JP4065542B2 - 電子写真用ローラーの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、支持体と該支持体上の改質された高分子弾性具備し、該高分子弾性体層がポリウレタンよりなる高分子弾性体層であ電子写真用ローラーを製造する方法に関する
電子写真方式を採用した画像形成装置、すなわち電子写真装置には、導電性部材が様々な用途、例えば、帯電部材、現像部材、転写部材などの部材として使用されている。
電子写真感光体に接触配置または近接配置される導電性部材の形状としては、ローラー形状、ブレード形状、ブラシ形状、ベルト形状、フィルム形状、シート形状、チップ形状などが挙げられるが、ローラー形状のもの(すなわち、帯電ローラー、現像ローラー、転写ローラーなど)が多く用いられている。
このような用途に用いられる高分子弾性部材は、トナー、外添剤、紙粉等による汚れにより機能が阻害されることがあった。例えば帯電ローラーの場合、トナー、外添剤、紙粉等が表面に付着すると、その部分は帯電性能が低下し,画像上地汚れが発生する問題があった。
エピクロルヒドリンゴムから構成される弾性層とフッ素樹脂あるいはシリコン樹脂から構成される表面層からなる帯電ローラーに直流電圧のみを印加し、除電手段及びクリーニング手段により清掃された感光体表面を一様に帯電することを特徴とする画像形成装置で、エピクロルヒドリンゴム弾性層上に、エピクロルヒドリンゴム溶液(固形分:2.5wt%)100質量部と溶剤可溶型フッ素樹脂溶液(固形分:10.8wt%)60質量部とシリカ0.6質量部とをトルオールに溶解し、乾燥後の膜厚が20μmとなるように塗布し、表面層を形成した帯電ローラーを備えた画像形成装置では、実使用において、初期から5K枚までは地汚れのない鮮明な画像が得られたが、8K枚時点で非画像部にうっすらしたスジ状の地汚れが発生した。10K枚時点では、かなりはっきりした地汚れとなったので、帯電ローラーをレーザプリンタから取り外したところ、帯電ローラー表面はトナーで汚れており、スジ状にトナーが固着していた。すなわち、帯電ローラー表面にトナーが付着した部分は、帯電性能が低下し、画像上地汚れが発生する。しかしながら、該帯電ローラーは非接着性樹脂を含む表面層を有しているので、トナー付着に対しては、非接着性樹脂を含む表面層を有していない帯電ローラーと比較して有利となる(トナー付着が少ない)が、表面に固着したトナーを除去するには、研磨部材の使用が有効である(例えば特許文献1参照)。
すなわち帯電ローラー表面にフッ素樹脂層を設けても、トナーによる表面汚れの防止は困難であり、研磨装置を設けるなどの煩雑な構成を必要としていた。
また、導電性支持体上にエピクロルヒドリンゴムを主体とする半導電性弾性層を形成した帯電部材において、前記半導電性弾性層上に、フッ素ポリオール、シリコーンポリオールなどとポリイソシアネートとの高分子を主体とする樹脂からなる表面層を設けたことを特徴とする帯電部材(例えば特許文献2参照)の場合、ウレタン樹脂中に存在するブタジエン鎖、フッ素、シロキサンによる汚れ防止効果はあるものの、ウレタン樹脂自体には汚れ防止効果はないので、表面層全体としての効果は少なかった。
特開平07−128958号公報 第8頁 段落番号[0062]〜[0066] 特開平8−101563号公報 第3頁 段落番号[0019]及び[0021]
本発明の目的は、上記欠点を解消した、より汚れが少ない電子写真用ローラーを製造する法を提供することである。
本発明は支持体と該支持体上の改質された高分子弾性体層とを具備し、該高分子弾性体層がポリウレタンよりなる高分子弾性体層である電子写真用ローラーを製造する方法であって、
該高分子弾性体層の改質工程として、下記工程(i)及び(ii):
(i)イソシアネート化合物のイソシアネート基と反応可能なウレタン結合を有しているポリウレタンよりなる高分子弾性体層を用意する工程
(ii)少なくとも1つの末端が疎水基としてのシロキサン基であり且つ他の末端の少なくとも1つがイソシアネート基である第1の化合物を、工程(i)で用意されたポリウレタンよりなる高分子弾性体層の表面に適用し、該イソシアネート基と該ウレタン結合とを反応させる工程
を有し、且つ、
該第1の化合物が、1価のカルビノール変性シロキサンと、2以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネートとから調製されたものである
ことを特徴とする電子写真用ローラーの製造方法である
本発明は、電子写真用ローラーの表面に、化学的に結合された疎水基としてのシロキサン基を配置せしめることによって、静電容量、電気抵抗を最適に制御し、より汚れが少ない電子写真用ローラーを得られる、という効果を奏するものである。
本発明に係る電子写真用ローラーは、例えば像坦持体に当接して使用されるものであり、電子写真装置の様々な用途、例えば、帯電部材、現像部材、転写部材などの部材として使用されている。以下ポリウレタンよりなる高分子弾性層を有する帯電ローラーを例に説明する。
帯電ローラーは、使用例として、像坦持体に当接され、電源と接続してローラーのシャフトにバイアスを印加し、像坦持体を希望の電位に帯電するように設置される。
この帯電ローラーの構成としては、芯金の周囲にポリウレタンよりなる導電性の高分子弾性体層が同心円筒的に形成され、その高分子弾性体層表面は、シロキサン基少なくとも1つの末端有する化合物がイソシアネート基残基を介して表面に結合されている。
リウレタンよりなる導電性の高分子弾性体層は、ポリエーテルポリオール及びポリエステルポリオールのなかから選ばれた少なくとも1つのポリオール、鎖延長剤、架橋剤、イソシアネート、触媒、ポリイソシアネートやポリウレタン製造に常用される助剤などの他、導電性を付与する化合物を混合攪拌し、金型に注入して得られる。ポリエーテルポリオール及びポリエステルポリオールが併用されていてもよい。
当該ポリエーテルポリオールあるいはポリエステルポリオールは、前記帯電ローラーの高分子弾性体層を形成するポリウレタン弾性体を調製し得るものであるならば、どのようなものでもよい。そのポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール−エチレングリコールあるいはそれらのブレンドなどとして知られているポリアルキレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、テトラヒドロフランとアルキレンオキサイドとの共重合ポリオール、それらの各種変性体あるいはそれらのブレンドなどが例示できる。
前記ポリエステルポリオールとしては、アジピン酸等のジカルボン酸とエチレングリコールなどのポリオールとの縮合により得られる縮合系ポエステルポリオール、ラクトン系ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールあるいはそれらのブレンド等が挙げられる。
前記ポリイソシアネートは、ポリウレタン弾性体の調製に際して常用されるものであればどのようなものでもよい。イソシアネート化合物の具体例としては、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)等を挙げることができる。また、プレポリマーに用いる高分子ポリオールの一部を硬化剤に配合するセミプレポリマー法を用いることもできる。
なお、イソシアネート基含有量(NCO%)とは、ウレタン樹脂の原料であるプレポリマーまたはセミプレポリマー100g中に含まれるイソシアネート官能基(NCO、分子量は42として計算する)の質量%であり、以下の式により計算される;
NCO%=(イソシアネート官能基の質量g/100g)×100。
前記、鎖延長剤、架橋剤の具体例としては、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、エチレングリコール、トリメチロールプロパン等を挙げることができる。
なお、高分子ポリオール、イソシアネート化合物及び架橋剤を反応させる際には、ポリウレタン樹脂の形成に用いられる通常の触媒を添加する場合もある。このような触媒の具体例としては、トリエチレンジアミン等の三級アミンを挙げることができる。また、イソシアネートの3量化触媒である、第四級アンモニウム塩、カリウムのカルボン酸塩なども使用できる。
前記導電性を付与する化合物としては、アルカリ金属塩、過塩素酸リチウムなどを用い得る。また、過塩素酸塩の多価アルコール類との錯化合物を用いることも出来る(特許第3209846に記載されています)。
これらの化合物を混合装置にて十分に混合した後、公知の成形方法を使用して、芯金表面に弾性体層を形成させることができる。たとえば、本発明では、公知のワンショット法あるいはプレポリマー法を採用して弾性体層を形成させることができる。
このローラーの高分子弾性体層の表面を疎水基(シロキサン基)で覆う方法として、本発明では、該高分子弾性体層中のウレタン結合が有するイソシアネート基との反応性を利用した下記(1)の方法を用いる:
(1)少なくとも1つの末端が疎水基としてのシロキサン基であり且つ他の末端の少なくとも1つがイソシアネート基である第1の化合物を、該高分子弾性体層の表面に適用し、該第1の化合物のイソシアネート基と高分子弾性体層中のウレタン結合の活性水素とを反応せしめること。
イソシアネート基は反応性に富み、水酸基やウレタン結合の活性水素にウレタン結合やアロハネート結合を形成することが知られている。また、大気中などに存在する水分と反応し尿素結合やビュウレット結合を生成することが知られている。本発明は、イソシアネート基から誘導されるこれらの反応生成物を含む高分子弾性層の表面が高硬度、高抵抗になること、イソシアネート基の残基を介して化学結合された疎水基としてのシロキサン基で覆われた該高分子弾性層表面がトナー、外添剤、紙粉等が付着することを防止できることを見いだしたことに基づいて完成されたものである。
前記(1)の方法に係る、少なくとも1つの末端が疎水基としてのシロキサン基であり且つ他の末端の少なくとも1つがイソシアネート基である第1の化合物は、以下のように調製することができる
なわち、1価のカルビノール変性シロキサン2以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート適度な割合反応させることにより得られる。ここで2個のイソシアネート基を有する化合物としては、例えば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、m−フェニレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどを挙げることができる。更に、3個のイソシアネート基を有する化合物としては、例えば4,4,4−トリフェニルメタントリイソシアネート、2,4,4−ビフェニルトリイソシアネート、2,4,4−ジフェニルメタントリイソシアネート等を挙げることができる。
また、1価のカルビノール変性シロキサンとしては、例えば、信越化学社製の商品名:X−22−170BX(水酸基価=17.9mgKOH/g)や、信越化学社製の商品名:X−22−170DX(水酸基価=12.7mgKOH/g)などを例示することができる。
混合する割合としては、混合して、ポリイソシアネートのイソシアネート基と、カルビノール変性シロキサンの活性水素を有する官能基である水酸基とが反応した後、イソシアネート基が残存していることが必要である。ポリイソシアネートのモル数をm(NCO)イソシアネート基の平均官能数をf(NCO)、1価のカルビノール変性シロキサンのモル数をm(H)、1価のカルビノール変性シロキサンの平均官能数をf(H)とすると1<f(NCO)×m(NCO)/m(H)/f(H)≦5であることが望ましい。f(NCO)×m(NCO)/m(H)f(H)が1以下では、イソシアネート基を持たない化合物ができ、ローラーとシロキサン基を結合できにくくなり、5以上では、残留ポリイソシアネートが多くなり、シロキサン成分が不足し、ローラー表面を覆うことが難しくなるからである。
前記(1)の方法の具体的な例としては、当該第1の化合物を高分子弾性体層中に含浸処理させる方法が挙げられる。より具体的には、例えば、該高分子弾性体層の表面を前記第1の化合物を含む液体(イソシアネート処理液)に接触させて含浸し、その後表面に残留した化合物を溶剤洗浄などにより除去した後、硬化することによって行われる。前記高分子弾性体層を前記イソシアネート処理液に接触させて含浸する方法としては浸漬、スプレーコート法、ロールコート法等が例示できる。その際、加圧するといっそう効果的である。このイソシアネート処理液に前記高分子弾性体を浸漬する場合について、さらに具体的な処理条件を説明すると、処理液の温度は、使用するイソシアネートの融点温度以上から100℃までが好ましい、特に40℃ないし90℃に設定しておくことが好ましい。
浸漬する時間は、イソシアネートの種類にもよるが、1分以内、好ましくは30秒以内、より好ましくは1秒以上10秒以下がよい。この範囲であれば、高分子弾性体層が膨張し、変形したりすることを有効に抑制することができる。
弾性体表面に残留するイソシアネートを洗浄・除去する溶剤としては、当該イソシアネート化合物の溶媒を用いることが好ましい。トルエンなど該イソシアネート化合物の良溶媒を用いてもよいが、そのような溶剤による洗浄、除去過程において、高分子弾性体層中に含浸されたイソシアネート化合物が希釈されたり、抽出されたりして、該高分子弾性体層中のイソシアネート化合物の密度、ひいては改質後の高分子弾性体層の表件硬度の低下を招くことがある。貧溶剤での洗浄、除去により、表面に付着しているイソシアネート化合物は微粒子となり、高分子弾性体層表面から剥離し、高分子弾性体層内に含浸されたイソシアネートは希釈されたり抽出されたりすることはなく、高密度な改質処理ができる。含浸されたイソシアネートを高分子弾性体層内に固定し、硬化させる方法としては、湿気、蒸気、煮沸などの方法が例示できる。好ましくは、そのイソシアネートの凝固点以下の温度に冷却して、その後雰囲気の水分により硬化させる方法が好ましい。
この表面処理によって、得られる帯電ローラーの改質は、その表面から深さ1mm程度以内、特にはその表面から深さ10〜500μm程度以内で行われていることが好ましい。
このようにしてローラーの表面を疎水基としてのシロキサン基で覆うことができる。
一方、処理面を切断してビデオマイクロで観察すると、含浸部分が白く見える。さらに拡大してみると、含浸されたイソシアネートが粒状に散在しており、その粒径、分散の密度は、ウレタン弾性体基材のハードセグメントとソフトセグメントの比率、含浸時間・温度により変化し、その条件設定により、粒径、分散の密度を制御できることが分かった。
本発明の帯電ローラーの弾性体層は、表面処理前で1×10Ω〜1×10Ωであり、表面処理後で1×10Ω〜1×1010Ωである。弾性体層の表面平均粗さを10μm以下に調整することが好ましい。ローラーの表面が粗く、特にローラーの表面平均粗さが10μmを超えると、トナーや外添剤が蓄積と放出を繰り返すようになり、汚れやすくなる傾向がある。また、抵抗が上記範囲をはずれると、得られる画像の濃度ムラやカブリなどの問題が生じ、良好な画像を得ることができなくなる。かくして得られた帯電ローラーは、例えば感光体の表面に接触させることにより、感光体の表面を帯電させる。前記感光体としては、自体公知の各種の感光体があるが、特に有機感光体が好適である。
以下、実施例により本発明をより一層詳細に説明する。
参考例1]
数平均分子量2000のPPG系ポリエーテルポリオール(商品名:Diol−2000、三井武田ケミカル社製)と4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(商品名:ミリオネートMT、日本ポリウレタン社製)よりNCO%が5.5%のプレポリマーを製造した。数平均分子量2000のPPG系ポリエーテルポリオール88質量部(商品名:Diol−2000、三井武田ケミカル社製)と、1,4−ブタンジオールとトリメチロールプロパンの混合物(質量比で65:35)12質量部、ウレタン化触媒{酢酸カリウム(日本乳化剤株式会社製、商品名P15)を全体の500ppmとなる量と、反応性アミン触媒(日本乳化剤株式会社製、商品名PC17)を全体の2000ppmとなる量。}、過塩素酸リチウム錯化合物(LiClOとCHCHOCHCHOHとの3:7の質量比の錯化合物)を全体の6.6%となるように添加して混合分散した架橋剤を水酸基/イソシアネート基のモル比が0.95になるように混合し、この混合物を、予めシャフト(φ:6mm、l:255mm)が配置されている130℃に予熱された金型に注入し、130℃にて10分間加熱し、両端部を除くシャフト表面に、導電性ポリウレタン弾性体層が形成されたφ8.5mmのローラーを得た。このロールの硬度は68°(JIS A)であり、30℃/80%RH環境で200Vの電圧を印加して測定したローラー抵抗値は4.0×10Ωであった。
〈表面処理〉
このローラーを、80℃のオクタデシルイソシアネート(商品名:ミリオネートO、保土ヶ谷化学社製)に45秒間浸漬し、引き上げ、表面に残留するオクタデシルイソシアネートを、貧溶剤であるナフテン系洗浄剤(商品名:アクトレル1140L;エクソン化学社製)を染み込ませたスポンジで拭いて除去した。その後速やかに25℃で放置して冷まし、30℃/80%RHの環境下で2日間放置した。こうして得られた表面の改質処理がなされた高分子弾性体層を備えた電子写真用ローラーの抵抗は6.5×10Ωであった。
・帯電ローラーに直流電圧のみを印加した際の帯電均一性評価
図2に示す構成の電子写真装置に、帯電ローラーとして上記電子写真用ローラーを取り付け、温度30℃、湿度80%RHの環境下において、ハーフトーン画像を出力した。本参考例において使用する電子写真装置は、94mm/s及び30mm/sのプロセススピードを有する。また、このとき、電子写真感光体1の表面電位Vdは、−600Vとなるように各環境において印加電圧を調節して画像を出力した。画像レベルランクは2であった。その結果を表1に示す。
表中の画像レベルは、ランク1が非常に良い、ランク2は良い、ランク3はハーフトーン画像上微かにスジ及びポチ状の画像欠陥がある、ランク4はスジ及びポチ状の画像欠陥が目立つ、というレベルである。
更に、同じ条件下でコピーを続けたところ、A4で30,000枚まで良好な画像が得られた。
[比較例1]
参考例1の表面処理において、ローラーを、80℃のオクタデシルイソシアネートに45秒間浸漬する代わりに、80℃の4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(商品名:ミリオネートMT、日本ポリウレタン社製)に20秒間浸漬し、余分な4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを、アクトレル1140Lを染み込ませたスポンジで拭いて除去した。その後速やかに25℃に冷却し、30℃/80%RH環境下で2日間放置した。その他は同様に行った。
得られた表面処理ローラーの抵抗は5.9×10Ωであった。
画像レベルランクは2であった。
更に、同じ条件下でコピーを続けたところA4で20,000枚まで良好な画像が得られた。
しかしその後は、画像に縦筋が現れたため、ローラーを取り外して観察したところ、トナー及び外添剤がローラー表面に筋状に付着しており、これが原因となって画像不良となったことが判明した。
[実施例
窒素雰囲気下80℃で25g(0.1モル、官能数2)の4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートにカルビノール変性シロキサン(製品名X−22−170DX、水酸基価=12.7mgKOH/g[分子量は約2327]、信越化学社製)442g(0.1モル、官能数1、シロキサン基の分子量は約2200)を攪拌しながらゆっくり滴下し、その後80℃で6時間放置し、室温まで冷却した。f(NCO)×m(NCO)/m(H)f(H)=1とした。イソシアネート含量18%の乳白色液体が得られた。
参考例1の表面処理において、ローラーを、80℃のオクタデシルイソシアネートに45秒間浸漬する代わりに、前記の乳白色液体(イソシアネート処理にこのローラーを60秒間浸漬し、次いで引き上げ、次いで表面に残留する液を、貧溶剤であるアクトレル1140L(エクソン社製)を染み込ませたスポンジで拭いて除去した。その後速やかに25℃で放置して冷まし、30℃/80%RHの環境下で2日間放置した。得られた電子写真用ローラーの抵抗は7.4×10Ω(30℃/80%RH)であった。以降の実験、評価は、参考例1と同様に行った。その結果、画像レベルは1であった。更に、同じ条件下でコピーを続けたところ、A4で35000枚まで良好な画像が得られた。
参考
窒素雰囲気下80℃で250g(1モル、官能数2)の4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートにウレタン化触媒(日本乳化剤株式会社製、商品名NC−IM)50mgを添加し、オクタフルオロペンタノール(製品名OFPO、分子量=232、旭硝子社製)232g(1モル、官能数1)を攪拌しながらゆっくり滴下し、その後80℃で6時間放置し、室温まで冷却した。f(NCO)×m(NCO)/m(H)f(H)=1とした。イソシアネート含量17%の乳白色液体が得られた。
参考例1の表面処理において、ローラーを、80℃のオクタデシルイソシアネートに45秒間浸漬する代わりに、前記の80℃のイソシアネート液にこのローラーを60秒間浸漬し、次いで引き上げ、次いで表面に残留する液を、アクトレル1140Lを染み込ませたスポンジで拭いて除去した。その後速やかに25℃で放置して冷まし、30℃/80%RHの環境下で2日間放置した。得られた表面処理ローラーの抵抗は7.0×10Ω(30℃/80%RH)であった。その他は同様に行った。
画像レベルは1であった。更に、同じ条件下でコピーを続けたところ、A4で30000枚まで良好な画像が得られた。
参考
参考例1の表面処理において、ローラーを、80℃のオクタデシルイソシアネートに45秒間浸漬する代わりに、80℃の4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(商品名:ミリオネートMT、日本ポリウレタン社製)に10秒間浸漬し、その後ウレタン化触媒(日本乳化剤株式会社製、商品名NC−IM)50mgを添加した80℃のオクタフルオロペンタノールに3分間浸漬し、引き上げ、その後速やかに25℃で放置して冷まし、30℃/80%RHの環境下で2日間放置した。得られた表面処理ローラーの抵抗は6.9×10Ωであった。その他は同様に行った。
画像レベルは1であった。更に、同じ条件下でコピーを続けたところ。A4で30000枚まで良好な画像が得られた。
子写真用ローラーの一例を示す概略図である。 子写真装置の一例を示す概略構成図である。
符号の説明
1 電子写真感光体
2 帯電部材(帯電ローラー)
2a 支持体(導電性支持体)
2b 弾性層
2c 抵抗層
2d 表面
3 像露光手段
4 現像手段
4a トナー担持体
4b 撹拌部材
4c トナー規制部材
5 転写手段
6 クリーニング手段
L レーザー光
S1,S2,S3 バイアス印加電源
P 転写材

Claims (4)

  1. 支持体と該支持体上の改質された高分子弾性体層とを具備し、該高分子弾性体層がポリウレタンよりなる高分子弾性体層である電子写真用ローラー製造する方法であって、
    該高分子弾性体層の改質工程として下記工程(i)及び(ii)
    (i)イソシアネート化合物のイソシアネート基と反応可能なウレタン結合を有しているポリウレタンよりなる高分子弾性体層を用意する工
    (ii)なくとも1つの末端が疎水基としてのシロキサン基であり且つ他の末端の少なくとも1つがイソシアネート基である第1の化合物を、工程(i)で用意されたポリウレタンよりなる高分子弾性体層の表面に適用し、該イソシアネート基と該ウレタン結合とを反応させる工程
    を有し、且つ、
    該第1の化合物が、1価のカルビノール変性シロキサンと、2以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネートとから調製されたものである
    ことを特徴とする電子写真用ローラーの製造方法
  2. 前記工程(ii)が、前記第1の化合物を前記ポリウレタンよりなる高分子弾性体層の表面から含浸させる工程を含む請求項に記載の電子写真用ローラーの製造方法。
  3. 前記2以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネートが、2個のイソシアネート基を有する化合物である請求項1又は2に記載の電子写真用ローラーの製造方法。
  4. 前記2以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネートが、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートである請求項1又は2に記載の電子写真用ローラーの製造方法。
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