JP3530711B2 - 画像形成装置用中間転写体 - Google Patents

画像形成装置用中間転写体

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JP3530711B2
JP3530711B2 JP12679597A JP12679597A JP3530711B2 JP 3530711 B2 JP3530711 B2 JP 3530711B2 JP 12679597 A JP12679597 A JP 12679597A JP 12679597 A JP12679597 A JP 12679597A JP 3530711 B2 JP3530711 B2 JP 3530711B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真方式を用い
た画像形成装置、特に第1の画像担持体上に形成された
トナー像を、一旦中間転写体上に転写させた後に第2の
画像担持体上にさらに転写させて画像形成物を得る複写
機、プリンター、ファックス等の画像形成装置に用いら
れる中間転写体に関する。
【0002】
【従来の技術】中間転写体を使用した画像形成装置は、
カラー画像情報や多色画像情報の複数の成分色画像を順
次積層転写して、カラー画像や多色画像を合成再現した
画像形成物を出力するカラー画像形成装置や多色画像形
成装置、もしくはカラー画像形成機能や多色画形成機能
を具備する画像形成装置として有効であり、各成分色画
像の重ね合わせズレ(色ズレ)のない画像を得ることが
可能である。
【0003】中間転写体を用いた画像形成装置を有する
カラー電子写真装置は、従来の技術である転写ドラム上
に第2の画像支持体を張り付けまたは吸着させ、そこへ
第1の画像支持体上から画像を転写する画像形成装置を
有するカラー電子写真装置は、たとえば特開昭63−3
01960号公報中で述べられているような転写方法よ
り、以下の点で勝っている。すなわち、各色のトナー画
像の重ね合わせ時の色ズレが少ない。次に、第2の画像
支持体になんらの加工、制御(たとえばグリッパーに把
持する、吸着する、曲率をもたせる等)を必要とせずに
中間転写体から画像を転写することができるため、第2
の画像支持体を多種多様に選択することができる。
【0004】たとえば薄い紙(40g/m2 紙)から厚
い紙(200g/m2 紙)までの選択が可能で、第2の
画像支持体の幅の広狭、厚さの長短によらず転写可能で
あり、さらには封筒、ハガキ、ラベル紙などまでの対応
が可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、中間転
写方式は様々な利点を有している。しかし近年、パーソ
ナルコンピュータおよびデジタルカメラ、イメージスキ
ャナー等の画像入力装置の急速な普及により、フルカラ
ープリンターや複写機の使用範囲は大幅に拡大してい
る。これに伴って白黒機に比較して構造が複雑であり、
装置が大きく本体価格も維持費も高価であるフルカラー
機の欠点がクローズアップされてきている。これらを改
善することが今後の非常に重要な課題になっている。
【0006】中間転写方式のフルカラー機における前記
のような課題を解決し、装置の小型化、低コスト化、メ
ンテナンスの軽減を図るためには、中間転写体から第2
の画像担持体である紙などの転写材への転写(以下二次
転写)で転写されずに中間転写体に残留した現像剤(ト
ナー)の除去手段(クリーニング)が非常に重要とな
る。
【0007】中間転写体のクリーニング方法には、たと
えば中間転写体に弾性ブレードを当接・離間させ、中間
転写体上のトナーを掻き取るタイプの、特開昭56−1
53357号、特開平5−303310号等に記載され
たものがある。
【0008】また中間転写体に当接・離間するファーブ
ラシを設け、中間転写体上の二次転写残トナーに逆極性
のバイアスを印加して残トナーを回収し、一旦金属ロー
ラー等のバイアスローラーに付着させてから、ブレード
で掻き取る、といった構成のものもある。
【0009】また、ブレードクリーニングの負荷を軽減
させる補助手段として、中間転写体上の残留トナーを感
光体上の電位と逆極性に帯電させて感光体に電界で戻す
方法が、たとえば特開平4−340564号、特開平5
−297739号等で提案されている。
【0010】さらに特開平1−105980号では、中
間転写体、感光体の双方に同じようなクリーニング装置
を設ける無駄の排除と、クリーニング構成の簡略化のた
めに、以下のようなクリーニング手段を用いている。
【0011】すなわち、中間転写体上の残トナーを感光
体の帯電電位と逆極性に帯電させる帯電器を設け、帯電
器だけで中間転写体上の二次転写残トナーを感光体に戻
す構成としている。
【0012】上記構成においては、中間転写体上の残留
物の帯電、転写の行程は、1回(1枚)の複写プロセス
中に1回行えばよいが、複数回行うことにより、中間転
写体をよりクリーンな状態にすることができる、という
記載となっている。
【0013】クリーニングブレードのような機械的に中
間転写体上のトナーを掻き落とすタイプのクリーニング
装置では、異なるパターンの連続プリントは可能である
が、ブレードが離間した際にブレード部分に堆積したト
ナーが中間転写体上に残留し、次プリントプロセスの画
像上にブレード跡を発生させるという問題が生じる。ま
た長期間の使用により、ブレードとブレードが対向する
中間転写体が摩耗し、中間転写体の表面の磨耗またはト
ナーの融着といった問題が発生し、中間転写体の寿命が
短くなる。さらに、回収した二次転写トナーを溜める容
器が必要になり、コストアップや装置の大型化さらには
メンテナンス性が悪化する。
【0014】またファーブラシを用いて中間転写体上の
残トナーを回収する装置は、ファーブラシの駆動装置が
必要な上にファーブラシからトナーをさらに回収する手
段や、そのトナーをためる容器も必要になるなど、クリ
ーニング装置がさらに大型、複雑化し、上記の欠点がよ
り一層顕著なものとなる。
【0015】ブレードクリーニングの補助手段に、コロ
ナ帯電器やバイアスローラーを用いて、残トナーを感光
体ドラムに戻してクリーニングする装置は、上記のよう
に機械的な手段とは異なるので有効であるが、通常のプ
リントステップとは別に中間転写体のクリーニングステ
ップが必要となり、異なるパターンの連続プリントがで
きず、スループットを著しく低下させる、という欠点が
ある。
【0016】また特開平1−105980号に記載され
ているような、中間転写体上の残トナーを感光体の帯電
電位と逆極性に帯電させる帯電器を設け、帯電器だけで
中間転写体上の二次転写残トナーを感光体に戻す構成
は、非常にシンプルで、有効な手段と考えられる。
【0017】しかしながら、上記提案の中では、1回
(1枚)のプリントステップで1回もしくは複数回のク
リーニングステップを行う、という記載があるだけで、
異なるパターンの連続プリントが行われたときのシーケ
ンス、つまり一次転写同時中間転写体クリーニングにつ
いては言及されておらず、この提案においても順次クリ
ーニングであるため、スループットの低下が問題とな
る。
【0018】したがって、スループットを低下させずに
これらの問題点を改善するためには、転写残トナーに逆
の電荷を与えた後、感光体上に戻すクリーニング工程
と、感光体上に形成されたトナー画像を中間転写体に転
写する一次転写工程とを同時に行う方法が非常に有効で
ある。この手段は、基本的には二次転写残トナーを逆極
性に帯電する手段を設けるだけでよく、二次転写残トナ
ーの回収は感光体のクリーニング装置で行われるため、
廃トナーの廃棄は一次転写残トナーと同時に一括で行う
ことができ、メンテナンス性も良好である。また中間転
写体回りに廃トナーの回収、搬送装置や廃トナー容器な
どを設ける必要がなく、装置の小型化やコストダウンの
効果も高い。さらに中間転写体表面に摺擦が加わること
も少ないので、中間転写体の寿命が延び、この点でも中
間転写体を交換する手間とランニングコストの低減が可
能となる。この場合、二次転写残トナーを逆極性に帯電
する手段として、オゾンの発生の少ない接触帯電方式が
好ましく、帯電ローラー(以下「クリーニングローラ
ー」)を用いる方法が好適である。
【0019】しかしながら、一次転写同時クリーニング
を安定的に行うためには、転写残トナーに本来とは逆の
電荷を適正量与え、同時に中間転写体表面電位の変動を
抑える必要があり、中間転写体表面の抵抗制御が非常に
重要となる。
【0020】表面層の抵抗が高すぎる場合は、クリーニ
ングローラーからの放電量が大きくなり、トナーの帯電
量が過剰になったり、中間転写体の表面に電荷が残留す
る等の様々な問題が発生する。
【0021】転写残トナーの帯電量が過剰になると、感
光体に戻る際に一次転写画像に干渉し、連続プリント時
に前の画像に対応した部位が白く抜けるネガゴーストが
発生したり、転写残トナーが中間転写体上に静電的に強
固に付着して感光体に戻らないクリーニング不良が発生
する。前者のネガゴーストは、過剰に逆帯電した前画像
の二次転写残トナーが感光体に移動する際に、トナーの
周囲に正規に帯電した一次転写トナーを静電的に吸着し
て行くためと考えられる。
【0022】さらにクリーニングローラーの逆帯電電界
によって中間転写体の表面に電荷が残ると、一次転写部
の転写電界に影響して問題となる。すなわち中間転写体
上の残留電位(トナーとは逆極性)は一次転写電圧に加
算された形で作用し、一次転写ニップ部で過剰な電位差
となって放電を引き起こし、一次転写効率の低下や中間
転写体のクリーニング不良が発生する。
【0023】逆に表面層の抵抗が低いと、クリーニング
ローラーとのニップ部で電荷注入が起き、二次転写残ト
ナーを十分に逆帯電できず、やはりクリーニング不良が
発生する。
【0024】このように、一次転写同時クリーニングを
行うためには、中間転写体は転写残トナーの逆帯電量を
最適にコントロールでき、同時にクリーニングローラー
によって表面電位が変動しない特性が要求される。
【0025】中間転写体表面の抵抗を制御する手段とし
て、たとえば中間転写体の表面層に含まれるバインダー
中にカーボンブラックなどの高導電物質を混合する方法
がある。しかし、一般的に高抵抗のバインダー中にカー
ボンブラック等の高導電物質を混合していくと、最初は
全く抵抗が下がらず、ある程度の量に達すると急激に抵
抗が低下し、その後はさらに添加をつづけても変化しな
いという特性を示す。これは、カーボンブラックの密度
が一定値に達し、隣接するカーボンのストラクチャーが
つながった際に電子の移動が可能となって、急激に電流
が流れるようになるためであると考えられる。
【0026】また、特に高導電性のカーボンブラックな
どで導電粒子間のトンネル効果による電子の移動を利用
して導電性を示すものもあるが、これらの場合も、粒子
間距離が一定値を下回った時に電子の移動が始まるため
に、やはり同様の傾向を示す。前述の所望の抵抗値は、
この急激に変化する領域にほとんどの場合含まれるた
め、これらの手段では、必要な抵抗に安定的に調整する
ことが非常に困難である。
【0027】他の方法として、粒径が0.1μm〜10
μm程度の、カーボンブラックよりやや大きい導電性金
属酸化物粒子や、吸油量の低いカーボンブラック等の、
導電剤の添加量に対する抵抗の変化が少ない導電剤もあ
る。これらは、細心の注意を払って抵抗調整を行えば、
所望の特性を発揮できるものもあるが、安定性という面
で問題が大きく、導電剤添加量の増加による表面層の柔
軟性の低下など、他の面で弊害が発生する。
【0028】さらに、これらの導電剤は分散が難しいた
めに均一な層が作りにくく、凝集粒子によるリークや部
分的な抵抗のばらつきの発生などの問題も常に含んでい
る。
【0029】一方で、頻繁な中間転写体の交換の必要性
をなくし、メンテナンスフリーとランニングコストを低
減するために、中間転写体には長い寿命が要求されてお
り、表面の耐磨耗性や高い離型性がさらに必要である。
【0030】このように、一次転写同時の中間転写体ク
リーニングに使用できる耐久性の高い中間転写体は未だ
得られてはいない。
【0031】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の課題を
解決し、安定した一次転写同時中間転写体クリーニング
を可能にするとともに、中間転写体の長寿命化、画質の
向上を可能とするものである。その特徴とするところ
は、第1の画像担持体上に現像剤により形成された可視
画像を中間転写体に転写後、さらに第2の画像担持体に
転写する機構と、前記第2の画像担持体に転写した後
に、前記中間転写体上に残留した現像剤に電荷を付与す
る帯電手段を用いて再び前記第1の画像担持体に戻す機
構とを備え、前記第1の画像担持体から前記中間転写体
に画像を転写する工程と、前記中間転写体から前記第1
の画像担持体に現像剤を戻す工程とが同時に行われる画
像形成装置に使用される中間転写体において、前記中間
転写体が複数の層からなり、その表面層が、少なくとも
下記(1)〜(3)を原材料とするウレア結合を有する
数平均分子量10,000〜30,000のポリエステ
ルポリウレタンを含有することを特徴とする中間転写体
である。
【0032】(1)縮合系脂肪族ポリエステルポリオー
ル (2)脂環族イソシアネートまたは芳香族イソシアネー
ト (3)脂環族アミンまたは芳香族アミン 転写性が良好で中抜けのない画像を得るためには安定し
たニップで感光体および転写材と接する必要があり、中
間転写体に弾性を持たせる必要がある。しかし、弾性体
だけでは表面平滑性や離型性の面で問題が大きく転写性
能が著しく不足する。したがってその表面に転写層とし
て1層以上の被覆層を設ける方法がよい。
【0033】また中間転写体抵抗は、表面層と基層を合
わせた抵抗であり、実抵抗として1E+5Ωから1E+
8Ω程度に調整することで、一次転写同時クリーニング
が可能となる。
【0034】具体的には、実抵抗1E+5Ω〜5E+7
Ωcm程度の基層に1E+10Ωcmから1E+15Ω
cm程度、好ましくは1E+11Ωcmから1E+14
Ωcm程度の体積抵抗率を有する表面層を3μm〜40
μm程度の厚さで形成することが有効である。表面層の
抵抗は、残トナーの帯電量を最適範囲に制御でき、かつ
中間転写体表面に電荷が残留して一次転写電位に干渉し
ないように制御することで良好な性能が得られる。
【0035】また耐久性を向上するためには、中間転写
体表面の磨耗やトナーの融着等による転写性能の低下を
防ぐことが重要である。
【0036】そのためには、様々な問題を引き起こす導
電性フィラーを使用せず、最適範囲に表面層の抵抗を調
整する手段が必要となる。さらに、耐磨耗性、表面離型
性が良好な表面層が要求される。これらの目標を達成す
る方法として、抵抗調整が可能で耐磨耗性が高く、滑剤
等の充填剤を強固に結着できるバインダーを使用するこ
とが有効である。
【0037】これに対してポリウレタンは、結着力と耐
磨耗性が高く、耐久性の面では優れていたが、ポリウレ
タンでは通常は転写同時クリーニングが不可能であり、
本発明に適したバインダーではなかった。
【0038】しかし、本発明者らは鋭意検討の結果、ウ
レタン分子内の官能基の種類および配置と分子量、さら
に好ましくは架橋密度を調整することで、転写同時クリ
ーニングが可能で、かつ十分な強度と耐磨耗性を有する
表面層が得られることが判明した。
【0039】以下に本発明のポリウレタンバインダーに
ついて説明する。
【0040】ポリウレタンは、一般にポリエーテルポリ
ウレタンとポリエステルポリウレタンに大別されるが、
本発明においては、機械的強度が高く、塗膜の粘着性
(タック)の小さいポリエステルポリウレタンが特に好
ましい。
【0041】ポリエステルポリウレタンの抵抗調整に
は、バインダー分子内に極性基を配し、分子の対象性に
よってその双極子モーメントが打ち消されることのない
配置とすることで、分子全体の極性が大きくなる構造と
することが必要である。その結果、誘電率、親水性とも
高くなり、電場中で分子の配向や吸着した水分によるイ
オンの移動などによって導電性を示す。したがって、特
定の材料の選択だけではなく、主な構成材料すべての選
択とその組み合わせにより分子全体の構造を設計するこ
とが転写同時クリーニングには必要であり、具体的には
以下の材料を組み合わせることで本発明の効果が発揮さ
れる。
【0042】ポリエステルポリオール成分は、電子の片
寄りを大きくするために、アルキル鎖に電子吸引性の高
いエステルを配した縮合系脂肪族ポリエステルポリオー
ルを使用し、ビスフェノール系などの芳香族系のものは
好ましくない。また逆に、イソシアネート成分と鎖伸長
剤は、バインダー分子内の対象性を阻害する構造とする
ために、脂環族、芳香族のいずれかまたは両方を使用す
る方が良い。さらに、鎖伸長剤はアミン類が望ましい。
アミンとイソシアネートから生成するウレア基は強い極
性を有し、バインダーの低抵抗化を促進する効果があ
る。使用するアミン類はイソシアネートと同様の理由
で、芳香族または脂環族アミンが良い。
【0043】また本発明において、ポリエステルポリウ
レタンからなるバインダーの分子量も抵抗に関与し、一
定値以上に高分子量になるとイオンの移動や分子の動き
が抑制され抵抗が高くなり、クリーニング不良またはネ
ガゴーストが発生する。しかし、低分子量化すると表面
層の機械的強度が低下し、耐久性が悪化する。両者を満
たす範囲としてバインダーの数平均分子量は10,00
0〜30,000の範囲に調整する必要がある。
【0044】このようなバインダーの組成によって抵抗
調整を行う手段は、本発明で必要とされる領域に安定し
て調整でき、導電剤を添加する方法に比較して、不用意
に抵抗が下がり過ぎるといった問題や、膜の中でのばら
つきおよび部分的なリークなどが発生しない。
【0045】また本発明において、中間転写体の表面離
型性を向上し、トナーの融着や埋め込みによる寿命の低
下を防止するために、20質量%以上の滑剤粒子を表面
層中に分散する手段が適用できる。滑剤はバインダーと
の密着性が悪く膜の柔軟性も低下するため、長期の使用
において表面層の割れや剥離が発生する。これを防止す
る方法として、中間転写体の分子量や架橋密度を大きく
することでバインダーの機械強度を高くし、強い表面層
にすることができる。しかし、前述のように高分子量、
高架橋化はバインダー抵抗の上昇を伴い、また滑剤も通
常は抵抗が高く導電性を阻害することがあるので注意を
要する。
【0046】強度を向上し、同時に抵抗の上昇を防止す
る手段として、ウレア結合を分子内に有するイソシアネ
ートを、架橋剤として前記ウレタンバインダーに添加す
ることが有効である。架橋による抵抗の上昇を、親水性
の高いウレア基を導入することで緩和することができ
る。この時、イソシアネートは架橋剤として働く最低限
度である2官能以上のものであれば使用でき、またウレ
タンバインダーにはイソシアネートと反応する水酸基を
含有する構成とすることが望ましい。
【0047】以下に本発明に使用できる材料を示すが、
前述の材料であればかならずしもこの中にはいるもので
なくても良く、複数を混合して使用することもできる。
【0048】ポリエステルポリオールとしては、エチレ
ンアジペート、ジエチレンアジペート、ブチレンアジペ
ート等の縮合系ポリエステルポリオール。
【0049】イソシアネート成分としてはトルエンジイ
ソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシア
ネート(MDI)、水添MDI、イソホロンジイソシア
ネート(IPDI)、トランスシクロヘキサン1,4−
ジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、キシリ
レンジイソシアネート(XDI)、水添XDI、トリフ
ェニルメタントリイソシアネート等であり必要に応じて
室温領域での反応を抑えたブロックイソシアネートとし
ても良い。
【0050】アミン成分としては、イソホロンジアミ
ン、ジフェニルメタンジアミン、3,3′ジクロロ−
4,4′−ジアミノジフェニルメタン、メチレンジアニ
リンの塩化ナトリウム複合体等がある。
【0051】また、中間転写体クリーニングローラーか
らの放電や微量ながら発生するオゾンによるバインダー
の劣化を防止するためには、分子内に二重結合を有して
いないものが望ましく、芳香族よりも脂環族イソシアネ
ートおよびアミンを使用することが良い。脂環族イソシ
アネートおよびアミンとしては、イソホロンジイソシア
ネート、イソホロンジアミンを使用することが抵抗調整
と強度維持の点で特に好ましい。
【0052】また表面層は、弾性層に追従する柔軟性と
高い機械強度が必要であるが、そのためにはポリエステ
ルポリオールの炭素鎖をある程度の範囲に調整した方が
良く、ポリブチレンアジペートが特に好ましい。
【0053】本発明における目標の効果を発揮するため
には、前述の材料を使用することが必要であるが、表面
層の各種物性の調整やウレタン合成時の触媒など、必要
に応じて目標効果を阻害しない範囲で、他のアミン類、
ポリオール類を加えても良い。触媒としては、有機金属
類なども用いることができる。
【0054】本発明の中間転写体は、たとえば円筒状の
導電性支持体上に、少なくともゴム、エラストマー、樹
脂よりなる弾性層を設け、その上に1層以上の被覆層を
設けた構造を有するもので、その最表面層は前記のウレ
タンを使用した、図1および図2に示すローラー状、ま
たは図3に示されるような、ベルト状で表面に被覆層を
有するものなど、種々の態様を目的、必要に応じて選択
することができる。
【0055】各図において、51は剛体である円筒状導
電性支持体、52は弾性層、54はウレタンを使用した
被覆層、53は中間層、また5はローラー状の中間転写
体、55はベルト状の中間転写体を示す。
【0056】円筒状導電性支持体としては、アルミニウ
ム、鉄、銅およびステンレス等の金属や合金、カーボン
や金属粒子等を分散した導電性樹脂等を用いることがで
き、その形状としては上述したような円筒状や、円筒の
中心に軸を貫通したもの、円筒の内部に補強を施したも
のなどが挙げられる。
【0057】本発明に用いる中間転写体の弾性層に使用
されるゴム、エラストマー、樹脂として、たとえばエラ
ストマーやゴムとしては、スチレン−ブタジエンゴム、
ハイスチレンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、
エチレン−プロピレン共重合体、ニトリルブタジエンゴ
ム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、シリコンゴム、フ
ッ素ゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、アクリルゴ
ム、エピクロロヒドリンゴムおよびノルボルネンゴム等
が挙げられる。また、樹脂類としてはポリスチレン、ク
ロロポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレ
ン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合
体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイ
ン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体
(スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−ア
クリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル
共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体およ
びスチレン−アクリル酸フェニル共重合体等)、スチレ
ン−メタクリル酸エステル共重合体(スチレン−メタク
リル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル
共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニル共重合体
等)、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合
体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル
共重合体等のスチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン
置換体を含む単重合体または共重合体)、塩化ビニル樹
脂、スチレン−酢酸ビニル共重合体、ロジン変性マレイ
ン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステ
ル樹脂、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレ
ン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン
樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重
合体、キシレン樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート、
ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂およびこれ
らの共重合体や混合物が挙げられる。
【0058】弾性層の膜厚は、0.2mm以上10mm
以下であることが好ましい。本発明に用いる中間転写体
の実抵抗は1E+5Ω〜1E+8であることが好まし
い。この抵抗を制御するために、本発明の目的を妨げな
い範囲で、弾性層には導電剤を適時添加することができ
る。たとえば、各種の導電性無機粒子およびカーボンブ
ラック、イオン系導電剤、導電性樹脂、導電性粒子分散
樹脂等が挙げられる。具体的には、導電性無機粒子とし
て酸化チタン、酸化スズ、硫酸バリウム、酸化アルミニ
ウム、チタン酸ストロンチウム、酸化マグネシウム、酸
化ケイ素、炭化ケイ素、窒化ケイ素等の粒子に必要に応
じて酸化スズ、酸化アンチモン、カーボン等で表面処理
を行ったものでこれらの形状も球状、繊維状、板状、不
定型などどのような形状でもよい。イオン系導電剤はア
ンモニウム塩やアルキルスルホン酸塩、リン酸エステル
塩、過塩素酸塩等であり、導電性樹脂としては、4級ア
ンモニウム塩含有ポリメタクリル酸メチル、ポリビニル
アニリン、ポリビニルピロール、ポリジアセチレンおよ
びポリエチレンイミン等が挙げられる。また、導電性粒
子分散樹脂としてはカーボン、アルミニウム、ニッケル
等の導電性粒子をウレタン、ポリエステル、酢酸ビニル
−塩化ビニル共重合体およびポリメタクリル酸メチル等
の樹脂中に分散したものが挙げられる。
【0059】また、前述のように中間転写体表面の滑り
性を改善し、耐久性と転写性を向上するために必要に応
じて添加される滑剤は、滑り性が向上するものであれば
特に制限はなく、たとえば下記のようなものが用いら
れ、特に離型性が高いフッ素含有の樹脂粒子が好まし
い。
【0060】各種フッ素ゴム、フッ素エラストマー、黒
鉛やグラファイトにフッ素を結合したフッ化炭素およ
び、PTFE、PVDF、ETFE、PFA等の樹脂の
ようなフッ素化合物の粉体、シリコーン樹脂粒子、シリ
コーンゴム、シリコーンエラストマーなどのシリコーン
系の粉体、PE、PP、PS、アクリル樹脂、ナイロン
樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂およびこ
れらの化合物、混合物の粉体、球状グラファイト等の粒
状炭素、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシ
ウム、酸化スズ、酸化鉄などの無機粉体などであり、こ
れらを単独または複数混合して使用することもできる。
また、粒子の形状や粒径も特に限定されるものではな
く、球状、繊維状、板状、不定型など潤滑性が得られれ
ばどのような形状でも使用でき、粒径も制限はないもの
の、分散性や表面性を考慮すると0.02μm〜50μ
mの範囲が望ましい。これらの粉体には必要に応じて潤
滑性を阻害しない範囲で表面処理を行っても良い。ま
た、諸特性に問題を与えない範囲で分散剤を使用するこ
ともできる。
【0061】このような滑剤を各種樹脂バインダー中に
混合、分散する方法も、適宜公知のものを用いることが
できる。バインダー成分がエラストマーの場合にはロー
ルミル、ニーダー、バンバリーミキサーなどの装置が用
いられ、液状の場合にはボールミル、ビーズミル、ホモ
ジナイザー、ペイントシェイカー、ナノマイザーもしく
はそれに類する装置を使用して分散できる。
【0062】次に本発明に使用される装置の構造につい
て述べる。
【0063】図4は、本発明の中間転写体を装備する、
電子写真プロセスを利用したカラー画像形成装置(複写
機あるいはレーザプリンタ)の概略断面図である。中間
転写体として中抵抗の弾性ローラー5を、二次接触転写
手段として転写ベルト6を使用している。
【0064】図4において符号1は、第1の画像担持体
として繰り返し使用される回転ドラム型の電子写真感光
体(以下感光体ドラムと記す)であり、矢示の反時計方
向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆
動される。
【0065】感光体ドラム1は回転過程で、一次帯電ロ
ーラー2により所定の極性・電位に一様に帯電処理さ
れ、次いで不図示の画像露光手段(カラー原稿画像の色
分解・結像露光光学系、画像情報の時系列電気デジタル
画素信号に対応して変調されたレーザービームを出力す
るレーザースキャナによる走査露光系等)による画像露
光3を受けることにより、目的のカラー画像の第1の色
成分像(たとえばイエロー成分像)に対応した静電潜像
が形成される。
【0066】次いで、その静電潜像が、第1現像器41
(イエロー現像器)により第1色であるイエロートナー
Yにより現像される。現像器41,42,43,44
(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)の各現像器
は不図示の回転駆動装置によって図中矢印の方向に回転
し、各々の現像器が現像過程で感光ドラム1と対向する
ように配設されている。
【0067】中間転写体5は、矢示の時計方向に感光ド
ラム1と同じ周速度をもって回転駆動されている。
【0068】感光ドラム1上に形成担持された上記第1
色のイエロートナー画像は、感光ドラム1と中間転写体
5とのニップ部を通過する過程で、中間転写体5に印加
される電界と圧力により、中間転写体5の外周面に中間
転写されていく。感光ドラム1上の残存トナーは、クリ
ーニング装置12により除去される。以下、この行程を
一次転写という。
【0069】以下、同様に第2色のマゼンタトナー画
像、第3色のシアントナー画像、第4色のブラックトナ
ー画像が順次中間転写体5上に重畳転写され、目的のカ
ラー画像に対応した合成カラートナー画像が形成され
る。
【0070】転写ベルト6は、中間転写体5と同じ速度
で走行するようにその下面部に接触させて配設してあ
る。転写ベルト6はバイアスローラー62とテンション
ローラー61とによって支持され、バイアスローラー6
2には、二次転写バイアス源7によって所望の二次転写
バイアスが印加され、テンションローラー61は接地さ
れている。
【0071】感光ドラム1から中間転写体5への第1〜
第4色のトナー画像の順次重畳転写のための一次転写バ
イアスは、トナーとは逆極性(+)でバイアス電源14
から印加される。
【0072】感光ドラム1から中間転写体5への第1〜
第4色のトナー画像の順次転写実行行程において、転写
ベルト6および中間転写体クリーニングローラー8は中
間転写体5から接離可能になされている。
【0073】中間転写体5上に重畳転写された合成カラ
ートナー画像の転写材Pへの転写は、転写ベルト6が中
間転写体5に当接されるとともに、不図示の給紙カセッ
トからレジストローラー11、転写前ガイド10を通過
して中間転写体5と転写ベルト6との当接ニップに所定
のタイミングで転写材Pが給送され、同時に二次転写バ
イアスが中間転写体5から転写材Pへ合成カラートナー
画像の転写を行なわせる。以下、この行程を二次転写と
いう。
【0074】トナー画像転写を受けた転写材Pは定着器
13へ導入され、加熱定着される。
【0075】転写材Pへの画像転写終了後、中間転写体
5上の転写残トナーは、中間転写体クリーナローラー8
が当接されることによりクリーニングされる。
【0076】図5は、図4に示したカラー画像形成装置
において、中間転写体としての弾性ローラー5に代え
て、図3に示したようなベルト状中間転写体55を使用
し、またこのベルト状中間転写体55に接触して回転す
る転写体として、転写ロール6を用いている。他の構成
は図4のものと同じである。
【0077】本発明の中間転写体のためのクリーニング
手段について、以下に説明する。
【0078】中間転写体クリーニング手段は、感光体ド
ラムから中間転写体への一次転写と同時に、中間転写体
上の二次転写残トナーを、感光体ドラムに転写して戻す
ことが可能なのが特徴である。
【0079】そのメカニズムを説明する。二次転写残ト
ナーは、中間転写体から転写ベルトによってトナーが紙
に転写される際に、トナーとは逆極性の電界を受けて、
正規の帯電極性(本実施例では負極性)とは逆極性
(正)に帯電されて中間転写体5上に残っているトナー
が多い。しかし、全てのトナーが正極性に反転している
わけではなく、部分的には中和され電荷を持たないトナ
ーや、負極性を維持しているトナーも存在しているた
め、完全には感光体ドラムに戻らず、連続プリント時の
次プリント画像にゴーストとして現れる。また最適転写
バイアスよりも高い方に外れて使用すると、転写電流過
剰による画像劣化が生じ、高精細な画像が得られない。
【0080】このような問題を解消するためには、部分
的には中和され電荷を持たないトナーや、負極性を維持
しているトナーをも逆極性に反転させる帯電手段を、転
写後に設け、転写残トナーを逆極性に均一に帯電させ、
一次転写と同時に感光体へ戻す構成とするのが有効であ
る。このような一次転写部位の模式図を図6に示す。
【0081】本実施例においては、中間転写体上の二次
転写残トナー帯電手段として、接触型の帯電手段、具体
的には複数層を有する弾性ローラーを中間転写体クリー
ニングローラーとして用いた。このローラーの実抵抗は
5E+8Ωであった。
【0082】本実施例では、二次転写手段として転写ベ
ルト6を用いている。転写ベルト6を支持しているバイ
アスローラー62とテンションローラー61は、同じ材
質で構成しても、他の材質で構成していてもよい。本実
施例では、体積抵抗率6E+7Ωcm(1kV印加時)
のNBRを用いた。硬度はJIS Aで30〜35度で
ある。両ローラーはφ8mmのSUS芯金上に外径φ2
0mmになるように構成した。
【0083】上記ローラーの材質としては、体積抵抗率
が1E+6Ωcm〜1E+10Ωcm(1kV印加時)
で制御され、電圧依存性(高電圧を印加すると抵抗が下
がる)が著しく悪いものでなければよい。他に挙げられ
る材質としては、EPDM、ウレタンゴム、CR等適当
な導電剤が分散可能なもので有ればよい。
【0084】次に転写ベルト6であるが、その外径寸法
はφ80×300mmのチューブ形状で、厚さは100
μm、体積抵抗率は1E+8から1E+15Ωcm(1
kV印加時)である。
【0085】本実施例では、シリコン変性ポリカーボに
カーボンを分散し、体積抵抗率1.2E11Ωcmの樹
脂ベルトを用いた。
【0086】その他の条件は、中間転写体5の感光体ド
ラム1に対する当接圧は8kgf、中間転写体クリーニ
ングローラー8の中間転写体5に対する当接圧1kg
f、転写ベルト6の中間転写体5に対する当接圧は3.
5kgfである。
【0087】 感光体ドラム上 暗電位(一次帯電による非画像部電位):Vd=−580V 明電位(レーザ露光による画像部電位):Vl=−150V 現像方法:非磁性1成分ジャンピング現像 現像バイアス:Vdc=−400V Vac=1600Vpp 周波数=1800Hz プロセススピード:120mm/sec 一次転写バイアス:+150V である。
【0088】以上詳述した条件を、図4に示す構成を持
つレーザプリンタに組み込んだ。
【0089】本発明の中間転写体は、たとえば以下のよ
うにして製造される。
【0090】まず、円筒状導電性支持体としての金属ロ
ールを用意する。ゴム、エラストマー、樹脂などを金属
ロール上に溶融成型、注入成型、浸漬塗工あるいはスプ
レー塗工等により成型することによって弾性層を設け
る。次に、被覆層の材料を弾性層の上に溶融成型、注入
成型、浸漬塗工あるいはスプレー塗工等により成型する
ことによって被覆層を設ける。
【0091】また、本発明で参考的に用いられる抵抗値
の測定方法は下記の通りである。
【0092】表面層または樹脂抵抗の測定はアルミニウ
ムシート上にバーコートし、十分に加熱硬化させて約3
0μmの膜を形成する。その後1日の間23℃/65%
RHの環境下に放置し、アドバンテスト社製高抵抗計R
8340AおよびR12704を使用して200Vの電
圧を120秒間連続印加した後に測定した体積抵抗率で
ある。
【0093】また中間転写体および基層の実抵抗は、図
7のように駆動回転するアルミニウムシリンダー200
に当接させて従動回転し、直流電源202によって1k
Vの電圧を印加したときに流れる電流Iを、既知の抵抗
203の前後の電位差を電圧計201で読んで算出し、
この電流Iと1kVの電圧から中間転写体または基層の
抵抗を求める。
【0094】また本発明で用いられるバインダー分子量
は、反応前の原材料の分子量から計算した値であり、反
応後のイソシアネート濃度を測定して反応が完全に行わ
れているか確認している。
【0095】中間転写体がベルト状の場合は、ベルトサ
イズに合わせたアルミニウムシリンダーを芯金としてベ
ルト内に通して測定する。
【0096】以下に実施例をもって本発明を詳細に説明
する。
【0097】
【実施例】
(実施例1)下記配合のゴムコンパウンドを押し出し成
型した後、直径182mm、長さ320mm、厚み3m
mのアルミニウム製円筒状ローラー表面に接着させるこ
とにより、厚さ5mmの弾性層を有するローラーを得
た。数値はすべて重量部である。
【0098】 〔ゴム配合〕 NBR 40部 エピクロルヒドリンゴム 60部 導電性カーボンブラック 2部 パラフィン系オイル 2部 炭酸カルシウム 10部 加硫剤 2部 加硫助剤 2部 加硫促進剤 3部 このゴムローラーの1kV印加時の実抵抗は2E+6Ω
であった。
【0099】次に下記のような処方の表面層塗料を作製
した。
【0100】 〔ポリエステルポリウレタンバインダーの組成〕 ポリオール成分:ポリブチレンアジペート イソシアネート成分:イソホロンジイソシアネート 鎖伸長剤:イソホロンジアミン、アルカノールアミン 数平均分子量16000 〔塗料配合〕 上記ポリエステルポリウレタンのDMF(ジメチルホルムアミド)溶液 (固形分20%)) 100部 ウレア基含有ヘキサメチレンジイソシアネート3量体の酢酸エチル溶液 (固形分75%) 4部 ジブチル錫ジラウレート 0.04部 PTFE粒子(粒径0.3μm) 46部 分散助剤 2.5部 DMF 120部 この塗料を前記ローラー表面へスプレー塗布し、その
後、80℃で1時間加熱した後120℃でさらに2時間
加熱して残存溶剤を除去し、かつ硬化剤を十分に反応さ
せて厚み15μmの被覆層を形成し、表面層を有する中
間転写体を作製した。
【0101】この中間転写体を図1に示されるフルカラ
ー電子写真装置に装着し、23℃/65%RHの環境で
有機感光ドラムと非磁性1成分トナーを用いてプリント
試験を行った。この時クリーニングローラーに印加する
バイアスは可変として最適となるように調整し、DC電
流にAC電流を重畳したものを使用した。プリント試験
は画像パターンの異なるフルカラー画像を10枚連続プ
リントし、画像を目視で確認した。その結果中間転写体
のクリーニングに起因するネガゴーストおよびクリーニ
ング不良は認められなかった。この中間転写体を使用し
てさらにフルカラー画像で3万枚の連続プリント試験を
行った。その結果、中間転写体の表面の割れや剥離およ
びトナーの融着は発生せず、耐久前と同様のプリント試
験でも中間転写体クリーニング不良やネガゴーストのな
い良好な結果が得られた。
【0102】(実施例2)表面層の塗料処方を下記の構
成に変更し表面層塗料を作製した。
【0103】 〔ポリエステルポリウレタンバインダーの組成〕 ポリオール成分:ポリブチレンアジペート イソシアネート成分:ジフェニルメタンジイソシアネート 鎖伸長剤:ジフェニルメタン4,4ジアミン、アルカノールアミン 数平均分子量17000 〔塗料配合〕 上記ポリエステルポリウレタンのn−メチルピロリドン、MEK混合溶媒 溶液(固形分20%) 100部 ウレア基含有ヘキサメチレンジイソシアネート3量体の酢酸エチル溶液 (固形分75%) 4部 PTFE粒子(粒径0.3μm) 60部 分散助剤 3部 DMF 120部 この塗料を使用して実施例1と同様の方法で中間転写体
を作成し、同様の方法でプリントテストを行ったところ
やはり良好な結果が得られた。結果を表1に示す。
【0104】(実施例3)処方を下記の構成に変更し表
面層塗料を作製した。
【0105】 〔ポリエステルポリウレタンバインダーの組成〕 ポリオール成分:ポリブチレンアジペート イソシアネート成分:ジフェニルメタンジイソシアネート 鎖伸長剤:イソホロンジアミン 数平均分子量18000 〔塗料配合〕 上記ポリエステルポリウレタンのTHF(テトラヒドロフラン)溶液 (固形分40%) 100部 PTFE粒子(粒径0.3μm) 60部 分散助剤 3部 THF 180部 この塗料を使用して実施例1と同様の方法で中間転写体
を作成し、同様の方法でプリントテストを行ったところ
やはり良好な結果が得られた。結果を表1に示す。
【0106】(実施例4)下記のゴムコンパウンドを直
径185mm、長さ320mm、厚さ1.2mmのシー
ムレスベルト状に押し出し成型し、ベルト状中間転写体
の弾性層を得た。数値はすべて重量部である。
【0107】 〔ゴム配合〕 NBR 50部 EPDM 50部 導電性カーボンブラック 8部 パラフィン系オイル 5部 炭酸カルシウム 8部 加硫剤 2部 加硫助剤 2部 加硫促進剤 3部 このベルト状弾性層に実施例1の塗料をディッピングに
より表面層を塗装し、80℃で30分加熱後120℃で
2時間加熱して乾燥硬化し、膜厚15μmの表面層を有
するベルト状中間転写体を得た。この中間転写体を図5
に示す装置に装着し、プリント試験を行った。なおこの
装置の中間転写ベルト駆動ローラー、テンションローラ
ー、転写ローラー等のローラー屈曲による中間転写体へ
のダメージを抑えるために直径60mm以上に設計され
ている。その結果初期の画像にクリーニング不良やネガ
ゴーストは認められず、良好な結果であった。さらに2
枚の連続フルカラープリント試験を行ったが、中間転写
体表面層の割れや剥離はなく、画像も中間転写体クリー
ニングに起因する問題は認められず、良好なものであっ
た。結果を表1に示す。
【0108】 〔塗料配合〕 実施例1のポリエステルポリウレタンのDMF(ジメチルホルムアミド) 溶液(固形分20%) 100部 ウレア基含有ヘキサメチレンジイソシアネート3量体の酢酸エチル溶液 (固形分75%) 4部 触媒:ジブチル錫ジラウレート 0.04部 PTFE粒子(粒径0.3μm) 20部 分散助剤 1部 DMF 100部 (比較例1)処方を下記の構成に変更し表面層塗料を作
製した。
【0109】 〔ポリエステルポリウレタンバインダーの組成〕 ポリオール成分:ポリカプロラクトン イソシアネート成分:ジフェニルメタンジイソシアネート 鎖伸長剤:エチレングリコール 数平均分子量25000 〔塗料配合〕 上記ポリエステルポリウレタンのDMF溶液(固形分20%) 100部 ウレア基含有ヘキサメチレンジイソシアネート3量体の固形分70%の 酢酸エチル溶液 4部 PTFE粒子(粒径0.3μm) 50部 分散助剤 2.5部 DMF 120部 この塗料を使用して実施例1と同様の方法で中間転写体
を作成した。この表面層膜の抵抗値は7E+15Ωcm
と高いものだった。この中間転写体を使用して実施例1
同様の方法でプリントテストを行ったところ初期より中
間転写体クリーニング性が悪く、クリーニング電流を変
えてもクリーニング不良またはネガゴーストが発生し、
良好な画像を得ることができる条件は無かった。このた
めに耐久試験は行わなかった。結果を表1に示す。
【0110】(比較例2)比較例1の処方の表面層の抵
抗を調整するために高導電性カーボンブラックを混合し
た。
【0111】 〔塗料配合〕 比較例1のポリエステルポリウレタンのDMF溶液 (固形分20%) 100部 ウレア基含有ヘキサメチレンジイソシアネート3量体の酢酸エチル溶液 (固形分75%) 4部 高導電性カーボンブラック ケッチェン ECP600 3部 PTFE粒子(粒径0.3μm) 50部 分散助剤 2.5部 DMF 200部 この塗料を使用してディッピングにより塗装し、実施例
1と同様の加熱条件で乾燥させ、膜厚15μmの表面層
を有する中間転写体を得た。この塗料膜の体積抵抗率は
5E8Ωと低めであり、カーボンブラックの量を微妙に
変えて数回の試作をしたが、E11〜E15程度に調整
することは困難であった。この中間転写体を使用して実
施例1と同様の方法でプリントテストを行ったところ、
初期より中間転写体クリーニング不良が発生し、クリー
ニング電流を変えても変化しなかった。このために耐久
試験は行わなかった。結果を表1に示す。
【0112】
【表1】
【0113】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、安定した
一次転写同時クリーニング性能を有し、転写性能および
画質が良好で寿命が長い中間転写体が得られ、スループ
ットの低下を伴わずに装置の小型化とコストダウンおよ
びメンテナンス性を向上することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のローラー状中間転写体を示す断面図。
【図2】本発明の他のローラー状中間転写体を示す断面
図。
【図3】本発明のベルト状の中間転写体を示す断面図。
【図4】本発明のローラー状中間転写体を使用したレー
ザプリンタの概略断面図。
【図5】本発明のベルト状中間転写体を使用したレーザ
プリンタの概略断面図。
【図6】中間転写体の抵抗測定に用いた装置の概略構成
図。
【図7】一次転写同時中間転写体をクリーニングする作
用を示す説明図。
【符号の説明】
1 感光体ドラム 2 帯電ローラー 3 画像露光 41〜44 現像器 5,55 中間転写体 51 円筒状導電性支持体 52 弾性層 53 中間層 54 被覆層 6 転写ベルト 8 中間転写体クリーニングローラー P 転写材 10 転写前ガイド 11 レジストローラー 13 定着器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−50198(JP,A) 特開 平5−333706(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 15/16 - 15/16 103

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の画像担持体上に現像剤により形成
    された可視画像を中間転写体に転写後、さらに第2の画
    像担持体に転写する機構と、前記第2の画像担持体に転
    写した後に、前記中間転写体上に残留した現像剤に電荷
    を付与する帯電手段を用いて再び前記第1の画像担持体
    に戻す機構とを備え、前記第1の画像担持体から前記中
    間転写体に画像を転写する工程と、前記中間転写体から
    前記第1の画像担持体に現像剤を戻す工程とが同時に行
    われる画像形成装置に使用される中間転写体において、 前記中間転写体が複数の層からなり、その表面層が、少
    なくとも下記(1)〜(3)を原材料とするウレア結合
    を有する数平均分子量10,000〜30,000のポ
    リエステルポリウレタンを含有することを特徴とする中
    間転写体。 (1)縮合系脂肪族ポリエステルポリオール (2)脂環族イソシアネートまたは芳香族イソシアネー
    ト (3)脂環族アミンまたは芳香族アミン
  2. 【請求項2】 前記脂環族イソシアネートがイソホロン
    ジイソシアネートであり、脂環族アミンがイソホロンジ
    アミンであり、脂肪族ポリエステルがポリブチレンアジ
    ペートである請求項1に記載の中間転写体。
  3. 【請求項3】 前記中間転写体の表面層が20質量%以
    上の滑剤を含有する請求項1に記載の中間転写体。
  4. 【請求項4】 前記滑剤がフッ素含有樹脂粒子である請
    求項3に記載の中間転写体。
  5. 【請求項5】 前記表面層が、前記ポリエステルポリウ
    レタンにさらに架橋剤としてウレア結合を有する2官能
    以上のイソシアネートを反応させることにより形成され
    ている請求項3に記載の中間転写体。
  6. 【請求項6】 前記帯電手段が接触帯電手段である請求
    項1に記載の中間転写体。
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