JP2016218427A - 半導体樹脂組成物からなる構造体、中間転写体及び画像形成装置 - Google Patents

半導体樹脂組成物からなる構造体、中間転写体及び画像形成装置 Download PDF

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綾乃 百瀬
哲 泉谷
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哲 泉谷
誠 松下
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誠 松下
英明 安永
Hideaki Yasunaga
英明 安永
圭一郎 重里
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圭一郎 重里
裕理 芳賀
Yuri Haga
裕理 芳賀
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Abstract

【課題】電子写真用中間転写体として求められる半導電性を持ち、ベルト伸びによる機械特性の低下等がなく、品質が良好で、ベルト表面の光沢度も満足でき、ブレードでトナーをクリーニングする際のクリーニング性も良好な半導体樹脂組成物からなる構造体を提供する。【解決手段】熱可塑性樹脂と、該熱可塑性樹脂に非相溶である導電性樹脂とを含む半導体樹脂組成物からなる構造体であって、該構造体の表面から垂直方向に測定した時のマルテンス硬度が50(N/mm2)以上であり、任意の10点を測定した際のマルテンス硬度の最大値と最小値の差が20(N/mm2)以内であるものとする。【選択図】図1

Description

本発明は、半導体樹脂組成物からなる構造体、中間転写体及び画像形成装置に関する。
電子写真装置においては、現像されたトナー像を一旦、ベルト状中間転写媒体に中間転写し、その後、紙などの最終転写媒体に二次転写することが行われている。特に最近のフルカラー電子写真装置においては、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色の現像画像を、一旦、中間転写媒体上に色重ねし、その後一括して紙などの最終転写媒体に転写する中間転写ベルト方式が用いられている。したがって、電子写真装置は、フルカラー複写も、黒色のモノクローム複写も可能であり、また、厚みやサイズ、材質や静電特性の異なる各種の紙などの最終転写媒体を使用可能であることが要求される。
このような電子写真画像形成装置用の中間転写ベルトを構成する樹脂材料としては、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂が用いられている。また、通常、樹脂材料に起因する高絶縁性を緩和するため、カーボンブラック、金属微粒子等の導電性微粒子、炭化水素基含有アンモニウム塩のようなイオン導電剤、親水性セグメントを持つ高分子等の抵抗調節剤などが添加されている。
また、中間転写ベルトを生産する方法としては、連続生産が可能で、製造時の環境負荷の低減が図れ、リサイクルが容易であるなど、環境負荷が熱硬化性樹脂に比べて小さい熱可塑性樹脂を押出成型法で導電性エンドレスベルトに加工する技術が知られている(特許文献1〜4参照)。
しかし、このような手法を使った中間転写体においては、導電性を導電性粒子や導電剤で調整しようとすると、樹脂の機械特性の低下や、画像形成装置で使用する際に必要な、ベルト表面に付着したトナー量を検知するために必要な特性値であるベルト表面の光沢度の低下を引き起こすという課題があった。
すなわち、導電性粒子や導電剤の分散性を向上させて導電性を調整するために、成型する際に加える熱量とせん断エネルギーを上げて導電性材料を微分散化すると、材料の熱劣化が進み、機械特性が低下してしまう。
また、導電性粒子や導電剤の添加量を増やした場合、ベルト表面に導電性粒子や導電性樹脂が偏在し表面粗さを大きくし光沢度を低下させたり、基材樹脂の結晶化度を低下させ引張強度を低下させたりする。また、基材樹脂中の導電剤の分散状態を向上させる方法では、熱可塑性樹脂の高分子鎖が切断したり、結晶領域まで導電性微粒子が侵入したりし、半導電性材料の弾性率やガラス転位温度(Tg)の低下を引き起こすため、実際にプリンタ装置に組み込んで使用した際に、ベルト伸びによる品質低下の原因となる。
また、中間転写体に求められる特性としては、上記に加えてブレードでトナーをクリーニングする際のクリーニング性も重要である。
本発明は、前記従来技術の問題点を解決し、電子写真用中間転写体として求められる半導電性を持ち、ベルト伸びによる機械特性の低下等がなく、品質が良好で、ベルト表面の光沢度も満足でき、ブレードでトナーをクリーニングする際のクリーニング性も良好な半導体樹脂組成物からなる構造体を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明は、熱可塑性樹脂と、該熱可塑性樹脂に非相溶である導電性樹脂とを含む半導体樹脂組成物からなる構造体であって、
該構造体の表面から垂直方向に測定した時のマルテンス硬度が50(N/mm)以上であり、任意の10点を測定した際のマルテンス硬度の最大値と最小値の差が20(N/mm)以内であることを特徴とする。
本発明によれば、電子写真用中間転写体として求められる半導電性を持ち、ベルト伸びによる機械特性の低下等がなく、品質が良好で、ベルト表面の光沢度も満足でき、ブレードでトナーをクリーニングする際のクリーニング性も良好な半導体樹脂組成物からなる構造体を提供することができる。
中間転写体の一例のベルト周方向断面(a)および押出方向断面(b)の概略図である。 本発明の中間転写体の一例の無端状中間転写ベルトを示す外観図である。 本発明の中間転写体の製造に用いられる押出成型機の一例の概略図である。 本発明の画像形成装置の一例を示す概略図である。 本発明の画像形成装置の他の一例における要部構成を示す概略図である。 本発明の中間転写体の一例のベルト周方向断面の概略図であり、(a)は針状チタニアを含まない場合、(b)は針状チタニアを含む場合を示す。 本発明の中間転写体の一例のベルト押出方向断面の概略図であり、(a)は針状チタニアを含まない場合、(b)は針状チタニアを含む場合を示す。
半導体樹脂組成物からなる構造体は、熱可塑性樹脂と、該熱可塑性樹脂に非相溶である導電性樹脂とを含む半導体樹脂組成物からなる構造体であって、該構造体の表面から垂直方向に測定した時のマルテンス硬度が50(N/mm)以上であり、任意の10点を測定した際のマルテンス硬度の最大値と最小値の差が20(N/mm)以内であることを特徴とする。
ここで、「熱可塑性樹脂に非相溶である」とは、熱可塑性樹脂との溶解度パラメータ(SP)値の差が2,5以上あることを意味する。またマルテンス硬度については、半導体樹脂組成物からなる構造体の値を指す。また、半導体樹脂組成物からなる構造物は、ベルト状構造物であることが好ましい。
本発明による中間転写体は、熱可塑性樹脂と、該熱可塑性樹脂に非相溶である導電性樹脂とを含む無端ベルト状の中間転写体であって、ベルト表面に垂直方向に測定した時のマルテンス硬度が50(N/mm)以上であり、ベルト幅方向に任意の10点を測定した際のマルテンス硬度の最大値と最小値の差が20(N/mm)以内であることを特徴とする。
本出願人はすでに、熱可塑性樹脂と導電性樹脂と導電性無機粒子を含有する無端状の中間転写体において、熱可塑性樹脂が連続相を形成し導電性樹脂が不連続相を形成する海島構造を有し、無端方向と垂直の方向の断面における導電性樹脂の断面形状が楕円形で、その長径をa、短径をbとして、bが0.5〜5μm、かつ、1≦a/b≦30であり、無端状中間転写体の無端方向と垂直の方向の断面積に占める導電性樹脂の断面積の割合cが1≦c≦20%となるような中間転写体を開発している(特願2013−191052号)。
この中間転写体においては、絶縁性の基材樹脂中に基材樹脂とはSP(溶解パラメータ)値の差が2.5以上あるエーテル結合を含む非イオン系導電性樹脂を分散させて海島構造を作り、その島と島の間に導電性パスを作る目的で一次粒径が50〜300nmである導電性粒子のカーボンブラックを凝集した状態で分散させている。電気抵抗値を制御する際には、ベルト成型温度を上昇させることにより、ベルト原料コンパウンドの基材樹脂粘度を低下させ、コンパウンド中に分散している導電性粒子の凝集を促進させ、導電性を上げてベルト抵抗値を所望の値に制御する。海島構造は、島ドメインの最も長い辺の長さfが、1≦f≦5(μm)であることが好ましい。
図1は、かかる海島構造の中間転写体における、ベルト周方向断面(a)および押出方向断面(b)の概略図である。この中間転写体は、絶縁性のベルト基材樹脂である熱可塑性樹脂11中に導電性樹脂12が添加され、熱可塑性樹脂11と導電性樹脂12はミクロ相分離状態にあり、海島構造を形成している。
しかし、このような中間転写体では、図1(a)、(b)に示すように、金型成型時に原料コンパウンド中の、より密度の低い成分である熱可塑性樹脂の中でも分子量の低いものや、導電性樹脂成分の一部が低分子量成分14として表面に偏在することがある。そのため、耐久性評価をすると、ベルト表面の低分子量成分がトナークリーニング用のブレードに付着・堆積し、トナークリーニング性が劣る場合がある。
すなわち、ベルト表面に残留する重量平均分子量(Mw)10000以下の低分子量成分が、クリーニングブレードを用いてベルト表面に残留したトナー除去を行ううちにブレードに蓄積され、画像汚れの原因になる。
ベルト中に含まれるMw10000以下の硬度の低い低分子量成分は、ベルトを成型し冷却する際に、表面に偏在しやすく、また引取り速度、冷却温度のわずかな差で、その偏在状態も容易に変化するため制御が難しい。加えて、ベルト表面の凹凸を除去し光沢度を向上させるための研磨工程では、どの程度表層の付着物が除去されたかという指標を用いていなかったため、ベルト表層に偏在する樹脂成分量を管理することはできない。
本発明では、ベルト表面の硬度及び微小硬度のばらつきを制御することで、ベルト表層付近に低分子量成分が偏在することを防ぎ、トナークリーニングを容易にすることができる中間転写ベルトを得ることができる。また本発明の中間転写体は、ベルト伸びによる機械特性の低下等がなく、品質が良好で、ベルト表面の光沢度も満足できるものである。
本発明の半導体樹脂組成物は、熱可塑性樹脂と、該熱可塑性樹脂に非相溶である導電性樹脂とを含む。
熱可塑性樹脂としてはフッ素原子を含有する化学構造を持つことが好ましく、特に結晶性の熱可塑性樹脂であって、フッ化ビニリデンのホモポリマー及び/又はフッ化ビニリデンコポリマー、ポリエチレン−テトラフルオロエチレン樹脂(ETFE)、フッ化ビニリデン−四フッ化エチレン共重合体樹脂(PVDF-ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)及びテトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)から選ばれるいずれかであることが好ましい。
熱可塑性樹脂に非相溶である導電性樹脂としては、ポリエーテル、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、及びこれらの中から選ばれた二種以上の構造を持つ共重合体を主構造単位とするポリマーが挙げられる。中でもポリエーテルユニットを有するポリマーが好ましい。また、導電性樹脂のSP値は7〜11の範囲内が好ましい。
(導電性フィラー)
本発明においては、導電性フィラーを含むことが好ましく、導電性フィラーとしては、例えばカーボンブラック、黒鉛、天然グラファイト、人造グラファイト、酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛、ニッケル、銅などが挙げられる。このうち、特にカーボンブラックが挙げられる。
前記カーボンブラックの平均一次粒子径は5〜50nmであることが好ましい。カーボンブラックの添加量は半導体樹脂組成物全体に対して1〜20質量%が好ましい。
(針状のチタニア等)
また本発明においては、導電性フィラーが針状のチタニア、アルミナ、酸化亜鉛又はクレーを含むものであることが好ましい。
針状のチタニア、アルミナ、酸化亜鉛又はクレー(以下、針状のチタニア等と称する。)のアスペクト比dは、10≦d≦40であることが好ましく、その配合量は、半導体樹脂組成物全体に対して0.01〜10質量%が好ましい。
針状のチタニア等のアスペクト比dは、10≦d≦40であることが好ましく、長辺の長さaが、0.5≦a≦5(μm)であることが好ましい。
さらに、用いられる針状のチタニア等の吸油量eが、25≦e≦70(g/100g)であることが好ましく、その配合量は、半導体樹脂組成物全体に対して、特に1≦b≦5(wt%)であることが好ましい。針状のチタニア等の添加量が上記の範囲で、所望の電気特性が得られる。また光沢度・表面形状への影響を考慮して適切な添加量を選択する。
針状のチタニア等を配合することで、絶縁性の基材樹脂である熱可塑性樹脂中に分散した導電性樹脂の島状ドメイン同士を効果的に接続することができる。このため、カーボンブラックの微粒子のみで抵抗値を制御した場合に比べ、少ない添加量および小さいせん断速度で所望の導電性を確保することが可能となる。また島と島の間に存在するカーボンブラックの凝集状態は、成型温度およびせん断速度の少しの差でも変化しやすく制御が難しいのに対し、針状チタニア等を配合すると安定して所望の導電性のベルトを得ることができる。
さらに、針状のチタニア等の強度がベルトに加わることで高強度のベルトを得ることができ、耐久性の向上も可能となる。
その結果として、所望の電気特性を持ち、ベルト面内での電気特性の差が少なく、表面性がよりよいため十分な光沢度を持ち、耐久性の優れたベルトを得ることができる。
図6は、本発明の中間転写体の一例のベルト周方向断面の概略図であり、(a)は針状チタニアを含まない場合、(b)は針状チタニアを含む場合を示す。また図7は本発明の中間転写体の一例のベルト押出方向断面の概略図であり、(a)は針状チタニアを含まない場合、(b)は針状チタニアを含む場合を示す。
図6(b)及び図7(b)のように、導電性樹脂12の島と島の間隔(不定形だが平均しておよそ3μm以下)を、カーボンブラック13により作られた導電性パスと針状チタニア15の二種類の導電性微粒子を用いてつなぐことで、より強固で安定した導電性パスを形成できる。押出成形法で成形した導電性樹脂材料中では、針状チタニア15は主に押出方向にほぼ平行に配向した状態(図7(b)参照)で存在し、一部長辺の短いものや配向しなかったものは、分散され、ランダムな方向を向いた状態で存在している。
そのため、導電性樹脂材料の抵抗制御をカーボンブラックの凝集状態の制御のみで行う場合に比べて、温度・圧力・せん断速度などの成形条件の調整が容易となり、カーボンブラックの添加量を減らしても、樹脂成形物中で導電性樹脂を十分攪拌すれば抵抗値を容易に制御できるため、成型時の温度およびせん断速度のわずかな変化により発生する、ベルと抵抗値の変動やベルト面内の抵抗バラつきが小さく、所望の抵抗値の成形物を得ることが出来る。
なおここでは、針状チタニアを例にとって説明したが、針状のアルミナ、酸化亜鉛又はクレーを含む場合も同様である。
本発明の中間転写体としては、無端状中間転写ベルトや中間転写ドラムが挙げられる。
図2は、本発明の中間転写体の一例の無端状中間転写ベルト20を示す外観図である。
この無端状中間転写ベルト20は可撓性を有し自在に変形可能である。図2は、無端状中間転写ベルト20を2本のロールに架け渡した際の状態を示している。また無端状中間転写ベルトの寸法は、通常、円筒形状としたときの外径が100〜300mm程度、幅Wが100〜300mm程度、厚みtが50〜200μm程度である。
(マルテンス硬度)
本発明において、中間転写体の外表面を垂直方向(厚み方向)に測定した時のマルテンス硬度は50(N/mm)以上であり、ベルト押し出し方向、即ち図2のW方向に任意の10点を測定した際のマルテンス硬度の最大値と最小値の差が20(N/mm)以内である。マルテンス硬度は、より好ましくは120(N/mm)以上である。
マルテンス硬度が低いと、上述したベルト伸びなどの機械特性の低下の原因となる。また、ベルトの表面が均一な硬さでなければ印刷の質にムラが生じると共に、トナークリーニング性に劣る。上記の構成とすることで、ベルト伸びによる機械特性の低下等がなく、品質が良好で、ベルト表面の光沢度も満足できるものであると共に、トナークリーニング性も優れた中間転写体とすることができる。
また、垂直方向に測定した時のマルテンス硬度は、200(N/mm)以下であることが、連続使用後も割れや欠けが発生しにくく高い耐久性を持つベルトを得るためには好ましい。
ここで、マルテンス硬度の測定は次のようにして行う。
本発明においてマルテンス硬度は、ガラス板上に中間転写体の外表面を設置したサンプルを、ビッカース圧子で最大荷重5mNで押込んだときの硬度のことをいう。上記マルテンス硬度は、Fisher社製のFisherScope HM2000 LTにより測定を行う。
測定は、一つの測定位置につき5点、100μm程度ずらして測定をおこない、その平均値をとる。
ベルト表面に垂直方向に測定した時のマルテンス硬度を50(N/mm)以上とすること、及びベルト押し出し方向に任意の10点を測定した際のマルテンス硬度の最大値と最小値の差を20(N/mm)以内であるようにすることは、中間転写体の押出成型後の研磨工程において、研磨材の回転速度を調整することや、押出成型時のスクリューの回転速度、バフの清掃処理の回数を調整すること等によって可能である。
本発明の中間転写体は、表面粗さRzが0.5μm以下であることが好ましい。表面粗さRzが0.5μm以下であることで、中間転写体表層付近の低分子量成分の偏在をより防止でき、トナークリーニングの際にトナーが残留したり、光沢度の低下によってトナーの検知精度が低下したりするといった問題をより防ぐことができる。
また本発明の中間転写体の表面粗さRaは、0.01≦Ra≦0.065(μm)であることが好ましい。
また、500V印加時の表面抵抗値(a)が、10≦a≦1013(Ω/□)であることが好ましい。表面抵抗値aが、10≦a≦1013(Ω/□)であることで、異常画像の発生を防止できる。
(中間転写体の製造方法)
本発明における前記中間転写体の製造方法は、溶融した原料を押出成型して無端ベルト状にする押出成型工程と、前記無端ベルト状に成型した成型体の表面を研磨する研磨工程を備え、前記研磨工程は、バフ研磨により、回転速度が1200〜2500rpmで行うことを特徴とする。
図3は本発明による中間転写体の製造方法の一例に用いられる押出成型機である。
押出成型機は、ベルト材料を供給するための材料投入口21と、材料投入口21から供給された原料を溶解し搬送する経路を形成する押出機22と、シリンダの内部に配置され、ベルト材料の樹脂を溶解搬送するスクリュー23を備えている。押し出された溶融樹脂は樹脂注入口24から成型金型25に流入する。さらに、成型金型25の出口の下方には溶融状態のフイルムを目的のサイズに調整するためのサイジング金型26、サイジング金型26でサイズが調整された円筒状フイルムを引き取る引取機27及び切断機28から構成される。
成型金型25に流入した溶融樹脂は、成型金型25内に設けられた内側マンドレルと外側マンドレルとの間の隙間を拡散しながら流下して、溶融状態の円筒状のフイルムとなって成型金型25の外部に連続的に出てくる。成型金型25から連続的に出てきた溶融状態の円筒状のフイルムは、成型金型25の出口の下方に配置されたサイジング金型26の外周面に添いつつ、引取機27により引き出される。サイジング金型26の外周面に添うことで冷却固化されると共に、所定の周長と厚みとなる。次いで、切断機28で所定の寸法に切断されてシームレスベルトが完成する。
なお、成型金型25は外周面にバンドヒータを巻いて加温し、所定の温度を保つように構成されている。サイジング金型26は、内部に冷却水の循環路が設けられ、冷却水を循環することにより約80℃を保ち、成型金型25から連続的に出てきた溶融状態の円筒状のフイルムを冷却する。
成型金型25には、コートハンガー溝と呼ばれる環状の樹脂流路を備えた成型金型や、内側マンドレルの表面に複数(例えば8本)のスパイラル状の樹脂流路が形成されているスパイラルダイと呼ばれるもの等があるが、どちらを用いても問題ない。
表面に偏在する導電性樹脂は、樹脂の吐出から融点以下に冷却されるまでの時間が短いほど、減少する。スクリュー23の回転速度および引取機27の速度はそれぞれ、25〜35[rpm]、1.2〜2.0[m/min]の範囲内であることが好ましい。
上記の方法で成型された中間転写ベルトは、次いで研磨工程を経る。
本発明の研磨工程におけるベルト表面研磨方法としては、一般に樹脂の成型法で用いられる加工法によって成型された表面を研磨する方法であれば特に制限はなく、ロール圧延、機械式研磨、バフ研磨、ラップ研磨等の加工方法を用いることができる。また、研磨方法は、成型体の材質や補修時の傷の深さによって、粗磨きから仕上げへと段階的に行っても良い。
本発明においては、特に生産性の観点からバフ研磨が好ましく、バフ研磨に用いるバフ材は硬度の柔らかいものが好ましい。この際、1200〜1800rpmの回転速度で行うことが好ましい。
(画像形成装置)
本発明の画像形成装置は、像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該像担持体上に形成された静電潜像にトナーを用いてトナー像とする現像手段と、前記像担持体上のトナー像を中間転写体上に転写する一次転写手段と、該中間転写体上のトナー像を記録媒体上に転写する二次転写手段と、該記録媒体上のトナー像を定着する定着手段と、を備えた画像形成装置であって、前記中間転写体が、本発明の中間転写体であることを特徴とする。
本発明の画像形成装置は、潜像が形成され、トナー像を担持可能な像担持体と、該像担持体上に形成された潜像をトナーで現像する現像手段と、該現像手段により現像されたトナー像が一次転写される中間転写体と、該中間転写体上に担持されたトナー像を記録媒体に二次転写する転写手段とを有してなり、さらに必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。前記中間転写体として、本発明の中間転写体が用いられる。
この場合、前記画像形成装置がフルカラー画像形成装置であって、各色の現像手段を有する複数の潜像担持体を直列に配置してなるものが好ましい。
本発明における画像形成装置に装備されるベルト構成部に用いられるシームレスベルトについて、要部模式図を参照しながら以下に詳しく説明する。なお、模式図は一例であって本発明はこれに限定されるものではない。
図4は、本発明に係る中間転写体をベルト部材として装備する画像形成装置を説明するための要部模式図である。図4に示すベルト部材を含む中間転写ユニット500は、複数のローラに張架された中間転写体である中間転写ベルト501などにより構成されている。この中間転写ベルト501の周りには、2次転写ユニット600の2次転写電荷付与手段である2次転写バイアスローラ605、中間転写体クリーニング手段であるベルトクリーニングブレード504、潤滑剤塗布手段の潤滑剤塗布部材である潤滑剤塗布ブラシ505などが対向するように配設されている。
また、位置検知用マークが中間転写ベルト501の外周面または内周面に図示しない位置検知用マークが設けられる。ただし、中間転写ベルト501の外周面側については位置検知用マークがベルトクリーニングブレード504の通過域を避けて設ける工夫が必要であり、配置上の困難さを伴うことがあるので、その場合には位置検知用マークを中間転写ベルト501の内周面側に設けてもよい。マーク検知用センサとしての光学センサ514は、中間転写ベルト501が架け渡されている1次転写バイアスローラ507とベルト駆動ローラ508との間の位置に設けられる。
この中間転写ベルト501は、1次転写電荷付与手段である1次転写バイアスローラ507、ベルト駆動ローラ508、ベルトテンションローラ509、2次転写対向ローラ510、クリーニング対向ローラ511、及びフィードバック電流検知ローラ512に張架されている。各ローラは導電性材料で形成され、1次転写バイアスローラ507以外の各ローラは接地されている。1次転写バイアスローラ507には、定電流又は定電圧制御された1次転写電源801により、トナー像の重ね合わせ数に応じて所定の大きさの電流または電圧に制御された転写バイアスが印加されている。
中間転写ベルト501は、図示しない駆動モータによって矢印方向に回転駆動されるベルト駆動ローラ508により、矢印方向に駆動される。
このベルト部材である中間転写ベルト501は、通常、半導体、又は絶縁体で、単層又は多層構造となっているが、本発明においてはシームレスベルトが好ましく用いられ、これによって耐久性が向上すると共に、優れた画像形成が実現できる。また、中間転写ベルトは、感光体ドラム200上に形成されたトナー像を重ね合わせるために、通紙可能最大サイズより大きく設定されている。
2次転写手段である2次転写バイアスローラ605は、2次転写対向ローラ510に張架された部分の中間転写ベルト501のベルト外周面に対して、後述する接離手段としての接離機構によって、接離可能に構成されている。2次転写バイアスローラ605は、2次転写対向ローラ510に張架された部分の中間転写ベルト501との間に被記録媒体である転写紙Pを挟持するように配設されており、定電流制御される2次転写電源802によって所定電流の転写バイアスが印加されている。
レジストローラ610は、2次転写バイアスローラ605と2次転写対向ローラ510に張架された中間転写ベルト501との間に、所定のタイミングで転写材である転写紙Pを送り込む。また、2次転写バイアスローラ605には、クリーニング手段であるクリーニングブレード608が当接している。該クリーニングブレード608は、2次転写バイアスローラ605の表面に付着した付着物を除去してクリーニングするものである。
このような構成のカラー複写機において、画像形成サイクルが開始されると、感光体ドラム200は、図示しない駆動モータによって矢印で示す半時計方向に回転され、該感光体ドラム200上に、Bk(ブラック)トナー像形成、C(シアン)トナー像形成、M(マゼンタ)トナー像形成、Y(イエロー)トナー像形成が行われる。中間転写ベルト501はベルト駆動ローラ508によって矢印で示す時計回りに回転される。この中間転写ベルト501の回転に伴って、1次転写バイアスローラ507に印加される電圧による転写バイアスにより、Bkトナー像、Cトナー像、Mトナー像、Yトナー像の1次転写が行われ、最終的にBk、C、M、Yの順に中間転写ベルト501上に各トナー像が重ね合わせて形成される。なお、トナー像の形成の順番は特に制限はなく、これに限られるものではない。
例えば、上記Bkトナー像形成は次のように行われる。
図4において、帯電チャージャ203は、コロナ放電によって感光体ドラム200の表面を負電荷で所定電位に一様に帯電する。上記ベルトマーク検知信号に基づき、タイミングを定め、図示しない書き込み光学ユニットにより、Bkカラー画像信号に基づいてレーザ光によるラスタ露光を行う。このラスタ像が露光されたとき、当初一様帯電された感光体ドラム200の表面の露光された部分は、露光光量に比例する電荷が消失し、Bk静電潜像が形成される。このBk静電潜像に、Bk現像器231Kの現像ローラ上の負帯電されたBkトナーが接触することにより、感光体ドラム200の電荷が残っている部分にはトナーが付着せず、電荷の無い部分つまり露光された部分にはトナーが吸着し、静電潜像と相似なBkトナー像が形成される。
このようにして感光体ドラム200上に形成されたBkトナー像は、感光体ドラム200と接触状態で等速駆動回転している中間転写ベルト501のベルト外周面に1次転写される。この1次転写後の感光体ドラム200の表面に残留している若干の未転写の残留トナーは、感光体ドラム200の再使用に備えて、感光体クリーニング装置201で清掃される。この感光体ドラム200側では、Bk画像形成工程の次にC画像形成工程に進み、所定のタイミングでカラースキャナによるC画像データの読み取りが始まり、そのC画像データによるレーザ光書き込みによって、感光体ドラム200の表面にC静電潜像を形成する。
そして、先のBk静電潜像の後端部が通過した後で、且つC静電潜像の先端部が到達する前にリボルバ現像ユニット230の回転動作が行われ、C現像機231Cが現像位置にセットされ、C静電潜像がCトナーで現像される。以後、C静電潜像領域の現像を続けるが、C静電潜像の後端部が通過した時点で、先のBk現像機231Kの場合と同様にリボルバ現像ユニットの回転動作を行い、次のM現像機231Mを現像位置に移動させる。これもやはり次のY静電潜像の先端部が現像位置に到達する前に完了させる。なお、M及びYの画像形成工程については、それぞれのカラー画像データ読み取り、静電潜像形成、現像の動作が上述のBk、Cの工程と同様であるので説明は省略する。
このようにして感光体ドラム200上に順次形成されたBk、C、M、Yのトナー像は、中間転写ベルト501上の同一面に順次位置合わせされて1次転写される。これにより、中間転写ベルト501上に最大で4色が重ね合わされたトナー像が形成される。一方、上記画像形成動作が開始される時期に、転写紙Pが転写紙カセット又は手差しトレイなどの給紙部から給送され、レジストローラ610のニップで待機している。
そして、2次転写対向ローラ510に張架された中間転写ベルト501と2次転写バイアスローラ605によりニップが形成された2次転写部に、上記中間転写ベルト501上のトナー像の先端がさしかかるときに、転写紙Pの先端がこのトナー像の先端に一致するように、レジストローラ610が駆動されて、転写紙ガイド板601に沿って転写紙Pが搬送され、転写紙Pとトナー像とのレジスト合わせが行われる。
このようにして、転写紙Pが2次転写部を通過すると、2次転写電源802によって2次転写バイアスローラ605に印加された電圧による転写バイアスにより、中間転写ベルト501上の4色重ねトナー像が転写紙P上に一括転写(2次転写)される。この転写紙Pは、転写紙ガイド板601に沿って搬送されて、2次転写部の下流側に配置した除電針からなる転写紙除電チャージャ606との対向部を通過することにより除電された後、ベルト構成部であるベルト搬送装置210により定着装置270に向けて送られる。
そして、この転写紙Pは、定着装置270の定着ローラ271、272のニップ部でトナー像が溶融定着された後、図示しない排出ローラで装置本体外に送り出され、図示しないコピートレイに表向きにスタックされる。なお、定着装置270は必要によりベルト構成部を備えた構成とすることもできる。
一方、上記ベルト転写後の感光体ドラム200の表面は、感光体クリーニング装置201でクリーニングされ、上記除電ランプ202で均一に除電される。また、転写紙Pにトナー像を2次転写した後の中間転写ベルト501のベルト外周面に残留した残留トナーは、ベルトクリーニングブレード504によってクリーニングされる。該ベルトクリーニングブレード504は、図示しないクリーニング部材離接機構によって、該中間転写ベルト501のベルト外周面に対して所定のタイミングで接離されるように構成されている。
このベルトクリーニングブレード504の上記中間転写ベルト501の移動方向上流側には、該中間転写ベルト501のベルト外周面に対して接離するトナーシール部材502が設けられている。このトナーシール部材502は、上記残留トナーのクリーニング時に上記ベルトクリーニングブレード504から落下した落下トナーを受け止めて、該落下トナーが上記転写紙Pの搬送経路上に飛散するのを防止している。このトナーシール部材502は、上記クリーニング部材離接機構によって、上記ベルトクリーニングブレード504とともに、該中間転写ベルト501のベルト外周面に対して接離される。
このようにして残留トナーが除去された中間転写ベルト501のベルト外周面には、上記潤滑剤塗布ブラシ505により削り取られた潤滑剤506が塗布される。該潤滑剤506は、例えば、ステアリン酸亜鉛などの固形体からなり、該潤滑剤塗布ブラシ505に接触するように配設されている。また、この中間転写ベルト501のベルト外周面に残留した残留電荷は、該中間転写ベルト501のベルト外周面に接触した図示しないベルト除電ブラシにより印加される除電バイアスによって除去される。ここで、上記潤滑剤塗布ブラシ505及び上記ベルト除電ブラシは、それぞれの図示しない接離機構により、所定のタイミングで、上記中間転写ベルト501のベルト外周面に対して接離されるようになっている。
ここで、リピートコピーの時は、カラースキャナの動作及び感光体ドラム200への画像形成は、1枚目の4色目(Y)の画像形成工程に引き続き、所定のタイミングで2枚目の1色目(Bk)の画像形成工程に進む。また、中間転写ベルト501は、1枚目の4色重ねトナー像の転写紙への一括転写工程に引き続き、ベルト外周面の上記ベルトクリーニングブレード504でクリーニングされた領域に、2枚目のBkトナー像が1次転写されるようにする。その後は、1枚目と同様動作になる。
以上は、4色フルカラーコピーを得るコピーモードであったが、3色コピーモード、2色コピーモードの場合は、指定された色と回数の分について、上記同様の動作を行うことになる。また、単色コピーモードの場合は、所定枚数が終了するまでの間、リボルバ現像ユニット230の所定色の現像機のみを現像動作状態にし、ベルトクリーニングブレード504を中間転写ベルト501に接触させたままの状態にしてコピー動作を行う。
上記実施形態では、感光体ドラム1を一つだけ備えた複写機について説明したが、本発明は、例えば、図5の要部模式図に一構成例を示すような、複数の感光体ドラムをシームレスベルトからなる一つの中間転写ベルトに沿って並設した画像形成装置にも適用できる。
図5は、4つの異なる色(ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン)のトナー像を形成するための4つの感光体ドラム21BK、21Y、21M、21Cを備えた4ドラム型のデジタルカラープリンタの一構成例を示す。
図5において、プリンタ本体10は電子写真方式によるカラー画像形成を行うための、画像書込部12、画像形成部13、給紙部14、から構成されている。画像信号を元に画像処理部で画像処理して画像形成用の黒(BK)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、シアン(C)の各色信号に変換し、画像書込部12に送信する。画像書込部12は、例えば、レーザ光源と、回転多面鏡等の偏向器と、走査結像光学系、及びミラー群、からなるレーザ走査光学系であり、上記の各色信号に対応した4つの書込光路を有し、画像形成部13の各色毎に設けられた像坦持体(感光体)21BK、21M、21Y、21Cに各色信号に応じた画像書込を行う。
画像形成部13は黒(BK)用、マゼンタ(M)用、イエロー(Y)用、シアン(C)用の各像坦持体である感光体21BK、21M、21Y、21Cを備えている。この各色用の各感光体としては、通常OPC(Organic Photoconductor)感光体が用いられる。各感光体21BK、21M、21Y、21Cの周囲には、帯電装置、上記書込部12からのレーザ光の露光部、黒、マゼンタ、イエロー、シアンの各色用の現像装置20BK、20M、20Y、20C、1次転写手段としての1次転写バイアスローラ23BK、23M、23Y、23C、クリーニング装置(表示略)、及び図示しない感光体除電装置等が配設されている。なお、上記現像装置20BK、20M、20Y、20Cには、2成分磁気ブラシ現像方式を用いている。ベルト構成部である中間転写ベルト22は、各感光体21BK、21M、21Y、21Cと、各1次転写バイアスローラ23BK、23M、23Y、23Cとの間に介在し、各感光体上に形成された各色のトナー像が順次重ね合わせて転写される。
一方、転写紙Pは、給紙部14から給紙された後、レジストローラ16を介して、ベルト構成部である転写搬送ベルト50に担持される。そして、中間転写ベルト22と転写搬送ベルト50とが接触するところで、上記中間転写ベルト22上に転写されたトナー像が、2次転写手段としての2次転写バイアスローラ60により2次転写(一括転写)される。これにより、転写紙P上にカラー画像が形成される。このカラー画像が形成された転写紙Pは、転写搬送ベルト50により定着装置15に搬送され、この定着装置15により転写された画像が定着された後、プリンタ本体外に排出される。
なお、上記2次転写時に転写されずに上記中間転写ベルト22上に残った残留トナーは、ベルトクリーニング部材25によって中間転写ベルト22から除去される。このベルトクリーニング部材25の下流側には、潤滑剤塗布装置27が配設されている。この潤滑剤塗布装置27は、固形潤滑剤と、中間転写ベルト22に摺擦して固形潤滑剤を塗布する導電性ブラシとで構成されている。前記導電性ブラシは、中間転写ベルト22に常時接触して、中間転写ベルト22に固形潤滑剤を塗布している。固形潤滑剤は、中間転写ベルト22のクリーニング性を高め、フィルミィングの発生を防止し耐久性を向上させる作用がある。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、これら実施例によって制限されるものではない。なお、例中の「部」は「重量部」である。
実施例1
[樹脂ペレット1の作製]
熱可塑性樹脂のポリフッ化ビニリデン樹脂(アルケマジャパン社製:Kynar720、融点168℃)86部と、導電性フィラーのカーボンブラック(電気化学工業社製:デンカブラック)9部を、二軸混錬装置(L/D=40)に投入し、180℃で溶融混錬させて樹脂ペレット1を作製した。
[シームレスベルトの成型]
二軸押出成型装置(L/D=40)のホッパー部に樹脂ペレット1を投入し、サイドフィーダーから導電性樹脂(ペレスタット230、三洋化成工業株式会社、融点160℃)を添加しながら混錬し、径200mmの円形ダイスから押出した。混錬速度は30rpm、引取り速度が1.7m/minとなるように設定した。サイドフィーダー部のあるシリンダの温度を180℃、円形ダイスの温度を200℃とし、厚みが100μmの無端状中間転写体を成型した。導電性樹脂の添加量は、材料全体の5重量%となるように調整した。
[シームレスベルトの研磨]
実施例1では、引取の後、必要な幅に切断したベルトを、バフ(SK11 ネルバフ、藤原産業製)を用いた研磨装置により1800rpmの回転速度でベルト全体を研磨して中間転写ベルトを作製した。
実施例2
研磨速度を1500rpmに変更した点以外は、実施例1と同様にして中間転写ベルトを作製した。
実施例3
研磨速度を2200rpmに変更した点以外は、実施例1と同様にして中間転写ベルトを作製した。
実施例4
熱可塑性樹脂を、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、ビニリデンフロライドの3種類のモノマーからなる熱可塑性フッ素樹脂(ダイニオンTHV500GZ、3M社製)に変更した点以外は、実施例1と同様にして中間転写ベルトを作製した。
比較例1
研磨速度を1000[rpm]に変更した点以外は、実施例1と同様にして中間転写ベルトを成型した。
比較例2
熱可塑性樹脂をエチレン−四フッ化エチレン共重合体(ETFE)(旭硝子株式会社製フルオンLM−730AP)に変更し、二軸混錬装置温度を、240[℃]、サイドフィーダー部のあるシリンダの温度を250[℃]、円形ダイスの温度を265[℃]とした点以外は、実施例1と同様にして中間転写ベルトを成型した。
比較例3
研磨工程を省略した点以外は、実施例1と同様にして中間転写ベルトを成型した。
比較例4
熱可塑性樹脂を、ポリプロピレン(ノバテックPP EA6A、日本ポリプロ株式会社)に変更した点以外は、実施例1と同様にして中間転写ベルトを成型した。
得られた実施例1〜4、比較例1〜4の中間転写ベルトについて、マルテンス硬度、表面抵抗値、表面粗さ及びトナークリーニング性を次の方法で測定した。
[マルテンス硬度測定]
研磨したベルト表面のマルテンス硬度を、Fischer社製フィッシャースコープH2000を用いて測定した。圧子の荷重は50mN/10sとした。一つの測定位置につき5点を100μm程度ずらして測定をおこない、平均値をとることが好ましい。このようにして得られたマルテンス硬度をベルトの押し出し方向に沿って10点繰り返し、平均値とした。
また、得られた値の最大値及び最小値の差を測定値ばらつきとした。
[表面抵抗値]
無端状中間転写ベルトの抵抗率をハイレスタUP MCP−HT450型(ダイアインスツルメンツ社製)を用いて測定した。表面抵抗値は10≦a≦1013(Ω/□)の範囲を合格とする。また、ベルト周方向に20点、表面抵抗率を印加電圧500[V]で測定し、常用対数をとった値の最大値および最小値の差を求めた。
[表面粗さ]
研磨加工を施した表面について、レーザー顕微鏡(LEXT OLS4000 オリンパス社製)を用いて非接触にて、JIS B0601−1994に準拠し10点平均の表面粗さ(Rz)の測定を行った。Rzの測定をベルトの押し出し方向に沿って10点繰り返し、Rzの平均値を求めた。
[トナークリーニング性]
マシンにベルトを組み付け、本体の二次転写電圧を0Vに設定し中間転写ベルトから印刷用紙に画像を転写しない状態で画面全体にYMCKいずれかの単色が印刷された画像を10枚以上分通紙し、クリーニングブレードを経て清掃されたベルト面に残るトナーを、ベルト表面にテープを貼って剥がし白紙に貼り付けたものを目視で評価するという方法で○×△のランクをつけた。
評価基準は次のとおりである。
○:まったくトナーの付着が見られない。
△:すり抜けであると判断しきれないトナーが付着している。
×:明らかにすり抜けであるトナーが付着している。
実施例1〜4、比較例1〜4の中間転写ベルトの組成及び特性を表1,2に示す。
実施例1a〜4a、比較例1a〜4a
実施例1a
[樹脂ペレット1の作製]
熱可塑性樹脂のポリフッ化ビニリデン樹脂(アルケマジャパン社製:Kynar720、融点168℃)86部と、導電性フィラーのカーボンブラック(電気化学工業社製:デンカブラック)9部を、二軸混錬装置(L/D=40)に投入し、180℃で溶融混錬させて樹脂ペレット1aを作製した。
[ベルトの成型]
二軸押出成型装置(L/D=40)のホッパー部に樹脂ペレット1aを投入し、サイドフィーダーから導電性樹脂(ペレスタット230、三洋化成工業株式会社、融点160℃)を添加しながら混錬し、径200mmの円形ダイスから押出してベルト成形を行った。サイドフィーダー部のあるシリンダの温度を180℃、円形ダイスの温度を200℃とし、厚みが100μmの中間転写ベルトを成型した。このとき、樹脂ペレット1の樹脂流量(kg/h)に対して導電性樹脂の添加量が5%となるようにサイドフィード量を調整した。
[ベルトの研磨]
研磨には、バフ研磨、研削ベルトによる研磨、研磨紙をロール状にしたロール研磨があるが、本発明では生産性の観点からバフ研磨が好ましい。 さらに、バフ研磨に用いるバフ材は硬度の柔らかいものが好ましい。
本実施例では、引取の後、必要な幅に切断したベルトを、バフ(SK11 ネルバフ、藤原産業製)を用いた研磨装置により1800rpmの回転速度でベルト全体を研磨した。
実施例2a
研磨速度を1500rpmに変更した点以外は、実施例1aと同様にして中間転写ベルトを作製した。
実施例3a
研磨速度を2200rpmに変更した点以外は、実施例1aと同様にして中間転写ベルトを作製した。
実施例4a
熱可塑性樹脂を、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、ビニリデンフロライドの3種類のモノマーからなる熱可塑性フッ素樹脂(ダイニオンTHV500GZ、3M社製)に変更した点以外は、実施例1aと同様にして中間転写ベルトを作製した。
比較例1a
研磨速度を1000[rpm]に変更した点以外は、実施例1aと同様にして中間転写ベルトを成型した。
比較例2a
熱可塑性樹脂をエチレン−四フッ化エチレン共重合体(ETFE)(旭硝子株式会社製フルオンLM−730AP)に変更し、二軸混錬装置温度を、240[℃]、サイドフィーダー部のあるシリンダの温度を250[℃]、円形ダイスの温度を265[℃]とした点以外は、実施例1aと同様にして中間転写ベルトを成型した。
比較例3a
研磨工程を省略した点以外は、実施例1aと同様にして中間転写ベルトを成型した。
比較例4a
熱可塑性樹脂を、ポリプロピレン(ノバテックPP EA6A、日本ポリプロ株式会社)に変更した点以外は、実施例1aと同様にして中間転写ベルトを成型した。
得られた実施例1a〜4a、比較例1a〜4aの中間転写ベルトについて、マルテンス硬度、表面抵抗値、表面粗さ及びトナークリーニング性を次の方法で測定した。
[マルテンス硬度測定]
研磨したベルト表面のマルテンス硬度を、Fischer社製フィッシャースコープH2000を用いて測定した。圧子の荷重は50mN/10sとした。一つの測定位置につき5点を100μm程度ずらして測定をおこない、平均値をとることが好ましい。このようにして得られたマルテンス硬度をベルトの押し出し方向に沿って10点繰り返し、平均値とした。
また、得られた値の最大値及び最小値の差を測定値ばらつきとした。
[表面抵抗値]
中間転写ベルトの抵抗率をハイレスタUP MCP−HT450型(ダイアインスツルメンツ社製)を用いて測定した。表面抵抗率は、100Vと500Vで10秒印加後の値を測定し、それぞれ複数の測定箇所の平均を取って測定値とした。
表面抵抗率は1.00E+08〜9.99E+13の範囲を合格とする。
また、ベルト周方向に20点、表面抵抗率を印加電圧500Vで測定し、常用対数をとった値の最大値および最小値の差を求めた。
[表面粗さ]
各実施例、比較例のベルト表面について、オリンパス社製レーザー顕微鏡LEXT OLS4000にて、算術平均粗さRaをJIS B0601に準拠して測定した。
サンプルのカールによる影響を除くため、ベルトの一部を切り取ったものを、スライドガラスに平面になるように貼り付けた。このとき、接着剤として両面テープ7641 #25(寺岡製作所社製)を使用した。
対物レンズ50倍を使用して、銅箔表面の観察において評価長さ258μm、カットオフ値ゼロの条件で、ベルト押し出し方向に平行な方向で(MD)測定を行い、値を求めた。 なお、レーザー顕微鏡による算術平均粗さRaの測定環境温度は23〜25℃とした。Raを任意に10箇所測定し、そのRaの10箇所の平均値を算術平均粗さRaの値とした。 また、測定に用いたレーザー顕微鏡のレーザー光の波長は405nmとした。
[トナークリーニング性]
マシンにベルトを組み付け、本体の二次転写電圧を0Vに設定し中間転写ベルトから印刷用紙に画像を転写しない状態で画面全体にYMCKいずれかの単色が印刷された画像を10枚以上分通紙し、クリーニングブレードを経て清掃されたベルト面に残るトナーを、ベルト表面にテープを貼って剥がし白紙に貼り付けたものを目視で評価するという方法で○×△のランクをつけた。
評価基準は次のとおりである。
○:まったくトナーの付着が見られない。
△:すり抜けであると判断しきれないトナーが付着している。
×:明らかにすり抜けであるトナーが付着している。
実施例1a〜4a、比較例1a〜4aの中間転写体の組成及び特性を表3、4に示す。表中、実施例1,2,3…とあるのは、実施例1a,2a,3a…を示す。
実施例1A〜10A(針状チタニア配合の実施例)
(実施例1A)
[樹脂ペレット1Aの作製]
熱可塑性樹脂のポリフッ化ビニリデン(アルケマジャパン社製Kynar720、融点168℃)86部と、導電性フィラー(以下、導電性無機粒子とも称する。)のカーボンブラック(電気化学工業社製:デンカブラック)4部、針状チタニア(石原産業株式会社製FTL-200)5部を、二軸混錬装置(L/D=40)に投入し、180℃で溶融混錬させて樹脂ペレット1Aを作製した。
[無端状中間転写ベルトの成型]
二軸押出成形装置(L/D=40)のホッパー部に樹脂ペレット1Aを投入し、サイドフィーダーから導電性樹脂(ペレスタット230、三洋化成工業株式会社、融点160℃)を添加しながら混錬し、φ200mmの円形ダイスから押出した。混錬速度は30rpmとなるように設定した。サイドフィーダー部のあるシリンダの温度を180℃、円形ダイスの温度を200℃とし、厚みが100μmの無端状中間転写ベルトを成形した。導電性樹脂の添加量は、材料全体の5重量%となるように調整した。
[シームレスベルトの研磨]
実施例1Aでは、引取の後、必要な幅に切断したベルトを、バフ(SK11 ネルバフ、藤原産業製)を用いた研磨装置により1800rpmの回転速度でベルト全体を研磨して中間転写ベルトを作製した。
(実施例2A)
ポリフッ化ビニリデン樹脂の添加量を90重量部に、針状チタニアの添加量を1部に変更した点以外は、実施例1Aと同様にしてシームレスベルトを成形した。
(実施例3A)
ポリフッ化ビニリデン樹脂の添加量を88重量部に、針状チタニアの添加量を3部に変更した点以外は、実施例1Aと同様にしてシームレスベルトを成形した。
(実施例4A)
針状チタニアを、繊維長が長いものに変更した点以外は、実施例3Aと同様にしてシームレスベルトを成形した。
(実施例5A)
針状チタニアを、繊維長が短いものに変更した点以外は、実施例3Aと同様にして、シームレスベルトを成形した。
(実施例6A)
針状チタニアを、アスペクト比が大きく吸油量の少ないもの(石原産業株式会社製FTL-300)に変更した点以外は、実施例1Aと同様にしてシームレスベルトを成形した。
(実施例7A)
針状チタニアを、アスペクト比が大きく吸油量が大きいもの(石原産業株式会社製FTL-100)に変更した点以外は、実施例1Aと同様にして、シームレスベルトを成形した。
(実施例8A)
基材樹脂をポリプロピレン(ノバテックPP EA6A、日本ポリプロ株式会社)に変更し、針状チタニアを、アスペクト比が大きいものにした点以外は、実施例3Aと同様にしてシームレスベルトを成形した。
(実施例9A)
混錬速度を80rpmとなるよう設定し、成形を行った点以外は、実施例3Aと同様にしてシームレスベルトを成形した。
(実施例10A)
混錬速度を18rpmとなるよう設定し、成形を行った点以外は、実施例3Aと同様にしてシームレスベルトを成形した。
得られた実施例1A〜10Aのシームレスベルトについて、表面抵抗率、光沢度、機械特性(ヤング率)、マルテンス硬度、及びベルト断面海島構造を測定した。
[ヤング率]
JIS K 7161に従い、無端状中間転写ベルトのヤング率を、フィルム引張試験システム(島津製作所製AGS-X)を用いて測定した。ベルト押出方向のMD方向と、それに対して垂直なTD方向、ともに各5点ずつ測定を行い、その平均値を求めた。
[光沢度]
無端状中間転写ベルト表面の光沢度を、光沢度計(日本電色工業社製ハンディ型光沢計PG−II/IIM)を用いて測定した。無端状中間転写ベルト表面の任意の10点について60度光沢の値を記録し、その平均値を求めた。
[表面抵抗率]
無端状中間転写ベルトの抵抗率をハイレスタUP MCP−HT450型(ダイアインスツルメンツ社製)を用いて測定した。表面抵抗率は、100Vと500Vで10秒印加後の値を測定し、それぞれ複数の測定箇所の平均を取って測定値とした。
[マルテンス硬度]
実施例1〜4の場合と同様にしてマルテンス硬度を測定した。
また、得られた値の最大値及び最小値の差を測定値ばらつきとした。測定値ばらつきは、いずれも20(N/mm)以内であった。
[ベルト断面海島構造]
ベルト断面の構造から、海島構造が認められるものを「○」とした。
実施例1A〜10Aの中間転写ベルトの組成及び特性を表5に示す。表中、実施例1,2,3…とあるのは、実施例1A,2A,3A…を示す。
実施例1B〜12B(針状のチタニア等配合の実施例)
(実施例1B)
[樹脂ペレット1の作製]
熱可塑性樹脂のポリフッ化ビニリデン(アルケマジャパン社製Kynar720、融点168℃)90部と、導電性無機粒子のカーボンブラック(電気化学工業社製:デンカブラック)4部、針状チタニア(石原産業株式会社製FTL-200)1部を、二軸混錬装置(L/D=40)に投入し、180℃で溶融混錬させて樹脂ペレット1を作製した。
[無端状中間転写ベルトの成形]
二軸押出成形装置(L/D=40)のホッパー部に樹脂ペレット1を投入し、サイドフィーダーから導電性樹脂(ペレスタット230、三洋化成工業株式会社、融点160℃)を添加しながら混錬し、φ200mmの円形ダイスから押出した。混錬速度は30rpmとなるように設定した。サイドフィーダー部のあるシリンダの温度を180℃、円形ダイスの温度を200℃とし、厚みが100μmの無端状中間転写ベルトを成形した。導電性樹脂の添加量は、材料全体の5重量%となるように調整した。
(実施例2B)
針状チタニアの添加量を5部に変更し、熱可塑性樹脂の量を86部に変更した点以外は、実施例1Bと同様にしてシームレスベルトを成形した。
(実施例3B)
針状チタニアの添加量を10部に変更し、熱可塑性樹脂の量を81部に変更した点以外は、実施例1Bと同様にしてシームレスベルトを成形した。
(実施例4B)
無機フィラーを針状チタニアから針状アルミナに変更した点以外は、実施例1Bと同様にしてシームレスベルトを成形した。
(実施例5B)
針状アルミナの添加量を5部に変更し、熱可塑性樹脂の量を86部に変更した点以外は、実施例4Bと同様にしてシームレスベルトを成形した。
(実施例6B)
針状アルミナの添加量を10部に変更し、熱可塑性樹脂の量を81部に変更した点以外は、実施例4Bと同様にしてシームレスベルトを成形した。
(実施例7B)
無機フィラーを針状チタニアから針状酸化亜鉛に変更した点以外は、実施例1Bと同様にしてシームレスベルトを成形した。
(実施例8B)
針状酸化亜鉛の添加量を5部に変更し、熱可塑性樹脂の量を86部に変更した点以外は、実施例7Bと同様にしてシームレスベルトを成形した。
(実施例9B)
針状酸化亜鉛の添加量を10部に変更し、熱可塑性樹脂の量を81部に変更した点以外は、実施例7Bと同様にしてシームレスベルトを成形した。
(実施例10B)
無機フィラーを針状チタニアから針状クレーに変更した点以外は、実施例1Bと同様にしてシームレスベルトを成形した。
(実施例11B)
針状クレーの添加量を5部に変更し、熱可塑性樹脂の量を86部に変更した点以外は、実施例10Bと同様にしてシームレスベルトを成形した。
(実施例12B)
針状クレーの添加量を10部に変更し、熱可塑性樹脂の量を81部に変更した点以外は、実施例10Bと同様にしてシームレスベルトを成形した。
得られた実施例1B〜12Bのシームレスベルトについて、吸油量、表面抵抗率、光沢度、機械特性(ヤング率)、マルテンス硬度、及びベルト断面海島構造を測定した。表面抵抗率、光沢度、機械特性(ヤング率)、マルテンス硬度、及びベルト断面海島構造については、前述と同様の方法で測定した。表面抵抗率は1.00E+08〜9.99E+13の範囲を合格とする。また、ベルト周方向に20点、表面抵抗率を印加電圧500Vで測定し、常用対数をとった値の最大値および最小値の差を求めた。針状フィラーの吸油量については、JIS K 5101-13-1顔料試験方法−第13部:吸油量−第1節:精製あまに油法に沿って測定を行った。
また、マルテンス硬度の最大値及び最小値の差(測定値ばらつき)は、いずれも20(N/mm)以内であった。
実施例1B〜12Bの中間転写ベルトの組成及び特性を表6に示す。表中、実施例1,2,3…とあるのは、実施例1B,2B,3B…を示す。
(図1の符号)
11 基材樹脂
12 導電性樹脂
13 カーボンブラック
14 低分子量成分
(図2の符号)
20 無端状中間転写ベルト
(図3の符号)
21 材料投入口
22 押出機
23 スクリュー
24 樹脂注入口
25 成型金型
26 サイジング金型
27 引取機
28 切断機
(図4の符号)
P 転写紙
L レーザー光
70 除電ローラ
80 アースローラ
200 感光体ドラム
201 感光体クリーニング装置
202 除電ランプ
203 帯電チャージャ
204 電位センサー
205 画像濃度センサー
210 ベルト搬送装置
230 リボルバ現像ユニット
231Y Y現像機
231K Bk現像機
231C C現像機
231M M現像機
270 定着装置
271、272 定着ローラ
500 中間転写ユニット
501 中間転写ベルト
502 トナーシール部材
503 帯電チャージャ
504 ベルトクリーニングブレード
505 潤滑剤塗布ブラシ
506 潤滑剤
507 1次転写バイアスローラ
508 ベルト駆動ローラ
509 ベルトテンションローラ
510 2次転写対向ローラ
511 クリーニング対向ローラ
512 フィードバッグ電流検知ローラ
513 トナー画像
514 光学センサ
600 2次転写ユニット
601 転写紙ガイド板
605 2次転写バイアスローラ
606 転写紙除電チャージャ
608 クリーニングブレード
610 レジストローラ
801 1次転写電源
802 2次転写電源
(図5の符号)
P 転写紙
10 プリンタ本体
12 画像書込部
13 画像形成部
14 給紙部
15 定着装置
16 レジストローラ
20BK、20M、20Y、20C 現像装置
21BK、21M、21Y、21C 感光体
22 中間転写ベルト
23BK、23M、23Y、23C 1次転写バイアスローラ
25 ベルトクリーニング部材
26 駆動ローラ
27 潤滑剤塗布装置
50 転写搬送ベルト
60 2次転写バイアスローラ
(図6,7の符号)
11 基材樹脂
12 導電性樹脂
13 カーボンブラック
14 低分子量成分
15 針状チタニア
特開2009−25625号公報 特開2007−65587号公報 特許3821600号公報 特開2008−239947号公報

Claims (10)

  1. 熱可塑性樹脂と、該熱可塑性樹脂に非相溶である導電性樹脂とを含む半導体樹脂組成物からなる構造体であって、
    該構造体の表面から垂直方向に測定した時のマルテンス硬度が50(N/mm)以上であり、任意の10点を測定した際のマルテンス硬度の最大値と最小値の差が20(N/mm)以内であることを特徴とする半導体樹脂組成物からなる構造体。
  2. 前記構造体表面から垂直方向に測定した時のマルテンス硬度が200(N/mm)以下であることを特徴とする請求項1に記載の半導電性樹脂組成物からなる構造体。
  3. 前記熱可塑性樹脂がフッ素原子を含有する化学構造を持つことを特徴とする請求項1又は2に記載の半導電性樹脂組成物からなる構造体。
  4. 前記熱可塑性樹脂が、結晶性の熱可塑性樹脂であり、フッ化ビニリデンのホモポリマー及び/又はフッ化ビニリデンコポリマー、ポリエチレン−テトラフルオロエチレン樹脂(ETFE)、フッ化ビニリデン−四フッ化エチレン共重合体樹脂(PVDF-ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)及びテトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)から選ばれるいずれかの樹脂であることを特徴とする請求項3に記載の半導電性樹脂組成物からなる構造体。
  5. さらに導電性フィラーを含有し、前記導電性フィラーが針状のチタニア、アルミナ、酸化亜鉛又はクレーを含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の半導体樹脂組成物からなる構造体。
  6. 前記針状のチタニア、アルミナ、酸化亜鉛又はクレーのアスペクト比dが、10≦d≦40であることを特徴とする請求項5に記載の半導体樹脂組成物からなる構造体。
  7. 熱可塑性樹脂と、該熱可塑性樹脂に非相溶である導電性樹脂とを含む中間転写体であって、
    該中間転写体の表面から垂直方向に測定した時のマルテンス硬度が50(N/mm)以上であり、任意の10点を測定した際のマルテンス硬度の最大値と最小値の差が20(N/mm)以内であることを特徴とする中間転写体。
  8. 表面粗さRzが0.5μm以下であることを特徴とする請求項7に記載の中間転写体。
  9. 表面粗さRaが0.01≦Ra≦0.065(μm)であることを特徴とする請求項7又は8に記載の中間転写体。
  10. 像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
    該像担持体上に形成された静電潜像にトナーを用いてトナー像とする現像手段と、
    前記像担持体上のトナー像を中間転写体上に転写する一次転写手段と、
    該中間転写体上のトナー像を記録媒体上に転写する二次転写手段と、
    該記録媒体上のトナー像を定着する定着手段と、
    を備えた画像形成装置であって、
    前記中間転写体が、請求項7〜9のいずれかに記載の中間転写体であることを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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