JP2014202932A - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

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JP2014202932A JP2013079294A JP2013079294A JP2014202932A JP 2014202932 A JP2014202932 A JP 2014202932A JP 2013079294 A JP2013079294 A JP 2013079294A JP 2013079294 A JP2013079294 A JP 2013079294A JP 2014202932 A JP2014202932 A JP 2014202932A
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氷 朱
Bing Chu
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理 内野倉
政樹 渡邉
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政樹 渡邉
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Tomoo Kubo
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Abstract

【課題】保管性が高く、離型性も良好で、部材汚染を抑制し、複数枚印刷後でも帯電低下が発生しないトナーを提供すること。【解決手段】少なくとも結着樹脂、離型剤を含み、結着樹脂にはポリエステルを用いており、最表層ワックス量が0.005-0.100wt%であり、表面ワックス量が0.01-0.19wt%であることを特徴とする乾式静電荷像現像用トナー。【選択図】図1

Description

本発明は、静電荷像現像用トナーに関する。
一般に、乾式のトナー像を記録媒体に定着させる方法としては、平滑な表面を持ったローラやベルトを加熱し、トナーと圧着する接触加熱定着方法が多用されている。このような方法は、熱効率が高く、高速定着が可能であり、トナー像、特にカラートナー像に、光沢や透明性を与えることが可能である反面、加熱定着部材の表面と溶融状態のトナーとを加圧下で接触させた後、剥離するために、トナー像の一部が定着ローラ表面に付着して別の画像上に転移する、いわゆるオフセット現象が生じ、また、二成分系現像剤の場合にはキャリア粒子へのフィルミング現象を生じる。モノクロトナーの場合も程度の差こそあれ、同様である。すなわち、モノクロ画像形成の場合も、迅速化、省エネ化、かつ高解像度化の要求に答えるべく、低温定着性樹脂を用いた小粒径トナーが採用される傾向にある。
このようなオフセット現象を防止することを目的として、離型性に優れたシリコーンゴムやフッ素樹脂で定着ローラの表面を形成し、さらにその定着ローラ表面にシリコーンオイル等のトナー固着防止用オイルを塗布する方法が一般に採用されている。しかしながら、このような方法は、トナーのオフセットを防止する点ではきわめて有効であるが、オイルを供給するための装置が必要であり、定着装置が大型化するという問題がある。
このため、モノクロ画像形成では、溶融したトナーが内部破断しないように、溶融時の粘弾性が大きく、離型剤を含有するトナーを用いることにより、定着ローラにオイルを塗布しないオイルレスシステム、或いはオイルの塗布量を微量とするシステムが採用される傾向にある。
一方、フルカラー画像形成においても、モノクロ画像形成と同様に、定着装置の小型化、構成の簡素化の目的で、オイルレスシステムが採用される傾向がある。しかしながら、フルカラー画像形成では、定着されたトナー像の表面を平滑にするために、溶融時のトナーの粘弾性を低下させる必要があるため、光沢のないモノクロ画像形成の場合よりもオフセットが発生しやすく、オイルレスシステムの採用が困難になる。モノクロ画像形成の場合も、迅速化、省エネ化、かつ高解像度化の要求に答えるべく、低温定着性樹脂を用いた小粒径トナーが採用される傾向にある点に変わりはない。
トナー粒子中に離型剤を含有させることは従来公知である。しかし、離型剤を含有するトナーを用いると、常温保存時の保存性が低下し、かつトナーの付着性が高まる。また使用時(画像形性時)には記録媒体への転写性が低下し、かつ、トナー粒子の付着性増加に伴って機内の部材汚染が増大する。さらに、トナーのフィルミングが発生して、帯電性が低下することにより、耐久性が低下するという問題がある。つまり、トナー粒子中に離型剤を含有させることによる功罪を勘案することが重要になる。
特許文献1の特開2012-163774号公報には、動性、定着時の紙の離型性、転写効率等に優れ、且つ転写残トナーが少なく高品位な画像が得られるトナーを提供するため、トナー材料として結着樹脂、着色剤及び炭化水素系離型剤(ワックス)を含む母体粒子と、外添剤とからなる静電荷像現像用トナーであって、前記ワックスの吸熱開始温度が35〜65℃であり、及び前記母体粒子はトナー材料を有機溶媒に溶解又は分散して油相を調製し、前記油相を水系媒体中で乳化又は分散させて乳化又は分散液を作成し、前記乳化又は分散液から有機溶媒を除去し、前記有機溶媒除去後に前記ワックスの吸熱開始温度以上の温度で加熱して得られ、かつFTIR−ATR法により求められる2850cm−1のピークと828cm−1のピークとの強度比(P2850/P828)が0.01〜0.20であり、及び母体粒子中の分散径1μm以上のワックスがワックス全体の2〜20質量であるトナーが提案されている。
また、特許文献2の特開2009-175712号公報には、トナー粉体流動性、低温定着性、及び定着時の耐オフセット性を向上させるため、非結晶性ポリエステル樹脂と、結晶性ポリエステル樹脂と、離型剤と、を含み、トナー中における前記離型剤の含有量が5質量%以上15質量%以下であり、前記トナーの表面離型剤存在比率が10質量%以上35質量%以下であり、前記トナーの示差走査熱量測定の昇温工程において、45℃以上60℃以下の範囲内、65℃以上80℃以下の範囲内、及び85℃以上100℃以下の範囲内に、それぞれ少なくとも1つ以上の吸熱ピークが得られる、静電荷像現像用トナー、が記載されている。
しかしながら、離型剤量および表面離型剤量を規定しても、離型性と保存性と部材汚染とを抑えることは難しく、最表面に露出している離型剤により保管性の低下や機内汚染を発生させたり、表面の離型剤を減らしすぎて離型性を悪くさせたりする。
したがって、本発明の目的は、上記従来技術に鑑みて、保管性が高く、離型性も良好で、部材汚染を抑制し、複数枚印刷後でも帯電低下が発生しないトナーを提供することにある。
本発明者等は、トナーにおいて、離型剤(典型的には例えばワックス)を、その所期の機能を充分に発揮させ、かつ前記弊害を抑制したトナーを実現するには、該ワックスを結着樹脂中に完全に相溶したものとせず、微細な塊として分散状態で存在させたトナーを実現すべきこと、しかしそのための多量のワックス使用は、むしろ弊害が顕著になり易くかつこれを抑制するのかなり大変であること、また、限られたワックス塊の量を、トナー粒子の内部全体に亘って均一に分散させるのではなく粒子の表面近傍付近に高濃度でかつムラなく存在させ、かつその反面、トナー粒子表面への露出は可及的に避けたトナーを実現することを目途として、鋭意検討を重ねた結果、本発明に到達した。
而して、上記の課題は、少なくともポリエステル結着樹脂、離型剤を含むトナーであり、最表層離型剤量が0.001-0.100%であること、表面離型剤量が0.01-0.20であることを特徴とすることで低温定着性を維持したまま、保管性が高く、離型性も良好で、機内汚染を抑制し、複数枚印刷後でも帯電低下が発生しないトナー、により解決される。
すなわち、本発明は、以下に記載するとおりの乾式静電荷像現像用トナー、乾式静電荷像現像剤およびプロセスカートリッジに係わる。
(1)「少なくとも結着樹脂、離型剤を含み、結着樹脂にはポリエステルを用いており、最表層ワックス量が0.005-0.100wt%であり、表面ワックス量が0.01-0.19wt%であることを特徴とする乾式静電荷像現像用トナー。」
(2)「GPCによるTHF可溶成分の平均分子量がMw3000-11000であり、さらに分子量Mw 200-500の低分子量成分のピーク面積が全体の3.0%以下であることを特徴とする前記(1)に記載の乾式静電荷像現像用トナー。」
(3)「以下により定義される補助ポリエステルを3−20wt%含むことを特徴とする前記(1)または(2)に記載の乾式静電荷像現像用トナー;
補助ポリエステル:数平均分子量3000−5000
重量平均分子量20000−60000
酸モノマーが、脂肪族ジカルボン酸を10wt%以上含む。」
(4)「結晶性ポリエステル樹脂を含むことを特徴とする前記(1)乃至(3)のいずれかに記載の乾式静電荷像現像用トナー。」
(5)「離型剤の分子量が550-700であることを特徴とする前記(1)乃至(4)のいずれかに記載の乾式静電荷像現像用トナー。」
(6)「顔料を含むことを特徴とする前記(1)乃至(5)のいずれかに記載の乾式静電荷像現像用トナー。」
(7)「画像形成装置に用いられる現像剤が、前記(1)乃至(6)のいずれかに記載の乾式静電荷像現像用トナーを含む現像剤である画像形成用現像剤。」
(8)「画像形成装置に用いられ、像担持体と、帯電手段、現像手段、クリーニング手段のうちの少なくとも現像手段とを一体に有し、画像形成装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジであって、前記現像手段において用いられるトナーが前記(1)乃至(6)のいずれかに記載の乾式静電荷像現像用トナーであるプロセスカートリッジ。」
以下の詳細かつ具体的な説明からより明らかなように、表面に離型剤を配置するかつ、最表層に露出した離型剤量を規定することで、離型性と保存性と機内汚染防止を両立できる。今までのトナーは最表層離型剤に関して十分に検討・規定できていなかった。また離型剤分散が十分はなくどうしても表面に出やすかった。作業工程を工夫することで上記請求項のような配置のトナーを作成することに成功するという極めて優れた効果を奏するものである。
本発明を適用した画像形成装置の概略正面図である。 図1に示した画像形成装置に備えられた定着装置に用いられている定着ベルトの概略正断面図である。
(トナー)
本発明のトナーは、前記のように、最表層離型剤量が0.001-0.100%であること、表面離型剤量が0.01-0.20であることを特徴とするものであるが、本発明における「最表層離型剤量」は、ガリウムイオンで加速電圧15KvのTOF-SIMS法によるものである。また、「表面ワックス量」は、FTIR−ATR法によるものである。FTIR−ATR法で測定する場合,光の潜り込み深さに寄与するファクターdpは、次の計算式[1]で示され、(i)波数、(ii)入射角度、(iii)屈折率、であることが知られている。
Figure 2014202932
(ここで、θは赤外光の入射角,n1,n2はそれぞれプリズムと試料の屈折率,λ1はプリズム中の波長(λ1=λ/n1 , λ は空気中の波長)。)
本発明で使用したゲルマニウム(Ge)結晶の屈折率は4.0、試料の屈折率は一般的な有機材料の屈折率1.5、赤外線の入射角41.5°、ワックス由来のピークは2850cm-1付近のメチレン基伸縮振動由来のピークとし、樹脂由来のピークは828cm−1付近に現れるポリエステル樹脂由来のピークとした。詳細については後述する。
本発明のトナーとしては、少なくとも結着樹脂、離型剤から構成されていることを必須とする。該結着樹脂にはポリエステル樹脂が好適に用いられる(ただし例えば、マスターバッチ作製時に用いる着色料混錬分散のための比較的高粘度の樹脂の混入等、他の樹脂との併用を妨げない)。なお、トナーには、流動性や現像性、帯電性を補助するため必要に応じて、外添剤を添加したり、帯電制御剤を添加したりしてもよい。
(母体樹脂)
母体樹脂としては、ポリエステル樹脂を用いる。異なるポリエステル樹脂が化学的に結合したハイブリッド樹脂を使用してもよい。さらに、樹脂の末端もしくは側鎖に反応性官能基を導入し、トナーの製造過程において結合させることにより伸長させてもよい。
母体樹脂としては、有機溶媒に少なくとも一部は溶解するようなものを用いるが、その酸価は2〜24mgKOH/gであるのが好ましい。酸価が24mgKOH/gを超える場合、水相への移行が起こりやすくなり、その結果製造の過程で物質収支にロスが発生してしまう、あるいは油滴の分散安定性が悪化してしまうなどの問題が発生しやすくなる。またトナーの水分吸着性が高まり、帯電能力の低下だけでなく、高温高湿環境での保存性が悪化する。一方、酸価が2mgKOH/g未満になると、樹脂の極性が低くなるため、均一に分散することが難しくなる。本発明においてはポリエステル樹脂を少なくとも1種類以上含む必要がある。ポリエステル骨格を有する樹脂としては、ポリエステル樹脂や、ポリエステルと他の骨格を有する樹脂とのブロックポリマーがあるが、ポリエステル樹脂を用いたほうが得られるトナーの均一性が高く好ましい。ポリエステル樹脂としては、ラクトン類の開環重合物、ヒドロキシカルボン酸の縮重合物、ポリオールとポリカルボン酸との重縮合物などが挙げられ、設計の自由度の観点からポリオールとポリカルボン酸との重縮合物が好ましい。ポリエステル樹脂のピーク分子量は、通常1000〜30000、好ましくは1500〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。1000未満では耐熱保存性が悪化し、30000を超えると静電潜像現像用トナーとしては低温定着性が悪化する。また、ポリエステル樹脂のガラス転移温度は45〜70℃、好ましくは50〜65℃の範囲にあるのが良い。トナー、またはトナーカートリッジの輸送中は40℃90%の高温高湿環境が想定され、得られたトナーが一定圧力下に置かれたときに変形する、あるいはトナー同士がくっついてしまい本来の粒子としての振る舞いができなくなる可能性があるため45℃以下は好ましくない。また70℃を超えるような場合、低温定着性が悪化するため好ましくない。
<ポリオール>
ポリオール(1)としては、ジオール(1−1)と3価以上のポリオール(1−2)が挙げられ、(1−1)単独、または(1−1)と少量の(1−2)の混合物が好ましい。ジオール(1−1)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;3,3′−ジフルオロ−4,4′−ジヒドロキシビフェニル、等の4,4′−ジヒドロキシビフェニル類;ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1−フェニル−1,1−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(別名:テトラフルオロビスフェノールA)、2,2−ビス(3−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン等のビス(ヒドロキシフェニル)アルカン類;ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エーテル等のビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル類;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上のポリオール(1−2)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
<ポリカルボン酸>
ポリカルボン酸(2)としては、ジカルボン酸(2−1)と3価以上のポリカルボン酸(2−2)が挙げられ、(2−1)単独、または(2−1)と少量の(2−2)の混合物が好ましい。ジカルボン酸(2−1)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルキレンジカルボン酸(マレイン酸、フマル酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)、3−フルオロイソフタル酸、2−フルオロイソフタル酸、2−フルオロテレフタル酸、2,4,5,6−テトラフルオロイソフタル酸、2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸、5−トリフルオロメチルイソフタル酸、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2'−ビス(トリフルオロメチル)−4,4′−ビフェニルジカルボン酸、3,3'−ビス(トリフルオロメチル)−4,4′−ビフェニルジカルボン酸、2,2'−ビス(トリフルオロメチル)−3,3′−ビフェニルジカルボン酸、ヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸無水物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルキレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価以上のポリカルボン酸(2−2)としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、ポリカルボン酸(2)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いてポリオール(1)と反応させてもよい。ポリオールとポリカルボン酸の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/2、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.3/1〜1/1.3である。
<変性樹脂>
また、得られるトナーの力学的強度を高めたり、定着時における高温オフセットを防止したりする目的で、油相中に末端にイソシアネート基を有する変性樹脂を溶解してトナーを得ても良い。変性樹脂を得る方法としては、イソシアネートを含有するモノマーとともに重合反応をしてイソシアネート基を有する樹脂を得る方法、末端に活性水素を有する樹脂を重合して得た後、ポリイソシアネートと反応させることでポリマー末端にイソシアネート基を導入する方法などが挙げられるが、末端にイソシアネート基を導入するという制御性から後者の方法が好ましく採用されうる。活性水素としては、水酸基(アルコール性水酸基およびフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基である。変性樹脂の骨格としては、粒子の均一性を考慮すると有機溶媒に溶解する樹脂と同じものを用いるのが好ましく、ポリエステル骨格を有するものが良い。アルコール性水酸基をポリエステルの末端に有する樹脂を得る方法としては、ポリオールとポリカルボン酸との重縮合において、ポリオールの官能基数をポリカルボン酸の官能基数よりも多めにして重縮合反応を行えばよい。
<アミン化合物>
変性樹脂のイソシアネート基は、水相中で油相を分散させ粒子を得る過程で加水分解をして一部はアミノ基となり、生成したアミノ基は未反応のイソシアネート基を反応していき、伸長反応が進行していく。上記の反応以外にも伸長反応を確実に反応させる、もしくは架橋点を導入する目的で、アミン化合物を併用することができる。アミン化合物(B)としては、ジアミン(B1)、3価以上のポリアミン(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、および(B1)〜(B5)のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。ジアミン(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4′ジアミノジフェニルメタン、テトラフルオロ−p−キシリレンジアミン、テトラフルオロ−p−フェニレンジアミンなど);脂環式ジアミン(4,4′−ジアミノ−3,3′ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ドデカフルオロヘキシレンジアミン、テトラコサフルオロドデシレンジアミンなど)などが挙げられる。3価以上のポリアミン(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。(B1)〜(B5)のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記(B1)〜(B5)のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、(B1)および(B1)と少量の(B2)の混合物である。アミン類(B)の比率は、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の数がイソシアネート基を有するプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]の数の4倍以下、好ましくは2倍以下、より好ましくは1.5倍以下、さらに好ましくは1.2倍以下である。4倍を超えると、過剰のアミノ基がイソシアネートをブロックしてしまい変性樹脂の伸長反応が起きないため、ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
<有機溶剤>
トナー作成に用いる有機溶剤は、沸点が100℃未満の揮発性であることが、後の溶剤除去が容易になる点から好ましい。このような有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。有機溶媒中に溶解あるいは分散させる樹脂がポリエステル骨格を有する樹脂である場合、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系の溶媒もしくはメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系の溶媒を用いたほうが溶解性は高く好ましく、このなかでは溶媒除去性の高い酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトンが特に好ましい。
<水系媒体>
トナー作成に用いる水系媒体としては、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用することもできる。混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などが挙げられる。
<界面活性剤>
水系媒体中に油相を分散させて液滴を作成するために界面活性剤が用いられる。界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどの陰イオン界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムベタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。
好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸、及び、その金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。また、カチオン性界面活性剤としては、フルオロアルキル基を有する脂肪族1級、2級もしくは2級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩などが挙げられる。
<無機分散剤>
上記水系媒体中に、トナー組成物の溶解物または分散物を、無機分散剤または樹脂微粒子の存在する中分散させてもよい。無機分散剤としては、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ハイドロキシアパタイトなどが用いられる。分散剤を用いたほうが、粒度分布がシャープになるとともに分散が安定である点で好ましい。
<保護コロイド>
高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの窒素原子、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフエニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。なお、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、微粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
<着色剤>
トナーには着色剤が含まれていても良い。着色剤としては公知の染料及び顔料が使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。
(外添剤)
トナー流動性や現像性、帯電性を補助するため、必要に応じて外添剤を添加してもよい。外添剤としては、公知の無機微粒子および高分子系微粒子を用いることができる。この外添剤の一次粒子径は、5nm〜2μmであることが好ましく、特に5nm〜500nmであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m/gであることが好ましい。この外添剤の使用割合は、トナーの0.01〜5重量%であることが好ましく、特に0.01〜2.0重量%であることが好ましい。無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。高分子系微粒子としては、例えばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロン(登録商標)などの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。このような流動化剤は表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。例えばシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが好ましい表面処理剤として挙げられる。
(離型剤)
本発明では定着離型性を高める目的でエステル系離型剤をトナー中に含有させる。離型剤としては、ワックスやシリコーンオイルなどの、定着プロセスで加熱されたときに十分に粘度が低く、かつ着色樹脂粒子のほかの物質とも定着部材表面に相溶あるいは膨潤しにくい物質が使用され、トナーそのものの保存安定性を考えると、通常保管時に着色樹脂粒子中で固体として存在するワックスを用いるのか好ましい。ワックスとしては、長鎖炭化水素、エステル系ワックスなどがあり、本発明ではエステル系ワックスを用いる。エステル系ワックスとしては、ポリアルカン酸エステル(カルナウバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレートなど);ポリアルカノールエステル(トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなど);ポリアルカン酸アミド(エチレンジアミンジベヘニルアミドなど);ポリアルキルアミド(トリメリット酸トリステアリルアミドなど);およびジアルキルケトン(ジステアリルケトンなど)などが挙げられる。離型剤は着色樹脂粒子中に2〜25重量%、好ましくは3〜20重量%、より好ましくは4〜15重量%含まれているのが良い。2重量%未満であると、定着離型性向上効果が発揮できず、また25重量%を超えると着色樹脂粒子の機械強度が低下する。
(帯電制御剤)
帯電性を補助するため帯電制御剤を含んでいても良い。帯電制御剤は公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、四級アンモニウム塩(フッ素変性四級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩、カリックスアレーン誘導体、等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、E-108、E-304(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。カリックスアレーン誘導体としては構成単位がフェノールの誘導体であるものを含め、公知のものが使用でき、例えば構成単位としては、フェノール系誘導体、レゾルシノール系誘導体、ピロガロール系誘導体などの誘導体や、ピロール系誘導体、チオール系誘導体などの複素環式五員環芳香族化合物系誘導体等である。それぞれ、一般にカリックスアレーン、レゾルシンアレーン、ピロガロールアレーン、カリックスピロール、カリックスチオールなどと呼ばれるが、本文中ではこれら誘導体全て包括してカリックスアレーンと呼ぶこととする。カリックスアレーンの構成単位の数として制限はないが、分散性、溶解性の観点より、4〜16、好ましくは4〜8が良い。カリックスアレーンにはいくつかの立体配座を取るが、コーン型、または全てのオルタネート型を問わない。帯電制御剤はその性能を発現し定着性などへの阻害がない範囲の量で用いられればよく、トナー中に0.1〜5重量%、好ましくは0.8〜3重量%含まれるのが良い。
<結晶性ポリエステル樹脂>
低温定着性を向上させるために結晶性ポリエステルを含んでもよい。結晶性ポリエステルも前述のポリオールとポリカルボン酸の重縮合物として得られるが、ポリオールとしては脂肪族ジオールが好ましく具体的にはエチレングリコール、1, 2-プロピレングリコール、1, 3-プロピレングリコール、1, 4-ブタンジオール、1, 5-ペンタンジオール、1, 6-ヘキサンジオール、1, 7-ヘプタンジオール、1, 8-オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、1, 4-ブテンジオール等が挙げられ、その中でも1, 4-ブタンジオール、1, 6-ヘキサンジオールや1, 8-オクタンジオールが好ましく、さらに好ましくは1, 6-ヘキサンジオールである。
ポリカルボン酸としてはフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸や炭素数2〜12の脂肪族カルボン酸が好ましいが、結晶化度を高くするためには脂肪族カルボン酸がより好ましい。なお、結晶性樹脂と非結晶性樹脂とは熱特性で判別される。 結晶性樹脂は、例えばDSC測定においてワックスのように明確な吸熱ピークを有する樹脂を指す。 一方、非結晶性樹脂はガラス転移に基づく緩やかなカーブが観測される。
(トナーの製造方法について)
トナーの製造方法は、特に限定されないが、溶解懸濁法、懸濁重合法、乳化凝集法等の公知の湿式造粒法、粉砕法などが挙げられる。ただし、本発明における前記最表層離型剤量及び表層離型剤量を簡単かつ確実に達成するには、粉砕法よりも、溶解懸濁法、懸濁重合法、乳化凝集法等の公知の湿式造粒法(所謂「ケミカルトナー製造法」)の方が好都合である。粉砕法によるトナーは、ワックスが粉砕操作により生じた劈面に出現することが知られている。また、粒径制御や形状制御のしやすさからも、溶解懸濁法、乳化凝集法(乳化重合法)が好ましい。また、金属塩を添加することも付着・融着を促す上で有効である。
そして、これに限る訳ではないが、例えばケミカル法、特に水性液中に分散又は乳化した結着樹脂分含有液(油相)の油滴からなるO/W型エマルジョン中から該油滴分を固化させてトナー母体粒子を造粒するタイプのケミカル法、において、該水性液(水相)に微細状態に分散させたワックス粒子を、各材料相互間の親水性−新油性(吸引性−排斥性)の性質差を利用して、該水性液相側から前記油滴方向に移動させ該油滴中に取込ませ(母体粒子の表面内部まで侵入固定させ)ることにより作成することができる。代わりに、ワックスを液滴となる油相中に最初に分散したものを用いてもよい。
その際、本発明における前記最表層離型剤量及び表層離型剤量を満たすトナーと、満たさないトナーを作り分けるには、樹脂とワックスの親和性が適度に高いことが条件となる。官能基の比率により、両者の親和性をコントロールすることができる。例えば、離型剤と樹脂を予め溶媒中で混ぜ、十分に加熱を保持してからトナー化することでワックスの母体粒子中での位置制御が行える。
また、O/W型エマルジョンの分散操作時間や、温度、水相のHLB値の調節、造粒((液滴固化)のタイミング、液滴の合体化回避のための濃度等、を調整することによって、ワックスの母体粒子中での位置制御を行うことができる。
(油相作成工程)
有機溶媒中に樹脂などを溶解あるいは分散させた油相を作成する方法としては、有機溶媒中に攪拌をしながら樹脂などを徐々に添加していき、溶解あるいは分散させればよい。有機溶媒中で、必要に応じて分散助剤を添加し、離型剤、帯電制御剤を湿式で分散を行い、ウエットマスターを得ることが望ましい。さらに別の手段として、有機溶媒の沸点未満で溶融するようなものを分散するのであれば、有機溶媒中で、必要に応じて分散助剤を添加し、分散質とともに攪拌しながら加熱を行い、一旦溶解させた後、攪拌もしくはせん断しながら冷却を行うことによって晶析を行い、分散質の微結晶を生成させる方法を行っても良い。以上の手段を用いて分散された離型剤、帯電制御剤は、有機溶媒中に樹脂とともに溶解あるいは分散された後、さらに分散を行っても良い。分散に際しては公知のビーズミルやディスクミルなどの分散機を用いることができる。
(トナー母体作製工程)
水系媒体中に前述の工程で得られた油相を分散させ、油相からなるトナー母体が分散した分散液を作成する方法としては、特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。5分を超えて分散を行うと、望ましくない小径の粒子が残存してしまったり、分散が過分散状態になって系が不安定になり凝集体や粗大粒子が発生したりすることがあるので好ましくない。分散時の温度としては、通常、0〜40℃、好ましくは10〜30℃である。40℃を超えると分子運動が活発になることから分散安定性が低下し凝集体や粗大粒子が発生しやすくなるため好ましくない。また、0℃未満になると分散体の粘度が高くなり、分散に必要なせん断エネルギーが増大するため製造効率が低下する。界面活性剤として、溶媒を含む油滴を効率よく分散するためには、HLB値が高めのジスルホン酸塩のものが好ましい。界面活性剤は、水系媒体中での濃度が1〜10重量%、好ましくは2〜8重量%、より好ましくは3〜7重量%の範囲にあるのが良い。10重量%を超えると、油滴が小さくなりすぎたり、逆ミセル構造を形成して逆に分散安定性が低下して油滴の粗大化が発生したりするため好ましくない。また1重量%未満では油滴の分散を安定に行うことができずに油滴が粗大化してしまうため好ましくはない。帯電制御剤は、油相に予め分散させた状態で添加しておくことが望ましい。
<脱溶剤工程>
得られた樹脂分散体から有機溶剤を除去するためには、系全体を攪拌しながら徐々に昇温し、液滴中の有機溶剤を完全に蒸発除去する方法を採用することができる。あるいはまた、得られた樹脂分散体を攪拌しながら乾燥雰囲気中に噴霧して、液滴中の有機溶剤を完全に除去することも可能である。もしくは、樹脂分散体を攪拌しながら減圧し、有機溶媒を蒸発除去しても良い。後の2つの手段は、最初の手段と併用することも可能である。乳化分散体が噴霧される乾燥雰囲気としては、空気、窒素、炭酸ガス、燃焼ガス等を加熱した気体、特に使用される最高沸点溶媒の沸点以上の温度に加熱された各種気流が一般に用いられる。スプレードライヤー、ベルトドライアー、ロータリーキルンなどの短時間の処理で十分、目的とする品質が得られる。
<熟成工程>
末端にイソシアネート基を有する変性樹脂を添加している場合は、イソシアネートの伸長・架橋反応を進めるために熟成工程を行っても良い。熟成時間は通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜65℃、好ましくは35〜50℃である。
<洗浄工程>
上記の方法で得られたトナーの分散液には、副材料が含まれているため、これからかトナーのみを取り出すために洗浄を行う。トナーの洗浄方法としては、遠心分離法、減圧濾過法、フィルタープレス法などの方法があるが、特に限定されるものではない。いずれの方法によっても、トナーと10倍等量の水を混合させた際の溶液のイオン伝道度が10 μS/cm以下になるようにトナー洗浄する必要がある。この洗浄に用いる水系溶媒は水あるいは水にメタノール、エタノールなどのアルコールを混合した混合溶媒を用いるが、コストや排水処理などによる環境負荷を考えると、水を用いるのが好ましい。
<乾燥工程>
洗浄されたトナーは水系媒体を多く抱き込んでいるため、乾燥を行い、水系媒体を除去することでトナーのみを得ることができる。乾燥方法としては、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動槽乾燥機、回転式乾燥機、攪拌式乾燥機などの乾燥機を使用することができる。乾燥されたトナーは最終的に水分が1%未満になるまで乾燥を行うのが好ましい。また、乾燥後のトナーは軟凝集をしており使用に際して不都合が生じる場合には、ジェットミル、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、コーヒーミル、オースターブレンダー、フードプロセッサーなどの装置を利用して解砕を行い、軟凝集をほぐしても良い。
(トナーの粒径について)
本発明のトナーにおいては、なるべく均一な粒子径であることが望ましい。トナーの体積平均粒径が3〜9μm、好ましくは4〜7μmの範囲にあることが好ましい。3μm未満ではトナー付着力が相対的に増大し、電界によるトナー操作性が落ちるため好ましくない。また、9μmを超える場合は、細線の再現性など画像品位が低下する。また、前記トナーの体積平均粒径と個数平均粒径の比(体積平均粒径/個数平均粒径)は、1.25以下が好ましく、1.20以下がより好ましく、1.17以下がさらに好ましい。1.25を超えると、繰り返し使用するうちに粒径の大きなトナーもしくは場合によっては小さなトナーが消費され、現像装置内に残存するトナーの平均粒径が変化するため、残存したトナーを現像するための最適な現像条件がずれてしまい、その結果、帯電不良、搬送量の極端な増加もしくは減少、トナー詰まり、トナーこぼれなど諸現象が発生しやすくなる。トナー粒子の粒度分布の測定装置としては、コールターカウンターTA−IIやコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)が挙げられる。以下に測定方法について述べる。まず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、さらに測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子またはトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの体積平均粒径(D4)、個数平均粒径(D1)を求めることができる。チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上ないし40.30μm未満の粒子を対象とする。
(トナーの形状について)
トナーの平均円形度は0.930〜0.990、好ましくは0.950〜0.980、さらに好ましくは0.960〜0.970とするのがよい。平均円形度が0.930未満であると、トナーの流動性が低いため現像における不具合を起こしやすく、また転写効率も低下する。円形度が0.990を超えると、クリーニング不良を引き起こしやすくなるので好ましくない。トナーの平均円形度は、フロー式粒子像分析装置FPIA−3000により測定される。具体的な測定方法としては、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスフォン酸塩を0.1〜0.5ml加え、さらに測定試料を0.1〜0.5g程度加える。試料を分散した懸濁液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、分散液濃度を3,000〜1万個/μlとして前記装置によりトナーの形状および分布を測定することによって得られる。湿式造粒法で製造されたトナーの場合、イオン性のトナー構成材料が表面近傍に偏在するため、トナー表層が比較的低抵抗となる結果、トナーの帯電速度が大きくなり帯電立ち上がり性が向上するが、帯電保持性が乏しく、即ちトナー電荷量が急速に減衰しやすいという問題を有する。これを改善するために、例えば表面改質材をトナー表面に担持させる方法が挙げられる。
(固形分濃度測定)
油相の固形分濃度の測定は以下のようにして行った。あらかじめ質量が正確に秤量されたアルミ皿(1〜3g程度)の上に、油相2g程度を30秒以内に乗せ、乗せた油相の質量を正確に秤量する。これを150℃のオーブンに1時間入れ溶媒を蒸発させた後、オーブンから取り出し放置冷却し、アルミ皿と油相固形分を合わせた質量を電子天秤で測定する。アルミ皿と油相固形分を合わせた質量からアルミ皿の質量を引いて油相固形分の質量を算出し、それを乗せた油相の質量で除して油相の固形分濃度を算出する。また、油相中の固形分に対する溶媒の量の割合は、油相の質量から油相固形分の質量を引いた値(溶媒の質量)を油相固形分の質量で除した値である。
(酸価測定)
樹脂の酸価はJIS K1557−1970に準じて測定される。具体的な測定方法を以下に示す。試料の粉砕品約2gを精秤する(W(g))。200mlの三角フラスコに試料を入れ、トルエン/エタノール(2:1)の混合溶液100mlを加え、5時間溶解した後、指示薬としてフェノールフタレイン溶液を加える。0.1規定の水酸化カリウムアルコール溶液を用いて上記溶液をビュレットを用いて滴定する。この時のKOH溶液の量をS(ml)とする。ブランクテストをし、この時のKOH溶液の量をB(ml)とする。
次式により酸価を計算する。
酸価=〔(S−B)×f×5.61〕/W
(f:KOH溶液のファクター)
<熱特性測定方法>
使用するポリエステル樹脂などの熱特性を測定する方法としては、例えば示差走査熱量計(例えばDSC−6220R:セイコーインスツル社)を用いて、まず、室温から昇温速度10℃/minで150℃まで加熱した後、150℃で10min間放置、室温まで試料を冷却して10min放置、再度150℃まで昇温速度10℃/minで加熱して、ガラス転移点以下のベースラインと、ガラス転移を示す曲線部分の接線との交点で求めることができる。
<最表層ワックス量>
TOF-SIMS FRIFT III(アルバック・ファイ株式会社製TOF-SIMS)を用いてトナー表面のワックス由来のピークを定量する。一次イオンはガリウムイオンで加速電圧は15 kV、二次イオン極性は正、帯電中和補正を入れ測定面積は100μm角にて測定した。
全ての正イオンカウントに対し、離型剤由来のフラグメントイオンのカウントを%で表したものを最表層ワックス量とした。
離型剤由来のフラグメントイオンは、エステル部分で断裂されるフラグメントのうち、大きな質量数を持つフラグメントを測定対象とする。断裂されるもののうち、複数の質量数を持つ場合、(離型剤として質量数の異なるものを混合して用いているような場合)離型剤重量主成分に対して測定対象とする。
後記実施例中の例として、離型剤由来のフラグメントイオンの質量は、離型剤1は157.2とし、カウント範囲は157.1-157.4とした。離型剤2は339とし、カウント範囲は338-340とした。
<表面ワックス量>
試料として、トナー3gを自動ペレット成型器(Type M No.50 BRP-E;MAEKAWA TESTING MACHINE CO.製)で6tの荷重で1分間プレスして40mmφ(厚さ約2mm)ペレットを作製した。 そのトナーペレット表面をFTIR−ATR法により測定した。 用いた顕微FTIR装置は、PERKIN ELMER社製Spectrum OneにMultiScope FTIR ユニットを設置したもので、直径100μmのゲルマニウム(Ge)結晶のマイクロATRで測定した。 赤外線の入射角41.5°、分解能4cm−1、積算20回で測定した。 得られたワックス由来のピークとポリエステル樹脂由来のピークとの強度比(Pwax/Presin)をトナー粒子表面近傍の相対的な表面ワックス量とした。ワックス由来のピークは2850 cm-1付近のメチレン基伸縮振動由来のピークとし、樹脂由来のピークは828 cm−1付近に現れるポリエステル樹脂由来のピークとした。値は測定場所を変えて4回測定した後の平均値を用いた。
<GPC解析方法>
(1)(分子量)トナーや使用するポリエステル樹脂の分子量は、GPC(gel permeation chromatography)によって以下の条件で測定した。
・装置:HLC−8220GPC(東ソー社製)・カラム:TSKgel SuperHZM−M x 3 ・温度:40℃・溶媒:THF(テトラヒドロフラン)・流速:0.35ml/分・試料:濃度0.05〜0.6%の試料を0.01ml注入・検出器:UV(230nm)以上の条件で測定したトナー樹脂の分子量分布から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)を算出した。 単分散ポリスチレン標準試料としては、5.8×100〜7.5×1000000の範囲のものを10点使用した。
(2)ピーク面積の割合得られたクロマトグラムから、全体のピーク面積と分子量200〜500のピーク面積を求め、ピーク面積の割合を算出した。
分子量200〜500のピーク面積の割合(%)=(分子量200〜500のピーク面積/全体のピーク面積)×100
<画像形成方法>
図1に本発明を適用した画像形成装置の概略を示す。画像形成装置100は、カラーレーザプリンタであるが、他のタイプのプリンタ、ファクシミリ、複写機、複写機とプリンタとの複合機等、他の画像形成装置であっても良い。画像形成装置100は、外部から受信した画像情報に対応する画像信号に基づき画像形成処理を行なう。画像形成装置100は、一般にコピー等に用いられる普通紙の他、OHPシートや、カード、ハガキ等の厚紙や、封筒等の何れをもシート状の記録媒体として画像形成を行なうことが可能である。
画像形成装置100は、元々BKトナー用ステーションに透明トナーを代替する場合もある。図面中でBKと記載している部分は説明文にW(無色透明)と代替して記載する。また、紙上の画像トナー層において色トナーの上に透明トナー層を設けるように、試作機作像段階では中間転写ベルトを2周回転して、1周目は透明トナーを現像し、2周目は色トナーを現像する方法を取っている。
画像形成装置100は、イエロー、マゼンタ、シアン、透明(ブラックトナーの代わりに透明トナーを用いる場合、Bkを→Wと読み替える)の各色に色分解された色にそれぞれ対応する像としての画像を形成可能な第1の像担持体としての潜像担持体である感光体ドラム20Y、20M、20C、20Bk(ブラックトナーの代わりに透明トナーを用いる場合、Wと読み替える)を平行配設したタンデム構造、言い換えるとタンデム方式を採用している。
表面移動部材たる感光体ドラム20Y、20M、20C、20W(透明トナーの代わりにブラックトナーを用いる場合、Bkと読み替える)は、画像形成装置100の本体99の図示しないフレームに回転自在に支持され、第2の像担持体としての中間転写体である転写ベルト11の移動方向であって図1において時計回り方向であるA1方向の上流側からこの順で並んでいる。各符号の数字の後に付されたY、M、C、Bk(ブラックトナーの代わりに透明トナーを用いる場合、Wと読み替える)は、イエロー、マゼンタ、シアン、無色透明用の部材であることを示している。
各感光体ドラム20Y、20M、20C、20Bk(ブラックトナーの代わりに透明トナーを用いる場合、Wと読み替える)はそれぞれ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、無色透明(W(Bkと読み替える))の画像を形成するための画像形成ユニット画像形成ユニット60Y、60M、60C、60Bk(ブラックトナーの代わりに透明トナーを用いる場合、Wと読み替える)に備えられている。
感光体ドラム20Y、20M、20C、20Bk(ブラックトナーの代わりに透明トナーを用いる場合、Wと読み替える)は、本体99の内部のほぼ中央部に配設された無端のベルトとして構成された転写ベルト11の外周面側すなわち作像面側に位置している。
転写ベルト11は、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20Bk(ブラックトナーの代わりに透明トナーを用いる場合、Wと読み替える)に対峙しながら矢印A1方向に移動可能となっている。各感光体ドラム20Y、20M、20C、20Bk(ブラックトナーの代わりに透明トナーを用いる場合、Wと読み替える)に形成された可視像すなわちトナー像は、矢印A1方向に移動する転写ベルト11に対しそれぞれ重畳転写され、その後、記録媒体である転写紙Sに一括転写されるようになっている。よって画像形成装置100は中間転写方式の画像形成装置となっている。
転写ベルト11は、その上側の部分が各感光体ドラム20Y、20M、20C、20Bk(ブラックトナーの代わりに透明トナーを用いる場合、Wと読み替える)に対向しており、この対向した部分が、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20Bk(Wと読み替える)上のトナー像を転写ベルト11に転写する1次転写部58を形成している。
転写ベルト11に対する重畳転写は、転写ベルト11がA1方向に移動する過程において、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20Bk(ブラックトナーの代わりに透明トナーを用いる場合、Wと読み替える)に形成されたトナー像が、転写ベルト11の同じ位置に重ねて転写されるよう、転写ベルト11を挟んで各感光体ドラム20Y、20M、20C、20Bk(ブラックトナーの代わりに透明トナーを用いる場合、Wと読み替える)に対向する位置に配設された1次転写装置としての1次転写ローラ12Y、12M、12C、12Bk(Wと読み替える)による電圧印加によって、A1方向上流側から下流側に向けてタイミングをずらして行われる。
転写ベルト11は、ベース層を伸びの少ない材質で構成し、ベース層の表面を平滑性の良い材質によって覆ったコート層とし、ベース層にコート層を重ねて形成した多層構造となっている。ベース層の材質としては、たとえばフッ素樹脂、PVDシート、ポリイミド系樹脂が挙げられる。コート層の材質としては、たとえばフッ素系樹脂等が挙げられる。
画像形成装置100は、本体99内に、4つの画像形成ユニット60Y、60M、60C、60Bk(ブラックトナーの代わりに透明トナーを用いる場合、Wと読み替える)と、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20Bk(ブラックトナーの代わりに透明トナーを用いる場合、Wと読み替える)の下方に対向して配設され、転写ベルト11を備えた中間転写装置である中間転写ユニットとしての転写ベルトユニット10と、図1における転写ベルト11の下側において転写ベルト11に対向して配設された2次転写装置5と、画像形成ユニット60Y、60M、60C、60Bk(ブラックトナーの代わりに透明トナーを用いる場合、Wと読み替える)の上方に対向して配設された潜像形成手段としての光書込みユニット光書き込み装置としての露光手段たる光走査装置8とを有している。
画像形成装置100はまた、本体99内に、転写ベルト11と2次転写装置5との間の2次転写部57に向けて搬送される転写紙Sを多数枚積載可能な給紙カセットとしてのシート給送装置61と、シート給送装置61から搬送されてきた記録紙Sを、画像形成ユニット60Y、60M、60C、60Wによるトナー像の形成タイミングに合わせた所定のタイミングで、2次転写部57に向けて繰り出すレジストローラ対4と、転写紙Sの先端がレジストローラ対4に到達したことを検知する図示しないセンサとを有している。
画像形成装置100はまた、本体99内に、トナー像を転写された転写紙Sに同トナー像を定着させるためのベルト定着方式の定着ユニットとしての定着装置6と、2次転写部57を経た記録紙Sを定着装置6に搬送するベルト搬送装置87と、定着済みの転写紙Sを本体99の外部に排出する排出ローラである排紙ローラ対としての排紙ローラ7と、本排出ローラ7により本体99の外部に排出された転写紙Sを積載する排紙部としての排紙トレイ17と、本体99の上部に配設され、イエロー、シアン、マゼンタ、無色透明の各色の画像形成用トナーすなわちトナーを充填されたトナーボトル9Y、9M、9C、9Bk(ブラックトナーの代わりに透明トナーを用いる場合、Wと読み替える)を有している。
画像形成装置100はまた、光走査装置8を締結固定した光走査装置支持フレーム97と、光走査装置支持フレーム97を位置決め固定した板状の側板98と、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20Bk(ブラックトナーの代わりに透明トナーを用いる場合、Wと読み替える)のそれぞれに対応して設けられ各感光体ドラム20Y、20M、20C、20Bk(ブラックトナーの代わりに透明トナーを用いる場合、Wと読み替える)を回転駆動する図示しない駆動装置と、画像形成装置100の動作全般を制御する図示しないCPU、メモリ等を含む制御手段64とを有している。
転写ベルトユニット10は、転写ベルト11の他に、1次転写バイアスローラとしての1次転写ローラ12Y、12M、12C、12Bk(ブラックトナーの代わりに透明トナーを用いる場合、Wと読み替える)と、転写ベルト11を巻き掛けられた、駆動部材である駆動ローラ72と、張架ローラとしてのクリーニング対向ローラ74と、駆動ローラ72及びクリーニング対向ローラ74とともに転写ベルト11を張架する支持ローラとしての張架ローラ33、66、67、75と、転写ベルト11に対向して配設され転写ベルト11表面をクリーニングする中間転写体クリーニング装置であるベルトクリーニング装置としてのクリーニング装置13とを有している。
転写ベルトユニット10はまた、駆動ローラ72を回転駆動する図示しない駆動系と、1次転写ローラ12Y、12M、12C、12Bk(ブラックトナーの代わりに透明トナーを用いる場合、Wと読み替える)に1次転写バイアスを印加する図示しないバイアス印加手段としての電源及びバイアス制御手段とを有している。
クリーニング対向ローラ74、張架ローラ33、66、67、75は、駆動ローラ72によって回転駆動される転写ベルト11に連れ回りする従動ローラとなっている。1次転写ローラ12Y、12M、12C、12Bk(ブラックトナーの代わりに透明トナーを用いる場合、Wと読み替える)は、転写ベルト11をその裏面から感光体ドラム20Y、20M、20C、20Bk(ブラックトナーの代わりに透明トナーを用いる場合、Wと読み替える)に向けて押圧してそれぞれ1次転写ニップを形成する。この1次転写ニップは、転写ベルト11の、張架ローラ75相互間に張り渡した部分において形成されている。張架ローラ75は、1次転写ニップを安定化する機能を有する。
各1次転写ニップには、1次転写バイアスの影響により、感光体ドラム20Y、20M、20C、20Bk(ブラックトナーの代わりに透明トナーを用いる場合、Wと読み替える)と1次転写ローラ12Y、12M、12C、12Bk(ブラックトナーの代わりに透明トナーを用いる場合、Wと読み替える)との間に1次転写電界が形成される。感光体ドラム20Y、20M、20C、20Bk(ブラックトナーの代わりに透明トナーを用いる場合、Wと読み替える)上に形成された各色のトナー像は、この1次転写電界やニップ圧の影響によって転写ベルト11上に1次転写される。
張架ローラ33は、転写ベルト11を介して2次転写装置5を当接されており、2次転写部57を形成している。張架ローラ66は、転写ベルト11に、転写に適した所定の張力を与える加圧部材としてのテンションローラたる機能を有している。
クリーニング装置13は、クリーニング対向ローラ74に対向する位置で転写ベルト11に当接するように配設されたクリーニングブレード76と、A1方向においてクリーニングブレード76より上流側においてクリーニング対向ローラ74に対向する転写ベルト11に対向して配設されたブラシローラ68と、クリーニングブレード76及びブラシローラ68をその内部に収容したケース77を有している。
クリーニング装置13は、転写ベルト11上の残留トナー等の異物をブラシローラ68及びクリーニングブレード76で掻き取り、除去して、転写ベルト11をクリーニングする。
転写ベルト11は、駆動系の動作により、450mm/secの線速で回転するようになっている。ただし、この線速は、画像形成装置100のシステム速度に一致するように調整されるものである。かかるシステム線速は400mm/sec以上、1700mm/sec以下で設定されるものである。このように、画像形成装置100は高速機となっており、この高速機の中でもかかるシステム線速が超高速システム速度である超高速機となっている。これにより、画像形成装置100は、その搬送方向に縦長で搬送される転写紙SがA4サイズの場合において1分間に70枚以上画像形成可能となっている。
シート給送装置61は、転写紙Sを複数枚重ねた転写紙束の状態で収容するものであり、本体99の下部において光走査装置8の下方に多段で配設されている。多段のシート給送装置61により、本体99の底部にペーパーバンク31が形成されている。
シート給送装置61は、最上位の転写紙Sの上面に押圧される給紙ローラとしての給送ローラ3を有しており、給送ローラ3が所定のタイミングで反時計回り方向に回転駆動されることにより、最上位の転写紙Sをレジストローラ対4に向けて給送するようになっている。
シート給送装置61から送り出された転写紙Sは、給紙路32を経てレジストローラ対4に至り、レジストローラ対4のローラ間に挟まれる。レジストローラ対4はその後、転写紙Sを2次転写部57に向けて給送する。
2次転写装置5は、張架ローラ33に対向して配置されている。2次転写装置5は、2次転写ローラ69を転写ベルト11に当接させることによって、2次転写部57であるニップ部を形成するようになっており、このニップ部である2次転写部57に転写紙Sを通して、転写ベルト11上のトナー像を転写紙Sに転写するようになっている。
定着装置6は、熱源としての加熱手段であるヒータランプ81と、ヒータランプ81を内部に有する加熱ローラ91と、加熱ローラ91に巻き掛けた無端状の定着ベルト92と、加熱ローラ91とともに定着ベルト92を巻き掛けられた定着ローラ93及びテンションローラである補助ローラ95と、定着ベルト92を介して定着ローラ93に対向する位置に設けられ定着ローラ93との間で定着ベルト92を圧接する加圧部材としての加圧ローラ94と、加圧ローラ94の内部に配設された熱源としての加熱手段であるヒータランプ82とを有している。
定着装置6はまた、加熱ローラ91に一体のヒートパイプ83と、加熱ローラ91に巻き掛けられた位置の定着ベルト92に離型剤としてのオイルを塗布するオイル塗布機構84と、加熱ローラ91に巻き掛けられた位置の定着ベルト92に対向して配設されたサーモパイル85と、サーモパイル85に接続され定着ベルト92の表面温度を検出する温度検出手段86と、定着ローラ93を回転駆動し、これによって定着ベルト92、加熱ローラ91、補助ローラ95、加圧ローラ94を従動回転させる図示しない駆動手段とを有している。
加熱ローラ91は、ヒータランプ81によって加熱されるとともに、定着ベルト92を内側から加熱するためのローラとなっている。補助ローラ95は、定着ベルト92の外周面に、定着ベルト92に対してオフセットする状態で当接するように配設されており、定着ベルト92を張架している。
加圧部材は、回転体であれば、加圧ローラ94のようなローラ状でなくベルト状であっても良い。定着ローラ93、定着ベルト92はそれぞれ単独で、あるいはこれらの総称で、定着部材と言われるものである。
定着ベルト92は、回転時の蛇行防止のために、その両端部に図示しない蛇行寄り止めリブを有している。定着ベルト92は、駆動手段によって定着ローラ93を介して回転駆動されることにより、450mm/secの線速で回転するようになっている。ただし、この線速は、画像形成装置100のシステム速度に一致するように適宜調整されるものである。
このような構成の定着装置6においては、トナー像を担持した転写紙Sを定着ベルト92と加圧ローラ94との圧接部である定着部に通すことで、熱と圧力との作用により、担持したトナー像をシートの表面に永久定着するようになっている。
その際、温度検出手段86によって検出した温度に基づいて、ヒータランプ81の駆動が制御される。温度検出手段86は、サーモパイル85が定着ベルト92を介して加熱ローラ91に対向する位置に配設されていることから、実質的にこの位置に配設され、この位置において定着ベルト92の表面温度を検出するものとなっている。温度検出手段86がこの位置で温度を検出することにより、定着ベルト92の表面温度が良好に検出される。なお、温度検出手段は、少なくともこの位置に配設されていれば、他の位置にも配設可能である。定着装置6のその余については後述する。
光走査装置8は、画像形成装置100の外部から入力される画像情報に従って光ビームであるレーザ光を偏向走査して感光体ドラム20Y、20M、20C、20Wに同時に照射する。なお、画像形成装置100が複写機である場合には、光走査装置8は、その複写機に備えられた原稿読取装置におけるコンタクトガラス上にセット等された原稿が、コピースイッチの押下などをトリガーとして、光学的に読み取られ、これによって生成された画像情報に従って、レーザ光を感光体ドラム20Y、20M、20C、20Bk(ブラックトナーの代わりに透明トナーを用いる場合、Wと読み替える)に照射し、露光することで、静電潜像を形成する。露光手段は、光走査装置8の方式に限らず、LEDを感光体ドラム20Y、20M、20C、20Bk(ブラックトナーの代わりに透明トナーを用いる場合、Wと読み替える)の長手方向である図1の紙面に垂直な主走査方向に沿って並べたLEDアレイを用いたものであっても良い。
トナーボトル9Y、9M、9C、9Bk(ブラックトナーの代わりに透明トナーを用いる場合、Wと読み替える)内のイエロー、シアン、マゼンタ、透明の各色のトナーは、重合トナーであって、図示しない搬送経路を経て、所定の補給量だけ、画像形成ユニット60Y、60M、60C、60Bk(ブラックトナーの代わりに透明トナーを用いる場合、Wと読み替える)に備えられた現像装置80Y、80M、80C、80Wに補給される。
画像形成ユニット60Bk(ブラックトナーの代わりに透明トナーを用いる場合、Wと読み替える)、60Y、60M、60Cについて、そのうちの一つの、感光体ドラム20Yを備えた画像形成ユニット60Yの構成を代表して構成を説明する。なお、他の画像形成ユニットの構成に関しても実質的に同一であるので、以下の説明においては、便宜上、画像形成ユニット60Bk(ブラックトナーの代わりに透明トナーを用いる場合、Wと読み替える)の構成に付した符号に対応する符号を、他の画像形成ユニットの構成に付し、また詳細な説明については適宜省略することとし、符号の末尾にBk(ブラックトナーの代わりに透明トナーを用いる場合、Wと読み替える)、Y、M、Cが付されたものはそれぞれ、無色透明、イエロー、マゼンタ、シアンの画像形成を行うための構成であることを示すこととする。
画像形成ユニット60Yは、感光体ドラム20Yの周囲に、図1中反時計方向であるその回転方向B1に沿って、1次転写ローラ12Yと、クリーニング手段としてのクリーニング装置71Yと、除電手段としての図示しない除電装置と、AC帯電を行なう帯電手段としての帯電装置79Yと、画像形成用現像剤である2成分現像剤により現像を行う現像手段としての現像装置80Yとを有している。
感光体ドラム20Yは、駆動装置によって駆動されB1方向に所定の周速度で回転する。
クリーニング装置71Yは感光体ドラム20Yに対してカウンター方向で当接した図示しないクリーニングブレードである弾性ゴムブレードを備えており、1次転写ローラ12Yによる1次転写後に感光体ドラム20Y上に残留しているトナーをクリーニングブレードによって感光体ドラム20Yから掻き落として除去し感光体ドラム20Yをクリーニングする。
除電装置は、クリーニング装置71Yによりクリーニングされた感光体ドラム20Y表面に残留している電荷を除去して感光体ドラム20Yの表面電位を初期化する除電ランプを備えている。
帯電装置79Yは、感光体ドラム20Yに当接した図示しない帯電部材としての帯電ローラを有しており、除電装置によって除電された感光体ドラム20Y表面を一様に帯電させる。
クリーニング装置71Yがかかる弾性ゴムブレードを備えているとともに、帯電装置79Yがかかる帯電ローラを備えていることで、感光体ドラム20Yのクリーニング及び帯電が良好に行われる。
現像装置80Yは、感光体ドラム20Yに対向した図示しない現像ローラを有し、この現像ローラに担持された現像剤中に含まれるトナーを感光体ドラム20Yに供給する現像領域において、光走査装置8によって形成された静電潜像を構成する非画像部と画像形成部とのうち、画像形成部にのみトナーを付着させて静電潜像を現像して顕像化し、感光体ドラム20Y表面にトナー像を形成する。
現像装置80Yにおいて用いられるトナー、言い換えると画像形成装置100において用いられるトナーの詳細については後述する。
感光体ドラム20Yと、クリーニング装置71Yと、除電装置と、帯電装置79Yと、現像装置80Yとは、本体99に着脱自在のプロセスカートリッジ88Yを構成している。このようにプロセスカートリッジ化することは、交換部品として取り扱うことが可能であるため、メンテナンス性が著しく向上し、大変好ましい。なお、プロセスカートリッジは、感光体ドラム20Yと、クリーニング装置71Y、除電装置、帯電装置79Y、現像装置80Yのうちの少なくとも現像装置80Yとを有するように構成することが、2成分現像剤に含まれるキャリアを現像装置80Yの交換時に交換することとなる等のため、好ましい。
このような構成の画像形成装置100において、カラー画像を形成すべき旨の信号が入力されると、駆動ローラ72が駆動され、転写ベルト11、クリーニング対向ローラ74、張架ローラ33、66、67、75が従動回転するとともに、感光体ドラム20Y、20M、20C、20Bk(ブラックトナーの代わりに透明トナーを用いる場合、Wと読み替える)がB1方向に回転駆動される。
感光体ドラム20Y、20M、20C、20Bk(ブラックトナーの代わりに透明トナーを用いる場合、Wと読み替える)はそれぞれ、B1方向への回転に伴い、帯電装置79Y、79M、79C、79Bk(ブラックトナーの代わりに透明トナーを用いる場合、Wと読み替える)により表面を一様に帯電され、光走査装置8からのレーザ光の露光走査によりイエロー、マゼンタ、シアン、無色透明の各色に対応した静電潜像を形成され、この静電潜像を現像装置80Y、80M、80C、80Wによりイエロー、マゼンタ、シアン、無色透明の各色のトナーにより現像される。
現像により得られたイエロー、マゼンタ、シアン、無色透明の各色のトナー像は、順次、1次転写ローラ12Bk(ブラックトナーの代わりに透明トナーを用いる場合、Wと読み替える)、12Y、12M、12Cによって、A1方向に回転している転写ベルト11上の同じ位置に多重転写され、転写ベルト11上には合成カラー画像が形成される。
一方、カラー画像を形成すべき旨の信号の入力、あるいは画像形成装置100が複写機である場合にはコピースイッチの押下等に伴い、ペーパーバンク31に備えられたシート給送装置61のいずれかが選択され、選択されたシート給送装置61に備えられた給送ローラ3が回転して転写紙Sを繰り出すとともに1枚ずつ分離して給紙路32に送り込み、給紙路32に送り込まれた転写紙Sは図示しない搬送ローラでさらに搬送されレジストローラ対4に突き当てられた状態で停止する。
転写ベルト11上に重ね合わされた合成カラー画像が転写ベルト11のA1方向の回転に伴って2次転写部57まで移動するタイミングに合わせて、レジストローラ対4が回転し、2次転写部57では、合成カラー画像が、2次転写部57に送り込まれた転写紙Sに密着し、ニップ圧及び電源によって形成されたバイアスの作用によって転写紙Sに2次転写され、記録される。
転写紙Sはベルト搬送装置87によって定着装置6に送り込まれ、定着装置6において定着ベルト92と加圧ローラ94との間の定着部を通過する際、熱と圧力との作用により、担持したトナー像すなわち合成カラー画像を定着される。この定着は、後述するように、良好に行われる。
定着装置6を通過した、合成カラー画像を定着済みの転写紙Sは、排紙ローラ7を経て本体99外に排出され、本体99の上部の排紙トレイ17上にスタックされる。
感光体ドラム20Y、20M、20C、20Bk(ブラックトナーの代わりに透明トナーを用いる場合、Wと読み替える)は、転写後に残留した転写残トナーをクリーニング装置71Y、71M、71C、71Bk(ブラックトナーの代わりに透明トナーを用いる場合、Wと読み替える)により除去され、除電装置によって除電され、帯電装置79Y、79M、79C、79Bk(ブラックトナーの代わりに透明トナーを用いる場合、Wと読み替える)による次の帯電に供される。
2次転写を終えた2次転写部57通過後の転写ベルト11は、クリーニング装置13に備えられたクリーニングブレード76によってその表面をクリーニングされ、次の転写に備える。
画像形成装置100における画像形成動作は以上のようにして行われる。そこで、画像形成装置100は、定着装置6において、定着ベルト92が、図2に示すように、少なくとも、基材層92aと、ゴム層92bと、離型層92cとを有するとともに、ゴム層92bの厚さL1は、400μm以上、1000μm以下であり、離型層92cの厚さL2は、2μm以上、20μm以下であるとともに、トナーが、後述する組成、特性を有するものとなっている。
基材層92aの材質としては、ポリイミド樹脂等の樹脂、ニッケル等の金属から、耐熱
性に優れたものが選択される。
ゴム層92bの材質は、基材層92aの材質と異なる材質であって、熱容量が大きくしかも熱輸送量の高い材料から選択される、蓄熱層として機能するものとなっている。ゴム層92bの材質は、具体的には、ゴム系の材料が適しており、とくにシリコーンゴムが好ましい。
離型層92cは、定着ベルト92の最上面をなしトナーと接する定着面として用いられるので、離型性が特に重要視される。そこで、離型層92cは離型性を担保するのに非常に有用なフッ素系の材料によって構成される。本形態では、離型層92cは、フッ素樹脂、具体的にはPFAによって構成されており、フッ素樹脂層となっている。
定着装置6では、離型性を高めるため、定着ベルト92表面に離型剤としてのオイルを塗布するオイル塗布機構84を備えている。この点、最上層である離型層92cをフッ素樹脂と異なる材質で形成するとオイルの馴染みが悪く、オイルの効果が十分発揮されないが、離型層92cはフッ素樹脂であるPFAによって形成されていてるため、オイルとの相性がよく、離型性が十分発揮される。
層厚L1、L2について説明する。
ゴム層92bは蓄熱機能を重視するため、その層厚L1は400μm以上、1000μm以下の範囲とすることが好ましいことが分かった。これは、層厚L1が400μmより小さいと蓄熱効果が十分現われず、トナーへの熱量が不十分になりやすく、光沢ムラが発生しやすくなるとともに、逆に、1000μmより大きいと熱慣性が大きくなりすぎ、立ち上がり特性が悪くなることによるものである。
これに対し、離型層92cは離型性を重視して用いるので、その層厚L2は層厚L1に比べ小さくても十分その機能を果たすものであり、2μm以上、20μm以下の範囲とすることが好ましいことが分かった。これは、層厚L2が2μmより小さいと、耐久性が不足するとともに、逆に、20μmより大きいと熱輸送量に問題が生じ、光沢ムラが発生しやすくなることによるものである。
なお図2に示した例では、基材層92aの上にゴム層92bを重ね、ゴム層92bの上にフッ素樹脂層92cを重ねているが、これら基材層92a、ゴム層92b、フッ素樹脂層92cの相互間に、これらの層の機能が十分に発揮されるのであれば、他の層を介在させることを排除するものではない。また、同図に示されている基材層92a、ゴム層92b、フッ素樹脂層92cそれぞれの厚さ、厚さの比は、実際のそれとは必ずしも一致しない。
以上述べた定着装置6は、それ自体及び画像形成装置100を大型化、複雑化することなく、且つ、安価で、安定した定着画質を出力する画像形成装置の提供に寄与するものとなっている。
以下に実施例を示すが、本発明の範囲はこれらの実施例によって制限されるものではない。また、実施例における部は質量部を示す。
<ポリエステル1の合成>
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物264部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物523部、イソフタル酸84部、アジピン酸151部およびジブチルチンオキサイド1部を入れ、常圧230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で8時聞反応した。その後、反応容器に無水トリメリット酸26部を入れ、180℃、常圧で4時間反応し、[ポリエステル1]を得た。[ポリエステル1]は、数平均分子量9000、重量平均分子量56000、Tg70℃、酸価11であった。
<補助ポリエステルの合成>
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物264部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物523部、イソフタル酸123部、フマル酸89部およびジブチルチンオキサイド1部を入れ、常圧230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で8時聞反応した。その後、反応容器に無水トリメリット酸26部を入れ、180℃、常圧で2時間反応した。その後、反応樹脂を取り出して十分に乾燥させた後、酢酸エチルを20倍等量入れ、酢酸エチル溶液中に溶解させた。その後、溶液100部に対し活性グラファイトを5部入れて24時間常温で攪拌した。その後、濾過を行い活性グラファイトと炉別し、さらに酢酸エチルを脱溶させて、[補助ポリエステル]を得た。[補助ポリエステル]は、数平均分子量6000、重量平均分子量50000、Tg67℃、酸価12であった。
<結晶性ポリエステルの合成>
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、1,6−ヘキサンジオール500部、セバシン酸857部、ジブチルチンオキサイド2.5部を入れ、常圧200℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で1時聞反応し、[結晶性ポリエステル]を得た。[結晶性ポリエステル]は、DSC測定にて64℃で吸熱ピークを示した。
<イソシアネート変性ポリエステル1の合成>
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部およびジブチルスズオキシド2部を仕込み、常圧下、230℃で8時間反応させた。次に、10〜15mmHgの減圧下で、5時間反応させて、[中間体ポリエステル1]を合成した。得られた[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量が2,200、重量平均分子量が9,700、酸価が0.5mgKOH/g、水酸基価が52mgKOH/gであった。
次に、冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポリエステル1]410部、イソホロンジイソシアネート89部、酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応し、[イソシアネート変性ポリエステル1]を得た。
−離型剤1の合成−
デカノール100部およびノナン酸100部を反応釜に加え硫酸マグネシウム5部と共に8時間加熱し脱水反応させ、合成エステルを得た。得られた結晶は[離型剤1]として用いた。
−離型剤2の合成−
オクタデカノール100部およびドコサン酸90部を反応釜に加え硫酸マグネシウム5部と共に8時間加熱し脱水反応させ、合成エステルを得た。得られた結晶は[離型剤2]として用いた。
[実施例1;トナー製造]
<油相作成工程>
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[離型剤1]272部、酢酸エチル1450部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間攪拌した。その後[ポリエステル1]545部、を入れさらに5時間攪拌した後、1時間で30℃に冷却し、さらに1時間混合し[原料溶解液1]を得た。
[原料溶解液1]1500部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、5パスの条件で分散を行った。次いで、[ポリエステル1]の66%酢酸エチル溶液655部を加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[離型剤分散液1]を得た。
[離型剤分散液1]976部をTKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmにて1分間混合した後、[イソシアネート変性ポリエステル1]100部加えTKホモミキサーで5,000rpmにて1分間混合し[油相1]を得た。得られた[油相1]の固形分を測定したところ52.0重量%であった。
<水相作成工程>
イオン交換水970部、分散安定用の有機樹脂微粒子(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の25wt%水性分散液40部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液95部、酢酸エチル98部を混合撹拌し[水相1]を得た。
<トナー作成工程>
得られた[油相1]に[水相1]1200部を加え、ミキサーのせん断熱による温度上昇を抑えるために水浴で冷却をすることにより液中温度を20〜23℃の範囲になるように調整しながら、TKホモミキサーを用い回転数8,000〜15,000rpmで調整して2分間混合したのち、アンカー翼を取り付けたスリーワンモーターで回転数130〜350rpmの間に調整しながら10分間攪拌し、トナーとなる油相の液滴が水相に分散された[トナースラリー1]を得た。
<脱溶剤工程>
撹拌機および温度計をセットした容器に、[トナースラリー1]を投入し、攪拌を行いながら30℃で8時間脱溶剤を行い、[分散スラリー1]を得た。[分散スラリー1]を少量スライドグラス上に置き、カバーガラスを挟んで光学顕微鏡にて200倍の倍率で様子を観察したところ、均一なトナーが観察された。
<洗浄・乾燥工程>
[分散スラリー1]100部を減圧濾過した後、
(1):濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(2):(1)の濾過ケーキにイオン交換水900部を加え、超音波振動を付与してTKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。リスラリー液の電気伝導度が10μC/cm以下となるようにこの操作を繰り返した。
(3):(2)のリスラリー液のpHが4となる様に10%塩酸を加え、そのままスリーワンモーターで攪拌30分後濾過した。
(4):(3)の濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。リスラリー液の電気伝導度が10μC/cm以下となるようにこの操作を繰り返し[濾過ケーキ1]を得た。[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、 [トナー1]が得られた。このトナーのMwは7400、Mw200−500の割合は2.5%であった。
[実施例2]
前記実施例1中、[イソシアネート変性ポリエステル1]100部を80部へ変更した点以外は実施例1と同様にして[トナー2]を得た。このトナーのMwは7500、Mw200−500の割合は2.5%であった。
[実施例3]
実施例1の<油相作成工程>を以下のように変更して[トナー3]を得た。このトナーのMwは7400、Mw200−500の割合は2.6%であった。
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[離型剤1]272部、[ポリエステル1]500部[補助ポリエステル]を50部、酢酸エチル1800部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間攪拌した後、1時間で30℃に冷却し、さらに1時間混合し[原料溶解液3]を得た。
[原料溶解液3]1500部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、5パスの条件で分散を行った。次いで、[ポリエステル1]の66%酢酸エチル溶液590部、[補助ポリエステル]の66%酢酸エチル溶液65部加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[離型剤分散液3]を得た。
[離型剤分散液3]976部、モンタン酸を50部と、をTKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmにて1分間混合した後、[イソシアネート変性ポリエステル1]100部加えTKホモミキサーで5,000rpmにて1分間混合し[油相3]を得た。
[実施例4]
実施例3のうち、補助ポリエステルの66%酢酸エチル溶液65部を10部に変更した以外は、実施例3と同様にして[トナー4]を得た。このトナーのMwは7600、Mw200−500の割合は2.5%であった。
[実施例5]
前記実施例1中の<油相作成工程>を以下のように変更して[トナー5]を得た。このトナーのMwは7400、Mw200−500の割合は2.1%であった。
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[離型剤1]272部、[ポリエステル1]500部[補助ポリエステル]を50部、酢酸エチル1800部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間攪拌した後、1時間で30℃に冷却し、さらに1時間混合し[原料溶解液5]を得た。
[原料溶解液5]1500部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、5パスの条件で分散を行った。次いで、[ポリエステル1]の66%酢酸エチル溶液590部、[補助ポリエステル]の66%酢酸エチル溶液65部加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[離型剤分散液5]を得た。
[離型剤分散液5]976部をTKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmにて1分間混合した後、[イソシアネート変性ポリエステル1]100部加えTKホモミキサーで5,000rpmにて1分間混合し[油相5]を得た。
[実施例6]
前記実施例5中、[イソシアネート変性ポリエステル1]100部を80部へ変更した点以外は実施例5と同様にして[トナー6]を得た。このトナーのMwは7500、Mw200−500の割合は2.6%であった。
[実施例7]
前記実施例6中の[離型剤1]を[離型剤2]に変更した以外は実施例6と同様にして[トナー7]を得た。このトナーのMwは7300、Mw200−500の割合は2.5%であった。
[実施例8]
前記実施例7中、<油相作成工程>を以下のように変更して[トナー8]を得た。このトナーのMwは7400、Mw200−500の割合は2.5%であった。
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[離型剤2]272部、[結晶性ポリエステル]544部、顔料<カーボンブラック(キャボット社製 リーガル400R)>500部、酢酸エチル2500部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間攪拌した。その後[補助ポリエステル]500部[ポリエステル3]を50部入れ、さらに5時間攪拌した後、1時間で30℃に冷却し、さらに1時間混合し[原料溶解液8]を得た。
[原料溶解液8]1500部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、5パスの条件で分散を行った。次いで、[ポリエステル1]の66%酢酸エチル溶液590部、[補助ポリエステル]の66%酢酸エチル溶液65部加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[離型剤分散液8]を得た。
[離型剤分散液8]976部をTKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmにて1分間混合した後、[イソシアネート変性ポリエステル1]88部加えTKホモミキサーで5,000rpmにて1分間混合し[油相8]を得た。
[比較例1]
前記実施例1中、<油相作成工程>を以下のように変更して[トナーA]を得た。このトナーのMwは7400、Mw200−500の割合は2.4%であった。
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[離型剤1]272部、[ポリエステル1]545部、酢酸エチル1800部を仕込み、撹拌下80℃に昇温して、80℃のまま5時間攪拌し[原料溶解液A]を得た。
[原料溶解液A]1500部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、5パスの条件で分散を行った。次いで、[ポリエステル1]の66%酢酸エチル溶液655部を加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[離型剤分散液A]を得た。
[離型剤分散液A]976部をTKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmにて1分間混合した後、[イソシアネート変性ポリエステル1]88部加えTKホモミキサーで5,000rpmにて1分間混合し[油相A]を得た。
[比較例2]
前記比較例1中、油相作成工程を以下のようにして[トナーB]を得た。このトナーのMwは7400、Mw200−500の割合は3.2%であった。
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[離型剤1]272部、[ポリエステル1]545部、酢酸エチル1800部を仕込み、撹拌下80℃に昇温して、80℃のまま5時間攪拌し[原料溶解液B]を得た。
[原料溶解液B]1500部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、5パスの条件で分散を行った。次いで、[ポリエステル1]の66%酢酸エチル溶液655部を加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[離型剤分散液B]を得た。
[離型剤分散液B]976部をTKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmにて1分間混合した後、[イソシアネート変性ポリエステル1]176部加えTKホモミキサーで5,000rpmにて1分間混合し[油相B]を得た。
[評価方法]
次に、得られた各[トナー0]〜[トナー8]を用いて、以下のように評価した。
<耐熱保存性>
トナーを10gずつ計量し、20mLのガラス容器に入れ、ガラス瓶をタッピング装置で100回タッピングした後、温度50℃、湿度80%にセットした恒温槽に24時間放置した後、針入度試験器(日科エンジニアリング社製、マニュアル記載条件)で針入度を測定し、以下の評価基準で評価した。
◎:針入度が20mm以上
○:針入度が15mm以上20mm未満
△:針入度が10mm以上15mm未満
×:針入度が10mm未満
低温定着性、定着離型性、機内汚染を評価するため、以下の手順で現像剤を作成した。
−キャリアの作製−
トルエン100部に、シリコーン樹脂(オルガノストレートシリコーン)100部、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン5部、及びカーボンブラック10部を添加し、ホモミキサーで20分間分散させて、樹脂層塗布液を調製した。流動床型コーティング装置を用いて、体積平均粒径が50μmの球状マグネタイト1,000部の表面に樹脂層塗布液を塗布して、[キャリア1]を作製した。
−現像剤の作製−
各トナー5部と、前記[キャリア1]95部とを混合して、実施例1〜11及び比較例1の二成分現像剤を作製した。
<低温定着性>
定着ローラとして、テフロン(登録商標)ローラを使用した複写機MF2200(株式会社リコー製)の定着部を改造した装置を用いて、タイプ6200紙(株式会社リコー製)に、ベタ画像をトナー付着量0.8mg/cm2の条件で複写テストを行なった。
具体的には、定着温度を変化させて定着試験を行い、コールドオフセット温度(定着下限温度)を求めた。 定着下限温度の評価条件は、紙送りの線速度を150mm/秒間〜200mm/秒間、面圧を1.2kgf/cm2、ニップ幅を4mmとした。
定着下限温度を以下の評価基準で評価した。
◎:130℃未満
○:130℃以上135℃未満
△:135℃以上140℃未満
×:140℃以上
<定着離型性>
普通紙の転写紙(株式会社リコー製、タイプ6200(縦目))にトナー付着量0.85±0.1mg/cmのベタ画像を作成し、定着ローラ又はベルトの温度を変化させて定着試験を行い、定着ニップ出口付近に定着紙と定着ベルトを分離させるために配置された分離爪に、A4サイズ横方向に排紙された定着画像が接触することで発生する定着画像上の傷跡の程度を目視評価した。傷跡の程度は、ランク見本により5段階で評価され、傷跡若しくはジャムが全く発生しない上限温度を定着離型性の指標とした。 なお、ベタ画像は転写紙上において、通紙方向先端から0.5cmの位置に作成した。
◎:上限温度が200℃以上
○:上限温度が190℃以上200℃未満
△:上限温度が170℃以上190℃未満
×:上限温度が160℃以上170℃未満
××:上限温度が160℃未満
<機内汚染>
上記実施例の現像剤を、リコー製、デジタルカラーimagio Neo C600改造機に入れて、評価を行なった。 単色モードで50%画像面積の画像チャートを100000枚ランニング出力した後の定着排紙部周辺の汚れを目視にて観察し、評価した。
◎:汚れなし
○:若干の汚れが見られるがプリント物汚れなし
×:定着周辺部及び、プリント物汚染あり
Figure 2014202932
Figure 2014202932
比較例1と比べいずれも何らかの改善が見られており、特に実施例7や8は良好な結果になった。また比較例2に見られるように、従来のポリエステル混合だけでは耐熱保存性が向上するも、低温定着性までも著しく悪化させてしまう。
3 給送ローラ
4 レジストローラ対
5 二次転写装置
6 定着装置
7 排紙ローラ
8 光走査装置
9Y、9M、9C、9BK トナーボトル
10 転写ベルトユニット
11 転写ベルト
12Y、12M、12C、12Bk(Wと読み替える)
一次転写ローラ
13 ベルトクリーニング装置
17 排紙トレイ
20Y、20M、20C、20Bk(Wと読み替える) 像担持体
31 ペーパーバンク
32 給紙路
33 張架ローラ
57 二次転写部
58 一次転写部
60Y、60M、60C、60Bk(Wと読み替える) 画像形成ユニット
61 シート給送装置
64 制御手段
66 張架ローラ
67 張架ローラ
68 ブラシローラ
69 二次転写ローラ
71Y、71M、71C、71Bk(Wと読み替える) クリーニング装置
72 駆動ローラ
74 クリーニング対向ローラ
75 張架ローラ
76 クリーニングブレード
77 ケース
79Y、79M、79C、79Bk(Wと読み替える) 帯電装置
80Y、80M、80C、80Bk(Wと読み替える) 現像装置
81 ヒータランプ
82 ヒータランプ
83 ヒートパイプ
84 オイル塗布機構
85 サーモパイル
86 温度検出手段
87 ベルト搬送装置
88Y、88M、88C、88Bk(Wと読み替える) プロセスカートリッジ
91 加熱ローラ
92 定着ベルト
92a 基材層
92b ゴム層
92c フッ素樹脂(離型)層
93 定着ローラ
94 加圧ローラ
95 補助ローラ
97 光走査装置支持フレーム
98 側板
99 画像形成装置本体
100 画像形成装置
L1 ゴム層の厚さ
L2 フッ素樹脂層の厚さ
S 記録媒体
特開2012-163774号公報 特開2009-175712号公報

Claims (8)

  1. 少なくとも結着樹脂、離型剤を含み、結着樹脂にはポリエステルを用いており、最表層ワックス量が0.005-0.100wt%であり、表面ワックス量が0.01-0.19wt%であることを特徴とする乾式静電荷像現像用トナー。
  2. GPCによるTHF可溶成分の平均分子量がMw3000-11000であり、さらに分子量Mw 200-500の低分子量成分のピーク面積が全体の3.0%以下であることを特徴とする請求項1に記載の乾式静電荷像現像用トナー。
  3. 以下により定義される補助ポリエステルを3−20wt%含むことを特徴とする請求項1または2に記載の乾式静電荷像現像用トナー。
    補助ポリエステル:数平均分子量3000−5000
    重量平均分子量20000−60000
    酸モノマーが、脂肪族ジカルボン酸を10wt%以上含む。
  4. 結晶性ポリエステル樹脂を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の乾式静電荷像現像用トナー。
  5. 離型剤の分子量が550-700であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の乾式静電荷像現像用トナー。
  6. 顔料を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の乾式静電荷像現像用トナー。
  7. 画像形成装置に用いられる現像剤が、請求項1乃至6のいずれかに記載の乾式静電荷像現像用トナーを含む現像剤である画像形成用現像剤。
  8. 画像形成装置に用いられ、像担持体と、帯電手段、現像手段、クリーニング手段のうちの少なくとも現像手段とを一体に有し、画像形成装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジであって、前記現像手段において用いられるトナーが請求項1乃至7のいずれかに記載の乾式静電荷像現像用トナーであるプロセスカートリッジ。
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