JP6198033B2 - トナー - Google Patents
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Description
そのケミカルトナーにおいてもトナーのコアに熱定着に有利な樹脂を用い、その外側を帯電、熱耐性等に有利な樹脂で粒状に覆った、コア/シェル型トナーが既に知られている。
その中でも、定着時の離型剤のブリードアウトを考慮して、シェルが突起状に部分被覆したトナー(特許文献1)や、コアの樹脂との付着性を高めたコアシェルトナー(特許文献2)が知られている。
また、定着時のオフセット防止のためワックスをトナーに含有させるのが一般的である。
特許文献3によれば、前記抽出液のワックス濃度が0.02mg/cm3以上とすることにより、ワックスの少なくとも一部が分子レベルで結着樹脂中に均一に分散された状態となり、トナー中に存在するワックス粒子やワックスドメインの存在量が大幅に減少する。また、特許文献3によれば、好ましいワックスは脂肪族炭化水素系ワックスであり、特に好ましくはパラフィンワックスとある。しかしながら、パラフィンワックスのような無極性のワックスをポリエステル樹脂に均一に分散することは比較的困難である。また、特許文献3にあるような微分散や分子レベルの分散をしてしまうと、定着時の離型機能が著しく損なわれる。むしろ、ある程度大きなワックスドメインを内部に分散させることで、定着時にワックスのみが染み出しやすくなり、離型機能が発現しやすい。
即ち、本発明のトナーは以下のとおりである。
離型剤として、少なくとも平均炭素数が36〜46のモノエステルワックスを含有するトナーであって、
該トナーは、少なくとも樹脂、前記離型剤、着色剤を含む主部分と、樹脂微粒子により主部分表面に形成される凸部とからなる母体と、無機微粒子からなり、
該トナーは主部分を海、凸部を島とする海島構造を有し、
該樹脂が少なくとも第1の樹脂を含み、
該樹脂微粒子は、前記主部分の第1の樹脂とは異なる樹脂からなり、
該トナーのDSCでの前記ワックスに基づく吸熱量(ΔH1)と、該トナーからヘキサン抽出により、該ワックスの一部を分離した後のトナーのDSCでの前記ワックスに基づく吸熱量(ΔH2)とが、
ΔH1:10〜12mJ/mg
ΔH2:ΔH1の0.6倍〜0.9倍
の関係を有することを特徴とするトナー。
(但し、前記ヘキサン抽出の条件は以下の通りである。
室温で、トナー1gにn−ヘキサン7mlを加え、回転数120rpmで1min、ポットミルで攪拌し、攪拌後の分散液を吸引濾過する。)
ΔH1:10〜12mJ/mg
ΔH2:ΔH1の0.6倍〜0.9倍
の関係を有するトナーである。
さらに、本発明ではトナー表面に樹脂微粒子を付着させることでトナー表面の一部を覆い、前述の、ヘキサン抽出法により分離されやすいトナー表面近傍に存在する離型剤量を調整することができる。
本発明において、ヘキサン抽出は、室温で、トナー1gにn−ヘキサン7mlを加え、回転数120rpmで1min、ポットミルで攪拌し、攪拌後の分散液をただちに吸引濾過した。これにより、ワックスの一部(表面露出ワックス)を除去できる。
尚、トナーとn−ヘキサンを入れる容器は、30mlのスクリュー管瓶を用い、ポットミルは、小型ボールミル回転架台(AV−1型、アズワン(アサヒ理化製作所)社製)を用いた。
濾別に用いるフィルターとしては、目開き1μmのPTFE製メンブランフィルター等を用いることが出来る。
使用するポリエステル樹脂やビニル系共重合樹脂などのガラス転移点の測定としては、例えば示差走査熱量計(例えばDSC−6220R:セイコーインスツル社)を用いて、まず、室温付近から昇温速度10℃/minで170℃まで加熱し1stスキャンのデータとし、170℃で2min間保持、0℃まで試料を冷却して2min保持、ここから110℃まで昇温速度5℃/minで加熱して2ndスキャンのデータとし、ガラス転移を示す曲線部分の接線との交点で求めることができる。
ただし、トナーの1stスキャンのガラス転移点の測定に関しては、上記方法で測定した場合、トナーに含有された離型剤の融解熱曲線等と重なって不正確になる場合がある。そこで、本発明ではトナーの1stスキャンのガラス転移点は、後述するフローテスターを用いた測定値(TgA)とする。
また、離型剤や結晶性樹脂などの吸熱量や融点の測定も同様に行える。本発明では上記と同様の条件の2ndスキャンのデータから求めたものを吸熱量や融点とする。吸熱量は測定された吸熱ピークのピーク面積を計算することにより求められる。この吸熱量は、例えばインジウムの標準試料を測定して校正し、本発明ではmJ/mgという単位でΔHとして表し、同一の離型剤であればトナーに含有される離型剤量にほぼ比例する。従って、前述のヘキサン抽出法で濾別されたトナーのモノエステルワックスに基づく吸熱量(ΔH2)と抽出前のトナーのモノエステルワックスに基づく吸熱量(ΔH1)を測定して比較することで、ヘキサン抽出法により一部の離型剤が分離されたトナーの内部に留まった離型剤量と、元々トナーに含有されていた離型剤量の比(ΔH2/ΔH1)を求めることができる。また、抽出前のトナーの測定結果とヘキサン抽出法で濾別されたトナーの測定結果の差(ΔH1−ΔH2)は、ヘキサン抽出法によりトナーから分離された離型剤量に比例し、ヘキサン抽出法により分離されやすいトナー表面近傍に存在する離型剤量を示す指標となる。一般的に、トナー内部に用いる離型剤はトナーの定着温度より低い温度で融解し、その際の融解熱が吸熱ピークとなって現われる。また、離型剤によっては融解熱の他に固相での相転移による転移熱を伴うものがあるが、本発明ではその合計を融解熱の吸熱量とする。
また、モノエステルワックスとして、混合物を用いた場合に、DSCにおいてモノエステルワックスに基づく吸熱ピークが分かれて出る場合もあるが、その場合には各吸熱量の合計をΔH1又はΔH2とする。
本発明に使用する離型剤としては、少なくとも平均炭素数が36〜46のモノエステルワックスを含有する。平均炭素数が36未満では融点が低すぎて耐熱保管性が悪くなり好ましくない。また、46を超えると融点が高すぎて、定着時の離型機能が十分でなくなる。
平均炭素数が36〜46のモノエステルワックスとしては、例えば、ベヘン酸ベヘニルやステアリル酸ステアリル、ステアリン酸ベヘニル等の高級脂肪酸と高級アルコールとの合成反応物であり、これらの混合物でも良い。前記高級脂肪酸としては、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、モンタン酸、セロチン酸等を挙げることができる。また、前記高級アルコールとしては、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オクチドデカノール、べへニルアルコール等を挙げることができる。ワックスを混合物として用いる場合は、平均炭素数が36〜46となることが重要である。平均炭素数としては36〜46であり、n−ヘキサンに溶解可能で融点が60℃〜80℃程度のものが好ましい。ここでn−ヘキサンに溶解可能とは、微粒子または小さなドメインの状態でトナー表面近傍に存在するワックスが、トナーとn−ヘキサンを接触させた時にn−ヘキサン側に移動することを含む。また、上記のワックスを主成分とし、熱特性等を微調整する理由により、公知のその他ワックスを少量混合させても良い。
ワックスの平均炭素数はGPCにより測定することができる。
トナーにおける前記ワックスの好ましい含有量としては、4〜10質量%、より好ましくは6〜8質量%、さらに好ましくは6.5〜7.5質量%である。しかしながら、これらはトナーのDSC測定で得られるワックスに基づく吸熱量を制御する手段であり、必ずしも重要ではない。
前記主部分を構成する第1の樹脂はポリエステル樹脂からなり、前記樹脂微粒子はビニル系樹脂からなることがより好ましい。
より定着性を向上させるためにはワックスの存在位置が重要であり、ある一定量をトナー表面近傍に存在させることが重要である。しかしながら、ワックスをトナー表面近傍に存在させる場合は、ワックスによる部材汚染や耐熱保管性の悪化を抑制する必要がある。トナー表面にワックスを含有しない樹脂微粒子を存在させて凸部を形成することによりこれを達成することができ、また、凸部同士に隙間があることでワックスの染み出しを阻害せず、定着性と耐熱保管性を両立させることが可能になる。
本発明のトナーは、前記主部分を構成する第1の樹脂が非結晶性ポリエステル樹脂であることが好ましい。また、主部分が更にウレタン又は/及びウレア基を有する変性ポリエステル樹脂を含有することが好ましい。また、主部分が更に結晶性ポリエステル樹脂を含有し、前記主部分に含有される樹脂として、少なくとも結晶性樹脂と非結晶性樹脂を含有することが好ましい。定着されるまでは結晶性樹脂と非結晶性樹脂はそれぞれ非相溶で別々に存在し、非結晶性樹脂はガラス転移点(又はゴム状態への移行点)を有し、また結晶性樹脂は融点を有する。電子写真プロセスにおいても現像器内から現像、転写を経て、例えば紙のような画像形成媒体上で定着されるまでは非結晶性樹脂のガラス転移点は変化しない。一方、定着時には熱と圧力がかかり、結晶性樹脂と非結晶性樹脂はすばやく相溶してゴム状態へと移行して定着される。このように、結晶性樹脂と非結晶性樹脂は定着時によりすばやく完全に相溶することが望ましく、このような効果を期待して結晶性樹脂を含有している以上、含有された結晶性樹脂は最大限相溶し、結晶状態が残らないことが好ましい。そこで、圧力がかからない状態で加熱した際の挙動を示差走査熱量測定で調べたところ、一度の加熱/冷却により結晶性樹脂の吸熱ピークがほぼ消失することがより好ましいことがわかった。
結晶性樹脂と非結晶性樹脂の割合については、結晶性樹脂が全体の0〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは2〜6質量%、さらに好ましくは2.5〜4質量%である。結晶性樹脂を含有させると、定着時に可塑化効果が得られて低温定着性が向上するが、含有量を増やすにつれて通常時に一部が相溶状態になって熱保存性が悪化する恐れがあるため10質量%以下とすることが好ましい。
本発明のトナーの好ましい形態は、少なくとも樹脂、離型剤、着色剤を含む主部分(海部)と、該主部分表面に形成された樹脂微粒子からなる凸部(島部)とからなる海島構造を有する。そして、海部を構成する樹脂は少なくとも第1の樹脂を含み、樹脂微粒子は非結晶性樹脂からなる第3の樹脂からなる。前記第1の樹脂と樹脂微粒子の樹脂は非相溶であり、トナー中では海島状態で存在する。
海部を構成する第1の樹脂としては特に限定はないが、ポリエステル骨格を有する樹脂を用いることにより良好な定着性が得られるので好ましい。ポリエステル骨格を有する樹脂としては、ポリエステル樹脂や、ポリエステルと他の骨格を有する樹脂とのブロックポリマーがあるが、ポリエステル樹脂を用いたほうが得られる着色樹脂粒子の均一性が高く好ましい。
なお、本願明細書では便宜上、樹脂微粒子からなる凸部をシェルと言い、それ以外の部分をコアと言う。
ポリエステル樹脂のピーク分子量は、通常1000〜30000、好ましくは1500〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。1000以上であることにより耐熱保存性が良好となり、30000以下で低温定着性が良好となる。また、ポリエステル樹脂のガラス転移温度は35〜80℃、好ましくは40〜70℃、より好ましくは45〜65℃の範囲にあるのが良い。35℃以上であることによりトナーが真夏などの高温環境下に置かれたときに変形したり、トナー粒子同士がくっついてしまい本来の粒子としての振る舞いができなくなるということがない。また80℃以下であることにより定着性が良好となる。
本発明で使用されるポリエステル樹脂としては以下のポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の重縮合物が挙げられ、いかなるものでも使用することができ、また数種のポリエステル樹脂を混合して使用しても良い。
ポリオール(1)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、3,3′−ジフルオロ−4,4′−ジヒドロキシビフェニル、等の4,4′−ジヒドロキシビフェニル類;ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1−フェニル−1,1−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(別名:テトラフルオロビスフェノールA)、2,2−ビス(3−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン等のビス(ヒドロキシフェニル)アルカン類;ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エーテル等のビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル類など);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。
更に、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
尚、上記ポリオールは1種類単独または2種以上の併用が可能で、上記に限定されるものではない。
ポリカルボン酸(2)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、3−フルオロイソフタル酸、2−フルオイソフタル酸、2−フルオロテレフタル酸、2,4,5,6−テトラフルオロイソフタル酸、2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸、5−トリフルオロメチルイソフタル酸、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ビフェニルジカルボン酸、3,3’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ビフェニルジカルボン酸、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−3,3’−ビフェニルジカルボン酸、ヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸無水物など)などが挙げられる。
ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
ピーク分子量は、通常1000〜30000、好ましくは1500〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。1000未満では耐熱保存性が悪化し、30000を超えると低温定着性が悪化する。
本発明に使用される結着樹脂は、粘弾性調整のために、ウレタン又は/及びウレア基を有する変性されたポリエステル樹脂を含有していても良い。該ウレタン又は/及びウレア基を有する変性されたポリエステル樹脂の含有割合は、前記結着樹脂中、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、10質量%以下がさらに好ましい。含有割合が20質量%より多くなると低温定着性が悪化する。該ウレタン又は/及びウレア基を有する変性されたポリエステル樹脂は、直接結着樹脂に混合しても良いが、製造性の観点から、末端にイソシアネート基を有する比較的低分子量の変性ポリエステル樹脂(以下プレポリマーと表記することがある)と、これと反応するアミン類を結着樹脂に混合し、造粒中/又は造粒後に鎖伸長又は/及び架橋反応して該ウレタン又は/及びウレア基を有する変性されたポリエステル樹脂となる方が好ましい。こうすることにより、粘弾性調整のための比較的高分子量の変性ポリエステル樹脂を含有させることが容易となる。
前記イソシアネート基を有するプレポリマーとしては、前記ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の重縮合物でかつ活性水素基を有するポリエステルをさらにポリイソシアネート(3)と反応させたものなどが挙げられる。上記ポリエステルの有する活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基およびフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基である。
ポリイソシアネート(3)としては、脂肪族ポリイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアヌレート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
ポリイソシアネート(3)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、変性ポリエステル中のウレア含量が低くなり、耐オフセット性が悪化する。末端にイソシアネート基を有するプレポリマー(A)中のポリイソシアネート(3)構成成分の含有量は、通常0.5〜40質量%、好ましくは1〜30質量%、さらに好ましくは2〜20質量%である。0.5質量%未満では、耐オフセット性が悪化する。また、40質量%を超えると低温定着性が悪化する。
イソシアネート基を有するプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有するイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、鎖伸長及び/又は架橋後の変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐オフセット性が悪化する。
本発明において、鎖伸長及び/又は架橋剤として、アミン類を用いることができるが、必ずしも必要ではない。アミン類(B)としては、ジアミン(B1)、3価以上のポリアミン(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。
ジアミン(B1)としては、次のものが挙げられる。
芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’ジアミノジフェニルメタン、テトラフルオロ−p−キシリレンジアミン、テトラフルオロ−p−フェニレンジアミンなど);
脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);
および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ドデカフルオロヘキシレンジアミン、テトラコサフルオロドデシレンジアミンなど)などが挙げられる。
3価以上のポリアミン(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。
アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。
アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。
アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。
B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリン化合物などが挙げられる。
さらに、必要により鎖伸長及び/又は架橋反応は停止剤を用いて反応終了後の変性ポリエステルの分子量を調整することができる。停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
本発明のトナーには、低温定着性を向上させるために結晶性ポリエステルが含有されることが好ましい。結晶性ポリエステルも前述のポリオールとポリカルボン酸の重縮合物として得られるが、ポリオールとしては脂肪族ジオールが好ましく具体的にはエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール等が挙げられ、その中でも1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールや1,8−オクタンジオールが好ましく、さらに好ましくは1,6−ヘキサンジオールである。ポリカルボン酸としてはフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸や炭素数2〜8の脂肪族カルボン酸が好ましいが、結晶化度を高くするためには脂肪族カルボン酸がより好ましい。
本発明のトナーの凸部を形成する樹脂微粒子の樹脂としてビニル系樹脂が好適に用いられる。ビニル系樹脂からなる樹脂微粒子は、主としてビニル重合性官能基を有する芳香族化合物をモノマーとして含むモノマー混合物を重合させることによって得られる。
モノマー混合物中におけるビニル重合性官能基を有する芳香族化合物の含有量は80〜100質量%、好ましくは90〜100質量%、より好ましくは95〜100質量%用いられるのが良い。ビニル重合性官能基を有する芳香族化合物が80質量%未満であると、得られたトナーの帯電性が乏しくなる。
具体的なモノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレン、4−エチルスチレン、4−tert−ブチルスチレン、4−メトキシスチレン、4−エトキシスチレン、4−カルボキシスチレンもしくはその金属塩、4−スチレンスルホン酸もしくはその金属塩、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、アリルベンゼン、フェノキシアルキレングリコールアクリレート、フェノキシアルキレングリコールメタクリレート、フェノキシポリアルキレングリコールアクリレート、フェノキシポリアルキレングリコールメタクリレート、メトキシジエチレングリコールメタクリレート等が挙げられる。
この中では、入手が容易で反応性に優れ帯電性の高いスチレンを主に用いるのが好ましい。
ビニル重合性官能基と酸基を有する化合物における酸基としては、カルボキシル酸、スルホニル酸、ホスフォニル酸などが挙げられる。
ビニル重合性官能基と酸基を有する化合物としては、例えばカルボキシル基含有ビニル系モノマー及びその塩((メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、マレイン酸モノアルキル、フマル酸、フマル酸モノアルキル、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸モノアルキル、イタコン酸グリコールモノエーテル、シトラコン酸、シトラコン酸モノアルキル、桂皮酸等)、スルホン酸基含有ビニル系モノマー、ビニル系硫酸モノエステル及びこれらの塩、リン酸基含有ビニル系モノマー及びその塩などがある。この中では、(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、マレイン酸モノアルキル、フマル酸、フマル酸モノアルキルが好ましい。
使用する有機溶媒への溶解性は必要以上に溶解しないようにする。微粒子形状を保てなくなるほど溶解するような場合には、結果として所望のトナー表面状態を得られなくなることがある。
(a)モノマー混合物を懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法または分散重合法等の重合反応により反応させ、ビニル系樹脂微粒子の分散液を製造する。
(b)あらかじめモノマー混合物を重合し、得られた樹脂を機械回転式またはジェット式等の微粉砕機を用いて粉砕し、次いで、分級することによって樹脂微粒子を製造する。
(c)あらかじめモノマー混合物を重合し、得られた樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液を、霧状に噴霧することにより樹脂微粒子を製造する。
(d)あらかじめモノマー混合物を重合し、得られた樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液に溶剤を添加するか、またはあらかじめ溶剤に加熱溶解した樹脂溶液を冷却することにより樹脂微粒子を析出させ、次いで、溶剤を除去して樹脂微粒子を製造する。
(e)あらかじめモノマー混合物を重合し、得られた樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液を、適当な分散剤存在下で水性媒体中に分散させ、これを加熱または減圧等によって溶剤を除去する。
(f)あらかじめモノマー混合物を重合し、得られた樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する。
この中で、製造が容易であり、樹脂微粒子を分散液として得られることから次工程への適用がスムーズに行うことができる(a)の方法が好ましい。
本発明の着色剤としては公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15質量%、好ましくは3〜10質量%である。
(無機微粒子)
本発明で得られた着色粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤としては、無機微粒子を好ましく用いることができる。この無機微粒子の一次粒子径は、5nm〜2μmであることが好ましく、特に5nm〜500nmであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5質量%であることが好ましく、特に0.01〜2.0質量%であることが好ましい.無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
この他高分子系微粒子たとえばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
このような流動化剤は表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。例えばシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが好ましい表面処理剤として挙げられる。離型剤が感光体表面を汚染し、メダカ、フィルミングが発生する場合には、表面処理をした外添剤の好ましい例としてシリコーンオイルを含むシリカ等の無機微粒子を挙げることができる。この外添剤を添加することによりクリーニング性が良好なトナーを提供することが出来る。
前記シリコーンオイルを含むシリカ等の無機微粒子の一次粒子の平均粒径は30〜100nmが好ましく、30〜80nmがより好ましい。30nmより小さいとトナー側に無機微粒子が存在しやすくなり、クリーニングに十分なシリコーンオイルが供給されず、メダカが悪化する。100nmより大きくなるとトナーから離れやすくなり、現像部材汚染を引き起こす。
また、シリコーンオイルに由来する該粒子中の炭素量が5.0〜10.0質量%が好ましく、5.0〜8.0質量%がより好ましい。炭素量5.0質量%より少ないとクリーニングに十分なシリコーンオイルが供給されず、メダカが悪化する。また、耐環境性にも影響を与える。10質量%より多いと、遊離するシリコーンオイルにより現像部材汚染を引き起こす。
感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するためのクリーニング性向上剤としては、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸など脂肪酸金属塩、例えばポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子などのソープフリー乳化重合などによって製造された、ポリマー微粒子などを挙げることかできる。ポリマー微粒子は比較的粒度分布が狭く、体積平均粒径が0.01から1μmのものが好ましい。
本発明のトナーの製造方法を以下に例示するが、これに制限されるものではない。
本発明のトナーの製造方法としては、少なくとも下記(1)〜(4)の工程を含むことが好ましい。
(1)有機溶媒中に少なくともポリエステル樹脂、離型剤および着色剤を溶解又は分散させる工程
(2)該溶解物又は分散物を水系媒体中に懸濁させて主部分となるコア粒子分散液を生成する工程
(3)該コア粒子分散液に樹脂微粒子分散液を加えて、コア粒子表面に樹脂微粒子を付着させる工程
(4)有機溶媒を除去する工程
(有機溶媒)
造粒に用いる有機溶媒としては、沸点が100℃未満の揮発性であることが、後の溶剤除去が容易になる点から好ましい。このような有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル系、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。ポリエステル系樹脂および着色剤は同時に溶解又は分散させても良いが、通常それぞれ単独で溶解又は分散され、その際使用する有機溶媒はそれぞれ異なっていても同じでも良いが、後の溶媒処理を考慮すると同じ方が好ましい。また、ポリエステル系樹脂を好適に溶解させる溶媒(単独または混合)を選択すると、本発明で好ましく用いられる離型剤はその溶解度の違いからほとんど溶解しない。
ポリエステル系樹脂の溶解又は分散液は、樹脂濃度が40%〜80%程度であることが好ましい。濃度が高すぎると溶解又は分散が困難になり、また粘度が高くなって扱いづらい。また、濃度が低すぎると微粒子の製造量が少なくなり、除去すべき溶媒量が多くなる。ポリエステル系樹脂に前記末端にイソシアネート基を有する変性ポリエステル樹脂を混合する場合は、同じ溶解又は分散液に混合しても良いし、別々に溶解又は分散液を作製しても良いが、それぞれの溶解度と粘度を考慮すると、別々の溶解又は分散液を作製する方が好ましい。
用いる水系媒体としては、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用することもできる。混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などが挙げられる。樹脂微粒子100質量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000質量部、好ましくは100〜1000質量部である。
上記水系媒体中に、前記のポリエステル系樹脂および離型剤の溶解物または分散物を分散させる際、無機分散剤または有機樹脂微粒子をあらかじめ水系媒体中に分散させておくことにより、粒度分布がシャープになるとともに分散が安定である点で好ましい。無機分散剤としては、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ハイドロキシアパタイトなどが用いられる。有機樹脂微粒子を形成する樹脂としては、水性分散体を形成しうる樹脂であれば、いかなる樹脂であっても使用でき、熱可塑性樹脂であっても熱硬化性樹脂であっても良いが、例えはビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、2種以上を併用しても差し支えない。このうち好ましいのは、微細球状樹脂粒子の水性分散体が得られやすいという観点からビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂およびそれらの併用である。
また、上記樹脂微粒子を製造する際に、必要に応じて、界面活性剤等を用いることもできる。界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどの陰イオン界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
また、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロ−ルアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエ一テル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの窒素原子、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフエニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。なお、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、微粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。分散剤を使用した場合には、該分散剤がトナー粒子表面に残存したままとすることもできるが、洗浄除去するほうがトナーの帯電面から好ましい。
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは20〜80℃である。
有機溶媒中に樹脂、着色剤、離型剤などを溶解あるいは分散させた油相を作製する方法
としては、有機溶媒中に攪拌をしながら樹脂、着色剤などを徐々に添加していき、溶解あるいは分散させればよい。ただし、着色剤として顔料を用いる場合や、離型剤や帯電制御剤などのなかで有機溶媒に溶解しにくいようなものを添加する場合、有機溶媒への添加に先立って粒子を小さくしておくことが好ましい。
前述のように着色剤のマスターバッチ化も手段の一つであり、同様の方法を離型剤や帯電制御剤に展開することもできる。
また別の手段として、有機溶媒中で、必要に応じて分散助剤を添加し、着色剤、離型剤、帯電制御剤を湿式で分散を行いウエットマスターを得ることも可能である。
さらに別の手段として、有機溶媒の沸点未満で溶融するようなものを分散するのであれば、有機溶媒中で、必要に応じて分散助剤を添加し、分散質とともに攪拌しながら加熱を行い一旦溶解させた後、攪拌もしくはせん断しながら冷却を行うことによって晶析を行い、分散質の微結晶を生成させる方法を行っても良い。
以上の手段を用いて分散された着色剤、離型剤、帯電制御剤は、有機溶媒中に樹脂とともに溶解あるいは分散された後、さらに分散を行っても良い。分散に際しては公知のビーズミルやディスクミルなどの分散機を用いることができる。
水系媒体中に前述の工程で得られた油相を分散させ、油相からなるコア粒子が分散した分散液を作製する方法としては、特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。5分を超えて分散を行うと、望ましくない小径の粒子が残存してしまったり、分散が過分散状態になって系が不安定になり凝集体や粗大粒子が発生したりすることがあるので好ましくない。分散時の温度としては、通常、0〜40℃、好ましくは10〜30℃である。40℃を超えると分子運動が活発になることから分散安定性が低下し凝集体や粗大粒子が発生しやすくなるため好ましくない。また、0℃未満になると分散体の粘度が高くなり、分散に必要なせん断エネルギーが増大するため製造効率が低下する。
得られたコア粒子分散液は、攪拌を行っている間は安定にコア粒子の液滴を存在させておくことができる。その状態に前述のビニル系樹脂微粒子分散液を投入してコア粒子上に付着させる。ビニル系樹脂微粒子分散液の投入は、30秒以上かけて行うのが良い。30秒未満で投入を行うと、分散系が急激に変化するために凝集粒子が発生したり、ビニル系樹脂微粒子の付着が不均一になったりするため好ましくない。一方闇雲に長い時間、例えば60分を超えて添加するのは生産効率の面から好ましくはない。
樹脂微粒子分散液は、有機溶媒を含有せず、微粒子が固体の状態で分散されていることが、好ましい。
樹脂微粒子分散液は、コア粒子分散液に投入する前に、適宜濃度調整のために希釈あるいは濃縮しても良い。ビニル系樹脂微粒子分散液の濃度は、5〜30質量%が好ましく、8〜20質量%がより好ましい。5%未満では、分散液の投入に伴う有機溶媒濃度の変化が大きく、樹脂微粒子の付着が不十分になるため好ましくない。また30質量%を超えるような場合、樹脂微粒子がコア粒子分散液中に偏在しやすくなり、その結果樹脂微粒子の付着が不均一になるため避けたほうが良い。
また、樹脂微粒子分散液における樹脂微粒子の粒径は、好ましくは60〜150nm、より好ましくは80〜140nm、さらに好ましくは90〜130nmである。樹脂微粒子が小さすぎると、トナー表面での凸部が小さくなりシェル効果が発現しにくくなる。また、樹脂微粒子が大きすぎると、樹脂微粒子付着工程時に凝集が発生したり、凸部同士の隙間が少なくなりすぎるなどの不具合が発生する。
得られた着色樹脂分散体から有機溶剤を除去するために、公知の方法を使用することができる。例えば、常圧または減圧下で系全体を徐々に昇温し、液滴中の有機溶剤を完全に蒸発除去する方法を採用することができる。
ウレタン又は/及びウレア基を有する変性されたポリエステル樹脂を導入する目的で、末端にイソシアネート基を有する変性ポリエステル樹脂を添加する場合は、別途添加するアミン類との反応、もしくは一部のイソシアネート基が例えば水との反応によってアミノ基となって他のイソシアネート基と反応が起こる。アミン類を別途添加する場合は、水系媒体中にトナー組成物を分散する前に油相中でアミン類を混合しても良いし、水系媒体中にアミン類を加えても良い。上記反応に要する時間は、ポリエステルプレポリマーの有するイソシアネート基構造と、加えたアミン類との反応性により選択されるが、通常1分〜40時間、好ましくは1〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは20〜98℃である。
水系媒体に分散されたトナー粒子を洗浄、乾燥する工程は、公知の技術が用いられる。
即ち、遠心分離機、フィルタープレスなどで固液分離した後、得られたトナーケーキを常温〜約40℃程度のイオン交換水に再分散させ、必要に応じて酸やアルカリでpH調整した後、再度固液分離するという工程を数回繰り返すことにより不純物や界面活性剤などを除去した後、気流乾燥機や循環乾燥機、減圧乾燥機、振動流動乾燥機などにより乾燥することによってトナー粉末を得る。この際、遠心分離などでトナーの微粒子成分を取り除いても良いし、また、乾燥後に必要に応じて公知の分級機を用いて所望の粒径分布にすることができる。
得られた乾燥後のトナー粉体と前記帯電制御性微粒子、流動化剤微粒子などの異種粒子とともに混合したり、混合粉体に機械的衝撃力を与えることによって表面で固定化、融合化させ、得られる複合体粒子の表面からの異種粒子の脱離を防止することができる。具体的手段としては、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させ、粒子同士または複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法などがある。装置としては、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して、粉砕エアー圧カを下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢などがあげられる。
<画像形成装置、プロセスカートリッジ>
本発明に係る画像形成装置は、本発明のトナーを用いて画像を形成する。なお、本発明のトナーは、一成分現像剤及び二成分現像剤のいずれにも用いることができるが、一成分現像剤として用いることが好ましい。また、本発明に係る画像形成装置は、無端型の中間転写手段を有することが好ましい。さらに、本発明に係る画像形成装置は、感光体と、感光体及び/又は中間転写手段に残存したトナーをクリーニングするクリーニング手段を有することが好ましい。このとき、クリーニング手段は、クリーニングブレードを有してもよいし、有さなくてもよい。また、本発明に係る画像形成装置は、加熱装置を有するローラ又は加熱装置を有するベルトを用いて画像を定着する定着手段を有することが好ましい。さらに、本発明に係る画像形成装置は、定着部材にオイル塗布を必要としない定着手段を有することが好ましい。さらに、必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなることが好ましい。
この画像形成装置は、記録媒体例としての複数枚の記録紙(P)を収納する給紙カセット(不図示)を備えており、給紙カセット内の記録紙(P)は、図示しない給紙ローラにより1枚ずつ図示しないレジストローラ対でタイミング調整された後、転写手段としての転写ローラ(8)と、中間転写体(6)の間に送り出される。
一方、画像形成装置は、転写ローラ(8)でトナー像を記録紙に転写した潜像担持体(1)をさらに回転して、クリーニング部(5)で潜像担持体(1)の表面に残留するトナーを掻き落として除去した後、不図示の除電装置で除電する。画像形成装置は、除電装置で除電した潜像担持体(1)を帯電装置(2)で一様に帯電させた後、上記と同様に、次の画像形成を行う。
潜像担持体(1)としては、その材質、形状、構造、大きさ等について、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、その形状としては、ドラム状、ベルト状が好適に挙げられ、その材質としては、例えば、アモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体等が挙げられる。これらの中でも、長寿命性の点で、アモルファスシリコンや有機感光体が好ましい。
潜像担持体(1)に静電潜像を形成する際には、例えば、潜像担持体(1)の表面を帯電させた後、像様に露光することにより行うことができ、静電潜像形成手段により行うことができる。静電潜像形成手段は、例えば、潜像担持体(1)の表面を帯電させる帯電装置(2)と、潜像担持体(1)の表面を像様に露光する露光装置(3)を少なくとも備える。
帯電装置(2)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のローラ、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えた、それ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器等が挙げられる。
帯電装置(2)は、上記のような接触式の帯電器に限定されるものではないが、帯電器から発生するオゾンが低減された画像形成装置が得られるので、接触式の帯電器を用いることが好ましい。
現像装置(4)としては、周面にトナーを担持し、潜像担持体(1)に接して回転すると共に、潜像担持体(1)上に形成された静電潜像にトナーを供給して現像を行う現像ローラ(40)と、現像ローラ(40)の周面に接し、現像ローラ(40)上のトナーを薄層化する薄層形成部材(41)を有する態様が好ましい。
って電荷を付与する。さらに、薄層形成部材(41)には摩擦帯電を補助するために、現像バイアスに対してトナーの帯電極性と同方向にオフセットさせた値の規制バイアスが印加される。
現像ローラ(40)は、例えば、導電性シャフトの外周にゴム弾性体を被覆することにより製造される。導電性シャフトは、例えば、ステンレス(SUS)等の金属で構成される。
なお、中間転写体(6)は、特に制限はなく、目的に応じて、公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
なお、記録紙(P)としては、代表的には、普通紙であるが、現像後の未定着像を転写可能なものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、OHP用のPETベース等も用いることができる。
定着手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラの組み合わせ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトの組み合わせ等が挙げられる。なお、加熱加圧手段による加熱温度は、80〜200℃が好ましい。
除電は、例えば、潜像担持体に対して、除電バイアスを印加することにより、行うことができ、除電手段により好適に行うことができる。除電手段は、特に制限はなく、潜像担持体に対して、除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
リサイクルは、例えば、クリーニング手段により除去したトナーを、リサイクル手段により現像手段に搬送することにより、好適に行うことができる。リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
本発明の画像形成装置、画像形成方法およびプロセスカートリッジによれば、定着性に優れ、現像プロセスにおけるストレスに対して割れなどの劣化のない静電潜像現像用トナーを用いることで、良好な画像を提供することができる。
図4は、本発明を適用した多色画像形成装置の一例を示す概略図である。この図4はタンデム型のフルカラー画像形成装置である。
この図4において、画像形成装置は、図示しない本体筐体内に、図4中時計方向に回転駆動される潜像担持体(1)が収納されており、潜像担持体(1)の周囲に、帯電装置(2)、露光装置(3)、現像装置(4)、中間転写体(6)、支持ローラ(7)、転写ローラ(8)等が配置されている。画像形成装置は、図示しないが複数枚の記録紙を収納する給紙カセットを備えており、給紙カセット内の記録紙(P)は、図示しない給紙ローラにより1枚ずつ図示しないレジストローラ対でタイミング調整された後、中間転写体(6)と転写ローラ(8)の間に送り出され、定着手段(19)によって定着される。
一方、画像形成装置は、中間転写体(6)でトナー画像を記録紙(P)に転写した潜像担持体(1)を更に回転して、クリーニング部(5)で潜像担持体(1)表面に残留するトナーをブレードにより掻き落として除去した後、除電部で除電する。画像形成装置は、除電部で除電した潜像担持体(1)を帯電装置(2)で一様に帯電させた後、上記同様に、次の画像形成を行う。なお、クリーニング部(5)は、ブレードで潜像担持体(1)上の残留トナーを掻き落とすものに限るものではなく、例えばファーブラシで潜像担持体(1)上の残留トナーを掻き落とすものであってもよい。
本発明の画像形成方法及び画像形成装置では、前記現像剤として本発明の前記トナーを用いているので良好な画像が得られる。
本発明のプロセスカートリッジは、静電潜像を担持する静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に担持された静電潜像を、本発明のトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを、少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択した、帯電手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段などのその他の手段を有してなり、画像形成装置本体に着脱自在なものである。
前記現像手段としては、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を収容する現像剤収容器と、該現像剤収容器内に収容されたトナー乃至現像剤を担持しかつ搬送する現像剤担持体とを、少なくとも有してなり、更に、担持させるトナー層厚を規制するための層厚規制部材等を有していてもよい。本発明のプロセスカートリッジは、各種電子写真装置、ファクシミリ、プリンタに着脱自在に備えさせることができ、後述する本発明の画像形成装置に着脱自在に備えさせるのが好ましい。
次に、図に示すプロセスカートリッジによる画像形成プロセスについて示すと、潜像担持体(1)は、矢印方向に回転しながら、帯電装置(2)による帯電、露光手段(図示せず)による露光(L)により、その表面に露光像に対応する静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像装置(4)でトナー現像され、該トナー現像は転写ローラ(8)により、記録紙(P)に転写され、プリントアウトされる。次いで、像転写後の潜像担持体表面は、クリーニング部(5)によりクリーニングされ、更に除電手段(図示せず)により除電されて、再び、以上の操作を繰り返すものである。
以下では、「部」及び「%」は特にことわらない限り質量部及び質量%を示す。
まず、実施例及び比較例において得たトナーについての分析及び評価の方法について述べる。
以下では本件発明のトナーを一成分現像剤として用いた場合についての評価を行ったが、本発明のトナーは、好適な外添処理と好適なキャリヤを使用することにより、二成分現像剤としても使用することができる。
(ヘキサン抽出法〜表面露出ワックス除去方法)
室温で、トナー1gにn−ヘキサン7mlを加え、回転数120rpmで1min、ポットミルで攪拌し、攪拌後の分散液をただちに吸引濾過することで、表面露出ワックスを除去した。
尚、トナーとn−ヘキサンを入れる容器は、30mlのスクリュー管瓶を用い、ポットミルは、小型ボールミル回転架台(AV−1型、アズワン(アサヒ理化製作所)社製)を用いた。
濾別に用いるフィルターとしては、目開き1μmのPTFE製メンブランフィルター等を用いた。
次に、トナー粒子の粒度分布の測定方法について説明する。
コールターカウンター法によるトナー粒子の粒度分布の測定装置としては、コールターカウンターTA−IIやコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)があげられる。測定方法は以下の通りである。
まず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を固形分にして2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの体積平均粒径(Dv)、個数平均粒径(Dn)を求めることができる。
チャンネルとしては、例えば2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とすることができる。
形状の計測方法としては粒子を含む懸濁液を平板上の撮像部検知帯に通過させ、CCDカメラで光学的に粒子画像を検知し、解析する光学的検知帯の手法が適当である。この手法で得られる投影面積の等しい相当円の周囲長を実在粒子の周囲長で除した値が平均円形度である。
この値はフロー式粒子像分析装置FPIA−3000Sにより平均円形度として計測した値である。具体的な測定方法としては、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスフォン酸塩を0.1〜0.5ml加え、更に測定試料を0.1〜0.5g程度加える。試料を分散した懸濁液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、分散液濃度を3000〜1万個/μlとして前記装置によりトナーの形状及び分布を測定することによって得られる。
樹脂微粒子の体積平均粒径の測定方法としては、ナノトラック粒度分布測定装置 UPA−EX150(日機装製、動的光散乱法/レーザードップラー法)で測定することができる。具体的な測定方法としては、樹脂微粒子が分散された分散液を測定濃度範囲に調整して測定する。その際、あらかじめ分散液の分散溶媒のみでバッククラウンド測定をしておく。この測定法により、本発明で用いられる樹脂微粒子の体積平均粒径範囲である、数十nm〜数μmまでを測定することが可能である。
使用するポリエステル樹脂やビニル系共重合樹脂などの分子量は、通常のGPC(gel permeation chromatography)によって以下の条件で測定した。
・装置:HLC−8220GPC(東ソー社製)
・カラム:TSKgel SuperHZM−M x 3
・温度:40℃
・溶媒:THF(テトラヒドロフラン)
・流速:0.35ml/分
・試料:濃度0.05〜0.6%の試料を0.01ml注入
以上の条件で測定したトナー樹脂の分子量分布から単分散ポリスチレン標準試料により作製した分子量校正曲線を使用して重量平均分子量Mwを算出した。単分散ポリスチレン標準試料としては、5.8×100,1.085×10000,5.95×10000,3.2×100000,2.56×1000000,2.93×1000,2.85×10000,1.48×100000,8.417×100000,7.5×1000000の物を10点使用した。
(トナー表面状態)
トナー表面をSEM観察することで、微粒子の存在状態を評価した。
トナー表面の微粒子存在状態
○:微粒子が粒子として存在して凸部を形成して、適度な隙間を持って存在している
。
×:微粒子が粒子の形を維持せず付着しているか、あるいは粒子そのものが観察され
ない。
外添処理を行ったトナー(現像剤)をリコー製ipsio CX2500を用いて、A4縦通紙で先端3mmに幅36mmのべた帯画像(付着量11g/m2)を印字した未定着画像を作製した。この未定着画像を以下の定着装置を用いて、115℃〜175℃の範囲で10℃刻みの定着温度で定着させ、分離可能/非オフセット温度域を求めた。当該温度域は、加熱ローラからの紙の分離が良好に行われ、オフセット現象が発生しない定着温度範囲をいう。使用ペーパー及び通紙方向は、分離性に不利な45g/m2紙のY目の縦通紙で行った。定着装置周速は200mm/secに設定した。
定着装置は、図3に示すようなフッ素系表層剤構成のソフトローラタイプのものである。詳しくは、加熱ローラ9は、外径40mmで、アルミ芯金10上にシリコーンゴムからなる厚さ1.5mmの弾性体層11及びPFA(四フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)表層12を有しており、アルミ芯金内部にヒーター13を備えている。加圧ローラ14は、外径40mmで、アルミ芯金15上にシリコーンゴムからなる厚さ1.5mmの弾性体層16及びPFA表層17を有している。なお、未定着画像18が印字されたペーパーPは図のように通紙される。
◎:110〜170℃の全範囲で分離可能/非オフセットで、なおかつ定着画像耐性
が十分であった。
○:110〜170℃の全範囲で分離可能/非オフセットであったが、低温域での定
着画像が引っかきやこすれにより容易にはがれたり傷ついたりしてしまった。
△:分離可能/非オフセット温度域が30℃以上50℃未満であった。
×:分離可能/非オフセット温度域が30℃未満であった。
トナーを55℃×8時間保管後、42メッシュの篩にて2分間ふるい、金網上の残存率をもって耐熱保管性の指標とした。耐熱保管性は以下の4段階で評価した。
◎:10%未満
○:10〜20%
△:20〜30%
×:30%以上
外添処理を行ったトナー(現像剤)を100g充填したリコー製ipsio SPC220改造機を用いて、印字率1%の所定のプリントパターンをN/N環境下(23℃、45%)で連続印字した。N/N環境下の50枚および4000枚連続印字後(耐久後)に、白紙パターン印字中の現像ローラ上のトナーを吸引し、電荷量をエレクトロメータで測定し、50枚後及び4000枚後の帯電量差を評価した。
○:帯電量差の絶対値が0μC/g〜10μC/gの範囲内
△:帯電量差の絶対値が10μC/g〜15μC/gの範囲内
×:帯電量差の絶対値が15μC/g以上
<非結晶性ポリエステルの合成>
(ポリエステル1)
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物1195部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物2765部、テレフタル酸900部、アジピン酸200部およびジブチルチンオキサイド10部を入れ、常圧230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応した後、反応容器に無水トリメリット酸220部を入れ、180℃、常圧で2時間反応し、[ポリエステル1]を得た。[ポリエステル1]は、数平均分子量2500、重量平均分子量6500、Tg47℃、酸価18であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物264部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物523部、テレフタル酸123部、アジピン酸173部およびジブチルチンオキサイド1部を入れ、常圧230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で8時間反応した。その後、反応容器に無水トリメリット酸26部を入れ、180℃、常圧で2時間反応し、[ポリエステル2]を得た。[ポリエステル2]は、数平均分子量4000、重量平均分子量47000、Tg65℃、酸価12であった。
(ポリエステル3)
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、1,6−ヘキサンジオール500部、コハク酸500部、ジブチルチンオキサイド2.5部を入れ、常圧200℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で1時間反応し、[ポリエステル3]を得た。[ポリエステル3]は、DSC測定にて65℃で吸熱ピークを示した。
冷却管、撹拌機および窒索導入管の付いた反応容器中に、1,2−プロピレングリコール366部、テレフタル酸566部、無水トリメリット酸44部およびチタンテトラブトキシド6部を入れ、常圧230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応し[中間体ポリエステル1]を得た。[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量3200、重量平均分子量12000、Tg55℃であった。
次に、冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポリエステル1]420部、イソホロンジイソシアネート80部、酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応し、[プレポリマー]を得た。[プレポリマー]の遊離イソシアネート質量%は、1.34%であった。
(ビニル系共重合樹脂微粒子V−1)
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ドデシル硫酸ナトリウム1.6部、イオン交換水492部を入れ、80℃に加熱した後、過硫酸カリウム2.5部をイオン交換水100部に溶解したものを加え、その15分後にスチレンモノマー200部、n−オクチルメルカプタン3.5部の混合液を90分かけて滴下し、その後さらに60分80℃に保った。その後冷却して、[ビニル系共重合樹脂微粒子V−1]の分散液を得た。この分散液の固形分濃度を測定すると25%であった。また、微粒子の体積平均粒径は130nmであった。分散液を少量シャーレに取り、分散媒を蒸発させて得た固形物を測定したところ、数平均分子量11000、重量平均分子量18000、Tg83℃であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ドデシル硫酸ナトリウム2.0部、イオン交換水492部を入れ、80℃に加熱した後、過硫酸カリウム2.5部をイオン交換水100部に溶解したものを加え、その15分後にスチレンモノマー170部、n−ブチルアクリレート30部、n−オクチルメルカプタン3.5部の混合液を90分かけて滴下し、その後さらに60分80℃に保った。その後冷却して、[ビニル系共重合樹脂微粒子V−2]の分散液を得た。この分散液の固形分濃度を測定すると25%であった。また、微粒子の体積平均粒径は90nmであった。分散液を少量シャーレに取り、分散媒を蒸発させて得た固形物を測定したところ、数平均分子量18000、重量平均分子量35000、Tg66℃であった。
カーボンブラック(キャボット社製 リーガル400R):40部、結着樹脂:ポリエステル樹脂(三洋化成RS−801 酸価10、Mw20000、Tg64℃):60部、水:30部をヘンシェルミキサーにて混合し、顔料凝集体中に水が染み込んだ混合物を得た。これをロ−ル表面温度130℃に設定した2本ロールにより45分間混練を行ない、パルベライザーで1mmφの大きさに粉砕し、[マスターバッチ1]を得た。
(エステルワックス1の合成)
ジムロート還流器、Dean−Stark水分離器を備えた4つ口フラスコ反応装置にベンゼン1740質量部、長鎖アルキルカルボン酸成分としてベヘン酸とステアリン酸の混合物1300質量部、長鎖アルキルアルコール成分としてベヘニルアルコールとステアリルアルコールの混合物1200質量部、さらにp−トルエンスルホン酸120質量部を加え十分攪拌し溶解後、5時間還流せしめた後、水分離器のバルブを開け、共沸留去を行った。
共沸留去後炭酸水素ナトリウムで十分洗浄後、乾燥しベンゼンを留去した。
得られた生成物を再結晶後、洗浄し精製して[エステルワックス1]を得た。
得られたワックスをGPCで測定したところ、平均炭素数は41であった。また、DSC測定より融点は70℃であった。
長鎖アルキルカルボン酸成分としてモンタン酸とセロチン酸の混合物1400質量部、長鎖アルキルアルコール成分としてベヘニルアルコールとステアリルアルコールの混合物1200質量部に変更した以外はエステルワックス1の合成と同様にして、[エステルワックス2]を得た。得られたワックスをGPCで測定したところ、平均炭素数は46であった。また、DSC測定より融点は75℃であった。
長鎖アルキルカルボン酸成分としてステアリン酸とパルミチン酸の混合物1300質量部、長鎖アルキルアルコール成分としてベヘニルアルコールとセチルアルコールの混合物1200質量部に変更した以外はエステルワックス1の合成と同様にして、[エステルワックス3]を得た。得られたワックスをGPCで測定したところ、平均炭素数は38であった。また、DSC測定より融点は68℃であった。
長鎖アルキルカルボン酸成分としてパルミチン酸とアラキジン酸の混合物1300質量部、長鎖アルキルアルコール成分としてセチルアルコールとオクチルドデカノールの混合物1200質量部に変更した以外はエステルワックス1の合成と同様にして、[エステルワックス4]を得た。得られたワックスをGPCで測定したところ、平均炭素数は36であった。また、DSC測定より融点は65℃であった。
長鎖アルキルカルボン酸成分としてモンタン酸とセロチン酸の混合物1400質量部、長鎖アルキルアルコール成分としてベヘニルアルコールとオクチルドデカノールの混合物1200質量部に変更した以外はエステルワックス1の合成と同様にして、[エステルワックス5]を得た。得られたワックスをGPCで測定したところ、平均炭素数は47であった。また、DSC測定より融点は77℃であった。
長鎖アルキルカルボン酸成分としてパルミチン酸とステアリン酸の混合物1300質量部、長鎖アルキルアルコール成分としてセチルアルコールとステアリルアルコールの混合物1200質量部に変更した以外はエステルワックス1の合成と同様にして、[エステルワックス6]を得た。得られたワックスをGPCで測定したところ、平均炭素数は34であった。また、DSC測定より融点は62℃であった。
<油相の作製>
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[ポリエステル1]12部、[ポリエステル3]6部、[エステルワックス1]14部、酢酸エチル96部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却した。次いで[マスターバッチ1]35部を加えて1時間混合した後、容器を移し替えて、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で分散を行い、[原料溶解液1]を得た。次いで、[原料溶解液1]81.3部に[ポリエステル1]の70%酢酸エチル溶液74.1部、[ポリエステル2]21.6部および酢酸エチル21.5部を加えてスリーワンモーターで2時間攪拌し[油相1]を得た。[油相1]の固形分濃度(130℃、30分で測定)が49%となるように酢酸エチルを加えて調整した。
イオン交換水472部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの50%水溶液(エレミノールMON−7:三洋化成工業製)81部、増粘剤としてカルボキシメチルセルロースの1%水溶液67部、酢酸エチル54部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相1]とする。
前記[油相1]全量にTKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmにて1分間混合した後、[水相1]321部を加え、TKホモミキサーで、回転数8,000〜13,000rpmで調整しながら20分間混合し[コア粒子スラリー1]を得た。
前記[コア粒子スラリー1]をスリーワンモーターを用いて200rpmで攪拌しながら、[ビニル系共重合樹脂微粒子V−2]21.4部を5分間かけて滴下し、そのまま30分攪拌しつづけた。その後、スラリーサンプルを少量採取して10倍の水で希釈し、遠心分離装置を用いて遠心分離したところ、試験管の底にトナー母体粒子が沈降し、上澄み液はほぼ透明であった。以上のようにして[シェル後スラリー1]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[シェル後スラリー1]を投入し、30℃で8時間脱溶剤を行い、[分散スラリー1]を得た。
[分散スラリー1]100部を減圧濾過した後、
(1):濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(2):(1)の濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、超音波振動を付与してTKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。リスラリー液の電気伝導度が10μS/cm以下となるようにこの操作を繰り返した。
(3):(2)のリスラリー液のpHが4となる様に10%塩酸を加え、そのままスリーワンモーターで攪拌30分後濾過した。
(4):(3)の濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。リスラリー液の電気伝導度が10μS/cm以下となるようにこの操作を繰り返し[濾過ケーキ1]を得た。残りの[分散スラリー1]も同様に洗浄し、[濾過ケーキ1]として追加混合した。
[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、[トナー母体1]を得た。このトナー母体50部に1次粒径約30nmの疎水性シリカ1部と、1次粒径約10nmの疎水性シリカ0.5部をヘンシェルミキサーにて混合して、[現像剤1]を得た。
<油相の作製>
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[ポリエステル1]12部、[ポリエステル3]6部、[エステルワックス1]14部、酢酸エチル96部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却した。次いで[マスターバッチ1]35部を加えて1時間混合した後、容器を移し替えて、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で分散を行い、[原料溶解液2]を得た。次いで、[原料溶解液2]81.3部に[ポリエステル1]の70%酢酸エチル溶液84.4部を加えてスリーワンモーターで2時間攪拌し、[油相2]を得た。[油相2]の固形分濃度(130℃、30分で測定)が50%となるように酢酸エチルを加えて調整した。
前記[油相2]全量に[プレポリマー]28.5部を加え、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmにて1分間混合した後、[水相1]321部を加え、TKホモミキサーで、回転数8,000〜13,000rpmで調整しながら2分間混合し[核粒子スラリー2]を得た。
その後の工程は実施例1と同様にして、[現像剤2]を得た。
<油相の作製>
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[ポリエステル1]13部、[ポリエステル3]6部、[エステルワックス1]13部、酢酸エチル96部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却した。次いで[マスターバッチ1]35部を加えて1時間混合した後、容器を移し替えて、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で分散を行い、[原料溶解液3]を得た。次いで、[原料溶解液3]81.3部に[ポリエステル1]の70%酢酸エチル溶液74.1部、[ポリエステル2]21.6部および酢酸エチル21.5部を加えてスリーワンモーターで2時間攪拌し[油相3]を得た。[油相3]の固形分濃度(130℃、30分で測定)が49%となるように酢酸エチルを加えて調整した。
その後の工程は実施例1と同様にして、[現像剤3]を得た。
<油相の作製>
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[ポリエステル1]13部、[ポリエステル3]6部、[エステルワックス1]13部、酢酸エチル96部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却した。次いで[マスターバッチ1]35部を加えて1時間混合した後、容器を移し替えて、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で分散を行い、[原料溶解液4]を得た。次いで、[原料溶解液4]81.3部に[ポリエステル1]の70%酢酸エチル溶液84.4部を加えてスリーワンモーターで2時間攪拌し、[油相4]を得た。[油相4]の固形分濃度(130℃、30分で測定)が50%となるように酢酸エチルを加えて調整した。
その後の工程は実施例2と同様にして、[現像剤4]を得た。
実施例2において[ビニル系共重合樹脂微粒子V−2]を[ビニル系共重合樹脂微粒子V−1]に変更する以外は実施例2と同様にして、[現像剤5]を得た。
実施例2において[エステルワックス1]を[エステルワックス2]に変更する以外は実施例2と同様にして、[現像剤6]を得た。
[実施例7]
実施例2において[エステルワックス1]を[エステルワックス3]に変更する以外は実施例2と同様にして、[現像剤7]を得た。
[実施例8]
実施例2において[エステルワックス1]を[エステルワックス4]に変更する以外は実施例2と同様にして、[現像剤8]を得た。
<油相の作製>
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[ポリエステル1]12部、[ポリエステル3]6部、[エステルワックス1]14部、酢酸エチル96部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却した。次いで[マスターバッチ1]35部を加えて1時間混合した後、容器を移し替えて、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、2パスの条件で分散を行い、[原料溶解液R1]を得た。次いで、[原料溶解液R1]81.3部に[ポリエステル1]の70%酢酸エチル溶液74.1部、[ポリエステル2]21.6部および酢酸エチル21.5部を加えてスリーワンモーターで2時間攪拌し[油相R1]を得た。[油相R1]の固形分濃度(130℃、30分で測定)が49%となるように酢酸エチルを加えて調整した。
その後の工程は実施例1と同様にして、[現像剤R1]を得た。
<油相の作製>
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[ポリエステル1]12部、[ポリエステル3]6部、[エステルワックス1]14部、酢酸エチル96部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却した。次いで[マスターバッチ1]35部を加えて1時間混合した後、容器を移し替えて、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、6パスの条件で分散を行い、[原料溶解液R2]を得た。次いで、[原料溶解液R2]81.3部に[ポリエステル1]の70%酢酸エチル溶液84.4部を加えてスリーワンモーターで2時間攪拌し、[油相R2]を得た。[油相R2]の固形分濃度(130℃、30分で測定)が50%となるように酢酸エチルを加えて調整した。
その後の工程は実施例2と同様にして、[現像剤R2]を得た。
<油相の作製>
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[ポリエステル1]14部、[ポリエステル3]6部、[エステルワックス1]12部、酢酸エチル96部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却した。次いで[マスターバッチ1]35部を加えて1時間混合した後、容器を移し替えて、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で分散を行い、[原料溶解液R3]を得た。次いで、[原料溶解液R3]81.3部に[ポリエステル1]の70%酢酸エチル溶液74.1部、[ポリエステル2]21.6部および酢酸エチル21.5部を加えてスリーワンモーターで2時間攪拌し[油相R3]を得た。[油相R3]の固形分濃度(130℃、30分で測定)が49%となるように酢酸エチルを加えて調整した。
その後の工程は実施例1と同様にして、[現像剤R3]を得た。
<油相の作製>
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[ポリエステル1]10部、[ポリエステル3]6部、[エステルワックス1]16部、酢酸エチル96部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却した。次いで[マスターバッチ1]35部を加えて1時間混合した後、容器を移し替えて、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で分散を行い、[原料溶解液R4]を得た。次いで、[原料溶解液R4]81.3部に[ポリエステル1]の70%酢酸エチル溶液74.1部、[ポリエステル2]21.6部および酢酸エチル21.5部を加えてスリーワンモーターで2時間攪拌し[油相R4]を得た。[油相R4]の固形分濃度(130℃、30分で測定)が49%となるように酢酸エチルを加えて調整した。
その後の工程は実施例1と同様にして、[現像剤R4]を得た。
実施例2において[エステルワックス1]を[エステルワックス5]に変更する以外は実施例2と同様にして、[現像剤R5]を得た。
[比較例6]
実施例2において[エステルワックス1]を[エステルワックス6]に変更する以外は実施例2と同様にして、[現像剤R6]を得た。
[比較例7]
実施例1において、<シェル工程(コア粒子への樹脂微粒子付着工程)>を行わないこと以外は実施例1と同様にして、[現像剤R7]を得た。
2 帯電装置
3 露光装置
4 現像装置
5 クリーニング部
6 中間転写体
7 支持ローラ
8 転写ローラ
9 加熱ローラ
10 アルミ芯金
11 弾性体層
12 PFA表層
13 ヒータ
14 加圧ローラ
15 アルミ芯金
16 弾性体層
17 PFA表層
18 未定着画像
19 定着手段
40 現像ローラ
41 薄層形成部材
42 供給ローラ
L 露光
P 記録紙
T 静電荷像現像用トナー
Claims (10)
- 離型剤として、少なくとも平均炭素数が36〜46のモノエステルワックスを含有するトナーであって、
該トナーは、少なくとも樹脂、前記離型剤、着色剤を含む主部分と、樹脂微粒子により主部分表面に形成される凸部とからなる母体と、無機微粒子からなり、
該トナーは主部分を海、凸部を島とする海島構造を有し、
該樹脂が少なくとも第1の樹脂を含み、
該樹脂微粒子は、前記主部分の第1の樹脂とは異なる樹脂からなり、
該トナーのDSCでの前記ワックスに基づく吸熱量(ΔH1)と、該トナーからヘキサン抽出により、該ワックスの一部を分離した後のトナーのDSCでの前記ワックスに基づく吸熱量(ΔH2)とが、
ΔH1:10〜12mJ/mg
ΔH2:ΔH1の0.6倍〜0.9倍
の関係を有することを特徴とするトナー。
(但し、前記ヘキサン抽出の条件は以下の通りである。
室温で、トナー1gにn−ヘキサン7mlを加え、回転数120rpmで1min、ポットミルで攪拌し、攪拌後の分散液を吸引濾過する。) - 前記主部分を構成する第1の樹脂はポリエステル樹脂からなり、前記樹脂微粒子はビニル系樹脂からなることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
- 前記主部分がさらにウレタン又は/及びウレア基を有する変性されたポリエステル樹脂を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のトナー。
- 前記主部分がさらに結晶性ポリエステル樹脂を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のトナー。
- ΔH2がΔH1の0.78倍〜0.88倍であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のトナー。
- 前記モノエステルワックスをトナー中に6〜8質量%含む請求項1〜5のいずれかに記載のトナー。
- 潜像担持体と、少なくとも潜像担持体上の潜像を現像剤で現像する現像装置とを一体化して画像形成装置に対して着脱可能に構成したプロセスカートリッジにおいて、前記現像剤を構成するトナーが請求項1〜6のいずれかに記載のトナーであることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 少なくとも下記(1)〜(4)の工程を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のトナーを製造する方法。
(1)有機溶媒中に少なくともポリエステル樹脂、離型剤および着色剤を溶解又は分散させる工程
(2)該溶解物又は分散物を水系媒体中に懸濁させて主部分となるコア粒子分散液を生成する工程
(3)該コア粒子分散液に樹脂微粒子分散液を加えて、コア粒子表面に樹脂微粒子を付着させる工程
(4)有機溶媒を除去する工程 - 前記水系媒体中に界面活性剤が含まれていることを特徴とする請求項8に記載のトナーの製造方法。
- 前記コア粒子分散液に樹脂微粒子分散液を加えて、コア粒子表面に樹脂微粒子を付着させる工程において、コア粒子分散液が分散されたコア粒子に対し有機溶媒が10質量%〜70質量%含まれていることを特徴とする請求項8又は9に記載のトナーの製造方法。
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