JPH1020549A - 電子写真用トナー、その製造方法、電子写真現像剤および画像形成方法 - Google Patents

電子写真用トナー、その製造方法、電子写真現像剤および画像形成方法

Info

Publication number
JPH1020549A
JPH1020549A JP16874496A JP16874496A JPH1020549A JP H1020549 A JPH1020549 A JP H1020549A JP 16874496 A JP16874496 A JP 16874496A JP 16874496 A JP16874496 A JP 16874496A JP H1020549 A JPH1020549 A JP H1020549A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
wax
oily
electrophotographic
medium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP16874496A
Other languages
English (en)
Inventor
Teigen Ri
廷原 李
Hirotaka Matsuoka
弘高 松岡
Hiroyuki Tanaka
浩之 田中
Isamu Suzuki
勇 鈴木
Tsutomu Kubo
久保  勉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP16874496A priority Critical patent/JPH1020549A/ja
Publication of JPH1020549A publication Critical patent/JPH1020549A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Dry Development In Electrophotography (AREA)
  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】トナーの粉体流動性、発色性、OHPの透明性
等が改善された良好な特性を有するオイルレストナーと
して使用できる電子写真用トナーおよびその製造方法、
それを用いた画像形成方法を提供する。 【解決手段】 電子写真用トナーの製造方法は、結着樹
脂および着色剤を油性媒体中に溶解分散させる工程、得
られた油性混合物を無機分散剤の存在下で水性媒体中に
分散させて造粒する工程、形成された油性液滴を含む水
性媒体中にワックス分散液を添加する工程、油性液滴中
から油性媒体を除去する工程よりなり、粒子表面におけ
るワックスの露出量がトナー粒子の表面積の0.1ない
し10%の範囲にあるトナー粒子を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法におい
て、離型のためのオイルを使用しなくても定着が可能な
電子写真用トナーおよびその製造方法、電子写真現像剤
およびその電子写真用トナーを用いた画像形成方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真法を用いた複写機、プリ
ンター等は、デジタル化とカラー化について著しい進歩
をとげている。デジタルカラー複写機、プリンターにお
いては、カラーの発色性およびOHP(オーバーヘッド
プロジェクター)透明性を良好にするために、比較的低
分子量の樹脂を用いてトナー同士の融着性および画像表
面の平滑性を向上させることが行われている。さらにデ
ジタル化により感光体上の静電潜像がより微細化される
ようになったために、それを再現するトナーについても
小径化が行われている。しかしながら、低分子量の樹脂
を用いたカラートナーの場合、トナーと定着ロールの表
面材料との間の親和性が高いため、トナーが定着ロール
の表面に付着するオフセット現象が発生する傾向にあ
る。
【0003】従来、定着ロールの表面材料からのトナー
の剥離性を向上させ、オフセットの発生を防止させる方
策として、シリコーンオイル等のフューザーオイルを使
用する方式が採用されているが、この方式は記録媒体で
ある紙やOHPシートにフューザーオイルが付着して複
写され、複写画像の触感と筆記性の低下、OHPシート
のベタツキ感等の問題が発生した。このような問題に対
して、オイル塗布を必要としない定着システム、或い
は、いわゆるオイルレストナーの研究開発が求められ、
その開発にかかる期待は大きいものである。
【0004】例えば、従来のオイルレストナーは、特公
平7ー120069号公報に記載のように、予め樹脂材
料に電荷制御剤を含有させ、混練粉砕法でトナーを作製
した後、ワックスを分散した溶液にトナーを分散して、
トナーに含有させた電荷制御剤によってトナー粒子の表
面上にワックスを付着させることにより製造されてい
る。したがって、従来のトナーを、カラートナーとして
用いた場合、トナーの剥離性は向上するが、図2に示す
ように、不透明性である電荷制御剤4がトナー粒子1の
表面側と内部に分散されている状態になっており、実際
に液中でワックス2を吸着する有効な電荷制御剤はトナ
ー粒子の表面側のみのもので、トナーに内包されている
電荷制御剤は過剰なものであり、また、トナー粒子の表
面に付着させる不透明性のワックスについても、トナー
が混練粉砕法により製造されているため、トナー粒子の
形状が不定形になり、付着させるワックスの面積、量等
を定量的に調節することができず、紙面での発色性、O
HPシートでの透光性が低下する。また、小径トナーを
用いるデジタルカラー複写機またはプリンターにおいて
は、ワックスが不均一に付着するために十分なオイルレ
ス性を得るには過剰なワックスが必要になり、カラート
ナーの粉体流動性を極端に悪化させ、トナーの均一な帯
電を阻害し、カブリ等の画質欠陥を引き起こす場合があ
る。さらに、キャリア、感光体等の汚染の原因にもな
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
における上記のような問題を解決した電子写真用トナー
およびそれを製造する方法を提供することを目的として
なされたものである。すなわち、本発明の目的は、トナ
ーの粉体流動性、発色性、OHPの透明性等が改善され
た良好な特性を有するオイルレストナーとして使用でき
る電子写真用トナーおよびその製造方法を提供すること
にある。本発明の他の目的は、上記の電子写真用トナー
を用いて画像を形成する画像形成方法を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、球形トナー
粒子を作製し、その表面上に付着するワックスのトナー
粒子表面に占める面積を特定量に制御することによっ
て、オイルレス定着に必要なワックスの量のみをトナー
表面上に付着させ、トナーの粉体流動性、発色性、OH
Pの透明性等を改善した良好なオイルレストナーを提供
することができることを見出だし、本発明を完成するに
至った。なお、ここでいうオイルレスとは、剥離性を上
げるためにフューザーオイルを使用しないことを意味す
るものであって、定着表面材料保護のために少量のオイ
ルを使用する場合はオイルレスの範囲に含まれる。
【0007】本発明の電子写真用トナーの製造方法は、
結着樹脂および着色剤を油性媒体中に溶解分散させる工
程、得られた油性混合物を無機分散剤の存在下で水性媒
体中に分散させて造粒する工程、造粒による油性液滴を
含む水性媒体中にワックス分散液を添加する工程、油性
液滴中から油性媒体を除去する工程よりなり、粒子表面
におけるワックスの露出量がトナー粒子の表面積の0.
1ないし10%の範囲にあるトナー粒子を得ることを特
徴とする。
【0008】より具体的には、本発明の電子写真用トナ
ーの製造方法は、結着樹脂及び着色剤を含むトナー組成
物を溶解可能な油性媒体中に溶解または分散させて油相
となる油性混合物を形成し、無機分散剤を含有するセル
ロース水性溶液の中に分散して球形トナーを造粒し、ト
ナー粒子の表面上に付着した無機分散剤を取り除く前
に、水を溶媒としたワックス分散液を加えることによっ
て無機分散剤の隙間を通しワックスをトナー粒子表面上
に付着させることによって、トナー粒子の表面積に付着
する無機分散剤とワックスが示す表面積比を制御し、ト
ナー粒子の表面積に対し0.1ないし10%のワックス
を付着させることよりなる。上記のワックス分散液には
セルロースや電荷制御剤を添加してもよい。
【0009】本発明の電子写真用トナーは、上記の方法
で製造されたトナー粒子よりなり、そのトナー粒子表面
におけるワックスの露出量がトナー粒子の表面積の0.
1ないし10%であることを特徴とする。また本発明の
電子写真現像剤は、芯材上に樹脂被覆層を有するキャリ
アと、上記の電子写真用トナーとからなることを特徴と
する。また、本発明の画像形成方法は、現像剤担持体上
に形成された現像剤層を用いて、潜像保持体上の静電潜
像を現像するものであって、現像剤として、上記の方法
により得られた電子写真用トナーを含有する現像剤を用
いることを特徴とする。
【0010】本発明において、トナー粒子表面における
ワックスの露出量は、次のようにして求められる。ワッ
クスを付着する前の粒子上の無機分散剤の被覆率を算出
し、全被覆率からその値を引くことにより求められる。
すなわち、ワックスは、無機分散剤が付着していない粒
子表面に付着するため、無機分散剤の被覆率を求めれ
ば、ワックスの被覆率が求められる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法においては、ま
ず、第1の工程において結着樹脂および着色剤を油性媒
体中に溶解分散させて油性混合物を得る。本発明に使用
される結着樹脂としては、スチレン、パラクロロスチレ
ン、α−メチルスチレン等のスチレン類、アクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、ア
クリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メ
タクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸
n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2
−エチルヘキシル等のビニル基を有するエステル類、ア
クリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリ
ル類、ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテ
ル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニル
エチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニル
ケトン類、エチレン、プロピレン、ブタジエン等のポリ
オレフィン類等の単量体等の単独重合体またはこれらを
2種以上組み合せて得られる共重合体またはこれらの混
合物、さらにはエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ
ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリ
エーテル樹脂等、非ビニル縮合系樹脂、あるいはこれら
と前記ビニル系樹脂との混合物やこれらの共存下でビニ
ル系単量体を重合する際に得られるグラフト重合体等を
あげることができる。特に、ポリエステル樹脂が好まし
く、具体的には、エチレングリコール、ビスフェノール
Aポリオキシアルキレン、グリセリン等の多価アルコー
ルと、コハク酸、フタル酸等の多塩基酸を重縮合するこ
とによって生成するものが用いられる。特に溶融温度が
40℃〜150℃の範囲のポリエステル樹脂が好ましく
用いられる。また、スチレン・アクリル樹脂等も使用す
ることができ、それをポリエステル樹脂と併用してもよ
い。
【0012】結着樹脂を溶解させる油性媒体としては、
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル等のエステル系
溶剤、ジエチルエーテル等のエーテル系溶剤、メチルエ
チルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブ
チルケトン等のケトン系溶剤、トルエン等の炭化水素系
溶剤、ジクロロメタン、クロロホルム、トリクロロエチ
レン等のハロゲン化炭化水素系溶剤等が用いられる。ま
た、本発明に用いられる着色剤は、公知の無機顔料また
は有機顔料であって、それらをトナー構成材料全量の1
ないし10重量%の範囲で用いることができる。
【0013】上記の結着樹脂および着色剤を油性媒体中
に添加し、適宜の方法により混合撹拌して結着樹脂を溶
解させ、着色剤を分散して油相となる油性混合物を形成
させる。
【0014】得られた油性混合物は、次の工程におい
て、無機分散剤の存在下で水性媒体中に分散させて造粒
する。すなわち、水中に無機分散剤を分散させた水性媒
体に油性混合物を添加し、高剪断力の下に微細に分散さ
せて粒子径10μm以下の微粒子に造粒する。本発明に
おいて、無機分散安定剤を使用するのは次に理由によ
る。すなわち、トナーの主成分である結着樹脂が溶解し
た油性混合物は高粘度のものであり、高剪断力で油性混
合物を微細に分離した後、安定化させる必要があるが、
そのために、無機分散剤を用いて、分離した油性混合物
(油滴)の周囲を無機分散剤で囲み、油滴同士が再凝集
するのを防ぎ、安定化させる。
【0015】本発明において使用される無機分散剤は、
分散後に粒子表面上に付着した状態でトナー粒子が造粒
されるので溶媒と親和性がない塩酸等の酸類によって除
去できるものが好ましく、例えば、炭酸カルシウム、塩
化カルシウム、炭化水素ナトリウム、炭化水素カリウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が使用でき
る。また、その形状は、トナー粒子表面上に付着しやす
くするために球状または立方体状のもので、平均粒径
0.1μmないし5μmの微粒子が望ましい。これらの
無機分散剤は、トナー100重量部に対し、1〜500
重量部の範囲で用いられ、特に好ましくは10〜300
重量部の範囲である。
【0016】なお、無機分散剤を水の中で安定に分散さ
せるために、水溶性で自然の環境に無害なセルロース等
の界面活性剤を添加するのが好ましい。それにより水性
媒体の粘度を高くなり、水性媒体中で無機分散剤が沈降
することなく分散されるようになる。セルロースの量
は、水の0.1〜5重量%の範囲で用いることができ、
水の2〜3重量%の範囲が好ましい。
【0017】次の工程において、上記のようにして造粒
により形成された油性液滴を含む水性媒体中にワックス
分散液が添加される。本発明において使用されるワック
ス分散液は、平均粒径が5μm以下のものが好ましい。
特に、無機分散剤の平均粒径よりも小さいものを用いる
ことが好ましく、無機分散剤の隙間からワックスを付着
させることができる。
【0018】また、ワックスは、溶融温度が20℃〜1
00℃の範囲のものが好ましく、トナーの結着樹脂より
低い温度で溶融して、画像の表面と定着ロールの表面材
料との間の剥離性を向上させる。本発明において使用す
るワックスとしては、天然ワックスとして、炭化水素や
モンタンロウを主成分とする石油ワックス、鉱物ワック
ス等、合成ワックスとして、ポリエチレンワックス、ポ
リプロピレンワックス等の低分子量ポリオレフィン類、
フィッシャー・トロプシュワックス等が使用でき、その
他静電荷像現像用トナー粒子の離型剤として公知のもの
を用いることができる。これらワックスは、水系媒体中
に分散させたワックス分散液として使用される。
【0019】これらのワックスは、トナーに対し、重量
比で5%以下の範囲で用いることができるが、トナー粒
子の表面積に対して0.1ないし10%の露出量になる
ように制御することが必要である。ワックスは、無機分
散剤の隙間を通してトナー粒子表面に付着するので、す
なわち、トナー粒子に付着するワックスの面積は無機分
散安定剤の面積によって左右されるので、ワックスの露
出量の制御は、ワックスの量と共に、トナーの表面上に
付着した無機分散剤のトナー粒子表面に占める比率を調
整することによって行うことができる。ワックスの露出
量がトナー粒子の表面積に対し0.1%よりも小さい場
合には、ワックスの添加効果が発揮されなく、一方、1
0%よりも大きくなると、ワックス量が多いためにOH
Pにおける透光率が低下し、また粉体特性等が低下す
る。
【0020】上記のようにして得られた分散体混合物に
ついて、次の工程において油性液滴中から油性媒体を除
去する。具体的には、分散体混合物を40℃の湯浴中で
加熱しながら撹拌すればよい。それによって油性液滴中
に含まれる油性媒体が蒸発して除去される。脱溶媒され
た水性分散体は、次いで、所望によりワックスの融点以
上の温度に加熱して、トナー粒子表面に付着したワック
スを融着させる。
【0021】トナー粒子に付着している無機安定剤は、
分解除去する。無機分散剤を除去する方法としては、ワ
ックスを付着させた溶液の状態で加熱処理を施し、ワッ
クスをトナー粒子の表面に融着させた後、塩酸等の酸で
無機分散剤を溶解除去する方法が採用できる。処理され
た水性分散体は、濾過し、水洗することによって、目的
とする電子写真用トナーを得ることができる。
【0022】次に、本発明の電子写真現像剤について説
明する。本発明の電子写真現像剤は、上記のようにして
製造された電子写真用トナーと、芯材上に樹脂被覆層を
有するキャリアとから構成される。キャリアの芯材とし
ては、鉄、鋼、ニッケル、コバルトなどの磁性金属、フ
ェライト、マグネタイトなどの磁性酸化物を用いること
ができる。樹脂被覆層に使用する樹脂としては、フッ素
含有アクリル樹脂、ポリウレア樹脂、ポリオレフィン樹
脂、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹
脂等をあげることができる。それらは、0.1〜3.0
重量%の被覆量になるように被覆される。トナーとキャ
リアの配合比率は、3:100〜15:100の範囲が
好ましい。
【0023】上記のようにして得られた本発明の電子写
真用トナーは、従来公知のが画像形成方法において使用
される。すなわち、適当な潜像保持体、例えば、電子写
真感光体或いは誘電記録体上に公知の方法で静電潜像を
形成し、一方、上記電子写真用トナーとキャリアよりな
る現像剤を用い、現像剤担持体の上に、例えば層規制部
材などによって現像剤層を形成する。この現像剤層を上
記潜像保持体と対向させることによって静電潜像が可視
像化される。形成されたトナー像は、公知の方法によっ
て転写体に転写され、定着される。
【0024】
【実施例】
実施例1 以下、本発明のトナー粒子の作製方法について説明す
る。 1)油性混合物 ポリエステル樹脂(ビスフェノールAポリオキシエチレン 100重量部 付加物とテレフタル酸との縮重合物、Mn:2000、 Mw:12000、Tg:66℃、Tm:106℃) 酢酸エチル 100重量部 顔料(銅フタロシアニン) 5重量部 上記組成の混合物を、ミキサーの回転せん断力によって
溶媒の中でポリエステル樹脂が溶解し、顔料が分散され
るように十分撹拌して油性混合物を調製した。 2)水性媒体 水 400重量部 炭酸カルシウム(平均粒径1μm) 144重量部 セルロース 10重量部 上記組成の混合物を、ミキサーの回転せん断力によって
十分撹拌し、分散させて水性媒体を作製した。
【0025】3)球形トナーに造粒する工程 上記の水性媒体に、上記の油性混合物を添加し、ミキサ
ーにより6000回転で6分間混合して、収縮流とせん
断流によって、ポリエステル樹脂と顔料よりなる油性混
合物を水性媒体中に分散させ、平均粒子径8μmの球状
粒子を形成させた。その際、トナー表面積比で約90%
に炭酸カルシウムが付着していた。図1(a)は、その
状態を説明するものである。トナー粒子1の表面に炭酸
カルシウム3が付着した状態を示す。
【0026】4)ワックスの付着 水40重量部にポリエチレンワックス(融点89℃)1
6重量部を平均粒径1μmになるように分散させたワッ
クス分散液を、上記3)で作製されたトナー粒子を含む
水性媒体に加えてゆっくり撹拌した。それにより、トナ
ー粒子表面の炭酸カルシウムが付着した残りの部分(1
0%)にポリエチレンワックスが付着した。図1(b)
は、その状態を説明するものであって、トナー粒子1の
表面に付着した炭酸カルシウムの隙間にワックス2が付
着した状態を示している。
【0027】5)脱溶媒およびワックスの融着 上記のようにして得られた水性分散混合物を、40℃に
加熱しながら30分間撹拌し、酢酸エチルを蒸発させ
た。その後、ポリエチレンワックスの融点である89℃
まで温度を上昇させ、3分間保持して、トナー表面にポ
リエチレンワックスを融着させた。
【0028】6)無機分散剤の除去および洗浄 上記の処理を行った水性分散混合物に濃度36%の塩酸
水溶液を添加し、10分間撹拌することによって、トナ
ー表面に付着した炭酸カルシウムを完全に除去した。水
性分散混合物を濾過し、pHが中性になるまで水洗した
後、真空乾燥してトナーを得た。得られたトナー粒子
は、球状で、ポリエチレンワックスの露出量が10%で
あった。図1(c)は、その状態を説明するものであ
る。
【0029】実施例2 実施例1において、炭酸カルシウムの量を152重量
部、ポリエチレンワックスの量を8重量部に変更した以
外は、実施例1と同様にしてトナーを得た。得られたト
ナーのポリエチレンワックス露出率は5%であった。
【0030】実施例3 実施例1における炭酸カルシウムの量およびポリエチレ
ンワックスの量を調整することにより、ワックス露出量
0%、5%、10%および20%の4種のトナーを作製
し、それらについて透明性、発色性、熱凝集度などを評
価した。それらの結果を表1に示す。
【0031】なお、トナーの評価方法は、次の通りであ
る。複写は、Aカラー635(富士ゼロックス社製)を
改造したものを用い、プロセス速度:160mm/s、
定着条件:155℃定着、フッ素樹脂ロール、離型剤オ
イル供給なし、の条件で行った。透明性の評価は、OH
Pシート上に定着したサンプルを、分光度計(日立社
製)を用いて、可視光線領域(波長:400nm〜60
0nm)での投光率を測定した。発色性の評価は、グロ
スメーター(村上社製)を用いて測定した。また、熱凝
集度の評価は、トナー5gを45℃、50%RHのチャ
ンバーに17時間放置し、室温に戻した後、トナー2g
を取り出して目開き45μmのメッシュに投入し、一定
の条件で振動させた後、メッシュ上に残留したトナーの
重量を測定し、その重量比を熱凝集度の指数とした。な
お、総合評価の○は優れている、×は悪いことを意味す
る。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、トナーの粉体流動性、
発色性、OHPの透明性等が改善された良好な特性を有
するオイルレストナーとして使用できる電子写真用トナ
ーを製造することができる。本発明により得られる電子
写真トナーは、球形であり、トナー粒子の内部にワック
ス、電荷制御剤等を添加することなく、オイルレス定着
に必要な量のワックスのみがトナー粒子表面に付着して
いるので、過剰なワックスよる画像表面の発色性低下、
トナーの粉体流動性の低下、OHPの透明性の低下など
が生じなく、転写性が改善されたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1における工程を説明するた
めの図である。
【図2】 従来のトナー粒子におけるワックスの付着状
態を示す図である。
【符号の説明】
1…トナー粒子、2…ワックス、3…無機分散剤(炭酸
カルシウム)、4…電荷制御剤。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 勇 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 久保 勉 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結着樹脂および着色剤を油性媒体中に溶
    解分散させる工程、得られた油性混合物を無機分散剤の
    存在下で水性媒体中に分散させて造粒する工程、形成さ
    れた油性液滴を含む水性媒体中にワックス分散液を添加
    する工程、油性液滴中から油性媒体を除去する工程より
    なり、粒子表面におけるワックスの露出量がトナー粒子
    の表面積の0.1ないし10%の範囲にあるトナー粒子
    を得ることを特徴とする電子写真用トナーの製造方法。
  2. 【請求項2】 結着樹脂および着色剤を油性媒体中に溶
    解分散させ、得られた油性混合物を無機分散剤の存在下
    で水性媒体中に分散させて造粒し、さらにワックス分散
    液を添加した後、油性液滴中から油性媒体を除去するこ
    とによって得られたトナー粒子よりなり、該トナー粒子
    表面におけるワックスの露出量がトナー粒子の表面積の
    0.1ないし10%であることを特徴とする電子写真用
    トナー。
  3. 【請求項3】 芯材上に樹脂被覆層を有するキャリア
    と、請求項2記載の電子写真用トナーとからなることを
    特徴とする電子写真現像剤。
  4. 【請求項4】 現像剤担持体上に形成された現像剤層を
    用いて、潜像保持体上の静電潜像を現像する画像形成方
    法において、現像剤として、請求項2の電子写真用トナ
    ーを含有する現像剤を用いることを特徴とする画像形成
    方法。
JP16874496A 1996-06-28 1996-06-28 電子写真用トナー、その製造方法、電子写真現像剤および画像形成方法 Pending JPH1020549A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16874496A JPH1020549A (ja) 1996-06-28 1996-06-28 電子写真用トナー、その製造方法、電子写真現像剤および画像形成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16874496A JPH1020549A (ja) 1996-06-28 1996-06-28 電子写真用トナー、その製造方法、電子写真現像剤および画像形成方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1020549A true JPH1020549A (ja) 1998-01-23

Family

ID=15873618

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16874496A Pending JPH1020549A (ja) 1996-06-28 1996-06-28 電子写真用トナー、その製造方法、電子写真現像剤および画像形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1020549A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004066031A1 (ja) * 2003-01-20 2004-08-05 Ricoh Company, Ltd. トナー、現像剤、画像形成装置、プロセスカートリッジ及び画像形成方法
JP2008233288A (ja) * 2007-03-19 2008-10-02 Ricoh Co Ltd トナー及びその製造方法、トナー容器、現像剤、画像形成装置並びにプロセスカートリッジ

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004066031A1 (ja) * 2003-01-20 2004-08-05 Ricoh Company, Ltd. トナー、現像剤、画像形成装置、プロセスカートリッジ及び画像形成方法
US7169525B2 (en) 2003-01-20 2007-01-30 Ricoh Company, Ltd. Toner, developer, image forming apparatus, process cartridge and image forming process
JP2008233288A (ja) * 2007-03-19 2008-10-02 Ricoh Co Ltd トナー及びその製造方法、トナー容器、現像剤、画像形成装置並びにプロセスカートリッジ
US8691484B2 (en) 2007-03-19 2014-04-08 Ricoh Company, Ltd. Toner and method for producing the same, toner container, developer, image forming apparatus and process cartridge

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4978370B2 (ja) 画像形成方法及び画像形成装置
JP3399294B2 (ja) 静電荷像現像用トナーの製造方法、静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤及び画像形成方法
JP3591334B2 (ja) 画像形成用トナー、その作製方法、およびそれを用いた立体画像の形成方法ならびに画像形成装置
JP2001228647A (ja) 静電荷像現像用トナー及びその製造方法、現像剤、並びに画像形成方法
JPH11327201A (ja) 静電荷像現像用トナー及びその製造方法、静電荷像現像剤並びに画像形成方法
JP2014163996A (ja) 光輝性トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法
JP4207224B2 (ja) 画像形成方法
JP2000275907A (ja) 静電潜像現像用トナーおよびその製造方法、ならびに該静電潜像現像用トナーを用いた静電潜像現像剤および画像形成方法
JP3428364B2 (ja) 着色剤分散液、静電荷像現像用トナーの製造方法、静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤及び画像形成方法
JP2003202699A (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤及び画像形成方法
JP3644208B2 (ja) 静電潜像現像用トナー、静電潜像現像剤および画像形成方法
JPH09319143A (ja) 電子写真用トナー、その製造方法、電子写真用現像剤および画像形成方法
JP2006267280A (ja) 静電荷現像用トナー、静電荷現像剤、画像形成方法
JPH1020549A (ja) 電子写真用トナー、その製造方法、電子写真現像剤および画像形成方法
JPH0348861A (ja) マイクロカプセルトナー
JP2001117273A (ja) トナー及びその製造方法、現像剤、並びに画像形成方法
JP4830724B2 (ja) トナー
JP4375222B2 (ja) 静電潜像現像剤
JP3451817B2 (ja) 静電荷像現像用トナーおよびその製造方法
JP2004361509A (ja) 静電像現像用トナー
JP3823725B2 (ja) 電子写真用トナー、電子写真用現像剤、及びそれを用いた画像形成方法
JP2000003064A (ja) カラートナーによる画像形成方法
JP4300782B2 (ja) 静電荷像現像用カラートナー、静電荷像現像剤及び画像形成方法
JPS6199155A (ja) 静電荷像現像用トナー
JP3465035B2 (ja) 2成分現像剤及び画像形成方法