JP2009204733A - トナー、該トナーを用いた現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ、及び画像形成方法 - Google Patents

トナー、該トナーを用いた現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ、及び画像形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低温定着システムに対応でき、耐オフセット性が良好であり、定着装置及び画像を汚染することがなく、鮮鋭性の良好な高品質画像を長期にわたり形成することができるトナー並びに、該トナーを用いた現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ、及び画像形成方法の提供。
【解決手段】 少なくとも離型剤と、着色剤と、結着樹脂である1種以上のポリエステル樹脂と、定着補助成分とを含むトナーであって、該定着補助成分が、脂肪酸とアルコールからなるエステル化合物であり、前記脂肪酸中のステアリン酸とベヘニン酸を併せた割合が80重量%以上であり、前記アルコール成分中のエチレングリコールの割合が80重量%以上であり、かつ前記エステル化合物の水酸基価が10〜100mgKOH/gであることを特徴とするトナー。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真、静電記録、静電印刷等における静電荷像を現像するためのトナー並びに、該トナーを用いた現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ、及び画像形成方法に関する。
電子写真、静電記録、静電印刷等による画像形成は、一般に、静電潜像担持体(以下、「感光体」、「電子写真感光体」と称することもある)上に静電潜像を形成し、該静電潜像を現像剤で現像して可視像(トナー像)とした後、該可視像を紙等の記録媒体上に転写し、定着することにより定着像とする一連のプロセスにより行われる。
前記現像剤としては、磁性トナー又は非磁性トナーを単独で用いる一成分現像剤と、トナーとキャリアとからなる二成分現像剤とがある。
前記電子写真法における定着の方式としては、エネルギー効率の良さの点から、加熱ローラを直接記録媒体上のトナー像に圧接して定着する加熱ヒートローラ方式が広く一般に用いられている。しかし、前記加熱ヒートローラ方式は、定着のために多大な電力が必要となる。そこで、省エネルギー化を図る観点から、加熱ローラの消費電力を削減することが種々検討されている。例えば、画像を出力しない時には加熱ローラ用のヒータの出力を弱め、画像出力時にヒータの出力を上げて加熱ローラの温度を上昇させる方式が一般によく用いられている。
しかし、この方式の場合、スリープ時から加熱ローラの温度を定着に必要な温度に上昇させるためには、数10秒間程度の待機時間が必要となり、ユーザーにとってはこの待機時間がストレスになる。また、画像を出力しない時には、ヒータを完全にオフにすることにより消費電力を抑えることが望まれている。これらの要求を達成するためには、トナー自体の定着温度を下げ、使用可能時のトナーの定着温度を低下させることが必要である。
前記現像剤に用いられるトナーでは、電子写真技術の発展に伴って、優れた低温定着性及び保存性(耐ブロッキング性)が要求されており、従来トナー用結着樹脂として一般に用いられてきたスチレン系樹脂に比べて記録媒体等との親和性が高く、低温定着性に優れたポリエステル樹脂を用いることが種々試みられている。例えば、分子量等の物性を規定した線状ポリエステル樹脂を含有したトナー(特許文献1参照)、酸成分としてロジン類を使用した非線状架橋型ポリエステル樹脂を含有したトナー(特許文献2参照)、などが提案されている。
近年、画像形成装置の更なる高速化及び省エネルギー化を図る上で、従来のトナー用結着樹脂では市場の要求に対しては未だ不十分であり、定着工程での定着時間の短縮化及び定着手段による加熱温度の低温化により、十分な定着強度を維持することが非常に困難になっている。
前記特許文献2のようなロジン類を使用したポリエステル樹脂を含有するトナーは、低温定着性に優れるとともに粉砕性に優れるため、粉砕法でのトナー生産性を向上できるという利点がある。また、アルコール成分に炭素数3の分岐鎖型のアルコールである1,2−プロパンジオールを用いることで、炭素数2以下のアルコールと対比して耐オフセット性を維持したまま低温定着性を向上させることが可能となり、炭素数4以上の分岐鎖型アルコールと比べて、ガラス転移温度の低下に伴う保存性の低下防止に有効である。このようなポリエステル樹脂をトナー用結着樹脂として用いることにより、低温での定着が可能となり、かつ保存性が向上するという効果が奏される。
しかしながら、省エネルギーに対する要求は益々厳しくなる傾向があり、低温定着性に優れるポリエステル樹脂を用いることによって、従来に比べて低温定着性は改善される傾向にあるが、近い将来においてポリエステル樹脂を用いるだけでは、省エネルギーに対する要求に十分対応することは困難である。
その対策として、定着補助成分をトナー中に導入することにより、低温定着性を向上させる試みがなされている(特許文献3参照)。特許文献3では、定着補助成分をトナー中に結晶ドメインとして存在させることにより、耐熱保存性と低温定着性を両立させるトナーを提案している。しかし、近年、マシンの高速化に伴って、トナーには高い耐久性と同時に、更なる省エネルギーに対する要求を満足させることが望まれ、現状ではこれらの要求に十分対応することは困難であり、更なる改良、開発が望まれているのが実状である。
特開2004−245854号公報 特開平4−70765号公報 特開2006−208609号公報
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、低温定着システムに対応でき、耐オフセット性が良好であり、定着装置及び画像を汚染することがなく、鮮鋭性の良好な高品質画像を長期にわたり形成することができるトナー並びに、該トナーを用いた現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ、及び画像形成方法の提供を目的とする。
前記課題を解決するため本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、少なくとも離型剤と、結着樹脂であるポリエステル樹脂と、定着補助成分を含むトナーにおいて、該定着補助成分が、脂肪酸とアルコールからなる融点60〜85℃のエステル化合物であり、前記脂肪酸中のステアリン酸とベヘニン酸を併せた割合が80重量%以上であり、前記アルコール中のエチレングリコールの割合が80重量%以上であり、かつ前記エステル化合物の水酸基価が10〜100mgKOH/gであることにより、低温定着性を更に向上させることが可能であることを知見した。
更に、本発明における定着補助成分は、定着部で加熱を受ける前には前記結着樹脂とは独立に存在するため、定着部で加熱を受ける前の結着樹脂の熱特性を低下させることがなく、耐熱保存性も保持させることが可能であることを併せて知見した。
本発明は、前記知見に基づくものであり、前記課題は次の1)〜14)の発明によって解決される。
1) 少なくとも離型剤と、着色剤と、結着樹脂である1種以上のポリエステル樹脂と、定着補助成分とを含むトナーであって、該定着補助成分が、脂肪酸とアルコールからなるエステル化合物であり、前記脂肪酸中のステアリン酸とベヘニン酸を併せた割合が80重量%以上であり、前記アルコール成分中のエチレングリコールの割合が80重量%以上であり、かつ前記エステル化合物の水酸基価が10〜100mgKOH/gであることを特徴とするトナー。
2) 前記エステル化合物の融点が60〜85℃であることを特徴とする1)記載のトナー。
3) 前記離型剤が、融点60〜90℃の炭化水素系ワックスであることを特徴とする1)又は2)記載のトナー。
4) 前記ポリエステル樹脂の少なくとも1種の酸価が5〜40mgKOH/gであることを特徴とする1)〜3)の何れかに記載のトナー。
5) 前記ポリエステル樹脂の少なくとも1種の水酸基価が5〜100mgKOH/gであることを特徴とする1)〜4)の何れかに記載のトナー。
6) 前記ポリエステル樹脂のTgが55〜80℃であることを特徴とする1)〜5)の何れかに記載のトナー。
7) 前記ポリエステル樹脂のガラス転移温度をTgrとし、該ポリエステル樹脂90重量部に対し定着補助成分を10重量部加えて150℃で加熱した後のポリエステル樹脂のガラス転移温度をTgr′とすると、次式、Tgr−Tgr′≧10℃を満たすことを特徴とする1)〜6)の何れかに記載のトナー。
8) 前記定着補助成分のトナー中における含有量が3〜20重量%であることを特徴とする1)〜7)の何れかに記載のトナー。
9) 少なくとも離型剤、着色剤、結着樹脂である1種以上のポリエステル樹脂、及び定着補助成分を有機溶媒中に溶解又は分散させた溶解液又は分散液を水系媒体中で分散させ、前記有機溶媒を除去して得られる1)〜8)の何れかに記載のトナー。
10) 1)〜9)の何れかに記載のトナーを含むことを特徴とする現像剤。
11) 1)〜9)の何れかに記載のトナーが充填されていることを特徴とするトナー入り容器。
12) 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像をトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有し、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジであって、前記トナーが、1)〜9)の何れかに記載のトナーであることを特徴とするプロセスカートリッジ。
13) 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、トナーを用いて前記静電潜像を現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、前記トナーが、1)〜9)の何れかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成方法。
14) 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該静電潜像を1)〜9)の何れかに記載のトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、該可視像を記録媒体に転写する転写手段と、該記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有することを特徴とする画像形成装置。
以下、上記本発明について詳しく説明する。
(トナー)
本発明のトナーは、少なくとも離型剤、着色剤、結着樹脂及び定着補助成分を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
<定着補助成分>
本発明における定着補助成分は、定着部により加熱を受ける前は、結着樹脂とは独立した結晶ドメインとしてトナー中に存在し、定着時の加熱により速やかに融解して結着樹脂の軟化を促す作用を持つ。定着前には結着樹脂の軟化を生じさせないため、耐熱保存性に優れ、かつ定着時に結着樹脂を軟化させる作用を持つため、優れた低温定着性を発揮することができる。
−エステル化合物−
本発明における定着補助成分は、脂肪酸とアルコールからなる融点60〜85℃のエステル化合物であり、脂肪酸としてステアリン酸とベヘニン酸を併せて80重量%以上含み、アルコールとしてエチレングリコールを80重量%以上含む。このエステル化合物は、結着樹脂中に含まれるポリエステル樹脂との相溶性に優れ、速やかに結着樹脂を軟化させることができるため、ポリエステル樹脂の低温定着性を一層向上させることが出来る。
特に、アルコール成分がエチレングリコールを主成分とすることにより、シャープメルト性に優れるため、定着時の加熱により速やかに融解し、結着樹脂をより素早く軟化させることにより、低温定着性を発揮させることが出来る。
また、脂肪酸として、ステアリン酸とベヘニン酸を主成分とすることにより、エステル化合物の結晶性が向上し、エステル化合物のシャープメルト性に優れる。そのため、定着時の加熱により、速やかに融解し、結着樹脂をより素早く軟化させることにより、低温定着性を発揮させることが出来る。
前記アルコール成分としては、主成分であるエチレングリコール以外に、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、グリセリン等のポリオールの単量体、又は前記ポリオールを必要に応じて縮重合したものを用いることが出来る。前記縮重合物をアルコール成分として用いる場合、重合度は2〜20以下が好ましい。重合度が20を超える場合、結晶性が低下するため、定着補助成分としてのシャープメルト性が失われ、充分な低温定着効果が得られないことがある。
前記脂肪酸としては、主成分であるステアリン酸とベヘニン酸以外に、炭素数12以上24以下のものの単体、又はそれらの混合物を用いることが出来る。具体的にはラウリン酸、パルミチン酸、アラキジン酸、エイコサン酸、リグノセリン酸等の単体、又はそれらの混合物が挙げられる。炭素数が12未満であると、結晶性が低下することにより、化合物自身の融点が低くなり、充分な耐熱保存性が得られないことがある。また定着補助成分としてのシャープメルト性が失われ、充分な低温定着効果が得られないことがある。
前記エステル化合物は、トナーの主成分であるポリエステル樹脂を軟化させることにより、低温定着化を達成する。そのために、水酸基価を持つことが望ましい。
水酸基価は10〜100mgKOH/gとする。水酸基価が、10mgKOH/g未満では、ポリエステル樹脂に対する相溶性が充分でないために、低温定着への効果が充分得られない。一方、水酸基価が100mgKOH/gを超えると、トナーの高温高湿化での帯電特性を悪化させる。
なお、水酸基価とは、試料1gを以下の条件でアセチル化したとき、水酸基と結合した酢酸を中和するのに要する水酸化カリウム(KOH)量[mg]である。以下、水酸基価の測定方法を説明する。
まず、試料約1gを精密に秤り、丸底フラスコに入れ、無水酢酸・ピリジン試液5mlを正確に秤って加え、フラスコの口に小漏斗を載せ、95〜100℃の油浴中に底部を約1cm浸して1時間加熱する。次に、冷却し、水1mlを加えてよく振り混ぜ、更に10分間加熱する。更に、冷却した後、小漏斗及びフラスコの首部をエタノール5mlで洗い込み、指示薬として、フェノールフタレイン試液1mlを添加した後、過量の酢酸を0.5mol/lエタノール製水酸化カリウム溶液で滴定する(本試験)。
別に、試料を入れない点以外は、上記と同様に空試験を行い、次式により水酸基価が求められる。
水酸基価=〔(a[ml]−b[ml])×28.05〕/試料の採取量[g]+酸価
式中のa及びbは、それぞれ本試験及び空試験における0.5mol/lエタノール製水酸化カリウム溶液の滴定量である。
また、酸価とは、試料1gを中和するのに要する水酸化カリウム(KOH)量[mg]である。以下、酸価の測定方法を説明する。
まず、試料約1.0gを精密に秤り、エタノール/エーテル混合液(体積比1:1)50mlを加え、必要に応じて加温して溶解させ検液とする。次に、冷却した後、フェノールフタレイン試液を数滴加え、0.1mol/lエタノール製水酸化カリウム溶液で30秒間持続する紅色を呈するまで滴定し、次式により酸価が求められる。
酸価=c[ml]×5.611/試料の採取量[g]
式中のcは、0.1mol/lエタノール製水酸化カリウム溶液の滴定量である。
本発明におけるエステル化合物の融点は60〜85℃とする。融点が60℃未満では、トナーの耐熱保存性が低下し、85℃を超える場合は、トナーの低温定着性が低下する。なお、融点は、示差走査熱量分析(Differential scanning calorimetry;DSC)により得られる示差熱曲線において、吸熱量が極大になる温度である。
また、本発明のトナーは、定着補助成分であるエステル化合物を3〜20重量%含有することが好ましい。含有量が3重量%未満では、トナーの耐オフセット性が低下することがあり、20重量%を超える場合は、トナーの流動性、帯電性が低下することがある。
本発明において、トナー中のエステル化合物の含有量Wは、融点と同様にDSCにより求められる。具体的には、まず、エステル化合物単体のDSC測定を予め行い、エステル化合物の単位重量当たりの融解熱量Qw[J/mg]を求める。次に、トナーのDSC測定を同様に行い、エステル化合物の吸熱ピークの面積から、トナー単位重量中に含まれるエステル化合物の融解熱量Qt[J/mg]を求める。このとき、Wは次式で表される。
W(x)=Qt/Qw×100[重量%]
前記定着補助成分は、前記トナー中では結晶ドメインとして存在し、加熱時に前記樹脂と相溶可能な特性を有する。
前記定着補助成分が結晶性を有することを確認するためには、X線回折チャートから、結晶性の保持状態(相溶又は非相溶)を測定すればよい。
具体的には、定着補助成分がトナー中で結晶性を有するか否かは、結晶解析X線回折装置(X’Pert MRDX’Pert MRD フィリッップス社製)により確認することができる。まず、定着補助成分単品を乳鉢ですり潰して試料粉体を作成し、得られた試料粉体を試料ホルダーに均一に塗布する。その後、回折装置内に試料ホルダーをセットして測定を行い、定着補助成分の回折スペクトルを得る。次にトナー粉体をホルダーに塗布し、同様に測定を行う。事前に得られた定着補助成分の回折スペクトルにより、トナー中に含まれる定着補助成分を同定することが可能である。また、前記装置では、付属の加熱ユニットにより温度を変化させた際の回折スペクトルの変化が測定可能である。同ユニットを用い、常温及び150℃における定着補助成分由来のX線回折スペクトルのピーク面積変化により定着補助成分の加熱前後における樹脂に対する相溶及び非相溶分の割合を求めることができる。この加熱前後の定着補助成分由来のピーク面積の変化率が大きいほど、定着時の加熱によりトナー樹脂との相溶化が進行することを意味するため、より大きい低温定着への効果が得られる。
前記定着補助成分の分散径としては、最大方向の粒径で、10nm〜3μmが好ましく、50nm〜1μmがより好ましい。前記分散径が、10nm未満であると、前記定着補助成分と前記結着樹脂との接触表面積の増大により、耐熱保存性に劣ることがあり、3μmを超えると、定着時の加熱の際に前記結着樹脂との相溶が十分に行われず、低温定着性に劣ることがある。
前記定着補助成分の分散径の測定方法に、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トナーをエポキシ樹脂に包埋して約100nmに超薄切片化し、四酸化ルテニウムにより染色した後、透過型電子顕微鏡(TEM)により倍率10,000倍で観察を行い、写真撮影し、この写真を画像評価することにより、前記定着補助成分の分散状態を観察し、前記分散径を測定することができる。なお、前記定着補助成分と前記離型剤をトナー中で識別するには、事前に定着補助成分と離型剤のそれぞれを四酸化ルテニウムで染色してコントラスト差を確認しておき、トナー中での定着補助成分、離型剤のコントラスト差を基に識別することが可能である。
本発明においては、ポリエステル樹脂のガラス転移温度をTgrとし、該ポリエステル樹脂90重量部に対し定着補助成分を10重量部加えて150℃で加熱した後のポリエステル樹脂のガラス転移温度をTgr′とすると、ΔTg=Tgr−Tgr′≧10℃を満たすことが好ましく、ΔTg=Tgr−Tgr′≧15℃がより好ましい。ΔTgが10℃以上であると、定着補助成分によるポリエステル樹脂の軟化の作用が大きく、より優れた低温定着性を得ることが出来る。
上記Tgr、Tgr′は、例えばDSCシステム(示差走査熱量計)(島津製作所製、DSC−60)を用いて測定することができる。
まず、Tgrについては、ポリエステル樹脂約5.0mgをアルミニウム製の試料容器に入れ、該試料容器をホルダーユニットに載せ、電気炉中にセットする。次いで、窒素雰囲気下、20℃から昇温速度10℃/minで150℃まで加熱する。その後、150℃から降温速度10℃/minで0℃まで冷却し、更に昇温速度10℃/minで150℃まで加熱し、前記「DSC−60」により、DSC曲線を計測する。得られたDSC曲線から、DSC−60システム中の解析プログラムを用いて、2回目の昇温時におけるDSC曲線のショルダーを選択すれば、Tgrを算出することができる。
また、Tgr′については、定着補助成分0.5mg、ポリエステル樹脂4.5mgをアルミニウム製の試料容器に入れ、以下、Tgrの場合と同様の操作により算出することができる。
本発明において、結着樹脂は、良好な低温定着性が得られることから、必ずポリエステル樹脂を含有するが、ポリエステル樹脂の分子量、構成モノマー等は、目的に応じて適宜選択することができる。また、結着樹脂は、ポリエステル樹脂以外の樹脂を更に含有してもよい。ポリエステル樹脂以外の樹脂としては、例えば、スチレン系単量体、アクリル系単量体、メタクリル系単量体等の単独重合体又は共重合体、ポリオール樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、ポリカーボネート樹脂、石油系樹脂等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
ポリエステル樹脂は、多価アルコールと多価カルボン酸を脱水縮合することにより得られるが、多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールAにエチレンオキシド、プロピレンオキシド等の環状エーテルを付加することにより得られる2価のアルコール等が挙げられる。なお、ポリエステル樹脂を架橋させるためには、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタトリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン等の3価以上のアルコールを併用することが好ましい。
多価カルボン酸としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等のべンゼンジカルボン酸類又はその無水物、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸等のアルキルジカルボン酸類又はその無水物、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸等の不飽和二塩基酸、マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物等の不飽和二塩基酸無水物、トリメット酸、ピロメット酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシ−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラキス(メチレンカルボキシ)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、エンポール三量体酸、これらの無水物、部分低級アルキルエステル等が挙げられる。
本発明において、ポリエステル樹脂は、酸価が5〜40mgKOH/gであることが好ましく、10〜30mgKOH/gが更に好ましい。酸価が5mgKOH/g未満である場合には、主たる記録媒体である紙との親和性が低下するため、低温定着性が低下することがあり、また、負帯電性が得にくく、形成される画像が劣化することがある。更に、本発明における定着補助成分であるエステル化合物との相溶性に劣ることがあり、そのため十分な低温定着性が得られない恐れがある。一方、酸価が40mgKOH/gを超える場合は、高温高湿、低温低湿下等の環境下において、環境の影響を受けやすくなって、画像が劣化することがある。
本発明において、ポリエステル樹脂は、水酸基価が5〜100mgKOH/gであることが好ましく、20〜60mgKOH/gが更に好ましい。水酸価が5mgKOH/g未満である場合は、主たる記録媒体である紙との親和性が低下するため、低温定着性が低下することがあり、また、負帯電性が得にくく、形成される画像が劣化することがある。更に、本発明における定着補助成分であるエステル化合物との相溶性に劣ることがあり、そのため十分な低温定着性が得られない恐れがある。一方、水酸基価が100mgKOH/gを超える場合は、高温高湿、低温低湿下等の環境下において、環境の影響を受けやすくなって、画像が劣化することがある。
また、ポリエステル樹脂は、トナーの定着性、耐オフセット性の点で、THF(テトラヒドロフラン)に可溶な成分の分子量分布において、分子量が3000〜50000の領域に少なくとも1つのピークを有することが好ましく、分子量5000〜20000の領域に少なくとも1つのピークを有することがより好ましい。更に、ポリエステル樹脂のTHFに可溶な成分は、分子量が100000以下である成分の含有量が60〜100重量%であることが好ましい。なお、ポリエステル樹脂の分子量分布は、THFを溶媒としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される。
また、ポリエステル樹脂は、トナーの保存性の観点から、Tg(ガラス転移温度)が55〜80℃であることが好ましく、60〜75℃が更に好ましい。Tgが前記範囲にあることにより、高温保存化での安定性に優れ、かつ本発明の定着補助成分による結着樹脂への軟化の効果が十分大きく得られるため、低温定着性により優れる。
前記離型剤としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、融点が60〜90℃の低融点の離型剤が好ましい。低融点の離型剤は、前記樹脂と共に分散されることにより、離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これによりオイルレス(定着ローラにオイルのような離型剤を塗布しない)でもホットオフセット性が良好となる。特に本発明では、定着補助成分の導入によるトナーの低温定着化によって、定着ローラーが従来よりも低い設定温度で使用されることが想定されるため、より低温で離型性を発揮する必要がある。そのため、融点90℃以下の離型剤が好ましい。また離型剤の融点が60℃未満では、トナーの高温保存性が劣る場合があり、得られる画像を劣化させる恐れがある。
離型剤の具体例としては、例えば、カルナウバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス;ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス;オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス;などの天然ワックスが挙げられる。また、これら天然ワックスのほか、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレン等の合成炭化水素ワックス;エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス;などが挙げられる。更に、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド;低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等);側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子、などを用いてもよい。
これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記離型剤の中でも、本発明の離型剤としては、パラフィン、ポリエチレン、ポリプロピレン等の炭化水素系ワックスが好ましい。前記炭化水素系ワックスは、本発明の定着補助成分であるエステル化合物との相溶性が低いため、互いの機能を損なうことなく独立して作用することが出来るため、十分な低温定着性を得ることが出来る。
本発明のトナーの着色剤としては、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロロオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロムバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン等が挙げられ、2種以上併用してもよい。
トナー材料中の着色剤の含有量は、1〜15重量%が好ましく、3〜10重量%が更に好ましい。含有量が1重量%未満ではトナーの着色力が低下することがあり、15重量%を超えると、トナー中での顔料の分散不良が起こり、着色力の低下及びトナーの電気特性の低下を招くことがある。
着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして使用してもよい。このような樹脂としては、例えば、ポリエステル、スチレン又はその置換体の重合体、スチレン系共重合体、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックス等が挙げられ、2種以上併用してもよい。
スチレン又はその置換体の重合体としては、例えば、ポリスチレン、ポリ(p−クロロスチレン)、ポリビニルトルエン等が挙げられる。スチレン系共重合体としては、例えば、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタレン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロロメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等が挙げられる。
マスターバッチは、高せん断力をかけて、樹脂と着色剤を混合又は混練させて製造することができる。この際、着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶媒を添加することが好ましい。また、いわゆるフラッシング法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができ、乾燥する必要がない点で好適である。フラッシング法は、着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶媒と共に混合又は混練し、着色剤を樹脂側に移行させて水及び有機溶媒を除去する方法である。混合又は混練には、例えば、三本ロールミル等の高せん断分散装置を用いることができる。
本発明のトナーは、帯電制御剤、無機微粒子、クリーニング性向上剤、磁性材料等を更に含有することができる。
帯電制御剤としては、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、リンの単体又は化合物、タングステンの単体又は化合物、フッ素系界面活性剤、サリチル酸の金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩等が挙げられ、2種以上併用してもよい。
帯電制御剤としては、市販品を用いてもよく、例えば、ニグロシン系染料のボントロン03、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩基等の官能基を有する高分子系の化合物等が挙げられる。
トナー組成物中の帯電制御剤の含有量は、例えば、結着樹脂に対して、0.1〜10重量%であることが好ましく、0.2〜5重量%が更に好ましい。この含有量が、0.1重量%未満であると、帯電制御性が得られないことがあり、10重量%を超えると、トナーの帯電性が大きくなりすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させて、現像ローラーとの静電的吸引力が増大し、トナーの流動性低下や画像濃度の低下を招くことがある。
無機微粒子は、トナーに流動性、現像性、帯電性等を付与するための外添剤として用いられる。その例としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等が挙げられ、2種以上併用してもよい。
無機微粒子は、一次粒径が5nm〜2μmであることが好ましく、5〜500nmが更に好ましい。
トナー中の無機微粒子の含有量は、0.01〜5.0重量%が好ましく、0.01〜2.0重量%が更に好ましい。
また、無機微粒子は、流動性向上剤で表面処理されていることが好ましい。これにより、無機微粒子の疎水性が向上し、高湿度下においても流動性や帯電性の低下を抑制することができる。流動性向上剤としては、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル等が挙げられる。シリカ、酸化チタンは、流動性向上剤で表面処理し、疎水性シリカ、疎水性酸化チタンとして用いることが好ましい。
クリーニング性向上剤は、転写後に感光体や一次転写媒体に残存するトナーを除去しやすくするために用いられる。その例としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩、ポリメタクリル酸メチル微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子等が挙げられる。ポリマー微粒子は、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、体積平均粒径が0.01〜1μmのものが好ましい。
磁性材料としては、例えば、鉄粉、マグネタイト、フェライト等が挙げられる。なお、磁性材料は、トナーの色調の点から、白色のものが好ましい。
本発明のトナーは、低温定着性及び耐オフセット性に優れ、長期に亘り、高品位な画像を形成することができる。したがって、本発明のトナーは、各種分野で使用することができ、特に、電子写真法による画像形成に使用することが好ましい。
−トナーの製造方法−
トナーの製造方法としては、特に制限はなく、従来公知のトナーの製造方法の中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、混練・粉砕法、重合法、溶解懸濁法、噴霧造粒法等が挙げられる。これらの中でも、重合法が特に好ましい。
−−混練・粉砕法−−
混練・粉砕法は、例えば、少なくとも結着樹脂、離型剤、及び定着補助成分を含有するトナー材料を溶融混練し、得られた混練物を粉砕し、分級することにより、トナーの母体粒子を製造する方法である。
溶融混練では、トナー材料を混合し、該混合物を溶融混練機に仕込んで溶融混練する。該溶融混練機としては、例えば、一軸又は二軸の連続混練機や、ロールミルによるバッチ式混練機を用いることができる。例えば、神戸製鋼所製KTK型二軸押出機、東芝機械社製TEM型押出機、ケイシーケイ社製二軸押出機、株式会社池貝製PCM型二軸押出機、ブス社製コニーダー等が好適に用いられる。この溶融混練は、結着樹脂の分子鎖の切断を招来しないような適正な条件で行うことが好ましい。具体的には、溶融混練温度は、結着樹脂の軟化点を参考にして行われ、該軟化点より高温過ぎると切断が激しく、低温すぎると分散が進まないことがある。
粉砕では混練で得られた混練物を粉砕する。この粉砕においては、まず混練物を粗粉砕し、次いで微粉砕することが好ましい。この際、ジェット気流中で衝突板に衝突させて粉砕したり、ジェット気流中で粒子同士を衝突させて粉砕したり、機械的に回転するローターとステーターの狭いギャップで粉砕する方式が好ましく用いられる。
分級は、粉砕で得られた粉砕物を分級して所定粒径の粒子に調整する。分級は、例えば、サイクロン、デカンター、遠心分離器等を用いて、微粒子部分を取り除くことにより行うことができる。
粉砕及び分級が終了した後、粉砕物を遠心力などで気流中で分級し、所定の粒径のトナー母体粒子を製造することができる。
次いで、トナー母体粒子に外添剤を外添する。トナー母体粒子と外添剤とをミキサーを用いて混合及び攪拌することにより、外添剤が解砕されながらトナー母体粒子表面に被覆される。この時、無機微粒子や樹脂微粒子等の外添剤を均一かつ強固にトナー母体粒子に付着させることが耐久性の点で重要である。
−−重合法−−
重合法によるトナーの製造方法としては、特に限定されないが、例えば、有機溶媒中に少なくともウレア又はウレタン結合し得る変性されたポリエステル系樹脂、離型剤、着色剤及び定着補助成分を含むトナー材料を溶解又は分散させ、次いで、この溶解物又は分散物を水系媒体中に分散し、重付加反応させた後、分散液の溶媒を除去し洗浄する方法(溶解懸濁重合法)が挙げられる。
前記ウレア又はウレタン結合し得る変性されたポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエステルの末端のカルボキシル基や水酸基等と多価イソシアネート化合物(PIC)とを反応させた、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーなどが挙げられる。そして、このポリエステルプレポリマーとアミン類等との反応により分子鎖が架橋及び/又は伸長して得られる変性ポリエステル樹脂は、低温定着性を維持しながらホットオフセット性を向上させることができる。
前記多価イソシアネート化合物(PIC)としては、例えば脂肪族多価イソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート等);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネート等);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α′,α′−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等);イソシアネート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタム等でブロックしたもの、などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記多価イソシアネート化合物(PIC)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比を[NCO]/[OH]として、5/1〜1/1が好ましく、4/1〜1.2/1がより好ましく、2.5/1〜1.5/1が更に好ましい。
前記イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基は、1個以上が好ましく、平均1.5〜3個がより好ましく、平均1.8〜2.5個が更に好ましい。
前記ポリエステルプレポリマーと反応させるアミン類(B)としては、2価アミン化合物(B1)、3価以上の多価アミン化合物(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。
2価アミン化合物(B1)としては、例えば芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン等);脂環式ジアミン(4,4′−ジアミノ−3,3′−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミン等);脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等)などが挙げられる。
3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、例えばジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。
アミノアルコール(B3)としては、例えばエタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。
アミノメルカプタン(B4)としては、例えばアミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。
アミノ酸(B5)としては、例えばアミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。
B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、例えばB1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)の中でも、B1及びB1と少量のB2の混合物が特に好ましい。
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比を[NCO]/[NHx]として、1/2〜2/1が好ましく、1.5/1〜1/1.5がより好ましく、1.2/1〜1/1.2が更に好ましい。
上記のような重合法によるトナーの製造方法によれば、小粒径かつ球形状トナーを環境負荷少なく、低コストで作製することができる。
本発明の現像剤は本発明のトナーを含むが、更にキャリア等の成分を含有してもよく、トナーからなる一成分現像剤、トナー及びキャリアからなる二成分現像剤等として用いることができる。近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンタ等には、寿命向上等の点で、二成分現像剤を用いることが好ましい。このような現像剤は、磁性一成分現像法、非磁性一成分現像法、二成分現像法等の公知の各種電子写真法に用いることができる。
本発明の現像剤を一成分現像剤として用いると、トナーの収支が行われても、トナーの粒径の変動が少なく、現像ローラーへのトナーのフィルミングやトナーを薄層化するためのブレード等の部材へのトナーの融着を抑制することができ、現像装置の長期の使用(撹拌)においても、良好で安定した現像性が得られる。
また、本発明の現像剤を二成分現像剤として用いると、長期に亘るトナーの収支が行われても、トナーの粒径の変動が少なく、現像装置における長期の撹拌においても、良好で安定した現像性が得られる。
二成分現像剤中のキャリアの含有量は、90〜98重量%であることが好ましく、93〜97重量%が更に好ましい。
キャリアは、特に限定されないが、芯材と、芯材を被覆する樹脂層を有することが好ましい。
芯材の材料としては、例えば、50〜90emu/gのマンガン−ストロンチウム(Mn−Sr)系材料、マンガン−マグネシウム(Mn−Mg)系材料等が挙げられ、二種以上を併用してもよい。なお、画像濃度の確保の点では、芯材として、鉄粉(100emu/g以上)、マグネタイト(75〜120emu/g)等の高磁化材料を用いることが好ましい。また、トナーが穂立ち状態となっている感光体への当りを弱くでき、高画質化に有利である点では、芯材として、銅−ジンク(Cu−Zn)系(30〜80emu/g)等の弱磁化材料を用いることが好ましい。
芯材は、体積平均粒径(D50)が10〜150μmであることが好ましく、20〜80μmが更に好ましい。D50が10μm未満であると、キャリアの粒径分布において、微粉が多くなるため、1粒子当たりの磁化が低下して、キャリアの飛散が生じることがある。一方、D50が150μmを超えると、キャリアの比表面積が低下して、トナーの飛散が生じることがある。その結果、ベタ部分の多いフルカラーでは、特にベタ部の再現性が低下することがある。
樹脂層の材料としては、例えば、アミノ系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、フッ化ビニリデンとアクリル単量体の共重合体、フッ化ビニリデンとフッ化ビニルの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンと非フッ化単量体のターポリマー等のフルオロターポリマー、シリコーン樹脂等が挙げられ、二種以上を併用してもよい。
アミノ系樹脂としては、例えば、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。ポリビニル系樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等が挙げられる。また、ポリスチレン系樹脂としては、例えば、ポリスチレン、スチレン−アクリル共重合体等が挙げられる。ハロゲン化オレフィン樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等が挙げられる。
また、樹脂層は、必要に応じて、導電粉等を含有してもよい。導電粉の材料としては、例えば、金属、カーボンブラック、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛等が挙げられる。
なお、導電粉は平均粒径が1μm以下であることが好ましい。平均粒径が1μmを超えると、電気抵抗の制御が困難になることがある。
樹脂層は、例えば、シリコーン樹脂等を溶剤に溶解させて塗布液を調製した後、公知の塗布方法により、芯材の表面に塗布液を塗布して、乾燥及び焼付を行うことにより形成することができる。塗布方法としては、例えば、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法等が挙げられる。また、溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、セルソルブチルアセテート等が挙げられる。更に、焼付方法としては、外部加熱方式及び内部加熱方式の何れであってもよく、例えば、固定式電気炉、流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉等を用いる方法、マイクロ波を用いる方法等が挙げられる。
キャリア中の樹脂層の割合は、0.01〜5.0重量%が好ましい。この割合が0.01重量%未満であると、芯材の表面に均一な樹脂層を形成できないことがあり、5.0重量%を超えると、樹脂層が厚くなり過ぎてキャリア同士の造粒が発生し、均一なキャリアが得られないことがある。
本発明の現像剤は、磁性一成分現像方法、非磁性一成分現像方法、二成分現像方法等の公知の各種電子写真法による画像形成に好適に用いることができる。
本発明のトナー入り容器は、本発明のトナーもしくは当該トナーを含む現像剤が収容されているが、容器としては、特に限定されず、公知のものの中から適宜選択することができ、容器本体とキャップを有するもの等が挙げられる。
また、容器本体の大きさ、形状、構造、材質等は、特に限定されないが、形状は、円筒状等が好ましく、内周面にスパイラル状の凹凸が形成され、回転させることにより、内容物である現像剤が排出口側に移行することが可能であり、スパイラル状の凹凸の一部又は全てが蛇腹機能を有することが特に好ましい。更に、材質は、特に限定されないが、寸法精度がよいものであることが好ましく、例えば、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリル酸、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂等の樹脂材料が挙げられる。
トナー入り容器は、保存、搬送等が容易であり、取扱性に優れるため、後述するプロセスカートリッジ、画像形成装置等に着脱可能に取り付け、トナーもしくは当該トナーを含む現像剤の補給に使用することができる。
本発明の画像形成方法は、静電潜像形成工程、現像工程、転写工程、及び定着工程を少なくとも有することが好ましく、クリーニング工程を有することが更に好ましく、必要に応じて、例えば、除電工程、リサイクル工程、制御工程等を有してもよい。
また、本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体、静電潜像形成手段、現像手段、転写手段、及び定着手段を少なくとも有することが好ましく、クリーニング手段を有することが更に好ましく、必要に応じて、例えば、除電手段、リサイクル手段、制御手段等を有してもよい。
本発明の画像形成方法は、前記画像形成装置を用いて実施することができ、静電潜像形成工程は静電潜像形成手段を用いて、現像工程は現像手段を用いて、転写工程は転写手段を用いて、定着工程は定着手段を用いて、これら以外の工程は、これら以外の手段を用いて、実施することができる。
静電潜像形成工程は、光導電性絶縁体、感光体等の静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程である。静電潜像担持体の材質、形状、構造、大きさ等は、特に限定されず、公知のものの中から適宜選択することができるが、形状は、ドラム状であることが好ましい。また、感光体としては、例えば、アモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体等が挙げられる。中でも、長寿命である点から、アモルファスシリコン感光体等が好ましい。
静電潜像は、例えば、静電潜像担持体の表面を一様に帯電させた後、像様に露光することにより形成され、静電潜像形成手段を用いて形成することができる。静電潜像形成手段は、例えば、静電潜像担持体の表面に電圧を印加して一様に帯電させる帯電器と、静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光器を少なくとも有する。
帯電器としては、特に限定されないが、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えた公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器等を用いることができる。
露光器としては、帯電器により帯電された静電潜像担持体の表面に形成すべき像様に露光することができれば、特に限定されないが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系等の各種露光器を用いることができる。なお、静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
現像工程は、静電潜像を、本発明の現像剤で現像してトナー像を形成する工程であり、可視像は、現像手段を用いて形成することができる。現像手段は、本発明の現像剤で現像することができれば、特に限定されないが、例えば、本発明の現像剤を収容し、静電潜像にトナーを接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものを用いることができ、本発明のトナー入り容器を備えた現像器等が好ましい。現像器は、乾式現像方式及び湿式現像方式の何れであってもよく、また、単色用現像器及び多色用現像器の何れであってもよく、例えば、本発明の現像剤を摩擦攪拌により帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラを有するもの等が挙げられる。現像器内では、例えば、トナーとキャリアが混合攪拌され、その際の摩擦によりトナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。マグネットローラは、静電潜像担持体近傍に配置されており、マグネットローラの表面に形成された磁気ブラシを構成するトナーの一部は、電気的な吸引力によって、静電潜像担持体の表面に移動する。その結果、静電潜像がトナーにより現像されて、静電潜像担持体の表面にトナー像が形成される。なお、現像器に収容する現像剤は、本発明の現像剤であるが、一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよい。
転写工程は、例えば、転写帯電器を用いて、トナー像が形成された静電潜像担持体を帯電することにより、トナー像を記録媒体に転写する工程であり、転写手段を用いて転写することができる。このとき、転写工程は、トナー像を中間転写体上に転写する一次転写工程と、中間転写体上に転写されたトナー像を記録媒体上に転写する二次転写工程を有することが好ましい。また、転写工程は、二色以上のトナー、好ましくは、フルカラートナーを用いて、各色のトナー像を中間転写体上に転写して複合トナー像を形成する一次転写工程と、中間転写体上に形成された複合トナー像を記録媒体上に転写する二次転写工程を有することが更に好ましい。
転写手段は、トナー像を中間転写体上に転写して複合トナー像を形成する一次転写手段と、中間転写体上に形成された複合トナー像を記録媒体上に転写する二次転写手段を有することが好ましい。なお、中間転写体としては、特に限定されないが、例えば、無端状の転写ベルト等が挙げられる。また、転写手段(一次転写手段、二次転写手段)は、静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体側に帯電剥離させる転写器を少なくとも有することが好ましい。なお、転写手段は、1個又は2個以上の転写器を有することができる。
転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラー、圧力転写ローラー、粘着転写器等が挙げられる。
なお、記録媒体としては、特に限定されず、公知の記録媒体(記録紙)の中から適宜選択することができる。
定着工程は、記録媒体に転写されたトナー像を定着させる工程であり、定着手段を用いて、定着させることができる。なお、二色以上のトナーを用いる場合は、各色のトナーが記録媒体に転写される毎に定着させてもよいし、全色のトナーが記録媒体に転写されて積層された状態で定着させてもよい。定着手段としては、特に限定されず、公知の加熱加圧手段を用いることができる。加熱加圧手段としては、加熱ローラーと加圧ローラーを組み合わせたもの、加熱ローラーと加圧ローラーと無端ベルトを組み合わせたもの等が挙げられる。このときの加熱温度は、通常、80〜200℃である。なお、必要に応じて、定着手段と共に、あるいは定着手段の代りに、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
除電工程は、静電潜像担持体に除電バイアスを印加して除電する工程であり、除電手段を用いて除電することができる。除電手段としては、静電潜像担持体に除電バイアスを印加することができれば特に限定されないが、例えば除電ランプ等を用いることができる。
クリーニング工程は、静電潜像担持体上に残留するトナーを除去する工程であり、クリーニング手段を用いてクリーニングすることができる。クリーニング手段としては、静電潜像担持体上に残留するトナーを除去することができれば特に限定されないが、例えば、磁気ブラシクリーナー、静電ブラシクリーナー、磁気ローラクリーナー、ブレードクリーナー、ブラシクリーナー、ウエブクリーナー等を用いることができる。
リサイクル工程は、クリーニング工程で除去されたトナーを現像手段にリサイクルさせる工程であり、リサイクル手段を用いてリサイクルさせることができる。リサイクル手段としては、特に限定されず、公知の搬送手段等を用いることができる。
制御工程は、各工程を制御する工程であり、制御手段を用いて制御することができる。制御手段としては、各手段の動作を制御することができれば、特に限定されないが、例えば、シークエンサー、コンピューター等を用いることができる。
図1に、本発明の画像形成装置の一例を示す。
画像形成装置100Aは、静電潜像担持体としての感光体ドラム10、帯電手段としての帯電ローラー20、露光手段としての露光装置30、現像手段としての現像ユニット(ブラック45K、イエロー45Y、マゼンタ45M、シアン45C)、中間転写体50、クリーニング手段としてのクリーニングブレードを有するクリーニング装置59、除電手段としての除電ランプ64を有する。
中間転写体50は、無端ベルトであり、その内側に配置されている3個のローラー51で張架されており、矢印方向に移動することができる。3個のローラー51の一部は、中間転写体50へ所定の転写バイアス(一次転写バイアス)を印加することが可能な転写バイアスローラーとしても機能する。
また、中間転写体50の近傍には、クリーニングブレードを有するクリーニング装置90が配置されている。更に、記録紙95にトナー像を転写(二次転写)するための転写バイアスを印加することが可能な転写手段としての転写ローラー62が中間転写体50に対向して配置されている。
また、中間転写体50の周囲には、中間転写体50上のトナー像に電荷を付与するためのコロナ帯電器52が、感光体ドラム10と中間転写体50の接触部と、中間転写体50と記録紙95の接触部との間に配置されている。
ブラック現像ユニット45K、イエロー現像ユニット45Y、マゼンタ現像ユニット45M及びシアン現像ユニット45Cは感光体10の周囲に直接対向して配置されている。なお、ブラック現像ユニット45Kは、現像剤収容部42Kと現像剤供給ローラ43Kと現像ローラ44Kとを備えており、イエロー現像ユニット45Yは、現像剤収容部42Yと現像剤供給ローラ43Yと現像ローラ44Yとを備えており、マゼンタ現像ユニット45Mは、現像剤収容部42Mと現像剤供給ローラ43Mと現像ローラ44Mとを備えており、シアン現像ユニット45Cは、現像剤収容部42Cと現像剤供給ローラ43Cと現像ローラ44Cとを備えている。
画像形成装置100Aでは、帯電ローラー20により感光体ドラム10を一様に帯電させた後、露光装置30により露光光を感光ドラム10上に像様に露光し、静電潜像を形成する。次に、感光体ドラム10上に形成された静電潜像を、現像ユニット45K、45Y、45M、45Cから現像剤を供給して現像してトナー像を形成した後、ローラー51から印加された転写バイアスにより、トナー像を中間転写体50上に転写(一次転写)する。更に、中間転写体50上のトナー像は、コロナ帯電器52により電荷を付与された後、記録紙95上に転写(二次転写)される。なお、感光体ドラム10上に残存したトナーは、クリーニング装置59により除去され、感光体ドラム10は除電ランプ64により一旦、除電される。
図2に、本発明の画像形成装置の他の例を示す。
画像形成装置100Bは、タンデム型カラー画像形成装置であり、複写装置本体150と、給紙テーブル200と、スキャナ300と、原稿自動搬送装置(ADF)400を有する。
複写装置本体150には、無端ベルト状の中間転写体50が中央部に設けられている。中間転写体50は、支持ローラー14、15及び16に張架されており、矢印方向に回転することができる。
支持ローラー15の近傍には、中間転写体50上に残留したトナーを除去するためのクリーニング装置17が配置されている。また、支持ローラー14と支持ローラー15により張架された中間転写体50には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ及びブラックの4個の画像形成手段18が対向して並置されたタンデム型現像器120が配置されている。各色の画像形成手段18は、図3に示すように、感光体ドラム10と、感光体ドラム10を一様に帯電させる帯電ローラー60と、感光体ドラム10に形成された静電潜像をブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C)の各色の現像剤で現像してトナー像を形成する現像器61と、各色のトナー像を中間転写体50上に転写させるための転写ローラー62と、クリーニング装置63と、除電ランプ64を備える。
また、タンデム型現像器120の近傍には、露光装置21が配置されている。露光装置21は、感光体ドラム10上に露光光Lを露光し、静電潜像を形成する。10Yはイエロー用感光体、10Cはシアン用感光体、10Mはマゼンタ用感光体、10Kはブラック用感光体である。
更に、中間転写体50のタンデム型現像器120が配置された側とは反対側には、二次転写装置22が配置されている。二次転写装置22は、一対のローラー23に張架されている無端ベルトである二次転写ベルト24からなり、二次転写ベルト24上を搬送される記録紙と中間転写体50が互いに接触可能となっている。
二次転写装置22の近傍には、定着装置25が配置されている。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26と、定着ベルト26に押圧されて配置される加圧ローラー27を有する。
また、二次転写装置22及び定着装置25の近傍に、記録紙の両面に画像を形成するために記録紙を反転させる反転装置28が配置されている。
次に、画像形成装置100Bにおけるフルカラー画像の形成(カラーコピー)について説明する。まず、原稿自動搬送装置(ADF)400の原稿台130上に原稿をセットするか、あるいは原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じる。次に、スタートスイッチ(不図示)を押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットした時は、原稿が搬送されてコンタクトガラス32上へと移動された後で、コンタクトガラス32上に原稿をセットした時は、直ちにスキャナ300が駆動し、第1走行体33及び第2走行体34が走行する。このとき、第1走行体33により、光源からの光が照射されると共に、原稿面からの反射光を第2走行体34におけるミラーで反射し、結像レンズ35を通して読み取りセンサ36で受光される。これにより、カラー原稿(カラー画像)が読み取られ、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各色の画像情報が得られる。
更に、露光装置30により、得られた各色の画像情報に基づいて、各色の静電潜像が感光体ドラム10に形成された後、各色の静電潜像は、各色の現像器40から供給された現像剤で現像され、各色のトナー像が形成される。形成された各色のトナー像は、支持ローラー14、15及び16により回転移動する中間転写体50上に、順次重ねて転写(一次転写)され、中間転写体50上に複合トナー像が形成される。
給紙テーブル200においては、給紙ローラー142の1つを選択的に回転させ、ペーパーバンク143に多段に備える給紙カセット144の1つから記録紙を繰り出し、分離ローラー145で1枚ずつ分離して給紙路146に送り出し、搬送ローラー147で搬送して複写機本体150内の給紙路148に導き、レジストローラー49に突き当てて止める。あるいは、手差しトレイ54上の記録紙を繰り出し、分離ローラー58で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、レジストローラー49に突き当てて止める。なお、レジストローラー49は、一般に接地して使用されるが、記録紙の紙粉除去のために、バイアスが印加された状態で使用してもよい。
そして、中間転写体50上に形成された複合トナー像にタイミングを合わせてレジストローラー49を回転させ、中間転写体50と二次転写装置22の間に記録紙を送り出し、複合トナー像を記録紙上に転写(二次転写)する。
複合トナー像が転写された記録紙は、二次転写装置22により搬送されて、定着装置25に送り出される。そして、定着装置25において、定着ベルト26及び加圧ローラー27により、加熱加圧されて複合トナー像が記録紙上に定着される。その後、記録紙は、切換爪55で切り換えて排出ローラー56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされる。あるいは、切換爪55で切り換えて反転装置28により反転されて再び転写位置へと導かれて、裏面にも画像を形成した後、排出ローラー56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされる。
なお、複合トナー像が転写された後に中間転写体50上に残留したトナーは、クリーニング装置17により除去される。
本発明のプロセスカートリッジは、各種画像形成装置に着脱可能に成型されており、静電潜像を担持する静電潜像担持体と、静電潜像担持体上に担持された静電潜像を本発明の現像剤で現像してトナー像を形成する現像手段を少なくとも有する。なお、本発明のプロセスカートリッジは、必要に応じて、他の手段を更に有していてもよい。
現像手段としては、本発明の現像剤を収容する現像剤収容容器と、現像剤収容容器内に収容された現像剤を担持すると共に搬送する現像剤担持体を少なくとも有する。なお、現像手段は、担持する現像剤の厚さを規制するため規制部材等を更に有していてもよい。
図4に、本発明のプロセスカートリッジの一例を示す。プロセスカートリッジ110は、感光体ドラム10、コロナ帯電器52、現像器40、転写ローラー80及びクリーニング装置90を有する。95は記録紙である。
本発明によると、従来の問題を解決することができ、低温定着システムに対応でき、耐オフセット性が良好であり、定着装置及び画像を汚染することがなく、鮮鋭性の良好な高品質画像を長期にわたり形成することができるトナー並びに、該トナーを用いた現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ、及び画像形成方法を提供することができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は、これらの実施例により何ら限定されるものではない。前述のように、本発明のトナーの製造方法は特に限定されないが、実施例においては、水中造粒法の一つである溶解懸濁法を用いてトナーを製造した結果について述べる。なお、「部」は、「重量部」を意味する。
(ポリエステル樹脂Aの合成)
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAのエチレンオキシド2モル付加物67部、ビスフェノールAのプロピオンオキシド3モル付加物84部、テレフタル酸274部及びジブチルスズオキシド2部を投入し、常圧下、230℃で10時間反応させた。次に、10〜15mmHgの減圧下、6時間反応させて、ポリエステル樹脂を合成した。得られたポリエステル樹脂Aは、数平均分子量(Mn)が2300、重量平均分子量(Mw)が7000、Tgが65℃、酸価が20mgKOH/g、水酸基価が40mgKOH/gであった。
(ポリエステル樹脂Bの合成)
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAのエチレンオキシド2モル付加物77部、ビスフェノールAのプロピオンオキシド3モル付加物74部、テレフタル酸289部及びジブチルスズオキシド2部を投入し、常圧下、230℃で8時間反応させた。次に、10〜15mmHgの減圧下、5時間反応させてポリエステル樹脂を合成した。得られたポリエステル樹脂Bは、Mnが2100、Mwが5600、Tgが62℃、酸価が35mgKOH/g、水酸基価が95mgKOH/gであった。
(ポリエステル樹脂Cの合成)
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAのエチレンオキシド2モル付加物82部、ビスフェノールAのプロピオンオキシド3モル付加物69部、テレフタル酸294部及びジブチルスズオキシド2部を投入し、常圧下、230℃で8時間反応させた。次に、10〜15mmHgの減圧下、5時間反応させてポリエステル樹脂を合成した。得られたポリエステル樹脂Cは、Mnが2100、Mwが5600、Tgが60℃、酸価が45mgKOH/g、水酸基価が105mgKOH/gであった。
(ポリエステル樹脂Dの合成)
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAのエチレンオキシド2モル付加物60部、ビスフェノールAのプロピオンオキシド3モル付加物92部、テレフタル酸265部及びジブチルスズオキシド2部を投入し、常圧下、230℃で8時間反応させた。次に、10〜15mmHgの減圧下、5時間反応させてポリエステル樹脂を合成した。得られたポリエステル樹脂Dは、Mnが2100、Mwが5600、Tgが68℃、酸価が5mgKOH/g、水酸基価が5mgKOH/gであった。
(ポリエステル樹脂Eの合成)
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAのエチレンオキシド2モル付加物55部、ビスフェノールAのプロピオンオキシド3モル付加物97部、テレフタル酸260部及びジブチルスズオキシド2部を投入し、常圧下、230℃で8時間反応させた。次に、10〜15mmHgの減圧下、5時間反応させてポリエステル樹脂を合成した。得られたポリエステル樹脂Eは、Mnが2100、Mwが5600、Tgが70℃、酸価が3mgKOH/g、水酸基価が3mgKOH/gであった。
(スチレン−アクリル樹脂の合成)
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、酢酸エチル300部、スチレン200部、アクリル酸メチル100部及びアゾビスイソブチルニトリル5部を投入し、窒素雰囲気下、60℃(常圧)で8時間反応させた。次に、メタノール200部を加え、1時間攪拌した後、上澄みを除去し、減圧乾燥させて、スチレン−アクリル樹脂Aを合成した。得られたスチレン−アクリル樹脂Aは、Mwが20000、Tgが60℃であった。
(エステル化合物の合成)
表1に示す各脂肪酸と各アルコール成分を、触媒と共に、表1記載の重量比で反応容器に入れ、窒素気流下、240℃でエステル化反応させ、表1に示す物性を有するエステル化合物(1)〜(8)を合成した。
Figure 2009204733
(マスターバッチの作製)
水1000部、DBP吸油量が42ml/100g、pHが9.5のカーボンブラックPrintex35(デグサ社製)540部、及び1200部のポリエステル樹脂Aを、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて混合した。次に、二本ロールを用いて、得られた混合物を150℃で30分間混練した後、圧延冷却し、パルペライザー(ホソカワミクロン社製)で粉砕して、マスターバッチを作製した。
(水系媒体の調製)
イオン交換水306部、リン酸三カルシウムの10重量%懸濁液265部及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部を混合撹拌し、均一に溶解させて、水系媒体を調製した。
(実施例1)
ビーカー内に、ポリエステル樹脂Aを80部及び酢酸エチルを100部入れ、攪拌して溶解させた。次に、表1記載のエステル化合物(1)5部、離型剤としてパラフィンワックス5部(日本精鑞社製:HNP−11、融点77℃)、マスターバッチ10部を加え、ビーズミルのウルトラビスコミル(アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/時、ディスクの周速度6m/秒で、粒径0.5mmのジルコニアビーズを80体積%充填した条件で3パスし、トナー材料液を調製した。
次に、容器に水系媒体150部を入れ、TK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて、12000rpmで攪拌しながら、トナー材料液100部を添加し、10分間混合して、乳化スラリーを調製した。
次に、攪拌機及び温度計をセットしたコルベンに、乳化スラリー100部を仕込み、攪拌周速20m/分で攪拌しながら30℃で12時間脱溶剤し、分散スラリーを得た。
この分散スラリー100部を減圧濾過した後、濾過ケーキにイオン交換水100部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12000rpmで10分間混合した後、濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12000rpmで10分間混合した後、濾過する操作を3回行った。得られた濾過ケーキに10重量%塩酸10部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12000rpmで10分間混合した後、濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12000rpmで10分間混合した後、濾過する操作を2回行い、濾過ケーキを得た。
循風乾燥機を用いて、得られた濾過ケーキを45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、母体粒子を得た。
次に、母体粒子100部と、外添剤としての疎水性シリカH2000(クラリアントジャパン社製)1.0部を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて、周速30m/秒で30秒間混合し、1分間休止する処理を5サイクル行った後、目開き35μmメッシュで篩い、実施例1のトナーを得た。なお、トナー中におけるテトラグリセリンヘキサベヘネートの分散径は0.2μmであった。
(実施例2)
ポリエステル樹脂Aの代りに、ポリエステル樹脂Bを用いた点以外は、実施例1と同様にして、実施例2のトナーを得た。
(実施例3)
ポリエステル樹脂Aの代りに、ポリエステル樹脂Cを用いた点以外は、実施例1と同様にして、実施例3のトナーを得た。
(実施例4)
ポリエステル樹脂Aの代りに、ポリエステル樹脂Dを用いた点以外は、実施例1と同様にして、実施例4のトナーを得た。
(実施例5)
ポリエステル樹脂Aの代りに、ポリエステル樹脂Eを用いた点以外は、実施例1と同様にして、実施例5のトナーを得た。
(実施例6)
エステル化合物(1)の代りに、表1記載のエステル化合物(2)を用いた点以外は、実施例1と同様にして、実施例6のトナーを得た。
(実施例7)
エステル化合物(1)の代りに、表1記載のエステル化合物(5)を用いた点以外は、実施例1と同様にして、実施例7のトナーを得た。
(実施例8)
エステル化合物(1)の代りに、表1記載のエステル化合物(6)を用いた点以外は、実施例1と同様にして、実施例8のトナーを得た。
(実施例9)
離型剤として、パラフィンワックスの代りにカルナウバワックス(東亜化成社製:WA−05、融点86℃)を用いた点以外は、実施例1と同様にして、実施例9のトナーを得た。
(実施例10)
実施例1中のエステル化合物(1)の添加量を、5部から3部に変更し、ポリエステル樹脂Aを80部から82部に変更した点以外は、実施例1と同様にして、実施例10のトナーを作成した。
(実施例11)
実施例1中のエステル化合物(1)の添加量を、5部から20部に変更し、ポリエステル樹脂Aを80部から65部に変更した点以外は、実施例1と同様にして、実施例11のトナーを作成した。
(実施例12)
実施例1中のエステル化合物(1)の添加量を、5部から2部に変更し、ポリエステル樹脂Aを80部から83部に変更した点以外は、実施例1と同様にして、実施例12のトナーを作成した。
(実施例13)
実施例1中のエステル化合物(1)の添加量を、5部から25部に変更し、ポリエステル樹脂Aを80部から60部に変更した点以外は、実施例1と同様にして、実施例13のトナーを作成した。
(比較例1)
エステル化合物(1)の添加量を0部とした点以外は、実施例1と同様にして比較例1のトナーを得た。
(比較例2)
エステル化合物(1)の代りに、表1記載のエステル化合物(3)を用いた点以外は、実施例1と同様にして、比較例2のトナーを得た。
(比較例3)
エステル化合物(1)の代りに、表1記載のエステル化合物(4)を用いた点以外は、実施例1と同様にして、比較例3のトナーを得た。
(比較例4)
エステル化合物(1)の代りに、表1記載のエステル化合物(7)を用いた点以外は、実施例1と同様にして、比較例4のトナーを得た。
(比較例5)
エステル化合物(1)の代りに、表1記載のエステル化合物(8)を用いた点以外は、実施例1と同様にして、比較例5のトナーを得た。
(比較例6)
ポリエステル樹脂Aの代りに、スチレン−アクリル樹脂Aを用いた点以外は、実施例1と同様にして、比較例6のトナーを得た。
以上のようにして、実施例1〜13及び比較例1〜6のトナーを作成した。各トナーに使用した樹脂、エステル化合物、離型剤を表2に示す。
また、各実施例、比較例で用いた樹脂のガラス転移温度(Tgr)、定着補助成分を10部添加した際の各樹脂のガラス転移温度(Tgr′)を下記のようにして測定し算出した、Tgr−Tgr′を表2に示す。
(Tgr、Tgr′の測定)
まず、樹脂約5.0mgをアルミニウム製の試料容器に入れ、試料容器をホルダーユニットに載せ、電気炉中にセットした。次いで、窒素雰囲気下、20℃から昇温速度10℃/minで150℃まで加熱した。その後、150℃から降温速度10℃/minで0℃まで冷却させ、更に昇温速度10℃/minで150℃まで加熱し、示差走査熱量計(「DSC−60」、島津製作所製)により、DSC曲線を計測した。得られたDSC曲線から、DSC−60システム中の解析プログラムを用いて、2回目の昇温時におけるDSC曲線のショルダーを選択し、樹脂のガラス転移温度(Tgr)を算出した。
また、定着補助成分を10部添加した際の樹脂のガラス転移温度(Tgr′)も同様にして測定した。
まず、定着補助成分0.5mg、樹脂4.5mgをアルミニウム製の試料容器に入れ、該試料容器をホルダーユニットに載せ、電気炉中にセットした。次いで、窒素雰囲気下、20℃から昇温速度10℃/minで150℃まで加熱した。その後、150℃から降温速度10℃/minで0℃まで冷却させ、更に昇温速度10℃/minで150℃まで加熱し、示差走査熱量計により、DSC曲線を計測した。得られたDSC曲線から、DSC−60システム中の解析プログラムを用いて、2回目の昇温時におけるDSC曲線のショルダーを選択し、定着補助成分を加えた際のポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tgr′)を算出した。
Figure 2009204733
(キャリアの作製)
トルエン100部に、シリコーン樹脂オルガノストレートシリコーン100部、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン5部及びカーボンブラック10部を添加し、ホモミキサーで20分間分散させて、樹脂層塗布液を調製した。
次に、流動床型コーティング装置を用いて、平均粒径50μmの球状マグネタイト1000部の表面に樹脂層塗布液を塗布して、キャリアを作製した。
(現像剤の作製)
ボールミルを用いて、トナー5部とキャリア95部を混合し、現像剤を作製した。
(評価方法及び評価結果)
得られた現像剤を用いて、以下の評価を行った。評価結果を表3に示す。
<定着下限温度>
定着ローラーとして、テフロン(登録商標)ローラーを使用した複写機MF−200(リコー社製)の定着部を改造した装置を用いて、タイプ6200紙(リコー社製)をセットし、定着ローラーの温度を5℃刻みで変化させて、複写テストを行った。定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ローラーの温度の最小値を定着下限温度とした。定着下限温度は、消費電力が抑えられることから、低いことが好ましく、135℃以下であれば、実使用上問題の無いレベルである。
<ホットオフセット発生温度>
タンデム型カラー電子写真装置Imagio Neo C350(リコー社製)の定着ユニットから、シリコーンオイル塗布機構を取り去り、オイルレス定着方式に改造して、温度及び線速を調整可能にチューニングした。このタンデム型カラー電子写真装置を用いて、0.85±0.3mg/cmのトナーが現像されるように調整した。
得られた画像を定着ローラーの温度を5℃刻みで変化させて定着し、ホットオフセットの発生する定着温度(オフセット発生温度)を測定し、ホットオフセットが発生せずに定着させることが可能な定着ローラーの温度の最大値を定着上限温度とした。定着上限温度は、耐オフセット性に対する余裕度が増すことから、高いことが好ましく、190℃以上であれば、実使用上問題の無いレベルである。
<転写率>
画像形成装置MF2800(リコー社製)を用いて、マクベス反射濃度計で平均画像濃度が1.38以上となる、15cm×15cmの黒ベタ画像を形成し、次式から転写率を求めた。なお、転写率が90%以上のものを◎、80%以上90%未満のものを○、70%以上80%未満のものを△、70%未満のものを×として、判定した。
転写率[%]=(記録紙上に転写されたトナー量/感光体上に現像されたトナー量)
×100
<転写ムラ>
画像形成装置MF2800(リコー社製)を用いて、黒ベタ画像を形成し、得られた画像の転写ムラの有無を目視観察し、転写ムラを評価した。
なお、転写ムラがなく非常に良好なレベルであるものを◎、転写ムラがなく実用上問題が無いレベルであるものを○、転写ムラが少しあるが、実用可能なレベルであるものを△、転写ムラがあり、実用上問題があるレベルであるものを×として、判定した。
<かぶり>
感光体に当接するクリーニングブレード及び帯電ローラーを有するタンデム型カラー電子写真装置imagio Neo 450(リコー社製)を用いて、現像スリーブの回転方向に対して垂直な方向に1cm間隔で黒ベタと白ベタを繰り返したA4横チャート(画像パターンA)を1万枚出力した後、白紙画像を出力し、かぶりの有無を目視評価した。なお、かぶりが無いものを○、かぶりが有るものを×として、判定した。
<フィルミング>
画像形成装置MF2800(リコー社製)を用いて、10000枚画像を形成させた後の感光体を目視で検査し、トナー成分、主に離型剤の感光体への固着が生じていないか評価した。なお、感光体へのトナー成分の固着が確認されないものを○、感光体へのトナー成分の固着は確認できるが、実用上問題になるレベルではないものを△、感光体へのトナー成分の固着が確認でき、実用上問題のあるレベルであるものを×として、判定した。
また、得られたトナーを用いて、以下の評価を行った。評価結果を表3に示す。
<耐熱保存性>
50mlのガラス容器にトナーを充填し、50℃の恒温槽に24時間放置した後、24℃に冷却し、針入度試験(JIS K2235−1991)により、針入度を測定し、耐熱保存性を評価した。なお、針入度が25mm以上であるものを◎、15mm以上25mm未満であるものを○、5mm以上15mm未満であるものを△、5mm未満であるものを×として、判定した。このとき、針入度が大きい程、耐熱保存性が優れていることを意味し、針入度が5mm未満であるものは、使用上、問題が発生する可能性が高い。
Figure 2009204733
表3から、実施例のトナーは、低温定着性に優れるポリエステル樹脂と、定着補助成分としてポリエステル樹脂との相溶性に優れる一定の水酸基価と特定のモノマー組成比を有する融点60〜85℃のエステル化合物を用いているので、低温定着性、耐ホットオフセット性に優れることが分かる。更に、トナー中に独立した結晶ドメインとして存在し得るエステル化合物が用いられているため、転写性に優れ、画像のかぶり、フィルミングも生じず、長期に亘り、高品位な画像を形成することが可能となる。
比較例1のトナーは、実施例1のトナーから定着補助成分を抜いたものに相当し、そのため、低温定着性に劣る結果となった。
比較例2のトナーは、エステル化合物を構成する脂肪酸のステアリン酸、ベヘニン酸の割合が低いため、転写性、耐熱保存性が悪化し、画像のかぶり、フィルミングが生じる結果となった。
比較例3のトナーは、エステル化合物を構成するアルコール成分中のエチレングリコールの割合が低いため、転写性、耐熱保存性が悪化し、画像のかぶり、フィルミングが生じる結果となった。
比較例4のトナーは、エステル化合物の融点が高く、かつエステル化合物の水酸基価が低いため、ポリエステル樹脂との相溶性、低温でのシャープメルト性に劣ることにより、十分な低温定着性が得られない結果となった。
比較例5のトナーは、エステル化合物の融点が低く、かつエステル化合物の水酸基価が高いため、転写性、耐熱保存性が悪化し、画像のかぶり、フィルミングが生じる結果となった。
比較例6のトナーは、スチレン−アクリル樹脂を用いたため、ポリエステル樹脂に比べ十分な低温定着性が得られず、またスチレン−アクリル樹脂は定着補助成分との相溶性も劣るため、十分な低温定着性が得られない結果となった。
以上により、実施例のトナーは、低温定着システムに対応し、耐オフセット性が良好であり、定着装置及び画像を汚染しにくいことが分かる。更に、実施例のトナーは、高品位なトナー像を長期に亘り形成できることが分かる。
本発明の画像形成装置の一例を示す図である。 本発明の画像形成装置の他の例を示す図である。 図2のタンデム型現像器を示す図である。 本発明のプロセスカートリッジの一例を示す図である。
符号の説明
10 感光体ドラム
10Y イエロー用感光体
10C シアン用感光体
10M マゼンタ用感光体
10K ブラック用感光体
14、15、16 支持ローラー
17 クリーニング装置
18 画像形成手段
20 帯電ローラー
21 露光装置
22 二次転写装置
23 ローラー
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラー
28 反転装置
30 露光装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読み取りセンサ
40 現像器
49 レジストローラー
50 中間転写体
51 ローラ
52 コロナ帯電器
53 手差し給紙路
54 手差しトレイ
55 切換爪
56 排出ローラー
57 排出トレイ
58 分離ローラー
59 クリーニング装置
60 帯電ローラー
61 現像器
62 転写ローラー
63 クリーニング装置
64 除電ランプ
90 クリーニング装置
95 記録紙
100A、100B 画像形成装置
110 プロセスカートリッジ
120 タンデム型現像器
130 原稿台
142 給紙ローラー
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラー
146 給紙路
147 搬送ローラー
148 給紙路
150 複写装置本体
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)
L 露光光

Claims (14)

  1. 少なくとも離型剤と、着色剤と、結着樹脂である1種以上のポリエステル樹脂と、定着補助成分とを含むトナーであって、該定着補助成分が、脂肪酸とアルコールからなるエステル化合物であり、前記脂肪酸中のステアリン酸とベヘニン酸を併せた割合が80重量%以上であり、前記アルコール成分中のエチレングリコールの割合が80重量%以上であり、かつ前記エステル化合物の水酸基価が10〜100mgKOH/gであることを特徴とするトナー。
  2. 前記エステル化合物の融点が60〜85℃であることを特徴とする請求項1記載のトナー。
  3. 前記離型剤が、融点60〜90℃の炭化水素系ワックスであることを特徴とする請求項1又は2記載のトナー。
  4. 前記ポリエステル樹脂の少なくとも1種の酸価が5〜40mgKOH/gであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のトナー。
  5. 前記ポリエステル樹脂の少なくとも1種の水酸基価が5〜100mgKOH/gであることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のトナー。
  6. 前記ポリエステル樹脂のTgが55〜80℃であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のトナー。
  7. 前記ポリエステル樹脂のガラス転移温度をTgrとし、該ポリエステル樹脂90重量部に対し定着補助成分を10重量部加えて150℃で加熱した後のポリエステル樹脂のガラス転移温度をTgr′とすると、次式、Tgr−Tgr′≧10℃を満たすことを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載のトナー。
  8. 前記定着補助成分のトナー中における含有量が3〜20重量%であることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載のトナー。
  9. 少なくとも離型剤、着色剤、結着樹脂である1種以上のポリエステル樹脂、及び定着補助成分を有機溶媒中に溶解又は分散させた溶解液又は分散液を水系媒体中で分散させ、前記有機溶媒を除去して得られる請求項1〜8の何れかに記載のトナー。
  10. 請求項1〜9の何れかに記載のトナーを含むことを特徴とする現像剤。
  11. 請求項1〜9の何れかに記載のトナーが充填されていることを特徴とするトナー入り容器。
  12. 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像をトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有し、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジであって、前記トナーが、請求項1〜9の何れかに記載のトナーであることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  13. 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、トナーを用いて前記静電潜像を現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、前記トナーが、請求項1〜9の何れかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成方法。
  14. 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該静電潜像を請求項1〜9の何れかに記載のトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、該可視像を記録媒体に転写する転写手段と、該記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有することを特徴とする画像形成装置。
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