JP2017211447A - 静電潜像現像用トナー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】静電潜像現像用トナーのトナー粒子が、外添剤として、シリカ粒子と樹脂粒子とを備える。樹脂粒子は、実質的にスチレン−アクリル酸系樹脂から構成される。トナー母粒子では、コアの表面領域のうち60%以上80%以下の面積をシェル層が覆っている。トナー母粒子100質量部に対して、シリカ粒子の量は1.0質量部以上2.0質量部以下であり、樹脂粒子の量は0.5質量部以上2.0質量部以下である。トナー粒子の表面から深さ1nmまでの範囲のTOF−SIMS測定において、離型剤由来のフラグメントイオンのカウント数は、全ての正イオンのカウント数に対して1000ppm以上2000ppm以下である。所定の条件での気流式分級処理後に測定されるトナーのシリカ遊離率は3.0%以上5.0%以下である。
【選択図】なし
Description
トナーが、トナー母粒子と、トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを備えるトナー粒子を、複数含む。トナー粒子は、外添剤としてシリカ粒子と樹脂粒子とを備える。樹脂粒子は、実質的にスチレン−アクリル酸系樹脂から構成される。トナー母粒子は、トナーコアと、トナーコアの表面を覆うシェル層とを備える。トナーコアは、結着樹脂及び離型剤を含有する。トナーコアの表面領域のうち60%以上80%以下の面積をシェル層が覆っている。トナー母粒子100質量部に対して、シリカ粒子の量は1.0質量部以上2.0質量部以下であり、樹脂粒子の量は0.5質量部以上2.0質量部以下である。トナー粒子の表面から深さ1nmまでの範囲において、飛行時間型2次イオン質量分析法(TOF−SIMS:Time of Flight Secondary Ion Mass Spectrometry)による定量分析で測定される、上記離型剤(トナーコアに含有される離型剤)由来のフラグメントイオンのカウント数は、全ての正イオンのカウント数に対して1000ppm以上2000ppm以下である。トナー供給量100g/分、回転速度12000rpm、ブロワ風量6m3/分の条件での気流式分級処理後に測定されるトナーのシリカ遊離率は3.0%以上5.0%以下である。
熱可塑性樹脂の好適な例としては、スチレン系樹脂、アクリル酸系樹脂(より具体的には、アクリル酸エステル重合体又はメタクリル酸エステル重合体等)、オレフィン系樹脂(より具体的には、ポリエチレン樹脂又はポリプロピレン樹脂等)、塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ビニルエーテル樹脂、N−ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、又はウレタン樹脂が挙げられる。また、これら各樹脂の共重合体、すなわち上記樹脂中に任意の繰返し単位が導入された共重合体(より具体的には、スチレン−アクリル酸系樹脂又はスチレン−ブタジエン系樹脂等)を使用してもよい。
熱硬化性樹脂の好適な例としては、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、スルホンアミド系樹脂、グリオキザール系樹脂、グアナミン系樹脂、アニリン系樹脂、ポリイミド樹脂(より具体的には、マレイミド重合体又はビスマレイミド重合体等)、又はキシレン系樹脂が挙げられる。
(結着樹脂)
トナーコアでは、一般的に、成分の大部分(例えば、85質量%以上)を結着樹脂が占める。このため、結着樹脂の性質がトナーコア全体の性質に大きな影響を与えると考えられる。結着樹脂として複数種の樹脂を組み合わせて使用することで、結着樹脂の性質(より具体的には、水酸基価、酸価、Tg、又はTm等)を調整することができる。例えば、結着樹脂がエステル基、水酸基、エーテル基、酸基、又はメチル基を有する場合には、トナーコアはアニオン性になる傾向が強くなり、結着樹脂がアミノ基又はアミド基を有する場合には、トナーコアはカチオン性になる傾向が強くなる。
トナーコアは、着色剤を含有してもよい。着色剤としては、トナーの色に合わせて公知の顔料又は染料を用いることができる。トナーを用いて高画質の画像を形成するためには、着色剤の量が、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
離型剤は、例えば、トナーの定着性又は耐オフセット性を向上させる目的で使用される。トナー粒子の表層部に存在する離型剤の量を適量にするためには、トナーコア中の離型剤の量(複数種の離型剤を使用する場合には、それら離型剤の合計量)が、結着樹脂100質量部に対して、4質量部以上6質量部以下であることが好ましい。
トナーコアは、電荷制御剤を含有していてもよい。電荷制御剤は、例えば、トナーの帯電安定性又は帯電立ち上がり特性を向上させる目的で使用される。トナーの帯電立ち上がり特性は、短時間で所定の帯電レベルにトナーを帯電可能か否かの指標になる。
トナーコアは、磁性粉を含有していてもよい。磁性粉の材料としては、例えば、強磁性金属(より具体的には、鉄、コバルト、ニッケル、又はこれらの合金等)、強磁性金属酸化物(より具体的には、フェライト、マグネタイト、又は二酸化クロム等)、又は強磁性化処理(より具体的には、熱処理等)が施された材料を好適に使用できる。1種類の磁性粉を単独で使用してもよいし、複数種の磁性粉を併用してもよい。
例えば、液中でトナーコアとシェル材料(シェル層の材料)とを化学的に反応させることで、トナーコアの表面にシェル層が結合(化学的結合)する。シェル層は、粒状感のない膜であってもよいし、粒状感のある膜であってもよい。シェル材料として水溶性材料を使用して水性媒体中でシェル層を形成する場合、シェル層として、粒状感のない膜が形成されると考えられる。シェル材料として樹脂粒子を使用した場合、材料(樹脂粒子)が完全に溶けて膜状の形態で硬化すれば、シェル層として、粒状感のない膜が形成されると考えられる。他方、材料(樹脂粒子)が完全に溶けずに膜状の形態で硬化すれば、シェル層として、樹脂粒子が2次元的に連なった形態を有する膜(粒状感のある膜)が形成されると考えられる。例えば液中でトナーコアの表面に樹脂粒子を付着させて、液を加熱することで、樹脂粒子を溶かして膜化することができる。ただし、乾燥工程で加熱されて、又は外添工程で物理的な衝撃力を受けて、樹脂粒子の膜化が進行してもよい。シェル層全体が一体的に形成されるとは限らない。シェル層は、単一の膜であってもよいし、互いに離間して存在する複数の膜(島)の集合体であってもよい。
トナー母粒子の表面には、外添剤(詳しくは、複数の外添剤粒子を含む粉体)が付着している。詳しくは、トナー粒子は、外添剤としてシリカ粒子と樹脂粒子(詳しくは、スチレン−アクリル酸系樹脂の粒子)とを備える。例えば、トナー母粒子(粉体)と外添剤(粉体)とを一緒に攪拌することで、物理的な力でトナー母粒子の表面に外添剤が付着(物理的結合)する。なお、樹脂粒子を構成するスチレン−アクリル酸系樹脂中に添加剤が分散していてもよい。
以下、上記構成を有する本実施形態に係るトナーを製造する方法の一例について説明する。
好適なトナーコアを容易に得るためには、凝集法又は粉砕法によりトナーコアを作製することが好ましい。また、前述の基本構成を有するトナーを容易かつ適切に製造するためには、粉砕法によりトナーコアを作製することが特に好ましい。
まず、水性媒体(例えば、イオン交換水)を準備する。なお、水性媒体は、水を主成分とする媒体(より具体的には、純水、又は水と極性媒体との混合液等)である。水性媒体は溶媒として機能してもよい。水性媒体中に溶質が溶けていてもよい。水性媒体は分散媒として機能してもよい。水性媒体中に分散質が分散していてもよい。水性媒体中の極性媒体としては、例えば、アルコール(より具体的には、メタノール又はエタノール等)を使用できる。水性媒体の沸点は約100℃である。
(トナーコアの作製)
低粘度ポリエステル樹脂(Tg=38℃、Tm=65℃)750gと、中粘度ポリエステル樹脂(Tg=53℃、Tm=84℃)100gと、高粘度ポリエステル樹脂(Tg=71℃、Tm=120℃)150gと、離型剤(株式会社加藤洋行製「カルナウバワックス1号」、カルナバワックス)55gと、着色剤(DIC株式会社製「KET BLUE 111」、フタロシアニンブルー)40gとを、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製)を用いて回転速度2400rpmで混合した。
温度計及び攪拌羽根を備えた容量1Lの3つ口フラスコを、温度30℃のウォーターバスにセットした。続けて、フラスコ内に、イオン交換水875gと、アニオン界面活性剤(花王株式会社製「ラテムル(登録商標)WX」、成分:ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、固形分濃度:26質量%)75gとを入れた。その後、フラスコ内容物を攪拌しながら、ウォーターバスを用いてフラスコ内の温度を80℃に昇温させた。続けて、80℃のフラスコ内容物を攪拌しながら、2種類の液(第1の液及び第2の液)をそれぞれ5時間かけてフラスコ内に滴下した。第1の液は、スチレン14gと、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)4gと、アクリル酸ブチル2gとの混合液であった。第2の液は、過硫酸カリウム0.5gをイオン交換水30gに溶かした溶液であった。
樹脂微粒子(疎水性樹脂)のサスペンションB(固形分濃度10質量%)の調製方法は、第1の液及び第2の液の各々の滴下時間を5時間から7時間に変更した以外は、サスペンションAの調製方法と同じであった。得られたサスペンションBに含まれる樹脂粒子に関して、個数平均粒子径は42nmであった。サスペンションBに含まれる樹脂粒子をテトラヒドロフラン(THF)に投入したところ、樹脂粒子は、膨潤したが、溶解しなかった。
温度計及び攪拌羽根を備えた容量1Lの3つ口フラスコを準備し、フラスコ内に、イオン交換水500gと、ポリアクリル酸ナトリウム(東亞合成株式会社製「ジュリマー(登録商標)AC−103」)50gとを添加した。その結果、フラスコ内にポリアクリル酸ナトリウム水溶液が得られた。
上記のようにして得られたトナー母粒子の分散液を、ブフナー漏斗を用いてろ過(固液分離)した。その結果、ウェットケーキ状のトナー母粒子が得られた。その後、得られたウェットケーキ状のトナー母粒子をイオン交換水に再分散させた。さらに、分散とろ過とを5回繰り返して、トナー母粒子を洗浄した。
続けて、得られたトナー母粒子を、濃度50質量%のエタノール水溶液に分散させた。これにより、トナー母粒子のスラリーが得られた。続けて、連続式表面改質装置(フロイント産業株式会社製「コートマイザー(登録商標)」)を用いて、熱風温度45℃かつブロアー風量2m3/分の条件で、スラリー中のトナー母粒子を乾燥させた。その結果、乾燥したトナー母粒子(粉体)が得られた。
温度調節用のジャケットを備える容量10LのFMミキサー(日本コークス工業株式会社製)を用いて、表1に示す温度の水をジャケットに循環させながら、前述の手順で作製したトナー母粒子100質量部と、表1に示す量の正帯電性シリカ粒子(表面処理により正帯電性が付与されたシリカ粒子:日本アエロジル株式会社製「AEROSIL(登録商標)REA90」、個数平均1次粒子径:20nm)と、表1に示す量の樹脂粒子(日本ペイント・インダストリアルコーティングス株式会社製「ファインスフェア(登録商標)FS−102」、成分:非架橋スチレン−アクリル酸樹脂、個数平均1次粒子径:100nm、Tg:103℃、Tm:225℃)とを、回転速度2400rpmで5分間混合することにより、トナー母粒子の表面に外添剤(シリカ粒子及び樹脂粒子)を付着させた。例えば、トナーTA−1の製造では、トナー母粒子100質量部に対してシリカ粒子(AEROSIL REA90)1.5質量部と樹脂粒子(ファインスフェアFS−102)1.0質量部とを添加して、ジャケット温度20℃の条件で、それらを混合した。こうしたトナーTA−1の外添条件に対して、トナーTB−5の外添工程ではジャケット温度を20℃から10℃に変更し、トナーTB−6の外添工程ではジャケット温度を20℃から30℃に変更した。また、トナーTA−9の製造では、トナー母粒子100質量部に対してシリカ粒子(AEROSIL REA90)1.1質量部と樹脂粒子(ファインスフェアFS−102)1.0質量部とを添加して、ジャケット温度20℃の条件で、それらを混合した。
測定装置として、走査型プローブ顕微鏡(SPM)(株式会社日立ハイテクサイエンス製「多機能型ユニットAFM5200S」)を備えたSPMプローブステーション(株式会社日立ハイテクサイエンス製「NanoNaviReal」)を用いた。測定に先立ち、走査型電子顕微鏡(SEM)(日本電子株式会社製「JSM−6700F」)を用いて、試料(トナー)に含まれるトナー粒子のうち平均的なトナー粒子を選び、選ばれたトナー粒子を測定対象とした。
・測定探針:低バネ定数シリコンカンチレバー(オリンパス株式会社製「OMCL−AC240TS−C3」、バネ定数:2N/m、共振周波数:70kHz、背面反射コート材:アルミニウム)
・測定モード:DFM(ダイナミック・フォース・モード)
・測定範囲(1つの視野):1μm×1μm
・解像度(Xデータ/Yデータ):256/256
・Qゲイン:1倍
・走査周波数:1Hz
試料(トナー)に対して、試料から遊離シリカ粒子を取り除くための分級処理を行った。詳しくは、100TTSP型分級機(ホソカワミクロン株式会社製)を用いて、試料供給量100g/分、回転速度12000rpm、ブロワ風量6m3/分の条件で、試料(トナー)に対して気流式の分級処理を行った。
分析装置:走査型蛍光X線分析装置(株式会社リガク製「ZSX」)
X線管球(X線源):Rh(ロジウム)
励起条件:管電圧50kV、管電流50mA
測定領域(X線照射範囲):直径30mm
測定元素:Si(珪素)
飛行時間型2次イオン質量分析計(ION−TOF社製「IV型」)を用いて、1次イオン種Bi3+、加速電圧25kV、照射電流0.1pA、積算時間50秒、測定範囲100μm×100μm(表面領域:100μm角)、測定深さ1nmの条件で、試料(トナー)に含まれるトナー粒子の2次イオンマススペクトル(縦軸:検出強度(2次イオンカウント数)、横軸:質量数(=質量/電荷))を測定した。得られたマススペクトルに基づいて、測定された全ての正イオンのカウント数(IA)のうち、離型剤由来のフラグメントイオン(質量数:448)のカウント数(IB)が占める割合(=IB/IA)を求めた。試料(トナー)に含まれる10個のトナー粒子の各々について、上記のようにしてIB割合(=IB/IA)を測定し、得られた10個の測定値(IB割合)の算術平均値を、試料(トナー)の評価値(トナー粒子の表層部における離型剤存在量)とした。
各試料(トナーTA−1〜TA−12及びTB−1〜TB−12)の評価方法は、以下のとおりである。
試料(トナー)3gを容量20mLのポリエチレン製容器に入れて密閉し、密閉された容器を、50℃に設定された恒温槽内に3時間静置した。その後、恒温槽から取り出したトナーを室温(約25℃)まで冷却して、評価用トナーを得た。
W0=100×(W1−W2)/W1
現像剤用キャリア(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製の「FS−C5300DN」用キャリア)100質量部と、試料(トナー)10質量部とを、ボールミルを用いて30分間混合して、評価用現像剤(2成分現像剤)を調製した。
評価機として、カラープリンター(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「FS−C5300DN」)を用いた。上述のようにして調製した評価用現像剤を評価機の現像装置に投入し、評価機のトナーコンテナに試料(補給用トナー)を投入した。
上記評価機を用いて、温度25℃かつ湿度50%RHの環境下で、印字率10%の連続印刷を1万枚の紙(A4サイズの印刷用紙)に対して行った。連続印刷中、印刷開始から1000枚までは200枚ごとに、それ以降は1000枚ごとに、Q/mメーター(トレック社製「MODEL 210HS−1」)を用いて、下記方法により上記評価機の現像装置内のトナーの帯電量を測定した。
Q/mメーターの測定セルに現像剤(キャリア及びトナー)0.10gを投入し、投入された現像剤のうちトナーのみを篩(金網)を介して10秒間吸引した。そして、式「吸引されたトナーの総電気量(単位:μC)/吸引されたトナーの質量(単位:g)」に基づいて、現像剤中のトナーの帯電量(単位:μC/g)を算出した。
上記評価機を用いて、温度25℃かつ湿度50%RHの環境下で、印字率10%の連続印刷を10万枚の紙(A4サイズの印刷用紙)に対して行った。連続印刷後、ソリッド部を含むサンプル画像を評価用紙に印刷して、サンプル画像におけるソリッド部の画像濃度(ID)を測定した。画像濃度の測定には、反射濃度計(X−Rite社製「SpectroEye(登録商標)」)を用いた。画像濃度が1.3以上であれば○(良い)と評価し、画像濃度が1.1超1.3未満であれば△(普通)と評価し、画像濃度が1.1以下であれば×(悪い)と評価した。
上記評価機を用いて、温度25℃かつ湿度50%RHの環境下で、印字率10%の連続印刷を10万枚の紙(A4サイズの印刷用紙)に対して行った。連続印刷中、印刷開始から1000枚までは200枚ごとに、それ以降は1000枚ごとに、トナー載り量0.5mg/cm2の条件で、評価用紙(モンディ社製「ColorCopy(登録商標)」、A4サイズ、90g/m2)に未定着のソリッド画像を形成し、形成されたソリッド画像を目視で観察した。また、評価機の現像スリーブの表面を目視で観察した。そして、以下の基準で試料(トナー)の耐付着性を評価した。
○(良い):10万枚の連続印刷を通して、現像スリーブの表面にトナーによる着色が観察されず、かつ、ソリッド画像に画像欠陥が観察されなかった。
×(良くない):10万枚の連続印刷中のいずれかのタイミングで、現像スリーブの表面にトナーによる着色が観察されるか、又は、ソリッド画像に画像欠陥(例えば、縦すじ)が観察された。
上記評価機を用いて、ブレードクリーニング方式で感光ドラムをクリーニングしながら、連続して1000枚の紙(印刷用紙)に印字率8%の評価用画像を印刷した後、最後に印刷された紙について、画像汚れ(すじ模様など)の有無を目視で判定した。画像汚れが確認されなかった場合には○(良い)と評価し、画像汚れが確認された場合には×(悪い)と評価した。なお、感光ドラムでのブレードクリーニングが不十分であると、トナーのすり抜けなどに起因して、画像にすじ模様が現れることがある。
表3に、各試料(トナーTA−1〜TA−12及びTB−1〜TB−12)の評価結果(帯電性(平均):平均帯電量、帯電性(安定):帯電量差、耐熱保存性:トナー通過率、耐付着性:スリーブ固着の有無、クリーニング性:クリーニング不良の有無、現像性:画像濃度)をまとめて示す。
Claims (6)
- トナー母粒子と、前記トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを備えるトナー粒子を、複数含む静電潜像現像用トナーであって、
前記トナー粒子は、前記外添剤として、シリカ粒子と樹脂粒子とを備え、
前記樹脂粒子は、実質的にスチレン−アクリル酸系樹脂から構成され、
前記トナー母粒子は、結着樹脂及び離型剤を含有するコアと、前記コアの表面を覆うシェル層とを備え、
前記コアの表面領域のうち60%以上80%以下の面積を前記シェル層が覆っており、
前記トナー母粒子100質量部に対して、前記シリカ粒子の量は1.0質量部以上2.0質量部以下であり、前記樹脂粒子の量は0.5質量部以上2.0質量部以下であり、
前記トナー粒子の表面から深さ1nmまでの範囲において、飛行時間型2次イオン質量分析法による定量分析で測定される、前記離型剤由来のフラグメントイオンのカウント数は、全ての正イオンのカウント数に対して1000ppm以上2000ppm以下であり、
トナー供給量100g/分、回転速度12000rpm、ブロワ風量6m3/分の条件での気流式分級処理後に測定されるシリカ遊離率は3.0%以上5.0%以下である、静電潜像現像用トナー。 - 前記シリカ粒子の個数平均1次粒子径は0.01μm以上0.10μm以下であり、前記樹脂粒子の個数平均1次粒子径は0.05μm以上0.20μm以下である、請求項1に記載の静電潜像現像用トナー。
- 前記シェル層の厚さは30nm以上60nm以下である、請求項1又は2に記載の静電潜像現像用トナー。
- 前記シェル層は、1種以上のスチレン系モノマーと1種以上のアクリル酸系モノマーとの共重合体を含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の静電潜像現像用トナー。
- 前記シェル層は、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、又はメタクリル酸2−ヒドロキシプロピルに由来する1種以上のアルコール性水酸基を有する樹脂を含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の静電潜像現像用トナー。
- 前記コアは、前記結着樹脂として、異なる軟化点を有する複数種のポリエステル樹脂を含有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の静電潜像現像用トナー。
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