JP2008116960A - 画像形成装置におけるトナー定着方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】定着ローラ、加熱ローラ、これらのローラ間に張架された無端状定着ベルト、該定着ベルトを介して定着ローラに対向して設けられた加圧ローラ及び加圧ローラと加熱ローラのうちの一方若しくは両方の内部に設けられた定着用加熱ヒーターを備えたベルト定着装置を使用して、加圧ローラが定着ベルトを介して定着ローラを加圧することなく定着ベルトに接触して加圧ローラと定着ベルトとの間を搬送される被定着材上のトナー像を定着するトナー定着方法において、円形度0.96以上の球形で、トナー中の樹脂に変性ポリエステル樹脂を含有し、トナー中のワックスの分散径が、トナー中のワックスに対し0.1μm〜2μmのワックス粒子がワックス粒子全個数に対し70個数%以上を占めるトナーを用いる。
【選択図】なし
Description
特に近年、省エネルギーや装置の小型化を目的として、ベルト状の伝熱媒体を用いた定着機構(以下、「ベルト定着」という。)が広く使われるようになってきている。
また、トナー外添剤やその他の成分がベルト状伝熱媒体上へ付着し、これに伴ってベルト摩耗や傷が生じ、ホットオフセットが発生したり、更には、ベルト自体の断裂が発生する場合がある。
一方定着装置においてはオフセットを防止するため定着ローラにオイルを塗ることが行われている。カラー画像形成装置では、高光沢で透明性のよい画質を優先にするためには、粘度の低い各色のトナーを用いる必要があり、オフセットを防止するため定着ロールにオイルを塗ることが不可欠であった。
(特許文献1)
(構成)ポリオレフィンワックスと、顔料の含水ペーストとを顔料分散用樹脂溶液中に混入後、加熱処理することによって得られる、顔料分散樹脂を含有し、結着樹脂と顔料分散樹脂のSP値の差を1.5〜0.5としたカラートナー。
(課題)ポリオレフィンワックスの結着樹脂中への高分散化を狙っているものであるが、耐オフセット性を付与する為に、ポリオレフィンワックスによる効果のみを期待するのでは、十分ではない。
(構成)上記特開平7−219274号公報に記載のトナーを用いる定着ローラにおいて、その表面層としてフッ素樹脂で被覆された弾性層を用いる。
(課題)同上
(構成)Mn:2500〜3500、Mw:5万〜30万のTHF不溶分を含有しないポリエステル樹脂を含有するトナー。
(課題)多量の定着オイルを必要とする。
(構成)ワックス及びTHF不溶分15〜40%で、多価アルコール成分を限定したポリエステル樹脂を用い、結着樹脂とワックスの屈折率の差を限定している。
(課題)THF不溶分が多く、高い光沢を得る事が困難である。
(構成)ワックス含有トナーにおいて、ワックスとして、分子量が350〜850と900〜4000の各々の範囲に極大値を有し、 Mn:350〜4000、Mw:200〜4000のエステルワックスを含有したトナー。
(課題)ワックスの特性を限定するだけでは、十分な耐オフセット性は得られない。
(構成)トータルの炭素数が同一のエステル化合物を50〜95重量%含有したエステルワックスを結着樹脂100重量部当たり3〜40重量部含有したトナー。
(課題)ワックスの特性を限定するだけでは、十分な耐オフセット性は得られない。
(構成)トルエン不溶分を含まず、分子量500〜2000と1万〜10万の範囲にピークを有し、Mw:1万〜8万、Mn:1500〜8000 で Mw/Mn>3の樹脂を含有したカラートナー。
(課題)十分な耐オフセット性は得られない。
(構成)フローテスター溶融粘度105ポアズの軟化温度が90〜120℃で、 Mw:1.5万〜5万、Mn:2000〜10000でMw/Mn=5〜15の樹脂を含有したカラートナー
(課題)十分な耐オフセット性は得られない。
(課題)上記公報記載の定着装置においてはトナー像の雰囲気余熱を行うので余熱による定着性、及びオフセット向上の効果は低速においてはあるが、高速においてはその効果が小さいという課題がある。また、余熱効果を出すためには定着ベルトBと記録媒体Gとの距離を狭める必要があり未定着トナー像のコスレ等に対する余裕度向上策が課題となる。
(課題)上記公報記載の定着装置においては転写紙に対して最初にベルトを介してトナー像を定着する定着工程があって、その後にベルトにより搬送する搬送工程と、定着したトナー像をベルトより剥離する剥離工程とがあるので、定着工程を経た転写紙及びトナーは、さらにベルトの余熱を受けることになり、トナーが過剰に溶融してオフセット現象が起こりやすく、また、転写紙の画像面に部分的な温度ムラが生じて光沢ムラの原因となる。
(課題)上記公報記載の電子写真用トナーは結着樹脂が非線状ポリエステルレジンを使用し離型剤を含有させたトナーを提案しているが、定着性や光沢性、透明性は低速機では改善されてはきているものの高速機の性能はまだ満足するレベルではなく更なる改良が必要である。
本発明の第二の目的は、被定着材の搬送性及び定着性が良好で被定着材のシワや未定着画像のコスレ現象を十分に防止することができ、特に高速の定着装置やカラー画像形成装置でも安定した定着性を得ることができるトナー定着方法を提供することである。
(1)定着ローラと、加熱ローラと、この加熱ローラ及び前記定着ローラに張架された無端状定着ベルトと、この定着ベルトを介して前記定着ローラに対向して設けられた加圧ローラと、前記加圧ローラと前記加熱ローラのうちの一方若しくは両方の内部に設けられた定着用加熱ヒーターとを備えたベルト定着装置を使用して、前記加圧ローラが前記定着ベルトを介して前記定着ローラを加圧することなく前記定着ベルトに接触して前記加圧ローラと前記定着ベルトとの間を搬送される被定着材上のトナー像を定着するトナー定着方法であって、トナーが円形度0.96以上の球形であるとともに、該トナー中の樹脂に変性ポリエステル樹脂を含有し、該トナー中に含まれるワックスの分散径がトナー中に存在するワックスに対し0.1μm〜2μmのワックス粒子がワックス粒子全個数に対し70個数%以上を占めることを特徴とするトナー定着方法。
(2)前記加圧ローラが前記定着ベルトを介して前記定着ローラを加圧することなく前記定着ベルトに接触している前記加圧ローラと前記定着ベルトとの接触部分において、被定着材に対する定着を被定着材のシワが生じない程度に低く設定した定着圧で行う第1の定着工程と、前記加圧ローラが前記定着ベルトを介して前記定着ローラを加圧して接触している前記加圧ローラと前記定着ベルトとの接触部分において被定着材に対する定着を行う第2定着工程とを含むことを特徴とする上記(1)に記載のトナー定着方法。
(3)前記第一の定着工程における定着圧を1kg/cm2以下とし、第2の定着工程を行う部分の定着圧を第1の定着工程を行う部分の定着圧以上とすることを特徴とする上記(2)記載のトナー定着方法。
(4)前記加熱ローラを低熱容量のものとしたことを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載のトナー定着方法。
(5)前記トナーが、離型剤として融点が60〜120℃であるワックスを1〜20wt%含有することを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載のトナー定着方法。
(6)前記ワックスの重量平均分子量が400〜5000、酸価が1〜30mgKOH/gであることを特徴とする上記(5)記載のトナー定着方法
(7)前記トナー中に分散されている離型剤がトナー粒子中に平均的に分散され少なくともトナー粒子中に離型剤粒子が3個以上存在することを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載のトナー定着方法。
(8)該トナー中に分散されている離型剤がトナー粒子中に針状に分散されており、離型剤の長径が最大長で3μm以上である離型剤粒子の個数が離型剤粒子の全個数に対して5%を超えないことを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載のトナー定着方法。
(9)該トナー中に針状に分散されている離型剤が、トナー粒子表面に対し離型剤の長径が粒子表面に沿って水平方向に存在するのではなく内部方向に向かうか又は表面露出しないように分散されていることを特徴とする上記(8)記載のトナー定着方法。
(10)該トナー中に含まれるバインダー成分のTHF可溶分の分子量分布が、分子量1000以下成分が5%以下であることを特徴とする上記(1)〜(9)のいずれかに記載のトナー定着方法。
(11)少なくとも該トナー中に含まれるポリエステル樹脂のガラス転移点が55〜70℃であることを特徴とする上記(1)〜(10)のいずれかに記載のトナー定着方法。
(12)該トナー中に含まれるバインダー成分のTHF不溶解分が、1〜15%であることを特徴とする上記(1)〜(11)のいずれかに記載のトナー定着方法。
(13)該トナー中に含まれるバインダー成分が、THF可溶分の分子量分布において分子量のピークが1000〜30000で且つ、30000以上成分が1%以上であり、重量平均粒径が3〜10μmであることを特徴とする上記(1)〜(12)いずれかに記載のトナー定着方法。
(14)該トナー中に含まれるバインダー成分のTHF可溶分の分子量分布において数平均分子量が2000〜15000で且つ、重量平均分子量/数平均分子量が10.0以下であることを特徴とする上記(1)〜(13)のいずれかに記載のトナー定着方法。
(1)態様1により、高速の装置やカラー画像形成装置において、立ち上がりの早い安定した定着性を得ることができる。
また、トナー中の離型剤の分散径を0.1μm〜2μmであるトナー粒子を70個数%以上存在させることにより透明性の良いカラートナーが得られる。
(2)態様2により、高速の装置において定着性及び耐ホットオフセット性を満足した画像を形成することができる。
(3)態様1、2のトナー定着方法において、第一の定着工程の定着圧を1kg/cm2以下とし、第2の定着工程の定着圧以上とすることにより、被定着材にしわがよらずかつ搬送性も良好で、トナーの低温定着性能が良くなる。
(4)態様1、2のトナー定着方法において、加熱ローラを低熱容量のものにすることにより立ち上がり時間を短くすると共に低温定着性を維持しつつ省エネルギー化が達成できる。
(5)融点が60〜120℃であるワックスを離型剤としてトナー中に1〜20%含有させることにより、ベルト定着装置におけるオイルレス定着が可能となる。
(6)態様6におけるワックスとして重量平均分子量が400〜5000、酸価が1〜30mgKOH/gのものを使用することによりオイルレス離型幅の広いトナーが得られる。
(7)トナー中に分散されている離型剤をトナー粒子中に平均的に分散させるとともに少なくともトナー粒子中に3個以上存在させることにより、トナーの離型性と光沢性を付与することができる。
(8)トナー中の離型剤がトナー粒子中に針状に分散され離型剤粒子の全個数に対し離型剤の長径が最大長で3μm以上の離型剤粒子が5%を超えないようにすることにより、定着性能と光沢性を満足したトナーが得られる。
(9)態様9において、離型剤がトナー粒子表面に対し離型剤の長径が粒子表面に沿って水平方向に存在するのではなく内部方向に向かって又は表面露出しないように分散されていることにより流動性や帯電安定性を確保したトナーが得られる。
(10)トナー中のバインダー成分として、THF可溶分の分子量分布において、分子量1000以下成分を5%以下としたバインダーを使用することにより耐熱性を満足した乾式トナーが得られる。
(11)ポリエステル樹脂のガラス転移点が55〜75℃とすることにより、トナーの定着性が良くなる。
(12)トナー中のバインダー成分として、THF不溶解分が1〜15%であるバインダーを使用することにより離型性の良いトナーが得られる。
(13)トナー中のバインダー成分として、THF可溶分の分子量分布において分子量のピークが1000〜30000で且つ、30000以上成分が1%以上であり重量平均粒径が3〜10μmであるバインダーを使用することにより、トナーの離型性が良くなる。
(14)トナー中のバインダー成分として、THF可溶分の分子量分布において数平均分子量が2000〜15000で且つ、重量平均分子量/数平均分子量が10.0以下であるバインダーを使用することにより、トナーの光沢性が良くなる。
態様1により、高速の装置置やカラー画像形成装置で立ち上がりの早い安定した定着性を得ることができ、また、トナー中の離型剤の分散径を0.1μm〜2μmであるトナー粒子を70個数%以上存在させることにより透明性の良いカラートナーが得られる。
態様2により、高速機において定着性及び耐ホットオフセット性を満足した画像形成方法とすることができる。
トナー中に分散されている離型剤がトナー粒子中に平均的に分散され、少なくともトナー粒子中に離型剤粒子が3個以上存在し、離型剤の分散径が0.1μm〜2μmであるトナー粒子が70個数%以上を占めることにより、離型剤のオイルレス性が十分に発揮される。
態様2において、第一の定着工程における定着圧を1kg/cm2以下とし、第2の定着工程の定着圧以上とすることにより、搬送性も良好でトナーの低温定着性が発揮される。
態様4におけるように、加熱ローラの内部に定着ベルト加熱用ヒータを設けるとともに、加熱ローラを低熱容量のものにすることにより低温定着性を維持しつつ省エネルギー化が達成できる。
2)低面圧のためカラーでの光沢性があがらない。
3)ニップ幅が広いためしわが発生しやすい。
図1は本発明のトナー定着方法に使用するベルト定着装置の一例を示したものであり、図2はその一部を拡大して示したものである。このベルト定着装置は、カラー画像形成装置における定着装置においてオイルを用いないようにするためにホットオフセット防止と立ち上がり時間の短縮を図ったものである。
低熱容量の加熱ローラ1としては、45cal/℃以下、好ましくは15cal/℃以下の加熱ローラが望ましい。
本発明のトナー定着方法において使用するベルト定着装置と熱ローラ定着装置とを比較すると、定着下限温度はベルト定着装置、上記熱ローラ定着装置ともニップ時間の増加と共に同様な大きさで低下していく。また、ホットオフセット発生温度は、定着ローラとのニップ幅を高く設定できる装置機構であるのに対し、ベルト定着装置の場合はベルトの搬送機構のためニップをあげるにはローラ定着に比較して不利な機構となっている。このためオイルレス機構の場合、トナー中に含有させる離型剤がニップ圧で染み出しにくくホットオフセットに対しては離型剤の効果が少なく発生温度が低くなる傾向がある。
特に高速機でのオイルレス性と定着性、耐ホットオフセット性を満足させる必要があること及び高速対応の定着装置にするために省エネルギー化は必須であることから、トナーについても、従来のトナーでは性能が得られないため、新たなオイルレス対応で且つ高い離型性、広い定着幅をもつトナー性能が必要になる。
本発明の乾式トナーは、樹脂、着色剤を含有する組成物であって、該樹脂が変性ポリエステルを含む。また、該トナーにおける最も高い組成割合の樹脂が変性ポリエステル樹脂を含むポリエステル樹脂であることが好ましい。
このトナーは、トナー組成物を有機溶剤に溶解/又は分散させ、その組成物を水系媒体中で造粒し、造粒下で重付加反応を施すか、又はプレポリマーを含むトナー組成物を有機溶剤に溶解/又は分散させ、この組成物をウレア結合を有するポリエステルを生成させながら水系媒体中で造粒し、造粒下で重付加反応が施すことによって得られるものであり、定着性能、耐ホットオフセット性を満足させるものである。このときオイルレスベルト定着装置の場合は離型剤を含有させる。また、帯電制御剤についても必要であれば後述する帯電制御剤を0.1〜5%加えて帯電レベルを調整することが可能である。
しかし、光沢性や透明性なども求められているフルカラートナーにおいては、高分子成分の多量の導入は好ましくない。本発明のトナーは前記ウレア結合でポリエステルを伸長させ高分子量化できるので、透明性や光沢性を満足しながら、ホットオフセット性をも達成することが可能になった。
樹脂又はトナー約1.0g(A)を秤量する。
これにTHF約50gを加えて20℃で24時間静置する。
これを、まず遠心分離で分けJIS規格(P3801)5種Cの定量用ろ紙を用いてろ過する。
このろ液の溶剤分を真空乾燥し樹脂分のみ残査量(B)を計測する。
この残査量がTHF溶解分である。
THF不溶解分(%)は下記式より求める。
THF不溶解分(%)=[(A−B)/A]×100
トナーの場合、樹脂以外のTHF不溶解成分量(W1)とTHF溶解成分量(W2)は別途公知の方法で調べておき下記式より求める。
THF不溶解分(%)=(A−B−W2)/(A−W1−W2)×100
次に、本発明のトナーの製造方法について説明する。
トナーは、少なくともポリエステル樹脂又は変性されたポリエステル樹脂、着色剤、離型剤を含むトナー組成物を有機溶剤に溶解/又は分散させ、その組成物を水系媒体中で造粒して得られる。また、ウレア結合で変性されたポリエステル(i)を用いることにより、造粒下で重付加反応が施されたトナーを得ることができる。
また、ポリエステル主鎖中に二重結合などの反応性基を導入し、そこからラジカル重合を起こして側鎖に炭素−炭素結合のグラフト成分を導入したものとしては、スチレン変性、アクリル変性ポリエステルなどを挙げることができる。
また、ポリエステルの主鎖中に構成の異なる樹脂成分を共重合させたものとしては、例えば末端がカルボキシル基、水酸基、エポキシ基、メルカプト基によって変性されたシリコーン樹脂と共重合させたもの(シリコーン変性ポリエステルなど)を挙げることができる。
(ii)の水酸基価は5以上であることが好ましく、さらに好ましくは10〜120、特に好ましくは20〜80である。5未満では耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。(ii)の酸価は通常1〜30、好ましくは5〜20である。酸価を持たせることで負帯電性となりやすい傾向がある。
ここで、樹脂のガラス転移点(Tg)は、SEIKO EXSTAR6000TG/DTA6200で測定し10℃/分昇温、MAX200℃、1回の熱履歴を行った後の測定値を計測値とする。
本発明のトナーに用いるワックスとしては、融点が60〜120℃の低融点のワックスが、バインダー樹脂との分散の中でより離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これにより定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布することなく高温オフセットに対し効果を示す。
融点が120℃以上であると離型性の効果が十分でなく60℃以下ではトナー保存性及びブロッキングが悪化する場合があるので好ましくない。尚、本発明におけるワックスの融点は、示差走査熱量計(DSC)による最大吸熱ピークとした。
なお、針進入度は耐熱保存性の指標となるものであり、針進入度は次のようにして試験する。
[耐熱保存試験方法]
内径25mm、高さ70mmのガラスビンにトナー10gを入れ50℃の恒温槽中に24時間静置後、JIS−K2530の針進入度計で針進入度を調べる。
この透過性はトナー中に含有されるワックスの分散単位と分散径、分散形態に依存することが確認された。また、ベルト定着装置はローラ定着に比べ面圧が低い分定着については不利で離型剤の効果が重要となる。すなわちトナー内でのワックスの分散単位を透過性に影響が出にくい粒径及び形態とし、さらには樹脂中での分散状態を制御することによりワックスの結晶化度の大きさにかかわらず透過性の問題をなくすことができる。これは透過性のみならずホットオフセット性にも大きく影響してくる。
本発明においては、ワックスの最大方向の粒径をもってワックス分散径とした。具体的には、トナーをエポキシ樹脂に包埋して約100μmに超薄切片化し、四酸化ルテニウムにより染色した後、透過型電子顕微鏡(TEM)により倍率1000〜10000倍で観察を行い、写真撮影し、この写真を画像評価することにより、ワックスの分散状態を観察し分散径を測定した。
また、該トナー中に分散されているワックスがトナー粒子中に平均的に分散され少なくともトナー粒子中にワックス粒子が3個以上の存在が必要であり、写真の中で3個に満たない粒子が30個数%を超えると定着性や離型性に問題がおこる。
本発明の着色剤としては公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
本発明のトナーは、必要に応じて帯電制御剤を含有してもよい。帯電制御剤としては公知のものが全て使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
本発明のトナーの流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤としては、無機微粒子を好ましく用いることができる。この無機微粒子の一次粒子径は、5mμ〜2μmであることが好ましく、特に5mμ〜500mμであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5重量%であることが好ましく、特に0.01〜2.0重量%であることが好ましい.無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。中でも、流動性付与剤としては、疎水性シリカ微粒子と疎水性酸化チタン微粒子を併用するのが好ましい。
トナーバインダー用レジンは以下の方法などで製造することができる。ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)を、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を溜去して、水酸基を有するポリエステルを得る。次いで40〜140℃にて、これにポリイソシアネート(3)を反応させ、イソシアネート基を有するプレポリマー(A)を得る。さらに(A)にアミン類(B)を0〜140℃にて反応させ、ウレア結合で変性されたポリエステル(i)を得る。
乾式トナーは以下の方法で製造することができるが勿論これらに限定されることはない。
本発明に用いる水系媒体としては、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用することもできる。混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などが挙げられる。
分散剤を使用した場合には、該分散剤がトナー粒子表面に残存したままとすることもできるが、伸長および/または架橋反応後、洗浄除去するほうがトナーの帯電面から好ましい。
分級操作は液中でサイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことができる。もちろん乾燥後に粉体として取得した後に分級操作を行っても良いが、液体中で行うことが効率の面で好ましい。得られた不要の微粒子、または粗粒子は再び混練工程に戻して粒子の形成に用いることができる。その際微粒子、または粗粒子はウェットの状態でも構わない。
用いた分散剤は得られた分散液からできるだけ取り除くことが好ましいが、先に述べた分級操作と同時に行うのが好ましい。
具体的手段としては、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させ、粒子同士または複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法などがある。装置としては、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して、粉砕エアー圧力を下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢などが挙げられる。
本発明のトナーを二成分系現像剤に用いる場合には、磁性キャリアと混合して用いれば良く、現像剤中のキャリアとトナーの含有比は、キャリア100重量部に対してトナー1〜10重量部が好ましい。磁性キャリアとしては、粒子径20〜200μm程度の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁性樹脂キャリアなど従来から公知のものが使用できる。また、被覆材料としては、アミノ系樹脂、例えば尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等があげられる。またポリビニルおよびポリビニリデン系樹脂、例えばアクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂およびスチレンアクリル共重合樹脂等のポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル等のハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂およびポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ弗化ビニル樹脂、ポリ弗化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、弗化ビニリデンと弗化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンと弗化ビニリデンと非弗化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、およびシリコーン樹脂等が使用できる。また必要に応じて、導電粉等を被覆樹脂中に含有させてもよい。導電粉としては、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛等が使用できる。これらの導電粉は、平均粒子径1μm以下のものが好ましい。平均粒子径が1μmよりも大きくなると、電気抵抗の制御が困難になる。
また、本発明のトナーはキャリアを使用しない一成分系の磁性トナー或いは、非磁性トナーとしても用いることができる。
トナーの平均円形度は0.96〜1.00であり、特定の形状と形状の分布を有すことが重要であり、平均円形度が0.96未満で、球形からあまりに離れた不定形の形状、すなわち本発明で言う円形度が0.95未満の粒子が30%以上含まれるトナーでは、最近の要求度の高い高画質画像が得られない。不定形の粒子は感光体等への平滑性媒体への接触点が多く、また突起先端部に電荷が集中することからファンデルワールス力や鏡像力が比較的球形な粒子よりも付着力が高い。そのため静電的な転写工程においては、不定形粒子と球形の粒子の混在したトナーでは球形の粒子が選択的に移動し、文字部やライン部画像抜けが起こった。具体的な円形度の測定法を下記に示す。
なお、各実施例で用いたトナーバインダーの物性を表1に示す。
(トナーバインダーの合成) 冷却管、攪拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物780部、イソフタル酸280部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で6時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で3時間反応した後、160℃まで冷却して、これに32部の無水フタル酸を加えて2時間反応した。次いで、80℃まで冷却し、酢酸エチル中にてイソフォロンジイソシアネート198部と2時間反応を行いイソシアネート含有プレポリマー(1)を得た。次いでプレポリマー(1)267部とイソホロンジアミン12部を50℃で2時間反応させ、重量平均分子量54000のウレア変性ポリエステル(1)を得た。上記と同様にビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724部、テレフタル酸276部を常圧下、230℃で8時間重縮合し、次いで10〜15mmHgの減圧で5時間反応して、ピーク分子量5000の変性されていないポリエステル(a)を得た。ウレア変性ポリエステル(1)100部と変性されていないポリエステル(a)900部を酢酸エチル溶剤1800部に溶解、混合し、トナーバインダー(1)の酢酸エチル溶液を得た。一部減圧乾燥し、トナーバインダー(1)を単離した。
(トナーバインダーの合成)実施例1と同様にして、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物314部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物314部イソフタル酸274部および無水トリメリット酸20部を重縮合した後、イソホロンジイソシアネート154部を反応させプレポリマー(2)を得た。次いでプレポリマー(2)213部とイソホロンジアミン9.5部およびジブチルアミン0.5部を実施例1と同様に反応し、重量平均分子量79000のウレア変性ポリエステル(2)を得た。ウレア変性ポリエステル(2)200部と変性されていないポリエステル(a)800部を酢酸エチル/MEK(1/1)混合溶剤2000部に溶解、混合し、トナーバインダー(2)の酢酸エチル/MEK溶液を得た。一部減圧乾燥し、トナーバインダー(2)を単離した。Tgは65℃、酸価は10であった。
(トナーの作成)溶解温度および分散温度を50℃に変える以外は実施例1と同様にし、本発明のトナー(2)を得た。評価結果を表2に示す。
ワックスの分散は各粒子に3つ以上存在し分散径は0.1〜2μmが90%を占めていた3μm以上はなかった。分散方向は図5の通りであった
(トナーバインダーの作成)ウレア変性ポリエステル(1)を30部と変性されていないポリエステル(a)970部を酢酸エチル溶剤2000部に溶解、混合し、トナーバインダー(3)の酢酸エチル溶液を得た。一部減圧乾燥し、トナーバインダー(3)を単離した。
(トナーの作成)トナーバインダー(1)をトナーバインダー(3)に変える以外は実施例1と同様にし、重量平均粒径が6μmのトナー(3)を得た。ワックスの分散径が0.1〜2μmである粒子の数をTEM画面写真上で無作為に3画面カウントした結果平均85個数%であった。3μm以上はなかった。その他の評価結果を表2に示す。
(トナーバインダーの作成)ウレア変性ポリエステル(1)を450部と変性されていないポリエステル(a)450部を酢酸エチル1900部に溶解、混合し、トナーバインダー(4)の酢酸エチル溶液を得た。一部減圧乾燥し、トナーバインダー(4)を単離した。
(トナーの作成)トナーバインダー(1)をトナーバインダー(4)に変える以外は実施例1と同様にし、重量平均粒径が6.2μmのトナー(4)を得た。また、ワックスの長径が最大長で3μm以上のワックス粒子を実施例3同様にTEM断面写真上で確認した結果、2%であった。さらにワックスの分散状態は内部方向に分散しているのが観察された。評価結果を表2に示す。
(トナーバインダーの合成)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物815部、テレフタル酸215部を常圧下、200℃で6時間重縮合し、次いで30〜50mmHgの減圧で5時間反応して、ピーク分子量4000の変性されていないポリエステル(b)を得た。ウレア変性ポリエステル(1)100部と変性されていないポリエステル(b)900部を酢酸エチル2000部に溶解、混合し、トナーバインダー(5)の酢酸エチルを得た。一部減圧乾燥し、トナーバインダー(5)を単離した。酸価は0.5であった。
(トナーの作成)トナーバインダー(1)をトナーバインダー(5)に変える以外は実施例1と同様にし、重量平均粒径が8.2μmのトナー(5)を得た。評価結果を表2に示す。
ワックスの分散は各粒子に3つ以上存在し分散径は0.1〜2μmが90%を占めていた。分散方向は図5の通りであった
(トナーバインダーの合成)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物824部、テレフタル酸276部を常圧下、210℃で10時間重縮合し、次いで5〜20mmHgの減圧で5時間反応して、ピーク分子量5000の変性されていないポリエステル(c)を得た。ウレア変性ポリエステル(1)100部と変性されていないポリエステル(c)900部を酢酸エチル2000部に溶解、混合し、トナーバインダー(6)の酢酸エチルを得た。一部減圧乾燥し、トナーバインダー(6)を単離した。
(トナーの作成)トナーバインダー(1)をトナーバインダー(6)に変える以外は実施例1と同様にし、重量平均粒径が5μmのトナー(6)を得た。評価結果を表2に示す。
ワックスの分散は各粒子に3つ以上存在し分散径は0.1〜2μmが90%を占めていた。分散方向は図5の通りであった
(トナーバインダーの合成)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724部、テレフタル酸276部を常圧下、230℃で8時間重縮合し、次いで10〜15mmHgの減圧で5時間反応した後、160℃まで冷却して、これに32部の無水トリメリット酸を加えて2時間反応し、ピーク分子量5000の変性されていないポリエステル(d)を得た。ウレア変性ポリエステル(1)100部と変性されていないポリエステル(d)900部を酢酸エチル/MEK(1/1)混合溶剤2000部に溶解、混合し、トナーバインダー(7)の酢酸エチル/MEK溶液を得た。一部減圧乾燥し、トナーバインダー(7)を単離した。酸価は25であった。
(トナーの作成)トナーバインダー(1)をトナーバインダー(7)に変える以外は実施例1と同様にし、重量平均粒径が7.2μmのトナー(7)を得た。評価結果を表2に示す。
(トナーバインダーの合成)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物608部、テレフタル酸215部を常圧下、200℃で6時間重縮合し、次いで10〜15mmHgの減圧で5時間反応した後、160℃まで冷却して、これに48部の無水トリメリット酸を加えて2時間反応し、ピーク分子量15000の変性されていないポリエステル(e)を得た。ウレア変性ポリエステル(1)100部と変性されていないポリエステル(e)900部を酢酸エチル2000部に溶解、混合し、トナーバインダー(8)の酢酸エチル溶液を得た。一部減圧乾燥し、トナーバインダー(8)を単離した。酸価は35であった。
(トナーの作成)トナーバインダー(1)をトナーバインダー(8)に変える以外は実施例1と同様にし、重量平均粒径が7.2μmのトナー(8)を得た。評価結果を表2に示す。
(トナーバインダーの合成)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物624部、テレフタル酸215部を常圧下、200℃で2時間重縮合し、次いで10〜15mmHgの減圧で5時間反応して、ピーク分子量1000の変性されていないポリエステル(f)を得た。ウレア変性ポリエステル(1)100部と変性されていないポリエステル(f)900部を酢酸エチル2000部に溶解、混合し、トナーバインダー(9)の酢酸エチル溶液を得た。一部減圧乾燥し、トナーバインダー(9)を単離した。
(トナーの作成)トナーバインダー(1)をトナーバインダー(9)に変える以外は実施例1と同様にし、重量平均粒径が8.1μmのトナー(9)を得た。評価結果を表2に示す。
(トナーバインダーの合成)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物624部、テレフタル酸215部を常圧下、200℃で12時間重縮合し、次いで10〜15mmHgの減圧で5時間反応して、ピーク分子量30000の変性されていないポリエステル(i)を得た。ウレア変性ポリエステル(1)100部と変性されていないポリエステル(i)900部を酢酸エチル2000部に溶解、混合し、トナーバインダー(10)の酢酸エチル溶液を得た。一部減圧乾燥し、トナーバインダー(10)を単離した。
(トナーの作成)トナーバインダー(1)をトナーバインダー(10)に変える以外は実施例1と同様にし、重量平均粒径が5.2μmのトナー(10)を得た。評価結果を表2に示す。
(トナーの作成)ペンタエリスリトールテトラベヘネートを加えないこと以外は実施例1と同様にし、重量平均粒径が6.8μmのトナー(11)を得た。評価結果を表2に示す。
(プレポリマーの製造例)冷却管、攪拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物800部、イソフタル酸200部、テレフタル酸15部、およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で200℃で6時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で脱水しながら5時間反応した後、160℃まで冷却して、これに30部の無水フタル酸を加えて2時間反応した。次いで、80℃まで冷却し、酢酸エチル中にてイソホロンジイソシアネート170部と2時間反応を行い重量平均分子量12000のイソシアネート基含有プレポリマー(1)を得た。
参考例7のワックスをエステルワックス(分子量1500、MP85℃、針進入度2mm/50℃,酸価1.5)を使用する以外同じ条件でトナー(13)を得た。評価結果を表2に示す
(プレポリマーの製造例)冷却管、攪拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物955部、イソフタル酸240部、テレフタル酸15部、およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で200℃で6時間反応し、さらに50〜100mmHgの減圧で脱水しながら5時間反応した後、160℃まで冷却して、これに32部の無水フタル酸を加えて2時間反応した。次いで、80℃まで冷却し、酢酸エチル中にてイソホロンジイソシアネート170部と2時間反応を行い重量平均分子量12000のイソシアネート基含有プレポリマー(2)を得た。
(トナーバインダーの合成)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物395部およびイソフタル酸166部をジブチルチンオキサイド2部を触媒として重縮合し、重量平均分子量8000の変性されていないポリエステル(x)を得た。変性されていないポリエステル(x)のTgは57℃であった。
(トナーの作成)ビーカー内に前記の変性されていないポリエステル(x)100部、酢酸エチル溶液180部、銅フタロシアニンブルー顔料4部、ライスワックス(MP:82℃、針進入度50℃:9)5部を入れ、50℃にてTK式ホモミキサーで10000rpmで攪拌し、均一に溶解、分散させた。次いで実施例1と同様にトナー化したが脱溶剤工程においては攪拌をあげて8時間かけて脱溶剤を行った。重量平均粒径6μmの真球上の球形比較トナー(1)を得た。メインピーク分子量Mpは5000、Mw=30000以上の含有率は0.3%、Mw/Mnは2であった。評価結果を表2に示す。
(トナーバインダーの合成)冷却管、攪拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物343部、イソフタル酸166部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応した後、80℃まで冷却し、トルエン中にてトルエンジイソシアネート14部を入れ110℃で5時間反応を行い、次いで脱溶剤し、重量平均分子量98000のウレタン変性ポリエステルを得た。ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物363部、イソフタル酸166部を実施例1と同様に重縮合し、ピーク分子量3800、水酸基価25、酸価7の変性されていないポリエステル(y)を得た。上記ウレタン変性ポリエステル350部と変性されていないポリエステル(y)650部をトルエンに溶解、混合後、脱溶剤し、比較トナーバインダー(2)を得た。 比較トナーバインダー(2)のTgは58℃であった。
〈粉体流動性〉
ホソカワミクロン製パウダーテスターを用いてかさ密度を測定した。流動性の良好なトナーほど、かさ密度は大きい。以下の4段階で評価した。
×:0.25未満
△:0.25〜0.30
○:0.30〜0.35
◎:0.35以上
トナーを50℃×8時間保管後、42メッシュのふるいにて2分間ふるい、金網上の残存率をもって耐熱保存性とした。耐熱保存性の良好なトナーほど残存率は小さい。以下の4段階で評価した。
×:30%以上
△:20〜30%
○:10〜20%
◎:10%未満
定着ローラとしてテフロン(登録商標)ローラを使用した(株)リコー製複写機 MF−200の定着部を改造した装置を用いて、これにリコー製のタイプ6200紙をセットし複写テストを行った。定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ロール温度をもって定着下限温度とした。
上記定着下限温度と同様に定着評価し、定着画像へのホットオフセットの有無を目視評価した。ホットオフセットが発生した定着ロール温度をもっ定着ロール温度をもってホットオフセット発生温度とした。
市販カラー複写機(PRETER550;リコー製)の定着装置を用いて定着評価した。定着画像の60゜光沢が10%以上となる定着ロール温度をもって光沢発現温度とした。
ベルト定着装置として、図1及び図2の構成を備えた実験機を使用して本発明トナー実施例1〜5、参考例1〜9及び比較トナー1、2の評価を行った。
ローラ定着装置として図3の定着装置を備えた実験機を用いて比較トナー1及び比較トナー2の評価を行なった。
図1、2の定着装置概念図に示すような、定着ローラ2と、加熱ローラ1と、この加熱ローラ1及び前記定着ローラ2に張架された無端状定着ベルト3と、この定着ベルト3を介して前記定着ローラ2に対向して設けられた加圧ローラ4と、前記加熱ローラ1の内部に設けられた定着ベルト加熱用ヒータ5とを備え、この加圧ローラ4と前記定着ベルト3との間を搬送される被定着材としての転写紙上のトナー像を定着するベルト定着装置を使用して、前記加圧ローラ4が前記定着ベルト3を介して前記定着ローラ2を加圧することなく前記定着ベルト3に接触して形成された被定着材に対する第1の定着工程を行う部分8の定着圧を被定着材のシワが生じない程度に低く設定し、前記加圧ローラ4が前記定着ベルト3を介して前記定着ローラ2に加圧して形成されて被定着材に対する第2の定着工程を行う部分9の定着圧を所望の定着性が得られる定着圧に設定して定着を行った。
また、シワランクとは定着装置を通過する用紙(被定着材としての転写紙)に発生するシワの程度をランク付けしたことを意味し、ランク3以上はユーザクレームにならない程度を意味する。ランク5はシワが無く、ランク4はシワが少しは有り、ランク3はシワは有るがユーザクレームにならない程度を意味する。ランク2はユーザクレームになるシワが有り、ランク1は顕著なシワが有る。
今回の評価では実施例1〜5、参考例1〜9については全て定着圧1kg/cm2で行った。その結果、しわについては全てランク4以上であった。
2 定着ローラ
3 定着ベルト
4 加圧ローラ
5 ヒータ
6 入り口ガイド板
7 サーミスタ
8 第一の定着工程
9 第二の定着工程
10 加圧スプリング
11 テンションスプリング
12 補助ローラ
13 転写紙
13a 未定着トナー
Claims (14)
- 定着ローラと、加熱ローラと、この加熱ローラ及び前記定着ローラに張架された無端状定着ベルトと、この定着ベルトを介して前記定着ローラに対向して設けられた加圧ローラと、前記加圧ローラと前記加熱ローラのうちの一方若しくは両方の内部に設けられた定着用加熱ヒーターとを備えたベルト定着装置を使用して、前記加圧ローラが前記定着ベルトを介して前記定着ローラを加圧することなく前記定着ベルトに接触して前記加圧ローラと前記定着ベルトとの間を搬送される被定着材上のトナー像を定着するトナー定着方法であって、トナーが円形度0.96以上の球形であるとともに、該トナー中の樹脂に変性ポリエステル樹脂を含有し、該トナー中に含まれるワックスの分散径がトナー中に存在するワックスに対し0.1μm〜2μmのワックス粒子がワックス粒子全個数に対し70個数%以上を占めることを特徴とするトナー定着方法。
- 前記加圧ローラが前記定着ベルトを介して前記定着ローラを加圧することなく前記定着ベルトに接触している前記加圧ローラと前記定着ベルトとの接触部分において、被定着材に対する定着を被定着材のシワが生じない程度に低く設定した定着圧で行う第1の定着工程と、前記加圧ローラが前記定着ベルトを介して前記定着ローラを加圧して接触している前記加圧ローラと前記定着ベルトとの接触部分において被定着材に対する定着を行う第2定着工程とを含むことを特徴とする請求項1に記載のトナー定着方法。
- 前記第一の定着工程における定着圧を1kg/cm2以下とし、第2の定着工程を行う部分の定着圧を第1の定着工程を行う部分の定着圧以上とすることを特徴とする請求項2記載のトナー定着方法。
- 前記加熱ローラを低熱容量のものとしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のトナー定着方法。
- 前記トナーが、離型剤として融点が60〜120℃であるワックスを1〜20wt%含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のトナー定着方法。
- 前記ワックスの重量平均分子量が400〜5000、酸価が1〜30mgKOH/gであることを特徴とする請求項5記載のトナー定着方法
- 前記トナー中に分散されている離型剤がトナー粒子中に平均的に分散され少なくともトナー粒子中に離型剤粒子が3個以上存在することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のトナー定着方法。
- 該トナー中に分散されている離型剤がトナー粒子中に針状に分散されており、離型剤の長径が最大長で3μm以上である離型剤粒子の個数が離型剤粒子の全個数に対して5%を超えないことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のトナー定着方法。
- 該トナー中に針状に分散されている離型剤が、トナー粒子表面に対し離型剤の長径が粒子表面に沿って水平方向に存在するのではなく内部方向に向かうか又は表面露出しないように分散されていることを特徴とする請求項8記載のトナー定着方法。
- 該トナー中に含まれるバインダー成分のTHF可溶分の分子量分布が、分子量1000以下成分が5%以下であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のトナー定着方法。
- 少なくとも該トナー中に含まれるポリエステル樹脂のガラス転移点が55〜70℃であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のトナー定着方法。
- 該トナー中に含まれるバインダー成分のTHF不溶解分が、1〜15%であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のトナー定着方法。
- 該トナー中に含まれるバインダー成分が、THF可溶分の分子量分布において分子量のピークが1000〜30000で且つ、30000以上成分が1%以上であり、重量平均粒径が3〜10μmであることを特徴とする請求項1〜12いずれかに記載のトナー定着方法。
- 該トナー中に含まれるバインダー成分のTHF可溶分の分子量分布において数平均分子量が2000〜15000で且つ、重量平均分子量/数平均分子量が10.0以下であることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載のトナー定着方法。
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