JPH07116500A - マイクロカプセル、マイクロカプセルトナーおよびそれらの製造方法 - Google Patents

マイクロカプセル、マイクロカプセルトナーおよびそれらの製造方法

Info

Publication number
JPH07116500A
JPH07116500A JP5287339A JP28733993A JPH07116500A JP H07116500 A JPH07116500 A JP H07116500A JP 5287339 A JP5287339 A JP 5287339A JP 28733993 A JP28733993 A JP 28733993A JP H07116500 A JPH07116500 A JP H07116500A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shell
forming monomer
low boiling
boiling point
microcapsule
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5287339A
Other languages
English (en)
Inventor
Ichiro Kawamoto
一郎 河本
Yoshihiro Inaba
義弘 稲葉
Tsutomu Kubo
久保  勉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP5287339A priority Critical patent/JPH07116500A/ja
Publication of JPH07116500A publication Critical patent/JPH07116500A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 芯物質の保持性能と機械的強度に優れている
マイクロカプセルおよびその製造方法を提供する。ま
た、このマイクロカプセルを用いて、帯電の環境安定性
が良好なマイクロカプセルトナーを製造する方法を提供
する。 【構成】 本発明のマイクロカプセルは、水100gへ
の溶解度が5〜50gであるケトン系溶剤を含有する低
沸点溶剤を用いて、芯物質、低沸点溶剤および第1のカ
プセル殻形成単量体からなる混合物を作製する工程、得
られた混合物を第2の殻形成単量体を含有する水性媒体
中に乳化分散して油性液滴を形成する工程、および該油
性液滴から低沸点溶剤を系外に追い出すと共に、液滴界
面で第1の殻形成単量体と第2の殻形成単量体とを重合
させることによってカプセル殻を形成する工程によって
製造する。マイクロカプセルトナーは、上記のカプセル
殻の表面に帯電制御性重合体を付着させることによって
製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真法、静電印刷
法等において静電潜像を現像するために使用することが
できるマイクロカプセルおよびマイクロカプセルトナ
ー、およびそれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】芯物質と該芯物質を覆うカプセル殻から
なるマイクロカプセルについては、従来から種々の提案
がなされている。その中でも、界面重合によってカプセ
ル殻を形成したマイクロカプセルは、芯物質に対する被
覆の完全性および内部保持性に優れており、その一部
は、ノンカーボン紙、圧力測定紙に実用化されている。
これらの場合、マイクロカプセルの使用形態は、適当な
バインダー樹脂とともに紙などの支持体に塗布され、マ
イクロカプセル粒子がバインダー樹脂の中に存在する形
で使用される。しかしながら、マイクロカプセル粒子を
独立の粉体として使用する場合、界面重合法によって得
られるカプセルは機械的な強度が弱く、さらにカプセル
殻は通常0.5μm以下の厚さなので、揮発性を有する
液体を芯物質の中に長期間保持させることは困難であっ
た。
【0003】通常界面重合型マイクロカプセルの製造に
は、芯物質とともに低沸点溶剤を使用する方法が一般的
である。(例えば、特開昭56−119137号公報、
特開昭58−145964号公報、特開昭63−163
373号公報および特開昭64−40949号公報、あ
るいはマイクロカプセル研究会企画“マイクロカプセル
化の新技術とその用途開発応用実例”P.50〜52:
経営開発センター出版部1978年9月発行;近藤保,
小石真純著“マイクロカプセル”P.50〜52:三共
出版1987年11月発行)。これらの方法において使
用される低沸点溶剤は、酢酸エチル、酢酸ブチルのごと
きエステル系の溶剤、トルエン、キシレンのごとき芳香
族系の溶剤、またはジクロルメタン、クロロホルムのご
ときハロゲン系の溶剤が使われる。しかしながら、本発
明者等の研究の結果、酢酸エチル、酢酸ブチルのごとき
エステル系の溶剤は、カプセル殻形成単量体であるアミ
ンの存在下で加水分解して該アミンと塩を形成し、塩が
形成されたアミンはカプセル殻形成に寄与できないこと
がわかった。この結果、カプセル殻の強度は弱いものと
なり、芯物質の保持性も低下することが判明した。特に
カプセル化反応の温度が20〜40℃のときに顕著に見
られた。一方、トルエン、キシレンのごとき芳香族系の
溶剤あるいはジクロルメタン、クロロホルムのごときハ
ロゲン系の溶剤は、水に難溶性であって系外に追い出す
ことができないために、殻形成単量体が効率よく液滴界
面に移動できず、その結果、カプセル殻形成が十分でな
いという問題があり、かつ芯物質とともに不要な溶剤が
カプセル中に残存するという問題があった。また、前記
特開昭64−40949号公報には、アセトンと酢酸エ
チルの混合溶剤、アセトンとハロゲン化炭化水素との混
合溶剤を用いた実施例が開示されているが、アセトンは
水溶性がきわめて高いために、乳化不良を起こしやす
く、またそのためカプセル殻形成が十分ではなく、酢酸
エチル、ハロゲン化炭化水素もまた前述の欠点を有して
いる。
【0004】また、マイクロカプセルをトナーとして用
いる場合、機械的な強度と芯物質の保持性とを両立させ
ることはさらに困難であった。芯物質を覆うカプセル殻
からなるマイクロカプセルトナーについては、従来から
種々の提案がなされている。芯物質に関しては、例え
ば、特開昭54−66844号公報、特開昭55−18
630号公報、特開昭57−41647号公報、特開昭
57−202547号公報には、ワックス系の化合物を
芯物質の定着成分として含有させたマイクロカプセルト
ナーが、特開昭52−108134号公報、特開昭58
−9153号公報、特開昭59−159174号公報、
特開昭59−159177号公報には軟質ポリマーを芯
物質の定着成分として含有させたマイクロカプセルトナ
ーが、また、特開昭56−119137号公報、特開昭
58−145964号公報、特開昭63−163373
号公報にはポリマー溶液を芯物質の定着成分として含有
させたマイクロカプセルトナーが開示されている。中で
もポリマー溶液を芯物質成分とした界面重合型マイクロ
カプセルトナーの場合、定着性は極めて良好である。し
かしながら、反面、芯物質中のポリマー溶液に含まれる
高沸点溶剤を長期間保持させることは困難であった。ま
た定着性を損なわず十分な機械的強度を有することも困
難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
における上記の問題点を解消することを目的としてなさ
れたものである。すなわち、本発明の目的は、マイクロ
カプセルを粉体として利用しても、芯物質の保持性能と
機械的強度に優れているマイクロカプセルおよびその製
造方法を提供するものである。本発明の他の目的は、帯
電の環境安定性が良好な電子写真用マイクロカプセルト
ナーを提供するものである。本発明の別の目的は、芯物
質の持つべき定着性能を損なうことなく、機械的強度に
優れ、特殊な反応装置や複雑な操作を必要とせず、芯物
質が液状のカプセルトナーにも適用することができるマ
イクロカプセルトナーの製造方法を提供するものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意検討
の結果、芯物質とともに低沸点溶剤を用い、界面重合に
よって製造するマイクロカプセルの製造方法において、
低沸点溶剤として、水100gへの溶解度が50g以下
のケトン系溶剤を用いることによって、上記目的を達成
することができることを見出し、本発明を完成するに至
った。
【0007】すなわち、本発明の第1のものは、芯物質
とカプセル殻よりなるマイクロカプセルに関するもので
あって、芯物質、水100gへの溶解度が5〜50gで
あるケトン系溶剤を含有する低沸点溶剤、および第1の
カプセル殻形成単量体からなる混合物を、第2の殻形成
単量体を含有する水性媒体中に乳化分散し、形成された
油性液滴から低沸点溶剤を系外に追い出すと共に、液滴
界面で第1の殻形成単量体と第2の殻形成単量体とを重
合させることによって形成されたカプセル殻を有するこ
とを特徴とする。なお、本明細書において、水への溶解
度は、20℃におけるものを意味する。本発明の第2の
ものは、芯物質とカプセル殻よりなるマイクロカプセル
トナーに関するものであって、芯物質、水100gへの
溶解度が5〜50gであるケトン系溶剤を含有する低沸
点溶剤、および第1のカプセル殻形成単量体からなる混
合物を、第2の殻形成単量体を含有する水性媒体中に乳
化分散し、形成された油性液滴から低沸点溶剤を系外に
追い出すと共に、液滴界面で第1の殻形成単量体と第2
の殻形成単量体とを重合させることによって形成された
カプセル殻を有し、該カプセル殻の表面に帯電制御性重
合体が付着していることを特徴とする。
【0008】本発明の第3のものは、マイクロカプセル
の製造方法に関するものであって、芯物質と共に低沸点
溶剤を用い、界面重合によって製造するマイクロカプセ
ルの製造方法において、水100gへの溶解度が5〜5
0gであるケトン系溶剤を含有する低沸点溶剤を用い
て、芯物質、低沸点溶剤および第1のカプセル殻形成単
量体からなる混合物を作製する工程、得られた混合物を
第2の殻形成単量体を含有する水性媒体中に乳化分散し
て油性液滴を形成する工程、および該油性液滴から低沸
点溶剤を系外に追い出すと共に、液滴界面で第1の殻形
成単量体と第2の殻形成単量体とを重合させることによ
ってカプセル殻を形成する工程よりなることを特徴とす
る。また、本発明の第4のものは、マイクロカプセルト
ナーの製造方法に関するものであって、芯物質と共に低
沸点溶剤を用い、界面重合によって製造するマイクロカ
プセルの製造方法において、水100gへの溶解度が5
〜50gであるケトン系溶剤を含有する低沸点溶剤を用
いて、芯物質、低沸点溶剤および第1のカプセル殻形成
単量体からなる混合物を作製する工程、得られた混合物
を第2の殻形成単量体を含有する水性媒体中に乳化分散
して油性液滴を形成する工程、該油性液滴から低沸点溶
剤を系外に追い出すと共に、液滴界面で第1の殻形成単
量体と第2の殻形成単量体とを重合させることによって
カプセル殻を形成する工程、およびカプセル殻の表面に
帯電制御性重合体を付着させる工程よりなることを特徴
とする。
【0009】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明において用いられるマイクロカプセルおよびマイク
ロカプセルトナーはいわゆる界面重合法によって作製さ
れる。界面重合法によるマイクロカプセルの製造方法は
例えば特公昭38−19574号公報、同42−446
号公報、特公平2−31381号公報、特開昭58−6
6948号公報、同59−148066号公報、同59
−162562号公報で開示されているように、油性液
滴中に存在する第1のカプセル殻形成単量体と水性溶媒
中に存在する第2のカプセル殻形成単量体とを油性液滴
の界面で反応させてカプセル殻を形成する方法である。
【0010】本発明における界面重合法においては、先
ず、最初の工程において、芯物質、低沸点溶剤および第
1のカプセル殻形成単量体からなる混合物を作製する。
本発明において、芯物質としては、特に限定されるもの
ではなく、水に難溶性または油溶性であれば、用途に応
じて各種の活性物質を芯物質成分として使用することが
できる。マイクロカプセルをカプセルトナーとして用い
る場合であって、圧力定着を目的とする場合には、圧力
定着性を有する成分を主体とする芯物質が用いられ、加
熱定着を目的とする場合には、加熱定着性を有する成分
を主体とする芯物質が用いられる。特に圧力定着を目的
とする場合、芯物質が主にバインダー樹脂とそれを溶解
する高沸点溶剤および着色材からなるもの、または主に
軟質の固体物質と着色材からなるものが好ましい。必要
に応じて着色材に代えて磁性粉を、あるいは定着性の改
良を目的としてシリコーンオイル等の添加剤を加えるこ
とができる。またバインダー樹脂を溶解しない高沸点溶
剤をバインダー樹脂を溶解する高沸点溶剤に加えること
もできる。圧力定着を目的とした場合と加熱定着を目的
とした場合とでは、それぞれ構成成分の種類あるいは組
成比を変えることが望ましい。
【0011】バインダー樹脂としては、公知の定着用樹
脂を用いることができる。具体的には、ポリアクリル酸
メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチ
ル、ポリアクリル酸2−エチルヘキシル、ポリアクリル
酸ラウリル等のアクリル酸エステル重合体、ポリメタク
リル酸メチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリメタクリ
ル酸ヘキシル、ポリメタクリル酸2−エチルヘキシル、
ポリメタクリル酸ラウリル等のメタクリル酸エステル重
合体、スチレン系モノマーとアクリル酸エステルもしく
はメタクリル酸エステルとの共重合体、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリプロピオン酸ビニル、ポリ酪酸ビニル、ポリエ
チレンおよびポリプロピレンなどのエチレン系重合体お
よびその共重合体、スチレン・ブタジエン共重合体、ス
チレン・イソプレン共重合体、スチレン・マレイン酸共
重合体などのスチレン系共重合体、ポリビニルエーテ
ル、ポリビニルケトン、ポリエステル、ポリアミド、ポ
リウレタン、ゴム類、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラ
ール、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール
樹脂などがあげられ、これらは単独あるいは混合して用
いることができる。またモノマーの状態で仕込みカプセ
ル化終了後に重合して、バインダー樹脂とすることもで
きる。
【0012】バインダー樹脂を溶解する高沸点溶剤とし
ては、沸点が140℃以上、好ましくは、160℃以上
の油性溶剤を用いることができる。例えば、Moder
nPlastics Encyclopedia(19
75〜1976)のPlasticizersに記載さ
れているものの中から選ぶことができる。また、圧力定
着用カプセルトナーの芯物質として開示されている(例
えば特開昭58−145964号公報、63−1633
73号公報等)高沸点溶剤の中から選ぶこともできる。
【0013】具体的には、フタル酸エステル類(例、ジ
エチルフタレート、ジブチルフタレート);脂肪族ジカ
ルボン酸エステル類(例、マロン酸ジエチル、しゅう酸
ジメチル);リン酸エステル類(例、トリクレジルホス
フェート、トリキシリルホスフェート);クエン酸エス
テル類(例、O−アセチルトリエチルシトレート);安
息香酸エステル類(例、ブチルベンゾエート、ヘキシル
ベンゾエート);脂肪酸エステル類(例、ヘキサデシル
ミリステート、ジオクチルアジペート);アルキルナフ
タレン類(例、メチルナフタレン、ジメチルナフタレ
ン、モノイソプロピルナフタレン、ジイソプロピルナフ
タレン);アルキルジフェニルエーテル類(例、o−、
m−、p−メチルジフェニルエーテル);高級脂肪酸ま
たは芳香族スルホン酸のアミド化合物類(例、N,N−
ジメチルラウリロアミド、N−ブチルベンゼンスルホン
アミド);トリメリット酸エステル類(例、トリオクチ
ルトリメリテート);ジアリールアルカン類(例、ジメ
チルジフェニルメタン等のジアリールメタン、1−フェ
ニル−1−メチルフェニルエタン、1−ジメチルフェニ
ル−1−フェニルエタン、1−エチルフェニル−1−フ
ェニルエタン等のジアリールエタン);塩素化パラフィ
ン類をあげることができる。またバインダー樹脂として
メタクリル酸ラウリルホモポリマーまたはコポリマー等
の長鎖アルキル基を有する重合体を用いる場合には、脂
肪族飽和炭化水素あるいは脂肪族飽和炭化水素を主成分
とする有機溶剤(例えば、エクソン化学社製Isopa
r−G、Isopar−H、Isopar−M等)を用
いることができる。
【0014】着色材としては、カーボンブラック、ベン
ガラ、紺青、酸化チタン等の無機顔料、ファストイエロ
ー、ジスアゾイエロー、ピラゾロンレッド、キレートレ
ッド、ブリリアントカーミン、パラブラウン等のアゾ顔
料、銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタ
ロシアニン顔料、フラバントロンイエロー、ジブロモア
ントロンオレンジ、ペリレンレッド、キナクリドンレッ
ド、ジオキサジンバイオレット等の縮合多環系顔料があ
げられる。また分散染料、油溶性染料などを用いること
もできる。
【0015】さらにまた、磁性1成分トナーとして、黒
色着色材の全部又は一部を磁性粉で置き換えることがで
きる。磁性粉としては、マグネタイト、フェライト、又
はコバルト、鉄、ニッケル等の金属単体又はその合金を
用いることができる。さらに、芯物質の一成分として仕
込んだ着色材あるいは磁性粉がカプセル形成後に芯と外
殻との界面あるいは外殻中に存在してもよい。
【0016】軟質の固体物質としては、室温で柔軟性を
有していて定着性のあるものならば、特に種類を問わな
いが、Tgが−60℃から5℃の範囲の重合体あるいは
その重合体と他の重合体との混合物が好ましい。バイン
ダー樹脂或いは軟質の固体物質を、芯物質中の1成分と
してカプセル内に含有させる方法としては、あらかじめ
重合体の状態で他の芯物質成分、低沸点溶剤および外殻
形成成分とともに仕込み、界面重合で外殻を形成すると
同時に、または外殻形成終了後に低沸点溶剤を系外に追
い出して芯物質を形成する方法を用いることができる。
あるいはモノマーの状態で仕込み界面重合で外殻を形成
した後、モノマーを重合して芯物質を形成する方法を用
いることができる。
【0017】次に、本発明の特徴の一つである低沸点溶
剤について説明する。ここで言う低沸点溶剤とは、1.
0×106 Pa(760mmHg)における沸点が12
0℃以下、好ましくは100℃以下の溶剤で、カプセル
原材料の一成分として芯物質および第1のカプセル殻形
成単量体と混合して仕込まれ、乳化およびカプセル化反
応中またはカプセル化反応後に系外に除去されるもので
ある。この低沸点溶剤の役割は、芯物質の粘度を下げて
乳化しやすくするための希釈剤としての効果のみなら
ず、第1のカプセル殻形成単量体を液滴界面に効率よく
移動させ、第2のカプセル殻形成単量体との反応を促進
させる効果をも有する。本発明においては、低沸点溶剤
として、水100gへの溶解度が20℃において5〜5
0gの範囲、好ましくは5〜30gの範囲にあるケトン
系溶剤を用いることに特徴を有している。水への溶解度
が5gより低い場合は、殻形成が不十分で、かつカプセ
ル内に溶剤が残存してしまう。また、50gを越える
と、乳化が困難になる。
【0018】本発明において使用することができるケト
ン系溶剤としては、具体的には、メチルエチルケトン
(水への溶解度、以下同様:29)、メチルイソプロピ
ルケトン(6.9)、メチルn−プロピルケトン(6.
3)、ジエチルケトン(5.4)が挙げられる。この中
でもメチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトンは
沸点が100℃以下であるので、系外に除去され易く特
に好ましい。上記ケトン系溶剤は、その他の溶剤、例え
ば、エステル系、芳香族系あるいはハロゲン系の溶剤と
混合して用いることもできる。特に第1のカプセル殻形
成単量体として、ポリイソシアナート類を使用する場合
には、該カプセル殻形成単量体があらかじめ少量の酢酸
エチル等の溶剤で希釈されて市販されていることが多い
ので、上述の混合溶剤系で使用する方が便利である。他
の溶剤と混合する場合、上記ケトン系溶剤の含有量が全
溶剤の50重量%以上、好ましくは60重量%以上であ
ることが好ましい。
【0019】本発明において、芯物質および低沸点溶剤
と混合される第1のカプセル殻形成単量体としては、イ
ソシアナート化合物、酸ハロゲン化物、エポキシ化合物
があげられる。具体的には、イソシアナート化合物とし
て、メタフェニレンジイソシアナート、トリレンジイソ
シアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、3,
3′−ジメチル−ジフェニル−4,4′−ジイソシアナ
ート、3,3′−ジメチル−ジフェニルメタン−4,
4′−ジイソシアナート、キシリレンジイソシアナー
ト、ナフタレンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイ
ソシアナート等のジイソシアナート、あるいは、いわゆ
るビュレット型、アダクト型、イソシアヌレート型とし
て知られているポリイソシアナート類が挙げられる。例
えば住友バイエルウレタン社製のスミジュールシリー
ズ、武田薬品社製のタケネートシリーズ、日本ポリウレ
タン工業社製のミリオネートシリーズとして市販されて
いるポリイソシアナート類が好適に用いられる。酸ハロ
ゲン化物としては、アジポイルジクロライド、フタロイ
ルジクロライド、テレフタロイルジクロライド、1,4
−シクロヘキサンジカルボニルクロライド等の二塩基酸
ハロゲン化物が挙げられる。エポキシ化合物としては、
ビスフェノールA型、レゾルシン型、ビスフェノールF
型、テトラフェニルメタン型、ノボラック型、ポリアル
コール型、ポリグリコール型、グリセリントリエーテル
型として知られているエポキシ化合物があげられる。こ
のうち、マイクロカプセルをトナーに応用する場合に
は、特に電気抵抗の面から、少なくともイソシアナート
が含まれることが好ましい。その中でもポリイソシアナ
ート類が特に好ましい。さらに好ましい態様は、低沸点
溶剤には溶解し、芯物質および低沸点溶剤との混合液に
は、完全に溶解せず懸濁状態になるようなポリイソシア
ナート類を使用するものである。その理由は、このよう
な状態のもとでは、第1のカプセル殻形成単量体の液滴
界面への移動がスムーズに行われ、その結果カプセル化
すなわち殻形成が効率よく進行するからである。
【0020】本発明においては、次の工程において、上
記の成分を混合して得られた混合物を、第2の殻形成単
量体を含有する水性媒体中に乳化分散して油性液滴を形
成する。第2のカプセル殻形成単量体は、第1のカプセ
ル殻形成単量体と反応して重合体を形成するものであっ
て、具体的には、水、エチレングリコール、1,4−ブ
タンジオール、カテコール、レゾルシノール、ハイドロ
キノン、o−ジヒドロキシメチルベンゼン、4,4′−
ジヒドロキシジフェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)−プロパン等のポリオールまたはエ
チレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチ
レンジアミン、フェニレンジアミン、ジエチレントリア
ミン、トリエチレンテトラミン、ジエチルアミノプロピ
ルアミン、テトラエチレンペンタミン等のポリアミン、
またはピペラジン、2−メチルピペラジン、2,5−ジ
メチルピペラジン等のピペラジン系化合物が挙げられ
る。これらは混合して用いることもできる。特に好まし
い態様は、第1のカプセル殻形成単量体としてイソシア
ナートを含有し、第2のカプセル殻形成単量体として水
およびポリアミンを用いてカプセル化するものである。
上記の第2のカプセル殻形成単量体のうちポリオール類
は、第1のカプセル殻形成単量体とともに油性液滴中に
仕込むこともできる。またポリアミンを添加する場合、
その一部を、あらかじめ乳化前の水性媒体中に混合させ
ることもできる。水性媒体は、水や必要に応じてアルコ
ール等の親水性物質を添加することができる。また、セ
ルロース等の分散剤を用いることができる。
【0021】上記工程により形成された油性液滴は、次
いでその油性液滴から低沸点溶剤を系外に追い出すと共
に、液滴界面で上記した第1の殻形成単量体と上記した
第2の殻形成単量体とを重合させる。この工程によっ
て、カプセル殻が形成され、目的とするマイクロカプセ
ルを製造することができる。
【0022】さらに、本発明において、マイクロカプセ
ルトナーを製造する場合には、さらに上記の工程によっ
て形成されたカプセル殼に、帯電制御性重合体を付着さ
せる。 カプセル殼に付着させる帯電制御性重合体につ
いて説明する。帯電制御性重合体のカプセル殼への付着
は、物理的な付着であっても、また、化学的な結合によ
る付着であってもよい。帯電制御性重合体とは、帯電部
材との接触または摩擦によってトナーに正帯電性もしく
は負帯電性を付与することができる重合体を意味する。
具体的には、正帯電性付与の場合には、アミノ基、ピリ
ジル基、ジアルキルアミノ基または4級アンモニウム塩
構造を有する重合体のような含窒素重合体があげられ
る。負帯電性付与の場合には、カルボキシル基、スルホ
ン酸基、またはそれらの塩構造を有する基、フッ素化ア
ルキル基を有する重合体があげられる。或いは従来帯電
制御剤として知られている化合物、例えばニグロシン染
料、含金クロム染料、フタロシアニン染料等の化合物そ
のものか、あるいはその類似物を含有した重合体であっ
てもよい。このうち特にジアルキルアミノ基または4級
アンモニウム塩構造を有する基、カルボキシル基、フッ
素化アルキル基を有する重合体が帯電の安定性、製造性
において好ましい。
【0023】上記、帯電制御性重合体を構成するモノマ
ー成分の一つである4級アンモニウム塩含有ビニルモノ
マーとしては、下記一般式(I)で示されるものを挙げ
ることができる。
【化1】 (式中、R1 は水素原子またはメチル基を表わし、R2
〜R4 はそれぞれ炭素数1〜8のアルキル基またはアラ
ルキル基を表わし、Yは−COO−、−CONH−また
は1,4−フェニレン基を表わし、nは1〜8の整数を
表わし、X- はアニオンを表わす。)
【0024】上記一般式(I)において、カチオン部と
して、下記構造式で示される化合物(1)〜(6)があ
げられる。
【化2】
【0025】また、アニオン:X- としては、下記構造
式で示されるものがあげられる。Cl- 、Br- 、I-
等のハロゲンイオン、あるいは、CH3 COO- 、C2
5 COO- 、C3 7 COO- 、C7 15COO-
1123COO- 等の脂肪族カルボン酸基、
【0026】
【化3】 等の芳香族カルボン酸基、あるいはCH3 SO3 - 、C
2 5 SO3 - 、C3 7 SO3 - 、C7 15
3 - 、C1123SO3 - 等の脂肪族スルホン酸基、
【0027】
【化4】 等の芳香族スルホン酸基等があげられる。あるいは、ア
シッドレッド、アシッドオレンジ、アシッドバイオレッ
ト、アシッドブルー等の酸性染料のアニオン残基であっ
てもよい。
【0028】本発明において、上記一般式(I)で示さ
れるモノマーは、単独重合体の形でもよく、また共重合
体の1成分として存在させてもよい。共重合体の1成分
として存在させる場合の上記モノマーの含有率は、全共
重合に対して1モル%〜80モル%、好ましくは5モル
%〜60モル%であることが望ましい。
【0029】上記一般式(I)で示されるモノマーと共
重合させうるモノマーとしては、例えば(メタ)アクリ
ル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸
エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリ
ル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)ア
クリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メ
タ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2
−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸
ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−エトキシ
エチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アク
リル酸フェニル等の(メタ)アクリル酸エステル類、蟻
酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニ
ル、トリメチル酢酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリ
ル酸ビニル、ステアリン酸ビニル等の脂肪酸ビニルエス
テル類、あるいはエチルビニルエーテル、プロピルビニ
ルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエ
ーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、フェニル
ビニルエーテル等のビニルエーテル類、あるいはメチル
ビニルケトン、フェニルビニルケトン等のビニルケトン
類、スチレン、クロルスチレン、ヒドロキシスチレン、
α−メチルスチレン等のビニル芳香族化合物をあげるこ
とができる。これらの中の1つあるいは2つ以上を混合
して上記モノマー(I)と共重合させることができる。
この中でも特に、(メタ)アクリル酸エステル類が好ま
しい。
【0030】
【実施例】
実施例1 (マイクロカプセルの作製)脂肪族飽和炭化水素(Is
oper−M:エクソン社製)60gとメチルイソプロ
ピルケトン(水への溶解度6.9)60gの混合液にラ
ウリルメタクリレート重合体(Mw=3×104 )30
g、ラウリルメタクリレート・n−ブチルメタクリレー
ト共重合体(Mw=6×104 )40gを加え溶解させ
た。ここに磁性粉(EPT−1000:戸田工業社製)
120gを入れ、サンドミルにて16時間分散した。次
にこの分散液200gに対してイソシアナート(タケネ
ートD110N(溶剤を酢酸エチルからメチルエチルケ
トンに替えたもの):武田薬品工業社製)40gおよび
メチルイソプロピルケトン20gを加え十分混合した
(この液をA液とする。)。一方、イオン交換水200
gにヒドロキシプロピルメチルセルロース(メトローズ
65SH50:信越化学社製)10gを溶解させ、5℃
まで冷却した(この液をB液とする。)。乳化機(オー
トホモミクサー:特殊機加工社製)でB液を攪拌し、こ
の中にA液をゆっくり投入して乳化を行なった。このよ
うにして乳化液中の油滴粒子の平均粒径が約12μmの
O/Wエマルジョンを得た。つぎに乳化機のかわりにプ
ロペラ型の攪拌羽根を備えた攪拌機(スリーワンモー
タ:新東科学社製)に替え、400回転/分で攪拌し
た。10分後この中に5%のジエチレントリアミン水溶
液200gを滴下した。滴下終了後、40℃に加温し、
メチルイソプロピルケトンを追い出しながら、6時間カ
プセル化反応を行った。反応終了後、2リットルのイオ
ン交換水にあけ、充分攪拌して静置した。カプセル粒子
が沈降した後、上澄みを取り除いた。この操作をあと7
回繰り返し、カプセル粒子を洗浄した。得られたカプセ
ル懸濁液をステンレス製のバットにあけ、乾燥機(ヤマ
ト科学社製)にて80℃で24時間乾燥した。このよう
にして本発明のマイクロカプセルを得た。このマイクロ
カプセルを一部取り出し、100℃で24時間加熱処理
して、マイクロカプセル中のアイソパーMの蒸散量を調
べたところ、カプセル中にもともと入っていたアイソパ
ーMの約98%が保存されていることが確認された。ま
たこのマイクロカプセルを加圧してその破壊率を調べた
ところ、490N//cm2(50kgf/cm2 )で1
0%であった。この結果から、本発明のマイクロカプセ
ルは芯物質の保持性能と機械的強度に優れていることが
分かった。
【0031】実施例2 (トナー化)実施例1と全く同じようにして作製したカ
プセル粒子を、固形分濃度40%の懸濁液に調製し、こ
の液125g(カプセル粒子50gに相当)に、イオン
交換水125gを加え、プロペラ型の攪拌羽根を備えた
攪拌機(スリーワンモータ:新東科学社製)にて200
回転/分で攪拌した。これに1Nの硝酸5g、10%の
硫酸セリウム水溶液4gを加えた後、ジメタクリル酸エ
チレングリコールを0.5gを加え、15℃で3時間反
応を行った。反応終了後1リットルのイオン交換水にあ
け、充分攪拌し静置した。カプセル粒子が沈降した後、
上澄みを取り除いた。この操作をあと2回繰り返しカプ
セル粒子を洗浄した。このようにしてジメタクリル酸エ
チレングリコールがカプセル外殻の表面にグラフト重合
したカプセル粒子を得た。
【0032】これを再びイオン交換水に再懸濁し、プロ
ペラ型の攪拌羽根を備えた攪拌機(スリーワンモータ:
新東科学社製)にて200回転/分で攪拌した。次にこ
の中に0.4gの過硫酸カリウム、0.2gの前記例示
化合物(1)の塩化物および2.0gのメチルメタクリ
レート、0.16gの亜硫酸水素ナトリウムを順次添加
し、25℃で3時間反応を行った。反応終了後、2リッ
トルのイオン交換水にあけ、充分攪拌し静置した。カプ
セル粒子が沈降した後、上澄みを取り除いた。この操作
をあと4回繰り返しカプセル粒子を洗浄した。
【0033】次に、このカプセル粒子懸濁液に、4−ナ
フトールスルホン酸ナトリウムの5%水溶液2gを加
え、30分間室温で攪拌してイオン交換反応を行った。
反応終了後、カプセル粒子を1リットルのイオン交換水
で5回洗浄して本発明のマイクロカプセルトナーを得
た。得られたマイクロカプセルトナー懸濁液をステンレ
ス製のバットにあけ、乾燥機(ヤマト科学社製)にて6
0℃で10時間乾燥した。得られたマイクロカプセルト
ナー100部に対し、塩基性カーボンブラック(pH値
8.5)(REGAL330R:キャボット社製)を
0.1部添加し、充分混合した。
【0034】得られたマイクロカプセルトナーを用い、
温度20℃、湿度50%の環境下で画質評価を行った。
複写機としては富士ゼロックス社製2700をカプセル
トナー用に改造したものを用い、評価を行った。その結
果、5000枚目まで画質欠陥のない安定したコピーが
得られた。また、トナー供給ロールと感光体にはマイク
ロカプセルトナーがつぶれて付着する現象は見られなか
った。
【0035】実施例3 実施例1でメチルイソプロピルケトン60gに換えてメ
チルエチルケトン(溶解度29)60gを用いて、同様
に本発明のマイクロカプセルを作製した。このマイクロ
カプセルを一部取り出し、100℃で24時間加熱処理
してカプセル中のアイソパーMの蒸散量を調べたとこ
ろ、マイクロカプセル中にもともと入っていたアイソパ
ーMの約98%が保存されていた。またこのマイクロカ
プセル粒子を加圧してその破壊率を調べたところ、49
0N//cm2 (50kgf/cm2 )で11%であっ
た。この結果から、このマイクロカプセルは芯物質の保
持性能と機械的強度にすぐれていることが分かった。
【0036】比較例1 実施例1でメチルイソプロピルケトン60gに換えて酢
酸エチル(溶解度8.8)60gを用い、酢酸エチルを
溶剤としたタケネートD110Nを用いて、同様に比較
のためのマイクロカプセルを作製した。このマイクロカ
プセルを一部取り出し、100℃で24時間加熱処理し
てマイクロカプセル中のアイソパーMの蒸散量を調べた
ところ、マイクロカプセル中にもともと入っていたアイ
ソパーMの約30%が消失していた。また、このマイク
ロカプセル粒子を加圧してその破壊率を調べたところ、
490N//cm2 (50kgf/cm2 )で30%であ
った。この結果から、このマイクロカプセルは芯物質の
保持性能と機械的強度に劣っていることが分かった。
【0037】比較例2 次に、実施例2と同様にして比較例1で作製したマイク
ロカプセルをトナー化した。得られたマイクロカプセル
トナーを温度20℃、湿度50%の環境下で実施例2と
同様に画質評価を行ったところ、300枚目からトナー
供給ロール表面にトナーがつぶれたものが付着し始め
た。500枚目からはコピー上に無数の白スジが発生
し、著しく劣る画質となった。感光体表面を調べたとこ
ろ、トナーがつぶれたものが付着していた。
【0038】比較例3 実施例1でメチルイソプロピルケトン60gに換えて、
水への溶解度が50を越えるアセトン60gを用いて、
同様にマイクロカプセルを作製することを試みたが、乳
化不良を起こし満足なカプセルが作製できなかった。
【0039】
【発明の効果】本発明のマイクロカプセルおよびマイク
ロカプセルトナーの製造方法は、上記のように、芯物質
を溶解または分散させるための溶剤として、水100g
への溶解度が5〜50gであるケトン系溶剤を含有する
低沸点溶剤を使用して、界面重合によりカプセル殼を形
成するから、芯物質の持つべき定着性能を損なうことな
く、機械的強度に優れ、特殊な反応装置や複雑な操作を
必要としない。また、芯物質が液状のカプセルトナーの
作製にも適用することができる。そして、形成されたマ
イクロカプセルおよびマイクロカプセルトナーは、芯物
質の保持性能と機械的強度に優れている。また、マイク
ロカプセルトナーは、帯電の環境安定性が良好であり、
電子写真用トナーとして優れたものである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯物質、水100gへの溶解度が5〜5
    0gであるケトン系溶剤を含有する低沸点溶剤、および
    第1のカプセル殻形成単量体からなる混合物を、第2の
    殻形成単量体を含有する水性媒体中に乳化分散し、形成
    された油性液滴から低沸点溶剤を系外に追い出すと共
    に、液滴界面で第1の殻形成単量体と第2の殻形成単量
    体とを重合させることによって形成されたカプセル殻を
    有することを特徴とする芯物質およびカプセル殻よりな
    るマイクロカプセル。
  2. 【請求項2】 芯物質、水100gへの溶解度が5〜5
    0gであるケトン系溶剤を含有する低沸点溶剤、および
    第1のカプセル殻形成単量体からなる混合物を、第2の
    殻形成単量体を含有する水性媒体中に乳化分散し、形成
    された油性液滴から低沸点溶剤を系外に追い出すと共
    に、液滴界面で第1の殻形成単量体と第2の殻形成単量
    体とを重合させることによって形成されたカプセル殻を
    有し、該カプセル殻の表面に帯電制御性重合体が付着し
    ていることを特徴とする芯物質およびカプセル殻よりな
    るマイクロカプセルトナー。
  3. 【請求項3】 芯物質と共に低沸点溶剤を用い、界面重
    合によって製造するマイクロカプセルの製造方法におい
    て、水100gへの溶解度が5〜50gであるケトン系
    溶剤を含有する低沸点溶剤を用いて、芯物質、低沸点溶
    剤および第1のカプセル殻形成単量体からなる混合物を
    作製する工程、該混合物を第2の殻形成単量体を含有す
    る水性媒体中に乳化分散して油性液滴を形成する工程、
    および該油性液滴から低沸点溶剤を系外に追い出すと共
    に、液滴界面で第1の殻形成単量体と第2の殻形成単量
    体とを重合させることによってカプセル殻を形成する工
    程よりなることを特徴とするマイクロカプセルの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 芯物質と共に低沸点溶剤を用い、界面重
    合によって製造するマイクロカプセルの製造方法におい
    て、水100gへの溶解度が5〜50gであるケトン系
    溶剤を含有する低沸点溶剤を用いて、芯物質、低沸点溶
    剤および第1のカプセル殻形成単量体からなる混合物を
    作製する工程、該混合物を第2の殻形成単量体を含有す
    る水性媒体中に乳化分散して油性液滴を形成する工程、
    該油性液滴から低沸点溶剤を系外に追い出すと共に、液
    滴界面で第1の殻形成単量体と第2の殻形成単量体とを
    重合させることによってカプセル殻を形成する工程、お
    よびカプセル殻の表面に帯電制御性重合体を付着させる
    工程よりなることを特徴とするマイクロカプセルトナー
    の製造方法。
JP5287339A 1993-10-25 1993-10-25 マイクロカプセル、マイクロカプセルトナーおよびそれらの製造方法 Pending JPH07116500A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5287339A JPH07116500A (ja) 1993-10-25 1993-10-25 マイクロカプセル、マイクロカプセルトナーおよびそれらの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5287339A JPH07116500A (ja) 1993-10-25 1993-10-25 マイクロカプセル、マイクロカプセルトナーおよびそれらの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07116500A true JPH07116500A (ja) 1995-05-09

Family

ID=17716096

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5287339A Pending JPH07116500A (ja) 1993-10-25 1993-10-25 マイクロカプセル、マイクロカプセルトナーおよびそれらの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07116500A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2806005A1 (fr) * 2000-03-10 2001-09-14 Univ Claude Bernard Lyon Procede de preparation de particules colloidales sous forme de nanocapsules
KR100453045B1 (ko) * 2002-04-03 2004-10-15 삼성전자주식회사 습식 현상제
JP2008271337A (ja) * 2007-04-23 2008-11-06 Nippon Ceramic Co Ltd 超音波送受波器

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2806005A1 (fr) * 2000-03-10 2001-09-14 Univ Claude Bernard Lyon Procede de preparation de particules colloidales sous forme de nanocapsules
WO2001068235A1 (fr) * 2000-03-10 2001-09-20 Universite Claude Bernard Lyon I Procede de preparation de particules colloidales sous forme de nanocapsules
US7348031B2 (en) 2000-03-10 2008-03-25 Universite Claude Bernard Lyon I Method for preparing colloidal particles in the form of nanocapsules
KR100453045B1 (ko) * 2002-04-03 2004-10-15 삼성전자주식회사 습식 현상제
JP2008271337A (ja) * 2007-04-23 2008-11-06 Nippon Ceramic Co Ltd 超音波送受波器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0532745B2 (ja)
US5336581A (en) Microcapsule, microcapsule toner and process for preparation thereof
US5484677A (en) Microcapsule and microcapsule toner
US5571651A (en) Capsule toner
US5334480A (en) Capsule toner
US5215851A (en) Electrophotographic toner
JPH07116500A (ja) マイクロカプセル、マイクロカプセルトナーおよびそれらの製造方法
JPH0830040A (ja) 液体現像剤及びその製造方法
US5312710A (en) Electrophotographic toner and process for producing the same
JPH07116499A (ja) マイクロカプセル、マイクロカプセルトナーおよびそれらの製造方法
US5385802A (en) Process for producing toner
JPS60126657A (ja) 摩擦帯電性が向上したカプセルトナ−とその製造方法
JPH07120963A (ja) マイクロカプセルトナーおよびその製造方法
US5300388A (en) Toner for electrophotography and process for producing the same
JP2757725B2 (ja) カプセルトナー及びその製造方法
JPH07246330A (ja) マイクロカプセルの製造方法、マイクロカプセルトナーおよびその製造方法
JPH07230183A (ja) カプセルトナーおよびその製造方法
JPH07113784B2 (ja) カプセルトナ−
US5389490A (en) Capsule toner and process for producing the same
JPH07333886A (ja) マイクロカプセルトナー、その製造方法及び画像形成方法
JPH06110244A (ja) カプセルトナー
JPH05165249A (ja) マイクロカプセルトナーおよびその製造方法
JPH0743937A (ja) カプセルトナーおよびその製造方法
JPH0685086B2 (ja) 摩擦帯電性が向上したカプセルトナ−の製造方法
JPS61114247A (ja) カプセルトナ−の製造方法