JP2003271026A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP2003271026A
JP2003271026A JP2002075927A JP2002075927A JP2003271026A JP 2003271026 A JP2003271026 A JP 2003271026A JP 2002075927 A JP2002075927 A JP 2002075927A JP 2002075927 A JP2002075927 A JP 2002075927A JP 2003271026 A JP2003271026 A JP 2003271026A
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JP2002075927A
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English (en)
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Naotaka Iwata
尚貴 岩田
Hideaki Mochimaru
英明 持丸
Hiroharu Suzuki
弘治 鈴木
Kunihiko Tomita
邦彦 富田
Tokumasa Somiya
徳昌 宗宮
Chiemi Kaneko
千恵美 兼子
Shigeru Watanabe
滋 渡邊
Yasukuni Komata
安国 小俣
Hisao Murayama
久夫 村山
Hiroshi Yokoyama
博司 横山
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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  • Discharging, Photosensitive Material Shape In Electrophotography (AREA)
  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Control Or Security For Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱源を有する定着ローラ70a,bからの熱
を感光体ドラム1に伝えてしまうことによる画質劣化を
抑えることができる画像形成装置を提供する。 【解決手段】 帯電装置4、現像装置5、ドラムクリー
ニング装置2のうちの少なくとも1つを、感光体ドラム
1と所定の間隙を介して非接触に配設する。また、中間
転写ベルト11を感光体ドラム1と所定の間隙を介して
非接触に配設し、非接触転写方式によってドラムからベ
ルトへのトナー像転写を行うようにしてもよい。また、
感光体パイプや無端状感光体ベルトなどの中空構造の潜
像担持体を用いるとともに、これをその中空内から冷却
する冷却手段を設けてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、ファクシ
ミリ、プリンタ等の画像形成装置に係り、詳しくは、所
定の機能を発揮すべく発熱することで潜像担持体や中間
転写体に熱を伝えてしまう熱源を備える画像形成装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、プリンタ等の画像形成装置におい
て、次のようなプロセスで画像を形成するものが知られ
ている。即ち、まず、感光体等の潜像担持体を露光走査
するなどしてそれに静電潜像を形成せしめ、これに負ま
たは正極性に帯電したトナー等の像形成物質を付着させ
て可視像を得る。次いで、この可視像を、潜像担持体上
から転写紙等の転写体に直接するか、あるいは中間転写
体を介して転写した後、加熱定着装置によって転写体に
定着せしめる。かかるプロセスを実施する画像形成装置
において、加熱定着装置などの熱源を有する装置の配設
位置を工夫して、作像プロセスの効率化を図ったり、何
らかの不具合を抑えたりといった対策を講ずる場合があ
る。
【0003】例えば、転写・定着同時方式を採用する場
合である。この転写・定着同時方式とは、中間転写ベル
ト等の中間転写体に中間転写したトナー像を加熱によっ
て軟化させながら転写紙等の転写体に密着せしめること
で、トナー像の転写と定着とをほぼ同時に行う方式であ
る。熱源を中間転写体回りに配設することでかかる転写
・定着同時方式を実現して、作像プロセスの効率化を図
ることができる。
【0004】また例えば、本出願人は、ワンパス両面転
写方式の画像形成装置において、加熱定着装置の配設位
置を工夫することで未定着像の擦れによる画質劣化を低
減させるようにしたものを開発中である。このワンパス
両面転写方式とは、転写紙等の記録体を転写ニップに一
回通すだけでその両面に画像を転写することができる方
式である。具体的には、まず、記録体の第1面に保持さ
せるための第1トナー像を感光体ドラム等の潜像担持体
上に形成し、これを中間転写ベルト等の中間転写体に転
写する。次に、第2トナー像を潜像担持体上に形成し、
これを記録体の第2面に転写する。そして、この記録体
の第1面に中間転写体上の第1トナー像を2次転写した
後、記録体を中間転写手段から加熱定着装置に送って両
トナー像を記録体に定着させる。かかるワンパス両面転
写方式を実施する画像形成装置において、記録体はその
第1面(重力方向下側の面)をガイド板に摺擦させなが
ら加熱定着装置内に進入する。ところが、この第1面に
は未定着の第1トナー像が存在するため、ガイド板に擦
られて乱れてしまう。そこで、本出願人は、ガイド板を
省略し得る位置まで中間転写装置と加熱定着装置とを近
づけて配設した画像形成装置を開発した。この画像形成
装置によれば、第1トナー像をガイド板で擦ることなく
加熱定着装置に送ることができる。また、加熱定着装置
の熱源を有する2つの定着ローラ間で中間転写体たる中
間転写ベルトを挟み込ませるようにした画像形成装置も
開発した。この画像形成装置によれば、第1トナー像、
第2トナー像をそれぞれ反対面に転写した記録体を中間
転写ベルトで搬送しながらその両面のトナー像を定着さ
せることができる。よって、両面転写装置から排出した
記録体をガイド板で擦ってもトナー像を乱すことがな
い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した各
画像形成装置においては、何れも熱源からの熱を中間転
写体から潜像担持体に伝えてしまうおそれがある。この
熱源とは、転写・定着同時方式の画像形成装置において
中間転写体上のトナーの加熱に用いられる加熱ローラ
や、ワンパス両面転写方式の画像形成装置の加熱定着装
置内に設けられた熱源などである。熱源からの熱を、中
間転写体を介して潜像担持体に伝えてしまうと、種々の
不具合を生ずるおそれがある。例えば、熱が潜像担持体
から現像装置に伝わって内部のトナーを軟化させ、現像
性に影響を及ぼすおそれがある。また例えば、潜像担持
体上の残留トナーをクリーニングするクリーニング装置
に熱が伝わってそのクリーニング性に影響を及ぼした
り、内部の回収トナーを軟化させてリサイクル使用を不
可能にしたりするおそれがある。また例えば、潜像担持
体を一様帯電せしめる帯電ローラ等の帯電装置に熱が伝
わってその電気抵抗を不安定にすることで、潜像担持体
の帯電量を不安定にするおそれがある。これらの不具合
が生ずると、当然ながら画像に影響を及ぼして画質を劣
化させてしまう。
【0006】本発明は、以上の背景に鑑みなされたもの
であり、その目的とするところは、熱源からの熱を潜像
担持体に伝えてしまうことによる画質劣化を抑えること
ができる画像形成装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、潜像担持体を帯電せしめる帯電
装置、該潜像担持体に潜像を形成せしめる潜像形成装
置、該潜像を像形成物質の付着によって現像する現像装
置、及び該潜像担持体上に残留する像形成物質をクリー
ニングするクリーニング装置を有する可視像形成手段
と、所定の機能を発揮すべく発熱することで該潜像担持
体に熱を伝えてしまう熱源とを備える画像形成装置にお
いて、上記帯電装置、現像装置及びクリーニング装置の
うちの少なくとも1つを、上記潜像担持体と所定の間隙
を介して非接触に配設したことを特徴とするものであ
る。また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置
において、上記帯電装置、現像装置及びクリーニング装
置の3つを、上記潜像担持体と所定の間隙を介して非接
触に配設したことを特徴とするものである。また、請求
項3の発明は、潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担
持体に可視像を形成する可視像形成手段と、該潜像担持
体上の可視像を中間転写体に中間転写せしめる中間転写
手段と、該中間転写体上の可視像を記録体に最終転写せ
しめる最終転写手段と、所定の機能を発揮すべく発熱す
ることで該中間転写体に熱を伝えてしまう熱源とを備え
る画像形成装置において、上記中間転写体を上記潜像担
持体と所定の間隙を介して非接触に配設したことを特徴
とするものである。また、請求項4の発明は、請求項
1、2又は3の画像形成装置において、上記間隙に向け
て送風する送風手段を設けたことを特徴とするものであ
る。また、請求項5の発明は、請求項3の画像形成装置
において、上記最終転写手段として、上記熱源からの熱
を上記可視像に作用させて上記最終転写を実現するもの
を用いるとともに、上記中間転写体に別の上記熱源から
の熱を作用させて上記中間転写体上に残留する像形成物
質をクリーニングする熱クリーニング装置を設けたこと
を特徴とするものである。また、請求項6の発明は、潜
像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体に可視像を形
成する可視像形成手段と、該潜像担持体上の可視像を中
間転写体に中間転写せしめる中間転写手段と、該中間転
写体上の可視像を記録体に最終転写せしめる最終転写手
段と、所定の機能を発揮すべく発熱することで該中間転
写体に熱を伝えてしまう熱源とを備える画像形成装置に
おいて、上記潜像担持体として中空構造のものを用いる
とともに、上記潜像担持体をその中空内から冷却する冷
却手段を設けたことを特徴とするものである。これらの
発明において、請求項1の発明の構成を備えるものにお
いては、帯電装置、現像装置又はクリーニング装置のう
ちの少なくとも1つを潜像担持体に対して非接触に配設
している。そして、このことにより、熱源からの熱を潜
像担持体に伝えてしまうことによる画質劣化を抑えるこ
とができる。具体的には、例えば帯電装置を非接触に配
設した場合には、接触配設する場合に比して潜像担持体
から該帯電装置への熱伝導を抑える。そして、このこと
により、帯電装置の温度変化に伴う電気抵抗変化を軽減
してその帯電性能を安定化させることで、潜像担持体の
帯電量の不安定化による画質劣化を抑えることができ
る。また例えば、現像装置を非接触に配設した場合に
は、接触配設する場合に比して熱伝導による該現像装置
内の像形成物質の軟化を抑えて現像性能を安定化させる
ことで、現像不良による画質劣化を抑えることができ
る。また例えば、クリーニング装置を非接触に配設した
場合には、接触配設する場合に比して熱伝導の低減によ
って該クリーニング装置のクリーニング性を安定化させ
て、クリーニング不良による画質劣化を抑えることがで
きる。また、請求項3の発明の構成を備えるものにおい
ては、中間転写体を潜像担持体に対して非接触に配設す
ることで、熱源から該中間転写体を介した潜像担持体へ
の熱伝導を抑える。よって、熱源からの熱を潜像担持体
に伝えてしまうことによる画質劣化を抑えることができ
る。また、請求項6の発明の構成を備えるものにおいて
は、たとえ熱源からの熱を潜像担持体に伝えてしまって
も、該潜像担持体をその中空構造の内部から冷却して温
度上昇を抑えることができる。よって、熱源からの熱を
潜像担持体に伝えてしまうことによる画質劣化を抑える
ことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した画像形成
装置の実施形態として、電子写真方式のプリンタ(以
下、単にプリンタという)の第1実施形態について説明
する。まず、本プリンタの基本的な構成について説明す
る。図1は、本プリンタの概略構成図である。図におい
て、プリンタ100は、装置内の上下方向略中央に、潜
像担持体である感光体ドラム1を組み込んだプロセスカ
ートリッジ6を備えている。このプロセスカートリッジ
6は、感光体ドラム1の他、ドラムクリーニング装置
2、除電装置3、帯電装置4、現像装置5などを一体に
組み込んでおり、寿命到来時に交換されるようになって
いる。
【0009】上記帯電装置4は、図示しない駆動手段に
よって図中時計回りに回転せしめられる感光体ドラム1
の表面を例えば負極性に一様帯電せしめる。このように
一様帯電せしめられた感光体ドラム1の表面は、後述の
露光装置によって露光されて静電潜像を担持する。上記
現像装置5は、そのケーシングの開口から現像ローラ5
aを部分的に露出させている。この現像ローラ5aは、
像形成物質であるトナーを表面に担持して回転し、感光
体ドラム1との対向位置で静電潜像に付着させる。この
付着によって感光体ドラム1上の静電潜像がトナー像に
現像される。現像されたトナー像は、後述のベルトユニ
ットによって中間転写ベルトあるいは転写紙に転写され
る。上記ドラムクリーニング装置2は、トナー像転写後
の感光体ドラム1に残留したトナーをドラム表面から除
去してクリーニングする。除去されたトナーはドラムク
リーニング装置2の内部に蓄えられる。上記除電装置3
は、クリーニング後の感光体ドラム1の残留電荷を除電
する。この除電により、感光体ドラム1の表面が初期化
されて次の画像形成に備えられる。
【0010】かかる構成のプロセスカートリッジ6の図
中右側には、露光装置7が配設されている。この露光装
置7は、画像情報に基づいて発したレーザ光Lを、帯電
装置4と現像装置5の間の書き込み位置から感光体ドラ
ム1に照射する。
【0011】また、プロセスカートリッジ6の図中下側
には、給紙カセット90、給紙ローラ91、レジストロ
ーラ対92等を有する給紙手段が配設されている。この
給紙カセット90には記録体としての転写紙Pが複数枚
収納されるようになっており、一番上の転写紙Pには給
紙ローラ91が当接している。給紙ローラ91が図示し
ない駆動手段によって図中時計回りに回転せしめられる
と、この一番上の転写紙Pがレジストローラ対92のロ
ーラ間に挟み込まれる。レジストローラ対92は、挟み
込んだ転写紙Pを適切なタイミングで後述の転写ニップ
に向けて送り出す。
【0012】また、プロセスカートリッジ6の図中左側
には、中間転写ベルト11、張架ローラ12,13,1
4,15、転写ローラ16、裏当てローラ17、転写チ
ャージャ18、ベルトクリーニング装置19等を有する
ベルトユニット10が配設されている。このベルトユニ
ット10は、中間転写ベルト11を無端移動させながら
感光体ドラム1に接触させて転写ニップを形成する。中
間転写体としてローラ状のものではなく、ベルト状のも
のを用いることで、その形状を柔軟に変化させて幅広い
転写ニップを形成することができる。上記張架ローラ1
2,13,14,15は、中間転写ベルト11をテンシ
ョン張架しながら、何れか1本の張架ローラの回転駆動
に伴って図中反時計回りに無端移動せしめる。このよう
に回転駆動する張架ローラについては、中間転写ベルト
11の巻き付き角度をある程度確保させ、その駆動力を
ベルトに確実に伝達させるように構成している。中間転
写ベルト11は、これら張架ローラ12,13,14,
15に張架されていない部分を、感光体ドラム1の周面
の一部に巻き付けて転写ニップを形成している。上記転
写ローラ16は、この転写ニップに位置において感光体
ドラム1との間に中間転写ベルト11を挟み込むように
配設されている。そして、図示しない電源から例えば正
極性の電圧供給を受けることで、感光体ドラム1との間
に転写電界を形成する。転写ニップにおいては、この転
写電界やニップ圧の影響などにより、感光体ドラム1上
のトナー像が中間転写ベルト11や、上記レジストロー
ラ対92によって送り込まれてきた転写紙P上に転写さ
れる。
【0013】上記転写ニップで感光体ドラム1上のトナ
ー像が転写せしめられた転写紙Pは、中間転写ベルト1
1の無端移動に伴って転写チャージャ18との対向位置
を通過する。そして、ベルトユニット10の図中上側に
配設された加熱定着装置70に向けて送り出される。な
お、転写チャージャ18の役割については後述する。
【0014】上記加熱定着装置70は、図示しないヒー
タを内蔵した2つの定着ローラ70a,bを有してお
り、中間転写ベルト11から送り出されてくる転写紙P
を両ローラ間に挟み込む。これら定着ローラ70a,b
は、内部に熱源としてのヒータを備えており、両ローラ
間に挟み込んだ転写紙P上のトナーを軟化させながら加
圧してトナー像を転写紙P上に定着させる。トナー像が
定着せしめられた転写紙Pは、排出路80に送り出され
た後、排紙ローラ等で構成される排紙装置81を経由し
てプリンタ本体の上面に排出される。プリンタ本体の上
面には、スタック部82が形成されており、排紙装置8
1から排出されてくる転写紙Pはこのスタック部82に
順次スタックされる。
【0015】上記給紙カセット90と露光装置7との間
には、電装部E1や制御装置E2が配置されており、こ
れらによって各機器に対して電気的な制御がなされる。
プリンタ本体の図中右上隅には、ファンF1が配設され
ており、これによって機内空気が強制的に排出されて機
内温度の過昇が抑えられるようになっている。
【0016】ところで、一般に、同じ帯電極性のトナー
からなる2つのトナー像を互いに向かい合わせるよう
に、転写紙Pの両面に静電的に転写することは困難であ
る。例えば、負極性に帯電したトナーからなる負極性の
トナー像を転写紙Pのおもて面に静電的に転写した後、
別の負極性のトナー像を転写紙Pの裏面に静電的に転写
しようとしたとする。1回目の転写では、負極性のトナ
ー像を転写紙Pのおもて面側に位置させながら、このト
ナー像に対して転写紙Pのおもて面側から裏面側に向か
う静電力を付与することになる。そして、2回目の転写
では、負極性のトナー像を転写紙Pの裏面側に位置させ
ながら、このトナー像に対して記録体の裏面側からおも
て面側に向かう静電力を付与することになる。しかし、
このとき、先に転写紙Pのおもて面に転写しておいた負
極性のトナー像には、おもて面から引き離すような静電
力を付与してしまう。このため、先に転写しておいたト
ナー像をこれに接触しているローラ等に逆転写してしま
うため、両面転写が困難になるのである。
【0017】そこで、本プリンタ100においては、次
のようなプロセスによって転写紙Pの両面にトナー像を
転写するように構成されている。即ち、本プリンタ10
0は、パーソナルコンピュータなどから送られてくる画
像情報信号に基づいて画像を形成するように構成されて
いる。この画像情報信号が本プリンタ100に受信され
ると、これに基づいて露光装置7が駆動制御される。こ
の駆動制御によって露光装置7から発せられたレーザ光
Lは、図示しないモータによって回転駆動されるポリゴ
ンミラー7aで走査され、ミラー7b、fθレンズ7c
等を経て感光体ドラム1に照射されて第1静電潜像を形
成する。この第1静電潜像は像形成物質であるトナーを
用いる現像装置5によって現像され、感光体ドラム1上
で第1トナー像になる。この第1トナー像は、感光体ド
ラム1の回転に伴って転写ニップまで移動する。このと
き、転写紙Pはまだ転写ニップに送り込まれておらず、
第1トナー像は転写紙Pではなく中間転写ベルト11上
に転写される。そして、転写後に中間転写ベルト11が
約一周分無端移動すると、再び転写ニップに戻ってく
る。第1トナー像が転写ニップに戻されるのに先立っ
て、次の露光工程や現像工程が開始され、感光体ドラム
1上に第2可視像である第2トナー像が形成される。ま
た、給紙カセット90からレジストローラ対92に転写
紙Pが送り込まれる。レジストローラ対92は、この転
写紙Pの第1面(図中下側の面)を、転写ニップに再び
戻ってくる第1トナー像に重ね合わせ得るタイミングで
送り出す。一方、上記第2トナー像は、このように転写
ニップに送り出される転写紙Pの第2面(図中上側の
面)にピッタリ重なるようなタイミングで感光体ドラム
1上に形成される。よって、上記第1トナー像が再び戻
ってきた転写ニップでは、中間転写ベルト11上の第1
トナー像と、転写紙Pと、感光体ドラム1上の第2トナ
ー像とがサンドイッチ状に挟まれる。そして、第2トナ
ー像が転写ローラ16によって形成される転写電界など
の影響を受けて転写紙Pの第2面に転写される。このと
き、中間転写ベルト11と転写紙Pの第1面との間に位
置する第1トナー像には、中間転写ベルト11側に引き
付けられる静電力が転写電界によって作用する。このた
め、第1トナー像は転写紙Pの第1面に接触している
が、そこにはまだ転写されない。転写ニップを出た転写
紙Pは、転写ニップで転写された第2トナー像を第2面
に保持し、且つ中間転写ベルト11上の第1トナー像を
第1面に接触させた状態で、中間転写ベルト11ととも
に移動する。そして、上記転写チャージャ18との対向
位置を通過する際に、それまで第1面に接触していただ
けの第1トナー像が静電的に転写される。このとき、転
写紙Pの第2面と転写チャージャ18との間には所定の
間隙が保持されており、第2トナー像が接触によって転
写チャージャ18に逆転写するようなことはない。この
ように、ベルトユニット10は転写ローラ16や転写チ
ャージャ18などの機能によって転写紙Pの両面にトナ
ー像を転写することができるので、両面転写装置として
の機能を有している。
【0018】上記転写チャージャ18を転写ニップより
もベルト移動方向下流側に設けた例について説明した
が、これの代わりに同様の構成の帯電チャージャを転写
ニップよりもベルト移動方向上流側に設けてもよい。か
かる構成では、中間転写ベルト11に転写した第1トナ
ー像を再び転写ニップに送り込むのに先立ち、帯電チャ
ージャによる電荷の付与によってこの第1トナー像を逆
帯電させる。逆帯電した第1トナー像は、転写ニップで
転写紙Pを介して第2トナー像と向かい合わされる。そ
して、転写電界によって第2トナー像に対して感光体ド
ラム1側から転写紙P側に向かう方向の静電力が付与さ
れると、第1トナー像にはベルト側から転写紙P側に向
かう静電力が付与される。よって、第1トナー像は、中
間転写ベルト10に逆転写されることなく転写紙P上に
転写される。
【0019】なお、上記転写チャージャ18は、その電
荷付与位置を第1トナー像が転写紙Pや第2トナー像と
一緒にではなく単独で通過するときには、停止状態にな
るように制御される。また、上記第1トナー像は、鏡像
ではなく正像となるように感光体ドラム1上に形成され
る。これは次に説明する理由による。即ち、ドラムから
転写紙Pへの直接転写の場合には感光体1ドラム上に鏡
像を形成し、これを転写紙Pに直接転写すると正像が得
られる。ところが、ドラム→ベルト→転写紙Pという間
接転写では感光体ドラム1上に鏡像を形成すると転写紙
Pの第1面で鏡像にしてしまうからである。転写紙Pに
直接転写される第2トナー像については、通常通り鏡像
として感光体ドラム1上に形成することは言うまでもな
い。
【0020】本プリンタ100において、転写紙Pの片
面だけにトナー像を形成するときには、次のような画像
形成プロセスが実施される。即ち、まず、感光体ドラム
1上に鏡像のトナー像が形成されて転写ニップに送られ
る。一方、給紙カセット90からは転写紙Pがレジスト
ローラ対92に向けて送られた後、このトナー像と重ね
合わされるようなタイミングで転写ニップに送り出され
る。転写ニップを通過してその第2面にトナー像を担持
した転写紙Pは、転写チャージャ18からチャージを受
けることなく加熱定着装置70に送られ、トナー像が定
着せしめられた後にスタック部82に排出される。
【0021】なお、本第1実施形態に係るプリンタ10
0の露光装置7のように光源としてレーザー半導体を用
いるものの代わりに、LED方式のものを用いても良
い。
【0022】図2は上記ベルトユニット10の一部と加
熱定着装置70とを示す拡大構成図である。中間転写ベ
ルト11は、図中上方向への移動に伴って張架ローラ1
2による張架位置まで移動すると、この張架ローラ12
の周面に巻き付くようにして移動方向を図中左方向に変
える。一方、図中上方向に移動する中間転写ベルト11
部分とともに張架ローラ12によるベルト張架位置まで
移動した転写紙Pの先端側部分は、張架ローラ12の周
面に沿って急激に方向転換しようとする中間転写ベルト
11には追従しない。自らの腰の強さによって中間転写
ベルト11から剥がれるのである。そして、まだ張架ロ
ーラ12によるベルト張架位置まで到達せずに、中間転
写ベルト11とともに移動を続ける転写紙Pの後端側部
分によって図中上方向に押し上げられ、中間転写ベルト
11から徐々に突出していく。このように中間転写ベル
ト11から剥がれて突出していく転写紙Pの先端側部分
は、支持が失われるために重力の影響を受け手図中右あ
るいは左側に折れ曲がろうとする。但し、中間転写ベル
ト11からの突出量がある程度小さいうちは、自らの腰
の強さによってほぼ真っ直ぐな姿勢を維持する。そし
て、腰の強さのみでは自重を支えきれなくなるまで突出
量を大きくした時点で、右あるいは左側に折れ曲がって
しまう。このように折れ曲がってしまうと、加熱定着装
置70内に進入することが不可能になってしまう。そこ
で、通常は、このように折れ曲がろうとする転写紙Pを
加熱定着装置70内に案内するためのガイド板を、加熱
定着装置70とベルトユニット10との間や、加熱定着
装置70のケーシングに設けるわけである。しかしなが
ら、本第1実施形態のプリンタ100ではかかるガイド
板を設けていない。代わりに、ベルトユニット10と加
熱定着装置30とを従来よりも近づけて配設している。
具体的には、折れ曲がろうとする転写紙Pの先端側部分
にその腰の強さでほぼ真っ直ぐな状態を維持させている
間に、この先端側部分を加熱定着装置70の定着ローラ
70a,bに到達させ得るような距離Sまで近づけてい
る。
【0023】かかる構成では、ガイド板を設けていなく
ても、転写紙Pを中間転写ベルト11から定着ローラ7
0a,bに受け渡しさせることができる。よって、ガイ
ド板と転写紙Pとの摺擦に起因する第1面側の第1トナ
ー像の乱れを解消することができる。但し、上述のよう
にベルトユニット10と加熱定着装置70とを近づけて
配設した状態では、定着ローラ70a,b内のヒータか
ら発せられる熱によって中間転写ベルト11を加熱して
しまう。そこで、中間転写ベルト11の基材に、耐熱性
材料を用いている。
【0024】上述のように、転写ニップで感光体ドラム
1から中間転写ベルト11に転写された第1トナー像
は、転写紙Pとともに転写チャージャ18との対向位置
を通過する際に転写紙Pの第1面に転写される(図1参
照)。ところが、転写紙Pと中間転写ベルト11とが離
間する際に、どうしても一部のトナーが中間転写ベルト
11上に残留してしまう。これがレジストローラ対92
から転写ニップに送り出された転写紙Pに接触すると、
転写紙Pの第1面を汚してしまうことになる。そこで、
本プリンタ100においては、図1に示したようなベル
トクリーニング装置19を設けている。このベルトクリ
ーニング装置19は、クリーニングローラ19a、掻き
取りブレード19b、搬送スクリュウ19c、図示しな
い接離機構などを有している。クリーニングローラ19
aは、上記張架ローラ12(転写紙Pの離間位置付近)
よりもベルト移動方向下流側で、中間転写ベルト11の
裏面に接触する張架ローラ15との間に、中間転写ベル
ト11を挟み込みながら回転する。中間転写ベルト11
のおもて面の残留トナーは、このように回転するクリー
ニングローラ19aに接触するとこれに転移して中間転
写ベルト11から除去される。ベルトクリーニング装置
19は、転写紙Pと中間転写ベルト11とが離間する張
架ローラ12の付近から、転写ニップに至るまでの移動
経路内にあるベルト部分に対してクリーニング処理を施
すのである。
【0025】上記掻き取りブレード19bは、クリーニ
ングローラ19a表面に転移した残留トナーを掻き取っ
て、その下方に配設された搬送スクリュウ19c上に落
とす。掻き取られた残留トナーを受け取った搬送スクリ
ュウ19cは、図示しない駆動手段によって回転せしめ
られることで、残留トナーをその軸線方向に搬送して図
示しない回収部に送る。
【0026】中間転写ベルト11上の残留トナーを加熱
定着装置70の近くでそのガラス転移点以上の温度まで
加熱してしまう場合には、次に説明するような位置にベ
ルトクリーニング装置19を配設することが望ましい。
即ち、自然放熱によってガラス転移点以下の温度まで冷
める前の残留トナーをクリーニングローラ19aで除去
し得る位置である。かかる位置に配設すれば、加熱定着
装置70の影響によって溶融してしまった残留トナーを
中間転写ベルト11に固着させる前に除去することがで
き、固着によるクリーニング不良を抑えることが可能に
なるからである。
【0027】ベルトクリーニング装置19には、クリー
ニングローラ19aを中間転写ベルト11から接離させ
る図示しない接離機構も設けている。この接離機構は、
例えば図示しないソレノイドのON/OFFにより、上
記搬送スクリュウ19cを中心にしてベルトクリーニン
グ装置19を揺動させる。そして、この揺動に伴ってク
リーニングローラ19aを中間転写ベルト11に接離さ
せる。かかる構成により、残留トナーではなく、上記第
1トナー像がクリーニング位置に移動してくるようなと
きには、クリーニングローラ19aを中間転写ベルト1
1から離間させることが可能になる。よって、第1トナ
ー像をクリーニングしてしまうといった事態を回避する
ことができる。また、中間転写ベルト11に対し、クリ
ーニングが必要なときだけクリーニングローラ19aを
接触させ、クリーニングが不要なときには離間させてお
くことも可能になる。よって、クリーニング性能を消失
させることなく、クリーニングローラ19aの回転駆動
手段や中間転写ベルト11に対する負荷を低減すること
ができる。
【0028】本プリンタ100では、上記転写ニップに
おいて、中間転写ベルト10を感光体ドラム1に積極的
に接触せしめながら感光体ドラム1上のトナー像をベル
ト側に転写する接触転写方式を採用している。かかる接
触転写方式では、トナー像を転写体に向けて飛翔させる
非接触転写方式とは異なり、トナー像を飛翔させること
なく転写するので、トナー像の飛翔経路のズレに起因す
る転写ズレを回避することができる。しかし、加熱定着
装置30の影響によって加熱された中間転写ベルト10
を、感光体ドラム1に接触させることで、熱源たる上記
ヒータからの熱を感光体ドラム1に伝えてしまう。
【0029】次に、本第1実施形態に係るプリンタ10
0の特徴的な構成について説明する。先に示した図1に
おいて、上記帯電装置4としては、帯電バイアスが印加
される帯電ローラを感光体ドラム1に摺擦させてドラム
を帯電せしめるものや、帯電チャージャが一般的であ
る。帯電チャージャはコロナ放電に伴ってオゾンを発生
させるので、近年においては、環境保護の観点から帯電
ローラ方式が好まれるようになっている。しかしなが
ら、本プリンタ100のように上記ヒータからの熱が感
光体ドラム1に伝わってしまうものにおいて、帯電ロー
ラ方式を用いると、熱によって帯電ローラの電気抵抗を
変化させてしまう。そして、この変化に伴って帯電バイ
アス値を不安定にすることで、感光体ドラム1の帯電量
を不安定にしてしまう。帯電量の変化は、当然ながら画
質に影響を及ぼす。そこで、本プリンタ100において
は、帯電装置4として、帯電チャージャとは異なり且つ
非接触方式のものを用いている。
【0030】図3は、本プリンタ100の帯電装置4を
示す拡大構成図である。図において、この帯電装置4
は、所定の曲率で湾曲する電極板4a、これに帯電バイ
アスを印加する帯電バイアス電源4bなどを有してい
る。電極板4aは、感光体ドラム1に対して間隙G1を
介して対向しており、印加される帯電バイアスの影響に
よって感光体ドラム1に向かう放電を発生させてドラム
表面を負極性に一様帯電せしめる。本第1実施形態で
は、間隙G1を30〜50[μm]に設定しており、電
極板4aを感光体ドラム1に接触させないようにしてい
る。かかる構成では、感光体ドラム1から電極板4aへ
の熱伝導を軽減して、電極板4aの温度変化による抵抗
変化を抑えることで、熱伝導によるドラム帯電量の不均
一化を抑えている。よって、上記ヒータからの熱を感光
体ドラム1に伝えてしまうことによる画質劣化を抑える
ことができる。本発明者の実験によれば、感光体ドラム
1に比較的大きな温度上昇が認められても、これに伴う
帯電装置4の温度上昇はごく僅かであり、安定した帯電
性能を確保することができた。
【0031】帯電装置4の図中下方には、上記間隙G1
に向けて気流を送り込むための送風ノズル8が配設され
ている。この送風ノズル8は、図示しないコンプレッサ
ーから送られてくるエアーを上記間隙G1に送り込む。
送風ノズル8とコンプレッサーとにより、間隙G1に向
けて送風する送風手段が構成されているのである。かか
る構成では、間隙G1への送風により、感光体ドラム1
から帯電装置4への空気を介しての熱伝導を大幅に抑え
ることができる。よって、ドラム帯電量の不均一化によ
る画質劣化をより確実に抑えることができる。本発明者
の実験によれば、間隙G1に気流を送ることで、感光体
ドラム1に比較的大きな温度上昇が認められても、帯電
装置4内をほぼ室温に保つことができた。なお、送風ノ
ズル8と上記コンプレッサーとの組合せに代えて、送風
手段として軸流ファンなどを用いてもよい。
【0032】上記現像装置5としては、現像ローラ5a
を感光体ドラム1に接触させながら静電潜像を現像する
接触方式のものと、現像ローラ5aを感光体ドラム1に
接触させず、ローラからトナーを飛翔させる非接触方式
のものとがある。本第1実施形態のプリンタ100にお
いては、これらのうち、非接触方式の現像装置5を採用
している。図4は現像装置5を示す拡大構成図である。
現像装置5は、現像ローラ5a、発泡ウレタン等で構成
された供給ローラ5b、2つのアジテータ5c,dなど
を有している。現像装置5の後半部分には、ホッパ部5
eが形成されており、ここにはトナーと、2つのアジテ
ータ5c,dが収容されている。アジテータ5c,d
は、図示しない駆動系によってそれぞれ図中時計回りに
回転せしめられることで、ホッパ部5e内のトナーを現
像ローラ5a側に送る。現像ローラ5aと、アジテータ
5cとの間には、現像ローラ5aに当接しながら図示し
ない駆動系によって回転せしめられる供給ローラ5bが
配設されている。この供給ローラ5bは、アジテータ5
cから送られてくるトナーをその多孔構造によって汲み
上げて現像ローラ5aに供給する。現像ローラ5aは、
感光体ドラム1に対して間隙G2を介して対向してお
り、現像バイアス電源EV1によってAC現像バイアス
が印加される。間隙G2では、このAC現像バイアスの
影響によって現像ローラ5a上のトナーがローラとドラ
ムとの間を高速で往復飛翔する。但し、感光体ドラム1
の静電潜像の部分では、これに付着して現像ローラ5a
に戻らない。本第1実施形態では、上記間隙G2を20
0[μm]に設定している。かかる構成では、非接触方
式によって感光体ドラム1から現像ローラ5aへの熱伝
導を軽減することで、現像装置5内のトナーの熱による
劣化を抑える。そして、このことにより、トナーの劣化
による画質劣化を抑える。よって、上記ヒータからの熱
を感光体ドラム1に伝えてしまうことによる画質劣化を
抑えることができる。本発明者の実験によれば、感光体
ドラム1に比較的大きな温度上昇が認められても、現像
装置5内の温度をほぼ室温に保つことができた。
【0033】現像装置5の図中上方には、上記間隙G2
に向けて気流を送り込むための送風ノズル8が配設され
ている。図示しないコンプレッサーに接続されているノ
ズルである。かかる構成では、間隙G2への送風によ
り、感光体ドラム1から現像装置5への空気を介しての
熱伝導を大幅に抑えることができる。よって、トナーの
劣化による画質劣化をより確実に抑えることができる。
本発明者の実験によれば、間隙G2に気流を送ること
で、感光体ドラム1にかなり大きな温度上昇が認められ
ても、現像装置5内をほぼ室温に保つことができた。な
お、間隙G2に送る気流の強さについては、ドラム−現
像ローラ間のトナー飛翔を妨げないレベルに抑えた。
【0034】上記ドラムクリーニング装置2としては、
感光体ドラム1上の残留トナーをクリーニングブレード
によって機械的に掻き落とすブレード方式のものが一般
的である。しかしながら、感光体ドラム1に温度上昇が
あると、クリーニングブレードとドラム1との摩擦熱と
相まって、装置内の温度を異常に高めて内部の回収トナ
ーを軟化させるおそれがある。軟化させてしまった回収
トナーをリサイクル利用することはできない。また、ク
リーニングブレードと感光体ドラム1との当接部の温度
を過剰に高めて、感光体ドラム1表面にトナーフィルミ
ングを形成してしまうおそれがある。トナーフィルミン
グは、画像抜けなどといった深刻な画質劣化を引き起こ
す。そこで、本第1実施形態のプリンタ100において
は、ドラムクリーニング装置2として、非接触方式のも
のを採用している。
【0035】図5は、ドラムクリーニング装置2を示す
拡大構成図である。ドラムクリーニング装置2は、感光
体ドラム1に対して間隙G3を介して対向しながら図示
しない駆動手段によってドラム表面移動方向と順方向に
回転せしめられるクリーニングローラ2a、これに当接
するブレード2bなどを備えている。クリーニングロー
ラ2aには、クリーニング電源EV2によってトナーと
は逆極性のクリーニングバイアスが印加される。間隙G
3では、このクリーニングバイアスの影響を受けて、感
光体ドラム1上の残留トナーがドラム表面から飛翔して
クリーニングローラ2aに付着する。クリーニングロー
ラ2aに付着した残留トナーはブレード2bによって掻
き取られてクリーニング装置2内に回収される。本第1
実施形態のプリンタにおいては、上記間隙G3を100
〜300[μm]に設定した。かかる構成では、感光体
ドラム1からドラムクリーニング装置2への熱伝導を軽
減して、トナーフィルミングの形成を抑えるとともに、
回収トナーの軟化を抑えている。よって、上記ヒータか
らの熱を感光体ドラム1に伝えてしまうことによる画質
劣化を抑えることができる。本発明者の実験によれば、
感光体ドラム1に比較的大きな温度上昇が認められて
も、ドラム上にトナーフィルミングを形成することはな
かった。また、回収トナーを画像形成に使用してみたと
ころ、問題のない高画質のトナー画像を得ることができ
た。
【0036】ドラムクリーニング装置2の図中左下方に
は、上記間隙G3に向けて気流を送り込むための送風ノ
ズル8が配設されている。この送風ノズル8は、図示し
ないコンプレッサーから送られてくるエアーを上記間隙
G3に送り込む。かかる構成では、間隙G3への送風に
より、感光体ドラム1からドラムクリーニング装置2へ
の空気を介しての熱伝導を大幅に抑えることができる。
よって、トナーフィルミングの形成や回収トナーの劣化
をより確実に抑えることができる。本発明者の実験によ
れば、感光体ドラム1に大きな温度上昇が認められて
も、トナーフィルミングの形成や回収トナーの劣化は全
く生じなかった。
【0037】次に、本発明を適用した第2実施形態のプ
リンタについて説明する。図6は本第2実施形態に係る
プリンタ100Bの概略構成図である。なお、このプリ
ンタ100Aの電子写真プロセスなど、基本的な構成に
ついては第1実施形態のプリンタ100とほぼ同様であ
るので、これとは異なる点のみを説明することにする。
【0038】図6において、本プリンタ100Aは、4
つのプロセスカートリッジ6Y,M,C,BKや、第1
ベルトユニット20を備えている。プロセスカートリッ
ジ6Y,M,C,BKは、それぞれY(イエロー)、M
(マゼンタ)、C(シアン)、BK(ブラック)トナー
像を形成するためのもので、使用するトナーの色が異な
る以外はほぼ同様の構成となっている。プロセスカート
リッジ6Yを例にして説明すると、図7に示すように、
感光体ドラム1Y、ドラムクリーニング装置2Y、除電
装置3Y、帯電装置4Y、現像装置5Y等を有してい
る。帯電装置4Yは、図示しない電源によって帯電バイ
アスが印加される帯電ローラを感光体ドラム1に接触さ
せながらこれとはカウンター方向に回転させる。これに
より、感光体ドラム1の表面が一様帯電せしめられた
後、露光装置7によって露光されてY用の静電潜像を担
持する。このY用の静電潜像は、Yトナーを用いる接触
方式の現像装置5YによってYトナー像に現像される。
そして、後述のY用転写位置に送られる。一方、ドラム
クリーニング装置2Yは、図示しない電源によってクリ
ーニングバイアスが印加されるクリーニングローラをド
ラム表面に接触させながらドラムと順方向に回転させ
る。クリーニングバイアスの影響を受けてドラム方面か
らクリーニングローラに転移した残留トナーは、ブレー
ドによって掻き落とされて回収される。また、上記除電
装置3Yは、クリーニング後の感光体ドラム1Yの残留
電荷を除電する。この除電により、感光体ドラム301
Yの表面が初期化されて次の画像形成に備えられる。先
に示した図6において、他のプロセスカートリッジ6
M,C,Kにおいても、同様にして感光体ドラム上に
M,C,BKトナー像が形成され、それぞれ後述のM,
C,BK用転写位置に送られる。なお、露光装置7は、
4つの感光体ドラム1Y,M,C,BKをそれぞれ個別
に露光するように構成されている。
【0039】上記第1ベルトユニット20は、無端状の
第1中間転写ベルト21、これをテンション張架する駆
動ローラ22、従動ローラ23などを備えている。ま
た、4つのプロセスカートリッジ6Y,M,C,BKに
それぞれ個別に対向する転写チャージャ24Y,M,
C,BKや、裏当てローラ25Y,M,C,BK、ベル
トクリーニング装置26なども備えている。同じ色に対
応する転写チャージャと裏当てローラとは、それぞれそ
の色用のプロセスカートリッジの感光体ドラムに対し
て、第1中間転写ベルト21を介して対向している。転
写チャージャ24Y,M,C,BKが第1中間転写ベル
ト21を介して感光体ドラム1Y,M,C,BKに対向
する位置には、それぞれチャージャとドラムとの間に転
写電界が形成される。このように転写電界が形成されて
いる位置が、それぞれY,M,C,BK用転写位置にな
っている。第1中間転写ベルト21は、図示しない駆動
手段によって回転せしめられる駆動ローラ22によって
図中時計回りに無端移動せしめられる。そして、各転写
位置において、Y、M、C、BKトナー像が順次重ね合
わせて中間転写せしめられる。この重ね合わせの中間転
写により、第1中間転写ベルト21上には4色重ね合わ
せトナー像が形成される。また、中間転写ベルト21
は、駆動ローラ22に張架されている部分をもう1つの
ベルトユニット10の中間転写ベルト11に当接させて
転写ニップを形成している。中間転写ベルト21上の4
色重ね合わせトナー像は、この転写ニップにおいて転写
紙P又は中間転写ベルト11上に一括して転写される。
レジストローラ対92は、転写紙Pをこの転写ニップで
上述の4色重ね合わせトナー像に重ね合わせ得るタイミ
ングを見計らって送り出す。但し、この4色重ね合わせ
トナー像が、転写紙Pの第1面に転写されるべき第1ト
ナー像である場合には、転写紙Pを送り出さない。よっ
て、第1トナー像は転写ニップで中間転写ベルト11上
に転写されるのに対し、第2トナー像は転写紙P上に転
写される。
【0040】第1中間転写ベルト21上に残留したトナ
ーは、ベルトクリーニング装置26によってクリーニン
グされる。このベルトクリーニング装置26は、ベルト
ユニット10のベルトクリーニング装置19とほぼ同様
の構成となっており、搬送スクリュウ26cを中心に揺
動することでクリーニングローラ26aを第1中間転写
ベルト21に接離させる。この接離により、第1中間転
写ベルト21上の第1トナー像をクリーニングしてしま
うといった事態が回避される。
【0041】プリンタ100A筺体内の上部には、Y、
M、C、Kトナーを収容するトナー収容器Ty、Tm、
Tc、Ykが配設されており、これらからそれぞれ対応
する現像装置にトナーが補給される。
【0042】以上の構成の本プリンタ100Aにおいて
は、転写紙Pの両面にフルカラー画像を形成することが
できる。なお、Y,M,C,BKトナー像を4つのプロ
セスカートリッジ6Y,M,C,BKによって形成する
例について説明したが、1つのプロセスユニットで形成
させるようにしてもよい。具体的には、Y,M,C,B
Kトナー像用の4つの現像装置を1つの感光体ドラムの
周囲に配設する。一方、この感光体ドラムにはY,M,
C,BK用の静電潜像をそれぞれ個別に形成させ、これ
らをその色用の現像装置で現像させる。そして、得られ
たY、M、C、Kトナー像を第1中間転写ベルト21上
に重ね合わせて中間転写させるのである。但し、この場
合、第1中間転写ベルト21を少なくとも4回転させて
そのベルト上に4色重ね合わせトナー像を得る必要があ
る。かかる構成では、中間転写ベルト21を一周させた
だけで4色重ね合わせトナー像を得る本プリンタ100
Aよりも、画像形成に長時間を要する。また、1、2、
3色重ね合わせトナー像をベルトユニット10の中間転
写ベルト11に転写してしまわないように、4色重ね合
わせトナー像が得られるまで第1中間転写ベルト21と
中間転写ベルト10とを離間させておく離間手段が必要
になる。
【0043】本プリンタ100Aにおいては、加熱定着
装置70をベルトユニット10内に配設している。具体
的には、定着ローラ70aを中間転写ベルト11の裏面
に当接させながら回転させる一方で、定着ローラ70b
を中間転写ベルト11のおもて面に当接させながら回転
させるように、加熱定着装置70を配設している。ま
た、定着ローラ70a,bをそれぞれ中間転写ベルト1
1に対して接離させる図示しない接離手段も設けてい
る。中間転写ベルト11については、熱源たる上記ヒー
タを有する定着ローラ70a,bに直接接触させるとい
う観点から、ポリイミド等の耐熱材料を用いている。
【0044】第1ベルトユニット20の第1中間転写ベ
ルト21からベルトユニット10の中間転写ベルト11
に中間転写せしめた第1トナー像については、中間転写
ベルト11を約一周させて再び転写ニップに戻す必要が
ある。このように第1トナー像を約一周させている間に
は、定着ローラ70a,bをそれぞれ上記接離手段によ
って中間転写ベルト11から離間させておく。よって、
この間に第1トナー像を加熱定着装置70によって中間
転写ベルト11上に加熱定着せしめるようなことはな
い。
【0045】転写ニップに戻ってきた第1トナー像は、
ここに送られてきた転写紙Pに重ね合わされ、更にこの
転写紙Pの第2面には第2トナー像が転写される。第1
面に第1トナー像を接触させ、且つ第2面に第2トナー
像が転写された転写紙Pが加熱定着装置70内に進入す
る前に、定着ローラ70a,bが上記接離手段によって
中間転写ベルト11に接触せしめられる。よって、転写
紙Pが中間転写ベルト11の無端移動に伴って加熱定着
装置70を通過すると、その第1面、第2面にそれぞれ
第1トナー像、第2トナー像が定着せしめられる。かか
る構成においては、中間転写ベルト11に保持されて搬
送される転写紙Pに対してその両面にトナー像を加熱定
着せしめることができる。よって、ベルトユニット10
から送り出した転写紙Pをガイド板等で擦っても、その
表面のトナー像を乱すようなことはなく、ガイド板等と
の摺擦によるトナー像の乱れを回避することができる。
【0046】ところが、かかる構成の本プリンタ100
Aにおいては、上記ヒータを有する定着ローラ70a,
bを中間転写ベルト11に直接接触させるため、ベルト
をかなりの温度まで加熱してしまう。そして、この熱
を、第1中間転写ベルト21を介して感光体ドラム1
Y,M,C,BKに伝えて、各ドラムの温度を上昇させ
てしまう。
【0047】そこで、本プリンタ100Aにおいては、
図6に示したように、各感光体ドラム1Y,M,C,B
Kを第1中間転写ベルト21に対して非接触に配設して
いる。そして、非接触の第1中間転写ベルト21に対し
て、転写チャージャ24Y,M,C,BKによる非接触
方式のトナー像転写を実施させるようにしている。かか
る構成では、定着ローラ70a,b内の熱源たる上記ヒ
ータから中間転写ベルト11と第1中間転写ベルト21
とを介した感光体ドラムへの熱伝導を大幅に抑える。よ
って、ヒータからの熱を感光体ドラムに伝えてしまうこ
とによる画質劣化を抑えることができる。
【0048】各プロセスカートリッジ6Y,M,C,B
Kの図中左側方には、それぞれ送風ノズル8が配設され
ている。これら4つの送風ノズルは、それぞれコンプレ
ッサーCPから送られてくるエアーをY,M,C,BK
用転写位置における第1中間転写ベルト21と各ドラム
との間に送る。かかる構成では、第1中間転写ベルト2
1と各ドラムとの間に形成される間隙への送風により、
第1中間転写ベルト21から各ドラムへの空気を介して
の熱伝導を大幅に抑えることができる。よって、上記ヒ
ータからの熱を中間転写ベルト11と第1中間転写ベル
ト21とを介して各ドラムに伝えてしまうことによる画
質劣化をより確実に抑えることができる。本発明者の実
験によれば、第1中間転写ベルト21の温度を50
[℃]程度まで上昇させても、これに伴う感光体ドラム
1Y,M,C,BKの温度上昇についてはごく僅かな値
にとどめ、安定した品質の画像を得ることができた。
【0049】次に、本発明を適用した第3実施形態のプ
リンタ100Bについて説明する。なお、このプリンタ
100Bの電子写真プロセスなど、基本的な構成につい
ては第2実施形態のプリンタ100Bとほぼ同様である
ので、これとは異なる点のみを説明することにする。
【0050】図8は本第3実施形態に係るプリンタ10
0Bの概略構成図である。図において、各プロセスカー
トリッジ6Y,M,C,BKで形成されたY,M,C,
BKトナー像は、第1ベルトユニット20の第1中間転
写ベルト21上に中間転写されて第1トナー像又は第2
トナー像になる。その後、第1トナー像は、ベルトユニ
ット10の中間転写ベルト11上に転写された後、最終
的に転写紙Pの第1面に転写される。また、第2トナー
像は、転写紙Pの第2面に転写される。
【0051】上記第1ベルトユニット20の第1中間転
写ベルト21から、ベルトユニット10の中間転写ベル
ト11へのトナー像転写位置には、転写定着装置30が
配設されている。この転写定着装置30は、中間転写ベ
ルト11の裏面に当接しながらこれを張架する加熱ロー
ラ31と、第1中間転写ベルト21の裏面に当接しなが
らこれに駆動力を伝達する加熱駆動ローラ32とを有し
ている。加熱ローラ31は、ベルトユニット10のベル
ト張架ローラとしても機能しているのである。また、加
熱駆動ローラ32は、第1ベルトユニット20のベルト
駆動ローラとしても機能しているのである。
【0052】第1ベルトユニット20は、この加熱駆動
ローラ32の他、もう一つの駆動ローラ22、従動ロー
ラ23、転写ローラ27Y,M,C,BK、裏打ちロー
ラ25Y,M,C,BKなどによって第1中間転写ベル
ト21を張架している。そして、第1中間転写ベルト2
1を図中時計回りに無端移動せしめる。従動ローラ23
と駆動ローラ22との間のベルト張架部分には、ベルト
フープの外側からヒートパイプ28が当接しており、第
1中間転写ベルト21を冷却する。
【0053】プロセスカートリッジ6Y,M,C,BK
は、それそれ感光体ドラムの代わりに、中空構造の感光
体パイプ9Y,M,C,BKを有している。各感光体パ
イプ9Y,M,C,BKは、それぞれ第1中間転写ベル
ト21に当接してY,M,C,BK用転写ニップを形成
している。これらY,M,C,BK用転写ニップでは、
第1中間転写ベルト21の裏面に上記転写ローラ27
Y,M,C,BKが当接している。これら転写ローラ2
7Y,M,C,BKには、それぞれ図示しない電源によ
って中間転写バイアスが印加されている。この中間転写
バイアスの影響により、Y,M,C,BK用転写ニップ
に転写電界が形成される。感光体パイプ9Y,M,C,
BK上に形成されたY,M,C,BKトナー像は、それ
ぞれY,M,C,BK用転写ニップにおいて、転写電界
やニップ圧の影響を受けて第1中間転写ベルト21上に
重ね合わせて中間転写される。即ち、本プリンタ100
Bでは、上記第2実施形態のプリンタ100Aとは異な
り、各ドラムから第1中間転写ベルト21への重ね合わ
せ転写を接触方式によって実現している。
【0054】図9は、上記転写定着装置30とその周辺
構成を示す拡大構成図である。図において、第1中間転
写ベルト21は、厚さ20〜600[μm]の樹脂フィ
ルムやゴム等からなる基材に、表面粗さRz1〜4[μ
m]の表面層が被覆された耐熱性のベルトである。ま
た、図示しない各感光体パイプからの静電的な中間転写
を可能にするのに適切な電気抵抗値に調整されており、
経時的な伸縮を起こし難いベルトになっている。より詳
しくは、本第3実施形態のプリンタ100Bにおいて
は、厚さ20〜50[μm]のシームレスポリイミドフ
ィルムからなる基材を使用している。そして、これに、
表面層として厚さ20〜30[μm]のPFA(テトラ
フルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテ
ル共重合体)チューブを張り合わせている。
【0055】中間転写ベルト11は、厚さ20〜600
[μm]の樹脂フィルムやゴム等からなる基材に、表面
粗さRz5〜10[μm]の表面層が被覆された耐熱性
のベルトである。より詳しくは、本第3実施形態のプリ
ンタ100Bにおいては、厚さ20〜50[μm]のシ
ームレスポリイミドフィルムからなる基材を使用して
【0056】中間転写ベルト11における加熱ローラ3
1と張架ローラ13との間の部分には、加熱駆動ローラ
32による第1中間転写ベルト21張架部分が食い込ん
でいる。この食い込みにより、中間転写ベルト11と第
1中間転写ベルト21とが密着する幅広いニップが形成
されている。第1中間転写ベルト21上に中間転写され
た第1トナー像は、このニップ(以下、転写定着ニップ
という)に進入する前に、加熱駆動ローラ32によるベ
ルト張架部分にさしかかる。そして、第1中間転写ベル
ト21を介して加熱駆動ローラ32に加熱されて軟化し
ながら、転写定着ニップに進入して中間転写ベルト11
に密着する。ここで、中間転写ベルト11は、第1中間
転写ベルト21よりも表面が粗くなっている(Rz5〜
10>Rz1〜4)。軟化したトナーを間に挟み込む互
いに表面粗さの異なる2つの物体が離間すると、軟化し
たトナーは表面の方の物体に残り易くなる。このため、
第1トナー像は、転写定着ニップから出る際に中間転写
ベルト11に転写される。そして、中間転写ベルト11
の約一周の無端移動によって再び転写定着ニップに進入
し、今度はニップに送られてきた転写紙Pの第1面に密
着しながら加熱される。転写紙Pはその表面粗さRzが
30〜50[μm]の範囲であり、中間転写ベルト11
よりも遙かに粗くなっている。よって、第1トナー像は
転写定着ニップから再び出る際に、今度は転写紙Pの第
1面上に転写される。そして、自然放熱によって固化す
ることで、転写紙Pの第1面に定着する。
【0057】一方、第1中間転写ベルト21上に中間転
写された第2トナー像は、軟化しながら転写定着ニップ
に進入して転写紙Pの第2面に密着する。そして、転写
定着ニップから出る際に、第1中間転写ベルト21より
も遙かに表面の粗い転写紙Pの第2面に転写された後、
自然放熱によって固化して定着する。
【0058】転写定着装置30は、このようにして、転
写紙Pの両面に対するトナー像の転写と定着とをほぼ同
時に施すことができる。よって、プリント生産性を高め
ることができる。また、静電的な転写チリも回避するこ
とができる。
【0059】張架ローラ13と加熱駆動ローラ32との
相対位置は次のようになっている。即ち、直線L1と直
線L2とのなす角がθ2になり、且つ直線L1と直線L
3とのなす角がθ1になる相対位置である。直線L1と
は、張架ローラ13の軸中心と加熱駆動ローラ32の軸
中心とを結ぶ線である。また、直線L2とは、中間転写
ベルト11に対する加熱駆動ローラ32の接線と直交す
る線である。また、直線L3とは、加熱駆動ローラ32
よりもベルト移動方向上流側の第1中間転写ベルト21
部分に並行で、且つ張架ローラ13の軸中心を通る線で
ある。角θ1,θ2や、各ローラ径については、熱転写
を確実に実現する形状のニップを形成するように設定し
ている。なお、加熱駆動ローラ32の中間転写ベルト1
1への食い込み量を大きくしてニップ幅をより広くする
ことで、熱転写性を向上させることができる。また、張
架ローラ13にも熱源を設ければ、第1トナー像の軟化
をより助長することができるため、転写や定着の効率を
より向上させることができる。なお、加熱ローラ31、
加熱駆動ローラ32内の加熱ヒータの温度については、
ベルト上のトナーを少なくともそのガラス転移点以上の
温度まで加熱し得る値に設定している。
【0060】先に示した図7において、第1中間転写ベ
ルト21は加熱ローラ31や加熱駆動ローラ32によっ
て加熱された後、Y,M,C,BK用転写ニップで感光
体パイプ9Y,M,C,BKに接触して熱を伝えてしま
う。第1中間転写ベルト21を各パイプに到達させる前
に、ヒートパイプ28によって冷却しているが、それで
も完全に冷却することができず、残りの熱を伝えてしま
うのである。そこで、本プリンタ100Bでは、次に説
明する構成によって感光体パイプ9Y,M,C,BKを
冷却するようになっている。即ち、感光体パイプ9Y,
M,C,BKは、パイプ部と冷却部とから構成されてい
る。パイプ部は、直径30〜100[mm]のアルミニ
ウム円筒の外周面に、光導電性物質である有機半導体の
層が被覆されたものである。冷却部は、パイプ部の内側
に配設され、パイプ部をその内周面から冷却するように
なっている。本第3実施形態のプリンタ100Bにおい
ては、冷却手段たる冷却部として、パイプ外から内に向
けて送風する軸流ファンを用いているが、他の冷却手段
を用いても良い。
【0061】かかる構成の本プリンタ100Bにおいて
は、熱源たる上記加熱ヒータからの熱を潜像担持体たる
感光体パイプ9Y,M,C,BKに伝えてしまっても、
これらをその内部から冷却して温度上昇を抑えることが
できる。よって、上記加熱ヒータからの熱を感光体パイ
プ9Y,M,C,BKに伝えてしまうことによる画質劣
化を抑えることができる。本発明者の実験によれば、第
1中間転写ベルト21を室温よりも10〜20[℃]ほ
ど高い温度で最も上流側のY転写ニップに進入させて
も、感光体パイプ9Yの温度上昇を5〜6[℃]にとど
めて良好な画像を得ることができた。
【0062】本プリンタ100Bにおける2つのベルト
クリーニング装置19,26は、それぞれ第2実施形態
に係るプリンタ100Aにおけるものとは少し構成が異
なっている。具体的には、クリーニングローラ19a,
26aにクリーニングバイアスは印加されない。よっ
て、トナーを静電的にクリーニングすることはできな
い。代わりに、クリーニングローラ19a,26aの内
部に図示しない熱源たるヒータを有している。また、ク
リーニングローラ19a、26aは、それぞれその表面
が中間転写ベルト11、第1中間転写ベルト21よりも
粗くなっている。よって、それぞれ残留トナーをヒータ
からの熱によって加熱して軟化させながら、自らが回転
に伴ってベルトから離間することで、残留トナーをその
表面に転移させる。かかる構成のベルトクリーニング装
置19,26では、上記転写定着ニップで軟化した後、
自然放熱によってベルト表面に固着してしまった残留ト
ナーでも、加熱によって再度軟化させてクリーニングす
ることができる。なお、本プリンタ100Bでは、クリ
ーニングローラ19a,26a内のヒータも、感光体パ
イプ9Y,M,C,BKに熱を伝えてしまう熱源となっ
ている。また、潜像担持体については中空構造であれば
よく、感光体ドラムの代わりに感光体ベルトを使用して
もよい
【0063】これまで、本発明を適用した各実施形態の
プリンタについて説明したが、本発明の適用範囲はこれ
らのプリンタに限定されるものではなく、種々の変形が
可能である。例えば、上記第1トナー像を転写せしめた
中間転写ベルト11を1回りさせて転写ニップまで再搬
送させるのではなく、逆転させて転写ニップまで再搬送
させるようにしてもよい。但し、かかる構成の場合に
は、感光体ドラム等の潜像担持体と中間転写ベルト11
とを接離させる接離機構を設けることが望ましい。ま
た、中間転写体として中間転写ベルト11のようなベル
ト式のものではなく、中間転写ドラムや中間転写ローラ
などを用いてもよい。また、デジタル方式のプリンタで
はなく、アナログ露光によるアナログ方式の画像形成装
置についても本発明の適用が可能である。もちろん、画
像形成装置としてはプリンタに限らず、複写機やファク
シミリでもよいことは言うまでもない。
【0064】以上、第1実施形態のプリンタ100にお
いては、帯電装置4、現像装置5、ドラムクリーニング
2を感光体ドラム1に対して非接触に配設している。そ
して、このことにより、上記ヒータからの熱を感光体ド
ラム1に伝えてしまうことによる画質劣化を抑えること
ができる。また、これら帯電装置4、現像装置5、ドラ
ムクリーニング装置2の3つを全て非接触に配設してい
る。よって、熱源たる上記ヒータから感光体ドラム1に
伝えてしまった熱を、これら帯電装置4、現像装置5、
ドラムクリーニング装置2の3つに伝えてしまうことに
よる不具合を何れも抑える。そして、このことにより、
画質劣化をより確実に抑えることができる。更に、ドラ
ムクリーニング装置2内の回収トナーを軟化させること
なくリサイクル使用することができる。また、第2実施
形態のプリンタ100Aにおいては、中間転写体たる第
1中間転写ベルト11を各感光体ドラム1Y,M,C,
BKと所定の間隙を介して非接触に配設している。かか
る構成では、定着ローラ70a,b内のヒータからの熱
を第1中間転写ベルト21に伝えても、これから感光体
ドラム1Y,M,C,BKへの熱伝導については僅かな
ものに抑える。そして、このことにより、ヒータからの
熱を感光体ドラム1Y,M,C,BKに伝えてしまうこ
とによる画質劣化を抑えることができる。また、第1実
施形態のプリンタ100においては、上記間隙G1、G
2、G3に向けて送風する送風手段を設けており、これ
によって帯電装置4、現像装置5、ドラムクリーニング
装置2の温度上昇をより確実に抑えている。このため、
上記ヒータから感光体ドラム1に熱を伝えてしまうこと
による画質劣化を更に確実に抑えることができる。ま
た、第3実施形態のプリンタ100Bにおいては、潜像
担持体たる感光体パイプ9Y,M,C,BKをその中空
構造の内部から冷却することで、加熱ヒータからの熱を
これらに伝えることによる画質劣化を抑えることができ
る。しかも、ベルトクリーニング装置19,26とし
て、それぞれ加熱によるクリーニングを実現する熱クリ
ーニング装置を用いている。よって、転写定着ニップで
軟化した後、自然放熱によってベルト表面に固着してし
まった残留トナーでも、加熱によって再度軟化させてク
リーニングすることができる。
【0065】
【発明の効果】請求項1、2、3、4、5又は6の発明
によれば、熱源からの熱を潜像担持体に伝えてしまうこ
とによる画質劣化を抑えることができるという優れた効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るプリンタの概略構成図。
【図2】同プリンタのベルトユニットの一部と、加熱定
着装置とを示す拡大構成図。
【図3】同プリンタの帯電装置を示す拡大構成図。
【図4】同プリンタの現像装置を示す拡大構成図。
【図5】同プリンタのドラムクリーニング装置を示す拡
大構成図。
【図6】第2実施形態に係るプリンタの概略構成図。
【図7】同プリンタのY用のプロセスカートリッジを示
す拡大構成図。
【図8】第3実施形態に係るプリンタの概略構成図。
【図9】同プリンタの転写定着装置とその周辺構成を示
す拡大構成図。
【符号の説明】
1 感光体ベルト(潜像担持体) 2 ドラムクリーニング装置 3 除電装置 4 帯電装置 5 現像装置 6 プロセスカートリッジ 7 露光装置 10 ベルトユニット 11 中間転写ベルト 12〜15 張架ローラ 16 転写ローラ 17 裏当てローラ 18 転写チャージャ 19 ベルトクリーニング装置 19a クリーニングローラ 19b 掻き取りブレード 19c 搬送スクリュウ 33 排出路 34 排出装置 40 スタック部 70 加熱定着装置 70a,b 定着ローラ 90 給紙カセット 91 給紙ローラ 92 レジストローラ対 100 プリンタ(画像形成装置) E1 電装部 E2 制御装置 F1 ファン P 転写紙(記録体)
フロントページの続き (72)発明者 鈴木 弘治 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 富田 邦彦 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 宗宮 徳昌 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 兼子 千恵美 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 渡邊 滋 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 小俣 安国 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 村山 久夫 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 横山 博司 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H027 EA13 JA08 JA11 JB13 JC01 JC02 JC03 JC06 JC07 JC08 2H035 BA06 CA07 CB03 CZ03 2H200 GA23 GA34 GA47 GA49 GB12 GB22 GB25 GB40 HA02 HA14 HA28 HB11 HB12 JA02 JA03 JA07 JA18 JC03 JC07 JC09 JC12 LA06 LA07 LA12 LA24 LA31 LB02 LB08 LB15 LB17 LB19 LB20

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】潜像担持体を帯電せしめる帯電装置、該潜
    像担持体に潜像を形成せしめる潜像形成装置、該潜像を
    像形成物質の付着によって現像する現像装置、及び該潜
    像担持体上に残留する像形成物質をクリーニングするク
    リーニング装置を有する可視像形成手段と、所定の機能
    を発揮すべく発熱することで該潜像担持体に熱を伝えて
    しまう熱源とを備える画像形成装置において、上記帯電
    装置、現像装置及びクリーニング装置のうちの少なくと
    も1つを、上記潜像担持体と所定の間隙を介して非接触
    に配設したことを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】請求項1の画像形成装置において、 上記帯電装置、現像装置及びクリーニング装置の3つ
    を、上記潜像担持体と所定の間隙を介して非接触に配設
    したことを特徴とする画像形成装置。
  3. 【請求項3】潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持
    体に可視像を形成する可視像形成手段と、該潜像担持体
    上の可視像を中間転写体に中間転写せしめる中間転写手
    段と、該中間転写体上の可視像を記録体に最終転写せし
    める最終転写手段と、所定の機能を発揮すべく発熱する
    ことで該中間転写体に熱を伝えてしまう熱源とを備える
    画像形成装置において、上記中間転写体を上記潜像担持
    体と所定の間隙を介して非接触に配設したことを特徴と
    する画像形成装置。
  4. 【請求項4】請求項1、2又は3の画像形成装置におい
    て、 上記間隙に向けて送風する送風手段を設けたことを特徴
    とする画像形成装置。
  5. 【請求項5】請求項3の画像形成装置において、 上記最終転写手段として、上記熱源からの熱を上記可視
    像に作用させて上記最終転写を実現するものを用いると
    ともに、上記中間転写体に別の上記熱源からの熱を作用
    させて上記中間転写体上に残留する像形成物質をクリー
    ニングする熱クリーニング装置を設けたことを特徴とす
    る画像形成装置。
  6. 【請求項6】潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持
    体に可視像を形成する可視像形成手段と、該潜像担持体
    上の可視像を中間転写体に中間転写せしめる中間転写手
    段と、該中間転写体上の可視像を記録体に最終転写せし
    める最終転写手段と、所定の機能を発揮すべく発熱する
    ことで該中間転写体に熱を伝えてしまう熱源とを備える
    画像形成装置において、上記潜像担持体として中空構造
    のものを用いるとともに、上記潜像担持体をその中空内
    から冷却する冷却手段を設けたことを特徴とする画像形
    成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006171340A (ja) * 2004-12-15 2006-06-29 Ricoh Co Ltd 画像転写装置、画像形成装置、および画像転写方法
JP2009237016A (ja) * 2008-03-26 2009-10-15 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置
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