JP6424788B2 - 静電潜像現像用トナー - Google Patents
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Description
(トナーの基本構成)
静電潜像現像用トナーが、トナーコア及びシェル層を備えるトナー粒子を、複数含む。シェル層は、第1ドメイン及び第2ドメインを有する。第1ドメイン及び第2ドメインはそれぞれ、モル分率20モル%以上の1種以上のモノマー(以下、主モノマーと記載する)と1種以上の他のモノマー(モル分率20モル%未満のモノマー)との共重合体を含有する。第1ドメインの主モノマーと第2ドメインの主モノマーとでは、Fedors法により算出される重合体のSP値の差(絶対値)が0.5以上5.0以下である。第1ドメインの他のモノマーと第2ドメインの他のモノマーとには、単独重合体となった場合のガラス転移点が−20℃以下である共通モノマー(以下、低Tg共通モノマーと記載する)が1種以上含まれる。以下、第1ドメイン及び第2ドメインを包括的に「ドメイン」と総称する場合がある。
文献A:R.F.Fedors,「Polymer Engineering and Science」,1974年,第14巻,第2号,p147−154
文献B:岡村誠三著、外6名,「高分子化学序論」,第2版,株式会社化学同人,p172(特に、4−69のFoxの式)
文献C:J.Brandrup、E.H.Immergut、E.A.Grulke,「POLYMER HANDBOOK」,FOURTH EDITION,Volume1,WILEY-INTERSIENCE,2003年5月,VI/199−VI/277
トナー粒子(特に、トナーコア又はシェル層)を構成する熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、アクリル酸系樹脂(より具体的には、アクリル酸エステル重合体、メタクリル酸エステル重合体、又はポリメタクリル酸メチル(PMMA)等)、オレフィン系樹脂(より具体的には、ポリエチレン樹脂又はポリプロピレン樹脂等)、ビニル樹脂(より具体的には、塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ビニルエーテル樹脂、又はN−ビニル樹脂等)、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、もしくはウレタン樹脂のような単独重合体、又はこれら単独重合体のいずれかの繰返し単位と同一のモノマーに由来する繰返し単位を1種以上含む共重合体(より具体的には、スチレン−アクリル酸系樹脂又はスチレン−ブタジエン系樹脂等)を好適に使用できる。
(結着樹脂)
トナーコアでは、一般的に、成分の大部分(例えば、85質量%以上)を結着樹脂が占める。このため、結着樹脂の性質がトナーコア全体の性質に大きな影響を与えると考えられる。例えば、結着樹脂がエステル基、水酸基、エーテル基、酸基、又はメチル基を有する場合には、トナーコアはアニオン性になる傾向が強くなり、結着樹脂がアミノ基又はアミド基を有する場合には、トナーコアはカチオン性になる傾向が強くなる。結着樹脂が強いアニオン性を有するためには、結着樹脂の水酸基価及び酸価がそれぞれ10mgKOH/g以上であることが好ましい。
トナーコアは、着色剤を含有してもよい。着色剤としては、トナーの色に合わせて公知の顔料又は染料を用いることができる。トナーを用いて高画質の画像を形成するためには、着色剤の量が、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
トナーコアは、離型剤を含有していてもよい。離型剤は、例えば、トナーの定着性又は耐オフセット性を向上させる目的で使用される。トナーコアのアニオン性を強めるためには、アニオン性を有するワックスを用いてトナーコアを作製することが好ましい。トナーの定着性又は耐オフセット性を向上させるためには、離型剤の量は、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下であることが好ましい。
トナーコアは、電荷制御剤を含有していてもよい。電荷制御剤は、例えば、トナーの帯電安定性又は帯電立ち上がり特性を向上させる目的で使用される。トナーの帯電立ち上がり特性は、短時間で所定の帯電レベルにトナーを帯電可能か否かの指標になる。
トナーコアは、磁性粉を含有していてもよい。磁性粉としては、例えば、鉄(より具体的には、フェライト又はマグネタイト等)、強磁性金属(より具体的には、コバルト又はニッケル等)、鉄及び/又は強磁性金属を含む合金、強磁性化処理(より具体的には、熱処理等)が施された強磁性合金、又は二酸化クロムを好適に使用できる。1種類の磁性粉を単独で使用してもよいし、複数種の磁性粉を併用してもよい。
本実施形態に係るトナーは、前述の基本構成を有する。シェル層中の第1ドメイン及び第2ドメインがそれぞれ、1種以上の主モノマーと1種以上の他のモノマーとの共重合体を含有する。また、第1ドメイン及び第2ドメインはそれぞれ、他のモノマーとして低Tg共通モノマー(−20℃以下の重合Tgを有するモノマー)を含む。
トナー母粒子の表面に、外添剤として無機粒子を付着させてもよい。外添剤は、例えばトナーの流動性又は取扱性を向上させるために使用される。トナーの流動性又は取扱性を向上させるためには、外添剤の量が、トナー母粒子100質量部に対して、0.5質量部以上10質量部以下であることが好ましい。また、トナーの流動性又は取扱性を向上させるためには、外添剤の粒子径は0.01μm以上1.0μm以下であることが好ましい。
以下、上記構成を有する本実施形態に係るトナーを製造する方法の一例について説明する。まず、トナーコアを準備する。続けて、液中にトナーコアとシェル材料とを入れる。均質なシェル層を形成するためには、シェル材料を含む液を攪拌するなどして、シェル材料を液に溶解又は分散させることが好ましい。続けて、液中でシェル材料を反応させて、トナーコアの表面にシェル層(硬化した樹脂層)を形成する。シェル層形成時におけるトナーコア成分(特に、結着樹脂及び離型剤)の溶解又は溶出を抑制するためには、水性媒体中でシェル層を形成することが好ましい。水性媒体は、水を主成分とする媒体(より具体的には、純水、又は水と極性媒体との混合液等)である。水性媒体は溶媒として機能してもよい。水性媒体中に溶質が溶けていてもよい。水性媒体は分散媒として機能してもよい。水性媒体中に分散質が分散していてもよい。水性媒体中の極性媒体としては、例えば、アルコール(より具体的には、メタノール又はエタノール等)を使用できる。
好適なトナーコアを容易に得るためには、凝集法又は粉砕法によりトナーコアを製造することが好ましく、粉砕法によりトナーコアを製造することがより好ましい。
トナーコアとシェル材料とが入れられる上記液(詳しくは、水性媒体)として、例えばイオン交換水を準備する。続けて、例えば塩酸を用いて水性媒体のpHを所定のpH(例えば、4)に調整する。続けて、pHが調整された水性媒体(例えば、酸性の水性媒体)に、トナーコアと、第1樹脂粒子のサスペンションと、第2樹脂粒子のサスペンションとを添加する。第1樹脂粒子及び第2樹脂粒子はそれぞれ共重合体から実質的に構成され、これら共重合体の組合せは、前述の基本構成に規定される要件を満たすように選定される。
示差走査熱量計(セイコーインスツル株式会社製「DSC−6220」)を用いて、試料(例えば、樹脂)の吸熱曲線(縦軸:熱流(DSC信号)、横軸:温度)を求めた。続けて、得られた吸熱曲線から試料のTg(ガラス転移点)を読み取った。得られた吸熱曲線中の比熱の変化点(ベースラインの外挿線と立ち下がりラインの外挿線との交点)の温度が、試料のTg(ガラス転移点)に相当する。
高化式フローテスター(株式会社島津製作所製「CFT−500D」)に試料(例えば、樹脂)をセットし、ダイス細孔径1mm、プランジャー荷重20kg/cm2、昇温速度6℃/分の条件で、1cm3の試料を溶融流出させて、試料のS字カーブ(横軸:温度、縦軸:ストローク)を求めた。続けて、得られたS字カーブから試料のTmを読み取った。S字カーブにおいて、ストロークの最大値をS1とし、低温側のベースラインのストローク値をS2とすると、S字カーブ中のストロークの値が「(S1+S2)/2」となる温度が、試料のTm(軟化点)に相当する。
(トナーコアの作製)
FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−20B」)を用いて、低粘度ポリエステル樹脂(Tg:38℃、Tm:65℃)750gと、中粘度ポリエステル樹脂(Tg:53℃、Tm:84℃)100gと、高粘度ポリエステル樹脂(Tg:71℃、Tm:120℃)150gと、離型剤(株式会社加藤洋行製「カルナウバワックス1号」)55gと、着色剤(DIC株式会社製「KET Blue111」、成分:フタロシアニンブルー)40gとを、回転速度2400rpmで混合した。結着樹脂(ポリエステル樹脂)における低粘度ポリエステル樹脂の比率を増やすことで、結着樹脂の溶融粘度を下げることができる。
温度計及び攪拌羽根を備えた容量1Lの3つ口フラスコをウォーターバスにセットし、フラスコ内に、約30℃のイオン交換水875mLと、アニオン界面活性剤(花王株式会社製「ラテムル(登録商標)WX」、成分:ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、固形分濃度:26質量%)75mLとを入れた。その後、ウォーターバスを用いてフラスコ内の温度を80℃に昇温させた。続けて、80℃のフラスコ内容物に2種類の液(第1の液及び第2の液)をそれぞれ5時間かけて滴下した。第1の液は、スチレン18gとアクリル酸ブチル2gとの混合液であった。第2の液は、過硫酸カリウム0.5gをイオン交換水30mLに溶かした溶液であった。続けて、フラスコ内の温度を80℃にさらに2時間保って、フラスコ内容物を重合させた。その結果、疎水性樹脂(詳しくは、スチレン−アクリル酸系樹脂)のサスペンションA−1が得られた。得られたサスペンションA−1に含まれる樹脂微粒子に関して、個数平均粒子径は32nmであり、ガラス転移点(Tg)は71℃であった。
温度計、冷却管、窒素導入管、及び攪拌羽根を備えた容量1Lの3つ口フラスコ内に、イソブタノール90gと、メタクリル酸メチル145gと、アクリル酸ブチル17gと、2−(メタクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウムクロライド(Alfa Aesar社製)3gと、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)(和光純薬工業株式会社製「VA−086」)6gとを入れた。続けて、窒素雰囲気、温度80℃の条件で、フラスコ内容物を3時間反応させた。その後、フラスコ内に2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)(和光純薬工業株式会社製「VA−086」)3gを加えて、窒素雰囲気、温度80℃の条件で、フラスコ内容物をさらに3時間反応させて、重合体溶液を得た。続けて、得られた重合体溶液を、減圧雰囲気、温度150℃の条件で乾燥した。続けて、乾燥した重合体を解砕し、正帯電性樹脂を得た。
温度計及び攪拌羽根を備えた容量1Lの3つ口フラスコを準備し、フラスコをウォーターバスにセットした。続けて、フラスコ内にイオン交換水100mLを入れて、ウォーターバスを用いてフラスコ内の温度を30℃に保った。続けて、フラスコ内に希塩酸を加えて、フラスコ内の水性媒体のpHを4に調整した。
上記のようにして得られたトナー母粒子の分散液を、ブフナー漏斗を用いてろ過(固液分離)した。その結果、ウェットケーキ状のトナー母粒子が得られた。その後、得られたウェットケーキ状のトナー母粒子をイオン交換水に再分散させた。さらに、分散とろ過とを5回繰り返して、トナー母粒子を洗浄した。
続けて、得られたトナー母粒子を、濃度50質量%のエタノール水溶液に分散させた。これにより、トナー母粒子のスラリーが得られた。続けて、連続式表面改質装置(フロイント産業株式会社製「コートマイザー(登録商標)」)を用いて、熱風温度45℃かつブロアー風量2m3/分の条件で、スラリー中のトナー母粒子を乾燥させた。その結果、トナー母粒子(粉体)が得られた。走査型電子顕微鏡(SEM)(日本電子株式会社製「JSM−6700F」)を用いてトナー母粒子の表面を観察した結果、粒状の第1ドメインと粒状の第2ドメインとが一体化して膜状のシェル層を形成していることが確認された。膜状のシェル層には、第1ドメイン及び第2ドメインに起因した粒状感が残っているものの、第1ドメインと第2ドメインとはつながっていた(分離していなかった)。
上記乾燥後、トナー母粒子に外添を行った。詳しくは、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−20B」)を用いて、トナー母粒子100質量部と乾式シリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「AEROSIL(登録商標)REA90」)1質量部とを5分間混合することにより、トナー母粒子の表面に外添剤(シリカ粒子)を付着させた。その後、得られたトナーを、200メッシュ(目開き75μm)の篩を用いて篩別した。その結果、多数のトナー粒子を含むトナーTA−1が得られた。
トナーTA−2の製造方法は、第2シェル材料として、サスペンションB−1の代わりにサスペンションB−2を用いた以外は、トナーTA−1の製造方法と同じであった(表2参照)。
サスペンションB−2の調製方法は、メタクリル酸メチル145gの代わりにスチレン145gを用いた以外は、サスペンションB−1の調製方法と同じであった(表4参照)。得られたサスペンションB−2に含まれる樹脂微粒子に関して、個数平均粒子径は39nmであり、ガラス転移点(Tg)は80℃であった。
トナーTA−3の製造方法は、第2シェル材料として、サスペンションB−1の代わりにサスペンションB−3を用いた以外は、トナーTA−1の製造方法と同じであった(表2参照)。
サスペンションB−3の調製方法は、メタクリル酸メチルの量を145gから138gに変更し、アクリル酸ブチル17gの代わりにアクリル酸エチル24gを用いた以外は、サスペンションB−1の調製方法と同じであった(表4参照)。得られたサスペンションB−3に含まれる樹脂微粒子に関して、個数平均粒子径は40nmであり、ガラス転移点(Tg)は79℃であった。
トナーTB−1の製造方法は、第1シェル材料として、サスペンションA−1の代わりにサスペンションA−2を用いた以外は、トナーTA−2の製造方法と同じであった(表2参照)。
サスペンションA−2の調製方法は、スチレン18gに代えてスチレン6g及びメタクリル酸メチル12gを用いた以外は、サスペンションA−1の調製方法と同じであった(表3参照)。得られたサスペンションA−2に含まれる樹脂微粒子に関して、個数平均粒子径は33nmであり、ガラス転移点(Tg)は69℃であった。
トナーTB−2の製造方法は、第1シェル材料として、サスペンションA−1の代わりにサスペンションA−5を用いた以外は、トナーTA−2の製造方法と同じであった(表2参照)。
サスペンションA−5の調製方法は、スチレン18gに代えてアクリロニトリル18gを用いた以外は、サスペンションA−1の調製方法と同じであった(表3参照)。得られたサスペンションA−5に含まれる樹脂微粒子に関して、個数平均粒子径は40nmであり、ガラス転移点(Tg)は68℃であった。
トナーTB−3の製造方法は、第1シェル材料として、サスペンションA−1の代わりにサスペンションA−6を用いた以外は、トナーTA−2の製造方法と同じであった(表2参照)。
サスペンションA−6の調製方法は、スチレン18gに代えてスチレン11.8g及びメタクリル酸メチル6.2gを用いた以外は、サスペンションA−1の調製方法と同じであった(表3参照)。得られたサスペンションA−6に含まれる樹脂微粒子に関して、個数平均粒子径は35nmであり、ガラス転移点(Tg)は70℃であった。
トナーTCの製造方法は、第1シェル材料として、サスペンションA−1の代わりにサスペンションA−3を用いた以外は、トナーTA−1の製造方法と同じであった(表2参照)。
サスペンションA−3の調製方法は、スチレン18gに代えてメタクリル酸メチル10g及びアクリロニトリル8gを用いた以外は、サスペンションA−1の調製方法と同じであった(表3参照)。得られたサスペンションA−3に含まれる樹脂微粒子に関して、個数平均粒子径は40nmであり、ガラス転移点(Tg)は70℃であった。
トナーTDの製造方法は、第1シェル材料として、サスペンションA−1の代わりにサスペンションA−4を用いた以外は、トナーTA−3の製造方法と同じであった(表2参照)。
サスペンションA−4の調製方法は、スチレン18gの代わりにアクリロニトリル17gを用い、アクリル酸ブチル2gの代わりにアクリル酸エチル3gを用いた以外は、サスペンションA−1の調製方法と同じであった(表3参照)。得られたサスペンションA−4に含まれる樹脂微粒子に関して、個数平均粒子径は43nmであり、ガラス転移点(Tg)は70℃であった。
トナーTEの製造方法は、第2シェル材料として、サスペンションB−2の代わりにサスペンションB−4を用いた以外は、トナーTB−1の製造方法と同じであった(表2参照)。
サスペンションB−4の調製方法は、メタクリル酸メチル145gに代えてスチレン100g及びメタクリル酸メチル45gを用いた以外は、サスペンションB−1の調製方法と同じであった(表4参照)。得られたサスペンションB−4に含まれる樹脂微粒子に関して、個数平均粒子径は40nmであり、ガラス転移点(Tg)は79℃であった。
各試料(トナーTA−1〜TE)の評価方法は、以下の通りである。
試料(トナー)2gを容量20mLのポリエチレン製容器に入れて密閉し、密閉された容器を、60℃に設定された恒温槽内に3時間静置した。その後、恒温槽から取り出したトナーを室温(約25℃)まで冷却して、評価用トナーを得た。
凝集率(質量%)=100×篩別後のトナーの質量/篩別前のトナーの質量
評価機として、Roller−Roller方式の加熱加圧型の定着器(ニップ幅8mm)を有するプリンター(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「FS−C5250DN」を改造して定着温度を変更可能にした評価機)を用いた。現像剤用キャリア(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製の「TASKalfa5550ci」用キャリア)100質量部と試料(トナー)10質量部とを、ボールミルを用いて30分間混合して2成分現像剤を調製した。調製した2成分現像剤を評価機の現像器に投入し、試料(補給用トナー)を評価機のトナーコンテナに投入した。
トナーTA−1〜TEの各々についての評価結果を、表5に示す。
11 トナーコア
12 シェル層
12a 第1ドメイン
12b 第2ドメイン
Claims (9)
- コアと、前記コアの表面に形成されたシェル層とを備えるトナー粒子を、複数含む静電潜像現像用トナーであって、
前記シェル層は、第1ドメインと、第2ドメインとを有し、
前記第1ドメインと前記第2ドメインとは前記コア表面に隣接して配置され、
前記第1ドメイン及び前記第2ドメインはそれぞれ、モル分率20モル%以上の1種以上の主モノマーと1種以上の他のモノマーとの共重合体を含有し、
前記第1ドメインの前記主モノマーと前記第2ドメインの前記主モノマーとでは、Fedors法により算出される重合体のSP値の差が0.5以上5.0以下であり、
前記第1ドメインの前記他のモノマーと前記第2ドメインの前記他のモノマーとには、単独重合体となった場合のガラス転移点が−20℃以下である共通モノマーが1種以上含まれる、静電潜像現像用トナー。 - 前記第1ドメインに含有される前記共重合体における前記共通モノマーのモル分率と、前記第2ドメインに含有される前記共重合体における前記共通モノマーのモル分率とは、それぞれ5モル%以上20モル%未満である、請求項1に記載の静電潜像現像用トナー。
- 前記第1ドメインの前記主モノマーと前記第2ドメインの前記主モノマーとの各々についての、単独重合体となった場合のガラス転移点はそれぞれ、前記共通モノマーについての、単独重合体となった場合のガラス転移点よりも100℃以上高い、請求項1又は2に記載の静電潜像現像用トナー。
- 前記共通モノマーは、アクリル酸エチル又はアクリル酸ブチルである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の静電潜像現像用トナー。
- 前記第1ドメインに含有される前記共重合体は、電荷制御剤に由来する繰返し単位を有さず、前記第2ドメインを構成する前記共重合体は、電荷制御剤に由来する繰返し単位を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の静電潜像現像用トナー。
- 前記第2ドメインに含有される前記共重合体は、前記電荷制御剤に由来する繰返し単位として、(メタ)アクリロイル基含有4級アンモニウム化合物に由来する繰返し単位を有する、請求項5に記載の静電潜像現像用トナー。
- 前記第1ドメインに含有される前記共重合体における全ての前記主モノマーの総量と、前記第2ドメインに含有される前記共重合体における全ての前記主モノマーの総量とは、それぞれ80モル%以上である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の静電潜像現像用トナー。
- 前記第1ドメインは、2種以下の前記主モノマーと、1種の他の前記モノマーの共重合体のみからなる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の静電潜像現像用トナー。
- 2種以下の前記主モノマーが、スチレン、アクリロニトリル、スチレンとメタクリル酸メチルとの組み合わせ、及びメタクリル酸メチルとアクリロニトリルとの組み合わせのいずれかである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の静電潜像現像用トナー。
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