナー6がトナー塗布用ローラ4により現像ローラ1の表面に供給され、このトナーが成層ブレード7により均一な薄層に整えられ、この状態で現像ローラ1が感光ドラム5と接触しながら回転することにより、薄層に形成されたトナーが現像ローラ1から感光ドラム5の潜像に付着して、該潜像が可視化するようになっている。
なお、図中8は転写部であり、ここで紙等の記録媒体にトナー画像を転写するようになっており、また9はクリーニング部であり、そのクリーニングブレード10により転写後に感光ドラム5表面に残留するトナーを除去するようになっている。
【0008】
この場合、現像ローラ1は、感光ドラム5に密着した状態を確実に保持しつつ回転しなければならず、このため金属等の良導電性材料からなるシャフト2の外周にシリコーンゴム、NBR、EPDM等の弾性ゴムやウレタンフォーム等に導電剤を配合して導電性を付与した弾性体からなる弾性層を形成した構造となっている。
さらに、これらの表面摩擦性、画質等を改良する目的で弾性層の上に導電粉体を配合して導電性を付与した表皮層を設けることも提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記の帯電接触方式では、樹脂が長期間感光体に当接することにより、上記感光体との間で密着が生じ、そのため、上記樹脂層の一部が剥離して感光体表面が汚染されてしまう場合がある。また、粘着性の強さによって帯電ローラへの付着による帯電不良が生じたり、感光体との間の摩擦によってトナー溶着や感光体の削れが起こるなどして、画面不良が発生してしまう場合がある。そのため、帯電ローラに用いられる樹脂には、高い帯電能力と繰り返し連続使用に耐える強度、特に耐クリープ性を備え、感光体への密着性・粘着性、トナー付着性が小さいことが求められている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、高い帯電能力を有すると共に繰り返し連続使用に耐える強度、特に耐クリープ性を備え、高品質な画像が安定して得られる導電性ローラ及び、それに用いる樹脂チューブを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、電子写真などに使用される導電性ローラとして、熱可塑性樹脂、導電付与剤および発泡剤を混練してなる内層と、熱可塑性樹脂と導電付与剤を混練してなる外層とを同時に熱溶融押出して得られる導電性樹脂チューブを装着した導電性ローラ、特に導電性樹脂チューブを成形後に内層に気泡を発生させて弾性フォーム化した導電性ローラを用いることによって、高品質な画像が安定して得られるようになることを見出し、本発明に到達した。
【0011】
即ち本発明は、以下の導電性樹脂チューブおよび導電性ローラを提供するものである。
1.熱可塑性樹脂、導電付与剤および発泡剤を混練してなる内層と、熱可塑性樹脂と導電付与剤を混練してなる外層とを同時に熱溶融押出して得られたことを特徴とする導電性樹脂チューブ。
2.内層と外層とを同時に熱溶融押出し成形後に内層に気泡を発生させて弾性フォーム化したものである上記1の導電性樹脂チューブ。
3.内層の熱可塑性樹脂が、ポリ(エチレン−酢酸ビニル)共重合樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、ポリ(エーテル−エステル)共重合樹脂およびポリ(エチレン−プロピレン)樹脂から選ばれた少なくとも1種である上記1又は2の導電性樹脂チューブ。
4.内層の導電付与剤が、電子導電剤及び/又はイオン導電剤である上記1〜3のいずれかの導電性樹脂チューブ。
5.内層の電子導電剤が、カーボンブラック及び/又は金属酸化物粉体である上記4の導電性樹脂チューブ。
6.内層の発泡剤が、含窒素化合物である上記1〜5のいずれかの導電性樹脂チューブ。
7.発泡剤の含窒素化合物が、アゾジカルボンアミド及び/又はヒドラジン誘導体を主成分とする化合物である上記6に記載の導電性樹脂チューブ。
8.外層の熱可塑性樹脂が、ポリアミド樹脂、ポリ(エチレン−酢酸ビニル)共重合樹脂、アクリルゴム−アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、塩素化ポリエチレン−アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、ブタジエンゴム−アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、エチレンプロピレンゴム−アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、シリコーンゴム−アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂およびポリアルキレンテレフタレート樹脂から選ばれた少なくとも1種である上記1〜7のいずれかの導電性樹脂チューブ。
9.外層の導電付与剤が、電子導電剤及び/又はイオン導電剤である上記1〜8のいずれかの導電性樹脂チューブ。
10.外層の電子導電剤が、カーボンブラック及び/又は金属酸化物粉体である上記9の導電性樹脂チューブ。
11.外層のイオン導電剤が、分子量700〜30000の高分子イオン導電剤である上記9の導電性樹脂チューブ。
12.上記1〜11のいずれかの導電性樹脂チューブを装備してなることを特徴とする導電性ローラ。
13.導電性樹脂チューブを装備後に内層に気泡を発生させて弾性フォーム化したものである上記12の導電性ローラ。
14.上記12又は13の導電性ローラを装着してなることを特徴とする電子写真装置。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳しく説明する。図1(a)、(b)は、本発明の導電性ローラの一構成例を示す図である。
図1において本発明の導電性ローラ20は、金属あるいはプラスチック製のシャフト21に本発明の導電性樹脂チューブが装着されている。該導電性樹脂チューブは内層22(弾性層)との外層23からなっている。
【0013】
本発明の導電性ローラの特徴は、熱可塑性樹脂と導電付与剤および発泡剤を混練してなる内層と、熱可塑性樹脂と導電付与剤を混練してなる外層とを同時に熱溶融押出して得られた導電性樹脂チューブを装備してなるものであることであり、該導電性樹脂チューブの内層は本発明の導電性ローラの弾性層となるもので、シャフトに内層と外層とを同時に熱溶融押出して成形した後、内層に気泡を発生させて弾性フォーム化することにより製造される。
【0014】
内層の熱可塑性樹脂としては、ポリ(エチレン−酢酸ビニル)共重合樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、ポリ(エーテル−エステル)共重合樹脂およびポリ(エチレン−プロピレン)樹脂などの熱可塑性エラストマーが好適に用いられる。また、発泡剤としては含窒素化合物が用いられ、アゾジカルボンアミド、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、ヒドラゾジカルボンアミドなどが挙げられるが、特に、アゾジカルボンアミドや、ヒドラゾジカルボンアミドなどのヒドラジン誘導体を主成分とする化合物が好適であり、これらを混合して用いることも一般的である。
【0015】
導電付与剤としては、特に限定されず、ラウリルトリメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウム、オクタデシルトリメチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、変性脂肪酸・ジメチルエチルアンモニウムの過塩素酸塩、塩素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、硫酸塩、エトサルフェート塩、ハロゲン化ベンジル塩(臭化ベンジル塩、塩化ベンジル塩等)等の第4級アンモニウムなどの陽イオン界面活性剤;脂肪族スルホン酸、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加硫酸塩、高級アルコール燐酸エステル塩等の陰イオン界面活性剤;各種ベタイン等の両性イオン界面活性剤;高級アルコールエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステル等の非イオン性帯電防止剤などの帯電防止剤;LiCF2SO2、NaClO4、LiBF4、NaCl等の周期律表第1族の金属塩;Ca(ClO4)2等の周期律表第2族の金属塩;およびこれらの帯電防止剤がイソシアネートと反応する活性水素を有する基(水素基、カルボキシル基、一級乃至二級アミン基等)を1個以上有するものなどが挙げられる。更にまた、これらと多価アルコール(1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール等)またはその誘導体との錯体、或いはエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等との錯体などのイオン導電剤;ケッチェンブラック、アセチレンブラック等の導電性カーボン、SAF、ISAF、HAF、FEF、GPF、SRF、FT、MT等のゴム用カーボン、酸化処理を施したカラーインク用カーボン、熱分解カーボンなどのカーボンブラック;天然グラファイト、人造グラファイト等;酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛、ニッケル、銅等の金属および金属酸化物;ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン等の導電性ポリマーなどの電子導電剤を例示することができる。
これらの中、特に電子導電剤であるカーボンブラックや金属酸化物粉体および、分子量700〜30000の高分子イオン導電剤が好適に用いられる。
【0016】
外層の熱可塑性樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリ(エチレン−酢酸ビニル)共重合樹脂、アクリルゴム−アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂〔ASA(AAS)樹脂〕、塩素化ポリエチレン−アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂(ACS樹脂)、ブタジエンゴム−アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)、エチレンプロピレンゴム−アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂(AES樹脂)、シリコーンゴム−アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂(SAS樹脂)およびポリアルキレンテレフタレート樹脂(ポリエチレンテレフタレート樹脂やポリブチレンテレフタレート樹脂など)が好適に用いられる。
【0017】
外層の導電付与剤としては内層のものと同様のものが用いられる。導電付与剤の基材への添加量は、導電性材料がカーボンブラックの場合には樹脂成分100質量部に対して0.1〜100質量部、好ましくは0.5〜50質量部とすることができ、これにより導電性樹脂チューブ(外層)の体積抵抗値を106〜1013Ω・cm、好ましくは107〜1012Ω・cmに調整することができる。
【0018】
また、本発明の導電性樹脂チューブにおいては、本発明の効果を損なわない範囲内で上述の成分に加え他の機能性成分を添加することができ、例えば、各種充填材、カップリング剤、酸化防止剤、滑材、表面処理剤、顔料、紫外線吸収剤、分散剤、中和剤、架橋剤、相溶化材等を適宜配合することができる。
【0019】
本発明の導電性ローラは、該導電性樹脂チューブを装着してなる導電性ローラであり、金属又はプラスチック製のシャフトに該導電性樹脂チューブが装着される。該導電性樹脂チューブは内層と外層とを同時に熱溶融押出し成形後に内層に気泡を発生させて弾性フォーム化が行なわれるが、導電性樹脂チューブを装備後に内層に気泡を発生させて弾性フォーム化することが好適に行なわれる。
気泡を発生させる手段としては、用いられる発泡剤に応じて、加熱、赤外線照射、紫外線照射、電磁波照射、放射線照射、超音波振動付与などがある。
【0020】
本発明の導電性ローラは、被帯電体に当接させ、被帯電体との間に電圧を印加することにより被帯電体を帯電させる帯電装置において、帯電ローラとして用いることにより、高い帯電能力を有すると共に繰り返し連続使用に耐える強度、特に耐クリープ性を備え、高品質な画像が安定して得ることができる。
また、本発明の導電性ローラは、表面に現像剤を担持して該現像剤の薄膜を形成し、前記薄膜から前記現像剤を潜像保持体表面に付着させ、該静電潜像を可視化する現像ローラや、転写紙を帯電させ現像剤によって可視化された静電潜像保持体から現像剤を転写紙に転写させる転写ローラ、或いは除電ローラやトナー供給ローラなどにも用いられる。
更に、本発明の導電性ローラは、転写後の感光体上の残存トナーを清掃除去するためのクリーニング装置を有する電子写真装置にも好適に用いられる。
【0021】
【実施例】
次に実施例により本発明を更に具体的に説明する。以下の実施例では本発明の導電性樹脂チューブを装着した導電性ローラおよび印刷装置について説明するが、本発明は以下の実施例により限定されるものではない。
【0022】
以下の実施例および比較例において導電性ローラ(帯電ローラ)の物性および画像印刷試験を次のように行なった。
(1)導電性ローラの体積抵抗率(Ω・cm):
作製した帯電ローラと金属ドラムとを500g荷重で圧接し、該帯電ローラと金属ドラム間に500Vを印加して、帯電ローラの抵抗を測定した。
(2)画像印刷試験:
作成した導電性ローラをプリターカートリッジに装着し、ヒュ−レット・パッカード社製のLaserjet4050で画像印刷を行ない、初期および8000枚印刷時の画像性を目視により観察した。
【0023】
実施例1
ポリ(エチレン−酢酸ビニル)共重合樹脂(東ソー(株)製、ウルトラセン634)100重量部とカーボンブラック(ライオン(株)製、ケッチェンブラックEC600JD)15重量部およびアゾジカルボンアミド系発泡剤(永和化成工業(株)製、ビニホールAC#LQ)3重量部を二軸混練り機で混合してコンパウンド(A−1)を作成した。
また、ポリアミド12樹脂(ダイセル・デグサ社製、ダイアミドL1940)100重量とイオン導電剤(チバガイギー社製、イルガスタットP−18)90重量部を二軸混練り機で混合してコンパウンド(B−1)を作成した。
直交して設置された2ラインのバレル−スクリューと1つの二重式円環口金を備えた共押出し成形機でコンパウンド(A−1)を第1層(内層)、コンパウンド(B−1)を第2層(外層)として同時押出し、第1層の外径12.0mm、内径10.0mm、幅250mm;第2層の外径12.2mm、内径12.0mm、幅250mmの寸法を有する導電性樹脂チューブを得た。
導電性樹脂チューブの中央に外径6.0mm、長さ270mmのステンレスシャフトを通して180℃で5分間加熱し、外径12.2mm、樹脂層厚み0.1mm、フォーム層厚み3.0mmの導電性ローラを得た。
作製した導電性ローラの抵抗値と画像印刷試験の測定を行った。結果を第1表に示す。
【0024】
実施例2
ポリ(エステル−エーテル)共重合樹脂(東洋紡績(株)製、ペルプレンP−40)100重量部と導電性酸化チタン(石原産業(株)製、ET−500W)30重量部およびアゾジカルボンアミド系発泡剤(永和化成工業(株)製、ビニホールAC#LQ)3重量部を二軸混練り機で混合してコンパウンド(A−2)を作成した。
また、ポリブチレンテレフタレート樹脂(東レ(株)製、トレコン1401X04)100重量部とカーボンブラック(ライオン(株)製、ケッチェンブラックEC600JD)5重量部を二軸混練り機で混合してコンパウンド(B−2)を作成した。
以下、実施例1の同様に、コンパウンド(A−2)を第1層(内層)、コンパウンド(B−2)を第2層(外層)として同時押出して導電性樹脂チューブを作製し、180℃で5分間加熱して導電性ローラを得た。
作製した導電性ローラの抵抗値と画像印刷試験の測定結果を第1表に示す。
【0025】
実施例3
ポリ(エチレン−プロピレン)共重合樹脂(日本ポリオレフィン(株)製、オルフレックス8A21N)100重量部とカーボンブラック(ライオン(株)製、ケッチェンブラックEC600JD)15重量部およびヒドラジン誘導体系発泡剤(永和化成工業(株)製、ネオセルボンN#100M)5重量部を二軸混練り機で混合してコンパウンド(A−3)を作成した。
また、ABS樹脂(ダイセルポリマー(株)製、セビアンV320N)100重量部とイオン導電剤(チバガイギー社製、イルガスタットP−18)35重量部を二軸混練り機で混合してコンパウンド(B−3)を作成した。
以下、実施例1の同様に、コンパウンド(A−3)を第1層(内層)、コンパウンド(B−3)を第2層(外層)として同時押出して導電性樹脂チューブを作製し、150℃で5分間加熱して導電性ローラを得た。
作製した導電性ローラの抵抗値と画像印刷試験の測定結果を第1表に示す。
【0026】
実施例4
熱可塑性ポリウレタン樹脂(大日本インキ化学工業(株)製、パンデックスオルフレックス8A21N)100重量部とカーボンブラック(ライオン(株)製、ケッチェンブラックEC600JD)5重量部およびヒドラジン誘導体系発泡剤(永和化成工業(株)製、ネオセルボンN#100M)5重量部を二軸混練り機で混合してコンパウンド(A−4)を作成した。
次に、ポリ(エチレン−酢酸ビニル)共重合樹脂(東ソー(株)製、ウルトラセン631)100重量部とイオン導電剤(チバガイギー社製、イルガスタットP−18)100重量部を二軸混練り機で混合してコンパウンド(B−4)を作成した。
以下、実施例1の同様に、コンパウンド(A−4)を第1層(内層)、コンパウンド(B−4)を第2層(外層)として同時押出して導電性樹脂チューブを作製し、150℃で5分間加熱して導電性ローラを得た。
作製した導電性ローラの抵抗値と画像印刷試験の測定結果を第1表に示す。
【0027】
比較例1
ポリアセタール樹脂(旭化成(株)製、テナックーC3510)100重量部に対してカーボンブラック(ライオン(株)製、ケッチェンブラックEC600JD)を5重量部を添加し、二軸混練り機によって混練りしペレット化した後、押出し機により、外径12.2mm、厚み0.3mmの導電性樹脂チューブを作製した。
次に、円筒形金型内に上記樹脂チューブと径6mmのステンレスシャフトを配置した後、導電性のウレタンフォームを注型し、外径12.2mmの帯電ローラを作製した。
作製した導電性ローラの抵抗値と画像印刷試験の測定結果を第1表に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明の導電性樹脂チューブは、高い帯電能力を有すると共に繰り返し連続使用に耐える強度、特に耐クリープ性を備え、該導電性樹脂チューブを装着してなる導電性ローラを用いた画像形成装置によれば、長期間の使用においても不良がなく良好な画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の導電性ローラの一構成例を示す概略断面図である。
【図2】加圧現像法による電子写真装置の一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1現像ローラ
2シャフト
3弾性層(導電体)
4トナー塗布ローラ
5感光ドラム
6トナー(非磁性一成分現像剤)
7成層ブレード
8転写部
9クリーニング部
10クリーニングブレード
11帯電ローラ
20導電性ローラ
21シャフト
22導電性樹脂チューブ内層(弾性層)
23導電性樹脂チューブ外層
【産業上の利用分野】
本発明は、主に電子写真装置や静電記録装置等における帯電、現像、転写、クリーニング等に用いられる導電性ローラに装着される導電性樹脂チューブ及びそれを装備した導電性ローラ並びに電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複写機等における電子写真プロセスでは、まず感光体の表面を一様に帯電させ、この感光体に光学系から映像を投射して、光の当たった部分の帯電を消去することによって潜像を形成し、更にトナーの付着、紙へのトナー像の転写、転写後のクリーニングにより、複写等を行う方法がとられている。
【0003】
上記感光体を帯電させる方法としては、コロナ放電方式が一般的に採用されてきた。しかし、このコロナ放電方式は、6〜10kVもの高電圧を印加する必要があるため、機械の安全保守の観点から好ましくないだけでなく、コロナ放電中にオゾン等の有害物質が発生するため、環境上も問題があった。
そこで、上記コロナ放電に比べて低い電圧で帯電を行うことができ、かつ、オゾン等の有害物質の発生を抑制することのできる帯電方式への取り組みがなされている。このような帯電方式の試みとして、例えば図2に示されるように、電圧を印加した帯電ローラ11を感光体ドラム5の被帯電体に所定の押圧力で当接させて被帯電体を帯電させる、いわゆる接触方式が提案されている。
【0004】
この接触帯電方式で使用される帯電ローラとしては、例えば、ゴムやウレタンフォーム等の弾性層の表面に、表面の平滑性確保や抵抗調整、帯電性向上のため、例えば、アクリル、ウレタン、ナイロン、ポリエチレン、エポキシ、ポリエステル、ポリエーテル、ポリスチレン、フェノール、ポリアミド、ウレタン変性アクリル等の樹脂溶液をディピング法やスプレー法等により塗布して樹脂層を形成したものが知られている。
【0005】
現像に関しては、潜像を保持した感光ドラム等に非磁性一成分現像剤を供給し、感光ドラム等の潜像に該現像剤を付着させて潜像を可視化する現像方法として、加圧現像法が知られており(米国特許第3152012号、同第3731146号等)、この方法によれば、磁性材料が不要であるため装置の簡素化、小型化が容易であると共に、トナーのカラー化が容易である。
【0006】
この加圧現像法は、トナー(非磁性一成分現像剤)を担持した現像ローラを感光ドラム等の静電潜像を保持した潜像保持体に接触させて、トナーを該潜像保持体の潜像に付着させることにより現像を行うもので、このため導電性を有する弾性体で上記現像ローラを形成する必要がある。
【0007】
即ち、この加圧現像法では、例えば図2に示されるように、トナーを供給するためのトナー塗布用ローラ4と静電潜像を保持した感光ドラム5との間に、上記現像ローラ1が感光ドラム5と触した状態でかつトナー塗布用ローラ4とは若干離間して配設され、これら現像ローラ1、感光ドラム5及びトナー塗布用ローラ4がそれぞれ図中矢印方向に回転することにより、トナー6がトナー塗布用ローラ4により現像ローラ1の表面に供給され、このトナーが成層ブレード7により均一な薄層に整えられ、この状態で現像ローラ1が感光ドラム5と接触しながら回転することにより、薄層に形成されたトナーが現像ローラ1から感光ドラム5の潜像に付着して、該潜像が可視化するようになっている。
なお、図中8は転写部であり、ここで紙等の記録媒体にトナー画像を転写するようになっており、また9はクリーニング部であり、そのクリーニングブレード10により転写後に感光ドラム5表面に残留するトナーを除去するようになっている。
【0008】
この場合、現像ローラ1は、感光ドラム5に密着した状態を確実に保持しつつ回転しなければならず、このため金属等の良導電性材料からなるシャフト2の外周にシリコーンゴム、NBR、EPDM等の弾性ゴムやウレタンフォーム等に導電剤を配合して導電性を付与した弾性体からなる弾性層を形成した構造となっている。
さらに、これらの表面摩擦性、画質等を改良する目的で弾性層の上に導電粉体を配合して導電性を付与した表皮層を設けることも提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記の帯電接触方式では、樹脂が長期間感光体に当接することにより、上記感光体との間で密着が生じ、そのため、上記樹脂層の一部が剥離して感光体表面が汚染されてしまう場合がある。また、粘着性の強さによって帯電ローラへの付着による帯電不良が生じたり、感光体との間の摩擦によってトナー溶着や感光体の削れが起こるなどして、画面不良が発生してしまう場合がある。そのため、帯電ローラに用いられる樹脂には、高い帯電能力と繰り返し連続使用に耐える強度、特に耐クリープ性を備え、感光体への密着性・粘着性、トナー付着性が小さいことが求められている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、高い帯電能力を有すると共に繰り返し連続使用に耐える強度、特に耐クリープ性を備え、高品質な画像が安定して得られる導電性ローラ及び、それに用いる樹脂チューブを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、電子写真などに使用される導電性ローラとして、熱可塑性樹脂、導電付与剤および発泡剤を混練してなる内層と、熱可塑性樹脂と導電付与剤を混練してなる外層とを同時に熱溶融押出して得られる導電性樹脂チューブを装着した導電性ローラ、特に導電性樹脂チューブを成形後に内層に気泡を発生させて弾性フォーム化した導電性ローラを用いることによって、高品質な画像が安定して得られるようになることを見出し、本発明に到達した。
【0011】
即ち本発明は、以下の導電性樹脂チューブおよび導電性ローラを提供するものである。
1.熱可塑性樹脂、導電付与剤および発泡剤を混練してなる内層と、熱可塑性樹脂と導電付与剤を混練してなる外層とを同時に熱溶融押出して得られたことを特徴とする導電性樹脂チューブ。
2.内層と外層とを同時に熱溶融押出し成形後に内層に気泡を発生させて弾性フォーム化したものである上記1の導電性樹脂チューブ。
3.内層の熱可塑性樹脂が、ポリ(エチレン−酢酸ビニル)共重合樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、ポリ(エーテル−エステル)共重合樹脂およびポリ(エチレン−プロピレン)樹脂から選ばれた少なくとも1種である上記1又は2の導電性樹脂チューブ。
4.内層の導電付与剤が、電子導電剤及び/又はイオン導電剤である上記1〜3のいずれかの導電性樹脂チューブ。
5.内層の電子導電剤が、カーボンブラック及び/又は金属酸化物粉体である上記4の導電性樹脂チューブ。
6.内層の発泡剤が、含窒素化合物である上記1〜5のいずれかの導電性樹脂チューブ。
7.発泡剤の含窒素化合物が、アゾジカルボンアミド及び/又はヒドラジン誘導体を主成分とする化合物である上記6に記載の導電性樹脂チューブ。
8.外層の熱可塑性樹脂が、ポリアミド樹脂、ポリ(エチレン−酢酸ビニル)共重合樹脂、アクリルゴム−アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、塩素化ポリエチレン−アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、ブタジエンゴム−アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、エチレンプロピレンゴム−アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、シリコーンゴム−アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂およびポリアルキレンテレフタレート樹脂から選ばれた少なくとも1種である上記1〜7のいずれかの導電性樹脂チューブ。
9.外層の導電付与剤が、電子導電剤及び/又はイオン導電剤である上記1〜8のいずれかの導電性樹脂チューブ。
10.外層の電子導電剤が、カーボンブラック及び/又は金属酸化物粉体である上記9の導電性樹脂チューブ。
11.外層のイオン導電剤が、分子量700〜30000の高分子イオン導電剤である上記9の導電性樹脂チューブ。
12.上記1〜11のいずれかの導電性樹脂チューブを装備してなることを特徴とする導電性ローラ。
13.導電性樹脂チューブを装備後に内層に気泡を発生させて弾性フォーム化したものである上記12の導電性ローラ。
14.上記12又は13の導電性ローラを装着してなることを特徴とする電子写真装置。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳しく説明する。図1(a)、(b)は、本発明の導電性ローラの一構成例を示す図である。
図1において本発明の導電性ローラ20は、金属あるいはプラスチック製のシャフト21に本発明の導電性樹脂チューブが装着されている。該導電性樹脂チューブは内層22(弾性層)との外層23からなっている。
【0013】
本発明の導電性ローラの特徴は、熱可塑性樹脂と導電付与剤および発泡剤を混練してなる内層と、熱可塑性樹脂と導電付与剤を混練してなる外層とを同時に熱溶融押出して得られた導電性樹脂チューブを装備してなるものであることであり、該導電性樹脂チューブの内層は本発明の導電性ローラの弾性層となるもので、シャフトに内層と外層とを同時に熱溶融押出して成形した後、内層に気泡を発生させて弾性フォーム化することにより製造される。
【0014】
内層の熱可塑性樹脂としては、ポリ(エチレン−酢酸ビニル)共重合樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、ポリ(エーテル−エステル)共重合樹脂およびポリ(エチレン−プロピレン)樹脂などの熱可塑性エラストマーが好適に用いられる。また、発泡剤としては含窒素化合物が用いられ、アゾジカルボンアミド、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、ヒドラゾジカルボンアミドなどが挙げられるが、特に、アゾジカルボンアミドや、ヒドラゾジカルボンアミドなどのヒドラジン誘導体を主成分とする化合物が好適であり、これらを混合して用いることも一般的である。
【0015】
導電付与剤としては、特に限定されず、ラウリルトリメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウム、オクタデシルトリメチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、変性脂肪酸・ジメチルエチルアンモニウムの過塩素酸塩、塩素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、硫酸塩、エトサルフェート塩、ハロゲン化ベンジル塩(臭化ベンジル塩、塩化ベンジル塩等)等の第4級アンモニウムなどの陽イオン界面活性剤;脂肪族スルホン酸、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加硫酸塩、高級アルコール燐酸エステル塩等の陰イオン界面活性剤;各種ベタイン等の両性イオン界面活性剤;高級アルコールエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステル等の非イオン性帯電防止剤などの帯電防止剤;LiCF2SO2、NaClO4、LiBF4、NaCl等の周期律表第1族の金属塩;Ca(ClO4)2等の周期律表第2族の金属塩;およびこれらの帯電防止剤がイソシアネートと反応する活性水素を有する基(水素基、カルボキシル基、一級乃至二級アミン基等)を1個以上有するものなどが挙げられる。更にまた、これらと多価アルコール(1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール等)またはその誘導体との錯体、或いはエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等との錯体などのイオン導電剤;ケッチェンブラック、アセチレンブラック等の導電性カーボン、SAF、ISAF、HAF、FEF、GPF、SRF、FT、MT等のゴム用カーボン、酸化処理を施したカラーインク用カーボン、熱分解カーボンなどのカーボンブラック;天然グラファイト、人造グラファイト等;酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛、ニッケル、銅等の金属および金属酸化物;ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン等の導電性ポリマーなどの電子導電剤を例示することができる。
これらの中、特に電子導電剤であるカーボンブラックや金属酸化物粉体および、分子量700〜30000の高分子イオン導電剤が好適に用いられる。
【0016】
外層の熱可塑性樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリ(エチレン−酢酸ビニル)共重合樹脂、アクリルゴム−アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂〔ASA(AAS)樹脂〕、塩素化ポリエチレン−アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂(ACS樹脂)、ブタジエンゴム−アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)、エチレンプロピレンゴム−アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂(AES樹脂)、シリコーンゴム−アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂(SAS樹脂)およびポリアルキレンテレフタレート樹脂(ポリエチレンテレフタレート樹脂やポリブチレンテレフタレート樹脂など)が好適に用いられる。
【0017】
外層の導電付与剤としては内層のものと同様のものが用いられる。導電付与剤の基材への添加量は、導電性材料がカーボンブラックの場合には樹脂成分100質量部に対して0.1〜100質量部、好ましくは0.5〜50質量部とすることができ、これにより導電性樹脂チューブ(外層)の体積抵抗値を106〜1013Ω・cm、好ましくは107〜1012Ω・cmに調整することができる。
【0018】
また、本発明の導電性樹脂チューブにおいては、本発明の効果を損なわない範囲内で上述の成分に加え他の機能性成分を添加することができ、例えば、各種充填材、カップリング剤、酸化防止剤、滑材、表面処理剤、顔料、紫外線吸収剤、分散剤、中和剤、架橋剤、相溶化材等を適宜配合することができる。
【0019】
本発明の導電性ローラは、該導電性樹脂チューブを装着してなる導電性ローラであり、金属又はプラスチック製のシャフトに該導電性樹脂チューブが装着される。該導電性樹脂チューブは内層と外層とを同時に熱溶融押出し成形後に内層に気泡を発生させて弾性フォーム化が行なわれるが、導電性樹脂チューブを装備後に内層に気泡を発生させて弾性フォーム化することが好適に行なわれる。
気泡を発生させる手段としては、用いられる発泡剤に応じて、加熱、赤外線照射、紫外線照射、電磁波照射、放射線照射、超音波振動付与などがある。
【0020】
本発明の導電性ローラは、被帯電体に当接させ、被帯電体との間に電圧を印加することにより被帯電体を帯電させる帯電装置において、帯電ローラとして用いることにより、高い帯電能力を有すると共に繰り返し連続使用に耐える強度、特に耐クリープ性を備え、高品質な画像が安定して得ることができる。
また、本発明の導電性ローラは、表面に現像剤を担持して該現像剤の薄膜を形成し、前記薄膜から前記現像剤を潜像保持体表面に付着させ、該静電潜像を可視化する現像ローラや、転写紙を帯電させ現像剤によって可視化された静電潜像保持体から現像剤を転写紙に転写させる転写ローラ、或いは除電ローラやトナー供給ローラなどにも用いられる。
更に、本発明の導電性ローラは、転写後の感光体上の残存トナーを清掃除去するためのクリーニング装置を有する電子写真装置にも好適に用いられる。
【0021】
【実施例】
次に実施例により本発明を更に具体的に説明する。以下の実施例では本発明の導電性樹脂チューブを装着した導電性ローラおよび印刷装置について説明するが、本発明は以下の実施例により限定されるものではない。
【0022】
以下の実施例および比較例において導電性ローラ(帯電ローラ)の物性および画像印刷試験を次のように行なった。
(1)導電性ローラの体積抵抗率(Ω・cm):
作製した帯電ローラと金属ドラムとを500g荷重で圧接し、該帯電ローラと金属ドラム間に500Vを印加して、帯電ローラの抵抗を測定した。
(2)画像印刷試験:
作成した導電性ローラをプリターカートリッジに装着し、ヒュ−レット・パッカード社製のLaserjet4050で画像印刷を行ない、初期および8000枚印刷時の画像性を目視により観察した。
【0023】
実施例1
ポリ(エチレン−酢酸ビニル)共重合樹脂(東ソー(株)製、ウルトラセン634)100重量部とカーボンブラック(ライオン(株)製、ケッチェンブラックEC600JD)15重量部およびアゾジカルボンアミド系発泡剤(永和化成工業(株)製、ビニホールAC#LQ)3重量部を二軸混練り機で混合してコンパウンド(A−1)を作成した。
また、ポリアミド12樹脂(ダイセル・デグサ社製、ダイアミドL1940)100重量とイオン導電剤(チバガイギー社製、イルガスタットP−18)90重量部を二軸混練り機で混合してコンパウンド(B−1)を作成した。
直交して設置された2ラインのバレル−スクリューと1つの二重式円環口金を備えた共押出し成形機でコンパウンド(A−1)を第1層(内層)、コンパウンド(B−1)を第2層(外層)として同時押出し、第1層の外径12.0mm、内径10.0mm、幅250mm;第2層の外径12.2mm、内径12.0mm、幅250mmの寸法を有する導電性樹脂チューブを得た。
導電性樹脂チューブの中央に外径6.0mm、長さ270mmのステンレスシャフトを通して180℃で5分間加熱し、外径12.2mm、樹脂層厚み0.1mm、フォーム層厚み3.0mmの導電性ローラを得た。
作製した導電性ローラの抵抗値と画像印刷試験の測定を行った。結果を第1表に示す。
【0024】
実施例2
ポリ(エステル−エーテル)共重合樹脂(東洋紡績(株)製、ペルプレンP−40)100重量部と導電性酸化チタン(石原産業(株)製、ET−500W)30重量部およびアゾジカルボンアミド系発泡剤(永和化成工業(株)製、ビニホールAC#LQ)3重量部を二軸混練り機で混合してコンパウンド(A−2)を作成した。
また、ポリブチレンテレフタレート樹脂(東レ(株)製、トレコン1401X04)100重量部とカーボンブラック(ライオン(株)製、ケッチェンブラックEC600JD)5重量部を二軸混練り機で混合してコンパウンド(B−2)を作成した。
以下、実施例1の同様に、コンパウンド(A−2)を第1層(内層)、コンパウンド(B−2)を第2層(外層)として同時押出して導電性樹脂チューブを作製し、180℃で5分間加熱して導電性ローラを得た。
作製した導電性ローラの抵抗値と画像印刷試験の測定結果を第1表に示す。
【0025】
実施例3
ポリ(エチレン−プロピレン)共重合樹脂(日本ポリオレフィン(株)製、オルフレックス8A21N)100重量部とカーボンブラック(ライオン(株)製、ケッチェンブラックEC600JD)15重量部およびヒドラジン誘導体系発泡剤(永和化成工業(株)製、ネオセルボンN#100M)5重量部を二軸混練り機で混合してコンパウンド(A−3)を作成した。
また、ABS樹脂(ダイセルポリマー(株)製、セビアンV320N)100重量部とイオン導電剤(チバガイギー社製、イルガスタットP−18)35重量部を二軸混練り機で混合してコンパウンド(B−3)を作成した。
以下、実施例1の同様に、コンパウンド(A−3)を第1層(内層)、コンパウンド(B−3)を第2層(外層)として同時押出して導電性樹脂チューブを作製し、150℃で5分間加熱して導電性ローラを得た。
作製した導電性ローラの抵抗値と画像印刷試験の測定結果を第1表に示す。
【0026】
実施例4
熱可塑性ポリウレタン樹脂(大日本インキ化学工業(株)製、パンデックスオルフレックス8A21N)100重量部とカーボンブラック(ライオン(株)製、ケッチェンブラックEC600JD)5重量部およびヒドラジン誘導体系発泡剤(永和化成工業(株)製、ネオセルボンN#100M)5重量部を二軸混練り機で混合してコンパウンド(A−4)を作成した。
次に、ポリ(エチレン−酢酸ビニル)共重合樹脂(東ソー(株)製、ウルトラセン631)100重量部とイオン導電剤(チバガイギー社製、イルガスタットP−18)100重量部を二軸混練り機で混合してコンパウンド(B−4)を作成した。
以下、実施例1の同様に、コンパウンド(A−4)を第1層(内層)、コンパウンド(B−4)を第2層(外層)として同時押出して導電性樹脂チューブを作製し、150℃で5分間加熱して導電性ローラを得た。
作製した導電性ローラの抵抗値と画像印刷試験の測定結果を第1表に示す。
【0027】
比較例1
ポリアセタール樹脂(旭化成(株)製、テナックーC3510)100重量部に対してカーボンブラック(ライオン(株)製、ケッチェンブラックEC600JD)を5重量部を添加し、二軸混練り機によって混練りしペレット化した後、押出し機により、外径12.2mm、厚み0.3mmの導電性樹脂チューブを作製した。
次に、円筒形金型内に上記樹脂チューブと径6mmのステンレスシャフトを配置した後、導電性のウレタンフォームを注型し、外径12.2mmの帯電ローラを作製した。
作製した導電性ローラの抵抗値と画像印刷試験の測定結果を第1表に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明の導電性樹脂チューブは、高い帯電能力を有すると共に繰り返し連続使用に耐える強度、特に耐クリープ性を備え、該導電性樹脂チューブを装着してなる導電性ローラを用いた画像形成装置によれば、長期間の使用においても不良がなく良好な画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の導電性ローラの一構成例を示す概略断面図である。
【図2】加圧現像法による電子写真装置の一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1現像ローラ
2シャフト
3弾性層(導電体)
4トナー塗布ローラ
5感光ドラム
6トナー(非磁性一成分現像剤)
7成層ブレード
8転写部
9クリーニング部
10クリーニングブレード
11帯電ローラ
20導電性ローラ
21シャフト
22導電性樹脂チューブ内層(弾性層)
23導電性樹脂チューブ外層
Claims (14)
- 熱可塑性樹脂、導電付与剤および発泡剤を混練してなる内層と、熱可塑性樹脂と導電付与剤を混練してなる外層とを同時に熱溶融押出して得られたことを特徴とする導電性樹脂チューブ。
- 内層と外層とを同時に熱溶融押出し成形後に内層に気泡を発生させて弾性フォーム化したものである請求項1に記載の導電性樹脂チューブ。
- 内層の熱可塑性樹脂が、ポリ(エチレン−酢酸ビニル)共重合樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、ポリ(エーテル−エステル)共重合樹脂およびポリ(エチレン−プロピレン)樹脂から選ばれた少なくとも1種である請求項1又は請求項2に記載の導電性樹脂チューブ。
- 内層の導電付与剤が、電子導電剤及び/又はイオン導電剤である請求項1〜3のいずれかに記載の導電性樹脂チューブ。
- 内層の電子導電剤が、カーボンブラック及び/又は金属酸化物粉体である請求項4に記載の導電性樹脂チューブ。
- 内層の発泡剤が、含窒素化合物である請求項1〜5のいずれかに記載の導電性樹脂チューブ。
- 発泡剤の含窒素化合物が、アゾジカルボンアミド及び/又はヒドラジン誘導体を主成分とする化合物である請求項6に記載の導電性樹脂チューブ。
- 外層の熱可塑性樹脂が、ポリアミド樹脂、ポリ(エチレン−酢酸ビニル)共重合樹脂、アクリルゴム−アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、塩素化ポリエチレン−アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、ブタジエンゴム−アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、エチレンプロピレンゴム−アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、シリコーンゴム−アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂及びポリアルキレンテレフタレート樹脂から選ばれた少なくとも1種である請求項1〜7のいずれかに記載の導電性樹脂チューブ。
- 外層の導電付与剤が、電子導電剤及び/又はイオン導電剤である請求項1〜8のいずれかに記載の導電性樹脂チューブ。
- 外層の電子導電剤が、カーボンブラック及び/又は金属酸化物粉体である請求項9に記載の導電性樹脂チューブ。
- 外層のイオン導電剤が、分子量700〜30000の高分子イオン導電剤である請求項9に記載の導電性樹脂チューブ。
- 請求項1〜11のいずれかに記載の導電性樹脂チューブを装備してなることを特徴とする導電性ローラ。
- 導電性樹脂チューブを装備後に内層に気泡を発生させて弾性フォーム化したものである請求項12に記載の導電性ローラ。
- 請求項12又は請求項13に記載の導電性ローラを装着してなることを特徴とする電子写真装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002167227A JP2004009588A (ja) | 2002-06-07 | 2002-06-07 | 導電性樹脂チューブ及びそれを用いた装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002167227A JP2004009588A (ja) | 2002-06-07 | 2002-06-07 | 導電性樹脂チューブ及びそれを用いた装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004009588A true JP2004009588A (ja) | 2004-01-15 |
Family
ID=30434544
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002167227A Pending JP2004009588A (ja) | 2002-06-07 | 2002-06-07 | 導電性樹脂チューブ及びそれを用いた装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004009588A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008276026A (ja) * | 2007-05-01 | 2008-11-13 | Canon Inc | 帯電部材、プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置 |
JP2009119609A (ja) * | 2007-11-12 | 2009-06-04 | Togawa Sangyo Kk | 樹脂積層チューブ |
JP2019053174A (ja) * | 2017-09-14 | 2019-04-04 | 信越ポリマー株式会社 | 現像ローラ及び画像形成装置 |
-
2002
- 2002-06-07 JP JP2002167227A patent/JP2004009588A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008276026A (ja) * | 2007-05-01 | 2008-11-13 | Canon Inc | 帯電部材、プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置 |
JP2009119609A (ja) * | 2007-11-12 | 2009-06-04 | Togawa Sangyo Kk | 樹脂積層チューブ |
JP2019053174A (ja) * | 2017-09-14 | 2019-04-04 | 信越ポリマー株式会社 | 現像ローラ及び画像形成装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5493529B2 (ja) | 導電性部材、帯電装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 | |
US8538287B2 (en) | Cleaning member for image forming apparatus, charging device, unit for image forming apparatus, process cartridge, and image forming apparatus | |
JP2010181819A (ja) | 帯電部材、帯電装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 | |
JP5459101B2 (ja) | 環状部材、帯電装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 | |
JP2011164399A (ja) | 帯電部材、帯電装置、画像形成装置及びプロセスカートリッジ | |
JP2017015952A (ja) | 導電性部材、帯電装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 | |
JP6164239B2 (ja) | 帯電部材、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 | |
JP2004009588A (ja) | 導電性樹脂チューブ及びそれを用いた装置 | |
EP4184026A1 (en) | Conductive roll, image forming apparatus, and inspection method for conductive roll | |
JP2019012101A (ja) | 導電性部材、帯電装置、転写装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 | |
JP2005148488A (ja) | 画像形成装置部品 | |
JP2006235546A (ja) | 導電性エンドレスベルトおよびこれを用いた画像形成装置 | |
EP4184024A1 (en) | Conductive roller, image-forming device, and method for inspecting conductive roller | |
JP5182447B2 (ja) | 導電性弾性部材及び画像形成装置 | |
JP2000206779A (ja) | トナ―担持体及び画像形成装置 | |
JP6922477B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP3617727B2 (ja) | 帯電部材及び帯電装置 | |
JP2003155354A (ja) | 導電性樹脂チューブ及びローラ | |
JP2000284571A (ja) | 帯電部材及び電子写真装置 | |
JP5768401B2 (ja) | 導電性部材、帯電装置、プロセスカートリッジおよび画像形成装置 | |
JP2010169941A (ja) | 帯電部材、帯電装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 | |
JP2023010026A (ja) | 導電性ロール、転写装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 | |
JP2022178268A (ja) | 導電性ロール、転写装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 | |
JP2023029104A (ja) | 帯電部材、帯電装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 | |
JP2002287467A (ja) | 画像形成装置、プロセスカートリッジ及び帯電部材 |