JP5678702B2 - 着色樹脂粒子の製造方法、並びに着色樹脂粒子、現像剤、画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジ - Google Patents

着色樹脂粒子の製造方法、並びに着色樹脂粒子、現像剤、画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジ Download PDF

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Description

本発明は、着色樹脂粒子の製造方法、並びに該製造方法により製造される着色樹脂粒子、該着色樹脂粒子を用いた現像剤、該現像剤を用いた画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジに関する。
電子写真方式による画像形成装置において、可視像を形成するのに着色剤を含有する着色樹脂粒子がトナーとして用いられる。また、電子ペーパー用の像形成にも着色樹脂粒子が用いられる。
トナーとして用いる着色樹脂粒子の製造方法としては、ポリエステル樹脂などの結着樹脂、着色剤、離型剤等を有機溶媒に溶解又は分散して得られた油相を水系媒体中に分散させて着色樹脂粒子を製造する方法(溶解懸濁法)、ポリエステル樹脂微粒子、顔料微粒子、離型剤微粒子等を凝集塩などの存在下凝集させ、形状を整えることで着色樹脂粒子を製造する方法(乳化会合法)などが提案されている(特許文献1、及び2参照)。
電子写真方式及び電子ペーパーに用いられる着色樹脂粒子は、粒径が均一であることが好ましい。そして、粒径が均一な着色樹脂粒子を製造するためには、溶解懸濁法が適している。
そこで、溶解懸濁法により粒径が均一な粒子を製造する方法として、水系媒体中に樹脂微粒子を分散させて、その樹脂微粒子により油相からなる液滴の分散を安定化させるようにした方法が提案されている(特許文献3〜5参照)。具体的には、樹脂微粒子を分散させた水系媒体中に樹脂の溶剤溶液(油相)からなる液滴を分散させることにより油相液滴の分散を安定化した樹脂粒子の製造方法及びそれによって得られる樹脂粒子が提案されている。
しかし、これら提案の技術では、樹脂微粒子の分散粒子としての特性、つまり、粒径やゼータ電位などによって油滴の分散安定化の状態が変わるため、着色樹脂粒子を安定して製造していくためには、樹脂微粒子の粒径及びゼータ電位のロットごとの管理を厳密にしていかなければならず、製造安定性の面で問題がある。
また、水相中に油相を分散させて油滴を作製した後、得られた油滴分散液から溶媒を除去する前後にビニル系樹脂微粒子分散液を投入し、加熱を行うことにより油滴又は溶媒が除去された粒子の表面にビニル系樹脂を存在させる方法が提案されている(特許文献6参照)。
この提案の技術では、ビニル系樹脂をコアとなる粒子に確実に付着させるために70℃以上の高温で加熱を行っており、多大なエネルギーを必要とするため、経済的にも環境負荷を考える上でも好ましい方法とはいえない。
また、溶媒が除去されていない状態でビニル系樹脂を投入する場合に、カルボキシル基などの極性基が少ないビニル系樹脂を用いると、油滴の分散安定性が低くなるため油滴同士が凝集又は合一し、粒径が均一な着色樹脂粒子を安定して製造できないという問題がある。
したがって、溶解懸濁法による着色樹脂粒子の製造方法において、粒径が均一な着色樹脂粒子を安定的に製造でき、かつ製造に掛かるエネルギーを抑えることができる着色樹脂粒子の製造方法、並びに該製造方法により製造される着色樹脂粒子、該着色樹脂粒子を用いた現像剤、該現像剤を用いた画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジの提供が求められているのが現状である。
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、溶解懸濁法による着色樹脂粒子の製造方法において、粒径が均一な着色樹脂粒子を安定的に製造でき、かつ製造に掛かるエネルギーを抑えることができる着色樹脂粒子の製造方法、並びに該製造方法により製造される着色樹脂粒子、該着色樹脂粒子を用いた現像剤、該現像剤を用いた画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 有機溶媒中に、少なくとも結着樹脂、及び着色剤を溶解又は分散させた油相を調製する油相調製工程と、
水系媒体中に、少なくとも25℃、pH3.0の水に対する溶解度が2.0g/100g未満であり、かつ25℃、pH10.0の水に対する溶解度が2.0g/100g以上である樹脂Aと塩基性物質とを溶解した水相を調製する水相調製工程と、
前記水相中に前記油相を分散させ、前記油相からなる芯粒子が分散した芯粒子分散液を調製する分散液調製工程と、
前記芯粒子分散液中に、樹脂微粒子が水系媒体中に分散した樹脂微粒子分散液を投入し前記芯粒子上に前記樹脂微粒子を付着させて粒子を調製する樹脂微粒子付着工程と、
前記樹脂微粒子付着工程により得られた前記粒子の分散液から有機溶媒を除去する溶媒除去工程と、
前記溶媒除去工程後に、前記粒子を洗浄する洗浄工程と、
前記洗浄工程後に、前記粒子を乾燥する乾燥工程とを少なくとも含むことを特徴とする着色樹脂粒子の製造方法である。
<2> 樹脂Aが、少なくとも下記化学式(1)で表される単量体化合物、及び下記一般式(2)で表される単量体化合物を含有する単量体混合物を反応させて得られる樹脂であり、該樹脂における、前記化学式(1)で表される単量体化合物の割合が、前記樹脂を構成する単量体全体の20質量%〜80質量%であり、前記一般式(2)で表される単量体化合物の割合が、前記樹脂を構成する単量体全体の15質量%〜65質量%である前記<1>に記載の着色樹脂粒子の製造方法である。
ただし、前記一般式(2)中、Rは、水素原子及びメチル基のいずれかを表す。
<3> 単量体混合物が、更に下記一般式(3)で表される単量体化合物を含有する前記<2>に記載の着色樹脂粒子の製造方法である。
ただし、前記一般式(3)中、Rは、水素原子及びメチル基のいずれかを表す。Rは、炭素数1〜22の炭化水素基を表す。
<4> 単量体混合物が、更に下記一般式(4)で表される単量体化合物を含有する前記<2>から<3>のいずれかに記載の着色樹脂粒子の製造方法である。
ただし、前記一般式(4)中、Rは、水素原子及びメチル基のいずれかを表す。Xは、2価の炭化水素基を表す。Mは、水素原子、ナトリウム、カリウム、及び炭素数1〜4の炭化水素基のいずれかを表す。
<5> 樹脂Aが、界面活性剤の存在する水系媒体中で、水溶性のラジカル発生剤を用いて単量体混合物を反応させることによって得られる樹脂である前記<2>から<4>のいずれかに記載の着色樹脂粒子の製造方法である。
<6> 樹脂Aが、単量体混合物が可溶である溶媒中で、前記溶媒に可溶であるラジカル発生剤を用いて単量体混合物を反応させることによって得られる樹脂である前記<2>から<4>のいずれかに記載の着色樹脂粒子の製造方法である。
<7> 結着樹脂が、ポリエステル骨格を有する樹脂である前記<1>から<6>のいずれかに記載の着色樹脂粒子の製造方法である。
<8> ポリエステル骨格を有する樹脂が、ポリエステル樹脂である前記<7>に記載の着色樹脂粒子の製造方法である。
<9> 油相が、イソシアネート基を有する変性樹脂を含有する前記<1>から<8>のいずれかに記載の着色樹脂粒子の製造方法である。
<10> イソシアネート基を有する変性樹脂が、ポリエステル骨格を有する前記<9>に記載の着色樹脂粒子の製造方法である。
<11> 油相が、イソシアネート基を有する変性樹脂のイソシアネート基と反応可能な2価以上のアミノ基を有するアミン化合物を含有する前記<9>から<10>のいずれかに記載の着色樹脂粒子の製造方法である。
<12> 塩基性物質が、アルカリ金属、及びアルカリ土類金属から選択されるカチオンと、水酸基、COO2−基、HCOO基、PO 3−基、HPO 2−基、及びHPO 基から選択されるアニオンからなる化合物である前記<1>から<11>のいずれかに記載の着色樹脂粒子の製造方法である。
<13> 樹脂微粒子が、ビニル系樹脂微粒子である前記<1>から<12>のいずれかに記載の着色樹脂粒子の製造方法である。
<14> ビニル系樹脂微粒子が、ビニル重合性官能基と酸基を有する化合物の含有量が7質量%以下である単量体混合物を重合させて得られる前記<13>に記載の着色樹脂粒子の製造方法である。
<15> ビニル系樹脂微粒子が、ビニル重合性官能基を有する芳香族化合物の含有量が80質量%以上である単量体混合物を重合させて得られる前記<13>から<14>のいずれかに記載の着色樹脂粒子の製造方法である。
<16> 前記<1>から<15>のいずれかに記載の着色樹脂粒子の製造方法によって得られることを特徴とする着色樹脂粒子である。
<17> 前記<16>に記載の着色樹脂粒子を含有することを特徴とする現像剤である。
<18> 像担持体と、
該像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
前記静電潜像を現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像手段と、
前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、
前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有し、
前記現像手段が、前記<17>に記載の現像剤を収容していることを特徴とする画像形成装置である。
<19> 像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、
前記静電潜像を現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像工程と、
前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、
前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含み、
前記現像工程が、前記<17>に記載の現像剤を用いて行われることを特徴とする画像形成方法である。
<20> 像担持体と、前記<17>に記載の現像剤を収容する現像手段とを少なくとも有してなり、画像形成装置本体と着脱可能であることを特徴とするプロセスカートリッジである。
本発明によると、従来における前記諸問題を解決することができ、溶解懸濁法による着色樹脂粒子の製造方法において、粒径が均一な着色樹脂粒子を安定的に製造でき、かつ製造に掛かるエネルギーを抑えることができる着色樹脂粒子の製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の画像形成装置の一例を示す概略断面図である。 図2は、本発明の画像形成方法に用いる定着装置の一例を示す概略断面図である。 図3は、本発明の画像形成装置を適用した多色画像形成装置の一例を示す概略図である。 図4は、本発明の画像形成装置を適用したリボルバタイプのフルカラー画像形成装置の一例を示す概略図である。 図5は、本発明のプロセスカートリッジの一例を示す概略断面図である。
(着色樹脂粒子の製造方法、及び着色樹脂粒子)
本発明の着色樹脂粒子の製造方法は、油相調製工程と、水相調製工程と、分散液調製工程と、樹脂微粒子付着工程と、溶媒除去工程と、洗浄工程と、乾燥工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
本発明の着色樹脂粒子は、本発明の前記着色樹脂粒子の製造方法によって得られる。
<油相調製工程>
前記油相調製工程としては、有機溶媒中に、少なくとも結着樹脂、及び着色剤を溶解又は分散させた油相を調製する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記油相調製工程としては、例えば、前記有機溶媒を攪拌しながら、前記有機溶媒中に前記結着樹脂、前記着色剤などを徐々に添加していき、溶解又は分散させる方法が挙げられる。前記着色剤として顔料を用いる場合や、離型剤や帯電制御剤などの有機溶媒に溶解しにくいようなものを前記有機溶媒添加する場合には、前記有機溶媒への添加に先立って粒子を小さくしておくことが好ましい。
後述するように前記着色剤のマスターバッチ化も好適な手段の一つであり、同様の方法を前記離型剤、及び前記帯電制御剤に適用することもできる。
また別の方法として、前記有機溶媒中で、必要に応じて分散助剤を添加し、前記着色剤、前記離型剤、前記帯電制御剤などを湿式で分散しウェットマスターを得ることも可能である。
更に別の方法として、前記有機溶媒の沸点未満で溶融するようなものを分散するのであれば、前記有機溶媒中で、必要に応じて分散助剤を添加し、分散質とともに攪拌しながら加熱を行い一旦溶解させた後、攪拌又はせん断を付与しながら冷却を行うことによって晶析を行い、分散質の微結晶を生成させる方法を行ってもよい。
以上の方法を用いて分散された前記着色剤、並びに必要により前記離型剤、及び前記帯電制御剤を、前記有機溶媒中に前記結着樹脂とともに溶解又は分散した後、更に分散を行ってもよい。前記分散に際しては公知のビーズミル、ディスクミルなどの分散機を用いることができる。
また、得られる着色樹脂粒子の力学的強度を高めたり、静電潜像現像用トナーとして用いる場合においては、力学的強度に加え定着時における高温オフセットを防止したりする目的で、油相中に、イソシアネート基を有する変性樹脂を溶解して、即ち油相がイソシアネート基を有する変性樹脂を含有した状態で、着色樹脂粒子を製造することが好ましい。
−結着樹脂−
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、電子写真方式における静電潜像現像用トナーとして用いる場合には、ポリエステル骨格を有する樹脂が、良好な定着性が得られる点で好ましい。前記ポリエステル骨格を有する樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリエステルと他の骨格を有する樹脂とのブロックポリマーなどが挙げられる。これらの中でも、ポリエステル樹脂が、得られる着色樹脂粒子の均一性が高い点で好ましい。
前記結着樹脂の酸価としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2mgKOH/g〜24mgKOH/gが好ましい。前記酸価が、2mgKOH/g未満であると、結着樹脂の極性が低くなるため、ある程度極性を有する着色剤を油滴内で均一に分散することが難しくなることがあり、24mgKOH/gを超えると、水相への移行が起こりやすくなり、その結果、製造の過程で物質収支にロスが発生してしまうこと、及び油滴の分散安定性が悪化してしまうことがある。
−−ポリエステル樹脂−−
前記ポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ラクトン類の開環重合物、ヒドロキシカルボン酸の縮重合物、ポリオールとポリカルボン酸との重縮合物などが挙げられる。これらの中でも、設計の自由度の観点からポリオールとポリカルボン酸との重縮合物が好ましい。
−−−ポリオール−−−
前記ポリオール(1)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジオール(1−1)及び3価以上のポリオール(1−2)が挙げられ、(1−1)単独、又は(1−1)と少量の(1−2)の混合物が好ましい。
前記ジオール(1−1)としては、例えば、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4-シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);前記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;前記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらの中でも、炭素数2〜12のアルキレングリコール及びビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物が好ましく、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、及びこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用がより好ましい。
前記3価以上のポリオール(1−2)としては、例えば、3〜8価又はそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−−ポリカルボン酸−−−
前記ポリカルボン酸(2)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジカルボン酸(2−1)及び3価以上のポリカルボン酸(2−2)が挙げられ、(2−1)単独、及び(2−1)と少量の(2−2)の混合物が好ましい。
前記ジカルボン酸(2−1)としては、例えば、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらの中でも、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸及び炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸が好ましい。
前記3価以上のポリカルボン酸(2−2)としては、例えば、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、前記ポリカルボン酸(2)としては、上述のものの酸無水物又は低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いて前記ポリオール(1)と反応させてもよい。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ポリオール(1)と前記ポリカルボン酸(2)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1であり、1.5/1〜1/1が好ましく、1.3/1〜1.02/1がより好ましい。
前記ポリエステル樹脂の重量平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1,000〜30,000が好ましく、1,500〜15,000がより好ましい。前記重量平均分子量が、1,000未満であると、耐熱保存性が悪化することがあり、30,000を超えると、静電潜像現像用トナーとしては低温定着性が悪化することがある。前記重量平均分子量が、前記より好ましい範囲内であると、耐熱保存性と低温定着性の両立の点で有利である。
前記重量平均分子量は、GPC(gel permeation chromatography)によって測定される分子量であり、例えば、GPC−150C(ウォーターズ社製)を用いて測定することができる。
前記ポリエステル樹脂のガラス転移温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、35℃〜80℃が好ましく、40℃〜70℃がより好ましく、45℃〜65℃が特に好ましい。前記ガラス転移温度が、35℃未満であると、得られる着色樹脂粒子が真夏などの高温環境下に置かれたときに変形する、又は着色樹脂粒子同士がくっついてしまい本来の粒子としての振る舞いができなくなることがある。前記ガラス転移温度が、80℃を超えると、得られる着色樹脂粒子を静電潜像現像用トナーとして用いる場合に定着性が悪化することがある。
前記ガラス転移温度は、示差走査熱量分析測定(DSC)によって測定されるガラス転移温度であり、例えば、理学電機社製TG−DSCシステムTAS−100を用いて測定することができる。
−着色剤−
前記着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばカーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボンなどが挙げられる。
前記着色剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、製造される着色樹脂粒子に対して1質量%〜15質量%が好ましく、3質量%〜10質量%がより好ましい。
前記着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造又はマスターバッチとともに混練される樹脂としては、前記ポリエステル樹脂の他にポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン又はその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記マスターバッチはマスターバッチ用の樹脂と着色剤とを高せん断力をかけて混合し、混練して得ることができる。この際着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶媒を用いることができる。また、いわゆるフラッシング法と呼ばれる着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶媒とともに混合混練を行い、着色剤を樹脂側に移行させ、水分と有機溶媒成分を除去する方法も、着色剤のウェットケーキをそのまま用いることができるため乾燥する必要がなく、好ましく用いられる。混合混練するには3本ロールミル等の高せん断分散装置が好ましく用いられる。
−イソシアネート基を有する変性樹脂−
前記イソシアネート基を有する変性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、変性樹脂の骨格としては、粒子の均一性を考慮すると有機溶媒に溶解する樹脂と同じものを用いるのが好ましく、ポリエステル骨格を有する変性樹脂、即ちイソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)が好ましい。該イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)としては、ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の重縮合物でかつ活性水素基を有するポリエステルを更にポリイソシアネート(3)と反応させたものなどが挙げられる。前記ポリエステルプレポリマー(A)の有する活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基及びフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらの中でも、アルコール性水酸基が好ましい。
前記ポリオール(1)及び前記ポリカルボン酸(2)としては、前記ポリエステル樹脂の説明において記載した前記ポリオール(1)及び前記ポリカルボン酸(2)が挙げられる。
前記ポリイソシアネート(3)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、脂肪族ポリイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α',α'−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアヌレート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;及びこれら2種以上の併用などが挙げられる。
前記ポリイソシアネート(3)のイソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]との当量比[NCO]/[OH]としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5/1〜1/1が好ましく、4/1〜1.2/1がより好ましく、2.5/1〜1.5/1が特に好ましい。[NCO]/[OH]が、5/1を超えると、着色樹脂粒子をトナーとして用いた場合に低温定着性が悪化することがある。[NCO]/[OH]が1/1未満であると、ポリエステルプレポリマー(1)中のウレア含量が低くなり、着色樹脂粒子をトナーとして用いた場合に耐ホットオフセット性が悪化することがある。イソシアネート基を含有するポリエステルプレポリマー(A)中の前記ポリイソシアネート(3)構成成分の含有量は、通常0.5質量%〜40質量%であり、1質量%〜30質量%が好ましく、2質量%〜20質量%がより好ましい。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有するイソシアネート基は、通常1個以上であり、平均1.5個〜3個が好ましく、平均1.8個〜2.5個がより好ましい。
−アミン化合物(イソシアネート基と反応可能な2価以上のアミノ基を有するアミン化合物)−
前記油相が、前記イソシアネート基を有する変性樹脂を含有する場合には、前記油相は、前記イソシアネート基を有する変性樹脂のイソシアネート基と反応可能な2価以上のアミノ基を有するアミン化合物を含有することが好ましい。
前記イソシアネート基を有する変性樹脂のイソシアネート基は、水相中で油相を分散させ粒子を得る過程で加水分解をして一部はアミノ基となり、生成したアミノ基は未反応のイソシアネート基と反応していき、伸長反応が進行していく。この反応以外にも伸長反応を確実に反応させる、又は架橋点を導入する目的で、前記アミン化合物の併用が好ましい。
前記アミン化合物(B)としては、例えば、ジアミン(B1)、3価以上のポリアミン(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、及びB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。
前記ジアミン(B1)としては、例えば、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);及び脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。
前記3価以上のポリアミン(B2)としては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。
前記アミノアルコール(B3)としては、例えば、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。
前記アミノメルカプタン(B4)としては、例えば、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。
前記アミノ酸(B5)としては、例えば、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。
前記B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、例えば、前記B1〜B5のアミン化合物とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリン化合物などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらのアミン化合物(B)のうち好ましいものは、B1及びB1と少量のB2の混合物である。
更に、必要により架橋及び/又伸長は停止剤を用いて反応終了後の変性樹脂の分子量を調整することができる。停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、及びそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
前記イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、前記アミン化合物(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1/2〜2/1が好ましく、1.5/1〜1/1.5がより好ましく、1.2/1〜1/1.2が特に好ましい。
−有機溶媒−
前記有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、沸点が100℃未満であることが、後の有機溶媒除去が容易になる点から好ましい。このような有機溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記有機溶媒中に溶解又は分散させる結着樹脂がポリエステル骨格を有する樹脂である場合、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系の溶媒、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系の溶媒を用いることが、溶解性に優れる点から好ましい。これら中でも、溶媒除去性の高い酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトンが特に好ましい。
−離型剤−
前記製造方法により製造される着色樹脂粒子を静電潜像現像用トナーとして用いる際には、定着離型性を高める目的で離型剤を有機溶媒中に分散させておくことが好ましい。
前記離型剤としては、ワックス、シリコーンオイルなどの、定着プロセスで加熱されたときに十分に粘度が低く、かつ定着部材表面に相溶又は膨潤しにくい物質を使用することが好ましく、着色樹脂粒子そのものの保存安定性を考えると、通常保管時に着色樹脂粒子中で固体として存在するワックスを用いるのがより好ましい。
前記ワックスとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、長鎖炭化水素、カルボニル基含有ワックスなどが挙げられる。
前記長鎖炭化水素としては、例えば、ポリオレフィンワックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなど);石油系ワックス(パラフィンワックス、サゾールワックス、マイクロクリスタリンワックスなど);フィッシャートロプシュワックスなどが挙げられる。
前記カルボニル基含有ワックスとしては、例えば、ポリアルカン酸エステル(カルナウバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレートなど);ポリアルカノールエステル(トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなど);ポリアルカン酸アミド(エチレンジアミンジベヘニルアミドなど);ポリアルキルアミド(トリメリット酸トリステアリルアミドなど);ジアルキルケトン(ジステアリルケトンなど)などが挙げられる。
これらの中でも、特に離型性の点から長鎖炭化水素が好ましい。更に、前記長鎖炭化水素を離型剤として用いる場合、前記カルボニル基含有ワックスを併用してもよい。
前記離型剤の含有量としては、製造される前記着色樹脂粒子中に2質量%〜25質量%が好ましく、3質量%〜20質量%がより好ましく、4質量%〜15質量%が特に好ましい。前記含有量が、2質量%未満であると、定着離型性向上効果が発揮できないことがあり、25質量%を超えると、着色樹脂粒子の機械強度が低下することがある。
−帯電制御剤−
必要に応じて帯電制御剤を有機溶媒中に溶解又は分散させておいてもよい。
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、四級アンモニウム塩(フッ素変性四級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物などが挙げられる。
前記帯電制御剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、製造される前記着色樹脂粒子中に0.5質量%〜5質量%が好ましく、0.8質量%〜3質量%がより好ましい。
<水相調製工程>
前記水相調製工程としては、水系媒体中に、少なくとも25℃、pH3.0の水に対する溶解度が2.0g/100g未満であり、かつ25℃、pH10.0の水に対する溶解度が2.0g/100g以上である樹脂Aと塩基性物質とを溶解した水相を調製する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記水相調製工程において、前記水相に前記樹脂Aが溶解していることにより、有機溶媒を除去した後の着色樹脂粒子において、1.5μm以上の粗大な粒子による突起が付着したものが無くなる。本発明の着色樹脂粒子の製造方法により1.5μm以上の粗大な粒子による突起がなくなった理由は、次のように考えられる。つまり、従来公知の着色樹脂粒子の製造方法では、油滴の分散を安定化するために水系媒体中に微粒子(以下、分散安定化微粒子)を添加しているが、油滴からなる芯粒子を分散させたとき、分散安定化微粒子の一部は油滴界面に付着せずに水系媒体中に遊離して存在するため、その後芯粒子表面に付着させる目的で樹脂微粒子(以下、表面付着微粒子)を添加したとき、遊離している分散安定化微粒子が表面付着微粒子と合一し粗大粒子になり、生成した粗大粒子が油滴表面に付着していると考えられる。一方、本発明の着色樹脂粒子の製造方法においては、油滴(油相)を分散安定化するのに、分散安定化微粒子を使用せず特定の樹脂(前記樹脂A)を水系媒体中に溶解して用いるため、表面付着微粒子を添加する段階においては粗大粒子の生成が起こらないため、1.5μm以上の粗大な粒子による突起がなくなったものと考えられる。
なお、粗大な粒子による突起を有するような着色樹脂粒子をトナーとして用いると、白地部へのトナー付着が起こるため好ましくはない。これは、トナー間の帯電性が不均一になってしまうため、又はトナー表面の帯電性が不均一になってしまうためと考えられる。
前記水相のpHとしては、前記樹脂Aが水相中に溶解できるような状態であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、9.0〜12.0であることが、前記樹脂Aが前記水相中に溶解している状態を安定に形成でき、かつ後述の分散液調製工程において有機溶媒の一部が前記水相に溶解しかつ適度に前記水相のpHが低下することにより前記樹脂Aが効果的に油滴界面を安定化しながら表面付着微粒子を均一に付着させることができる点から好ましい。
−水系媒体−
前記水系媒体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水が挙げられる。
前記水系媒体は、水単独でもよいし、水と混和可能な有機溶媒を併用してもよい。水と混和可能な有機溶媒としては、例えば、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などが挙げられる。
−樹脂A(水相添加樹脂)−
前記樹脂A(以下、「水相添加樹脂」と称することがある。)としては、少なくとも25℃、pH3.0の水に対する溶解度が2.0g/100g未満であり、かつ25℃、pH10.0の水に対する溶解度が2.0g/100g以上である樹脂であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記水相添加樹脂は、塩基性物質が存在する水系媒体中においては溶解しており、油相を水系媒体中に添加した時にその溶解した樹脂の一部が析出してくるような樹脂であることが好ましい。
ここで本発明における前記樹脂Aの溶解の度合いの評価方法について説明する。
まず、樹脂が微粒子として水系媒体中に存在しているような分散体である場合、言い換えれば、樹脂が水系媒体に溶解していない状態にあれば、その分散体は樹脂の微粒子と媒質の屈折率の差により散乱が起こるため、全体として白濁して見える。一方、樹脂が水系媒体に溶解している状態にあれば、全体が均一相になるため散乱はなく透明に見える。そこで、樹脂の分散体あるいは溶液の600nmの光の透過率をもって、溶解しているかどうかを判断する。
具体的には、まず、樹脂分散体を25℃に調温しながらイオン交換水で希釈しつつ、更にpHの調整を行い、pH3.0、固形分濃度2.0質量%の溶液100mLを調製する。pHの調整には0.5Nの塩酸又は0.5Nの水酸化ナトリウム水溶液を用いる。なお、0.5Nの水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを3.0に調整するのは、樹脂分散体の希釈液のpHが3.0未満の場合である。
次に、pHを調整した液を1時間攪拌した後、サンプルを2mL抜き取り、1cm角の石英セルに入れて、1分後に、紫外可視分光光度計UV2550(島津製作所社製)を用いて25℃で波長600nmにおける透過率(%)を、下記式1を参照して測定する。
透過率(%)=I/I0×100 (式1)
(I0は入射光束であり、Iは透過光束である。)
このとき、リファレンスのセルにはイオン交換水を用いるが、樹脂微粒子分散体に着色剤が入っていて除去できない場合は、イオン交換水中にサンプルと同濃度の着色剤を有する液をリファレンスとする。
透過率が95%以上であれば、樹脂は水系媒体中に溶解しているとみなし、透過率が95%未満であれば樹脂は水系媒体中に溶解していないとみなす。即ち、透過率が95%以上であれば、評価した樹脂の25℃、pH3.0の水に対する溶解度は2.0g/100g以上であり、透過率が95%未満であれば、評価した樹脂の25℃、pH3.0の水に対する溶解度は2.0g/100g未満である。
次に、pHを3.0に調整した方法と同様の方法により、pH10.0、固形分濃度2.0質量%の溶液100mLを調製する。pHの調整には、2Nの水酸化ナトリウム水溶液を用いる。次にpHを調整した溶液を1時間攪拌した後、サンプルを2mL抜き取り、25℃で波長600nmにおける透過率(%)を上記と同様の方法で測定し、溶解しているかどうかを判断する。
そして、透過率が95%以上であれば、樹脂は水系媒体中に溶解しているとみなし、透過率が95%未満であれば樹脂は水系媒体中に溶解していないとみなす。即ち、透過率が95%以上であれば、評価した樹脂の25℃、pH10.0の水に対する溶解度は2.0g/100g以上であり、透過率が95%未満であれば、評価した樹脂の25℃、pH10.0の水に対する溶解度は2.0g/100g未満である。
なお、樹脂分散体の固形分濃度は、樹脂分散体2gをアルミ皿に入れ、150℃で30分静置したときの加熱減量から計算する。
また、樹脂が分散体ではなく、固形物としてあるものについては、オースターブレンダーなどの機械式の粉砕機を用いて細かく砕いたものを、目開きが0.5mmのメッシュで篩ったものを2gとり、98gのイオン交換水に投入して攪拌することで2質量%の樹脂分散液とした。この方法では、樹脂の粒子径は一般的な樹脂分散液よりも大きいため、攪拌を止めると樹脂が沈降してしまったり、樹脂が溶解する場合においても水系媒体との界面が少ないため溶解に時間がかかったりする。そのため、pH調整後の攪拌時間を1時間から3時間に延長し、また、透過率測定のサンプリング時には樹脂の分散状態が均一になるように攪拌をしながらサンプリングを行うことに加え、目視でも沈殿物などの溶け残りの有無も確認し、溶け残りがある場合は溶解していないものとみなす。
前記水相添加樹脂としては、少なくとも下記化学式(1)で表される単量体化合物、及び下記一般式(2)で表される単量体化合物を含有する単量体混合物を反応させて得られる樹脂(以下、「樹脂B」と称することがある。)であることが好ましい。そして、前記樹脂Bにおける、前記化学式(1)で表される単量体化合物の割合が、前記樹脂Bを構成する単量体全体の20質量%〜80質量%であり、前記一般式(2)で表される単量体化合物の割合が、前記樹脂Bを構成する単量体全体の15質量%〜65質量%であることが好ましい。このようにすることで、前記溶解度を満足することができる。
ただし、前記一般式(2)中、Rは、水素原子及びメチル基のいずれかを表す。
前記化学式(1)で表される単量体化合物には、水相添加樹脂の親油性を高める効果と、着色樹脂粒子を電子写真用のトナーとして用いる際に帯電性を付与する効果がある。前記樹脂Bにおける、前記化学式(1)で表される単量体化合物の割合としては、前記樹脂Bを構成する単量体全体の、20質量%〜80質量%が好ましく、30質量%〜70質量%がより好ましく、40質量%〜60質量%が特に好ましい。前記割合が、20質量%未満であると、得られる着色樹脂粒子を電子写真用のトナーとして用いる際に帯電性に劣ることがある。前記割合が、80質量%を超えると、水相添加樹脂の親油性が高くなりすぎ、水系媒体中に溶解することができなくなったり、水相添加樹脂が油滴内部に侵入してしまって分散安定化をする効果がなくなったりすることがある。
前記一般式(2)で表される単量体化合物は、水系媒体中のpHや有機溶媒の溶解によって前記樹脂Bの水系媒体に対する可溶/不溶の状態を変化させることができる性質を前記樹脂Bに付与する機能を有しており、その機能を発現するためには、特定の範囲で使用されることが好ましい。前記樹脂Bにおける、前記一般式(2)で表される単量体化合物の割合としては、前記樹脂Bを構成する単量体全体の、15質量%〜65質量%が好ましく、20質量%〜50質量%がより好ましく、25質量%〜45質量%が特に好ましい。前記割合が、15質量%未満であると、塩基性物質の添加によっても、前記樹脂Bを水系媒体中に溶解させることができなくなり、油滴を分散安定化することが困難になったり、均一に分散できなかったりすることがある。前記割合が、65質量%を超えると、前記樹脂Bの水系媒体への親和性が高くなりすぎ、不溶状態への変化がしにくくなったり、不溶化しても油滴への吸着ができずに油滴の分散を安定化することができなくなることがある。
また、前記単量体混合物が、下記一般式(3)で表される単量体化合物を含有することにより、前記樹脂Bのガラス転移温度を調整して、トナーとしての着色樹脂粒子表面に付着する水相添加樹脂がトナーの加熱定着性を妨げないようにすることができる。
ただし、前記一般式(3)中、Rは、水素原子及びメチル基のいずれかを表す。Rは、炭素数1〜22の炭化水素基を表す。
前記Rにおける炭素数としては、1〜18がより好ましく、2〜10がより好ましく、4〜8が特に好ましい。
前記Rにおける炭化水素基は、直鎖型であってもよく、分岐型であってもよい。
前記一般式(3)で表される単量体化合物としては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ノニルアクリレート、デシルアクリレート、ラウリルアクリレート、パルミチルアクリレート、ミスチリルアクリレート、ステアリルアクリレート、ベヘニルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ノニルメタクリレート、デシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、パルミチルメタクリレート、ミスチリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ベヘニルメタクリレートなどが挙げられる。
また、前記単量体混合物が、下記一般式(4)で表される単量体化合物を含有することにより、前記樹脂Bの帯電性をさらに高めることができる。
ただし、前記一般式(4)中、Rは、水素原子及びメチル基のいずれかを表す。Xは、2価の炭化水素基を表す。Mは、水素原子、ナトリウム、カリウム、及び炭素数1〜4の炭化水素基のいずれかを表す。
前記Xとしては、例えば、−C(CH−、−C(CH)−などが挙げられる。
また、前記樹脂Bを構成する重合性単量体として、重合性官能基を複数有する化合物を使用してもよい。前記水相添加樹脂が水系媒体中に溶解できるようにするためには、前記重合性官能基を複数有する化合物の使用量は重合性単量体全体の1質量%未満に抑えるのが好ましい。前記重合性官能基を複数有する化合物としては、例えば、種々のジオール化合物(エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ビスフェノールAもしくはそのアルキレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなど)のジアクリレート及びジメタクリレート、ジビニルベンゼン、グリセロールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートなどが挙げられる。
前記樹脂Aの酸価としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記樹脂Aの溶解度を満足する点から、100mgKOH/g〜300mgKOH/gが好ましく、140mgKOH/g〜200mgKOH/gがより好ましい。
前記酸価は、例えば、JIS K0070−1992に記載の測定方法に準拠して測定することができる。具体的には次のように計算することができる。即ち、予め標定されたN/10苛性カリ〜アルコール溶液で滴定し、アルコールカリ液の消費量から次式で酸価を求めることができる。
酸価=KOH(ml数)×N×56.1/試料質量
(ただし、上記式において、Nは、N/10KOHのファクターを示す。)
前記樹脂Aとしては、界面活性剤の存在する水系媒体中で、水溶性のラジカル発生剤を用いて単量体混合物を反応させることによって得られる樹脂、単量体混合物が可溶である溶媒中で、前記溶媒に可溶であるラジカル発生剤を用いて単量体混合物を反応させることによって得られる樹脂が、製造の際の反応熱の制御が容易な点、及び製造の際の反応後の溶媒除去が不要な点から好ましい。
前記水相添加樹脂(前記樹脂A)の重量平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20,000〜500,000が好ましく、50,000〜200,000がより好ましく、80,000〜180,000が特に好ましい。前記重量平均分子量が、20,000未満であると、油滴の分散安定化効果が弱くなり着色樹脂粒子の粒子径制御が困難になることがあり、500,000を超えると、水系媒体中への溶解がしにくくなり、製造安定性が低下することがある。
前記重量平均分子量は、GPC(gel permeation chromatography)によって測定される分子量であり、例えば、GPC−150C(ウォーターズ社製)を用いて測定することができる。
−−水相添加樹脂の製造方法−−
前記水相添加樹脂の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合などが挙げられる。これらの中でも、比較的簡便な装置で製造を行いやすいラジカル重合が好ましい。前記ラジカル重合としては、重合性単量体(単量体化合物)を溶媒や分散媒を用いずに重合を行う塊状重合、単量体混合物が可溶である溶媒中で、前記溶媒に可溶であるラジカル発生剤を用いて前記単量体混合物を反応させる溶液重合、油溶性のラジカル発生剤を含む単量体混合物を水系媒体中に分散させ、ラジカル発生剤を用いて前記単量体混合物を反応させる懸濁重合、界面活性剤の存在する水系媒体中で、水溶性のラジカル発生剤を用いて前記単量体混合物を反応させる乳化重合などが挙げられる。これらの中でも、反応熱の制御が容易な点から前記溶液重合、前記懸濁重合、前記乳化重合が好ましく、反応後の溶媒除去が不要な点から前記懸濁重合、前記乳化重合がより好ましく、更に反応速度の速い点から前記乳化重合が特に好ましい。
前記乳化重合、又は前記懸濁重合により水相添加樹脂を得た場合、水相添加樹脂は水分散体として得られるが、その分散体の粒子径や粒度分布(例えば、体積平均粒子径Mvと個数平均粒子径Mnの比、Mv/Mn)によらず前記着色樹脂粒子の製造方法に使用することができる。更には、水相添加樹脂の重合性単量体組成が同じであれば、異なる分散粒径の分散液を混合して使用しても問題ない。
前記乳化重合に用いられる乳化剤の添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、得られる水相添加樹脂に対して、0.02質量%〜2質量%が好ましく、0.05質量%〜1質量%がより好ましい。前記添加量が、前記好ましい範囲内であれば、着色樹脂粒子の製造工程に与える影響は軽微であり、前記より好ましい範囲内であれば、着色樹脂粒子の製造工程に与える影響はほとんどない。これは、乳化剤自身は着色樹脂粒子の製造工程の乳化工程においてその乳化安定性を付与する働きがあると思われるが、その量は他の副材料(水相添加樹脂、水相に新たに加えられる乳化剤、その他乳化安定性を制御するもの)に比べ微量であるために、影響が小さいものと考えられる。更に、前記乳化重合で使用される乳化剤の一部又はすべてを重合性官能基を有する乳化剤(いわゆる反応性乳化剤)にしてもよい。
また、乳化重合で得られた水相添加樹脂の水分散体に塩基性物質を添加して水相添加樹脂を溶解して用いてもよい。
−塩基性物質−
前記塩基性物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、アルカリ金属、及びアルカリ土類金属から選択されるカチオンと、水酸基、COO2−基、HCOO基、PO 3−基、HPO 2−基、及びHPO 基から選択されるアニオンからなる化合物が好ましい。
前記アルカリ金属としては、例えば、ナトリウム、カリウムなどが挙げられる。前記アルカリ土類金属としては、例えば、カルシウムなどが挙げられる。
前記塩基性物質としては、例えば、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の無機塩基類、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等の有機塩基類などが挙げられる。
<分散液調製工程>
前記分散液調製工程としては、前記水相中に前記油相を分散させ、前記油相からなる芯粒子が分散した芯粒子分散液を調製する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記樹脂Aが溶解した前記油相を前記水相中に分散させると、前記油相からなる芯粒子の分散安定性が向上する、即ち分散安定性のよい芯粒子が得られる。この理由は必ずしも明確にはなっていないが、次のことが考えられる。前記水系媒体中に前記樹脂Aを前記塩基性物質によって溶解させた前記水相に、前記油相を分散させる場合、前記結着樹脂の有する酸(例えば、ポリエステル骨格を有する樹脂に由来する酸)などの影響によって系のpHが低下することや、油相が投入されることにより水相に溶媒の一部が溶解することで水相の電解質の解離がしにくくなることにより、溶解していた樹脂Aの一部は溶解した状態を保つことができず、析出しながら油滴界面を均一に覆い、その結果芯粒子の分散を安定化させているものと考えられる。
前記分散の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備を用いて分散する方法が挙げられる。前記芯粒子の粒径を2μm〜20μmにするためには、高速せん断式分散機を用いた分散が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、1,000rpm〜30,000rpmが好ましく、5,000rpm〜20,000rpmがより好ましい。分散時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、バッチ方式の場合は、0.1分間〜5分間が好ましい。前記分散時間が、5分を超えると、望ましくない小径の粒子が残存してしまったり、分散が過分散状態になって系が不安定になり凝集体や粗大粒子が発生したりすることがある。分散時の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0℃〜40℃が好ましく、10℃〜30℃がより好ましい。前記分散時の温度が、0℃未満であると、分散体の粘度が高くなり、分散に必要なせん断エネルギーが増大するため製造効率が低下することがある。前記分散時の温度が、40℃を超えると、分子運動が活発になることから分散安定性が低下し凝集体や粗大粒子が発生しやすくなることがある。
前記分散の際には、安定な分散液を得る目的で、界面活性剤、無機分散剤、保護コロイドなどを使用することができる。
−界面活性剤−
前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどの陰イオン界面活性剤;アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリン等のアミン塩型、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウム等の四級アンモニウム塩型などの陽イオン界面活性剤;脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤;アラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシン、N−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤などが挙げられる。また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量で安定な分散液を得ることができる。
好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸、及び、その金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。また、フルオロアルキル基を有するカチオン性界面活性剤としては、フルオロアルキル基を有する脂肪族1級、2級もしくは2級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩などが挙げられる。
前記界面活性剤としては、有機溶媒を含む油滴を効率よく分散するために、HLBが高めのジスルホン酸塩のものが好ましい。前記界面活性剤の濃度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、水系媒体中での濃度が、1質量%〜10質量%が好ましく、2質量%〜8質量%がより好ましく、3質量%〜7質量%が特に好ましい。前記濃度が、1質量%未満であると、油滴の分散を安定に行うことができずに油滴が粗大化してしまうことがある。前記濃度が、10質量%を超えると、油滴が小さくなりすぎたり、逆ミセル構造を形成して逆に分散安定性が低下して油滴の粗大化が発生したりすることがある。
−無機分散剤−
前記無機分散剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ハイドロキシアパタイトなど挙げられる。
前記無機分散剤を用いると、粒度分布がシャープになるとともに分散が安定である点で好ましい。
−保護コロイド−
前記保護コロイドとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸類、水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、ビニルアルコール、ビニルアルコールとのエーテル類、ビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、アクリルアミド類、酸クロライド類、窒素原子を有する複素環を有する化合物などのホモポリマー又は共重合体;ポリオキシエチレン系;セルロース類などが挙げられる。
前記酸類としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸などが挙げられる。
前記水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体としては、例えば、アクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなどが挙げられる。
前記ビニルアルコールとのエーテル類としては、例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなどが挙げられる。
前記ビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなどが挙げられる。
前記アクリルアミド類としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドなどのアクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどが挙げられる。
前記窒素原子を有する複素環を有する化合物としては、例えば、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどが挙げられる。
前記ポリオキシエチレン系としては、例えば、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフエニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどが挙げられる。
前記セルロース類としては、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどが挙げられる。
なお、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの、酸及びアルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、粒子からリン酸カルシウム塩を除去することができる。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。分散剤を使用した場合には、該分散剤がトナー粒子表面に残存したままとすることもできるが、洗浄除去するほうが帯電面から好ましい。
<樹脂微粒子付着工程>
前記樹脂微粒子付着工程としては、前記芯粒子分散液中に、樹脂微粒子が水系媒体中に分散した樹脂微粒子分散液を投入し前記芯粒子上に前記樹脂微粒子を付着させて粒子を調製する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記樹脂微粒子分散液の投入の時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、30秒間以上が好ましく、30秒間〜60分間がより好ましい。前記投入の時間が、30秒間未満であると、分散系が急激に変化するために凝集粒子が発生したり、樹脂微粒子の付着が不均一になったりすることがある。一方、闇雲に長い時間、例えば、60分間を超えて添加するのは生産効率の面から好ましくはない。
前記樹脂微粒子付着工程において、前記芯粒子に対して前記樹脂微粒子が十分な強度で付着するのは、前記樹脂微粒子が前記芯粒子の液滴に付着したときに、前記芯粒子が自由に変形できるために前記樹脂微粒子界面と接触面を十分に形成すること、及び有機溶媒によって前記樹脂微粒子が膨潤又は溶解し、前記樹脂微粒子と前記芯粒子内の樹脂とが接着しやすい状況になるためだと考えられる。したがって、この状態において有機溶媒は系内に十分に存在することが重要である。具体的には、前記有機溶媒の含有量は、前記芯粒子分散液の状態において、固形分(前記結着樹脂、前記着色剤、及び必要に応じて前記離型剤、前記帯電制御剤など)に対して、50質量%〜150質量%が好ましく、70質量%〜125質量%がより好ましい。前記含有量が、150質量%を超えると、一度の製造工程で得られる着色樹脂粒子が少なくなり生産効率が低くなること、及び有機溶媒が多いと分散安定性が低下して安定した製造が難しくなることがある。
前記芯粒子に前記樹脂微粒子を付着させるときの温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10℃〜60℃が好ましく、20℃〜45℃がより好ましい。前記温度が、10℃未満では分散液の粘度が高くなり、前記樹脂微粒子の付着が不十分になることがある。前記温度が、60℃を超えると、製造に必要なエネルギーが増大するために製造環境負荷が大きくなることに加え、低酸価の前記樹脂微粒子が液滴表面に存在することもあり、分散が不安定になり粗大粒子が発生する可能性がある。
−樹脂微粒子分散液−
前記樹脂微粒子分散液としては、前記樹脂微粒子が水系媒体中に分散した分散液であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−−樹脂微粒子−−
前記樹脂微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ビニル系樹脂微粒子であることが、得られる着色樹脂粒子の帯電安定性の点から好ましい。
前記樹脂微粒子の体積平均粒子径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、60nm〜200nmが好ましい。
前記樹脂微粒子の体積平均粒子径は、例えば、UPA−150EX(日機装社製)を用いて測定することができる。
−−ビニル系樹脂微粒子−−
前記ビニル系樹脂粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記着色樹脂粒子の製造方法により得られる着色樹脂粒子を静電潜像現像用トナーなどの帯電することにより機能する粒子として用いるためには、着色樹脂粒子表面は帯電しやすい構造を有しているのがよいことから、芳香環構造のように電子が安定に存在できるような電子軌道を持つビニル重合性官能基を有する芳香族化合物を構成成分に有することが好ましい。
前記ビニル系樹脂粒子の構成成分における前記ビニル重合性官能基を有する芳香族化合物の割合としては、全構成成分のうち、50質量%以上(50質量%〜100質量%)が好ましく、80質量%以上(80質量%〜100質量%)がより好ましく、95質量%以上(95質量%〜100質量%)が特に好ましい。前記ビニル重合性官能基を有する芳香族化合物の割合が、50質量%未満であると、得られた着色樹脂粒子の帯電性が乏しくなり、着色樹脂粒子のアプリケーションが限定されることがある。
即ち、前記ビニル系樹脂微粒子は、ビニル重合性官能基を有する芳香族化合物の含有量が50質量%以上である単量体混合物を重合させて得られることが好ましく、80質量%以上がより好ましく、95質量%以上が特に好ましい。
前記ビニル重合性官能基を有する芳香族化合物の重合可能な官能基としては、例えば、ビニル基、イソプロペニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などが挙げられる。
前記ビニル重合性官能基を有する芳香族化合物としては、例えば、スチレン、αメチルスチレン、4−メチルスチレン、4−エチルスチレン、4−tert−ブチルスチレン、4−メトキシスチレン、4−エトキシスチレン、4−カルボキシスチレン、又はその金属塩、4−スチレンスルホン酸、又はその金属塩、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、アリルベンゼン、フェノキシアルキレングリコールアクリレート、フェノキシアルキレングリコールメタクリレート、フェノキシポリアルキレングリコールアクリレート、フェノキシポリアルキレングリコールメタクリレートなどが挙げられる。
これらの中でも、入手が容易で反応性に優れ帯電性の高いスチレンが好ましい。
前記ビニル系樹脂微粒子の構成成分におけるビニル重合性官能基と酸基を有する化合物の割合としては、全構成成分のうち、7質量%以下(0質量%〜7質量%)が好ましく、4質量%以下(0質量%〜4質量%)がより好ましく、0質量%(即ち、含有しない)が特に好ましい。前記ビニル重合性官能基と酸基を有する化合物の割合が、7質量%を超えると、得られるビニル系樹脂微粒子はそれ自身の分散安定性が高いため、油滴が水相中に分散された分散液中にビニル系樹脂微粒子を添加しても、常温では付着しにくいか、付着をしても脱離しやすい状態になり、溶媒除去、洗浄、乾燥、外添処理を行う過程で容易に剥がれてしまうことがある。前記ビニル重合性官能基と酸基を有する化合物の割合を、7質量%以下にすることで、得られる着色樹脂粒子が使用される環境によって帯電性の変化を少なくすることができる。
即ち、前記ビニル系樹脂微粒子は、ビニル重合性官能基と酸基を有する化合物の含有量が7質量%以下である単量体混合物を重合させて得られることが好ましく、4質量%以下がより好ましく、0質量%(即ち、ビニル重合性官能基と酸基を有する化合物を含有しない単量体混合物を重合させて得られる)が特に好ましい。
前記ビニル重合性官能基と酸基を有する化合物の酸基としては、例えば、カルボキシル基、スルホニル基、ホスフォニル基などが挙げられる。
前記ビニル重合性官能基と酸基を有する化合物としては、例えば、カルボキシル基含有ビニル系モノマー及びその塩、スルホン酸基含有ビニル系モノマー、ビニル系硫酸モノエステル及びその塩、リン酸基含有ビニル系モノマー及びその塩などが挙げられる。
前記カルボキシル基含有ビニル系モノマー及びその塩としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキル、フマル酸、フマル酸モノアルキル、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸モノアルキル、イタコン酸グリコールモノエーテル、シトラコン酸、シトラコン酸モノアルキル、桂皮酸、及びこれらの塩などが挙げられる。
これらの中でも、アクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキル、フマル酸、フマル酸モノアルキルが好ましい。
−−樹脂微粒子の製造方法−−
前記樹脂微粒子の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、以下の(a)〜(f)などが挙げられる。
(a)単量体混合物を懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法、分散重合法などの重合反応により反応させ、樹脂微粒子の分散液を製造する方法。
(b)あらかじめ単量体混合物を重合し、得られた樹脂を機械回転式、ジェット式などの微粉砕機を用いて粉砕し、次いで、分級することによって樹脂微粒子を製造する方法。
(c)あらかじめ単量体混合物を重合し、得られた樹脂を溶媒に溶解した樹脂溶液を、霧状に噴霧することにより樹脂微粒子を製造する方法。
(d)あらかじめ単量体混合物を重合し、得られた樹脂を溶媒に溶解した樹脂溶液に溶媒を添加するか、又はあらかじめ溶媒に加熱溶解した樹脂溶液を冷却することにより樹脂微粒子を析出させ、次いで、溶媒を除去して樹脂微粒子を製造する方法。
(e)あらかじめ単量体混合物を重合し、得られた樹脂を溶媒に溶解した樹脂溶液を、適当な分散剤存在下で水性媒体中に分散させ、これを加熱又は減圧などによって溶媒を除去する方法。
(f)あらかじめ単量体混合物を重合し、得られた樹脂を溶媒に溶解した樹脂溶液中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する方法。
これらの中で、製造が容易であり、樹脂微粒子を分散液として得られることから次工程への適用がスムーズに行うことができる(a)の方法が好ましい。
前記(a)の方法において、重合反応を行う際には、水系媒体中に分散安定剤を添加する、又は重合反応を行うモノマー中に、重合してできた樹脂微粒子の分散安定性を付与できるようなモノマー(いわゆる反応性乳化剤)を添加する、又はこれら2つの手段を併用し、できあがった樹脂微粒子に分散安定性を付与するのがよい。分散安定剤及び反応性乳化剤を使用しないと、粒子の分散状態を維持できないためにビニル系樹脂を微粒子として得ることができなかったり、得られた樹脂微粒子の分散安定性が低いために保存安定性に乏しく保管中に凝集してしまったり、又は樹脂微粒子付着工程での粒子の分散安定性が低下するために、芯粒子同士が凝集・合一しやすくなり最終的に得られる着色樹脂粒子の粒径や形状・表面などの均一性が悪くなることがある。
前記分散安定剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、界面活性剤、無機分散剤などが挙げられる。
前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどの陰イオン界面活性剤;アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリン等のアミン塩型、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウム等の四級アンモニウム塩型などの陽イオン界面活性剤;脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤;アラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシン、N−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤などが挙げられる。
前記無機分散剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ハイドロキシアパタイトなどが挙げられる。
前記樹脂微粒子の重量平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3,000〜300,000が好ましく、4,000〜100,000がより好ましく、5,000〜50,000が特に好ましい。前記重量平均分子量が、3,000未満であると、樹脂微粒子の力学的強度が弱く脆弱であるため、最終的に得られる着色樹脂粒子のアプリケーションによっては使用状況によって着色樹脂粒子表面が容易に変化してしまい、例えば帯電性の著しい変化や周辺部剤への付着などの汚染、それに伴う品質問題の発生を引き起こすことがある。前記重量平均分子量が、300,000を超えると、分子末端が少なくなるため芯粒子との分子鎖の絡み合いが少なくなり、芯粒子への付着性が低下することがある。
前記重量平均分子量は、GPC(gel permeation chromatography)によって測定される分子量であり、例えば、GPC−150C(ウォーターズ社製)を用いて測定することができる。
前記樹脂微粒子のガラス転移温度(Tg)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、40℃〜100℃が好ましく、50℃〜95℃がより好ましく、60℃〜90℃が特に好ましい。前記ガラス転移温度が、40℃未満であると、最終的に得られた着色樹脂粒子を高温で保管したときにブロッキングしてしまうなど保存安定性の悪化が生じることがある。
前記ガラス転移温度は、示差走査熱量分析測定(DSC)によって測定されるガラス転移温度であり、例えば、理学電機社製TG−DSCシステムTAS−100を用いて測定することができる。
−−水系媒体−−
前記水系媒体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水が挙げられる。
前記水系媒体は、水単独でもよいし、水と混和可能な有機溶媒を併用してもよい。水と混和可能な有機溶媒としては、例えば、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などが挙げられる。
<溶媒除去工程>
前記溶媒除去工程としては、前記樹脂微粒子付着工程により得られた前記粒子の分散液から有機溶媒を除去する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記粒子の分散液を攪拌しながら徐々に昇温して液滴中の有機溶媒を完全に蒸発除去する方法、前記粒子の分散液を攪拌しながら乾燥雰囲気中に噴霧して液滴中の有機溶媒を完全に除去する方法、前記粒子の分散液を攪拌しながら減圧して有機溶媒を蒸発除去する方法などが挙げられる。後の2つの手段は、最初の手段と併用することも可能である。
前記粒子の分散液が噴霧される乾燥雰囲気としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、空気、窒素、炭酸ガス、燃焼ガスなどを加熱した気体が挙げられる。
前記乾燥雰囲気の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、最高沸点溶媒の沸点以上の温度が好ましい。
前記噴霧は、例えば、スプレードライヤー、ベルトドライヤー、ロータリーキルンなどを用いて行われる。これらを用いると短時間の処理で十分に目的とする品質が得られる。
<洗浄工程>
前記洗浄工程としては、前記溶媒除去工程後に、前記粒子を洗浄する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記の方法で得られた粒子の分散液には、着色樹脂粒子のほか、界面活性剤等の分散剤といった副材料が含まれているため、前記分散液から着色樹脂粒子のみを取り出すために洗浄を行う。
前記粒子の洗浄方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、遠心分離法、減圧濾過法、フィルタープレス法などが挙げられる。いずれの方法によっても着色樹脂粒子のケーキ体が得られるが、一度の操作で十分に洗浄できない場合は、得られたケーキを再度水系媒体に分散させてスラリーにして上記のいずれかの方法で着色樹脂粒子を取り出す工程を繰り返してもよいし、減圧濾過法又はフィルタープレス法によって洗浄を行うのであれば、水系媒体をケーキに貫通させて着色樹脂粒子が抱き込んだ副材料を洗い流す方法を採ってもよい。この洗浄に用いる水系媒体は水、又は水にメタノール、エタノールなどのアルコールを混合した混合溶媒を用いるが、コストや排水処理などによる環境負荷を考えると、水を用いるのが好ましい。
<乾燥工程>
前記乾燥工程としては、前記洗浄工程後に、前記粒子を乾燥する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記洗浄工程により洗浄された着色樹脂粒子は水分を多く含んでいるため、乾燥を行い前記粒子から水分を除去することで着色樹脂粒子のみを得ることができる。
着色樹脂粒子から水分を除去する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動槽乾燥機、回転式乾燥機、攪拌式乾燥機などの乾燥機を使用する方法が挙げられる。
水分の除去は、着色樹脂粒子の水分量が1質量%未満になるまで行うのが好ましい。また、水分除去後の着色樹脂粒子が軟凝集をしており使用に際して不都合が生じる場合には、ジェットミル、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、コーヒーミル、オースターブレンダー、フードプロセッサーなどの装置を利用して解砕を行い、軟凝集をほぐしてもよい。
<その他の工程>
前記その他の工程としては、例えば、熟成工程が挙げられる。
−熟成工程−
前記油相が、イソシアネート基を有する変性樹脂を含有する場合は、イソシアネート基を有する変性樹脂の伸長、架橋反応を進めるために熟成工程を行うことが好ましい。
前記熟成工程としては、前記溶媒除去工程の後であって、前記洗浄工程の前に行うことが好ましい。
前記熟成工程における熟成時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10分間〜40時間が好ましく、2時間〜24時間がより好ましい。
前記熟成工程における反応温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0℃〜40℃が好ましく、15℃〜30℃がより好ましい。
前記着色樹脂粒子の製造方法により製造される着色樹脂粒子は、複写機、静電印刷、プリンター、ファクシミリ、静電記録などの電子写真方式の画像形成に用いられるトナー、及び電子ペーパー用の着色樹脂粒子に好適に使用することができる。
(現像剤)
本発明の現像剤は、着色樹脂粒子を少なくとも含有し、更に必要に応じて、キャリアなどその他の成分を含有する。
前記着色樹脂粒子は、本発明の前記着色樹脂粒子の製造方法により得られた着色樹脂粒子である。
前記現像剤は、電子写真方式の画像形成装置、及び画像形成方法に用いられる現像剤である。
前記現像剤は、前記着色樹脂粒子をトナーとして用いる。
前記現像剤は、一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよい。
<キャリア>
前記キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、芯材を被覆する樹脂層を有するものが好ましい。
−芯材−
前記芯材の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、50emu/g〜90emu/gのマンガン−ストロンチウム系材料、マンガン−マグネシウム系材料、などが挙げられる。また、画像濃度を確保するためには、100emu/g以上の鉄粉、75emu/g〜120emu/gのマグネタイト等の高磁化材料を用いることが好ましい。また、穂立ち状態となっている現像剤の感光体に対する衝撃を緩和でき、高画質化に有利であることから、30emu/g〜80emu/gの銅−亜鉛系等の低磁化材料を用いることが好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記芯材の体積平均粒子径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10μm〜150μmが好ましく、40μm〜100μmがより好ましい。前記体積平均粒子径が10μm未満であると、キャリア中に微粉が多くなり、一粒子当たりの磁化が低下してキャリアの飛散が生じることがあり、150μmを超えると、比表面積が低下し、トナーの飛散が生じることがあり、ベタ部分の多いフルカラーでは、特に、ベタ部の再現が悪くなることがある。
−樹脂層−
前記樹脂層の材料としては、特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミノ系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリハロゲン化オレフィン、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリトリフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデンとアクリルモノマーの共重合体、フッ化ビニリデンとフッ化ビニルの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンとフルオロ基を有さないモノマーの共重合体等のフルオロターポリマー、シリコーン樹脂、などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アミノ系樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。
前記ポリビニル系樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、などが挙げられる。
前記ポリスチレン系樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリスチレン、スチレン−アクリル共重合体、などが挙げられる。
前記ポリハロゲン化オレフィンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリ塩化ビニル、などが挙げられる。
前記ポリエステル系樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、などが挙げられる。
前記樹脂層は、必要に応じて、導電粉等を含有してもよい。前記導電粉としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、などが挙げられる。前記導電粉の平均粒子径は、1μm以下であることが好ましい。平均粒子径が1μmを超えると、電気抵抗の制御が困難になることがある。
前記樹脂層は、シリコーン樹脂等を溶媒に溶解させて塗布液を調製した後、塗布液を芯材の表面に公知の塗布方法を用いて塗布、乾燥した後、焼き付けを行うことにより形成することができる。
前記塗布方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、浸漬塗工法、スプレー法、ハケ塗り法、などを用いることができる。
前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸ブチルセロソルブ、などが挙げられる。
前記焼き付けは、外部加熱方式であってもよいし、内部加熱方式であってもよく、例えば、固定式電気炉、流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉等を用いる方法、マイクロ波を用いる方法、などが挙げられる。
前記キャリア中の樹脂層の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01質量%〜5.0質量%が好ましい。前記含有量が、0.01質量%未満であると、芯材の表面に均一な樹脂層を形成することができないことがあり、5.0質量%を超えると、樹脂層が厚いためにキャリア同士の融着が起こり、キャリアの均一性が低下することがある。
(画像形成装置及び画像形成方法)
本発明の画像形成装置は、像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを少なくとも有し、好ましくはクリーニング手段を有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、リサイクル手段、制御手段等を有する。
本発明の画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程とを少なくとも含み、好ましくはクリーニング工程を含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば除電工程、リサイクル工程、制御工程等を含む。
本発明の画像形成方法は、本発明の画像形成装置により好適に実施することができ、前記静電潜像形成工程は前記静電潜像形成手段により行うことができ、前記現像工程は前記現像手段により行うことができ、前記転写工程は前記転写手段により行うことができ、前記定着工程は前記定着手段により行うことができ、前記その他の工程は前記その他の手段により行うことができる。
前記画像形成装置は、トナー追加補給型の画像形成装置であることが好ましい。
前記画像形成方法は、トナー追加補給型の画像形成方法であることが好ましい。
<静電潜像形成工程及び静電潜像形成手段>
前記静電潜像形成工程は、像担持体上に静電潜像を形成する工程である。
−像担持体−
前記像担持体(「感光体」「潜像担持体」と称することがある)としては、その材質、形状、構造、大きさなどについて特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、その形状としてはドラム状が好適に挙げられ、その材質としては、例えばアモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体などが挙げられる。
本発明の画像形成装置に用いる像担持体(感光体)は、導電性支持体と、該導電性支持体上に少なくとも感光層を有してなり、更に必要に応じてその他の層を有してなる。
前記感光層としては、電荷発生材と電荷輸送材を混在させた単層型、電荷発生層の上に電荷輸送層を設けた順層型、又は電荷輸送層の上に電荷発生層を設けた逆層型がある。また、前記感光体の機械的強度、耐摩耗性、耐ガス性、クリーニング性等の向上のため、感光層上に最表面層を設けることもできる。また、前記感光層と導電性支持体の間には下引き層が設けられていてもよい。また、各層には必要に応じて可塑剤、酸化防止剤、レベリング剤等を適量添加することもできる。
前記導電性支持体としては、体積抵抗値が1.0×1010Ω・cm以下の導電性を示すものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を、蒸着又はスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板及びそれらを、押し出し、引き抜きなどの工法でドラム状に素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理した管などを使用することができる。
ドラム状の支持体としては、直径が20mm〜150mmが好ましく、24mm〜100mmがより好ましく、28mm〜70mmが更に好ましい。前記ドラム状の支持体の直径が20mm未満であると、ドラム周辺に帯電、露光、現像、転写、クリーニングの各工程を配置することが物理的に困難となることがあり、150mmを超えると、画像形成装置が大きくなってしまうことがある。特に、画像形成装置がタンデム型の場合には、複数の感光体を搭載する必要があるため、直径は70mm以下が好ましく、60mm以下がより好ましい。また、特開昭52−36016号公報に開示されているようなエンドレスニッケルベルト、又はエンドレスステンレスベルトも導電性支持体として用いることができる。
前記感光体の下引き層は、一層であっても、複数の層で構成してもよく、例えば(1)樹脂を主成分としたもの、(2)白色顔料と樹脂を主成分としたもの、(3)導電性基体表面を化学的又は電気化学的に酸化させた酸化金属膜等が挙げられる。これらの中でも、白色顔料と樹脂を主成分とするものが好ましい。
前記白色顔料としては、例えば酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛等の金属酸化物が挙げられ、これらの中でも、導電性支持体からの電荷の注入防止性が優れる酸化チタンが特に好ましい。
前記樹脂としては、例えばポリアミド、ポリビニルアルコール、カゼイン、メチルセルロース等の熱可塑性樹脂;アクリル、フェノール、メラミン、アルキッド、不飽和ポリエステル、エポキシ等の熱硬化性樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記下引き層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0.1μm〜10μmが好ましく、1μm〜5μmがより好ましい。
前記感光層における電荷発生物質としては、例えば、モノアゾ系顔料、ビスアゾ系顔料、トリスアゾ系顔料、テトラキスアゾ顔料等のアゾ顔料、トリアリールメタン系染料、チアジン系染料、オキサジン系染料、キサンテン系染料、シアニン系色素、スチリル系色素、ピリリウム系染料、キナクリドン系顔料、インジゴ系顔料、ペリレン系顔料、多環キノン系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料、インダスロン系顔料、スクアリリウム系顔料、フタロシアニン系顔料等の有機系顔料又は染料;セレン、セレン−ヒ素、セレン−テルル、硫化カドミウム、酸化亜鉛、酸化チタン、アモルファスシリコン等の無機材料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記感光層における電荷輸送物質としては、例えば、アントラセン誘導体、ピレン誘導体、カルバゾール誘導体、テトラゾール誘導体、メタロセン誘導体、フェノチアジン誘導体、ピラゾリン化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、スチリルヒドラゾン化合物、エナミン化合物、ブタジエン化合物、ジスチリル化合物、オキサゾール化合物、オキサジアゾール化合物、チアゾール化合物、イミダゾール化合物、トリフェニルアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アミノスチルベン誘導体、トリフェニルメタン誘導体等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記感光層を形成するのに使用する結着樹脂としては、電気絶縁性であり、それ自体公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂及び光導電性樹脂等を使用することができる。該結着樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネ−ト、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ABS樹脂等の熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、イソシアネート樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、熱硬化性アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記感光体の最表面層は、感光体の機械的強度、耐摩耗性、耐ガス性、クリーニング性等の向上のために設けられる。該最表面層としては、感光層よりも機械的強度の高い高分子、高分子に無機フィラーを分散させたものが好適である。また、前記最表面層に用いる樹脂としては、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂のいずれであってもよいが、該熱硬化性樹脂は機械的強度が高く、クリーニングブレードとの摩擦による摩耗を抑える能力が極めて高いため特に好ましい。前記表面層は薄い厚みであれば、電荷輸送能力を有していなくても支障はないが、電荷輸送能力を有しない表面層を厚く形成すると、感光体の感度低下、露光後電位上昇、残留電位上昇を引き起こしやすいため、表面層中に前述の電荷輸送物質を含有させたり、表面層に用いる高分子として電荷輸送能力を有するものを用いることが好ましい。
前記感光層と最表面層との機械的強度は一般に大きく異なるため、クリーニングブレードとの摩擦により最表面層が摩耗し、消失すると、すぐに感光層は摩耗していってしまうため、最表面層を設ける場合には、最表面層は十分な厚みとすることが重要であり、0.1μm〜12μmが好ましく、1μm〜10μmがより好ましく、2μm〜8μmが特に好ましい。前記厚みが、0.1μm未満であると、薄すぎてクリーニングブレードとの摩擦により部分的に消失しやすくなり、消失した部分から感光層の摩耗が進んでしまうことがあり、12μmを超えると、感度低下、露光後電位上昇、残留電位上昇が生じやすく、特に電荷輸送能力を有する高分子を用いる場合には、電荷輸送能力を有する高分子のコストが高くなってしまうことがある。
前記最表面層に用いる樹脂としては、画像形成時の書き込み光に対して透明であり、絶縁性、機械的強度、接着性に優れたものが好ましく、例えばABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アクリル樹脂、アリル樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアリルスルホン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリメチルベンテン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリスチレン、AS樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂などが挙げられる。これらの高分子は熱可塑性樹脂であってもよいが、高分子の機械的強度を高めるため、多官能のアクリロイル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基等を持つ架橋剤により架橋し、熱硬化性樹脂とすることで、最表面層の機械的強度は増大し、クリーニングブレードとの摩擦による摩耗を大幅に減少させることができる。
前記最表面層は、電荷輸送能力を有していることが好ましく、最表面層に電荷輸送能力を持たせるためには、最表面層に用いる高分子と前述の電荷輸送物質を混合して用いる方法、電荷輸送能力を有する高分子を最表面層に用いる方法が考えられ、後者の方法が、高感度で露光後電位上昇、残留電位上昇が少ない感光体を得ることができ好ましい。
前記最表面層中には該最表面層の機械的強度を高めるために金属微粒子、金属酸化物微粒子、その他の微粒子など含有することが好ましい。前記金属酸化物としては、例えば酸化チタン、酸化錫、チタン酸カリウム、窒化チタン、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化アンチモン等が挙げられる。その他の微粒子としては、耐摩耗性を向上する目的でポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂、シリコーン樹脂、又はこれらの樹脂に無機材料を分散したものなどが挙げられる。
次に、静電潜像の形成は、例えば、前記像担持体の表面を帯電させた後、像様に露光することにより行うことができ、前記静電潜像形成手段により行うことができる。前記静電潜像形成手段は、例えば、前記像担持体の表面を帯電させる帯電器と、前記像担持体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
前記帯電は、例えば、前記帯電器を用いて前記像担持体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、等が挙げられる。
前記帯電器としては、交流成分を有する電圧を印加する電圧印加手段を有するものが好ましい。
前記露光は、例えば、前記露光器を用いて前記像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザ光学系、液晶シャッタ光学系、等の各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
<現像工程及び現像手段>
前記現像工程は、前記静電潜像を、現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記現像工程は、本発明の前記現像剤を用いて行われる。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を前記現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、本発明の前記現像剤を収容している。
前記現像手段としては、前記現像剤を収容し、前記静電潜像に前記現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられる。
前記現像器は、乾式現像方式のものであってもよいし、湿式現像方式のものであってもよく、また、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよく、例えば、前記現像剤を摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有してなるもの、などが好適に挙げられる。
前記現像器内では、例えば、前記着色樹脂粒子であるトナーと前記キャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記像担持体(感光体)近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該像担持体(感光体)の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該像担持体(感光体)の表面に該トナーによる可視像が形成される。
前記現像器に収容させる現像剤は、前記トナーを含む現像剤であるが、該現像剤としては一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよい。
<転写工程及び転写手段>
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記像担持体(感光体)を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
前記像担持体は、感光体上に形成されたトナー像を一次転写して色重ねを行い、更に記録媒体へ転写を行う、いわゆる中間転写方式による画像形成を行う際に使用する、中間転写体であってもよい。
−中間転写体−
前記中間転写体としては、体積抵抗値が1.0×10Ω・cm〜1.0×1011Ω・cmの導電性を示すものが好ましい。前記体積抵抗値が、1.0×10Ω・cm未満であると、感光体から中間転写体上へトナー像の転写が行われる際に、放電を伴いトナー像が乱れるいわゆる転写チリが生じることがあり、1.0×1011Ω・cmを超えると、中間転写体から紙などの記録媒体へトナー像を転写した後に、中間転写体上へトナー像の対抗電荷が残留し、次の画像上に残像として現れることがある。
前記中間転写体としては、例えば、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物やカーボンブラック等の導電性粒子や導電性高分子を、単独又は併用して熱可塑性樹脂と共に混練後、押し出し成型したベルト状もしくは円筒状のプラスチックなどを使用することができる。この他に、熱架橋反応性のモノマーやオリゴマーを含む樹脂液に、必要により上述の導電性粒子や導電性高分子を加え、加熱しつつ遠心成型を行い、無端ベルト上の中間転写体を得ることもできる。
中間転写体に表面層を設ける際には、上述の感光体表面層に使用した表面層材料の内、電荷輸送材料を除く組成物に、適宜、導電性物質を併用して抵抗調整を行い、使用することができる。
前記転写手段(前記第一次転写手段、前記第二次転写手段)は、前記像担持体(感光体)上に形成された前記可視像を前記記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。前記転写手段は、1つであってもよいし、2以上であってもよい。前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、等が挙げられる。
なお、前記記録媒体としては、特に制限はなく、公知の記録媒体(記録紙)の中から適宜選択することができる。
<定着工程及び定着手段>
前記定着工程は、記録媒体に転写された可視像を前記定着手段を用いて定着させる工程であり、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組合せ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せ、等が挙げられる。
前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80℃〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
<除電工程及び除電手段>
前記除電工程は、前記像担持体に対し除電バイアスを印加して除電を行う工程であり、除電手段により好適に行うことができる。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
<クリーニング工程及びクリーニング手段>
前記クリーニング工程は、前記像担持体上に残留する前記電子写真用トナーを除去する工程であり、クリーニング手段により好適に行うことができる。
前記クリーニング手段は、転写手段より下流側かつ保護層形成手段より上流側に設けられることが好ましい。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記像担持体上に残留する前記電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
<リサイクル工程及びリサイクル手段>
前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程により除去した前記トナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程であり、リサイクル手段により好適に行うことができる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
<制御工程及び制御手段>
前記制御工程は、前記各工程を制御する工程であり、制御手段により好適に行うことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
図1に、本発明の画像形成装置の一例を示す。この画像形成装置は、図示を省略している本体筐体内に、図1中、時計方向に回転駆動される潜像担持体(1)が収納されており、潜像担持体(1)の周囲に、帯電装置(2)、露光装置(3)、本発明の現像剤(T)を有する現像装置(4)、クリーニング部(5)、中間転写体(6)、支持ローラ(7)、転写ローラ(8)、現像ローラ(40)、薄層形成部材(41)、供給ローラ(42)、除電手段(不図示)等を備えている。
この画像形成装置は、記録媒体例としての複数枚の記録紙(P)を収納する給紙カセット(不図示)を備えており、給紙カセット内の記録紙(P)は、図示しない給紙ローラにより1枚ずつ図示しないレジストローラ対でタイミング調整された後、転写手段としての転写ローラ(8)と、中間転写体(6)の間に送り出される。
この画像形成装置は、潜像担持体(1)を図1中、時計方向に回転駆動して、潜像担持体(1)を帯電装置(2)で一様に帯電した後、露光装置(3)により画像データで変調されたレーザーを照射して潜像担持体(1)に静電潜像を形成し、静電潜像の形成された潜像担持体(1)に現像装置(4)でトナーを付着させて現像する。次に、現像装置(4)でトナー像を形成した潜像担持体(1)から中間転写体(6)に転写バイアスを付加してトナー像を中間転写体(6)上に転写し、さらに該中間転写体(6)と転写ローラ(8)の間に記録紙(P)を搬送することにより、記録紙(P)にトナー像を転写する。さらに、トナー像が転写された記録紙(P)を定着手段(不図示)に搬送する。
定着手段は、内蔵ヒータにより所定の定着温度に加熱される定着ローラと、定着ローラに所定圧力で押圧される加圧ローラとを備え、転写ローラ(8)から搬送されてきた記録紙を加熱、加圧して、記録紙上のトナー像を記録紙に定着させた後、排紙トレー(不図示)上に排出する。
一方、画像形成装置は、転写ローラ(8)でトナー像を記録紙に転写した潜像担持体(1)をさらに回転して、クリーニング部(5)で潜像担持体(1)の表面に残留するトナーを掻き落として除去した後、不図示の除電装置で除電する。画像形成装置は、除電装置で除電した潜像担持体(1)を帯電装置(2)で一様に帯電させた後、上記と同様に、次の画像形成を行う。
図2は、本発明の画像形成方法に用いる定着装置の一例を示す概略断面図である。前記定着装置は、図2に示すようなフッ素系表層剤構成のソフトローラタイプの定着装置であってよい。これは、加熱ローラ(9)は、アルミ芯金(10)上にシリコーンゴムからなる弾性体層(11)及びPFA(四フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)表層(12)を有しており、アルミ芯金内部にヒータ(13)を備えている。加圧ローラ(14)は、アルミ芯金(15)上にシリコーンゴムからなる弾性体層(16)及びPFA表層(17)を有している。なお、未定着画像(18)が印字された記録紙(P)は図示のように通紙される。
図3は、本発明の画像形成装置を適用した多色画像形成装置の一例を示す概略図である。この図3はタンデム型のフルカラー画像形成装置である。
この図3において、画像形成装置は、図示しない本体筐体内に、図3中時計方向に回転駆動される潜像担持体(1)が収納されており、潜像担持体(1)の周囲に、帯電装置(2)、露光装置(3)、現像装置(4)、クリーニング部(5)、中間転写体(6)、支持ローラ(7)、転写ローラ(8)、加熱ローラ(9)、加圧ローラ(14)などが配置されている。画像形成装置は、図示しないが複数枚の記録紙を収納する給紙カセットを備えており、給紙カセット内の記録紙(P)は、図示しない給紙ローラにより1枚ずつ図示しないレジストローラ対でタイミング調整された後、中間転写体(6)と転写ローラ(8)の間に送り出され、定着手段(19)によって定着される。
フルカラー画像形成装置は、潜像担持体(1)を図3中時計方向に回転駆動して、潜像担持体(1)を帯電装置(2)で一様に帯電した後、露光装置(3)により画像データで変調されたレーザーを照射して潜像担持体(1)に静電潜像を形成し、静電潜像の形成された潜像担持体(1)に現像装置(4)でトナーを付着させて現像する。フルカラー画像形成装置は、現像装置(4)で潜像担持体にトナーを付着して形成されたトナー画像を、潜像担持体(1)から中間転写体に転写させる。これをシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、及びブラック(K)の4色それぞれについて行い、フルカラーのトナー画像を形成する。
図4は、本発明の画像形成装置を適用したリボルバタイプのフルカラー画像形成装置の一例を示す概略図である。この画像形成装置は、潜像担持体(1)の周囲に、帯電装置(2)、露光装置(3)、現像装置(4C、4M、4Y、4K)、クリーニング部(5)などが配置されており、現像装置の動作を切り替えることによって1つの潜像担持体(1)上に順次複数色のトナーを現像していくものである。そして、支持ローラ(7)に支持された転写ローラ(8)で中間転写体(6)上のカラートナー画像を記録紙(P)に転写し、トナー画像の転写された記録紙(P)を定着部に搬送し、定着画像を得る。
一方、画像形成装置は、中間転写体(6)でトナー画像を記録紙(P)に転写した潜像担持体(1)を更に回転して、クリーニング部(5)で潜像担持体(1)表面に残留するトナーをブレードにより掻き落として除去した後、除電部で除電する。画像形成装置は、除電部で除電した潜像担持体(1)を帯電装置(2)で一様に帯電させた後、上記同様に、次の画像形成を行う。なお、クリーニング部(5)は、ブレードで潜像担持体(1)上の残留トナーを掻き落とすものに限るものではなく、例えばファーブラシで潜像担持体(1)上の残留トナーを掻き落とすものであってもよい。
(プロセスカートリッジ)
本発明のプロセスカートリッジは、像担持体と、本発明の現像剤を収容する現像手段とを少なくとも有し、更に必要に応じて帯電手段、露光手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段などのその他の手段を有する。
本発明のプロセスカートリッジは、各種電子写真装置に着脱自在に備えさせることができ、上述した本発明の前記画像形成装置に着脱自在に備えさせるのが好ましい。
前記プロセスカートリッジは、例えば、図5に示すように、潜像担持体(1)を内蔵し、帯電装置(2)、現像装置(4)、転写ローラ(8)、クリーニング部(5)を含み、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。図5中、(L)は露光装置からの露光、(P)は記録紙をそれぞれ示す。前記潜像担持体(1)としては、前記画像形成装置と同様なものを用いることができる。前記帯電装置(2)には、任意の帯電部材が用いられる。
次に、図に示すプロセスカートリッジによる画像形成プロセスについて示すと、潜像担持体(1)は、矢印方向に回転しながら、帯電装置(2)による帯電、露光手段(図示せず)による露光(L)により、その表面に露光像に対応する静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像装置(4)でトナー現像され、該トナー現像は転写ローラ(8)により、記録紙(P)に転写され、プリントアウトされる。次いで、像転写後の潜像担持体表面は、クリーニング部(5)によりクリーニングされ、更に除電手段(図示せず)により除電されて、再び、以上の操作を繰り返すものである。
以下、本発明を実施例及び比較例を示すことにより更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
以下では、「部」及び「%」は特にことわらない限り質量部及び質量%を示す。
以下では、本発明の着色樹脂粒子の製造方法により製造される着色樹脂粒子をトナーとして用いた場合についての評価を行ったが、本発明の着色樹脂粒子の製造方法により製造される着色樹脂粒子は、電子ペーパーに用いる着色樹脂粒子としても好適に使用できる。
まず、実施例、比較例において用いた物性の測定方法について述べる。
<着色樹脂粒子の粒径測定>
着色樹脂粒子の体積平均粒径はコールターカウンター法により行った。測定装置としては、コールターカウンターTA−IIやコールターマルチサイザーII、コールターマルチサイザーIII(いずれもコールター社製)などが挙げられる。以下に測定方法について述べる。なお、本実施例においては、コールターマルチサイザーIIIを用いた。
まず、電解水溶液100mL〜150mL中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1mL〜5mL加えた。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を2mg〜20mg加えた。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1分間〜3分間分散処理を行い、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出した。得られた分布から、トナーの体積平均粒径、個数平均粒径を求めることができる。
チャンネルとしては、2.00μm〜2.52μm未満;2.52μm〜3.17μm未満;3.17μm〜4.00μm未満;4.00μm〜5.04μm未満;5.04μm〜6.35μm未満;6.35μm〜8.00μm未満;8.00μm〜10.08μm未満;10.08μm〜12.70μm未満;12.70μm〜16.00μm未満;16.00μm〜20.20μm未満;20.20μm〜25.40μm未満;25.40μm〜32.00μm未満;32.00μm〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とした。
<樹脂微粒子の体積平均粒子径測定>
樹脂微粒子の体積平均粒子径はUPA−150EX(日機装社製)を用いて測定した。
測定パラメータは以下のとおりである。
・粒子透過性:透過
・粒子屈折率:1.59
・粒子形状:真球型
・溶媒種:WATER
・モノディスパース:無効
本条件で、ローディングインデックスが1〜1.5の範囲になるようにサンプルの濃度を調整して測定した。
<分子量測定(GPC)>
樹脂の分子量測定は、GPC(gel permeation chromatography)によって、以下の条件で測定した。
・装置:GPC−150C(ウォーターズ社製)
・カラム:KF801〜807(ショウデックス社製)
・温度:40℃
・溶媒:THF(テトラヒドロフラン)
・流速:1.0mL/分
・試料:濃度0.05%〜0.6%の試料を0.1mL注入した。
以上の条件で測定した樹脂の分子量分布から単分散ポリスチレン標準試料により作製した分子量校正曲線を使用して樹脂の数平均分子量、及び重量平均分子量を算出した。検量線作製用の標準ポリスチレン試料としては、昭和電工社製ShowdexSTANDARDのStd.No S−7300、S−210、S−390、S−875、S−1980、S−10.9、S−629、S−3.0、S−0.580を用いた。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いた。
<ガラス転移温度(Tg)測定(DSC)>
Tgを測定する装置として、理学電機社製TG−DSCシステムTAS−100を使用した。まず、試料約5mgをアルミ製試料容器に入れ、それをホルダユニットにのせ、電気炉中にセットした。そして、室温から昇温速度10℃/minで150℃まで加熱した後、150℃で10分間放置した後に、室温まで試料を冷却して10分間放置した。続いて、窒素雰囲気下で再度150℃まで昇温速度10℃/minで加熱した。この加熱の際の熱量を測定しTgを求めた。Tgは、TAS−100システム中の解析システムを用いて、Tg近傍の吸熱カーブの接線とベースラインとの接点から算出した。
<樹脂Aの溶解度>
樹脂が、少なくとも25℃、pH3.0の水に対する溶解度が2.0g/100g以下であり、かつ25℃、pH10.0の水に対する溶解度が2.0g/100g以上であるかどうかは、以下の方法で評価した。
樹脂が微粒子として水系媒体中に存在しているような分散体である場合、言い換えれば、樹脂が水系媒体に溶解していない状態にあれば、その分散体は樹脂の微粒子と媒質の屈折率の差により散乱が起こるため、全体として白濁して見える。一方、樹脂が水系媒体に溶解している状態にあれば、全体が均一相になるため散乱はなく透明に見える。そこで、樹脂の分散体あるいは溶液の600nmの光の透過率をもって、溶解しているかどうかを判断した。
具体的には、まず、樹脂分散体を25℃に調温しながらイオン交換水で希釈しつつ、更にpHの調整を行い、pH3.0、固形分濃度2.0質量%の溶液100mLを調製した。pHの調整には0.5Nの塩酸又は0.5Nの水酸化ナトリウム水溶液を用いた。なお、0.5Nの水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを3.0に調整するのは、樹脂分散体の希釈液のpHが3.0未満の場合である。
次いで、pHを調整した液を1時間攪拌した後、サンプルを2mL抜き取り、1cm角の石英セルに入れて、1分後に、紫外可視分光光度計UV2550(島津製作所社製)を用いて25℃で波長600nmにおける透過率(%)を、下記式1を参照して測定した。
透過率(%)=I/I0×100 (式1)
(I0は入射光束であり、Iは透過光束である。)
このとき、リファレンスのセルにはイオン交換水を用いるが、樹脂微粒子分散体に着色剤が入っていて除去できない場合は、イオン交換水中にサンプルと同濃度の着色剤を有する液をリファレンスとした。
透過率が95%以上であれば、樹脂は水系媒体中に溶解しているとみなし、透過率が95%未満であれば樹脂は水系媒体中に溶解していないとみなした。即ち、透過率が95%以上であれば、評価した樹脂の25℃、pH3.0の水に対する溶解度は2.0g/100g以上であり、透過率が95%未満であれば、評価した樹脂の25℃、pH3.0の水に対する溶解度は2.0g/100g未満である。
次に、pHを3.0に調整した方法と同様の方法により、pH10.0、固形分濃度2.0質量%の溶液100mLを調製した。pHの調整には、2Nの水酸化ナトリウム水溶液を用いた。次にpHを調整した溶液を1時間攪拌した後、サンプルを2mL抜き取り、25℃で波長600nmにおける透過率(%)を上記と同様の方法で測定し、溶解しているかどうかを判断した。
そして、透過率が95%以上であれば、樹脂は水系媒体中に溶解しているとみなし、透過率が95%未満であれば樹脂は水系媒体中に溶解していないとみなした。即ち、透過率が95%以上であれば、評価した樹脂の25℃、pH10.0の水に対する溶解度は2.0g/100g以上であり、透過率が95%未満であれば、評価した樹脂の25℃、pH10.0の水に対する溶解度は2.0g/100g未満である。
次に実施例、比較例において用いた各種材料の調製方法について述べる。
(製造例1)
<ポリエステル樹脂1の合成>
冷却管撹拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物529部、テレフタル酸208部、アジピン酸46部、及びジブチルスズオキシド2部を仕込み、常圧下、230℃で8時間反応させた。次に、10mmHg〜15mmHgの減圧下で、5時間反応させた後、反応容器中に無水トリメリット酸42部を添加し、常圧下、180℃で2時間反応させて、[ポリエステル樹脂1]を合成した。
得られた[ポリエステル樹脂1]は、数平均分子量が2,500、重量平均分子量が6,700、ガラス転移温度が43℃、酸価が23mgKOH/gであった。
(製造例2)
<ポリエステル樹脂2の合成>
冷却管撹拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物270部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物497部、テレフタル酸110部、イソフタル酸102部、アジピン酸44部、及びジブチルスズオキシド2部を仕込み、常圧下、230℃で9時間反応させた。次に、10mmHg〜18mmHgの減圧下で、7時間反応させた後、反応容器中に無水トリメリット酸40部を添加し、常圧下、180℃で2時間反応させて、[ポリエステル樹脂2]を合成した。 得られた[ポリエステル樹脂2]は、数平均分子量が3,000、重量平均分子量が8,600、ガラス転移温度が49℃、酸価が22mgKOH/gであった。
(製造例3)
<ポリエステル樹脂3の合成>
冷却管撹拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物218部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物460部、テレフタル酸140部、イソフタル酸145部、及びジブチルスズオキシド2部を仕込み、常圧下、230℃で8時間反応させた。次に、10mmHg〜18mmHgの減圧下で、6時間反応させた後、反応容器中に無水トリメリット酸24部を添加し、常圧下、180℃で2時間反応させて、[ポリエステル樹脂3]を合成した。
得られた[ポリエステル樹脂3]は、数平均分子量が7,600、重量平均分子量が21,000、ガラス転移温度が57℃、酸価が15mgKOH/gであった。
(製造例4)
<水相添加樹脂D−1の製造>
冷却管、撹拌機、及び窒素導入管のついた反応容器中に、ドデシル硫酸ナトリウム1.4部、及びイオン交換水498部を入れ、攪拌しながら80℃に加熱して溶解させた後、過硫酸カリウム2.8部をイオン交換水110部に溶解させたものを加え、その15分後に、スチレンモノマー140部、メタクリル酸60部、及びn−オクタンチオール0.3部の単量体混合物を90分間かけて滴下し、その後さらに60分間80℃に保ち重合反応をさせた。
その後、冷却してビニル系樹脂1が分散した青白色の水相添加樹脂D−1の分散液を得た。体積平均粒子径(Mv)は40nm、個数粒子径(Mn)と体積粒子径(Mv)の比(Mv/Mn)は1.14であった。得られた分散液を2mLシャーレに取り、分散媒を蒸発させて得られた乾固物を測定したところ、数平均分子量が59,200、重量平均分子量が136,000であった。
(製造例5)
<水相添加樹脂D−2の製造>
冷却管、撹拌機、及び窒素導入管のついた反応容器中に、ドデシル硫酸ナトリウム1.4部、及びイオン交換水498部を入れ、攪拌しながら80℃に加熱して溶解させた後、過硫酸カリウム2.7部をイオン交換水108部に溶解させたものを加え、その15分後に、スチレンモノマー160部、メタクリル酸40部、及びn−オクタンチオール0.4部の単量体混合物を90分間かけて滴下し、その後さらに60分間80℃に保ち重合反応をさせた。
その後、冷却して体積平均粒子径51nmの青白色の水相添加樹脂D−2の分散液を得た。体積平均粒子径(Mv)は51nm、個数平均粒子径(Mn)と体積平均粒子径(Mv)の比(Mv/Mn)は1.15であった。得られた分散液を2mLシャーレに取り、分散媒を蒸発させて得られた乾固物を測定したところ、数平均分子量が45,100、重量平均分子量が103,100であった。
(製造例6)
<水相添加樹脂D−3の製造>
冷却管、撹拌機、及び窒素導入管のついた反応容器中に、ドデシル硫酸ナトリウム1.4部、及びイオン交換水498部を入れ、攪拌しながら80℃に加熱して溶解させた後、過硫酸カリウム2.7部をイオン交換水110部に溶解させたものを加え、その15分後に、スチレンモノマー70部、n−ブチルアクリレート40部、メタクリル酸90部、及びn−オクタンチオール0.2部の単量体混合物を90分間かけて滴下し、その後さらに60分間80℃に保ち重合反応をさせた。
その後、冷却して体積平均粒子径38nmの青白色の水相添加樹脂D−3の分散液を得た。体積平均粒子径(Mv)は38nm、個数平均粒子径(Mn)と体積平均粒子径(Mv)の比(Mv/Mn)は1.18であった。得られた分散液を2mLシャーレに取り、分散媒を蒸発させて得られた乾固物を測定したところ、数平均分子量が69,700、重量平均分子量が157,000であった。
攪拌機のついた容器に、得られた分散液を10部、及びイオン交換水40部を入れて攪拌し、次いで10%水酸化ナトリウム水溶液を添加しpHを9.3に調整し、60分間攪拌を行ったところ、透明の水相添加樹脂D−3の水溶液が得られた。
(製造例7)
<水相添加樹脂D−4の製造>
冷却管、撹拌機、及び窒素導入管のついた反応容器中に、スチレンモノマー138部、メタクリル酸54部、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸8部、アセトン60部、及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)4部を入れ、窒素雰囲気下60℃に昇温し10時間重合反応を行った。その後150℃まで昇温させアセトンを除去し、水相添加樹脂D−4を得た。得られた水相添加樹脂D−4の数平均分子量は59,000、重量平均分子量は153,000であった。
(製造例8)
<水相添加樹脂D−5の製造>
冷却管、撹拌機、及び窒素導入管のついた反応容器中に、スチレンモノマー120部、アクリル酸44部、メタクリル酸−2−エチルヘキシル30部、下記式で表される化合物6部、アセトン60部、及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)4部を入れ、窒素雰囲気下60℃に昇温し10時間重合反応を行った。その後150℃まで昇温させアセトンを除去し、水相添加樹脂D−5を得た。
(製造例9)
<水相添加樹脂D−6の製造>
冷却管、撹拌機、及び窒素導入管のついた反応容器中に、スチレンモノマー150部、アクリル酸42部、下記式で表される化合物8部、アセトン60部、及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)4部を入れ、窒素雰囲気下60℃に昇温し12時間重合反応を行った。その後150℃まで昇温させアセトンを除去し、水相添加樹脂D−6を得た。
(製造例10)
<水相添加樹脂D−7の製造>
冷却管、撹拌機、及び窒素導入管のついた反応容器中に、ドデシル硫酸ナトリウム1.3部、及びイオン交換水498部を入れ、攪拌しながら80℃に加熱して溶解させた後、過硫酸カリウム2.5部をイオン交換水101部に溶解させたものを加え、その15分後に、スチレンモノマー140部、n−ブチルアクリレート44部、メタクリル酸16部、及びn−オクタンチオール0.3部の単量体混合物を90分間かけて滴下し、その後さらに60分間80℃に保ち重合反応をさせた。
その後、冷却して体積平均粒子径67nmの白色の水相添加樹脂D−7の分散液を得た。体積平均粒子径(Mv)は67nm、個数平均粒子径(Mn)と体積平均粒子径(Mv)の比(Mv/Mn)は1.16であった。得られた分散液を2mLシャーレに取り、分散媒を蒸発させて得られた乾固物を測定したところ、数平均分子量が58,200、重量平均分子量が123,000であった。
製造例4〜10で製造した水相添加樹脂の特性を表1に示す。
表1中、略号は以下の意味を表す。
EP:乳化重合(Emulsion Polymerization)
SP:溶液重合(Solution Polymerization)
dry:乾燥
St:スチレンモノマー
BA:n−ブチルアクリレート
EHMA:メタクリル酸−2−エチルヘキシル
MAA:メタクリル酸
AA:アクリル酸
AMPS:アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸
X:CH=CH−CONH−C(CH−SOCH
Y:下記式で表される化合物
(製造例11)
<樹脂微粒子S−1の製造>
冷却管、撹拌機、及窒素導入管のついた反応容器中に、ドデシル硫酸ナトリウム0.7部、及びイオン交換水498部を入れ、攪拌しながら80℃に加熱して溶解させた後、過硫酸カリウム2.6部をイオン交換水104部に溶解させたものを加え、その15分後に、スチレンモノマー200部、及びn−オクタンチオール4.2部の単量体混合物を90分間かけて滴下し、その後さらに60分間80℃に保ち重合反応をさせた。
その後、冷却して白色の樹脂微粒子S−1の分散液を得た。体積平均粒子径(Mv)は135nmであった。得られた分散液を2mLシャーレに取り、分散媒を蒸発させて得られた乾固物を測定したところ、数平均分子量が8,300、重量平均分子量が16,900、Tgが83℃であった。
(製造例12)
<樹脂微粒子S−2の製造>
冷却管、撹拌機、及び窒素導入管のついた反応容器中に、ドデシル硫酸ナトリウム0.7部、及びイオン交換水498部を入れ、攪拌しながら80℃に加熱して溶解させた後、過硫酸カリウム2.6部をイオン交換水104部に溶解させたものを加え、その15分後に、スチレンモノマー191部、n−ブチルアクリレート4部、メタクリル酸5部、及びn−オクタンチオール4.2部の単量体混合物を90分間かけて滴下し、その後さらに60分間80℃に保ち重合反応をさせた。
その後、冷却して白色の樹脂微粒子S−2の分散液を得た。体積平均粒子径(Mv)は132nmであった。得られた分散液を2mLシャーレに取り、分散媒を蒸発させて得られた乾固物を測定したところ、数平均分子量が8,000、重量平均分子量が16,200、Tgが81℃であった。
(製造例13)
<樹脂微粒子S−3の製造>
冷却管、撹拌機、及び窒素導入管のついた反応容器中に、ドデシル硫酸ナトリウム0.7部、及びイオン交換水498部を入れ、攪拌しながら80℃に加熱して溶解させた後、過硫酸カリウム2.6部をイオン交換水104部に溶解させたものを加え、その15分後に、スチレンモノマー184部、n−ブチルアクリレート6部、メタクリル酸10部、及びn−オクタンチオール4.2部の単量体混合物を90分間かけて滴下し、その後さらに60分間80℃に保ち重合反応をさせた。
その後、冷却して白色の樹脂微粒子S−3の分散液を得た。体積平均粒子径(Mv)は128nmであった。得られた分散液を2mLシャーレに取り、分散媒を蒸発させて得られた乾固物を測定したところ、数平均分子量が8,400、重量平均分子量が17,200、Tgが82℃であった。
(製造例14)
<樹脂微粒子S−4の製造>
冷却管、撹拌機、及び窒素導入管のついた反応容器中に、ドデシル硫酸ナトリウム0.7部、及びイオン交換水498部を入れ、攪拌しながら80℃に加熱して溶解させた後、過硫酸カリウム2.6部をイオン交換水103部に溶解させたものを加え、その15分後に、スチレンモノマー182部、2−エチルヘキシルアクリレート4部、アクリル酸4部、4−メチルスチレン10部、及びn−オクタンチオール4.2部の単量体混合物を90分間かけて滴下し、その後さらに60分間80℃に保ち重合反応をさせた。
その後、冷却して白色の樹脂微粒子S−4の分散液を得た。体積平均粒子径(Mv)は133nmであった。得られた分散液を2mLシャーレに取り、分散媒を蒸発させて得られた乾固物を測定したところ、数平均分子量が7,100、重量平均分子量が15,200、Tgが85℃であった。
製造例11〜14で製造された樹脂微粒子の特性を表2に示す。
表2中の略号は以下の意味を表す。
St:スチレンモノマー
pMeSt:4−メチルスチレン
BA:n−ブチルアクリレート
2EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
MAA:メタクリル酸
AA:アクリル酸
(製造例15)
<プレポリマー1の合成>
冷却管、撹拌機、及び窒索導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部、及びジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧230℃で8時間反応し、さらに10mmHg〜15mmHgの減圧で5時間反応し[中間体ポリエステル1]を得た。[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2,100、重量平均分子量9,500、Tg55℃、酸価0.5mgKOH/g、水酸基価49mgKOH/gであった。
次に、冷却管、撹拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポリエステル1]411部、イソホロンジイソシアネート89部、及び酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応し、[プレポリマー1](イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー)を得た。[プレポリマー1]の遊離イソシアネート質量%は、1.53%であった。
(製造例16)
<マスターバッチ1の製造>
カーボンブラック40部、[ポリエステル樹脂1]60部、及び水30部をヘンシェルミキサーにて混合し、顔料凝集体中に水が染み込んだ混合物を得た。これをロ−ル表面温度130℃に設定した2本ロールにより45分間混練を行い、パルベライザーで1mmの大きさに粉砕し、[マスターバッチ1]を得た。
(実施例1)
<トナーの製造>
−水相調製工程−
イオン交換水963部、[水相添加樹脂D−1の分散液]40部、及びドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液48部を混合し、黄色で濁った水系媒体を調製した。その後攪拌しながら10%水酸化ナトリウム水溶液を添加していきpHを10.0に調整したところ、水相添加樹脂D−1が水に溶解し、水系媒体は透明になった。これを[水相1]とする。
−油相調製工程−
撹拌棒、及び温度計をセットした容器に、[ポリエステル樹脂1]545部、パラフィンワックス(融点74℃)181部、及び酢酸エチル1,450部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却した。次いで容器に[マスターバッチ1]500部、及び酢酸エチル100部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液1]を得た。
[原料溶解液1]1,500部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、顔料、及びWAXの分散を行った。次いで、[ポリエステル樹脂1]の66%酢酸エチル溶液655部を加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料・WAX分散液1]を得た。
[顔料・WAX分散液1]976部、及び[プレポリマー1]88部を加えTKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmにて1分間混合して[油相1]を得た。
−分散液調製工程−
得られた[油相1]に[水相1]1,200部を加え、ミキサーのせん断熱による温度上昇を抑えるために水浴で冷却をすることにより液中温度が20℃〜23℃の範囲になるように調整しながら、TKホモミキサーを用い回転数8,000rpm〜15,000rpmに調整して2分間混合したのち、アンカー翼を取り付けたスリーワンモーターで回転数130rpm〜350rpmの間に調整しながら10分間攪拌し、芯粒子となる油相の液滴が水相に分散された[芯粒子スラリー1]を得た。この[芯粒子スラリー1]を1mL取り、イオン交換水で10mLに希釈した後遠心分離を行ったところ、上澄み液はほぼ透明であった。
−樹脂微粒子付着工程−
[芯粒子スラリー1]を、スリーワンモーターを用いアンカー翼で回転数130rpm〜350rpmの間に調整して攪拌しながら、液温が22℃の状態で、[樹脂微粒子S−1の分散液]106部とイオン交換水71部を混合したもの(固形分濃度15%)を3分間かけて滴下した。滴下後、回転数を200rpm〜450rpmの間に調整して30分間攪拌を続け、芯粒子に樹脂微粒子が付着した粒子を含有する[複合粒子スラリー1]を得た。
−溶媒除去工程−
撹拌機、及び温度計をセットした容器に、[複合粒子スラリー1]を投入し、攪拌を行いながら30℃で8時間脱溶媒を行い、[分散スラリー1]を得た。
−洗浄工程−
[分散スラリー1]100部を減圧濾過した後、
(1):濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(2):(1)の濾過ケーキにイオン交換水900部を加え、超音波振動を付与してTKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。リスラリー液の電気伝導度が10μC/cm以下となるようにこの操作を繰り返した。
(3):(2)のリスラリー液のpHが4となる様に10%塩酸を加え、そのままスリーワンモーターで攪拌30分後濾過した。
(4):(3)の濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。リスラリー液の電気伝導度が10μC/cm以下となるようにこの操作を繰り返し[濾過ケーキ1]を得た。
−乾燥工程−
[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて32℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、[トナー母体1]を得た。得られた[トナー母体1]を電子顕微鏡で観察したところ、トナー母体表面に均一に凹凸形状が形成されていることが確認でき、1.5μm以上の粗大な突起形状の存在は認められなかった。
次いで、このトナー母体100部に疎水性シリカ0.5部と、疎水化酸化チタン0.5部をヘンシェルミキサーにて混合して、トナー1を製造した。
<評価>
−トナーの粒径測定−
前記得られたトナー(着色樹脂粒子)の粒径を前記方法により測定した。結果を表3に示す。
−トナーの表面状態−
前記トナーの表面状態をSEM(走査型電子顕微鏡)により観察し、5,000倍の倍率でトナー50個の表面に1.5μm以上の粗大な粒子による突起の有無を確認し、下記評価基準にて評価した。結果を表3に示す。
◎:1.5μm以上の粗大な粒子による突起は見られず、突起も均一に形成されていた
○:1.5μm以上の粗大な粒子による突起が見られなかったが、突起がややまばらであった
△:1.5μm以上の粗大な粒子による突起が1〜4個見られた
×:1.5μm以上の粗大な粒子による突起が5個以上見られた
−画像評価−
画像形成装置(株式会社リコー社製、IPSiO CX2500)のトナーカートリッジに充填し、常温常湿(23℃、45%RH)環境下、印字率5%の所定パターンを印字したときの白地部のL*をX−RITE−938(X−RITE社製)にて測定した。L*が低い場合は白地部にトナーが付着しており、L*が90を下回ると明らかに白地部が着色している状態にあるため実使用上大きな問題である。
(実施例2)
<トナーの製造>
実施例1において、[樹脂微粒子S−1の分散液]を[樹脂微粒子S−2の分散液]に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナー2を製造した。
得られたトナーについて実施例1と同様の評価を行った。結果を表3に示す。
(実施例3)
<トナーの製造>
実施例1において、[樹脂微粒子S−1の分散液]を[樹脂微粒子S−3の分散液]に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナー3を製造した。
得られたトナーについて実施例1と同様の評価を行った。結果を表3に示す。
(実施例4)
<トナーの製造>
実施例1において、[樹脂微粒子S−1の分散液]を[樹脂微粒子S−4の分散液]に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナー4を製造した。
得られたトナーについて実施例1と同様の評価を行った。結果を表3に示す。
(実施例5)
<トナーの製造>
実施例1において、[水相1]を以下の水相調製工程により製造した[水相2]に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナー5を製造した。
なお、分散液調製工程において、[芯粒子スラリー]を1mL取り、イオン交換水で10mLに希釈した後遠心分離を行ったところ、上澄み液はほぼ透明であった。
得られたトナーについて実施例1と同様の評価を行った。結果を表3に示す。
−水相調製工程−
イオン交換水966部、[水相添加樹脂D−2の分散液]40部、及びドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液99部を混合し、黄色で濁った水系媒体を調製した。その後攪拌しながら10%水酸化カリウム水溶液を添加していきpHを10.5に調整したところ、水相添加樹脂D−2が水に溶解し、透明な水系媒体を得た。これを[水相2]とする。
(実施例6)
<トナーの製造>
実施例1において、[水相1]を以下の水相調製工程により製造した[水相3]に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナー6を製造した。
なお、分散液調製工程において、[芯粒子スラリー]を1mL取り、イオン交換水で10mLに希釈した後遠心分離を行ったところ、上澄み液はほぼ透明であった。
得られたトナーについて実施例1と同様の評価を行った。結果を表3に示す。
−水相調製工程−
イオン交換水816部、[水相添加樹脂D−3の水溶液]200部、及びドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液99部を混合したものに、攪拌しながら10%水酸化ナトリウム水溶液を添加していきpHを9.6に調整したところ、水相添加樹脂D−3が水に溶解し、黄色透明な水系媒体を得た。これを[水相3]とする。
(実施例7)
<トナーの製造>
実施例1において、[水相1]を以下の水相調製工程により製造した[水相4]に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナー7を製造した。
なお、分散液調製工程において、[芯粒子スラリー]を1mL取り、イオン交換水で10mLに希釈した後遠心分離を行ったところ、上澄み液はほぼ透明であった。
得られたトナーについて実施例1と同様の評価を行った。結果を表3に示す。
−水相調製工程−
イオン交換水996部、[水相添加樹脂D−4]10部、及びドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液39部を混合し、攪拌しながら10wt%水酸化ナトリウム水溶液を添加していきpHを9.8に調整した後1時間攪拌を行ったところ水相添加樹脂D−4は水に溶解し、透明な水系媒体を得た。これを[水相4]とする。
(実施例8)
<トナーの製造>
実施例1において、[水相1]を以下の水相調製工程により製造した[水相5]に代え、[油相1]を以下の油相調製工程により製造した[油相2]に代え、[粒子スラリー1]を以下の分散液調製工程により製造した[粒子スラリー2]に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナー8を製造した。
得られたトナーについて実施例1と同様の評価を行った。結果を表3に示す。
−水相調製工程−
イオン交換水967部、[水相添加樹脂D−1の分散液]40部、及びドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液98部を混合し、黄色で濁った水系媒体を調製した。その後攪拌しながら10wt%水酸化ナトリウム水溶液を添加していきpHを10.2に調整したところ、水相添加樹脂D−1が水に溶解し、透明な水系媒体を得た。これを[水相5]とする。
−油相調製工程−
撹拌棒及び温度計をセットした容器に、[ポリエステル樹脂2]175部、[ポリエステル樹脂3]430部、パラフィンワックス(融点74℃)153部、及び酢酸エチル1450部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却した。次いで、容器に[マスターバッチ1]410部、酢酸エチル100部を仕込み、1時間混合して[原料溶解液2]を得た。
[原料溶解液2]1,500部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/時、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、顔料、ワックスの分散を行った。次いで、[ポリエステル樹脂2]の70質量%酢酸エチル溶液470部、[ポリエステル樹脂3]の55質量%酢酸エチル溶液250部、及び酢酸エチル95部を加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[油相2]を得た。
−分散液調製工程−
[油相2]976部に[水相5]1,200部を加え、TKホモミキサーで、回転数8,000rpm〜15,000rpmで調整しながら2分間混合し、芯粒子に樹脂微粒子が付着した粒子を含有する[粒子スラリー2]を得た。[芯粒子スラリー2]を1mL取り、イオン交換水で10mLに希釈した後遠心分離を行ったところ、上澄み液はほぼ透明であった。
(実施例9)
<トナーの製造>
実施例1において、[水相1]を以下の水相調製工程により製造した[水相6]に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナー9を製造した。
なお、分散液調製工程において、[芯粒子スラリー]を1mL取り、イオン交換水で10mLに希釈した後遠心分離を行ったところ、上澄み液はほぼ透明であった。
得られたトナーについて実施例1と同様の評価を行った。結果を表3に示す。
−水相調製工程−
イオン交換水996部、[水相添加樹脂D−5]10部、及びドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液41部を混合し、攪拌しながら10%水酸化ナトリウム水溶液を添加していきpHを10.3に調整した後1時間攪拌を行ったところ、水相添加樹脂D−5が水系に溶解し、透明な水系媒体を得た。これを[水相6]とする。
(実施例10)
<トナーの製造>
実施例1において、[水相1]を以下の水相調製工程により製造した[水相7]に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナー10を製造した。
なお、分散液調製工程において、[芯粒子スラリー]を1mL取り、イオン交換水で10mLに希釈した後遠心分離を行ったところ、上澄み液はほぼ透明であった。
得られたトナーについて実施例1と同様の評価を行った。結果を表3に示す。
−水相調製工程−
イオン交換水996部、[水相添加樹脂D−6]10部、及びドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液25部を混合し、攪拌しながら10wt%水酸化ナトリウム水溶液を添加していきpHを9.4に調整した後1時間攪拌を行ったところ、水相添加樹脂D−6が水に溶解し、透明な水系媒体を得た。これを[水相7]とする。
(比較例1)
<トナーの製造>
−水相調製工程−
イオン交換水967部、[水相添加樹脂D−1の分散液]40部、及びドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液98部を混合し、黄色で濁った[水相8]を得た。
−分散液調製工程−
実施例1で得られた[油相1]に[水相8]1,200部を加え、ミキサーのせん断熱による温度上昇を抑えるために水浴で冷却をすることにより液中温度を20℃〜23℃の範囲になるように調整しながら、TKホモミキサーを用い回転数8,000rpm〜15,000rpmで調整して2分間混合したのち、アンカー翼を取り付けたスリーワンモーターで回転数130rpm〜350rpmの間に調整しながら10分間攪拌し、芯粒子となる油相の液滴が水相に分散された[芯粒子スラリー3]を得た。この[芯粒子スラリー3]を1mL取り、イオン交換水で10mLに希釈した後遠心分離を行ったところ、上澄み液は少し濁っていた。
−樹脂微粒子付着工程−
[芯粒子スラリー3]を、スリーワンモーターを用いアンカー翼で回転数130rpm〜350rpmの間に調整して攪拌しながら、液温が22℃の状態で、[樹脂微粒子S−1の分散液]106部とイオン交換水71部を混合したもの(固形分濃度15%)を3分間かけて滴下した。滴下後、回転数を200rpm〜450rpmの間に調整して30分間攪拌を続け、芯粒子に樹脂微粒子が付着した粒子を含有する[複合粒子スラリー3]を得た。
−溶媒除去工程−
撹拌機、及び温度計をセットした容器に、[複合粒子スラリー3]を投入し、攪拌を行いながら30℃で8時間脱溶媒を行い、[分散スラリー3]を得た。
−洗浄工程−
[分散スラリー3]100部を減圧濾過した後、
(1):濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(2):(1)の濾過ケーキにイオン交換水900部を加え、超音波振動を付与してTKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。リスラリー液の電気伝導度が10μC/cm以下となるようにこの操作を繰り返した。
(3):(2)のリスラリー液のpHが4となる様に10%塩酸を加え、そのままスリーワンモーターで攪拌30分後濾過した。
(4):(3)の濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。リスラリー液の電気伝導度が10μC/cm以下となるようにこの操作を繰り返し[濾過ケーキ2]を得た。
−乾燥工程−
[濾過ケーキ2]を循風乾燥機にて32℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、[トナー母体2]を得た。得られた[トナー母体2]を電子顕微鏡で観察したところ、トナー母体表面に凹凸形状が形成されていることが確認できたが、一部のトナー母体には1.5μm以上の粗大な突起形状が形成されており、表面状態が不均一になっていた。
次いで、このトナー母体100部に疎水性シリカ0.5部と、疎水化酸化チタン0.5部をヘンシェルミキサーにて混合して、トナー11を得た。
得られたトナーについて実施例1と同様の評価を行った。結果を表3に示す。
(比較例2)
実施例1において、[水相1]を以下の水相調製工程により製造した[水相9]に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナー12を製造した。
なお、分散液調製工程において、[芯粒子スラリー]を1mL取り、イオン交換水で10mLに希釈した後遠心分離を行ったところ、上澄み液はほぼ透明であった。
得られたトナー母体を電子顕微鏡で観察したところ、トナー母体表面に凹凸形状が形成されていることが確認できたが、一部のトナー母体には1.5μm以上の粗大な突起形状が形成されており、表面状態が不均一になっていた。
得られたトナーについて実施例1と同様の評価を行った。結果を表3に示す。
−水相調製工程−
イオン交換水966部、[水相添加樹脂D−7の分散液]40部、及びドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液99部を混合し、黄色で濁った水系媒体を調製した。その後攪拌しながら10%水酸化ナトリウム水溶液を添加していきpHを10.0に調整し、水系媒体を得た。この水系媒体は透明にはならなかった。これを[水相9]とする。
表3中の略号は以下の意味を表す。
tp:透明(transparent)
op:不透明(opaque)
sl.op:わずかに不透明(slightly opaque)
実施例1〜10により得られたトナー母体を電子顕微鏡で観察したところ、トナー母体表面に均一に凹凸形状が形成されていることが確認でき、1.5μm以上の粗大な突起形状の存在は認められなかった。また、得られたトナー(着色樹脂粒子)は、粒径が均一であり、表面状態も良好であった。
一方、比較例1、及び2により得られたトナー母体を電子顕微鏡で観察したところ、トナー母体表面に凹凸形状が形成されていることが確認できたが、一部のトナー母体には1.5μm以上の粗大な突起形状が形成されており、表面状態が不均一になっていた。また、得られたトナー(着色樹脂粒子)は、粒径の均一性が劣っており、かつ表面状態も劣っていた。
また、実施例1〜10により得られたトナーを用いた画像評価結果は、いずれもL*が90以上であり良好な結果であったのに対して、比較例1、及び2により得られたトナーは、L*が90未満で、白地部が着色している状態にあり、実使用上問題のある結果となった。
本発明の着色樹脂粒子の製造方法は、品質が安定した着色樹脂粒子を安定的に製造することができるので、複写機、静電印刷、プリンター、ファクシミリ、静電記録などの電子写真方式の画像形成に用いられるトナー、及び電子ペーパー用の着色樹脂粒子を製造する方法として好適である。
1 潜像担持体
2 帯電装置
3 露光装置
4 現像装置
4C、4M、4Y、4K 現像装置
5 クリーニング部
6 中間転写体
7 支持ローラ
8 転写ローラ
9 加熱ローラ
10 アルミ芯金
11 弾性体層
12 PFA表層
13 ヒータ
14 加圧ローラ
15 アルミ芯金
16 弾性体層
17 PFA表層
18 未定着画像
19 定着手段
40 現像ローラ
41 薄層形成部材
42 供給ローラ
L 露光
P 記録紙
T 現像剤
特開昭63−25664号公報 特公昭61−28688号公報 特許第3455523号公報 特許第4134057号公報 特開平2−43225号公報 特開2006−285188号公報

Claims (20)

  1. 有機溶媒中に、少なくとも結着樹脂、及び着色剤を溶解又は分散させた油相を調製する油相調製工程と、
    水系媒体中に、少なくとも25℃、pH3.0の水に対する溶解度が2.0g/100g未満であり、かつ25℃、pH10.0の水に対する溶解度が2.0g/100g以上である樹脂Aと塩基性物質とを溶解した水相を調製する水相調製工程と、
    前記水相中に前記油相を分散させ、前記油相からなる芯粒子が分散した芯粒子分散液を調製する分散液調製工程と、
    前記芯粒子分散液中に、樹脂微粒子が水系媒体中に分散した樹脂微粒子分散液を投入し前記芯粒子上に前記樹脂微粒子を付着させて粒子を調製する樹脂微粒子付着工程と、
    前記樹脂微粒子付着工程により得られた前記粒子の分散液から有機溶媒を除去する溶媒除去工程と、
    前記溶媒除去工程後に、前記粒子を洗浄する洗浄工程と、
    前記洗浄工程後に、前記粒子を乾燥する乾燥工程とを少なくとも含むことを特徴とする着色樹脂粒子の製造方法。
  2. 樹脂Aが、少なくとも下記化学式(1)で表される単量体化合物、及び下記一般式(2)で表される単量体化合物を含有する単量体混合物を反応させて得られる樹脂であり、該樹脂における、前記化学式(1)で表される単量体化合物の割合が、前記樹脂を構成する単量体全体の20質量%〜80質量%であり、前記一般式(2)で表される単量体化合物の割合が、前記樹脂を構成する単量体全体の15質量%〜65質量%である請求項1に記載の着色樹脂粒子の製造方法。
    ただし、前記一般式(2)中、Rは、水素原子及びメチル基のいずれかを表す。
  3. 単量体混合物が、更に下記一般式(3)で表される単量体化合物を含有する請求項2に記載の着色樹脂粒子の製造方法。
    ただし、前記一般式(3)中、Rは、水素原子及びメチル基のいずれかを表す。Rは、炭素数1〜22の炭化水素基を表す。
  4. 単量体混合物が、更に下記一般式(4)で表される単量体化合物を含有する請求項2から3のいずれかに記載の着色樹脂粒子の製造方法。
    ただし、前記一般式(4)中、Rは、水素原子及びメチル基のいずれかを表す。Xは、2価の炭化水素基を表す。Mは、水素原子、ナトリウム、カリウム、及び炭素数1〜4の炭化水素基のいずれかを表す。
  5. 樹脂Aが、界面活性剤の存在する水系媒体中で、水溶性のラジカル発生剤を用いて単量体混合物を反応させることによって得られる樹脂である請求項2から4のいずれかに記載の着色樹脂粒子の製造方法。
  6. 樹脂Aが、単量体混合物が可溶である溶媒中で、前記溶媒に可溶であるラジカル発生剤を用いて単量体混合物を反応させることによって得られる樹脂である請求項2から4のいずれかに記載の着色樹脂粒子の製造方法。
  7. 結着樹脂が、ポリエステル骨格を有する樹脂である請求項1から6のいずれかに記載の着色樹脂粒子の製造方法。
  8. ポリエステル骨格を有する樹脂が、ポリエステル樹脂である請求項7に記載の着色樹脂粒子の製造方法。
  9. 油相が、イソシアネート基を有する変性樹脂を含有する請求項1から8のいずれかに記載の着色樹脂粒子の製造方法。
  10. イソシアネート基を有する変性樹脂が、ポリエステル骨格を有する請求項9に記載の着色樹脂粒子の製造方法。
  11. 油相が、イソシアネート基を有する変性樹脂のイソシアネート基と反応可能な2価以上のアミノ基を有するアミン化合物を含有する請求項9から10のいずれかに記載の着色樹脂粒子の製造方法。
  12. 塩基性物質が、アルカリ金属、及びアルカリ土類金属から選択されるカチオンと、水酸基、COO2−基、HCOO基、PO 3−基、HPO 2−基、及びHPO 基から選択されるアニオンからなる化合物である請求項1から11のいずれかに記載の着色樹脂粒子の製造方法。
  13. 樹脂微粒子が、ビニル系樹脂微粒子である請求項1から12のいずれかに記載の着色樹脂粒子の製造方法。
  14. ビニル系樹脂微粒子が、ビニル重合性官能基と酸基を有する化合物の含有量が7質量%以下である単量体混合物を重合させて得られる請求項13に記載の着色樹脂粒子の製造方法。
  15. ビニル系樹脂微粒子が、ビニル重合性官能基を有する芳香族化合物の含有量が80質量%以上である単量体混合物を重合させて得られる請求項13から14のいずれかに記載の着色樹脂粒子の製造方法。
  16. 請求項1から15のいずれかに記載の着色樹脂粒子の製造方法によって得られることを特徴とする着色樹脂粒子。
  17. 請求項16に記載の着色樹脂粒子を含有することを特徴とする現像剤。
  18. 像担持体と、
    該像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
    前記静電潜像を現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像手段と、
    前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、
    前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有し、
    前記現像手段が、請求項17に記載の現像剤を収容していることを特徴とする画像形成装置。
  19. 像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、
    前記静電潜像を現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像工程と、
    前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、
    前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含み、
    前記現像工程が、請求項17に記載の現像剤を用いて行われることを特徴とする画像形成方法。
  20. 像担持体と、請求項17に記載の現像剤を収容する現像手段とを少なくとも有してなり、画像形成装置本体と着脱可能であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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