JP2003248353A - 電子写真用ベルト及び電子写真用ベルトを用いた画像形成装置 - Google Patents

電子写真用ベルト及び電子写真用ベルトを用いた画像形成装置

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JP2003248353A
JP2003248353A JP2002049848A JP2002049848A JP2003248353A JP 2003248353 A JP2003248353 A JP 2003248353A JP 2002049848 A JP2002049848 A JP 2002049848A JP 2002049848 A JP2002049848 A JP 2002049848A JP 2003248353 A JP2003248353 A JP 2003248353A
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JP
Japan
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belt
treatment agent
surface treatment
rigid body
molding
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Application number
JP2002049848A
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English (en)
Inventor
Tsunenori Ashibe
恒徳 芦邊
Hidekazu Matsuda
秀和 松田
Atsushi Tanaka
篤志 田中
Yuji Sakurai
有治 櫻井
Takashi Kusaba
隆 草場
Ryota Kashiwabara
良太 柏原
Hiroyuki Kobayashi
廣行 小林
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】初期から耐久終期に至るまで安定した、高い転
写効率の電子写真用ベルトを得る。 【解決手段】円筒状剛体の内側に成形収縮率(S)が
0.1%以上4%以下である熱可塑性樹脂を溶融接触さ
せて電子写真用ベルトを成形する。該円筒状剛体の内側
の表面粗さRzは0.1μm以上3μm以下とする。該
円筒状剛体の表面に表面処理剤を塗布したのち該成形を
行うことで、ベルト表面に該表面処理剤を転写させ該表
面処理剤を担持させる。熱可塑性樹脂としてポリカーボ
ネートがあり、表面処理剤としてシリコーンオイルが挙
げられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明の画像形成装置に用い
られる電子写真用ベルト、特に第1の画像担持体上に形
成されたトナー像を、一旦中間転写ベルトに転写させた
後、更に転写させ画像形成物を得る電子写真画像形成装
置に用いる中間転写ベルトおよび、第1の像担持体上に
形成されたトナー像を、第2の像担持体に静電的に転写
させ画像形成物を得る電子写真画像形成装置に用いる転
写ベルトに関し、さらには該電子写真用ベルトを用いた
画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真用ベルトとしては、中間転写ベ
ルトや転写ベルト等があり、その一例について以下に記
す。
【0003】中間転写ベルトを使用した画像形成装置
は、カラー画像情報や多色画像情報の複数の成分色画像
を順次積層転写してカラー画像や多色画像を合成再現し
た画像形成物を出力するカラー画像形成装置や多色画像
形成装置、又はカラー画像形成機能や多色画像形成機能
を具備させた画像形成装置として有効である。
【0004】中間転写ベルトを用いた画像形成装置の一
例の概略図を図1に示す。
【0005】図1は電子写真プロセスを利用したカラー
画像形成装置(複写機あるいはレーザービームプリンタ
ー)である。中間転写ベルト20には中抵抗の弾性体を
使用している。
【0006】1は第1の画像担持体として繰り返し使用
される回転ドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラ
ムと記す。)であり、矢示の反時計方向に所定の周速度
(プロセススピード)をもって回転駆動される。
【0007】感光ドラム1は回転過程で、1次帯電器2
により所定の極性・電位に一様に帯電処理され、次いで
不図示の像露光手段3(カラー原稿画像の色分解・結像
露光光学系、画像情報の時系列電気デジタル画素信号に
対応して変調されたレーザービームを出力するレーザー
スキャナによる走査露光系等)による画像露光を受ける
ことにより、目的とするカラー画像の第1の色成分像
(例えば、イエロー色成分像)に対応した静電潜像が形
成される。
【0008】次いで、その静電潜像が第1の現像器(イ
エロー色現像器41)により第1色であるイエロートナ
ーYにより現像される。この時第2〜第4の現像器(マ
ゼンタ色現像器42、シアン色現像器43、ブラック色
現像器44)の各現像器は作動−オフになっていて、感
光ドラム1には作用せず、上記第1色のイエロートナー
画像は上記第2〜第4の現像器により影響を受けない。
【0009】中間転写ベルト20は時計方向に感光ドラ
ム1と同じ周速度をもって回転駆動されている。
【0010】感光ドラム1上に形成担持された上記第1
色のイエロートナー画像が、感光ドラム1と中間転写ベ
ルト20とのニップ部を通過する過程で、1次転写ロー
ラ62から中間転写ベルト20に印加される1次転写バ
イアスにより形成される電界により、中間転写ベルト2
0の外周面に順次中間転写(1次転写)されていく。
【0011】中間転写ベルト20に対応する第一色のイ
エロートナー画像の転写を終えた感光ドラム1の表面
は、クリーニング手段13により清掃される。
【0012】以下、同様に第2色のマゼンタトナー画
像、第3色のシアントナー画像、第4色のブラックトナ
ー画像が順次中間転写ベルト20上に重ね合わせて転写
され、目的のカラー画像に対応した合成カラートナー画
像が形成される。
【0013】63は2次転写ローラで、2次転写対向ロ
ーラ64に対応し平行に軸受させて中間転写ベルト20
の下面部に離間可能な状態に配設してある。
【0014】感光ドラム1から中間転写ベルト20への
第1〜第4色のトナー画像の順次重畳転写のための1次
転写バイアスは、トナーとは逆極性(+)であって、バ
イアス電源29から印加される。その印加電圧は例えば
+100V〜2kVの範囲である。
【0015】感光ドラム1から中間転写ベルト20への
第1〜第3色のトナー画像の1次転写工程において、2
次転写ローラ63は中間転写ベルト20から離間するこ
とも可能である。
【0016】中間転写ベルト20上に転写された合成カ
ラートナー画像の第2の画像担持体である転写材Pへの
転写は、2次転写ローラ63が中間転写ベルト20に当
接されると共に、給紙ローラ11から転写材ガイド10
を通って、中間転写ベルト20と2次転写ローラ63と
の当接ニップに所定のタイミングで転写材Pが給送さ
れ、2次転写バイアスが電源28から2次転写ローラ6
3に印加される。この2次転写バイアスにより中間転写
ベルト20から第2の画像担持体である転写材Pへ合成
カラートナー画像が転写(2次転写)される。トナー画
像の転写を受けた転写材Pは定着器15へ導入され加熱
定着される。
【0017】転写材Pへの画像転写終了後、中間転写ベ
ルト20にはクリーニング用帯電部材7が当接され、感
光ドラム1とは逆極性のバイアスを印加することによ
り、転写材Pに転写されずに中間転写ベルト20上に残
留しているトナー(転写残トナー)に感光ドラム1と逆
極性の電荷が付与される。26はバイアス電源である。
【0018】前記転写残トナーは、感光ドラム1とのニ
ップ部及びその近傍において感光ドラム1に静電的に転
写され、中間転写ベルトがクリーニングされる。
【0019】前述の中間転写ベルトを用いた画像形成装
置を有するカラー電子写真装置は、従来の技術である転
写ドラム上に第2の画像担持体を張り付けまたは吸着せ
しめ、そこへ第1の画像担持体上から画像を転写する画
像形成装置を有したカラー電子写真装置、例えば特開昭
63−301960号公報中で述べられたような転写装
置と比較すると、第2の画像担持体である転写材に、な
んらの加工、制御(例えばグリッパーに把持する、吸着
する、曲率を持たせる等)を必要とすることなく、中間
転写ベルトから画像を転写することができ、封筒、ハガ
キ、ラベル紙等、薄い紙(40g/m2紙)から厚い紙
(200g/m2紙)まで、幅の広狭、長さの長短、あ
るいは厚さの厚薄によらず、第2の画像担持体を多種多
様に選択することができるという利点を有している。
【0020】このような利点のため、すでに市場におい
ては中間転写ベルトを用いたカラー複写機、カラープリ
ンター等が稼動し始めている。
【0021】次に転写ベルトを用いた画像形成装置の一
例の概略図を図2に示す。
【0022】図2に示された画像形成装置は、色分解像
重ね合せ転写方式のカラー画像形成装置の一つの型式と
して、複数の感光体に夫々異なる色のトナー像を形成
し、この各感光体に順次接触して搬送される1枚の転写
材に位置を合せて、各感光体上のトナー像を転写し、フ
ルカラー画像を得るようにしたものである。
【0023】図2に示された画像形成装置は、転写装置
本体320内の上部に電子写真プロセス手段として4つ
の画像形成部I,II,III ,IVを並設しており、各画像
形成部I〜IVは、像担持体としての感光ドラム301
Y、301M,301C,301BK、一次帯電器とし
ての一次帯電ローラ302Y,302M,302C,3
02BK、露光部303Y,303M,303C,30
3BK、現像器304Y,304M,304C,304
BK及びクリーナ305Y,305M,305C,30
5BKを含んで構成されている。尚、現像器304Y,
304M,304C,304BKにはそれぞれイエロー
(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(B
K)のトナーが収容されている。
【0024】又、上記画像形成部I〜IVの下方には転写
装置310が設けられており、該転写装置310は、駆
動ローラ311と従動ローラ312及びテンションロー
ラ313の間に張設された無端状の転写ベルト314
と、各画像形成部I〜IVの感光ドラム301Y,301
M,301C,301BKにそれぞれ対向して配置され
た転写帯電器315Y,315M,315C,315B
Kを含んで構成されている。
【0025】他方、装置本体320内の底部には、記録
媒体として複数枚の記録紙Pを積層収容して成るカセッ
ト306が設置されており、該カセット306内の記録
紙Pは給紙ローラ307によって1枚ずつ送り出され、
搬送ガイド308を経てレジストローラ309まで搬送
される。
【0026】そして、転写装置本体320内の上記記録
紙Pの搬送方向下流側には分離帯電器316及び定着器
317が配設されており、転写装置本体320の外には
排紙トレイ318が取り付けられている。
【0027】そして、各画像形成部I〜IVにおいては、
感光ドラム301Y,301M,301C,301BK
が時計方向に所定の速度で回転駆動され、これらは一次
帯電器302Y,302M,302C,302BKによ
ってそれぞれ一様に帯電処理される。このように帯電処
理された各感光ドラム301Y,301M,301C,
301BKに対して画像情報に応じた露光が露光部30
3Y,303M,303C,303BKによってなされ
ると、各感光ドラム301Y,301M,301C,3
01BKには静電潜像が形成され、各静電潜像は各現像
器304Y,304M,304C,304BKによって
現像されてイエロートナー像、マゼンタトナー像、シア
ントナー像及びブラックトナー像としてそれぞれ顕像化
される。
【0028】一方、前述のようにカセット306から搬
送ガイド308を経てレジストローラ309まで搬送さ
れた記録紙Pは、レジストローラ309によってタイミ
ングを合わされて転写装置310に送り出され、該転写
装置310の転写ベルト314に吸着されてこれと共に
移動して各画像形成部I〜IVを通過し、その過程で該記
録紙Pには転写帯電器315Y,315M,315C,
315BKの作用によってイエロートナー像、マゼンタ
トナー像、シアントナー像及びブラックトナー像が重ね
て転写される。
【0029】そして、上述のように各カラートナー像の
転写を受けた記録紙Pは、分離帯電器316によって除
電されて転写ベルト314から分離された後、定着器3
17に搬送されてカラートナー像の加熱定着を受け、最
後に転写装置本体320から排出されて排紙トレイ31
8上に積載される。
【0030】前記転写ベルトによるカラー画像形成装置
は、転写紙を各記録装置に順次搬送しながら各色画像を
重畳転写するため、1工程でカラー画像が形成されるの
で、画像出力時間が速いという利点がある。
【0031】このような利点のため、すでに市場におい
ては転写ベルトを用いたカラー複写機、カラープリンタ
ー等が移動し始めている。
【0032】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの中間
転写ベルトや転写ベルト等の電子写真用ベルトを用いた
カラー電子写真装置は、前記の利点を充分に生かし、ユ
ーザーに対して真に期待され、かつ満足を与える装置と
して機能しているのであろうか。それは否である。これ
らの中間転写ベルトや転写ベルトを用いた画像形成装置
を提供する場合、次のような克服すべき問題点を未だ有
している。
【0033】中間転写ベルトまたは転写ベルトは特開平
2−213881号公報や特開平7−325490号公
報に見られるように転写効率の低下防止のためにベルト
表面に離型効果のある潤滑剤を塗布しているが、特開平
2−213881号公報の場合は塗布するだけであり、
耐久することで容易に潤滑剤がはがれてしまい、耐久性
に乏しいものであった。また特開平7−325490号
公報の場合は常に潤滑剤を供給しているので耐久性はあ
るものの、供給装置が大掛かりなものになり、コスト高
になったり、装置が大型化するなどの欠点を有したりし
ていた。このことから画質上やコスト上満足な製品を作
ることが困難となってしまうことがあった。
【0034】しかるに本発明者等は、前述の問題を解決
した、従来と異なる新規な電子写真用ベルト及び画像形
成装置を提案するものである。本発明の目的は、電子写
真用ベルトの転写時、高い転写効率を持続して有し、か
つ外部の潤滑剤供給手段を具備することなく、高い転写
効率を有した、高品質の中間転写ベルト及び転写ベルト
を提供することにある。
【0035】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、最終的
に得られる電子写真用ベルトの成形収縮率(S)が0.
1%以上4%以下となる原材料としての熱可塑性樹脂を
主原料としたコンパウンドを円筒状剛体の内側に溶融接
触させることで成形され、該円筒状剛体の内側の表面粗
さRzは0.1μm以上3μm以下であり、かつ該円筒
状剛体の表面に表面処理剤を塗布したのち成形を行うこ
とで、ベルト表面に該表面処理剤を転写させ該表面処理
剤を担持させる電子写真用ベルトである。
【0036】また本発明は、最終的に得られる電子写真
用ベルトの成形収縮率(S)が0.1%以上4%以下と
なる熱可塑性樹脂を主原料としたコンパウンドを用いた
円筒状剛体の内側に予め該円筒状剛体の直径より小さ
い、円筒状に形成された、円筒体を少なくとも直径方向
に加熱拡大押圧接触させることで成形され、少なくとも
ベルト表面に当接する該円筒状剛体の表面に表面処理剤
を塗布したのち該成形を行うことで、該ベルト表面に該
表面処理剤を転写させ該表面処理剤を担持させる電子写
真用ベルトである。
【0037】また本発明は、最終的に得られる電子写真
用ベルトの成形収縮率(S)が0.1%以上4%以下と
なる熱可塑性樹脂を主原料としたコンパウンドを用いた
円筒状剛体の内側に予め該円筒状剛体の直径より小さ
い、円筒状に形成された、円筒体を少なくとも直径方向
に加熱拡大押圧接触させることで成形され、少なくとも
該円筒体の表面にベルト成形前に表面処理剤を塗布した
のち該成形を行うことで、ベルト表面に表面処理剤を担
持させる電子写真用ベルトである。
【0038】また、本発明は前記発明に従って得られた
電子写真用ベルトを有する画像形成装置である。
【0039】
【発明の実施の形態】すなわち、電子写真用ベルトにお
いて、該電子写真用ベルトの成形収縮率(S)が0.1
%以上4%以下となる熱可塑性樹脂を主原料としたコン
パウンドを円筒状剛体の内側に溶融接触させることで成
形を行う方法において、該円筒状剛体の内側の表面粗さ
Rzは0.1μm以上3μm以下とし、かつ該円筒状剛
体の表面に表面処理剤を塗布したのち該成形を行うこと
で、ベルト表面に該表面処理剤を転写させ該表面処理剤
を担持させることにより達成することができる。
【0040】すなわち該円筒状剛体の表面に予め表面処
理剤を塗布することで、成形時に加熱された状態で表面
処理剤が転写されると、樹脂が溶融状態であるので樹脂
と表面処理剤の密着性が高まり、さらに、成形収縮率
(S)が0.1%以上4%以下となる熱可塑性樹脂コン
パウンドを用いることで収縮時に表面処理剤が吸着さ
れ、表面処理剤の密着性がさらに高まり、さらに表面粗
さRzは0.1μm以上3μm以下としたので、円筒状
剛体側に表面処理剤が転写されにくく、ベルト側に多く
表面処理剤が転写されるのである。
【0041】この転写された表面処理剤によって、初期
から転写効率が高く、クリーニング性が高く、さらには
トナーの融着が少なくなり、また、密着性が高いのでベ
ルト寿命まで効果が持続するのである。またさらなる効
果として、表面処理剤の使用によって、円筒状剛体から
の脱型も容易になるのである。
【0042】もしくは、電子写真用ベルトにおいて、該
電子写真用ベルトの成形収縮率(S)が0.1%以上4
%以下となる熱可塑性樹脂を主原料としたコンパウンド
からなる円筒状剛体の内側に予め該円筒状剛体の直径よ
り小さい、円筒状に形成された、円筒体を少なくとも直
径方向に加熱拡大押圧接触させることで成形される方法
において、該円筒状剛体の内側の表面粗さRzは0.1
μm以上3μm以下とし、少なくともベルト表面に当接
する該円筒状剛体の表面に表面処理剤を塗布したのち該
成形を行うことで、ベルト表面に該表面処理剤を転写さ
せ該表面処理剤を担持させることにより達成することが
できる。
【0043】すなわち該円筒状剛体の表面に予め表面処
理剤を塗布し、成形時に加熱された状態で拡大押圧接触
することで表面処理剤が転写されるので、樹脂と表面処
理剤の密着性は押圧により高まり、さらに、成形収縮率
(S)が0.1%以上4%以下となる熱可塑性樹脂コン
パウンドを用いることで収縮時に表面処理剤が吸着さ
れ、表面処理剤の密着性が高まり、さらに表面粗さRz
は0.1μm以上3μm以下としたので、円筒状剛体側
に表面処理剤が転写されにくく、ベルト側に多く表面処
理剤が転写されるのである。
【0044】この転写された表面処理剤によって、初期
から転写効率が高く、クリーニング性が高く、さらには
トナーの融着が少なくなり、また、密着性が高いのでベ
ルト寿命まで効果が持続するのである。またさらなる効
果として、表面処理剤の使用によって、円筒状剛体から
の脱型も容易になるのである。
【0045】もしくは、電子写真用ベルトにおいて、該
電子写真用ベルトの成形収縮率(S)が0.1%以上4
%以下となる熱可塑性樹脂を主原料としたコンパウンド
からなる円筒状剛体の内側に予め該円筒状剛体の直径よ
り小さい、円筒状に形成された、円筒体を少なくとも直
径方向に加熱拡大押圧接触させることで成形される方法
において、該円筒状剛体の内側の表面粗さRzは0.1
μm以上3μm以下とし、少なくとも該熱可塑性樹脂コ
ンパウンドからなる円筒体の表面にベルト成形前に表面
処理剤を塗布したのち該成形を行うことで、ベルト表面
に該表面処理剤を担持させることにより達成することが
できる。
【0046】すなわち成形収縮率(S)0.1%以上4
%以下の熱可塑性樹脂を主原料としたコンパウンドから
なる円筒状剛体の内側に予め該円筒状剛体の直径より小
さい、円筒状に形成された、円筒体表面にベルト成形前
に表面処理剤を塗布したのち該成形を行うことで、該円
筒状剛体の内側表面に表面処理剤を塗布するよりさらに
多くの表面処理剤が担持されるのである。さらに成形時
に加熱された状態で拡大押圧接触することで表面処理剤
が転写され、樹脂と表面処理剤の密着性が押圧により高
まり、さらには、表面粗さRzは0.1μm以上3μm
以下としたので、円筒状剛体側に表面処理剤が転写され
にくく、より多くの該表面処理剤が担持されるのであ
る。
【0047】この担持された表面処理剤によって、初期
から転写効率が円筒状剛体に表面処理剤を塗布する場合
よりさらに高く、クリーニング性が円筒状剛体に表面処
理剤を塗布する場合よりさらに高く、さらにはトナーの
融着が円筒状剛体に表面処理剤を塗布する場合よりさら
に少なくなり、また、密着性が高いのでベルト寿命まで
効果が持続するのである。またさらなる効果として、表
面処理剤の使用によって、円筒状剛体からの脱型も容易
になるのである。
【0048】また、成形収縮率(S)が0.1%未満の
場合は、成形収縮率(S)が低いことによって表面処理
剤の密着性が低くなり好ましくない。
【0049】また、成形収縮率(S)が4%より大きい
場合、成形収縮率(S)が大きすぎることにより密着さ
れずに表面処理剤の収縮剥がれが発生し好ましくない。
【0050】本発明の成形収縮率(S)は、主原料とな
る熱可塑性樹脂そのものではなく、成形されたベルトを
測定したものであり、その測定方法として、長手方向
(ベルトの周方向に対して直角の方向)の長さを150
℃のオーブンに30分放置したときの測定した値をTと
し、その後23℃で12時間放置したときの長手方向長
さをLとして以下の式で算出したものである。
【0051】S = 100−((L/T)・100) このように樹脂単体の成形収縮率でないのは、最終的に
使用される樹脂コンパウンドは、その組成によって結晶
化度が変わったりすることがあり樹脂単体の成形収縮率
とは異なる場合があるからである。
【0052】また表面粗さRzが0.1μm未満の場合
は非常に平滑な面であるので、表面処理剤が円筒状剛体
表面に密着しすぎるためベルト側に転写されにくくなり
好ましくない。
【0053】また表面粗さRzが3μmより大きい場合
は荒れた面であるので、この場合は表面処理剤が荒れた
表面に引っかかる状態となり、表面処理剤が円筒状剛体
表面に保持されてベルト側に転写されにくくなり好まし
くない。
【0054】以上のように表面粗さRzは0.1μm以
上3μm以下の範囲でないと表面処理剤が十分にベルト
表面に担持されないため本発明の効果が得られない。
【0055】本発明に用いられる熱可塑性樹脂を主原料
としたコンパウンドとしては前記のとおり成形収縮率
(S)が0.1%以上4%以下であれば何でもよく、例
えば、主原料である熱可塑性樹脂としては、低密度ポリ
エチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチ
レン、ポリプロピレン(ホモ、ブロック共重合体、ラン
ダム共重合体)、ポリエチレンテレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート、ポリカーボネート、塩化ビニ
ル、ポリスチレン、メタクリル、ポリアミド、塩化ビニ
リデン、エチレン酢ビコポリマー、エチレン−ビニルア
ルコール共重合樹脂、ポリフッ化ビニリデン、熱可塑性
ポリイミド樹脂、ABS樹脂、ポリサルホン、ポリエー
テルサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、各種熱可
塑性エラストマーなどの熱可塑性樹脂が用いられるが、
これに限定されない。上記熱可塑性樹脂は単独で用いて
もよいが、用途に応じて複数の樹脂を混合してもよい。
また、本発明で言う主原料とは、原料配合中の重量比に
おいて、50%以上を占める原料のことである。
【0056】また、本発明のベルトは用途に応じて抵抗
調整してもよく、抵抗調整を行う抵抗調整材として、例
えば、カーボンブラック、黒鉛、アルミニウムドープ酸
化亜鉛、酸化スズ被覆酸化チタン、酸化スズ、酸化スズ
被覆硫酸バリウム、チタン酸カリウム、アルミニウム金
属粉末、ニッケル金属粉末、テトラアルキルアンモニウ
ム塩、トリアルキルベンジル、アンモニウム塩、アルキ
ルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アル
キルサルフェート、グルセリン脂肪酸エステル、ソルビ
タン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミ
ン、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエステル、アル
キルベタイン、過塩素酸リチウム、ポリエーテルエステ
ルアミド、ポリエーテルアミドなどがあげられる。上記
抵抗調整材は単独で用いてもよいが、用途に応じて複数
の抵抗調整材を混合してもよい。
【0057】本発明における円筒状剛体の内側に熱可塑
性樹脂コンパウンドを溶融接触させることで成形を行う
方法としては、インジェクション成形方法、遠心成形方
法などがあるが、これに限らない。
【0058】また、本発明における円筒状剛体の内側に
予め該円筒状剛体の直径より小さい、円筒状に形成され
た、熱可塑性樹脂の円筒体を少なくとも直径方向に加熱
拡大押圧接触させることで成形を行う方法としては、ブ
ロー成形法、延伸ブロー成形法、特開平5−31818
号公報に見られるような熱膨張係数の異なる2種類の金
型を用いて外側円筒状剛体内に、この外側円筒状剛体の
熱膨張係数よりも大きな熱膨張係数を有する内側円筒状
剛体を配設し、この内側円筒体の外周に、予め該円筒状
剛体の直径より小さい、円筒状に形成された、熱可塑性
樹脂の円筒体を配設した状態で、少なくとも内側円筒状
剛体と熱可塑性樹脂の円筒体とを加熱し、この加熱によ
り熱可塑性樹脂の円筒体を軟化させるとともに上記内側
円筒状剛体を膨張させ、この内側円筒状剛体の外周面で
熱可塑性樹脂の円筒体の外周面を外側円筒状剛体の内周
面に圧接させ、上記熱可塑性樹脂の円筒体の外周面に外
側円筒状剛体の内周面を熱圧転写する方法(以下、2重
型成形方法という。)などがあるが、これに限らない。
【0059】本発明に用いる表面処理剤としては、潤滑
剤、界面活性剤などがあるが、転写効率の向上、クリー
ニング性の向上、トナー融着の減少に効果が認められる
ものであれば良く、それらの表面処理剤としては、ジメ
チルシリコーンオイル、フェニルメチルシリコーンオイ
ル、クロロフェニルシリコーンオイル、アルキルシリコ
ーンオイル、フロロシリコーンオイル、ポリオキシアル
キレン変性シリコーンオイル、脂肪酸エステル変性シリ
コーンオイル、メチル水素シリコーンオイル、シラノー
ル基含有シリコーンオイル、アルコキシ基含有シリコー
ンオイル、アセトキシ基含有シリコーンオイル、アミノ
変性シリコーンオイル、カルボン酸変性シリコーンオイ
ル、アルコール変性シリコーンオイル、フッ素オイル、
シロキサンオキシエチレン、メチルシリコーンとアクリ
ルセグメントとの共重合体、シリコーンーポリオキシエ
チレン共重合体、シリコーンーポリオキシアルキレン共
重合体、末端変性シリコーン、ペルフルオロアルキルカ
ルボン酸塩、ペルフルオロアルキルスルホン酸塩、ペル
フルオロアルキルリン酸エステル、ペルフルオロアルキ
ルトリメチルアンモニウム塩、ステアリン酸カルシウ
ム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ス
テアリン酸アルミニウム、ラウリン酸カルシウム、ラウ
リン酸亜鉛、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワ
ックスなどが挙げられるが、これに限らない。これら表
面処理剤は転写性向上のため機能に応じて複数を混合す
ることが望ましい。
【0060】本発明で表面処理剤を塗布する方法として
は、スプレーコート法、ディッピング法、はけ塗り法、
ローラーコート法等があるが、これに限らない。
【0061】また、本発明においては、ベルト表面に表
面処理剤を担持することで効果が得られる。ベルト裏面
側に剛体を有する成形方法の場合、離型のために表面処
理剤と同一または異なる処方の表面処理剤を塗布しても
よい。
【0062】また本発明に用いられる表面粗さはJIS
B0601に基づいて測定されたものである。測定条
件の高域カットオフは0.8mmとし、測定長さは8m
m、測定速度は0.1mm/sとする。
【0063】本発明の中間転写ベルトの電気抵抗測定方
法は以下の通りである。
【0064】<測定機> 抵抗計;超高抵抗計R8340A(アドバンテスト社
製) 試料箱;超高抵抗測定用資料箱TR42(アドバンテス
ト社製) ただし、主電極は直径25mm、ガード・リング電極は
内径41mm、外径49mmとする。
【0065】<サンプル>ベルトを直径56mmの円形
に切断する。切断後、片面はその全面をPt-Pd蒸着膜に
より電極を設け、もう一方の面はPt-Pd蒸着膜により直
径25mmの主電極と内径38mm、外径50mmのガ
ード電極を設ける。Pt-Pd蒸着膜は、マイルドスパッタ
E1030(日立製作所製)で蒸着操作を2分間行うこ
とにより得られる。蒸着操作を終了したものを測定サン
プルとする。
【0066】<測定条件> 測定雰囲気;23℃/55%。なお、測定サンプルは予
め23℃/55%の雰囲気に12時間以上放置してお
く。 測定モード;プログラムモード5(ディスチャージ10
秒、チャージおよびメジャー30秒) 印加電圧;1〜1000(V) 印加電圧は、本発明の画像形成装置で使用される中間転
写ベルトおよび転写ベルトに印加される電圧の範囲の一
部である1〜1000Vの間で任意に選択できる。ま
た、サンプルの抵抗値、厚み、絶縁破壊強さ等に応じ
て、上記印加電圧の範囲において、使用される印加電圧
は、適時変えることができる。
【0067】本発明に用いる電子写真用ベルトの体積抵
抗は、100Ωから1012Ωであることが好ましく、特
には、106〜1011Ωであることが好ましい。また、
本発明に用いる電子写真用ベルトの表面抵抗は、100
Ωから1017Ωであることが好ましく、特には、106
〜1014Ωであることが好ましい。
【0068】また、第1の画像担持体としては、少なく
とも最外層にPTFEの微粉末を含有する感光ドラムを
用いると、より高い1次転写効率が得られるために好ま
しい。これは、PTFEの微粉末を含有させることによ
り、該感光ドラム最外層の表面エネルギーが低下し、ト
ナーの離型性が向上するためではないかと考えられる。
【0069】
【実施例】 実施例1 (原材料) ポリカーボネート樹脂(MFR=12) 88部 導電カーボン(吸油量125cc、平均粒径40nm) 12部
【0070】(混練)上記原材料をタンブラーで混合し
たのち、2軸押し出し混練機で混練し、更にこれを2〜
3mmの粒径の混練物とし、成型用原料(1)を得た。
【0071】 (表面処理剤) ジメチルシリコーンオイル (粘度50cs) 5部 MEK 95部 上記をホモミキサーで5分間混合し、表面処理剤液
(1)を得た。
【0072】(成形)φ140×260mmにくり抜か
れたインジェクション用金型(メス型)の表面粗さRz
を測定したところ0.6μmであった。この金型の内側
に8ml/minの吐出量のスプレーガンを用いて表面
処理液(1)を15秒間均一に塗布した。
【0073】さらにφ139.70×260mmのオス
型の表面にも同様に8ml/minの吐出量のスプレー
ガンを用いて表面処理液(1)を5秒間均一に塗布し
た。
【0074】上記成型用原料(1)をホッパーに投入
し、シリンダーで加熱し、スクリュー圧縮し、混練しな
がら前進し、可塑化し成形を行った。このときの、シリ
ンダー温度は320℃、金型温度は120℃であった。
成形時、表面処理剤を金型に塗布していたので、脱型は
容易であった。
【0075】この結果、最終的な形状寸法として、直径
約140mm、厚み150μm、ベルト巾260mmと
なり、中間転写ベルト190を得た。これを中間転写ベ
ルト(1)とする。
【0076】(評価)この中間転写ベルト(1)の成形
収縮率を測定したところ0.3%であった。
【0077】また、このベルト表面の元素分析を行った
ところベルト原材料に含まれない珪素元素が検出された
ので、表面処理剤がベルト表面に担持されていることが
わかった。
【0078】この中間転写ベルト(1)の体積抵抗測定
値の中心値は8×107Ωであった。この中間転写ベル
ト(1)を図1に示されるフルカラー電子写真装置に装
着し、80g/m2紙にフルカラー画像をプリントし、
以下のように転写効率を定義して、転写効率の測定を行
った。
【0079】1次転写効率(感光ドラムから中間転写ベ
ルトへの転写効率)=中間転写ベルト上の画像濃度/
(感光ドラム上の転写残画像濃度+中間転写ベルト上の
画像濃度) 2次転写効率(中間転写ベルトから紙への転写効率)=
紙上の画像濃度/(紙上の画像濃度+中間転写ベルト上
の転写残画像濃度) 本実施例では、感光ドラム1として、最外層にPTFE
の微粉末を含有する有機感光ドラム(OPC感光ドラ
ム)を用いた。そのため、表面処理剤との相乗効果で高
い1次転写効率が得られた。1次転写効率、2次転写効
率はそれぞれ93%、91%であった。
【0080】なお、中間転写ベルトのクリーニング方式
は、クリーニング用帯電部材7に1×108Ωの抵抗を
持つ弾性ローラを用いた1次転写同時クリーニング方式
とした。
【0081】このベルトこの中間転写ベルト(1)を用
いて3万枚画像出力したのち1次転写効率、2次転写効
率を測定したところ、それぞれ92%、90%とほとん
ど変わらず、耐久性のあるベルトであった。
【0082】 実施例2 (原材料) PP樹脂(MFR=11、ホモポリマー) 79部 ポリエーテルエステルアミド樹脂(MFR=20、融点203℃) 21部
【0083】(混練)混練方法は実施例1に同じ。混練
により成型用原料(2)を得た。
【0084】 (表面処理剤) フッ素オイル (粘度20cs) 5部 ハイドロフルオロエーテル 95部 上記をホモミキサーで5分間混合し、表面処理剤液
(2)を得た。
【0085】(成形)インジェクションストレッチブロ
ー成形機で溶融温度230℃でプリフォーム(1)を成
形した。次にインジェクションストレッチブロー成形機
のφ140mm×280mmの金型(内側の表面粗さR
z=1.3μm)の内側に8ml/minの吐出量のス
プレーガンを用いて表面処理液(2)を15秒間均一に
塗布した。次にブロー温度200℃の条件でブロー成形
した。
【0086】この結果、最終的な形状寸法として、直径
約140mm、厚み100μm、ベルト巾260mmと
なり、中間転写ベルト190を得た。これを中間転写ベ
ルト(2)とする。
【0087】(評価)この中間転写ベルト(2)の成形
収縮率を測定したところ1.5%であった。
【0088】また、このベルト表面の元素分析を行った
ところベルト原材料に含まれないフッ素元素が検出され
たので、表面処理剤がベルト表面に担持されていること
がわかった。
【0089】この中間転写ベルト(2)の体積抵抗測定
値の中心値は5×107Ωであった。この中間転写ベル
ト(2)を図1に示されるフルカラー電子写真装置に装
着し、80g/m2紙にフルカラー画像をプリントし、
転写効率の測定を行った。
【0090】本実施例では、感光ドラム1として、最外
層にPTFEの微粉末を含有する有機感光ドラム(OP
C感光ドラム)を用いた。そのため、表面処理剤との相
乗効果で高い1次転写効率が得られた。1次転写効率、
2次転写効率はそれぞれ93%、90%であった。
【0091】なお、中間転写ベルトのクリーニング方式
は、クリーニング用帯電部材7に1×108Ωの抵抗を
持つ弾性ローラを用いた1次転写同時クリーニング方式
とした。
【0092】この中間転写ベルト(2)を用いて3万枚
画像出力したのち1次転写効率、2次転写効率を測定し
たところ、それぞれ92%、90%とほとんど変わら
ず、耐久性のあるベルトであった。
【0093】 実施例3 (原材料) PVDF樹脂 (MFR=9) 87部 ポリエーテルエステルアミド樹脂 (MFR=20、融点203℃) 13部
【0094】(混練)混練方法は実施例1に同じ。混練
により成型用原料(3)を得た。
【0095】 (表面処理剤) シリコーン系界面活性剤(ポリエーテル変性シリコーン) 5部 水 95部 上記をホモミキサーで5分間混合し、表面処理剤液
(3)を得た。
【0096】(成形)図3に示される1軸押し出し機1
00のホッパー120へ成形用原料(3)を投入し、設
定温度を200〜210℃の範囲に調節して押し出すこ
とにより、溶融体とした。この溶融体をダイスの直径1
50mm、ダイギャップの幅800μmの円筒状ダイス
を用いて直径178mm、厚み100μm、のチューブ
を作製し、幅330mmにカットし、チューブ(19
0)を作製した。このチューブ(190)の表面に表面
処理剤(3)を、8ml/minの吐出量のスプレーガ
ンを用いて15秒間均一に塗布した。この表面処理剤が
塗布されたチューブ(190)を図4に示される2重型
(外型:SUS製、内径φ180mm×330mm、表
面粗さRz=0.4μm、内型:アルミ製、外径φ17
9.5mm×330mm)の内型201に被せた後外型
202を嵌合し、180℃のオーブンで1時間加熱し
た。このことでアルミ製内型が膨張し、外型に加熱拡大
押圧接触させて成形した。さらに1時間23℃の室温で
冷却したのち外型を外したが、表面処理剤(3)が塗布
されていたので脱型は容易であった。
【0097】この結果、最終的な形状寸法として、直径
約180mm、厚み100μm、ベルト巾330mmと
なり、転写ベルト190を得た。これを転写ベルト
(1)とする。
【0098】(評価)この転写ベルト(1)の成形収縮
率を測定したところ3.5%であった。
【0099】また、このベルト表面の元素分析を行った
ところベルト原材料に含まれない珪素元素が検出された
ので、表面処理剤がベルト表面に担持されていることが
わかった。
【0100】この転写ベルト(1)の体積抵抗測定値の
中心値は7.2×109Ωであった。この転写ベルト
(1)を図2に示されるフルカラー電子写真装置に装着
し、濃度検知測定を行い、その後、クリーニング用帯電
部材7に1×108Ωの抵抗を持つ弾性ローラを用いた
クリーニング方式でクリーニングを行った。そののち画
像出力を行った。このときクリーニング不良による紙の
裏汚れは発生しなかった。
【0101】この転写ベルト(1)を用いて3万枚画像
出力したのち濃度検知測定を行い、その後クリーニング
し、画像出力を行ったが、初期と同様にクリーニング不
良による紙の裏汚れは発生せず耐久性のあるベルトであ
った。
【0102】実施例4 (原材料)実施例2に同じ。
【0103】(混練装置及び混練条件)実施例2に同
じ。
【0104】 (表面処理剤) フッ素系界面活性剤(フルオロアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム) 5部 メタノール 95部 上記をホモミキサーで5分間混合し、表面処理剤液
(4)を得た。
【0105】(成形)インジェクションストレッチブロ
ー成形機で成形原料(2)を用いて溶融温度230℃で
プリフォーム(1)を成形した。このプリフォームを下
降速度800mm/min、引き上げ速度300mm/
minの速度でディッピング塗工を行った。次にインジ
ェクションストレッチブロー成形機のφ140mm×2
80mmの金型(内側の表面粗さRz=2.5μm)を
用いてブロー温度200℃の条件で射出延伸ブロー成形
した。
【0106】この結果、最終的な形状寸法として、直径
約140mm、厚み100μm、ベルト巾260mmと
なり、中間転写ベルト190を得た。これを中間転写ベ
ルト(3)とする。
【0107】(評価)この中間転写ベルト(3)の成形
収縮率を測定したところ1.5%であった。
【0108】また、このベルト表面の元素分析を行った
ところベルト原材料に含まれないフッ素元素が検出され
たので、表面処理剤がベルト表面に担持されていること
がわかった。
【0109】この中間転写ベルト(3)の体積抵抗測定
値の中心値は5.1×107Ωであった。この中間転写
ベルト(3)を図1に示されるフルカラー電子写真装置
に装着し、80g/m2紙にフルカラー画像をプリント
し、転写効率の測定を行った。
【0110】本実施例では、感光ドラム1として、最外
層にPTFEの微粉末を含有する有機感光ドラム(OP
C感光ドラム)を用いた。そのため、表面処理剤との相
乗効果で高い1次転写効率が得られた。1次転写効率、
2次転写効率はそれぞれ94%、92%であった。
【0111】なお、中間転写ベルトのクリーニング方式
は、クリーニング用帯電部材7に1×108Ωの抵抗を
持つ弾性ローラを用いた1次転写同時クリーニング方式
とした。
【0112】このベルトこの中間転写ベルト(3)を用
いて3万枚画像出力したのち1次転写効率、2次転写効
率を測定したところ、それぞれ94%、91%と円筒状
剛体側に塗布するよりさらに転写効率は変わらず、耐久
性のあるベルトであった。
【0113】 実施例5 (原材料) PVDF樹脂(MFR=9) 79部 ポリエーテルエステルアミド樹脂 (MFR=20、融点203℃) 21部
【0114】(混練)混練方法は実施例1に同じ。混練
により成型用原料(4)を得た。
【0115】 (表面処理剤) ステアリン酸亜鉛 1部 イソプロピルアルコール 99部 上記をホモミキサーで5分間混合し、表面処理剤液
(5)を得た。
【0116】(成形)図3に示される1軸押し出し機1
00のホッパー120へ成形用原料(3)を投入し、設
定温度を200〜210℃の範囲に調節して押し出すこ
とにより、溶融体とした。この溶融体をダイスの直径1
00mm、ダイギャップの幅800μmの円筒状ダイス
を用いて直径138mm、厚み100μm、のチューブ
を作製し、幅260mmにカットし、チューブ(19
0)を作製した。このチューブ(190)の表面に表面
処理剤(5)を8ml/minの吐出量のスプレーガン
を用いて15秒間均一に塗布した。この表面処理剤が塗
布されたチューブ(190)を、図4に示される2重型
(外型:SUS製、内径φ140mm×280mm、表
面粗さRz=0.5μm、内型:アルミ製、外径φ13
9.5mm)の内型201に被せた後外型202を嵌合
し、180℃のオーブンで1時間加熱した。このことで
アルミ製内型が膨張し、外型に加熱拡大押圧接触させて
成形した。さらに1時間23℃の室温で冷却したのち外
型を外したが、表面処理剤(5)が塗布されていたので
脱型は容易であった。
【0117】この結果、最終的な形状寸法として、直径
約140mm、厚み100μm、ベルト巾260mmと
なり、中間転写ベルト190を得た。これを中間転写ベ
ルト(4)とする。
【0118】(評価)この中間転写ベルト(4)の成形
収縮率を測定したところ3.3%であった。
【0119】また、このベルト表面の元素分析を行った
ところベルト原材料に含まれない亜鉛元素が検出された
ので、表面処理剤がベルト表面に担持されていることが
わかった。
【0120】この中間転写ベルト(4)の体積抵抗測定
値の中心値は4.8×107Ωであった。この中間転写
ベルト(4)を図1に示されるフルカラー電子写真装置
に装着し、80g/m2紙にフルカラー画像をプリント
し、転写効率の測定を行った。
【0121】本実施例では、感光ドラム1として、最外
層にPTFEの微粉末を含有する有機感光ドラム(OP
C感光ドラム)を用いた。そのため、表面処理剤との相
乗効果で高い1次転写効率が得られた。1次転写効率、
2次転写効率はそれぞれ95%、92%であった。
【0122】なお、中間転写ベルトのクリーニング方式
は、クリーニング用帯電部材7に1×108Ωの抵抗を
持つ弾性ローラを用いた1次転写同時クリーニング方式
とした。
【0123】このベルトこの中間転写ベルト(4)を用
いて3万枚画像出力したのち1次転写効率、2次転写効
率を測定したところ、それぞれ94%、92%と円筒状
剛体側に塗布するよりさらに転写効率は変わらず、耐久
性のあるベルトであった。
【0124】比較例1 (原材料)実施例1に同じ。
【0125】(混練装置及び混練条件)実施例1に同
じ。
【0126】(成形)φ140×260mmにくり抜か
れたインジェクション用金型(メス型)の表面粗さRz
を測定したところ0.6μmであった。オス型はφ13
9.70×260mmであった。
【0127】上記成型用原料(1)をホッパーに投入
し、シリンダーで加熱し、スクリュー圧縮し、混練しな
がら前進し、可塑化し成形を行った。このときの、シリ
ンダー温度は320℃、金型温度は120℃であった。
成形時、表面処理剤がなかったので脱型は困難であっ
た。
【0128】この結果、最終的な形状寸法として、直径
約140mm、厚み150μm、ベルト巾260mmと
なり、中間転写ベルト190を得た。これを中間転写ベ
ルト(5)とする。
【0129】(評価)この中間転写ベルト(5)の成形
収縮率を測定したところ0.3%であった。
【0130】また、このベルト表面の元素分析を行った
ところベルト原材料に含まれる元素以外の元素は検出さ
れなかった。
【0131】この中間転写ベルト(5)の体積抵抗測定
値の中心値は8×107Ωであった。この中間転写ベル
ト(5)を図1に示されるフルカラー電子写真装置に装
着し、80g/m2紙にフルカラー画像をプリントし、
転写効率の測定を行った。
【0132】本実施例では、感光ドラム1として、最外
層にPTFEの微粉末を含有する有機感光ドラム(OP
C感光ドラム)を用いた。しかしながら表面処理剤を用
いなかったため、1次転写効率、2次転写効率はそれぞ
れ85%、80%と低いものであった。
【0133】初期転写効率が低かったため耐久性試験は
行わなかった。
【0134】比較例2 (原材料)実施例1に同じ。
【0135】(混練装置及び混練条件)実施例1に同
じ。
【0136】(表面処理剤)実施例1に同じ。
【0137】(成形)φ140×260mmにくり抜か
れたインジェクション用金型(メス型)の表面粗さRz
を測定したところ0.1μmであった。この金型の内側
に8ml/minの吐出量のスプレーガンを用いて表面
処理剤液(1)を15秒間均一に塗布した。
【0138】さらにφ139.70×260mmのオス
型の表面にも同様に8ml/minの吐出量のスプレー
ガンを用いて表面処理液(1)を5秒間均一に塗布し
た。
【0139】上記成型用原料(1)をホッパーに投入
し、シリンダーで加熱し、スクリュー圧縮し、混練しな
がら前進し、可塑化し成形を行った。このときの、シリ
ンダー温度は320℃、金型温度は120℃であった。
成形時、表面処理剤を金型に塗布していたので、脱型は
容易であった。
【0140】この結果、最終的な形状寸法として、直径
約140mm、厚み150μm、ベルト巾260mmと
なり、中間転写ベルト190を得た。これを中間転写ベ
ルト(6)とする。
【0141】(評価)この中間転写ベルト(1)の成形
収縮率を測定したところ0.3%であった。
【0142】また、このベルト表面の元素分析を行った
ところベルト原材料に含まれない珪素元素が検出された
ので、表面処理剤がベルト表面に担持されていることが
わかった。
【0143】この中間転写ベルト(6)の体積抵抗測定
値の中心値は8×107Ωであった。この中間転写ベル
ト(6)を図1に示されるフルカラー電子写真装置に装
着し、80g/m2紙にフルカラー画像をプリントし、
転写効率の測定を行った。
【0144】本実施例では、感光ドラム1として、最外
層にPTFEの微粉末を含有する有機感光ドラム(OP
C感光ドラム)を用いた。しかしながら金型表面粗さR
zが0.2μm未満であったため表面処理剤が十分に転
写されず、1次転写効率、2次転写効率はそれぞれ90
%、86%とやや低めであった。
【0145】なお、中間転写ベルトのクリーニング方式
は、クリーニング用帯電部材7に1×108Ωの抵抗を
持つ弾性ローラを用いた1次転写同時クリーニング方式
とした。
【0146】このベルトこの中間転写ベルト(6)を用
いて3万枚画像出力したのち1次転写効率、2次転写効
率を測定したところ、表面処理剤が十分に転写されなか
ったので耐久途中で表面処理剤がなくなり、1次転写効
率、2次転写効率はそれぞれ85%、80%と初期より
大幅に低下し、耐久性の低いベルトであった。
【0147】比較例3 (原材料)実施例3に同じ。
【0148】(混練装置及び混練条件)実施例3に同
じ。
【0149】(表面処理剤)実施例3に同じ。
【0150】(成形)図3に示される1軸押し出し機1
00のホッパー120へ成形用原料(3)を投入し、設
定温度を200〜210℃の範囲に調節して押し出すこ
とにより、溶融体とした。この溶融体をダイスの直径1
50mm、ダイギャップの幅800μmの円筒状ダイス
を用いて直径178mm、厚み100μm、のチューブ
を作製し、幅330mmにカットし、チューブ(19
0)を作製した。このチューブ(190)の表面に表面
処理剤(3)を8ml/minの吐出量のスプレーガン
を用いて15秒間均一に塗布した。この表面処理剤を塗
布されたチューブ(190)を図4に示される2重型
(外型:SUS製、内径φ180mm×330mm、表
面粗さRz=4.0μm、内型:アルミ製、外径φ17
9.5mm×330mm)の内型201に被せた後外型
202を嵌合し、180℃のオーブンで1時間加熱し
た。このことでアルミ製内型が膨張し、外型に加熱拡大
押圧接触させて成形した。さらに1時間23℃の室温で
冷却したのち外型を外したが、表面処理剤(3)が塗布
されていたので脱型は容易であった。
【0151】この結果、最終的な形状寸法として、直径
約180mm、厚み100μm、ベルト巾330mmと
なり、転写ベルト190を得た。これを転写ベルト
(2)とする。
【0152】(評価)この転写ベルト(2)の成形収縮
率を測定したところ3.5%であった。
【0153】また、このベルト表面の元素分析を行った
ところベルト原材料に含まれない珪素元素が検出された
ので、表面処理剤がベルト表面に担持されていることが
わかった。
【0154】この転写ベルト(2)の体積抵抗測定値の
中心値は7.0×109Ωであった。この転写ベルト
(2)を図2に示されるフルカラー電子写真装置に装着
し、濃度検知測定を行い、その後、クリーニング用帯電
部材7に1×108Ωの抵抗を持つ弾性ローラを用いた
クリーニング方式でクリーニングを行った。そののち画
像出力を行った。このときクリーニング不良による紙の
裏汚れは発生しなかった。
【0155】この転写ベルト(3)を用いて3万枚画像
出力したのち濃度検知測定を行い、その後クリーニング
した後画像出力を行ったところ、円筒状剛体の内側の表
面粗さRzが4μmと大きかったため、ベルト側に十分
表面処理剤が転写されなかったので、耐久途中で表面処
理剤がなくなり、クリーニング不良による紙の裏汚れが
発生し耐久性の低いベルトであった。
【0156】 比較例4 (原材料) PPS樹脂(比重1.80) 87部 導電カーボン(吸油量125cc、平均粒径40nm) 13部
【0157】(混練装置及び混練条件)混練方法は実施
例1に同じ。混練により成型用原料(5)を得た。
【0158】(表面処理剤)実施例3に同じ。
【0159】(成形)φ140×260mmにくり抜か
れたインジェクション用金型(メス型)の表面粗さRz
を測定したところ0.6μmであった。この金型の内側
に8ml/minの吐出量のスプレーガンを用いて表面
処理液(1)を15秒間均一に塗布した。
【0160】さらにφ139.70×260mmのオス
型の表面にも同様に8ml/minの吐出量のスプレー
ガンを用いて表面処理液(1)を5秒間均一に塗布し
た。
【0161】上記成型用原料(5)をホッパーに投入
し、シリンダーで加熱し、スクリュー圧縮し、混練しな
がら前進し、可塑化し成形を行った。このときの、シリ
ンダー温度は340℃、金型温度は130℃であった。
成形時、表面処理剤を金型に塗布していたので、脱型は
容易であった。
【0162】この結果、最終的な形状寸法として、直径
約140mm、厚み150μm、ベルト巾260mmと
なり、中間転写ベルト190を得た。これを中間転写ベ
ルト(7)とする。
【0163】(評価)この中間転写ベルト(7)の成形
収縮率を測定したところ0.05%であった。
【0164】また、このベルト表面の元素分析を行った
ところベルト原材料に含まれない珪素元素が検出された
ので、表面処理剤がベルト表面に担持されていることが
わかった。
【0165】この中間転写ベルト(7)の体積抵抗測定
値の中心値は3×107Ωであった。この中間転写ベル
ト(7)を図1に示されるフルカラー電子写真装置に装
着し、80g/m2紙にフルカラー画像をプリントし、
転写効率の測定を行った。
【0166】本実施例では、感光ドラム1として、最外
層にPTFEの微粉末を含有する有機感光ドラム(OP
C感光ドラム)を用いた。1次転写効率、2次転写効率
はそれぞれ93%、89%と良好であった。
【0167】なお、中間転写ベルトのクリーニング方式
は、クリーニング用帯電部材7に1×108Ωの抵抗を
持つ弾性ローラを用いた1次転写同時クリーニング方式
とした。
【0168】このベルトこの中間転写ベルト(7)を用
いて3万枚画像出力したのち1次転写効率、2次転写効
率を測定したところ、成形収縮率が低いことにより表面
処理剤が十分に保持されなかったので耐久途中で表面処
理剤がなくなり、1次転写効率、2次転写効率はそれぞ
れ87%、81%と初期より大幅に低下し耐久性の低い
ベルトであった。
【0169】 比較例5 (原材料) PFA樹脂(MFR=12) 89部 導電カーボン(吸油量125cc、平均粒径40nm) 11部
【0170】(混練装置及び混練条件)混練方法は実施
例1に同じ。混練により成型用原料(6)を得た。
【0171】(表面処理剤)実施例5に同じ。
【0172】(成形)図3に示される1軸押し出し機1
00のホッパー120へ成形用原料(6)を投入し、設
定温度を350〜370℃の範囲に調節して押し出すこ
とにより、溶融体とした。この溶融体をダイスの直径1
00mm、ダイギャップの幅800μmの円筒状ダイス
を用いて直径138mm、厚み100μm、のチューブ
を作製し、幅260mmにカットし、チューブ(19
0)を作製した。このチューブ(190)の表面に表面
処理剤(5)を8ml/minの吐出量のスプレーガン
を用いて15秒間均一に塗布した。この表面処理剤が塗
布されたチューブ(190)を、図4に示される2重型
(外型:SUS製、内径φ140mm×280mm、内
型:アルミ製、外径φ139.5mm)の内型201に
被せた後外型202を嵌合し、300℃のオーブンで2
時間加熱した。このことでアルミ製内型が膨張し、外型
に加熱拡大押圧接触させて成形した。さらに2時間23
℃の室温で冷却したのち外型を外したが、表面処理剤
(5)が塗布されていたので脱型は容易であった。
【0173】この結果、最終的な形状寸法として、直径
約140mm、厚み100μm、ベルト巾260mmと
なり、中間転写ベルト190を得た。これを中間転写ベ
ルト(8)とする。
【0174】(評価)この中間転写ベルト(8)の成形
収縮率を測定したところ5%であった。5%という大き
な収縮率であったので、収縮時に表面処理剤が追従でき
ずに剥がれてしまったので、転写効率の測定及び耐久テ
ストは行わなかった。
【0175】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、最終的
に得られる電子写真用ベルトの成形収縮率(S)が0.
1%以上4%以下である熱可塑性樹脂を主原料としたコ
ンパウンドを円筒状剛体の内側に溶融接触させることで
成形し、該円筒状剛体の内側の表面粗さRzを0.1μ
m以上3μm以下とし、かつ該円筒状剛体の表面に表面
処理剤を塗布したのち該成形を行うことで、ベルト表面
に該表面処理剤を転写させ該表面処理剤を担持させるこ
と、もしくは電子写真用ベルトにおいて、該電子写真用
ベルトの成形収縮率(S)が0.1%以上4%以下とな
る熱可塑性樹脂を主原料としたコンパウンドからなる円
筒状剛体の内側に予め該円筒状剛体の直径より小さい円
筒状に形成された円筒体を少なくとも直径方向に加熱拡
大押圧接触させることで成形し、少なくともベルト表面
に当接する該円筒状剛体の表面に表面処理剤を塗布した
のち該成形を行うことでベルト表面に、該表面処理剤を
転写させ表面処理剤を担持させること、もしくは電子写
真用ベルトにおいて、該電子写真用ベルトの成形収縮率
(S)が0.1%以上4%以下となる熱可塑性樹脂を主
原料としたコンパウンドからなる円筒状剛体の直径より
小さい円筒状に形成された円筒体を少なくとも直径方向
に加熱拡大押圧接触させることで成形し、少なくとも該
熱可塑性樹脂の円筒体の表面に成形前に表面処理剤を塗
布したのち、該成形を行うことでベルト表面に、表面処
理剤を担持させることにより、初期から耐久終期に至る
まで安定した高い転写効率の電子写真用ベルトを得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】中間転写ベルトを用いた画像形成装置の一例の
概略図である。
【図2】転写ベルトを用いた画像形成装置の一例の概略
図である。
【図3】チューブTを押出し成形する装置の概略図であ
る。
【図4】2重型とその間に挟まれたチューブTの概略図
である。
【符号の説明】
1 感光体ドラム 2 一次帯電器 3 像露光手段 7 クリーニング用帯電部材 10 転写ガイド 11 給紙ローラ 13 クリーニング手段 15 定着手段 20 中間転写ベルト 26,28,29 バイアス電源 41 イエロー色現像器 42 マゼンタ色現像器 43 シアン色現像器 44 ブラック色現像器 62 1次転写ローラ 63 2次転写ローラ 64 2次転写対向ローラ 100,110 押し出し機 120,130 ホッパー 140 押し出しダイス 150 気体導入路 160 エアーリング 170 寸法安定ガイド 180 寸法形状 201 内型 202 外型 301Y,301M,301C,301BK 感光ドラ
ム 302Y,302M,302C,302BK 一次帯電
器 303Y,303M,303C,303BK 露光部 304Y,304M,304C,304BK 現像器 305Y,305M,305C,305BK クリーナ 306 カセット 307 給紙ローラ 308 搬送ガイド 309 レジストローラ 310 転写装置 311 駆動ローラ 312 従動ローラ 313 テンションローラ 314 転写ベルト 315Y,315M,315C,315BK 転写帯電
器 316 分離帯電器 317 定着器 318 排紙トレイ 320 転写装置本体 P 転写材/記録紙 T チューブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 篤志 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 櫻井 有治 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 草場 隆 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 柏原 良太 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 小林 廣行 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H071 BA03 BA42 DA09 DA21 EA18 2H200 GA12 GA23 GA44 GA47 HA01 HB13 JA01 JA25 JB06 JB45 JC03 JC15 LC03 LC09 MA02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子写真用ベルトにおいて、前記ベルト
    は、成形収縮率(S)が0.1%以上4%以下であり、
    円筒状剛体の内側に熱可塑性樹脂を主原料としたコンパ
    ウンドを溶融接触させることで成形され、該円筒状剛体
    の内側の表面粗さRzは0.1μm以上3μm以下であ
    り、かつ該円筒状剛体の表面に表面処理剤を塗布したの
    ち該成形を行うことで、ベルト表面に該表面処理剤を転
    写させ該表面処理剤を担持させることを特徴とする電子
    写真用ベルト。
  2. 【請求項2】 電子写真用ベルトにおいて、前記ベルト
    は、成形収縮率(S)が0.1%以上4%以下であり、
    円筒状剛体の内側に予め該円筒状剛体の直径より小さ
    い、円筒状に形成された熱可塑性樹脂を主原料としたコ
    ンパウンドからなる円筒体を少なくとも直径方向に加熱
    拡大押圧接触させることで成形され、該円筒状剛体の内
    側の表面粗さRzは0.1μm以上3μm以下であり、
    少なくともベルト表面に当接する該円筒状剛体の表面に
    表面処理剤を塗布したのち該成形を行うことで、該ベル
    ト表面に該表面処理剤を転写させ該表面処理剤を担持さ
    せることを特徴とする電子写真用ベルト。
  3. 【請求項3】 電子写真用ベルトにおいて、前記ベルト
    は、成形収縮率(S)が0.1%以上4%以下であり、
    円筒状剛体の内側に予め該円筒状剛体の直径より小さ
    い、円筒状に形成された、熱可塑性樹脂を主原料とした
    コンパウンドからなる円筒体を少なくとも直径方向に加
    熱拡大押圧接触させることで成形され、該円筒状剛体の
    内側の表面粗さRzは0.1μm以上3μm以下であ
    り、少なくとも該熱可塑性樹脂の円筒体の表面にベルト
    成形前に表面処理剤を塗布したのち該成形を行うこと
    で、ベルト表面に該表面処理剤を担持させることを特徴
    とする電子写真用ベルト。
  4. 【請求項4】 電子写真用ベルトにおいて、前記ベルト
    は、成形収縮率(S)が0.1%以上4%以下であり、
    円筒状剛体の内側に熱可塑性樹脂を主原料としたコンパ
    ウンドを溶融接触させることで成形され、該円筒状剛体
    の内側の表面粗さRzは0.1μm以上3μm以下であ
    り、かつ該円筒状剛体の表面に表面処理剤を塗布したの
    ち成形を行うことで、ベルト表面に該表面処理剤を転写
    させ該表面処理剤を担持させた電子写真用ベルトを用い
    ることを特徴とする画像形成装置。
  5. 【請求項5】 電子写真用ベルトにおいて、前記ベルト
    は、成形収縮率(S)が0.1%以上4%以下であり、
    円筒状剛体の内側に予め該円筒状剛体の直径より小さ
    い、円筒状に形成された、熱可塑性樹脂を主原料とした
    コンパウンドからなる円筒体を少なくとも直径方向に加
    熱拡大押圧接触させることで成形され、該円筒状剛体の
    内側の表面粗さRzは0.1μm以上3μm以下であ
    り、少なくともベルト表面に当接する該円筒状剛体の表
    面に表面処理剤を塗布したのち該成形を行うことで、該
    ベルト表面に該表面処理剤を転写させ該表面処理剤を担
    持させた電子写真用ベルトを用いることを特徴とする画
    像形成装置。
  6. 【請求項6】 電子写真用ベルトにおいて、前記ベルト
    は、成形収縮率(S)が0.1%以上4%以下であり、
    円筒状剛体の内側に予め該円筒状剛体の直径より小さ
    い、円筒状に形成された、熱可塑性樹脂を主原料とした
    コンパウンドからなる円筒体を少なくとも直径方向に加
    熱拡大押圧接触させることで成形され、該円筒状剛体の
    内側の表面粗さRzは0.1μm以上3μm以下であ
    り、少なくとも該熱可塑性樹脂の円筒体の表面にベルト
    成形前に表面処理剤を塗布したのち該成形を行うこと
    で、ベルト表面に該表面処理剤を担持させた電子写真用
    ベルトを用いることを特徴とする画像形成装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010082906A (ja) * 2008-09-30 2010-04-15 Canon Inc 電子写真用ベルト及びその製造方法
JP2010139832A (ja) * 2008-12-12 2010-06-24 Ricoh Co Ltd 半導電性部材及びそれを有する現像ロール、帯電ロール、転写ベルト

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