JPH1039642A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

Info

Publication number
JPH1039642A
JPH1039642A JP19076296A JP19076296A JPH1039642A JP H1039642 A JPH1039642 A JP H1039642A JP 19076296 A JP19076296 A JP 19076296A JP 19076296 A JP19076296 A JP 19076296A JP H1039642 A JPH1039642 A JP H1039642A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
intermediate transfer
transfer belt
image forming
forming apparatus
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP19076296A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3402944B2 (ja
Inventor
Hiroyuki Kobayashi
廣行 小林
Minoru Shimojo
稔 下條
Akira Shimada
明 島田
Atsushi Tanaka
篤志 田中
Tsunenori Ashibe
恒徳 芦邊
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP19076296A priority Critical patent/JP3402944B2/ja
Publication of JPH1039642A publication Critical patent/JPH1039642A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3402944B2 publication Critical patent/JP3402944B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 繰り返し使用しても中間転写ベルトの永久伸
びによる色ズレの発生がなく、また芯体の部分の影響を
受けず、均一な画像を得ることができ、しかも転写効率
が極めて高い画像形成装置を提供する。 【解決手段】 第1の画像担持体上に形成された画像を
中間転写ベルトに転写した後、第2の画像担持体上に更
に転写する画像形成装置において、該中間転写ベルトが
弾性層及び芯体層を有し、該芯体層の上層に少なくと
も、第1の層及び第2の層をこの順に有し、かつ第1の
層と第2の層に用いられるバインダーが下式の範囲にあ
る画像形成装置。 引張り応力(kgf/cm2 ):第1の層のバインダー
<第2の層のバインダー 伸び(%):第1の層のバインダー>第2の層のバイン
ダー

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真方式を用い
た画像形成装置に関し、特に第1の画像担持体上に形成
されたトナー像を、一旦中間転写体に転写させた後、更
に転写させ画像形成物を得る電子写真画像形成装置に関
し、とりわけ中間転写ベルトを用いる画像形成装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】中間転写体を使用した画像形成装置は、
カラー画像情報や多色画像情報の複数の成分色画像を順
次積層転写してカラー画像や多色画像を合成再現した画
像形成物を出力するカラー画像形成装置や多色画像形成
装置、またはカラー画像形成機能や多色画像形成機能を
具備させた画像形成装置として有効である。
【0003】中間転写体として中間転写ベルトを用いた
画像形成装置の一例の概略図を図1に示す。
【0004】図1は電子写真プロセスを利用したカラー
画像形成装置(複写機あるいはレーザービームプリンタ
ー)である。中間転写ベルト20には中抵抗の弾性体を
使用している。
【0005】1は第1の画像担持体として繰り返し使用
される回転ドラム型の電子写真感光体(以下感光ドラム
と記す)であり、矢示の時計方向に所定の周速度(プロ
セススピード)をもって回転駆動される。
【0006】感光ドラム1は回転過程で、1次帯電器2
により所定の極性・電位に一様に帯電処理され、次いで
不図示の像露光手段3(カラー原稿画像の色分解・結像
露光光学系、画像情報の時系列電気デジタル画素信号に
対応して変調されたレーザービームを出力するレーザー
スキャナによる走査露光系等)による画像露光を受ける
ことにより目的のカラー画像の第1の色成分像(例えば
イエロー色成分像)に対応した静電潜像が形成される。
【0007】次いで、その静電潜像が第1の現像器(イ
エロー色現像器41)により第1色であるイエロートナ
ーYにより現像される。この時第2〜第4の現像器(マ
ゼンタ色現像器42、シアン色現像器43及びブラック
色現像器44)の各現像器は作動−オフになっていて感
光ドラム1には作用せず、上記第1色のイエロートナー
画像は上記第2〜第4の現像器により影響を受けない。
【0008】中間転写ベルト20は時計方向に感光ドラ
ム1と同じ周速度をもって回転駆動されている。
【0009】感光ドラム1上に形成担持された上記第1
色のイエロートナー画像が、感光ドラム1と中間転写ベ
ルト20とのニップ部を通過する過程で、1次転写ロー
ラ62から中間転写ベルト20に印加される1次転写バ
イアスにより形成される電界により、中間転写ベルト2
0の外周面に順次中間転写(1次転写)されていく。
【0010】中間転写ベルト20に対応する第1色のイ
エロートナー画像の転写を終えた感光ドラム1の表面
は、クリーニング装置13により清掃される。
【0011】以下、同様に第2色のマゼンタトナー画
像、第3色のシアントナー画像、第4色のブラックトナ
ー画像が順次中間転写ベルト20上に重ね合わせて転写
され、目的のカラー画像に対応した合成カラートナー画
像が形成される。
【0012】63は2次転写ローラで、2次転写対向ロ
ーラ64に対応し平行に軸受させて中間転写ベルト20
の下面部に離間可能な状態に配設してある。
【0013】感光ドラム1から中間転写ベルト20への
第1〜第4色のトナー画像の順次重畳転写のための1次
転写バイアスは、トナーとは逆極性(+)でバイアス電
源29から印加される。その印加電圧は例えば+100
V〜+2kVの範囲である。感光ドラム1から中間転写
ベルト20への第1〜第3色のトナー画像の1次転写工
程において、2次転写ローラ63は中間転写ベルト20
から離間することも可能である。
【0014】中間転写ベルト20上に転写された合成カ
ラートナー画像の第2の画像担持体である転写材Pへの
転写は、2次転写ローラ63が中間転写ベルト20に当
接されると共に、給紙ローラ11から転写材ガイド10
を通って、中間転写ベルト20と2次転写ローラ63と
の当接ニップに所定のタイミングで転写材Pが給送さ
れ、2次転写バイアスが電源28から2次転写ローラ6
3に印加される。この2次転写バイアスにより中間転写
ベルト20から第2の画像担持体である転写材Pへ合成
カラートナー画像が転写(2次転写)される。トナー画
像の転写を受けた転写材Pは定着器15へ導入され加熱
定着される。
【0015】転写材Pへの画像転写終了後、中間転写ベ
ルト20にはクリーニング用帯電部材7が当接され、感
光ドラム1とは逆極性のバイアスを印加することによ
り、転写材Pに転写されずに中間転写ベルト20上に残
留しているトナー(転写残トナー)に感光ドラム1と逆
極性の電荷が付与される。26はバイアス電源である。
【0016】前記転写残トナーは、感光ドラム1とのニ
ップ部及びその近傍において感光ドラム1に静電的に転
写されることにより、中間転写体がクリーニングされ
る。
【0017】前述の中間転写ベルトを用いた画像形成装
置を有するカラー電子写真装置は、従来の技術である転
写ドラム上に第2の画像担持体を張り付けまたは吸着せ
しめ、そこへ第1の画像担持体上から画像を転写する画
像形成装置を有したカラー電子写真装置、例えば特開昭
63−301960号公報中で述べられたごとくの転写
装置と比較すると、第2の画像担持体である転写材にな
んら加工や制御(例えばグリッパーに把持する、吸着す
る及び曲率をもたせる等)を必要とせずに中間転写ベル
トから画像を転写することができるため、封筒、ハガキ
及びラベル紙等、薄い紙(40g/m2 紙)から厚い紙
(200g/m2 紙)まで、幅の広狭、長さの長短、あ
るいは厚さの厚薄によらず、第2の画像担持体を多種多
様に選択することができるという利点を有している。
【0018】このような利点のため、すでに市場におい
ては中間転写ベルトを用いたカラー複写機、カラープリ
ンター等が稼動し始めている。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、樹脂あ
るいはゴムからなる従来の中間転写ベルトを任意の張力
で張架して繰返し使用した場合、以下のような課題があ
った。 (1)中間転写ベルトの永久伸びが次第に大きくなり、
張力が十分にとれなくなってベルトと軸間が滑り、1次
転写時に各色トナー画像間でズレ(色ズレ)が生じて鮮
明な画像が得られない。 (2)ベルトが一方向に偏ってしまった場合、ベルト端
部がフランジ等に当たって擦られ、ベルト端部が破損し
てしまう場合がある。
【0020】このような問題に対し、例えば特開平3−
293385号公報では、2次転写部でトナーを転写材
に溶融転写(転写同時定着)する転写定着装置におい
て、ゴムからなる中間転写ベルトをポリアミド織布で補
強する提案がなされているが、該提案では、ゴムと織布
との電気抵抗差が大きくなり過ぎるため、織布の材質、
厚みによって中間転写ベルトの厚さ方向の電気抵抗値が
非常に高くなってしまい、良好な静電転写をすることが
できない。また、織布の厚さと、繊維の太さ、織布の密
度についても考慮がなされていないため、織布の跡が画
像に表われてしまい、高品位な画像を得ることができな
い。
【0021】また一方、米国特許5409557号明細
書では補強材の上層に導電剤と樹脂よりなる被覆層を有
する中間転写体として中間転写ベルトが開示されている
が、この中間転写ベルトはほとんど弾性を有しない剛直
な硬度の高い部材のため感光ドラム等の第1の画像担持
体と中間転写ベルトとの1次転写部、及び第2の画像担
持体へ画像の転写を行なう2次転写部において、充分な
転写領域、所謂転写ニップを確保することができず、特
に、画像部全面に多量のトナーが載ったフルカラー画
像、所謂ベタ画像の場合、部分的な転写不良が生じ易
く、色調が変化したり、白く抜けるような画像、所謂中
抜け画像となる。更に、当該中間転写ベルトは剛直な樹
脂的特性のゆえ、繰り返し使用による、ベルト端部とベ
ルト駆動部材との擦過による、ベルトの亀裂や破損が発
生し易く、長期間の使用は不可である。
【0022】また、特開平6−228335号公報及び
特開平6−149079号公報等では、PVDFやポリ
カーボネートを材質として用いた中間転写ベルトの開示
があるが、これらのベルトは弾性をベルト自体が有して
いないため、前述のごとき画像上の不具合、例えば、転
写不良や中抜け画像が生じ、また繰り返し使用時、樹脂
疲労による断裂や亀裂が発生し易く、従来の耐久性、例
えば数千回以上の寿命を期待することはできない。
【0023】また、中間転写ベルトにおいて、転写効
率、表面の耐摩耗性やトナー汚染及びフィルミング等に
重大な影響を及ぼす、弾性層及び芯体層の上層に構成さ
れる被覆層、例えば、本発明の第1、第2の層及び表層
等に関しては、中間転写ベルトの表層に用いられるバイ
ンダーよりは屈曲性及び柔軟性に対してより強い特性が
要求される。
【0024】第1の画像担持体、例えば感光ドラムから
中間転写ベルトへの転写効率、及び中間転写体から第2
の画像担持体、例えば紙やOHPシートへの転写効率を
高めるために、最外層と弾性層及び芯体層の組み合わせ
を用いた中間転写ベルトの最外層のバインダーに高潤滑
性粉体を多量に混合したものを使用した場合、接着性の
高いバインダーを用いたとしても、そもそも基層がベル
トであり、最外面が高潤滑性であるが故に最外層と弾性
層及び芯体層との密着性が良好でなくなることがある。
このため1〜2万枚程度の耐久性はこの状態でも有して
いるものの、更に長期間(例えば3万枚程度)の耐久を
行うと表層が弾性層や芯体層から剥がれたりひびわれた
りすることがあり、転写したときに剥がれた部分の導通
が十分でなくなり、十分に転写されずに画像のムラが発
生したり、ひびわれた部分が十分に転写されずに画像に
ひびわれた表面状態がそのまま転写してしまうことがあ
った。このことで中間転写ベルトを2〜3万枚毎に交換
しなければならず、ランニングコストが高いものとなっ
てしまうことがあった。
【0025】また、最外層バインダー中に高潤滑性粉体
を多量に混合したものを使用した場合、バインダーと高
潤滑性粉体の密着性が充分でなくなることがあり、その
ために最外層の弾性層からのブリード物に対するバリア
ー性が低下することがあり、1〜2週間程度の高温高湿
環境ではバリアー性が保たれているものの1カ月以上の
長期にわたる場合、バインダーと高潤滑性粉体との界面
を弾性層からのブリード物が通り抜けて、感光体を汚染
し画像欠陥を生じる場合があった。
【0026】更には、第1の画像担持体、例えば感光ド
ラムから中間転写ベルトへの転写効率、及び中間転写ベ
ルトから第2の画像担持体、例えば紙やOHPシートへ
の転写効率を高くするため転写バイアスを高く設定する
方法があるが、転写バイアスを高くした場合、感光体に
打痕あるいは金属粉等の異物が混入して感光体の背面電
極に通ずる導電路が形成されたとき、前記と同様に長期
間耐久されて最外層が弾性層、芯体層から剥がれたりひ
びわれたりすると中間転写体から過剰な電流が流れ、中
間転写ベルトに印加された電圧が降下することによっ
て、中間転写ベルトの感光体長手方向接触領域全域にわ
たって十分転写されない部分ができ、欠陥のある画像に
なってしまうことがあった。更に、感光体背面電極への
過剰電流は電子写真装置の電気制御系統の誤動作や破損
を生じさせる等のおそれがあった。
【0027】しかるに、本発明は前述の諸問題を解決し
た新規な中間転写ベルトを用いる画像形成装置を提案す
るものである。
【0028】本発明の目的は、第1の画像担持体から中
間転写ベルトへの転写効率、及び中間転写ベルトから第
2の画像担持体への転写効率が極めて高く、繰り返し使
用しても中間転写ベルトの永久伸びによる色ズレが発生
することのない画像形成装置を提供することである。
【0029】本発明の別の目的は、画像の微小部分の転
写不良の発生しない、所謂中抜け画像のない、均一、均
質の画像品質が、第2の画像担持体である紙やOHPシ
ートの種類に依存することなく、かつ、芯体の部分の影
響を受けずに達成される画像形成装置を提供することに
ある。
【0030】本発明の更に別の目的は、中間転写ベルト
の繰り返し使用による苛酷な耐久使用を行っても中間転
写ベルトの特性に変化がなく、初期と同様な特性を維持
し、ベルトの表面及び端部の破損することのない画像形
成装置を提供することにある。
【0031】本発明のその上の目的は、中間転写ベルト
表面へのトナーの付着によるフィルミングの発生しない
画像形成装置を提供することにある。
【0032】本発明の更にその上の目的は、有機感光体
に悪影響を与えず、感光体寿命の長い画像形成装置を提
供することにある。
【0033】更に別の目的は、中間転写ベルトの層構成
が、少なくとも弾性層、芯体層及び第1の層と第2の層
を有している中間転写ベルトの第2の層、もしくは中間
転写ベルトの最外層に高潤滑性粉体を多量に混合したも
のを使用した場合において長期間繰り返し画像を出力し
ても、第2の層もしくは最外層が弾性層、芯体層から剥
がれたり、ひび割れたりせず均一な導電性及び転写性を
実現すること、もしくは、弾性層からのブリード物が発
生した場合でも感光体汚染されず画像欠陥を発生しない
こと、もしくは、第1の画像担持体から中間転写ベルト
への転写、及び中間転写ベルトから第2の画像担持体へ
の転写をする場合の転写効率を高めるため転写バイアス
を高く設定した場合でもリークが発生しない画像形成装
置を提供することにある。
【0034】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、第
1の画像担持体上に形成された画像を中間転写ベルトに
転写した後、第2の画像担持体上に更に転写する画像形
成装置において、該中間転写ベルトが弾性層及び芯体層
を有し、該芯体層の上層に少なくとも、第1の層及び第
2の層をこの順に有し、かつ第1の層と第2の層に用い
られるバインダーが下式の範囲にあることに特徴とする
画像形成装置である。
【0035】引張り応力(kgf/cm2 ):第1の層
のバインダー<第2の層のバインダー 伸び(%):第1の層のバインダー>第2の層のバイン
ダー
【0036】
【発明の実施の形態】更に詳しく述べると、第1の層に
用いられるバインダーの100%引張り応力が20〜6
0kgf/cm2 、伸びが400〜750%であり、第
2の層に用いられるバインダーの100%引張り応力が
70〜150kgf/cm2 、伸びが350〜600%
である画像形成装置である。
【0037】より好ましい態様としては、第1の弾性層
の上層に芯体層を有し、更に第2の弾性層、更に被覆層
として第1の層及び第2の層を有する層構成の中間転写
ベルトを有する画像形成装置である。樹脂あるいはゴム
を用いた従来の中間転写ベルトは機械的強度が弱く、繰
り返し使用するとベルトの永久伸びに起因する色ズレが
発生する、フランジ等との摺擦によりベルト端部が破損
し易い、という問題点があった。
【0038】上記の問題点に対して、本発明者らは樹脂
またはゴムからなる中間転写ベルトに芯体層を設け、そ
の補強効果により前記中間転写ベルトの機械的強度を向
上させると共に永久伸びを小さくするという手段を考え
た。
【0039】本発明における芯体層の役割は、中間転写
ベルトの機械的強度の向上にある。芯体層の具体的な例
としては織布状、不織布状、糸状及びフィルム状等があ
る。すなわち、芯体層は必ずしも隙間のない連続した層
である必要はない。従って、芯体層には隙間や凹凸が存
在する場合がある。
【0040】なお、本発明における芯体層の厚さとは、
芯体層が織布あるいは不織布である場合には、中間転写
ベルトに成形する以前の状態の織布あるいは不織布を、
厚さ測定機TH−102(テスター産業株式会社製)に
て測定した値をいう。
【0041】また、芯体層が糸状である場合には、糸の
太さを芯体層の厚さとする。糸の太さは中間転写ベルト
に成形する以前の状態の糸を上記の厚さ測定機にて測定
するものとする。
【0042】更に、芯体層がフィルム状である場合に
は、フィルムの厚さを上記の厚さ測定機にて測定した値
を芯体層の厚さとする。ただし、厚さ測定機にて測定不
可能の場合には、中間転写ベルトを厚さ方向に切断し、
顕微鏡等で観測した値を芯体層の厚さとする。
【0043】芯体層の形態が上記のいずれにもあてはま
らない場合には、中間転写ベルトを厚さ方向に切断し、
顕微鏡等で観測した値を芯体層の厚さとする。
【0044】本発明の芯体層のより好ましい態様として
は、円筒形状の中間転写ベルトに対して、周方向に繊維
を一定間隔に巻き込んだ芯体層を有することにより、耐
久性に優れ、伸び及び亀裂が生じにくく、かつ芯体跡の
発生しにくい中間転写ベルトを得ることができる。この
時この芯体層の上層に弾性層を形成することにより、更
に芯体跡は発生しにくくなり、また、中間転写ベルト表
面が適度な柔軟性を有した硬度となるため転写不良、中
抜け画像等が著しく減少することになる。
【0045】上述の芯体跡とは、芯体層に隙間や凹凸が
存在する場合、 (1)中間転写ベルトの厚さ方向の抵抗値にムラがで
き、この抵抗ムラが画像となって現われる。 (2)中間転写ベルトの硬度にムラができ、中間転写ベ
ルトと第1の画像担持体及び第2の画像担持体との当接
圧あるいはニップ幅が均一にならないため、画像にムラ
ができる。 (3)芯体層の凹凸が中間転写ベルト表面に現われ、画
像品位が低下する。
【0046】これらの現像(1)〜(3)が芯体層に原
因を有する場合、芯体跡と称する。
【0047】芯体層を構成する材料は例えば、綿、絹、
麻及び羊毛等の天然繊維;キチン繊維、アルギン酸繊維
及び再生セルロース繊維等の再生繊維;アセテート繊維
等の半合成繊維;ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ア
クリル繊維、ポリオレフィン繊維、ポリビニルアルコー
ル繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊
維、ポリウレタン繊維、ポリアルキルパラオキシベンゾ
エート繊維、ポリアセタール繊維、アラミド繊維、ポリ
フロロエチレン繊維及びフェノール繊維等の合成繊維;
炭素繊維、硝子繊維及びボロン繊維等の無機繊維;鉄繊
維及び銅繊維等の金属繊維からなる群より選ばれる1種
あるいは2種以上を用いることができる。ただし、もち
ろん上記材料に限定されるものではない。
【0048】製造のし易さ、製造コストの観点から、芯
体層の好ましい態様は前述の糸状である。
【0049】糸は1本のフィラメントであっても、複数
のフィラメントを撚ったものであってもよく、片撚糸、
諸撚糸及び双糸等どのような撚り方であってもよい。ま
た、例えば上記材料群にて示した材質の繊維を混紡して
もよい。更に、場合によっては糸に適当な導電処理を施
して使用することもできる。
【0050】同じく織布は、例えばメリヤス織り等どの
ような織り方の織布でも使用可能であり、もちろん交織
した織布も使用可能である。また、場合によって織布に
適当な導電処理を施して使用することもできる。
【0051】芯体層の製造方法は特に限定されるもので
はないが、例えば筒状に織った織布を金型等に被せ、そ
の上に被覆層を設ける方法、筒状に織った織布を液状ゴ
ム等に浸漬して芯体層の片面あるいは両面に被覆層を設
ける方法、及び糸を金型等に任意のピッチで螺旋状に巻
き付け、その上に被覆層を設ける方法等を挙げることが
できる。
【0052】前述のように、本発明の画像形成装置に用
いる中間転写体に芯体層を設ける目的は、中間転写ベル
トとしての性能向上にある。従って、芯体層の厚みは任
意であるが、好ましい範囲としては10〜500μmで
ある。芯体層の厚さが10μm未満であると、補強効果
が小さくなってしまい、本来の目的を果たすことができ
ない。また、500μmより厚いと、芯体層の剛直性が
増し、中間転写ベルトを円滑に駆動することが困難にな
るために好ましくない。
【0053】芯体層の上層に設ける被覆層は2層でもよ
いが、場合によっては3層以上とすることもできる。特
に、芯体層の上層にゴム及びエラストマー等の弾性体か
らなる弾性層を設け、その上に第1の層及び第2の層を
設けた場合、弾性層によって1次転写及び2次転写のニ
ップが均一かつ十分に確保され、転写効率(特に2次転
写効率)が向上して好ましい。
【0054】本発明者等は、上述した弾性層−芯体層
に、中間転写ベルトとして必須要件である、耐久性及び
色ズレを著しく改良する機能を付与し、かつ、以下に述
べるごとく、弾性層−芯体層の上層に有する第1の層及
び第2の層を適切に選択することにより、それらに転写
効率耐トナー汚染性、押し圧、摺擦及び摩耗に対する耐
久性の機能を分与し、本発明の中間転写ベルトを有する
画像形成装置を完成するに到った。
【0055】本発明においては、第2の層と芯体層また
は弾性層との間にある第1層に用いられるバインダーの
伸び及び100%引張り応力を、下層にある弾性層−芯
体層の柔軟性または変形に追随可能とするように設計し
てある。すなわち、該バインダーは、従来用いられたご
とくの硬質の屈曲性の乏しい樹脂ではなく、容易に伸長
できかつ、多大の応力を必要とせずに伸縮がなし得るよ
う、100%引張り応力が20〜60kgf/cm2
好ましくは30〜55kgf/cm2 の範囲とし、か
つ、伸びは400〜750%、好ましくは450〜70
0%、より好ましくは480〜650%の範囲にある。
【0056】この作用により、第2の層に高潤滑性のフ
ィラー、例えば好ましくはフッ素系のフィラーを多量に
混合しても第2の層と第1の層との接着性がより緊密に
増し、更に第1の層と弾性層との接着も第1の層には離
型性を求めなくてもよいので高潤滑性粉体を混合する必
要がなく、第1の層と弾性層の密着性は良好なものとな
る。
【0057】更に、第2の層に比較的柔軟性に劣るバイ
ンダーを用いたとしても弾性層−芯体層の変形に対応し
て、第1の層が衝撃または変形の吸収効果を有し、弾性
層と第1の層の界面と第1の層の厚み内部でその動きを
吸収するため、第1の層と第2の層の界面では著しい変
動・変化とはならず、良好な密着性を保持することが可
能となる。
【0058】そのため、第1の層と第2の層の膜厚を規
定することは本発明にとって、極めて重要な点である。
【0059】すなわち、第1の層の膜厚が薄いと、弾性
層の変化を第1の層が吸収しきれず、第2の層にその影
響を及ぼすことになる。このため、第1の層より被膜の
柔軟性に劣る第2の層は、ヒビ割れ等が発生し易くな
る。これは第2の層の膜厚が過大に厚過ぎる場合も同様
な不具合が生じる。
【0060】本発明にとって第1の層と第2の層の膜厚
の関係は5≦L1 ≦60μm、好ましくは7≦L1 ≦5
0μmであり、L1 ≧L2 の範囲にある。
【0061】この時L1 及びL2 は第1の層、及び第2
の層の膜厚(単位μm)を示す。
【0062】第1の層の膜厚が60μmを越えると層の
電気抵抗が高抵抗化し1次転写、2次転写時に充分な印
加電圧が付与することができなくなり、転写効率の低下
を惹起する。
【0063】一方、第2の層に用いられるバインダーも
高潤滑性フィラーを多量に含有することが可能であり、
外界からの中間転写体表層への変形、押し圧、摩擦及び
削れ等の負荷要因に対し、強い抵抗力を有するバインダ
ーを選択することにより、該中間転写体が高転写効率を
維持し、かつ、長期間の繰り返し使用に耐える耐久性を
獲得することができるようになり本発明を完成するに到
った。上述の特性を有する、第2の層に用いられるバイ
ンダーとしては、100%引張り応力が70〜150k
gf/cm2 、好ましくは70〜130kgf/cm2
であり、伸びが350〜600%、好ましくは380〜
550%の範囲のものが使用可能である。
【0064】一般的に、100%引張り応力を下げるよ
うに樹脂設計を行うとそれに応じて伸びの大きさは大き
くなり、特性的には接着特性は上がり、変形及び屈曲に
対する自由度も上がる。反面タック性が大きくなり中間
転写ベルト表層として用いると、トナーの付着汚れを耐
久の早い時期に発生させ、これを助長することとなり、
実用的には不可である。
【0065】しかるに本発明においては、弾性層の上層
に、接着特性が優れ、伸縮に豊んだバインダーを用いる
ことにより、弾性層−芯体層の上層に一層以上ある被覆
層と弾性層の密着性を向上せしめ、繰り返しの屈曲及び
変形に影響を受けない構成となっている。
【0066】逆に、100%引張り応力を上げるように
すると、伸びは小さくなり特性的には硬質の変形しにく
い、耐摩耗性に優れ、削れ及び汚れに強い構成となる。
本発明においては、下層部分に弾性層を用いているた
め、適度の屈曲や変形の対応性を有し、かつ、中間転写
ベルト表層としての電子写真特性及び耐久性を保持し得
るように、樹脂特性を選択している。以上より、第2の
層と弾性層−芯体層の密着性が良好でない場合でも第1
の層が第2の層と弾性層−芯体層の仲介をすることで、
高い密着性を実現することができ、繰り返し使用したと
き第2の層が弾性層−芯体層から剥がれたり、ひび割れ
たりしなくなり、転写したときに剥がれた部分の導通が
十分でなくなることによる転写不良を防止すること、更
には、第2の層に高潤滑性のフィラーを多量に混合して
も第1の層には離型性を求めなくてもよいので高潤滑性
粉体を混合する必要がなく、高潤滑性粉体とバインダー
との間から弾性体のブリード物のすりねけがなくなり、
感光体汚染を防ぐことができる。更には、弾性層−芯体
層と第2の層の間に第1の層を用いることにより密着性
が向上することによって、第2の層と弾性層−芯体層と
の界面で密着性不十分による電流の横流れを防ぐことが
でき、ドラムにピンホール等があいている場合において
も、その穴から過大電流が流れ(以下ピンホールリーク
と記す)、転写時に十分転写されない部分ができること
による、欠陥画像を防止している。
【0067】本発明の芯体層の製造方法は特に限定され
るものではないが、例えば繊維を金型またはゴムや樹脂
の上面に任意の間隔で螺旋状に巻き込むことにより得る
ことができる。
【0068】また、芯体層を構成する繊維を巻き込むこ
とにおいて、その繊維の巻き込み間隔は50〜3000
μmの巾が好ましい、より好ましくは100〜2000
μm、更に好ましくは200〜1800μmである。
【0069】50μm未満であるとベルトの剛直性が増
し、ベルトが片寄ったり蛇行し易くなる。ベルト駆動ロ
ーラーとの密着性が低下しスリップの原因ともなったり
する。更に、電気抵抗もベルト内の均一性が損なわれ
る。
【0070】また、3000μm以上であるとベルトを
長時間張架駆動させておくと応力緩和によりベルトが伸
びてしまい、画像のレジストレーションが合わなくなっ
てしまう。更に、耐久により亀裂も生じ易くなる。この
ため本発明において、ベルト周方向に繊維の巻き込む間
隔はベルト周方向均一に所定のピッチで巻き込まねばな
らない。
【0071】図2は、中間転写ベルトの周方向に繊維を
巻き込んだ本発明の一態様を示したものである。図3
は、図2の芯体層を最下層にし、更に上層に弾性層及び
被覆層を構成した中間転写ベルトである。
【0072】本発明の画像形成装置に用いる中間転写ベ
ルトの芯体層の厚みは任意であるが、好ましい範囲とし
ては10〜500μmである。より好ましくは50〜3
00μmである。芯体層の厚さが10μm未満である
と、補強効果が小さくなってしまい、本来の目的を果た
すことができない。また、500μmより厚いと、芯体
層の剛直性が増し、中間転写体を中間転写ベルトとして
円滑に駆動することが困難になる。
【0073】本発明の中間転写体の一態様として中間転
写ベルトの層構成を図4〜5に示す。
【0074】図5は芯体層の下層に弾性層を有し、ベル
トとして特に軟質の硬度及び柔軟性を確保し、走行性と
スリップ防止を考慮したものとなっている。実際はこの
ような態様で使用されるものである。
【0075】芯体層の上層に設ける弾性層の厚さは、芯
体層の厚さ以上であればよいが、厚過ぎると中間転写ベ
ルトの剛直性が増し、中間転写ベルトを円滑に駆動する
ことが困難になるために好ましくない。上記理由によ
り、芯体層の上層に設ける弾性層の厚さは、10〜15
00μmが好ましい。より好ましくは100〜1000
μmである。
【0076】中間転写ベルトの厚さは、該ベルトを円滑
に駆動することが可能な限り厚いほうが好ましく、かつ
該ベルトの機械的強度及び柔軟性を損なわない限り薄い
ほうが好ましい。具体的には0.1〜2mmが好まし
い。より好ましくは0.3〜2mmである。また、中間
転写ベルトに被覆層を設ける場合、厚さはその下の弾性
層の柔軟性を損なわない程度に薄層することが好まし
く、具体的には1〜500μm、更には5〜200μm
が好ましい。
【0077】また、本発明者らの検討結果によると、よ
り良好な画像を得るためには中間転写ベルトの電気抵抗
値に適性範囲が存在することが判明した。
【0078】すなわち、中間転写ベルトの抵抗値が高過
ぎると、2色目以降の現像剤を1次転写する際に、それ
以前に1次転写を終了した現像剤が第1の画像担持体に
戻ってしまい、目的とする色あいの画像が得られなくな
ってしまう。また、中間転写ベルトの抵抗値が低過ぎる
と、1次転写を受けた部分とそうでない部分とで中間転
写ベルトの抵抗値に大きな差ができてしまうために、2
色目以降の現像剤を効率よく転写することができなくな
ってしまい、やはり目的とする色あいの画像が得られな
くなってしまう。このような弊害を伴うことなく、より
高品位な画像を得ることができる中間転写ベルトの抵抗
値の範囲は、下記に示す測定法にて1×104 〜1×1
11Ωであることを、本発明者らは見い出した。
【0079】〈中間転写ベルトの抵抗値の測定方法〉 (1)中間転写ベルトを図6に示したように張架し、該
中間転写ベルトを2本の金属ローラ202及び203で
挟み、直流電源、適当な抵抗値を持つ抵抗器、電位差計
をつなぐ。 (2)駆動ローラにて中間転写ベルト表面の移動速度が
100〜300mm/秒になるように該ベルトを駆動す
る。 (3)直流電流から+1kVを回路に印加し、抵抗器の
両端の電位差Vr を電位差計にて読む。なお、測定時の
雰囲気は、気温23±5℃、湿度50±10%RHとす
る。 (4)得られた電位差Vr から、回路に流れる電流値I
を求める。 (5)中間転写ベルトの抵抗値=印加電圧(1kV)/
電流値I。
【0080】なお、図7において、200は駆動ロー
ラ、201は金属ローラ、204は電源、205は抵抗
器、206は電位差計である。
【0081】また、第1の画像担持体としては、少なく
とも最外層にPTFEの微粉末を含有する感光ドラムを
用いると、より高い1次転写効率が得られるために好ま
しい。これは、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)の微
粉末を含有することにより、該感光ドラム最外層の表面
エネルギーが低下し、トナーの離型性が向上するためで
はないかと考えられる。
【0082】中間転写ベルトのクリーニングは、ブレー
ドクリーニング、ファーブラシクリーニング、静電クリ
ーニング、あるいはそれらの組み合わせ等、任意のクリ
ーニング装置が使用可能であるが、装置の小型化及び低
コスト化の観点から、好ましいクリーニング方式の例と
して、図1に示すごとく、転写残現像剤を感光ドラム1
に静電的に転写することにより中間転写ベルトをクリー
ニングする方式を挙げることができる。
【0083】図1において、クリーニング用帯電部材7
は、金属ロール、導電性を有する弾性ロール、導電性を
有するファーブラシ及び導電性を有するブレード等、種
々の形態をとることができる。
【0084】なお、図1の画像形成装置においては、感
光ドラム1から中間転写ベルト20に現像剤を1次転写
すると同時に、前回の画像形成ステップで発生した中間
転写ベルト20上の転写残現像剤を感光ドラム1に戻し
てもよい(以後、1次転写同時クリーニング方式と称す
る)。1次転写同時クリーニング方式は、クリーニング
ステップを特に必要としないために、スループットの低
下がないという利点を有している。
【0085】また、図7に示すごとく、転写残現像剤回
収部材8を設けてもよい。
【0086】転写残現像剤回収部材8も、金属ロール、
導電性を有する弾性ロール、導電性を有するファーブラ
シ及び導電性を有するブレード等、種々の形態をとるこ
とができる。27はバイアス電源である。
【0087】転写残現像剤回収部材8には、クリーニン
グ用帯電部材7に印加される電圧とは逆極性の電圧が印
加され、転写残現像剤を静電的にクリーニングすること
ができる。
【0088】また、図7の装置において、例えば電源投
入時等に転写残現像剤回収部材8に感光ドラム1と逆極
性のバイアスを印加して、転写残現像剤回収容器9内に
転写残現像剤を帯電させ、感光ドラムのクリーニング装
置13に回収することも考えられる。この方式は、転写
残現像剤回収容器9を小型化できるという利点を有して
いる。
【0089】本発明に用いる中間転写ベルトの弾性層及
び第1の層、第2の層に使用されるゴム、エラストマー
及び樹脂として、例えばゴム及びエラストマーとして、
天然ゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴ
ム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレ
ンゴム、エチレン−プロピレンターポリマー、クロロプ
レンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリ
エチレン、アクリロニトリルブタジエンゴム、ウレタン
ゴム、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン、エ
ピクロロヒドリンゴム、アクリルゴム、シリコーンゴ
ム、フッ素ゴム、多硫化ゴム、ポリノルボルネンゴム、
水素化ニトリルゴム及び熱可塑性エラストマー(例えば
ポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル
系、ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリエステル系及
びフッ素樹脂系等)等からなる群より選ばれる1種類あ
るいは2種類以上を使用することができる。ただし、上
記材料に限定されるものではない。
【0090】また、樹脂としてはポリスチレン、クロロ
ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−
ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、
スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸
共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(ス
チレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリ
ル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重
合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体及びスチ
レン−アクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−メ
タクリル酸エステル共重合体(スチレン−メタクリル酸
メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合
体及びスチレン−メタクリル酸フェニル共重合体等)、
スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチ
レン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体
等のスチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を
含む単重合体または共重合体)、メタクリル酸メチル樹
脂、メタクリル酸ブチル樹脂、アクリル酸エチル樹脂、
アクリル酸ブチル樹脂、変性アクリル樹脂(シリコーン
変性アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂変性アクリル樹脂及
びアクリル・ウレタン樹脂等)、塩化ビニル樹脂、スチ
レン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、
エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルポリウ
レタン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタ
ジエン、ポリ塩化ビニリデン、アイオノマー樹脂、ポリ
ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ケトン樹
脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン
樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアミド樹脂及び
変性ポリフェニレンオキサイド樹脂等からなる群より選
ばれる1種類あるいは2種類以上を使用することができ
る。ただし、上記材料に限定されるものではない。
【0091】とりわけ本発明において、第1の層及び第
2の層に用いられるより好ましいバインダーとしては、
ポリウレタン、例えば、ポリエステルポリウレタン、ポ
リオールポリウレタンであり、熱可塑性エラストマー
(TPEと称す。)としては例えば、スチレンブロック
共重合体、オレフィンブロック共重合体、ポリエステル
ブロック共重合体、ウレタンブロック共重合体がある。
上記のバインダーは、ポリウレタンにおいては、ポリエ
ステル、又はポリオールなどのOH成分とNCO成分の
種類及び量を適時変更することにより、バインダー物性
としての、100%引張り応力、伸びを変更することが
できる。TPEにおいては、バインダーを構成するブロ
ック共重合体のハードセグメントとソフトセグメントの
組成及び量比を変更することにより、本発明の物性を適
時得ることができる。
【0092】本発明における伸び、100%引張り応力
はJIS K6301に準じた測定方法によって測定す
る。この時好ましい引張り速度は500mm/分であ
る。測定環境は25℃常圧下で行う。
【0093】また、測定試料の調製は以下のようにす
る。
【0094】すでにフィルム、プレート薄膜のような板
状の形状を有するバインダーは、約200〜400μm
の厚みに整え、3号ダンベル形状に成形する。
【0095】また、溶液に溶解しているバインダーは、
溶媒が除去された後に3号ダンベル形状になるようにあ
らかじめ成形用型を準備し、その型に当該溶液を流し込
み、溶媒除去し、成形試料を得る。
【0096】この時、溶媒乾燥方法としては、溶媒を完
全に除去できるため次の方法を用いることが特に好まし
い。まず、室温乾燥24時間、次に50〜80℃、好ま
しくは70℃で4時間乾燥し、最後に減圧乾燥を約60
℃で2時間行うものである。
【0097】本発明において、第1と第2の層の間に、
本発明に該当しない範囲の引張り応力及び/または伸び
を有するバインダーよりなる層を有してもよい。
【0098】例えば、第1と第2の層の間に更に接着性
を向上させるために、プライマー等の表面処理剤を塗布
してもよい。
【0099】表面処理剤としてはシラン系化合物を用い
るもの、チタネート系化合物を用いるもの、イソシアネ
ート系樹脂を用いるもの、エポキシ系樹脂を用いるも
の、及び熱可塑性樹脂を用いるものがあるが、これに限
ったものではない。
【0100】また、弾性層からのブリード防止効果を更
に向上させるために、第1の層と弾性層、芯体層の間や
第1と第2の層の間にブリード防止層を設けてもよい。
【0101】ブリード防止層としては、バリアー性の高
い樹脂、例えばナイロン、塩化ビニリデン、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリビニルアルコール及びエチレン
ビニルアルコール等があるが、これに限ったものではな
い。
【0102】また、リーク防止効果を更に向上させるた
めに、第1の層と弾性層、芯体層の間や第1と第2の層
の間にリーク防止層を設けてもよい。
【0103】リーク防止層としては、耐リーク性の高い
樹脂例えば、ナイロン、ポリスチレン、ポリエチレン、
塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート、ポリビ
ニルアルコール及びエチレンビニルアルコール等がある
が、これに限ったものではない。
【0104】また、第2の層を磨耗及びひび割れ等から
保護するために、第2の層の上に表面保護層を設けても
よい。
【0105】表面保護層としては、耐磨耗性の高い樹
脂、例えばポリウレタン、ナイロン、ポリカーボネー
ト、アクリル、ポリスチレン、ポリエチレン、塩化ビニ
リデン及びポリエチレンテレフタレート等があるが、こ
れに限ったものではない。
【0106】これらのバインダーや表面処理剤やブリー
ド防止層、リーク防止層、表面保護層の塗布方法として
は、スプレーコート法によるもの、ディッピング法によ
るもの、ロールコート法によるもの、刷毛塗り法、及び
粉体塗装法によるもの等がある。
【0107】また、これら第1の層または第2の層に使
用されるバインダーや表面処理剤やブリード防止層、リ
ーク防止層及び表面保護層は、導電性を付与してもよ
く、リークの心配のない第2の層を用いた場合や低電圧
を印加する中間転写体であれば、第1の層に使用される
バインダーや表面処理剤やブリード防止層、リーク防止
層、表面保護層に導電性を付与することはなんら問題な
い。
【0108】本発明で用いる高潤滑性粉体としては中間
転写ベルト表面に潤滑性を付与できるものであり、本発
明で用いる粉体の潤滑性を判断するためには次のような
方法を用いることができる。
【0109】試験する粉体20重量部と中間転写ベルト
表層に使用される樹脂、例えばウレタンプレポリマー1
00重量部とを撹拌混合し、硬化剤5重量部を添加混合
した後PET板上にスプレー塗布して試験サンプルを作
製する。この時トルエン、MEK等溶解し得る混合溶媒
により塗料粘度の調整を行い均一な塗装表面が得られる
様に注意する。一方、試験する粉体を添加しない以外は
同様にして比較塗装サンプルを作製する。次に、表面性
測定機HEIDON−14DR(新東科学社製)を用い
て両者のすべり抵抗を測定する。測定方法としては、測
定対象物として未塗装のPET板をASTM平面圧子に
固定し、200gfの垂直荷重下に100mm/min
の速度で塗装サンプルを水平移動させる。試験サンプル
のすべり抵抗が比較サンプルの80%以下であれば試験
粉体は高潤滑性粉体と判断できる。
【0110】従って、本発明の目的を達成するために
は、前述の特性を有した材料を選択する。例えば下記の
ものが挙げられるが必ずしもこれらに限定されるもので
はない。フッ素ゴム、フッ素エラストマー、黒鉛やグラ
ファイトにフッ素が結合したフッ化炭素及びPTFE、
PVDF、ETFE及びPFA等の樹脂のようなフッ素
化合物の粉体、シリコーン樹脂粒子、シリコーンゴム、
シリコーンエラストマー等のシリコーン系の粉体、P
E、PP、PS、アクリル樹脂、ナイロン樹脂、フェノ
ール樹脂及びエポキシ樹脂等の樹脂及びこれらの化合
物、混合物の粉体、球状グラファイト等の粒状炭素、シ
リカ、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化
スズ及び酸化鉄等の無機粉体等であり、これらを表面処
理したもの、または単独または複数混合して使用するこ
ともできる。また、高潤滑性粒子の形状や粒径も特に限
定されるものではなく、球状、繊維状、板状及び不定型
等、潤滑性が得られればどのような形状でも使用でき、
粒径も制限はないものの分散性や表面性を考慮すると
0.02〜50μmが好ましい。これらの粉体には潤滑
性を阻害しない範囲で必要に応じて表面処理を行っても
よい。また、諸特性に問題を引き起こさない範囲で分散
剤を使用することもできる。
【0111】本発明の画像形成方法が所望の効果を発揮
するためには、これらの本発明の目的を満たした高潤滑
性粉体が中間転写ベルトの表面層を構成する物質の全固
型分に対し5〜80重量%を占めることが必要であり、
好ましくは25〜75重量%である。含有料が5重量%
未満の場合には潤滑性の付与が不十分となり、2次転写
効率や耐久性が低下し、トナーのフィルミングが発生す
る。80重量%を超える場合にはバインダー成分との密
着性が不足し、耐久性が低下してしまう。
【0112】中間転写ベルトの表面層を構成する物質を
調製するために、この様な粉体を樹脂、エラストマー、
ゴム等のバインダー中に混合、分散させる方法として公
知の方法を適宜用いることができる。バインダー成分が
ゴムまたはエラストマーの場合にはロールミル、ニーダ
ー及びバンバリーミキサー等の装置が用いられ、液状の
場合にはボールミル、ビーズミル、ホモジナイザー、ペ
イントシェイカー及び液状衝突式分散機、もしくはそれ
に類する装置を使用して分散できる。
【0113】本発明に用いる高潤滑性粉体は中間転写ベ
ルトの表面に現れていることが必要であり、従って中間
転写ベルトの表面層を構成する組成物中に添加すること
が必要である。中間転写ベルトが複数の層により構成さ
れている場合には少なくともその表面層中に添加されて
いなければならない。
【0114】以下に実施例をもって本発明を詳細に説明
する。
【0115】(実施例1)約140φの円筒状の金型
に、下記配合のゴムコンパウンドを厚さ0.3mmで均
一に巻き付けた。次に、接着剤を表面に塗ったポリエス
テル糸(直径120μm)を前記コンパウンド上にピッ
チ0.5mmで螺旋状に巻き付けた。その上に、あらか
じめチューブ状に押し出した下記配合のゴムコンパウン
ドを被せ、加硫及び研磨を行うことにより、芯体層の上
に厚さ0.4mmの弾性層を、芯体層の下に厚さ0.3
mmの弾性層を有する、厚さ約0.8〜0.9mmの芯
体層入りゴムベルトを得た。
【0116】 ゴム配合 SBRゴム 25部 (重量部、以下同様) EPDMゴム 75部 加硫剤 1.5部 加硫助剤 2部 加硫促進剤(MBT) 3部 導電性カーボンブラック 9部 分散助剤(ステアリン酸) 1部 可塑剤(ナフテン系プロセスオイル) 30部
【0117】次に、該ベルト上に更に第1の層及び第2
の層を得るための塗料を下記配合により調製した。
【0118】 第1の層:ポリウレタン(A) 100部 DMF(溶剤) 1000部 を混合し、第1の層用塗料とし、第1の層を得た。
【0119】 第2の層:ポリウレタン(B) 100部 シリコーン樹脂粉末 200部 分散助剤 10部
【0120】上記のバインダー物性を表1に示す。
【0121】この塗料をベルトにスプレー塗布し、室温
にて指触乾燥後、加熱することにより残存溶剤を除去
し、更に減圧乾燥後、厚さ30μmの強靭な被覆層を有
する図5に示すような中間転写ベルトを得た。得られた
中間転写ベルトの抵抗値は5.8×107 Ωであった。
【0122】この中間転写ベルトを図7に示されるフル
カラー電子写真装置に装着し、80g/m2 紙にフルカ
ラー画像をプリントし、以下のように転写効率を定義し
て、転写効率の測定を行った。
【0123】1次転写効率(感光ドラムから中間転写ベ
ルトへの転写効率)=中間転写ベルト上の画像濃度/
(感光ドラム上の転写残画像濃度+中間転写ベルト上の
画像濃度)。
【0124】2次転写効率(中間転写ベルトから紙への
転写効率)=紙上の画像濃度/(紙上の画像濃度+中間
転写ベルト上の転写残画像濃度)。
【0125】本実施例では、感光ドラム1として、最外
層にPTFEの微粉末を含有する有機感光ドラム(OP
C感光ドラム)を用いた。そのため、高い1次転写効率
が得られた。
【0126】なお、中間転写ベルトのクリーニング方式
は、クリーニング用帯電部材7に1×108 (Ω)の抵
抗を持つ弾性ローラを用いた1次転写同時クリーニング
方式とし、フルカラー画像1万枚の連続プリントを行っ
た。このとき、バイアス電源26からクリーニング用帯
電部材7に印加した電流値は+40(μA)である。
【0127】初期より芯体に起因する画像濃度ムラもな
く、5万枚耐久後も該ベルトの永久伸びに起因する色ズ
レやクリーニング不良のない良好な画像を得ることがで
きた。更に、弾性層上層の第1の層、第2の層はヒビ割
れ、削れ及び摩耗が生ずることなく、初期と同様の表面
性のままであった。
【0128】結果を表2に示す。
【0129】以下に本実施例の作像条件を示す。
【0130】 感光ドラム上の非画像部表面電位:−550V 感光ドラム上の画像部表面電位:−150V カラー現像剤(4色共に):非磁性1成分トナー 1次転写電圧:+500V 2次転写電圧:+1500V プロセススピード:120mm/sec 現像バイアス:Vdc=−400V Vac=1600Vpp 周波数=1800Hz
【0131】(実施例2)約140φの円筒状の金型
に、接着剤を表面に塗った綿糸(直径80μm)をピッ
チ0.8mmで螺旋状に巻き付けた。その上に、あらか
じめチューブ状に押し出した実施例1で用いたのと同一
配合のゴムコンパウンドを被せ、加硫及び研磨を行うこ
とにより、芯体層の上に厚さ0.6mmの弾性層を有す
る、厚さ約0.60〜0.75mmの芯体層入りゴムベ
ルトを得た。
【0132】次に下に示す塗料配合により、弾性層の上
層に第1及び第2の層を設けた。
【0133】(第1の層用塗料の調製)TPE−(A)
100部、導電性ホウ酸アルミニウムウイスカー30
部、及びDMF1000部を混合し、第1の層用塗料を
調製した。
【0134】(第2の層用塗料の調製)TPE−(B)
100部、分散助剤12部、ナイロン樹脂粉体(粒径
0.3μm)400部、及びDMF1200部を混合
し、表層用塗料を調製した。
【0135】TPE−(A)及びTPE−(B)の物性
を表1に示す。
【0136】この配合の塗料を該ゴムベルト上にスプレ
ー塗布し、室温にて指触乾燥後加熱することにより残存
溶剤を除去し、厚さ25μmの被覆層を有する図5に示
すような中間転写ベルトを得た。得られた中間転写ベル
トの抵抗値は6×108 Ωであった。
【0137】得られた中間転写ベルトを図7に示すフル
カラー電子写真装置に組み込み、実施例1と同様にして
転写効率の測定及び1万枚のフルカラー連続プリントを
行った。
【0138】なお、クリーニング用帯電部材7は実施例
1と同様のものを、転写残現像剤回収部材8には1×1
2 (Ω)の抵抗を持つ導電性ファーブラシを、感光ド
ラム1には最外層にPTFEの微粉末を含有しないOP
C感光ドラムを用いた。
【0139】初期より芯体に起因する画像濃度ムラもな
く、5万枚耐久後も該ベルトの永久伸びに起因する色ズ
レのない良好な画像が得られた。また、ベルト表層のヒ
ビ割れ、削れ、トナーのフィルミングもなかった。結果
を表2に示す。なお、その他の作像条件は実施例1と同
様である。
【0140】(比較例1)実施例1で用いたゴムコンパ
ウンドを円筒状の金型に巻き付け、加硫及び研磨を行う
ことにより、弾性層のみを有する厚さ0.8mmのゴム
ベルトを得た。
【0141】次に、実施例1で用いたのと同一配合の塗
料を該ゴムベルト上にスプレー塗布し、室温にて指触乾
燥後加熱することにより残存溶剤を除去した。
【0142】得られた中間転写ベルトの抵抗値は3×1
7 Ωであった。
【0143】得られた中間転写ベルトを図7に示す画像
形成装置に組み込み、実施例1と同様にして転写効率の
測定及び1万枚のフルカラー連続プリントを行った。
【0144】なお、クリーニング用帯電部材7、転写残
現像剤回収部材8及び感光ドラム1は実施例2と同様の
ものを用いた。
【0145】初期には画像濃度ムラもなく、良好な画像
が得られたが、1万枚耐久後は該ベルトの永久伸びに起
因する色ズレのため、高精細な画像を得ることができな
かった。ベルト表層のヒビ割れは発生しなかった。結果
を表2に示す。なお、作像条件は実施例1と同様であ
る。
【0146】(比較例2)弾性層は実施例1と同様にし
て芯体入りベルトを得た。次に、該ベルト上に実施例1
の第2の層に用いた塗料配合により、スプレー塗布し、
指触乾燥、加熱乾燥、減圧乾燥後、2層構成の中間転写
ベルトを得た。
【0147】得られた中間転写ベルトの抵抗値は6.5
×107 Ωであった。
【0148】この中間転写ベルトを図1に示されるフル
カラー電子写真装置に装着し、感光体としてOPC感光
体ドラムを用いて、シアン単色で転写効率を測定した。
第1の画像担持体である感光ドラムから中間転写体への
1次転写効率としては93%、中間転写体から第2の画
像担持体である80g/m2 紙への2次転写効率として
は91%であった。次に、感光体としてOPC感光ドラ
ムを用いて、繰り返し、フルカラー画像プリント試験を
行った。そのフルカラープリント画像は初期においては
ベタ画像において均質な画質が得られた。しかし、2.
7万枚の耐久試験後の第2の層を観察したところ、多量
の高潤滑性粉体を混合したことに起因する、中間転写ベ
ルトにひび割れや第2の層の浮きが見られ、その結果転
写ムラが発生し、耐久性のない中間転写ベルトとなっ
た。また、この耐久試験後、この中間転写ベルトを図1
に示されるフルカラー電子写真装置に装着し、感光体と
してのOPCドラムに直径0.5mmの穴を基材が見え
るまであけたものを用いて1次転写電圧+5kVを印加
し転写したところ、第2の層の浮きに起因するピンホー
ルリークが発生した。
【0149】また、この耐久テストの後、中間転写ベル
ト表面に1cm四方の切り込みをカッターによって入
れ、その上にガムテープを貼り付けた後、剥がしたとき
表層は、剥がれ、密着性不十分であることが分った。
【0150】
【表1】
【0151】
【表2】
【0152】
【発明の効果】本発明によれば、中間転写ベルトの端部
の破損がなく、繰り返し使用しても中間転写ベルトの永
久伸びによる色ズレの発生がなく、また芯体の部分の影
響を受けず、均一な画像を得ることができる画像形成装
置が可能となった。
【0153】更に、第1の画像担持体から中間転写体へ
の転写効率、及び中間転写体から第2の画像担持体への
転写効率が極めて高い画像形成装置が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】中間転写ベルトを有するフルカラー画像形成装
置の概略図である。
【図2】周方向に繊維を巻き込んだ中間転写ベルトの部
分斜視図である。
【図3】芯体層上に弾性層及び被覆層を有する中間転写
ベルトの斜視図である。
【図4】芯体層上に弾性層及び被覆層を有する中間転写
ベルトの部分斜視図である。
【図5】芯体層上に弾性層及び被覆層、更に下に弾性層
を有する中間転写ベルトの部分斜視図である。
【図6】本発明に用いる抵抗測定装置の概略図である
【図7】中間転写ベルトを有するフルカラー画像形成装
置の概略図である。
【符号の説明】
1 感光ドラム 2 1次帯電器 3 像露光手段 7 クリーニング用帯電部材 8 転写残現像剤回収部材 9 転写残現像剤回収容器 10 転写材ガイド 11 給紙ローラ 13 感光ドラムのクリーニング装置 15 定着器 20 中間転写ベルト 26 バイアス電源 27 バイアス電源 28 バイアス電源 29 バイアス電源 41 イエロー色現像装置 42 マゼンタ色現像装置 43 シアン色現像装置 44 ブラック色現像装置 63 2次転写ローラ 64 2次転写対向ローラ 200 駆動ローラ 201 金属ローラ 202 金属ローラ 203 金属ローラ 204 電源 205 抵抗器 206 電位差計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 篤志 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 芦邊 恒徳 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の画像担持体上に形成された画像を
    中間転写ベルトに転写した後、第2の画像担持体上に更
    に転写する画像形成装置において、該中間転写ベルトが
    弾性層及び芯体層を有し、該芯体層の上層に少なくと
    も、第1の層及び第2の層をこの順に有し、かつ第1の
    層と第2の層に用いられるバインダーが下式の範囲にあ
    ることに特徴とする画像形成装置。 引張り応力(kgf/cm2 ):第1の層のバインダー
    <第2の層のバインダー 伸び(%):第1の層のバインダー>第2の層のバイン
    ダー
  2. 【請求項2】 前記中間転写ベルトの第1の層に用いら
    れるバインダーの100%引張り応力が20〜60kg
    f/cm2 、伸びが400〜750%であり、前記中間
    転写ベルトの第2の層に用いられるバインダーの100
    %引張り応力が70〜150kgf/cm2 、伸びが3
    50〜600%である請求項1記載の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記中間転写ベルトの第2の層が、高潤
    滑性粉体を第2の層の全固形分に対し5〜80重量%含
    有する請求項1記載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 前記中間転写ベルトの第2の層が表面層
    である請求項2記載の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記中間転写ベルトの第1の層と第2の
    層の膜厚の関係が下式に従がう請求項1記載の画像形成
    装置。 5μm≦L1 ≦60μm L1 ≧L21 :第1の層の膜厚 L2 :第2の層の膜厚
  6. 【請求項6】 前記中間転写ベルトが該中間転写ベルト
    に繊維を巻き込んで形成された芯体層を有する請求項1
    の画像形成装置。
  7. 【請求項7】 前記繊維の直径が2〜500μmであ
    り、該繊維を前記中間転写ベルトの周方向に巻き込んで
    いる請求項6記載の画像形成装置。
  8. 【請求項8】 前記中間転写ベルトに巻き込んだ繊維の
    間隔が50〜3000μmである請求項6記載の画像形
    成装置。
  9. 【請求項9】 前記中間転写体がシームレス中間転写ベ
    ルトである請求項1記載の画像形成装置。
  10. 【請求項10】 前記芯体層の厚さが10〜500μ
    m、該芯体層の上層に設けた前記弾性層の厚さが10〜
    1500μm、かつ前記中間転写ベルトの厚さが0.1
    〜2mmである請求項1記載の画像形成装置。
  11. 【請求項11】 前記中間転写ベルトの抵抗値が1×1
    4 〜1×1011Ωである請求項1に記載の画像形成装
    置。
  12. 【請求項12】 前記第1の画像担持体が、導電性剛体
    ローラ上に感光層を有する感光ドラムでありかつ、該感
    光ドラムの少なくとも最外層に四フッ化エチレン樹脂の
    微粉末を含有する請求項1〜10のいずれか記載の画像
    形成装置。
  13. 【請求項13】 前記画像形成装置が、前記中間転写ベ
    ルトから前記第2の画像担持体に転写されなかった転写
    残現像剤にクリーニング用帯電部材を用いて電荷を付与
    して、該中間転写ベルトをクリーングする画像形成装置
    である請求項1〜12のいずれか記載の画像形成装置。
JP19076296A 1996-07-19 1996-07-19 画像形成装置 Expired - Fee Related JP3402944B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19076296A JP3402944B2 (ja) 1996-07-19 1996-07-19 画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19076296A JP3402944B2 (ja) 1996-07-19 1996-07-19 画像形成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1039642A true JPH1039642A (ja) 1998-02-13
JP3402944B2 JP3402944B2 (ja) 2003-05-06

Family

ID=16263311

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19076296A Expired - Fee Related JP3402944B2 (ja) 1996-07-19 1996-07-19 画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3402944B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6901234B2 (en) 2002-03-18 2005-05-31 Ricoh Company, Ltd. Image forming apparatus including an intermediate image transfer belt and high resistance contact member
US7440721B2 (en) 2005-03-30 2008-10-21 Kyocera Mita Corporation Intermediate transfer belt and image forming device
US7463856B2 (en) 2005-03-08 2008-12-09 Kyocera Mita Corporation Intermediate transfer belt and image forming apparatus
JP2010250355A (ja) * 2003-09-29 2010-11-04 Canon Inc トナー像担持体および該トナー担持体を有する電子写真装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6901234B2 (en) 2002-03-18 2005-05-31 Ricoh Company, Ltd. Image forming apparatus including an intermediate image transfer belt and high resistance contact member
JP2010250355A (ja) * 2003-09-29 2010-11-04 Canon Inc トナー像担持体および該トナー担持体を有する電子写真装置
JP4677509B2 (ja) * 2003-09-29 2011-04-27 キヤノン株式会社 トナー像担持体および該トナー担持体を有する電子写真装置
US7463856B2 (en) 2005-03-08 2008-12-09 Kyocera Mita Corporation Intermediate transfer belt and image forming apparatus
US7440721B2 (en) 2005-03-30 2008-10-21 Kyocera Mita Corporation Intermediate transfer belt and image forming device

Also Published As

Publication number Publication date
JP3402944B2 (ja) 2003-05-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6078773A (en) Image forming apparatus and intermediate transfer member
JP4196134B2 (ja) 中間転写部材及び画像形成装置
JP2001312159A (ja) 中間転写体及び画像形成装置
JP3466906B2 (ja) 画像形成装置及び中間転写体
JP3402944B2 (ja) 画像形成装置
JP4114991B2 (ja) 画像形成装置
JP3402943B2 (ja) 画像形成装置
JP3517544B2 (ja) 中間転写ベルトおよび画像形成装置
JP3416435B2 (ja) 画像形成装置
JP3775769B2 (ja) 画像形成装置及び中間転写体
JPH10198179A (ja) 転写装置及び画像形成装置
JP3461285B2 (ja) 画像形成装置、画像形成方法及び中間転写体
JPH1184901A (ja) 画像形成装置
JP2000321882A (ja) 画像形成装置
JP3408068B2 (ja) 画像形成装置
JP3466849B2 (ja) 画像形成装置
JP3530711B2 (ja) 画像形成装置用中間転写体
JPH08211757A (ja) 中間転写体及び該中間転写体を有する画像形成装置
JPH1145015A (ja) 中間転写部材
JP3376215B2 (ja) 画像形成装置及び画像形成方法
JP3391964B2 (ja) 中間転写体及び該中間転写体を有する画像形成装置
JP3582764B2 (ja) 中間転写体の製造方法
JPH10186893A (ja) 画像形成装置および中間転写ベルト
JP3524335B2 (ja) 中間転写体の製造方法
JP3402977B2 (ja) 画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080229

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090228

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100228

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100228

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110228

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120229

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130228

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140228

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees