JP3943976B2 - ベルト状転写部材、ベルト状転写部材の製造方法、画像形成装置及び中間転写ベルト−潜像担持体一体型カートリッジ - Google Patents

ベルト状転写部材、ベルト状転写部材の製造方法、画像形成装置及び中間転写ベルト−潜像担持体一体型カートリッジ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機やレーザープリンター等の電子写真方式の画像形成装置、該装置に用いられるベルト状転写部材及びその製造方法、並びに中間転写ベルト−潜像担持体一体型カートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】
中間転写ベルト、転写搬送ベルト等のベルト状転写部材を使用した画像形成装置は、フルカラー画像情報や多色画像情報の複数の成分色画像を順次積層転写してフルカラー画像や多色画像を合成再現した画像形成物を出力するフルカラー画像形成装置や多色画像形成装置、又はフルカラー画像形成機能や多色画像形成機能を具備させた画像形成装置として有効である。また、モノクロ画像形成装置であっても転写搬送ベルトはプリント速度を向上させる手段として有効である。
【0003】
例えば、中間転写ベルト等を用いた画像形成装置を有するフルカラー電子写真装置は、従来の技術である転写ドラム上に転写材を張り付け、又は吸着し、そこへ潜像担持体(以下感光体)から画像を転写する画像形成装置を有したフルカラー電子写真装置、例えば特開昭63−301960号公報中で述べられている転写装置と比較すると、転写材に加工(例えば、グリッパーに把持する、曲率をもたせる等)を必要とせずに中間転写ベルトから画像を転写することができるため、封筒、ハガキ、ラベル紙等、薄い紙(40g/m2紙)から厚い紙(200g/m2紙)まで、幅の広狭、長さの長短、あるいは厚さの厚薄によらず、多種多様な転写材から選択することができるという利点を有している。
【0004】
更に、色数に応じた複数の感光体を配置し、1パスで各色の画像を連続転写して色を重ね合わせる方式ではプリント速度を大幅に向上する手段として有効である。この方式は、転写搬送ベルトと中間転写ベルトの両方の手段が可能である。
【0005】
また、中間転写ベルトの場合は中間転写ドラムのような剛体のシリンダーを用いる場合と比較して画像形成装置内部に配置する際の自由度が増して、スペースの有効利用による装置本体の小型化やコストダウンを行うことができる。
【0006】
しかし、これらのベルト状転写部材は使用する目的に応じて様々な特性を満たすことが必要であり、解決すべき問題も多い。近年は電子写真装置本体の潜像形成や現像技術が進歩し、ベルト状転写部材も更に高く安定した性能を求められるようになっている。特に、中間転写ベルトや転写搬送ベルトで重要な特性である抵抗値の調整とその均一化が挙げられる。抵抗を調整するためには何らかの抵抗制御物質をベルト状転写部材内に混合する手段が使われるが、抵抗の均一化を考慮した場合はカーボンブラックや導電性金属酸化物粒子等の導電性フィラーだと粒子の凝集や分散の不均一に起因する抵抗ムラが発生し易い。特に、粒子の凝集物は凝集物が50μm以下であってもその部位の転写電界に大きな影響を与え、凝集物の大きさの数倍から十倍以上の範囲で斑点状の色抜け等の画像異常を起すと場合がある。更に、凝集物が大きい場合は電圧の印加により絶縁破壊を生じ、発煙が発生したりベルトに穴があく等の重大な欠陥を起すこともある。このため、導電性フィラーの使用に際しては添加量の低減や分散手段の改善が課題となっている。一方で界面活性剤や帯電防止樹脂等の所謂イオン導電剤は抵抗の均一性は高いが、時間の経過や高温高湿環境下でベルトの表面に染み出し、周囲の部材に付着して各種の問題を引き起こす場合がある。
【0007】
特に、メンテナンス性を考慮して交換を容易に行えるように感光体と中間転写ベルトを一体化した感光体−中間転写ベルトカートリッジの場合は、本体を設置した際に中間転写ベルトをセットする場合と異なり問題が生じ易い。それは、中間転写ベルトと感光体が一体となった状態で長時間様々な環境に放置されることに起因することが多い。例えば、中間転写ベルトから前述のイオン導電剤が染み出し、感光体に付着すると、帯電電位が低下したり、電荷の移動に影響を生じて感度特性に差異を生じ、プリント時に周囲との濃度差を生じて異常画像となる。
最も重大な問題は、中間転写ベルトから染み出ししてきた物質により、感光層に割れが発生する場合である。このような感光層の割れは感光層の中で最も厚さのある層で顕著であり、積層感光体の場合は電荷輸送層で発生し易い。
【0008】
このような現象は特に高温環境ほど促進されることが判っており、湿度についても高湿ほど悪影響がでる傾向にある。従って、中間転写ベルト感光体一体カートリッジには流通段階で受ける温度や湿度の影響も考慮した設計が必要となる。
【0009】
また、近年のユーザー層の拡大により、複写機やプリンターが使用される環境が拡大し、短時間の温湿度の変動も考慮する必要となってきた。急激な温湿度の変動による画像不良は、高温高湿下での使用を想定した設計を行っていたとしても発生することがあるため、注意が必要である。
【0010】
更に、画像形成装置の技術が進歩し、デジタル現像方式のプリンターや複写機では露光スポット径の小サイズ化や高密度化により600dpi以上の微細で緻密な画素の現像が可能になり、それに加えて精密な電界の制御等で高品位の画像が得られるようになってきている。その結果、従来は問題にならなかった感光体や中間転写ベルトの軽度の異常でも画質に影響する場合があり、この問題の改善は重要な課題である。
【0011】
以上のようにベルト状転写部材を使用した画像形成装置において様々な課題を完全に解決した画像形成装置は未だ得られていない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、画像抜けや濃度ムラの無い高画質が得られ、長期間の輸送や短期間に環境が変動しても良好な画像が得られる画像形成装置を提供することにある。
【0013】
本発明の別の目的は、上記画像形成装置に用いられるベルト状転写部材及びその製造方法、並びに中間転写ベルト−潜像担持体一体型カートリッジを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明に従って、A:潜像担持体に形成された画像を転写材に転写する電子写真方式の画像形成装置に用いられる、熱可塑性樹脂を含有しているベルト状転写部材であって、
B:体積抵抗率が1×10 Ω・cm〜8×10 13 Ω・cmであり、
C:エーテル基及びアミド基を有する帯電防止樹脂を抵抗制御剤として含有し、
D:かつ該ベルト状転写部材の水溶性成分量が0.8質量%以下であることを特徴とするベルト状転写部材が提供される。
また、本発明に従って、上記ベルト状転写部材の製造方法であって、
エーテル基及びアミド基を有する帯電防止樹脂を水洗する工程と、
該水洗した帯電防止樹脂と熱可塑性樹脂とを溶融混練して得たベルト成形用コンパウンドを溶融押し出しして筒状フィルムを成形する工程と、
を有することを特徴とするベルト状転写部材の製造方法が提供される。
また、本発明に従って、潜像担持体に形成された潜画像を現像剤で顕在化し、得られた画像をベルト状転写部材を用いて転写材に転写する電子写真方式の画像形成装置において、該ベルト状転写部材が上記ベルト状転写部材であることを特徴とする画像形成装置が提供される。
【0015】
また、本発明に従って、画像形成装置に着脱可能に構成され、且つ画像形成装置に装着された状態において、潜像担持体上に形成された潜画像を現像剤で顕在化し、得られた画像を中間転写ベルトに一次転写バイアスの印加下で一次転写し、該中間転写ベルトに一次転写された画像を二次転写バイアスの印加下で転写材に二次転写し、更に該二次転写後に該中間転写ベルトに残留している現像剤を一次転写時とは逆の極性に帯電させることで、中間転写ベルトから該潜像担持体に静電的に転写させて該中間転写ベルトのクリーニングを行うものである中間転写ベルト−潜像担持体一体型カートリッジであって、
該中間転写ベルトと、該潜像担持体と、二次転写後に該中間転写ベルトに残留している現像剤を一次転写時の現像剤の極性とは逆の極性に帯電させる手段とが一体に、且つ該潜像担持体と該手段とが、該中間転写ベルトに当接するように保持されており、また該中間転写ベルトは、上記ベルト状転写部材であることを特徴とする中間転写ベルト−潜像担持体一体型カートリッジが提供される。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0017】
本発明では、抵抗制御剤として低分子量の金属塩や界面活性剤等の所謂固体電解質をベルト基体の樹脂中に分散したり、親水性樹脂や帯電防止樹脂、導電性樹脂等と呼ばれる低抵抗の熱可塑性樹脂を主バインダーに練り込む等によって、抵抗を調整する方法を主に行う。この手段によれば、カーボンブラックや導電性金属酸化物、金属粉等の導電性フィラーのように粒子レベルの凝集や偏りが発生することは無く、抵抗ムラや絶縁破壊の発生を抑制することができる。更に、その上で抵抗値の調整と環境で導電剤等の染み出しが生じないように各種の手段を取っている。ベルトの抵抗が8×1013Ω・cmより高いと転写に高い印加電圧必要になり、電源が大型化したり、転写電流の不足によって転写効率が低下する等の問題が発生する。また、1×10Ω・cmより低い場合にも十分な転写電圧がかからず転写性能が低下する。更に、ベルトの水溶性成分量が0.8質量%以下であることが必要である。水溶性成分は帯電防止樹脂の低分子量成分や水溶性官能基の集中している成分であったり、界面活性剤や各種金属塩で特にベルトの主バインダーと相溶しにくいものである。これらは、高温高湿下の長期保存や急激な湿度の変動でベルト表面に染み出し、感光体に付着して、感光体の部分的な抵抗低下を引き起こす原因物質となる
【0018】
更に、画像形成装置やカートリッジの小型化とコストダウンのため、中間転写ベルトのクリーニング機構は二次転写残トナーを逆極性に帯電させて、一次転写時に同時に感光体に戻す一次転写同時クリーニング方式を用いる方が好ましい。
具体的には、中間転写ベルト上に離接可能に配置したクリーニングローラー等の帯電部材に電圧を印加して二次転写残トナーに一次転写時と逆極性の電荷を与え、つづく一時転写部において一次転写電界により感光体に戻す手段である。トナーを逆極性に帯電する手段は、ブレードやコロナ帯電器等を用いてもよい。中間転写ベルト上から感光体に戻されたトナーは、クリーニングブレード等の感光体のクリーニング機構で除去される。この方式によれば、感光体と中間転写ベルト双方にクリーニングブレード等を配置し、廃トナーの送り機構や容器を設置する方式に比べ、装置本体やカートリッジの小型化と低コスト化に大きな効果がある。
【0019】
以下に本発明の実施形態について一例を示すが、必ずしもこれに限定されるものでは無い。
【0020】
成形方法はシームレスベルトの製造が可能で、かつ製造効率が高くてコストを抑制できる製造方法が好ましい。その手段として環状ダイスからの連続溶融押し出しし、その後、必要な長さに切断してベルトを製造する方法が挙げられる。
【0021】
例えば、インフレーション成形が好適である。インフレーション成形は1種のダイスから直径の異なる複数のサイズの押し出しが可能で、多機種に展開する際の設備投資が低減でき、生産効率も向上する等のメリットがある。更に、押し出し時に溶融状態で膨張させる際に、厚い部分が選択的に周方向に延伸されて薄くなるため、通常の押し出し成形より厚さムラが低減するという利点もある。
【0022】
また、別の製造手段としてTダイスよりシート成形した後、所望の長さに切断して、端部を接合し、ベルト化する製造方法がある。この方法では膜厚の均一性が高く、更に二軸延伸装置を使用することができるため、フィルムの機械強度向上ができる等利点も多い。
【0023】
本発明におけるベルト状転写部材の厚さは40μm〜300μmの範囲が好ましい。40μm未満では成形安定性に欠け、厚さムラを生じ易く、耐久強度も不十分で、ベルトの破断や割れが発生する場合がある。一方で300μmを超えると材料が増えコストが高くなる上に、電子写真装置本体に組み込んだ際に張架軸の内面と外面の周速差が大きくなり、中間転写ベルトとして使用した場合には外面の収縮による画像飛び散り等の問題が発生し易い。更に、屈曲耐久性の低下やベルトの剛性が高くなり過ぎて駆動トルクが増大し、本体の大型化やコスト増加を招くと行った問題を生じることがある。
【0024】
図5に本発明のベルト状転写部材の成型装置一例を示す。本装置は基本的には、押し出し機、押し出しダイス及び気体吹き込み装置より成る。
【0025】
まず、成型用樹脂、導電剤、添加剤等を所望の処方に基づき、予め予備混合後、混練分散をせしめた成型用原料を押し出し機100に具備したホッパー102に投入する。押し出し機100は、成型用原料が、後工程でのベルト成型が可能となる溶融粘度となり、また原料相互が均一分散するように、設定温度及び押し出し機のスクリュー構成は選択される。成型用原料は、押し出し機100中で溶融混練され溶融体となり環状ダイス103に入る。環状ダイス103は気体導入路104が配設されており、気体導入路104より空気が環状ダイス103の中央に吹き込まれることによりダイス103を通過した溶融体は径方向に拡大膨張し、筒状フィルム110となる。
【0026】
この時吹き込まれる気体は、空気以外に窒素、二酸化炭素又はアルゴン等が選択することができる。膨張した成型体は、外部冷却リング105により冷却されつつ上方向に引き上げられる。通常、インフレーション装置では安定板106でチューブを左右から押し潰して、シート状に折り畳み、ピンチローラー107で内部のエアーが抜けないように挟持して一定速度で引き取る方法がとられる。次いで、引き取られたフィルムをカット装置108で切断し、所望の大きさの筒状フィルムを得る。次に、この筒状フィルムを金属等で作られた円筒状の型に被せて加熱することで、寸法の微調整やフィルムについた折り目を除去することができる。この後、必要に応じて補強部材や回転ガイド部材、位置検知部材の取り付けや精密カットを行ってベルト状転写部材を製造する。
【0027】
また、説明は単層ベルトに関してであったが、2層の場合は図6に示されるように更に押し出し機101を追加配置し、押し出し機100の混練溶融体と同時に2層用の環状ダイス103へ、押し出し機110の混練溶融体を送り込み、2層同時に拡大膨張させ2層ベルトを得ることができる。
【0028】
もちろん3層以上の時は、層数に応じ相応に押し出し機を準備すればよい。このように単層のみならず、多層構成のベルト状転写部材を一段工程で、かつ短時間に寸法精度良く、成形することが可能である。この短時間成型が可能ということは、量生産及び低コスト生産が可能であることを十分示唆するものである。
【0029】
本発明における環状ダイスと成形された円筒状フィルムの厚さ比は、環状ダイスのギャップ(スリット)の幅に対して成形された円筒状フィルムの厚さの比較であり、前者に対して後者は1/3以下であることが好ましく、更に好ましくは1/5以下である。
【0030】
同様に環状ダイスと成形された円筒状フィルムの直径の比率とは、環状ダイス103のダイスリットの外形に対して、筒状フィルム110の外径の比をパーセントで表すもので、50%〜400%の範囲が好ましい。
【0031】
これらは材料の延伸状態を現すものであり、厚さ比が1/3より大きい場合は延伸が不十分で強度の低下や抵抗及び厚さのムラ等の不具合が生じることがある。一方で外形が400%を超える場合や50%未満の場合では過剰に延伸されており、成型安定性が低下したり本発明に必要な厚さを確保することが難しくなる。
【0032】
次に、この筒状フィルムに表面平滑性や寸法を調整したり、成形の際にフィルムについた折り目を除去する等の目的で型を使用した加工を行ってもよい。
【0033】
具体的には加熱熱膨張率の異なる材料で作られた直径の異なる一組の円筒型を使用する方法がある。小径の円筒型(内型)の熱膨張率は大径の円筒型(外型)の熱膨張率より大きくなるようにし、この内型に成形した筒状フィルムを被せた後、その内型を外型内に挿入して、内型と外型で筒状フィルムを挟み込むようにする。この際、内型は筒状フィルムよりやや大きく設計し、フィルムを延ばしつつ被せる方が好ましい。型の間のギャップは、加熱する温度と内型・外型の熱膨張率の差及び必要とされる圧力で計算して求める。内型、筒状フィルム、外型の順でセットされた型を樹脂の軟化点温度付近まで加熱する。加熱により熱膨張率の大きい内型は外型より膨張し、筒状フィルム全面に均一な圧力がかかる。この時、軟化点付近に達した樹脂フィルムの表円は平滑に加工した外型内面に押し付けられ、樹脂フィルム表面の平滑性が向上する。その後、冷却してフィルムを型から外すことで平滑な表面性を得ることができる。
【0034】
また、上記の内型のみを使用して成形したフィルムを被せて加熱する方法でも折り目の除去や寸法の微調整は行うことができる。
【0035】
この後、必要に応じて補強部材やガイド部材、位置検知部材の取り付けや精密カットを行ってベルト状転写部材を製造する。
【0036】
本発明のベルトに用いられる成型用原料のうちの主たる材料である熱可塑性樹脂は本発明の特性を満たしていれば特に制約は無いが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂やポリスチレン系樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート、ポリサルホンやポリエーテルサルホン及びポリフェニレンサルファイド等の硫黄含有樹脂、ポリフッ化ビニリデンやポリエチレン−四フッ化エチレン共重合体等のフッ素含有樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、ポリ塩化ビニリデン、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、変性ポリフェニレンオキサイド樹脂等やこれらの各種変性樹脂や共重合体を1種類あるいは2種類以上を使用することができる。ただし、上記材料に限定されるものではない。
【0037】
次に、本発明のベルト状転写部材の電気抵抗値を調節するために抵抗制御剤を含有する。ここで必要なのは、主となる熱可塑性樹脂に良好に相溶が可能な材料である。主となる熱可塑性樹脂に相溶又は溶融し難い材料はすぐにベルト表面に析出し、問題を引き起こす原因となる。熱可塑性の帯電防止樹脂類で一見ブレンドされたように見えても、分散状態が不十分である場合は水溶性成分量が大幅に増大し、高温高湿下で感光体やその他部材の汚染を引き起こし、問題となる。従って、本発明における水溶性成分量を達成する手段としては特に限定されるものではないが、基本となる樹脂材料と抵抗調整のそれぞれの特性を十分考慮して選択し、更に材料の分散条件や成形時する際の温度、吐出量等を適正化することが必要である。
【0038】
また、抵抗調整の水溶性成分を積極的に除去する手段も有効である。帯電防止樹脂等の高分子材料はその組成や分子量に分布をもっており、特に水溶性が高い成分が混入している場合がある。これらの水溶性成分を除去する手段は例えば、帯電防止樹脂を水中に浸漬、攪拌して水溶性の部位を予め除去しておく方法や、ベルトの材料を混練する際にカップリング剤等の反応性添加材を添加して低分子量成分の極性官能基と反応させて固定化し、染み出し難くする方法等もある
【0039】
材料を分散する手段は、通常の方法が使用できるが、二軸押し出し機は高いせん断力が得られるため好適である。
【0040】
次に、本発明のベルトが用いられる電子写真装置の一例を示す。
【0041】
図1は電子写真プロセスを利用したフルカラー画像形成装置(複写機あるいはレーザービームプリンター)である。
【0042】
第1の画像担持体として繰り返し使用される回転ドラム型の電子写真感光体(以下感光ドラムと記す)1は、矢示方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。
【0043】
感光ドラム1は回転過程で、一次帯電器2により所定の極性・電位に一様に帯電処理される。32は一次帯電器の電源であり、ここでは直流に交流を重畳して印加しているが、直流のみでもよい。次いで不図示の露光手段3(フルカラー原稿画像の色分解・露光光学系、画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザービームを出力するレーザースキャナによる走査露光系等)による画像露光を受けることにより目的のフルカラー画像の第1の色成分像(例えばイエロー色成分像)に対応した静電潜像が形成される。
【0044】
次いで、その静電潜像が第1の現像器(イエロー色現像器41)により第1色であるイエロートナーYにより現像される。この時、第2〜第4の現像器(マゼンタ色現像器42、シアン色現像器43及びブラック色現像器44)の各現像器は作動−オフになっていて感光ドラム1には作用せず、上記第1色のイエロートナー画像は上記第2〜第4の現像器により影響を受けない。
【0045】
中間転写ベルト5は、矢印方向に感光ドラム1と同じ周速度をもって回転駆動されている。
【0046】
感光ドラム1上に形成担持された上記第1色のイエロートナー画像が、感光ドラム1と中間転写ベルト5とのニップ部を通過する過程で、一次転写ローラー6から中間転写ベルト5に印加される一次転写バイアスにより形成される電界により、中間転写ベルト5の外周面に順次一次転写されて行く。
【0047】
中間転写ベルト5に対応する第一色のイエロートナー画像の転写を終えた感光ドラム1の表面は、クリーニング装置13により清掃される。
【0048】
以下、同様に第2色のマゼンタトナー画像、第3色のシアントナー画像、第4色のブラックトナー画像が順次中間転写ベルト5上に重ね合わせて転写され、目的のフルカラー画像に対応した合成フルカラートナー画像が形成される。
【0049】
二次転写ローラー7は、二次転写対向ローラー8に対応し平行に軸受させて中間転写ベルト5の下面部に離間可能な状態に配設してある。
【0050】
感光ドラム1から中間転写ベルト5への第1〜第4色のトナー画像の順次重畳転写のための一次転写バイアスは、トナーとは逆極性(+)でバイアス電源30から印加される。その印加電圧は、例えば+100V〜2kVの範囲である。
【0051】
感光ドラム1から中間転写ベルト5への第1〜第3色のトナー画像の一次転写工程において、二次転写ローラー7は中間転写ベルト5から離間させることも可能である。
【0052】
中間転写ベルト5上に転写された合成フルカラートナー画像の第2の画像担持体である転写材Pへの転写は、二次転写ローラー7が中間転写ベルト5に当接されると共に、給紙ローラー11から転写材ガイド10を通って、中間転写ベルト5と二次転写ローラー7との当接ニップに所定のタイミングで転写材Pが給送され、二次転写バイアスが電源31から二次転写ローラー7に印加される。この二次転写バイアスにより中間転写ベルト5から第2の画像担持体である転写材Pへ合成フルカラートナー画像が二次転写される。トナー画像の転写を受けた転写材Pは、定着器15へ導入され加熱定着される。
【0053】
転写材Pへの画像転写終了後、中間転写ベルト5には離接自在に配置されたクリーニング用帯電部材9が当接され、感光ドラム1とは逆極性のバイアスを印加することにより、転写材Pに転写されずに中間転写ベルト5上に残留している転写残トナーに一次転写時と逆極性の電荷が付与される。33はバイアス電源である。ここでは直流に交流を重畳して印加している。一次転写時と逆極性に帯電された前記転写残トナーは、感光ドラム1とのニップ部及びその近傍において感光ドラム1に静電的に転写されることにより、中間転写体がクリーニングされる。この工程は一次転写と同時に行うことができるため、スループットの低下を生じない。
【0054】
次いで、本発明の中間転写ベルト−感光体一体カートリッジについて説明する。本発明のカートリッジは図2に示されるように少なくとも中間転写ベルト5と感光体1、中間転写ベルトクリーニング機構13及び感光体のクリーニング機構9が一体のユニットとして構成され、本体と容易に着脱できるようになっている。本発明の中間転写ベルトのクリーニングは、前述のように転写残トナーを一次転写と逆の極性に帯電させ、一次転写部で感光体に戻すために必要な機構であり、本図では中抵抗の弾性体からなるクリーニングローラー9を装備している。感光体のクリーニングはブレードクリーニングである。本カートリッジには廃トナー容器も一体となっており、中間転写ベルト−感光体双方の転写残トナーもカートリッジ交換時に同時に廃棄されるため、メンテナンス性の向上に貢献している。また、中間転写ベルトは8と12の2本のローラーで張架され部品点数の削減と小型化を図っている。ここで、8は駆動ローラーであると同時にクリーニングローラーの対向ローラーとなっている。中間転写ベルトに従動して回転するテンションローラー12はスライドする機構を有しており、圧縮ばねにより矢印の方向に圧接され、中間転写ベルトに張力を与えている。そのスライド幅は1〜5mm程度で、ばねの圧力合計は5〜100N程度である。また、感光体1と駆動ローラー8は非図示のカップリングを有し、本体から回転駆動力が伝達されるようになっている。
【0055】
更に、別の画像形成装置の例を図3と図4に示す。図3と図4は感光体1を画像形成に必要な現像剤の数と同数具備したもので、フルカラープリントの印字スピードが飛躍的に向上する利点がある。
【0056】
図3は中間転写ベルトを使用したもので、図1と同様に感光体1に形成された可視画像は中間転写ベルト5に順次転写され、重ね合わされた後、二次転写ローラー7でトナーと逆極性のバイアスを印加され、転写材Pの上に一括転写される。中間転写ベルトに残留した現像剤は、クリーニング装置18で除去される。
【0057】
図4は転写搬送ベルト方式の一例である。転写材Pは吸着ローラー63でバイアスを印加され、転写搬送ベルト16に吸着し搬送される。感光体上に形成された各色の画像は転写搬送ベルト上に吸着された転写材Pに転写ローラー17からトナーと逆極性のバイアスを印加されて順次転写され、重ね合わされた後、定着装置15で加熱定着される。
【0058】
以下に本発明に関わる諸物性の測定方法を示す。
【0059】
<体積抵抗測定方法>
測定装置は抵抗計に超高抵抗計R8340A(アドバンテスト社製)、試料箱は超高抵抗測定用試料箱TR42(アドバンテスト社製)を使用するが、主電極は直径25mm、ガード・リング電極は内径41mm、外径49mmとする。
【0060】
サンプルは次のように作製する。まず、ベルト状転写部材を直径56mmの円形に打ち抜き機又は鋭利な刃物で切り抜く。切り抜いた円形片の片面はその全面をPt−Pd蒸着膜により電極を設け、もう一方の面はPt−Pd蒸着膜により直径25mmの主電極と内径38mm、外径50mmのガード電極を設ける。Pt−Pd蒸着膜は、マイルドスパッタE1030(日立製作所製)で蒸着操作を2分間行うことにより得られる。蒸着操作を終了したものを測定サンプルとする。
【0061】
測定雰囲気は23℃/55%RHとし、測定サンプルは予め同雰囲気下に12時間以上放置しておく。測定は、ディスチャージ10秒、チャージ30秒、メジャー30秒とし、印加電圧1〜1000Vで測定を行う。
【0062】
尚、印加電圧は、本発明の画像形成装置で使用される中間転写体及び転写部材に印加される電圧の範囲の一部である1〜1000Vの間で任意に選択する。サンプルの抵抗値、厚み、絶縁破壊強さ等に応じて、上記印加電圧の範囲において、使用される印加電圧は、適時変えることができる。
【0063】
<水溶性成分測定方法>
測定を行うベルト状転写部材から100mm×100mmのサイズで試験片を切り抜き23℃/55%RHの環境で24時間放置した後、0.1mg単位まで計量する。次に、ガラス容器に60℃のイオン交換水500mlを入れ、その中に計量した試験片を完全に没するように投入する。試験片が水より軽い場合はガラス棒等で浮き上がらないよう固定する。その状態で60℃の恒温槽に48時間放置した後、試験片を引き上げて100℃で24時間乾燥する。その後、更に23℃/55%RHの環境下で24時間放置して再度質量を計量し、下式で水溶性成分量を計算する;
(初期の質量−温水浸漬後の質量)/初期の質量×100[%]
【0064】
【実施例】
以下、具体的な実施例を挙げて本発明をより詳細に説明する。なお、実施例中の「部」は質量部を意味する。
【0065】
(実施例1)
<抵抗制御剤の調製>
加熱、攪拌が可能な反応容器内にペレット状のエーテル基、アミド基含有帯電防止樹脂(これを帯電防止樹脂1とする)10Kgとイオン交換水30Kgを投入し、50℃に加熱して4時間攪拌した後、メッシュを通してイオン交換水のみを排水する。反応容器内に残ったペレットに再度新しいイオン交換水30Kgを投入して50℃に加熱し、4時間攪拌を行い同様に排水する。この操作を更に3回繰り返し、帯電防止樹脂に含有する水溶性成分を除去した。これを帯電防止樹脂2とする。
【0066】
界面活性剤は水への溶解度が1.5%のフッ素系界面活性剤を選択した。
【0067】
ポリフッ化ビニリデン(PVDF) 100部
帯電防止樹脂2 12部
フッ素系界面活性剤 0.6部
無機フィラー(絶縁性金属酸化物) 30部
エポキシシランカップリング剤 0.01部
【0068】
上記の配合を二軸の押し出し機で210℃で溶融混練して各材料を均一に分散混合し、直径2mm程度のストランドで押し出してカットし、ペレットとした。
これをベルト成形用コンパウンド1とする。
【0069】
次に、図5の成形装置において、成形用ダイス103は単層用環状ダイスとし、ダイスリットの直径が120mmのものを用いた。ダイスリットは0.8mmとした。この成形装置の材料ホッパー102へ十分に加熱乾燥させた前記成形用コンパウンド1を投入し、加熱溶融してダイスから210℃で円筒状に押し出した。ダイスの周囲には外部冷却リング105が設置されており、押し出されたフィルムに周囲から空気を吹き付け、冷却を行う。押し出された筒状フィルムの内部には空気導入路104より空気を吹き込み、直径145mmまで拡大膨張した後、引き取り装置で一定の速度で連続的に引き取った。厚さは100μmに調整した。尚、空気の導入は直径が所望の値になった時点で停止している。更に、ピンチローラーにつづくカット装置108で筒状フィルムをカットする。その後、長さ300mmで切断して筒状フィルム1を成形した。
【0070】
この筒状フィルム1を熱膨張率の異なる金属からなる一組の円筒型を用いてサイズと表面平滑性の調整と折り目除去を行った。熱膨張率の高い直径150mmの内型に筒状フィルム1をやや延ばしつつ被せて、内面を平滑加工した外型に挿入し、170℃で20分間加熱する。冷却後、シリンダーから外して端部を精密にカットし、ベルト端部裏面に蛇行防止部材を取り付けて直径150mmのベルト状転写部材1を3本作製した。
【0071】
<物性評価>
上記ベルト状転写部材1の1本について前述の方法で100Vを印加した時の体積抵抗率と水溶性成分量を測定した。その結果体積抵抗率は3×1010Ω・cm、水溶性成分量は0.21質量%と良好な結果であった。
【0072】
<画像評価試験A>
画像評価試験Aとして残りのベルト状転写部材1を中間転写ベルトとして図1のフルカラーレーザービームプリンタに組み込んだ。感光体は、アルミニウムシリンダー上に順に導電コート層、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を設けた多層の有機感光体とした。この装置のプリント速度は、フルカラーA4サイズで毎分4枚、解像度は600dpiである。23℃/55%RHの環境下で24時間放置した後、印字比率5%の文字画像、全ベタ画像、ハーフトーン画像の確認試験を行った。その結果、中間転写ベルトからの染み出しに起因すると思われる画像不良は発見されず、画像のムラや色ズレ等の不良も無く良好な結果であった。次に、急激に環境が変化した際に問題が発生するか確認するため、上記の画像評価後すぐにこの装置を30℃/80%RHの環境に移して2時間後に同様の画像を確認したが、初期同様に良好な結果であった。
【0073】
<画像評価試験B>
更に、ベルト状転写部材1の残りの1本を中間転写ベルトとして図2に示される感光体−中間転写ベルト一体カートリッジに組み込み、このカートリッジを感光体と中間転写ベルトが当接した状態で40℃/95%RHの環境下で30日間放置し、その後23℃/55%RHの環境で48時間静置してから図1の電子写真装置にセットして画像評価Aと同様の画像の確認試験を行った。その結果、中間転写ベルトからの染み出しに起因すると思われる画像不良は発見されず、良好な結果であった。結果を表1に示す。
【0074】
参考
配合比を下記に変更したベルト成形用コンパウンド2に変更した以外は、実施例1と同様にしてベルト状転写部材2を3本成形した。
【0075】
PVDF 100部
帯電防止樹脂1 10部
無機フィラー(絶縁性金属酸化物) 30部
【0076】
このベルト状転写部材2について実施例1と同様の方法で評価を行ったところ、体積抵抗率は2×1011Ω・cm、水溶性成分量は1.28質量%であった。
画像評価Aの結果も実施例1と同様に良好であったが、画像評価試験Bでは初期1枚目プリントでハーフトーン画像上に極僅かであるが、スジ状に濃度の濃い部位が見られたが、2枚目以降は良好な画像であり、実用上問題の無いものであった。結果を表1に示す。
【0077】
(実施例
実施例1のベルト成形用コンパウンド1において帯電防止樹脂2の配合比を9に変更した他は同様の配合とした成形用コンパウンド3を使用し、筒状フィルムに成形する際に内部に吹き込む空気量を増やして直径305mmに調整し、直径310mmのサイズ調整用型を使用した以外は実施例1と同様にして、直径310mmのベルト状転写部材3を3本成形した。
【0078】
このベルト状転写部材3の物性値は4×1013Ω・cm、水溶性成分量は0.20%であった。更に、ベルト状転写部材3を転写搬送ベルトとして図4のレーザービームプリンターに組み込んだ。この装置は600dpi、プリント速度はフルカラーA4サイズで毎分24枚である。実施例1の画像評価試験Aを毎分24枚のスピードで行った結果、良好な画像が得られ、高速プリント用転写搬送ベルトとしても問題が無いことが確認された。次いで画像評価試験Bは転写搬送ベルトのみ高温高湿下に放置した後、23℃/55%RHの環境で装置本体に組み込み、画像評価を行ったところ、実施例1と同様に良好な画像が得られた。この結果は、ベルト表面に帯電防止剤等の低抵抗成分が染み出していないことを示している。結果を表1に示す。
【0079】
(比較例1)
実施例1において配合比を下記に代えた成形用コンパウンド3を使用した以外は、同様にして比較ベルト状転写部材1を作製した。
【0080】
PVDF 100部
界面活性剤(水溶性) 5部
【0081】
この比較ベルト状転写部材1を用いて実施例1と同様の装置と試験方法で評価を行った。この比較ベルト状転写部材1の物性値は体積抵抗率が1×1014Ω・cmと高く、水溶性成分量も2.8質量%と高いものであった。このことは界面活性剤がベルト中にあまり存在せず、ベルト表面近傍に染み出した結果であると推測される。
【0082】
続いて行った画像評価試験Aでは23℃/55%RHの環境で転写不良に起因するベタ濃度の低下が見られた。更に、30℃/80%RHの環境では画像濃度の低下が顕著となった。次に、画像評価試験Bでは中間転写ベルトが当接した部位に対応する感光体上に付着物が認められ、文字画像、ハーフトーン画像の上に感光体の周長間隔でスジ状の高濃度部が現われた。その後、100枚の画像プリントを行ってもこのスジは消えることは無く、中間転写ベルトから染み出した成分により感光体が部分的に変質したものと思われる。結果を表1に示す。
【0083】
【表1】
【0084】
【発明の効果】
上述したように、本発明によれば、転写抜けや画像濃度のムラ等の無い高画質が得られ、かつ高温高湿下での長期間の輸送や短期間の環境の変動に際しても良好な画像が得られる画像形成装置、画像形成方法、ベルト状転写部材及びカートリッジを提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の中間転写ベルト及び中間転写ベルト−感光体一体カートリッジを用いたフルカラー画像形成装置の概略構成を示す図である。
【図2】本発明の中間転写ベルト及びそれを用いた中間転写ベルト−感光体一体カートリッジの概略図である。
【図3】本発明の中間転写ベルトを用いたフルカラー画像形成装置の概略構成を示す図である。
【図4】本発明の転写搬送ベルトを用いたフルカラー画像形成装置の概略構成を示す図である。
【図5】本発明の中間転写ベルト(単層)の成形装置の概略構成を示す図である。
【図6】本発明の中間転写ベルト(2層)の成形装置の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
1 感光ドラム
2 一次帯電器
3 露光光
5 中間転写ベルト
6 一次転写ローラー
7 二次転写ローラー
8 二次転写対向ローラー
9 クリーニング用帯電部材
10 転写材ガイド
11 給紙ローラー
12 テンションローラー
13、18 クリーニング装置
15 定着装置
16 転写搬送ベルト
17 転写ローラ
30、31、33 バイアス電源
32 一次帯電器電源
41 イエロー色現像装置
42 マゼンタ色現像装置
43 シアン色現像装置
44 ブラック色現像装置
100、101 1軸押し出し機
102 ホッパー
103 環状ダイス
104 気体導入路
105 外部冷却リング
106 安定板
107 ピンチローラー
108 カット装置
110 筒状フィルム
P 転写材

Claims (11)

  1. A:潜像担持体に形成された画像を転写材に転写する電子写真方式の画像形成装置に用いられる、熱可塑性樹脂を含有しているベルト状転写部材であって、
    B:体積抵抗率が1×10Ω・cm〜8×1013Ω・cmであり、
    C:エーテル基及びアミド基を有する帯電防止樹脂を抵抗制御剤として含有し、
    D:かつ該ベルト状転写部材の水溶性成分量が0.8質量%以下である
    ことを特徴とするベルト状転写部材。
  2. 前記水溶性成分量が0.21質量%以下である請求項1に記載のベルト状転写部材。
  3. 前記熱可塑性樹脂がポリフッ化ビニリデンである請求項1又は2に記載のベルト状転写部材。
  4. 前記体積抵抗率が、3×10 10 Ω・cm以上4×10 13 Ω・cm以下である請求項1〜3のいずれかに記載のベルト状転写部材。
  5. 前記帯電防止樹脂が、水洗により予め水溶性成分を除去されたものである請求項1〜4のいずれかに記載のベルト状転写部材。
  6. 前記ベルト状転写部材が、更にエポキシシランカップリング剤を含有している請求項1〜5のいずれかに記載のベルト状転写部材。
  7. 請求項1に記載のベルト状転写部材の製造方法であって、
    エーテル基及びアミド基を有する帯電防止樹脂を水洗する工程と、
    該水洗した帯電防止樹脂と熱可塑性樹脂とを溶融混練して得たベルト成形用コンパウンドを溶融押し出しして筒状フィルムを成形する工程と、
    を有することを特徴とするベルト状転写部材の製造方法。
  8. 潜像担持体に形成された潜画像を現像剤で顕在化し、得られた画像をベルト状転写部材を用いて転写材に転写する電子写真方式の画像形成装置において、該ベルト状転写部材が請求項1〜6のいずれかに記載のベルト状転写部材であることを特徴とする画像形成装置。
  9. 前記ベルト状転写部材が中間転写ベルトであり、前記画像形成装置が、潜像担持体上に現像された画像を中間転写ベルトに一旦転写する一次転写工程と中間転写ベルトから該画像を転写材に転写する二次転写工程とを有し、二次転写後に中間転写ベルトに残留した現像剤を一次転写時の該現像剤の極性と逆の極性に帯電させ、中間転写ベルト上から一次転写と同時に潜像担持体に戻す機構を有する請求項に記載の画像形成装置。
  10. 前記ベルト状部材が転写搬送ベルトであり、前記画像形成装置が、
    転写材を該転写搬送ベルトで支持、搬送しつつ、前記潜像担持体と該転写材を接触させて電圧を印加し、該潜像担持上の画像を該転写材に転写する請求項に記載の画像形成装置。
  11. 画像形成装置に着脱可能に構成され、且つ画像形成装置に装着された状態において、潜像担持体上に形成された潜画像を現像剤で顕在化し、得られた画像を中間転写ベルトに一次転写バイアスの印加下で一次転写し、該中間転写ベルトに一次転写された画像を二次転写バイアスの印加下で転写材に二次転写し、更に該二次転写後に該中間転写ベルトに残留している現像剤を一次転写時とは逆の極性に帯電させることで、中間転写ベルトから該潜像担持体に静電的に転写させて該中間転写ベルトのクリーニングを行うものである中間転写ベルト−潜像担持体一体型カートリッジであって、
    該中間転写ベルトと、該潜像担持体と、二次転写後に該中間転写ベルトに残留している現像剤を一次転写時の現像剤の極性とは逆の極性に帯電させる手段とが一体に、且つ該潜像担持体と該手段とが、該中間転写ベルトに当接するように保持されており、また該中間転写ベルトは、請求項1〜6のいずれかに記載のベルト状転写部材であることを特徴とする中間転写ベルト−潜像担持体一体型カートリッジ。
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