JP2014160142A - 静電荷像現像用トナー、画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジ - Google Patents

静電荷像現像用トナー、画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジ Download PDF

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良隆 関口
Masahiro Seki
匡宏 関
Hiroaki Kato
博秋 加藤
Ryuta Inoue
竜太 井上
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Abstract

【課題】低温定着性を有し、固着耐性が高く、高帯電性を有する静電荷像現像用トナーを提供すること。
【解決手段】結着樹脂および帯電制御剤を含むトナー母体と、該トナー母体を覆う表面樹脂と、を有し、前記帯電制御剤は、前記トナー母体表面に配置されてなることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、静電荷像現像用トナー、画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジに関する。
一成分現像方式に用いられるトナーは、高帯電性が必要とされる。そこで従来、トナー母体の外側(表面)に、帯電性に優れた樹脂を被膜させたり、樹脂微粒子を付着させたり、帯電制御剤を添加させたりすることで、トナーのさらなる高帯電性を達成することが行われている。
また、トナーを紙へ定着させる際には、省エネ、低TEC(Typical
Electricity Consumption)値の観点より、低温定着できることが望ましい。そこで、低融点ワックスをトナーへ内包させたり、トナー母体樹脂の熱特性を下げたりすることで低温定着を可能にする技術が既に知られている。
しかし、今までの一成分現像方式に用いられるトナーでは、高帯電にするために樹脂微粒子を付着させるたり、帯電制御剤を表層へ配置させたりすると、それらの脱離が原因と考えられる、ブレードに対する固着が発生するという問題があった。
固着が起こりにくくするように樹脂を被膜化してトナー表層に配置する技術としては、その樹脂成分にアクリル成分を増やすことで可能になることが知られているが、帯電性能が下がってしまう。また、この帯電性能の低下に対して帯電制御剤を入れて補っても、樹脂で覆われてしまうために帯電性能が発揮されないという問題があった。さらに、樹脂や樹脂微粒子をトナー表層に配置することにより、定着下限温度が上昇する、すなわち低温定着が阻害されるという問題があった。
ここで特許文献1には、樹脂、離型剤、着色剤を含む主部分と、樹脂微粒子により主部分表面に形成される凸部とを備え、主部分を海、凸部を島とする海島構造を有するトナーならびに該トナーの作成方法が開示されている。また、前記樹脂が少なくとも第1の樹脂と第2の樹脂を含み、前記樹脂微粒子が第3の樹脂からなり、該第1の樹脂は結晶性樹脂であり、該第2の樹脂および該第3の樹脂は非結晶性樹脂である。この特許文献1に記載の技術によれば、定着性と耐熱性を両立し、さらに帯電均一性や環境安定性に優れたコアシェル構造を有するトナーとすることができる。
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、依然として前述したブレードに対する固着の問題が解消できていない。
また、特許文献2には、樹脂成分と着色剤とを含むコア領域と、前記コア領域の外周を被覆し、前記コア領域とは異なる組成のシェル領域とを有し、前記シェル領域は、樹脂成分と、微粒子状の帯電制御剤とを含むトナーの作成方法が開示されている。特許文献2に記載の技術によれば、帯電制御剤の機能が充分に発揮される。
しかしながら、特許文献2に記載の技術では、依然として前述したブレードに対する固着の問題、および定着下限の問題が解消できていない。
本発明は、以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであり、低温定着性を有し、固着耐性が高く、高帯電性を有した静電荷像現像用トナーを提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明に係る静電荷像現像用トナーは、結着樹脂および帯電制御剤を含むトナー母体と、該トナー母体を覆う表面樹脂と、を有し、前記帯電制御剤は、前記トナー母体表面に配置されてなることを特徴とする。
本発明によれば、低温定着性を有し、固着耐性が高く、高帯電性を有した静電荷像現像用トナーを提供することができる。
本発明における静電荷像現像用トナーの計測方法を説明する図である。 本発明のトナー母体中の結着樹脂および帯電制御剤、並びに表面樹脂の位置関係を示す概略断面図である。 本発明に係る画像形成装置の一実施形態における構成の一例を示す概略断面図である。 感光体を配設する作像形成部の構成を示す概略断面図である。 現像装置の構成を示す概略断面図である。 プロセスカートリッジの構成を示す概略断面図である。
本発明に係る静電荷像現像用トナーは、結着樹脂および帯電制御剤を含むトナー母体と、該トナー母体を覆う表面樹脂と、を有し、前記帯電制御剤は、前記トナー母体表面に配置されてなることを特徴とする。
即ち本発明では、帯電特性を帯電制御剤により保持させると共に、固着特性をトナー表層に配置した表面樹脂(薄膜樹脂層)により高め、かつ、表面樹脂が薄膜であるため、帯電阻害は起こさず、低温定着性を有し、高帯電性を達成できる。
次に、本発明に係る静電荷像現像用トナー、画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジについてさらに詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるから技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は以下の説明において本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
(静電荷像現像用トナー)
本発明の静電荷像現像用トナー(以下、単にトナーとも称する)としては、結着樹脂、帯電制御剤、表面樹脂を必須成分とし、さらに必要に応じて着色剤、流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤を添加したり、離型剤、可塑剤を含有したりしていてもよい。
トナー母体表面に帯電制御剤を配置することで、帯電付与効果が得られ、帯電量を向上させることが出来る。また結着樹脂と表面の帯電制御剤とを、表面樹脂で薄く覆うことで、低温での定着性を保ったまま、帯電性を向上させ、固着耐性を持ったトナーとなり、そのトナーを用いることで高品質な画像形成を達成することができる。
(結着樹脂)
結着樹脂(以下、母体樹脂とも称する)としては、ポリエステル、ポリウレタン、ポリウレア、エポキシ樹脂、ビニル系樹脂などが挙げられる。また、異なる樹脂が化学的に結合したハイブリッド樹脂を使用してもよい。さらに、樹脂の末端もしくは側鎖に反応性官能基を導入し、トナーの製造過程において結合させることにより伸長させてもよい。これら1種を単独で使用することもできる。なお、大きさが均一な表面樹脂を持つトナーを作製するためトナー粒子に含有される結着樹脂は、表面樹脂を構成する樹脂と異なることが好ましい。
結着樹脂としては、有機溶媒に少なくとも一部は溶解するようなものを用いるが、その酸価は2〜24mgKOH/gであることが好ましい。酸価が24mgKOH/gを超える場合、水相への移行が起こりやすくなり、その結果製造の過程で物質収支にロスが発生してしまう、あるいは油滴の分散安定性が悪化してしまうなどの問題が発生しやすくなる。またトナーの水分吸着性が高まり、帯電能力の低下だけでなく、高温高湿環境での保管性が悪化する。一方、酸価が2mgKOH/g未満になると、樹脂の極性が低くなるため、ある程度極性を有する着色剤を油滴内で均一に分散することが難しくなる。
結着樹脂の種類としては特に限定はないが、電子写真における静電潜像現像用トナーとして用いる場合には、ポリエステル骨格を有する樹脂を用いることにより良好な定着性が得られるため好ましい。
ポリエステル骨格を有する樹脂としては、ポリエステル樹脂や、ポリエステルと他の骨格を有する樹脂とのブロックポリマーがあるが、ポリエステル樹脂を用いたほうが得られるトナーの均一性が高く好ましい。
ポリエステル樹脂としては、ラクトン類の開環重合物、ヒドロキシカルボン酸の縮重合物、ポリオールとポリカルボン酸との重縮合物などが挙げられ、設計の自由度の観点からポリオールとポリカルボン酸との重縮合物が好ましい。
ポリエステル樹脂のピーク分子量は、通常1000〜30000、好ましくは1500〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。1000未満では耐熱保存性が悪化し、30000を超えると静電潜像現像用トナーとしては低温定着性が悪化する。
また、ポリエステル樹脂のガラス転移温度は45〜70℃、好ましくは50〜65℃の範囲にあることが良い。
本発明のようにトナー母体を表面樹脂で被覆する場合、高温高湿環境下で保管されたとき大気中の水分により表面樹脂の樹脂が可塑化され、ガラス転移温度の低下を引き起こしかねない。トナー、またはトナーカートリッジの輸送中は40℃90%の高温高湿環境が想定され、得られたトナーが一定圧力下に置かれたときに変形する、あるいはトナー粒子同士がくっついてしまい本来の粒子としての振る舞いができなくなる可能性がある。このため、ポリエステル樹脂のガラス転移温度は、45℃以下は好ましくない。また、ポリエステル樹脂のガラス転移温度が70℃を超えるような場合、低温定着性が悪化するため好ましくない。
<ポリオール>
ポリオール(1)としては、ジオール(1−1)と3価以上のポリオール(1−2)が挙げられ、(1−1)単独、または(1−1)と少量の(1−2)の混合物が好ましい。ジオール(1−1)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;3,3′−ジフルオロ−4,4′−ジヒドロキシビフェニル、等の4,4′−ジヒドロキシビフェニル類;ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1−フェニル−1,1−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(別名:テトラフルオロビスフェノールA)、2,2−ビス(3−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン等のビス(ヒドロキシフェニル)アルカン類;ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エーテル等のビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル類;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上のポリオール(1−2)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
<ポリカルボン酸>
ポリカルボン酸(2)としては、ジカルボン酸(2−1)と3価以上のポリカルボン酸(2−2)が挙げられ、(2−1)単独、または(2−1)と少量の(2−2)の混合物が好ましい。ジカルボン酸(2−1)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)、3−フルオロイソフタル酸、2−フルオロイソフタル酸、2−フルオロテレフタル酸、2,4,5,6−テトラフルオロイソフタル酸、2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸、5−トリフルオロメチルイソフタル酸、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2'−ビス(トリフルオロメチル)−4,4′−ビフェニルジカルボン酸、3,3'−ビス(トリフルオロメチル)−4,4′−ビフェニルジカルボン酸、2,2'−ビス(トリフルオロメチル)−3,3′−ビフェニルジカルボン酸、ヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸無水物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価以上のポリカルボン酸(2−2)としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、ポリカルボン酸(2)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いてポリオール(1)と反応させてもよい。
ポリオールとポリカルボン酸の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/2、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.3/1〜1/1.3である。
<変性樹脂>
また、得られるトナーの力学的強度を高めたり、力学的強度に加え定着時における高温オフセットを防止したりする目的で、油相中に末端にイソシアネート基を有する変性樹脂を溶解してトナーを得ても良い。
変性樹脂を得る方法としては、イソシアネートを含有するモノマーと共に重合反応をしてイソシアネート基を有する樹脂を得る方法、末端に活性水素を有する樹脂を重合して得た後、ポリイソシアネートと反応させることでポリマー末端にイソシアネート基を導入する方法等が挙げられる。なお、末端にイソシアネート基を導入するという制御性から後者の方法が好ましく採用される。
活性水素としては、水酸基(アルコール性水酸基およびフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基である。変性樹脂の骨格としては、粒子の均一性を考慮すると有機溶媒に溶解する樹脂と同じものを用いるのが好ましく、ポリエステル骨格を有するものが良い。アルコール性水酸基をポリエステルの末端に有する樹脂を得る方法としては、ポリオールとポリカルボン酸との重縮合において、ポリオールの官能基数をポリカルボン酸の官能基数よりも多めにして重縮合反応を行えばよい。
<アミン化合物>
変性樹脂のイソシアネート基は、水相中で油相を分散させ粒子を得る過程で加水分解をして一部はアミノ基となり、生成したアミノ基は未反応のイソシアネート基を反応していき、伸長反応が進行していく。上記の反応以外にも伸長反応を確実に反応させる、もしくは架橋点を導入する目的で、アミン化合物を併用することができる。
アミン化合物(B)としては、ジアミン(B1)、3価以上のポリアミン(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。
ジアミン(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4′ジアミノジフェニルメタン、テトラフルオロ−p−キシリレンジアミン、テトラフルオロ−p−フェニレンジアミンなど);脂環式ジアミン(4,4′−ジアミノ−3,3′ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ドデカフルオロヘキシレンジアミン、テトラコサフルオロドデシレンジアミンなど)などが挙げられる。
3価以上のポリアミン(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。
アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。
アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。
アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。
B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリン化合物などが挙げられる。
これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
アミン類(B)の比率は、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の数がイソシアネート基を有するプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]の数の4倍以下、好ましくは2倍以下、より好ましくは1.5倍以下、さらに好ましくは1.2倍以下である。4倍を超えると、過剰のアミノ基がイソシアネートをブロックしてしまい変性樹脂の伸長反応が起きないため、ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
<有機溶剤>
有機溶剤は、沸点が100℃未満の揮発性であることが、後の溶剤除去が容易になる点から好ましい。
このような有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組み合せて用いることができる。
有機溶媒中に溶解あるいは分散させる樹脂がポリエステル骨格を有する樹脂である場合、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系の溶媒もしくはメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系の溶媒を用いたほうが溶解性は高く好まし。これらのなかでは溶媒除去性の高い酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトンが特に好ましい。
<水系媒体>
水系媒体としては、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用することもできる。混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などが挙げられる。
<界面活性剤>
水系媒体中に油相を分散させて液滴を作成するために界面活性剤が用いられる。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどの陰イオン界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムベタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。
好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸、及び、その金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。また、カチオン性界面活性剤としては、フルオロアルキル基を有する脂肪族1級、2級もしくは2級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩などが挙げられる。
<無機分散剤>
上記水系媒体中に、トナー組成物の溶解物または分散物を、無機分散剤または樹脂微粒子の存在する中で分散させてもよい。無機分散剤としては、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ハイドロキシアパタイトなどが用いられる。分散剤を用いたほうが、粒度分布がシャープになるとともに分散が安定である点で好ましい。
<保護コロイド>
高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの窒素原子、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフエニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。なお、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、微粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
(着色剤)
有色トナーとするため着色剤、染料及び顔料を使用してよい。例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。
<着色剤のマスターバッチ化>
着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。
マスターバッチの製造またはマスターバッチとともに混練されるバインダー樹脂としては、先にあげた変性、未変性ポリエステル樹脂の他にポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族叉は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
<マスターバッチ作成方法>
本マスターバッチはマスターバッチ用の樹脂と着色剤とを高せん断力をかけて混合、混練してマスターバッチを得る事ができる。この際着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を用いる事ができる。また所謂フラッシング法と呼ばれる着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤と共に混合混練し、着色剤を樹脂側に移行させ、水分と有機溶剤成分を除去する方法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いる事ができるため乾燥する必要がなく好ましく用いられる。混合混練するには3本ロールミル等の高せん断分散装置が好ましく用いられる。
(外添剤)
外添剤としては、公知の無機微粒子および高分子系微粒子を好ましく用いることができる。
この外添加剤の一次粒子径は、5nm〜2μmであることが好ましく、特に5nm〜500nmであることが好ましい。
また、BET法による比表面積は、20〜500m/gであることが好ましい。
この外添加剤の使用割合は、トナーの0.01〜5重量%であることが好ましく、特に0.01〜2.0重量%であることが好ましい。
無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。高分子系微粒子としては、例えばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロン(登録商標)などの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
このような無機微粒子は表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。例えばシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが好ましい表面処理剤として挙げられる。
(離型剤)
定着離型性を高める目的で離型剤をトナー中に分散させておいても良い。
離型剤としては、ワックスやシリコーンオイルなどの、定着プロセスで加熱されたときに十分に粘度が低く、かつトナー粒子のほかの物質とも定着部材表面に相溶あるいは膨潤しにくい物質が使用され、トナー粒子そのものの保存安定性を考えると、通常保管時にトナー粒子中で固体として存在するワックスを用いるのか好ましい。ワックスとしては、長鎖炭化水素、カルボニル基含有ワックスなどがあり、長鎖炭化水素としては、ポリオレフィンワックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなど);石油系ワックス(パラフィンワックス、サゾールワックス、マイクロクリスタリンワックスなど);のほか、フィッシャートロプシュワックスも挙げられる。カルボニル基含有ワックスとしては、ポリアルカン酸エステル(カルナウバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18-オクタデカンジオールジステアレートなど);ポリアルカノールエステル(トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなど);ポリアルカン酸アミド(エチレンジアミンジベヘニルアミドなど);ポリアルキルアミド(トリメリット酸トリステアリルアミドなど);およびジアルキルケトン(ジステアリルケトンなど)などが挙げられる。この中で、特に離型性がよい長鎖炭化水素が好ましい。さらに、長鎖炭化水素を離型剤として用いる場合、カルボニル基含有ワックスを併用してもよい。離型剤はトナー中に2〜25重量%、好ましくは3〜20重量%、より好ましくは4〜15重量%含まれていることが良い。2重量%未満であると、定着離型性向上効果が発揮できず、また25重量%を超えるとトナーの機械強度が低下する。
(帯電制御剤)
本発明に用いられる帯電制御剤はトナー母体表面に偏在して配置されてなるものであり、周知慣用のものを用いることができるが、結着樹脂に対して親和性が低く表面偏在を起こすものが好ましい。なお、表面偏在を起こさない帯電制御剤であっても、何らかの手法により表面偏在せしめることで、表面偏在を起こす帯電制御剤の代わりに用いることができる。
帯電制御剤はトナー総重量に対して1.0〜7.0重量%含有されていることが好ましい。
帯電制御剤としては、例えば、四級アンモニウム塩(フッ素変性四級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、カリックスアレーン誘導体、フェノール誘導体、ビスフェノール誘導体(ビスフェノールP、ビスフェノールPH、ビスフェノールMなど)等が挙げられる。
また、帯電制御剤が、下記化学式1で示されるカリックスアレーン骨格を有することが特に好ましい。
(化学式1中、R,X及びYは任意であり、炭化水素または水素に限定されるものではなく、複数のR,複数のX及び複数のYのそれぞれが同一であっても異なっていてもよく、n及びmはn≧1,m≧0並びに12≧n+m≧4のいずれの条件も満たす。)
カリックスアレーン誘導体は、例えば構成単位としては、フェノール系誘導体、レゾルシノール系誘導体、ピロガロール系誘導体などの誘導体や、ピロール系誘導体、チオール系誘導体などの複素環式五員環芳香族化合物系誘導体等である。それぞれ、一般にカリックスアレーン、レゾルシンアレーン、ピロガロールアレーン、カリックスピロール、カリックスチオールなどと呼ばれるが、本発明ではこれら誘導体全て包括してカリックスアレーンと呼ぶこととする。
カリックスアレーンの構成単位の数として制限はないが、分散性の観点より、4〜16、好ましくは4〜8が良い。カリックスアレーンにはいくつかの立体配座を取るが、コーン型、または全てのオルタネート型を問わない。
帯電制御剤はその性能を発現し定着性などへの阻害がない範囲の量で用いられればよく、トナー中に1〜7重量%、好ましくは4〜5重量%含まれることが良い。
また、本発明では帯電制御剤がトナー母体表面に配置されてなるとは、図2に示すように、帯電制御剤がトナーの表面に集中して配置されていることを意味し、特に、結着樹脂との親和性の悪さ(非親和性)により結着樹脂とは分離している状態を意味する。
即ち、帯電制御剤がトナー母体表面に付着ないしは一部が埋没している状態を言いう。従って、例えば所謂コアシェル構造を有するトナーのシェル部分において、帯電制御剤が結着樹脂中に均一に分散しその多くが表面に露出していない状態は本発明の範囲には含まれない。
なお、帯電制御剤がトナー母体表面のみに存在することが最も好ましいが、トナー母体内部に帯電制御剤が少量含まれるものであってもよい。具体的には、トナー中に含まれる帯電制御剤のうち、40%以上がトナー母体表面に含まれることで、本発明の効果が充分に得られる。
(トナーの製造方法について)
トナーの製造方法は、特に限定されないが、溶解懸濁法、懸濁重合法、乳化凝集法等の公知の湿式造粒法が挙げられる。粒径制御や形状制御のしやすさから、溶解懸濁法、乳化凝集法(乳化重合法)が好ましい。乳化法、懸濁重合法により核となるトナー母体を得る場合、それぞれの公知の方法にて核となるトナー母体を得ている工程、もしくはトナー母体を得た後の工程で表面樹脂用微粒子を系中に添加し、核となるトナー母体表面に表面樹脂用微粒子を付着・融着させる。付着・融着を促進させるために加熱を行っても良い。また、金属塩を添加することも付着・融着を促す上で有効である。
(表面樹脂用微粒子)
本発明では帯電性をより高めたり、保管性を良好にしたりするため、表面樹脂用微粒子をトナー表面近傍に配置させ、トナー母体(結着樹脂および表面に配置されてなる帯電制御剤)を、当該表面樹脂用微粒子(が付着ないし融着等した表面樹脂)にて被覆してなる。
表面樹脂用微粒子の水系分散体を得る方法としては、乳化凝集法、懸濁重合法、分散重合法など公知の重合法によれば良い。この中で、本発明に適した粒径の粒子を得られやすい乳化重合法が特に好ましい。
表面樹脂用微粒子は、水系媒体中に分散されたものを用いることができる。表面樹脂用微粒子を構成する樹脂としてはビニル系樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリウレア、エポキシ樹脂等が挙げられる。この中で水系媒体に分散した表面樹脂用微粒子を簡便に得られることからビニル系樹脂が好ましい。
また、本発明に用いられる表面樹脂用微粒子は、帯電性を高めるために、スチレン系モノマーからなるモノマー混合物を重合させて得られる樹脂が好ましい。
さらに、本発明における表面樹脂は、下記化学式2および下記化学式3に表される骨格を有することが特に好ましい。

(化学式2中、Rは任意であり、炭化水素または水素に限定されるものではなく、複数のRのそれぞれが同一であっても異なっていてもよい。化学式3中、Rは任意であり、炭化水素または水素に限定されるものではなく、複数のRのそれぞれが同一であっても異なっていてもよい。)
静電潜像現像用トナーとして用いるためには、表面樹脂用微粒子は帯電しやすい構造を有していることがよく、そのためには芳香環構造のように電子を安定に存在できるような電子軌道を持つスチレン系モノマーがモノマー混合物のうち50〜100重量%、好ましくは70〜90重量%用いられることが良い。スチレン系モノマーが50重量%未満であると、得られたトナーの帯電性が乏しくなり、トナーのアプリケーションが限定される。
ここで、スチレン系モノマーというのは、ビニル重合性官能基を有する芳香族化合物のことを指す。重合可能な官能基としては、ビニル基、イソプロペニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などが挙げられる。具体的なスチレン系モノマーとしては、スチレン、αメチルスチレン、4−メチルスチレン、4−エチルスチレン、4−tert−ブチルスチレン、4−メトキシスチレン、4−エトキシスチレン、4−カルボキシスチレンもしくはその金属塩、4−スチレンスルホン酸もしくはその金属塩、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、アリルベンゼン、フェノキシアルキレングリコールアクリレート、フェノキシアルキレングリコールメタクリレート、フェノキシポリアルキレングリコールアクリレート、フェノキシポリアルキレングリコールメタクリレート等が挙げられる。この中では、入手が容易で反応性に優れ帯電性の高いスチレンを主に用いるのが好ましい。
また、本発明に用いられるビニル系樹脂には、酸モノマーがモノマー混合物のうち0〜50重量%、好ましくは20〜30重量%使用することがよい。酸モノマーが50重量%を超えて使用されると、スチレン系モノマーの比率が小さくなり帯電付与機能が下がってしまったり、酸が存在することでトナー化されたときに環境変動の大きいものになったりしてしまう。酸モノマーの使用量が20〜30重量%にすることで、母体樹脂との親和性を高めることができ、表面樹脂をトナー表面に対し薄膜状に覆うことが出来る。
ここで、酸モノマーというのは、アレニウス酸として定義できるモノマーのことをいい、酸基としては、カルボキシル酸、スルホニル酸、ホスフォニル酸などが挙げられる。酸モノマーとしては、例えばカルボキシル基含有ビニル系モノマー及びその塩((メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、マレイン酸モノアルキル、フマル酸、フマル酸モノアルキル、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸モノアルキル、イタコン酸グリコールモノエーテル、シトラコン酸、シトラコン酸モノアルキル、桂皮酸等)、スルホン酸基含有ビニル系モノマー、ビニル系硫酸モノエステル及びこれらの塩、リン酸基含有ビニル系モノマー及びその塩などがある。この中では、(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、マレイン酸モノアルキル、フマル酸、フマル酸モノアルキルが好ましい。一方、トナー母体との相溶性の制御、ガラス転移点制御のためエステル結合を有するモノマーを同時に用いてもよい。
表面樹脂用微粒子を得る方法としては特に限定されないが、以下の(a)〜(f)が挙げられる。
(a)モノマー混合物を懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法または分散重合法等の重合反応により反応させ、表面樹脂用微粒子の分散液を製造する。
(b)あらかじめモノマー混合物を重合し、得られた樹脂を機械回転式またはジェット式等の微粉砕機を用いて粉砕し、次いで、分級することによって表面樹脂用微粒子を製造する。
(c)あらかじめモノマー混合物を重合し、得られた樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液を、霧状に噴霧することにより表面樹脂用微粒子を製造する。
(d)あらかじめモノマー混合物を重合し、得られた樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液に溶剤を添加するか、またはあらかじめ溶剤に加熱溶解した樹脂溶液を冷却することにより表面樹脂用微粒子を析出させ、次いで、溶剤を除去して表面樹脂用微粒子を製造する。
(e)あらかじめモノマー混合物を重合し、得られた樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液を、適当な分散剤存在下で水性媒体中に分散させ、これを加熱または減圧等によって溶剤を除去する。
(f)あらかじめモノマー混合物を重合し、得られた樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する。
この中で、製造が容易であり、表面樹脂用微粒子を分散液として得られることから次工程への適用がスムーズに行うことができる(a)の方法が好ましい。該方法において重合反応を行う際には、水系媒体中に分散安定剤を添加する、もしくは重合反応を行うモノマー中に、重合してできた表面樹脂用微粒子の分散安定性を付与できるようなモノマー(所謂反応性乳化剤)を添加する、またはこれら2の手段を併用することが好ましい。こうすることで、できあがった表面樹脂用微粒子の分散安定性を付与することができる。
分散安定剤や反応性乳化剤を使用しないと、粒子の分散状態を維持できないために樹脂を微粒子として得ることができなかったり、得られた表面樹脂用微粒子の分散安定性が低いために保存安定性に乏しく保管中に凝集してしまったりする。あるいは後述の表面樹脂用微粒子付着工程での粒子の分散安定性が低下する。そうすると、トナー母体同士が凝集・合一しやすくなり最終的に得られるトナーの粒径や形状・表面などの均一性が悪くなるため好ましくない。
分散安定剤としては、界面活性剤、無機分散剤などが挙げられ、界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどの陰イオン界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムベタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。無機分散剤としては、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ハイドロキシアパタイトなどが用いられる。
表面樹脂の重量平均分子量は3,000〜300,000、このましくは4,000〜100,000、より好ましくは5,000〜50,000の範囲が良い。
重量平均分子量が3,000に満たないと、表面樹脂用微粒子の力学的強度が弱く脆弱であるため、最終的に得られるトナーのアプリケーションによっては使用状況によってトナー表面が容易に変化してしまう。このため、例えば帯電性の著しい変化や周辺部材への付着などの汚染、それに伴う品質問題の発生を引き起こすため好ましくない。また、300,000を超えるような場合、分子末端が少なくなるためトナー母体との分子鎖の絡み合いが少なくなり、トナー母体への付着性が低下するため好ましくない。
また、表面樹脂のガラス転移温度(Tg)は、45〜100℃、好ましくは50〜90℃、より好ましくは55〜80℃が良い。
高温高湿環境下で保管されたとき、大気中の水分により表面樹脂の樹脂が可塑化され、ガラス転移温度の低下を引き起こしかねない。トナー、またはトナーカートリッジの輸送中は40℃90%の高温高湿環境が想定され、得られたトナーが一定圧力下に置かれたときに変形する、あるいはトナー粒子同士がくっついてしまい本来の粒子としての振る舞いができなくなる可能性があるため45℃以下は好ましくない。また、1成分現像に用いる場合、摩擦に対する耐久性が低下するため45℃以下は好ましくない。100℃以上となると定着性の悪化を招くため好ましくない。
(油相作成工程)
有機溶媒中に樹脂、着色剤などを溶解あるいは分散させた油相を作成する方法としては、有機溶媒中に攪拌をしながら樹脂、着色剤などを徐々に添加していき、溶解あるいは分散させればよい。ただし、着色剤として顔料を用いる場合や、離型剤や帯電制御剤などのなかで有機溶媒に溶解しにくいようなものを添加する場合、有機溶媒への添加に先立って粒子を小さくしておくことが好ましい。
前述のように着色剤のマスターバッチ化も粒子を小さくする手段の一つであり、同様の方法を離型剤や帯電制御剤に展開することもできる。
また別の手段として、有機溶媒中で、必要に応じて分散助剤を添加し、着色剤、離型剤、帯電制御剤を湿式で分散を行い、ウエットマスターを得ることも可能である。
さらに別の手段として、有機溶媒中で、必要に応じて分散助剤を添加し、分散質とともに攪拌しながら加熱を行い、一旦溶解させた後、攪拌もしくはせん断しながら冷却を行うことによって晶析を行い、分散質の微結晶を生成させる方法を行っても良い。ただし、これは有機溶媒の沸点未満で溶融するようなものを分散する場合に限られる。
以上の手段を用いて分散された着色剤、離型剤、帯電制御剤は、有機溶媒中に樹脂とともに溶解あるいは分散された後、さらに分散を行っても良い。分散に際しては公知のビーズミルやディスクミルなどの分散機を用いることができる。
(トナー母体作製工程)
水系媒体中に前述の工程で得られた油相を分散させ、油相からなるトナー母体が分散した分散液を作成する方法としては、特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。
高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。5分を超えて分散を行うと、望ましくない小径の粒子が残存してしまったり、分散が過分散状態になって系が不安定になり凝集体や粗大粒子が発生したりすることがあるので好ましくない。分散時の温度としては、通常、0〜40℃、好ましくは10〜30℃である。40℃を超えると分子運動が活発になることから分散安定性が低下し凝集体や粗大粒子が発生しやすくなるため好ましくない。また、0℃未満になると分散体の粘度が高くなり、分散に必要なせん断エネルギーが増大するため製造効率が低下する。
界面活性剤は、前述の表面樹脂用微粒子の製造法に関する説明で記載したものと同じものが使用できるが、溶媒を含む油滴を効率よく分散するためには、HLBが高めのジスルホン酸塩のものが好ましい。界面活性剤は、水系媒体中での濃度が1〜10重量%、好ましくは2〜8重量%、より好ましくは3〜7重量%の範囲にあるのが良い。10重量%を超えると、油滴が小さくなりすぎたり、逆ミセル構造を形成して逆に分散安定性が低下して油滴の粗大化が発生したりするため好ましくない。また1重量%未満では油滴の分散を安定に行うことができずに油滴が粗大化してしまうため好ましくない。帯電制御剤は、油相に予め分散させた状態で添加しておくことが望ましい。
(表面樹脂層の形成方法)
本発明におけるトナー母体を覆う表面樹脂よりなる表面樹脂層とは、トナー表面を覆った表面樹脂用微粒子の凝集集合体である。表面樹脂用微粒子の融着の仕方は限定されず、例えば球体でその一部または全てが埋没している形状、溶解し、複数の粒子が凝集、結着することにより作られたペースト状が挙げられる。
ここで、表面樹脂の厚さ、即ち表面樹脂層の層厚は、0.1μm未満であることが帯電制御剤の帯電付与能力をさえ遮らないため好ましい。
表面樹脂層の形成方法としては、結着樹脂を有する核となるトナー母体に、別途表面樹脂よりなる表面樹脂用微粒子を付着・融着させる方法が挙げられる。核となるトナー母体と表面樹脂用微粒子との付着・融着を効率よく行わせるためには、水系媒体中にこれらの粒子を分散させ、分散安定剤を制御しながら行うことが良い。ここで、表面樹脂の形状及び均一性を決定するのは、水系媒体中の界面活性剤の存在割合、表面樹脂微粒子の組成、融着工程のタイミングである。
溶解懸濁法を用いる場合、上記方法によっても良いが、有機溶媒中に核となるトナー母体の構成材料を溶解もしくは分散した油相を水系媒体中に分散させた状態において、表面樹脂微粒子を添加して油相液滴の表面に表面樹脂微粒子を付着・融着させる方法が好ましい。該方法によると、核となるトナー母体と表面樹脂微粒子が強固に付着・融着できるため好ましい。トナー母体作製工程中に表面樹脂微粒子を添加すると、表面樹脂が粗大、不均一になるため好ましくない。
得られたトナー母体分散液は、攪拌を行っている間は安定にトナー母体の液滴を存在させておくことができる。その状態に前記表面樹脂微粒子分散液を投入してトナー母体上に付着させる。表面樹脂用微粒子分散液の投入は、30秒以上かけて行うことが良い。30秒未満で投入を行うと、分散系が急激に変化するために凝集粒子が発生したり、表面樹脂微粒子の付着が不均一になったりするため好ましくない。一方、闇雲に長い時間、例えば60分を超えて添加することは生産効率の面から好ましくはない。
表面樹脂用微粒子分散液は、トナー母体分散液に投入する前に、適宜濃度調整のために希釈あるいは濃縮しても良い。表面樹脂微粒子分散液の濃度は、5〜30重量%が好ましく、8〜20重量%がより好ましい。5%未満では、分散液の投入に伴う有機溶媒濃度の変化が大きく、表面樹脂微粒子の付着が不十分になるため好ましくない。また30重量%を超えるような場合、表面樹脂微粒子がトナー母体分散液中に偏在しやすくなり、その結果表面樹脂微粒子の付着が不均一になるため避けたほうが良い。
また、油相液滴を製造する場合の界面活性剤の重量は、水相全体の重量に対して7%以下、好ましくは6%以下、より好ましくは5%以下がよい。界面活性剤の重量が水相全体の重量に対して7%を超えると、表面樹脂の長辺長さの均一性が著しく低下するため好ましくない。
トナー母体に対して表面樹脂微粒子が十分な強度で付着することは、(1)表面樹脂微粒子がトナー母体の液滴に付着したときに、トナー母体が自由に変形できるために表面樹脂用微粒子界面と接触面を十分に形成すること、および、(2)有機溶媒によって表面樹脂微粒子が膨潤もしくは溶解し、表面樹脂微粒子とトナー母体内の樹脂とが接着しやすい状況になること、だと推測される。したがって、この状態において有機溶媒は系内に十分に存在することが必要である。
具体的には、トナー母体分散液の状態において、固形分(樹脂、着色剤、および必要に応じて離型剤、帯電制御剤など)に対して50重量%〜150重量%、好ましくは70重量%〜125重量%の範囲にあることがよい。150重量%を超えると、一度の製造工程で得られるトナーが少なくなり生産効率が低いこと、また有機溶媒が多いと分散安定性が低下して安定した製造が難しくなることなどから好ましくない。
トナー母体に表面樹脂微粒子を付着するときの温度としては、10〜60℃、好ましくは20〜45℃である。60℃を超えると、製造に必要なエネルギーが増大するために製造環境負荷が大きくなることに加え、低酸価の表面樹脂微粒子が液滴表面に存在することもあり分散が不安定になり粗大粒子が発生する可能性もあるため好ましくない。一方、10℃未満では分散体の粘度が高くなり、表面樹脂微粒子の付着が不十分になるため好ましくない。
トナーの全重量のうち表面樹脂微粒子を構成する樹脂の重量が占める割合は1%〜20%、好ましくは3%〜15%、より好ましくは5%〜10%である。1%以下となるとその効果が不十分であり、20%以上となると、過剰となった表面樹脂微粒子がトナートナー母体に弱く付着しフィルミング等の原因となる。
このほかにトナー母体と表面樹脂微粒子を混合攪拌し、機械的に付着、被覆させる方法がある。
<脱溶剤工程>
得られたトナー母体分散体から有機溶剤を除去するためには、系全体を攪拌しながら徐々に昇温し、液滴中の有機溶剤を完全に蒸発除去する方法を採用することができる。あるいはまた、得られトナー母体分散体を攪拌しながら乾燥雰囲気中に噴霧して、液滴中の有機溶剤を完全に除去することも可能である。もしくは、トナー母体分散体を攪拌しながら減圧し、有機溶媒を蒸発除去しても良い。後の2つの手段は、最初の手段と併用することも可能である。乳化分散体が噴霧される乾燥雰囲気としては、空気、窒素、炭酸ガス、燃焼ガス等を加熱した気体、特に使用される最高沸点溶媒の沸点以上の温度に加熱された各種気流が一般に用いられる。スプレードライヤー、ベルトドライアー、ロータリーキルンなどの短時間の処理で十分、目的とする品質が得られる。
<熟成工程>
末端にイソシアネート基を有する変性樹脂を添加している場合は、イソシアネートの伸長・架橋反応を進めるために熟成工程を行っても良い。熟成時間は通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜65℃、好ましくは35〜50℃である。
<洗浄工程>
上記の方法で得られたトナーの分散液には、副材料が含まれているため、これからかトナーのみを取り出すために洗浄を行う。トナーの洗浄方法としては、遠心分離法、減圧濾過法、フィルタープレス法などの方法があるが、特に限定されるものではない。いずれの方法によっても、トナーと10倍等量の水を混合させた際の溶液のイオン電導度が10μS/cm以下になるようにトナー洗浄する必要がある。この洗浄に用いる水系溶媒は水あるいは水にメタノール、エタノールなどのアルコールを混合した混合溶媒を用いるが、コストや排水処理などによる環境負荷を考えると、水を用いることが好ましい。
<乾燥工程>
洗浄されたトナーは水系媒体を多く抱き込んでいるため、乾燥を行い、水系媒体を除去することでトナーのみを得ることができる。乾燥方法としては、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動槽乾燥機、回転式乾燥機、攪拌式乾燥機などの乾燥機を使用することができる。乾燥されたトナーは最終的に水分が1%未満になるまで乾燥を行うことが好ましい。また、乾燥後のトナーは軟凝集をしており使用に際して不都合が生じる場合には、ジェットミル、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、コーヒーミル、オースターブレンダー、フードプロセッサーなどの装置を利用して解砕を行い、軟凝集をほぐしても良い。
(トナーの粒径について)
本発明のトナーにおいて均一で十分な帯電をするためには、トナーの体積平均粒径が3〜9μm、好ましくは4〜7μmの範囲にあることが好ましい。3μm未満ではトナー付着力が相対的に増大し、電界によるトナー操作性が落ちるため好ましくない。また、9μmを超える場合は、細線の再現性など画像品位が低下する。
また、前記トナーの体積平均粒径と個数平均粒径の比(体積平均粒径/個数平均粒径)は、1.25以下が好ましく、1.20以下がより好ましく、1.17以下がさらに好ましい。
1.25を超えると、トナーの粒径の均一性が低いためシェル微粒子部の大きさにバラつきが生じやすい。また、繰り返すうちに粒径の大きなトナーもしくは場合によっては小さなトナーが消費され、現像装置内に残存するトナーの平均粒径が変化するため、残存したトナーを現像するための最適な現像条件がずれてしまう。その結果、帯電不良、搬送量の極端な増加もしくは減少、トナー詰まり、トナーこぼれなど諸現象が発生しやすくなる。
トナー粒子の粒度分布の測定装置としては、コールターカウンターTA−IIやコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)が挙げられる。以下に測定方法について述べる。
まず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、さらに測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子またはトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの体積平均粒径(D4)、個数平均粒径(D1)を求めることができる。
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上ないし40.30μm未満の粒子を対象とする。
(トナーの形状について)
トナーの平均円形度は0.930以上、好ましくは0.950以上、さらに好ましくは0.970以上とするのがよい。平均円形度が0.930未満であると、トナーの流動性が低いため現像における不具合を起こしやすく、また転写効率も低下する。
トナーの平均円形度は、フロー式粒子像分析装置FPIA−2000により測定される。
具体的な測定方法としては、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスフォン酸塩を0.1〜0.5ml加え、さらに測定試料を0.1〜0.5g程度加える。試料を分散した懸濁液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、分散液濃度を3,000〜1万個/μlとして前記装置によりトナーの形状および分布を測定することによって得られる。
(固形分濃度測定)
油相の固形分濃度の測定は以下のようにして行った。あらかじめ質量が正確に秤量されたアルミ皿(1〜3g程度)の上に、油相2g程度を30秒以内に乗せ、乗せた油相の質量を正確に秤量する。これを150℃のオーブンに1時間入れ溶媒を蒸発させた後、オーブンから取り出し放置冷却し、アルミ皿と油相固形分を合わせた質量を電子天秤で測定する。アルミ皿と油相固形分を合わせた質量からアルミ皿の質量を引いて油相固形分の質量を算出し、それを乗せた油相の質量で除して油相の固形分濃度を算出する。また、油相中の固形分に対する溶媒の量の割合は、油相の質量から油相固形分の質量を引いた値(溶媒の質量)を油相固形分の質量で除した値である。
(表面樹脂の被覆率について)
トナーを走査型電子顕微鏡(SEM)で観察を行い、得られたSEM画像から表面樹脂のトナーに対するシェル微粒子部の被覆率を求める。
以下、図1に基づいて実施例に記載したシェル樹脂微粒子部の長辺と被覆率の算出方法について説明する。
<被覆率>
トナーに接する平行する2線の最短長さを求め、それぞれの接点をA、Bとする。その線分ABの中点Oを中心として線分AOの長さを直径とする円の面積と、その円内に含まれるシェル微粒子部の面積からトナーに対するシェル微粒子部の被覆率を算出する。100個以上のトナー粒子に対して上記方法で被覆率を計算し、平均値を求める。表面樹脂の面積の計測には画像解析式粒度分布測定ソフトウェア”Mac−View”(マウンテック社製)を用いた。被覆率は20%以上、好ましくは60%以上、である。被覆率が20%を切ると固着耐性が悪化する。
<画像形成装置・画像形成方法>
本発明の画像形成装置は、潜像を担持する潜像担持体と、潜像担持体表面に均一に帯電を施す帯電手段と、帯電した該潜像担持体の表面に画像データに基づいて露光し、静電潜像を書き込む露光手段と、潜像担持体表面に形成された静電潜像にトナーを供給し可視像化する現像手段と、潜像担持体表面の可視像を被転写体に転写する転写手段と、被転写体上の可視像を定着させる定着手段と、を少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
本発明の画像形成方法は、潜像担持体表面に均一に帯電を施す帯電工程と、帯電した潜像担持体の表面に画像データに基づいて露光し、静電潜像を書き込む露光工程と、現像剤担持体上に現像剤層規制部材により所定層厚の現像剤層を形成し、現像剤層を介して潜像担持体表面に形成された静電潜像を現像し、可視像化する現像工程と、潜像担持体表面の可視像を被転写体に転写する転写工程と、被転写体上の可視像を定着させる定着工程と、を有し、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程、制御工程等を含む。
前記静電潜像の形成は、例えば前記潜像担持体の表面を帯電手段により一様に帯電させた後、露光手段により像様に露光することにより行なうことができる。
前記現像による可視像の形成は、現像剤担持体としての現像ローラ上にトナー層を形成し、現像ローラ上のトナー層を潜像担持体である感光体ドラムと接触させるように搬送することにより、感光体ドラム上の静電潜像を現像することでなされる。
トナーは、撹拌手段により攪拌され、機械的に現像剤供給部材へ供給される。現像剤供給部材から供給され、現像剤担持体に堆積したトナーは、現像剤担持体の表面に当接するよう設けられた現像剤層規制部材を通過することで均一な薄層に形成されるとともに、さらに帯電される。
潜像担持体上に形成された静電潜像は、現像領域において、前記現像手段により帯電したトナーを付着させることで現像され、トナー像となる。
前記可視像(トナー像)の転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記潜像担持体(感光体)を帯電することにより行なうことができ、前記転写手段により行なうことができる。
転写された可視像の定着は、記録媒体に転写された可視像を定着装置を用いてなされ、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行なってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行なってもよい。
前記定着装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組み合わせ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組み合わせ、などが挙げられる。前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80℃〜200℃が好ましい。
次に本発明の実施形態に係る画像形成装置(プリンタ)の基本的な構成について図面を参照してさらに説明する。
図3は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す概略図である。ここでは、電子写真方式の画像形成装置に適用した一実施形態について説明する。画像形成装置は、イエロー(以下、「Y」と記す。)、シアン(以下、「C」と記す。)、マゼンタ(以下、「M」と記す。)、ブラック(以下、「K」と記す。)の4色のトナーから、カラー画像を形成するものである。
まず、複数の潜像担持体を備え、該複数の潜像担持体を表面移動部材の移動方向に並列させる画像形成装置(タンデム型画像形成装置)の基本的な構成について説明する。
この画像形成装置は、潜像担持体として4つの感光体(1Y)、(1C)、(1M)、(1K)を備えている。なお、ここではドラム状の感光体を例に挙げているが、ベルト状の感光体を採用することもできる。各感光体(1Y)、(1C)、(1M)、(1K)は、それぞれ表面移動部材である中間転写ベルト(10)に接触しながら、図中矢印の方向に回転駆動する。各感光体(1Y)、(1C)、(1M)、(1K)は、比較的薄い円筒状の導電性基体上に感光層を形成し、更にその感光層の上に保護層を形成したものであり、また、感光層と保護層との間に中間層を設けてもよい。
図4は、感光体を配設する作像形成部(2)の構成を示す概略図である。なお、各作像形成部(2Y)、(2C)、(2M)、(2K)における各感光体(1Y)、(1C)、(1M)、(1K)周りの構成はすべて同じであるため、1つの作像形成部(2)についてのみ図示し、色分け用の符号(Y)、(C)、(M)、(K)については省略してある。感光体(1)の周りには、その表面移動方向に沿って、帯電手段としての帯電装置(3)、現像手段としての現像装置(5)、感光体(1)上のトナー像を記録媒体又は中間転写ベルト(10)に転写する転写手段としての転写装置(6)、感光体(1)上の未転写トナーを除去するクリーニング装置(7)の順に配置されている。
帯電装置(3)と現像装置(5)との間には、帯電した感光体(1)の表面の画像データに基づいて露光し、静電潜像を書き込む露光手段としての露光装置(4)から発せられる光が感光体(1)まで通過できるようにスペースが確保されている。帯電装置(3)は、感光体(1)の表面を負極性に帯電する。本実施形態における帯電装置(3)は、いわゆる接触・近接帯電方式で帯電処理を行なう帯電部材としての帯電ローラを備えている。即ち、この帯電装置(3)は、帯電ローラを感光体(1)の表面に接触又は近接させ、その帯電ローラに負極性バイアスを印加することで、感光体(1)の表面を帯電する。
感光体(1)の表面電位が−500Vとなるような直流の帯電バイアスを帯電ローラに印加している。なお、帯電バイアスとして、直流バイアスに交流バイアスを重畳させたものを利用することもできる。また、帯電装置(3)には、帯電ローラの表面をクリーニングするクリーニングブラシを設けてもよい。なお、帯電装置(3)として、帯電ローラの周面上の軸方向両端部分に薄いフィルムを巻き付け、これを感光体(1)の表面に当接するように設置してもよい。この構成においては、帯電ローラの表面と感光体(1)の表面との間は、フィルムの厚さ分だけ離間したきわめて近接した状態となる。したがって、帯電ローラに印加される帯電バイアスによって、帯電ローラの表面と感光体(1)の表面との間に放電が発生し、その放電によって感光体(1)の表面が帯電される。
このようにして帯電した感光体(1)の表面には、露光装置(4)によって露光されて各色に対応した静電潜像が形成される。この露光装置(4)は、各色に対応した画像情報に基づき、感光体(1)に対して各色に対応した静電潜像を書き込む。なお、本実施形態の露光装置(4)は、レーザ方式であるが、LEDアレイと結像手段とからなる他の方式を採用することもできる。
トナーボトル(31Y)、(31C)、(31M)、(31K)から現像装置(5)内に補給されたトナーは、現像剤供給ローラ(5b)によって搬送され、現像ローラ(5a)上に担持されることになる。この現像ローラ(5a)は、感光体(1)と対向する領域(以下、「現像領域」と記す。)に搬送される。現像ローラ(5a)は、現像領域において感光体(1)の表面よりも速い線速で同方向に表面移動する。そして、現像ローラ(5a)上のトナーが、感光体(1)の表面を摺擦しながら、トナーを感光体(1)の表面に供給する。このとき、現像ローラ(5a)には、図示しない電源から−300Vの現像バイアスが印加され、これにより現像領域には現像電界が形成される。そして、感光体(1)上の静電潜像と現像ローラ(5a)との間では、現像ローラ(5a)上のトナーに静電潜像側に向かう静電力が働くことになる。これにより、現像ローラ(5a)上のトナーは、感光体(1)上の静電潜像に付着することになる。この付着によって感光体(1)上の静電潜像は、それぞれ対応する色のトナー像に現像される。
転写装置(6)における中間転写ベルト(10)は、3つの支持ローラ(11)、(12)、(13)に張架されており、図中矢印の方向に無端移動する構成となっている。この中間転写ベルト(10)上には、各感光体(1Y)、(1C)、(1M)、(1K)上のトナー像が、静電転写方式により互いに重なり合うように転写される。静電転写方式には、転写チャージャを用いた構成もあるが、ここでは転写チリの発生が少ない一次転写ローラ(14)を用いた構成を採用している。
具体的には、各感光体(1Y)、(1C)、(1M)、(1K)と接触する中間転写ベルト(10)の部分の裏面に、それぞれ転写装置(6)としての一次転写ローラ(14Y)、(14C)、(14M)、(14K)を配置している。ここでは、各一次転写ローラ(14Y)、(14C)、(14M)、(14K)により押圧された中間転写ベルト(10)の部分と各感光体(1Y)、(1C)、(1M)、(1K)とによって、一次転写ニップ部が形成される。
そして、各感光体(1Y)、(1C)、(1M)、(1K)上のトナー像を中間転写ベルト(10)上に転写する際には、各一次転写ローラ(14)に正極性のバイアスが印加される。これにより、各一次転写ニップ部には転写電界が形成され、各感光体(1Y)、(1C)、(1M)、(1K)上のトナー像は、中間転写ベルト(10)上に静電的に付着し、転写される。
中間転写ベルト(10)の周りには、その表面に残留したトナーを除去するためのベルトクリーニング装置(15)が設けられている。このベルトクリーニング装置(15)は、中間転写ベルト(10)の表面に付着した不要なトナーをファーブラシ及びクリーニングブレードで回収する構成となっている。なお、回収した不要トナーは、ベルトクリーニング装置(15)内から図示しない搬送手段により図示しない廃トナータンクまで搬送される。また、支持ローラ(13)に張架された中間転写ベルト(10)の部分には、二次転写ローラ(16)が接触して配置されている。
この中間転写ベルト(10)と二次転写ローラ(16)との間には二次転写ニップ部が形成され、この部分に、所定のタイミングで記録部材としての転写紙が送り込まれるようになっている。この転写紙は、露光装置(4)の図中下側にある給紙カセット(20)内に収容されており、給紙ローラ(21)、レジストローラ対(22)等によって、二次転写ニップ部まで搬送される。そして、中間転写ベルト(10)上に重ね合わされたトナー像は、二次転写ニップ部において、転写紙上に一括して転写される。この二次転写時には、二次転写ローラ(16)に正極性のバイアスが印加され、これにより形成される転写電界によって中間転写ベルト(10)上のトナー像が転写紙上に転写される。二次転写ニップ部の転写紙搬送方向下流側には、定着手段としての加熱定着装置(23)が配置されている。この加熱定着装置(23)は、ヒータを内蔵した加熱ローラ(23a)と、圧力を加えるための加圧ローラ(23b)とを備えている。二次転写ニップ部を通過した転写紙は、これらのローラ間に挟み込まれ、熱と圧力を受けることになる。これにより、転写紙上に載っていたトナーが溶融し、トナー像が転写紙に定着される。そして、定着後の転写紙は、排紙ローラ(24)によって、装置上面の排紙トレイ上に排出される。
現像装置(5)は、そのケーシングの開口から現像剤担持体としての現像ローラ(5a)が部分的に露出している。また、ここでは、キャリアを含まない一成分現像剤を使用している。現像装置(5)は、図3に示したトナーボトル(31Y)、(31C)、(31M)、(31K)から、対応する色のトナーの補給を受けてこれを内部に収容している。このトナーボトル(31Y)、(31C)、(31M)、(31K)は、それぞれが単体で交換できるように、画像形成装置本体に対して着脱可能に構成されている。
このような構成とすることで、トナーエンド時にはトナーボトル(31Y)、(31C)、(31M)、(31K)だけを交換すればよい。したがって、トナーエンド時にまだ寿命になっていない他の構成部材はそのまま利用でき、ユーザーの出費を抑えることができる。
図5は、図4における現像装置(5)の構成を示す概略図である。現像剤収納器中の現像剤(トナー)は、現像剤供給部材としての現像剤供給ローラ(5b)で攪拌されながら、感光体(1)に供給する前記現像剤を表面に担持する現像剤担持体としての現像ローラ(5a)のニップ部分に運ばれる。このとき現像剤供給ローラ(5b)と現像ローラ(5a)は、ニップ部で逆方向に回転(カウンタ回転)している。更に、現像ローラ(5a)に当接するように設けられた現像剤層規制部材としての規制ブレード(5c)で現像ローラ(5a)上のトナー量が規制され、現像ローラ(5a)上にトナー薄層が形成される。また、トナーは、現像剤供給ローラ(5b)と現像ローラ(5a)のニップ部と規制ブレード(5c)と現像ローラ(5a)の間で摺擦され、適正な帯電量に制御される。
図6はプロセスカートリッジの構成を示す概略図である。本発明における静電荷像現像用トナーは、例えば図6に示すようなプロセスカートリッジを備えた画像形成装置に於いて使用することができる。本発明においては、潜像担持体および現像手段と、さらに必要に応じてその他の手段とをプロセスカ−トリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカ−トリッジを複写機やプリンタ等の画像形成装置本体に対して着脱可能に構成する。
図6に示したプロセスカートリッジは、潜像担持体、帯電手段、図5で説明した現像手段を備えている例である。
以下に実施例を示すが、本発明の範囲はこれらの実施例によって制限されるものではない。また、実施例における部は質量部を示す。
〔[カリックスアレーン1]の製造〕
3−クロロフェノールを200部、ホルムアルデヒドを30部、水酸化ナトリウム1部をジフェニルエーテル200部に加え、還流温度にて1時間加熱還流させた。還流後、脱溶媒を行い濾過し、十分に洗浄して白色結晶のカリックスアレーン誘導体である、[カリックスアレーン1]を得た。
〔[カリックスアレーン2]の製造〕
4−ブロモビフェニル−4’−オールを250部、ホルムアルデヒド30部、水酸化ナトリウム1部をジフェニルエーテル200部に加え、還流温度にて1時間加熱還流させた。還流後、脱溶媒を行い濾過し、十分に洗浄して白〜灰色結晶の以下の化学式で表されるカリックスアレーン誘導体である、[カリックスアレーン2]を得た。なお、式中のnは4〜16である。
〔表面樹脂層用微粒子分散液1の製造〕
イオン交換水498部に、ドデシル硫酸ナトリウム0.7部を入れて80℃に加熱して溶解させ、水系媒体を得た。別途メタクリル酸200部を用意し、モノマー溶液を得た。得られたモノマー溶液を水系媒体中に投入し、超音波ホモジナイザーVCX750(SONICS & MATERIALS Inc.)を用い、90〜110Wで10分間、超音波照射を行い、モノマー溶液を水系媒体中に分散させた。途中、超音波照射により液温が上昇するが、ウォーターバスなどにより、水温が50℃を超えないように調整した。
得られた分散液を、冷却間、攪拌機および窒素導入管のついた反応容器中に移し、攪拌しながら60℃に保持し、過硫酸カリウム2.6部をイオン交換水104部に溶解させたものを加え、120分間重合反応を行った。その後冷却して、体積平均粒子径90nmの白色の[表面樹脂層用微粒子分散液1]を得た。
〔表面樹脂層用微粒子分散液2の製造〕
モノマー溶液処方を、メタクリル酸50部、αメチルスチレン150部に変更したこと以外は[表面樹脂層用微粒子分散液1]と同様にして体積平均粒子径75nmの白色の[表面樹脂層用微粒子分散液2]を得た。
〔表面樹脂層用微粒子分散液3の製造〕
モノマー溶液処方を、スチレン150部、メタクリル酸50部に変更したこと以外は[表面樹脂層用微粒子分散液1]と同様にして体積平均粒子径80nmの白色の[表面樹脂層用微粒子分散液3]を得た。
<ポリエステル1の合成>
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物264部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物523部、テレフタル酸123部、アジピン酸173部およびジブチルチンオキサイド1部を入れ、常圧230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で8時聞反応した。その後、反応容器に無水トリメリット酸26部を入れ、180℃、常圧で2時間反応し、[ポリエステル1]を得た。
−イソシアネート変性ポリエステル1の合成−
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部およびジブチルスズオキシド2部を仕込み、常圧下、230℃で8時間反応させた。次に、10〜15mmHgの減圧下で、5時間反応させて、[中間体ポリエステル1]を合成した。
次に、冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポリエステル1]410部、イソホロンジイソシアネート89部、酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応し、[イソシアネート変性ポリエステル1]を得た。
−マスターバッチの作成−
カーボンブラック(キャボット社製 リーガル400R):40部、結着樹脂:ポリエステル樹脂(三洋化成RS−801 酸価10、Mw20,000、Tg64℃):60部、水:30部をヘンシェルミキサーにて混合し、顔料凝集体中に水が染み込んだ混合物を得た。これをロ−ル表面温度130℃に設定した2本ロールにより45分間混練を行い、パルベライザーで1mmの大きさに粉砕し、[マスターバッチ1]を得た。
<実施例1>トナー製造工程
<油相作成工程>
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[ポリエステル1]545部、[パラフィンワックス(融点74℃)]181部、酢酸エチル1450部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却した。次いで容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル100部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液1]を得た。
[原料溶解液1]1500部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、顔料、WAXの分散を行った。次いで、[ポリエステル1]の66%酢酸エチル溶液655部を加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料・WAX分散液1]を得た。
[顔料・WAX分散液1]976部をTKホモミキサー(プライミクス製)で5,000rpmにて1分間混合した後、[イソシアネート変性ポリエステル1]88部加えTKホモミキサーで5,000rpmにて1分間混合し[プレーン油相1]を得た。得られた[プレーン油相1]の固形分を測定したところ52.0重量%であった。[プレーン油相1]の固形分重量に対し、8重量%のビスフェノールPを加えTKホモミキサーで5,000rpmにて100分間混合し[油相1]を得た。
<水相作成工程>
イオン交換水970部、分散安定用の有機樹脂微粒子(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の25重量%水性分散液40部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液95部、酢酸エチル98部を混合撹拌したところpH6.2となった。これに、10%水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpH9.5に調整し、[水相1]を得た。
<芯粒子作成工程>
得られた[油相1]に[水相1]1200部を加え、ミキサーのせん断熱による温度上昇を抑えるために水浴で冷却をすることにより液中温度を20〜23℃の範囲になるように調整しながら、TKホモミキサーを用い回転数8,000〜15,000rpmで調整して2分間混合したのち、アンカー翼を取り付けたスリーワンモーターで回転数130〜350rpmの間に調整しながら10分間攪拌し、芯粒子となる油相の液滴が水相に分散された[芯粒子スラリー1]を得た。
<表面樹脂層の形成>
[芯粒子スラリー1]を、アンカー翼を取り付けたスリーワンモーターで回転数130〜350rpmの間に調整して攪拌しながら、液温が22℃の状態で、[表面樹脂層用微粒子分散液1]が固形分濃度15%になるように調整した溶液を、油相固形分重量に対し表面樹脂用微粒子の固形分重量換算で1.5重量%分、3分間かけて滴下した。滴下後、回転数を200〜450rpmの間に調整して30分間攪拌を続け、[複合粒子スラリー1]を得た。この[複合粒子スラリー1]を1ml取って10mlに希釈し、遠心分離を行ったところ、上澄み液は透明であった。
<脱溶剤工程>
撹拌機および温度計をセットした容器に、[複合粒子スラリー1]を投入し、攪拌を行いながら30℃で8時間脱溶剤を行い、[分散スラリー1]を得た。
<洗浄・乾燥工程>
[分散スラリー1]100部を減圧濾過した後、
(1):濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(2):(1)の濾過ケーキにイオン交換水900部を加え、超音波振動を付与してTKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。リスラリー液の電気伝導度が10μC/cm以下となるようにこの操作を繰り返した。
(3):(2)のリスラリー液のpHが4となる様に10%塩酸を加え、そのままスリーワンモーターで攪拌30分後濾過した。
(4):(3)の濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。リスラリー液の電気伝導度が10μC/cm以下となるようにこの操作を繰り返し[濾過ケーキ1]を得た。[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、[トナー1]が得られた。
得られた[トナー1]における表面樹脂の被覆率は18%、表面樹脂の厚さは0.05μmであった。
<実施例2>
実施例1中の<油相作成工程>を下記のとおり変更した以外は実施例1と同様にして[トナー2]を作成した。[トナー2]における表面樹脂の被覆率は18%、表面樹脂の厚さは0.05μmであった。
<油相作成工程>
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[ポリエステル1]545部、[パラフィンワックス(融点74℃)]181部、酢酸エチル1450部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却した。次いで容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル100部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液1]を得た。
[原料溶解液1]1500部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、顔料、WAXの分散を行った。次いで、[ポリエステル1]の66%酢酸エチル溶液655部を加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料・WAX分散液1]を得た。
[顔料・WAX分散液1]976部をTKホモミキサー(プライミクス製)で5,000rpmにて1分間混合した後、[イソシアネート変性ポリエステル1]88部加えTKホモミキサーで5,000rpmにて1分間混合し[プレーン油相1]を得た。得られた[プレーン油相1]の固形分を測定したところ52.0重量%であった。[プレーン油相1]の固形分重量に対し、8重量%の[カリックスアレーン1]を加えTKホモミキサーで5,000rpmにて10分間混合し[油相1]を得た。
<実施例3>
実施例2中の[カリックスアレーン1]を[カリックスアレーン2]に変更した以外は実施例2と同様にして[トナー3]を作成した。[トナー3]における表面樹脂の被覆率は18%、表面樹脂の厚さは0.05μmであった。
<実施例4>
実施例3中、[表面樹脂層用微粒子分散液1]を、[表面樹脂層用微粒子分散液2]に変更した以外は実施例3と同様にして[トナー4]を作成した。[トナー4]における表面樹脂の被覆率は18%、表面樹脂の厚さは0.05μmであった。
<実施例5>
実施例4中、[表面樹脂層用微粒子分散液2]を、[表面樹脂層用微粒子分散液3]に変更した以外は実施例4と同様にして[トナー5]を作成した。[トナー5]における表面樹脂の被覆率は18%、表面樹脂の厚さは0.05μmであった。
<実施例6>
実施例5中、[表面樹脂層用微粒子分散液3]を1.5重量%加える点を、1.8%に変更した以外は実施例5と同様にして[トナー6]を作成した。[トナー6]における表面樹脂の被覆率は22%、表面樹脂の厚さは0.05μmであった。
<実施例7>
実施例6中、8重量%の[カリックスアレーン2]を7重量%の[カリックスアレーン2]に変更した以外は実施例6と同様にして[トナー7]を作成した。[トナー7]における表面樹脂の被覆率は22%、表面樹脂の厚さは0.05μmであった。
<実施例8>
実施例6中、8重量%の[カリックスアレーン2]を5重量%の[カリックスアレーン2]に変更した以外は実施例6と同様にして[トナー8]を作成した。[トナー8]における表面樹脂の被覆率は22%、表面樹脂の厚さは0.05μmであった。
<実施例9>
実施例6中、8重量%の[カリックスアレーン2]を1重量%の[カリックスアレーン2]に変更した以外は実施例6と同様にして[トナー9]を作成した。[トナー9]における表面樹脂の被覆率は22%、表面樹脂の厚さは0.05μmであった。
<実施例10>
実施例6中、8重量%の[カリックスアレーン2]を0.8重量%の[カリックスアレーン2]に変更した以外は実施例6と同様にして[トナー10]を作成した。[トナー10]における表面樹脂の被覆率は22%、表面樹脂の厚さは0.05μmであった。
<実施例11>
実施例8中、[表面樹脂層用微粒子分散液3]を1.5重量%加える点を、2.8%に変更した以外は実施例8と同様にして[トナー11]を作成した。[トナー11]における表面樹脂の被覆率は40%、表面樹脂の厚さは0.05μmであった。
<実施例12>
実施例8中、[表面樹脂層用微粒子分散液3]を1.5重量%加える点を、3.5%に変更した以外は実施例8と同様にして[トナー12]を作成した。[トナー12]における表面樹脂の被覆率は55%、表面樹脂の厚さは0.06μmであった。
<実施例13>
実施例8中、[表面樹脂層用微粒子分散液3]を1.5重量%加える点を、4.0%に変更した以外は実施例8と同様にして[トナー13]を作成した。[トナー13]における表面樹脂の被覆率は65%、表面樹脂の厚さは0.06μmであった。
<実施例14>
実施例8中、[表面樹脂層用微粒子分散液3]を1.5重量%加える点を、5.2%に変更した以外は実施例8と同様にして[トナー14]を作成した。[トナー14]における表面樹脂の被覆率は80%、表面樹脂の厚さは0.07μmであった。
<実施例15>
実施例8中、[表面樹脂層用微粒子分散液3]を1.5重量%加える点を、6.0%に変更した以外は実施例8と同様にして[トナー15]を作成した。[トナー15]における表面樹脂の被覆率は95%、表面樹脂の厚さは0.09μmであった。
<比較例1>
実施例1でビスフェノールPを加えないこと、[表面樹脂層用微粒子分散液1]を1.5重量%加える点を、5.2%に変更した以外は実施例1と同様に行い[トナー比1]を得た。[トナー比1]における表面樹脂の被覆率は18%、表面樹脂の厚さは0.05μmであった。
<比較例2>
実施例1で<表面樹脂層の形成>を行わなかったこと以外は実施例1と同様に行い[トナー比2]を得た。
<比較例3>
実施例8中、[カリックスアレーン1]を加えないこと、また[表面樹脂層用微粒子分散液3]を1.5重量%加える点を、8.0重量%に変更した以外は実施例8と同様にして[トナー比3]を得た。[トナー比3]における表面樹脂の被覆率は98%、表面樹脂の厚さは0.11μmであった。
−キャリアの作製−
トルエン100部に、シリコーン樹脂(オルガノストレートシリコーン)100部、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン5部、及びカーボンブラック10部を添加し、ホモミキサーで20分間分散させて、樹脂層塗布液を調製した。流動床型コーティング装置を用いて、体積平均粒径が50μmの球状マグネタイト1,000部の表面に樹脂層塗布液を塗布して、[キャリア1]を作製した。
−現像剤の作製−
各トナー5部と、前記[キャリア1]95部とを混合して、実施例1〜11及び比較例1の各現像剤を作製した。
[評価方法]
次に、得られた各現像剤を用いて、以下のようにして帯電性を評価した。
<帯電性>
表面にトナーを担持することができる導電性のトナー担持体、前記トナー担持体に対向して設けられ、前記トナー担持体に帯電したトナーを供給するトナー供給手段、前記トナー担持体と、前記トナー供給手段との間に、前記トナー担持体にトナーを付着させる電界を形成する電源、前記トナー担持体と前記トナー供給手段を駆動する駆動手段及び前記トナー担持体の表面に付着したトナーの帯電量を測定する帯電量測定手段を有し、並びに、帯電したトナーをトナー供給手段に付着させ、前記トナー供給手段上のトナーを静電力によって、トナー担持体に転移させて、トナーが前記トナー担持体上に付着している状態における前記トナー担持体の電荷量と、トナーを前記トナー担持体から除去した状態における前記トナー担持体の電荷量と、を測定して両電荷量の差からトナーの帯電量を測定する。
具体的には、現像剤供給手段の一例としての円筒状の現像ロールであり、アルミ、非磁性ステンレス、銅、真鍮等の導電性材料からなる。現像ローラの内部には、周知のように複数の磁極を有する磁石が設けられており、この磁石の磁力により、その外周面に均一な現像剤の層が形成される。トナー担持体の一例としての被現像ロールであり、アルミ、ステンレス、銅真鍮等の金属又は導電性プラスチック等の導電性材料からなる。現像ロール及び被現像ロールにはそれぞれバイアス電圧が印加され、それぞれのバイアス電圧を別々に変化させることができるように構成されている。
これらのバイアス電圧はトナーの帯電極性、正規現像方式に従って、被現像ロール上にトナー層を形成するか、反転現像方式により被現像ロール上にトナー層を形成するかに対応して、種々設定される。バイアス電圧を印加して、現像ロール、被現像ロールを、駆動して回転することにより、被現像ロールは電子写真法により現像されて、被現像ロール上には均一なトナー層が形成される。被現像ロール上にトナー層が形成された結果、被現像ロールが保持する電荷量は、現像前に比較して増加するので、被現像ロールが保持する電荷の量を測定する。更に、被現像ロールのトナーを担持した状態での重量とトナー除去後の重量を天秤で測定することによって、被現像ロール上のトナーの重量が測定される。得られたトナーの帯電量Qと重量、即ち、質量Mとから、トナーの現像特性を示すパラメータの測定値Q/M(単位質量あたり帯電量)が求められる。
今回は、各トナーサンプルに対応する現像剤5.000gを底面直径25mm、高さ30mmのステンレス容器に入れ、円周方向に200rpmの回転を5分間与え、トナーとキャリアを攪拌し、接触させた。この攪拌させたトナーサンプルを前記測定法にて評価を行いそれぞれのQ/Mを測定した。
帯電性に関する判定基準は次の通りである。
0: 帯電量(q)が比較例1よりも小さいもの
1: 帯電量(q)が比較例1と同じもの
2: 帯電量(q)が比較例1よりも110%未満の範囲で大きいもの
3: 帯電量(q)が比較例1よりも110%以上120%未満の範囲で大きいもの
4: 帯電量(q)が比較例1よりも120%以上130%未満の範囲で大きいもの
5: 帯電量(q)が比較例1よりも130%以上大きいもの
次に、得られた各トナーを用いて、以下のようにして耐固着性、定着下限温度を評価した。
<耐固着性>
カラー電子写真装置(IPSIO SP C220)を用いて、白ベタ画像2千枚出力後、規制ブレードの付着トナーを6段階で評価した。
0: トナー付着量が比較例1よりも多いもの
1: トナー付着量が比較例1に比べ95%以上100%以下のもの
2: トナー付着量が比較例1に比べ90%以上95%未満のもの
3: トナー付着量が比較例1に比べ80%以上90%未満のもの
4: トナー付着量が比較例1に比べ50%以上80%未満のもの
5: トナー付着量が比較例1に比べ50%未満のもの
<定着下限温度>
カラー電子写真装置(IPSiO SP C220)の定着ユニットを用いて、普通紙に1.0mg/cmの黒ベタ未定着画像を形成した。加熱温度を変えて通紙し、画像品質に問題のない温度を定着下限温度とした。評価は以下の6段階で評価した。
0: 定着下限温度が比較例1に比べ5℃以上高いもの
1: 定着下限温度が比較例1に比べ0℃以上高く5℃未満の範囲で高くなっているもの
2: 定着下限温度が比較例1に比べ0℃より低く3℃未満で低くなっているもの
3: 定着下限温度が比較例1に比べ3℃以上低く5℃未満で低くなっているもの
4: 定着下限温度が比較例1に比べ5℃以上低く7℃未満で低くなっているもの
5: 定着下限温度が比較例1に比べ7℃以上低くなっているもの
以上の評価結果を下記表1にまとめた。
上記表1によれば、本発明に係る静電荷像現像用トナーは、低温定着性を有し、固着耐性が高く、高帯電性を有することがわかった。
1 感光体(潜像担持体)
2 作像形成部
3 帯電装置
4 露光装置
5 現像装置
5a 現像ローラ
5b 現像剤供給ローラ
5c 規制ブレード
6 転写装置
7 クリーニング装置
10 中間転写ベルト
31 トナーボトル
2011−123483号公報 特開2008−089918号公報

Claims (10)

  1. 結着樹脂および帯電制御剤を含むトナー母体と、
    該トナー母体を覆う表面樹脂と、を有し、
    前記帯電制御剤は、前記トナー母体表面に配置されてなることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. 前記帯電制御剤が、下記化学式1で示されるカリックスアレーン骨格を有することを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
    (化学式1中、R,X及びYは任意であり、炭化水素または水素に限定されるものではなく、複数のR,複数のX及び複数のYのそれぞれが同一であっても異なっていてもよく、n及びmはn≧1,m≧0並びに12≧n+m≧4のいずれの条件も満たす。)
  3. 前記表面樹脂は、下記化学式2および下記化学式3に表される骨格を有することを特徴とする請求項1または2に記載の静電荷像現像用トナー。
    (化学式2中、Rは任意であり、炭化水素または水素に限定されるものではなく、複数のRのそれぞれが同一であっても異なっていてもよい。化学式3中、Rは任意であり、炭化水素または水素に限定されるものではなく、複数のRのそれぞれが同一であっても異なっていてもよい。)
  4. 前記表面樹脂の被覆率が、20%以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  5. 前記表面樹脂の厚さが、0.1μm未満であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  6. 前記帯電制御剤がトナー総重量に対して、1.0〜7.0重量%含有されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  7. 前記帯電制御剤と、前記結着樹脂または前記結着樹脂の成分と、を含む油相を、前記表面樹脂を形成する表面樹脂微粒子を含む水相に乳化ないし分散させて得られることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  8. 潜像を担持する潜像担持体と、
    前記潜像担持体表面に均一に帯電を施す帯電手段と、
    帯電した前記潜像担持体の表面に画像データに基づいて露光し、潜像を書き込む露光手段と、
    前記潜像を可視像化するトナーと、
    前記潜像担持体表面に形成された潜像にトナーを供給し現像する現像手段と、
    前記潜像担持体表面の可視像を被転写体に転写する転写手段と、
    前記被転写体上の可視像を定着させる定着手段と、を備える画像形成装置であって、
    前記トナーが、請求項1乃至7のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーであることを特徴とする画像形成装置。
  9. 潜像担持体表面に均一に帯電を施す帯電工程と、
    帯電した前記潜像担持体の表面に画像データに基づいて露光し、潜像を書き込む露光工程と、
    前記潜像担持体表面に形成された潜像を静電荷像現像用トナーを用いて現像し、可視像化する現像工程と、
    前記潜像担持体表面の可視像を被転写体に転写する転写工程と、
    前記被転写体上の可視像を定着させる定着工程と、を有し、
    前記現像工程に、請求項1乃至7のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーを用いることを特徴とする画像形成方法。
  10. 潜像担持体と、少なくとも前記潜像担持体上の潜像を静電荷像現像用トナーを用いて現像する現像手段とを一体化して画像形成装置に対して着脱可能に構成したプロセスカートリッジにおいて、
    前記静電荷像現像用トナーが、請求項1乃至7のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーを用いることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016122146A (ja) * 2014-12-25 2016-07-07 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 静電潜像現像用トナー
JP2017211447A (ja) * 2016-05-24 2017-11-30 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 静電潜像現像用トナー
JP2018031867A (ja) * 2016-08-24 2018-03-01 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 静電潜像現像用トナー及びその製造方法

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