JPH0743937A - カプセルトナーおよびその製造方法 - Google Patents

カプセルトナーおよびその製造方法

Info

Publication number
JPH0743937A
JPH0743937A JP5203700A JP20370093A JPH0743937A JP H0743937 A JPH0743937 A JP H0743937A JP 5203700 A JP5203700 A JP 5203700A JP 20370093 A JP20370093 A JP 20370093A JP H0743937 A JPH0743937 A JP H0743937A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymer
capsule
toner
outer shell
general formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5203700A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihiro Inaba
義弘 稲葉
Ichiro Kawamoto
一郎 河本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP5203700A priority Critical patent/JPH0743937A/ja
Publication of JPH0743937A publication Critical patent/JPH0743937A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 感光体を変質させることがなく、帯電の環境
依存性が少なく、帯電分布がシヤープで、トナーの機械
的な強度が優れ、しかも材料選択の自由度が広い正帯電
性カプセルトナーを提供する。 【構成】 芯物質と該芯物質を被覆する外殻からなるカ
プセルトナーであって、該外殻が、ラジカル生成可能な
物質を少なくとも表面に有し、該外殻の表面に、下記一
般式(I)で示されるジメタクリルモノマーの重合体が
付着し、さらに該重合体の高分子鎖に下記一般式(II)
で示される四級アンモニウム塩含有ビニルモノマーの重
合体または共重合体が結合している。 【化1】 (式中、R:HまたはCH3 、n=3〜15) 【化2】 (式中、R1 :HまたはCH3 、R2 〜R4 :H、C1
〜C5 アルキル基またはベンジル基、Y:−COO−、
−CONH−またはフェニレン基、n=1〜7、X-
ハロゲンイオンまたは構造中に−COO- 基または−S
3 - 基を有するアニオン)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真法、静電印刷
法において、静電潜像を現像するためのトナー、特にマ
イクロカプセルトナーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、現像特性を改善するために、四級
アンモニウム塩化合物を含有させたトナーが知られてい
る。カプセルトナーにおいて公知の帯電制御法として
は、特開昭59−185353号公報、特開昭59−1
87357号公報或いは特開昭62−227162号公
報に、特定の第4級アンモニウム塩重合体をカプセル外
殻に存在させたカプセルトナー、また、特定のアミノ基
を有する重合体をカプセル外殻に存在させたカプセルト
ナーが開示されている。また特開昭63−177147
号公報には、二個以上のラジカル連鎖移動基を有するモ
ノマーのグラフト重合体を介して帯電制御性重合体を形
成したトナーが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に記載のカプセルトナーは、帯電の環境依存性、特に
湿度依存性が悪いという欠点を有していた。またこの重
合体はカプセル外殻の構成成分の一つとして含有させる
ため、トナーの機械的な強度とトナーの帯電性とを同一
の外殻材で両立させることが困難であり、材料選択の自
由度が狭いという欠点を有している。また、特開昭62
−227162号公報には、特定のアミノ基を有する重
合体をカプセル外殻に存在させたカプセルトナーが開示
されている。しかしながら、この重合体は、帯電性、帯
電の環境依存性が良好であるにもかかわらず、感光体を
変質させるという欠点を有している。特開昭63−17
7147号公報には、二個以上のラジカル連鎖移動基を
有するモノマーのグラフト重合体を介して帯電制御性重
合体を形成したトナーが開示されている。この公報に記
載された二個以上のラジカル連鎖移動基を有するモノマ
ーは、その殆どが水溶性がきわめて低いモノマーであ
る。グラフト重合を水中で行う場合、水溶性がきわめて
低いモノマーではトナー母体にグラフトされるモノマー
が少ない。その結果このグラフト重合体に結合すべき帯
電制御性重合体が少なくなり、反対にグラフト重合体に
結合しないフリーの帯電制御性重合体粒子が多く発生
し、これがトナーの帯電性、流動性を悪化させ、その結
果現像機のトナー層にスジ状のむらが発生するという問
題点がある。また、上記公報にはポリエチレングリコー
ルジアクリレートも例示されているが、このモノマーは
水溶性は高いものの、高温高湿環境での帯電性を悪化さ
せるという問題点がある。
【0004】本発明は、従来における上記のような問題
点に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目
的は、感光体を変質させることがなく、帯電の環境依存
性が少なく、帯電分布がシヤープで、トナーの機械的な
強度が優れ、しかも材料選択の自由度が広い正帯電性カ
プセルトナーを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、芯物質(コ
ア)と該芯物質を覆う樹脂よりなる外殻(シェル)とか
ら構成されたカプセルトナーであって、該外殻がラジカ
ル生成可能な物質からなり、該外殻の表面に、下記一般
式(I)で示されるジメタクリルモノマーの重合体が付
着し、さらにその高分子鎖に下記一般式(II)で示され
る四級アンモニウム塩含有ビニルモノマーの重合体また
は共重合体が結合していることを特徴とする。
【化3】 (式中、Rは水素原子またはメチル基を示し、nは3か
ら15の整数を示す。)
【化4】 (式中、R1 は水素原子またはメチル基を示し、R2
いしR4 は、それぞれ水素原子、炭素原子数1〜5のア
ルキル基またはベンジル基を示し、Yは−COO−、−
CONH−またはフェニレン基を示し、nは1から7の
整数を意味し、X- はハロゲンイオンまたは構造中に−
COO- 基または−SO3 - 基を有するアニオンを示
す。)
【0006】次に、本発明について、詳細に説明する。
本発明のカプセルトナーは、芯物質と該芯物質を被覆す
る外殻からなるいわゆるカプセル構造を有するものであ
り、外殻はラジカル生成可能な物質を少なくとも表面に
有するものである。
【0007】本発明において、「ラジカル生成可能な物
質」とは、モノマーラジカルやセリウム(IV)イオンと
の間で、水素原子の引き抜き反応あるいは付加反応が起
こり、ラジカルが発生する物質を意味している。具体的
には、ポリアミド、ポリウレア、ポリウレタン、ポリエ
ステル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、セル
ロース、合成ゴム、ポリスチレン、スチレン−(メタ)
アクリル共重合体、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ア
クリル樹脂等の重合体およびその混合物があげられる。
なお、「表面に有する」とは、ラジカル生成可能な物質
が表面上に均一に存在、もしくは均一に点在しているも
のをいう。
【0008】本発明において、外殻を構成する樹脂とし
ては、ポリウレア樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド
樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、エポキシウレ
ア樹脂、エポキシウレタン樹脂であることが好ましく、
その中でも特に、ポリウレア樹脂もしくはポリウレタン
樹脂の単独、または両者の混合物、あるいはエポキシウ
レア樹脂もしくはエポキシウレタン樹脂の単独、または
両者の混合物であることが好ましい。
【0009】次に、ラジカル生成可能な物質を少なくと
も表面に有するカプセル粒子の外殻表面に付着させる重
合体について説明する。この重合体の付着は、物理的な
付着であっても、また、化学的な結合による付着であっ
てもよい。耐久性という観点からみれば、化学的な結合
が好ましい。外殻の表面には、まず前記一般式(I)で
示されるジメタクリルモノマーのグラフト重合体を付着
させる。次いでその付着した重合体の高分子鎖に、前記
一般式(II)で示される四級アンモニウム塩含有ビニル
モノマーの重合体または共重合体を付着させる。上記、
樹脂よりなる外殻の表面に付着する重合体を構成するジ
メタクリルモノマーの具体例としては、ポリエチレング
リコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコール
ジメタクリレートがあげられる。上記外殻の表面に付着
する重合体の高分子鎖に結合する重合体または共重合体
の成分である四級アンモニウム塩含有ビニルモノマーと
しては、カチオン部分として下記構造式で示されるもの
があげられる。
【0010】
【化5】
【0011】また、アニオン部分X- としては、下記構
造式で示されるものがあげられる。Cl- 、Br- 、I
- 等のハロゲンイオン、あるいは、CH3 COO- 、C
25 COO- 、C3 7 COO- 、C7 15CO
- 、C1123COO- 等の脂肪族カルボン酸基、
【0012】
【化6】 等の芳香族カルボン酸基、
【0013】あるいはCH3 SO3 - 、C2 5 SO3
- 、C3 7 SO3 - 、C7 15SO3 - 、C1123
3 - 等の脂肪族スルホン酸基、
【化7】 等の芳香族スルホン酸基等があげられる。また、アシッ
ドレッド、アシッドオレンジ、アシッドバイオレット、
アシッドブルー等の酸性染料のアニオン残基であっても
よい。
【0014】本発明において、上記一般式(II)で示さ
れるモノマーからなる重合体はホモ重合体でもよいが、
上記モノマーを共重合体の1成分として存在せしめた方
が帯電の環境安定性の点でより好ましい。共重合体の1
成分として存在せしめる時の上記モノマーの含有率は、
全共重合体に対して1モル%〜80モル%、好ましくは
5モル%〜60モル%であることが望ましい。
【0015】上記一般式(II)で示されるモノマーと共
重合させ得るモノマーとしては、例えば(メタ)アクリ
ル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸
エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリ
ル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)ア
クリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メ
タ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2
−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸
ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−エトキシ
エチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アク
リル酸フェニル等の(メタ)アクリル酸エステル類、蟻
酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニ
ル、トリメチル酢酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリ
ル酸ビニル、ステアリン酸ビニル等の脂肪酸ビニルエス
テル類、あるいはエチルビニルエーテル、プロピルビニ
ルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエ
ーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、フェニル
ビニルエーテル等のビニルエーテル類、あるいはメチル
ビニルケトン、フェニルビニルケトン等のビニルケトン
類、スチレン、クロルスチレン、ヒドロキシスチレン、
α−メチルスチレン等のビニル芳香族化合物をあげるこ
とができる。これらの中の1つあるいは2つ以上を混合
して上記モノマー(II)と共重合させることができる。
この中でも特に、(メタ)アクリル酸エステル類が好ま
しい。
【0016】本発明のカプセルトナーには、流動性ある
いは帯電性を与えるために、外添剤が添加されてもよ
い。外添剤としては、従来一般的に使用されているステ
アリン酸等の長鎖脂肪酸、それらのエステル、アミドお
よび金属塩、更には二酸化モリブデン、窒化ホウ素、シ
リカ、酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、カ
ーボンブラック等の微粉末、フッ素系樹脂等の微粉末、
多環芳香族化合物、ワックス状物質、架橋又は非架橋型
脂微粉末等があげられ、通常、低表面エネルギーを有す
るか、摩擦係数の低い平滑な表面を有する固体微粒子、
或いは非粘着性、若干の研磨性を有する微粒子が好まし
く使用される。これらの中でもカーボンブラックが好ま
しく、塩基性カーボンブラックがさらに好ましい。外添
剤の添加方法としては、カプセルトナーの乾燥後、Vブ
レンダー、ヘンシェルミキサー等の混合機を用いてトナ
ー表面に付着する方法、あるいは外添剤を水又は水/ア
ルコールのごとき水系の液体に分散させた後、スラリー
状態のカプセルトナーに添加し乾燥させトナー表面に外
添剤を付着させる方法があげられる。添加量はトナーに
対し、0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜5
重量%である。
【0017】カプセルトナー粒子の芯物質としては、圧
力定着を目的とした場合は圧力定着性を有する成分を主
体とする芯物質が用いられ、加熱定着を目的とした場合
は加熱定着性を有する成分を主体とする芯物質が用いら
れる。特に圧力定着を目的とした場合、芯物質が主にバ
インダー樹脂とそれを溶解する高沸点溶剤および色材か
らなるもの、もしくは主に軟質の固体物質と色材からな
るものが好ましい。必要に応じて色材に代えて磁性粉
を、あるいは定着性の改良を目的としてシリコーンオイ
ル等の添加剤を加えることができる。またバインダー樹
脂を溶解しない高沸点溶剤をバインダー樹脂を溶解する
高沸点溶剤に加えることもできる。圧力定着を目的とし
た場合と加熱定着を目的とした場合でそれぞれ構成成分
の種類あるいは組成比を変えることが望ましい。
【0018】バインダー樹脂としては公知の定着用樹脂
を用いることができる。具体的にはポリアクリル酸メチ
ル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル、ポ
リアクリル酸2−エチルヘキシル、ポリアクリル酸ラウ
リル等のアクリル酸エステル重合体、ポリメタクリル酸
メチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリメタクリル酸ヘ
キシル、ポリメタクリル酸2−エチルヘキシル、ポリメ
タクリル酸ラウリル等のメタクリル酸エステル重合体、
スチレン系モノマーとアクリル酸エステルもしくはメタ
クリル酸エステルとの共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ
プロピオン酸ビニル、ポリ酪酸ビニル、ポリエチレンお
よびポリプロピレンなどのエチレン系重合体およびその
共重合体、スチレン・ブタジエン共重合体、スチレン・
イソプレン共重合体、スチレン・マレイン酸共重合体な
どのスチレン系共重合体、ポリビニルエーテル、ポリビ
ニルケトン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタ
ン、ゴム類、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ロ
ジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂など
を単独あるいは混合して用いることができる。またモノ
マーの状態で仕込みカプセル化終了後に重合して、バイ
ンダー樹脂とすることもできる。
【0019】バインダー樹脂を溶解する高沸点溶剤とし
ては沸点が140℃以上、好ましくは、160℃以上の
油性溶剤を用いることができる。例えばModern
Plastics Encyclopedia(197
5〜1976)のPlasticizersに記載され
ているものの中から選ぶことができる。また、圧力定着
用カプセルトナーの芯物質として開示されている(例え
ば特開昭58−145964号公報、63−16337
3号公報等)高沸点溶剤の中から選ぶこともできる。
【0020】具体的には、フタル酸エステル類(例、ジ
エチルフタレート、ジブチルフタレート);脂肪族ジカ
ルボン酸エステル類(例えば、マロン酸ジエチル、しゅ
う酸ジメチル);リン酸エステル類(例えば、トリクレ
ジルホスフェート、トリキシリルホスフェート);クエ
ン酸エステル類(例えば、o−アセチルトリエチルシト
レート);安息香酸エステル類(例えば、ブチルベンゾ
エート、ヘキシルベンゾエート);脂肪酸エステル類
(例えば、ヘキサデシルミリステート、ジオクチルアジ
ペート);アルキルナフタレン類(例えば、メチルナフ
タレン、ジメチルナフタレン、モノイソプロピルナフタ
レン、ジイソプロピルナフタレン);アルキルジフェニ
ルエーテル類(例えば、o−、m−、p−メチルジフェ
ニルエーテル);高級脂肪酸又は芳香族スルホン酸のア
ミド化合物類(例えば、N,N−ジメチルラウリロアミ
ド、N−ブチルベンゼンスルホンアミド);トリメリッ
ト酸エステル類(例えば、トリオクチルトリメリテー
ト);ジアリールアルカン類(例えば、ジメチルジフェ
ニルメタン等のジアリールメタン、1−フェニル−1−
メチルフェニルエタン、1−ジメチルフェニル−1−フ
ェニルエタン、1−エチルフェニル−1−フェニルエタ
ン等のジアリールエタン);塩素化パラフィン類をあげ
ることができる。またバインダーポリマーにメタクリル
酸ラウリルホモ重合体または共重合体等の長鎖アルキル
基を有する重合体を用いた場合には、脂肪族飽和炭化水
素あるいは脂肪族飽和炭化水素を主成分とする有機溶剤
(例えば、エクソン化学社製Isopar−G、Iso
par−H、Isopar−L、日本油脂社製NAソル
ベント等)を用いることができる。
【0021】色材としては、カーボンブラック、ベンガ
ラ、紺青、酸化チタン等の無機顔料、ファストイエロ
ー、ジスアゾイエロー、ピラゾロンレッド、キレートレ
ッド、ブリリアントカーミン、パラブラウン等のアゾ顔
料、銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタ
ロシアニン顔料、フラバントロンイエロー、ジブロモア
ントロンオレンジ、ペリレンレッド、キナクリドンレッ
ド、ジオキサジンバイオレット等の縮合多環系顔料があ
げられる。また分散染料、油溶性染料などを用いること
もできる。
【0022】さらにまた、磁性1成分トナーとして、黒
色色材の全部又は一部を磁性粉で置き換えることができ
る。磁性粉としては、マグネタイト、フェライト、又は
コバルト、鉄、ニッケル等の金属単体又はその合金を用
いることができる。さらに、芯物質の一成分として仕込
んだ色材あるいは磁性粉は、カプセル形成後に芯と外殻
との界面あるいは外殻中に存在してもよい。
【0023】軟質の固体物質としては、室温で柔軟性を
有していて定着性のあるものなら特に種類を問わない
が、Tgが−60℃から5℃の範囲の重合体あるいはそ
の重合体と他の重合体との混合物が好ましい。芯物質中
の1成分としてカプセル内に含有させる方法としては、
あらかじめ重合体の状態で他の芯物質成分および低沸点
溶剤そして外殻形成成分とともに仕込み、界面重合で外
殻を形成すると同時にまたは外殻形成終了後に低沸点溶
剤を系外に追い出して芯物質を形成する方法を用いるこ
とができる。あるいはモノマーの状態で仕込み界面重合
で外殻を形成した後、モノマーを重合して芯物質を形成
する方法を用いることができる。
【0024】カプセルの外殻表面に、前記一般式(I)
で示されるジメタクリルモノマーの重合体を付着させる
には、上記のようにして調製されたカプセル粒子の水性
懸濁液中に、硫酸セリウム等の4価のセリウムイオンを
触媒として存在させ、上記一般式(I)で示されるジメ
タクリルモノマーを加えて重合させればよい。さらに、
得られた重合体の高分子鎖に前記一般式(II)で示され
る4級アンモニウム塩含有ビニルモノマーの重合体また
は共重合体を結合させるには、上記のように重合処理さ
れたカプセル粒子を水性媒体に懸濁させ、例えば過硫酸
カリウムと亜硫酸水素ナトリウムの組み合わせ等のレド
ックス開始剤の存在下に、上記一般式(II)で示される
4級アンモニウム塩含有ビニルモノマーを添加して重合
を行えばよい。
【0025】
【実施例】
実施例1 (カプセル粒子の作製)脂肪族飽和炭化水素(NAS−
3:日本油脂社製)60gと酢酸エチル60gの混合液
にラウリルメタクリレート重合体(Mw=3×104
30g、ラウリルメタクリレート−n−ブチルメタクリ
レート共重合体(Mw=6×104 )40gを加え溶解
させた。この混合物に磁性粉(EPT−1000:戸田
工業社製)120gを入れ、ボールミルにて16時間分
散した。次にこの分散液200gに対してイソシアナー
ト(スミジュールL:住友バイエルウレタン社製)30
gおよび酢酸エチル24gを加え十分混合した(この液
をA液とする。)。一方、イオン交換水200gにヒド
ロキシプロピルメチルセルロース(メトローズ65SH
50:信越化学社製)10gを溶解させ、5℃まで冷却
した(この液をB液とする。)。乳化機(オートホモミ
クサー:殊機加工社製)でB液を攪拌し、この中にA液
をゆっくり投入して乳化を行なった。このようにして乳
化液中の油滴粒子の平均粒径が約12μmのO/Wエマ
ルジョンを得た。つぎに乳化機のかわりにプロペラ型の
攪拌羽根を備えた攪拌機(スリーワンモータ:新東科学
社製)に替え、400回転/分で攪拌した。10分後こ
の中に5%のジエチレントリアミン水溶液100gを滴
下した。滴下終了後、60℃に加温し、3時間カプセル
化反応を行った。反応終了後、2リットルのイオン交換
水にあけ充分攪拌し静置した。カプセル粒子が沈降した
後、上澄みを取り除いた。この操作をあと7回繰り返し
カプセル粒子を洗浄した。このようにして、油性バイン
ダーを含有したカプセル粒子を得た。カプセル粒子にイ
オン交換水を加え、固形分濃度40%の懸濁液に調製し
た。
【0026】(トナー化)調製したカプセル粒子の懸濁
液125g(カプセル粒子50gに相当)に、イオン交
換水125gを加え、プロペラ型の攪拌羽根を備えた攪
拌機(スリーワンモータ:新東科学社製)にて200回
転/分で攪拌した。これに1Nの硝酸5g、10%の硫
酸セリウム水溶液4gを加えた後、ジメタクリル酸ポリ
エチレングリコール(n=3)(ブレンマーPDE−2
00:日本油脂社製)1.0gを加え、15℃で3時間
反応を行った。反応終了後、1リットルのイオン交換水
にあけ、充分攪拌し静置した。カプセル粒子が沈降した
後、上澄みを取り除いた。この操作をあと2回繰り返し
カプセル粒子を洗浄した。このようにしてジメタクリル
酸エチレングリコールがカプセル外殻の表面にグラフト
重合したカプセル粒子を得た。
【0027】これを再びイオン交換水に再懸濁し、プロ
ペラ型の攪拌羽根を備えた攪拌機(スリーワンモータ:
新東科学社製)にて200回転/分で攪拌した。次にこ
の中に過硫酸カリウム0.4g、前記例示構造式(1)
で示されるカチオンの塩化物0.2gおよびメチルメタ
クリレート2.0g、亜硫酸水素ナトリウム0.16g
を順次添加し、25℃で3時間反応を行った。反応終了
後2リットルのイオン交換水にあけ充分攪拌し静置し
た。カプセル粒子が沈降した後、上澄みを取り除いた。
この操作をあと4回繰り返しカプセル粒子を洗浄した。
【0028】次にこのカプセル粒子懸濁液に4−ナフト
ールスルホン酸ナトリウムの5%水溶液2gを加え30
分間室温で攪拌してイオン交換反応を行った。反応終了
後カプセル粒子を1リットルのイオン交換水で5回洗浄
して本発明のカプセルトナーを得た。得られたカプセル
懸濁液をステンレス製のバットにあけ、乾燥機(ヤマト
科学社製)にて60℃で10時間乾燥した。得られたカ
プセルトナー100部に対し塩基性カーボンブラック
(pH値8.5)(REGAL330R:キャボット社
製)を0.1部添加し充分混合した。
【0029】上記トナー3gとフェノール樹脂で表面を
被覆した鉄粉キャリア100gとを温度20℃、湿度5
0%の環境下で混合し、ブローオフ法にてカプセルトナ
ーの帯電量を測定したところ+20μC/gであった。
トナーの電荷分布を調べたところ逆極性トナーの量がト
ナー全体に対し5%であった。同様に、温度10℃、湿
度30%の環境下で混合し、ブローオフ法にてカプセル
トナーの帯電量を測定したところ+25μC/gであっ
た。同様に電荷分布を調べたところ、逆極性トナーの量
がトナー全体に対し5%であった。次に、温度10℃、
湿度30%の低温低湿の環境下で画質評価を行った。複
写機として、富士ゼロックス社製2700をカプセルト
ナー用に改造したものを用いてコピーサンプルを得た。
その結果20000枚目まで画像濃度にムラのない安定
したコピーが得られた。また、感光体は全く変質してい
なかった。
【0030】比較例1 ジメタクリル酸ポリエチレングリコール(n=3)(ブ
レンマーPDE−200:日本油脂社製)1.0gをジ
アクリル酸エチレングリコールに変えた以外は、実施例
1と全く同じ処理を行い、比較のカプセルトナーを得
た。得られたカプセルトナー3gとフェノール樹脂で表
面を被覆した鉄粉キャリア100gとを温度20℃、湿
度50%の環境下で混合し、ブローオフ法にて帯電量を
測定したところ、+18μC/gであった。電荷分布を
調べたところ逆極性トナーの量がトナー全体に対し10
%であった。同様に、温度10℃、湿度30%の環境下
で混合し、ブローオフ法にてカプセルトナーの帯電量を
測定したところ+28μC/gであった。電荷分布を調
べたところ逆極性トナーの量がトナー全体に対し12%
であった。次に温度10℃、湿度30%の低温低湿の環
境下で実施例1と同様に画質評価を行ったところ、10
0枚目から画像濃度にムラがでて鮮明さが著しく劣る画
質となった。現像機のトナー層を見ると、帯電制御性ポ
リマーの微小粒子に起因するスジ状むらが多数発生して
いた。
【0031】実施例2 実施例1で調製したカプセル粒子の懸濁液125g(カ
プセル粒子50gに相当)に、イオン交換水125gを
加え、プロペラ型の攪拌羽根を備えた攪拌機(スリーワ
ンモータ:新東科学社製)にて200回転/分で攪拌し
た。これに1Nの硝酸5gおよび10%の硫酸セリウム
水溶液4gを加えた後、ジメタクリル酸ポリプロピレン
グリコール(n=3)0.5gを加え、15℃で3時間
反応を行った。反応終了後、1リットルのイオン交換水
にあけ充分攪拌し静置した。カプセル粒子が沈降した
後、上澄みを取り除いた。この操作をあと2回繰り返し
カプセル粒子を洗浄した。このようにしてジメタクリル
酸ポリプロピレングリコールがカプセル外殻の表面にグ
ラフト重合したカプセル粒子を得た。
【0032】これを再びイオン交換水に再懸濁しプロペ
ラ型の攪拌羽根を備えた攪拌機(スリーワンモータ:新
東科学社製)にて200回転/分で攪拌した。次にこの
中に0.4gの過硫酸カリウム、0.2gの前記例示構
造式(2)で示されるカチオンの塩化物および2.0g
のメチルメタクリレート、0.16gの亜硫酸水素ナト
リウムを順次添加し、25℃で3時間反応を行った。反
応終了後2リットルのイオン交換水にあけ充分攪拌し静
置した。カプセル粒子が沈降した後、上澄みを取り除い
た。この操作をあと4回繰り返しカプセル粒子を洗浄し
た。次にこのカプセル粒子懸濁液にファーストレッドA
(和光純薬社製酸性染料)の5%水溶液2gを加え30
分間室温で攪拌してイオン交換反応を行った。反応終了
後カプセル粒子を1リットルのイオン交換水で5回洗浄
して本発明のカプセルトナーを得た。得られたカプセル
懸濁液をステンレスのバットにあけ、乾燥機(ヤマト科
学社製)にて60℃で10時間乾燥した。得られたカプ
セルトナー100部に対し塩基性カーボンブラック(p
H値8.5)(REGAL330R:キャボット社製)
を0.1部添加し充分混合した。
【0033】上記トナー3gとフェノール樹脂で表面を
被覆した鉄粉キャリア100gとを温度20℃、湿度5
0%の環境下で混合し、ブローオフ法にてカプセルトナ
ーの帯電量を測定したところ+23μC/gであった。
トナーの電荷分布を調べたところ逆極性トナーの量がト
ナー全体に対し5%であった。同様に、温度28℃、湿
度80%の環境下で混合し、ブローオフ法にてカプセル
トナーの帯電量を測定したところ+20μC/gであっ
た。同様に電荷分布をしらべたところ逆極性トナーの量
がトナー全体に対し10%であった。次に、温度28
℃、湿度85%の高温高湿の環境下で画質評価を行っ
た。複写機として、富士ゼロックス社製2700をカプ
セルトナー用に改造したものを用いてコピーサンプルを
得た。その結果20000枚目までカブリのない安定し
たコピーが得られた。また、感光体は、全く変質してい
なかった。
【0034】比較例2 ジメタクリル酸ポリプロピレングリコールをポリエチレ
ングリコールジアクリレートに変えた以外は実施例2と
全く同じ処理を行い、比較のカプセルトナーを得た。得
られたカプセルトナー3gとフェノール樹脂で表面を被
覆した鉄粉キャリア100gとを温度20℃、湿度50
%の環境下で混合し、ブローオフ法にて帯電量を測定し
たところ、+20μC/gであった。電荷分布を調べた
ところ逆極性トナーの量がトナー全体に対し25%であ
った。同様に、温度28℃、湿度80%の環境下で混合
し、ブローオフ法にてカプセルトナーの帯電量を測定し
たところ+12μC/gであった。電荷分布をしらべた
ところ逆極性トナーの量がトナー全体に対し30%であ
った。次に温度28℃、湿度85%の高温高湿の環境下
で実施例2と同様に画質評価を行ったところ、1枚目か
らカブリが発生し100枚目では画像濃度が低下して鮮
明さが著しく劣る画質となった。
【0035】
【発明の効果】本発明は、特定のジメタクリル酸重合体
を介して四級アンモニウム塩含有重合体をカプセル外殻
に存在させることにより、現像機のトナー層を均一にす
ることができ、かつ帯電性の環境依存性および帯電分布
をシャープにすることができる。また、カプセルトナー
の機械的強度とトナーの帯電付与が分離されているの
で、大きな機械的強度と優れた帯電特性を有し、多数枚
にわたって良好な画像をえることができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯物質と該芯物質を被覆する外殻からな
    るカプセルトナーにおいて、該外殻が、ラジカル生成可
    能な物質を少なくとも表面に有し、該外殻の表面に、下
    記一般式(I)で示されるジメタクリルモノマーの重合
    体が付着し、さらに該重合体の高分子鎖に下記一般式
    (II)で示される四級アンモニウム塩含有ビニルモノマ
    ーの重合体または共重合体が結合していることを特徴と
    するカプセルトナー。 【化1】 (式中、Rは水素原子またはメチル基を示し、nは3か
    ら15の整数を示す。) 【化2】 (式中、R1 は水素原子またはメチル基を示し、R2
    いしR4 は、それぞれ水素原子、炭素原子数1〜5のア
    ルキル基またはベンジル基を示し、Yは−COO−、−
    CONH−またはフェニレン基を示し、nは1から7の
    整数を意味し、X- はハロゲンイオンまたは構造中に−
    COO- 基または−SO3 - 基を有するアニオンを示
    す。)
  2. 【請求項2】 下記一般式(I)で示されるジメタクリ
    ルモノマーの重合体が、外殻の樹脂に化学的に結合して
    いることを特徴とする請求項1記載のカプセルトナー。
  3. 【請求項3】 外殻が、ポリウレア樹脂、ポリウレタン
    樹脂、エポキシウレア樹脂およびエポキシウレタン樹脂
    から選択された少なくとも1種からなることを特徴とす
    る請求項1記載のカプセルトナー。
  4. 【請求項4】 芯材料および色材とを混合し,該色材を
    分散する工程,得られた混合物にイソシアナート、酸ハ
    ロゲン化物、エポキシ化合物のうち少なくとも1種の化
    合物を混合する工程、水系媒体中に該混合物を分散し、
    液滴界面で重合を行いカプセル化する工程、形成するカ
    プセルの外殻に上記一般式(I)で示されるジメタクリ
    ルモノマーを重合させる工程、カプセルの外殻上で上記
    一般式(II)で示される4級アンモニウム塩含有ビニル
    モノマーまたはそれを含むモノマー混合物を重合させる
    工程を有することを特徴とするマイクロカプセルトナー
    の製造方法。
JP5203700A 1993-07-27 1993-07-27 カプセルトナーおよびその製造方法 Pending JPH0743937A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5203700A JPH0743937A (ja) 1993-07-27 1993-07-27 カプセルトナーおよびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5203700A JPH0743937A (ja) 1993-07-27 1993-07-27 カプセルトナーおよびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0743937A true JPH0743937A (ja) 1995-02-14

Family

ID=16478406

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5203700A Pending JPH0743937A (ja) 1993-07-27 1993-07-27 カプセルトナーおよびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0743937A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015045844A (ja) * 2013-07-30 2015-03-12 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 静電潜像現像用トナー
JP2017068013A (ja) * 2015-09-30 2017-04-06 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 静電潜像現像用トナー

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015045844A (ja) * 2013-07-30 2015-03-12 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 静電潜像現像用トナー
JP2017068013A (ja) * 2015-09-30 2017-04-06 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 静電潜像現像用トナー

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH02226258A (ja) 静電グラフィックトナーの製造方法
JP2005321808A (ja) 負帯電コーティングされたトナー粒子、それを含むトナー組成物、ポリマーバインダ粒子に視覚改善添加剤を接着させる方法
US5571651A (en) Capsule toner
JPH075726A (ja) カプセルトナー
US5215851A (en) Electrophotographic toner
US5312710A (en) Electrophotographic toner and process for producing the same
JPH0743937A (ja) カプセルトナーおよびその製造方法
JP3216916B2 (ja) 磁性粒子およびその製造方法
US5385802A (en) Process for producing toner
JP2623886B2 (ja) 電子写真用トナー及びその製造方法
JP3293700B2 (ja) 磁性粒子およびその製造方法
JPH06102709A (ja) 磁性粒子およびその製造方法
JPH06230598A (ja) 電子写真用カプセルトナー
JPH07116500A (ja) マイクロカプセル、マイクロカプセルトナーおよびそれらの製造方法
JPH04265980A (ja) カプセルトナー
JP2809737B2 (ja) 重合トナーの製造方法
JPH03220561A (ja) 電子写真用トナー及びその製造方法
JPH04241361A (ja) トナーの製造方法    
JPH04260055A (ja) 電子写真用トナーの製造方法
JPH0815902A (ja) カプセルトナー及びその製造方法
JPH07120963A (ja) マイクロカプセルトナーおよびその製造方法
JP2961977B2 (ja) 電子写真用トナー
JPH07230183A (ja) カプセルトナーおよびその製造方法
JPH0511489A (ja) 電子写真用トナー及びその製造方法
JPH07333886A (ja) マイクロカプセルトナー、その製造方法及び画像形成方法