JP4907475B2 - 静電荷現像剤用トナー、及びプロセスカートリッジ - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真のトナー及びプロセスカートリッジに関するものである。
さらに本発明は、電子写真技術を応用した複写機、プリンタ等に使用する静電荷現像剤用トナー及び該トナーを用いたプロセスカートリッジに関するものである。
静電荷像現像に使用されるトナーの製造方法には、大別して粉砕法と重合法とがある。
粉砕法によれば、ある程度優れた特性を有するトナーを製造することができるが、トナー内の構造が制御されず、トナーの流動性、現像性、耐久性、画像品質などに悪影響を及ぼすという欠点がある。
近年、これらの粉砕法における問題点を克服するため、重合法によるトナーの製造方法が提案され、実施されている。例えば、少なくともポリエステル樹脂を含有するトナーを水中にて溶剤を用いて球形化したトナー、イソシアネート反応を利用したトナー等が提案されている。
また昨今のトナーは、少なくとも結着樹脂に低分子量成分と高分子量成分を有する場合が多く開示されている。これは低分子量成分に低温定着性能を担保させ、高分子量成分にホットオフセット性能を担保させる機能分離の考え方による。
例えば特許文献1及び2では、結着樹脂の高分子量成分としてポリエステル樹脂を用い、低分子量成分の結着樹脂の分子量及びピーク数、酸価について規定している。低分子量成分の結着樹脂としては、分子量の低い部分にのみピークを持つ樹脂が開示されており、一成分現像剤として用いた場合、現像器の規制ブレード等に対する耐ストレス性に課題があり、部材汚染を引き起こす問題がある。
分子量の低いポリエステル樹脂の酸価が高く、分子量の高いポリエステル樹脂の酸価が低い構成の樹脂を用いたトナーの提案もあるが(特許文献3、4、5、6参照)、低分子量成分が表面に存在しやすくなる為、これまた、耐ストレス性に課題があり、部材汚染を引き起こす。
特開2006−201714号公報 特開2005−24972号公報 特開2006−301358号公報 特開2001−330990号公報 特開平9−138525号公報 特開平9−222750号公報
本発明は、電子写真技術を応用した複写機、プリンタ等に使用する静電荷現像用トナーに関し、特に、耐ストレス性に優れ、熱定着時に十分な光沢及び透明性を有する良好な印刷物を得られるトナー及びプロセスカートリッジを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は下記の構成よりなる。
(1)少なくとも着色剤、結着樹脂を有し、O/W型湿式造粒方式で製造されるトナーにおいて、前記結着樹脂は少なくとも3種類のポリエステル樹脂を含有し、そのうち1種類のポリエステル樹脂が架橋樹脂であり、2種類のポリエステル樹脂が分子量、酸価の異なる非架橋樹脂A、Bから構成され、非架橋樹脂Aのピーク分子量MpA、酸価AvA、非架橋樹脂Bのピーク分子量MpB、酸価AvBが以下の関係を示すことを特徴とする静電荷現像剤用トナー。
MpA>MpB
AvA>AvB
MpA−MpB>2000
AvA−AvB>2
(2)前記非架橋樹脂A及びBの酸価が1〜30(mgKOH/g)であることを特徴とする前記(1)に記載の静電荷現像剤用トナー。
(3)前記架橋樹脂は、変性ポリエステル樹脂であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の静電荷現像剤用トナー。
(4)前記変性ポリエステル樹脂が、少なくともウレア結合によって架橋されたポリエステル樹脂であることを特徴とする前記(3)に記載の静電荷現像剤用トナー。
(5)前記変性ポリエステル樹脂は、末端にイソシアネート基を有する変性ポリエステルプレポリマーとアミン類との反応によって得られるポリエステル樹脂であることを特徴とする前記(3)又は(4)に記載の静電荷現像剤用トナー。
(6)前記結着樹脂における架橋樹脂の含有率は、30質量%以下であることを特徴とする前記(1)から(5)の何れかに記載の静電荷現像剤用トナー。
(7)前記非架橋樹脂A及びBは、変性されていないポリエステル樹脂であることを特徴とする前記(1)から(6)の何れかに記載の静電荷現像剤用トナー。
(8)前記結着樹脂が非晶性ポリエステルであることを特徴とする前記(1)から(7)の何れかに記載の静電荷現像剤用トナー。
(9)前記静電荷像現像用トナーが、層間のイオンの少なくとも一部を有機物イオンで変性した層状無機鉱物を含有することを特徴とする前記(1)から(8)の何れかに記載の静電荷現像剤用トナー。
(10)前記静電荷現像剤用トナーが、離型剤としてパラフィン類、合成エステル類、ポリオレフィン類、カルナウバワックス、またはライスワックスから選択される単独または2種以上を3〜20質量%含有することを特徴とする前記(1)から(9)の何れかに記載の静電荷現像剤用トナー。
(11)前記静電荷現像剤用トナーが、非磁性一成分現像剤用トナーであることを特徴とする前記(1)から(10)の何れかに記載の静電荷現像剤用トナー。
(12)静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像を(1)から(11)のいずれかに記載の静電荷現像剤用トナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有することを特徴とするプロセスカートリッジ。
本発明のトナーは、結着樹脂として少なくとも3種類のポリエステル樹脂を含有し、そのうち2種類の非架橋樹脂A、Bのピーク分子量と酸価を限定することにより、トナー内構造制御を積極的に実施したものである。分子量の大きな非架橋ポリエステル樹脂の酸価が、分子量の小さな非架橋ポリエステル樹脂の酸価より大きく、本発明の範囲を満足することにより、造粒の際にトナー表面近傍に分子量が大きな非架橋ポリエステル樹脂が存在しやすくなる。MpAとMpBが上記範囲を満たさない場合、低分子量成分により高光沢性を確保し、高分子量成分により耐ストレス性を確保すると言う目的を達成することが出来ない。また、酸価差が2以下の場合、トナー中の樹脂の構造制御が十分に行われず、高分子量樹脂を表面に効率的に配置することが出来ず、耐ストレス性に悪影響を及ぼす。
ここで、非架橋樹脂が1種類のポリエステル樹脂の場合、分子量を大きくすると耐ストレス性に対し良好な特性を示すが、熱定着時に溶融し難くなり、十分な光沢及び透明性を確保できなくなる。非架橋樹脂の分子量を小さくすると熱定着時に十分な溶融性が得られるが、耐ストレス性に悪影響を及ぼす。
そこで、分子量の異なる2種類の非架橋樹脂を併用することにより、熱定着時に溶融特性を確保することができ、さらに、分子量の大きい非架橋樹脂が表面近傍に存在することにより耐ストレス性に優れたトナーを得ることができる。
トナーの内部構造を確認する方法として樹脂とトナーの接触角を測定した。
接触角はトナーの表面近傍に存在する樹脂の特性を反映していると考えられ、実際に測定を実施した所、本発明のトナーの接触角は、2種類の非架橋ポリエステル樹脂の分子量の大きい非架橋樹脂の接触角の測定値に近い物となった。
この理由として、本発明を用いた場合、油相と水相の界面には酸価の高い樹脂が選択的に存在しやすくなる為と考えられる。
また、粉砕法で作成したトナーは2種類の非架橋ポリエステル樹脂の、ほぼ中間の特性を取ることがわかった。
この理由としては、溶融混練工程で樹脂が十分に練られる事により、表面近傍にはすべての樹脂がほぼ均等に存在している為であると考えられる。
接触角は大きくなるほど水への濡れ性が悪く、水分が付着しにくいことを表している。
高温高湿等の環境での帯電低下等での影響は接触角が大きくなるほど少なくなる。
水分の付着のしやすさは、トナー表面の水を吸着しやすい官能基の影響を受ける。
本発明の静電荷像現像用トナーは、結着樹脂として少なくとも1種類の架橋ポリエステル樹脂と、2種類のピーク分子量、酸価が異なる非架橋ポリエステル樹脂を含有し、その分子量の大きな非架橋ポリエステル樹脂の酸価が、分子量の小さな非架橋ポリエステル樹脂の酸価より大きく、本発明の範囲を満足することにより、O/W型湿式造粒方式で造粒の際にトナー表面近傍に分子量が大きな非架橋ポリエステル樹脂が存在し、トナー内構造を制御することができる。従って、分子量の小さい非架橋樹脂を併用することにより、熱定着時に溶融特性を確保することができ、さらに、分子量の大きい非架橋樹脂が表面近傍に存在することにより耐ストレス性に優れたトナーを得ることができる。
<結着樹脂>
本発明のトナーに含有される結着樹脂としては、少なくとも3種類のポリエステル樹脂を含有し、そのうち1種類のポリエステル樹脂が架橋樹脂であり、2種類のポリエステル樹脂がピーク分子量、酸価の異なる非架橋樹脂A、Bから構成される。その他に含有される樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、などが特に好適に挙げられる。
本発明で使用される非架橋樹脂とは、実質的に架橋がない樹脂、たとえば、実質的にTHF不溶成分が約ゼロパーセント架橋〜約0.2パーセント架橋を有する樹脂、または約0.1パーセント未満の架橋を有する樹脂である。架橋樹脂とは、たとえば、架橋樹脂またはゲルのTHF不溶成分が約0.3〜約20パーセントの架橋を有するものを指す。
非架橋樹脂とは、実質的に架橋がない樹脂であり、分岐鎖を有していてもよく、複数成分のブロック状態を形成していても良い。非架橋樹脂は未変性ポリエステル樹脂であることが好ましい。また架橋樹脂は変性ポリエステル樹脂であることが好ましい。
本発明ではポリエステル樹脂が好適に用いられる。ポリエステル樹脂としては例えば、以下のポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の重縮合物が挙げられる。
(ポリオールについて)
ポリオール(1)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、3,3′−ジフルオロ−4,4′−ジヒドロキシビフェニル、等の4,4′−ジヒドロキシビフェニル類;ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1−フェニル−1,1−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(別名:テトラフルオロビスフェノールA)、2,2−ビス(3−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン等のビス(ヒドロキシフェニル)アルカン類;ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エーテル等のビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル類など);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。
これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。
更に、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
尚、上記ポリオールは1種類単独または2種以上の併用が可能で、上記に限定されるものではない。
(ポリカルボン酸)
ポリカルボン酸(2)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、3−フルオロイソフタル酸、2−フルオロイソフタル酸、2−フルオロテレフタル酸、2,4,5,6−テトラフルオロイソフタル酸、2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸、5−トリフルオロメチルイソフタル酸、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ビフェニルジカルボン酸、3,3’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ビフェニルジカルボン酸、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−3,3’−ビフェニルジカルボン酸、ヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸無水物など)などが挙げられる。
これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。さらに3価以上のポリカルボン酸としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)、また上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いてポリオール(1)と反応させてもよい。
尚、上記ポリカルボン酸は1種類単独または2種以上の併用が可能で、上記に限定されるものではない。
(ポリオールとポリカルボン酸の比)
ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
(非架橋樹脂)
非架橋樹脂Bのピーク分子量MpBは、通常1000〜20000、好ましくは3000〜15000、さらに好ましくは5000〜10000である。1000未満では耐熱保存性が悪化し、10000を超えると熱定着時の光沢が悪化する。非架橋樹脂Aのピーク分子量MpAは、通常3000〜30000、好ましくは5000〜25000、さらに好ましくは7000〜20000である。3000未満では耐ストレス性が悪化し、30000を超えると低温定着性が悪化する。
トナーにおける非架橋樹脂AとBの割合は、質量比でA:Bが10:90〜90:10、好ましくは20:80〜80:20である。非架橋樹脂が10より少なくなると耐ストレス性が十分に得られず、90を超えると熱定着時の光沢が悪化する。
また、非架橋樹脂AとBの酸価は1〜30(mgKOH/g)が好ましい。酸価が1(mgKOH/g)より小さくなると帯電が低くなりすぎ、地汚れが悪くなる。酸価が30(mgKOH/g)より大きくなると水分に対する影響が大きくなり、環境安定性が低下し、高温高湿環境での帯電が低下し、地汚れが悪くなる。
非架橋樹脂は、変性されていないポリエステル樹脂であることが好ましい。本発明の製造過程で、変性したポリエステルは粒子作製時にアミンと反応し、架橋を形成する。樹脂A、Bが変性されていると架橋分となり定着性に影響を及ぼす。
<変性ポリエステル樹脂>
本発明のトナーに含有される架橋樹脂としては、オフセット防止などの目的で粘弾性調整のために、少なくともウレア基を有する変性されたポリエステル樹脂を含有していても良い。また、ウレア基と共にウレタン結合を有していてもよい。該架橋樹脂含有割合は、結着樹脂中、30質量%以下が好ましく、3〜30質量%がより好ましく、5〜20質量%がさらに好ましく、7〜20質量%が特に好ましい。含有割合が30質量%より多くなると低温定着性が悪化し、3質量%より少なくなると耐ホットオフセット性が低下することがある。該ウレア基を有する変性されたポリエステル樹脂は、直接結着樹脂に混合しても良いが、製造性の観点から、末端にイソシアネート基を有する比較的低分子量の変性ポリエステル樹脂(以下プレポリマーと表記することがある)と、これと反応するアミン類を、O/W型湿式造粒方式で造粒中/又は造粒後に鎖伸長又は/及び架橋反応して該ウレア基を有する変性されたポリエステル樹脂となる方が好ましい。こうすることにより、粘弾性調整のための比較的高分子量の変性ポリエステル樹脂を芯部分に含有させることが容易となる。
(プレポリマー)
前記イソシアネート基を有するプレポリマーとしては、前記ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の重縮合物でかつ活性水素基を有するポリエステルをさらにポリイソシアネート(3)と反応させたものなどが挙げられる。上記ポリエステルの有する活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基およびフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基である。
(ポリイソシアネート)
ポリイソシアネート(3)としては、脂肪族ポリイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアヌレート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
(イソシアネート基と水酸基の比)
ポリイソシアネート(3)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、変性ポリエステル中のウレア含量が低くなり、耐オフセット性が悪化する。末端にイソシアネート基を有するプレポリマー(A)中のポリイソシアネート(3)構成成分の含有量は、通常0.5〜40質量%、好ましくは1〜30質量%、さらに好ましくは2〜20質量%である。0.5質量%未満では、耐オフセット性が悪化する。また、40質量%を超えると低温定着性が悪化する。
(プレポリマー中のイソシアネート基の数)
イソシアネート基を有するプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有するイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、鎖伸長及び/又は架橋後の変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐オフセット性が悪化する。
(鎖伸長及び/又は架橋剤)
本発明において、鎖伸長及び/又は架橋剤として、アミン類を用いることができる。アミン類(B)としては、ジアミン(B1)、3価以上のポリアミン(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。
ジアミン(B1)としては、次のものが挙げられる。
芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’ジアミノジフェニルメタン、テトラフルオロ−p−キシリレンジアミン、テトラフルオロ−p−フェニレンジアミンなど);
脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);
および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ドデカフルオロヘキシレンジアミン、テトラコサフルオロドデシレンジアミンなど)など
3価以上のポリアミン(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。
アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。
アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。
アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。
B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリン化合物などが挙げられる。
(停止剤)
さらに、必要により鎖伸長及び/又は架橋反応は停止剤を用いて反応終了後の変性ポリエステルの分子量を調整することができる。停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
(アミノ基とイソシアネート基の比率)
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2より大きかったり1/2未満では、ウレア変性ポリエステル(i)の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
本発明のトナーに含有される結着樹脂は、非晶性ポリエステルであることが好ましい。結晶性があると透明性を阻害し、色再現性、OHP透光性に悪影響を及ぼし、画像欠陥となる。
<層間のイオンの少なくとも一部を有機物イオンで変性した層状無機鉱物>
本発明のトナーは、層間のイオンの少なくとも一部を有機物イオンで変性した層状無機鉱物を含有することが好ましい。帯電制御剤として用いる上記変性層状無機鉱物について説明する。
層状無機鉱物は厚さ数nmの層が重ね合わさってできている無機鉱物の事を言い、変性するとはその層間に存在するイオンに有機物イオンを導入することを言う。これを広義にはインターカレーションという。層状無機鉱物としては、スメクタイト族(モンモリロナイト、サポナイトなど)、カオリン族(カオリナイトなど)、マガディアイト、カネマイトが知られている。層状無機鉱物はその層状構造により親水性が高い。その為、層状無機鉱物を変性すること無しに水系媒体中に分散して造粒するトナーに用いると、水系媒体中に層状無機鉱物が移行し、トナーに分散することが出来ないが、変性することにより、疎水性が高くなって、造粒時に容易にトナー中に分散して微細化し、電荷調整機能を十分に発揮する。このとき、トナー材料中変性層状無機鉱物の含有量は、0.05〜2質量%であることが好ましい。0.05質量%より少ないと十分な帯電特性が得られず、2質量%より多いと元来層状化合物の持っている親水性の特性により、環境安定性、特に高温高湿下での帯電特性が悪化する。
前記層状無機鉱物が有するイオンの少なくとも一部を有機物イオンで変性した層状無機鉱物の、有機物イオン変性剤としては、有機物カチオン変性剤が好ましく、有機物カチオン変性剤としては第4級アルキルアンモニウム塩を用いることが望ましい。前記第4級アルキルアンモニウムとしては、トリメチルステアリルアンモニウム、ジメチルステアリルベンジルアンモニウム、ジメチルオクタデシルアンモニウム、オレイルビス(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムなどが挙げられる。
一部を有機物カチオンで変性した層状無機鉱物は、適宜選択することができるが、モンモリロナイト、ベントナイト、ヘクトライト、アタパルジャイト、セピオライト及びこれらの混合物等が挙げられる。中でも、トナー特性に影響を与えず、容易に粘度調整ができ、添加量を少量とすることができることから有機変性モンモリロナイト又はベントナイトが好ましい。
一部を有機カチオンで変性した層状無機鉱物の市販品としては、Bentone 3、Bentone 38、Bentone 38V(以上、レオックス社製)、チクソゲルVP(United catalyst社製)、クレイトン34、クレイトン40、クレイトンXL(以上、サザンクレイ社製)等のクオタニウム18ベントナイト;Bentone 27(レオックス社製)、チクソゲルLG(United catalyst社製)、クレイトンAF、クレイトンAPA(以上、サザンクレイ社製)等のステアラルコニウムベントナイト;クレイトンHT、クレイトンPS(以上、サザンクレイ社製)等のクオタニウム18/ベンザルコニウムベントナイトが挙げられる。特に好ましいのはクレイトンAF、クレイトンAPAがあげられる。
変性層状無機鉱物を用いることにより、適度な疎水性を持つため、液滴界面に存在しやすくなることより、表面偏在し、帯電性を発揮出来る。
<着色剤>
本発明の着色剤としては公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15質量%、好ましくは3〜10質量%である。
<着色剤のマスターバッチ化>
本発明で用いる着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造またはマスターバッチとともに混練されるバインダー樹脂としては、先にあげた変性、未変性ポリエステル樹脂の他にポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
<マスターバッチ作製方法>
本マスターバッチはマスターバッチ用の樹脂と着色剤とを高せん断力をかけて混合、混練してマスターバッチを得る事ができる。この際着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を用いる事ができる。またいわゆるフラッシング法と呼ばれる着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合混練し、着色剤を樹脂側に移行させ、水分と有機溶剤成分を除去する方法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いる事ができるため乾燥する必要がなく、好ましく用いられる。混合混練するには3本ロールミル等の高せん断分散装置が好ましく用いられる。
<離型剤>
また、本発明に使用する離型剤としては、公知のものが使用でき、例えばパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油ワックス類、高級脂肪酸と高級アルコールからなる合成エステルワックス類、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリエチレン共重合体、ポリプロピレン、ポリプロピレン共重合体、酸価変性型ポリエチレン、酸変性型ポリエチレン、芳香族モノマーによるグラフト変性型ポリエチレン、熱分解型低密度ポリエチレン、熱分解型ポリプロピレン等のポリオレフィンワックス類、密ロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、モンタンワックス等の天然ワックス類などが挙げられる。これら離型剤は前記ワックス類から選択される単独または2種以上を併用しても良い。
本発明においては、トナー中のワックス含有量が、樹脂成分100質量%に対して3〜20質量%であることがより好ましい。樹脂成分100質量%に対するワックス量が3質量%未満だと、ワックスによる離型効果がなくなり、オフセット防止の余裕度がなくなることがある。一方、20質量%を超えると、ワックスは低温で溶融するため、熱エネルギー、機械エネルギーの影響を受けやすく、現像部での攪拌時などにワックスがトナー内部から染み出し、トナー規制部材や静電潜像担持体に付着し、画像ノイズを発生させることがある。また、ワックスの示差走査熱量計(DSC)により測定される昇温時の吸熱ピークは、65〜115℃でトナーの低温定着が可能になるが、融点が65℃未満では流動性が悪くなり、115℃より高いと定着性が悪くなる傾向がある。
<帯電制御剤>
本発明のトナーは、必要に応じて帯電制御剤を含有してもよい。帯電制御剤としては公知のものが全て使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、四級アンモニウム塩(フッ素変性四級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
<外添剤>
(無機微粒子)
本発明で得られた着色粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤としては、無機微粒子を好ましく用いることができる。この無機微粒子の一次粒子径は、5nm〜2μmであることが好ましく、特に5nm〜500nmであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5質量%であることが好ましく、特に0.01〜2.0質量%であることが好ましい.無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ケイ素/酸化マグネシウムや酸化ケイ素/酸化アルミニウムなどの複合酸化物、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
(高分子系微粒子)
この他高分子系微粒子たとえばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
(外添剤の表面処理)
このような流動化剤は表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。例えばシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが好ましい表面処理剤として挙げられる。
(クリーニング助剤)
静電潜像担持体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するためのクリーニング性向上剤としては、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸など脂肪酸金属塩、例えばポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子などのソープフリー乳化重合などによって製造された、ポリマー微粒子などを挙げることかできる。ポリマー微粒子は比較的粒度分布が狭く、体積平均粒径が0.01から1μmのものが好ましい。
<トナーの製造方法>
本発明のトナーの製造方法は、有機溶媒中に少なくとも結着樹脂、着色剤および離型剤を溶解又は分散させた後、該溶解物又は分散物を水系媒体中に分散させ造粒するO/W型エマルション、すなわち、水性の分散媒中に、油性(ここでは、水に対する溶解度が小さい液体のことを指す)の分散質が分散したものである工程を少なくとも含むことからなる。トナー材料を含有する液体を用いて水系媒体中でトナー材料を乳化又は分散させる際には、攪拌しながらトナー材料を含有する液体を水系媒体中に分散させることが好ましい。
分散には、公知の分散機等を適宜用いることができる。分散機の具体例としては、低速せん断式分散機、高速せん断式分散機、摩擦式分散機、高圧ジェット式分散機、超音波分散機等が挙げられる。中でも、分散体(油滴)の粒子径を2〜20μmに制御することができることから、高速せん断式分散機が好ましい。
高速せん断式分散機を用いた場合、回転数、分散時間、分散温度等の条件は、目的に応じて適宜選択することができる。回転数は、1000〜30000rpmであることが好ましく、5000〜20000rpmがより好ましい。分散時間は、バッチ方式の場合は、0.1〜5分であることが好ましく、分散温度は、加圧下において、0〜150℃であることが好ましく、20〜98℃がより好ましい。なお、一般に、分散温度が高温である方が分散は容易である。
トナーの母粒子を形成する方法は、O/W型湿式造粒方式である公知の方法の中から適宜選択することができる。具体的には、懸濁重合法、乳化重合凝集法、溶解懸濁法等を用いてトナーの母粒子を形成する方法、接着性基材を生成しながら、トナーの母粒子を形成する方法等が挙げられるが、これらの中でも、接着性基材を生成しながら、トナーの母粒子を形成する方法が好ましい。ここで、接着性基材とは、紙等の記録媒体に対する接着性を有する基材である。
接着性基材を生成しながら、トナーの母粒子を形成する方法は、トナー材料が活性水素基を有する化合物と、活性水素基に対する反応性を有する重合体を含有し、水系媒体中で、活性水素基を有する化合物と、活性水素基に対する反応性を有する重合体を反応させることにより接着性基材を生成しながら、トナーの母粒子を形成する方法である。なお、接着性基材は、この他に公知の結着樹脂をさらに含有してもよい。
即ち、本発明においては、有機溶媒中に、少なくとも上記非架橋ポリエステル樹脂A、B、着色剤、末端にイソシアネート基を有する変性ポリエステルプレポリマー、層間のイオンの少なくとも一部を有機物イオンで変性した層状無機鉱物、及び離型剤を溶解又は分散させた後、該溶解物又は分散物を水系媒体中に分散させ、該プレポリマーとアミン類との架橋反応により変性ポリエステル樹脂を生成しながらトナー母粒子を形成するO/W型湿式造粒方式によりトナーが製造されることが好ましい。末端にイソシアネート基を有する変性ポリエステルプレポリマーとアミン類との反応により得られる変性ポリエステル樹脂は架橋樹脂であり、このようにして得られるトナーは結着樹脂として、架橋樹脂である変性ポリエステル樹脂と、非架橋ポリエステル樹脂A、Bを含有する。
また、このようにして得られるトナーは、着色剤を含有することが好ましく、必要に応じて適宜選択される離型剤、帯電制御剤等のその他の成分をさらに含有してもよい。
水系媒体中で生成される接着性基材、即ち架橋樹脂の重量平均分子量は、3000以上であることが好ましく、5000〜1000000がより好ましく、7000〜500000が特に好ましい。重量平均分子量が、3000未満であると、耐ホットオフセット性が低下することがある。
本発明のトナーの製造方法としてはこれに制限されるものではないが、以下の製造方法により好適に製造される。
より具体的には、以下の通りである。
<造粒工程>
(有機溶媒)
結着樹脂、着色剤および離型剤を溶解又は分散させる有機溶媒としては、「POLYMER HANDBOOK」4th Edition,WILEY−INTERSCIENCEのVolume 2,Section VII記載のHansen溶解度パラメーターが19.5以下となるものが好ましく沸点が100℃未満の揮発性であることが、後の溶剤除去が容易になる点から好ましい。このような有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル系、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。ポリエステル樹脂、着色剤および離型剤は同時に溶解又は分散させても良いが、通常それぞれ単独で溶解又は分散され、その際使用する有機溶媒はそれぞれ異なっていても同じでも良いが、後の溶媒処理を考慮すると同じ方が好ましい。
(結着樹脂の溶解又は分散)
結着樹脂の溶解又は分散液は、樹脂濃度が40質量%〜80質量%程度であることが好ましい。濃度が高すぎると溶解又は分散が困難になり、また粘度が高くなって扱いづらい。また、濃度が低すぎるとトナーの製造量が少なくなる。結着樹脂に前記末端にイソシアネート基を有する変性ポリエステル樹脂を混合する場合は、同じ溶解又は分散液に混合しても良いし、別々に溶解又は分散液を作製しても良いが、それぞれの溶解度と粘度を考慮すると、別々の溶解又は分散液を作製する方が好ましい。
(着色剤の溶解又は分散)
着色剤は単独で溶解又は分散しても良いし、前記ポリエステル樹脂の溶解又は分散液に混合しても良い。また必要に応じて、分散助剤やポリエステル樹脂を添加しても良いし、前記マスターバッチを用いても良い。
(離型剤の溶解又は分散)
離型剤としてワックスを溶解又は分散する場合、ワックスが溶解しない有機溶媒を使用する場合は分散液として使用することになるが、分散液は一般的な方法で作製される。即ち、有機溶媒とワックスを混合し、ビーズミルの如き分散機で分散すれば良い。また、有機溶媒とワックスを混合した後、一度ワックスの融点まで加熱し、攪拌しながら冷却した後、ビーズミルの如き分散機で分散した方が、分散時間が短くて済むこともある。また、ワックスは複数種を混合して使用しても良いし、分散助剤やポリエステル樹脂を添加しても良い。
(水系媒体)
用いる水系媒体としては、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用することもできる。更には、上記油相で使用したHansen溶解度パラメーターが19.5以下の有機溶媒を混合してもよく、好ましくは水に対する飽和量付近の添加量が油相の乳化または分散安定性を高めることができる。混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などが挙げられる。トナー組成物100質量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000質量部、好ましくは100〜1000質量部である。50質量部未満ではトナー組成物の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。また、2000質量部を超えると経済的でない。
(無機分散剤および有機樹脂微粒子)
上記水系媒体中に、前記トナー組成物の溶解物または分散物を分散させる際、無機分散剤または有機樹脂微粒子をあらかじめ水系媒体中に分散させておくことにより、粒度分布がシャープになるとともに分散が安定である点で好ましい。無機分散剤としては、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ハイドロキシアパタイトなどが用いられる。有機樹脂微粒子を形成する樹脂としては、水性分散体を形成しうる樹脂であれば、いかなる樹脂であっても使用でき、熱可塑性樹脂であっても熱硬化性樹脂であっても良いが、例えはビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、2種以上を併用しても差し支えない。このうち好ましいのは、微細球状樹脂粒子の水性分散体が得られやすいという観点からビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂およびそれらの併用である。
(有機樹脂微粒子の水系への分散方法)
樹脂を有機樹脂微粒子の水性分散液にする方法は、特に限定されないが、以下の(a)〜(h)が挙げられる。
(a)ビニル系樹脂の場合において、モノマーを出発原料として、懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法または分散重合法等の重合反応により、直接、樹脂微粒子の水性分散液を製造する方法。
(b)ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加あるいは縮合系樹脂の場合において、前駆体(モノマー、オリゴマー等)またはその溶剤溶液を適当な分散剤存在下で水性媒体中に分散させ、その後に加熱したり、硬化剤を加えたりして硬化させて樹脂微粒子の水性分散体を製造する方法。
(c)ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加あるいは縮合系樹脂の場合において、前駆体(モノマー、オリゴマー等)またはその溶剤溶液(液体であることが好ましい。加熱により液状化しても良い。)中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する方法。
(d)あらかじめ高分子化反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であっても良い。)により作製した樹脂を機械回転式またはジェット式等の微粉砕機を用いて粉砕し、次いで、分級することによって樹脂微粒子を得た後、適当な分散剤存在下で水中に分散させる方法。
(e)あらかじめ高分子化反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であっても良い。)により作製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液を、霧状に噴霧することにより樹脂微粒子を得た後、適当な分散剤存在下で水中に分散させる方法。
(f)あらかじめ高分子化反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であっても良い。)により作製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液に溶剤を添加するか、またはあらかじめ溶剤に加熱溶解した樹脂溶液を冷却することにより樹脂微粒子を析出させ、次いで、溶剤を除去して樹脂微粒子を得た後、適当な分散剤存在下で水中に分散させる方法。
(g)あらかじめ高分子化反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であっても良い。)により作製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液を、適当な分散剤存在下で水性媒体中に分散させ、これを加熱または減圧等によって溶剤を除去する方法。
(h)あらかじめ高分子化反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であっても良い。)により作製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する方法。
(界面活性剤)
また、トナー組成物が含まれる油性相を水系媒体中に乳化、分散させるために、必要に応じて、界面活性剤等を用いることもできる。界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどの陰イオン界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸、及び、その金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及びその金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。また、カチオン性界面活性剤としては、フルオロアルキル基を有する脂肪族1級、2級もしくは3級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6−C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩など、商品名としてはサーフロンS−l21(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキン工業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−l32(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)が挙げられる。
また特に、下記一般式(1)にて示される含フッ素四級アンモニウム塩化合物を用いることにより、環境変動時における帯電量変化が少なく、安定した現像剤を得ることができる。
Figure 0004907475
(式中、X、Y、R1〜R4、r及びsは、それぞれ以下のものを表す。X:−SO2−又は−CO−、R1,R2,R3,R4:水素原子、炭素数1〜10の低級アルキル基又はアリール基、Y:I又はBr、r,s:1〜20の整数。)
トナーに対し、該フッ素化合物の含有量は、0.05〜0.5質量%が好ましい。0.05質量%より少ない場合は良好な帯電特性が得られず、5質量%より多い場合は、定着特性に影響し、特に定着強度が悪化する。
(保護コロイド)
また、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロ−ルアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエ一テル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの窒素原子、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフエニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。なお、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、微粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。分散剤を使用した場合には、該分散剤がトナー粒子表面に残存したままとすることもできるが、洗浄除去するほうがトナーの帯電面から好ましい。
(分散の方法)
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、より好ましくは20〜98℃である。
(脱溶)
得られた乳化分散体から有機溶剤を除去するために、公知の方法を使用することができる。例えば、常圧または減圧下で系全体を徐々に昇温し、液滴中の有機溶剤を完全に蒸発除去する方法を採用することができる。
<伸長又は/及び架橋反応>
ウレタン又は/及びウレア基を有する変性されたポリエステル樹脂を導入する目的で、末端にイソシアネート基を有する変性ポリエステル樹脂およびこれと反応可能なアミン類を添加する場合は、水系媒体中にトナー組成物を分散する前に油相中でアミン類を混合しても良いし、水系媒体中にアミン類を加えても良い。上記反応に要する時間は、ポリエステルプレポリマーの有するイソシアネート基構造と、加えたアミン類との反応性により選択されるが、通常1分〜40時間、好ましくは1〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは20〜98℃である。この反応は、前記微粒子付着工程の前に行っても良いし、微粒子付着工程中に同時進行させても良い。また、微粒子付着工程が終了してからでも良い。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。
<洗浄、乾燥工程>
水系媒体に分散されたトナー粒子を洗浄、乾燥する工程は、公知の技術が用いられる。
即ち、遠心分離機、フィルタープレスなどで固液分離した後、得られたトナーケーキを常温〜約40℃程度のイオン交換水に再分散させ、必要に応じて酸やアルカリでpH調した後、再度固液分離するという工程を数回繰り返すことにより不純物や界面活性剤などを除去した後、気流乾燥機や循環乾燥機、減圧乾燥機、振動流動乾燥機などにより乾燥することによってトナー粉末を得る。この際、遠心分離などでトナーの微粒子成分を取り除いても良いし、また、乾燥後に必要に応じて公知の分級機を用いて所望の粒径分布にすることができる。
<外添処理>
得られた乾燥後のトナー粉体と前記帯電制御性微粒子、流動化剤微粒子などの異種粒子とともに混合したり、混合粉体に機械的衝撃力を与えることによって表面で固定化、融合化させ、得られる複合体粒子の表面からの異種粒子の脱離を防止することができる。具体的手段としては、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させ、粒子同士または複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法などがある。装置としては、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)、スーパーミキサー(カワタ社製)、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して、粉砕エアー圧カを下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢などがあげられる。
<プロセスカートリッジ>
本発明の現像剤は、例えば図1に示すようなプロセスカートリッジを備えた画像形成装置に於いて使用することができる。
本発明においては、静電潜像担持体、静電潜像担持体帯電手段、現像手段、静電潜像担持体から、次工程へ転写後に静電潜像担持体面上に残存するトナーを再度帯電させるための帯電付与部材等の構成要素のうち、複数のものをプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やプリンター等の画像形成装置本体に対して着脱可能に構成する。
図1に示したプロセスカートリッジは、静電潜像担持体1、静電潜像担持体帯電手段5、静電潜像担持体から、次工程へ転写後に静電潜像担持体面上に残存するトナーを再度帯電させるための帯電付与部材3、現像手段6、を備えている。動作を説明すると、静電潜像担持体が所定の周速度で回転駆動される。
静電潜像担持体は回転過程において、帯電手段によりその周面に正または負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光等の像露光手段からの画像露光光を受け、こうして静電潜像担持体の周面に静電潜像が順次形成され、形成された静電潜像は、次いで現像手段によりトナー現像され、現像されたトナー像は、給紙部から静電潜像担持体と転写手段との間に静電潜像担持体の回転と同期されて給送された転写材に、転写手段により順次転写されていく。
像転写を受けた転写材は静電潜像担持体面から分離されて像定着手段へ導入されて像定着され、複写物(コピ−)又は印刷物(プリント)として装置外へプリントアウトされる。像転写後の静電潜像担持体の表面は、静電潜像担持体から、次工程へ転写後に静電潜像保持体面上に残存するトナーを再度帯電させるための帯電付与部材によって転写残りトナーが再帯電され、静電潜像担持体帯電部を通過し、現像工程で回収され、繰り返し画像形成に使用される。
尚、本発明のトナーは、一成分現像剤として使用することができるが、好適な外添処理と好適なキャリヤを使用することにより、二成分現像剤としても使用することができる。
トナーの分析は下記のように行った。
<物性測定方法>
(粒子径)
次に、トナー粒子の粒度分布の測定方法について説明する。
コールターカウンター法によるトナー粒子の粒度分布の測定装置としては、コールターカウンターTA−IIやコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)があげられる。以下に測定方法について述べる。
まず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を固形分にして2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの体積平均粒径(Dv)、個数平均粒径(Dp)を求めることができる。
チャンネルとしては、例えば2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とすることができる。
(平均円形度)
形状の計測方法としては粒子を含む懸濁液を平板上の撮像部検知帯に通過させ、CCDカメラで光学的に粒子画像を検知し、解析する光学的検知帯の手法が適当である。この手法で得られる投影面積の等しい相当円の周囲長を実在粒子の周囲長で除した値が平均円形度である。
この値はフロー式粒子像分析装置FPIA−2000により平均円形度として計測した値である。具体的な測定方法としては、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスフォン酸塩を0.1〜0.5ml加え、更に測定試料を0.1〜0.5g程度加える。試料を分散した懸濁液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、分散液濃度を3000〜1万個/μlとして前記装置によりトナーの形状及び分布を測定することによって得られる。
(酸価)
本発明において、樹脂の酸価は以下の方法により求める。
基本操作はJIS K−0070に準ずる。
1)試料の粉砕品0.5〜2.0(g)を精秤し、重合体成分の重さW(g)とする。
2)300(ml)のビーカーに試料を入れ、トルエン/エタノール(4/1)混合液150(ml)を加え溶解する。
3)0.1規定のKOHのメタノール溶液を用いて、電位差滴定装置を用いて滴定する(例えば、京都電子株式会社製の電位差滴定装置AT−400(winworkstation)とABP−410電動ビュレットを用いての自動滴定が利用できる。)
4)この時のKOH溶液の使用量S(ml)とし、同時にブランクを測定しこの時のKOH溶液の使用量をB(ml)とする。
5)次式により酸価を計算する。fはKOHのファクターである。
酸価(mgKOH/g)=((S−B)×f×5.61)/W
(分子量)
使用するポリエステル樹脂やビニル系共重合樹脂などの分子量は、通常のGPC(gel permeation chromatography)によって以下の条件で測定した。
・装置:HLC−8220GPC(東ソー社製)
・カラム:TSKgel SuperHZM−M x 3
・温度:40℃
・溶媒:THF(テトラヒドロフラン)
・流速:0.35mL/分
・試料:濃度0.05〜0.6%の試料を0.01mL注入
以上の条件で測定したトナー樹脂の分子量分布から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用してピーク分子量Mp、重量平均分子量Mwを算出した。単分散ポリスチレン標準試料としては、5.8×100〜7.5×1000000の範囲のものを10点使用した。
(ガラス転移点)
使用するポリエステル樹脂やビニル系共重合樹脂などのガラス転移点の測定としては、例えば示差走査熱量計(例えばDSC−6220R:セイコーインスツル社)を用いて、まず、室温から昇温速度10℃/minで150℃まで加熱した後、150℃で10min間放置、室温まで試料を冷却して10min放置、再度150℃まで昇温速度10℃/minで加熱して、ガラス転移点以下のベースラインと、ガラス転移を示す曲線部分の接線との交点で求めることができる。
(接触角)
測定装置:自動接触角測定装置OCAH200(dataphysics製)英弘精機
液滴滴下速度:10μl/sec
液滴量:5μl
測定回数:液滴滴下点を変えて、同一サンプルn=5測定
手順:樹脂またはトナーを1t/cm2の圧力を加えテストピースを作成し、マイクロシリンジから純水を5μl滴下し、滴下から30sec後の液滴の形状から接触角=(θ1+θ2)/2を計測した(特開2005−338635号公報参照)。
(THF不溶分測定方法)(特開2007−86714号公報参照)
樹脂又はトナー約1.0g(A)を秤量する。これにTHF約50gを加えて20℃で24時間静置する。これを、まず遠心分離で分けJIS規格(P3801)5種Cの定量用ろ紙を用いてろ過する。このろ液の溶剤分を真空乾燥し樹脂分のみ残査量(B)を計測する。
この残査量がTHF溶解分である。
THF不溶解分(%)は下記式より求める。
THF不溶解分(%)=(A−B)/A
トナーの場合樹脂以外のTHF不溶解成分量(W1)とTHF溶解成分量(W2)は別途公知の方法、例えばTG法による熱減量法で調べておき下記式より求める。
THF不溶解分(%)=(A−B−W2)/(A−W1−W2)×100
以下に実施例および比較例を示して、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、「部」とあるのはすべて質量部を意味する。
<ポリエステルの合成>
(ポリエステル1)冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物553部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物196部、テレフタル酸220部、アジピン酸45部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で9時間反応した後、反応容器に無水トリメリット酸90部を入れ、180℃、常圧で2時間反応し、[ポリエステル1]を得た。[ポリエステル1]は、数平均分子量6500、ピーク分子量13500、Tg47℃、酸価25であった。
(ポリエステル2)冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物553部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物196部、テレフタル酸220部、アジピン酸45部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で8時間反応した後、反応容器に無水トリメリット酸103部を入れ、180℃、常圧で2時間反応し、[ポリエステル2]を得た。[ポリエステル2]は、数平均分子量2200、ピーク分子量10300、Tg45℃、酸価32であった。
(ポリエステル3)冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物553部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物196部、テレフタル酸220部、アジピン酸45部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で12時間反応した後、反応容器に無水トリメリット酸26部を入れ、180℃、常圧で2時間反応し、[ポリエステル3]を得た。[ポリエステル3]は、数平均分子量8700、ピーク分子量20000、Tg48℃、酸価5であった。
(ポリエステル4)冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物553部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物196部、テレフタル酸220部、アジピン酸45部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応した後、反応容器に無水トリメリット酸46部を入れ、180℃、常圧で2時間反応し、[ポリエステル4]を得た。[ポリエステル4]は、数平均分子量2200、ピーク分子量5600、Tg43℃、酸価13であった。
(ポリエステル5)冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物553部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物196部、テレフタル酸220部、アジピン酸45部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で6時間反応した後、反応容器に無水トリメリット酸88部を入れ、180℃、常圧で2時間反応し、[ポリエステル5]を得た。[ポリエステル5]は、数平均分子量2200、ピーク分子量6700、Tg44℃、酸価24であった。
得られたポリエステル1〜5の特性を表1に示す。尚、ポリエステル1〜5は非架橋ポリエステル樹脂である。
Figure 0004907475
(WAX含有架橋ポリエステル1)
ビニル系モノマーとして、スチレン600g、アクリル酸ブチル110g、アクリル酸30g、及び重合開始剤としてジクミルパーオキサイド30gを滴下ロートに入れた。ポリエステルの単量体のうち、ポリオールとして、ポリオキシプロピレン(2.2)−2.2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン1230g、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン290g、イソドデセニル無水コハク酸250g、テレフタル酸310g、無水1,2,4−ベンゼントリカルボン酸180g、及びエステル化触媒としてジブチル錫オキシド7g、ワックスとしてパラフィンワックス(融点73.3℃、示差走査型熱量計で測定される昇温時の吸熱ピークの半値幅は4℃)を340g(仕込モノマー100質量部に対して11.0質量部)、温度計、ステンレス製攪拌機、流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した5リットル四つ口フラスコに入れ、マントルヒーター中で窒素雰囲気下に、160℃の温度で撹拌しつつ、滴下ロートよりビニル系モノマー樹脂と重合開始剤の混合液を一時間かけて滴下した。160℃に保持したまま2時間付加重合反応を熟成させた後、230℃に昇温して縮重合反応を行なわせた。重合度は、定荷重押出し形細管式レオメータを用いて測定した軟化点により追跡を行ない、所望の軟化点に達したときに反応を終了させ、WAX含有架橋ポリエステル1を得た。WAX含有架橋ポリエステル1は数平均分子量5500、重量平均分子量52000、Tg65℃、酸価5であった。
<プレポリマーの合成>
冷却管、撹拌機および窒索導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリツト酸22部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応し[中間体ポリエステル1]を得た。[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2100、重量平均分子量9500、Tg55℃、酸価0.5、水酸基価49であった。
次に、冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポリエステル1]411部、イソホロンジイソシアネート89部、酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応し、[プレポリマー1]を得た。[プレポリマー1]の遊離イソシアネート質量%は、1.53%であった。
<マスターバッチの合成>
カーボンブラック(キャボット社製 リーガル400R):40部、結着樹脂:ポリエステル樹脂(三洋化成RS−801 酸価10、Mw20000、Tg64℃):60部、水:30部をヘンシェルミキサーにて混合し、顔料凝集体中に水が染み込んだ混合物を得た。これをロ−ル表面温度130℃に設定した2本ロールにより45分間混練を行い
、パルベライザーで1mmφの大きさに粉砕し、[マスターバッチ1]を得た。
(実施例1)
<顔料・WAX分散液(油相)の作製>
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[ポリエステル1]と[ポリエステル4]を1:1で378部、パラフィンワックス(HNP9)120部、離型剤(WAX)分散剤(スチレン−ポリエチレンポリマー:Tg73℃、数平均分子量7100)96部(離型剤比80%)、酢酸エチル1450部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却した。次いで容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液1]を得た。
[原料溶解液1]1500部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、カーボンブラック、WAXの分散を行った。次いで、[ポリエステル1]と[ポリエステル4]を1:1の樹脂65%酢酸エチル溶液655部加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料・WAX分散液1]を得た。[顔料・WAX分散液1]の固形分濃度(130℃、30分)が50%となるように酢酸エチルを加えて調整した。
<水相の調製>
イオン交換水953部、分散安定用の有機樹脂微粒子(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の25wt%水性分散液88部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノールMON−7:三洋化成工業製)90部、酢酸エチル113部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相1]とする。
<乳化工程>
[顔料・WAX分散液1]967部、変性層状無機鉱物(クレイトンAPA(Southern Clay Products社製)を2%(トナー固形分換算)添加し、アミン類としてイソホロンジアミン6部、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmにて1分間混合した後、[プレポリマー1]137部を加えTKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmにて1分間混合した後、[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数8,000〜13,000rpmで調整しながら20分間混合し[乳化スラリー1]を得た。
<脱溶剤>
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー1]を投入し、30℃で8時間脱溶剤を行い、[分散スラリー1]を得た。
<洗浄⇒乾燥>
[分散スラリー1]100部を減圧濾過した後、
(1):濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(2):(1)の濾過ケーキにイオン交換水900部を加え、超音波振動を付与してTKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。リスラリー液の電気伝導度が10μC/cm以下となるようにこの操作を繰り返した。
(3):(2)のリスラリー液のpHが4となる様に10%塩酸を加え、そのままスリーワンモーターで攪拌30分後濾過した。
(4):(3)の濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。リスラリー液の電気伝導度が10μC/cm以下となるようにこの操作を繰り返し[濾過ケーキ1]を得た。
[濾過ケーキ1]に上記一般式(1)の化合物であるN,N,N,−トリメチル−[3−(4−ペルフルオロノネニルオキシベンズアミド)プロピル]アンモニウム、ヨージド(製品名フタージェント310(ネオス社製))の1質量%水溶液をトナー固形分に対し0.2質量%となるように攪拌下徐々に添加した。その後1時間室温下攪拌をした後に、ろ過分離し、得られたケーキを40℃24時間減圧乾燥し表面処理が施されたトナー粒子を得た。
トナー粒子を目開き75μmメッシュで篩い、[トナー母体1]を得た。体積平均粒径(Dv)は5.8μm、個数平均粒径(Dp)は5.2μmで、Dv/Dpは1.12、平均円形度は0.953であった。ついで、この母体トナー100部に疎水性シリカH2000/4(粒子径12nm、クラリアント社製)1.5部と、疎水性シリカRX50(粒子径40nm、日本アエロジル社製)0.5部をヘンシェルミキサーにて混合して、本発明の[現像剤1]を得た。
(実施例2)
表2のトナー評価結果に示されているように上記実施例1のポリエステルを変更した以外は、実施例1と同様に行い実施例2の現像剤を得た。
(比較例1〜4、6、7)
表2のトナー評価結果に示されているように上記実施例1のポリエステルを変更した以外は、実施例1と同様に行い比較例1〜4、6、7の現像剤を得た。
(比較例5)
ポリエステル1およびポリエステル4の比率が5:5からなるバインダー樹脂60質量部、WAX含有架橋ポリエステル1を40質量部に対して、カーボンブラックを4質量部、荷電制御剤LR−147(日本カーリット社製)を3質量部をヘンシェルミキサーで十分混合した後、2軸押し出し混練機(PCM−30:池貝鉄工社製)を使用して、溶融混練し、得られた混練物を冷却プレスローラーで2mm厚に圧延し、冷却ベルトで冷却した後、フェザーミルで粗粉砕した。その後、機械式粉砕機(KTM:川崎重工業社製)で平均粒径10〜12μmまで粉砕し、さらに、ジェット粉砕機(IDS:日本ニューマチックエ業社製)で粗粉分級しながら粉砕した後、微粉分級をロータ型分級機(ティープレックス型分級機タイプ:100ATP:ホソカワミクロン社製)を使用して分級を行ない、[トナー母体]を得た。
体積平均粒径(Dv)は7.8μm、個数平均粒径(Dp)は6.2μmで、Dv/Dpは1.25、平均円形度は0.913であった。ついで、この母体トナー100部に疎水性シリカH2000/4(粒子径12nm、クラリアント社製)1.5部と、疎水性シリカRX50(粒子径40nm、日本アエロジル社製)0.5部をヘンシェルミキサーにて混合して、現像剤を得た。
得られた現像剤を用い、以下のように評価した。
<評価手法>
(耐ストレス性評価)
(株)リコー製 IPSiO CX2500を使用し、印字率6%の所定のプリントパターンを、N/N環境下(23℃、45%)の2000枚連続複写後に現像器の規制ブレードへのトナー成分の固着状態を出力画像を観察し、評価した。
判定基準は以下の通りである。
○:良好(画像にスジが発生していない)
△:実使用上問題のないレベル(幅1mm以下のスジが5本以内発生している)
×:実使用上NG(幅1mm以上のスジが5本以上発生)
(光沢)
市販カラー複写機(PRETER550;リコー製)の定着装置を用いて定着評価した。定着画像の60°光沢を測定した。判定△以上が実仕様上問題ないレベルである。
○:光沢≧10
△:5≦光沢<10
×:光沢<5
(耐環境性:地汚れ評価)
リコー製IPSIO CX2500を使用し、モノクロモードでB/W比6%の所定のプリントパターンをN/N環境下(23℃、45%)、H/H環境下(27℃、80%)で1000枚連続印字した。この際、地汚れ評価として感光体上に残留しているトナーを住友3M製のメンディングテープで剥離し、分光濃度計Xrite 939でL*を測定した。判定△以上が実仕様上問題ないレベルである。
○:90以上
△:80以上90未満
×:80未満
Figure 0004907475
本発明のプロセスカートリッジの一例の概略断面図である。
符号の説明
1 静電潜像担持体
2 転写部材
3 帯電付与部材
4 シート圧接材(スポンジ)
5 静電潜像担持体帯電付与部材
6 現像器
7 転写補助部材

Claims (12)

  1. 少なくとも着色剤、結着樹脂を有し、O/W型湿式造粒方式で製造されるトナーにおいて、前記結着樹脂は少なくとも3種類のポリエステル樹脂を含有し、そのうち1種類のポリエステル樹脂が架橋樹脂であり、2種類のポリエステル樹脂が分子量、酸価の異なる非架橋樹脂A、Bから構成され、非架橋樹脂Aのピーク分子量MpA、酸価AvA、非架橋樹脂Bのピーク分子量MpB、酸価AvBが以下の関係を示すことを特徴とする静電荷現像剤用トナー。
    MpA>MpB
    AvA>AvB
    MpA−MpB>2000
    AvA−AvB>2
  2. 前記非架橋樹脂A及びBの酸価が1〜30(mgKOH/g)であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷現像剤用トナー。
  3. 前記架橋樹脂は、変性ポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項1または2に記載の静電荷現像剤用トナー。
  4. 前記変性ポリエステル樹脂が、少なくともウレア結合によって架橋されたポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項3に記載の静電荷現像剤用トナー。
  5. 前記変性ポリエステル樹脂は、末端にイソシアネート基を有する変性ポリエステルプレポリマーとアミン類との反応によって得られるポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項3又は4に記載の静電荷現像剤用トナー。
  6. 前記結着樹脂における架橋樹脂の含有率は、30質量%以下であることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の静電荷現像剤用トナー。
  7. 前記非架橋樹脂A及びBは、変性されていないポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項1から6の何れかに記載の静電荷現像剤用トナー。
  8. 前記結着樹脂が非晶性ポリエステルであることを特徴とする請求項1から7の何れかに記載の静電荷現像剤用トナー。
  9. 前記静電荷像現像用トナーが、層間のイオンの少なくとも一部を有機物イオンで変性した層状無機鉱物を含有することを特徴とする請求項1から8の何れかに記載の静電荷現像剤用トナー。
  10. 前記静電荷現像剤用トナーが、離型剤としてパラフィン類、合成エステル類、ポリオレフィン類、カルナウバワックス、またはライスワックスから選択される単独または2種以上を3〜20質量%含有することを特徴とする請求項1から9の何れかに記載の静電荷現像剤用トナー。
  11. 前記静電荷現像剤用トナーが、非磁性一成分現像剤用トナーであることを特徴とする請求項1から10の何れかに記載の静電荷現像剤用トナー。
  12. 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像を請求項1から11のいずれかに記載の静電荷現像剤用トナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有することを特徴とするプロセスカートリッジ。
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