JP3591334B2 - 画像形成用トナー、その作製方法、およびそれを用いた立体画像の形成方法ならびに画像形成装置 - Google Patents

画像形成用トナー、その作製方法、およびそれを用いた立体画像の形成方法ならびに画像形成装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成用トナー、その作製方法、およびそれを用いた立体画像の形成方法ならびに画像形成装置に関する。より詳細には、静電プロセス等を用いて立体画像を形成する場合に好適に用いられる画像形成用トナー、その作製方法、およびそれを用いた立体画像の形成方法ならびに画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
宣伝用や教育用資料として、立体画像の資料が用いられている。立体画像は、平面的な視覚情報だけでなく、陰影や指の触感などから、受け手に3次元的情報を与え、強い印象や理解を持たせる事ができるため有用である。特に、有効な使われ方として、点字用の文字、点字用の画像がある。立体画像は、言語情報だけでなく、地図などの画像情報として使われ、視覚障害の人に対し必要不可欠のものとなっている。
【0003】
立体画像を形成する方法として、従来以下の方法が知られている。
例えば、点字文字等の作製には、点字用タイプライタで紙面に突起をエンボス加工して形成する方法が広く用いられている。また、立体画像を複製し、点字本等を作製する方法としては、前記点字用タイプライタと同様の原理により、亜鉛の板に点字画像を形成したものを原版として使用し、点字製版機や点字印刷機を用いて複製する方法がある。また、立体画像のパンフレット等を作製する方法としては、紫外線硬化性の高粘度ポリマーインクを、通常のシルクスクリーンなどの印刷技術を利用して山状に印刷し、その後、紫外線硬化させ、立体画像を形成する方法があるが、一般のオフィスなどで簡便に利用できる方法ではない。
【0004】
従来の立体画像形成方法は、時間がかかる上、使用場所が限定されるという欠点を有する。さらに、立体画像を複製する場合は、複製の工程および用いる装置が複雑で大掛かりとなり、今日の情報化社会には適さないものである。今日のオフィス機器は目覚しい進歩をとげ、特に、パーソナルコンピューターの進歩、浸透により、資料の作成が迅速、容易となり、その出力機器も小型化、軽量化、低コスト化、高速化、およびカラー化を達成してきている。立体画像についても、容易に出力および複製が可能となる機器が望まれている。特に、通常文字(平面状の文字)を点字文字に変換可能な、あるいはその逆の変換可能なソフトが安価に入手できるようになれば、さらに視覚障害者の社会参加を促進することができる。また、視覚障害者同士間での電子メールのやり取りの可能性を広げるためにも、点字文字等を簡易に出力できる出力装置が必要である。
即ち、立体画像の出力や複製においても、従来の複雑で大型のシステムに替えて、今日のオフィス環境に対応した容易かつ高速なシステムが嘱望されているのが実状である。
【0005】
これに対し、特開平8−60054号公報には、紫外線分解型気体発生感光性化合物を含有したインクジェット用インク、これを用いた装置、およびこれを用いた立体画像の形成方法が提案されている。前記公報に開示されている出力装置は小型であり、さらに、パーソナルコンピューターからの出力も可能であるので、有効な立体画像の形成方法である。しかし、立体画像を普通紙に出力しようとすると、液体インクが紙の繊維間に浸透し、紫外線で画像を膨張させても十分な立体画像が得られないという問題がある。そのため、PETなどの非吸液性被記録材を使用する提案もあるが、高コストでしかも製本などには向かず、実用化は困難である。
【0006】
そこで簡易に点字画像を形成する方法として、広くオフィスやパーソナルユースに利用されている電子写真方式を用いる方法が提案されている。たとえば、特公昭59−35359号公報、特開昭61−72589号公報に熱膨張性シートを用いる方法が提案されている。これは、紙などの支持体の上に熱膨張性材料を均一に塗布し、画像部分だけを熱膨張させ、立体画像を作製する方法である。この方法によれば、通常の複写機が利用でき、従来の普通紙の代わりにこの熱膨張性シートを用い、シート上に黒トナーからなる画像を作製し、その黒トナーの熱吸収性を利用して、トナー画像下の熱膨張材料を膨張させ、立体画像を形成するものである。この方法は、容易に立体画像を形成できるという点で好ましいが、熱膨張材料を十分熱膨張させるためには黒トナーが必要である点、別の加熱装置が必要である点、充分な画像厚みを有する立体画像を形成するには時間がかかる点、さらにシート全面に熱膨張性材料を塗布しておく必要があり、省資源化の要請に応えられないという点等から好ましくない。さらに、シートが厚く、多数枚を本などのように製本することには不向きであり、実用化するのは困難である。
【0007】
一方、特開平4−333858号公報、特開平8−63039号公報には従来の電子写真方式を用い、画像上のトナー量を多くして立体画像を形成する方法が提案されている。この方法は、従来のトナーを従来よりも多量に使用してトナー画像を形成し、画像高さを高くする方法であるので、紙などへのトナーの定着が不十分となったり、一方、定着を十分とするために高温定着を行うと、トナーが溶け、紙の繊維へ浸み込み、画像高さが不十分となるなどの問題がある。
【0008】
さらに、特開昭52−28325号公報には乾燥泡沸剤含有の電子写真用トナーが提案されている。これは従来のトナーと前記泡沸剤とを粉体混合したトナーを用い、画像形成後、乾燥泡沸剤を熱により膨張させ、立体画像を得るというものである。しかしながら、粉体混合によっては、トナーと泡沸剤とを充分に均一に混合することができないため、紙との界面に接着力のない泡沸剤が存在する場合が多くなり、十分な定着性を有する立体画像は得られない。また、トナー粒子とかかる乾燥泡沸剤とは接着性が十分でないため、接着性をより高めるため、トナー中に乾燥泡沸剤をある程度含有させ(この際含有させる乾燥泡沸剤は、トナー作製時の加熱混練のため泡沸し、熱膨張性は消失する。)、そこに乾燥泡沸剤をさらに粉体混合し、トナー粒子と泡沸剤の接着性を向上させる等の工夫も考案されている。しかし、紙とトナーとの接着性は向上せず、画像と紙との定着性は依然不十分である。また、一般に結着樹脂と乾燥泡沸剤の帯電性は異なるため、その帯電性の差から、トナーの帯電分布が広くなり、環境が変化するにつれて、および長期使用するにつれて得られる画像の画質が低下する。
【0009】
また、特開平7−061047号公報に、感熱発泡剤入りトナーを用い、突起画像を形成するための情報の入出力方法が提案されている。この方法に用いられているトナーは、トナー用結着樹脂、着色剤、および感熱発泡剤を混合し、微粉砕してトナーを作製するものであり、粉砕トナー表面には感熱発泡剤が露出している。このため、前記提案と同様、紙とトナーとの界面に感熱発泡剤が存在する部分があり、トナーと紙との接着性が低下し、前記トナーからなる画像の定着性は劣っている。また、感熱発泡剤がトナー表面に露出しているので、トナー表面の帯電性が不均一となる。従って、トナーの帯電分布は広くなり、低温低湿環境下でトナーを使用したり、長期間使用すると、画像にかぶりなどの画質低下が生じるようになる。また、使用しているトナーが通常の混練、粉砕法で作製されるため、混練時の熱により、大部分の感熱発泡剤が発泡し効力を失っていると考えられる。その結果、通常の複写機等の熱定着だけでは発泡剤が十分膨張できないため、出力された画像をさらに加熱装置に通過させる必要があり、簡便性の点で不十分である。
【0010】
以上のように、通常の電子写真方式の複写機や小型のプリンター(別の加熱装置等を必要とせず、実質的な改造を必要としない。)により、容易に立体画像を形成し得るトナーは存在していないのが実状である。また、普通紙上においても、充分に点字認識可能な画像高さを有するとともに、良好な定着性を有する画像を簡易に形成し得るトナーは存在していないのが実状である。さらに、実用充分に良好な生産性、帯電均一性、および環境安定性を有する画像形成用トナーは存在していないのが実状である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の第1の目的は、上記した問題点あるいは不都合点をもたらすことなく、一般の複写機あるいはプリンターで使用された場合に、容易に立体画像を形成し得る新規な画像形成用トナーを提供すること及びそのトナーの作製方法を提供することである。本発明の第2の目的は、普通紙上においても、実用十分に点字認識可能な画像高さを有する立体画像を形成し得るとともに、実用充分な定着性、および画像性を有する立体画像を形成し得る画像形成用トナー及びそのトナーの作製方法を提供することである。本発明の第3の目的は、省資源化に対応した新規な画像形成用トナー及びそのトナーの作製方法を提供することである。本発明の第4の目的は、立体画像としないときは必要に応じ、通常の複写機やプリンターの簡単なパラメータを変更することで、通常画像(平面画像)をも形成し得る新規な画像形成用トナー及びそのトナーの作製方法を提供することである。本発明の第5の目的は、帯電安定性、環境安定性、および生産性の優れた立体画像形成用トナー及びそのトナーの作製方法を提供することにある。本発明の第6の目的は、簡易な立体画像の形成方法およびそれを利用した簡易な画像形成装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、前記課題に対して鋭意検討を重ねた結果、以下の画像形成用トナー等により前記課題を解決し得ることを見い出し本発明を完成するに至った。 即ち、本発明は、少なくとも結着樹脂とマイクロカプセル粒子からなる発泡剤とを含有する画像形成用トナーにおいて、前記マイクロカプセル粒子からなる発泡剤がトナー表面に実質的に露出していないことを特徴とする画像形成用トナーである。本発明のトナーは、表面にマイクロカプセル粒子からなる発泡剤が実質的に露出していないので、紙等の記録媒体とトナーとの界面に発泡剤が存在せず、トナーの記録媒体に対する接着性を阻害することがない。従って、本発明のトナーにより形成された画像は良好な定着性を有する。また、本発明のトナーは、表面にマイクロカプセル粒子からなる発泡剤が実質的に露出していないので、帯電性の不均一化がなく、従って、高い帯電安定性を示し、静電潜像現像用のトナーとして使用された場合に良好な現像性や転写性を示す。
【0013】
前記マイクロカプセル粒子からなる発泡剤が低沸点物質を内包すると熱膨張性が向上するので好ましい。また、前記低沸点物質がイソブタンであると、さらに熱膨張性が向上するので好ましい。前記マイクロカプセル粒子の壁材が塩化ビニリデンとアクリロニトリルの共重合体であると、結着樹脂と発泡剤との接着性が向上するので好ましい。
【0014】
また、本発明は、少なくとも結着樹脂とマイクロカプセル粒子からなる発泡剤とを溶剤に溶解または分散させた油相を、水相に懸濁分散させて前記油相からなる粒子を作製する工程と、前記粒子から溶剤を除去する工程とを含む画像形成用トナーの作製方法である。さらに、本発明は、少なくともマイクロカプセル粒子からなる発泡剤を溶解または分散させた結着樹脂用のモノマーを、水相中で懸濁重合する工程を含む画像形成用トナーの作製方法である。これらの作製方法によれば、容易に前記トナーを作製することができる。
【0015】
本発明は、記録媒体上に形成されているトナーからなる画像を定着する工程を含む立体画像の形成方法において、前記トナーが、少なくとも結着樹脂とマイクロカプセル粒子からなる発泡剤とを含有するとともに、該マイクロカプセル粒子からなる発泡剤がトナー表面に実質的に露出していないトナーであり、かつ、前記定着工程において、または前記定着工程の後に、前記トナーに含有されるマイクロカプセル粒子からなる発泡剤を発泡させることを特徴とする立体画像の形成方法である。また、本発明は、静電潜像担持体上に形成された潜像をトナーにより現像しトナー画像を形成する現像工程と、トナー画像を記録媒体に転写する転写工程と、記録媒体にトナー画像を定着する定着工程とを有する立体画像の形成方法において、前記画像形成用トナーを使用し、かつ、前記定着工程において、前記トナーに含有されるマイクロカプセル粒子からなる発泡剤を発泡させ、立体画像を記録媒体上に形成することを特徴とする立体画像の形成方法である。
【0016】
さらに、本発明は、複数の現像器を用いて静電潜像を現像する現像工程を有し、記録媒体上に複数のトナー画像を形成してなる画像形成方法であって、少なくとも1つの現像器に前記画像形成用トナーを含有する現像剤を使用することを特徴とする立体画像の形成方法である。複数の現像器のうち、所望の現像器を選択して現像し、選択的に立体画像を形成することもできる。
【0017】
また、本発明は、静電潜像担持体上形成された潜像をトナーにより現像しトナー画像を形成する現像手段と、トナー画像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体にトナー画像を定着する定着手段とを有する立体画像の形成装置において、該画像形成装置により立体画像を形成する場合は、前記トナーが少なくとも結着樹脂とマイクロカプセル粒子からなる発泡剤とを含有するとともに、該マイクロカプセル粒子からなる発泡剤がトナー表面に実質的に露出していないトナーであり、かつ、前記定着手段が前記トナーに含有されるマイクロカプセル粒子からなる発泡剤を発泡させ、立体画像を記録媒体上に形成することを特徴とする画像形成装置である。
【0018】
【発明の実施の形態】
1.画像形成用トナー
本発明の画像形成用トナーは、少なくとも結着樹脂とマイクロカプセル粒子からなる発泡剤とを含有し、該マイクロカプセル粒子からなる発泡剤が実質的に表面に露出していないことを特徴とする画像形成用トナーである。マイクロカプセル粒子からなる発泡剤(以下、単に「発泡剤」ということがある)としては、特に制限されるものではなく、熱により体積膨張するものであればいずれも使用可能である。発泡剤の発泡温度は、いかなる装置を使用して立体画像を形成するかによって、その好ましい範囲が異なるが、通常の複写機等を用いて立体画像を形成する場合は、発泡温度が加熱定着温度以下であるのが好ましい。
【0020】
マイクロカプセル粒子からなる発泡剤の態様としては、低温で気化する低沸点物質(常温で液体状態であっても固体状態であってもよい。)を内包するマイクロカプセル粒子の発泡剤(以下、「マイクロカプセル型発泡剤」という場合がある。)が挙げられる。マイクロカプセル型発泡剤は発泡性が高い。本発明の画像形成用トナーを、通常の複写機装置に使用する場合は、マイクロカプセル中に内包されている低沸点物質は、少なくとも加熱定着温度よりも低い温度で気化することが必要であり、具体的には100℃以下、好ましくは50℃以下、より好ましくは25℃以下で気化する物質である。但し、マイクロカプセル型発泡剤の熱応答性は、芯材である低沸点物質の沸点のみならず、壁材の軟化点に依存するので、低沸点物質の好ましい沸点範囲は前記範囲には限定されない。低沸点物質としては、例えば、ネオペンタン、ネオヘキサン、イソペンタン、イソブチレン、イソブタン等が挙げられる。中でも、マイクロカプセルの壁材に対して安定で、熱膨張率の高いイソブタンが好ましい。
【0021】
マイクロカプセルの壁材は、トナーの製造工程で用いられる種々の溶剤に対して耐溶剤性を有するとともに、マイクロカプセルに内包される低沸点物質が気化した際に、気体に対して非透過性を有する材料が好ましい。また、本発明の画像形成用トナーを、通常の複写機装置に使用する場合は、壁材が加熱定着温度よりも低い温度で軟化し、膨張する必要がある。マイクロカプセルの壁材としては、従来使用されている壁材を広く使用することができる。例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリブタジエン、ポリアクリル酸エステル等の単重合体、これらの共重合体が好ましく用いられる。中でも、塩化ビニリデンとアクリルニトリルの共重合体が結着樹脂との接着性が高い点、溶剤に対して耐溶剤性が高い点で好ましい。
【0022】
本発明のトナーにおける発泡剤の含有量は、発泡剤の種類によって好ましい範囲が異なるが、通常は、5重量%〜50重量%、好ましくは10重量%〜40重量%である。発泡剤の含有量が5重量%未満であると、トナーの熱膨張が実用上不十分となる場合があり、一方、50重量%を越えると、トナー中の結着樹脂の割合が相対的に不足し、充分な定着性が得られない等の問題が生じる場合がある。
【0023】
本発明の立体画像形成用トナーの結着樹脂としては、特に制限されるものではなくトナー用樹脂として一般に用いられる樹脂が使用できる。具体的には、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレン・アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ジエン系樹脂、フェノール樹脂、エチレン・酢酸ビニル樹脂等であるが、より好ましいのはポリエステル樹脂である。ポリエステル樹脂の重合単量体としては次のものを挙げることができる。アルコール成分としては、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3,3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2,0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2,0)−ポリオキシエチレン(2,0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2,0)−ポリオキシエチレン(2,0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングルコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、イソペンチルグリコール、ジプロピレングリコール、イソペンチルグリコール、水添ビスフェノールA、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、キシリレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ビス−(β−ヒドロキシエチル)テレフタレート、トリス−(β−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、2,2,4−トリメチロールペンタン−1,3−ジオール等があり、更にヒドロキシカルボン酸成分を加えることができる。例えばp−オキシ安息香酸、バニリン酸、ジメチロールプロピオン酸、リンゴ酸、酒石酸、5−ヒドロキシイソフタル酸等である。
【0024】
酸成分の具体例としては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、ダイマー酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸ジメチルエステル、テレフタル酸ジメチルエステル、テレフタル酸モノメチルエステル、テトラヒドロテレフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ジメチルテトラヒドロフタル酸、エンドメチレンヘキサヒドロフタル酸、ナフタレンテトラカルブン酸、ジフェノール酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、トリメシン酸、シクロペンタンジカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、2,2−ビス−(4−カルボキシフェニル)プロパン、トリメリット酸無水物と4,4−ジアミノフェニルメタンから得られるジイミドカルボン酸、トリス−(β−カルボキシエチル)イソシアヌレート、イソシアヌレート環含有ポリイミドカルボン酸、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート又はイソホロンジイソシアネートの三量化反応物とトリメリット酸無水物から得られるイソシアネート環含有ポリイミドカルボン酸などであり、これらの一種または二種以上が使用される。これらのなかで三価以上の多価カルボン酸、多価アルコールなどの架橋成分を用いると定着強度、耐オフセット性などの安定性の点で好ましい場合がある。これらの原材料から得られるポリエステル樹脂は通常の方法で製造される。ガラス転移温度は40〜80℃に設定するのが都合良く、さらに好ましくは50〜70℃である。
【0025】
本発明の樹脂には上記ポリエステル樹脂を二種類以上組み合せてもよいし、更に他の樹脂を組み合せても良い。他の樹脂としては、スチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレン・アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ジエン系樹脂、フェノール樹脂、テルペン樹脂、クマリン樹脂、アミド樹脂、アミドイミド樹脂、ブチラール樹脂、ウレタン樹脂、エチレン・酢酸ビニル樹脂等がある。本発明においてはポリエステル樹脂を主成分として、その他の樹脂はトナー中に0〜30重量%の量で添加するのが好ましい。また、結着樹脂のモノマーに発泡剤を分散し、これを懸濁重合することによりトナーを作製する場合は、上記結着樹脂の中の懸濁重合可能なモノマーが利用可能である。
【0026】
本発明のトナー粒子を切断し、その切片を顕微鏡で観察した模式図の一例を図1に示す。また、従来の混錬粉砕法により製造した立体画像形成用のトナー粒子を切断し、その切片を顕微鏡で観察した模式図の拡大図の一例を図2に示す。トナーA、およびA’は、発泡剤としてマイクロカプセル型発泡剤を使用している
図2の拡大図に示すように、従来の混錬粉砕法により製造したマイクロカプセル粒子からなる発泡剤を含有する立体画像形成用トナーA’では、発泡剤a’の大半が製造工程中で熱により発泡してしまい、トナーA’には空隙b’が生じている。製造工程中に発泡せずに残った発泡剤a’は、トナー表面に露出し、さらに、発泡剤a’が発泡した後の空隙のシェルがトナー表面に存在し、定着性等の悪化の要因となっている。一方、本発明のトナー粒子Aは、図1に示すように、マイクロカプセル粒子からなる発泡剤粒子aが発泡性を失うことなく、トナーの芯部側に内包されている。このように、本発明の画像形成用トナーは、マイクロカプセル粒子からなる発泡剤が実質的に表面に露出していない構成であるので、高い熱膨張性を有するとともに、記録媒体に対する接着性および帯電安定性を良好に維持している。
尚、ここにいう「実質的に表面に露出していない」とは、例えば、トナー粒子50個の電子顕微鏡写真を観察した結果、図1に示すようにまったくマイクロカプセル粒子からなる発泡剤が表面に露出していなトナーが8割以上であることを示す。また、図1に示す様に、発泡剤aが粒子としてトナー中に均一に分散していると、トナーの記録媒体に対する接着性および帯電安定性をより向上できるので好ましい。
【0027】
本発明の画像形成用トナーには、所望により着色剤を含有させ、着色して可視化してもよい。分散させる着色剤としては、公知の有機、もしくは、無機の顔料や染料、油溶性染料を使用することができる。例えばC.I.ピグメントレッド48:1,C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:3、ランプブラック(C.I.No.77266)、ローズベンガル(C.I.No.45432)、カーボンブラック、ニグロシン染料(C.I.No.50415B)、金属錯塩染料、金属錯塩染料の誘導体これらの混合物等を挙げることができる。更にはシリカ、酸化アルミニウム、マグネタイトや各種フェライト類、酸化第二銅、酸化ニッケル、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化チタン、および酸化マグネシウムなどの種々の金属酸化物およびこれらの適宣の混合物などが挙げられる。これらの着色剤は、トナー粒径や現像量に依存するが、一般にトナー100重量部に対して1〜100重量部程度の割合が適切である。
【0028】
また、本発明の画像形成用トナーには、磁化を持たせるために磁性体を含有させても良い。磁性体の種類としては、公知のものを適宜使用できる。例えば、鉄、コバルト、ニッケル等の金属およびこれらの合金、Fe、γ−Fe、コバルト添加酸化鉄等の金属酸化物、MnZnフェライト、NiZnフェライトの各種のフェライト等より形成されるものが好ましく使用される。特に好ましいのは、Feであり、0.05〜0.5μmのものが用いられる。これらは、疎水性を持たせるため、各種処理剤で処理し用いることが好ましい。さらに、これらは、複数組み合わせてもよい。含有させる量は、システムに対する使用目的から必要に応じて適宜選択可能であるが、磁性トナーとして用いる場合は、30〜60重量%が好ましい。
【0029】
本発明の画像形成用トナーには、所望により離型剤を含有させてもよい。離型剤を含有させることによって、接触定着時のオフセット現象等を防止することができるので好ましい。用いる離型剤としては、とくに限定されるものではなく離型性を有する以下の材料が使用できる。例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス、オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス、およびパラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス等のロウ類及びワックス類等が挙げられる。またこれら天然ワックスの外に、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド、エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックスも使用できる。さらに低分子量の結晶性高分子樹脂としては、ポリn−ステアリルメタクリレート、ポリn−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等)等、側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子が挙げられる。
【0030】
離型剤は通常、微粒子化して添加するのが好ましい。さらに、トナー表面に離型剤が露出しないほうが好ましい。トナー表面への離型剤の露出は、トナーの粉体流動性の低下や現像性、特に画像の維持性の低下を招く。離型剤の平均粒径は、作製するトナーの粒径に応じて適宜決定すればよいが、通常、平均粒径は0.3〜5μmである。添加量は、離型剤の平均粒子径にも依存するが、通常0.1〜40重量%である。好ましくは、1〜15重量%であり、さらに好ましくは、2〜5重量%である。添加量が0.1重量%を下回ると、所望する熱ロール剥離性が充分でなく、40重量%を越えると、トナーの耐ブロッキング性が低下する。
【0031】
離型剤は0.1〜5μm程度に微細化して用いることが好ましい。離型剤を微細化するには、例えば、1995年3月高分子学会発行の反応工学研究界レポート−1『乳化・分散技術と高分子微粒子の粒子径制御 第三章』に記載の、乳化・分散機器等を用いた従来公知のいずれかの方法で微粒子化することができる。またトナー作製時に用いる溶剤と相溶し、かつ室温では離型剤を溶解させない適当な溶剤を用い、この溶剤に離型剤を添加し加熱溶解させた後、室温まで徐々に冷却し、微細粒子化した離型剤を析出させる方法(溶解析出法)を用いることもできる。また、ヘリウムなどの不活性ガス中で離型剤を加熱蒸発させ、気相中で粒子を作製した後、この粒子を冷却したフイルム等に付着回収し、回収した粒子を溶剤に分散させる方法(気相蒸発法)を利用することもできる。また、この方法と、メデイア等を用いた機械的粉砕法とを組み合せると、さらに効果的に離型剤を微細化できる。
【0032】
本発明の画像形成用トナーには、所望により帯電制御剤を加えてもよい。使用できる帯電制御剤としては、従来粉体トナーに於て使用されている安息香酸の金属塩、サリチル酸の金属塩、アルキルサリチル酸の金属塩、カテコールの金属塩、含金属ビスアゾ染料、テトラフェニルボレート誘導体、第四級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩からなる群より選ばれる化合物、さらにこれらを適宜組み合わせたものが使用できる。トナーに対するこれら帯電制御剤の添加量は、一般に0.1〜10重量%、より好ましくは0.5〜8重量%の範囲である。0.1重量%を下回ると帯電制御効果が不十分であり、また10重量%を越えると、トナー抵抗の過度の低下を引き起こし、帯電性が不十分となるなどの問題が発生する場合がある。
【0033】
さらに、上記帯電制御剤とともに、金属石鹸、無機または有機金属塩を併用することができる。そのような金属石鹸としては、トリステアリン酸アルミニウム、ジステアリン酸アルミニウム、バリウム、カルシウム、鉛及び亜鉛のステアリン酸塩、またはコバルト、マンガン、鉛及び亜鉛のリノレン酸塩、アルミニウム、カルシウム、コバルトのオクタン酸塩、カルシウムとコバルトのオレイン酸塩、パルミチン酸亜鉛、カルシウム、コバルト、マンガン、鉛及び亜鉛のナフテン酸塩、カルシウム、コバルト、マンガン鉛、および亜鉛のレジン酸塩等を用いることができる。また、無機および有機金属塩としては、例えば金属塩中のカチオン性成分は、周期律表の第Ia族、第IIa族、および第IIIa族の金属からなる群より選ばれ、該酸のアニオン性の成分はハロゲン、カーボネート、アセテート、サルフェート、ボレート、ニトレート、およびホォスフェートからなる群より選ばれる塩である。これら帯電制御剤あるいはクリーニング助剤は、一般に、0.1〜10重量%、トナーあたりより好ましくは、0.1〜5重量%の範囲である。0.1重量%を下回ると所望する効果が不十分であり、また10重量%を越えると、トナー粉体流動性の低下等を引き起こす場合がある。
【0034】
本発明の画像形成用トナーには、流動性や、現像性の制御のために、公知の外添剤を加えてもよい。外添剤としては、シリカ、アルミナ、チタニア、酸化セリウム等の各種無機酸化微粒子及び必要により疎水化した微粒子、また、ビニル系重合体、ステアリン酸亜鉛等が使用できる。外添量は添加前のトナーに対して、0.05〜10重量%の範囲が好ましい。
【0035】
2.画像形成用トナーの作製方法
次に、本発明の画像形成用トナーの作製方法について説明する。
まず、結着樹脂、マイクロカプセル粒子からなる発泡剤、および必要に応じて用いるその他の添加剤を溶解および/または分散させた油相を水相中に分散して油相からなる粒子を作製する。油相の調製には、少なくとも結着樹脂が溶解可能な溶剤を用い、この溶剤に結着樹脂を溶解させるとともに、マイクロカプセル粒子からなる発泡剤および所望によりその他の添加剤を溶解または分散させて油相を調製する。使用できる溶剤は、結着樹脂の構成成分にも依存するが、一般に、トルエン、キシレン、ヘキサン等の炭化水素、塩化メチレン、クロロフォルム、ジクロルエタン等のハロゲン化炭化水素、エタノール、ブタノール、ベンジルアルコール、エーテル、テトラヒドロフラン等のアルコールまたはエーテル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル等のエステル、アセトン、メチルエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサン等のケトン類が挙げられる。これらの溶剤は、主に結着樹脂を溶解させる必要が有るが、着色剤、その他の添加剤は溶解していてもしていなくてもよい。油相中のトナー成分と溶剤の重量比は、10/90から80/30が造粒のし易さあるいは最終的なトナー収率の点で好ましい。
【0036】
次に、調製した油相を水相中で所定の粒径になるように分散する。この際に、発泡剤は、水相中に分散している油相からなる粒子の内部に保持される。その結果、発泡剤が表面に実質的に露出していないトナーを容易に製造することができる。この際に用いる水相は、水を主成分とし、必要に応じて親水性コロイドを形成する無機及び有機の分散安定剤を添加してもよい。無機の分散安定剤としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、リン酸三カルシウム、ヒドロキシアパタイト、珪酸ケイソウ土、粘土などがある。これらの無機の分散安定剤の粒子径は2μm以下が良く、好ましくは1μm以下、さらに好ましくは0.1μm以下が良い。これら無機の分散安定剤の粒子径が2μmを越えると、造粒したトナーの粒度分布が広くなり、所望の粒度分布とするために、後工程で分級が必要となり、省資源の観点から好ましくはない。これら無機分散安定剤の微粒子化には、ボールミル、サンドミル、およびアトライラー等の湿式分散器機等を用いて行うことができる。
【0037】
これら無機の分散安定剤と有機の分散安定剤を併用して用いても良い。有機の分散安定剤としては、具体的には、ゼラチン、ゼラチン誘導体(例えばアセチル化ゼラチン、フタル化ゼラチン、コハク化ゼラチン等)、アルブミン、カゼイン等の蛋白質類、コロジオン、アラビアゴム、寒天、アルギン酸、セルロース誘導体(例えばカルボキシメチルセルロースのアルキルエステル、ヒドロキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等)、および合成高分子(ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸塩、ポリメタクリル酸塩、ポリマレイン酸塩、ポリスチレンスルフォン酸塩)等が挙げられる。これらの有機分散安定剤は、単独で用いてもまた二種類以上を混合して用いても良い。分散安定剤は、水相の主要媒体に対して0.001〜5重量部の範囲で用いるのが好ましい。
【0038】
水相中には分散安定補助剤を併用してもよい。分散安定補助剤には各種界面活性剤が使用できる。界面活性剤としては、イオン性、非イオン性の界面活性剤類がある。具体的には、アニオン性界面活性剤として、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、アルキルフェニルスルフォン酸塩、アルキルナフタリンスルフォン酸塩、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステルのスルフォン酸等が使用できる。カチオン性界面活性剤としては、第一級ないし第三級のアミン塩、第四級アンモニウム塩等が使用できる。非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルキロールアミド等が使用できる。これらの分散安定補助剤は、単独で用いてもまた二種類以上を混合して用いても良い。分散安定補助剤は、水相の主要媒体に対して0.001〜5重量部の範囲で用いるのが好ましい。
【0039】
油相と水相の混合は、最終的なトナーの粒径や、製造装置によっても異なるが、通常重量比で、10/90から90/10が好ましい。水相中での油相の造粒は、高速剪断下で行うのが好ましい。中でも各種ホモミキサー、ホモジナイザー、コロイドミル等の高速羽根回転型や強制間隔通過型の乳化機を用いるのが好ましい。
【0040】
油相を水相中で造粒するとともに、あるいは造粒後に、溶剤を除去する。溶剤の除去は、常圧で行ってもよいし、あるいは減圧で行ってもよい。常圧で行う場合は、溶剤除去の温度を溶剤の沸点より低く、かつ樹脂のガラス転移温度(以下、「Tg」という。)を考慮した温度に設定する必要がある。樹脂のTgを大きく越える温度で行うと、トナー同士の合一が起こり好ましくない。溶剤の除去は、通常40℃近傍で3〜24時間撹拌しながら行うのが好ましい。減圧して溶剤除去を行う場合は、20〜150mmHgで行うのが好ましい。
【0041】
溶剤除去後に、所望により、得られたトナーを洗浄してもよい。洗浄は、トナーの表面に付着している無機分散安定剤等を溶解する塩酸、硝酸、蟻酸、酢酸等の酸類で行うのが好ましい。無機分散安定剤や有機分散安定剤がトナー表面に残留した場合、残留付着物の持つ吸湿性の為に、トナーとしての帯電性の湿度依存性が高くなる場合がある。従って、分散安定剤を洗浄により除去すると、トナーの帯電安定性がより向上するので好ましい。トナーを酸で洗浄した後、所望によりさらに水酸化ナトリウム等のアルカリ水で再度洗浄してもよい。これにより、酸性雰囲気下に置かれることで不溶化したトナー表面の一部のイオン性物質が、再度、可溶化除去され帯電性や粉体流動性がさらに改善される。
【0042】
洗浄は、洗浄時のpH、洗浄の回数、洗浄時の温度等の条件を調整することにより効率的に行うことができる。さらに、撹拌機や超音波分散装置等を用いるとより効果的に洗浄操作を実施できるので好ましい。トナーを洗浄後、所望によりさらにろ過、デカンテーション、遠心分離等のごとき工程を実施し、トナーを乾燥する。
この態様のトナー作製方法においては、いずれの工程中にも、高温加熱下で行う処理は含まれていないので、作製工程中に発泡剤の熱膨張性が失活することがなく、得られるトナーは高い熱膨張性を有する。
【0043】
本発明のトナーを作製する他の方法として、懸濁重合を利用する方法がある。 結着樹脂のモノマーに、あらかじめマイクロカプセル粒子からなる発泡剤および所望により他の添加剤を溶解または分散させる。この結着樹脂のモノマーを水相中に懸濁分散する。この際、発泡剤は、水相中に分散しているモノマーからなる粒子の内部に保持される。次に、水相に任意の開始剤を添加し、モノマーを懸濁重合させると、モノマー粒子の内部では発泡剤を含有したまま重合が進行する。その結果、表面にマイクロカプセル粒子からなる発泡剤が実質的に露出していない粒子が効率よく容易に製造できる。懸濁重合の進行は、モノマーの種類によって異なるが、一般的には、60℃〜90℃の温度範囲で進行する。このように、従来の混錬粉砕法により作製する場合と比較して、本発明の懸濁重合方法では低温で作製工程を進めることができ、マイクロカプセル粒子からなる発泡剤の熱膨張性が作製工程中に失活するのを抑制することができる。従って、懸濁重合法で得られたトナーは高い熱膨張性を有する。
尚、その他の添加剤は、あらかじめモノマーに分散させる以外に、水相中に分散させてもよい。また、開始剤は、あらかじめモノマーに溶解または分散させてもよい。
【0044】
懸濁重合終了後、所望により、得られたトナーに洗浄処理、および乾燥処理を施してもよい。各々の処理の具体的操作については前記と同様である。
【0045】
本発明のトナーの作製方法によれば、得られるトナーの形状を、トナー製造条件、特にトナー材料の処方及び造粒後のトナーから溶剤を除去させる工程の条件等を調整することにより、球形から不定形状まで、あるいは表面に微小な凹凸を有する形状、皺、穴、あるいは突起を有する形状に制御することができる。具体的には以下の式(1)で表わされる形状係数MLS2が、100〜160の範囲で制御可能である。尚、通常の混練粉砕法で作製したトナーの形状は不定形となり、MLS2は140〜160程度になる。
MLS2=(トナー粒子の絶対最大長)/(トナー粒子の投影面積)×π×1/4×100 ・・・・・・・・・・(1)
【0046】
3.立体画像の形成方法および画像形成装置
本発明の画像形成用トナーを用いれば、一般の複写機やプリンター等の電子写真画像形成装置の定着装置をそのまま使用して、画像を記録媒体に定着すると同時にトナー中の発泡剤を発泡させて立体画像を形成することができる。定着装置としては、オーブン方式、熱ロール方式、熱ベルト方式等、従来の加熱方式の定着装置が適宜利用できるが、この中で現在最も広く電子写真方式に適用されている熱ロール方式の定着装置を用いるのが好ましい。このように、本発明の画像形成トナーを用いることによって、画像形成装置を立体画像形成用に新たに設計することなく、および実質的な改造を施さずに、一般の電子写真方式を利用した装置を使用して、容易に立体画像を形成することができる。また、オフィスで複写するような手軽さで、容易に立体画像を多数枚複写することができるので、点字文字や立体画像を含む冊子等も容易に作製することができる。
【0047】
本発明の画像形成用トナーを発泡させるには、定着温度を140℃以上250℃以下、好ましくは160℃以上250℃以下、より好ましくは180℃以上250℃以下に設定する。定着温度が140℃未満であると発泡剤が充分に発泡しない場合があり充分な画像厚みが得られない場合がある。一方、250℃を越えると、結着樹脂等が分解し、分解物が環境安全上問題となる場合がある。
尚、必ずしも定着と発泡剤の発泡を同時に行う必要はなく、一旦、比較的低温の定着ロール等で画像を定着した後、さらに前記温度範囲の比較的高温の定着ロールにより、別途、発泡剤を発泡させてもよい。
【0048】
また、本発明のトナーを用いれば、従来の電子写真画像形成装置に定着温度を制御する手段を付加するだけで、通常の画像(平面画像)と立体画像の双方を形成し得る画像形成装置となる。定着温度を制御する手段としては、例えば、ユーザーからの情報の入力に応じて、定着ロールに内臓されているヒータを制御し、通常画像の形成モードにおける定着ロールの設定温度T℃よりも、高い温度T℃とする制御システムが挙げられる。この際の定着温度T℃は、設定された定着速度において、トナー中に含有される発泡剤が発泡するのに充分な温度である。
また、発泡剤の発泡開始は定着温度のみならず、定着速度にも依存するので、従来の画像形成装置に定着速度を制御する手段を付加することによっても、平面画像と立体画像の双方を形成し得る画像形成装置とすることもできる。定着速度を制御する手段としては、例えば、ユーザーからの情報の入力に応じて、定着ロールの回転速度を制御し、未定着画像を有する記録媒体がニップ部を通過する速度を通常の速度vより遅い速度vにするシステムが挙げられる。速度vは、定着ロールの設定温度において、記録媒体が速度vでニップ部を通過した場合にトナー中の発泡剤が発泡するのに充分な速度である。
【0049】
本発明の製造法で得られたトナーは、公知の乾式静電荷用現像法に制限なく使用できる。例えばカスケード法、磁気ブラシ法、マイクロトーニング法などの二成分現像法、導電性一成分現像法、絶縁性一成分現像法などの一成分現像法、さらには非磁性一成分現像法等を採用する画像形成装置に使用可能である。さらに、前記球形のトナー形状に起因するトナー付着力の低さを効果的に利用したユニークなプロセスを設計することも可能である。MLS2が140を越えるあたりからトナーの転写効率の低下が認められ、転写効率を高める為には、MLS2が100から120程度が望ましい。こうしたトナーの高転写効率特性を利用し、クリーニング部材レスを採用した、小型で簡素なプロセスを設計することも可能であり、本発明のトナーはこのようなプロセスに使用するのに好適である。
【0050】
図3は、本発明のトナーを用いてフルカラーの画像を形成するプロセスの一例であるが、本発明のトナーを用いたプロセスが何らこれに限定されるものではない。感光体1は、a−Se,OPC,a−Si,ZnOの様な光導電絶縁質層を持つ感光ドラムもしくはベルトである。なかでもOPCやa−Si感光体が好ましく用いられる。感光体1はコロナ帯電器2により一様に帯電される。感光体1の帯電は、このような非接触型帯電装置の他に、ローラや磁気ブラシを用いた接触型帯電装置を用いてもよい。
【0051】
感光体1は、露光装置(不図示)により画像様に露光され(3)、感光体1上には静電潜像が形成される。この静電潜像は、個々の現像装置5a〜5dに対向する位置で現像剤により現像される。現像装置5a〜5dには、フルカラー機であれば、シアン、マゼンタ、イエロー、およびブラックの現像剤が導入されている。現像装置5a〜5dに格納されている現像剤のいずれもが、本発明のトナーを主成分とする現像剤であってもよいし、いずれか1色のみが本発明のトナーを主成分とする現像剤であってもよい。また、5a〜5dの現像装置を制御する手段を付加して、ユーザー等の入力に応じて本発明のトナーを格納する現像装置を選択できるシステムを組み込み、選択的に立体画像を形成してもよい。現像装置5a〜5dは、磁気ブラシ現像方式であっても非磁性一成分現像方式であってもよい。本発明のトナーは、発泡剤が実質的に表面に露出していないので帯電安定性が高く、従来の現像装置によって良好な現像特性を発揮することができる。
【0052】
感光体1上に形成された各色のトナー画像は、順次中間転写体4に転写される。中間転写体4は、パイプ状の導電性心金4bを内包し、その周囲に電気抵抗値を制御した弾性体層4aが設けられた構成となっている。中間転写体上のトナー画像は、トナーの摩擦電荷と逆極性のバイアスを転写器6により印可され記録媒体10の表面に転写される。感光体1はその後、脱着可能なクリーニング手段7によるクリーニング工程を経て、初期状態に戻る。
【0053】
記録媒体に転写されたトナー画像は、ハロゲンヒータ等の発熱体を内蔵する加熱ロール8と押圧力をもって圧接された弾性体の加圧ロール9のニップ部を通過することによって、記録媒体上に定着されるとともに、トナーに含有される発泡剤が発泡し、立体画像化される。本発明のトナーを用いたこのプロセスによって得られる立体画像は、充分に認識可能な画像厚みを有するとともに、記録媒体等の紙に対する定着性が高い。
【0054】
本発明の画像形成用トナーは、例えば図4に示す同時2色複写機に使用することによって、立体画像と通常画像の双方を簡易に形成し得る。
同時2色複写機は第1の現像器19と第2の現像器21とを備えている。第1の現像器には本発明のトナーを含有する現像剤が格納され、第2の現像器には通常画像形成用トナーが格納されている。原稿が読み込まれると、立体画像として出力したい画像と通常画像として出力したい画像とが識別(例えば、原稿の画像の色を認識することによる識別)される。一方、感光体ドラム16は、帯電器17によって一様に帯電される。その後、感光体ドラム16は、選別された画像信号(立体画像用)に応じて、第1の露光器18によって画像様に露光され、感光体ドラム16上には静電潜像(立体画像用)が形成される。立体画像用の静電潜像は第1の現像器19と対向する位置で、本発明のトナーにより現像される。
【0055】
続いて、選別された画像信号(通常画像用)に応じて、感光体ドラム16はさらに第2の露光器20により、画像様に露光され、感光体ドラム16上には静電潜像(通常画像用)が形成される。通常画像用静電潜像は、第2の現像器21と対向する位置で、通常のトナーにより現像される。その後、感光体ドラム16上に形成されたトナー画像は、転写前帯電器22および転写帯電器23により記録紙に転写され、その後、加熱ロール等のニップ部を通過することによって記録紙上に定着画像が形成される。定着時に加熱ロール等により加熱されると、本発明のトナーは発泡し、所定の位置の画像は立体画像となり、記録紙上には立体画像と通常画像の双方が形成される。
【実施例】
以下に実施例および比較例をもって説明する。ただし下記の実施例および比較例によって本発明が限定されるものではない。
<実施例1>
(A)顔料分散液1の作製
以下の手順で顔料分散液1を調製した。
1.カーボンブラック : 20重量部
(「No.25」;三菱化学社製)
2.分散剤 : 4重量部
(「DA−703−50」;楠本化成社製から溶剤を除去したもの)
3.酢酸エチル : 76重量部
上記材料組成の分散液に、ガラスビーズを加えサンドミル分散機の分散容器に注入した。分散容器回りを冷却しながら、高速撹拌モードで3時間分散し、顔料濃度20重量%の顔料分散液1を調製した。
【0056】
(B)油相1の作製
以下の手順で油相1を調整した。
1.ポリエステル樹脂A : 115重量部
(組成:ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物/テレフタル酸系縮合物,Tg:62℃,軟化点:102℃,重量平均分子量:9300)
2.顔料分散液1 : 8.3重量部
(顔料濃度20重量%)
3.発泡剤 : 20.6重量部
(「エクスパンセル091」;エクスパンセル社製、イソブタンを芯材とし、塩化ビニリデンとアクリロニトリルとの共重合体を壁材とするマイクロカプセル)
4.酢酸エチル : 131重量部
上記組成の油相を、ホモミキサー(「エースホモジナイザー」;日本精機社製)に投入し、毎分15000回転で2分間撹拌し、均一な油相1を調製した。
【0057】
(C)水相1の作製
以下の手順で水相1を調製した。
1.炭酸カルシウム40重量%水溶液 : 25重量部
(「ルミナス」;丸尾カルシウム社製)
2.カルボキシメチルセルロースNaの2重量%水溶液 : 75重量部
(「セロゲンBS−H」;第一工業製薬社製)
3.純水 : 160重量部
上記組成の材料をボールミルに注入し、4日間撹拌して水相1を調製した。
【0058】
(D)トナー1の製造方法
1.油相1 : 200重量部
2.水相1 : 248重量部
上記組成の材料をウルトラタラックス(IKA社製)に投入し、温度15℃にて、10000rpmで1分間乳化し、乳化物を得た。次に上記乳化物を、ロータリーエバポレータに投入、室温30mmHgの減圧下で3時間、溶媒を除去した。その後、12Nの塩酸を溶液のpHが2になるまで加え、炭酸カルシウムをトナー表面から除去した。次に、10Nの水酸化ナトリウムを溶液のpHが10になるまで加え、さらに超音波洗浄槽中で撹拌機で撹拌しながら1時間撹拌を継続した。さらに遠心沈降を行い、その上澄みを三回交換して洗浄した後、乾燥して約100gのトナー1を取り出した。同様の工程を繰り返し、約500gのトナー1を作製した。トナー1の体積平均粒径D50は30.2μm、粒度分布指標であるGSDは1.42であった。
【0059】
(E)現像剤1の調製
(D)で作製したトナー1に外添剤として平均粒径15nmのデシルトリメトキシシランで疎水化処理したルチル型酸化チタンTiOと平均粒径50nmのHMDS処理シリカSiOをそれぞれ0.35重量%、0.2重量%加え、ヘンシェルミキサーを用いて混合した。100μmのフェライトキャリアコア(パウダーテック社)に、フッ素含有基とアミノ基とを有するアクリル樹脂を0.25重量部ニーダでコートしたキャリアを作製し、トナー重量濃度が23重量%になるようにトナーを混合調製し、現像剤1とした。
【0060】
(F)実機での評価
画像出力評価装置は、「Aカラー935」(富士ゼロックス社製)カラー複写機を用いた。図3に画像出力評価装置の概略を示す。黒現像機の黒現像剤として現像剤1を約600g投入、補給用トナーとして、同様の外添剤を外添したトナー1を約100g投入した。複写機のモードは内臓されているOHPモードとした。このモードはプロセススピードが通常の160mm/sから80mm/sとなる。原稿として点字と地図を含む画像を使用し、普通紙で出力した。その結果、良好な黒色の立体画像が出力され、画像高さは約200μmであり、点字文字として充分認識可能であった。定着性は実用上十分であり、立体画像は充分な強度と紙との高い接着性を示した。また、約3000枚の連続画像出力を行ったが、画像濃度の変動、画像高さの変動、画質の低下もなく、安定していた。
【0061】
実施例2
(A)顔料分散液2の作製
以下の手順で顔料分散液を調製した。
1.磁性体 : 50重量部
(「BL220」;チタン工業社製)
2.分散剤 : 4重量部
(「DA−705」;楠本化成社製から溶剤を除去したもの)
3.酢酸エチル : 46重量部
上記材料組成の分散液に、ガラスビーズを加えサンドミル分散機にの分散容器に注入した。分散容器回りを冷却しながら、高速撹拌モードで3時間分散し顔料濃度50重量%の顔料分散液2を調製した。
【0062】
(B)微粒子化ワックス分散液1の作製
以下の手順で微粒子化ワックス分散液1を調製した。
1.パラフィンワックス : 15重量部
(融点:85℃,融解潜熱:193mJ/mg)
2.酢酸エチル : 85重量部
上記材料を、撹拌羽根を装着し、容器回りに熱媒を循環させる機能を有する分散機に投入した。毎分83回転で撹拌しながら徐々に温度を上げてゆき、約80℃に保ったまま3時間撹拌した。次に撹拌を続けながら毎分約2℃の割合で室温まで冷却し、微粒子化したワックスを析出させた。レーザ回折/散乱粒度分布測定装置「LA−700」(堀場製作所)を用いてワックスの平均粒度を測定すると約1.02μmであった。このワックス分散液を高圧乳化機「APV GAULIN HOMOGENIZER 15MR型」を用い、圧力500kg/cmで再度分散を行った。同様にワックス粒度を測定したところ0.6μmであった。作製した微粒子化ワックスの分散液を、ワックスの重量濃度が15重量%濃度になるようにさらに酢酸エチルで希釈し、微粒子化ワックス分散液1を得た。
【0063】
(C)油相2の作製
以下の手順で油相2を調製した。
1.ポリスチレンアクリル樹脂B : 88重量部
(組成:スチレン−n−ブチルアクリレート共重合体(70:30),Tg:60℃,重量平均分子量:38000)
2.顔料分散液2 : 30重量部
(顔料濃度50重量%)
3.発泡剤 : 20.6重量部
(「エクスパンセル051」;エクスパンセル社製;イソブタンを芯材とし、塩化ビニリデンとアクリロニトリルとの共重合体を壁材とするマイクロカプセル)
4.帯電制御剤 : 2重量部
(ボントロンE84;オリエント化学社製)
5.微粒子化ワックス分散液1 : 30重量部
6.酢酸エチル : 90重量部
上記組成の材料を、ホモミキサー(「エースホモジナイザー」;日本精機社製)に投入し、毎分15000回転で2分間撹拌し、均一な油相2を調製した。
【0064】
(D)水相2の作製
以下の手順で水相2を調製した。
1.炭酸カルシウム40重量%水溶液 : 25重量部
(「ルミナス」;丸尾カルシウム社製)
2.カルボキシメチルセルロースNaの2重量%水溶液 : 75重量部
(「セロゲンBS−H」;第一工業製薬社製)
3.純水 : 160重量部
上記組成の材料をボールミルに注入し、4日間撹拌して水相2を調製した。
【0065】
(E)トナー2の製造方法
1.油相2 : 200重量部
2.水相2 : 248重量部
上記材料をウルトラタラックス(特殊器機社製)に投入し、液温を15℃に調整し、10000rpmで1分間乳化を行い乳化物を得た。次に、この乳化物を、ロータリーエバポレータに投入、室温30mmHgの減圧下で3時間、溶媒を除去した。その後、12N塩酸を溶液のpHが2になるまで加え、炭酸カルシウムをトナー表面から除去した。その後、10Nの水酸化ナトリウムを溶液のpHが10になるまで加え、さらに超音波洗浄槽中で撹拌機で撹拌しながら1時間撹拌を継続した。さらに遠心沈降を行い、その上澄みを三回交換して洗浄した後、乾燥して約100gのトナーを取り出した。同様の工程を繰り返し、約500gのトナーを作製した。このトナーをトナー2とした。トナー2の体積平均粒径D50は32μm、粒度分布指標GSDは1.5であった。
【0066】
(F)現像剤2の調製
(E)で作製したトナー2に外添剤として平均粒径12nmのジメチルシリコーンオイル処理シリカSiOを0.25重量%加え、ヘンシェルミキサーを用いて混合し磁性一成分現像剤を得た。これを現像剤2とした。
(G)実機での評価
画像出力評価装置は、「XP−15」(富士ゼロックス社製)LBPを用いた。この機械の定着機の設定温度を約30℃高くした。原稿は点字と地図を含む画像を使用し、普通紙で出力した。その結果、良好な黒画像が出力され、画像高さは、約180μmとなり、十分点字文字認識可能であった。定着性は実用上十分であり、立体画像は充分な強度と紙との高い接着性を示した。また、約2000枚の連続画像出力を行ったが、画像濃度の変動、画像高さの変動、画質の低下もなく、安定していた。
【0067】
実施例3
(A)トナー3の製造方法
実施例1の油相1に帯電制御剤(「ボントロンE81」;オリエント化学社製)を2重量部加え、他は実施例1と同様にトナーを作製した。このトナーをトナー3とした。トナー3の体積平均径D50は28.5μm、粒度分布指標GSDは1.38であった。
(B)現像剤3の調製
このトナー3に外添剤として平均粒径12nmのジメチルシリコーンオイル処理シリカ0.27重量%と平均粒径15nmのデシルトリメトキシシランで疎水化処理したルチル型酸化チタン0.33重量%をヘンシェルミキサーにて混合し非磁性一成分現像剤を作製した。これを現像剤3とした。
【0068】
(C)実機での評価
画像出力評価装置は、実施例2と同様に「XP−15」(富士ゼロックス社製)LBPを用い、この機械の定着機の設定温度は約25℃高くした。また、現像機は非磁性一成分現像機に変更した。原稿は点字と地図を含む画像とし、普通紙で出力した。その結果、良好な黒画像が出力され、画像高さは、約180μmとなり、十分点字文字認識可能であった。定着性は実用上十分であり、立体画像は充分な強度と紙との高い接着性を示した。また、約2000枚の連続画像出力を行ったが、画像濃度の変動、画像高さの変動、画質の低下もなく、安定していた。
【0069】
実施例4
(A)トナー4の作製方法および現像剤4の作製方法
顔料分散液を添加しなかった以外は実施例1と同様にトナーを作製した。これをトナー4とした。このトナーは無色のトナーであり、トナー4の体積平均径D50は29μm、粒度分布指標GSDは1.35であった。実施例1と同様に現像剤を調製した。これを現像剤4とした。
【0070】
(B)実機での評価
実施例1と同様の画像形成装置を用いて現像剤4を使用して立体画像を形成した。この際、通常のカラー現像剤(シアン、マゼンタ、イエローの現像剤。いずれも発泡剤を含まない。)を各々の現像機に格納し、現像剤4は黒色現像機に格納した。原稿として通常のカラー画像を使用したが、この画像中、点字文字及び凸化したい画像は黒色で記されていた。出力された画像は、点字文字及び凸化したい画像が無色の立体画像となり、カラー画像部分は通常の平面の画像が形成された。このように、健常者には普通に見ることができるとともに、視覚障害者はなぞることによって認識できる画像を同時に形成することができた。立体画像部分を、実施例1と同様に評価した結果、実用上十分であった。
【0071】
実施例5
高速撹拌装置「TKホモミキサー」を備えた2リットル用四つ口フラスコ内にイオン交換水710重量部と、CaCO(「ルミナス」,丸尾カルシウム社製)を60重量部を含む水系分散媒体を調整した。別に、以下の組成の分散質を調製した。
スチレン単量体 : 165重量部
n−ブチルアクリレート単量体 : 35重量部
顔料 : 14重量部
(「シアニンブルー4933M」;大日精化社製)
発泡剤 : 40重量部
(「エスクパンセルパストラン091」;エクスパンセル社製;イソブタンを芯材とし、塩化ビニリデンとアクリロニトリルとの共重合体を壁材とするマイクロカプセル)
帯電制御剤 : 2重量部
(「ボントロンE81」;オリエント化学社製)
パラフィンワックス(融点:85℃): 10重量部
上記組成の混合物を、アトライターを用い3時間分散させた後、重合開始剤である2、2’−アゾビス(2、4−ジメチルバレロニトリル)10重量部を添加した重合性単量体組成物を水系分散媒中に投入した。液温80℃で時間撹拌を継続した。重合終了後、スラリーを冷却し、希塩酸を添加して分散安定剤を除去し、乾燥後、分級し、体積平均粒径D50が35μm、粒度分布指標GSDが1.4のトナーを得た。実施例1と同様に現像剤5を調製し、同様の評価を行った。実用上十分な性能を示した。
【0072】
比較例1
発泡剤を加えなかった以外は実施例1と同様にトナー粒子を作製した。このトナーをトナー6とした。トナー6の体積平均粒径D50は28.3μm、粒度分布指標GSDは1.35であった。これに外添剤として、実施例1で用いた外添剤と、さらに前記発泡剤「エクスパンセル091」(エクスパンセル社製)を20重量%加えた後、さらに実施例1と同様に現像剤6を作製した。
得られた現像剤6を用いて、実施例1と同様の画像形成装置を用いて画像を形成した。得られた画像の普通紙に対する定着性、および現像性が悪く、実用上問題があった。
【0073】
比較例2
1.ポリエステル樹脂A : 115重量部
(Tg;62℃、軟化点;102℃、重量平均分子量;9300)
2.カーボンブラック : 1.6重量部
(「No.25」、三菱化学社製)
3.発泡剤 : 20.6重量部
(「エクスパンセル091」;エクスパンセル社製;イソブタンを芯材とし、塩化ビニリデンとアクリロニトリルとの共重合体を壁材とするマイクロカプセル)
以上の組成の材料をヘンシェルミキサーにより粉体混合し、これを設定温度140℃、スクリュー回転数200rpmのエクストルーダーにより熱混錬した。この時の出口温度は190℃であった。混錬物を冷却後粗粉砕し、さらに微粉砕した。その後、分級して、体積平均粒径D50が25.5μmの微砕物を得た。さらに分級して、体積平均粒径D50が28.0μm、粒度分布指標GSDが1.36のトナーを得た。このトナーをトナー7とした。さらに実施例1と同様に現像剤7を作製した。
得られた現像剤7を用いて、実施例1と同様の画像形成装置を用いて画像を形成した。得られた画像の画像厚みは不十分であった。また、普通紙に対する定着性、および現像性も悪く、実用上問題があった。
【0074】
実施例6
(A)トナー8の作製と現像剤8の調製
実施例1の油相1の調製において、ポリエステル樹脂Aの代わりに、実施例2の油相2の調製に用いたポリスチレンアクリル樹脂Bを用い、発泡剤「エクスパンセル091」の代わりに、「エクスパンセル461」(エクスパンセル社製)を用い、さらに帯電制御剤として「ボントロンP51」(オリエント化学社製)を1.5重量部加えた以外は、実施例1と同様にトナーを作製した。得られたトナーをトナー8とした。トナー8の体積平均粒径D50は30.5μm、粒度分布指標GSDは1.45であった。このトナー8に、外添剤として平均粒径15nmのデシルトリメトキシシランで疎水化処理したルチル型酸化チタンを0.75重量%加え、ヘンシェルミキサーを用いて混合した。
別途、100μmのフェライトキャリアコア(パウダーテック社製)100重量部に、フッ化ビニリデン樹脂/アクリル樹脂0.6重量部をニーダでコートしたキャリアを作製した。このキャリアと、前記トナー8(外添剤で被覆)を混合し、トナー重量濃度が15重量%になるようにトナーを混合調製し、現像剤8を得た。
【0075】
(B)実機での評価
画像出力装置は、「Vivace500」(富士ゼロックス社製)複写機を用いた。この複写機の単色カラー現像器に格納されているカラー現像剤の代わりに、前記現像剤8を約360g格納した。補給用トナーとしても、外添剤を外添したトナー8を約50g投入した。この複写機の定着機の設定温度を通常よりも20℃アップさせた。原稿として点字文字と地図を含む画像を用い、普通紙に出力させた。得られた画像は、凸化した立体画像であった。この画像を実施例1と同様に評価したところ、実用上充分な画像厚みおよび定着性等を有していいることが判明した。
尚、通常の画像を複写する場合は、黒現像モードに切り替えればよく、一台の複写機で簡単に通常画像と立体画像を選択形成することができた。
【0076】
実施例7
(A)トナー9の作製と現像剤9の調製
実施例1の油相1の調製において、発泡剤「エクスパンセル091」を、「エクスパンセル461」(エクスパンセル社製)とした以外は、実施例1と同様にトナーを作製した。このトナーをトナー9とした。トナー9の体積平均径D50は29.3μm、粒度分布指標GSDは1.44であった。
このトナー9に、外添剤として平均粒径50nmのHMDS処理シリカSiOを0.15重量%加え、ヘンシェルミキサーを用いて混合した。実施例1で用いたキャリアと同様なキャリアを用いて、トナー重量濃度が15重量%とになるようにトナーを混合調製し、現像剤9を作製した。
【0077】
(B)実機での評価
画像出力評価装置は、「Able1401α」(富士ゼロックス社製)の同時2色複写機を用いた。図4に、この画像出力装置の概略断面図を示す。この複写機の第1現像器に格納されているカラー現像剤の代わりに、現像剤9を約450g投入した。補給用トナーとしても、外添剤を外添したトナー9を約60g投入した。第2現像器には、通常の「Able1401α」用の黒トナーを約700g投入した。この機械の定着機の設定温度を約20℃アップさせた。原稿として、普通文字を黒、凸化させたい点字文字および地図を赤で表したものを使用したところ、普通文字は通常の複写画像、また点字文字及び地図は、凸化した立体画像となり、一度の複写プロセスで、普通文字の解像度を低下させるこいとなく、普通画像および立体画像の双方を同時に得ることができた。得られた立体画像を実施例1と同様に評価した結果、画像は実用充分な画像厚みと定着性等を示した。
【0078】
実施例1〜実施例7および比較例1〜比較例2のトナー、現像剤および形成された立体画像について評価した結果を表1に示す。評価項目および評価基準について以下に示す。
(1)トナー中の発泡剤の分布
日立製作所製の電子顕微鏡S800(FE−SEM)を用い、倍率1500倍でトナーの写真を撮影した。得られたトナーの拡大写真の中から、ランダムに50個のトナーを選び、発泡剤の表面露出の有無を、以下の基準で評価した。尚、G1〜G2のトナーを、「マイクロカプセル粒子からなる発泡剤が実質的に表面に露出していないトナー」とする。
G1 : 50個のトナーのうち、発泡剤粒子が表面に露出しているトナーは0個であった。
G2 : 50個のトナーのうち、発泡剤粒子が表面に露出しているトナーは1個〜10個であった。
G3 : 50個のトナーのうち、発泡剤粒子が表面に露出しているトナーは、12個〜20個であった。
G4 : 50個のトナーのうち、発泡剤粒子が表面に露出しているトナーは、21個〜30個であった。
G5 : 50個のトナーのうち、発泡剤粒子が表面に露出しているトナーは、31個以上であった。
【0079】
(2)トナー中の発泡剤の分散状態
日立製作所製の電子顕微鏡S800(FE−SEM)を用い、倍率1500倍でトナーの写真を撮影した。得られたトナーの拡大写真の中から、ランダムに20個のトナーを選び、発泡剤の分散状態を以下の基準で評価した。
G1 : トナー中に発泡剤は極めて均一に分散していた。
G2 : トナー中に発泡剤は均一に分散していた。
G3 : トナー中に発泡剤はほぼ均一に分散していた。
G4 : トナー中に発泡剤はほぼ分散していた。
G5 : トナー中に発泡剤は分散しておらず、部分的に局在化していた。
【0080】
(3)トナー粒子の形状係数MLS2
日立製作所製の電子顕微鏡S800(FE−SEM)を用い、倍率500倍に拡大したトナー像を100個無作為にサンプリングし、その画像情報をインターフェイスを介してニレコ社製画像解析装置(Luzex III )に導入し解析を行っい、前記式(1)を用いて、形状係数MLS2を算出した。
(4)トナーの粒径(体積平均径D50、粒度分布指標GSD)
コールターカウンターTA−II型(コールター社製)のアパーチャーを100μmとした装置を用い、トナーの粒度分布を測定し、体積粒度分布の累積50%値を体積平均径D50とし、体積粒度分布の累積84%値D84と累積16%値D16の比から√D84/D16を粒度分布指標GSDとした。
【0081】
(5)帯電性
2成分現像剤として用いたトナーについては、帯電量Q/Mはブローオフ法帯電量測定器TB500(東芝ケミカル社製)により、測定した。また、Q/DはCSG(チャージ・スペクトログラフ法)により測定した。トナーのQ/Mは4〜10μc/g、Q/Dは10〜20mmとなるのが好ましい。
1成分現像剤のQ/Mは100μmスチールショットキヤリア(パウダーテック社製)にトナーを10重量%含有させ、攪拌し、ブローオフ法帯電量測定器TB500(東芝ケミカル社製)により測定した。Q/Dは2成分現像剤のトナーの測定と同様に行った。Q/Mは0.5〜4μc/g、Q/Dは2〜8mmが好ましい。
【0082】
(6)定着画像の定着性
約20gの金属板に普通紙を貼り、定着画像を往復5回擦ったときの、汚れ具合をグレード付けし、定着画像の脆さを判断した。
G1 : 普通紙はまったく汚れず、定着性は極めて良好であった。
G2 : 普通紙は若干汚れたが、目視では認識できない程度であり、定着性は良好であった。
G3 : 普通紙は若干汚れたが、実用上問題ない程度であった。
G4 : 普通紙は汚れており、定着性はやや劣っていた。
G5 : 普通紙は著しく汚れており、定着性は劣っていた。
【0083】
(7)定着画像の接着性
(6)と同様に定着画像を往復5回擦ったときに、定着画像が紙との接着面から剥離している度合いをグレード付けし、トナーと紙との接着性を判断した。
G1 : 定着画像はまったく剥離せず、接着性は極めて良好であった。
G2 : 定着画像は若干剥離したが、画像欠陥として認識できない程度であり、接着性は良好であった。
G3 : 定着画像は若干剥離したが、実用上問題ない程度であった。
G4 : 定着画像は剥離し、接触性はやや劣っていた。
G5 : 定着画像は著しく剥離し、定着性は劣っていた。
【0084】
(8)画像高さ
サーコム1500A表面粗さ計(東京精密社製)を用い、立体画像の5個所を測定し、その平均値を画像高さとした。
(9)点字画像認識性
5人の人間に、点字画像あるいは地図などの模様画像をなぞってもらい、その感触をグレード付けに合わせ、評価し、平均値を求め、グレード値で表した。
G1 : 極めて良好に認識できた。
G2 : 良好に認識できた。
G3 : 認識できた。
G4 : やや認識不可能な部分があった。
G5 : 認識不可能であった。
【0085】
【表1】
Figure 0003591334
【0086】
【発明の効果】
本発明のトナーを用いれば、主にオフィスで広く用いられている通常の電子写真方式の複写機やプリンターをほとんど改造することなしに、点字認識可能な立体画像を実用上十分な強度で形成できる。また、通常のコピー等と同様な簡便さで多数枚の立体画像を安定に作成できる。本発明のトナー作製方法によれば、充分な発泡性を有するトナーを効率よく、容易に作製することができる。本発明の立体画像の形成方法および画像形成装置は、複雑な工程や複雑な手段等を用いることなく、充分な画像厚みを有するとともに、普通紙等に対する定着性が良好な画像を簡易にかつ安定的に提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成トナーの切片の模式図の一例である。
【図2】従来の立体画像形成用トナーの切片の拡大模式図の一例である。
【図3】本発明の画像形成用トナーを用いた画像形成方法に利用される画像形成装置の一例を示す模式図である。
【図4】本発明の画像形成用トナーを用いた画像形成方法に利用される画像形成装置の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
A 本発明の画像形成用トナー a 発泡剤粒子
A’ 従来の立体画像形成用トナー(混錬粉砕法) a’ 発泡剤粒子
b’ 空隙
1 感光体 2 コロナ帯電器 3 露光
4 中間転写体 5a〜5d 現像装置
6 転写器 7 クリーニング部材 8 加熱ロール
9 加圧ロール
16 感光体ドラム 17 帯電器 18 第1露光器
19 第1現像器 20 第2露光器 21 第2現像器
22 転写前帯電器 23 転写帯電器 24 除電器
25 クリーナー 26 除電ランプ 27 記録紙

Claims (11)

  1. 少なくとも結着樹脂とマイクロカプセル粒子からなる発泡剤とを含有する画像形成用トナーにおいて、前記マイクロカプセル粒子からなる発泡剤がトナー表面に実質的に露出していないことを特徴とする画像形成用トナー。
  2. 前記マイクロカプセル粒子からなる発泡剤が低沸点物質を内包することを特徴とする請求項1に記載の画像形成用トナー。
  3. 前記低沸点物質がイソブタンであることを特徴とする請求項2に記載の画像形成用トナー。
  4. 前記マイクロカプセル粒子の壁材が塩化ビニリデンとアクリロニトリルとの共重合体であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の画像形成用トナー。
  5. 少なくとも結着樹脂とマイクロカプセル粒子からなる発泡剤とを溶剤に溶解および/または分散させた油相を、水相に懸濁分散させて前記油相からなる粒子を作製する工程と、前記粒子から溶剤を除去する工程とを含む画像形成用トナーの作製方法。
  6. 少なくともマイクロカプセル粒子からなる発泡剤を溶解または分散させた結着樹脂用のモノマーを、水相中で懸濁重合する工程を含む画像形成用トナーの作製方法。
  7. 記録媒体上に形成されているトナーからなる画像を定着する工程を含む立体画像の形成方法において、
    前記トナーが、少なくとも結着樹脂とマイクロカプセル粒子からなる発泡剤とを含有するとともに、該マイクロカプセル粒子からなる発泡剤がトナー表面に実質的に露出していないトナーであり、
    かつ、前記定着工程において、前記トナーに含有されるマイクロカプセル粒子からなる発泡剤を発泡させ、立体画像を記録媒体上に形成することを特徴とする立体画像の形成方法。
  8. 静電潜像担持体上形成された潜像をトナーにより現像してトナー画像を形成する現像工程と、トナー画像を記録媒体に転写する転写工程と、記録媒体にトナー画像を定着する定着工程とを有する立体画像の形成方法において、
    前記トナーが少なくとも結着樹脂とマイクロカプセル粒子からなる発泡剤とを含有するとともに、該マイクロカプセル粒子からなる発泡剤がトナー表面に実質的に露出していないトナーであり、
    かつ、前記定着工程において、前記トナーに含有されるマイクロカプセル粒子からなる発泡剤を発泡させ、立体画像を記録媒体上に形成することを特徴とする立体画像の形成方法。
  9. 複数の現像器を用いて静電潜像を現像する現像工程を有し、記録媒体上に複数のトナー画像を形成する立体画像の形成方法であって、
    少なくとも1つの現像器に請求項1に記載の画像形成用トナーを含有する現像剤を使用することを特徴とする請求項8に記載の立体画像の形成方法。
  10. 複数の現像器を用いて静電潜像を現像する現像工程を有し、記録媒体上に複数のトナー画像を形成する立体画像の形成方法であって、
    少なくとも1つの現像器に請求項1に記載の画像形成用トナーを含有する現像剤を使用し、現像器を選択して現像することを特徴とする請求項8に記載の立体画像の形成方法。
  11. 静電潜像担持体上に形成された潜像をトナーにより現像してトナー画像を形成する現像手段と、トナー画像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体にトナー画像を定着する定着手段とを備えている画像形成装置において、
    該画像形成装置により立体画像を形成する場合は、前記トナーが少なくとも結着樹脂とマイクロカプセル粒子からなる発泡剤とを含有するとともに、該マイクロカプセル粒子からなる発泡剤がトナー表面に実質的に露出していないトナーであり、かつ、前記定着手段が前記トナーに含有されるマイクロカプセル粒子からなる発泡剤を発泡させ、立体画像を記録媒体上に形成することを特徴とする画像形成装置。
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