JP4866276B2 - トナー及びその製造方法、トナー容器、現像剤、画像形成装置並びにプロセスカートリッジ - Google Patents

トナー及びその製造方法、トナー容器、現像剤、画像形成装置並びにプロセスカートリッジ Download PDF

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Description

本発明は静電荷像現像用非磁性トナー、このトナーを用いた現像剤、トナー容器、および画像形成装置に関する。
従来よりトナーの定着方式としては、熱ロール定着方式等の接触加熱定着方式が広く採用されている。熱ロール定着方式に使用される定着装置は、加熱ロールと加圧ロールとを備えており、トナー像を担持した記録シートを、加熱ロールと加圧ロールとの圧接部(ニップ部)を通過させることにより、トナー像を溶融させて記録シートに定着させる。
熱ロール定着方式に代表される接触加熱定着方式では、記録シート上のトナー像に接触加熱定着装置の加熱部材(例えば加熱ロール)の表面を接触させて定着を行うため、加熱部材にトナー像の一部が付着し、それが次の記録シートに転移して汚してしまうオフセット現象を防止する必要がある。
オフセット現象を防止するために定着装置の加熱ロールや加圧ロールにシリコーンオイル等の定着オイルを塗布あるいは含浸させる技術が知られているが、定着装置の小型化や低コスト化の観点から、定着オイル付与機構を省略したオイルレス定着装置や定着オイルの塗布量を低減させたタイプの定着装置が採用されている。このような定着装置を採用する場合には、オフセット防止剤として離型剤がトナーに添加される。
また、加熱定着方式の場合、省エネルギー化のためには加熱温度はできる限り低い方が好ましいが、これを達成するためにトナーを構成する結着樹脂の熱特性を低く設計しすぎると、耐熱保管性が悪化し、ブロッキング等の問題が発生する。これを両立させるためには、結着樹脂にポリエステル樹脂を用いるのが有利である。ポリエステル樹脂はビニル系共重合樹脂と比較して、粘度が低く弾性が高いため、低温定着性に優れ耐熱保管性も良い。
最近、従来の粉砕法に替わって重合法やケミカルトナーといった新しいトナーの製造法が知られているが、中でもポリエステル樹脂を用いるのに適したものに、所謂溶解懸濁法がある。この方法を用いるとトナーの円形度は高くなりやすく、ほぼ球形となるが、異形化させることも可能である。
一般的に知られているように、トナーの形状は球形に近い方が転写性は向上し、画質も向上する点で有利である。しかしながら、完全に転写させることは難しく、感光体などに残留した転写残トナーをクリーニングしなければならないが、従来のブレードクリーニング法では球形トナーはブレードをすり抜け易く、問題が発生する。そこで、あえて球形トナーをブレードクリーニングせず、現像器などに回収したり、ブラシなどで散らしたりする方法が考案され、所謂クリーナレスシステムと呼ばれている。このシステムを用いることで、廃トナーボックスなどが省略されて画像形成装置がコンパクトになったり、廃棄トナーが減少できたりするなどの効果が得られる。また、このシステムを用いるためには転写残トナーを極力減らすことが重要であり、そのためにはトナーの球形度を高めて転写性を向上させることが不可欠である。
また、前記溶解縣濁法を用いて十分な量の離型剤を含有したトナーを製造した場合、しばしば離型剤がトナー表面に露出し、現像部材を汚染するなどの不具合を発生することがある。離型剤をトナー内部深くに内包することも可能であるが、内包しすぎると定着の際に離型剤の染み出しが足らず、オフセットの原因となる。
なお、特許文献1には、洗浄工程に使用する媒体の温度を規定することで、小粒径化、球形化により、ドットの再現性や現像性、転写性を向上させても、安定な帯電特性を有するトナーを提供する技術が開示されている。
また、特許文献2には、高画質の画像が得られる画像形成装置に関する発明が記載されている。この発明は現像装置と、トナー像を用紙に転写した後の像担持体表面の残留物を除去するクリーニング部材などを備えた画像形成装置において、上記現像装置が、結着樹脂と着色剤とからなるトナー母粒子、および受酸効果を有する化合物微粒子がその一部を表面に露出させた状態で内包された樹脂粒子を収容したものであることを特徴としている。
特許文献3には、ブレードクリーニング性が良好で、低温定着性および耐ホットオフセット性に優れたトナー用樹脂粒子に関する発明が開示されている。
特許文献4には、電子写真用トナーの電荷調整剤として有用な化合物に関する発明が記載されている。
特開2006−227592号公報 特開2006−113553号公報 特開2005−49858号公報 特表2003−515795号公報
本発明は上記諸問題に鑑みなされたものであり、十分な帯電性およびその耐久性にも優れ、低温定着性と耐熱保管性を両立したトナー静電荷像現像用非磁性トナー及びその製造方法、該トナーを用いた現像剤、トナー容器、画像形成装置並びにプロセスカートリッジを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために提供する本発明は、以下の通りである。
(1) 有機溶媒中に少なくとも顔料、結着樹脂及び/又は結着樹脂前駆体、離型剤を含有する有機相分散液得た後、該有機相分散液を水系媒体中に分散することにより造粒するトナーの製造方法であって、前記有機相分散液を水系媒体と混合した後に前記有機溶媒を脱溶して水系媒体中にトナー粒子が分散してなる分散スラリーとし、ついで該分散スラリーを前記離型剤の融点温度以上に加熱した後にトナー粒子を洗浄し、前記分散スラリーは、界面活性剤を含有することを特徴とするトナーの製造方法。
(2) 前記界面活性剤は、一価もしくは二価のアニオン系界面活性剤であることを特徴とする前記(1)に記載のトナーの製造方法。
(3) 前記離型剤は、パラフィンワックスもしくはポリエチレンワックスであることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載のトナーの製造方法。
(4) 前記結着樹脂は少なくとも2種以上の結着樹脂からなり、ウレタン又は/及びウレア基を有する変性されたポリエステル樹脂を含有することを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載のトナーの製造方法。
(5) 前記ポリエステル樹脂は、末端にイソシアネート基を有する変性ポリエステル樹脂とアミン類との反応によって鎖伸長又は/及び架橋された変性ポリエステル樹脂成分を含有することを特徴とする前記(4)に記載のトナーの製造方法。
(6) 前記(1)〜(5)のいずれかに記載のトナーの製造方法によって製造されてなることを特徴とするトナー。
(7) 前記(6)に記載のトナーを充填したことを特徴とするトナー容器。
(8) 前記(6)に記載のトナーを含有することを特徴とする現像剤。
(9) 前記(8)に記載の現像剤を用いることを特徴とする画像形成装置。
(10) 定着部材にローラを用いることを特徴とする前記(9)に記載の画像形成装置。
(11) 定着部材にオイル塗布をしないことを特徴とする前記(9)又は(10)に記載の画像形成装置。
(12) 前記(9)〜(11)のいずれかに記載の画像形成装置において用いられるプロセスカートリッジであって、感光体と、感光体を帯電する帯電手段、現像手段、クリ−ニング手段より選ばれる少なくとも一つの手段を一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカ−トリッジ。
本発明によれば、離型剤を十分含有しなおかつ程よくトナー表面近傍に存在させたトナーを造粒し、その洗浄の前に離型剤の融点以上に加熱することにより表面に露出している離型剤を界面活性剤の作用で水系媒体中に分散させ、その後洗浄、乾燥することによって、現像汚染を発生せず、十分な帯電性およびその耐久性に優れたトナーを得ることができる。
以下に、本発明の構成について説明する。なお、ここでは本発明の一実施形態として説明するが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
<トナーの形状>
トナー(トナー粒子ともいう)の形状としてはより球形に近いものが好ましい。トナーは球形であれば移動性が向上して画像チリなどの問題が発生しづらく、画像再現性などの画質向上の点で有利である。円形度としては0.94以上が好ましく、より好ましくは0.96以上、さらに好ましくは0.97以上である。
<結着樹脂>
トナーを構成する樹脂は定着性や耐熱保管性の観点からはポリエステル系樹脂が好ましい。一方、ビニル系共重合樹脂は熱特性や極性などの樹脂特性の設計が容易であり、重合性単量体として特別な官能基を有するものを共重合することも容易である点から、ビニル系共重合樹脂を少量添加してもよい。
<ポリエステル樹脂>
本発明で使用されるポリエステル樹脂としては以下のポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の重縮合物が挙げられ、いかなるものでも使用することができ、また数種のポリエステル樹脂を混合して使用しても良い。
(ポリオール)
ポリオール(1)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4-シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、3,3′−ジフルオロ−4,4′−ジヒドロキシビフェニル、等の4,4′−ジヒドロキシビフェニル類;ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1−フェニル−1,1−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(別名:テトラフルオロビスフェノールA)、2,2−ビス(3−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン等のビス(ヒドロキシフェニル)アルカン類;ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エーテル等のビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル類など);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。
これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。
更に、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
尚、上記ポリオールは1種類単独または2種以上の併用が可能で、上記に限定されるものではない。
(ポリカルボン酸)
ポリカルボン酸(2)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、3−フルオロイソフタル酸、2−フルオロイソフタル酸、2−フルオロテレフタル酸、2,4,5,6−テトラフルオロイソフタル酸、2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸、5−トリフルオロメチルイソフタル酸、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ビフェニルジカルボン酸、3,3’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ビフェニルジカルボン酸、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−3,3’−ビフェニルジカルボン酸、ヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸無水物など)などが挙げられる。
これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。さらに3価以上のポリカルボン酸としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)、また上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いてポリオール(1)と反応させてもよい。尚、上記ポリカルボン酸は1種類単独または2種以上の併用が可能で、上記に限定されるものではない。
(ポリオールとポリカルボン酸の比)
ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
(ポリエステル樹脂の分子量)
ピーク分子量は、通常1000〜30000、好ましくは1500〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。1000未満では耐熱保存性が悪化し、30000を超えると低温定着性が悪化する。
<変性ポリエステル樹脂>
本発明に使用される芯部分の結着樹脂は、オフセット防止などの目的で粘弾性調整のために、ウレタン又は/及びウレア基を有する変性されたポリエステル樹脂を含有していても良い。該ウレタン又は/及びウレア基を有する変性されたポリエステル樹脂の含有割合は、前記結着樹脂中、20%以下が好ましく、15%以下がより好ましく、10%以下がさらに好ましい。含有割合が20%より多くなると低温定着性が悪化する。該ウレタン又は/及びウレア基を有する変性されたポリエステル樹脂は、直接結着樹脂に混合しても良いが、製造性の観点から、末端にイソシアネート基を有する比較的低分子量の変性ポリエステル樹脂(以下プレポリマーと表記することがある)と、これと反応するアミン類を結着樹脂に混合し、造粒中/又は造粒後に鎖伸長又は/及び架橋反応して該ウレタン又は/及びウレア基を有する変性されたポリエステル樹脂となる方が好ましい。こうすることにより、粘弾性調整のための比較的高分子量の変性ポリエステル樹脂を芯部分に含有させることが容易となる。
(プレポリマー)
前記イソシアネート基を有するプレポリマーとしては、前記ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の重縮合物でかつ活性水素基を有するポリエステルをさらにポリイソシアネート(3)と反応させたものなどが挙げられる。上記ポリエステルの有する活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基およびフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基である。
(ポリイソシアネート)
ポリイソシアネート(3)としては、脂肪族ポリイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α',α'−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアヌレート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
(イソシアネート基と水酸基の比)
ポリイソシアネート(3)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、変性ポリエステル中のウレア含量が低くなり、耐オフセット性が悪化する。末端にイソシアネート基を有するプレポリマー(A)中のポリイソシアネート(3)構成成分の含有量は、通常0.5〜40重量%、好ましくは1〜30重量%、さらに好ましくは2〜20重量%である。0.5重量%未満では、耐オフセット性が悪化する。また、40重量%を超えると低温定着性が悪化する。
(プレポリマー中のイソシアネート基の数)
イソシアネート基を有するプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有するイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、鎖伸長及び/又は架橋後の変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐オフセット性が悪化する。
(鎖伸長及び/又は架橋剤)
本発明において、鎖伸長及び/又は架橋剤として、アミン類を用いることができる。アミン類(B)としては、ジアミン(B1)、3価以上のポリアミン(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。
ジアミン(B1)としては、次のものが挙げられる。
芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’ジアミノジフェニルメタン、テトラフルオロ−p−キシリレンジアミン、テトラフルオロ−p−フェニレンジアミンなど);
脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);
および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ドデカフルオロヘキシレンジアミン、テトラコサフルオロドデシレンジアミンなど)など
3価以上のポリアミン(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。また、アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。また、アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。また、アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。
B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリン化合物などが挙げられる。
(停止剤)
さらに、必要により鎖伸長及び/又は架橋反応は停止剤を用いて反応終了後の変性ポリエステルの分子量を調整することができる。停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
(アミノ基とイソシアネート基の比率)
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2より大きかったり1/2未満であったりした場合は、ウレア変性ポリエステル(i)の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
<着色剤>
本発明の着色剤としては公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベ ルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
<着色剤のマスターバッチ化>
本発明で用いる着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造またはマスターバッチとともに混練されるバインダー樹脂としては、先にあげた変性、未変性ポリエステル樹脂の他にポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族叉は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
<マスターバッチ作製方法>
本マスターバッチはマスターバッチ用の樹脂と着色剤とを高せん断力をかけて混合、混練してマスターバッチを得る事ができる。この際着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を用いる事ができる。またいわゆるフラッシング法と呼ばれる着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合混練し、着色剤を樹脂側に移行させ、水分と有機溶剤成分を除去する方法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いる事ができるため乾燥する必要がなく、好ましく用いられる。混合混練するには3本ロールミル等の高せん断分散装置が好ましく用いられる。
<離型剤>
また、本発明に使用する離型剤としては、公知のものが使用でき、例えばポリオレフィンワックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなど);長鎖炭化水素(パラフィンワックス、サゾールワックスなど);カルボニル基含有ワックスなどが挙げられる。カルボニル基含有ワックスとしては、ポリアルカン酸エステル(カルナウバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18-オクタデカンジオールジステアレートなど);ポリアルカノールエステル(トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなど);ポリアルカン酸アミド(エチレンジアミンジベヘニルアミドなど);ポリアルキルアミド(トリメリット酸トリステアリルアミドなど);およびジアルキルケトン(ジステアリルケトンなど)などが挙げられる。これらカルボニル基含有ワックスのうち好ましいものは、ポリアルカン酸エステルである。
<外添剤>
(無機微粒子)
本発明で得られた着色粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤としては、無機微粒子を好ましく用いることができる。この無機微粒子の一次粒子径は、5nm〜2μmであることが好ましく、特に5nm〜500nmであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5重量%であることが好ましく、特に0.01〜2.0重量%であることが好ましい.無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
(高分子系微粒子)
この他高分子系微粒子たとえばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
(外添剤の表面処理)
このような流動化剤は表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。例えばシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが好ましい表面処理剤として挙げられる。
<トナーの製造方法>
本発明のトナーの製造方法としてはこれに制限されるものではないが、以下の製造方法により好適に製造される。
本発明のトナーの製造方法は、有機溶媒中に少なくともポリエステル樹脂、着色剤を溶解又は分散させた後、該溶解物又は分散物を水系媒体中に分散させ造粒する方法、が好ましく用いられる。より具体的には、以下の通りである。
<トナー粒子の造粒>
(有機溶媒)
ポリエステル樹脂、着色剤および離型剤を溶解又は分散させる有機溶媒としては、沸点が100℃未満の揮発性であることが、後の溶剤除去が容易になる点から好ましい。このような有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル系、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。ポリエステル樹脂、着色剤および離型剤は同時に溶解又は分散させても良いが、通常それぞれ単独で溶解又は分散され、その際使用する有機溶媒はそれぞれ異なっていても同じでも良いが、後の溶媒処理を考慮すると同じ方が好ましい。
(ポリエステル樹脂の溶解又は分散)
ポリエステル樹脂の溶解又は分散液は、樹脂濃度が40%〜80%程度であることが好ましい。濃度が高すぎると溶解又は分散が困難になり、また粘度が高くなって扱いづらい。また、濃度が低すぎるとトナーの製造量が少なくなる。ポリエステル樹脂に前記末端にイソシアネート基を有する変性ポリエステル樹脂を混合する場合は、同じ溶解又は分散液に混合しても良いし、別々に溶解又は分散液を作製しても良いが、それぞれの溶解度と粘度を考慮すると、別々の溶解又は分散液を作製する方が好ましい。
(着色剤の溶解又は分散)
着色剤は単独で溶解又は分散しても良いし、前記ポリエステル樹脂の溶解又は分散液に混合しても良い。また必要に応じて、分散助剤やポリエステル樹脂を添加しても良いし、前記マスターバッチを用いても良い。
(離型剤の溶解又は分散)
離型剤としてワックスを溶解又は分散する場合、もしワックスが溶解しない有機溶媒を使用する場合は分散液として使用することになるが、分散液は一般的な方法で作製される。即ち、有機溶媒とワックスを混合し、ビーズミルの如き分散機で分散すれば良い。また、有機溶媒とワックスを混合した後、一度ワックスの融点まで加熱し、攪拌しながら冷却した後、ビーズミルの如き分散機で分散した方が、分散時間が短くて済むこともある。また、ワックスは複数種を混合して使用しても良いし、分散助剤やポリエステル樹脂を添加しても良い。
(水系媒体)
用いる水系媒体としては、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用することもできる。混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などが挙げられる。トナー組成物100重量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー組成物の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。また、2000重量部を超えると経済的でない。
(無機分散剤および有機樹脂微粒子)
上記水系媒体中に、前記トナー組成物の溶解物または分散物を分散させる際、無機分散剤または有機樹脂微粒子をあらかじめ水系媒体中に分散させておくことにより、粒度分布がシャープになるとともに分散が安定である点で好ましい。無機分散剤としては、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ハイドロキシアパタイトなどが用いられる。有機樹脂微粒子を形成する樹脂としては、水性分散体を形成しうる樹脂であれば、いかなる樹脂であっても使用でき、熱可塑性樹脂であっても熱硬化性樹脂であっても良いが、例えはビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、2種以上を併用しても差し支えない。このうち好ましいのは、微細球状樹脂粒子の水性分散体が得られやすいという観点からビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂およびそれらの併用である。
(有機樹脂微粒子の水系への分散方法)
樹脂を有機樹脂微粒子の水性分散液にする方法は、特に限定されないが、以下の(a)〜(h)が挙げられる。
(a)ビニル系樹脂の場合において、モノマーを出発原料として、懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法または分散重合法等の重合反応により、直接、樹脂微粒子の水性分散液を製造する方法。
(b)ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加あるいは縮合系樹脂の場合において、前駆体(モノマー、オリゴマー等)またはその溶剤溶液を適当な分散剤存在下で水性媒体中に分散させ、その後に加熱したり、硬化剤を加えたりして硬化させて樹脂微粒子の水性分散体を製造する方法。
(c)ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加あるいは縮合系樹脂の場合において、前駆体(モノマー、オリゴマー等)またはその溶剤溶液(液体であることが好ましい。加熱により液状化しても良い。)中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する方法。
(d)あらかじめ高分子化反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であっても良い。)により作製した樹脂を機械回転式またはジェット式等の微粉砕機を用いて粉砕し、次いで、分級することによって樹脂微粒子を得た後、適当な分散剤存在下で水中に分散させる方法。
(e)あらかじめ高分子化反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であっても良い。)により作製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液を、霧状に噴霧することにより樹脂微粒子を得た後、適当な分散剤存在下で水中に分散させる方法。
(f)あらかじめ高分子化反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であっても良い。)により作製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液に溶剤を添加するか、またはあらかじめ溶剤に加熱溶解した樹脂溶液を冷却することにより樹脂微粒子を析出させ、次いで、溶剤を除去して樹脂微粒子を得た後、適当な分散剤存在下で水中に分散させる方法。
(g)あらかじめ高分子化反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であっても良い。)により作製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液を、適当な分散剤存在下で水性媒体中に分散させ、これを加熱または減圧等によって溶剤を除去する方法。
(h)あらかじめ高分子化反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であっても良い。)により作製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する方法。
(界面活性剤)
また、トナー組成物が含まれる油性相を水系媒体中に乳化、分散させるために、必要に応じて、界面活性剤等を用いることもできる。界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどの陰イオン界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムベタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸、及び、その金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。また、カチオン性界面活性剤としては、フルオロアルキル基を有する脂肪族1級、2級もしくは2級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6−C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩などが挙げられる。
(保護コロイド)
また、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロ−ルアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエ一テル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの窒素原子、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフエニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。なお、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、微粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。分散剤を使用した場合には、該分散剤がトナー粒子表面に残存したままとすることもできるが、洗浄除去するほうがトナーの帯電面から好ましい。
(分散の方法)
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは20〜80℃である。
(脱溶)
得られた乳化分散体から有機溶剤を除去するために、公知の方法を使用することができる。例えば、常圧または減圧下で系全体を徐々に昇温し、液滴中の有機溶剤を完全に蒸発除去する方法を採用することができる。
(伸長又は/及び架橋反応)
ウレタン又は/及びウレア基を有する変性されたポリエステル樹脂を導入する目的で、末端にイソシアネート基を有する変性ポリエステル樹脂およびこれと反応可能なアミン類を添加する場合は、水系媒体中にトナー組成物を分散する前に油相中でアミン類を混合しても良いし、水系媒体中にアミン類を加えても良い。上記反応に要する時間は、ポリエステルプレポリマーの有するイソシアネート基構造と、加えたアミン類との反応性により選択されるが、通常1分〜40時間、好ましくは1〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは20〜98℃である。
<洗浄、乾燥工程>
水系媒体に分散されたトナー粒子を洗浄、乾燥する工程は、公知の技術が用いられる。
即ち、遠心分離機、フィルタープレスなどで固液分離した後、得られたトナーケーキを常温〜約40℃程度のイオン交換水に再分散させ、必要に応じて酸やアルカリでpH調整した後、再度固液分離するという工程を数回繰り返すことにより不純物や界面活性剤などを除去した後、気流乾燥機や循環乾燥機、減圧乾燥機、振動流動乾燥機などにより乾燥することによってトナー粉末を得る。この際、遠心分離などでトナーの微粒子成分を取り除いても良いし、また、乾燥後に必要に応じて公知の分級機を用いて所望の粒径分布にすることができる。
<加熱処理>
本発明においては、水系媒体に分散されたトナー粒子を洗浄する前に、含有されている離型剤の融点以上に水系媒体に分散されたトナー粒子を加熱することが重要である。この処理によりトナー表面に露出している離型剤が溶融して水系媒体中に遊離する。この時、溶融した離型剤が遊離するためには、離型剤が水系媒体中に分散するに十分な界面活性剤が必要である。この界面活性剤はトナー造粒の際に用いたものをそのまま代用しても良いし、新たに投入しても良い。いずれにせよ、加熱処理後の洗浄工程において十分に洗い流されることが重要である。加熱温度は離型剤の融点以上であれば良いが、あまり高すぎるとトナー同士が凝集する場合があるので注意を要する。また、脱溶剤が不十分であるとやはりトナー同士が凝集する恐れがある。さらに、界面活性剤の濃度が極端に薄い場合においてもトナー同士が凝集する恐れがある。
<外添処理>
得られた乾燥後のトナー粉体と前記帯電制御性微粒子、流動化剤微粒子などの異種粒子とともに混合したり、混合粉体に機械的衝撃力を与えることによって表面で固定化、融合化させ、得られる複合体粒子の表面からの異種粒子の脱離を防止することができる。具体的手段としては、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させ、粒子同士または複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法などがある。装置としては、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して、粉砕エアー圧カを下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢などがあげられる。
<プロセスカートリッジ>
本発明の現像剤は、例えば図1に示すようなプロセスカートリッジを備えた画像形成装置に於いて使用することができる。
本発明においては、上述の感光体、帯電手段、現像手段及びクリ−ニング手段等の構成要素のうち、複数のものをプロセスカ−トリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカ−トリッジを複写機やプリンタ−等の画像形成装置本体に対して着脱可能に構成する。
図1に示したプロセスカートリッジは、感光体、帯電手段、現像手段、クリーニング手段を備えている。動作を説明すると、感光体が所定の周速度で回転駆動される。感光体は回転過程において、帯電手段によりその周面に正または負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光等の像露光手段からの画像露光光を受け、こうして感光体の周面に静電潜像が順次形成され、形成された静電潜像は、次いで現像手段によりトナー現像され、現像されたトナー像は、給紙部から感光体と転写手段との間に感光体の回転と同期されて給送された転写材に、転写手段により順次転写されていく。像転写を受けた転写材は感光体面から分離されて像定着手段へ導入されて像定着され、複写物(コピ−)又は印刷物(プリント)として装置外へプリントアウトされる。像転写後の感光体の表面は、クリ−ニング手段によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、更除電された後、繰り返し画像形成に使用される。
以下に、本発明に係るトナーの実施例について説明する。
ここで、まずトナーの測定方法及び評価方法を説明する。尚、以下は一成分現像剤として評価を行ったが、本発明のトナーは、好適な外添処理と好適なキャリヤを使用することにより、二成分現像剤としても使用することができる。
<測定方法>
(粒子径)
トナー粒子の粒度分布の測定方法について説明する。
コールターカウンター法によるトナー粒子の粒度分布の測定装置としては、コールターカウンターTA−IIやコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)があげられる。以下に測定方法について述べる。
まず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を固形分にして2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの体積平均粒径(Dv)、個数平均粒径(Dn)を求めることができる。
チャンネルとしては、例えば2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とすることができる。
(平均円形度)
形状の計測方法としては粒子を含む懸濁液を平板上の撮像部検知帯に通過させ、CCDカメラで光学的に粒子画像を検知し、解析する光学的検知帯の手法が適当である。この手法で得られる投影面積の等しい相当円の周囲長を実在粒子の周囲長で除した値が平均円形度である。
この値はフロー式粒子像分析装置FPIA−2000により平均円形度として計測した値である。具体的な測定方法としては、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスフォン酸塩を0.1〜0.5ml加え、更に測定試料を0.1〜0.5g程度加える。試料を分散した懸濁液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、分散液濃度を3000〜1万個/μlとして前記装置によりトナーの形状及び分布を測定することによって得られる。
(分子量)
使用するポリエステル樹脂やビニル系共重合樹脂などの分子量は、通常のGPC(gel permeation chromatography)によって以下の条件で測定した。
・装置:HLC−8220GPC(東ソー社製)
・カラム:TSKgel SuperHZM−M x 3
・温度:40℃
・溶媒:THF(テトラヒドロフラン)
・流速:0.35ml/分
・試料:濃度0.05〜0.6%の試料を0.01ml注入
以上の条件で測定したトナー樹脂の分子量分布から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して重量平均分子量Mwを算出した。単分散ポリスチレン標準試料としては、5.8×100,1.085×10000,5.95×10000,3.2×100000,2.56×1000000,2.93×1000,2.85×10000,1.48×100000,8.417×100000,7.5×1000000の物を10点使用した。
(ガラス転移点)
使用するポリエステル樹脂やビニル系共重合樹脂などのガラス転移点の測定としては、例えば示差走査熱量計(例えばDSC−6220R:セイコーインスツル社)を用いて、まず、室温から昇温速度10℃/minで150℃まで加熱した後、150℃で10min間放置、室温まで試料を冷却して10min放置、再度150℃まで昇温速度10℃/minで加熱して、ガラス転移点以下のベースラインと、ガラス転移点以上のベースラインの高さが1/2に相当する曲線部分から求めることができる。
(微粒子粒径)
使用するビニル系共重合樹脂微粒子などの粒径は、例えばLA−920(堀場製作所)又はUPA−EX150(日機装)などの測定装置を用いて、分散体のまま測定することができる。
(赤外吸収スペクトルの測定)
得られたトナー母体についてATR-IR法によって、結着樹脂由来のポリエステル(Pes)骨格(ビスフェノール誘導体)に基づくピーク強度(I1)と離型剤(エチレン鎖)に基づくピーク強度(I2)の強度比率Rを求めた。
ここで現像剤の赤外吸収スペクトルの測定は次のように行った。
FT-ATR-IR法として、現像剤3gを直径4cmの型枠に入れ、全体を6MPaの力で30秒間加圧成型した試料を用いて、その表面を測定した。また、バックグラウンドにはAirを用い、4000cm-1〜450cm-1まで16回走査して測定した。
ついでピーク吸光度I1およびI2の値は次のように決定した。
まず、828cm-1付近のピークの両側の谷(約743cm-1および約890cm-1)を結んだベースラインからの828cm-1付近のピーク高さをI1、同様に2850cm-1付近のピークの両側の谷(約2834cm-1および約2862cm-1)を結んだベースラインからの2850cm-1付近のピーク高さをI2とした。
測定に用いた装置は次の通りである。
・装置本体:PerkinElmer社製、Spectrum One FT-IR Spectrometer
・FT-ATR-IR測定時の顕微鏡部分:PerkinElmer社製、AutoIMAGE FT-IR Microscope、
・FT-ATR-IR測定内部反射エレメント(IRE):Ge(ゲルマニウム)
(吸熱量)
得られたトナー母体についてDSC法によりトナー母体に含有される離型剤の吸熱量H1(mJ/mg)を測定した。また、ラウリル硫酸ナトリウムの10%水溶液に、トナー分散濃度が10重量%になるように前記トナー母体を分散してなる分散液を、含有する離型剤の融点の10℃以上の温度に10時間保持し、その後十分に洗浄、乾燥して再度トナー母体を得た後、再度得られたトナー母体についてDSC法によりトナー母体に含有される離型剤の吸熱量H2(mJ/mg)を測定した。なお、吸熱量に関しては、ピーク両端を結んだ線をベースラインとし求められる一般的な方法により解析した。また、離型剤に基づく吸熱ピークが2つ以上離れて存在する場合は、より高温側のピークのみを解析した。一般的には、この高温側のピーク温度が、その離型剤の融点温度とされる。
<評価手法>
(帯電性評価)
外添処理を行ったトナー(現像剤)をリコー製ipsio CX2500を用いて、B/W比6%の所定のプリントパターンをN/N環境下(23℃、45%)で連続印字した。N/N環境下の50枚印字後に、白紙パターン印字中の現像ローラ上のトナーを吸引し、電荷量をエレクトロメータで測定し、帯電量を評価した。
◎:帯電量が30μC/g以上
○:帯電量が25μC/g〜30μC/gの範囲内
△:帯電量が20μC/g〜25μC/gの範囲内
×:帯電量が20μC/g以下
(耐ストレス性評価)
外添処理を行ったトナー(現像剤)をリコー製ipsio CX2500を用いて、B/W比6%の所定のプリントパターンをN/N環境下(23℃、45%)で連続印字した。N/N環境下の2000枚連続印字後(耐久後)に、白紙パターン印字中の現像ローラ上のトナーを吸引し、電荷量をエレクトロメータで測定し、50枚後及び2000枚後の帯電量差を評価した。
◎:帯電量差の絶対値が5μC/g以下
○:帯電量差の絶対値が5μC/g〜10μC/gの範囲内
△:帯電量差の絶対値が10μC/g〜15μC/gの範囲内
×:帯電量差の絶対値が15μC/g以上
(画像汚れ評価)
外添処理を行ったトナー(現像剤)をリコー製ipsio CX2500を用いて、B/W比6%の所定のプリントパターンをN/N環境下(23℃、45%)で連続印字した。N/N環境下の2000枚連続印字後(耐久後)に、テストパターンを印字し、画像汚れを評価した。評価内容は、白紙部分のトナースジの有無および黒点の有無、ベタ画像部分の白抜けスジの有無および白ポチの有無で行った。
◎:画像汚れなし。
○:画像汚れ部分が1点か2点。
△:画像汚れ部分が3点〜5点
×:画像汚れ部分が6点以上
(転写性評価)
外添処理を行ったトナー(現像剤)をリコー製ipsio CX2500を用いて、幅1cmの横黒帯を印字し、感光体に現像された状態で強制停止させ、感光体上のトナー付着量を測定した。リセット後、再度印字して今度は感光体から転写体に転写された状態で強制停止させ、転写体上のトナー付着量を測定し、これらの比率を求めた。
◎:比率がほぼ100%
○:比率が98%以上
△:比率が95%以上
×:比率が95%未満
(定着分離評価(定着OW))
外添処理を行ったトナー(現像剤)をリコー製ipsio CX2500を用いて、A4縦通紙で先端3mmに幅36mmのべた帯画像(付着量11g/m)を印字した未定着画像を作製した。この未定着画像を以下の定着装置を用いて、115℃〜175℃の範囲で10℃刻みの定着温度で定着させ、分離可能/非オフセット温度域を求めた。当該温度域は、加熱ローラからの紙の分離が良好に行われ、オフセット現象が発生しない定着温度範囲をいう。使用ペーパー及び通紙方向は、分離性に不利な45g/m紙のY目の縦通紙で行った。定着装置周速は120mm/secであった。
定着装置は、図2に示すようなフッ素系表層剤構成のソフトローラタイプのものである。詳しくは、加熱ローラ11は、外径40mmで、アルミ芯金13上にシリコーンゴムからなる厚さ1.5mmの弾性体層14及びPFA(四フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)表層15を有しており、アルミ芯金内部にヒーター16を備えている。加圧ローラ12は、外径40mmで、アルミ芯金17上にシリコーンゴムからなる厚さ1.5mmの弾性体層18及びPFA表層19を有している。なお、未定着画像20が印字されたペーパー21は図のように通紙される。
ここでの評価は次のとおりである。
◎:115〜175℃の全範囲で分離可能/非オフセットで、なおかつ定着画像耐性が十分であった。
○:115〜175℃の全範囲で分離可能/非オフセットであったが、低温域での定着画像が引っかきやこすれにより容易にはがれたり傷ついたりしてしまった。
△:分離可能/非オフセット温度域が30℃以上50℃未満であった。
×:分離可能/非オフセット温度域が30℃未満であった。
(耐熱保管性)
トナーを50℃×8時間保管後、42メッシュの篩にて2分間ふるい、金網上の残存率をもって耐熱保管性の指標とした。耐熱保管性は以下の4段階で評価した。
×:30%以上
△:20〜30%
○:10〜20%
◎:10%未満
本発明について以下の内容で実施を行った。
<ポリエステルの合成>
(ポリエステル1)
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物553部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物196部、テレフタル酸220部、アジピン酸45部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時聞反応した後、反応容器に無水トリメリット酸26部を入れ、180℃、常圧で2時間反応し、[ポリエステル1]を得た。[ポリエステル1]は、数平均分子量2200、重量平均分子量5600、Tg43℃、酸価24であった。
<プレポリマーの合成>
冷却管、撹拌機および窒索導入管の付いた反応容器中に、1,2−プロピレングリコール366部、テレフタル酸566部、無水トリメリツト酸44部およびチタンテトラブトキシド6部を入れ、常圧230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応し[中間体ポリエステル1]を得た。[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量3200、重量平均分子量12000、Tg55℃であった。
次に、冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポリエステル1]420部、イソホロンジイソシアネート80部、酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応し、[プレポリマー1]を得た。[プレポリマー1]の遊離イソシアネート重量%は、1.34%であった。
<マスターバッチの合成>
カーボンブラック(キャボット社製 リーガル400R):40部、結着樹脂:ポリエステル樹脂(三洋化成RS−801 酸価10、Mw20000、Tg64℃):60部、水:30部をヘンシェルミキサーにて混合し、顔料凝集体中に水が染み込んだ混合物を得た。これをロ−ル表面温度130℃に設定した2本ロールにより45分間混練を行ない、パルベライザーで1mmφの大きさに粉砕し、[マスターバッチ1]を得た。
(実施例1)
<分散液(油相)の作製>
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[ポリエステル1]96部、パラフィンワックス(融点72℃)32部、酢酸エチル383部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却した。容器を移し替えて、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で分散を行い、[原料溶解液1]を得た。次いで、[原料溶解液1]325部に[ポリエステル1]の70%酢酸エチル溶液338部、[マスターバッチ1]140部を加えてスリーワンモーターで2時間攪拌し、[油相1]を得た。[油相1]の固形分濃度(130℃、30分で測定)が50%となるように酢酸エチルを加えて調整した。
<水相の調製>
イオン交換水834.5部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの50%水溶液(エレミノールMON−7:三洋化成工業製)154部、造粘剤としてカルボキシメチルセルロースの1%水溶液192.5部、酢酸エチル102部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相1]とする。
<乳化工程>
前記[油相1]全量に、[プレポリマー1]115部、イソホロンジアミン1.5部を加え、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmにて1分間混合した後、[水相1]835部を加え、TKホモミキサーで、回転数8,000〜13,000rpmで調整しながら5分間混合し[乳化スラリー1]を得た。
<脱溶剤>
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー1]を投入し、30℃で8時間脱溶剤を行い、[分散スラリー1]を得た。
<加熱処理>
撹拌機および温度計をセットした容器に、[分散スラリー1]を投入し、十分に攪拌しながら離型剤の融点より8℃高い温度となる80℃まで加熱し、1時間80℃に保持した後、室温まで冷却した。
<洗浄→乾燥>
[分散スラリー1]1000部を減圧濾過した後、以下の順番で処理を行った。
(1) 濾過ケーキにイオン交換水1000部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(2) (1)の濾過ケーキにイオン交換水1000部を加え、超音波振動を付与してTKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。リスラリー液の電気伝導度が10μS/cm以下となるようにこの操作を繰り返した。
(3) (2)のリスラリー液のpHが4となる様に10%塩酸を加え、そのままスリーワンモーターで攪拌30分後濾過した。
(4) (3)の濾過ケーキにイオン交換水1000部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。リスラリー液の電気伝導度が10μC/cm以下となるようにこの操作を繰り返し[濾過ケーキ1]を得た。
[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、[トナー母体1]を得た。体積平均粒径(Dv)は5.3μm、個数平均粒径(Dn)は4.8μmで、Dv/Dpは1.10、平均円形度は0.975であった。ついで、この母体トナー100部に1次粒径約30nmの疎水性シリカ0.5部と、1次粒径約10nmの疎水性シリカ0.5部をヘンシェルミキサーにて混合して、本発明の[現像剤1]を得た。
なお、ATR-IR法におけるPes骨格(ビスフェノール誘導体)に基づくピークと離型剤(エチレン鎖)に基づくピークの強度比率Rは、0.043であった。
またDSC法で測定されるトナーに含有される離型剤の吸熱量H1は5.7(mJ/mg)であった。さらに、吸熱量H2は5.6(mJ/mg)であり、H2/H1=0.98となった。
(実施例2)
実施例1において、分散液(油相)の作製におけるパラフィンワックスの仕込み量を
5部とし、それ以外は実施例1と同様にして、本発明の[現像剤2]を得た。
なお、得られた[トナー母体2]における体積平均粒径(Dv)は5.4μm、個数平均粒径(Dn)は4.9μmで、Dv/Dnは1.10、平均円形度は0.971であった。また、ATR-IR法におけるPes骨格(ビスフェノール誘導体)に基づくピークと離型剤(エチレン鎖)に基づくピークの強度比率Rは、0.082であった。
またDSC法で測定されるトナーに含有される離型剤の吸熱量H1は6.6(mJ/mg)であった。さらに、吸熱量H2は6.4(mJ/mg)であり、H2/H1=0.97となった。
(実施例3)
実施例1において、離型剤をパラフィンワックス(融点68℃)として、それ以外は実施例1と同様にして、本発明の[現像剤3]を得た。なお、加熱処理における加熱温度は離型剤の融点より8℃高い温度となる76℃とした。
ここで、得られた[トナー母体3]における体積平均粒径(Dv)は5.7μm、個数平均粒径(Dn)は5.1μmで、Dv/Dnは1.12、平均円形度は0.974であった。また、ATR-IR法におけるPes骨格(ビスフェノール誘導体)に基づくピークと離型剤(エチレン鎖)に基づくピークの強度比率Rは、0.038であった。
またDSC法で測定されるトナーに含有される離型剤の吸熱量H1は3.8(mJ/mg)であった。さらに、吸熱量H2は3.7(mJ/mg)であり、H2/H1=0.97となった。
(実施例4)
実施例3において、分散液(油相)の作製におけるパラフィンワックスの仕込み量を
5部とし、それ以外は実施例3と同様にして、本発明の[現像剤4]を得た。
なお、得られた[トナー母体4]における体積平均粒径(Dv)は5.2μm、個数平均粒径(Dn)は4.6μmで、Dv/Dnは1.13、平均円形度は0.981であった。また、ATR-IR法におけるPes骨格(ビスフェノール誘導体)に基づくピークと離型剤(エチレン鎖)に基づくピークの強度比率Rは0.059であった。
またDSC法で測定されるトナーに含有される離型剤の吸熱量H1は4.5(mJ/mg)であった。さらに、吸熱量H2は4.3(mJ/mg)であり、H2/H1=0.96となった。
(実施例5)
実施例2において、離型剤をポリエチレンワックス(融点72℃)として、それ以外は実施例2と同様にして、本発明の[現像剤5]を得た。
ここで、得られた[トナー母体5]における体積平均粒径(Dv)は5.6μm、個数平均粒径(Dn)は4.9μmで、Dv/Dnは1.14、平均円形度は0.968であった。また、ATR-IR法におけるPes骨格(ビスフェノール誘導体)に基づくピークと離型剤(エチレン鎖)に基づくピークの強度比率Rは、0.093であった。
またDSC法で測定されるトナーに含有される離型剤の吸熱量H1は6.8(mJ/mg)であった。さらに、吸熱量H2は6.5(mJ/mg)であり、H2/H1=0.96となった。
(比較例1)
加熱処理を行わないこと以外は実施例1と同様にし、[現像剤6]を得た。
なお、得られた[トナー母体6]における体積平均粒径(Dv)は5.3μm、個数平均粒径(Dn)は4.8μmで、Dv/Dnは1.10、平均円形度は0.972であった。また、ATR-IR法におけるPes骨格(ビスフェノール誘導体)に基づくピークと離型剤(エチレン鎖)に基づくピークの強度比率Rは、0.089であった。
またDSC法で測定されるトナーに含有される離型剤の吸熱量H1は6.5(mJ/mg)であった。さらに、吸熱量H2は5.7(mJ/mg)であり、H2/H1=0.88となった。
(比較例2)
加熱処理を行わないこと以外は実施例2と同様にし、[現像剤7]を得た。
なお、得られた[トナー母体7]における体積平均粒径(Dv)は5.4μm、個数平均粒径(Dn)は4.9μmで、Dv/Dnは1.10、平均円形度は0.970であった。また、ATR-IR法におけるPes骨格(ビスフェノール誘導体)に基づくピークと離型剤(エチレン鎖)に基づくピークの強度比率Rは、0.134であった。
またDSC法で測定されるトナーに含有される離型剤の吸熱量H1は7.8(mJ/mg)であった。さらに、吸熱量H2は6.2(mJ/mg)であり、H2/H1=0.79となった。
(比較例3)
加熱処理を行わないこと以外は実施例3と同様にし、[現像剤8]を得た。
なお、得られた[トナー母体8]における体積平均粒径(Dv)は5.7μm、個数平均粒径(Dn)は5.1μmで、Dv/Dnは1.12、平均円形度は0.968であった。また、ATR-IR法におけるPes骨格(ビスフェノール誘導体)に基づくピークと離型剤(エチレン鎖)に基づくピークの強度比率Rは、0.102であった。
またDSC法で測定されるトナーに含有される離型剤の吸熱量H1は4.7(mJ/mg)であった。さらに、吸熱量H2は4.1(mJ/mg)であり、H2/H1=0.87となった。
(比較例4)
加熱温度を65℃にすること以外は実施例2と同様にし、[現像剤9]を得た。
なお、得られた[トナー母体9]における体積平均粒径(Dv)は5.4μm、個数平均粒径(Dn)は4.9μmで、Dv/Dnは1.10、平均円形度は0.970であった。また、ATR-IR法におけるPes骨格(ビスフェノール誘導体)に基づくピークと離型剤(エチレン鎖)に基づくピークの強度比率Rは、0.124であった。
またDSC法で測定されるトナーに含有される離型剤の吸熱量H1は7.5(mJ/mg)であった。さらに、吸熱量H2は6.4(mJ/mg)であり、H2/H1=0.85となった。
(比較例5)
加熱温度を65℃にすること以外は実施例4と同様にし、[現像剤10]を得た。
なお、得られた[トナー母体10]における体積平均粒径(Dv)は5.2μm、個数平均粒径(Dn)は4.6μmで、Dv/Dnは1.13、平均円形度は0.979であった。また、ATR-IR法におけるPes骨格(ビスフェノール誘導体)に基づくピークと離型剤(エチレン鎖)に基づくピークの強度比率Rは、0.117であった。
またDSC法で測定されるトナーに含有される離型剤の吸熱量H1は5.8(mJ/mg)であった。さらに、吸熱量H2は4.4(mJ/mg)であり、H2/H1=0.76となった。
現像剤の特性と評価結果を表1、表2に示す。
その結果、本発明の実施例による現像剤では頗る良い結果が得られた。しかし、離型剤の融点以上で加熱処理をしなかった比較例の現像剤においては、特に耐久試験で現像部材汚染が発生し、画像に縦スジが発生して帯電量が大幅に低下した。
Figure 0004866276
Figure 0004866276
本発明に係るプロセスカートリッジを用いた画像形成装置の構成を示す概略図である。 本発明で用いる定着装置の構成例を示す概略図である。
符号の説明
11 加熱ローラ
12 加圧ローラ
13,17 アルミ芯金
14,18 弾性体層
15,19 PFA表層
16 ヒーター
20 未定着画像
21 ペーパー

Claims (12)

  1. 有機溶媒中に少なくとも顔料、結着樹脂及び/又は結着樹脂前駆体、離型剤を含有する有機相分散液を得た後、該有機相分散液を水系媒体中に分散することにより造粒するトナーの製造方法であって、
    前記有機相分散液を水系媒体と混合した後に前記有機溶媒を脱溶して水系媒体中にトナー粒子が分散してなる分散スラリーとし、ついで該分散スラリーを前記離型剤の融点温度以上に加熱した後にトナー粒子を洗浄し、
    前記分散スラリーは、界面活性剤を含有することを特徴とするトナーの製造方法。
  2. 前記界面活性剤は、一価もしくは二価のアニオン系界面活性剤であることを特徴とする請求項1に記載のトナーの製造方法。
  3. 前記離型剤は、パラフィンワックスもしくはポリエチレンワックスであることを特徴とする請求項1又は2に記載のトナーの製造方法。
  4. 前記結着樹脂は少なくとも2種以上の結着樹脂からなり、ウレタン又は/及びウレア基を有する変性されたポリエステル樹脂を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  5. 前記ポリエステル樹脂は、末端にイソシアネート基を有する変性ポリエステル樹脂とアミン類との反応によって鎖伸長又は/及び架橋された変性ポリエステル樹脂成分を含有することを特徴とする請求項4に記載のトナーの製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のトナーの製造方法によって製造されてなることを特徴とするトナー。
  7. 請求項6に記載のトナーを充填したことを特徴とするトナー容器。
  8. 請求項6に記載のトナーを含有することを特徴とする現像剤。
  9. 請求項8に記載の現像剤を用いることを特徴とする画像形成装置。
  10. 定着部材にローラを用いることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
  11. 定着部材にオイル塗布をしないことを特徴とする請求項9又は10に記載の画像形成装置。
  12. 請求項9〜11のいずれかに記載の画像形成装置において用いられるプロセスカートリッジであって、感光体と、感光体を帯電する帯電手段、現像手段、クリ−ニング手段より選ばれる少なくとも一つの手段を一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカ−トリッジ。
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