JP2000187395A - 中間転写体及び転写部材、中間転写体及び転写部材の製造方法、中間転写体及び転写部材を用いた画像形成装置 - Google Patents

中間転写体及び転写部材、中間転写体及び転写部材の製造方法、中間転写体及び転写部材を用いた画像形成装置

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JP2000187395A
JP2000187395A JP36312198A JP36312198A JP2000187395A JP 2000187395 A JP2000187395 A JP 2000187395A JP 36312198 A JP36312198 A JP 36312198A JP 36312198 A JP36312198 A JP 36312198A JP 2000187395 A JP2000187395 A JP 2000187395A
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Tsunenori Ashibe
恒徳 芦邊
Hidekazu Matsuda
秀和 松田
Takashi Kusaba
隆 草場
Akihiko Nakazawa
明彦 仲沢
Minoru Shimojo
稔 下條
Atsushi Tanaka
篤志 田中
Hiroyuki Kobayashi
廣行 小林
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  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面離型性が高く、耐久性が良好であり、か
つ低コストで、工程数が少なく、多様性に優れた中間転
写体及び転写部材、及びその製造方法、及びこれらを用
いた画像形成装置を提供することである。 【解決手段】 四フッ化エチレン・パーフルオロメチル
ビニルエーテル共重合樹脂を押し出し機で溶融押し出し
成型されたフィルムを用いたエンドレスベルトである中
間転写体及び転写部材、及びこの製造方法、及びこれら
を用いた画像形成装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、第1の画像担持体
上に形成されたトナー像を、一旦中間転写体に転写させ
た後、更に転写させ画像形成物を得る電子写真画像形成
装置に用いる中間転写体、及び第1の像担持体上に形成
されたトナー像を、第2の像担持体に静電的に転写させ
画像形成物を得る電子写真画像形成装置に用いる転写部
材、中間転写体及び転写部材の製造方法及び画像形成装
置に関し、特には、中間転写ベルト及び転写ベルト、中
間転写ベルト及び転写ベルトの製造方法及び画像形成装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】中間転写体を使用した画像形成装置は、
カラー画像情報や多色画像情報の複数の成分色画像を順
次積層転写してカラー画像や多色画像を合成再現した画
像形成物を出力するカラー画像形成装置や多色画像形成
装置、又はカラー画像形成機能や多色画像形成機能を具
備させた画像形成装置として有効である。
【0003】中間転写体として中間転写ベルトを用いた
画像形成装置の一例の概略図を図1に示す。
【0004】図1は、電子写真プロセスを利用したカラ
ー画像形成装置(複写機あるいはレーザービームプリン
ター)である。中間転写ベルト20には、中抵抗の弾性
体を使用している。
【0005】1は、第1の画像担持体として繰り返し使
用される回転ドラム型の電子写真感光体(以下、感光ド
ラムと記す)であり、矢示の時計方向に所定の周速度
(プロセススピード)をもって回転駆動される。
【0006】感光ドラム1は回転過程で、一次帯電器2
により所定の極性・電位に一様に帯電処理され、次いで
不図示の露光手段(カラー原稿画像の色分解結像露光光
学系、画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応し
て変調されたレーザービームを出力するレーザースキャ
ナによる走査露光系等)による露光光を受けることによ
り、目的のカラー画像の第1の色成分像(例えば、イエ
ロー色成分像)に対応した静電潜像が形成される。
【0007】次いで、その静電潜像が第1の現像器(イ
エロー色現像器41)により第1色であるイエロートナ
ーYにより現像される。この時、第2〜第4の現像器
(マゼンタ色現像器42、シアン色現像器43、ブラッ
ク色現像器44)の各現像器は、作動−オフになってい
て感光ドラム1には作用せず、上記第1色のイエロート
ナー画像は、上記第2〜第4の現像器により影響を受け
ない。
【0008】中間転写ベルト20は、時計方向に感光ド
ラム1と同じ周速度をもって回転駆動されている。感光
ドラム1上に形成担持された上記第1色のイエロートナ
ー画像が、感光ドラム1と中間転写ベルト20とのニッ
プ部を通過する過程で、一次転写ローラ62から中間転
写ベルト20に印加される一次転写バイアスにより形成
される電界により、中間転写ベルト20の外周面に順次
中間転写(一次転写)されていく。中間転写ベルト20
に対応する第一色のイエロートナー画像の転写を終えた
感光ドラム1の表面は、クリーニング装置13により清
掃される。
【0009】以下、同様に第2色のマゼンタトナー画
像、第3色のシアントナー画像、第4色のブラックトナ
ー画像が順次中間転写ベルト20上に重ね合せて転写さ
れ、目的のカラー画像に対応した合成カラートナー画像
が形成される。
【0010】63は二次転写ローラで、二次転写対向ロ
ーラ64に対応し平行に軸受させて中間転写ベルト20
の下面部に離間可能な状態に配設してある。感光ドラム
1から中間転写ベルト20への第1〜第4色のトナー画
像の順次重畳転写のための一次転写バイアスは、トナー
とは逆極性(+)でバイアス電源29から印加される。
その印加電圧は、例えば+100V〜2kVの範囲であ
る。
【0011】感光ドラム1から中間転写ベルト20への
第1〜第3色のトナー画像の一次転写工程において、二
次転写ローラ63は中間転写ベルト20から離間するこ
とも可能である。
【0012】中間転写ベルト20上に転写された合成カ
ラートナー画像の第2の画像担持体である転写材Pへの
転写は、二次転写ローラ63が中間転写ベルト20に当
接されると共に、給紙ローラ11から転写材ガイド10
を通って、中間転写ベルト20と二次転写ローラ63と
の当接ニップに所定のタイミングで転写材Pが給送さ
れ、二次転写バイアスが電源28から二次転写ローラ6
3に印加される。この二次転写バイアスにより、中間転
写ベルト20から第2の画像担持体である転写材Pへ合
成カラートナー画像が転写(二次転写)される。トナー
画像の転写を受けた転写材Pは、定着器15へ導入され
加熱定着される。
【0013】転写材Pへの画像転写終了後、中間転写ベ
ルト20にはクリーニング用帯電部材7が当接され、感
光ドラム1とは逆極性のバイアスを印加することによ
り、転写材Pに転写されずに中間転写ベルト20上に残
留しているトナー(転写残トナー)には、感光ドラム1
と逆極性の電荷が付与される。26はバイアス電源であ
る。前記転写残トナーは、感光ドラム1とのニップ部及
びその近傍において感光ドラム1に静電的に転写される
ことにより、中間転写体がクリーニングされる。
【0014】前述の中間転写ベルトを用いた画像形成装
置を有するカラー電子写真装置は、従来の技術である転
写ドラム上に第2の画像担持体を張り付け又は吸着せし
め、そこへ第1の画像担持体上から画像を転写する画像
形成装置を有したカラー電子写真装置、例えば特開昭6
3−301960号公報中で述べられたごとくの転写装
置と比較すると、第2の画像担持体である転写材になん
ら加工、制御(例えば、グリッパーに把持する、吸着す
る、曲率をもたせる等)を必要とせずに、中間転写ベル
トから画像を転写することができるため、封筒、ハガ
キ、ラベル紙等、薄い紙(40g/m2紙)から厚い紙
(200g/m2紙)まで、幅の広狭、長さの長短、あ
るいは厚さの厚薄によらず、第2の画像担持体を多種多
様に選択することができるという利点を有している。こ
のような利点のため、すでに市場においては中間転写ベ
ルトを用いたカラー複写機、カラープリンター等が稼働
し始めている。
【0015】次に、転写部材として転写ベルトを用いた
画像形成装置の一例の概略図を図2に示す。
【0016】図2に示された画像形成装置は、色分解像
重ね合せ転写方式のカラー画像形成装置の一つの型式と
して、複数の感光体に夫々異なる色のトナー像を形成
し、この各感光体に順次接触して搬送される1枚の転写
材に位置を合わせて、各感光体上のトナー像を転写し、
フルカラー画像を得るようにしたものである。
【0017】図2に示された画像形成装置は、装置本体
320内の上部に電子写真プロセス手段として4つの画
像形成部I、II、III、IVを並設しており、各画
像形成部I〜IVは、像担持体としての感光ドラム30
1Y、301M、301C、301BK、一次帯電器と
しての一次帯電ローラ302Y、302M、302C、
302BK、露光部303Y、303M、303C、3
03BK、現像器304Y、304M、304C、30
4BK及びクリーナ305Y、305M、305C、3
05BKを含んで構成されている。なお、現像器304
Y、304M、304C、304BKには、それぞれイ
エロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラッ
ク(BK)のトナーが収容されている。
【0018】また、上記画像形成部I〜IVの下方に
は、転写装置10が設けられており、転写装置は31
0、駆動ローラ311と従動ローラ312及びテンショ
ンローラ313の間に張設された無端状の転写ベルト3
14と、各画像形成部I〜IVの感光ドラム301Y、
301M、301C、301BKに、それぞれ対向して
配置された転写帯電器315を含んで構成されている。
【0019】他方、装置本体320内の底部には、記録
媒体として複数枚の転写材Pを積層収容して成るカセッ
ト306が設置されており、カセット306内の転写材
Pは、給紙ローラ307によって1枚ずつ送り出され、
搬送ガイド308を経てレジストローラ309まで搬送
される。
【0020】そして、装置本体320内の上記転写材P
の搬送方向の下流側には、分離帯電器316及び定着器
317が配設されており、装置本体320の外には排紙
トレイ318が取り付けられている。
【0021】そして、各画像形成部I〜IVにおいて
は、感光ドラム301Y、301M、301C、301
BKが図示矢印方向に所定の速度で回転駆動され、これ
らは一次帯電ローラ302Y、302M、302C、3
02BKによって、それぞれ一様に帯電処理される。こ
のように帯電処理された各感光ドラム301Y、301
M、301C、301BKに対して、画像情報に応じた
露光が露光部303Y、303M、303C、303B
Kによってなされると、各感光ドラム301Y、301
M、301C、301BKには静電潜像が形成され、各
静電潜像は各現像器304Y、304M、304C、3
04BKによって現像されて、イエロートナー像、マゼ
ンタトナー像、シアントナー像及びブラックトナー像と
してそれぞれ顕像化される。
【0022】一方、前述のようにカセット306から搬
送ガイド308を経てレジストローラ309まで搬送さ
れた転写材Pは、レジストローラ309によってタイミ
ングを合わされて転写装置310に送り出され、転写装
置310の転写ベルト314に吸着されてこれと共に移
動して各面像形成部I〜IVを通過し、その過程で転写
材Pには、転写帯電器315の作用によってイエロート
ナー像、マゼンタトナー像、シアントナー像及びブラッ
クトナー像が重ねて転写される。
【0023】そして、上述のように各カラートナー像の
転写を受けた転写材Pは、分離帯電器316によって除
電されて転写ベルト314から分離された後、定着器3
17に搬送されてカラートナー像の加熱定着を受け、最
後に装置本体320から排出されて排紙トレイ318上
に積載される。
【0024】前記転写ベルトによるカラー画像形成装置
は、転写材を各記録装置に順次搬送しながら各色画像を
重畳転写するため、一工程でカラー画像が形成されるの
で、画像出力時間が速いという利点がある。このような
利点のため、すでに市場においては転写ベルトを用いた
カラー複写機、カラープリンター等が稼働し始めてい
る。
【0025】中間転写体及び転写部材に用いられるベル
トの材料として、例えば、特開平5−345368号公
報ではエチレン−4フッ化エチレン共重合体(以下、E
TFE)及び/又はエチレン−3フッ化塩化エチレン共
重合体(以下、ECTFE)等や、特開平5−2009
04号公報ではポリフッ化ビニリデン(以下、PVD
F)等が開示されている。これらの樹脂の特徴として、
フッ素による表面離型性が高い等の特徴があるが、エチ
レン−4フッ化エチレン共重合体及び/又はエチレン−
3フッ化塩化エチレン共重合体やポリフッ化ビニリデン
は、基本的には表面離型性が高いものの、トナー融着が
全く発生しないものではなかった。その要因として、前
記フッ素樹脂の構造を以下に示し説明する。
【0026】(a)ETFE
【0027】
【化1】 (m、nは正の整数)
【0028】(b)ECTFE
【0029】
【化2】 (m、nは正の整数)
【0030】(c)PVDF
【0031】
【化3】 (nは正の整数)
【0032】前記構造を見ると、フッ素樹脂の中で最も
離型性に優れると考えられるポリテトラフルオロエチレ
ン(以下の構造式参照)
【0033】
【化4】 (nは正の整数)よりもETFE、ECTFE、PVD
Fは、フッ素原子含有量が少ないことがわかる。つま
り、フッ素樹脂であっても、他の原子が存在すること
で、離型性が十分に得られない場合があると考えられる
のである。このため、トナー融着の発生し易い高温の過
酷な環境で、これら中間転写体及び転写部材は、耐久性
に欠けるため、頻繁に中間転写体及び転写部材を交換し
なければならず、プリンターや複写機等のランニングコ
ストを上げることになっているのが現状であった。ま
た、離型性の高いPTFEは押し出し成型ができないた
め、薄膜のベルトを作成するのは、コストが高く実用的
ではなかった。
【0034】これらの対策として、四フッ化エチレン・
パーフルオロプロピルビニルエーテル共重合樹脂(以
下、PFA)を用いることにより、フッ素含有率が高
く、更に溶融成型も可能な樹脂を使用する方法がある
が、このPFAは、表面粗れが発生するという特徴があ
り、表面粗れに起因する表面離型性の悪化があるため、
フッ素樹脂特有の表面離型性を十分に発揮することがで
きない場合があり、更にPFAは、成型温度が400℃
以上であるために特殊な成型装置が必要となり、成型装
置が高コストになること等があり、目的を達成すること
は困難であった。
【0035】
【発明が解決しようとする課題】しかるに本発明者等
は、前述の問題を解決した従来と異なる新規な中間転写
体及び転写部材及びこれらの製造方法と画像形成装置を
提案するものである。
【0036】本発明の目的は、第1の画像担持体から中
間転写体への転写効率、及び中間転写体から第2の画像
担持体への転写効率が極めて高く、更には繰り返し使用
してもトナー融着が発生せず、耐久性に優れる中間転写
体、及びこの中間転写材を用いた画像形成装置を提供す
ることである。
【0037】本発明の別の目的は、第1の像担持体上に
形成されたトナー像を、第2の像担持体に静電的に転写
する転写装置に使用される転写部材の汚染が極めて少な
く、繰り返し使用してもトナー融着が発生せず、耐久性
に優れる転写部材、及びこの転写部材を用いた画像形成
装置を提供することである。
【0038】本発明の更に別の目的は、低コストで、工
程数が少なく、多様性に優れた中間転写体及び転写部材
の製造方法を提供することである。
【0039】
【課題を解決するための手段】本発明に従って、第1の
画像担持体上に形成された画像を中間転写体上に転写し
た後、第2の画像担持体上に更に転写する画像形成装置
に使用される中間転写体であって、四フッ化エチレン・
パーフルオロメチルビニルエーテル共重合樹脂を押し出
し機で溶融押し出し成型されたフィルムを用いたエンド
レスベルトである中間転写体、及びこの製造方法が提供
される。
【0040】また本発明に従って、第1の像担持体上に
形成されたトナー像を、第2の像担持体上に静電的に転
写する転写装置に使用される転写部材であって、四フッ
化エチレン・パーフルオロメチルビニルエーテル共重合
樹脂を押し出し機で溶融押し出し成型されたフィルムを
用いたエンドレスベルトであることを特徴とする転写部
材、及びその製造方法が提供される。
【0041】更に本発明に従って、第1の画像担持体上
に形成された画像を前記中間転写体上に転写した後、第
2の画像担持体上に更に転写させ画像形成物を得る画像
形成装置が提供される。
【0042】また本発明に従って、第1の像担持体上に
形成されたトナー像を、第2の像担持体に静電的に転写
させ画像形成物を得る画像形成装置において、前記転写
部材を用いた画像形成装置が提供される。
【0043】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を詳
細に説明する。
【0044】すなわち、本発明は、四フッ化エチレン・
パーフルオロメチルビニルエーテル共重合樹脂(MF
A)が以下の構造式
【0045】
【化5】 (m、nは正の整数)からわかるように、ETFE、E
CTFEやPVDFよりもフッ素含有量が多いという特
性からくると考えられる高い表面離型性と、押し出し成
型が可能な樹脂特性、更にPFAと同等の樹脂物性を有
し、かつPFAよりも成型物の表面平滑性が良好である
というMFA特有の物性から発現される高い表面離型性
で、高いトナー離型性を発揮すること、PFAより成型
温度が20℃低いことによる易成型性により、低コスト
を両立することが可能となることを特徴とする。
【0046】MFAは、その分子量違いにより樹脂粘度
特性が異なるが、押し出し成型に好ましいメルトフロー
レイト(以下、MFR)の値は、0.5以上〜20以下
(372℃、荷重5kg、測定時間10分)が好まし
い。20より大きいと流動性が高くなり所謂ドローダウ
ンが発生し、成型が安定し難くなる。また、0.5より
小さいと流動性が悪いため、押し出し機に高い負荷がか
かり、より大きな押し出し機が必要となり、コストが高
くなるため好ましくない。
【0047】MFAは、求める諸特性により他の樹脂を
混合しても良い。例えば、PFAは、成型品の表面が粗
れるが、MFAと適度に混合することにより、表面離型
性を損なわない程度に表面を粗らすことができるので、
トナーの保持力が高くなり、転写の中抜けを減らすこと
ができる。
【0048】また、混合することができる樹脂として
は、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエ
チレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン(ホモ、
ブロック共重合体、ランダム共重合体)、ポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカ
ーボネート、塩化ビニル、ポリスチレン、メタクリル、
ポリアミド、塩化ビニリデン、エチレン−酢酸ビニルコ
ポリマー、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂、ア
イオノマー樹脂、エチレン・アクリル酸エチル共重合樹
脂、アクリロニトリル・アクリルゴム・スチレン共重合
樹脂、アクリロニトリル・スチレン共重合樹脂、アクリ
ロニトリル・塩素化ポリエチレン・スチレン共重合樹
脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹
脂、塩素化ポリエチレン、ポリアセタール樹脂、ポリオ
キシベンゾイル樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹
脂、ポリサルホン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、
ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリブタジエン樹
脂、メチルペンテン樹脂、ポリフッ化ビニリデン、4フ
ッ化エチレン−エチレン共重合樹脂、4フッ化エチレン
−6フッ化プロピレン共重合樹脂、エチレン−クロロト
リフルオロエチレン共重合樹脂、各種熱可塑性エラスト
マー等の熱可塑性樹脂が挙げられる。
【0049】本発明に用いる中間転写体及び転写部材の
体積抵抗は、100Ω〜1014Ωであることが好まし
く、特には106〜1012Ωであることが好ましい。ま
た、本発明に用いる中間転写体及び転写部材の表面抵抗
は、100Ω〜1017Ωであることが好ましく、特には
106〜1014Ωであることが好ましい。
【0050】また、本発明の中間転写体として機能する
ためには、ベルト各部の体積抵抗及び表面抵抗は、その
最大値が最小値の100倍以内にすることが望ましい。
【0051】特に、ベルトの周方向における体積抵抗の
最大値が、最小値の100倍以内にあることが望まし
い。これは、ベルトの周方向における体積抵抗の最大値
が、最小値の100倍より大きいと、周方向に転写ムラ
が発生したり、複数個所で電圧を印加する場合、その電
圧が印加される一部の個所から他の印加される個所へ周
方向の抵抗が低い部分を介して電流が流れ込むことがあ
り、他の個所の電圧制御を乱すことで、正常な動作が行
えない場合があるからである。
【0052】また、ベルトの周方向における表面抵抗の
最大値が、最小値の100倍以内にあることが望まし
い。これは、ベルトの周方向における表面抵抗の最大値
が、最小値の100倍より大きいと、周方向に転写ムラ
が発生したり、複数個所で電圧を印加する場合、その電
圧が印加される一部の個所から他の印加される個所へ周
方向の抵抗が低い部分を介して電流が流れ込み、他の個
所の電圧制御を乱すことで、正常な動作が行えない場合
があるからである。
【0053】更に、ベルトの長手方向における体積抵抗
の最大値が、最小値の100倍以内にあることが望まし
い。これは、ベルトの長手方向における体積抵抗の最大
値が、最小値の100倍より大きいと、長手方向に転写
ムラが発生したり、抵抗最小部位に過大な電流が流れ込
み、装置が誤作動する恐れがあるからである。
【0054】また更に、ベルトの長手方向における表面
抵抗の最大値が、最小値の100倍以内にあることが望
ましい。これは、ベルトの長手方向における表面抵抗の
最大値が、最小値の100倍より大きいと、長手方向に
転写ムラが発生したり、転写残トナーに所定の電荷を与
え、感光ドラム上に戻すクリーニング方法を用いる場
合、電荷を与える帯電部材からベルトの表面抵抗最小部
位に過大な電流が流れ込み、その個所の長手方向に十分
な電界がかからないので長手方向にクリーニングムラが
発生する場合があるからである。
【0055】上記抵抗範囲を達成するためには、本発明
の樹脂と抵抗制御剤との相溶性、抵抗制御剤の量、及び
分散加工時の工程条件、更に図3に示されるベルト製造
時の各工程条件を詳細に検討することにより上記の範囲
に収めることができる。
【0056】本発明における体積抵抗と表面抵抗は、単
に測定条件の違いではなく、全く別個の電気特性を示す
ものである。すなわち、中間転写体に印加される電圧/
電流が厚み方向に加えられた場合、中間転写体の電荷の
移動は、主に中間転写体内部の構造や物性、換言すれば
中間転写体の層構成や添加剤、抵抗制御剤の種類や分散
状態によって決定され、その結果として中間転写体の表
面電位や除電速度等が決まる。一方、中間転写体の表面
のみで電荷の授受が行われるように電圧/電流が加えら
れた場合は、中間転写体の内部構造や層構成にほとんど
依存せず表面における添加剤、抵抗制御剤の存在割合に
よってのみ帯電、除電が決まる。
【0057】しかるに本発明においては、この表面抵抗
及び体積抵抗が相侯って好ましい範囲に入ることが、転
写効率を高いレベルでの維持、中間転写体の均一な転写
性やフィルミング等の欠陥が無く画像全面にわたり良好
な画質が得られるための必要十分条件である。
【0058】本発明の中間転写体の電気抵抗測定方法
は、以下の通りである。
【0059】<測定機> 抵抗計;超高抵抗計R8340A(アドバンテスト社
製) 試料箱;超高抵抗測定用試料箱TR42(アドバンテス
ト社製) ただし、主電極は直径25mm、ガード・リング電極は
内径41mm、外径49mmとする。
【0060】<サンプル>ベルトを直径56mmの円形
に切断する。切断後、片面はその全面をPt−Pd蒸着
膜により電極を設け、もう一方の面はPt−Pd蒸着膜
により直径25mmの主電極と内径38mm、外径50
mmのガード電極を設ける。Pt−Pd蒸着膜は、マイ
ルドスパッタE1030(日立製作所製)で蒸着操作を
2分間行うことにより得られる。蒸着操作を終了したも
のを測定サンプルとする。
【0061】<測定条件> 測定雰囲気;23℃/湿度55% (なお、測定サンプ
ルは、予め23℃、湿度55%の雰囲気に12時間以上
放置しておく) 測定モード;プログラムモード5 (ディスチャージ10秒、チャージ及びメジャー30
秒) 印加電圧;1〜1000(V) 印加電圧は、本発明の画像形成装置で使用される中間転
写体及び転写部材に印加される電圧の範囲の一部である
1〜1000Vの間で任意に選択できる。また、サンプ
ルの抵抗値、厚み、絶縁破壊強さ等に応じて、上記印加
電圧の範囲において、使用される印加電圧は、適時変え
ることができる。また、前記印加電圧のいずれか一点の
電圧で測定された、複数個所の体積抵抗及び表面抵抗
が、本発明の抵抗範囲に含まれれば、本発明の目的とす
る抵抗範囲であると判断される。
【0062】また、本発明に用いられる中間転写体及び
転写部材は、必要に応じて抵抗を制御するため抵抗制御
剤を含有させても良い。
【0063】本発明の中間転写体及び転写部材の電気抵
抗値を調節するための抵抗制御剤のうち、電子電導性抵
抗制御剤としては、例えば、カーボンブラック、黒鉛、
アルミニウムドープ酸化亜鉛、酸化スズ被覆酸化チタ
ン、酸化スズ、酸化スズ被覆硫酸バリウム、チタン酸カ
リウム、アルミニウム金属粉末、ニッケル金属粉末等が
挙げられる。また、イオン電導性抵抗制御剤としては、
テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジ
ル、アンモニウム塩、アルキルスルホン酸塩、アルキル
ベンゼンスルホン酸塩、アルキルサルフェート、グリセ
リン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリ
オキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂
肪アルコールエステル、アルキルベタイン、過塩素酸リ
チウム等が挙げられるが、これに限らない。
【0064】また、中間転写体及び転写部材に処方され
る抵抗制御剤量は、本発明の製造方法と不可分の関係に
ある。抵抗制御剤量が30重量%を越えると、同時に処
方される樹脂がどんなに延伸、拡大が可能な柔軟な樹脂
であっても押し出し機を通過後、塑性的な溶融体とな
り、所望の拡大膨張を行うことができない。また、仮に
拡大膨張できたとしても、成型時に量が多いため抵抗制
御剤粒子に起因したブツ、フィッシュアイや穿孔が頻発
することになる。
【0065】しかるに本発明の製造方法では、抵抗制御
剤量は30重量%以下とすることが好ましく、更に好ま
しくは25重量%以下、より好ましくは21重量%以下
である。特に、抵抗制御剤をイオン電導性、及び電子電
導性の両者を単独、又は併用で用いる場合、イオン電導
性抵抗制御剤は分散性に優れる反面、湿度依存性が大き
いため多量に使用することはできない。また、電子電導
性抵抗制御剤は、前述のように本発明の中間転写ベルト
の製造方法において電気抵抗の一様に著しく影響を与え
る。そのため本発明においては、イオン電導性抵抗制御
剤としては0.05〜10重量%、電子電導性抵抗制御
剤は3〜30重量%を、それぞれ単独、又は併用して用
いることが好ましい。
【0066】図3に、本発明に係わる成型装置の一例を
示す。本装置は、基本的には押し出し機、環状ダイス、
及び必要に応じ気体吹き込み装置より成るが、もちろん
これに限ったものではない。
【0067】図3は、2層構成ベルト成型用に押し出し
機100、及び110と2基具備しているが、少なくと
も本発明においては1基以上有していれば良い。次に、
単層の中間転写体の製造方法について述べる。
【0068】まず、成型用樹脂、導電剤、添加剤等を所
望の処方に基づき、予め予備混合後、混練分散をせしめ
た成型用原料を、押し出し機100に具備したホッパー
120に投入する。押し出し機100は、成型用原料が
後工程でのベルト成型が可能となる溶融粘度となり、ま
た原料相互が均一分散するように、設定温度、及び押し
出し機のスクリュー構成は、選択される。成型用原料
は、押し出し機100中で溶融混練され溶融体となり、
環状ダイス140に入る。環状ダイス140は、気体導
入路150が配設されており、気体導入路150より空
気が環状ダイス140に吹き込まれることにより、環状
ダイス140を通過した溶融体は、径方向に拡大膨張す
る。また、気体導入路150に空気を吹き込まずに成型
しても良い。
【0069】膨張した成型体は、冷却リング160によ
り冷却されつつ上方向に引き上げられる。この時、寸法
安定ガイド170の間を通過することより、最終的な形
状寸法180が決定される。更に、これを所望の幅に切
断することにより、本発明の中間転写ベルト190を得
ることができる。
【0070】本発明における押し出し成型比とは、環状
ダイス140の口径に対する環状ダイスを通過し口径が
拡大膨張した成型後の形状寸法180が得られた時の口
径の比を表すものである。
【0071】すなわち、(押し出し成型比)=(成型後
の口径)/(環状ダイスの口径)である。
【0072】前述の説明は、単層ベルトに関してであっ
たが、2層の場合は図3に示されるように、更に押し出
し機110を配置し、押し出し機100の混練溶融体と
同時に2層用の環状ダイス140へ、押し出し機110
の混練溶融体を送り込み、2層同時に拡大膨張させ2層
ベルトを得ることができる。
【0073】もちろん3層以上の時は、層数に応じ相応
に押し出し機を準備すれば良い。図4〜6に2層及び3
層構成の中間転写ベルトを例示する。このように本発明
は、単層のみならず、多層構成の中間転写ベルトを一段
工程で、かつ短時間に寸法精度良く、成型することが可
能である。この短時間成型が可能ということは、大量生
産及び低コスト生産が可能であることを十分示唆するも
のである。
【0074】なお、環状ダイスのダイギヤップより、成
型されたベルトの肉厚を薄くすることが好ましい。これ
は、例えば150μmのダイギヤップで150μmのフ
ィルムを作ろうとした場合、ダイギヤップを50μm動
かした時、フィルムはそのまま50μm変化するが、実
際にダイギヤップを1μm単位で調整するのは困難であ
り、その結果、膜厚が不均一なフィルムができ易くな
る。しかし、例えば1.5mmのダイギヤップで150
μmのものを作る場合は、ダイギヤップ50μmのずれ
でも最終的なフィルムの膜厚の振れは1/10になるの
で、実際の膜厚振れは5μmとなり、その結果、最終的
に精度高くフィルムが作れるのである。よって環状ダイ
スのダイギヤップより、成型されたベルトの肉厚を薄く
することが望ましい。
【0075】また、環状ダイスのダイギヤップより成型
されたベルトの肉厚を薄くする方法としては、環状ダイ
スの先端から押し出し機の押し出しによって吐出された
チューブ状溶融物の吐出速度より、フィルムの引き取り
速度を速くする方法がある。例えば、ダイスの先端から
フィルムの引き取り無しで押し出されたチューブ状の溶
融物の押し出し速度が1m/minで、ダイスの口径と
成型されるフィルムの口径が同一で引き取り速度を10
m/minとした時は、フィルムの肉厚が環状ダイスの
ダイギヤップの1/10となり、環状ダイスのダイギヤ
ップより、成型されたベルトの肉厚を薄くすることがで
きる。
【0076】更に、環状ダイスのダイギヤップより、成
型されたベルトの肉厚を薄くする方法としては、押し出
し成型比を1より大きくする方法がある。すなわち、ダ
イスの径よりフィルム径を大きくすることにより、引き
取り速度が押し出し速度と同一であっても、径が大きく
なった分フィルム肉厚が薄くなるのである。この時の成
型比の最大値は、4.0以下が望ましい。これ以上大き
いと、膨張したフィルムの安定性が悪くなる場合があ
り、この時の膜厚が不安定になることがあるからであ
る。
【0077】また、押し出し成型比を1以下としても引
き取り速度を速くすることで、環状ダイスのダイギヤッ
プより、成型されたベルトの肉厚を薄くすることができ
るが、この場合、主に成型時の樹脂の分子量が低い等の
条件の時に有効である。
【0078】すなわち、溶融時の粘度が低い場合に成型
比を1より大きくすると、フィルムに穴が空いてしまっ
たりすることがあり、この場合には成型比を1以下にす
ることで、環状ダイスのダイギヤップより成型されたベ
ルトの肉厚を薄くすることが可能となるのである。この
時の成型比の最小値は、0.5以上が望ましい。0.5
未満の場合は、フィルム引き取り時にフィルム引き取り
速度を大幅に速くする必要があり、成型が不安定になる
ので、好ましくない。
【0079】また、押し出し成型比を1より大きくする
場合の方法としては、環状ダイスの先端から押し出し機
の押し出しによって吐出されたチューブ状溶融物に大気
圧以上の気体を吹き込むことにより、そのチューブを膨
張させながら連続的に成型させる成型方法がある。この
場合、大気圧以上の気体がチューブに吹き込まれること
で、チューブが膨張し押し出し成型比を1より大きくす
ることができる。この時吹き込まれる気体は、空気、窒
素、二酸化炭素、アルゴン等選択することができるが、
これに限らない。
【0080】また、所定の幅に切断する場合、環状ダイ
スの先端から押し出し機の押し出しによって吐出された
チューブ状フィルムを、長手方向に直交する方向に連続
的に切断することが好ましい。これは、連続的に切断す
る場合、カッター歯を停止した状態でカットすると、切
り始めと切り終わりで時間差ができ、斜めにカットされ
てしまい、ベルトに加工する場合、再度カットする必要
があるため工数が増えるからである。チューブ状フィル
ムを長手方向に直交する方向に連続的に切断する方法と
しては、チューブ押し出し速度と同一速度で移動するカ
ッター装置を用いる方法があるが、これに限らない。
【0081】成型後の中間転写体の厚みの範囲は、45
〜300μmが好ましく、更に好ましくは50〜270
μm、より好ましくは55〜260μmである。300
μmを越えるの厚みは、この膜厚を有するベルトを中間
転写体として用いる場合には、がなりの剛性と乏しい柔
軟性のため円滑な走行性を妨げベルト走行中に撓み、寄
り等が生じ易くなるので、好ましくない。
【0082】45μm以下の厚みは、中間転写体として
の引張り強度の低下、ベルトを張架回転させて繰り返し
使用中に緩和が生じ徐々に伸びが発生する等、実用上問
題を有するものである。本発明の製造方法を用いれば、
45μm以下の薄層ベルトの製造は可能であり、また電
気抵抗の均一安定性等に対して対応は可能であるが、上
記の実用上の問題より好ましくない。
【0083】なお、チューブ状溶融物を押出しする押し
出し機が2軸押し出し機であってもよい。この場合、導
電剤を予めコンパウンドすることなく、直接2軸押し出
し機に投入し、成型するので、MFAをコンパウンディ
ンクした後、押し出し成型する方法より工程が少なく低
コスト化ができる。更に、工程が少ないので、分散回数
が減り分散強度による抵抗変動要因が減る。また、当然
のことながら、本発明に使用する押し出し機は、単軸押
し出し機であっても良く、押し出し機の形状や手法は種
々のものが使用できる。
【0084】また、第1の画像担持体としては、少なく
とも最外層にフッ素樹脂の微粉末を含有する感光ドラム
を用いると、より高い一次転写効率が得られるために好
ましい。これは、フッ素樹脂の微粉末を含有することに
より、感光ドラム最外層の表面エネルギーが低下し、ト
ナーの離型性が向上するためではないかと考えられる。
フッ素樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチ
レン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン等が挙げられ
るが、特にポリテトラフルオロエチレンが好ましい。
【0085】
【実施例】以下、実施例をもって本発明を詳細に説明す
る。なお、実施例中の「部」は重量部である。
【0086】(実施例1) MFA樹脂(MFR=3) 100部 導電性カーボンブラック 14部 上記の配合を2軸の押し出し混練機で混練せしめ、所望
の電気抵抗になるようにカーボン等の添加剤を十分にバ
インダー中に均一分散させ、成型用原料(1)を得た。
更に、これを1〜2mmの粒径の混練物とした。
【0087】次に、図3に示される一軸押し出し機10
0のホッパー120へ前記混練物を投入し、設定温度を
360〜380℃の範囲に調節して押し出すことによ
り、溶融体とした。溶融体は引き続いて、ダイス直径1
00mm、ダイギヤップの幅1200μmの円筒状単層
用押し出しダイス140に導かれた。この時に、ダイス
先端から吐出された溶融体の吐出速度は、1m/min
であった。更に、そこで気体導入路150より空気を吹
き込み拡大膨張させ、引き取り速度5m/minで引き
取りながら成型を行いつつ、230mmごとにチューブ
状フィルムを長手方向に直交する方向に連続的に切断す
ることによりベルトとした。
【0088】この時の押し出し成型比は、1.6であっ
た。この結果、最終的な形状寸法として、直径160m
m、厚み150μm、ベルト巾230mmとなり、中間
転写ベルト190を得た。これを中間転写ベルト(1)
とする。
【0089】また、前記電気抵抗測定装置を用い、10
0V印加して、上記中間転写ベルト(1)を図7に示さ
れるように周方向に4箇所、各位置での軸方向に2箇
所、計8箇所で測定を行った結果、中間転写ベルト
(1)の体積抵抗測定値の平均値は9.0×108Ωで
あり、表面抵抗測定値の平均値は6.0×109Ωであ
った。ベルトの体積抵抗及び表面抵抗のバラツキを測定
したが、8箇所の抵抗測定値は10倍以内に収まってい
た。同様の位置での肉厚測定のバラツキは、ダイギヤッ
プより成型されたベルトの肉厚のほうが薄いため、膜厚
のコントロールが容易であったので、150μm±10
μmの範囲であった。
【0090】中間転写ベルト(1)の目視観察によると
表面にはブツ、フィッシュアイ等の異物、成型不良は見
られなかった。この中間転写ベルト(1)を図1に示さ
れるフルカラー電子写真装置に装着し、80g/m2
にフルカラー画像をプリントし、以下のように転写効率
を定義して、転写効率の測定を行った。
【0091】一次転写効率(感光ドラムから中間転写ベ
ルトヘの転写効率)=(中間転写ベルト上の画像濃度)
/(感光ドラム上の転写残画像濃度+中間転写ベルト上
の画像濃度)
【0092】二次転写効率(中間転写ベルトから紙への
転写効率)=(紙上の画像濃度)/(紙上の画像濃度+
中間転写ベルト上の転写残画像濃度)
【0093】本実施例では、感光ドラム1として、最外
層にPTFEの微粉末を含有する有機感光ドラム(OP
C感光ドラム)を用いた。そのため、高い一次転写効率
が得られた。また、MFAの表面が平滑で、離型性が高
かったので、二次転写効率も高いものとなった。それら
の値は、一次転写効率、二次転写効率、それぞれ96
%、95%であった。
【0094】なお、中間転写ベルトのクリーニング方式
は、クリーニング用帯電部材7に1×108Ωの抵抗を
持つ弾性ローラを用いた一次転写同時クリーニング方式
とし、フルカラー画像10万枚の連続プリントを行っ
た。初期よりベルトの抵抗不均一に起因する画像濃度ム
ラもなく、10万枚繰り返し使用後も表面にトナーのフ
ィルミングもなく、ヒビ割れ、削れ及び摩耗が生ずるこ
となく、初期と同様の表面性のままであった。
【0095】(実施例2)樹脂及び導電剤は、実施例1
と同様のものを用いた。
【0096】上記の配合を成型用原料(1)の工程を経
ることなく、図3に示される一軸押し出し機100の代
わりに取り付けられた2軸の押し出し混練機(不図示)
に前記配合品を投入し、設定温度を190〜230℃の
範囲に調節して押し出すことにより溶融体とした。溶融
体は引き続いて、直径100mm、ダイギャッブの幅1
200μmの円筒状単層用押し出しダイス140に導か
れた。この時にダイス先端から吐出された溶融体の吐出
速度は、1m/minであった。更に、そこで気体導入
路150より空気を吹き込み拡大膨張させ、引き取り速
度5m/minで引き取りながら成型を行いつつ、23
0mmごとにチューブ状フィルムを長手方向に直交する
方向に連続的に切断することによりベルトとした。
【0097】この時の押し出し成型比は1.6であっ
た。この結果、最終的な形状寸法として、直径160m
m、厚み150μm、ベルト巾230mmとなり、中間
転写ベルト190を得た。これを中間転写ベルト(2)
とする。
【0098】ベルト成型機に2軸押し出し機を用いるこ
とにより工程が少なくなり、生産性が向上した。
【0099】また、前記電気抵抗測定装置を用い、10
0V印加して、上記中間転写ベルト(2)を図7に示さ
れるように周方向に4箇所、各位置での軸方向に2箇
所、計8箇所で測定を行った結果、中間転写ベルト
(2)の体積抵抗測定値の平均値は8.5×108Ωで
あり、表面抵抗測定値の平均値は5.0×109Ωであ
った。ベルトの体積抵抗及び表面抵抗のバラツキは、2
軸押し出し機を用いたベルト成型機であったので、8箇
所の抵抗測定値は8倍以内に収まっていた。同様の位置
での肉厚測定のバラツキは、ダイギヤップより成型され
たベルトの肉厚のほうが薄いため、膜厚のコントロール
が容易であったので、150μm±10μmの範囲であ
った。
【0100】中間転写ベルト(2)の目視観察によると
表面にはブツ、フィッシュアイ等の異物、成型不良は見
られなかった。この中間転写ベルト(2)を図1に示さ
れるフルカラー電子写真装置に装着し、80g/m2
にフルカラー画像をプリントし、転写効率の測定を行っ
た。
【0101】本実施例では、感光ドラム1として、最外
層にPTFEの微粉末を含有する有機感光ドラム(OP
C感光ドラム)を用いた。そのため、高い一次転写効率
が得られた。また、MFAの表面が平滑で、離型性が高
かったので、二次転写効率も高いものとなった。それら
の値は、一次転写効率、二次転写効率、それぞれ96
%、95%であった。
【0102】なお、中間転写ベルトのクリーニング方式
は、クリーニング用帯電部材7に1×108Ωの抵抗を
持つ弾性ローラを用いた一次転写同時クリーニング方式
とし、フルカラー画像10万枚の連続プリントを行っ
た。初期よりベルトの抵抗不均一に起因する画像濃度ム
ラもなく、10万枚繰り返し使用後も表面にトナーのフ
ィルミングもなく、ヒビ割れ、削れ及び摩耗が生ずるこ
となく、初期と同様の表面性のままであった。
【0103】(実施例3) MFA樹脂(MFR=12) 100部 導電性カーボンブラック 14部 上記の配合を2軸の押し出し混練機で混練せしめ、所望
の電気抵抗になるようにカーボン等の添加剤を十分にバ
インダー中に均一分散させ、成型用原料(2)を得た。
更に、これを1〜2mmの粒径の混練物とした。
【0104】次に、図3に示される一軸押し出し機10
0のホッパー120へ前記混練物を投入し、設定温度を
360〜380℃の範囲に調節して押し出すことによ
り、溶融体とした。溶融体は、溶融粘度が低かったの
で、押し出し成型比を1以下として引き取り速度を速く
することで、環状ダイスのダイギヤップより成型された
ベルトの肉厚を薄くする方法を用いた。
【0105】使用したダイスの直径200mm、ダイギ
ヤップの幅1200μmの円筒状単層用押し出しダイス
140に導かれた。この時にダイス先端から吐出された
溶融体の吐出速度は、1m/minであった。更に、そ
こで気体導入路150より空気を吹き込まずにダイス直
径より縮小させ、引き取り速度10m/minで引き取
りながら成型を行いつつ、230mmごとにチューブ状
フィルムを長手方向に直交する方向に連続的に切断する
ことによりベルトとした。
【0106】この時の押し出し成型比は、0.8であっ
た。この結果、最終的な形状寸法として、直径160m
m、厚み150μm、ベルト巾230mmとなり、中間
転写ベルト190を得た。これを中間転写ベルト(3)
とする。
【0107】また、前記電気抵抗測定装置を用い、10
0V印加して、上記の中間転写ベルト(3)を図7に示
されるように周方向に4箇所、各位置での軸方向に2箇
所、計8箇所で測定を行った結果、中間転写ベルト
(3)の体積抵抗測定値の平均値は2.0×109Ωで
あり、表面抵抗測定値の平均値は9.0×109Ωであ
った。ベルトの体積抵抗及び表面抵抗のバラツキを測定
したが、8箇所の抵抗測定値は10倍以内に収まってい
た。同様の位置での肉厚測定のバラツキは、ダイギヤッ
プより成型されたベルトの肉厚のほうが薄いため、膜厚
のコントロールが容易であったので、150μm±10
μmの範囲であった。
【0108】中間転写ベルト(3)の目視観察によると
表面にはブツ、フィッシュアイ等の異物、成型不良は見
られなかった。この中間転写ベルト(3)を図1に示さ
れるフルカラー電子写真装置に装着し、80g/m2
にフルカラー画像をプリントし、転写効率の測定を行っ
た。
【0109】本実施例では、感光ドラム1として、最外
層にPTFEの微粉末を含有する有機感光ドラム(OP
C感光ドラム)を用いた。そのため、高い一次転写効率
が得られた。また、MFAの表面が平滑で、離型性が高
かったので、二次転写効率も高いものとなった。それら
の値は、一次転写効率、二次転写効率、それぞれ96
%、95%であった。
【0110】なお、中間転写ベルトのクリーニング方式
は、クリーニング用帯電部材7に1×108Ωの抵抗を
有する弾性ローラを用いた一次転写同時クリーニング方
式とし、フルカラー画像10万枚の連続プリントを行っ
た。初期よりベルトの抵抗不均一に起因する画像濃度ム
ラもなく、10万枚繰り返し使用後も表面にトナーのフ
ィルミングもなく、初期と同様の表面性のままであっ
た。
【0111】(実施例4) MFA樹脂(MFR=3) 100部 導電性カーボンブラック 11部 上記の配合を2軸の押し出し混練機で混練せしめ、所望
の電気抵抗になるようにカーボン等の添加剤を十分にバ
インダー中に均一分散させ、成型用原料(3)を得た。
更に、これを1〜2mmの粒径の混練物とした。
【0112】次に、図3に示される一軸押し出し機10
0のホッパー120へ前記混練物を投入し、設定温度を
360〜380℃の範囲に調節して押し出すことによ
り、溶融体とした。溶融体は、引き続いて直径200m
m、ダイギヤップの幅1200μmの円筒状単層用押し
出しダイス140に導かれた。この時にダイス先端から
吐出された溶融体の吐出速度は、1m/minであっ
た。更に、そこで気体導入路150より空気を吹き込み
拡大膨張させ、引き取り速度4.5m/minで引き取
りながら成型を行いつつ、310mmごとにチューブ状
フィルムを長手方向に直交する方向に連続的に切断する
ことによりベルトとした。
【0113】この時の押し出し成型比は1.55であっ
た。この結果、最終的な形状寸法として、直径355m
m、厚み150μm、ベルト巾310mmとなり、転写
ベルト190を得た。これを転写べルト(1)とする。
【0114】また、前記電気抵抗測定装置を用い、10
0V印加して、上記転写ベルト(1)を図7に示される
ように周方向に4箇所、各位置での軸方向に2箇所、計
8箇所で測定を行った結果、転写ベルト(1)の体積抵
抗測定値の平均値は1.5×1011Ωであり、表面抵抗
測定値の平均値は8.0×1011Ωであった。ベルトの
体積抵抗及び表面抵抗のバラツキを測定したが、8箇所
の抵抗測定値は10倍以内に収まっていた。同様の位置
での肉厚測定のバラツキは、ダイギヤップより成型され
たベルトの肉厚のほうが薄いため、膜厚のコントロール
が容易であったので、150μm±10μmの範囲であ
った。
【0115】転写ベルト(1)の目視観察によると表面
には、ブツ、フィッシュアイ等の異物、成型不良は見ら
れなかった。この転写ベルト(1)を図2に示されるフ
ルカラー電子写真装置に装着し、80g/m2紙にフル
カラー画像10万枚の連続プリントを行った。初期より
ベルトの抵抗不均一に起因する画像濃度ムラもなく、1
0万枚繰り返し使用後もMFAを使用したことによる高
い表面離型性のため、表面にトナーのフィルミングもな
く、初期と同様の表面性のままであった。
【0116】(比較例1) ECTFE樹脂 100部 導電性カーボン 17部 上記の配合を2軸押し出し機で、混練分散し、均一な混
練物を得、成型材料(4)とした。
【0117】次に、図3に示される一軸押し出し機10
0のホッパー120へ前記混練物を投入し、設定温度を
250〜280℃の範囲に調節して押し出すことによ
り、溶融体とした。溶融体は引き続いて、直径160m
m、ダイギヤップの幅150μmの円筒状単層用押し出
しダイス140に導かれた。この時にダイス先端から吐
出された溶融体の吐出速度は、1m/minであった。
【0118】次に、引き取り速度1m/minで引き取
りながら成型を行いつつ、230mmごとにチューブ状
フィルムを長手方向に直交する方向に連続的に切断する
ことによりベルトとした。
【0119】この時の押し出し成型比は、1.0であっ
た。この結果、最終的な形状寸法として、直径160m
m、厚み150μm、ベルト巾230mmとなり、中間
転写ベルト190を得た。これを中間転写ベルト(4)
とする。
【0120】また、前記電気抵抗測定装置を用い、10
0V印加して、上記中間転写ベルト(4)を図7に示さ
れるように周方向に4箇所、各位置での軸方向に2箇
所、計8箇所で測定を行った結果、この中間転写ベルト
(4)の体積抵抗測定値の平均値は4.0×107Ωで
あり、表面抵抗測定値の平均値は3.0×108Ωであ
った。ベルトの体積抵抗値の8箇所のバラツキは500
倍であり、また表面抵抗値の8箇所のバラツキは900
倍であった。これは、成型されたベルトの肉厚とダイギ
ヤップの幅がほぼ同一となったため、膜厚のコントロー
ルが困難となり、同様の位置での膜厚のバラツキが15
0μm±50μmと広範囲であったからと考えられる。
【0121】中間転写ベルト(4)の目視観察によると
表面には、ブツ、フィッシュアイ等の異物、成型不良は
見られなかった。この中間転写ベルト(4)を図1に示
されるフルカラー電子写真装置に装着し、80g/m2
紙にフルカラー画像をプリントし、転写効率の測定を行
った。測定された値のバラツキは大きく、転写効率の最
大部分は90%、最小部分は80%であり、転写ムラの
ある画像で、転写効率も十分でなかった。
【0122】次に、実施例1と同様にして、10万枚の
フルカラー画像を繰り返し複写テストを行ったが、8万
枚後のベルト表面にトナーのフィルミングが発生し、フ
ィルミングに起因する白抜けが発生し、画像上耐久性の
ないベルトとなった。
【0123】(比較例2) ETFE樹脂 100部 導電性カーボン 14部 上記の配合を2軸押し出し機で、混練分散し、均一な混
練物を得、成型材料(5)とした。
【0124】次に、図3に示される一軸押し出し機10
0のホッパー120へ前記混練物を投入し、設定温度を
260〜290℃の範囲に調節して押し出すことによ
り、溶融体とした。溶融体は引き続いて、直径160m
m、ダイギヤップの幅150μmの円筒状単層用押し出
しダイス140に導かれた。この時にダイス先端から吐
出された溶融体の吐出速度は、1m/minであった。
【0125】次に、引き取り速度1m/minで引き取
りながら成型を行いつつ、230mmごとにチューブ状
フィルムを長手方向に直交する方向に連続的に切断する
ことによりベルトとした。
【0126】この時の押し出し成型比は、1.0であっ
た。この結果、最終的な形状寸法として、直径160m
m、厚み150μm、ベルト巾230mmとなり、中間
転写ベルト190を得た。これを中間転写ベルト(5)
とする。
【0127】また、前記電気抵抗測定装置を用い、10
0V印加して、上記中間転写ベルト(5)を図7に示さ
れるように周方向に4箇所、各位置での軸方向に2箇
所、計8箇所で測定を行った結果、中間転写ベルト
(5)の体積抵抗測定値の平均値は7.0×108Ωで
あり、表面抵抗測定値の平均値は4.0×109Ωであ
った。ベルトの体積抵抗値の8箇所のバラツキは100
0倍であり、また表面抵抗値の8箇所のバラツキは30
00倍であった。これは、成型されたベルトの肉厚とダ
イギヤップの幅がほぼ同一となったため、膜厚のコント
ロールが困難となり、同様の位置での膜厚のバラツキが
150μm±60μmと広範囲であったからと考えられ
る。
【0128】中間転写ベルト(5)の目視観察によると
表面にはブツ、フィッシュアイ等の異物、成型不良は見
られなかった。この中間転写ベルト(5)を図1に示さ
れるフルカラー電子写真装置に装着し、80g/m2
にフルカラー画像をプリントし、転写効率の測定を行っ
た。測定された値のバラツキは大きく、転写効率の最大
部分は94%であったが、最小部分は82%であり、転
写ムラのある画像であった。
【0129】次に、実施例1と同様にして、フルカラー
10万枚の繰り返し使用試験を行った。初期は、転写ム
ラ以外の画質に問題は発生しなかったが、8万枚終了前
後から表面にトナーのフィルミングの発生がやや発生し
始め、9万枚の時点では画像上も確認できる状態のフィ
ルミングが発生し、10万枚までの耐久性のないベルト
となった。
【0130】(比較例3) PVDF樹脂 100部 導電性カーボン 12部 上記の配合を2軸の押し出し混練機で混練せしめ、所望
の電気抵抗になるようにカーボン等の添加剤を十分にバ
インダー中に均一分散させ、成型用原料(6)を得た。
更に、これを1〜2mmの粒径の混練物とした。
【0131】次に、図3に示される一軸押し出し機10
0のホッパー120へ前記混練物を投入し、設定温度を
260〜280℃の範囲に調節して押し出すことによ
り、溶融体とした。溶融体は引き続いて、直径355m
m、ダイギヤップの幅150μmの円筒状単層用押し出
しダイス140に導かれた。この時にダイス先端から吐
出された溶融体の吐出速度は、1m/minであった。
【0132】次に、引き取り速度1m/minで引き取
りながら成型を行いつつ、400mmごとにチューブ状
フィルムを切断することによりベルトとした。この時、
カッターは固定しであったので、フィルムは斜めにカッ
トされてしまったため、最終的なベルト幅310mmに
再度カットを行う必要があった。
【0133】この時の押し出し成型比は、1.0であっ
た。この結果、最終的な形状寸法として、直径355m
m、厚み150μm、ベルト巾310mmとなり、転写
ベルト190を得た。これを転写ベルト(2)とする。
【0134】また、前記電気抵抗測定装置を用い、10
0V印加して、上記転写ベルト(2)を図7に示される
ように周方向に4箇所、各位置での軸方向に2箇所、計
8箇所で測定を行った結果、転写ベルト(2)の体積抵
抗測定値の平均値は7.0×1011Ωであり、表面抵抗
測定値の平均値は5.0×1012Ωであった。ベルトの
体積抵抗値の8箇所のバラツキは800倍であり、また
表面抵抗値の8箇所のバラツキは1500倍であった。
これは、成型されたベルトの肉厚とダイギヤップの幅が
ほぼ同一となったため、膜厚のコントロールが困難とな
り、同様の位置での膜厚のバラツキが150μm±55
μmと広範囲であったからと考えられる。
【0135】転写ベルト(2)の目視観察によると表面
には、ブツ、フィッシュアイ等の異物、成型不良は見ら
れなかった。この転写ベルト(2)を図2に示されるフ
ルカラー電子写真装置に装着し、80g/m2紙にフル
カラー画像をプリントした。この転写ベルトは、測定さ
れた抵抗のバラツキが大きく、転写ムラのある画像であ
った。
【0136】次に、実施例4と向様にして、フルカラー
10万枚の繰り返し使用試験を行った。初期は、転写ム
ラ以外の画質は問題は発生しなかったが、9万枚の終了
前後から表面にトナーのフィルミングの発生がやや見ら
れ、9万5千枚の時点では画像上転写抜けとなる状態の
フィルミングが発生し、10万枚までの耐久性のないベ
ルトとなった。
【0137】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、中間転
写体及び転写部材に四フッ化エチレン・パーフルオロメ
チルビニルエーテル共重合樹脂を用いることにより、高
い離型性を有する中間転写体及び転写部材を得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】中間転写材として中間転写ベルトを用いた画像
形成装置の一例の概略図である。
【図2】転写部材として転写ベルトを用いた画像形成装
置の一例の概略図である。
【図3】本発明に係る転写部材の成形装置を示す図であ
る。
【図4】2層構造の中間転写ベルトの一部を示す概略構
成図である。
【図5】3層構造の中間転写ベルトの一部を示す概略構
成図である。
【図6】3層構造の中間転写ベルトの全体を示す概略構
成図である。
【図7】転写ベルトの抵抗値の測定位置を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 感光体ドラム 2 一次帯電器 3 露光光 7 クリーニング用帯電部材 10 転写ガイド 11 給紙ローラ 13 クリーニング手段 15 定着手段 20 中間転写ベルト 26,28,29 バイアス電源 41 イエロートナー 42 マゼンタトナー 43 シアントナー 44 ブラックトナー 62 一次転写ローラ 63 二次転写ローラ 64 二次転写対向ローラ 100,110 押し出し機 120,130 ホッパー 140 押し出しダイス 150 気体導入路 160 冷却リング 170 寸法安定ガイド 180 形状寸法 301Y,301M,301C,301BK 感光ドラ
ム 302Y,302M,302C,302BK 一次帯電
ローラ 303Y,303M,303C,303BK 露光部 304Y,304M,304C,304BK 現像器 305Y,305M,305C,305BK 現像器 306 カセット 307 給紙ローラ 308 搬送ガイド 309 レジストローラ 310 転写装置 311 駆動装置 312 従動ローラ 313 テンションローラ 314 転写ローラ 315 転写帯電器 316 分離帯電器 317 定着器 318 排紙トレイ 320 転写装置 P 転写材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 草場 隆 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 仲沢 明彦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 下條 稔 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 田中 篤志 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 小林 廣行 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H032 BA09

Claims (36)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の画像担持体上に形成された画像を
    中間転写体上に転写した後、第2の画像担持体上に更に
    転写する画像形成装置に使用される中間転写体の製造方
    法において、前記中間転写体を、四フッ化エチレン・パ
    ーフルオロメチルビニルエーテル共重合樹脂を押し出し
    機で溶融押し出し成型されたフィルムをエンドレスベル
    トとすることを特徴とする中間転写体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記中間転写体が環状ダイスにより押し
    出し成型されたシームレスベルトである請求項1に中間
    転写体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記環状ダイスのダイギヤップより、成
    型されたベルトの肉厚のほうが薄い請求項2に記載の中
    間転写体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記環状ダイスの先端から押し出し機の
    押し出しによって吐出されたチューブ状の溶融物の吐出
    速度よりも速い引取速度でフィルムの引き取る請求項2
    又は3に記載の中間転写体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記環状ダイスの先端から押し出し機
    で、押し出し成型比が0.5〜4.0となるようにチュ
    ーブ状に溶融押し出し成型する請求項2〜4のいずれか
    に記載の中間転写体の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記環状ダイスの先端から押し出し機の
    押し出しによって吐出されたチューブ状の溶融物に、大
    気圧以上の気体を吹き込むことにより前記チューブを膨
    張させながら連続的に成型する請求項2〜5のいずれか
    に記載の中間転写体の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記チューブ状の溶融物を押出しする押
    し出し機が、2軸押し出し機である請求項2〜6のいず
    れかに記載の中間転写体の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記環状ダイスの先端から押し出し機の
    押し出しによって吐出されたチューブ状フィルムを、長
    手方向に直交する方向に連続的に切断することによりベ
    ルトとする請求項2〜7のいずれかに記載の中間転写体
    の製造方法。
  9. 【請求項9】 第1の画像担持体上に形成された画像を
    中間転写体上に転写した後、第2の画像担持体上に更に
    転写する画像形成装置に使用される中間転写体であっ
    て、四フッ化エチレン・パーフルオロメチルビニルエー
    テル共重合樹脂を押し出し機で溶融押し出し成型された
    フィルムを用いたエンドレスベルトであることを特徴と
    する中間転写体。
  10. 【請求項10】 抵抗制御剤を0〜30重量%含有する
    請求項9に記載の中間転写体。
  11. 【請求項11】 前記抵抗制御剤が、イオン電導性抵抗
    制御剤0.05〜10重量%、電子電導性抵抗制御剤3
    〜30重量%の一方又は両方より成る請求項9又は10
    に記載の転写部材。
  12. 【請求項12】 体積抵抗が100Ω〜1014Ωである
    請求項9〜11のいずれかに記載の中間転写体。
  13. 【請求項13】 表面抵抗が100Ω〜1017Ωである
    請求項9〜12のいずれかに記載の中間転写体。
  14. 【請求項14】 ベルトの周方向における体積抵抗の最
    大値が最小値の100倍以内にある請求項12に記載の
    中間転写体。
  15. 【請求項15】 ベルトの周方向における表面抵杭の最
    大値が最小値の100倍以内にある諸求項13に記載の
    中間転写体。
  16. 【請求項16】 ベルトの長手方向における体積抵抗の
    最大値が最小値の100倍以内にある請求項12に記載
    の中間転写体。
  17. 【請求項17】 ベルトの長手方向における表面抵抗の
    最大値が最小値の100倍以内にある請求項13に記載
    の中間転写体。
  18. 【請求項18】 第1の像担持体上に形成されたトナー
    像を、第2の像担持体上に静電的に転写する転写装置に
    使用される転写部材の製造方法において、前記転写部材
    を、四フッ化エチレン・パーフルオロメチルビニルエー
    テル共重合樹脂を押し出し機で溶融押し出し成型された
    フィルムをエンドレスベルトとすることを特徴とする転
    写部材の製造方法。
  19. 【請求項19】 前記転写部材が環状ダイスにより押し
    出し成型されたシームレスベルトである請求項18に記
    載の転写部材の製造方法。
  20. 【請求項20】 前記環状ダイスのダイギヤップより、
    成型されたベルトの肉厚のほうが薄い請求項19に記載
    の転写部材の製造方法。
  21. 【請求項21】 前記環状ダイスの先端から押し出し機
    の押し出しによって吐出されたチューブ状の溶融物の吐
    出速度よりも速い引取速度でフィルムの引き取る請求項
    19又は20に記載の転写部材の製造方法。
  22. 【請求項22】 前記環状ダイスの先端から押し出し機
    で、押し出し成型比が0.5〜4.0となるようにチュ
    ーブ状に溶融押し出し成型する請求項19〜21のいず
    れかに記載の転写部材の製造方法。
  23. 【請求項23】 前記環状ダイスの先端から押し出し機
    の押し出しによって吐出されたチューブ状の溶融物に、
    大気圧以上の気体を吹き込むことにより前記チューブを
    膨張させながら連続的に成型する請求項19〜22のい
    ずれかに記載の転写部材の製造方法。
  24. 【請求項24】 前記チューブ状の溶融物を押出しする
    押し出し機が、2軸押し出し機である請求項19〜23
    のいずれかに記載の転写部材の製造方法。
  25. 【請求項25】 前記環状ダイスの先端から押し出し機
    の押し出しによって吐出されたチューブ状フィルムを、
    長手方向に直交する方向に連続的に切断することにより
    ベルトとする請求項19〜24のいずれかに記載の転写
    部材の製造方法。
  26. 【請求項26】 第1の像担持体上に形成されたトナー
    像を、第2の像担持体上に静電的に転写する転写装置に
    使用される転写部材であって、四フッ化エチレン・パー
    フルオロメチルビニルエーテル共重合樹脂を押し出し機
    で溶融押し出し成型されたフィルムを用いたエンドレス
    ベルトであることを特徴とする転写部材。
  27. 【請求項27】 抵抗制御剤を0〜30重量%含有する
    請求項26に記載の転写部材。
  28. 【請求項28】 前記抵抗制御剤が、イオン電導性抵抗
    制御剤0.05〜10重量%、電子電導性抵抗制御剤3
    〜30重量%の一方又は両方より成る請求項26又は2
    7に記載の転写部材。
  29. 【請求項29】 体積抵抗が100Ω〜1014Ωである
    請求項26〜28のいずれかに記載の転写部材。
  30. 【請求項30】 表面抵抗が100Ω〜1017Ωである
    請求項26〜29のいずれかに記載の転写部材。
  31. 【請求項31】 ベルトの周方向における体積抵抗の最
    大値が最小値の100倍以内にある請求項29に記載の
    転写部材。
  32. 【請求項32】 ベルトの周方向における表面抵杭の最
    大値が最小値の100倍以内にある諸求項30に記載の
    転写部材。
  33. 【請求項33】 ベルトの長手方向における体積抵抗の
    最大値が最小値の100倍以内にある請求項29に記載
    の転写部材。
  34. 【請求項34】 ベルトの長手方向における表面抵抗の
    最大値が最小値の100倍以内にある請求項30に記載
    の転写部材。
  35. 【請求項35】 第1の画像担持体上に形成された画像
    を、請求項9〜17のいずれかに記載の中間転写体上に
    転写した後、第2の画像担持体上に更に転写させ画像形
    成物を得ることを特徴とする画像形成装置。
  36. 【請求項36】 第1の像担持体上に形成されたトナー
    像を、第2の像担持体に静電的に転写させ画像形成物を
    得る画像形成装置において、請求項26〜34のいずれ
    かに記載の転写部材を用いたことを特徴とする画像形成
    装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002102572A1 (fr) * 2001-05-30 2002-12-27 Daikin Industries, Ltd. Procede de production de produit façonne de polytetrafluoroethylene et produit façonne de resine
JP2003107922A (ja) * 2001-09-27 2003-04-11 Bridgestone Corp 導電性エンドレスベルトおよびこれを用いた画像形成装置

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