JP3416435B2 - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP3416435B2
JP3416435B2 JP35020296A JP35020296A JP3416435B2 JP 3416435 B2 JP3416435 B2 JP 3416435B2 JP 35020296 A JP35020296 A JP 35020296A JP 35020296 A JP35020296 A JP 35020296A JP 3416435 B2 JP3416435 B2 JP 3416435B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真方式を用い
た画像形成装置に関し、特に第1の画像担持体上に形成
されたトナー像を、一旦中間転写体に転写させた後、更
に転写させ画像形成物を得る電子写真画像形成装置に関
し、とりわけ中間転写ベルトを用いる画像形成装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】中間転写体を使用した画像形成装置は、
カラー画像情報や多色画像情報の複数の成分色画像を順
次積層転写してカラー画像や多色画像を合成再現した画
像形成物を出力するカラー画像形成装置や多色画像形成
装置、またはカラー画像形成機能や多色画像形成機能を
具備させた画像形成装置として有効である。
【0003】中間転写体として中間転写ベルトを用いた
画像形成装置の一例の概略図を図1に示す。
【0004】図1は電子写真プロセスを利用したカラー
画像形成装置(複写機あるいはレーザービームプリンタ
ー)である。中間転写ベルト20には中抵抗の弾性体を
使用している。
【0005】1は第1の画像担持体として繰り返し使用
される回転ドラム型の電子写真感光体(以下感光ドラム
を記す)であり、矢示の時計方向に所定の周速度(プロ
セススピード)をもって回転駆動される。
【0006】感光ドラム1は回転過程で、1次帯電器2
により所定の極性・電位に一様に帯電処理され、次いで
不図示の像露光手段3(カラー原稿画像の色分解・結像
露光光学系、画像情報の時系列電気デジタル画素信号に
対応して変調されたレーザービームを出力するレーザー
スキャナによる走査露光系等)による画像露光を受ける
ことにより目的のカラー画像の第1の色成分像(例えば
イエロー色成分像)に対応した静電潜像が形成される。
【0007】次いで、その静電潜像が第1の現像器(イ
エロー色現像器41)により第1色であるイエロートナ
ーYにより現像される。この時第2〜第4の現像器(マ
ゼンタ色現像器42、シアン色現像器43及びブラック
色現像器44)の各現像器は作動−オフになっていて感
光ドラム1には作用せず、上記第1色のイエロートナー
画像は上記第2〜第4の現像器により影響を受けない。
【0008】中間転写ベルト20は時計方向に感光ドラ
ム1と同じ周速度をもって回転駆動されている。
【0009】感光ドラム1上に形成担持された上記第1
色のイエロートナー画像が、感光ドラム1と中間転写ベ
ルト20とのニップ部を通過する過程で、1次転写ロー
ラ62から中間転写ベルト20に印加される1次転写バ
イアスにより形成される電界により、中間転写ベルト2
0の外周面に順次中間転写(1次転写)されていく。
【0010】中間転写ベルト20に対応する第1色のイ
エロートナー画像の転写を終えた感光ドラム1の表面
は、クリーニング装置13により清掃される。
【0011】以下、同様に第2色のマゼンタトナー画
像、第3色のシアントナー画像、第4色のブラックトナ
ー画像が順次中間転写ベルト20上に重ね合わせて転写
され、目的のカラー画像に対応した合成カラートナー画
像が形成される。
【0012】63は2次転写ローラで、2次転写対向ロ
ーラ64に対応し平行に軸受させて中間転写ベルト20
の下面部に離間可能な状態に配設してある。
【0013】感光ドラム1から中間転写ベルト20への
第1〜第4色のトナー画像の順次重畳転写のための1次
転写バイアスは、トナーとは逆極性(+)でバイアス電
源29から印加される。その印加電圧は例えば+100
V〜2kVの範囲である。
【0014】感光ドラム1から中間転写ベルト20への
第1〜第3色のトナー画像の1次転写工程において、2
次転写ローラ63は中間転写ベルト20から離間するこ
とも可能である。
【0015】中間転写ベルト20上に転写された合成カ
ラートナー画像の第2の画像担持体である転写材Pへの
転写は、2次転写ローラ63が中間転写ベルト20に当
接されると共に、給紙ローラ11から転写材ガイド10
を通って、中間転写ベルト20と2次転写ローラ63と
の当接ニップに所定のタイミングで転写材Pが給送さ
れ、2次転写バイアスが電源28から2次転写ローラ6
3に印加される。この2次転写バイアスにより中間転写
ベルト20から第2の画像担持体である転写材Pへ合成
カラートナー画像が転写(2次転写)される。トナー画
像の転写を受けた転写材Pは定着器15へ導入され加熱
定着される。
【0016】転写材Pへの画像転写終了後、中間転写ベ
ルト20にはクリーニング用帯電部材(クリーナー)7
が当接され、感光ドラム1とは逆極性のバイアスを印加
することにより、転写材Pに転写されずに中間転写ベル
ト20上に残留しているトナー(転写残トナー)に感光
ドラム1と逆極性の電荷が付与される。26はバイアス
電源である。
【0017】前記転写残トナーは、感光ドラム1とのニ
ップ部及びその近傍において感光ドラム1に静電的に転
写されることにより、中間転写体がクリーニングされ
る。
【0018】前述の中間転写ベルトを用いた画像形成装
置を有するカラー電子写真装置は、従来の技術である転
写ドラム上に第2の画像担持体を張り付けまたは吸着せ
しめ、そこへ第1の画像担持体上から画像を転写する画
像形成装置を有したカラー電子写真装置、例えば特開昭
63−301960号公報中で述べられたごとくの転写
装置と比較すると、第2の画像担持体である転写材にな
んら加工や制御(例えばグリッパーに把持する、吸着す
る及び曲率をもたせる等)を必要とせずに中間転写ベル
トから画像を転写することができるため、封筒、ハガキ
及びラベル紙等、薄い紙(40g/m2 紙)から厚い紙
(200g/m2 紙)まで、幅の広狭、長さの長短、あ
るいは厚さの厚薄によらず、第2の画像担持体を多種多
様に選択することができるという利点を有している。
【0019】このような利点のため、すでに市場におい
ては中間転写ベルトを用いたカラー複写機、カラープリ
ンター等が稼動し始めている。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらのカラ
ー電子写真装置は、前記の利点を十分に活かし、ユーザ
ーに対して真に期待され、かつ満足を与える装置として
は十分機能していないのが現状である。すなわち、この
中間転写体を用いた画像形成装置を実際に種々の環境で
繰り返し使用する場合、次のような問題を未だ有してい
る。
【0021】(1)第1の画像担持体、例えば感光ドラ
ムから中間転写体へ転写効率、及び中間転写体から第2
の画像担持体、例えば紙やOHPシートへの転写効率が
十分に高いものとなっていない。そのため、感光ドラム
や中間転写体に具備すべきクリーニング装置が不可欠と
なり、かつ多量の転写残トナーをクリーニングするため
に部材への負荷が大きくなり、部材が短寿命化すると同
時に当該クリーニング装置が構成上かなり複雑となり、
高価なものとなってしまている。
【0022】(2)中間転写体に転写された画像、及び
第2の画像担持体に転写された画像の一部が図7のごと
く転写されず、中抜け部105を有する画像(以後中抜
け画像と称す)となる場合がある。これは、(1)で述
べたごと転写効率が100%に達成していないことによ
り生ずるものである。この原因としては、中間転写体に
使用する材質、表面性、抵抗、または転写時の印加バイ
アスの大きさ、そのタイミングまたは画像形成装置の機
械構成等が複合的に作用するものと思われるが、主たる
原因は判明していない。しかし、中間転写体の耐久が進
むにつれ、または低温低湿環境になるほど悪化すること
は解っている。
【0023】(3)図1に示されるように、中間転写ベ
ルト20には中間転写体クリーナ7が具備されている。
これは転写されなかったトナーを、次の一連の転写工程
が始まるまでに中間転写体から除去するための装置であ
る。このクリーニング方法としては、ブレードクリーニ
ング、ファーブラシクリーニング、またはその併用と種
々あるが、中間転写ベルト20の表面でトナーを転写−
付着−離型というサイクルを数千回、または数万回繰り
返すと、前記のクリーナ7では除去しきれなかったトナ
ーが中間転写ベルト20の表面に徐々に堆積し、いわゆ
るフィルミングが形成されるようになる。このようにな
ると第1の画像担持体からのトナーの転写性が悪くなり
フィルミングした部分の転写不良による斑点状の白く抜
けたような画像となり画像品質を下げたり、または全体
の転写効率の低下を招く。
【0024】(4)中間転写ベルトを繰り返し使用し、
耐久が進むに連れ、当該中間転写ベルトの表面性が変化
することがある。はなはだしい場合は中間転写体の表面
で削れやひびわれが生じ、初期に得られた良好な転写効
率や、均質な画像が期待できなくなってしまう。
【0025】さらに、樹脂あるいはゴムからなる従来の
中間転写ベルトを任意の張力で張架して繰り返し使用し
た場合、加えて以下のような課題があった。
【0026】(5)中間転写ベルトの永久伸びが次第に
大きくなり、張力が十分にとれなくなってベルトと軸間
が滑り、1次転写時に各色トナー画像間でズレ(色ズ
レ)が生じて鮮明な画像が得られない。
【0027】(6)ベルトが一方向に偏ってしまった場
合、ベルト端部がフランジ等に当たって擦られ、ベルト
端部が破損してしまう場合がある。
【0028】このような問題に対し、例えば特開平3−
293385号公報では、2次転写部でトナーを転写材
に溶融転写(転写同時定着)する転写定着装置におい
て、ゴムからなる中間転写ベルトをポリアミド織布で補
強する提案がなされているが、該提案では、ゴムと織布
との電気抵抗差が大きくなり過ぎるため、織布の材質、
厚みによって中間転写ベルトの厚さ方向の電気抵抗値が
非常に高くなってしまい、良好な静電転写をすることが
できない。また、織布の厚さと、繊維の太さ、織布の密
度についても考慮がなされていないため、織布の跡が画
像に表われてしまい、高品位な画像を得ることができな
い。また、ベルトが多層構成となるため、コスト的には
かなり高価なものとなってしまう。
【0029】また一方、米国特許5409557号明細
書では補強材の上層に導電剤と樹脂よりなる被覆層を有
する中間転写体として中間転写ベルトが開示されている
が、この中間転写ベルトはほとんど弾性を有しない剛直
な硬度の高い部材のため感光ドラム等の第1の画像担持
体と中間転写ベルトとの1次転写部、及び第2の画像担
持体へ画像の転写を行なう2次転写部において、充分な
転写領域、所謂転写ニップを確保することができず、特
に、画像部全面に多量のトナーが載ったフルカラー画
像、所謂ベタ画像の場合、部分的な転写不良が生じ易
く、色調が変化したり、白く抜けるような画像、所謂中
抜け画像となる。更に、当該中間転写ベルトは剛直な樹
脂的特性のゆえ、繰り返し使用による、ベルト端部とベ
ルト駆動部材との擦過による、ベルトの亀裂や破損が発
生し易く、長時間の使用は不可である。
【0030】また、特開平6−228335号公報及び
特開平6−149079号公報等では、PVDFやポリ
カーボネートを材質として用いた中間転写ベルトの開示
があるが、これらのベルトは弾性をベルト自体が有して
いないため、前述のごとき画像上の不具合、例えば、転
写不良や中抜け画像を生じ、また繰り返し使用時、樹脂
疲労による断裂や亀裂が発生し易く、従来の耐久性、例
えば数千回以上の寿命を期待することはできない。
【0031】また、中間転写ベルトにおいて、転写効
率、表面の耐摩耗性やトナー汚染及びフィルミング等に
重大な影響を及ぼす、本発明の第1、第2の層及び表層
等に関しては、中間転写ドラムの表層に用いられるバイ
ンダーよりは屈曲性及び柔軟性に対してより強い特性が
要求される。
【0032】しかるに、本発明は前述の諸問題を解決し
た新規な中間転写ベルトを用いる画像形成装置を提案す
るものである。
【0033】本発明の目的は、第1の画像担持体から中
間転写ベルトへの転写効率、及び中間転写ベルトから第
2の画像担持体への転写効率が極めて高く、繰り返し使
用しても中間転写ベルトの永久伸びによる色ズレが発生
することのない画像形成装置を提供することである。
【0034】本発明の別の目的は、画像の微小部分の転
写不良の発生しない、所謂中抜け画像のない、均一、均
質の画像品質が、第2の画像担持体である紙やOHPシ
ートの種類に依存することなく、達成される画像形成装
置を提供することにある。
【0035】本発明の更に別の目的は、中間転写ベルト
の繰り返し使用による過酷な耐久使用を行っても中間転
写ベルトの特性に変化がなく、初期と同様な特性を維持
し、ベルトの表面及び端部の破損することのない画像形
成装置を提供することにある。
【0036】本発明のその上の目的は、中間転写ベルト
表面へのトナーの付着によるフィルミングの発生しない
画像形成装置を提供することにある。
【0037】本発明の更にその上の目的は、有機感光体
に悪影響を与えず、感光体寿命の長い画像形成装置を提
供することにある。
【0038】更に別の目的は、中間転写ベルトの層構成
が、少なくとも第1の層と第2の層を有している中間転
写ベルトの第2の層、もしくは中間転写ベルトの最外層
に高潤滑性粉体を多量に混合したものを使用した場合に
おいて長期間繰り返し画像を出力しても、第2の層もし
くは最外層が下層から剥がれたり、ひび割れたりせず均
一な導電性及び転写性を実現すること、もしくは、下層
からのプリード物が発生した場合でも感光体汚染されず
画像欠陥を発生しないこと、もしくは、第1の画像担持
体から中間転写ベルトへの転写、及び中間転写ベルトか
ら第2の画像担持体への転写をする場合の転写効率を高
めるため転写バイアスを高く設定した場合でもリークが
発生しない画像形成装置を提供することにある。
【0039】
【課題を解決するための手段】しかるに、本発明は、第
1の画像担持体上に形成された画像を中間転写体上に転
写した後、第2の画像担持体上に更に転写する画像形成
装置において、該中間転写体が、シームレスベルトであ
って、少なくとも第1の層及び第2の層をこの順に有
し、かつ 第1の層に用いられるバインダーが熱可塑
性エラストマーより成り、該熱可塑性エラストマーがブ
ロックコポリマーであり、 該ブロックコポリマーがハー
ドセグメント及びソフトセグメントより成り、 第2の
層に用いられるバインダーの引張破断伸びが150%以
上、引張破断強さが300kgf/cm以上、かつ1
00%引張り応力が250kgf/cm以下であるこ
とを特徴とする画像形成装置である。
【0040】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる熱可塑性エラ
ストマーとは、架橋ゴムと樹脂の中間的特性を示すもの
であり、一般の樹脂が有する特性以上の適度な弾性と柔
軟性をそなえ、また、ゴムごときの加硫工程を有しない
ため、成型性にすぐれた材料である。
【0041】そのため、本発明者等は本発明の中間転写
ベルトの材料としては好適であることを見い出した。
【0042】本発明の熱可塑性エラストマー(TPEと
称する)は単なるポリマーブレンドではなく高分子鎖内
に明確なハードセグメントとソフトセグメントを有する
ブロックコポリマーを構造として有している。このブロ
ックコポリマーの範疇には、ジブロックコポリマー、ト
リブロックコポリマー、スターポリマー、マルチブロッ
クコポリマー、グラフトコポリマーも包含される。
【0043】ブロックコポリマー中のソフトセグメント
の種類、組成比率は、本発明のベルト特性として硬度、
弾性の軟質化を与え、ベルトの伸縮、折り曲げに対して
は、多様の変化に追随できるフレキシビリティーを与え
る。
【0044】他方、ハードセグメントの種類、組成比率
は引き裂き、引張りに対する強度を与え、所望のベルト
張架荷重に対して対応出来る。
【0045】ベルト強度を確保しうる力を与える。その
ため、本発明においてソフトセグメント、ハードセグメ
ントの種類、比率を好ましく選択することは特に重要な
事である。
【0046】本発明に用いられるソフトセグメントとし
ては、例えばポリイソプレン、ポリブタジエン、水素添
加ポリブタジエン、アモルファスポリエチレン、ポリ塩
化ビニル、ポリエーテル、ポリエステル、エチレン−プ
ロピレンゴム、イソブテン−イソプレンゴム、フッ素ゴ
ム、シリコンゴムが挙げられる。ハードセグメントとし
ては、例えばポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリウレタン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、
ポリアミド、ポリブチレン−テレフタレート、フッ素樹
脂、ポリイソプレンが挙げられ、上記のソフトセグメン
トと組み合わせて所望の特性をそなえたTPEを得る事
が出来る。
【0047】本発明に用いられるTPEとしては、ポリ
スチレン系では、例えば、スチレン−ブタジエン−スチ
レンコポリマー、スチレン−イソプレン−スチレンコポ
リマー、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンコポ
リマー、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンコ
ポリマーなどがあり、ポリ塩化ビニル系では、架橋(三
次元)塩化ビニル−直鎖塩化ビニルポリマー、などがあ
り、オレフィン系としては、ポリエチレン−EPDMコ
ポリマー、ポリプロピレン−EPDMコポリマー、ポリ
エチレン−EPMコポリマーポリプロピレン−EPMコ
ポリマー、などがあり、ポリエステル系としては、PB
T(1.4−ブタジエンヂオール−テレフタル酸縮合
物)−PTMEGT(ポリテトラメチレングリコール−
テレフタル酸縮合物)コポリマー、があげられ、ポリア
ミド系としては、例えばナイロンオリゴマー−ジカルボ
ン酸−ポリエーテルオリゴマーを基本骨格としたコポリ
マーを挙げることができ、前記ナイロンオリゴマーとし
ては例えばナイロン6、ナイロン66、ナイロン61
0、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、な
どがあり、ポリエーテルオリゴマーとしては、例えばポ
リエーテルグリコール、ポリプロピレングリコール、ポ
リテトラメチレングリコールを用いることが出来る。ウ
レタン系としては例えばポリウレタン−ポリカーボネー
トポリオールコポリマー、ポリウレタン−ポリエーテル
ポリオールコポリマー、ポリウレタン−ポリカプロラク
トンポリエステルコポリマー、ポリウレタン−アジペー
トポリエステルコポリマーが挙げられる。
【0048】一方、第2の層に用いられるバインダーに
関しては、第1の画像担持体、例えば感光ドラムから中
間転写ベルトへの転写効率、及び中間転写体から第2の
画像担持体、例えば紙やOHPシートへの転写効率を高
めるために2層以上の組み合わせを用いた中間転写ベル
トの第2の層として最外層のバインダーに高潤滑性粉体
を多量に混合したものを使用した場合、接着性の高いバ
インダーを用いたとしても、そもそも基層がベルトであ
り、最外面が高潤滑性であるが故に最外層と下層との密
着性が良好でなくなることがある。このため1〜2万枚
程度の耐久性はこの状態でも有しているものの、更に長
期間(例えば3万枚程度)の耐久を行うと最外層が下層
から剥がれたりひびわれたりすることがあり、転写した
ときに剥がれた部分の導通が十分でなくなり、十分に転
写されずに画像のムラが発生したり、ひびわれた部分が
十分に転写されずに画像にひびわれた表面状態がそのま
ま転写してしまうことがあった。このことで中間転写ベ
ルトを2〜3万枚毎に交換しなければならず、ランニン
グコストが高いものとなってしまうことがあった。
【0049】また、第2の層の最外層バインダー中に高
潤滑性粉体を多量に混合したものを使用した場合、バイ
ンダーと高潤滑性粉体の密着性が充分でなくなることが
あり、そのために最外層の下層からのブリード物に対す
るバリアー性が低下することがあり、1〜2週間程度の
高温高湿環境ではバリアー性が保たれているものの1カ
月以上の長期にわたる場合、バインダーと高潤滑性粉体
との界面を下層からのブリード物が通り抜けて、感光体
を汚染し画像欠陥を生じる場合があった。
【0050】上記の問題に対し、本発明においては好ま
しい樹脂物性を第2の層に用いられるバインダーが有し
ているため、高潤滑性フィラーを多量に含有することが
可能であり、外界からの中間転写体表層への変形、押し
圧、摩擦及び削れ等の負荷要因に対し、強い抵抗力を有
する。この様な構成の中間転写ベルトは高転写効率を維
持し、かつ、長時間の繰り返し使用に耐える耐久性を獲
得することができるようになる。上述の特性を有する、
第2層に用いられるバインダーとしては、100%引張
り応力が250kgf/cm2 以下、好ましくは200
kgf/cm2以下であり、引張り破断伸びが150%
以上好ましくは180%以上であり、引張破断強さが3
00kgf/cm2 以上、好ましくは350kgf/c
2 以上の範囲のものが使用可能である。100%引張
応力が250kgf/cm2 以上、引張り破断伸びが1
50%以下であると、高潤滑性フィラーを多量に添加す
ることは不可能であり、変形及び屈曲にとぼしい被膜層
となり、くり返しの折り曲げ、変形に対し追随できず膜
面からヒビ割れやハガレが生ずることになる。
【0051】他方100%引張り応力が10Kgf/c
2 以下、引張り破断伸びが900%以上であると、高
潤滑性フィラーは多量添加は可能であるが被膜強度が弱
くなり、耐摩耗ケズレに対し難を生ずる。又バインダー
としてもタックが出るものが多い。引張り破断強さは、
大きければ大きいほど好ましいが、これも引張り破断伸
びとの関連においてのみ有効であり、本発明を越えた範
囲での、それぞれの樹脂物性値の単独の値は意味をなし
得ない。本発明においては、あくまでも3者の物性値の
総和に意味がある。
【0052】本発明に用いる中間転写体の第2の層に使
用されるバインダーとしてはゴム、エラストマー、樹脂
があり、例えばゴム及びエラストマーとしては、天然ゴ
ム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタ
ジエンゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、
エチレン−プロピレンターポリマー、クロロプレンゴ
ム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレ
ン、アクリロニトリルブタジエンゴム、ウレタンゴム、
シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン、エピクロ
ロヒドリンゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、フッ
素ゴム、多硫化ゴム、ポリノルボルネンゴム、水素化ニ
トリルゴム及び熱可塑性エラストマー(例えばポリスチ
レン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウ
レタン系、ポリアミド系、ポリエステル系及びフッ素樹
脂系等)等からなる群より選ばれる1種類あるいは2種
類以上を使用することができる。ただし、上記材料に限
定されるものではない。
【0053】また、樹脂としてはポリスチレン、クロロ
ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−
ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、
スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸
共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(ス
チレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリ
ル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重
合体、ステレン−アクリル酸オクチル共重合体及びスチ
レン−アクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−メ
タクリル酸エステル共重合体(スチレン−メタクリル酸
メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合
体及びスチレン−メタクリル酸フェニル共重合体等)、
スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチ
レン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体
等のスチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を
含む単重合体または共重合体)、メタクリル酸メチル樹
脂、メタクリル酸ブチル樹脂、アクリル酸エチル樹脂、
アクリル酸ブチル樹脂、変性アクリル樹脂(シリコーン
変性アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂変性アクリル樹脂及
びアクリル・ウレタン樹脂等)、塩化ビニル樹脂、スチ
レン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、
エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルポリウ
レタン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタ
ジエン、ポリ塩化ビニリデン、アイオノマー樹脂、ポリ
ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ケトン樹
脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン
樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアミド樹脂及び
変性ポリフェニレンオキサイド樹脂等からなる群より選
ばれる1種類あるいは2種類以上を使用することができ
る。ただし、上記材料に限定されるのもではない。
【0054】とりわけ本発明において、第2の層に用い
られるより好ましいバインダーとしては、ポリウレタ
ン、例えば、ポリエステルポリウレタン、ポリオールポ
リウレタンであり、ポリウレタンにおいては、ポリエス
テル、またはポリオール等のOH成分とNCO成分の種
類及び量を適時変更することにより、バインダー物性と
しての100%引張り応力、伸びを変更することができ
る。
【0055】本発明において、最も短工程で製造可能で
あり、低コストを達成することが出来る構成は、第1の
層を最下層としたTPE層を有し、その上層に表層とし
て、第2の層を有する2層構成の中間転写ベルトであ
る。
【0056】この時、TPE層と本発明のバインダーを
用いた表層樹脂層の密着性は、TPEがゴムと樹脂の両
者の性質を合せ持っているため、従来の下層が単にゴム
層の場合よりは、表層樹脂と強固に接着する。とりわ
け、下層又は/及び上層に架橋剤が含有され、層中にフ
リーの状態で存在し、かつ上層、下層に架橋点を有して
いる場合、2層重ね合せ時以後の工程で何らかの加熱処
理をほどこす事により、上・下層が反応を生じ、両者の
間では単なる物理接着だけではなく、化成接着も形成さ
れ、通常我々が想像する以上の2層間の接着強度が得ら
れる。
【0057】また逆に、上層,下層共に樹脂を用いれ
ば、なるほど接着強度は前述の構成よりははるかに強固
なものとなる。しかし、同時にその反作用としてベルト
としては変形、屈曲、折り曲げに劣ぼしく、わずかの力
により折れスジや、端部からの亀裂が発生しやすくな
り、ほとんど耐久性のないものとなってしまう。硬度の
大きい樹脂のためさらに適度なベルト表面の弾性など得
ることも出来ない。このため、この構成では本発明が目
的とする中間転写体の可能性は非常に低いものである。
【0058】本発明において第2の層のバインダー中へ
の高潤滑性粉体の含有量は、第2の層のバインダーの全
固形分に対して40〜80重量%の範囲が好ましい。高
潤滑性粉体の含有量が40重量%未満では効果が不十分
であり、耐久に伴い徐々に転写効率が低下しフィルミン
グが発生し易くなり、80重量%を越えると、バインダ
ーとの密着性が不足し、耐久に伴い徐々に高潤滑性粉体
が脱落し、表面が荒れてくる傾向がある。
【0059】本発明に用いる高潤滑性粉体としては中間
転写体表面に潤滑性を付与できる粉体であれば特に制限
はなく、各種の材料を使用することができる。
【0060】本発明に用いる粉体の潤滑性を判断するた
めには次の方法を用いることができる。
【0061】試験する粉体20重量部とウレタンプレポ
リマー100重量部とを混合攪拌し、硬化剤5重量部を
添加混合した後、PET板上にスプレー塗布して試験サ
ンプルを作製する。そのとき、トルエン、MEK混合溶
媒により塗料粘度の調整を行い均一な塗装表面が得られ
るように注意する。一方、試験する粉体を添加しない以
外は同様にして比較塗装サンプルを作製する。次に、表
面性測定機HEIDON 14−DR(新東科学社製)
を用いて両者の滑り抵抗を測定する。測定方法として
は、測定対象物として未塗装のPET板をASTM平面
圧子に固定し、200gfの垂直荷重下に100mm/
min.の速度で塗装サンプルを水平移動させる。試験
サンプルの滑り抵抗が比較サンプルの80%以下であれ
ば試験粉体は高潤滑性粉体であると判断できる。
【0062】従って、高潤滑性粉体として例えば下記の
ものが挙げられるが必ずしもこれらに限定されるもので
はない。黒鉛、フッ化炭素、球状グラファイト等の粒状
炭素、四フッ化エチレン樹脂、三フッ化塩化エチレン樹
脂、四フッ化エチレン六フッ化プロピレン樹脂、フッ化
ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、二フッ化二塩化エ
チレン樹脂及びそれらの共重合体、シリコーン樹脂、シ
リコーンゴム、シリコーンエラストマー等のシリコーン
系の化合物、PE、PP、PS、アクリル樹脂、ナイロ
ン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、及びこれらの
化合物、混合物、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化
マグネシウム、酸化スズ、酸化鉄等の無機物等の中から
1種またはそれ以上が適宜選択されるが、特に四フッ化
エチレン樹脂が好ましい。
【0063】また、高潤滑性粉体の形状や粒径は特に限
定されるものではなく、どのような形状でも使用でき、
粒径も制限はないものの、分散性や表面性を考慮すると
0.02〜50μmが好ましい。また、必要に応じて潤
滑性を阻害しない範囲で表面処理を行ってもよく、諸特
性に問題を及ぼさない範囲で分散剤を使用することもで
きる。
【0064】本発明における引張り破断伸び、引張り破
断強さ、100%引張り応力はJIS K6301に準
じた測定方法によって測定する。この時好ましい引張り
速度は500mm/分である。測定環境は25℃常圧下
で行う。
【0065】また、測定試料の調製は以下のようにす
る。
【0066】すでにフィルム、プレート薄膜のような板
状の形状を有するバインダーは、約200〜400μm
の厚みに整え、3号ダンベル形状に成形する。
【0067】また、溶液に溶解しているバインダーは、
溶媒が除去された後に3号ダンベル形状になるようにあ
らかじめ成形用型を準備し、その型に当該溶液を流し込
み、溶媒除去し、成形試料を得る。
【0068】この時、溶媒乾燥方法としては、溶媒を完
全に除去できるため次の方法を用いることが特に好まし
い。まず、室温乾燥24時間、次に50〜80℃、好ま
しくは70℃で4時間乾燥し、最後に減圧乾燥を約60
℃で2時間行うものである。
【0069】本発明において、第1と第2の層の間に、
本発明に該当しない範囲の引張り応力及び/または伸び
を有するバインダーよりなる層を有してもよい。
【0070】例えば、第1と第2の層の間に更に接着性
を向上させるために、プライマー等の表面処理剤を塗布
してもよい。
【0071】表面処理剤としてはシラン系化合物を用い
るもの、チタネート系化合物を用いるもの、イソシアネ
ート系樹脂を用いるもの、エポキシ系樹脂を用いるも
の、及び熱可塑性樹脂を用いるものがあるが、これに限
ったものではない。
【0072】また、弾性層からのブリード防止効果を更
に向上させるために、第1の層と弾性層、芯体層の間や
第1と第2の層の間にブリード防止層を設けてもよい。
【0073】ブリード防止層としては、バリアー性の高
い樹脂、例えばナイロン、塩化ビニリデン、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリビニルアルコール及びエチレン
ビニルアルコール等があるが、これに限ったものではな
い。
【0074】また、リーク防止効果を更に向上させるた
めに、第1の層と弾性層、芯体層の間や第1と第2の層
の間にリーク防止層を設けてもよい。
【0075】リーク防止層としては、耐リーク性の高い
樹脂例えば、ナイロン、ポリスチレン、ポリエチレン、
塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート、ポリビ
ニルアルコール及びエチレンビニルアルコール等がある
が、これに限ったものではない。
【0076】また、第2の層を摩耗及びひび割れ等から
保護するために、第2の層の上に表面保護層を設けても
よい。
【0077】表面保護層としては、耐摩耗性の高い樹
脂、例えばポリウレタン、ナイロン、ポリカーボネー
ト、アクリル、ポリスチレン、ポリエチレン、塩化ビニ
リデン及びポリエチレンテレフタレート等があるが、こ
れに限ったものではない。
【0078】これらのバインダーや表面処理剤やブリー
ド防止層、リーク防止層、表面保護層の塗布方法として
は、スプレーコート法によるもの、ディッピング法によ
るもの、ロールコート法によるもの、刷毛塗り法、及び
粉体塗装法によるもの等がある。
【0079】また、これら第1の層または第2の層に使
用されるバインダーや表面処理剤やブリード防止層、リ
ーク防止層及び表面保護層は、導電性を付与してもよ
く、リークの心配のない第2の層を用いた場合や低電圧
を印加する中間転写体であれば、第1の層に使用される
バインダーや表面処理剤やブリード防止層、リーク防止
層、表面保護層に導電性を付与することはなんら問題な
い。
【0080】本発明に用いる第1の層は、転写不良、中
抜け画像が生じない程度の硬度が必要であり、その好ま
しい範囲は35〜98°、より好ましくは35〜95
°、更に好ましくは40〜95°であり、その測定方法
はJIS−Aの方式に従うものとする。
【0081】また、中間転写体の硬度としては、40〜
98°が好ましい範囲である。40°以下であると感光
ドラムや転写ローラーと長期間一定圧力の下で当接して
おくと、その部分が永久変形し凹状となり、転写不良の
原因となる。98°以上では中抜け画像の原因となる。
【0082】本発明に用いる中間転写体の抵抗値を調節
するためには導電剤を添加してもよい。導電剤としては
特に限定されるものではないが、例えば、カーボン、ア
ルミニウムやニッケル等の金属粉末及び酸化チタン等の
金属酸化物、4級アンモニウム塩含有ポリメタクリル酸
メチル、ポリビニルアニリン、ポリビニルピロール、ポ
リジアセチレン、ポリエチレンイミン、含硼素高分子化
合物及びポリピロール等の導電性高分子化合物等からな
る群より選ばれる1種類あるいは2種類以上を使用する
ことができる。但し、上記導電剤に限定されるものでは
ない。
【0083】本発明に用いる中間転写体は、例えば、図
2のごとくの円筒状の導電性支持体100上に少なくと
も第1の層101及び第2の層102よりなるローラー
形状、更には、または、図3〜図6に示されるごとくの
ベルト形状と種々の態様を目的、必要に応じて選択する
ことができる。図4においては、第1の層101と第2
の層102との間にブリード防止層103を有する。図
5においては、第1の層101の下側に弾性層104を
有する。更に、第2の層の上側に単層又は複層の被覆層
を有してもよい。
【0084】中間転写ベルトの厚さは、該ベルトを円滑
に駆動することが可能な限り厚いほうが好ましく、かつ
該ベルトの機械的強度及び柔軟性を損なわない限り薄い
ほうが好ましい。具体的には0.05〜2mmが好まし
い。より好ましくは0.1〜2mmである。また、中間
転写ベルトの第1の層、第2の層等各層の厚さは柔軟性
を損なわない程度に薄層することが好ましく、具体的に
は10〜1500μm、更には50〜1000μmが好
ましい。
【0085】また、本発明者らの検討結果によると、よ
り良好な画像を得るためには中間転写ベルトの電気抵抗
値に適性範囲が存在することが判明した。
【0086】すなわち、中間転写ベルトの抵抗値が高過
ぎると、2色目以降の現像剤を1次転写する際に、それ
以前に1次転写を終了した現像剤が第1の画像担持体に
戻ってしまい、目的とする色あいの画像が得られなくな
ってしまう。また、中間転写ベルトの抵抗値が低過ぎる
と、1次転写を受けた部分とそうでない部分とで中間転
写ベルトの抵抗値に大きな差ができてしまうために、2
色目以降の現像剤を効率よく転写することができなくな
ってしまい、やはり目的とする色あいの画像が得られな
くなってしまう。このような弊害を伴うことなく、より
高品位な画像を得ることができる中間転写ベルトの抵抗
値の範囲は、下記に示す測定法にて1×104 〜1×1
11Ωであることを、本発明者らは見い出した。
【0087】〈中間転写ベルトの抵抗値の測定方法〉 (1)中間転写ベルトを図8に示したように張架し、該
中間転写ベルトを2本の金属ローラ202及び203で
挟み、直流電源、適当な抵抗値を持つ抵抗器、電位差計
をつなぐ。
【0088】(2)駆動ローラ200にて中間転写ベル
ト表面の移動速度が100〜300mm/秒になるよう
に該ベルトを駆動する。
【0089】(3)直流電流から+1kVを回路に印加
し、抵抗器の両端の電位差Vr を電位差計にて読む。な
お、測定時の雰囲気は、気温23±5℃、湿度50±1
0%RHとする。
【0090】(4)得られた電位差Vr から、回路に流
れる電流値Iを求める。
【0091】(5)中間転写ベルトの抵抗値=印加電圧
(1kV)/電流値I。
【0092】なお、図7において、200は駆動ロー
ラ、201は金属ローラ、204は電源、205は抵抗
器、206は電位差計である。
【0093】
【実施例】以下、実施例について説明する。以下の説明
において、「部」は重量部である。
【0094】(実施例1)ハードセグメントが結晶性を
有するポリブチレンテレフタレートを主としてなり、ソ
フトセグメントが主として線状の分子鎖を形成するポリ
ブチレンアジペートジオールより成るポリエステルTP
E(1)を第1の層のバインダーとして用いた。
【0095】ポリエステルTPE(1) 100部 導電性カーボンブラック 2部 酸化防止剤 0.5部
【0096】上記の配合を2軸の押し出し混練機で混練
せしめ、所望の電気抵抗になるようにカーボン等添加剤
を充分にバインダー中に均一分散させた。次に直径14
0mm、厚み0.1mmのダイスを有する単軸押し出し
機を設定温度100〜150°にして、前述のポリエス
テルTPE混練物を、円筒状に押し出し成形し、巾25
0mm、直径141mm、厚み0.15mmのベルト
(1)を得た。この時のベルトの硬度は93°であり、
電気抵抗は2.3×1010Ωであった。
【0097】第2の層のバインダーとしては、引張り破
断伸びが473%、引張り破断強さが691kgf/c
2 、100%引張り応力が85kgf/cm2 であ
る。ポリカーボネートウレタン(1)を用いた。
【0098】次に下記の塗料配合により塗料を作成し、
前記ベルト(1)の表層にスプレー塗布を行い、膜厚3
2μmの第2の層を形成し、図3、図4に示されるよう
な本発明の中間転写ベルト(1)を得た。
【0099】 ポリカーボネートウレタン(1) 100部(固形分30%) ポリテトラフルオロエチレン微粉末 60部 分散助剤 2部 MEK/DMF(1/1)混合溶剤 500部
【0100】この中間転写ベルトの電気抵抗値は5.6
×1011Ωであった。
【0101】この中間転写ベルトを図1に示されるフル
カラー電子写真装置に装着し、80g/m2 紙にフルカ
ラー画像をプリントし、以下のように転写効率を定義し
て、転写効率の測定を行った。
【0102】1次転写効率(感光ドラムから中間転写ベ
ルトへの転写効率)=中間転写ベルト上の画像濃度/
(感光ドラム上の転写残画像濃度+中間転写ベルト上の
画像濃度)。
【0103】2次転写効率(中間転写ベルトから紙への
転写効率)=紙上の画像濃度/(紙上の画像濃度+中間
転写ベルト上の転写残画像濃度)。
【0104】本実施例では、感光ドラム1として、最外
層にPTFEの微粉末を含有する有機感光ドラム(OP
C感光ドラム)を用いた。そのため、高い1次転写効率
が得られた。
【0105】なお、中間転写ベルトのクリーニング方式
は、クリーニング用帯電部材7に1×108 (Ω)の抵
抗を持つ弾性ローラを用いた1次転写同時クリーニング
方式とし、フルカラー画像5万枚の連続プリントを行っ
た。このとき、バイアス電源26からクリーニング用帯
電部材7に印加した電流値は+40(μA)である。
【0106】初期よりベルトの抵抗不均一に起因する画
像濃度ムラもなく、5万枚耐久後も該ベルトの永久伸び
に起因する色ズレやクリーニング不良のない良好な画像
を得ることができた。更に、第1の層、第2の層は表面
にトナーのフィルミングもなく、ヒビ割れ、削れ及び摩
耗が生ずることなく、初期と同様の表面性のままであっ
た。
【0107】結果を表1に示す。
【0108】(実施例2)ハードセグメントが主として
ポリスチレンより成り、ソフトセグメントが主としてポ
リブタジエン−ポリイソプレンより成るスチレン−ポリ
ブタジエン−ポリイソプレン−スチレンの骨格を有する
スチレンコブロックポリマーであるスチレンTPE
(2)を第1の層のバインダーとして用いた。
【0109】第2の層のバインダーとしては、引張り破
断伸び500%、引張り破断強さ450kgf/cm
2 、100%引張り応力が100kgf/cm2 である
ポリエステルウレタン(2)を用いた。
【0110】スチレンTPE(2)中に導電性酸化チタ
ンを含有せしめ電気抵抗を調整し、実施例1と同様にし
てベルトを得た。この硬度は92°である。
【0111】このベルト上層をシランカップリング剤で
処理し接着強化層として1.0μmの層を得た。次に第
2の層としてポリテトラフルオロエチレン微粉末を70
部にした以外実施例1と同様の配合処方で塗料を作成
し、スプレー塗布により層厚18μmの層を該接着強化
層の上層に得、中間転写ベルト(2)を得た。この中間
転写体の電気抵抗は1.7×1012Ωであり、ベルト厚
みは0.13mmであった。
【0112】次に実施例1と同様にして3万枚フルカラ
ー画像くり返し複写テストを行ったが、ベルトの伸びに
起因する色ズレもなく、良好な転写効率から得られる高
画像濃度を維持し、中抜け画像も発生しなかった。3万
枚後のベルト表面はトナーのフィルミングは見られず、
さらにヒビ割れ、折れ曲り、キズも発生しなかった。そ
の結果を表1に示す。
【0113】(参考) 直径182mm、長さ320mm、厚さ5mmのアルミ
ニウム製円筒状ローラーに対し、実施例1のポリエステ
ルTPE混練物をクロスヘッド押し出しにより層厚0.
2mmのTPEドラムを得た。次にポリテトラフルオロ
エチレン微粉末を73部にした以外、他は実施例1の第
2の層に用いた塗料をスプレー塗布により12μmの膜
厚でコートし図2に示されるような本発明の中間転写ド
ラム(3)を得た。このドラムを図9に示されるフルカ
ラー電子写真装置に装着し、評価を行った。図9上の2
0は中間転写ドラムを示す。
【0114】感光体としてOPC感光ドラムを用いて、
繰り返し、フルカラー画像プリント試験を行った。その
フルカラープリント画像はベタ画像において均質な画質
が得られた。また、5万枚の耐久試験後も第2の層に多
量の高潤滑性粉体を混合したにもかかわらず、中間転写
体表面にひび割れや浮き等は見られず、初期と同様な画
質が得られた。
【0115】(比較例1) ゴム配合 SBRゴム 25部 (重量部、以下同様) EPDMゴム 75部 加硫剤 1.5部 加硫助剤 2部 加硫促進剤(MBT) 3部 導電性カーボンブラック 9部 分散助剤(ステアリン酸) 1部 可塑剤(ナフテン系プロセスオイル) 30部
【0116】上記の処方で得られたゴムコンパウンドを
円筒状の金型に巻き付け、加硫及び研磨を行うことによ
り、弾性層のみを有する厚さ0.8mmのゴムベルトを
得た。
【0117】次に、実施例1で用いた第2の層で使用し
たものと同一配合の塗料を該ゴムベルト上にスプレー塗
布し、室温にて指触乾燥後加熱することにより残存溶剤
を除去した。
【0118】得られた中間転写ベルトの抵抗値は5×1
8 Ωであった。
【0119】得られた中間転写ベルトを図1に示す画像
形成装置に組み込み、実施例1と同様にして転写効率の
測定及び1万枚のフルカラー連続プリントを行った。
【0120】初期には画像濃度ムラもなく、良好な画像
が得られたが、1万枚耐久後は該ベルトの永久伸びに起
因する色ズレのため、高精細な画像を得ることができな
かった。ベルト表層のヒビ割れは発生しなかった。結果
を表1に示す。なお、作像条件は実施例1と同様であ
る。
【0121】(比較例2)実施例1において第2の層の
塗料を下記の配合にした以外他の実施例1と同様にして
耐久試験を行った。
【0122】 塗料配合 ポリウレタンプレポリマー 100部(固形分40%) 硬化剤(溶媒含む) 70部(固形分30%) 四フッ化エチレン樹脂粉体(粒径0.3μm) 100部 導電性酸化チタン粒子(粒径0.5μm) 15部 分散助剤 5部 トルエン 80部
【0123】上記の塗料をベルト(1)の外周面へスプ
レー塗布し、その後、100℃で1時間加熱することに
より残存溶剤を除去し、かつ被膜に架橋を生じさせて、
厚さ30μmの強靭な第2の層を有する中間転写ベルト
を得た。表面層の全固形分中に占め四フッ化エチレン樹
脂粉体の割合は56.8重量%であった。この中間転写
体の表面層である第2の層のバインダーとして、ポリウ
レタンプレポリマー(溶媒含む)100部に硬化剤(溶
媒含む)70部を添加して乾燥、硬化して得られた樹脂
の引張破断伸びは130%、引張破断強さは400kg
f/cm2 、100%Mは300kgf/cm2 であっ
た。
【0124】1.8万枚耐久後上記中間転写ベルトはそ
の表面に細かいヒビが発生した。この段階では転写効率
や画質には影響を発生しなかったが、約2.1万枚後か
らヒビ割れた部分から微少な転写不良が発生し、その部
分が白く抜ける現像が生じた。
【0125】
【表1】
【0126】
【発明の効果】本発明によれば、繰り返し使用しても中
間転写ベルトの永久伸びによる色ズレの発生がなく、均
一な画像を得ることができる画像形成装置が可能となっ
た。
【0127】更に、第1の画像担持体から中間転写体へ
の転写効率、及び中間転写体から第2の画像担持体への
転写効率が極めて高い画像形成装置が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】ベルト状の中間転写体を有するフルカラー画像
形成装置の概略図である。
【図2】ドラム状の中間転写体の斜視図である。
【図3】ベルト状の中間転写体の斜視図である。
【図4】ベルト状の中間転写体の一例を示す部分斜視図
である。
【図5】ベルト状の中間転写体の他例を示す部分斜視図
である。
【図6】中抜け部を有する画像の一例を示す図である。
【図7】本発明に用いる抵抗測定装置の概略図である。
【図8】ドラム状の中間転写体を有するフルカラー画像
形成装置の概略図である。
【符号の説明】
1 感光ドラム 2 1次帯電器 3 像露光手段 7 クリーニング用帯電部材 10 転写材ガイド 11 給紙ローラ 13 感光ドラムのクリーニング装置 15 定着器 20 中間転写ベルト 41 イエロー色現像装置 42 マゼンタ色現像装置 43 シアン色現像装置 44 ブラック色現像装置 63 2次転写ローラ 64 2次転写対向ローラ 101 第1の層 102 第2の層 103 ブリード防止層 104 弾性層

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の画像担持体上に形成された画像を
    中間転写体上に転写した後、第2の画像担持体上に更に
    転写する画像形成装置において、 該中間転写体が、シームレスベルトであって、少なくと
    も第1の層及び第2の層をこの順に有し、かつ 第1の層に用いられるバインダーが熱可塑性エラスト
    マーより成り、該熱可塑性エラストマーがブロックコポリマーであり、 該ブロックコポリマーがハードセグメント及びソフトセ
    グメントより成り、 第2の層に用いられるバインダーの引張破断伸びが1
    50%以上、引張破断強さが300kgf/cm
    上、かつ100%引張り応力が250kgf/cm
    下であることを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記第2の層に用いられるバインダーが
    ウレタンである請求項1記載の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記熱可塑性エラストマーの硬度が35
    〜98°(JIS−A)であり、前記中間転写体の硬度
    が40〜98°(JIS−A)である請求項1または2
    記載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 前記第1の層がベルトの最下層を構成
    し、前記第2の層がベルトの最上層となる請求項1〜3
    のいずれかに記載の画像形成装置。
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