JP3391964B2 - 中間転写体及び該中間転写体を有する画像形成装置 - Google Patents

中間転写体及び該中間転写体を有する画像形成装置

Info

Publication number
JP3391964B2
JP3391964B2 JP31647695A JP31647695A JP3391964B2 JP 3391964 B2 JP3391964 B2 JP 3391964B2 JP 31647695 A JP31647695 A JP 31647695A JP 31647695 A JP31647695 A JP 31647695A JP 3391964 B2 JP3391964 B2 JP 3391964B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
intermediate transfer
transfer member
powder
image
forming apparatus
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP31647695A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08227235A (ja
Inventor
明彦 仲沢
篤志 田中
隆 草場
恒徳 芦邊
廣行 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP31647695A priority Critical patent/JP3391964B2/ja
Publication of JPH08227235A publication Critical patent/JPH08227235A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3391964B2 publication Critical patent/JP3391964B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は中間転写体及び該中
間転写体を有し電子写真方式を用いた画像形成装置に関
し、特に第1の画像担持体上に形成された画像を、一旦
中間転写体上に転写した(一次転写)後に第2の画像担
持体上に更に転写する(二次転写)画像を得る複写機、
プリンター及びファックス等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】中間転写体を使用した画像形成装置は、
多色画像情報の複数の成分色画像を順次積層転写して多
色画像を合成再現した画像形成物を出力する多色画像形
成装置、または多色画像形成機能を具備させた画像形成
装置として有効であり、各成分色画像の重ね合わせのズ
レ(色ズレ)のない画像を得ることが可能である。
【0003】ドラム状の中間転写体を用いた画像形成装
置の概略図の例を図1に示す。
【0004】図1に示される画像形成装置は電子写真プ
ロセスを利用したフルカラー画像形成装置(複写機ある
いはレーザービームプリンター)であり、中間転写体と
して中抵抗の弾性ローラ20を使用している。
【0005】1は第1の画像担持体として繰り返し使用
される回転ドラム型の電子写真感光体(以下感光体と記
す)であり、矢印の方向に所定の周速度(プロセススピ
ード)で回転駆動される。
【0006】感光体1は回転過程で、1次帯電器(コロ
ナ放電器)2により所定の極性・電位に一様に帯電処理
され、次いで不図示の画像露光手段(カラー原稿画像の
色分解・結像露光光学系、画像情報の時系列電気デジタ
ル画素信号に対応して変調されたレーザービームを出力
するレーザースキャナによる走査露光系等)による画像
露光3を受ける。このようにして感光体上に目的のカラ
ー画像の第1の色成分像(例えばマゼンタ成分像)に対
応した静電潜像が形成される。
【0007】次いで、その静電潜像が第1現像器41
(マゼンタ現像器)により第1色であるマゼンタ成分像
に現像される。この時第2〜第4のシアン現像器42,
イエロー現像器43,ブラック現像器44は作動してお
らず感光体1には作用しないので、上記第1色のマゼン
タ成分像は上記第2〜第4の現像器42〜44による影
響を受けない。
【0008】中間転写体20はパイプ状の支持体21
と、その外周面に形成された弾性層22を有しており、
矢印の方向に感光体1と同じ周速度で回転駆動されてい
る。
【0009】そして、感光体1上に形成された上記第1
色のマゼンタ成分像は、感光体1と中間転写体20との
ニップ部を通過する過程で、中間転写体20に印加され
る一次転写バイアスによって形成される電界により、中
間転写体20の外周面に順次転写されていく。
【0010】中間転写体20に対して第1色のマゼンタ
成分像の転写を終えた感光体1の表面は、クリーニング
装置14により清掃される。
【0011】以下同様に第2色のシアン成分像、第3色
のイエロー成分像及び第4色のブラック成分像が順次中
間転写体20上に重畳転写され、目的のカラー画像に対
応した合成カラー画像が形成される。
【0012】第1〜第4色のトナー画像を感光体1から
中間転写体20へ順次重畳転写するための一次転写バイ
アスは、トナーとは逆極性でバイアス電源61から印加
される。その印加電圧は例えば+2kV〜+5kVの範
囲である。
【0013】25は転写ローラで、中間転写体20に対
し平行に軸受させて下面部に接触させて配設してある
が、感光体1から中間転写体20への第1〜第4色のト
ナーが像の順次転写実行工程においては、転写ローラ2
5は中間転写体20から離間することも可能である。
【0014】中間転写体20上に重畳転写された合成カ
ラー画像は、転写ローラ25が中間転写体20に当接さ
れ、給紙カセット9から中間転写体20と転写ローラ2
5との当接部分に所定のタイミングで第2の画像担持体
である転写材24が給送され、同時に二次転写バイアス
がバイアス電源29から転写ローラ25に印加されるこ
とにより転写材24に転写される。画像転写を受けた転
写材24は定着器15へ導入され加熱定着される。
【0015】転写材24への画像転写終了後、中間転写
体20上の転写残トナーは中間転写体クリーナ35が当
接されクリーニングされる。
【0016】前述の中間転写体を用いた画像形成装置を
有するカラー電子写真装置は、転写ドラム上に張り付け
または吸着された第2の画像担持体上に第1の画像担持
体上から直接画像を転写するカラー画像形成装置(特開
昭63−301960号公報等)よりは以下の点で優れ
ている。即ち、(a)各色の画像の重ね合わせ時の色ズ
レが少ない、(b)図1で示されるごとく、第2の画像
担持体になんら加工、制御(例えばグリッパーに把持す
る、吸着する及び曲率をもたせる等)を必要としないた
め、多種多様な第2の画像担持体を用いることができ
る。
【0017】例えば、第2の画像担持体として薄い紙
(例えば40g/m2 程度の紙)から厚い紙(例えば2
00g/m2 程度の紙)まで選択することが可能であ
る。また、第2の画像担持体の幅の広狭あるいは長さの
長短によらず転写可能であり、封筒、ハガキ及びラベル
紙等までに対応が可能である。
【0018】このように、中間転写体を用いることによ
る利点のため、すでに市場においてはこの画像形成装置
を用いたカラー複写機、カラープリンター等が稼働し始
めている。
【0019】しかし、この中間転写体を用いた画像形成
装置を実際に種々の環境でかつ繰り返し使用する場合、
次のような問題点があった。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
(1)感光体等の第1の画像担持体から中間転写体への
転写効率及び中間転写体から紙やOHPシート等の第2
の画像担持体への転写効率が十分に高いものとなってい
ない。そのため、感光体や中間転写体に具備すべきクリ
ーニング装置が不可欠となりかつ、多量の転写残トナー
をクリーニングするために部材への負荷が大きくなり、
部材が短寿命化すると同時に当該クリーニング装置が構
成上かなり複雑となり、かつ高価なものとなってしま
う。
【0021】(2)中間転写体に転写された画像及び第
2の画像担持体に転写された画像の一部が図6のごとく
転写されず、抜けたような画像(以後中抜け画像と称
す)となる場合がある。これは、(1)で述べたごとく
転写効率が100%達成してないことにより生ずるもの
である。この原因としては、中間転写体の材質、表面
性、抵抗、転写時の印加バイアスの大きさ、そのタイミ
ングまたは画像形成装置の機械構成等が複合的に作用す
るものと思われるが、主たる原因は判明していない。し
かし、中間転写体の耐久が進むにつれ、または低温低湿
環境になるほど悪化することは解っている。
【0022】(3)中間転写体を繰り返し使用し、耐久
が進むにつれ、中間転写体の表面性や抵抗が変化するこ
とがある。はなはだしい場合は中間転写体の表面が削
れ、初期に得られた良好な転写効率や、均質な画像が維
持できなくなってしまう。
【0023】(4)中間転写体の機能を発現するため、
多くの場合、その材質としては弾性層としてゴム、エラ
ストマー及び樹脂等を用い、必要に応じてその上層に被
覆層等を用いる。例えば特開平4−81786号公報、
特開平4−88385号公報、特開平3−242667
号公報及び特開平5−333725号公報等にすでにい
くつかの好ましい材料、組成について開示されている
が、未だ、低温低湿環境から高温高湿環境まで幅広く抵
抗が安定し、使用できるものは見いだされていない。
【0024】(5)近年は特にプリンターや複写機の小
型軽量化、低コスト化が重要な課題となっている。従っ
て、これらの観点から、中間転写体には低い印加電圧で
良好な転写効率と画像が得られ、電源装置の小型化が図
れるものが望まれている。しかし、良好な転写効率を得
る為には、ある程度の高い印加電圧が必要であり、これ
ら相反する問題を解決する中間転写体は見いだされてい
ない。
【0025】そこで、各種樹脂やエラストマー、ゴムの
中へ導電材を分散させて抵抗の調整を行っている中間転
写体が提案されている。
【0026】しかし、転写電圧を低減する為には中間転
写体の体積抵抗値をある程度低くする必要があるが、導
電性の高いカーボンブラックは、ゴム混練、樹脂練り込
み、溶剤への分散、塗料中への懸濁分散等の処理に時間
がかかり、均一に分散することが難しい。イオン系導電
材では大幅な抵抗の引き下げが難しい場合が多く、粒状
の金属粉や金属酸化物などの導電材では多量の添加が必
要となり、中間転写体の機械的強度の不足や導電材の脱
落が生じ、耐久性や転写効率、画質の悪化が発生し易か
った。
【0027】本発明の目的は、第1の画像担持体から中
間転写体への転写効率及び中間転写体から第2の画像担
持体への転写効率が極めて高い中間転写体及び画像形成
装置を提供することにある。
【0028】また、本発明の目的は、画像の微小部分の
転写不良の発生しない、所謂中抜け画像のない、均一の
画像品質が、第2の画像担持体である紙やOHPシート
の種類に依存することなしに得られる中間転写体及び画
像形成装置を提供することにある。
【0029】また、本発明の目的は、中間転写体の繰り
返し使用による苛酷な耐久使用を行っても中間転写体の
特性に変化がなく、初期と同様な特性を維持し得る中間
転写体及び画像形成装置を提供することにある。
【0030】また、本発明の目的は、中間転写体表面へ
のトナーの付着によるフィルミングの発生しない中間転
写体及び画像形成装置を提供することにある。
【0031】また、本発明の目的は、転写電圧の低減に
より装置の小型化、低コスト化が達成できる中間転写体
及び画像形成装置を提供することにある。
【0032】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、第1の
画像担持体、及び該第1の画像担持体上に形成された画
像を転写され、該転写された画像を第2の画像担持体に
転写する中間転写体を有する画像形成装置において、該
中間転写体の表面層が、導電材および粉体の潤滑性を判
断する下記方法において判断された高潤滑性粉体を含有
し、該導電材の最長径/最短径が4以上であり、且つ最
長径が1〜80μmであり、該導電材の体積抵抗率が1
-2〜103Ω・cmであり、該導電材の含有量が表面
層全重量の5〜80重量%であり、該高潤滑性粉体の含
有量が表面層全重量の20重量%以上であり、該導電材
と該高潤滑性粉体の含有量の合計が表面層全重量の80
重量%以下であることを特徴とする画像形成装置であ
る。潤滑性を判断する方法: 試験する粉体20重量部とウレタンプレポリマー100
重量部とを攪拌混合 し、硬化剤5重量部を添加混合した
後PET板上にスプレー塗布して試験サ ンプルを作製
し、一方、試験する粉体を添加しない以外は同様にして
比較サ ンプルを作製し、次に表面性測定機を用いて両者
のすべり抵抗を測定する。 測定方法としては、測定対象
物として未塗装のPET板をASTM D−1 894で
規定された平面圧子に固定し、200gfの垂直荷重下
に100m m/minの速度で塗装サンプルを水平移動
させる。試験サンプルのすべり 抵抗が比較サンプルの8
0%以下であれば試験粉体は高潤滑性粉体と判断す る。
【0033】また、本発明は、第1の画像担持体、及び
該第1の画像担持体上に形成された画像を転写され、該
転写された画像を第2の画像担持体に転写する中間転写
体を有する画像形成装置に用いられる中間転写体におい
て、該中間転写体の表面層が、導電材および粉体の潤滑
性を判断する下記方法において判断された高潤滑性粉体
を含有し、該導電材の最長径/最短径が4以上であり、
且つ最長径が1〜80μmであり、該導電材の体積抵抗
率が10-2〜103Ω・cmであり、該導電材の含有量
が表面層全重量の5〜80重量%であり、該高潤滑性粉
体の含有量が表面層全重量の20重量%以上であり、該
導電材と該高潤滑性粉体の含有量の合計が表面層全重量
の80重量%以下であることを特徴とする中間転写体で
ある。潤滑性を判断する方法: 試験する粉体20重量部とウレタンプレポリマー100
重量部とを攪拌混合 し、硬化剤5重量部を添加混合した
後PET板上にスプレー塗布して試験サ ンプルを作製
し、一方、試験する粉体を添加しない以外は同様にして
比較サ ンプルを作製し、次に表面性測定機を用いて両者
のすべり抵抗を測定する。 測定方法としては、測定対象
物として未塗装のPET板をASTM D−1 894で
規定された平面圧子に固定し、200gfの垂直荷重下
に100m m/minの速度で塗装サンプルを水平移動
させる。試験サンプルのすべり 抵抗が比較サンプルの8
0%以下であれば試験粉体は高潤滑性粉体と判断す る。
【0034】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる導電材は分散
性に優れ、導電性を付与する効果も高く、加えて補強効
果も有する。本発明は、このような導電材を使用するこ
とにより、導電材の添加量を低減すると同時に機械的強
度を向上させ、導電材の脱落も発生しにくいという優れ
た特性を有する良好な中間転写体を提供することができ
る。
【0035】本発明で用いる導電材がその性能を発揮す
るためには導電材の粒径比(最長径/最短径)が4以上
であり且つ最長径が1〜80μmの範囲であることが必
要である。粒径比が3以上であり且つ最長径が0.1μ
m以上であれば抵抗の制御は可能であり、ある程度の補
強効果も得られる。しかし、転写電圧を低減する効果を
十分に発揮し、更に必要に応じて他の充填剤を併用する
場合の補強効果を考慮すると、粒径比が4以上であり且
つ最長径が1μm以上であることが必要である。しか
し、最長径が80μmを超えると分散不良が生じ易く、
抵抗値がばらつき、画像欠陥の原因となり易い。なお、
本発明において導電材の長径と短径は、導電材の電子顕
微鏡写真より導電材の任意の50個について最長部と最
短部を測定し、その平均値を使用した。かかる最長部と
は、電子顕微鏡写真について画像処理解析装置ルーゼッ
クスIII を使用して解析をしたときの絶対最大長であ
り、最短部とは同様の解析をしたときのフェレ径最小幅
である。
【0036】本発明に用いられる導電材の体積抵抗率は
105 Ω・cm以下であり、特には10-2〜103 Ω・
cmであることが好ましい。体積低効率が105 Ω・c
mを越えると十分な導電性を付与しにくくなる。本発明
における導電材の体積低効率は、導電材にプレス機によ
り2,000Kg/cm2 の圧力を加えてペレット状に
成形し、得られたペレットを抵抗測定装置ロレスタAP
(三菱油化製)またはR8340A(アドバンテスト
製)を用いて測定することによって得られる。
【0037】また、本発明に用いられる導電材が添加さ
れる表面層の抵抗は101 〜1013Ωであることが好ま
しく、特には102 〜1010Ω、更には102 〜5×1
8Ωであることが好ましい。抵抗が101 Ωに満たな
いと十分な転写電界が得られず、転写効率の低下を招く
ことがある。逆に、1013Ωを越えると高い電圧が必要
となり、効率が悪く、装置の大型化やコストの上昇を招
くことがある。
【0038】本発明における表面層の抵抗は、アルミニ
ウム板上に表面層と同様の組成及び膜厚を有する層を形
成したものを前出のロレスタAPまたはR8340Aを
用いて測定することにより得られる。
【0039】上記のような抵抗を実現し、更に中間転写
体の特性を向上させるためには、導電材の添加量が中間
転写体の表面層全重量の5〜80重量%の範囲が良い。
添加量が5重量%未満であると抵抗を十分には低減しに
くくなり易く、80重量%を超えると均一な分散が困難
になり易くなるので、抵抗も不均一となり易く、また、
中間転写体表面から導電材が脱落したり、感光体の摩耗
を促進したりするなどの問題が発生し易くなる。
【0040】本発明で用いる導電材の種類は上記の特性
を満足できるものであれば特には限定されないが、例え
ば、ホウ酸アルミニウム、チタン酸ストロンチウム、酸
化チタン、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、炭化
ケイ素及び窒化ケイ素等のウイスカーや、マイカ等の片
状粒子に酸化スズ、酸化アンチモン及びカーボンブラッ
ク等で表面処理を施したもの、またアルミニウムやニッ
ケル及びステンレス等の金属繊維等を使用することがで
き、分散性を考慮すると繊維状金属酸化物が望ましく、
特にホウ酸アルミニウム及び酸化チタンが好ましい。
【0041】本発明に用いられる導電材の製造方法は特
に限定されるものではないが、以下のものが挙げられ
る。即ち金属酸化物ウイスカーの製造方法としては、湿
式法、固相焼成法及び気相中で結晶を成長させる等の方
法、カーボンウイスカーの製造方法としては、気相中で
結晶を成長させる等の方法、金属繊維の製造方法として
は、引き抜いて延伸した後にカットする方法等が挙げら
れる。
【0042】本発明で用いる中間転写体として、例え
ば、円筒状の剛体導電性支持体100上にゴム、エラス
トマーまたは樹脂等を有する弾性層101を有するドラ
ム状(図2)、更に、弾性層101上に一層の被覆層1
02を有するドラム状(図3)、または弾性層101上
に二層の被覆層102及び103を有するドラム状(図
4)、更には図5に示されるごときエンドレスベルト状
104等の種々の態様のものから目的、必要に応じて選
択することができる。本発明においては、画像の重ね合
わせの色ズレ、繰り返しの使用による耐久性の点からド
ラム状であることが好ましい。
【0043】なお、弾性層は、中間転写体が第1及び第
2の画像担持体に均一に接触することができるように少
なくともある程度の弾性を有する層であり、被覆層は、
弾性層以外の層であり弾性を有する必要はないが、表面
層であれば少なくとも離型性を有する層であり、弾性層
と表面層の間の層であれば少なくとも接着性を有する層
である。
【0044】円筒状導電性支持体としては、アルミニウ
ム、鉄、銅及びステンレス等の金属や合金、カーボンや
金属粒子等を分散した導電性樹脂等を用いることがで
き、その形状としては、上述したような円筒状や、円筒
の中心に軸を貫通したもの、円筒の内部に補強を施した
もの等が挙げられる。
【0045】本発明で用いる中間転写体の弾性層及び被
覆層を構成するのに使用されるゴム、エラストマー、樹
脂類としては、例えば、エラストマーやゴムとしては、
スチレン−ブタジエンゴム、ハイスチレンゴム、ブタジ
エンゴム、イソプレンゴム、エチレン−プロピレン共重
合体、ニトリルブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブ
チルゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、ニトリルゴム、
ウレタンゴム、アクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム
及びノルボルネンゴム等が挙げられる。また、樹脂類と
してはポリスチレン、クロロポリスチレン、ポリ−α−
メチルスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチ
レン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重
合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アク
リル酸エステル共重合体(スチレン−アクリル酸メチル
共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチ
レン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル
酸オクチル共重合体及びスチレン−アクリル酸フェニル
共重合体等)、スチレン−メタクリル酸エステル共重合
体(スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン
−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル
酸フェニル共重合体等)、スチレン−α−クロルアクリ
ル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−ア
クリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレ
ンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合
体)、塩化ビニル樹脂、スチレン−酢酸ビニル共重合
体、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポ
キシ樹脂、ポリエステル樹脂、低分子量ポリエチレン、
低分子量ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、ポリウレ
タン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エ
チルアクリレート共重合体、キシレン樹脂及びポリビニ
ルブチラール樹脂等が挙げられる。また、これらのゴ
ム、エラストマー及び樹脂を2種類以上組み合わせて使
用してもよい。
【0046】本発明においては、中間転写体の表面層が
導電材と共に高潤滑性粉体を含有することが好ましい。
即ち、中間転写体の表面に滑性を与えることでトナーの
付着力が減少するため、転写性及び耐久性が更に向上
し、同時にフィルミングを防止し、感光体の摩耗を低減
することができるからである。
【0047】このような高潤滑性粉体の添加は上記の通
り非常に有用であるが、一般に体積抵抗の制御が難しく
なり、転写電圧の低減を行うためには導電性を付与する
能力が高い導電材が必要となる。また、十分な潤滑性と
導電性を得る為には、導電材及び高潤滑性粉体を多量に
添加する必要があるが、その場合にはバインダー成分の
比率が相対的に低下してしまうので、中間転写体の機械
的強度が低下してしまう。これらの点を改善し得る点で
も本発明で規定した導電材は好適である。
【0048】また、表面の潤滑性を得るために、中間転
写体の表面層にシリコーンオイル等の液状潤滑剤を添加
すると、時間の経過に伴って中間転写体の表面に潤滑剤
が染み出す所謂ブリードが生じ易く、その染み出た潤滑
剤が感光体に付着して感光体表面のひび割れ等の重大な
欠陥をひきおこす恐れがある。特にこの傾向は有機光導
電体を用いた感光体(OPC感光体)を使用した時に顕
著となる。従って、この点でも中間転写体の表面層に高
潤滑性の粉体を添加することは好ましい。
【0049】本発明で用いる高潤滑性粉体としては中間
転写体表面に潤滑性を付与できるものであれば特に制限
は無く、各種の材料を使用することができる。本発明で
用いる粉体の潤滑性を判断するためには次の様な方法を
用いることができる。
【0050】試験する粉体20重量部とウレタンプレポ
リマー100重量部とを攪拌混合し、硬化剤5重量部を
添加混合した後ポリエチレンテレフタレート(PET)
板上にスプレー塗布して試験サンプルを作製する。この
時トルエン、メチルエチルケトン(MEK)混合溶媒に
より塗料粘度の調整を行い均一な塗装表面が得られる様
に注意する。一方、試験する粉体を添加しない以外は同
様にして比較サンプルを作製する。次に表面性測定機
HEIDON 14−DR(新東科学社製)を用いて両
者のすべり抵抗を測定する。測定方法としては、測定対
象物として未塗装のPET板をASTM D−1894
で規定された平面圧子に固定し、200gfの垂直荷重
下に100mm/minの速度で塗装サンプルを水平移
動させる。試験サンプルのすべり抵抗が比較サンプルの
80%以下であれば試験粉体は高潤滑性粉体と判断でき
る。
【0051】好ましい高潤滑性粉体として例えば下記の
ものが挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるもの
ではない。フッ素ゴム、フッ素エラストマー、黒鉛やグ
ラファイトにフッ素が結合したフッ化炭素及びポリテト
ラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデ
ン(PVDF)、エチレン−テトラフルオロエチレン共
重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−パーフ
ルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)等の
樹脂の様なフッ素化合物の粉体、シリコーン樹脂粒子、
シリコーンゴム、シリコーンエラストマー等のシリコー
ン系の粉体、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン
(PP)、ポリスチレン(PS)、アクリル樹脂、ナイ
ロン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂及び
これらの化合物、混合物の粉体、シリカ、アルミナ、酸
化チタン及び酸化マグネシウム等の無機粉体等であり、
これらを単独または複数混合して使用することもでき
る。また、高潤滑性粉体の形状や粒径も特に限定される
ものではなく、球状、繊維状、板状、不定型等、潤滑性
が得られればどのような形状でも使用でき、粒径も制限
はないものの分散性や表面性を考慮すると0.02μm
〜50μmの範囲が好ましい。これらの粉体には潤滑性
を阻害しない範囲で必要に応じて表面処理を行っても良
い。また、諸特性に問題を引き起こさない範囲で分散剤
を使用することもできる。
【0052】これらの高潤滑性粉体の含有量は、中間転
写体の全重量の20重量%以上であることが好ましい。
含有量が20重量%未満では潤滑性の付与が不十分にな
り易い。また、導電材と高潤滑性粉体の合計含有量は8
0重量%以下にすることが好ましい。80重量%を超え
るとバインダー成分との密着性が不足することがあり、
耐久性が低下し易くなる。
【0053】本発明の好ましい実施態様においては、中
間転写体の表面層を構成する物質を調製するために、こ
の様な導電材及び高潤滑性粉体を樹脂、エラストマー、
ゴム等のバインダー中に混合、分散させる方法として公
知の方法を適宜用いることができる。バインダー成分が
ゴムまたはエラストマーの場合にはロールミル、ニーダ
ー、バンバリーミキサー等の装置が用いられ、液状の場
合にはボールミル、ビーズミル、ホモジナイザー、ペイ
ントシェイカー、ナノマイザーもしくはそれに類する装
置を使用して分散できる。
【0054】弾性層の膜厚は0.5mm以上、更には1
mm以上、特には1〜10mmであることが好ましい。
また、被覆層の膜厚は、下層の弾性層の柔軟性をその被
覆層の上のもう一つの被覆層にあるいは感光体表面に伝
えるために薄膜にすることが好ましく、具体的には3m
m以下、更には2mm以下、特には20μm〜1mmで
あることが好ましい。
【0055】本発明で用いる中間転写体の抵抗は101
〜1013Ωであることが好ましく、特には、102 〜1
10Ωであることが好ましい。更に転写電圧の低減を行
うためには5×108 以下が好ましい。
【0056】本発明の目的を妨げない範囲で弾性層、被
覆層に他の導電材を適宜含有させることができる。導電
材としては、例えば、導電性粒子分散樹脂や導電性樹脂
等が挙げられる。具体的には、導電性粒子分散樹脂とし
ては、カーボン、アルミニウム、ニッケル等の導電性粒
子をウレタン、ポリエステル、酢酸ビニル−塩化ビニル
共重合体、ポリメタクリル酸メチル等の樹脂中に分散さ
せたものが挙げられ、導電性樹脂としては、4級アンモ
ニウム塩含有ポリメタクリル酸メチル、ポリビニルアニ
リン、ポリビニルピロール、ポリジアセチレン、ポリエ
チレンイミン等が挙げられる。これらの中でも導電性の
コントロールの点から、導電性粒子分散樹脂が好まし
い。
【0057】本発明の中間転写体は、例えば以下のよう
にして製造される。
【0058】まず、円筒状導電性支持体(芯金)として
の金属製ドラムを用意する。ゴム、エラストマー、樹脂
等をこの金属製ドラム上に溶融成型、注入成型、浸漬塗
工あるいはスプレー塗工等により成型することによって
弾性層を設ける。次に、被覆層の材料を弾性層の上に溶
融成型、注入成型、浸漬塗工あるいはスプレー塗工等に
より成型することによって被覆層を設ける。
【0059】本発明に用いられる第1の画像担持体とし
ては、通常の電子写真感光体を用いることができるが、
中でも感光層上にPTFE等のフッ素系樹脂粉体を含有
する保護層を有する感光体を用いることが好ましい。こ
のような保護層を設けることにより感光体から中間転写
体への一次転写特性が向上し、転写中抜け等の画像欠陥
の無い良好な画質と高い一次転写効率が得られる。例え
ば、中間転写体の二次転写特性が十分でないと中間転写
体上の転写残トナーが増加し、実質的な転写効率は向上
できず、同時に二次転写中抜け等の画像欠陥が発生して
しまうことになる。しかし、本発明に用いられる中間転
写体によればこの様な問題は発生しないので、保護層を
用いた感光体との組み合わせにより特に顕著な転写効率
と画像品位の向上が達成できる。
【0060】また、本発明に用いられる第2の画像担持
体としては、様々な紙やOHPシート等が挙げられる。
【0061】
【実施例】以下に実施例をもって本発明を詳細に説明す
る。
【0062】実施例1 直径182mm、長さ320mm、厚さ5mmのアルミ
ニウム製円筒状ローラーの表面に、金型を用いて下記配
合(数値は重量部)のゴムコンパウンドをトランスファ
ー成型することにより厚さ5mmの弾性層を有するロー
ラー(1)を得た。 ゴム配合: SBR 100部 導電性カーボンブラック 18部 パラフィン系オイル 25部 加硫剤(硫黄) 2部 加硫助剤 2部 加硫促進剤 3部
【0063】また、下記の処方の塗料を調製した。 塗料配合: ポリウレタンプレポリマー(溶媒含む) 100部 硬化剤(溶媒含む) 50部 導電材(導電性ホウ酸アルミニウムウイスカー) 20部 (最長径18μm、最短径0.8μm、 粒径比22.5、体積抵抗率2.0×101 Ω・cm) 高潤滑性粉体 PTFE粒子(粒径0.3μm) 100部 分散助剤 5部 トルエン 80部
【0064】この塗料をローラー(1)の外周面へスプ
レー塗布し、その後、90℃で1時間加熱することによ
り残存溶剤を除去し且つ被膜に架橋を生じさせて強靱な
厚さ80μmの被覆層を有する中間転写体を得た。この
中間転写体の表面層の全構成成分中に占める導電材の割
合は11重量%であり、PTFE粒子と導電材とを合計
した割合は67重量%であった。
【0065】この中間転写体を温度23℃、湿度65%
の環境下で350mm×200mmのアルミニウム板上
に中間転写体の転写面を接触するように置き、中間転写
体内面のアルミニウムシリンダーとアルミニウム板との
間に高圧電源で1KVの電圧を印加し、電源と直列につ
ないだ1KΩの抵抗体の前後の電位差を測定して電流値
に換算し、更に、印加電圧とこの電流値から中間転写体
の抵抗を求めたところ6.5×106 Ωであった。
【0066】この中間転写体を図1に示されるフルカラ
ー電子写真装置に装着し、第1の画像担持体として感光
層上に保護層を有するOPC感光体を用いて、シアン単
色で転写効率を測定した。感光体から中間転写体への一
次転写効率は97%であり、中間転写体から第2の画像
担持体である80g/m2 紙への二次転写効率は95%
であった。一次転写効率及び二次転写効率は各画像の濃
度をマクベス反射濃度計RD−918(マクベス社製)
を用いて測定し、得られた値に基づき、次式により算出
した。
【0067】
【数1】 なお、各画像の濃度の測定法は以下の通り。
【0068】まず、各画像に粘着テープを貼り、ひきは
がすことによって画像に相当するトナーを回収した。次
いで、このトナーを担持した粘着テープを白い紙に貼り
つけたサンプルをトナーを担持していない粘着テープを
白い紙に貼りつけたリファレンスサンプルを用意した。
これらのサンプルの濃度を上記反射濃度計で測定するこ
とによって、各画像の濃度を求めた。
【0069】その後、繰り返してフルカラー画像プリン
ト試験を行い、目視により画像評価したところ、中抜け
のない文字及び細線が得られ、ベタ画像についても均一
な画質が得られた。10,000枚の耐久試験後も初期
と同様な画質が得られ、上記と同様の方法で測定した一
次転写効率及び二次転写効率もそれぞれ92%及び93
%とほとんど低下が見られなかった。更に20,000
枚の耐久試験後の画像も良好であり、中間転写体表面を
目視で観察しても、トナーによるフィルミングは全く存
在せず、良好な結果であった。この時の最適転写電圧は
一次転写+350V、二次転写+3000Vであり、転
写電圧は十分に低減されていることが分かった。
【0070】また、保護層をもたないOPC感光体に中
間転写体を1Kgの力で当接させ、温度40℃、湿度9
5%の環境下に2週間放置した後、OPC感光体の表面
を目視により観察したが異常は全く認められず、良好な
結果であった。
【0071】それぞれの結果を表1に示す。表1中、◎
は非常に良好、○は良好、△は実用可、×は実用不可で
あることを示す。
【0072】以下に本実施例の作像条件を示す。
【0073】感光体:導電性支持体、下引層、電荷発生
層、電荷輸送層及びPTFE粒子の分散した保護層をこ
の順に有するOPC感光体 表面電位:−750V 現像剤(4色共に):非磁性一成分トナー プロセススピード:120mm/sec 現像バイアス:−550V
【0074】実施例2 導電材として最長径15μm、最短径0.7μm、粒径
比21.4、体積抵抗率3.5×101 Ω・cmの導電
性酸化チタンウイスカーを使用した以外は実施例1と同
様にして中間転写体を作成し、評価した。この中間転写
体の抵抗は9.5×106 Ωであった。また、実施例1
と同様に良好なフルカラー画像が得られた。その結果を
表1に示す。
【0075】実施例3 導電材として最長径25μm、最短径0.5μm、粒径
比50.0、体積抵抗率1.5×101 Ω・cmの導電
性マイカを使用した以外は実施例1と同様にして中間転
写体を作成し、評価した。この中間転写体の抵抗は8.
6×106 Ωであった。また、実施例1と同様に良好な
フルカラー画像が得られた。その結果を表1に示す。
【0076】実施例4 実施例1において被覆層を下記の様に変更した。 塗料配合: フッ素系塗料(溶媒含む) 100部 導電材(実施例1と同様の 10部 導電性ホウ酸アルミニウムウイスカー) トルエン 30部
【0077】この塗料をローラー(1)の外周面に浸漬
塗工した後120℃で2時間加熱し、残存溶剤を除去し
て厚さ100μmの被覆層を有する中間転写体を得た。
この中間転写体を実施例1と同様にして評価した。この
中間転写体の表面層中の導電材の含有量は30重量%
で、抵抗は1.2×106 Ωであった。また、実施例1
と同様に良好なフルカラー画像が得られた。その結果を
表1に示す。
【0078】実施例5 導電材の添加量を10部とした以外は実施例1と同様に
して中間転写体を作成し、評価した。この中間転写体の
表面層中の導電材の含有量は6重量%で、抵抗は3.0
×107 Ωであった。転写電圧はやや上昇したが、実施
例1と同様に良好なフルカラー画像が得られた。その結
果を表1に示す。
【0079】実施例6 実施例1で用いた被覆層用の塗料を、PVDF100重
量部に高導電性カーボンブラック3部を添加した組成物
から作成したエンドレスベルトの表面に塗布し、エンド
レスベルト状の中間転写体を得た。このベルトを図5で
示されるフルカラー電子写真装置に装着し、感光体とし
て実施例1のものと同様の層構成を有するOPC感光体
を用いて、実施例1と同様にしてシアン単色で転写効率
を測定し、10,000枚の耐久試験を行った。この中
間転写体の内側に長さが同じで重さが1Kgのアルミニ
ウムの棒を置き、実施例1と同じようにして測定した抵
抗は1.2×106 Ωであった。その結果を表1に示
す。
【0080】比較例1 実施例1において導電材、高潤滑性粉体及び分散助剤を
使用しなかった以外は実施例1と同様にして中間転写体
を作成した。この中間転写体の抵抗は5.8×109 Ω
であり、初期から二次転写印加電圧が+8000Vと高
く、中抜けが顕著であり、転写効率も低いことが確認さ
れたため、耐久試験は行わなかった。その結果を表1に
示す。
【0081】実施例7 被覆層の配合比を下記の様に変更した以外は、実施例1
と同様にして中間転写体を作成した。 塗料配合: ポリウレタンプレポリマー 100部 硬化剤 50部 導電材 20部 高潤滑性粉体 100部 分散助剤 5部 トルエン 80部 なお、材料は全て実施例1と同じものである。
【0082】この中間転写体の表面層の全構成成分中に
占める導電材の割合は3.1重量%であり、高潤滑性粉
体と導電材とを合計した割合は66重量%であり、中間
転写体の抵抗は1.2×108 Ωであった。
【0083】この中間転写体を実施例1と同様にして評
価したところ、一次転写効率がやや低く、最適二次転写
電圧も+5500Vとやや高かったが、実施例1とほぼ
同様の画像が得られた。
【0084】比較例2 被覆層の配合比を下記のようにした以外は、実施例1と
同様にして中間転写体を作成し、評価した。
【0085】 ポリウレタンプレポリマー(溶媒含む) 100部 硬化剤(溶媒含む) 50部 導電材(球状導電性酸化チタン、最長径0.35μm、 最短径0.32μm、粒径比1.1、体積抵抗率 3.5×101 Ω・cm) 100部 トルエン 40部
【0086】この中間転写体の表面層の全構成成分中に
占める導電材の割合は67重量%であり、抵抗は8.9
×106 Ωであった。
【0087】最適二次転写電圧は+3200Vと低かっ
たが、画像に中抜け及びムラが認められたので耐久試験
は行わなかった。ムラは導電材の分散不良に起因する抵
抗のムラの結果であると考えられる。
【0088】
【表1】
【0089】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の画像形
成装置においては、転写電圧を低減することができ、転
写効率、画質、耐久性がともに良好で、フィルミングの
発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ドラム状の中間転写体を有するフルカラー画像
形成装置の概略図である。
【図2】弾性層を有するドラム状の中間転写体の断面図
である。
【図3】弾性層の上に被覆層を有するドラム状の中間転
写体の断面図である。
【図4】弾性層の上に複数の被覆層を有するドラム状の
中間転写体の断面図である。
【図5】エンドレスベルト状の中間転写体を有するフル
カラー画像形成装置の概略図である。
【図6】中抜け画像の例を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 芦邊 恒徳 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 小林 廣行 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−333725(JP,A) 特開 平5−286056(JP,A) 特開 平6−221322(JP,A) 特開 平2−198476(JP,A) 特開 平6−250414(JP,A) 特開 平6−250460(JP,A) 特開 平6−295134(JP,A) 特開 平6−317949(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 15/16 G03G 15/01 114

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の画像担持体、及び該第1の画像担
    持体上に形成された画像を転写され、該転写された画像
    を第2の画像担持体に転写する中間転写体を有する画像
    形成装置において、 該中間転写体の表面層が、導電材および粉体の潤滑性を
    判断する下記方法において判断された高潤滑性粉体を含
    有し、 該導電材の最長径/最短径が4以上であり、且つ最長径
    が1〜80μmであり、該導電材の体積抵抗率が10-2
    〜103Ω・cmであり、 該導電材の含有量が表面層全重量の5〜80重量%であ
    り、 該高潤滑性粉体の含有量が表面層全重量の20重量%以
    上であり、 該導電材と該高潤滑性粉体の含有量の合計が表面層全重
    量の80重量%以下であることを特徴とする画像形成装
    置。潤滑性を判断する方法: 試験する粉体20重量部とウレタンプレポリマー100
    重量部とを攪拌混合 し、硬化剤5重量部を添加混合した
    後PET板上にスプレー塗布して試験サ ンプルを作製
    し、一方、試験する粉体を添加しない以外は同様にして
    比較サ ンプルを作製し、次に表面性測定機を用いて両者
    のすべり抵抗を測定する。 測定方法としては、測定対象
    物として未塗装のPET板をASTM D−1 894で
    規定された平面圧子に固定し、200gfの垂直荷重下
    に100m m/minの速度で塗装サンプルを水平移動
    させる。試験サンプルのすべり 抵抗が比較サンプルの8
    0%以下であれば試験粉体は高潤滑性粉体と判断す る。
  2. 【請求項2】 中間転写体の抵抗が101〜1013Ωで
    ある請求項1記載の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 中間転写体の抵抗が102〜1010Ωで
    ある請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 中間転写体の形状がドラム状である請求
    項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 第1の画像担持体が電子写真感光体であ
    る請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 【請求項6】 電子写真感光体がフッ素系樹脂粉体を含
    有する表面層を有する請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 【請求項7】 画像形成装置が多色画像形成装置である
    請求項1〜6のいずれかに記載の画像形成装置。
  8. 【請求項8】 第1の画像担持体、及び該第1の画像担
    持体上に形成された画像を転写され、該転写された画像
    を第2の画像担持体に転写する中間転写体を有する画像
    形成装置に用いられる中間転写体において、 該中間転写体の表面層が、導電材および粉体の潤滑性を
    判断する下記方法において判断された高潤滑性粉体を含
    有し、 該導電材の最長径/最短径が4以上であり、且つ最長径
    が1〜80μmであり、該導電材の体積抵抗率が10-2
    〜103Ω・cmであり、 該導電材の含有量が表面層全重量の5〜80重量%であ
    り、 該高潤滑性粉体の含有量が表面層全重量の20重量%以
    上であり、 該導電材と該高潤滑性粉体の含有量の合計が表面層全重
    量の80重量%以下であることを特徴とする中間転写
    体。潤滑性を判断する方法: 試験する粉体20重量部とウレタンプレポリマー100
    重量部とを攪拌混合 し、硬化剤5重量部を添加混合した
    後PET板上にスプレー塗布して試験サ ンプルを作製
    し、一方、試験する粉体を添加しない以外は同様にして
    比較サ ンプルを作製し、次に表面性測定機を用いて両者
    のすべり抵抗を測定する。 測定方法としては、測定対象
    物として未塗装のPET板をASTM D−1 894で
    規定された平面圧子に固定し、200gfの垂直荷重下
    に100m m/minの速度で塗装サンプルを水平移動
    させる。試験サンプルのすべり 抵抗が比較サンプルの8
    0%以下であれば試験粉体は高潤滑性粉体と判断す る。
  9. 【請求項9】 中間転写体の抵抗が101〜1013Ωで
    ある請求項8に記載の中間転写体。
  10. 【請求項10】 中間転写体の抵抗が102〜1010Ω
    である請求項9に記載の中間転写体。
  11. 【請求項11】 中間転写体の形状がドラム状である請
    求項8〜10のいずれかに記載の中間転写体。
  12. 【請求項12】 第1の画像担持体が電子写真感光体で
    ある請求項8〜11のいずれかに記載の中間転写体。
  13. 【請求項13】 電子写真感光体がフッ素系樹脂粉体を
    含有する表面層を有する請求項12に記載の中間転写
    体。
  14. 【請求項14】 画像形成装置が多色画像形成装置であ
    る請求項8〜13のいずれかに記載の中間転写体。
JP31647695A 1994-12-06 1995-12-05 中間転写体及び該中間転写体を有する画像形成装置 Expired - Fee Related JP3391964B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31647695A JP3391964B2 (ja) 1994-12-06 1995-12-05 中間転写体及び該中間転写体を有する画像形成装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6-301856 1994-12-06
JP30185694 1994-12-06
JP31647695A JP3391964B2 (ja) 1994-12-06 1995-12-05 中間転写体及び該中間転写体を有する画像形成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08227235A JPH08227235A (ja) 1996-09-03
JP3391964B2 true JP3391964B2 (ja) 2003-03-31

Family

ID=26562901

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31647695A Expired - Fee Related JP3391964B2 (ja) 1994-12-06 1995-12-05 中間転写体及び該中間転写体を有する画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3391964B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003107778A (ja) 2001-09-27 2003-04-09 Fujitsu Ltd カラートナー及びこれを用いる画像形成装置
JP6371496B2 (ja) * 2012-12-28 2018-08-08 グンゼ株式会社 画像形成装置用中間転写ベルト

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08227235A (ja) 1996-09-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0715229B1 (en) Image forming apparatus having an intermediate transfer member and method of forming of image using the transfer member
US5745831A (en) Image forming apparatus having an intermediate transfer member and method of forming of image using the transfer member
JP5381397B2 (ja) 環状体、環状体張架装置、画像形成装置および環状体の製造方法
JP2007127889A (ja) 画像形成装置
JP3387713B2 (ja) 中間転写体及び該中間転写体を有する画像形成装置
JP3391964B2 (ja) 中間転写体及び該中間転写体を有する画像形成装置
JPH1039647A (ja) 画像形成装置
JP3337834B2 (ja) 画像形成装置
JP3359233B2 (ja) 画像形成装置
JP3343877B2 (ja) 画像形成装置及び中間転写体
JP3402943B2 (ja) 画像形成装置
JP3308741B2 (ja) 画像形成装置
JP3352283B2 (ja) 画像形成装置
JP3832886B2 (ja) 中間転写体及び該中間転写体を有する画像形成装置
JP3847814B2 (ja) 画像形成装置
JP3416435B2 (ja) 画像形成装置
JP3595654B2 (ja) 画像形成装置
JP4095179B2 (ja) 画像形成装置及び中間転写体
JP3402977B2 (ja) 画像形成装置
JP3199152B2 (ja) 画像形成装置
JP3363728B2 (ja) 中間転写体及びこの中間転写体を用いた電子写真装置
JP3236182B2 (ja) 画像形成装置
JPH11327316A (ja) 画像形成装置
JP3248707B2 (ja) 画像形成装置
JP3257658B2 (ja) 画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090124

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090124

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100124

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110124

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120124

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130124

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140124

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees