JPH08152759A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JPH08152759A
JPH08152759A JP6294786A JP29478694A JPH08152759A JP H08152759 A JPH08152759 A JP H08152759A JP 6294786 A JP6294786 A JP 6294786A JP 29478694 A JP29478694 A JP 29478694A JP H08152759 A JPH08152759 A JP H08152759A
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篤志 田中
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明彦 仲沢
Hiroyuki Kobayashi
廣行 小林
Takashi Kusaba
隆 草場
Tsunenori Ashibe
恒徳 芦邊
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  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Color Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 転写効率及び画質が向上し、フィルミングが
防止され、しかも耐久性が向上した画像形成装置を提供
する。 【構成】 第1の画像担持体上に形成された画像を中間
転写体上に転写した後、第2の画像担持体上に更に転写
する画像形成装置において、該中間転写体が、比誘電率
5以上の強誘電体を平均粒径0.1〜100μmに粉末
化したもの、平均粒径0.1〜100μmの下記一般式
で示される物質の粉末、平均粒径0.1〜100μmの
酸化チタン粉末、または平均粒径0.1〜100μmの
ポリフッ化ビニリデン樹脂粉末を含有する画像形成装
置。 一般式:MTiO3 、M=Ca,Sr,Ba。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真方式を用いた画
像形成装置に関し、特に第1の画像担持体上に形成され
たトナー像を、一旦中間転写体上に転写させた後に第2
の画像担持体上に更に転写させ画像形成物を得る複写
機、プリンター、ファックス等の画像形成装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】中間転写体を使用した画像形成装置は、
カラー画像情報や多色画像情報の複数の成分色画像を順
次積層転写してカラー画像や多色画像を合成再現した画
像形成物を出力するカラー画像形成装置や多色画像形成
装置、またはカラー画像形成機能や多色画像形成機能を
具備させた画像形成装置として有効であり、各成分色画
像の重ね合わせズレ(色ズレ)のない画像を得ることが
可能である。
【0003】ローラ形状を有する中間転写体を用いた転
写装置である画像形成装置の1例の概略図を図1に示
す。
【0004】図1は電子写真プロセスを利用したカラー
画像形成装置(複写機あるいはレーザービームプリンタ
ー)である。中間転写体として中抵抗の弾性ローラ20
を使用している。
【0005】1は第1の画像担持体として繰り返し使用
される回転ドラム型の電子写真感光体(以下感光ドラム
と記す)であり、矢示の時計方向に所定の周速度(プロ
セススピード)をもって回転駆動される。
【0006】感光ドラム1は回転過程で、1次帯電器
(コロナ放電器)2により所定の極性・電位に一様に帯
電処理され、次いで矢図示の画像露光手段(カラー原稿
画像の色分解・結像露光光学系、画像情報の時系列電気
デジタル画素信号に対応して変調されたレーザービーム
を出力するレーザースキャナによる走査露光系等)によ
る画像露光3を受けることにより目的のカラー画像の第
1の色成分像(例えばマゼンタ成分像)に対応した静電
潜像が形成される。
【0007】次いで、その静電潜像が第1現像器41
(マゼンタ現像器)により第1色であるマゼンタトナー
Mにより現像される。この時第2〜第4の現像器42,
43,44(シアン、イエロー、ブラックの各現像器)
は作動−オフになっていて感光ドラム1には作用せず、
上記第1色のマゼンタトナー画像は上記第2〜第4の現
像器42〜44により影響を受けない。
【0008】中間転写体20は矢示の反時計方向に感光
ドラム1と同じ周速度をもって回転駆動されている。
【0009】本実施例の中間転写体20は、パイプ状の
芯金21と、その外周面に形成された弾性体層22から
なる。
【0010】感光ドラム1上に形成担持された上記第1
色のマゼンタトナー画像が、感光ドラム1と中間転写体
20とのニップ部を通過する過程で、中間転写体20に
印加される一次転写バイアスにより形成される電界によ
り、中間転写体20の外周面に順次中間転写されてい
く。
【0011】中間転写体20に対応する第1色のマゼン
タトナー画像の転写を終えた感光ドラム1の表面は、ク
リーニング装置14により清掃される。
【0012】以下、同様に第2色のシアントナー画像、
第3色のイエロートナー画像、第4色のブラックトナー
画像が順次中間転写体20上に重畳転写され、目的のカ
ラー画像に対応した合成カラートナー画像が形成され
る。
【0013】25は転写ローラで、中間転写体20に対
応し平行に軸受させて下面部に接触させて配設してあ
る。
【0014】感光ドラム1から中間転写体20への第1
〜第4色のトナー画像の順次重畳転写のための一次転写
バイアスは、トナーとは逆極性(+)でバイアス電源6
1から印加される。その印加電圧は例えば+2kV〜+
5kVの範囲である。
【0015】感光ドラム1から中間転写体20への第1
〜第4色のトナー画像の順次転写実行工程において、転
写ローラ25及び中間転写体クリーナ35は中間転写体
20から離間することも可能である。
【0016】中間転写体20上に重畳転写された合成カ
ラートナー画像の第2の画像担持体である転写材24へ
の転写は、転写ローラ25が中間転写体20に当接され
ると共に、給紙カセット9から中間転写体20と転写ロ
ーラ25との当接ニップに所定のタイミングで転写材2
4が給送され、同時に二次転写バイアスがバイアス電源
29から転写ローラ25に印加される。この二次転写バ
イアスにより中間転写体20から第2の画像担持体であ
る転写材24へ合成カラートナー画像が転写される。ト
ナー画像転写を受けた転写材24は定着器15へ導入さ
れ加熱定着される。
【0017】転写材24への画像転写終了後、中間転写
体20上の転写残トナーは中間転写体クリーナ35が当
接されクリーニングされる。
【0018】前述の中間転写体を用いた画像形成装置を
有するカラー電子写真装置は、従来の技術である転写ド
ラム上に第2の画像担持体を張り付け又は吸着せしめ、
そこへ第1の画像担持体上から画像を転写する画像形成
装置を有したカラー電子写真装置、例えば特開昭63−
301960号公報中で述べられたごとくの転写方法よ
りは以下の点で優れている。
【0019】(1)各色のトナー画像の重ね合わせ時の
色ズレが少ない。
【0020】(2)図1で示されるごとく、第2の画像
担持体になんら加工、制御(例えばグリッパーに把持す
る、吸着する、曲率をもたせる等)を必要とせずに中間
転写体から画像を転写することができるため、第2の画
像担持体を多種多様に選択することができる。例えば封
筒、ハガキ、ラベル紙など、薄い紙(40g/m2 紙)
から厚い紙(200g/m2 紙)まで、第2の画像担持
体の幅の広狭、長さの長短あるいは厚さの厚薄によらず
転写可能である。
【0021】(3)中間転写体の剛性が優れているた
め、繰り返しの使用によってへこみ、ひずみ、変形等の
寸法精度の狂いが生じにくいため、当該中間転写体の交
換頻度を少なくすることができる。
【0022】このように、中間転写体を用いることによ
る利点のため、すでに市場においてはこの画像形成装置
を用いたカラー複写機、カラープリンター等が稼働し始
めている。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらのカラ
ー電子写真装置は、前記の利点を充分に生かし、ユーザ
ーに対して真に期待され、かつ満足を与える装置として
は機能していないのが現状である。すなわち、この中間
転写体を用いた画像形成装置を実際に種々の環境でかつ
繰り返し使用する場合、次ぎのような問題点を未だ有し
ている。
【0024】(1)第1の画像担持体、例えば感光ドラ
ムから中間転写体への転写効率、及び中間転写体から第
2の画像担持体、例えば紙やOHPシートへの転写効率
が十分に高いものとなっていない。そのため、感光ドラ
ムや中間転写体に具備すべきクリーニング装置が不可欠
となりかつ、多量の転写残トナーをクリーニングするた
めに装置への負荷が大きくなり、当該クリーニング装置
が構成上かなり複雑となり、かつ高価なものとなってし
まう。
【0025】(2)中間転写体に転写された画像、及び
第2の画像支持体に転写された画像の一部が図6のごと
く転写されず、抜けたような画像(以後中抜け画像と称
す)となる場合がある。これは、(1)で述べたごとく
転写効率が100%達成してないことにより生ずるもの
である。この原因としては、中間転写体に使用する材
質、表面性、抵抗、または転写時の印加バイアスの大き
さ、そのタイミングまたは画像形成装置の機械構成等が
複合的に作用するものと思われるが、主たる原因は判明
していない。しかし、中間転写体の耐久が進むにつれ、
または低温低湿環境になるほど悪化することは分かって
いる。
【0026】(3)中間転写体を繰り返し使用し、耐久
が進むに連れ、当該中間転写体の表面性や抵抗が変化す
ることがある。はなはだしい場合は中間転写体の表面で
削れが生じ、初期に得られた良好な転写効率や、均質な
画像が維持できなくなってしまう。
【0027】(4)図1に示されるように、中間転写体
20には中間転写体クリーナ35が具備されている。こ
れは転写されなかったトナーを、次の一連の転写工程が
始まるまでに中間転写体から除去するための装置であ
る。このクリーニング方法としては、ブレードクリーニ
ング、ファーブラシクリーニング、またはその併用と種
々あるが、中間転写体20の表面でトナーを転写−付着
−離型というサイクルを数千回、または数万回繰り返す
と、前記のクリーナ35では除去しきれなかったトナー
が中間転写体20の表面に徐々に堆積し、いわゆるフィ
ルミングが形成されるようになる。このようになると第
1の画像担持体からのトナーの転写性が悪くなりフィル
ミングした部分の転写不良による斑点状の白く抜けたよ
うな画像となり画像品質を下げたり、または全体の転写
効率の低下を招く。
【0028】しかるに、本発明は、前述の問題を解決し
た中間転写体を用いた画像形成装置を提案するものであ
る。
【0029】本発明の目的は、第1の画像担持体から中
間転写体への転写効率、及び中間転写体から第2の画像
担持体への転写効率が非常に高い画像形成装置を提供す
るものである。別の目的は、第2の画像担持体である紙
やOHPシートの種類に依存せず画像の微小部分の転写
不良の発生しない、所謂中抜け画像のない、均一、均質
の画像品質が得られる画像形成装置を提供するものであ
る。また別の目的は、中間転写体の繰り返し使用による
苛酷な耐久使用を行っても変化がなく、初期と同様な特
性を維持し得る画像形成装置を提供するものである。ま
た別の目的は、中間転写体表面へのトナー付着によるフ
ィルミングの発生しない画像形成装置を提供するもので
ある。
【0030】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、第
1の画像担持体上に形成された画像を中間転写体上に転
写した後、第2の画像担持体上に更に転写する画像形成
装置において、該中間転写体が、比誘電率5以上の強誘
電体を平均粒径0.1〜100μmに粉末化したもの、
平均粒径0.1〜100μmの下記一般式で示される物
質の粉末、平均粒径0.1〜100μmの酸化チタン粉
末、または平均粒径0.1〜100μmのポリフッ化ビ
ニリデン樹脂粉末を含有することを特徴とする画像形成
装置である。
【0031】一般式:MTiO3 、M=Ca,Sr,B
a。
【0032】以下、本発明を詳細に説明する。
【0033】強誘電体を添加することにより転写効率が
向上する理由は以下のように考えられる。すなわち、第
1の画像担持体と中間転写体との間にかかる電界をE
1、中間転写体と第2の画像担持体との間にかかる電界
をE2とすると、E1,E2はそれぞれ次のように書け
る。
【0034】 E1=(Vh1−Vc )/(dm /εm +dt1/εt +dc /εc +g1 ) …(1) E2=(Vh2−Vp )/(dc /εc +dt2/εt +dp /εp +g2 ) …(2) ただし、 Vh1:第1の画像担持体上にあるトナー層上の表面電位 Vc :中間転写体上の表面電位 Vh2:中間転写体上にあるトナー層上の表面電位 Vp :第2の画像担持体上の表面電位 dm :第1の画像担持体の記録層の厚み dt1:第1の画像担持体上のトナー層の厚み dc :中間転写体の弾性層及び被覆層の厚み dt2:中間転写体上のトナー層の厚み dp :第2の画像担持体の厚み εm :第1の画像担持体の記録層の比誘電率 εt :トナー層の比誘電率 εc :中間転写体の弾性層及び被覆層の比誘電率 εp :第2の画像担持体の比誘電率 g1 :第1の画像担持体と中間転写体との空隙幅 g2 :第2の画像担持体と中間転写体との空隙幅 トナーの静電転写における転写効率は、転写材とトナー
層との空隙にかかる電界Eに比例することが知られてい
る。そして、式(1)及び式(2)から明らかなよう
に、εc を大きくするとE1及びE2が大きくなること
が分かる。従ってεc を大きくすると、第1の画像担持
体から中間転写体へのトナーの転写効率(以後一次転写
効率と称す)及び中間転写体から第2の画像担持体への
トナーの転写効率(以後二次転写効率と称す)が向上す
ることが分かる。
【0035】本発明の中間転写体は強誘電体を含有して
いるために、中間転写体の比誘電率が大きい。これが本
発明の中間転写体が高い転写効率を示す理由であると考
えられる。また、転写効率が高いということは、転写残
トナーが少ないということでもある。従って、該中間転
写体を繰り返し使用し、耐久が進んでもフィルミングが
発生しにくく、良好な画像を保つことができる。
【0036】また、本発明の中間転写体に含有される強
誘電体は、微粉末であるために、中間転写体の表面を平
滑にすることができ、中抜け画像等のない良好な画像を
得ることができる。
【0037】また、本発明の中間転写体に含有される強
誘電体は、実使用時の温度領域(10℃〜35℃)では
比誘電率に劇的な変化はないために実用上比誘電率の環
境依存性は無いと言ってよい。従って、本発明の中間転
写体は使用環境によらず、常に安定して高い転写効率を
示す。
【0038】本発明の中間転写体に含有させる強誘電体
の微粉末として、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロ
ンチウム、チタン酸バリウム、酸化チタン等の無機化合
物、ポリフッ化ビニリデン等の有機化合物の微粉末を用
いることができる。
【0039】本発明における強誘電体の比誘電率の測定
は以下のようにして行なった。 (1)測定サンプルを厚み10〜10000μm、直径
20mm以上の円盤形状にする。 (2)LCRメータ(横河・ヒューレット・パッカード
社製、HP4284A+誘電体測定用電極:HP164
51B(Bタイプ))に前記のサンプルをセットする。 (3)1Vrms(1000Hz)を印加し、「Cp−
Rp」モードにてCpの値を測定する。 (4)得られたCpを元に測定物質の比誘電率εを以下
の式により計算する。
【0040】 ε=Cp(pF)×d(μm)/173.85 ただし、d:サンプルの厚み。
【0041】本発明における強誘電物質として、特にチ
タン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸
バリウムを一度焼結した後に微粉末にしたものは、比誘
電率が数千〜1万数千という非常に高い値を示すため、
少量の添加で中間転写体の比誘電率を大きくすることが
できる。
【0042】また酸化チタンの比誘電率は約80であ
り、やはり中間転写体の比誘電率を大きくすることがで
きる。また、表面処理を行なって導電性を持たせた導電
性酸化チタンを用いれば、中間転写体の比誘電率を大き
くすると共に、抵抗の調整を行なうこともできる。
【0043】ポリフッ化ビニリデン樹脂では、比誘電率
が7〜8であるが、中間転写体の比誘電率を大きくする
効果を持つ。ただし、その程度は当然前出の強誘電体に
比べて小さい。それにもかかわらず、ポリフッ化ビニリ
デン樹脂の微粉末を含有した中間転写体は高い転写効率
を示す。これは、ポリフッ化ビニリデンが高い離型性を
有しているために、中間転写体の被覆層に含有した場合
トナーの離型性が増し、結果的に転写効率の向上に寄与
しているものと思われる。
【0044】本発明における強誘電体の微粉末の平均粒
径は、以下の手順に従って求めた。 (1)弾性層、被覆層共に中間転写体の一部から切り出
し、イオンスパッタリング処理を施し、電子顕微鏡観察
用サンプルを作成する。 (2)上記のサンプルを任意の倍率にて電子顕微鏡で観
察する。 (3)視野に入った強誘電体の粒子の中から任意に20
個の粒子を選び出す。視野の中の粒子が10個以上20
個未満である場合は、全ての粒子を選び出す。視野の中
の粒子が10個未満である場合は、全ての粒子を選び出
し、視野を移動してこの操作を複数回繰り返す。 (4)選ばれた各粒子の端部と端部を結ぶ直線のうち、
最長の長さを該粒子の粒径とし、各粒子の粒径から平均
値を求める。この値を平均粒径と定義する。
【0045】本発明の強誘電体の微粉末は、中間転写体
の弾性層、被覆層のどちらか一方、あるいは双方に添加
することができるが、強誘電体の微粉末の大きさ、形状
は弾性層、被覆層のどちらに添加するかによって若干異
なる。すなわち、強誘電体の微粉末を中間転写体の弾性
層に添加する場合には、該強誘電体の微粉末の形状に特
に規定はなく、平均粒径は100μm以下であることが
好ましい。100μmより大きいと、弾性層の表面粗さ
が大きくなり過ぎ、該弾性層の上に被覆層を設けても表
面粗さを著しく改善することは難しく、画像品位の劣化
を招くため好ましくない。
【0046】強誘電体の微粉末を中間転写体の被覆層に
添加する場合には、該強誘電体の微粉末の形状は、球
状、粒状、棒状あるいは燐片状であることが好ましい。
また、該強誘電体の微粉末の平均粒径は10μm以下で
あることが好ましい。10μmより大きいと、被覆層の
表面粗さが大きくなり、画像品位の劣化を招くため好ま
しくない。
【0047】強誘電体の微粉末を中間転写体の弾性層と
なるゴム層、エラストマー層、樹脂層に混練含有せしめ
る場合、その添加量は所望の比誘電率に応じて適時決め
ればよい。被覆層として用いるため塗料中に添加する場
合は、塗料中の樹脂固形分に対して1重量%〜300重
量%添加することが好ましい。1重量%未満であると強
誘電体添加による中間転写体の比誘電率を大きくする効
果がなく、転写効率を改善することができない。また、
300重量%を越えると、強靭な連続被膜を形成するこ
とが困難となる。はなはだしい場合は、安定した塗膜面
を形成できず、独立した粒子が弱く結合した被膜となっ
てしまう。
【0048】本発明に用いる中間転写体は、例えば、円
筒状の導電性支持体上に少なくともゴム、エラストマ
ー、樹脂よりなる弾性層を有するローラ形状、さらに
は、その弾性層の上層に一層以上の被覆層を有するロー
ラ形状、または、図5に示されるごとくのベルト形状と
種々の態様を目的、必要に応じて選択することができ
る。その例を図2〜図5に示す。
【0049】画像の重ね合わせの色ズレ、繰り返しの使
用による耐久性を考慮すると、より好ましい本発明の態
様としてはローラ形状である。各図において、100は
剛体である円筒状導電性支持体、101は弾性層、10
2及び103は被覆層、また104は中間転写ベルトを
示す。
【0050】円筒状導電性支持体としては、アルミニウ
ム、鉄、銅及びステンレス等の金属や合金、カーボンや
金属粒子等を分散した導電性樹脂等を用いることがで
き、その形状としては、上述したような円筒状や、円筒
の中心に軸を貫通したもの、円筒の内部に補強を施した
もの等が挙げられる。
【0051】本発明に用いる中間転写体の弾性層、及び
被覆層に使用されるゴム、エラストマー、樹脂として、
例えば、エラストマーやゴムとしては、スチレン−ブタ
ジエンゴム、ハイスチレンゴム、ブタジエンゴム、イソ
プレンゴム、エチレン−プロピレン共重合体、クロロプ
レンゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、
アクリルニトリルブタジエンゴム、ウレタンゴム、アク
リルゴム、エピクロロヒドリンゴム及びポリノルボルネ
ンゴム等が挙げられる。また、樹脂類としてはポリスチ
レン、クロロポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレ
ン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビ
ニル共重合体、スチレン−酸化ビニル共重合体、スチレ
ン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステ
ル共重合体(スチレン−アクリル酸メチル共重合体、ス
チレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリ
ル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共
重合体及びスチレン−アクリル酸フェニル共重合体
等)、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体(スチ
レン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタク
リル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニ
ル共重合体等)、スチレン−α−クロロアクリル酸メチ
ル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸
エステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレンまたは
スチレン置換体を含む単重合体または共重合体)、メタ
クリル酸メチル樹脂、メタクリル酸ブチル樹脂、アクリ
ル酸エチル樹脂、アクリル酸ブチル樹脂、変性アクリル
樹脂(シリコーン変性アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂変
性アクリル樹脂、アクリル・ウレタン樹脂等)、塩化ビ
ニル樹脂、スチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル
−酢酸ビニル共重合体、ロジン変性マレイン酸樹脂、フ
ェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ
エステルポリウレタン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニリデン、アイオノ
マー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素
樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重
合体、キシレン樹脂及びポリビニルブチラール樹脂、ポ
リアミド樹脂、変性ポリフェニレンオキサイド樹脂等が
挙げられる。
【0052】弾性層の膜厚は0.5mm以上、さらには
1mm以上、特には1mm〜10mmであることが好ま
しい。また、被覆層の膜厚は、下層の弾性層の柔軟性を
さらにその上の上層あるいは感光体表面に伝えるための
薄層にすることが好ましく、具体的には1mm以下、さ
らには500μm以下、特には1μm〜200mmであ
ることが好ましい。
【0053】本発明に用いる中間転写体の抵抗値は、1
4 〜1010Ωであることが好ましい。
【0054】上記のごとく抵抗を制御するためには、場
合によっては導電剤を添加する必要がある。導電剤とし
ては、本発明の目的を妨げない範囲で適時添加すること
ができる。例えば、カーボン、アルミニウム粉末、ニッ
ケル粉末等を用いることができるが、導電性酸化チタン
を用いると、抵抗調整と共に比誘電率の向上が図れる。
また、樹脂に導電剤を分散させるのではなく、導電性樹
脂を用いることも考えられる。具体的には、4級アンモ
ニウム塩含有ポリメタクリル酸メチル、ポリビニルアニ
リン、ポリビニルピロール、ポリジアセチレン及びポリ
エチレンイミン等が挙げられる。これらの中でも導電性
のコントロールの点からは、導電性粒子分散樹脂が好ま
しい。
【0055】また、第1の画像担持体としては、導電性
剛体ローラ上に感光層を有する感光ドラム、さらには該
感光ドラムの少なくとも最外層に、四フッ化エチレン樹
脂(PTFE)の微粉末を含有する感光ドラムを用いる
ことが好ましい。特に、少なくとも最外層にPTFEの
微粉末を含有する感光ドラムを用いた場合には、より高
い一次転写効率が得られる。これは、PTFEの微粉末
を含有することにより、該感光体最外層の表面エネルギ
ーが低下し、トナーの離型性が向上するためではないか
と考えられる。
【0056】本発明の中間転写体は、例えば以下のよう
にして製造される。
【0057】まず、円筒状導電性支持体としての金属ロ
ールを用意する。ゴム、エラストマー、樹脂等を金属ロ
ール上に溶融成形、注入成形、浸漬塗工あるいはスプレ
ー塗工等により成形することによって弾性層を設ける。
次に、被覆層の材料を弾性層の上に溶融成形、注入成
形、浸漬塗工あるいはスプレー塗工等により成形するこ
とによって被覆層を設ける。
【0058】
【実施例】以下に実施例をもって本発明を詳細に説明す
る。 (実施例1)直径182mm、長さ320mm、厚み5
mmのアルミニウム製円筒状ローラ表面に下記配合のゴ
ムコンパウンドを金型を用いたトランスファー成形する
ことにより、弾性層を有するローラを得た。
【0059】 ゴム配合 NBRゴム 100部(重量部、以下同様) 加硫剤(沈降硫黄) 1.5部 加硫助剤(酸化亜鉛) 5部 加硫促進剤(TBTD) 1.5部 加硫促進剤(MBTS) 1.2部 導電剤(グラファイト) 10部 分散助剤(ステアリン酸) 1部 可塑剤(ナフテン系プロセスオイル)45部 次に、チタン酸バリウムを1370℃にて2時間焼結
し、その後平均粒径5μmの微粉末に粉砕した。この微
粉末を用いて下記の配合に基づき塗料を作成し、前記弾
性層の上層に被覆層を得るための被覆層用塗料とした。
【0060】 被覆層用塗料配合 ポリウレタンプレポリマー 50部 硬化剤(イソシアネート) 3部 導電剤(グラファイト) 10部 チタン酸バリウム 10部 トルエン 40部 メチルエチルケトン 40部 上記塗料を前記弾性層にスプレー塗布して、厚み100
μmの被覆層を形成し、その後、85℃で1時間加熱す
ることにより残存溶剤を除去し、かつ被覆層に架橋を施
し、強靭な表面層を有する中間転写体を得た。この中間
転写体の抵抗は3×107 Ωであった。
【0061】次に、前記中間転写体の被覆層及び弾性層
とアルミ製円筒状ローラを剥離し、前記のLCRメータ
を用いて、被覆層及び弾性層の比誘電率を測定した。測
定は、低温低湿環境(15℃/10%RH)及び高温高
湿環境(32.5℃/85%RH)の2環境で行なっ
た。結果は15℃/10%RHでε=14、32.5℃
/85%RHでε=16とほとんど変化は見られず、安
定したものであった。
【0062】この中間転写体を図1に示されるフルカラ
ー電子写真装置に装着し、感光体としてOPC感光ドラ
ムを用いて、80g/cm2 紙にフルカラー画像をプリ
ントし、以下のように転写効率を定義して、測定を行な
った。一次転写効率(感光ドラムから中間転写体への転
写効率); 中間転写体上の画像濃度/(感光ドラム上の転写残画像
濃度+中間転写体上の画像濃度)。 二次転写効率(中間転写体から紙への転写効率); 紙上の画像濃度/(紙上の画像濃度+中間転写体上の転
写残画像濃度)。
【0063】23℃/50%RHにて転写効率を測定し
た結果、一次転写効率は96%、二次転写効率は94%
であった。また、そのフルカラープリント画像は中抜け
のない文字、細線が得られ、ベタ画像も均質な画質が得
られた。1万枚の耐久試験後も初期と同様な画質が得ら
れ、二次転写効率も93%とほとんど低下が見られなか
った。
【0064】トナーによるフィルミングの有無は、光学
顕微鏡による観察にて判定した。本実施例1の中間転写
体の1万枚耐久後の表面を観察しても、トナーによるフ
ィルミングは全く存在しなかった。
【0065】以下に本実施例の作像条件を示す。
【0066】感光体:OPC感光ドラム 表面電位:−700V カラー現像剤(4色共):非磁性一成分トナー 一次転写電圧:+900V 二次転写電圧:+3400V プロセススピード:120mm/sec 現像バイアス:−500V
【0067】(実施例2)実施例1において被覆層用塗
料配合を以下の様に変更した、他は、実施例1と同様に
して中間転写体を作成し、比誘電率の測定、転写効率の
測定及び耐久試験を行った。画質的には1万枚耐久後で
も初期と変わらない良好なフルカラー画像が得られた。
結果を表1に示す。
【0068】 被覆層用塗料配合 ポリウレタンプレポリマー 50部 硬化剤(イソシアネート) 3部 導電性酸化チタン 30部 トルエン 50部 メチルエチルケトン 50部
【0069】(実施例3)実施例1において被覆層用塗
料配合を以下の様に変更した、他は、実施例1と同様に
して中間転写体を作成し、比誘電率の測定、転写効率の
測定及び耐久試験を行った。画質的には1万枚耐久後で
も初期と変わらない良好なフルカラー画像が得られた。
結果を表1に示す。
【0070】 被覆層用塗料配合 ポリウレタンプレポリマー 50部 硬化剤(イソシアネート) 3部 導電剤(グラファイト) 10部 ポリフッ化ビニリデン微粉末 50部 トルエン 50部 メチルエチルケトン 50部
【0071】(実施例4)実施例1で用いた被覆層用塗
料を無端状のポリテトラフルオロエチレンベルトの表面
に塗布し、ベルト状の中間転写体を得た。このベルトを
図5で示されるフルカラー電子写真装置を用い、比誘電
率の測定、転写効率の測定及び耐久試験を行った。結果
を表1に示す。
【0072】なお、本実施例4の中間転写体の比誘電率
の測定に際しては、前記ベルトの一部を切り取ってサン
プルとした以外は実施例1で述べたのと同様の装置及び
手順で測定した。
【0073】(実施例5)最外層にPTFEの微粉末を
含有した感光ドラム及び実施例1の中間転写体を図1で
示されるフルカラー電子写真装置に装着し、転写効率の
測定、耐久試験を行った。実施例1と比較して一次転写
効率が更に向上した。結果を表1に示す。
【0074】(比較例1)実施例1において被覆層を形
成しなかった(弾性層のみを有する)中間転写体を用い
た他は実施例1と同様に比誘電率の測定、転写効率の測
定及び耐久試験を行ったが、約3000枚から徐々に中
間転写体の表面にフィルミングが発生し、1万枚後では
雨を降らした様な細いスジとなって画像上に現われ、画
質としては実用的に不可であった。中抜けの程度も、初
期は無視し得る微小部分の中抜け画質しか見られなかっ
たが、1万枚耐久後は明らかに文字の中央が抜けた不良
画像であった。結果を表1に示す。
【0075】(比較例2)実施例1の被覆層用塗料配合
において、チタン酸バリウムを添加しない以外は実施例
1と同様にして中間転写体を作成し、比誘電率の測定、
転写効率の測定及び耐久試験を行った。初期は良好な画
像を得ることができたが、二次転写効率がやや低く、耐
久を行うにつれ画像にガサツキが生じた。すなわち、実
用的には6000〜8000枚前後の耐久性しか有さ
ず、また誘電率の環境依存性も悪かった。結果を表1に
示す。
【0076】
【表1】
【0077】
【発明の効果】以上述べてきたように、本発明は、第1
の画像担持体上に形成された画像を中間転写体上に転写
した後、第2の画像担持体上に更に転写する画像形成装
置において、前記中間転写体が比誘電率5以上の強誘電
体の微粉末を含有したことを特徴としており、該中間転
写体の比誘電率が大きくなっている。このため、本発明
の画像形成装置を用いると、以下のような効果が得られ
る。 (1)一次転写、二次転写とも高い転写効率を示す。従
って、転写残トナーが少なく、クリーニング装置の小型
化を図ることができる。 (2)転写効率が高いために、中抜け画像の発生もな
く、良好な画像を得ることができる。 (3)転写効率が高いために、耐久によるフィルミング
の発生を抑えることができる。 (4)中間転写体の比誘電率の環境依存性が小さいため
に、使用環境に左右されることなく良好な画像を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ローラ形状の中間転写体を用いたカラー画像出
力装置の概略図である。
【図2】弾性層を有する本発明のローラ形状の中間転写
体の断面図である。
【図3】弾性層の上に被覆層を有する本発明のローラ形
状の中間転写体の断面図である。
【図4】弾性層の上に複数の被覆層を有する本発明のロ
ーラ形状の中間転写体の断面図である。
【図5】中間転写ベルトを用いたカラー画像出力装置の
概略図である。
【図6】中抜け画像を例示する図である。
【符号の説明】
1 感光ドラム 2 一次帯電器 3 像露光手段 9 給紙カセット 14 感光ドラムのクリーニング装置 15 定着器 20 中間転写体 21 芯金 22 弾性体層 24 転写材 25 転写ローラ 35 中間転写体クリーナ 41 マゼンタ色現像装置 42 シアン色現像装置 43 イエロー色現像装置 44 ブラック色現像装置 61 バイアス電源 100 芯金 101 弾性層 102 被覆層 103 被覆層 104 ベルト状中間転写体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 草場 隆 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 芦邊 恒徳 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の画像担持体上に形成された画像を
    中間転写体上に転写した後、第2の画像担持体上に更に
    転写する画像形成装置において、該中間転写体が、比誘
    電率5以上の強誘電体を平均粒径0.1〜100μmに
    粉末化したものを含有することを特徴とする画像形成装
    置。
  2. 【請求項2】 第1の画像担持体上に形成された画像を
    中間転写体上に転写した後、第2の画像担持体上に更に
    転写する画像形成装置において、該中間転写体が、平均
    粒径0.1〜100μmの下記一般式で示される物質の
    粉末を含有することを特徴とする画像形成装置。 一般式:MTiO3 、M=Ca,Sr,Ba。
  3. 【請求項3】 第1の画像担持体上に形成された画像を
    中間転写体上に転写した後、第2の画像担持体上に更に
    転写する画像形成装置において、該中間転写体が、平均
    粒径0.1〜100μmの酸化チタン粉末を含有するこ
    とを特徴とする画像形成装置。
  4. 【請求項4】 第1の画像担持体上に形成された画像を
    中間転写体上に転写した後、第2の画像担持体上に更に
    転写する画像形成装置において、該中間転写体が、平均
    粒径0.1〜100μmのポリフッ化ビニリデン樹脂粉
    末を含有することを特徴とする画像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記中間転写体が、弾性層及び被覆層を
    有するローラである請求項1から請求項4の何れか1項
    に記載の画像形成装置。
  6. 【請求項6】 前記中間転写体がベルトである請求項1
    から請求項4の何れか1項に記載の画像形成装置。
  7. 【請求項7】 第1の画像担持体が、導電性剛体ローラ
    上に感光層を有する感光ドラムであり、前記中間転写体
    が、弾性層を有する剛体ローラである請求項1から請求
    項6の何れか1項に記載の画像形成装置。
  8. 【請求項8】 第1の画像担持体が、導電性剛体ローラ
    上に感光層を有する感光ドラムであり、該感光ドラムの
    少なくとも最外層に四フッ化エチレン樹脂の微粉末を含
    有する請求項1から請求項6の何れか1項に記載の画像
    形成装置。
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