JP6331398B2 - トナーの製造方法 - Google Patents

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本発明は、トナーの製造方法に関する。
従来、電子写真装置においては、感光体に静電潜像を形成した後、トナーを用いて静電潜像を現像して、トナー像が形成されている。トナー像は、通常、紙等の被転写体に転写された後、加熱等の方法で定着させる。
近年、地球温暖化問題への対応として、省エネルギー定着技術の要望が高まっており、低温定着性に優れるトナーが望まれている。
一方、トナーの製造方法としては、溶解懸濁法、懸濁重合法、乳化凝集法等の湿式造粒法が知られている。このとき、造粒性を高めるために、母体粒子の表面に樹脂粒子を付着させる方法が知られている。
特許文献1には、結着樹脂、着色剤、ワックス成分及び水酸基価が3乃至70mgKOH/gのビニル系共重合体を少なくとも含有するトナー粒子と、無機微粉体とを有するトナーが開示されている。このとき、トナーの示差走査熱量計により測定されるガラス転移温度(TgA)が40乃至60℃に少なくとも存在する。また、トナーのテトラヒドロフラン(THF)可溶分中におけるシクロヘキサン(CHX)不溶分のガラス転移温度(TgB)が、80乃至120℃に少なくとも存在する。さらに、TgAとTgBが、25℃≦TgB−TgA≦70℃、の関係を満たす。また、無機微粉体は少なくとも表面処理剤で表面が処理された無機微粉体である。
しかしながら、低温定着性及び耐熱保存性を両立させることが望まれている。
本発明の一態様は、上記従来技術が有する問題に鑑み、低温定着性、耐熱保存性及び造粒性に優れるトナーを提供することを目的とする。
本発明の一態様は、第一のポリエステル、離型剤及び着色剤を含む母体粒子の表面に、第二のポリエステルを含む樹脂粒子が付着しているトナーを製造する方法であって水系媒体中で、ポリエステルをアミンにより化学修飾して前記樹脂粒子を含む水系媒体を調製する工程と、前記第一のポリエステル、前記離型剤及び前記着色剤を含む組成物を有機溶媒中に溶解又は分散させて第一の液を調製する工程と、該第一の液を、前記樹脂粒子を含む水系媒体中に分散させて第二の液を調製する工程と、該第二の液から、前記有機溶媒を除去することにより前記母体粒子を形成する工程を有し、前記第一のポリエステルは、水酸基価が68mgKOH/g以下であり、前記第一のポリエステルの水酸基価に対する前記樹脂粒子の水酸基価の比が0.050以上0.300以下である。
本発明の一態様によれば、低温定着性、耐熱保存性及び造粒性に優れるトナーを提供することができる。
画像形成装置の一例を示す概略図である。 図1の感光体に画像を形成する画像形成部の構成を示す概略図である。 図2の現像装置の構成を示す概略図である。 プロセスカートリッジの一例を示す概略図である。
次に、本発明を実施するための形態を図面と共に説明する。
トナーは、第一のポリエステル、離型剤及び着色剤を含む母体粒子の表面に、第二のポリエステルを含む樹脂粒子が付着している。これにより、低温定着性を向上させることができる。
第二のポリエステルは、化学修飾されている水酸基を有する。これにより、第二のポリエステルの水酸基価を小さくすることができ、その結果、耐熱保存性を向上させることができる。
第一のポリエステルの水酸基価は、68gKOH/g以下であり、10.0〜22.0mgKOH/gであることが好ましい。第一のポリエステルの水酸基価が68mgKOH/gを超えると、耐熱保存性が低下する。
第一のポリエステルの水酸基価に対する樹脂粒子の水酸基価の比は、0.050〜0.300であり、0.160〜0.210であることが好ましい。第一のポリエステルの水酸基価に対する樹脂粒子の水酸基価の比が0.050未満である場合又は0.300を超える場合は、造粒性が低下する。
なお、第一のポリエステルの水酸基価及び樹脂粒子の水酸基価は、JISK0070−1966に準拠して測定することができる。
第一のポリエステルは、化学修飾されている水酸基を有することが好ましい。これにより、第一のポリエステルの水酸基価を小さくすることができ、その結果、耐熱保存性をさらに向上させることができる。
ポリエステルの水酸基を化学修飾する方法としては、特に限定されないが、エーテル化する方法、アルケン脱水する方法、カルボニル化合物に酸化する方法、アミド結合を形成する方法等が挙げられる。中でも、アミド結合を形成する方法が好ましい。
ポリエステルの水酸基を化学修飾してアミド結合を形成をする試薬としては、特に限定されないが、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、t−ブチルアミン等の脂肪族アミン、アニリン、ベンジルアミン、トルイジン、トリメチルアニリン、クミルアミン等の芳香族アミン等が挙げられる。中でも、耐熱保存性の点で、フェニル基を有するアミンが好ましく、アルキレン基を介して、アミノ基とフェニル基が結合しているアミンがさらに好ましい。
第一のポリエステルは、結着樹脂である。
第一のポリエステルとしては、特に限定されないが、ラクトン類の開環重合物、ヒドロキシカルボン酸の縮重合物、ポリオールとポリカルボン酸の重縮合物等が挙げられる。中でも、設計の自由度の観点から、ポリオールとポリカルボン酸との重縮合物が好ましい。
第一のポリエステルの酸価は、通常、10〜24mgKOH/gである。
なお、第一のポリエステルの酸価は、JIS K0070−1992に準拠して測定することができる。
第二のポリエステルとしては、特に限定されないが、ラクトン類の開環重合物、ヒドロキシカルボン酸の縮重合物、ポリオールとポリカルボン酸の重縮合物等が挙げられる。中でも、設計の自由度の観点から、ポリオールとポリカルボン酸との重縮合物が好ましい。
樹脂粒子は、酸価が20.0〜50.0mgKOH/gであることが好ましい。これにより、造粒性をさらに向上させることができる。
なお、樹脂粒子の酸価は、JIS K0070−1992に準拠して測定することができる。
第一のポリエステル又は第二のポリエステルを合成する際に用いられるポリオールとしては、特に限定されないが、ジオール、3価以上のポリオールが挙げられ、二種以上併用してもよい。中でも、ジオール、ジオールと少量の3価以上のポリオールの併用が好ましい。
ジオールとしては、アルキレングリコール(例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール)、アルキレンエーテルグリコール(例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール)、脂環式ジオール(例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA)、ビスフェノール類(例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS)、脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)付加物、4,4'−ジヒドロキシビフェニル類(例えば、3,3'−ジフルオロ−4,4'−ジヒドロキシビフェニル)、ビス(ヒドロキシフェニル)アルカン類(例えば、ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1−フェニル−1,1−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(別名:テトラフルオロビスフェノールA)、2,2−ビス(3−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル類(例えば、ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エーテル);ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)付加物等が挙げられる。中でも、炭素数が2〜12のアルキレングリコール、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物が好ましく、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物と炭素数が2〜12のアルキレングリコールの併用がさらに好ましい。
3価以上のポリオールとしては、3価以上の脂肪族アルコール(例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール)、3価以上のフェノール類(例えば、トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラック)、3価以上のフェノール類のアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。
第一のポリエステル又は第二のポリエステルを合成する際に用いられるポリカルボン酸としては、特に限定されないが、ジカルボン酸、3価以上のポリカルボン酸が挙げられ、二種以上併用してもよい。中でも、ジカルボン酸、ジカルボン酸と少量の3価以上のポリカルボン酸の併用が好ましい。
ジカルボン酸としては、アルキレンジカルボン酸(例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸)、アルケニレンジカルボン酸(例えば、マレイン酸、フマル酸)、芳香族ジカルボン酸(例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸)、フタル酸類(例えば、3−フルオロイソフタル酸、2−フルオロイソフタル酸、2−フルオロテレフタル酸、2,4,5,6−テトラフルオロイソフタル酸、2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸、5−トリフルオロメチルイソフタル酸)、ヘキサフルオロプロパン類(例えば、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン)、ビフェニルジカルボン酸類(例えば、2,2'−ビス(トリフルオロメチル)−4,4'−ビフェニルジカルボン酸、3,3'−ビス(トリフルオロメチル)−4,4'−ビフェニルジカルボン酸、2,2'−ビス(トリフルオロメチル)−3,3'−ビフェニルジカルボン酸)、ヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸等が挙げられる。中でも、炭素数が4〜20のアルケニレンジカルボン酸、炭素数が8〜20の芳香族ジカルボン酸が好ましい。
3価以上のポリカルボン酸としては、炭素数が9〜20の芳香族ポリカルボン酸(例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸)等が挙げられる。
なお、ポリカルボン酸の代わりに、ポリカルボン酸の無水物又は低級アルキルエステル(例えば、メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル)を用いてもよい。
ポリオールとポリカルボン酸を重縮合させる際のカルボキシル基に対する水酸基のモル比[OH]/[COOH]は、通常、0.5〜2であり、2/3〜1.5であることが好ましく、10/13〜1.3であることがさらに好ましい。
第一のポリエステルは、結晶性ポリエステルを含んでいてもよい。
結晶性ポリエステルとしては、特に限定されないが、ポリオールとポリカルボン酸の重縮合物等が挙げられる。
結晶性ポリエステルを合成する際に用いられるポリオールとしては、特に限定されないが、脂肪族ジオール(例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール)等が挙げられる。中でも、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオールが好ましく、1,6−ヘキサンジオールがさらに好ましい。
結晶性ポリエステルを合成する際に用いられるポリカルボン酸としては、特に限定されないが、芳香族ジカルボン酸(例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸)、炭素数が2〜8の脂肪族ジカルボン酸等が挙げられる。中でも、結晶化度の点で、脂肪族カルボン酸が好ましい。
離型剤としては、特に限定されないが、ワックス、シリコーンオイル等が挙げられる。中でも、耐熱保存性の点で、ワックスか好ましい。
ワックスとしては、長鎖炭化水素、カルボニル基を有するワックス等が挙げられ、二種以上併用してもよい。中でも、離型性の点で、長鎖炭化水素が好ましい。
長鎖炭化水素としては、ポリオレフィンワックス(例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス)、石油系ワックス(例えば、パラフィンワックス、サゾールワックス、マイクロクリスタリンワックス)、フィッシャートロプシュワックス等が挙げられる。
カルボニル基を有するワックスとしては、ポリアルカン酸エステル(例えば、カルナウバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート)、ポリアルカノールエステル(例えば、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエート)、ポリアルカン酸アミド(例えば、エチレンジアミンジベヘニルアミド)、ポリアルキルアミド(例えば、トリメリット酸トリステアリルアミド)、ジアルキルケトン(例えば、ジステアリルケトン)等が挙げられる。
トナー中の離型剤の含有量は、通常、2〜25質量%であり、3〜20質量%であることが好ましく、4〜15質量%であることがさらに好ましい。
着色剤としては、染料又は顔料であれば、特に限定されないが、カーボンブラック、ニグロシン系染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
トナー中のブラックの着色剤の含有量は、通常、7〜9質量%である。また、トナー中のブラック以外の着色剤の含有量は、通常、5〜8質量%である。
顔料は、第一のポリエステルと複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。
マスターバッチは、第一のポリエステルと顔料にせん断力を印加して混合混練して作製することができる。この際、顔料と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶媒を用いることができる。また、いわゆるフラッシング法と呼ばれる、顔料の水性ペーストを、樹脂と有機溶媒と共に混合混練し、顔料を樹脂に移行させた後、水と有機溶媒を除去する方法も、顔料のウェットケーキをそのまま用いることができ、乾燥させる必要がないため、好ましい。
せん断力を印加する装置としては、特に限定されないが、3本ロールミル等が挙げられる。
トナーは、帯電制御剤、外添剤をさらに含んでいてもよい。
帯電制御剤としては、特に限定されないが、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、リンの単体又は化合物、タングステンの単体又は化合物、フッ素系界面活性剤、サリチル酸の金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩、カリックスアレーン、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩基を有する高分子化合物等が挙げられる。
帯電制御剤の市販品としては、ニグロシン系染料のボントロン03、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、E−108、E−304(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、トリフェニルメタン誘導体のLRA−901、ホウ素錯体のLR−147(以上、日本カーリット社製)等が挙げられる。
外添剤としては、無機粒子、高分子粒子等が挙げられる。
外添剤の平均一次粒径は、通常、5nm〜2μmであり、5〜500nmであることが好ましい。
外添剤のBET比表面積は、通常、20〜500m/gである。
トナー中の外添剤の含有量は、通常、0.01〜5質量%であり、0.01〜2.0質量%であることが好ましい。
無機粒子を構成する材料としては、特に限定されないが、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等が挙げられる。
無機粒子は、表面処理剤により疎水化処理されていてもよい。これにより、高湿度下においても、流動性や帯電性の低下を防止することができる。
表面処理剤としては、特に限定されないが、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル等が挙げられる。
高分子粒子を構成する材料としては、ポリスチレン、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル共重合体、シリコーン樹脂、ベンゾグアナミン、ナイロン(登録商標)等が挙げられる。
高分子粒子の作製方法としては、特に限定されないが、ソープフリー乳化重合法、懸濁重合法、分散重合法等が挙げられる。
トナーの製造方法としては、特に限定されないが、溶解懸濁法、懸濁重合法、乳化凝集法等の湿式造粒法が挙げられる。中でも、樹脂粒子を表面に配置させやすく、粒径や形状を制御しやすいことから、溶解懸濁法が好ましい。
具体的には、トナーの製造方法は、第一のポリエステル、離型剤及び着色剤を含む組成物を有機溶媒中に溶解又は分散させて第一の液を調製する工程と、第一の液を、樹脂粒子を含む水系媒体中に分散させて第二の液を調製する工程と、第二の液から、有機溶媒を除去することにより母体粒子を形成する工程を有する。
第一の液を調製する際には、攪拌しながら、有機溶媒中に組成物を徐々に添加すればよい。
ただし、着色剤として顔料を用いる場合や、有機溶媒に溶解しにくい離型剤、帯電制御剤等を添加する場合、予め粒径を小さくすることが好ましい。このとき、顔料のマスターバッチを作製してもよいし、同様の方法を離型剤、帯電制御剤等に展開してもよい。
また、有機溶媒の沸点未満で溶融する離型剤等を分散させる場合、有機溶媒中で、必要に応じて、分散助剤を添加して、攪拌しながら加熱して、一旦溶解させた後、攪拌又はせん断しながら冷却することにより、微結晶を生成させてもよい。
以上のようにして分散した顔料、離型剤、帯電制御剤は、有機溶媒中に第一のポリエステルと共に溶解又は分散させた後、さらに分散させてもよい。
分散させる際に用いられる分散機としては、特に限定されないが、ビーズミル、ディスクミル等が挙げられる。
有機溶媒は、沸点が100℃未満の揮発性であることが好ましい。これにより、有機溶媒を容易に除去することができる。
有機溶媒としては、特に限定されないが、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられ、二種以上併用してもよい。中でも、ポリエステルの溶解性の点で、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系の溶媒又はメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系の溶媒が好ましく、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトンがさらに好ましい。
水系媒体中に第一の液を分散させる際に用いられる分散機としては、特に限定されないが、低速せん断式分散機、高速せん断式分散機、摩擦式分散機、高圧ジェット式分散機、超音波分散機等が挙げられる。中でも、分散体の粒径を2〜20μmにできる点で、高速せん断式分散機が好ましい。
高速せん断式分散機の回転数は、通常、1000〜30000rpmであり、5000〜20000rpmであることが好ましい。
高速せん断式分散機の分散時間は、バッチ方式の場合、通常、0.1〜5分である。
高速せん断式分散機の分散温度は、通常、0〜40℃であり、10〜30℃であることが好ましい。
水系媒体は、通常、水であるが、水と混和することが可能な溶媒を併用することもできる。
水と混和することが可能な溶媒としては、特に限定されないが、アルコール(例えば、メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール)、低級ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン)等が挙げられる。
水系媒体は、界面活性剤をさらに含んでいてもよい。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステル等のアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリン等のアミン塩型のカチオン性界面活性剤、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウム等の4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体等のノニオン性界面活性剤、アラニン、ドデシルビス(アミノエチル)グリシン、ビス(オクチルアミノエチル)グリシン、N−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムベタイン等の両性界面活性剤が挙げられる。
水系媒体中の界面活性剤の含有量は、通常、1〜10質量%であり、2〜8質量%であることが好ましく、3〜7質量%であることがさらに好ましい。
有機溶媒を除去する方法としては、特に限定されないが、常圧又は減圧下で撹拌しながら徐々に昇温し、有機溶媒を蒸発除去する方法等が挙げられる。
母体粒子は、必要に応じて、洗浄した後、乾燥させてもよい。
母体粒子を洗浄する方法としては、特に限定されないが、遠心分離機、フィルタープレス等により固液分離した後、常温〜約40℃程度の水中に再分散させ、必要に応じて、酸又はアルカリでpHを調整して、再度固液分離する操作を繰り返す方法等が挙げられる。
このとき、遠心分離等により微粒子成分を除去してもよい。
母体粒子を乾燥させる際に用いられる乾燥機としては、特に限定されないが、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動槽乾燥機、回転式乾燥機、攪拌式乾燥機等が挙げられる。
このとき、母体粒子中の水の含有量が1%未満になるまで乾燥させることが好ましい。
また、母体粒子が軟凝集している場合は、解砕してもよい。
軟凝集している母体粒子を解砕する際に用いられる装置としては、特に限定されないが、ジェットミル、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、コーヒーミル、オースターブレンダー、フードプロセッサー等が挙げられる。
さらに、分級機を用いて、粗粒子成分を除去してもよい。
トナーは、一成分現像剤として用いてもよいし、公知のキャリアと混合して二成分現像剤として用いてもよい。
画像形成装置は、感光体と、感光体を帯電させる帯電装置と、帯電した感光体に露光して静電潜像を形成する露光装置と、感光体に形成された静電潜像を、現像剤を用いて現像してトナー像を形成する現像装置と、感光体に形成されたトナー像を被転写体に転写する転写装置と、被転写体に転写されたトナー像を定着させる定着装置を有する。
このとき、感光体の表面を帯電装置により一様に帯電させた後、露光装置により像様に露光することにより静電潜像を形成することができる。
また、現像ローラに現像剤を担持させた後、ドラム状の感光体と接触するように現像剤を搬送することにより、感光体の表面に形成された静電潜像を現像することができる。このとき、現像剤は、撹拌装置により攪拌され、機械的に現像剤供給部材に供給される。次に、現像剤供給部材から供給され、現像ローラに担持したトナーは、現像ローラの表面に接触するように配置されている現像剤規制部材を通過することで均一な薄層になり、さらに帯電する。感光体の表面に形成された静電潜像は、現像領域において、現像装置により帯電したトナーを付着させることで現像され、トナー像となる。
また、転写帯電装置を用いて、感光体を帯電させることにより、感光体の表面に形成されたトナー像を被転写体に転写することができる。
被転写体に転写されたトナー像は、各色のトナー像が被転写体に転写される毎に定着させてもよいし、各色のトナー像が積層されている状態で一度に定着させてもよい。
定着装置としては、特に限定されないが、加熱ローラと加圧ローラの組み合わせ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトの組み合わせ等が挙げられる。
定着装置における加熱温度は、通常、80〜200℃である。
画像形成装置は、必要に応じて、除電装置、クリーニング装置、リサイクル装置、制御装置等をさらに有してもよい。
図1に、画像形成装置の一例として、タンデム型画像形成装置を示す。
画像形成装置は、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の4色のトナーを用いて、カラー画像を形成する。
画像形成装置は、4つの感光体(1Y)、(1C)、(1M)、(1K)を備えている。なお、ここではドラム状の感光体を例に挙げているが、ベルト状の感光体を採用することもできる。各感光体(1Y)、(1C)、(1M)、(1K)は、それぞれ中間転写ベルト(10)に接触しながら、図中、矢印の方向に回転駆動する。
各感光体(1Y)、(1C)、(1M)、(1K)は、円筒状の導電性基体上に感光層及び保護層が順次積層されており、感光層と保護層の間に中間層がさらに形成されていてもよい。
図2に、感光体1に画像を形成する画像形成部2の構成を示す。なお、各画像形成部(2Y)、(2C)、(2M)、(2K)における各感光体(1Y)、(1C)、(1M)、(1K)の周りの構成は同一であるため、1つの画像形成部(2)のみを図示し、色分け用の符号(Y)、(C)、(M)、(K)を省略する。
感光体(1)の周りには、その表面移動方向に沿って、帯電装置(3)、現像装置(5)、感光体(1)上のトナー像を記録媒体に転写する転写装置(6)、感光体(1)上の未転写トナーを除去するクリーニング装置(7)が順次配置されている。このとき、転写装置(6)は、中間転写ベルト(10)と、感光体(1)上のトナー像を中間転写ベルト(10)に転写する一次転写ローラ(14)と、中間転写ベルト(10)上のトナー像を記録媒体に転写する二次転写ローラ(16)を備えている。また、帯電装置(3)と現像装置(5)との間には、画像データに基づいて、帯電した感光体(1)の表面に露光し、静電潜像を書き込む露光装置(4)から発せられる光が感光体(1)まで通過できるようにスペースが確保されている。帯電装置(3)は、感光体(1)の表面を負極性に帯電させる。帯電装置(3)は、いわゆる接触・近接帯電方式により帯電させる帯電ローラを備えている。即ち、帯電装置(3)は、帯電ローラを感光体(1)の表面に接触又は近接させ、帯電ローラに負極性バイアスを印加することにより、感光体(1)の表面を帯電させる。このとき、感光体(1)の表面電位が−500Vとなるような直流の帯電バイアスを帯電ローラに印加している。なお、直流バイアスに交流バイアスを重畳させた帯電バイアスを帯電ローラに印加することもできる。また、帯電装置(3)には、帯電ローラの表面をクリーニングするクリーニングブラシを設けてもよい。なお、帯電装置(3)として、帯電ローラの周面上の軸方向の両端部に薄いフィルムを巻き付け、フィルムが感光体(1)の表面に接触するように設置してもよい。これにより、帯電ローラの表面と感光体(1)の表面の間が、フィルムの厚さの分だけ離れている近接した状態となる。したがって、帯電ローラに印加される帯電バイアスにより、帯電ローラの表面と感光体(1)の表面の間に放電が発生し、感光体(1)の表面が帯電する。
このようにして帯電した感光体(1)の表面は、露光装置(4)により露光されて各色に対応した静電潜像が形成される。露光装置(4)は、各色に対応した画像情報に基づき、感光体(1)に対して、各色に対応した静電潜像を書き込む。
なお、露光装置(4)は、レーザ方式であるが、LEDアレイと結像手段からなる他の方式を採用することもできる。
トナーボトル(31)から現像装置(5)内に補給されたトナーは、現像剤供給ローラ(5b)により搬送された後、現像ローラ(5a)上に担持される。現像ローラ(5a)は、感光体(1)と対向する現像領域に搬送される。現像ローラ(5a)の表面は、現像領域において、感光体(1)の表面よりも速い線速で同方向に移動する。そして、現像ローラ(5a)上のトナーが、感光体(1)の表面を摺擦しながら、トナーを感光体(1)の表面に供給する。このとき、現像ローラ(5a)には、電源(不図示)により、−300Vの現像バイアスが印加されているため、現像領域に電界が形成されている。そして、感光体(1)上の静電潜像と現像ローラ(5a)の間では、現像ローラ(5a)上のトナーに静電潜像に向かう静電力が作用する。これにより、現像ローラ(5a)上のトナーは、感光体(1)上の静電潜像に付着する。これにより、感光体(1)上の静電潜像は、それぞれ対応する色のトナーで現像され、トナー像が形成される。
中間転写ベルト(10)は、3つの支持ローラ(11)、(12)、(13)により支持されており、図中、矢印方向に移動する。中間転写ベルト(10)上には、各感光体(1Y)、(1C)、(1M)、(1K)上のトナー像が、静電転写方式により互いに重なり合うように転写される。具体的には、感光体(1Y)、(1C)、(1M)、(1K)と接触する中間転写ベルト(10)の部分の裏面に、それぞれ一次転写ローラ(14Y)、(14C)、(14M)、(14K)が配置されている。ここでは、各一次転写ローラ(14Y)、(14C)、(14M)、(14K)により押圧された中間転写ベルト(10)の部分と各感光体(1Y)、(1C)、(1M)、(1K)により、一次転写ニップ部が形成される。そして、各感光体(1Y)、(1C)、(1M)、(1K)上のトナー像を中間転写ベルト(10)上に転写する際には、各一次転写ローラ(14)に正極性のバイアスが印加される。これにより、各一次転写ニップ部には、電界が形成され、各感光体(1Y)、(1C)、(1M)、(1K)上のトナー像は、中間転写ベルト(10)上に静電的に付着し、転写される。
なお、一次転写ローラ(14)の代わりに、転写チャージャを用いてもよい。
中間転写ベルト(10)の周りには、表面に残留したトナーを除去するクリーニング装置(15)が設けられている。クリーニング装置(15)は、中間転写ベルト(10)の表面に付着した不要なトナーを、ファーブラシ及びクリーニングブレードを用いて回収する。なお、クリーニング装置(15)により回収されたトナーは、クリーニング装置(15)内から搬送手段(不図示)により廃トナータンク(不図示)まで搬送される。
また、中間転写ベルト(10)の支持ローラ(13)により支持されている部分には、二次転写ローラ(16)が接触して配置されている。中間転写ベルト(10)と二次転写ローラ(16)の間には、二次転写ニップ部が形成されており、この部分に、所定のタイミングで記録媒体としての転写紙が送り込まれる。転写紙は、露光装置(4)の、図中、下側にある給紙カセット(20)内に収容されており、給紙ローラ(21)、レジストローラ対(22)等により、二次転写ニップ部まで搬送される。そして、中間転写ベルト(10)上に重ね合わされたトナー像は、二次転写ニップ部において、転写紙上に一括して転写される。二次転写ローラ(16)には、正極性のバイアスが印加されており、電界が形成されているため、中間転写ベルト(10)上のトナー像が転写紙上に転写される。
さらに、二次転写ニップ部の転写紙を搬送する方向に対して下流側には、加熱定着装置(23)が配置されている。加熱定着装置(23)は、ヒータを内蔵した加熱ローラ(23a)と、圧力を加えるための加圧ローラ(23b)を備えている。二次転写ニップ部を通過した転写紙は、加熱ローラ(23a)と加圧ローラ(23b)の間に挟み込まれ、熱と圧力が印加される。これにより、転写紙上に載っていたトナーが溶融し、トナー像が転写紙に定着される。そして、トナー像が定着された転写紙は、排紙ローラ(24)により、画像形成装置の上面の排紙トレイ上に排出される。
現像装置(5)は、ケーシング(5d)の開口から、現像ローラ(5a)が部分的に露出している。ここでは、キャリアを含まない一成分現像剤が使用されている。現像装置(5)は、トナーボトル(31)から補給されたトナーを収容している。
トナーボトル(31Y)、(31C)、(31M)、(31K)は、それぞれが単体で交換できるように、画像形成装置の本体に対して着脱可能に設置されている。これにより、トナーエンド時に、トナーボトル(31Y)、(31C)、(31M)、(31K)だけを交換すればよい。したがって、トナーエンド時に寿命になっていない他の構成部材を、そのまま利用することができ、ユーザーの出費を抑えることができる。
図3は、現像装置(5)の構成を示す。
ケーシング(5d)中の一成分現像剤(トナー)は、現像剤供給ローラ(5b)により攪拌されながら、感光体(1)に供給する一成分現像剤を表面に担持する現像ローラ(5a)のニップ部分に運ばれる。このとき、現像剤供給ローラ(5b)と現像ローラ(5a)は、ニップ部で逆方向(カウンタ回転)に回転している。さらに、現像ローラ(5a)に接触するように設けられている規制ブレード(5c)により、現像ローラ(5a)上の一成分現像剤の量が規制され、現像ローラ(5a)上に、一成分現像剤の薄層が形成される。また、一成分現像剤は、現像剤供給ローラ(5b)と現像ローラ(5a)のニップ部及び規制ブレード(5c)と現像ローラ(5a)の間で摺擦され、適正な帯電量に制御される。
図4に、プロセスカートリッジの一例を示す。
プロセスカートリッジは、感光体(1)、帯電装置(3)、現像装置(5)及びクリーニング装置(7)を備えており、複写機、プリンタ等の画像形成装置の本体に着脱可能である。
以下に、実施例を記載する。本発明は、実施例により限定されない。なお、部は、質量部を意味する。
<ポリエステル1の合成>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAのエチレンオキサイド2モル付加物470部、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2モル付加物170部、イソフタル酸330部及びジブチルスズオキサイド1部を入れた後、230℃で8時間反応させた。次に、10〜15mmHgの減圧下で8時聞反応させた後、無水トリメリット酸26部を加え、180℃で2時間反応させ、ポリエステル1を得た。ポリエステル1は、酸価が22.2mgKOH/g、水酸基価が67.0mgKOH/gであった。
<ポリエステル2の合成>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAのエチレンオキサイド2モル付加物470部、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2モル付加物170部、イソフタル酸180部、テレフタル酸20部、アジピン酸20部及びジブチルスズオキサイド1部を入れた後、230℃で8時間反応させた。次に、10〜15mmHgの減圧下で8時聞反応させた後、無水トリメリット酸26部を加え、180℃で2時間反応させ、ポリエステル2を得た。ポリエステル2は、酸価が23.5mgKOH/g、水酸基価が40.2mgKOH/gであった。
<ポリエステル3の合成>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAのエチレンオキサイド2モル付加物470部、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2モル付加物170部、イソフタル酸180部、テレフタル酸40部及びジブチルスズオキサイド1部を入れた後、230℃で8時間反応させた。次に、10〜15mmHgの減圧下で8時聞反応させた後、無水トリメリット酸26部を加え、180℃で2時間反応させ、ポリエステル3を得た。ポリエステル3は、酸価が24.9mgKOH/g、水酸基価が46.2mgKOH/gであった。
<ポリエステル4の合成>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAのエチレンオキサイド2モル付加物294部、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2モル付加物24部、イソフタル酸90部、アジピン酸15部及びジブチルスズオキサイド1部を入れた後、230℃で8時間反応させた。次に、10〜15mmHgの減圧下で8時聞反応させた後、無水トリメリット酸26部を加え、180℃で2時間反応させ、ポリエステル4を得た。ポリエステル4は、酸価が23.1mgKOH/g、水酸基価が60.2mgKOH/gであった。
<ポリエステル5の合成>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAのエチレンオキサイド2モル付加物294部、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2モル付加物24部、イソフタル酸90部、アジピン酸15部及びジブチルスズオキサイド1部を入れた後、230℃で8時間反応させた。次に、クミルアミン13.5部を加え、10〜15mmHgの減圧下で8時聞反応させた後、無水トリメリット酸26部を加え、180℃で2時間反応させ、ポリエステル5を得た。ポリエステル5は、酸価が23.4mgKOH/g、水酸基価16.4mgKOH/gであった。
<ポリエステル6の合成>
クミルアミンの添加量を11.2部に変更した以外は、ポリエステル5と同様にして、ポリエステル6を得た。ポリエステル6は、酸価が23.1mgKOH/g、水酸基価が18.7mgKOH/gであった。
<ポリエステル7の合成>
クミルアミンの添加量を10.8部に変更した以外は、ポリエステル5と同様にして、ポリエステル7を得た。ポリエステル7は、酸価が23.0mgKOH/g、水酸基価が21.1mgKOH/gであった。
<ポリエステル8の合成>
クミルアミンの添加量を19.0部に変更した以外は、ポリエステル5と同様にして、ポリエステル8を得た。ポリエステル8は、酸価が23.2mgKOH/g、水酸基価が11.4mgKOH/gであった。
<ポリエステル9の合成>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAのエチレンオキサイド2モル付加物294部、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2モル付加物24部、イソフタル酸70部、アジピン酸12部及びジブチルスズオキサイド1部を入れた後、230℃で8時間反応させた。次に、10〜15mmHgの減圧下で8時聞反応させた後、無水トリメリット酸26部を加え、180℃で2時間反応させ、ポリエステル9を得た。ポリエステル9は、酸価が15.6mgKOH/g、水酸基価が87.0mgKOH/gであった。
表1に、ポリエステル1〜9の特性を示す。
Figure 0006331398
<ポリエステル粒子1の水分散液の調製>
70部のポリエステル4を酢酸エチル30部中に溶解させ、ポリエステルの酢酸エチル溶液を得た。
ドデシル硫酸ナトリウム4部をイオン交換水3040部中に溶解させ、界面活性剤の水溶液を得た。
撹拌装置、温度センサ、冷却管及び窒素導入装置の付いた反応容器中に、界面活性剤の水溶液を入れた後、窒素気流下、230rpmで撹拌しながら、60℃まで昇温した。次に、アニリン9部を加えた後、ポリエステルの酢酸エチル溶液を徐々に滴下して転相乳化した。さらに、脱溶剤した後、固形分濃度が25質量%になるように、イオン交換水で希釈又は濃縮して、ポリエステル粒子1の水分散液を得た。ポリエステル粒子1の水分散液の一部を蒸発乾固させたところ、ポリエステル粒子1は、酸価が18.5mgKOH/g、水酸基価が9.8mgKOH/gであった。
<ポリエステル粒子2の水分散液の調製>
アニリン9部の代わりに、p−トルイジン11部を用いた以外は、ポリエステル粒子1の水分散液と同様にして、ポリエステル粒子2の水分散液を得た。ポリエステル粒子2の水分散液の一部を蒸発乾固させたところ、ポリエステル粒子2は、酸価が18.5mgKOH/g、水酸基価が9.8mgKOH/gであった。
<ポリエステル粒子3の水分散液の調製>
アニリン9部の代わりに、2,4,6−トリメチルアニリン14部を用いた以外は、ポリエステル粒子1の水分散液と同様にして、ポリエステル粒子3の水分散液を得た。ポリエステル粒子3の水分散液の一部を蒸発乾固させたところ、ポリエステル粒子3は、酸価が18.5mgKOH/g、水酸基価が9.8mgKOH/gであった。
<ポリエステル粒子4の水分散液の調製>
アニリン9部の代わりに、2−ナフチルアミン14部を用いた以外は、ポリエステル粒子1の水分散液と同様にして、ポリエステル粒子4の水分散液を得た。ポリエステル粒子4の水分散液の一部を蒸発乾固させたところ、ポリエステル粒子4は、酸価が18.5mgKOH/g、水酸基価が9.8mgKOH/gであった。
<ポリエステル粒子5の水分散液の調製>
アニリン9部の代わりに、クミルアミン14部を用いた以外は、ポリエステル粒子1の水分散液と同様にして、ポリエステル粒子5の水分散液を得た。ポリエステル粒子5の水分散液の一部を蒸発乾固させたところ、ポリエステル粒子5は、酸価が18.5mgKOH/g、水酸基価が9.8mgKOH/gであった。
<ポリエステル粒子6の水分散液の調製>
アニリン9部の代わりに、2−フェニルエチルアミン12部を用いた以外は、ポリエステル粒子1の水分散液と同様にして、ポリエステル粒子6の水分散液を得た。ポリエステル粒子6の水分散液の一部を蒸発乾固させたところ、ポリエステル粒子6は、酸価が18.5mgKOH/g、水酸基価が9.8mgKOH/gであった。
<ポリエステル粒子7の水分散液の調製>
アニリン9部の代わりに、(±)−1−フェニルエチルアミン12部を用いた以外は、ポリエステル粒子1の水分散液と同様にして、ポリエステル粒子7の水分散液を得た。ポリエステル粒子7の水分散液の一部を蒸発乾固させたところ、ポリエステル粒子7は、酸価が18.5mgKOH/g、水酸基価が9.8mgKOH/gであった。
<ポリエステル粒子8の水分散液の調製>
アニリン9部の代わりに、ベンジルアミン11部を用いた以外は、ポリエステル粒子1の水分散液と同様にして、ポリエステル粒子8の水分散液を得た。ポリエステル粒子8の水分散液の一部を蒸発乾固させたところ、ポリエステル粒子8は、酸価が18.5mgKOH/g、水酸基価が9.8mgKOH/gであった。
<ポリエステル粒子9の水分散液の調製>
アニリン9部の代わりに、t−ブチルアミン21部を用いた以外は、ポリエステル粒子1の水分散液と同様にして、ポリエステル粒子9の水分散液を得た。ポリエステル粒子9の水分散液の一部を蒸発乾固させたところ、ポリエステル粒子9は、酸価が18.2mgKOH/g、水酸基価が3.4mgKOH/gであった。
<ポリエステル粒子10の水分散液の調製>
クミルアミンの添加量を41部に変更した以外は、ポリエステル粒子5の水分散液と同様にして、ポリエステル粒子10の水分散液を得た。ポリエステル粒子10の水分散液の一部を蒸発乾固させたところ、ポリエステル粒子10は、酸価が18.2mgKOH/g、水酸基価が3.4mgKOH/gであった。
<ポリエステル粒子11の水分散液の調製>
t−ブチルアミンの添加量を5部に変更した以外は、ポリエステル粒子9の水分散液と同様にして、ポリエステル粒子11の水分散液を得た。ポリエステル粒子11の水分散液の一部を蒸発乾固させたところ、ポリエステル粒子11は、酸価が18.6mgKOH/g、水酸基価が12.0mgKOH/gであった。
<ポリエステル粒子12の水分散液の調製>
クミルアミンの添加量を11部に変更した以外は、ポリエステル粒子5の水分散液と同様にして、ポリエステル粒子12の水分散液を得た。ポリエステル粒子12の水分散液の一部を蒸発乾固させたところ、ポリエステル粒子12は、酸価が18.5mgKOH/g、水酸基価が8.4mgKOH/gであった。
<ポリエステル粒子13の水分散液の調製>
70部のポリエステル4を酢酸エチル30部中に溶解させ、ポリエステルの酢酸エチル溶液を得た。
ドデシル硫酸ナトリウム4部をイオン交換水3040部中に溶解させ、界面活性剤の水溶液を得た。
撹拌装置、温度センサ、冷却管及び窒素導入装置の付いた反応容器中に、界面活性剤の水溶液を入れた後、窒素気流下、230rpmで撹拌しながら、60℃まで昇温した。次に、無水トリメリット酸0.1部を加えた後、2時間攪拌した。さらに、クミルアミン14部を加えた後、ポリエステルの酢酸エチル溶液を徐々に滴下して転相乳化した。さらに、脱溶剤した後、固形分濃度が25質量%になるように、イオン交換水で希釈又は濃縮して、ポリエステル粒子13の水分散液を得た。ポリエステル粒子13の水分散液の一部を蒸発乾固させたところ、ポリエステル粒子13は、酸価が21.0mgKOH/g、水酸基価が9.8mgKOH/gであった。
<ポリエステル粒子14の水分散液の調製>
無水トリメリット酸の添加量を1.5部に変更した以外は、ポリエステル粒子13の水分散液と同様にして、ポリエステル粒子14の水分散液を得た。ポリエステル粒子14の水分散液の一部を蒸発乾固させたところ、ポリエステル粒子14は、酸価が47.1mgKOH/g、水酸基価が9.8mgKOH/gであった。
<ポリエステル粒子15の水分散液の調製>
無水トリメリット酸の添加量を0.8部に変更した以外は、ポリエステル粒子13の水分散液と同様にして、ポリエステル粒子15の水分散液を得た。ポリエステル粒子15の水分散液の一部を蒸発乾固させたところ、ポリエステル粒子15は、酸価が30.3mgKOH/g、水酸基価が9.8mgKOH/gであった。
<ポリエステル粒子16の水分散液の調製>
無水トリメリット酸の添加量を1.9部に変更した以外は、ポリエステル粒子13の水分散液と同様にして、ポリエステル粒子16の水分散液を得た。ポリエステル粒子16の水分散液の一部を蒸発乾固させたところ、ポリエステル粒子16は、酸価が54.2mgKOH/g、水酸基価が9.8mgKOH/gであった。
<ポリエステル粒子17の水分散液の調製>
70部のポリエステル4を酢酸エチル30部中に溶解させ、ポリエステルの酢酸エチル溶液を得た。
ドデシル硫酸ナトリウム4部をイオン交換水3040部中に溶解させ、界面活性剤の水溶液を得た。
撹拌装置、温度センサ、冷却管及び窒素導入装置の付いた反応容器中に、界面活性剤の水溶液を入れた後、窒素気流下、230rpmで撹拌しながら、ポリエステルの酢酸エチル溶液を徐々に滴下して転相乳化した。さらに、脱溶剤した後、固形分濃度が25質量%になるように、イオン交換水で希釈又は濃縮して、ポリエステル粒子17の水分散液を得た。ポリエステル粒子17の水分散液の一部を蒸発乾固させたところ、ポリエステル粒子17は、酸価が18.5mgKOH/g、水酸基価が60.0mgKOH/gであった。
表2に、ポリエステル粒子1〜17の特性を示す。
Figure 0006331398
<ビニル樹脂粒子1の水分散液の調製>
ドデシル硫酸ナトリウム4部をイオン交換水3040部中に溶解させ、界面活性剤の水溶液を得た。
過硫酸カリウム10部をイオン交換水400部中に溶解させ、重合開始剤の水溶液を得た。
撹拌装置、温度センサ、冷却管及び窒素導入装置の付いた反応容器中に、界面活性剤の水溶液を入れた後、窒素気流下、230rpmで撹拌しながら、80℃まで昇温した。次に、重合開始剤の水溶液を加えた後、75℃まで昇温した。さらに、スチレン300部、n−ブチルアクリレート300部、メタクリル酸200部及びn−オクチルメルカプタン16.4部の混合液を1時間かけて滴下した後、2時間保持して、重合した。次に、固形分濃度が25質量%になるように、濃縮して、ビニル樹脂粒子1の水分散液を得た。ビニル樹脂粒子1の水分散液の一部を蒸発乾固させたところ、ビニル樹脂粒子1は、酸価が200mgKOH/g、水酸基価が0mgKOH/gであった。
<酸価、水酸基価>
電位差自動滴定装置 DL−53 Titrator(メトラー・トレド社製)を用いて、23℃で、酸価、水酸基価を測定し、解析ソフトLabX Light Version 1.00.000(メトラー・トレド社製)を用いて解析した。このとき、電極として、DG113−SC(メトラー・トレド社製)を用いた。また、トルエン120mLとエタノール30mLの混合溶媒を用いて、装置を校正した。
<酸価>
トルエン120mLに試料0.5gを加えて、23℃で約10時間撹拌して溶解させた後、エタノール30mLを加えて試料溶液とした。次に、予め標定された0.1N水酸化カリウムのエタノール溶液で滴定し、式
滴定量[mL]×N×56.1/試料の質量[g]
(ただし、Nは、0.1N水酸化カリウムのエタノール溶液のファクターである。)
から、酸価を求めた。
<水酸基価>
試料0.5gをフラスコに精秤した後、無水酢酸5mLを加え、100℃の浴中に浸して1〜2時間加熱した。次に、フラスコを浴から取り出して、放冷した後、水を加えて振り動かして、過剰の無水酢酸を加水分解した。さらに、フラスコを浴中で10分間以上加熱して、過剰の無水酢酸を加水分解した後、放冷した。次に、有機溶媒でフラスコの壁を洗浄した後、予め標定された0.5N水酸化カリウムのエタノール溶液で滴定し、水酸基価を求めた。
[実施例1]
<マスターバッチの作製>
ヘンシェルミキサーを用いて、カーボンブラックのリーガル400R(キャボット社製)40部、60部のポリエステル1及び水30部を混合した。次に、ロ−ルの表面温度を130℃に設定した2本ロールを用いて45分間混練した後、パルベライザーを用いて1mmの大きさに粉砕し、マスターバッチを得た。
<第一の液の調製>
撹拌棒及び温度計の付いた容器中に、545部のポリエステル1、融点が74℃のパラフィンワックス181部及び酢酸エチル1450部を入れた後、撹拌しながら、80℃まで昇温して、5時間保持し、1時間で30℃まで冷却した。次に、マスターバッチ500部及び酢酸エチル100部を加えた後、1時間混合し、減量混合液を得た。
原料混合液1500部を容器に移し、ビーズミルのウルトラビスコミル(アイメックス社製)を用いて、送液速度を1kg/h、ディスクの周速度を6m/sとし、直径が0.5mmのジルコニアビーズを80体積%充填して、3パスの条件で分散させた。次に、ポリエステル1の66質量%酢酸エチル溶液655部を加えた後、1パスにした以外は、上記と同様の条件で分散させ、第一の液を得た。
<水系媒体の調製>
イオン交換水970部、ポリエステル粒子9の水分散液40部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5質量%水溶液95部及び酢酸エチル98部を混合撹拌した後、10質量%水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpHを9.5に調整し、水系媒体を得た。
<第二の液の調製>
得られた第一の液に水系媒体1200部を加えた後、水浴で冷却をすることにより液温が20〜23℃になるように調整しながら、TKホモミキサー(特殊機化社製)を用いて、8000〜15000rpmで調整して2分間混合した。次に、アンカー翼を取り付けたスリーワンモーター(新東科学社製)を用いて、130〜350rpmで10分間攪拌し、第二の液を得た。
<脱溶剤>
撹拌機及び温度計の付いた容器中に、第二の液を入れた後、攪拌しながら、30℃で8時間脱溶剤し、分散スラリーを得た。分散スラリーを少量スライドグラス上に置いた後、カバーガラスを挟んで、光学顕微鏡を用いて、200倍の倍率で観察したところ、均一な母体粒子が観察された。
<洗浄・乾燥>
分散スラリー100部を減圧濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサー(特殊機化社製)を用いて、12000rpmで10分間混合した後、濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水900部を加え、超音波振動を付与しながら、TKホモミキサー(特殊機化社製)を用いて、12000rpmで30分間混合した後、減圧濾過した。このとき、リスラリー液の電気伝導度が10μC/cm以下となるようにこの操作を繰り返した。次に、リスラリー液のpHが4になるように、10質量%塩酸を加え、スリーワンモーター(新東科学社製)を用いて、30分間攪拌した後、濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサー(特殊機化社製)を用いて、12000rpmで10分間混合した後、濾過した。このとき、リスラリー液の電気伝導度が10μC/cm以下となるようにこの操作を繰り返した。
得られた濾過ケーキを、循風乾燥機を用いて、45℃で48時間乾燥させた後、目開きが75μmのメッシュで篩い、トナー(母体粒子)を得た。
<トナーの検定>
トナー1部及び重テトラヒドロフラン3部をスクリューバイアルに入れ、1分間振盪させた後、抽出液を取り出して、一部を分取し、残りを蒸発乾固させた。
分取した抽出液を用いて、400MHzで、積算回数を16回として、H−NMRを測定した。その結果、6.6ppm及び7.0ppm付近に、ビスフェノール由来のベンゼン環のプロトンのピークが見られ、7.7ppm、8.2ppm及び8.5ppm付近に、イソフタル酸のベンゼン環のプロトンのピークが見られ、1.1−1.9ppm付近に、水酸基を化学修飾したt−ブチルアミン由来のピークが見られた。このことから、母体粒子の表面にポリエステル粒子9が付着していることを確認した。
抽出液の蒸発乾固物は、酸価が18.2mgKOH/g、水酸基価が3.4mgKOH/gであった。
上記で抽出した残りのトナーに、重テトラヒドロフラン5部を加え、30分間振盪させた後、抽出液を取り出して、一部を分取し、残りを蒸発乾固させた。
分取した抽出液を用いて、400MHzで、積算回数を16回として、H−NMRを測定した。その結果、6.6ppm及び7.0ppm付近に、ビスフェノール由来のベンゼン環のプロトンのピークが見られ、7.7ppm、8.2ppm及び8.5ppm付近に、イソフタル酸のベンゼン環のプロトンのピークが見られ、1.1−1.9ppm付近に、水酸基を化学修飾したt−ブチルアミン由来のピークが見られたが、1回目の抽出液に比べ、ピークの高さが10%未満であった。
抽出液の蒸発乾固物は、酸価が22.2mgKOH/g、水酸基価が67.0mgKOH/gであった。
[実施例2]
ポリエステル1の代わりに、ポリエステル2を用いた以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。
[実施例3]
ポリエステル粒子9の水分散液の代わりに、ポリエステル粒子11の水分散液を用いた以外は、実施例2と同様にして、トナーを得た。
[実施例4]
ポリエステル2の代わりに、ポリエステル4を用いた以外は、実施例3と同様にして、トナーを得た。
[実施例5]
ポリエステル粒子9の水分散液の代わりに、ポリエステル粒子1の水分散液を用いた以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。
[実施例6]
ポリエステル粒子9の水分散液の代わりに、ポリエステル粒子2の水分散液を用いた以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。
[実施例7]
ポリエステル粒子9の水分散液の代わりに、ポリエステル粒子3の水分散液を用いた以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。
[実施例8]
ポリエステル粒子9の水分散液の代わりに、ポリエステル粒子4の水分散液を用いた以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。
[実施例9]
ポリエステル粒子9の水分散液の代わりに、ポリエステル粒子5の水分散液を用いた以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。
[実施例10]
ポリエステル粒子9の水分散液の代わりに、ポリエステル粒子6の水分散液を用いた以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。
[実施例11]
ポリエステル粒子9の水分散液の代わりに、ポリエステル粒子7の水分散液を用いた以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。
[実施例12]
ポリエステル粒子9の水分散液の代わりに、ポリエステル粒子8の水分散液を用いた以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。
[実施例13]
ポリエステル粒子9の水分散液の代わりに、ポリエステル粒子12の水分散液を用いた以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。
[実施例14]
ポリエステル1の代わりに、ポリエステル2を用いた以外は、実施例13と同様にして、トナーを得た。
[実施例15]
ポリエステル1の代わりに、ポリエステル3を用いた以外は、実施例13と同様にして、トナーを得た。
[実施例16]
ポリエステル粒子11の水分散液の代わりに、ポリエステル粒子5の水分散液を用いた以外は、実施例4と同様にして、トナーを得た。
[実施例17]
ポリエステル粒子11の水分散液の代わりに、ポリエステル粒子13の水分散液を用いた以外は、実施例4と同様にして、トナーを得た。
[実施例18]
ポリエステル粒子11の水分散液の代わりに、ポリエステル粒子14の水分散液を用いた以外は、実施例4と同様にして、トナーを得た。
[実施例19]
ポリエステル粒子11の水分散液の代わりに、ポリエステル粒子15の水分散液を用いた以外は、実施例4と同様にして、トナーを得た。
[実施例20]
ポリエステル粒子11の水分散液の代わりに、ポリエステル粒子16の水分散液を用いた以外は、実施例4と同様にして、トナーを得た。
[実施例21]
ポリエステル粒子9の水分散液の代わりに、ポリエステル粒子10の水分散液を用い、ポリエステル1の代わりに、ポリエステル5を用いた以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。
[実施例22]
ポリエステル5の代わりに、ポリエステル6を用いた以外は、実施例21と同様にして、トナーを得た。
[実施例23]
ポリエステル5の代わりに、ポリエステル7を用いた以外は、実施例21と同様にして、トナーを得た。
[実施例24]
ポリエステル5の代わりに、ポリエステル8を用いた以外は、実施例21と同様にして、トナーを得た。
[比較例1]
ポリエステル粒子9の水分散液の代わりに、ビニル樹脂粒子1の水分散液を用いた以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。
[比較例2]
ポリエステル粒子9の水分散液の代わりに、ポリエステル粒子17の水分散液を用いた以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。
[比較例3]
ポリエステル5の代わりに、ポリエステル9を用いた以外は、実施例21と同様にして、トナーを得た。
[比較例4]
ポリエステル粒子9の水分散液の代わりに、ポリエステル粒子10の水分散液を用いた以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。
表3に、トナーの特性を示す。
Figure 0006331398
[キャリアの作製]
トルエン100部、シリコーン樹脂(オルガノストレートシリコーン)100部、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン5部及びカーボンブラック10部を、ホモミキサーを用いて20分間分散させて、保護層用塗布液を得た。
流動床型コーティング装置を用いて、体積平均粒径が50μmの球状マグネタイトの表面に保護層用塗布液を塗布して、キャリアを得た。
[二成分現像剤の作製]
トナー5部及びキャリア95部を混合して、二成分現像剤を作製した。
次に、トナーの低温定着性、耐熱保存性及び造粒性を評価した。
<低温定着性>
定着ローラとして、テフロン(登録商標)ローラを使用し、複写機MF2200(リコー社製)の定着部を改造した装置を用いて、タイプ6200紙(リコー社製)に、トナーの付着量が0.8mg/cmとなるように、ベタ画像を形成した。このとき、紙送りの線速度を150〜200mm/s、面圧を1.2kgf/cm、ニップ幅を4mmとし、定着温度を変化させて、定着下限温度を求め、低温定着性を評価した。なお、定着下限温度が120℃未満である場合を☆、120℃以上125℃未満である場合を◎、125℃以上130℃未満である場合を○、130℃以上135℃未満である場合を△、135℃以上である場合を×として、判定した。
<耐熱保存性>
20mLのガラス瓶にトナー10gを入れた後、ガラス瓶をタッピング装置で100回タッピングした。次に、50℃、80%RHに設定した恒温槽に、24時間放置した後、針入度試験器(日科エンジニアリング社製)を用いて、マニュアルに記載されている条件で、針入度を測定し、耐熱保存性を評価した。なお、針入度が20mm以上である場合を☆、15mm以上20mm未満である場合を◎、10mm以上15mm未満である場合を○、5mm以上10mm未満である場合を△、5mm未満である場合を×として、判定した。
<造粒性>
まず、電解液ISOTON−II(コールター社製)80〜100mLにトナー2〜20mgを加えた後、超音波分散機US−704(エスエヌディ社製)を用いて、約1〜3分間分散させた。次に、コールターマルチサイザーIII(コールター社製)を用いて、トナーの体積平均粒径(Dv)及び個数平均粒径(Dn)を測定し、造粒性を評価した。このとき、100μmアパーチャーを用いた。なお、Dv/Dnが1.15未満である場合を☆、1.15以上1.18未満である場合を◎、1.18以上1.21未満である場合を○、1.21以上1.24未満である場合を△、1.24以上である場合を×として、判定した。
表4に、トナーの低温定着性、耐熱保存性及び造粒性の評価結果を示す。
Figure 0006331398
表4から、実施例1〜24のトナーは、低温定着性、耐熱保存性及び造粒性に優れることがわかる。
一方、比較例1のトナーは、母体粒子の表面にビニル樹脂粒子1が付着しているため、低温定着性が低下する。
比較例2のトナーは、ポリエステル粒子17を構成するポリエステルが化学修飾されている水酸基を有さず、OHC/OHSが0.900であるため、耐熱保存性及び造粒性が低下する。
比較例3のトナーは、ポリエステル9の水酸基価が87.0mgKOH/gであり、OHC/OHSが0.040であるため、耐熱保存性及び造粒性が低下する。
比較例4のトナーは、OHC/OHSが0.570であるため、造粒性が低下する。
1 感光体
2 画像形成部
3 帯電装置
4 露光装置
5 現像装置
6 転写装置
7 クリーニング装置
特開2010−91790号公報

Claims (4)

  1. 第一のポリエステル、離型剤及び着色剤を含む母体粒子の表面に、第二のポリエステルを含む樹脂粒子が付着しているトナーを製造する方法であって、
    水系媒体中で、ポリエステルをアミンにより化学修飾して前記樹脂粒子を含む水系媒体を調製する工程と、
    前記第一のポリエステル、前記離型剤及び前記着色剤を含む組成物を有機溶媒中に溶解又は分散させて第一の液を調製する工程と、
    該第一の液を、前記樹脂粒子を含む水系媒体中に分散させて第二の液を調製する工程と、
    該第二の液から、前記有機溶媒を除去することにより前記母体粒子を形成する工程を有し、
    前記第一のポリエステルは、水酸基価が68mgKOH/g以下であり、
    前記第一のポリエステルの水酸基価に対する前記樹脂粒子の水酸基価の比が0.050以上0.300以下であることを特徴とするトナーの製造方法。
  2. 前記アミンは、フェニル基を有することを特徴とする請求項1に記載のトナーの製造方法
  3. 前記アミンは、アルキレン基を介して、アミノ基とフェニル基が結合していることを特徴とする請求項2に記載のトナーの製造方法
  4. 前記樹脂粒子は、酸価が20.0mgKOH/g以上50.0mgKOH/g以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のトナーの製造方法
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