JP2016133763A - 中間転写ベルト、中間転写ベルトの製造方法、及び該中間転写ベルトを用いた画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、熱可塑性樹脂で製造した中間転写ベルトの耐久性の向上させることを目的とする。【解決手段】少なくとも電子線架橋型の熱可塑性樹脂と導電剤とを含むベルト材料から構成された中間転写ベルトであって、ベルトの内周面の熱可塑性樹脂が電子線によって架橋されていることを特徴とする中間転写ベルト。前記導電剤は、導電性粒子及び/又は導電性樹脂であることが好ましく、前記導電性粒子としては導電性カーボンブラックが、前記導電性樹脂としてはポリエーテルユニットを有するポリマーが好ましい。【選択図】図2
Description
本発明は、中間転写ベルト、中間転写ベルトの製造方法、及び該中間転写ベルトを用いた画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置に用いられる中間転写ベルトとしては、硬化性樹脂を用いてバッチ生産する方法と熱可塑性樹脂を用いて連続押出生産する方法があり、環境負荷低減や低コスト要求には、熱可塑性樹脂を用いて連続生産する方法が優位であることが既に知られている。
熱可塑性樹脂を用いた中間転写ベルトは、引張り弾性率が、1000MPa〜4000MPa、表面のマルテンス硬度が、50N/mm〜300N/mmの範囲にある。一般に引張弾性率が、2000MPa以上のベルトは、表面マルテンス硬度が高く、耐久時のベルト表面キズやスジ画像の発生はないものの、ベルトが割れるといった問題や、このような高強度の樹脂は、成形温度が高く、成形安定性が劣るという問題があった。一方、弾性率が1000MPa〜2000MPaの範囲にある熱可塑性樹脂は、成形温度が低く成形安定性は高いが、表面硬度(マルテンス硬度)が低く、耐久時にベルト表面にキズがつくことで異常画像が発生するという問題があった。
前記従来例の熱可塑性樹脂からなる中間転写ベルトでは、中間転写ベルトが張架支持されたローラ表面に当初からまたは異物付着による微小な凹凸がある場合や、中間転写ベルト内周面(ベルト裏面)に金属粉やトナー凝集体等の異物が付着した場合、長期の使用によりローラの表面の周方向にキズが形成され、ベルト表面が、ベルト内周面の微小な凹凸、金属粉やトナー凝集体、周方向キズに対応した凹凸になることがわかっている。
この中間転写ベルトの表面凹凸は、転写時の密着不良となる為、画像上縦スジとなって顕在化することが問題となっている。
この中間転写ベルトの表面凹凸は、転写時の密着不良となる為、画像上縦スジとなって顕在化することが問題となっている。
中間転写ベルトの内周面の異物付着によるローラの表面のキズ対策として、1)前記ベルトを張架するローラ表面の面粗さを低減する方法、2)張架するローラのひとつに付着物除去用クリーニング部材を配置する方法、3)ローラ表面の摩擦係数を0.25以下またはローラ表面の摩擦係数をベルト裏面の摩擦係数より小さくする方法、4)ベルト裏面の粗さを低減する方法が提案されている。
また、特許文献1には、駆動ローラなどに接するベルト内周面の表面の凹凸を防止する目的で、駆動ローラなどに接するベルト内周面の表面に硬度の高い樹脂をコートする画像形成装置用ベルトが開示されている。
また、特許文献1には、駆動ローラなどに接するベルト内周面の表面の凹凸を防止する目的で、駆動ローラなどに接するベルト内周面の表面に硬度の高い樹脂をコートする画像形成装置用ベルトが開示されている。
特許文献1に記載のベルトは、ベルト内周面に硬度の高い樹脂をコートする方法で表面硬度をアップさせ、内周面の傷による画像異常を抑制することはできるが、オレフィン樹脂やフッ素樹脂にように他の樹脂との密着性や接着性が悪い樹脂をベルト材料として用いる場合には、耐久時にコート層が部分的に剥がれたり、亀裂が発生するという問題がある。
内周面をコートする方法については、ベルトを形成する材料とコート層を形成する材料との接着性や密着性が課題となる。ベルトを形成する材料として、特に極性の小さいオレフィン樹脂や表面エネルギの小さいフッ素樹脂などを用いると、コート層が剥がれたり、コート層に亀裂が入ったりする問題があった。
内周面をコートする方法については、ベルトを形成する材料とコート層を形成する材料との接着性や密着性が課題となる。ベルトを形成する材料として、特に極性の小さいオレフィン樹脂や表面エネルギの小さいフッ素樹脂などを用いると、コート層が剥がれたり、コート層に亀裂が入ったりする問題があった。
本発明は、熱可塑性樹脂で製造した中間転写ベルトの耐久性を向上させることを目的とする。
本発明者らは鋭意検討を行った結果、ベルトの内周面にコート層は設けず、電子線照射をすることで樹脂を架橋し、硬度を上げるようにした結果、耐久時、ベルト内周面の凹凸によるスジ画像の発生もなく、もちろんコート層が剥がれたり、亀裂がはいったりすることも無いことを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明は以下のとおりである。
少なくとも電子線架橋型の熱可塑性樹脂と導電剤とを含むベルト材料から構成された中間転写ベルトであって、ベルトの内周面表面の熱可塑性樹脂が電子線によって架橋されていることを特徴とする中間転写ベルト。
少なくとも電子線架橋型の熱可塑性樹脂と導電剤とを含むベルト材料から構成された中間転写ベルトであって、ベルトの内周面表面の熱可塑性樹脂が電子線によって架橋されていることを特徴とする中間転写ベルト。
本発明によると、中間転写ベルトの耐久性を飛躍的に向上させることができる。
本発明の中間転写ベルトは、少なくとも電子線架橋型の熱可塑性樹脂と導電剤とを含むベルト材料から構成された中間転写ベルトであって、ベルトの内周面表面の熱可塑性樹脂が電子線によって架橋されている。
中間転写ベルトの前記内周面とは、駆動ローラ、テンションローラなどのローラに接触する面(ベルト裏面)を言う。
中間転写ベルトの前記内周面とは、駆動ローラ、テンションローラなどのローラに接触する面(ベルト裏面)を言う。
高分子は、電子線照射すると、架橋が優先的に起こる架橋型高分子と主鎖切断が優先的に起こる崩壊型高分子に分けられる。
架橋型か崩壊型かは分子構造に依存する経験的な関係があり、置換基がついた炭素原子の電子状態に支配され架橋/崩壊の確立が変化する。
本発明では、電子線架橋型の熱可塑性樹脂を用いることを特徴とする。
電子線を照射することにより、電子線によって、熱可塑性樹脂の分子鎖が一旦切断され、ラジカル電子が発生し、このラジカル電子が再び、分子鎖と結合することにより、架橋構造を有する熱可塑性樹脂となるものと思われる。
架橋型か崩壊型かは分子構造に依存する経験的な関係があり、置換基がついた炭素原子の電子状態に支配され架橋/崩壊の確立が変化する。
本発明では、電子線架橋型の熱可塑性樹脂を用いることを特徴とする。
電子線を照射することにより、電子線によって、熱可塑性樹脂の分子鎖が一旦切断され、ラジカル電子が発生し、このラジカル電子が再び、分子鎖と結合することにより、架橋構造を有する熱可塑性樹脂となるものと思われる。
電子線架橋型の熱可塑性樹脂としてPVDF樹脂を用いて、電子線架橋した際のベルト内周面硬度の変化の一例を図3に示した。グラフから、未照射(ref.)に比べ、電子線架橋したベルト表面のマルテンス硬度(HMT115)が高いことがわかる。
電子線照射装置については特に制限はなく、市販の装置を適宜用いることができる。
電子線照射装置については特に制限はなく、市販の装置を適宜用いることができる。
図4にベルト内周面に発生する凹凸キズの光学顕微鏡像(倍率×200倍)を示す。これから、ベルト内周面に発生する凹凸は、深さが1μm〜5μmであった。
従って、ベルトの内周面を硬化させる場合、表面から20μm程度硬化させるだけで良いことが判った。
電子線の加速電圧と樹脂表面から電子線が到達する深さ(到達深度)の関係を、図5に示した。電子線の加速度が大きくなると被照射物に対する電子線の相対線量が増加する。
電子線を照射する際、電子線の加速電圧とベルト表面からの架橋深さは図5に示される関係にあり、20μm程度の深さまでを架橋するための電子線の加速電圧は、50kV〜200kV程度が好ましい。さらに照射線量により架橋密度を制御できるが、照射線量が小さいと十分な架橋が進みにくく、一方、照射線量が多いと樹脂が劣化してしまう恐れがある。本発明では、100kGy〜1000kGyの照射線量が好ましい範囲であり、100kGy〜500kGyの照射線量がより好ましい範囲である。
従って、ベルトの内周面を硬化させる場合、表面から20μm程度硬化させるだけで良いことが判った。
電子線の加速電圧と樹脂表面から電子線が到達する深さ(到達深度)の関係を、図5に示した。電子線の加速度が大きくなると被照射物に対する電子線の相対線量が増加する。
電子線を照射する際、電子線の加速電圧とベルト表面からの架橋深さは図5に示される関係にあり、20μm程度の深さまでを架橋するための電子線の加速電圧は、50kV〜200kV程度が好ましい。さらに照射線量により架橋密度を制御できるが、照射線量が小さいと十分な架橋が進みにくく、一方、照射線量が多いと樹脂が劣化してしまう恐れがある。本発明では、100kGy〜1000kGyの照射線量が好ましい範囲であり、100kGy〜500kGyの照射線量がより好ましい範囲である。
また、図5に電子線の加速電圧と電子線照射深さプロファイルを示したが、電子線が到達する相対線量は深さに依存するので、照射された内周面の最表面と内部とでは架橋の程度に差異が生じる。従って、電子線によって架橋する樹脂成分が含まれていること及びベルトの深さ方向の断面についてマルテンス硬度を測定した場合に、照射面の硬度が最も高く内部に行くに従って硬度が連続的に低下している部分が存在すれば「ベルトの内周面表面の熱可塑性樹脂が電子線によって架橋」されているということができる。
本願発明に用いる転写ベルトは、引張り弾性率500MPa〜2000MPa、ベルトの膜厚が50μm〜500μmの範囲にあることが好ましい。引張り弾性率が500MPaより小さいと、ベルトを駆動ローラに張架した際にベルトが伸びることで、蛇行の原因となったり、あるいは、タンデム方式の画像形成方式では色ずれの原因となったりする場合がある。膜厚が50μmより薄いと、ベルトの伸びによる色ずれが発生する場合があり、逆に厚いと内周面の凹凸起因のスジ画像の発生は無くなるが、転写バイアスを十分に印加できずに滲み画像を引き起こす場合がある。
ベルトの膜厚は50μm〜200μmの範囲にあることがより好ましい。
ベルトの膜厚は50μm〜200μmの範囲にあることがより好ましい。
本発明においては、さらに言えば電子線照射前及び電子線照射後のベルト内周面のマルテンス硬度が重要である。
電子線照射前のベルトの引っ張り弾性率とマルテンス硬度には、図10に示すような相関がある。
ベルト内周面のキズを抑制するために、マルテンス硬度が高くなる樹脂をベルト材料として用いる方法が考えられるが、ベルトの引張り弾性率が2000MPaを超えるような熱可塑性樹脂を用いた場合、マルテンス硬度は高くなるが、ベルトの耐折性(MIT)が劣る場合がある。
そこで、本発明では、ベルトの内周面、さらに内周面の表層20μm程度の深さのマルテンス硬度を上げる方法として、電子線照射を選択した。
ベルトの内周面の表面に電子線照射をした場合は、ベルトの引張り弾性率には大きな変化がなく、ベルトの内周面のマルテンス硬度を高くすることができる。従って、耐折性を落とさずに、引張り弾性率が2000MPa以上のベルトと同程度の表面硬度が得られ、内周面にキズが発生しにくくなる。
電子線照射前のベルトの引っ張り弾性率とマルテンス硬度には、図10に示すような相関がある。
ベルト内周面のキズを抑制するために、マルテンス硬度が高くなる樹脂をベルト材料として用いる方法が考えられるが、ベルトの引張り弾性率が2000MPaを超えるような熱可塑性樹脂を用いた場合、マルテンス硬度は高くなるが、ベルトの耐折性(MIT)が劣る場合がある。
そこで、本発明では、ベルトの内周面、さらに内周面の表層20μm程度の深さのマルテンス硬度を上げる方法として、電子線照射を選択した。
ベルトの内周面の表面に電子線照射をした場合は、ベルトの引張り弾性率には大きな変化がなく、ベルトの内周面のマルテンス硬度を高くすることができる。従って、耐折性を落とさずに、引張り弾性率が2000MPa以上のベルトと同程度の表面硬度が得られ、内周面にキズが発生しにくくなる。
引張り弾性率は、例えば、以下の装置を用い、JIS K7128−1に準拠して測定することができる。
装置:島津製作所製 オートグラフ(AG−50X)
試料、測定条件(JIS K7128−1準拠):
試験片 150mm × 50mm
スリット長さ 75mm
引張速度 200mm/min
チャック間距離 75mm
RT.23℃、RH.65%
装置:島津製作所製 オートグラフ(AG−50X)
試料、測定条件(JIS K7128−1準拠):
試験片 150mm × 50mm
スリット長さ 75mm
引張速度 200mm/min
チャック間距離 75mm
RT.23℃、RH.65%
次に、本発明の中間転写ベルトに用いる材料について説明する。
[熱可塑性樹脂]
本発明では電子線架橋型の熱可塑性樹脂を用いる。
[電子線架橋型熱可塑性樹脂]
電子線架橋型熱可塑性樹脂の一例として、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリメチルアクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリブタジエン、天然ゴム、ポリビニルアルコール、ポリアミドなどが上げられる。
極性の低いオレフィン樹脂や、表面エネルギの小さいフッ素樹脂を中間転写ベルトに用いるとトナーや紙粉によるベルト表面の汚染が他の材料に比べ、抑制できるという効果があり好ましい。これらの中で本発明の中間転写ベルトとして用いられる樹脂としては、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリプロピレンが特に好ましい。
[熱可塑性樹脂]
本発明では電子線架橋型の熱可塑性樹脂を用いる。
[電子線架橋型熱可塑性樹脂]
電子線架橋型熱可塑性樹脂の一例として、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリメチルアクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリブタジエン、天然ゴム、ポリビニルアルコール、ポリアミドなどが上げられる。
極性の低いオレフィン樹脂や、表面エネルギの小さいフッ素樹脂を中間転写ベルトに用いるとトナーや紙粉によるベルト表面の汚染が他の材料に比べ、抑制できるという効果があり好ましい。これらの中で本発明の中間転写ベルトとして用いられる樹脂としては、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリプロピレンが特に好ましい。
[ポリフッ化ビニリデン]
本発明において、ポリフッ化ビニリデンとは、フッ化ビニリデンのホモポリマーおよび、フッ化ビニリデンとコモノマーとを共重合体したコポリマーを指す。共重合に用いるコモノマーとしては、6フッ化プロピレン、テトラフルオロエチレンなどが挙げられ、該コモノマーの含有率は5〜15モル%程度である。
本発明において、ポリフッ化ビニリデンとは、フッ化ビニリデンのホモポリマーおよび、フッ化ビニリデンとコモノマーとを共重合体したコポリマーを指す。共重合に用いるコモノマーとしては、6フッ化プロピレン、テトラフルオロエチレンなどが挙げられ、該コモノマーの含有率は5〜15モル%程度である。
[導電剤]
前記導電剤は、導電性粒子及び/又は導電性樹脂であることが好ましい。熱可塑性樹脂が、オレフィン樹脂、フッ素樹脂の場合は、導電性粒子と導電性樹脂と併用することがより好ましい。
前記導電剤は、導電性粒子及び/又は導電性樹脂であることが好ましい。熱可塑性樹脂が、オレフィン樹脂、フッ素樹脂の場合は、導電性粒子と導電性樹脂と併用することがより好ましい。
[導電性樹脂]
本発明では、ポリエーテルユニットを有する導電性樹脂が好ましく、耐屈曲性を考慮すると結晶性高分子が好ましい。該導電性樹脂の具体例としては、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドなどのポリアルキレンオキサイド(PAO)、ポリエーテルアミド(PEA)、ポリエーテルエステルアミド(PEEA)等が挙げられ、市販品では例えばPAOとしてアクアコーク(住友精化社製)、ポリエーテルエステルアミドとしてペレスタット、ポリエーテルとポリオレフィンのブロック共重合体であるペレクトロン(三洋化成工業社製)等が入手可能である。
本発明では、ポリエーテルユニットを有する導電性樹脂が好ましく、耐屈曲性を考慮すると結晶性高分子が好ましい。該導電性樹脂の具体例としては、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドなどのポリアルキレンオキサイド(PAO)、ポリエーテルアミド(PEA)、ポリエーテルエステルアミド(PEEA)等が挙げられ、市販品では例えばPAOとしてアクアコーク(住友精化社製)、ポリエーテルエステルアミドとしてペレスタット、ポリエーテルとポリオレフィンのブロック共重合体であるペレクトロン(三洋化成工業社製)等が入手可能である。
これらの中でも、ポリエーテルアミド成分、ポリエーテルエステルアミド成分又はポリエステル−エーテルブロック共重合体成分を含有する高分子イオン導電剤が好適であり、更に、これに加えて低分子イオン導電剤成分を含有することが好ましい。
また、上記ポリエーテルアミド成分及びポリエーテルエステルアミド成分としては、ポリエーテル成分が(−CH2−CH2−O−)を含有し、ポリアミド成分がポリアミド12又はポリアミド6を含有するものが特に好ましい。
また、上記ポリエーテルアミド成分及びポリエーテルエステルアミド成分としては、ポリエーテル成分が(−CH2−CH2−O−)を含有し、ポリアミド成分がポリアミド12又はポリアミド6を含有するものが特に好ましい。
また、親水性ポリマーのユニットと、ポリオレフィンなどの疎水性ポリマーのユニットとが、エステル結合、アミド結合、エーテル結合、ウレタン結合、イミド結合等を介して繰り返し交互に結合したブロック共重合体も、好適に用いることができる。前記ポリオレフィンとしては、ポリマーの両末端にカルボキシル基、水酸基、アミノ基等の官能基を有するポリオレフィンが挙げられ、特に、ポリプロピレン及びポリエチレンが好適である。
前記親水性ポリマーとしては、水酸基を有するポリオキシアルキレン等のポリエーテルジオール、両末端カルボキシル基のポリアミドとポリエーテルジオールとから構成されるポリエーテルエステルアミド、ポリアミドイミドとポリエーテルジオールとから構成されるポリエーテルアミドイミド、ポリエステルとポリエーテルジオールとから構成されるポリエーテルエステル、ポリアミドとポリエーテルジアミンとから構成されるポリエーテルアミド等が使用でき、中でも、水酸基を有するポリオキシアルキレンが好ましい。
具体例としては、両末端が水酸基のポリオキシエチレン(ポリエチレングリコール)、ポリオキシプロピレン(ポリプロピレングリコール)等が挙げられる。
前記親水性ポリマーとしては、水酸基を有するポリオキシアルキレン等のポリエーテルジオール、両末端カルボキシル基のポリアミドとポリエーテルジオールとから構成されるポリエーテルエステルアミド、ポリアミドイミドとポリエーテルジオールとから構成されるポリエーテルアミドイミド、ポリエステルとポリエーテルジオールとから構成されるポリエーテルエステル、ポリアミドとポリエーテルジアミンとから構成されるポリエーテルアミド等が使用でき、中でも、水酸基を有するポリオキシアルキレンが好ましい。
具体例としては、両末端が水酸基のポリオキシエチレン(ポリエチレングリコール)、ポリオキシプロピレン(ポリプロピレングリコール)等が挙げられる。
導電性樹脂は、無機塩又は有機塩を添加して用いると安定性した導電性が得られるので好ましい。また、劣化防止のため酸化防止剤やラジカル補捉剤を加えてもよい。
無機塩又は有機塩の例としては、無機又は低分子量有機プロトン酸のアルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛又はアンモニウム塩が挙げられ、例えば、LiClO4、LiCF3SO3、NaClO4、LiBF4、NaBF4、KBF4、NaCF3SO3、KClO4、KPF6、KCF3SO3、KC4F9SO3、Ca(ClO4)2、Ca(PF6)2、Mg(ClO4)2、Mg(CF3SO3)2、Zn(ClO4)2、Zn(PF6)2又はCa(CF3SO3)2等が好ましい。
無機塩又は有機塩の例としては、無機又は低分子量有機プロトン酸のアルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛又はアンモニウム塩が挙げられ、例えば、LiClO4、LiCF3SO3、NaClO4、LiBF4、NaBF4、KBF4、NaCF3SO3、KClO4、KPF6、KCF3SO3、KC4F9SO3、Ca(ClO4)2、Ca(PF6)2、Mg(ClO4)2、Mg(CF3SO3)2、Zn(ClO4)2、Zn(PF6)2又はCa(CF3SO3)2等が好ましい。
導電性樹脂の体積抵抗率は、102〜1010(Ω・cm)の範囲にあることが好ましく、104〜108(Ω・cm)の範囲にあることが更に好ましい。
導電性樹脂の添加量は中間転写ベルト材料全体の1〜10質量%が好ましい。1質量%以上であれば抵抗を下げる効果が得られる。また、10質量%以下であれば、中間転写ベルトの引裂き性や割れ性、あるいはフィルミングのような中間転写ベルトの汚染性に問題を生じるようなことはない。
導電性樹脂の添加量は中間転写ベルト材料全体の1〜10質量%が好ましい。1質量%以上であれば抵抗を下げる効果が得られる。また、10質量%以下であれば、中間転写ベルトの引裂き性や割れ性、あるいはフィルミングのような中間転写ベルトの汚染性に問題を生じるようなことはない。
[導電性粒子]
導電性粒子は、少なくとも無機物、有機物で形成される。粒子の形状は、球状、針状、円盤状などがある。粒子の1次粒子径のサイズは、0.01〜1μm程度が好ましい。
導電性粒子の材料としては、電子導電剤やイオン導電剤が挙げられるが、有機フィラーや無機フィラーが好ましい。
導電性粒子の添加量は、0質量%〜20.0質量%の範囲が好ましい。20質量%より多くなるとベルト抵抗が低くなり、耐折性が悪化することがある。
導電性粒子は、少なくとも無機物、有機物で形成される。粒子の形状は、球状、針状、円盤状などがある。粒子の1次粒子径のサイズは、0.01〜1μm程度が好ましい。
導電性粒子の材料としては、電子導電剤やイオン導電剤が挙げられるが、有機フィラーや無機フィラーが好ましい。
導電性粒子の添加量は、0質量%〜20.0質量%の範囲が好ましい。20質量%より多くなるとベルト抵抗が低くなり、耐折性が悪化することがある。
電子導電剤としては、例えば、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等の導電性カーボンブラック、SAF、ISAF、HAF、FEF、GPF、SRF、FT、MT等のゴム用カーボン、酸化処理等を施したカラー(インク)用カーボン、熱分解カーボン、天然グラファイト、人造グラファイト、アンチモンドープの酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、ニッケル、銅、銀、ゲルマニウム等の金属及び金属酸化物、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン等の導電性ポリマー、カーボンウイスカー、黒鉛ウイスカー、炭化チタンウイスカー、導電性チタン酸カリウムウイスカー、導電性チタン酸バリウムウイスカー、導電性酸化チタンウイスカー、導電性酸化亜鉛ウイスカー等の導電性ウイスカー等が挙げられる。
イオン導電剤としては、例えば、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、変性脂肪酸ジメチルエチルアンモニウム等の過塩素酸塩、塩素酸塩、塩酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩、ホウ弗化水素酸塩、硫酸塩、エチル硫酸塩、カルボン酸塩、スルホン酸塩などのアンモニウム塩、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ金属、アルカリ土類金属の過塩素酸塩、塩素酸塩、塩酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩、ホウ弗化水素酸塩、硫酸塩、トリフルオロメチル硫酸塩、スルホン酸塩等が挙げられる。
また、前記ベルト材料は、架橋剤を含むことが好ましい。本発明で用いられる架橋剤としては、電子線の照射により架橋反応を発現させうるものであれば特に制限されるものではないが、好適には、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、トリメタアリルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレートのいずれか、またはこれらのうちいずれか2種以上の混合物が挙げられる。
架橋剤の好適な配合量としては、樹脂成分100質量部に対し0.3〜15質量部、好ましくは0.5〜5質量部程度である。
架橋剤の好適な配合量としては、樹脂成分100質量部に対し0.3〜15質量部、好ましくは0.5〜5質量部程度である。
また、本発明の中間転写ベルトのベルト材料には、本発明の効果を損なわない範囲で他の機能性成分を適宜添加することも可能であり、例えば、各種充填材、カップリング剤、酸化防止剤、滑剤、表面処理剤、顔料、紫外線吸収剤、帯電防止剤、分散剤、中和剤、発泡剤、架橋剤等を適宜配合することができる。さらに、着色剤を添加して着色を施してもよい。
本発明の中間転写ベルトは、表面抵抗率ρsが108Ω/□〜1012Ω/□での範囲にあり、500V印加時の表面抵抗率ρs_500Vと100V印加時の表面抵抗率ρs_100Vの比が、ρs_100V/ρs_500V≦1.5であることが好ましい。ρs<108Ω/□だと、ベルトの周方向に電流が流れるため、転写ニップで必要な電界が形成されないことがあり、ρs>1012Ω/□だと印加した転写バイアスによりベルトに誘起された電荷が除電されず、画像メモリなど画像品質に影響を与えることがある。
また、表面抵抗率ρsと体積抵抗率ρvは、ρs≧ρvの関係にあることが好ましい。ρs_100V/ρs_500V>1.5、ρs<ρvの関係にあると、画像パターンや紙種、紙サイズにより転写不良を起こしたり、2次転写効率を下げるたりすることがある。
また、表面抵抗率ρsと体積抵抗率ρvは、ρs≧ρvの関係にあることが好ましい。ρs_100V/ρs_500V>1.5、ρs<ρvの関係にあると、画像パターンや紙種、紙サイズにより転写不良を起こしたり、2次転写効率を下げるたりすることがある。
表面抵抗率の測定方法
[抵抗率測定]
抵抗率は、ハイレスタUP MCP−HT450型(ダイアインスツルメンツ社製)を用いて測定した。表面抵抗率は、10V及び500V、10秒印加後の値を測定し、体積抵抗率は、250V、10秒印加後の値を測定し複数の測定地点の平均を測定値とした。
[抵抗率測定]
抵抗率は、ハイレスタUP MCP−HT450型(ダイアインスツルメンツ社製)を用いて測定した。表面抵抗率は、10V及び500V、10秒印加後の値を測定し、体積抵抗率は、250V、10秒印加後の値を測定し複数の測定地点の平均を測定値とした。
[製造方法]
本発明の中間転写体ベルトの製造方法は、少なくとも導電剤と、電子線架橋型の熱可塑性樹脂とを含むベルト材料を溶融混練して溶融混練物を得る工程と、該溶融混練物を押出し成形して成形物を得る工程とを含む中間転写ベルトの製造方法であって、更に該成形物の中間転写ベルト内周面となる表面に電子線を照射する工程とを含む。
前記電子線は、加速電圧が50kV〜200kVの範囲であり、照射線量が、100KGy〜1000kGyの範囲であることが好ましい。
前記、少なくとも導電剤と、電子線架橋型の熱可塑性樹脂とを含むベルト材料を溶融混練して溶融混練物を得る工程、及び溶融混練物を押出し成形して成形物を得る工程は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
熱可塑性樹脂製の中間転写ベルトの製造方法としては、一般的には単軸のスクリュを備えた押出機あるいは二軸以上のスクリュを備えた混練押出機を用いた押出成形法がある。たとえば単軸の押出しを用いた成形方法の工程では、(1)単軸の押出機を用いてベルト材料を溶融し、スクリュにより円形ダイス(スパイラルダイ)から押出す工程、(2)押出したベルト材料を所望の径となるよう調整した後、冷却固化する工程、(3)押出されたチューブ状の成形物を所望の幅にカットする工程がある。
本発明で電子線照射を行う場合、ベルト材料を円形ダイスから押出す工程以降であれば、どの工程で行っても良い。
本発明の中間転写体ベルトの製造方法は、少なくとも導電剤と、電子線架橋型の熱可塑性樹脂とを含むベルト材料を溶融混練して溶融混練物を得る工程と、該溶融混練物を押出し成形して成形物を得る工程とを含む中間転写ベルトの製造方法であって、更に該成形物の中間転写ベルト内周面となる表面に電子線を照射する工程とを含む。
前記電子線は、加速電圧が50kV〜200kVの範囲であり、照射線量が、100KGy〜1000kGyの範囲であることが好ましい。
前記、少なくとも導電剤と、電子線架橋型の熱可塑性樹脂とを含むベルト材料を溶融混練して溶融混練物を得る工程、及び溶融混練物を押出し成形して成形物を得る工程は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
熱可塑性樹脂製の中間転写ベルトの製造方法としては、一般的には単軸のスクリュを備えた押出機あるいは二軸以上のスクリュを備えた混練押出機を用いた押出成形法がある。たとえば単軸の押出しを用いた成形方法の工程では、(1)単軸の押出機を用いてベルト材料を溶融し、スクリュにより円形ダイス(スパイラルダイ)から押出す工程、(2)押出したベルト材料を所望の径となるよう調整した後、冷却固化する工程、(3)押出されたチューブ状の成形物を所望の幅にカットする工程がある。
本発明で電子線照射を行う場合、ベルト材料を円形ダイスから押出す工程以降であれば、どの工程で行っても良い。
図1は、本発明に係る中間転写ベルトの構成を示す外観図である。
中間転写ベルト1は、略円筒形状の無端状ベルトであるが、ベルトとして可撓性を有しており、自在に変形することができる。図1では、2本のロールに架け渡してベルト外周面の全体形状が長円形となった状態を示している。
ここで、中間転写ベルト1は、少なくとも電子線架橋型の熱可塑性樹脂と導電剤とを含むベルト材料が無端ベルト形状に溶融押出成形されている。中間転写ベルトの内周面に電子線を照射する工程は、例えば図2に示すように、成形されたベルトを、ベルト駆動装置に架け渡し、ベルトを駆動させながら内周面に電子線を照射することにより、ベルト内周面の前記熱可塑性樹脂を電子線架橋させることができる。図2(a)は、中間転写ベルトに電子線を照射する状態の長さ方向における断面図であり、図2(b)は中間転写ベルトの幅W方向における断面図である。
中間転写ベルト1は、略円筒形状の無端状ベルトであるが、ベルトとして可撓性を有しており、自在に変形することができる。図1では、2本のロールに架け渡してベルト外周面の全体形状が長円形となった状態を示している。
ここで、中間転写ベルト1は、少なくとも電子線架橋型の熱可塑性樹脂と導電剤とを含むベルト材料が無端ベルト形状に溶融押出成形されている。中間転写ベルトの内周面に電子線を照射する工程は、例えば図2に示すように、成形されたベルトを、ベルト駆動装置に架け渡し、ベルトを駆動させながら内周面に電子線を照射することにより、ベルト内周面の前記熱可塑性樹脂を電子線架橋させることができる。図2(a)は、中間転写ベルトに電子線を照射する状態の長さ方向における断面図であり、図2(b)は中間転写ベルトの幅W方向における断面図である。
[画像形成装置]
本発明に係る画像形成装置は、少なくとも、像担持体上に静電潜像を形成するための静電潜像形成手段と、像担持体上に形成された静電潜像をトナーを用いてトナー像とする現像手段と、像担持体上のトナー像を中間転写ベルト上に転写する一次転写手段と、中間転写ベルト上のトナー像を被記録媒体上に転写する二次転写手段と、被記録媒体上のトナー像を定着する定着手段とを備えた画像形成装置であって、前記中間転写ベルトが本発明の中間転写ベルトであることを特徴とするものである。
本発明に係る画像形成装置は、少なくとも、像担持体上に静電潜像を形成するための静電潜像形成手段と、像担持体上に形成された静電潜像をトナーを用いてトナー像とする現像手段と、像担持体上のトナー像を中間転写ベルト上に転写する一次転写手段と、中間転写ベルト上のトナー像を被記録媒体上に転写する二次転写手段と、被記録媒体上のトナー像を定着する定着手段とを備えた画像形成装置であって、前記中間転写ベルトが本発明の中間転写ベルトであることを特徴とするものである。
図6に、本発明の画像形成装置の一例を示す。
ここでは、電子写真方式の画像形成装置に適用した一実施形態について説明する。画像形成装置は、イエロー(以下、「Y」と記す。)、シアン(以下、「C」と記す。)、マゼンタ(以下、「M」と記す。)、ブラック(以下、「K」と記す。)の4色のトナーから、カラー画像を形成するものである。
ここでは、電子写真方式の画像形成装置に適用した一実施形態について説明する。画像形成装置は、イエロー(以下、「Y」と記す。)、シアン(以下、「C」と記す。)、マゼンタ(以下、「M」と記す。)、ブラック(以下、「K」と記す。)の4色のトナーから、カラー画像を形成するものである。
まず、複数の像担持体を備え、この複数の像担持体を表面移動部材の移動方向に並列させる画像形成装置(「タンデム型画像形成装置」)の基本的な構成について説明する。この画像形成装置は、像担持体として4つの感光体1Y、1C、1M、1Kを備えている。なお、ここではドラム状の感光体を例に挙げているが、ベルト状の感光体を採用することもできる。
各感光体1Y、1C、1M、1Kは、それぞれ表面移動部材である中間転写ベルト10に接触しながら、図中矢印の方向に回転駆動する。各感光体1Y、1C、1M、1Kは、比較的薄い円筒状の導電性基体上に感光層を形成し、さらにその感光層の上に保護層を形成したものであり、また、感光層と保護層との間に中間層を設けてもよい。
各感光体1Y、1C、1M、1Kは、それぞれ表面移動部材である中間転写ベルト10に接触しながら、図中矢印の方向に回転駆動する。各感光体1Y、1C、1M、1Kは、比較的薄い円筒状の導電性基体上に感光層を形成し、さらにその感光層の上に保護層を形成したものであり、また、感光層と保護層との間に中間層を設けてもよい。
図7は、感光体を配設する作像部2の構成を示す概略断面図である。なお、作像部2Y、2C、2M、2Kにおける各感光体1Y、1C、1M、1K周りの構成はすべて同じであるため、1つの作像部2についてのみ図示し、色分け用の符号Y、C、M、Kについては省略してある。
感光体1の周りには、その表面移動方向に沿って、帯電手段としての帯電装置3、現像手段としての現像装置5、感光体1上のトナー像を記録媒体又は中間転写体10に転写する転写手段としての転写装置6、感光体1上の未転写トナーを除去するクリーニング装置7の順に配置されている。帯電装置3と現像装置5との間には、帯電した感光体1の表面の画像データに基づいて露光し、静電潜像を書き込む露光手段としての露光装置4から発せられる光が感光体1まで通過できるようにスペースが確保されている。
前記静電潜像形成手段は、帯電手段と露光手段とを合わせた手段である。
感光体1の周りには、その表面移動方向に沿って、帯電手段としての帯電装置3、現像手段としての現像装置5、感光体1上のトナー像を記録媒体又は中間転写体10に転写する転写手段としての転写装置6、感光体1上の未転写トナーを除去するクリーニング装置7の順に配置されている。帯電装置3と現像装置5との間には、帯電した感光体1の表面の画像データに基づいて露光し、静電潜像を書き込む露光手段としての露光装置4から発せられる光が感光体1まで通過できるようにスペースが確保されている。
前記静電潜像形成手段は、帯電手段と露光手段とを合わせた手段である。
帯電装置3は、感光体1の表面を負極性に帯電する。本実施形態における帯電装置3は、いわゆる接触・近接帯電方式で帯電処理を行う帯電部材としての帯電ローラを備えている。すなわち、この帯電装置3は、帯電ローラを感光体1の表面に接触又は近接させ、その帯電ローラに負極性バイアスを印加することで、感光体1の表面を帯電する。感光体1の表面電位が−500Vとなるような直流の帯電バイアスを帯電ローラに印加している。
なお、帯電バイアスとして、直流バイアスに交流バイアスを重畳させたものを利用することもできる。また、帯電装置3には、帯電ローラの表面をクリーニングするクリーニングブラシを設けてもよい。なお、帯電装置3として、帯電ローラの周面上の軸方向両端部分に薄いフィルムを巻き付け、これを感光体1の表面に当接するように設置してもよい。この構成においては、帯電ローラの表面と感光体1の表面との間は、フィルムの厚さ分だけ離間した極めて近接した状態となる。
したがって、帯電ローラに印加される帯電バイアスによって、帯電ローラ3の表面と感光体1の表面との間に放電が発生し、その放電によって感光体1の表面が帯電される。このようにして帯電した感光体1の表面には、露光装置4によって露光されて各色に対応した静電荷像が形成される。
なお、帯電バイアスとして、直流バイアスに交流バイアスを重畳させたものを利用することもできる。また、帯電装置3には、帯電ローラの表面をクリーニングするクリーニングブラシを設けてもよい。なお、帯電装置3として、帯電ローラの周面上の軸方向両端部分に薄いフィルムを巻き付け、これを感光体1の表面に当接するように設置してもよい。この構成においては、帯電ローラの表面と感光体1の表面との間は、フィルムの厚さ分だけ離間した極めて近接した状態となる。
したがって、帯電ローラに印加される帯電バイアスによって、帯電ローラ3の表面と感光体1の表面との間に放電が発生し、その放電によって感光体1の表面が帯電される。このようにして帯電した感光体1の表面には、露光装置4によって露光されて各色に対応した静電荷像が形成される。
この露光装置4は、各色に対応した画像情報に基づき、感光体1に対して各色に対応した静電荷像を書き込む。なお、本実施形態の露光装置4は、レーザ方式であるが、LEDアレイと結像手段とからなる他の方式を採用することもできる。
トナーボトル31Y、31C、31M、31Kから現像装置5内に補給されたトナーは、現像剤供給ローラ5bによって搬送され、現像ローラ5a上に担持されることになる。この現像ローラ5aは、感光体1と対向する現像領域に搬送される。ここで、現像ローラ5aは、感光体1と対向する領域(以下、「現像領域」と記す。)において感光体1の表面よりも速い線速で同方向に表面移動する。そして、現像ローラ5a上のトナーが、感光体1の表面を摺擦しながら、トナーを感光体1の表面に供給する。このとき、現像ローラ5aには、図示しない電源から−300Vの現像バイアスが印加され、これにより現像領域には現像電界が形成される。そして、感光体1上の静電潜像と現像ローラ5aとの間では、現像ローラ5a上のトナーに静電潜像側に向かう静電力が働くことになる。これにより、現像ローラ5a上のトナーは、感光体1上の静電潜像に付着することになる。この付着によって感光体1上の静電潜像は、それぞれ対応する色のトナー像に現像される。
転写装置6における中間転写ベルト10は、3つの支持ローラ11、12、13に張架されており、図中矢印の方向に無端移動する構成となっている。
この中間転写ベルト10上には、各感光体1Y、1C、1M、1K上のトナー像が静電転写方式により互いに重なり合うように転写される。静電転写方式には、転写チャージャを用いた構成もあるが、ここでは転写チリの発生が少ない転写ローラ14を用いた構成を採用している。
具体的には、各感光体1Y、1C、1M、1Kと接触する中間転写ベルト10の部分の裏面に、それぞれ転写装置6としての一次転写ローラ14Y、14C、14M、14Kを配置している。ここでは、各一次転写ローラ14Y、14C、14M、14Kにより押圧された中間転写ベルト10の部分と各感光体1Y、1C、1M、1Kとによって、一次転写ニップ部が形成される。そして、各感光体1Y、1C、1M、1K上のトナー像を中間転写ベルト10上に転写する際には、各一次転写ローラ14に正極性のバイアスが印加される。これにより、各一次転写ニップ部には転写電界が形成され、各感光体1Y、1C、1M、1K上のトナー像は、中間転写ベルト10上に静電的に付着し、転写される。
この中間転写ベルト10上には、各感光体1Y、1C、1M、1K上のトナー像が静電転写方式により互いに重なり合うように転写される。静電転写方式には、転写チャージャを用いた構成もあるが、ここでは転写チリの発生が少ない転写ローラ14を用いた構成を採用している。
具体的には、各感光体1Y、1C、1M、1Kと接触する中間転写ベルト10の部分の裏面に、それぞれ転写装置6としての一次転写ローラ14Y、14C、14M、14Kを配置している。ここでは、各一次転写ローラ14Y、14C、14M、14Kにより押圧された中間転写ベルト10の部分と各感光体1Y、1C、1M、1Kとによって、一次転写ニップ部が形成される。そして、各感光体1Y、1C、1M、1K上のトナー像を中間転写ベルト10上に転写する際には、各一次転写ローラ14に正極性のバイアスが印加される。これにより、各一次転写ニップ部には転写電界が形成され、各感光体1Y、1C、1M、1K上のトナー像は、中間転写ベルト10上に静電的に付着し、転写される。
感光体1上に形成されたトナー像を中間転写ベルト10に転写させる場合、感光体1と中間転写ベルト10は、圧接していることが好ましい。このときの圧接力は、10〜60N/mの範囲にあることが好ましい。
中間転写ベルト10の周りには、その表面に残留したトナーを除去するためのベルトクリーニング装置15が設けられている。このベルトクリーニング装置15は、中間転写ベルト10の表面に付着した不要なトナーをファーブラシ及びクリーニングブレードで回収する構成となっている。なお、回収した不要トナーは、ベルトクリーニング装置15内から図示しない搬送手段により図示しない廃トナータンクまで搬送される。
また、支持ローラ13に張架された中間転写ベルト10の部分には、二次転写ローラ16が接触して配置されている。この中間転写ベルト10と二次転写ローラ16との間には二次転写ニップ部が形成され、この部分に、所定のタイミングで記録部材としての転写紙が送り込まれるようになっている。
中間転写ベルト10の周りには、その表面に残留したトナーを除去するためのベルトクリーニング装置15が設けられている。このベルトクリーニング装置15は、中間転写ベルト10の表面に付着した不要なトナーをファーブラシ及びクリーニングブレードで回収する構成となっている。なお、回収した不要トナーは、ベルトクリーニング装置15内から図示しない搬送手段により図示しない廃トナータンクまで搬送される。
また、支持ローラ13に張架された中間転写ベルト10の部分には、二次転写ローラ16が接触して配置されている。この中間転写ベルト10と二次転写ローラ16との間には二次転写ニップ部が形成され、この部分に、所定のタイミングで記録部材としての転写紙が送り込まれるようになっている。
この転写紙は、露光装置4の図中下側にある給紙カセット20内に収容されており、給紙ローラ21、レジストローラ対22等によって、二次転写ニップ部まで搬送される。
そして、中間転写ベルト10上に重ね合わされたトナー像は、二次転写ニップ部において、転写紙上に一括して転写される。
この二次転写時には、二次転写ローラ16に正極性のバイアスが印加され、これにより形成される転写電界によって中間転写ベルト10上のトナー像が転写紙上に転写される。
二次転写ニップ部の転写紙搬送方向下流側には、定着手段としての加熱定着装置23が配置されている。この加熱定着装置23は、ヒータを内蔵した加熱ローラ23aと、圧力を加えるための加圧ローラ23bとを備えている。二次転写ニップ部を通過した転写紙は、これらのローラ間に挟み込まれ、熱と圧力を受けることになる。これにより、転写紙上に載っていたトナーが溶融し、トナー像が転写紙に定着される。そして、定着後の転写紙は、排紙ローラ24によって、装置上面の排紙トレイ上に排出される。
そして、中間転写ベルト10上に重ね合わされたトナー像は、二次転写ニップ部において、転写紙上に一括して転写される。
この二次転写時には、二次転写ローラ16に正極性のバイアスが印加され、これにより形成される転写電界によって中間転写ベルト10上のトナー像が転写紙上に転写される。
二次転写ニップ部の転写紙搬送方向下流側には、定着手段としての加熱定着装置23が配置されている。この加熱定着装置23は、ヒータを内蔵した加熱ローラ23aと、圧力を加えるための加圧ローラ23bとを備えている。二次転写ニップ部を通過した転写紙は、これらのローラ間に挟み込まれ、熱と圧力を受けることになる。これにより、転写紙上に載っていたトナーが溶融し、トナー像が転写紙に定着される。そして、定着後の転写紙は、排紙ローラ24によって、装置上面の排紙トレイ上に排出される。
現像装置5は、そのケーシングの開口から現像剤担持体としての現像ローラ5aが部分的に露出している。また、ここでは、キャリアを含まない一成分現像剤を使用している。現像装置5は、図6に示したトナーボトル31Y、31C、31M、31Kから、対応する色のトナーの補給を受けてこれを内部に収容している。このトナーボトル31Y、31C、31M、31Kは、それぞれが単体で交換できるように、画像形成装置本体に対して着脱可能に構成されている。このような構成とすることで、トナーエンド時にはトナーボトル31Y、31C、31M、31Kだけを交換すればよい。したがって、トナーエンド時にまだ寿命に達していない他の構成部材はそのまま利用でき、ユーザーの出費を抑えることができる。
図8は、現像装置の構成を示す概略断面図である。現像剤収納器中の現像剤(トナー)は、現像剤供給部材としての供給ローラ5bで攪拌されながら、感光体1に供給する前記現像剤を表面に担持する現像剤担持体としての現像ローラ5aのニップ部分に運ばれる。このとき供給ローラ5bと現像ローラ5aは、ニップ部で逆方向(カウンタ回転)に回転している。さらに、現像ローラ5aに当接するように設けられた現像剤層規制部材としての規制ブレード5cで現像ローラ5a上のトナー量が規制され、現像ローラ5a上にトナー薄層が形成される。また、トナーは、供給ローラ5bと現像ローラ5aのニップ部と規制ブレード5cと現像ローラ5aの間で摺擦され、適正な帯電量に制御される。
図9はプロセスカートリッジの構成を示す概略断面図である。本発明においては、静電潜像担持体、帯電手段、現像手段等の構成要素のうち、複数のものをプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やプリンター等の画像形成装置本体に対して着脱可能に構成することができる。図9に示したプロセスカートリッジは、静電潜像担持体、帯電手段、図8で説明した現像手段を備えている。
このように本発明の画像形成装置では、本発明の中間転写ベルトを用いるので、長期間画像出力を行った際にも、中間転写ベルトのベルト特性が低下することなく、かつ中間転写ベルト表面にトナーが融着することなく高品位な画像出力を得ることができる。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
(実施例1)
[中間転写ベルト1]の成形
[ペレットの作製]
ポリフッ化ビニリデン樹脂(KYNAR 721 アルケマジャパン社製)86質量%と、カーボンブラック(デンカブラック 電気化学工業社製)7質量%と、導電性樹脂(ペレスタット6321三洋化成社製))7質量%とを二軸混錬装置(L/D=40)に投入し、200℃で溶融混錬させ樹脂ペレット1を作製した。
[ベルトの成形]
一軸押出し装置(L/D=38)のホッパー部にペレット1を投入し、φ200mmの円形ダイスより押出すことでベルト成形を行った。サイドフィーダー部のあるシリンダの温度を180℃、円形ダイスの温度を200℃として、引張り弾性率が1600MPa、厚みが約100μmのPVDF樹脂製の中間転写ベルトの成形を行った。
[電子線照射]
表1に示す電子線照射条件で[中間転写ベルト1]のベルト内周面に電子線を照射して中間転写ベルトを得た。
このベルトの表面抵抗率を三菱化学製のハイレスタ測定したところ、1.3×1010Ω/□(500V印加時)であった。
[中間転写ベルト1]の成形
[ペレットの作製]
ポリフッ化ビニリデン樹脂(KYNAR 721 アルケマジャパン社製)86質量%と、カーボンブラック(デンカブラック 電気化学工業社製)7質量%と、導電性樹脂(ペレスタット6321三洋化成社製))7質量%とを二軸混錬装置(L/D=40)に投入し、200℃で溶融混錬させ樹脂ペレット1を作製した。
[ベルトの成形]
一軸押出し装置(L/D=38)のホッパー部にペレット1を投入し、φ200mmの円形ダイスより押出すことでベルト成形を行った。サイドフィーダー部のあるシリンダの温度を180℃、円形ダイスの温度を200℃として、引張り弾性率が1600MPa、厚みが約100μmのPVDF樹脂製の中間転写ベルトの成形を行った。
[電子線照射]
表1に示す電子線照射条件で[中間転写ベルト1]のベルト内周面に電子線を照射して中間転写ベルトを得た。
このベルトの表面抵抗率を三菱化学製のハイレスタ測定したところ、1.3×1010Ω/□(500V印加時)であった。
(実施例2)〜(実施例6)
実施例1において、電子線照射の条件を表1に記載の条件に変更した以外は実施例1と同様にして中間転写ベルトを得た。
実施例1において、電子線照射の条件を表1に記載の条件に変更した以外は実施例1と同様にして中間転写ベルトを得た。
(実施例7)〜(実施例8)
実施例1のべレットの作製において、架橋剤としてトリアリルイソシアヌレート(タイク(登録商標)、日本化成製)を用いて樹脂ペレットを作製し、表1に記載の条件で電子線照射を行った以外は実施例1と同様にして中間転写ベルトを得た。
実施例1のべレットの作製において、架橋剤としてトリアリルイソシアヌレート(タイク(登録商標)、日本化成製)を用いて樹脂ペレットを作製し、表1に記載の条件で電子線照射を行った以外は実施例1と同様にして中間転写ベルトを得た。
(実施例9)〜(実施例10)
[中間転写ベルト2]の成形
[ペレットの作製]
ポリプロピレン樹脂(ノバテックEA9 日本ポリプロ社製)90質量%、導電性樹脂(ペレスタット6321 三洋化成製)10質量%を二軸混錬装置(L/D=40)に投入し、220℃で溶融混錬させ樹脂ペレット2を作製した。
[ベルトの成形]
一軸押出し装置(L/D=38)のホッパー部にペレット2を投入し、φ200mmの円形ダイスより押出すことでベルト成形を行った。サイドフィーダー部のあるシリンダの温度を180℃、円形ダイスの温度を200℃として、引張り弾性率が1500MPa、厚みが約100μmのポリプロピレン樹脂製の中間転写ベルトの成形を行った。
[電子線照射]
表1に示す電子線照射条件で[中間転写ベルト2]のベルト内周面に電子線を照射して中間転写ベルトを得た。
このベルトの表面抵抗率を三菱化学製のハイレスタ測定したところ、3.4×1011Ω/□(500V印加時)であった。
[中間転写ベルト2]の成形
[ペレットの作製]
ポリプロピレン樹脂(ノバテックEA9 日本ポリプロ社製)90質量%、導電性樹脂(ペレスタット6321 三洋化成製)10質量%を二軸混錬装置(L/D=40)に投入し、220℃で溶融混錬させ樹脂ペレット2を作製した。
[ベルトの成形]
一軸押出し装置(L/D=38)のホッパー部にペレット2を投入し、φ200mmの円形ダイスより押出すことでベルト成形を行った。サイドフィーダー部のあるシリンダの温度を180℃、円形ダイスの温度を200℃として、引張り弾性率が1500MPa、厚みが約100μmのポリプロピレン樹脂製の中間転写ベルトの成形を行った。
[電子線照射]
表1に示す電子線照射条件で[中間転写ベルト2]のベルト内周面に電子線を照射して中間転写ベルトを得た。
このベルトの表面抵抗率を三菱化学製のハイレスタ測定したところ、3.4×1011Ω/□(500V印加時)であった。
(実施例11)〜(実施例12)
実施例9、10のべレットの作製において、架橋剤としてトリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学社製)を用いて樹脂ペレットを作製し、表1に記載の条件で電子線照射を行った以外は実施例9、10と同様にして中間転写ベルトを得た。
実施例9、10のべレットの作製において、架橋剤としてトリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学社製)を用いて樹脂ペレットを作製し、表1に記載の条件で電子線照射を行った以外は実施例9、10と同様にして中間転写ベルトを得た。
(比較例1)
比較例1の中間転写ベルトとして、[中間転写ベルト1]の成形で作製した中間転写ベルトの内周面に電子線照射しないものを使用した。
比較例1の中間転写ベルトとして、[中間転写ベルト1]の成形で作製した中間転写ベルトの内周面に電子線照射しないものを使用した。
(比較例2)
比較例2の中間転写ベルトとして、[中間転写ベルト2]の成形で作製した中間転写ベルトの内周面に電子線照射しないものを使用した。
比較例2の中間転写ベルトとして、[中間転写ベルト2]の成形で作製した中間転写ベルトの内周面に電子線照射しないものを使用した。
(比較例3)
[中間転写ベルト3]の成形
[ペレットの作製]
PEEK樹脂(ベスタキープ 3300G ダイセルエボニック社製)90質量%、カーボンブラック(デンカブラック 電気化学工業社製)10質量%を二軸混錬装置(L/D=40)に投入し、370℃で溶融混錬させ樹脂ペレット3を作製した。
[ベルトの成形]
一軸押出し装置(L/D=38)のホッパー部にペレット3を投入し、φ200mmの円形ダイスより押出すことでベルト成形を行った。サイドフィーダー部のあるシリンダの温度を380℃、円形ダイスの温度を390℃として、引張り弾性率が2700MPa、厚みが約100μmのPEEK樹脂製の中間転写ベルトの成形を行った。このベルトの表面抵抗率を三菱化学製のハイレスタ測定したところ、6.5×1010Ω/□(500V印加時)であった。
[中間転写ベルト3]の成形
[ペレットの作製]
PEEK樹脂(ベスタキープ 3300G ダイセルエボニック社製)90質量%、カーボンブラック(デンカブラック 電気化学工業社製)10質量%を二軸混錬装置(L/D=40)に投入し、370℃で溶融混錬させ樹脂ペレット3を作製した。
[ベルトの成形]
一軸押出し装置(L/D=38)のホッパー部にペレット3を投入し、φ200mmの円形ダイスより押出すことでベルト成形を行った。サイドフィーダー部のあるシリンダの温度を380℃、円形ダイスの温度を390℃として、引張り弾性率が2700MPa、厚みが約100μmのPEEK樹脂製の中間転写ベルトの成形を行った。このベルトの表面抵抗率を三菱化学製のハイレスタ測定したところ、6.5×1010Ω/□(500V印加時)であった。
得られた中間転写ベルトについて、以下のように評価した。
[マルテンス硬度測定]
中間転写ベルト内周面のマルテンス硬度(HMT115)を、フィッシャーインスツルメンツ社のFisherScopeHM2000LTを使い測定した。測定パラメーターをそれぞれ「F=10mN/10sec(dF/dt=一定)、C=5sec、R=Fと同じ」に設定し、約1cm角にカットした中間転写体サンプルの測定面の裏側とスライドガラスを瞬間接着剤で接着させたものを上記条件で測定することにより算出した。なお、圧子はビッカースの正四角錐(115°)ダイアモンド圧子を使用した。
[マルテンス硬度測定]
中間転写ベルト内周面のマルテンス硬度(HMT115)を、フィッシャーインスツルメンツ社のFisherScopeHM2000LTを使い測定した。測定パラメーターをそれぞれ「F=10mN/10sec(dF/dt=一定)、C=5sec、R=Fと同じ」に設定し、約1cm角にカットした中間転写体サンプルの測定面の裏側とスライドガラスを瞬間接着剤で接着させたものを上記条件で測定することにより算出した。なお、圧子はビッカースの正四角錐(115°)ダイアモンド圧子を使用した。
[MIT試験]
MIT試験法による耐折回数測定は、JIS P8115(1994)に準拠(JIS P8115(1994)する方法でありMIT試験機を用いて測定する。MIT試験機は折曲げ装置取り付け面に取り付けられた、試験片を挟み折曲げるための0.38mmの曲率半径をもつ折曲げ装置、プランジャーに取り付けられた荷重を掛けるためのつかみ具からなる。
MIT試験法による耐折回数測定の手順は以下のとおりである。 試験片の一方を折曲げ装置で挟む。更に試験片の他の一方をつかみ具で挟み、試験片に9.8N(1kgf)の荷重をかける。次に折曲げ装置を135±2°の角度で、毎分175±10回となる速度で回転させて、荷重がかけられた試験片を折曲げ装置の曲率面で繰り返し折り曲げ、ストレスを与えて破断させる。 破断までの折り曲げ回数N(5回測定の平均値)を、耐折回数とした。
MIT試験法による耐折回数測定は、JIS P8115(1994)に準拠(JIS P8115(1994)する方法でありMIT試験機を用いて測定する。MIT試験機は折曲げ装置取り付け面に取り付けられた、試験片を挟み折曲げるための0.38mmの曲率半径をもつ折曲げ装置、プランジャーに取り付けられた荷重を掛けるためのつかみ具からなる。
MIT試験法による耐折回数測定の手順は以下のとおりである。 試験片の一方を折曲げ装置で挟む。更に試験片の他の一方をつかみ具で挟み、試験片に9.8N(1kgf)の荷重をかける。次に折曲げ装置を135±2°の角度で、毎分175±10回となる速度で回転させて、荷重がかけられた試験片を折曲げ装置の曲率面で繰り返し折り曲げ、ストレスを与えて破断させる。 破断までの折り曲げ回数N(5回測定の平均値)を、耐折回数とした。
[画像評価]
成形されたベルトを市販のプリンタ(リコー社製)に装着し、画像出力を行った。このとき、10k枚の耐刷テストを行い、画像にベルト走行方向にスジ画像が発生しない場合は○、スジ画像がわずか(2〜5本)に発生した場合を△、スジ画像が5本以上発生した場合は×として評価した。
成形されたベルトを市販のプリンタ(リコー社製)に装着し、画像出力を行った。このとき、10k枚の耐刷テストを行い、画像にベルト走行方向にスジ画像が発生しない場合は○、スジ画像がわずか(2〜5本)に発生した場合を△、スジ画像が5本以上発生した場合は×として評価した。
1 感光体
2 作像部
3 帯電装置(帯電ローラ)
4 露光装置
5 現像装置
5a 現像ローラ
5b 現像剤供給ローラ
5c 規制ブレード
6 転写装置
7 クリーニング装置
10 中間転写ベルト
11、12、13 支持ローラ
14 一次転写ローラ
15 ベルトクリーニング装置
16 二次転写ローラ
23 加熱定着装置
23a 加熱ローラ
23b 加圧ローラ
24 排紙ローラ
31 トナーボトル
T トナー(現像剤)
2 作像部
3 帯電装置(帯電ローラ)
4 露光装置
5 現像装置
5a 現像ローラ
5b 現像剤供給ローラ
5c 規制ブレード
6 転写装置
7 クリーニング装置
10 中間転写ベルト
11、12、13 支持ローラ
14 一次転写ローラ
15 ベルトクリーニング装置
16 二次転写ローラ
23 加熱定着装置
23a 加熱ローラ
23b 加圧ローラ
24 排紙ローラ
31 トナーボトル
T トナー(現像剤)
Claims (8)
- 少なくとも電子線架橋型の熱可塑性樹脂と導電剤とを含むベルト材料から構成された中間転写ベルトであって、ベルトの内周面表面の熱可塑性樹脂が電子線によって架橋されていることを特徴とする中間転写ベルト。
- 前記導電剤が、導電性粒子及び/又は導電性樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の中間転写ベルト。
- 前記導電性粒子が導電性カーボンブラックであることを特徴とする請求項2記載の中間転写ベルト。
- 前記導電性樹脂がポリエーテルユニットを有するポリマーであることを特徴とする請求項2記載の中間転写ベルト。
- 前記ベルト材料が架橋剤を含み、該架橋剤が、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、トリメタアリルイソシアヌレート及びジアリルモノグリシジルイソシアヌレートから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の中間転写ベルト。
- 少なくとも導電剤と、電子線架橋型の熱可塑性樹脂とを含むベルト材料を溶融混練して溶融混練物を得る工程と、該溶融混練物を押出し成形して成形物を得る工程とを含む中間転写ベルトの製造方法であって、更に該成形物の中間転写ベルト内周面となる表面に電子線を照射する工程を含むことを特徴とする中間転写ベルトの製造方法。
- 前記電子線の加速電圧が50kV〜200kVの範囲であり、照射線量が、100KGy〜1000kGyの範囲であることを特徴とする請求項6記載の中間転写ベルトの製造方法。
- 少なくとも、像担持体上に静電潜像を形成するための静電潜像形成手段と、像担持体上に形成された静電潜像にトナーを用いてトナー像とする現像手段と、像担持体上のトナー像を中間転写ベルト上に転写する一次転写手段と、中間転写ベルト上のトナー像を被記録媒体上に転写する二次転写手段と、被記録媒体上のトナー像を定着する定着手段とを備えた画像形成装置であって、該中間転写ベルトが、請求項1〜5のいずれかに記載の中間転写ベルトであることを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015010139A JP2016133763A (ja) | 2015-01-22 | 2015-01-22 | 中間転写ベルト、中間転写ベルトの製造方法、及び該中間転写ベルトを用いた画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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JP2016133763A true JP2016133763A (ja) | 2016-07-25 |
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ID=56438124
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Country | Link |
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JP (1) | JP2016133763A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022102277A1 (ja) * | 2020-11-13 | 2022-05-19 | 株式会社リケン | Peek成形体、及びその製造方法 |
-
2015
- 2015-01-22 JP JP2015010139A patent/JP2016133763A/ja active Pending
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WO2022102277A1 (ja) * | 2020-11-13 | 2022-05-19 | 株式会社リケン | Peek成形体、及びその製造方法 |
JP2022078517A (ja) * | 2020-11-13 | 2022-05-25 | 株式会社リケン | Peek成形体、及びその製造方法 |
JP7142075B2 (ja) | 2020-11-13 | 2022-09-26 | 株式会社リケン | Peek成形体、及びその製造方法 |
EP4215569A4 (en) * | 2020-11-13 | 2023-09-27 | Kabushiki Kaisha Riken | MOLDED PEEK BODY AND PRODUCTION METHOD THEREFOR |
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