JP2016177064A - 静電潜像現像用トナー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】静電潜像現像用トナーが、コアとシェル層12とを有するトナー粒子を、複数含む。シェル層12は、コアの表面に形成されている。シェル層12は、実質的に樹脂から構成される。また、シェル層12は、その表面に、それぞれ正帯電性を有する複数の点状領域R1と、点状領域R1よりも強い疎水性を有する面状領域R2とを有する。シェル層12を実質的に構成する樹脂には、ポリエステル樹脂が含まれる。シェル層12のうちポリエステル樹脂の表面が、点状領域R1の少なくとも一部に相当する。
【選択図】図2
Description
(トナーの基本構成)
トナーが、トナーコアとシェル層とを有するトナー粒子を複数含む。シェル層は、実質的に樹脂から構成される。また、シェル層は、その表面に、それぞれ正帯電性を有する複数の点状領域と、点状領域よりも強い疎水性を有する面状領域とを有する。シェル層を実質的に構成する樹脂には、ポリエステル樹脂が含まれる。シェル層のうちポリエステル樹脂の表面が、点状領域の少なくとも一部に相当する。
(好適なシェル構成)
シェル層が、樹脂膜と複数の樹脂粒子とを有する。樹脂膜は、疎水性樹脂から実質的に構成される。複数の樹脂粒子はそれぞれ、正帯電性の電荷制御剤を含む樹脂から実質的に構成される。樹脂膜のうちシェル層の表面に露出する部分が、面状領域に相当する。樹脂粒子のうち樹脂膜から露出する部分が、点状領域に相当する。樹脂膜は、粒状感のない膜であってもよいし、粒状感のある膜であってもよい。樹脂膜を形成するための材料として樹脂粒子を使用した場合、材料(樹脂粒子)が完全に溶けて膜状の形態で硬化すれば、樹脂膜として、粒状感のない膜が形成されると考えられる。他方、材料(樹脂粒子)が完全に溶けずに膜状の形態で硬化すれば、樹脂膜として、樹脂粒子が2次元的に連なった形態を有する膜(粒状感のある膜)が形成されると考えられる。樹脂膜は、疎水性樹脂として、1種類の樹脂のみを含んでいてもよいし、2種以上の樹脂を含んでいてもよい。複数の樹脂粒子はそれぞれ、正帯電性の電荷制御剤を含む樹脂(例えば、正帯電性の電荷制御剤に由来する繰返し単位を含む樹脂)として、1種類の樹脂のみを含んでいてもよいし、2種以上の樹脂を含んでいてもよい。
トナー粒子(特に、トナーコア又はシェル層)を構成する熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、アクリル酸系樹脂(より具体的には、アクリル酸エステル重合体、メタクリル酸エステル重合体、又はポリメタクリル酸メチル(PMMA)等)、オレフィン系樹脂(より具体的には、ポリエチレン樹脂又はポリプロピレン樹脂等)、ビニル樹脂(より具体的には、塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ビニルエーテル樹脂、又はN−ビニル樹脂等)、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、もしくはウレタン樹脂のような単独重合体、又はこれら単独重合体のいずれかの繰返し単位と同一のモノマーに由来する繰返し単位を1種以上含む共重合体(より具体的には、スチレン−アクリル酸系樹脂又はスチレン−ブタジエン系樹脂等)を好適に使用できる。
トナー粒子(特に、シェル層)を構成する熱硬化性樹脂としては、例えば、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、スルホンアミド系樹脂、グリオキザール系樹脂、グアナミン系樹脂、アニリン系樹脂、ポリイミド樹脂(より具体的には、マレイミド重合体又はビスマレイミド重合体等)、又はキシレン系樹脂を好適に使用できる。
トナーコアは、結着樹脂を含む。また、トナーコアは、内添剤(例えば、着色剤、離型剤、電荷制御剤、及び磁性粉)を含んでもよい。
トナーコアでは、一般的に、成分の大部分(例えば、85質量%以上)を結着樹脂が占める。このため、結着樹脂の性質がトナーコア全体の性質に大きな影響を与えると考えられる。例えば、結着樹脂がエステル基、水酸基、エーテル基、酸基、又はメチル基を有する場合には、トナーコアはアニオン性になる傾向が強くなり、結着樹脂がアミノ基又はアミド基を有する場合には、トナーコアはカチオン性になる傾向が強くなる。結着樹脂が強いアニオン性を有するためには、結着樹脂の水酸基価(測定方法:JIS(日本工業規格)K0070−1992)及び酸価(測定方法:JIS(日本工業規格)K0070−1992)がそれぞれ10mgKOH/g以上であることが好ましく、20mgKOH/g以上であることがより好ましい。
トナーコアは、着色剤を含んでいてもよい。着色剤としては、トナーの色に合わせて公知の顔料又は染料を用いることができる。着色剤の使用量は、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましく、3質量部以上10質量部以下であることがより好ましい。
トナーコアは、離型剤を含んでいてもよい。離型剤は、例えば、トナーの定着性又は耐オフセット性を向上させる目的で使用される。トナーコアのアニオン性を強めるためには、アニオン性を有するワックスを用いてトナーコアを作製することが好ましい。トナーの定着性又は耐オフセット性を向上させるためには、離型剤の使用量は、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下であることが好ましく、5質量部以上20質量部以下であることがより好ましい。
トナーコアは、電荷制御剤を含んでいてもよい。電荷制御剤は、例えば、トナーの帯電安定性又は帯電立ち上がり特性を向上させる目的で使用される。トナーの帯電立ち上がり特性は、短時間で所定の帯電レベルにトナーを帯電可能か否かの指標になる。
トナーコアは、磁性粉を含んでいてもよい。磁性粉としては、例えば、鉄(より具体的には、フェライト又はマグネタイト等)、強磁性金属(より具体的には、コバルト又はニッケル等)、鉄及び/又は強磁性金属を含む合金、強磁性化処理(より具体的には、熱処理等)が施された強磁性合金、又は二酸化クロムを好適に使用できる。1種の磁性粉を単独で使用してもよいし、複数種の磁性粉を併用してもよい。
本実施形態のトナー粒子では、シェル層がポリエステル樹脂を含む。シェル層に含まれるポリエステル樹脂に関しては、ガラス転移点(Tg)が60℃以上80℃以下であることが好ましく、軟化点(Tm)が100℃以上120℃以下であることが好ましい。
前述の好適なシェル構成において、樹脂膜を実質的に構成する疎水性樹脂としては、熱可塑性樹脂(より具体的には、前述の各種樹脂等)が好ましく、スチレン系モノマー(例えば、スチレンモノマー)とアクリル酸系モノマー(例えば、アクリル酸エステルモノマー)との共重合体が特に好ましい。スチレン−アクリル酸系樹脂は、ポリエステル樹脂と比べて、疎水性が強く、正帯電し易い傾向がある。
前述の好適なシェル構成においては、複数の樹脂粒子がそれぞれ、正帯電性の電荷制御剤に由来する繰返し単位を含む樹脂(以下、樹脂混合物の正帯電性樹脂と記載する)と、ポリエステル樹脂との樹脂混合物から実質的に構成されることが好ましい。樹脂混合物の正帯電性樹脂としては、正帯電性の電荷制御剤に由来する繰返し単位を組み込んだ熱可塑性樹脂(より具体的には、前述の各種樹脂等)が好ましく、4級アンモニウム化合物(例えば、4級アンモニウム塩)モノマーとアクリル酸系モノマー(例えば、アクリル酸エステルモノマー)との共重合体が特に好ましい。樹脂粒子を構成する樹脂の合成に用いられる正帯電性の電荷制御剤の好適な例を以下に示す。なお、必要に応じて、以下に示される各化合物の誘導体を使用してもよい。
トナー母粒子の表面に外添剤を付着させてもよい。外添剤は、例えばトナーの流動性又は取扱性を向上させるために使用される。トナーの流動性又は取扱性を向上させるためには、外添剤の使用量は、トナー母粒子100質量部に対して、0.5質量部以上10質量部以下であることが好ましい。また、トナーの流動性又は取扱性を向上させるためには、外添剤の粒子径は0.01μm以上1.0μm以下であることが好ましい。
以下、上記構成を有する本実施形態に係るトナーを製造する方法の一例について説明する。液に、トナーコアと、第1シェル材料(例えば、疎水性樹脂)と、第2シェル材料(例えば、正帯電性樹脂)とを入れる。続けて、液中で、トナーコアの表面に付着したシェル材料を重合反応させることにより、トナーコアの表面に、実質的に樹脂から構成されるシェル層を形成する。トナーが前述の基本構成を有するためには、正帯電性樹脂のガラス転移点(Tg)が、疎水性樹脂のガラス転移点(Tg)よりも5℃以上高いことが好ましい。なお、ガラス転移点(Tg)の測定方法は、後述する実施例と同じ方法又はその代替方法である。
好適なトナーコアを容易に得るためには、凝集法又は粉砕法によりトナーコアを製造することが好ましく、粉砕法によりトナーコアを製造することがより好ましい。
トナーコアとシェル材料とが入れられる上記液として、例えばイオン交換水を準備する。続けて、例えば塩酸を用いて液のpHを所定のpH(以下、シェル材料重合pHと記載する)に調整する。シェル層の形成を促進するためには、シェル材料重合pHは、3以上5以下(弱酸性)であることが好ましく、4であることが特に好ましい。
示差走査熱量計(セイコーインスツル株式会社製「DSC−6220」)を用いて、試料(例えば、樹脂)の吸熱曲線を求めた。続けて、得られた吸熱曲線から試料のTg(ガラス転移点)を読み取った。得られた吸熱曲線中の比熱の変化点(ベースラインの外挿線と立ち下がりラインの外挿線との交点)の温度が、試料のTg(ガラス転移点)に相当する。
高化式フローテスター(株式会社島津製作所製「CFT−500D」)に試料(例えば、樹脂)をセットし、ダイス細孔径1mm、プランジャー荷重20kg/cm2、昇温速度6℃/分の条件で、1cm3の試料を溶融流出させて、試料のS字カーブ(横軸:温度、縦軸:ストローク)を求めた。続けて、得られたS字カーブから試料のTm(軟化点)を読み取った。得られたS字カーブにおいて、ストロークの最大値をS1とし、低温側のベースラインのストローク値をS2とすると、S字カーブ中のストロークの値が「(S1+S2)/2」となる温度が、試料のTm(軟化点)に相当する。
(トナーコアの作製)
低粘度ポリエステル樹脂(Tg=38℃、Tm=65℃)750gと、中粘度ポリエステル樹脂(Tg=53℃、Tm=84℃)100gと、高粘度ポリエステル樹脂(Tg=71℃、Tm=120℃)150gと、カルナバワックス(株式会社加藤洋行製「カルナウバワックス1号」)55gと、着色剤(DIC株式会社製「KET BLUE 111」、フタロシアニンブルー)40gとを、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製)を用いて回転速度2400rpmで混合した。
温度計及び攪拌羽根を備えた容量1Lの3つ口フラスコをウォーターバスにセットし、フラスコ内にイオン交換水875mLとアニオン界面活性剤(花王株式会社製「ラテムル(登録商標)WX」、成分:ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、固形分濃度:26質量%)75mLとを入れた。その後、ウォーターバスを用いてフラスコ内の温度を80℃に保った。続けて、80℃のフラスコ内容物に2種類の液(第1の液及び第2の液)をそれぞれ5時間かけてフラスコ内に滴下した。第1の液は、スチレン18mLと、アクリル酸ブチル2mLとの混合液であった。第2の液は、過硫酸カリウム0.5gをイオン交換水30mLに溶かした溶液であった。続けて、フラスコ内の温度を80℃にさらに2時間保って、フラスコ内容物を重合させた。その結果、樹脂微粒子(疎水性樹脂)のサスペンション(以下、サスペンションA−1と記載する)が得られた。得られたサスペンションA−1に含まれる樹脂微粒子に関して、個数平均粒子径は32nmであり、Tgは71℃であった。
温度計、冷却管、窒素導入管、及び攪拌羽根を備えた容量1Lの3つ口フラスコ内に、イソブタノール90mLと、メタクリル酸メチル100mLと、アクリル酸ブチル35mLと、2−(メタクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウムクロライド(Alfa Aesar社製)30mLと、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)(和光純薬工業株式会社製「VA−086」)6mLとを入れた。続けて、窒素雰囲気、温度80℃の条件で、フラスコ内容物を3時間反応させた。その後、フラスコ内に2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)(和光純薬工業株式会社製「VA−086」)3mLを加えて、窒素雰囲気、温度80℃の条件で、フラスコ内容物をさらに3時間反応させて、重合体溶液を得た。続けて、得られた重合体溶液を、減圧雰囲気、温度150℃の条件で乾燥した。続けて、乾燥した重合体を解砕し、正帯電性樹脂を得た。
温度計及び攪拌羽根を備えた容量1Lの3つ口フラスコをウォーターバスにセットし、フラスコ内にイオン交換水100mLを入れた。その後、ウォーターバスを用いてフラスコ内の温度を30℃に保った。続けて、フラスコ内に希塩酸を加えて、フラスコ内容物のpH(シェル材料重合pH)を4に調整した。続けて、フラスコ内に、0.35mLのヘキサメチロールメラミン初期重合体の水溶液(昭和電工株式会社製「ミルベン(登録商標)レジンSM−607」、固形分濃度80質量%)と、220mLのサスペンションA−1と、1.2mLのサスペンションB−1とを添加した。
上記のようにして得られたトナー母粒子の分散液を、ブフナー漏斗を用いてろ過(固液分離)して、ウェットケーキ状のトナー母粒子を得た。その後、得られたウェットケーキ状のトナー母粒子をイオン交換水に再分散させた。さらに、分散とろ過とを5回繰り返して、トナー母粒子を洗浄した。
続けて、得られたトナー母粒子を、濃度50質量%のエタノール水溶液に分散させた。これにより、トナー母粒子のスラリーが得られた。続けて、連続式表面改質装置(フロイント産業株式会社製「コートマイザー(登録商標)」)を用いて、熱風温度45℃かつブロアー風量2m3/分の条件で、スラリー中のトナー母粒子を乾燥させた。その結果、トナー母粒子の粉体が得られた。乾燥したトナー母粒子を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察した結果、シェル層に粒状感が見られたが、シェル層を構成する粒子同士は分離していなかった。
続けて、得られたトナー母粒子を外添処理した。詳しくは、トナー母粒子100質量部と乾式シリカ微粒子(日本アエロジル株式会社製「REA90」)1.0質量部とを、容量10LのFMミキサー(日本コークス工業株式会社製)を用いて5分間混合することにより、トナー母粒子の表面に外添剤(シリカ粒子)を付着させた。その後、得られたトナーを、200メッシュ(目開き75μm)の篩を用いて篩別した。その結果、多数のトナー粒子を含むトナーAが得られた。
トナーBの製造方法は、シェル層形成工程において、サスペンションB−1の使用量を1.2mLから0.4mLに変更した以外は、トナーAの製造方法と同じであった。
トナーCの製造方法は、シェル層形成工程において、サスペンションB−1の使用量を1.2mLから2.0mLに変更した以外は、トナーAの製造方法と同じであった。
トナーDの製造方法は、シェル層形成工程において、1.2mLのサスペンションB−1の代わりに1.2mLのサスペンションB−2(正帯電性樹脂微粒子のサスペンション)を使用した以外は、トナーAの製造方法と同じであった。サスペンションB−2の調製方法は、正帯電性樹脂の添加量を10gから2gに変更した以外は、サスペンションB−1の調製方法と同じであった。
トナーEの製造方法は、シェル層形成工程において、1.2mLのサスペンションB−1の代わりに、以下に示す方法で調製したサスペンションB−3(正帯電性樹脂微粒子のサスペンション)1.2mLを使用した以外は、トナーAの製造方法と同じであった。
トナーFの製造方法は、シェル層形成工程において、サスペンションB−3の使用量を1.2mLから2.0mLに変更した以外は、トナーEの製造方法と同じであった。
トナーGの製造方法は、シェル層形成工程において、220mLのサスペンションA−1の代わりに220mLのサスペンションA−2(疎水性樹脂のサスペンション)を使用し、サスペンションB−1を使用しなかった以外は、トナーAの製造方法と同じであった。サスペンションA−2の調製方法は、第1の液として、スチレン18mLと、アクリル酸ブチル2mLとの混合液の代わりに、スチレン18mLと、アクリル酸ブチル2mLと、2−(メタクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウムクロライド(Alfa Aesar社製)0.2mLとの混合液を使用した以外は、サスペンションA−1の調製方法と同じであった。得られたサスペンションA−2に含まれる樹脂微粒子に関して、個数平均粒子径は30nmであり、Tgは68℃であった。
トナーHの製造方法は、サスペンションB−1を使用しなかった以外は、トナーAの製造方法と同じであった。
各試料(トナーA〜H)の評価方法は、以下の通りである。
試料(トナー)の電荷減衰定数αは、静電気拡散率測定装置(株式会社ナノシーズ製「NS−D100」)を用いて、JIS(日本工業規格)C 61340−2−1−2006に準拠した方法で測定した。以下、トナーの電荷減衰定数の測定方法について詳述する。
現像剤用キャリア(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製の「TASKalfa5550ci」用キャリア)と、試料(トナー)とを、ボールミルを用いて30分間混合し、評価用現像剤(2成分現像剤)を調製した。評価用現像剤における試料(トナー)の割合は12質量%であった。
Q/mメーターの測定セルに現像剤を投入し、投入された現像剤のうちトナーのみを篩を介して10秒間吸引した。そして、式「吸引されたトナーの総電気量(μC)/吸引されたトナーの質量(g)」に基づいて、現像剤中のトナーの帯電量(μC/g)を算出した。
帯電安定性の評価と同様の手法により、評価用現像剤(2成分現像剤)を調製した。評価機としては、カラー複合機(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「TASKalfa5550ci」)を用いた。評価用現像剤を評価機の現像器に投入し、評価機のトナーコンテナに試料(補給用トナー)を投入した。
帯電安定性の評価と同様の手法により、評価用現像剤(2成分現像剤)を調製した。高温高湿環境(H/H環境:温度32.5℃、湿度80%RH)下で12時間静置した評価用現像剤(以下、H/H静置後現像剤と記載する)を用いて形成された画像のかぶり濃度を測定した。
FD=(空白部の反射濃度)−(未印刷紙の反射濃度)
表2に、トナーA〜Hの各々の評価結果を示す。
11 トナーコア
12 シェル層
12a 電荷制御剤含有樹脂粒子
12b 疎水性樹脂粒子
R1 点状領域
R2 面状領域
Claims (10)
- コアと、前記コアの表面に形成されたシェル層とを有するトナー粒子を、複数含み、
前記シェル層は、実質的に樹脂から構成され、表面に、それぞれ正帯電性を有する複数の点状領域と、前記点状領域よりも強い疎水性を有する面状領域とを有し、
前記シェル層を実質的に構成する前記樹脂には、ポリエステル樹脂が含まれ、
前記シェル層のうち前記ポリエステル樹脂の表面が、前記点状領域の少なくとも一部に相当する、静電潜像現像用トナー。 - 前記点状領域は、前記面状領域に囲まれている、請求項1に記載の静電潜像現像用トナー。
- 前記点状領域は、前記シェル層の表面に散在している、請求項1又は2に記載の静電潜像現像用トナー。
- 前記コアは、ポリエステル樹脂を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の静電潜像現像用トナー。
- 前記シェル層は、疎水性樹脂から実質的に構成される樹脂膜と、それぞれ正帯電性の電荷制御剤を含む樹脂から実質的に構成される複数の樹脂粒子とを有し、
前記樹脂膜のうち前記シェル層の表面に露出する部分が前記面状領域に相当し、
前記樹脂粒子のうち前記樹脂膜から露出する部分が前記点状領域に相当する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の静電潜像現像用トナー。 - 前記樹脂粒子を実質的に構成する前記樹脂は、4級アンモニウム化合物モノマーとアクリル酸系モノマーとの共重合体と、前記ポリエステル樹脂との樹脂混合物である、請求項5に記載の静電潜像現像用トナー。
- 前記樹脂膜を実質的に構成する前記疎水性樹脂は、スチレン系モノマーとアクリル酸系モノマーとの共重合体である、請求項5又は6に記載の静電潜像現像用トナー。
- 前記シェル層は、熱硬化性樹脂をさらに含む、請求項5〜7のいずれか一項に記載の静電潜像現像用トナー。
- 前記シェル層は、前記熱硬化性樹脂として、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、及びグリオキザール系樹脂からなる群より選択される1種以上の樹脂を含む、請求項8に記載の静電潜像現像用トナー。
- 全ての前記樹脂膜を構成する樹脂の合計質量に対する、全ての前記樹脂粒子を構成する樹脂の合計質量の割合は、1質量%以上43質量%以下である、請求項5〜9のいずれか一項に記載の静電潜像現像用トナー。
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