JP2000284611A - 転写部材、該転写部材の製造方法及び画像形成装置 - Google Patents

転写部材、該転写部材の製造方法及び画像形成装置

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JP2000284611A
JP2000284611A JP11091913A JP9191399A JP2000284611A JP 2000284611 A JP2000284611 A JP 2000284611A JP 11091913 A JP11091913 A JP 11091913A JP 9191399 A JP9191399 A JP 9191399A JP 2000284611 A JP2000284611 A JP 2000284611A
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fluorine
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JP11091913A
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Hiroyuki Kobayashi
廣行 小林
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Canon Inc
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  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像の微小部分の転写不良の発生しない、所
謂中抜け画像のない、均一・均質の画像品質が得られる
転写部材、該転写部材の製造方法及び該転写部材を有す
る画像形成装置を提供する。 【解決手段】 第1の像担持体上に形成されたトナー像
を、第2の像担持体に静電的に転写する転写装置に使用
される転写部材において、成形用原料を環状ダイスを用
いた押し出し機で円筒状に溶融押し出しし、所望の形状
寸法に成形された該転写部材が、フッ素を含有したポリ
フェニレンサルファイド樹脂を含有する転写部材、該転
写部材の製造方法及び該転写部材を有する画像形成装
置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、第1の像担持体上
に形成されたトナー像を、第2の像担持体に静電的に転
写させ画像形成物を得る電子写真画像形成装置に用いる
転写部材特には中間転写ベルト及び転写ベルト、該転写
部材の製造方法及び該転写部材を有する画像形成装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、感光ドラム上に記録情報に応
じて光変調されたレーザビーム光を照射し、電子写真プ
ロセスによって感光体の静電潜像を現像し、転写紙に画
像を転写する記録装置を複数個有し、転写部材により転
写紙を各記録装置に順次搬送しながら各色画像を重畳転
写してカラー画像を形成可能なカラー画像形成装置が提
案されている。
【0003】転写部材として転写ベルトを用いた画像形
成装置の一例の概略図を図1に示す。図1に示された画
像形成装置は、色分解像重ね合せ転写方式のカラー画像
形成装置の一つの型式として、複数の感光体に夫々異な
る色のトナー像を形成し、この各感光体に順次接触して
搬送される1枚の転写材に位置を合わせて、各感光体上
のトナー像を転写し、フルカラー画像を得るようにした
ものである。
【0004】図1に示された画像形成装置は、装置本体
320内の上部の電子写真プロセス手段として4つの画
像形成部I,II,III ,IVを並設しており、各画像形成
部I〜IVは、像担持体としての感光ドラム301Y,3
01M,301C,301BK、1次帯電器としての1
次帯電ローラ302Y,302M,302C,302B
K、露光部303Y,303M,303C,303B
K、現像器304Y,304M,304C,304BK
及びクリーナ305Y,305M,305C,305B
Kを含んで構成されている。なお、現像器304Y,3
04M,304C,304BKにはそれぞれイエロー
(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(B
K)のトナーが収容されている。
【0005】また、上記画像形成部I〜IVの下方には転
写装置310が設けられており、該転写装置310は、
駆動ローラ311と従動ローラ312及びテンションロ
ーラ313の間に張設された無端状の転写ベルト314
と、各画像形成部I〜IVの感光ドラム301Y,301
M,301C,301BKにそれぞれ対向して配置され
た転写帯電器315を含んで構成されている。
【0006】他方、装置本体320内の底部には、記録
媒体として複数枚の記録紙Pを積層収容してなるカセッ
ト306が設置されており、該カセット306内の記録
紙Pは給紙ローラ307によって1枚ずつ送り出され、
搬送ガイド308を経てレジストローラ309まで搬送
される。
【0007】そして、装置本体320内の上記記録紙P
の搬送方向下流側には分離帯電器316及び定着器31
7が配設されており、装置本体320の外には排紙トレ
イ318が取り付けられている。
【0008】そして、各画像形成部I〜IVにおいては、
感光ドラム301Y,301M,301C,301BK
が図示矢印方向に所定の速度で回転駆動され、これらは
1次帯電ローラ302Y,302M,302C,302
BKによってそれぞれ一様に帯電処理される。このよう
に帯電処理された各感光ドラム301Y,301M,3
01C,301BKに対して画像情報に応じた露光が露
光部303Y,303M,303C,303BKによっ
てなされると、各感光ドラム301Y,301M,30
1C,301BKには静電潜像が形成され、各静電潜像
は各現像器304Y,304M,304C,304BK
によって現像されてイエロートナー像、マゼンタトナー
像、シアントナー像及びブラックトナー像としてそれぞ
れ顕像化される。
【0009】一方、前述のようにカセット306から搬
送ガイド308を経てレジストローラ309まで搬送さ
れた記録紙Pは、レジストローラ309によってタイミ
ングを合わされて転写装置310に送り出され、該転写
装置310の転写ベルト314に吸着されてこれと共に
移動して各画像形成部I〜IVを通過し、その過程で該記
録紙Pには転写帯電器315の作用によってイエロート
ナー像、マゼンタトナー像、シアントナー像及びブラッ
クトナー像が重ねて転写される。
【0010】そして、上述のように各カラートナー像の
転写を受けた記録紙Pは、分離帯電器316によって除
電されて転写ベルト314から分離された後、定着器3
17に搬送されてカラートナー像の加熱定着を受け、最
後に装置本体320から排出されて排紙トレイ318上
に積載される。
【0011】前記転写ベルトによるカラー画像形成装置
は、転写紙を各記録装置に順次搬送しながら各色画像を
重畳転写するため、1行程でカラー画像が形成されるの
で、画像出力時間が速いという利点がある。
【0012】また、一方、中間転写体を使用した画像形
成装置は、カラー画像情報や多色画像情報の複数の成分
色画像を順次積層転写してカラー画像や多色画像を合成
再現した画像形成物を出力するカラー画像形成装置や多
色画像形成装置、またはカラー画像形成機能や多色画像
形成機能を具備させた画像形成装置として有効である。
【0013】中間転写体として中間転写ベルトを用いた
画像形成装置の一例の概略図を図2に示す。
【0014】図2は電子写真プロセスを利用したカラー
画像形成装置(複写機あるいはレーザビームプリンタ
ー)である。中間転写ベルト20には中抵抗のシームレ
スベルトを使用している。
【0015】1は第1の画像担持体として繰り返し使用
される回転ドラム型の電子写真感光体(以下感光ドラム
と記す)であり、矢示の時計方向に所定の周速度(プロ
セススピード)をもって回転駆動される。
【0016】感光ドラム1は回転過程で、1次帯電器2
により所定の極性・電位に一様に帯電処理され、次いで
不図示の像露光手段3(カラー原稿画像の色分解・結像
露光光学系、画像情報の時系列電気デジタル画素信号に
対応して変調されたレーザビームを出力するレーザスキ
ャナによる走査露光系等)による画像露光を受けること
により目的のカラー画像の第1の色成分像(例えばイエ
ロー色成分像)に対応した静電潜像が形成される。
【0017】次いで、その静電潜像が第1の現像器(イ
エロー色現像器41)により第1色であるイエロートナ
ーYにより現像される。この時第2〜第4の現像器(マ
ゼンタ色現像器42、シアン色現像器43、ブラック色
現像器44)の各現像器は作動−オフになっていて感光
ドラム1には作用せず、上記第1色のイエロートナー画
像は上記第2〜第4の現像器により影響を受けない。
【0018】中間転写ベルト20は時計方向に感光ドラ
ム1と同じ周速度をもって回転駆動されている。
【0019】感光ドラム1上に形成担持された上記第1
色のイエロートナー画像が、感光ドラム1と中間転写ベ
ルト20とのニップ部を通過する過程で、1次転写ロー
ラ62から中間転写ベルト20に印加される1次転写バ
イアスにより形成される電界により、中間転写ベルト2
0の外周面に順次中間転写(1次転写)されて行く。
【0020】中間転写ベルト20に対応する第1色のイ
エロートナー画像の転写を終えた感光ドラム1の表面
は、クリーニング装置13により清掃される。
【0021】以下、同様に第2色のマゼンタトナー画
像、第3色のシアントナー画像、第4色のブラックトナ
ー画像が順次中間転写ベルト20上に重ね合わせて転写
され、目的のカラー画像に対応した合成カラートナー画
像が形成される。
【0022】63は2次転写ローラで、2次転写対向ロ
ーラ64に対応し平行に軸受させて中間転写ベルト20
の下面部に離間可能な状態に配設してある。
【0023】感光ドラム1から中間転写ベルト20への
第1〜第4色のトナー画像の順次重畳転写のための1次
転写バイアスは、トナーとは逆極性(+)でバイアス電
源29から印加される。その印加電圧は例えば+100
V〜2kVの範囲である。
【0024】感光ドラム1から中間転写ベルト20への
第1〜第3色のトナー画像の1次転写工程において、2
次転写ローラ63は中間転写ベルト20から離間するこ
とも可能である。
【0025】中間転写ベルト20上に転写された合成カ
ラートナー画像の第2の画像担持体である転写材Pへの
転写は、2次転写ローラ63が中間転写ベルト20に当
接されると共に、給紙ローラ11から転写材ガイド10
を通って、中間転写ベルト20と2次転写ローラ63と
の当接ニップに所定のタイミングで転写材Pが給送さ
れ、2次転写バイアスが電源28から2次転写ローラ6
3に印加される。この2次転写バイアスにより中間転写
ベルト20から第2の画像担持体である転写材Pへ合成
カラートナー画像が転写(2次転写)される。トナー画
像の転写を受けた転写材Pは定着器15へ導入され加熱
定着される。
【0026】転写材Pへの画像転写終了後、中間転写ベ
ルト20にはクリーニング用帯電部材7が当接され、感
光ドラム1とは逆極性のバイアスを印加することによ
り、転写材Pに転写されずに中間転写ベルト20上に残
留しているトナー(転写残トナー)に感光ドラム1と逆
極性の電荷が付与される。26はバイアス電源である。
【0027】前記転写残トナーは、感光ドラム1とのニ
ップ部及びその近傍において感光ドラム1に静電的に転
写されることにより、中間転写ベルトがクリーニングさ
れる。
【0028】前述の中間転写ベルトを用いた画像形成装
置を有するカラー電子写真装置は、従来の技術である転
写ドラム上に第2の画像担持体を張り付けまたは吸着せ
しめ、そこへ第1の画像担持体上から画像を転写する画
像形成装置を有したカラー電子写真装置、例えば特開昭
63−301960号公報中で述べられたごとくの転写
装置と比較すると、第2の画像担持体である転写材にな
んら加工、制御(例えばグリッパーに把持する、吸着す
る、曲率を持たせる等)を必要とせずに中間転写ベルト
から画像を転写することができるため、封筒、ハガキや
ラベル紙等の薄い紙(40g/m2 紙)から厚い紙(2
00g/m2 紙)まで、幅の広狭、長さの長短あるいは
厚さの厚薄によらず、第2の画像担持体を多種多様に選
択することができるという利点を有している。
【0029】このような利点のため、すでに市場におい
ては転写ベルトや中間転写ベルト等の転写部材を用いた
カラー複写機やカラープリンター等が始動し始めてい
る。
【0030】転写部材に用いられるベルト及びチューブ
の製造方法はすでに種々知られている。例えば、特開平
10−63115号公報及び特開平5−269849号
公報ではシートをつなぎ合わせ円筒形状とし、ベルトを
得る方法が開示されている。また、特開平5−3453
68号公報では押し出し成形による半導電性ベルトの製
造方法が開示されている。更に、特開平9−26967
4号公報では円筒基体に多層の塗工被膜を形成し、最終
的に基体を除くことにより、ベルトを得る方法が開示さ
れている。また一方、特開平5−77252号公報では
遠心成形法によるシームレスベルトの開示がある。上述
の方法にはそれぞれ一長一短があり、本発明者等が真に
希求している方法ではない。例えば、シートをつなぎ合
わせる方法はつなぎ目の段差及び引張り強度の低下が問
題となる。また、押し出し成形では100μm以下の薄
層ベルトの製造はかなりの困難を有し、例え可能であっ
たとしても厚みムラ、それに影響を受ける電気抵抗ムラ
が生じ易くなる。また、キャスト成形、塗工及び遠心成
形法等溶剤を使用する方法は、塗布液の製造−塗布成形
−溶剤の除去等、工数やコストが増すものである。更
に、溶剤の回収等環境に影響を及ぼす事項も含んでい
る。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】一方、転写ベルトや中
間転写ベルト等の転写部材に用いる材料としては、特開
昭58−090654号公報、特開平05−04041
7号公報、特開平07−092825号公報及び特開平
08−267605号公報に、フッ素系の樹脂、エラス
トマーやゴムを用いた発明の開示がある。これらフッ素
系材料は中間転写体または転写部材として多層構成で用
いる場合、フッ素を含有しない層との密着性が悪く、繰
返し連続使用中に層間剥離を生じ易い。更に、該フッ素
系材料は廃棄・焼却時にフッ素ガスやフッ酸を発生する
ため、環境面からも好ましい材料とはいえない。また、
特開平05−311016号公報及び特開平07−02
4912号公報ではオレフィン系フィルムの開示がある
が、オレフィン系フィルムやベルトは破断伸びが400
%以上の樹脂物性を有しているものが大半であり、これ
らは長時間ベルト駆動させていると徐々に緩みが生じ、
ベルトのスリップ、蛇行、乗り上げや周速不安定等の不
具合が発生する。また、特許第2592000号公報、
特開平04−313757号公報及び特開平06−14
9081号公報にポリカーボネートやアルキレンテレフ
タレートを材料とするベルトやチューブの開示がある
が、ポリカーボネートは耐衝撃性が優れている反面、若
干の加熱で加水分解を起こし易い等、長期間使用におい
て難点がある。他方、アルキレンテレフタレートは、中
間転写ベルトや転写ベルトのごとく薄膜のベルト形状に
した場合、柔軟性に欠け、ひび割れ等の不具合を発生し
易い。
【0032】本発明者等は、前述の問題を解決した従来
と異なる新規な転写ベルトや中間転写ベルト等の転写部
材及びそれらの製造方法及び画像形成装置を提案するも
のである。本発明の目的は、帯電工程、画像露光工程、
現像工程及び転写工程を有する画像形成装置において、
該転写工程において転写効率が極めて高い転写部材、該
転写部材の製造方法及び画像形成装置を提供することに
ある。
【0033】また、本発明の目的は、工程数が少なく、
低コストで、なおかつ寸法精度が高い転写部材の製造方
法を提供することにある。
【0034】また、本発明の目的は、画像の微小部分の
転写不良の発生しない、所謂中抜け画像のない、均一・
均質の画像品質が達成される転写部材、該転写部材の製
造方法及び画像形成装置を提供することにある。
【0035】また、本発明の目的は、広範な温湿度環境
下において、繰り返し使用による苛酷な耐久使用を行っ
ても特性に変化がなく、初期と同様な特性を維持し得る
転写部材、該転写部材の製造方法及び画像形成装置を提
供することにある。
【0036】また、本発明の目的は、有機感光体に悪影
響を与えない転写部材、該転写部材の製造方法及び画像
形成装置を提供することにある。
【0037】また、本発明の目的は、多層構成のベルト
を成形した場合でも、使用中に層間剥離のない転写部
材、該転写部材の製造方法及び画像形成装置を提供する
ことにある。
【0038】
【課題を解決するための手段】本発明は、第1の像担持
体上に形成されたトナー像を、第2の像担持体に静電的
に転写する転写装置に使用される転写部材において、成
形用原料を環状ダイスを用いた押し出し機で円筒状に溶
融押し出しし、所望の形状寸法に成形された該転写部材
が、フッ素を含有したポリフェニレンサルファイド樹脂
を含有することを特徴とする転写部材である。
【0039】また、本発明は、第1の像担持体上に形成
されたトナー像を、第2の像担持体に静電的に転写する
転写装置に使用される転写部材の製造方法において、成
形用原料を押し出し機で円筒状に溶融押し出しし、所望
の形状寸法に成形する該転写部材の製造方法であって、
該転写部材の押し出し成形比が0.5〜3.0であり、
かつ該転写部材がフッ素を含有したポリフェニレンサル
ファイド樹脂を含有することを特徴とする転写部材の製
造方法である。
【0040】また、本発明は、第1の像担持体上に形成
されたトナー像を、第2の像担持体に静電的に転写する
転写装置に使用される転写部材の製造方法において、成
形用原料を押し出し機で円筒状に溶融押し出しし、次い
で空気を吹き込みつつ所望の形状寸法に成形する該転写
部材の製造方法であって、該転写部材の押し出し成形比
が1.05〜3.00であり、かつ該転写部材がフッ素
を含有したポリフェニレンサルファイド樹脂を含有する
ことを特徴とする転写部材の製造方法である。
【0041】また、本発明は、第1の像担持体上に形成
されたトナー像を、第2の像担持体に静電的に転写する
転写装置に使用される転写部材を有する画像形成装置に
おいて、成形用原料を押し出し機で円筒状に溶融押し出
しし、所望の形状寸法に成形された該転写部材の押し出
し成形比が0.5〜3.0であり、かつ該転写部材がフ
ッ素を含有したポリフェニレンサルファイド樹脂を含有
することを特徴とする画像形成装置である。
【0042】また、本発明は、第1の像担持体上に形成
されたトナー像を、第2の像担持体に静電的に転写する
転写装置に使用される転写部材を有する画像形成装置に
おいて、成形用原料を押し出し機で円筒状に溶融押し出
しし、次いで空気を吹き込みつつ所望の形状寸法に成形
された該転写部材の押し出し成形比が1.05〜3.0
であり、かつ該転写部材がフッ素を含有したポリフェニ
レンサルファイド樹脂を含有することを特徴とする画像
形成装置である。
【0043】
【発明の実施の形態】本発明におけるフッ素を含有した
ポリフェニレンサルファイド樹脂としては、ポリフェニ
レンサルファイド樹脂骨格中にフッ素原子を含むもの、
またはフッ素含有ポリマーとポリフェニレンサルファイ
ド樹脂のポリマーアロイ等を用いることができ、特にポ
リマーアロイを用いた場合、本発明における転写部材の
特性をより良く発揮することができる。本発明における
ポリマーアロイとは、フッ素含有ポリマーとポリフェニ
レンサルファイド樹脂が共有結合でつながっているか、
いないかは問題ではなく、前記2者の高分子が不可分一
体となった状態を称するものである。そのため、反応工
程、製造工程や最終の高分子の状態の如何によらずポリ
マーアロイを得ることができる。即ち、ポリマーアロイ
のうち、フッ素含有ポリマーとポリフェニレンサルファ
イドの共重体としては、例えば交互共重合体、ランダム
共重合体、ブロック共重合体及びグラフト共重合体とし
て得ることができる。また、物理的ブレンドとしては、
例えば溶融ブレンド、相溶化剤添加ブレンド及び溶媒キ
ャストブレンドとして得ることができる。
【0044】また、化学的ブレンドとしては、例えば、
溶液グラフトブレンド及びインターペネトレイトネット
ワークブレンドにより得ることができる。
【0045】フッ素を含有したポリフェニレンサルファ
イド樹脂は、従来の技術に述べられた材料より優れた材
料強度、難燃性及び電気絶縁性を有すものであり、本発
明の中間転写ベルトや転写ベルトのような転写部材に用
いる場合、非常時の発火に対して安全性を有し、高耐久
性また好ましい電気抵抗制御性を発揮する。電子写真特
性としては、高転写効率、画像均一性及び画像の鮮明さ
を得ることができる。
【0046】即ち、フッ素が有する好ましい特性である
低表面エネルギー性、非粘着性、摺動性及び難燃性と、
ポリフェニレンサルファイド樹脂が有する特性である電
気絶縁性、高い機械強度及び成形時の寸法安定性が相乗
的に効果を発揮し、転写部材として好ましく用いること
ができるのである。更に好ましい効果としては、ポリフ
ェニレンサルファイド樹脂が有する負の特性である靱性
が乏しく、もろい性質が著しく改善され、ポリマーアロ
イにより、転写ベルトまたは中間転写ベルトとして用い
る場合、転写ユニットのコロまたはプーリーにベルトを
架けわたす時に必要とされる若干の伸びが得られ、ベル
ト走行時の蛇行や寄りを防止することができる。
【0047】ポリマーアロイを得るための一方の成分で
あるフッ素含有ポリマーとしては、例えばテトラフルオ
ロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)
コポリマー(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキ
サフルオロプロピレンコポリマー、ポリテトラフルオロ
エチレンポリマー、ポリクロロトリフルオロエチレンポ
リマー、エチレン−テトラフルオロエチレンコポリマ
ー、エチレン−クロロトリフルオロエチレンコポリマー
及びテトラフルオロエチレン−プロピレンコポリマーが
挙げられる。
【0048】また、上述のポリマーと同様に用いられる
ポリマーとして、含フッ素グラフトポリマーがある。こ
れは上述のフッ素含有ポリマーと、α、β不飽和二重結
合を末端に有する有機基、パーオキシ基及びアミノ基の
少なくとも一種以上有し、かつカルボン酸無水物残基、
エポキシ基及び加水分解性シリル基の少なくとも一種以
上有する化合物、例えば、無水マレイン酸、イタコン酸
無水物、シトラコン酸無水物、アクリル酸、メタクリル
酸、マレイン酸、モノメチルマレート、フマル酸、イタ
コン酸、シトラコン酸、クロトン酸、グリシジルアクリ
レート、グリシジルメタアクリレート、アリルグリシジ
ルエーテル、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエ
トキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、アリルア
ルコール、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロ
ールメタクリルアミド、メチルアクリレート、メチルメ
タアクリレート、アクリルアミド、N−メチルアクリル
アミド、アリルアミン、メチルアミノエチルメタクリレ
ート、t−ブチルメタクリルアミド、シアノアクリレー
ト、シアノメタクリレート、アクロレイン、クロトンア
ルデヒド、ヘキサメチレンジアミン、エタノールアミ
ン、ジエタノールアミンまたはt−ブチルパーオキシメ
タクリロイロキシエチルカーボネートとのグラフト反応
により得られるポリマーである。
【0049】ポリマーアロイを得るための他方の成分と
しての、ポリフェニレンサルファイド樹脂は、次に示さ
れる構成単位の占める割合が70モル%以上であること
が好ましく、更には90モル%以上であることが好まし
い。70モル%を下回ると、結晶性が低下し易く、機械
強度、耐熱性及び寸法安定性が低下し易い。
【0050】
【化1】
【0051】また、以下の式に挙げるような他の構成単
位を含んでいても差し支えないが、含有量は30%モル
以下、更には10モル%以下であることが好ましい。他
の構成単位とは例えば、メタ結合単位、スルホン単位、
ケトン単位、エーテル単位及び置換フェニルスルフィド
結合単位等が挙げられる。
【0052】
【化2】
【0053】該ポリフェニレンサルファイド樹脂の機械
的強度や耐熱性を一層高めるために、各種強化材が混合
されたものを用いてもよい。強化材としては繊維状また
はウイスカ状のものが好ましい。繊維状強化材として
は、例えばガラス繊維、炭素繊維、セラミックス繊維、
炭化珪素繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、銅繊維、マ
グネシウム繊維、ステンレス繊維、アルミニウム繊維及
び酸化チタン繊維等が挙げられる。ウイスカ状強化材と
しては、例えばチタン酸カリウムウイスカ、炭化珪素ウ
イスカ、窒化珪素ウイスカ、グラファイトウイスカ、酸
化銅ウイスカ及びほう酸アルミニウムウイスカ等が挙げ
られる。これら強化材の配合量は、材料全体に対して6
0重量%以下、更には50重量%以下が好ましい。強化
材の配合量が過剰になると、均一なポリマーアロイを得
にくくなると共に押し出しの際の流動性が不足する傾向
があるため、ポリフェニレンサルファイド樹脂の本来有
する成形加工性に悪影響を及ぼし易い。具体的には、押
し出し後に所望の寸法への制御が困難となり易い。ある
いは強化材起因のブツ、フィッシュアイや穿孔が発生し
易くなる。また、成形後、張架回転させるベルトとして
の柔軟性が不足し、転写部材としての耐久性が低下する
傾向がある。
【0054】本発明のポリマーアロイを得るため、ポリ
フェニレンサルファイド樹脂100重量部に対し、フッ
素含有ポリマー40〜300重量部及び/または含フッ
素グラフトポリマー0.5〜350重量部を用いること
ができる。
【0055】以下に転写ベルトや中間転写ベルトとして
用いられる本発明の転写部材の製造方法の一態様を説明
する。但し、それにより本発明が制限を何ら受けるもの
ではない。
【0056】図3及び図4に本発明に用いる成形装置を
示す。本装置は基本的には、押し出し機、押し出しダイ
ス、及び必要に応じ気体吹き込み装置よりなる。図3
は、2層構成ベルト成形用に押し出し機100及び11
0と2基具備しているが、本発明においては、少なくと
も1基有していればよい。
【0057】次に、本発明における単層の中間転写ベル
トの製造方法について述べる。まず、成形用樹脂、導電
剤及び添加剤等を、所望の処方に基づき、予め予備混合
後、混練分散せしめた成形用原料を押し出し機100に
具備したホッパー120に投入する。押し出し機100
は、成形用原料が後工程でのベルト成形が可能となる溶
融粘度となり、また原料相互が均一分散するように、設
定温度及び押し出し機スクリュー構成が選択される。
【0058】成形用原料は、押し出し機100中で溶融
混練され、溶融体となり押し出しダイス140に入る。
押し出しダイス140は、気体導入路150が配設され
ており、気体導入路150により空気等が押し出しダイ
ス140に吹き込まれることにより、押し出しダイス1
40を通過した溶融体は径方向に拡大膨張する。この
時、吹き込まれる気体は、空気以外に窒素、二酸化炭素
及びアルゴン等が挙げられる。
【0059】膨張した成形体は、冷却リング160によ
り冷却されつつ上方向に引き上げられる。この時、寸法
安定ガイド170の間を通過することにより最終的な形
状寸法180が決定される。更に、これを所望の幅に切
断することにより、中間転写ベルト190を得ることが
できる。
【0060】本発明における、押し出し成形比とは、押
し出しダイス140の口径に対する、押し出しダイスを
通過し口径が拡大膨張した形状寸法180が得られた時
の口径比を表すものである。
【0061】即ち、 押し出し成形比=成形後のベルト
口径/押し出しダイス口径 である。
【0062】前述の説明は、単層ベルトに関してであっ
たが、2層の場合は図3に示されるように、更に押し出
し機110、ホッパー130を配置し、押し出し機10
0の混練溶融体と同時に2層用の押し出しダイス140
へ押し出し機110の混練溶融体を送り込み、2層同時
に拡大膨張させ2層ベルトを得ることができる。もちろ
ん3層以上のときは、層数に応じ相応に押し出し機を準
備すればよい。
【0063】図5〜図7に2層及び3層構成の中間転写
ベルトを例示する。このように本発明は、単層のみなら
ず、多層構成の転写ベルト及び中間転写ベルトを一段工
程で、かつ短時間に寸法精度良く成形することが可能で
ある。この短時間成形が可能ということは、大量生産及
び低コスト生産が可能であることを十分示唆するもので
ある。
【0064】図4は、別の中間転写ベルトの製造方法で
ある。ホッパー120に投入された成形用原料は、押し
出し機100を通過する過程で均一分散された溶融体と
なり、押し出しダイス141から押し出される。内部冷
却マンドレル165に、押し出されたベルト内面は、接
触しつつまたは非接触の状態で冷却され所望寸法180
に整えられ中間転写ベルト190を得る。
【0065】この時の押し出し成形比とは、以下のよう
に求めることができる。
【0066】押し出し成形比=成形後のベルト口径/押
し出しダイス口径 本発明に用いられるフッ素を含有したポリフェニレンサ
ルファイド樹脂は、従来、転写部材に用いられた材料に
比べ、分散性及び成形性に優れているため、図3及び図
4の方法により、転写部材例えば中間転写ベルトを製造
する場合、容易に電気抵抗を均一に制御することが可能
である。しかし、このように優れた樹脂を用いても本発
明の転写部材、特に中間転写ベルトや転写ベルトとして
機能するためには、ベルト各部の体積抵抗及び表面抵抗
の一方または両方は、その最大値が最小値の100倍以
内に収めることが好ましい。それが100倍を超える
と、ベルト内部の電気抵抗のムラが転写性に悪影響を及
ぼし易く、ベタ部の部分的な転写不良や、文字部の中抜
けが発生し易くなる。とりわけ、低温低湿の環境下で発
生し易い。また、好ましい体積抵抗の値は、100 〜1
14Ωcmであり、好ましい表面抵抗の値は100 〜1
17Ω/□である。
【0067】以下に転写部材と電気抵抗の関係につい
て、中間転写ベルトを例にとって述べる。
【0068】図3の製造方法においては、急激な周方向
に拡大膨張するため、特に中間転写ベルトの周方向の体
積抵抗及び表面抵抗の一方または両方は、その最大値を
最小値の100倍以内にすることが好ましい。これらを
達成するためには、フッ素を含有したポリフェニレンサ
ルファイド樹脂と抵抗制御剤との相溶性、抵抗制御剤の
量及び分散加工時の工程条件、更に図3及び図4に示さ
れるベルト製造時の各工程条件を詳細に検討することに
より、上記の範囲に収めることができる。
【0069】本発明における体積抵抗と表面抵抗は、単
に測定条件の違いばかりではなく、全く個別の電気特性
を示すものである。即ち、中間転写ベルトに印加される
電圧・電流が厚み方向に加えられた場合、ベルトの電荷
の移動は、主にベルトの内部構造の物性、換言すれば、
ベルトの層構造や添加剤、抵抗制御剤の種類や分散状態
によって決定され、その結果として、ベルトの表面電位
や除電速度等が決まる。一方、ベルトの表面のみで電荷
の授受が行われているように電圧・電流が加えられた場
合、ベルトの内部構造や層構造には殆ど依存せず、表面
における添加剤や抵抗制御剤の存在割合によってのみ帯
電や除電が決まる。
【0070】しかるに、本発明においては、この2つの
抵抗率が相俟って好ましい範囲に入ると、転写効率の維
持、中間転写ベルトの均一な転写性、中抜けやフィルミ
ング等の欠陥のない画像全面にわたる高画質が得易い。
【0071】成形用原料の吸水率は、1.9%を超える
と、中間転写ベルトの成形時にベルト表面に水蒸気を含
んだダマやブツを生じ易くなるため、1.9%以下にす
ることが好ましい。とりわけ押し出し成形比が、1.0
を超えて拡大膨張させ、適正な寸法を得ようとする場合
は、1.6%以下にすることがより好ましい。また、中
間転写ベルトの吸水率も1.9%以下に維持することが
好ましい。1.9%を超える吸水率を有すると、低温低
湿と高温高湿の各環境下での電気抵抗差が大きくなる傾
向にあり、全ての環境下で転写効率を安定化させること
が難しい。
【0072】本発明の転写部材の表面の電気抵抗値及び
内部の電気抵抗値の一様性は、転写部材のうち、中間転
写ベルトや転写ベルトの性能を維持する上で非常に重要
な因子である。中間転写ベルト表面の電気抵抗値が高過
ぎる場合は、1次転写時及び2次転写時に十分な転写電
界を与えることが難しく、転写不良となり易い。一方、
低過ぎる場合は、部分的な放電が生じ、やはり転写電界
を形成することが難しい。また、ベルト内部の抵抗が不
均一であると、前述と同様に部分的な放電、即ちリーク
が発生し、1次転写時及び2次転写時に印加した電流は
そこから逃げ、必要な転写電界は得られにくい。
【0073】本発明の製造方法においては、押し出し成
形比の大小により中間転写ベルト内部の電気抵抗値の均
一性は著しく影響を受ける。図3の製造方法では、押し
出し成形比が3.0を超えると、押し出しダイスを通過
後、拡大膨張する工程で、拡大率が大き過ぎるため引き
上げ方向(軸方向)及び周方向に電気抵抗のムラが生じ
易い。特に、周方向に瞬時に大きく拡大されるため電気
抵抗ムラは周方向に大きくなる。そのため、押し出し成
形比を、より好ましくは2.8以下にすることで良好な
結果が得られる。
【0074】押し出し成形比が、1.05未満である
と、押し出し成形速度と、気体吹き込み量及び速度のバ
ランスを取ることが微妙に難しく、中間転写ベルトの形
状寸法が不安定になったりベルトの肉厚方向にムラが発
生し易くなる。このベルト肉厚は、やはり電気抵抗値に
影響を与える因子であり、肉厚の不均一はベルト内の抵
抗均一性に不具合を与える。押し出し成形比が、1.0
5未満で成形したい場合は、図3のごときの製造方法で
は不可能であり、異なる図4のごときの成形製造方法を
用いる必要がある。図4のごときの成形製造方法を用い
た場合、押し出し成形比は、0.5〜1.05であるこ
とが好ましい。
【0075】また一方、本発明の転写部材に処方される
抵抗制御剤量は、本発明の製造方法と不可分の関係にあ
る。抵抗制御剤量が40重量%を超えると、同時に処方
される樹脂がどんなに延伸、拡大が可能な柔軟な樹脂で
あって、押し出し成形機を通過後に塑性的な溶融体とな
り易く、所望の拡大膨張を行うことができにくくなる傾
向があり、また仮に、成形できたとしても、量が多いた
め抵抗制御剤粒子に起因したブツ、フィシュアイや穿孔
が頻発し易くなる。
【0076】本発明において、転写部材として、好まし
い電気抵抗値としては1×105 〜1×1016Ωの範囲
である。抵抗制御剤量が0%であれば、成形時に上述の
ような問題は当然発生しない。しかし、本発明の転写部
材を構成するためには抵抗制御剤を含有しなくとも、転
写部材の抵抗値が1×105 〜1×1016Ωとなるよう
な成形用原料を用いることが好ましく、そのためには成
形用原料として、それ自身で1×105 〜1×1016Ω
を発現する樹脂、換言すれば、中抵抗樹脂を使用する必
要がある。
【0077】しかるに、本発明の製造方法では、抵抗制
御剤量が40重量%以下とすることが好ましく、より好
ましくは25重量%以下、特に好ましくは21重量%以
下である。特に抵抗制御剤を、イオン電導性及び電子電
導性の両者を単独または併用で用いる場合、イオン電導
性抵抗制御剤は分散性に優れる反面、湿度依存性が大き
いため多量に使用することは好ましくない。また、電子
電導性抵抗制御剤は、前述のように本発明の中間転写ベ
ルトの製造方法においては、電気抵抗の均一性に著しく
影響を与える。そのため、本発明においては、イオン電
導性抵抗制御剤の場合は0.05〜10重量%、電子電
導性抵抗制御剤の場合は3〜30重量%を、それぞれ単
独または併用して用いることが好ましい。
【0078】成形後の転写部材の肉厚範囲は、好ましく
は45〜300μmであり、より好ましくは50〜27
0μm、特に好ましくは55〜260μmである。図3
の製造方法では、押し出しダイスより押し出された混練
溶融体が急激に拡大膨張するため、電気抵抗の制御性と
相俟って成形体の肉厚はある程度制限を受ける。300
μmを超える肉厚は、均一な拡大膨張が得難く、電気抵
抗の均一性に難が生じ易く、同時に肉厚が厚い分膜厚の
均一性が得難くなる傾向にある。
【0079】更に、この膜厚が厚いベルトを中間転写ベ
ルトや転写ベルトとして用いる場合、かなりの剛性と乏
しい柔軟性のため、円滑な走行性を妨げ、ベルト走行中
にタワミや寄り等が生じ易くなる。45μm未満の肉厚
は、ベルトとしての引張り強度の低下、ベルトを張架回
転させた繰り返し使用中に緩みが生じ徐々に伸びが発生
する等、事実上問題を有するものである。本発明の製造
方法では、45μm未満のベルトの製造は、薄層ゆえ電
気抵抗の安定性等が期待でき対応は可能であるが、上記
の事実上の問題より好ましくない。
【0080】本発明において、図3及び図4の押し出し
ダイスのダイギャップの厚みより、最終の中間転写ベル
ト190の肉厚は薄くすることが好ましい。これは押し
出し時、中間転写ベルトの表面の平滑性を得るためと肉
厚の均一性、これは前述のように中間転写ベルトの電気
特性に影響を与える因子であり、これらを確保するため
に必須である。その範囲は、ダイスのダイギャップに対
し、99/100〜1/100である。1/100未満
になると、押し出し圧が高くなり、円滑な押し出しが困
難となる傾向にある。
【0081】本発明の転写部材に用いられる樹脂と共に
用いられる樹脂としては、例えば、ポリスチレン、クロ
ロポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン
−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合
体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイ
ン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体
(スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−ア
クリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル
共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体及び
スチレン−アクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン
−メタクリル酸エステル共重合体(スチレン−メタクリ
ル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共
重合体及びスチレン−メタクリル酸フェニル共重合体
等)、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合
体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル
共重合体等のスチレン系樹脂(スチレン、スチレン置換
体を含む単重合体及び共重合体)、タメクリル酸メチル
樹脂、メタクリル酸ブチル樹脂、アクリル酸エチル樹
脂、アクリル酸ブチル樹脂、変性アクリル樹脂(シリコ
ーン変性アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂変性アクリル樹
脂及びアクリル・ウレタン樹脂等)、塩化ビニル樹脂、
スチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹
脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルポ
リウレタン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
ダタジエン、ポリ塩化ビニリデン、アイオノマー樹脂、
ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ケト
ン樹脂、エチレン−エチルアクレート共重合体、キシレ
ン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリイミド樹脂、
ポリアミド樹脂及び変性ポリフェニレンオキサイド樹脂
等からなる群より選ばれる1種類あるいは2種類以上を
使用することができる。但し、主たる樹脂の特性を妨げ
ない範囲においてのみ使用可能である。
【0082】本発明に用いる転写部材は、転写不良及び
中抜け画像が生じない程度の硬度が必要であり、その好
ましい範囲は60〜100°、より好ましくは70〜1
00°、特に好ましくは73〜100°であり、その測
定方法はJIS−Aの方式に従うものとする。
【0083】次に、本発明の転写部材の電気抵抗値を調
整するための抵抗制御剤のうち、電子電導性抵抗制御剤
としては、例えば、カーボンブラック、黒鉛、アルミニ
ウムドープ酸化亜鉛、酸化スズ被覆酸化チタン、酸化ス
ズ、酸化スズ被覆硫酸バリウム、チタン酸カリウム、ア
ルミニウム金属粉末及びニッケル金属粉末等が挙げられ
る。また、イオン電導性抵抗制御剤としては、例えば、
テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジル
アンモニウム塩、アルキルスルフォン酸塩、アルキルベ
ンゼンスルホン酸塩、アルキルサルフェート、グリセリ
ン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオ
キシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪
族アルコールエステル、アルキルベタイン及び過塩素酸
リチウム等が挙げられる。
【0084】本発明における吸水率の測定は、JIS−
K7209のA法に準じて測定される。但し、サンプル
形状は粒子状、フィルム状、薄板状または立体物等で繰
り返し測定において再現性が得られる範囲内で適時選択
できる。
【0085】本発明の転写部材の抵抗値の測定方法を、
中間転写ベルトを例にとって述べる。
【0086】(1)中間転写ベルト20を図8に示した
ように張架し、2本の金属ローラ202及び203で挟
み、直流電源、適当な抵抗値を持つ抵抗器、電位差計を
つなぐ。
【0087】(2)駆動ロールにて中間転写ベルト表面
の移動速度が100〜300mm/秒になるようにベル
トを駆動する。
【0088】(3)直流電源から100V〜1KVの範
囲内で電圧を回路に印加し、抵抗器の両端の電位差Vr
を電位差計にて読む。なお、測定時の雰囲気は、気温2
3±5℃、湿度50±10%RHとする。
【0089】(4)得られた電位差Vrから、回路に流
れる電流値Iを求める。
【0090】(5)中間転写ベルトの抵抗値=印加電圧
/電流値I なお、図8において、200は駆動ローラ、201は金
属ローラ、204は直流電源、205は抵抗器、206
は電位差計である。
【0091】また、第1の画像担持体としては、少なく
とも最外層にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)
微粉末を含有する感光ドラムを用いると、より高い1次
転写効率が得られるために好ましい。これは、PTFE
微粉末を含有することにより、感光ドラム最外層の表面
エネルギーが低下し、トナーの離型性が向上するためで
はないかと考えられる。
【0092】次に、本発明における表面抵抗及び体積抵
抗の測定方法について、中間転写ベルトを例にとって述
べる。
【0093】<測定器> 抵抗計:超高抵抗計R8340A(アドバンステスト社
製) 試料箱:超高抵抗測定用試料箱TR42(アドバンステ
スト社製) 但し、主電極は直径25mm、ガード・リング電極は内
径41mm、外径49mmとする。
【0094】<サンプル>中間転写ベルトを直径56m
mの円形に切断する。切断後、片面はその全面をPt−
Pd蒸着膜により電極を設け、もう一方の面はPt−P
d蒸着膜により直径25mmの主電極と内径38mm、
外径50mmのガード電極を設ける。Pt−Pd蒸着膜
は、マイルドスパッタE1030(日立製作所製)で蒸
着操作を2分間行うことにより得られる。蒸着操作を終
了したものを試料サンプルとする。
【0095】<測定条件> 測定雰囲気:23℃/湿度55%(試料は予め23℃/
湿度55%の雰囲気に12時間以上放置しておく) 測定モード:プログラムモード5(ディスチャージ10
秒、チャージ及びメジャー30秒) 印可電圧:1〜1000(V)
【0096】印可電圧は、本発明の画像形成装置で使用
される転写部材に印可される電圧の範囲の一部である1
〜1000Vの間で任意に選択できる。また、サンプル
の抵抗値、厚み及び絶縁破壊強さ等に応じて、上記印可
電圧の範囲において、使用される印可電圧は適宜変える
ことができる。また、前記印可電圧の何れか一点の電圧
で測定された複数箇所の体積抵抗及び表面抵抗が、本発
明の抵抗範囲に含まれれば、本発明の目的とする抵抗範
囲であると判断される。
【0097】
【実施例】以下、実施例をもって本発明を詳細に説明す
る。実施例中の「部」は重量部である。
【0098】(実施例1)テトラフルオロエチレン−パ
ーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体100
部、無水マレイン酸3.0部及びベンゾイルパーオキサ
イド0.2部をあらかじめ十分混合した後、250〜3
50℃の範囲の温度設定で2軸押し出し機により、溶融
混練及びグラフト反応を同時に行い含フッ素グラフトポ
リマーを得た。これをグラフトPFAと称す。
【0099】次に、ポリフェニレンサルファイド樹脂1
00部と前記グラフトPFA40部をポリマーアロイ化
せしめ、同時に添加剤を均一分散するため、導電性カー
ボンブラック8部及び酸化防止剤0.5部を上記樹脂に
加え2軸の押し出し混練機に混練せしめ、所望の電気抵
抗になるようにカーボン等の添加剤を十分にバインダー
中に均一分散させ、ポリマーアロイ化せしめて、成形用
原料(1)を得た。更に、これを1〜2mmの粒径の混
練物とした。
【0100】次に、図3に示される1軸押し出し機10
0のホッパー120へ前記混練物を投入し、設定温度2
00〜400℃の範囲に調節して押し出すことにより溶
融体とした。溶融体は、引き続いて、ダイス直径150
mm、ダイギャップ幅1100μmの円筒状単層用押し
出しダイス140に導かれた。更に、そこで気体導入路
150より空気を吹き込み拡大膨張させ、最終的な形状
係数として、直径160mm、肉厚130μmとした。
更に、ベルト幅230mmで切断し、中間転写ベルトを
得た。これを中間転写ベルト(1)とする。
【0101】中間転写ベルト(1)の電気抵抗は、6.
4×1010Ωであった。また、200V印加して、中間
転写ベルト(1)を図9に示されるように周方向に4箇
所、各位置での軸方向に2箇所、計8箇所、体積抵抗及
び表面抵抗の測定を行い、ベルト内の電気抵抗のバラツ
キを測定したが、8箇所の測定値は1桁以内に収まって
いた。8ヵ所のうち、体積抵抗、表面抵抗の最大/最小
値はそれぞれ、1.7×1011Ωcm、2.8×1010
Ωcm及び9.6×109 Ω/口、1.4×109 Ω/
口であった。同様の位置での厚み測定のバラツキは、1
30±12μmの範囲であった。
【0102】中間転写ベルト(1)を目視観察すると、
表面にはブツ及びフィシュアイ等の異物及び成形不良は
見られなかった。また、成形用原料(1)の吸水率は
0.08%であり、中間転写ベルトの吸水率は0.02
%であった。
【0103】この中間転写ベルト(1)を図2に示され
るフルカラー電子写真装置に装着し、80g/m2 紙に
フルカラー画像をプリントし、以下のように転写効率を
定義して、転写効率の測定を行った。
【0104】1次転写効率(感光ドラムから中間転写ベ
ルトへの転写効率)=中間転写ベルト上の画像濃度/
(感光ドラム上の転写残画像濃度+中間転写ベルト上の
画像濃度) 2次転写効率(中間転写ベルトから紙への転写効率)=
紙上の画像濃度/(紙上の画像濃度+中間転写ベルト上
の転写残画像濃度)
【0105】本実施例では、感光ドラム1として、最外
層にPTFE微粉末を含有する有機感光ドラム(OPC
感光ドラム)を用いた。そのため、高い1次転写効率が
得られた。1次転写効率、2次転写効率はそれぞれ96
%、91%であった。なお、中間転写ベルトのクリーニ
ング方式は、クリーニング用帯電部材に1×108 Ωの
抵抗を持つ弾性ローラを用いた1次転写同時クリーニン
グ方式とし、フルカラー画像5万枚の連続プリントを行
った。
【0106】初期よりベルトの抵抗不均一に起因する画
像濃度ムラもなく、5万枚繰り返し使用後もベルトの永
久伸びに起因する色ズレやクリーニング不良のない良好
な画像を得ることができた。更に、表面にトナーのフィ
ルミングもなく、ヒビ割れ、削れ及び摩耗が生ずること
なく、初期と同様の良好な表面性を維持した。
【0107】 (実施例2) ポリフェニレンサルファイド樹脂 100部 グラフトPFA 20部 テトラフルオロエチレン−パーフルオロ (アルキルビニルエーテル)共重合体 40部
【0108】上記の配合を十分乾式混合し、2軸押し出
し機により溶融均一混練させ、ポリマーアロイ化せし
め、本発明のフッ素を含有したポリフェニレンサルファ
イド樹脂を得た。これをポリマーアロイ(1)と称す
る。フッ素樹脂とポリフェニレンサルファイド樹脂に更
にグラフトPFAが加わることにより、ポリマーアロイ
はより均質不可分な組成となった。
【0109】 次に、ポリマーアロイ(1) 100部 導電性酸化チタン 19部 ステアリン酸モノグリセライド 1部
【0110】上記の配合を2軸の押し出し混練機で混練
せしめ、所望の電気抵抗になるようにカーボン等添加剤
を十分にバインダー中に均一分散させ、成形用原料
(2)を得た。更に、これを1〜2mmの粒径の混練物
とした。
【0111】次に、図3に示される一軸押し出し機10
0のホッパー120へ前記混練物を投入し、設定温度を
240〜380℃の範囲に調節して押し出すことによ
り、溶融体とした。溶融体は、引き続いて、ダイス直径
200mm、ダイギャップ幅1000μmの円筒状単層
用押し出しダイス140に導かれた。このときにダイス
先端から吐出された溶融体の吐出速度は1m/minで
あった。更に、そこで気体導入路150より空気を吹き
込み拡大膨張させ、引き取り速度4.5m/minで引
き取りながら成形を行いつつ、310mmごとにチュー
ブ状フィルムを長手方向に向かって垂直の方向に連続的
に切断することによりベルトとした。このときの押し出
し成形比は1.55であった。この結果、最終的な形状
寸法として、直径310mm、厚み160μm、ベルト
幅315mmの転写ベルト190を得た。これを転写ベ
ルト(1)とする。
【0112】転写ベルト(1)の下記抵抗測定値の中心
値は、5.2×1010Ωであった。また、電気抵抗測定
装置を用い、100V印加して、転写ベルト(1)を図
9に示されるように周方向に4箇所、各位置での軸方向
に2箇所、計8箇所の測定を行い、ベルト内の電気抵抗
のバラツキを測定したが、8箇所の抵抗測定値は80倍
以内に収まっていた。同様の位置での厚み測定のバラツ
キは、成形されたベルトよりダイギャップが広く、膜厚
のコントロールが容易であったので、140±10μm
の範囲であった。中間転写ベルト(1)の目視観察によ
ると表面にはブツ及びフィッシュアイ等の異物及び成形
不良はみられなかった。上記原料及び転写ベルトの吸水
率は0.06%であった。次に、図1に示されるフルカ
ラー電子写真装置を用い画質及び耐久性の評価を行っ
た。
【0113】本実施例では、感光ドラム1として、最外
層にPTFEの微粉末を含有する有機感光ドラム(OP
C感光ドラム)を用いた。そのため、93%という高い
転写効率が得られた。
【0114】初期よりベルトの抵抗不均一に起因する画
像濃度ムラもなく、5万枚耐久後も該ベルトの永久伸び
に起因する色ズレやクリーニング不良のない良好な画像
を得ることができた。更に、耐久中に発生する転写ベル
ト表面の汚染による、トナーのフィルミングもなく、ヒ
ビ割れ、削れ及び摩耗が生ずることなく、初期と同様の
良好な表面性を維持した。
【0115】(実施例3)図4に示される、直径180
mm、ダイギャップの幅210μmのスパイラルダイよ
りなる押し出しダイス141を具備した押し出し機10
0に、実施例1の成形用材料(1)をホッパー120よ
り供給し、円筒状に押し出した。押し出されたベルト
は、冷却用マンドレルに内面を接触し、冷却されつつ延
伸され所望の寸法及び厚みとされ、中間転写ベルト19
0を得る。このときの寸法180は直径163mm、肉
厚128μmであり、これを中間転写ベルト(2)とす
る。この中間転写ベルト(2)の吸水率は0.04%で
あった。
【0116】次に、実施例1と同様にして、5万枚のフ
ルカラー画像を繰り返し複写テストを行ったが、1次転
写効率が93%、2次転写効率が90%となり、繰り返
し使用後の転写効率、画像共に初期と変わらないもので
あった。また、ベルト自身へのフィルミングや傷、ひび
割れは発生しなかった。また、中間転写ベルト(2)の
体積抵抗及び表面抵抗を周方向及び軸方向の計8箇所測
定したが、その値は全て100倍以内の範囲に収まって
いた。
【0117】(比較例1)樹脂としてポリアミド樹脂、
押し出しダイスとして直径50mmの押し出しダイスを
用いた以外は、実施例1と同様にして成形し、直径16
0mmの中間転写ベルト(3)を得た。この成形用原料
の吸水率は1.5%であり、中間転写ベルト(3)の吸
水率は1.1%であった。中間転写ベルト(3)の電気
抵抗は、一応7.4×1010Ωであったが、抵抗測定中
の抵抗値が収束せず不安定な測定であった。更に、ベル
ト内部の抵抗の一様性は、3桁以上であり部分的に低抵
抗部と高抵抗部が存在していた。肉厚は150μmを狙
っていたが、肉厚のムラは、最小値98μm、最大値1
90μmとバラツキの大きいものであった。
【0118】実施例1と同様に複写テストを行ったが、
初期から部分的に転写不良、画像濃度薄、及び画像の微
妙な転写抜け(特に2色重ね合わせ時に著しい)等が発
生した。5万枚耐久を行ったが、画質は初期レベルより
徐々に悪化して行った。しかし、耐久によるヒビ割れや
キズ等は発生しなかった。
【0119】 (比較例2) ポリエチレン樹脂 30部 塩化ビニル樹脂 70部 導電性カーボンブラック 8部 酸化防止剤 0.5部
【0120】上記の配合を2軸の押し出し混練機で混練
分散し、均一混練させた成形用原料(3)を得た。更
に、中間転写ベルトの成形装置に実施例1と同様のもの
を用い、製造方法も実施例1と同様にして、直径160
mmの中間転写ベルト(4)を得た。この成形用原料及
び中間転写ベルト(4)の吸水率は、0.15%、0.
04%であった。
【0121】次に、実施例1と同様に5万枚の耐久試験
を行った。初期は色ズレや画像に問題は発生しなかった
が、3万枚終了前後からベルト駆動に徐々に微妙の収
縮、伸長が見られ、2色重ね時に色ズレが100μmオ
ーダーで発生した。5万枚後には、ベルトの緩みに起因
したと思われるベルトテンションの低下が認められた。
このため、不規則に最大300μmの色ズレが頻発し
た。
【0122】
【発明の効果】本発明によれば、工程数が少なく、低コ
ストで、なおかつ寸法精度が高い転写部材の製造方法を
可能にした。
【0123】また、画像の微小部分の転写不良の発生し
ない、所謂中抜け画像のない、均一・均質の画像品質が
達成される転写部材、該転写部材の製造方法及び該転写
部材を有する画像形成装置を可能にした。
【0124】また、広範な温湿度環境下において、繰り
返し使用による苛酷な耐久使用を行っても特性に変化が
なく、初期と同様な特性を維持し得る転写部材、該転写
部材の製造方法及び該転写部材を有する画像形成装置を
可能にした。
【0125】また、有機感光体に悪影響を与えない転写
部材、該転写部材の製造方法及び該転写部材を有する画
像形成装置を可能にした。
【0126】また、多層構成のベルトを成形した場合で
も、使用中に層間剥離のない転写部材、該転写部材の製
造方法及び該転写部材を有する画像形成装置を可能にし
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の転写部材を転写ベルトとして用いた画
像形成装置の一例の概略構成図である。
【図2】本発明の転写部材を中間転写ベルトとして用い
た画像形成装置の一例の概略構成図である。
【図3】本発明の転写部材の製造方法の一例を示す図で
ある。
【図4】本発明の転写部材の製造方法の一例を示す図で
ある。
【図5】本発明の転写部材の一例の模式図である。
【図6】本発明の転写部材の一例の模式図である。
【図7】本発明の転写部材の一例の模式図である。
【図8】本発明の転写部材の抵抗値の測定方法の一例を
示す模式図である。
【図9】本発明の転写部材の体積抵抗値及び表面抵抗値
の測定箇所の一例を示す模式図である。

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の像担持体上に形成されたトナー像
    を、第2の像担持体に静電的に転写する転写装置に使用
    される転写部材において、成形用原料を環状ダイスを用
    いた押し出し機で円筒状に溶融押し出しし、所望の形状
    寸法に成形された該転写部材が、フッ素を含有したポリ
    フェニレンサルファイド樹脂を含有することを特徴とす
    る転写部材。
  2. 【請求項2】 前記転写部材がシームレスベルトである
    請求項1記載の転写部材。
  3. 【請求項3】 前記転写部材の厚みが45〜300μm
    である請求項1または2に記載の転写部材。
  4. 【請求項4】 前記転写部材の体積抵抗が100 〜10
    14Ωcmである請求項1〜3のいずれかに記載の転写部
    材。
  5. 【請求項5】 前記転写部材の表面抵抗が100 〜10
    17Ω/□である請求項1〜4のいずれかに記載の転写部
    材。
  6. 【請求項6】 前記転写部材の周方向における体積抵抗
    の最大値が、最小値の100倍以内である請求項1〜5
    のいずれかに記載の転写部材。
  7. 【請求項7】 前記転写部材の周方向における表面抵抗
    の最大値が、最小値の100倍以内である請求項1〜6
    のいずれかに記載の転写部材。
  8. 【請求項8】 前記転写部材の長手方向における体積抵
    抗の最大値が、最小値の100倍以内である請求項1〜
    7のいずれかに記載の転写部材。
  9. 【請求項9】 前記転写部材の長手方向における表面抵
    抗の最大値が、最小値の100倍以内である請求項1〜
    8のいずれかに記載の転写部材。
  10. 【請求項10】 前記転写部材及び成形用原料の吸水率
    が1.9%以下である請求項1〜9のいずれかに記載の
    転写部材。
  11. 【請求項11】 前記転写部材が抵抗制御剤を40重量
    %以下含有する請求項1〜9記載の転写部材。
  12. 【請求項12】 前記抵抗制御剤が、イオン電導性抵抗
    制御剤0.05〜10重量%、電子電導性抵抗制御剤3
    〜30重量%、またはイオン電導性抵抗制御剤0.05
    〜10重量%及び電子電導性抵抗制御剤3〜30重量%
    よりなる請求項11記載の転写部材。
  13. 【請求項13】 前記転写部材が中間転写ベルトである
    請求項1〜12のいずれかに記載の転写部材。
  14. 【請求項14】 前記転写部材が転写ベルトである請求
    項1〜12のいずれかに記載の転写部材。
  15. 【請求項15】 第1の像担持体上に形成されたトナー
    像を、第2の像担持体に静電的に転写する転写装置に使
    用される転写部材の製造方法において、成形用原料を押
    し出し機で円筒状に溶融押し出しし、所望の形状寸法に
    成形する該転写部材の製造方法であって、該転写部材の
    押し出し成形比が0.5〜3.0であり、かつ該転写部
    材がフッ素を含有したポリフェニレンサルファイド樹脂
    を含有することを特徴とする転写部材の製造方法。
  16. 【請求項16】 第1の像担持体上に形成されたトナー
    像を、第2の像担持体に静電的に転写する転写装置に使
    用される転写部材の製造方法において、成形用原料を押
    し出し機で円筒状に溶融押し出しし、次いで空気を吹き
    込みつつ所望の形状寸法に成形する該転写部材の製造方
    法であって、該転写部材の押し出し成形比が1.05〜
    3.00であり、かつ該転写部材がフッ素を含有したポ
    リフェニレンサルファイド樹脂を含有することを特徴と
    する転写部材の製造方法。
  17. 【請求項17】 第1の像担持体上に形成されたトナー
    像を、第2の像担持体に静電的に転写する転写装置に使
    用される転写部材を有する画像形成装置において、成形
    用原料を押し出し機で円筒状に溶融押し出しし、所望の
    形状寸法に成形された該転写部材の押し出し成形比が
    0.5〜3.0であり、かつ該転写部材がフッ素を含有
    したポリフェニレンサルファイド樹脂を含有することを
    特徴とする画像形成装置。
  18. 【請求項18】 第1の像担持体上に形成されたトナー
    像を、第2の像担持体に静電的に転写する転写装置に使
    用される転写部材を有する画像形成装置において、成形
    用原料を押し出し機で円筒状に溶融押し出しし、次いで
    空気を吹き込みつつ所望の形状寸法に成形された該転写
    部材の押し出し成形比が1.05〜3.0であり、かつ
    該転写部材がフッ素を含有したポリフェニレンサルファ
    イド樹脂を含有することを特徴とする画像形成装置。
  19. 【請求項19】 フッ素を含有したポリフェニレンサル
    ファイド樹脂が、フッ素含有ポリマーとポリフェニレン
    サルファイドポリマーのポリマーアロイである請求項1
    〜14のいずれかに記載の転写部材。
  20. 【請求項20】 フッ素を含有したポリフェニレンサル
    ファイド樹脂が、フッ素含有ポリマーとポリフェニレン
    サルファイドポリマーのポリマーアロイである請求項1
    5または16に記載の転写部材の製造方法。
  21. 【請求項21】 フッ素を含有したポリフェニレンサル
    ファイド樹脂が、フッ素含有ポリマーとポリフェニレン
    サルファイドポリマーのポリマーアロイである請求項1
    7または18に記載の画像形成装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002182487A (ja) * 2000-12-14 2002-06-26 Fuji Xerox Co Ltd 半導電性部材、中間転写体及び画像形成装置
US6818706B2 (en) 2001-02-21 2004-11-16 Nexans Polymer mixture
JP2008180885A (ja) * 2007-01-24 2008-08-07 Kureha Corp ポリアリーレンチオエーテル系半導電性フィルム、該フィルムより形成された電荷制御部材、無端ベルトおよび該無端ベルトを用いた画像形成装置用転写ベルト
JP2015110732A (ja) * 2013-10-31 2015-06-18 東レ株式会社 ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物

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