JP2007065172A - 電子写真装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の問題点を解決し、優れた定着性能と安定したクリーニング性能を有し、電子写真感光体の耐キズ性及び耐摩耗性の機械的強度と電気的特性を両立し、繰り返し安定性に優れた電子写真装置を提供すること。
【解決手段】支持体上に感光層を有する電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、定着手段及びクリーニング手段を有する電子写真装置において、前記電子写真感光体の表面層のガラス転移温度が130℃以上であり、該現像手段が結着樹脂、着色剤及びワックスを少なくとも含有するトナーを有し、23℃においてn−ヘキサン中に15mg/cm3
の濃度で該トナーを分散させて1分間抽出して得られる抽出液のワックス濃度が0.080〜0.500mg/cm3
の範囲であることを特徴とする。
【選択図】図5
【解決手段】支持体上に感光層を有する電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、定着手段及びクリーニング手段を有する電子写真装置において、前記電子写真感光体の表面層のガラス転移温度が130℃以上であり、該現像手段が結着樹脂、着色剤及びワックスを少なくとも含有するトナーを有し、23℃においてn−ヘキサン中に15mg/cm3
の濃度で該トナーを分散させて1分間抽出して得られる抽出液のワックス濃度が0.080〜0.500mg/cm3
の範囲であることを特徴とする。
【選択図】図5
Description
本発明は、特定の電子写真感光体、トナーを有する電子写真装置に関する。
従来、電子写真法としては多数の方法が知られているが、一般には光導電性物質を利用し、帯電手段及び露光手段により電子写真感光体上に静電気的潜像を形成し、次いで該潜像をトナーで現像を行って可視像(トナー画像)とし、紙等の転写材にトナー画像を転写した後、熱、圧力等により転写材上にトナー画像を定着して複写物を得るものである。この際、転写材上に転写されずに電子写真感光体上に残ったトナー粒子は、ゴムブレード等を有したクリーニング手段により除去される。
近年、複写機やレーザービームプリンタをはじめとする電子写真装置は、省スペース、省エネルギー等の要求から、小型、軽量、高速、高画質、高信頼性が厳しく追及されてきており、電子写真装置は種々の点でよりシンプルな要素で構成されるようになってきている。その結果、トナーに要求される性能はより高度になり、トナーの性能向上が達成できなければ、より優れた電子写真装置が成り立たなくなってきている。又、近年多様なニーズに伴い、フルカラー画像出力に対する需要も急増しており、更に一層の高画質、高解像度等が望まれている。
通常のフルカラー複写機に搭載されるカラートナーは、色再現性の向上やOHP画像の透明性が重要であり、シャープメルトで低分子量のポリエステル樹脂等を結着樹脂として使用し、定着工程で各色のカラートナーが充分混色するように設計されている。
しかし、このようなシャープメルト性を有する樹脂は自己凝集力が弱く、定着ローラ等に溶融したトナーが付着する高温オフセット現象が生じるという問題がある。
そこで、従来より、高温オフセット現象の防止を目的として定着ローラへシリコーンオイル等を均一塗布することが行われてきたが、この様な構成で得られた画像は、その表面に余分のシリコーンオイル等が付着しているため、特にOHP画像において、ユーザーが使用する際、不快感を生じ好ましくない。
一方、市場で広く使用されているモノクロ複写機、モノクロプリンター用の黒トナーについては、オフセット防止のためにワックスが含有され、定着ローラへのシリコーンオイルの塗布を不要としているものが多い。近年フルカラー用のトナーにおいても、ワックスをトナーに含有させることが試みられているが、前述したようにフルカラー用のトナーは一般にポリエステル樹脂により構成されているためワックスとの相溶性が悪く、結果としてワックスの分散不良が生じ、定着性能が充分ではないだけでなく、トナーの現像性、耐久性、保存安定性等に種々の問題が生じる。
このようなワックスのポリエステル樹脂への分散不良という問題に対して、様々な提案がされている。
例えば、ビニル系共重合体を形成するためのビニル系モノマー、ポリエステル樹脂を形成するための酸及びアルコール成分並びにワックスから成る混合物からハイブリッド樹脂を合成することにより、ワックスの分散性が改良されたハイブリッド樹脂を用いたトナーが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
又、スチレン、N含有ビニルモノマー及び(メタ)アクリル酸系モノマーから成る共重合体をポリオレフィンにグラフトしたワックス分散剤、炭化水素系ワックス、ハイブリッド樹脂を少なくとも含有する、ワックスの分散性が良好で、混色性と透過性の優れた高グロスを満足するトナーも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
分子量5000〜70000の領域にメインピークを有し、Mw/Mnが100以上であり、集束イオンビーム(FIB)によるトナーの断面観察において、ワックスを含む分散粒径が0.001〜4μmの一次分散粒子が局在されて0.01〜5μmのドメインを形成している、ハイブリッド樹脂を含有するトナーも提案されている(例えば、特許文献3参照)。
又、トナーの平均円形度が0.92〜0.96であり、メタノール疎水化度における降下開始点が35〜60体積%であり、ワックスを含む分散粒径が0.005〜4μmの一次分散粒子が局在されて0.01〜5μmのドメインを形成している、ハイブリッド樹脂を含有するトナーも提案されている(例えば、特許文献4参照)。
更に、溶剤に溶解したポリエステル樹脂の溶液に、微粒子化したワックスのスラリー及び顔料スラリーを混合してこれを水中で造粒し、その後に溶剤を常温で留去することにより、ワックスを0.1〜40質量%含有し、トナー表面に露出するワックスの存在割合を1〜10質量%とした、ワックスの形状が薄片状であり、ワックスの数平均分散径を0.1〜2μmとしたトナーが提案されている(例えば、特許文献5参照)。
しかし、これらのワックス分散が改良されたトナーであっても、未だワックス分散の最適化は充分とは言えない。ワックスが更に微細化、均一化されるように、即ち、ワックスの少なくとも一部を分子レベルで結着樹脂中に均一に分散させた状態とすることにより、より一層の低温定着性、耐高温オフセット性等の定着性能が改善されたトナーが求められている。
又、電子写真感光体は電子写真プロセスにおいて電気的、機械的、光学的等、多くの特性が要求されてきており、特に繰り返し使用時における安定した電子写真特性を達成させることは重要な項目の1つである。そのために電子写真感光体の機械的特性(耐摩耗性)の向上のみならず、電気的、光学的等の特性を同時に満足させることが望まれてきた。電子写真感光体の耐摩耗性を向上させる手段としては、表面層に用いるバインダー樹脂を耐摩耗性に優れる種を選択することや高分子量化することが提案されている。
上市されている感光体の多くは、低分子の電荷輸送物質を使用しており、又、該電荷輸送物質単独では感光体としての成膜性が劣ることからバインダー樹脂との混合により製膜し表面層としての膜強度を出して用いられている。膜強度の1つの指標としてガラス転移温度があるが、ガラス転移温度と膜密着性の相反性から(例えば特許文献6参照)においてはガラス転移温度を低下させた電荷輸送層の提案がなされ、更に(例えば特許文献7参照)においては電荷輸送層のガラス転移温度を55℃〜67℃以下とする感光体が提案されている。又、ガラス転移温度と電荷輸送特性の関係に着目し、(例えば特許文献8参照)においては電荷輸送層ガラス転移温度を50℃〜70℃とする感光体が提案されている。
しかし、これらの感光体は、電子写真装置内で用いられ、クリーニング部材と摺擦を受ける場合において、耐摩耗、耐キズ性において必ずしも十分な耐久性を得るには至っていない。バインダー樹脂本来の膜強度を生かすためには、添加する電荷輸送物質の添加量を減らせば良いが、その場合には電荷輸送能の低下が生じ、感度の低下や残留電荷を起因とする耐久電位特性の悪化という問題点が生じる。
このようにバインダー樹脂に低分子の電荷輸送材料を混合させる系では強度等の低下があり、一方で電荷輸送材料の混合量にも上限界があることから電気的特性にも限界が生じてしまう。そのために電荷輸送材料を高分子化して成膜性を持たせることや、バインダー樹脂に電荷輸送性を持つ構造を導入し電荷輸送機能を持たせることにより、強度と電気的特性の向上を目指した感光層を得る提案がなされている(例えば特許文献9〜13参照)。
しかし、これらの多くは必ずしも十分な耐摩耗性を有している訳ではなく、又、強度と感度等の特性を1つの材料で達成させる事は設計の自由度が低いことでもあり、両特性の制御が容易ではなく、或る程度の特性が得られる場合でも、製造が容易ではないことからコストが非常に高く実用には向かない等の欠点があった。
特開平11−352720号公報
特開2003−076066号公報
特開2003−076056号公報
特開2003−076065号公報
特許3225889号公報
特開平6−059469号公報
特開平7−261415号公報
特開昭64−009964号公報
特開平2−282263号公報
特開平3−221522号公報
特開平8−101517号公報
特開平8−208820号公報
国際公開番号WO00/078843号公報
本発明の目的は、従来の問題点を解決し、優れた定着性能と安定したクリーニング性能を有し、電子写真感光体の耐キズ性及び耐摩耗性の機械的強度と電気的特性を両立し、繰り返し安定性に優れた電子写真装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、支持体上に感光層を有する電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、定着手段及びクリーニング手段を有する電子写真装置において、前記電子写真感光体の表面層のガラス転移温度が130℃以上であり、該現像手段が結着樹脂、着色剤及びワックスを少なくとも含有するトナーを有し、23℃においてn−ヘキサン中に15mg/cm3
の濃度で該トナーを分散させて1分間抽出して得られる抽出液のワックス濃度が0.080〜0.500mg/cm3
範囲であることを特徴とする。
の濃度で該トナーを分散させて1分間抽出して得られる抽出液のワックス濃度が0.080〜0.500mg/cm3
範囲であることを特徴とする。
本発明によれば、優れた定着性能と安定したクリーニング性能を有し、電子写真感光体の耐キズ性及び耐摩耗性の機械的強度と電気的特性を両立し、繰り返し安定性に優れた電子写真装置を提供することができる。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明のトナーは、結着樹脂、着色剤及びワックスを少なくとも含有するカラートナーであり、23℃においてn−ヘキサン中に15mg/cm3
の濃度で該トナーを分散させて1分間抽出して得られる抽出液のワックス濃度が0.080〜0.500mg/cm3
であることが必須である。前記ワックス濃度がこの範囲を外れると、優れた低温定着性や耐高温オフセット性が発現されない。
の濃度で該トナーを分散させて1分間抽出して得られる抽出液のワックス濃度が0.080〜0.500mg/cm3
であることが必須である。前記ワックス濃度がこの範囲を外れると、優れた低温定着性や耐高温オフセット性が発現されない。
本発明のトナーは、ワックスが微細化、均一化されるように、即ち、トナーの結着樹脂中にワックスの少なくとも一部を分子レベルで均一に分散させた状態となるように製造する。尚、本発明においては、結着樹脂として主にポリエステル系樹脂が好適に用いられる。
尚、ここで言う「ポリエステル系樹脂」とは、ポリエステルユニットを有している樹脂のことであり、ポリエステルユニットとビニル系共重合体ユニットとを有するハイブリッド樹脂、又はポリエステル樹脂、又はビニル系共重合体とこれらの樹脂との混合物の何れかを示しており、本発明においてはハイブリッド樹脂が好適に用いられる。又、本発明においては、結着樹脂全体の50質量%以上がポリエステルユニットを有する樹脂が好ましく、更に結着樹脂全体の70質量%以上がポリエステルユニットを有する樹脂が好ましい。
本発明者等は、トナー中のワックスを均一に微分散させるために、結着樹脂の種類、組成及び製造条件、ワックスの種類、融点、添加量、並びにその他のトナー原材料の種類、添加量、トナーの製造条件等について種々の検討を行い、得られたトナーの定着性について検討を行った結果、ワックスを微分散するほど低温定着性と耐高温オフセット性が良好となることを見出した。又同時に、特殊な手法を用いて、ワックスの更なる微細化と均一化を行い、結着樹脂中にワックスの少なくとも一部を分子レベルで均一に分散させた状態とすることにより、例えば、厚紙を転写材として出力したフルカラー画像を折り曲げても、定着画像の剥離による画像欠陥が生じにくく、美しい画像が転写材に保持されるという、従来に無い優れた低温定着性が発現されることを見出した。
又、トナー中のワックスの分散度合いと、トナーをn−ヘキサンに分散したときのトナーからn−ヘキサンへのワックスの溶出速度との間には相関があり、トナー中にワックスが高度に分散しトナー中に存在するワックス粒子やワックスドメインの存在量が減少するほど、n−ヘキサンへのトナーからのワックスの溶出速度が速くなるということも見出した。そして、ワックスの分散度合いを簡便且つ再現性良く定量化する手段について検討を行った結果、23℃においてn−ヘキサン中に15mg/cm3
の濃度でトナーを分散させて、1分間抽出して得られる抽出液のワックス濃度をガスクロマトグラフ法により定量するという方法で、ワックスの分散度合いを簡便且つ再現性良く判定できることを見出した。
の濃度でトナーを分散させて、1分間抽出して得られる抽出液のワックス濃度をガスクロマトグラフ法により定量するという方法で、ワックスの分散度合いを簡便且つ再現性良く判定できることを見出した。
種々のトナーについて、23℃においてn−ヘキサン中に15mg/cm3
での濃度で該トナーを分散させて1分間抽出して得られる抽出液のワックス濃度の測定と、トナーの定着性についての検討を行った結果、抽出液のワックス濃度が0.080mg/cm3
以上、より好ましくは0.120mg/cm3 以上となるトナーにすることで、ワックスのの少なくとも一部が分子レベルで結着樹脂中に均一に分散された状態となり、トナー中に存在するワックス粒子やワックスドメインの存在量が減少することが分かった。このことにより定着時にトナー内部からも速やかにワックスが染み出し、ワックスの添加効果が最大限に発現され、前述したように、厚紙を転写材として出力したフルカラー画像を折り曲げても、定着画像の剥離による画像欠陥が生じにくく、美しい画像が転写材に保持されるという、従来に無い優れた低温定着性が発現されることを見出した。
での濃度で該トナーを分散させて1分間抽出して得られる抽出液のワックス濃度の測定と、トナーの定着性についての検討を行った結果、抽出液のワックス濃度が0.080mg/cm3
以上、より好ましくは0.120mg/cm3 以上となるトナーにすることで、ワックスのの少なくとも一部が分子レベルで結着樹脂中に均一に分散された状態となり、トナー中に存在するワックス粒子やワックスドメインの存在量が減少することが分かった。このことにより定着時にトナー内部からも速やかにワックスが染み出し、ワックスの添加効果が最大限に発現され、前述したように、厚紙を転写材として出力したフルカラー画像を折り曲げても、定着画像の剥離による画像欠陥が生じにくく、美しい画像が転写材に保持されるという、従来に無い優れた低温定着性が発現されることを見出した。
一方で、前記抽出液のワックス濃度が高いほど定着性が向上する傾向があるものの、トナー中のワックス含有量を大幅に増やし、ワックス濃度が0.500mg/cm3
を超えるトナーとした場合には、例えば高温高湿環境下にトナーを放置したときに、分子レベルで結着樹脂中に均一に分散していたワックスが凝集を起こしてワックス分散の急激な悪化を生じ易く、優れた定着性が発現しない場合がある。従って、環境変動によらず長期に亘って優れた定着性を発現させるためには、前記抽出液のワックス濃度は、0.500mg/cm3
以下となるトナーにすることが必須であり、好ましくは前記抽出液のワックス濃度が0.400mg/cm3
以下となるトナーにすることで、再現性良く優れた定着性が発現される。
を超えるトナーとした場合には、例えば高温高湿環境下にトナーを放置したときに、分子レベルで結着樹脂中に均一に分散していたワックスが凝集を起こしてワックス分散の急激な悪化を生じ易く、優れた定着性が発現しない場合がある。従って、環境変動によらず長期に亘って優れた定着性を発現させるためには、前記抽出液のワックス濃度は、0.500mg/cm3
以下となるトナーにすることが必須であり、好ましくは前記抽出液のワックス濃度が0.400mg/cm3
以下となるトナーにすることで、再現性良く優れた定着性が発現される。
以上の理由から、本発明のトナーは、23℃においてn−ヘキサン中に15mg/cm3
の濃度でトナーを分散させて1分間抽出して得られる抽出液のワックス濃度が0.080〜0.500mg/cm3
の範囲にあることが必須であり、好ましくは0.120〜0.400mg/cm3 の範囲であるものが良い。
の濃度でトナーを分散させて1分間抽出して得られる抽出液のワックス濃度が0.080〜0.500mg/cm3
の範囲にあることが必須であり、好ましくは0.120〜0.400mg/cm3 の範囲であるものが良い。
尚、ワックスの少なくとも一部が分子レベルで結着樹脂中に均一に分散された状態となることで、n−ヘキサンへのワックスの溶出速度が速くなる理由については必ずしも定かではないが、本発明者等は以下のように推定している。
結着樹脂に比較して極性が低く、融点が低いワックスは、非極性溶媒であるn−ヘキサンに対する飽和溶解度が常温で数質量%と比較的高いものの、その溶解速度は非常に遅く、数時間を掛けて膨潤した後に、徐々に均一に溶解していく。その溶解速度はワックスの粒子径に強く依存しており、粒子径が小さいほど、その溶解速度は加速度的に上昇していく。従って、トナー中に存在するワックスについても同様のことが予想され、トナー中におけるワックスの分散粒子径が小さいほどn−ヘキサンへの溶出速度が上昇すると考えられ、その究極の状態が分子レベルでのワックスの均一分散と言える。
又、トナーにワックスを微分散させると、本来n−ヘキサンとは相互作用の殆どない結着樹脂であっても、分子レベルで均一に分散したワックスの影響で、n−ヘキサンと結着樹脂との馴染み性が良好となる。
以上のような理由から、ワックスの少なくとも一部を分子レベルで結着樹脂中に均一に分散させた状態とした本発明のトナーは、n−ヘキサンに分散したときに、トナー内部からも極めて速やかにワックスの溶出が見られるようになったものと考えられる。
前述したように、結着樹脂へのワックスの分散性を改良したトナーが幾つか知られている。しかし、本発明の特徴である、23℃においてn−ヘキサン中に15mg/cm3
の濃度で該トナーを分散させて1分間抽出して得られる抽出液のワックス濃度を特定の範囲に調整したトナーについては知られておらず、これらの従来知られているワックスを含有するトナーは、前記した23℃においてn−ヘキサン中に15mg/cm3
の濃度で該トナーを分散させて1分間抽出して得られる抽出液のワックス濃度は0.080mg/cm3
未満であった。又、そのトナーの定着性能を評価したところ、低温定着性、耐高温オフセット性に改善の余地があることが明らかとなった。
の濃度で該トナーを分散させて1分間抽出して得られる抽出液のワックス濃度を特定の範囲に調整したトナーについては知られておらず、これらの従来知られているワックスを含有するトナーは、前記した23℃においてn−ヘキサン中に15mg/cm3
の濃度で該トナーを分散させて1分間抽出して得られる抽出液のワックス濃度は0.080mg/cm3
未満であった。又、そのトナーの定着性能を評価したところ、低温定着性、耐高温オフセット性に改善の余地があることが明らかとなった。
例えば、前述した特許文献1に記載されている、ビニル系モノマー、酸及びアルコール成分並びにワックスから成る混合物から合成したハイブリッド樹脂をトナー原材料として用いた場合、溶融混練を行った際に樹脂中に分散していたワックス粒子の再凝集が生じ易く、結果として前記抽出液のワックス濃度が0.080mg/cm3
未満となる。
未満となる。
又、特許文献2及び3に記載されている、スチレン、N含有ビニルモノマー及び(メタ)アクリル酸系モノマーから成る共重合体をポリオレフィンにグラフトしたワックス分散剤を用いて製造されたトナーや、特許文献4に記載されている混練を段階的に繰り返すことにより製造されたトナーは、ワックスの一次平均分散粒子径自体は微粒子化しているものの、トナー製造工程においてワックスと結着樹脂を混合するという工程を経るため、どうしても分散粒子が近接して凝集したワックスドメインを多数形成し易く、又、このドメインの粒子径が溶融混練条件により大きくなり過ぎたり、場合によってはワックス分散粒子の再凝集が生じ、ワックス分散粒子径の粗大化を起こすことがあり、結果として前記抽出液のワックス濃度が0.080mg/cm3
未満となってしまう。
未満となってしまう。
更に、特許文献5に記載されている、溶剤に溶解したポリエステルの溶液に、微粒子化したワックスのスラリー及び顔料スラリーを混合してこれを水中で造粒し、その後に溶剤を常温で留去することにより製造したトナーは、ワックスを機械的に微粒子化してこれを溶液状の結着樹脂と混合するというものであり、ワックスの数平均分散粒子径は1μm程度と微分散とは言い難く、前記抽出液のワックス濃度も0.080mg/cm3
未満である。
未満である。
本発明のトナーにおいて、23℃においてn−ヘキサン中に15mg/cm3
の濃度で該トナーを分散させて1分間抽出して得られる抽出液のワックス濃度を0.080〜0.500mg/cm3
とするためには、ワックスの少なくとも一部を分子レベルで結着樹脂中に均一に分散させた状態とすることにより、製造することができる。
の濃度で該トナーを分散させて1分間抽出して得られる抽出液のワックス濃度を0.080〜0.500mg/cm3
とするためには、ワックスの少なくとも一部を分子レベルで結着樹脂中に均一に分散させた状態とすることにより、製造することができる。
本発明において、ワックスの少なくとも一部を分子レベルで結着樹脂中に均一に分散させた状態とする方法としては、例えば、ワックス、ビニル系共重合体ユニットを形成するためのビニル系モノマー及びポリエステルユニットを形成するための酸及びアルコール成分の混合物からハイブリッド樹脂を合成する際に、ビニル系モノマーの重合反応を、水素引き抜き能力の比較的強い重合開始剤(例えば、t−ブトキシラジカルが分解により生成するジ−t−ブチルパーオキサイド等)を使用して比較的高い重合温度で行い、ビニル系モノマーの重合と共にビニル系モノマーのワックスや樹脂へのグラフト重合を意図的に起こし、ワックスのビニル系共重合体への相溶性及びワックスのハイブリッド樹脂への相溶性を向上させる方法が挙げられる。
又、上記モノマー混合物にワックス及びハイブリッド樹脂の良溶媒を添加し、完全に溶解した状態でハイブリッド樹脂を合成し、ワックスを分子レベルで均一に分散する方法、更に、溶剤に溶解したワックスとハイブリッド樹脂の均一混合物から、低温で溶剤を除去してワックスの高分散性を維持する方法等が適用可能であり、勿論、これらを組み合わせて適用することもできる。
次に、本発明のトナーの組成について説明する。
本発明のトナーは結着樹脂を少なくとも含有する。
本発明のトナーに含有される結着樹脂は、トナー中にワックスが高分散される限り、従来トナーに用いられる一般的なものが用いられ特に限定されないが、ポリエステルユニットとビニル系共重合体ユニットとを有するハイブリッド樹脂、又はポリエステル樹脂、又はビニル系共重合体とこれらの樹脂との混合物の何れかのポリエステル系樹脂であることが好ましく、ハイブリッド樹脂がより好ましい。
上述しているが「ポリエステル系樹脂」とは、ポリエステルユニットを有している樹脂のことであり、結着樹脂全体の50質量%以上がポリエステルユニットを有する樹脂が好ましく、更に結着樹脂全体の70質量%以上がポリエステルユニットを有する樹脂が好ましい。結着樹脂全体の50質量%以上がポリエステルユニットを有する樹脂とすることにより、高い着色力、鮮明な色味と良好な混色性、そして優れた透明性がより顕著に発現できる。更に、結着樹脂全体の50質量%以上がポリエステルユニットを有するハイブリッド樹脂とすることにより、良好な顔料分散性、ワックス分散性、低温定着性、更に耐高温オフセット性の向上が期待できる。
尚、本発明において「ポリエステルユニット」とは、ポリエステルに由来する部分を示し、「ビニル系共重合体ユニット」とはビニル系共重合体に由来する部分を示す。ポリエステルユニットを構成するポリエステル系モノマーは、多価カルボン酸成分と多価アルコール成分である。ビニル系共重合体ユニットを構成するビニル系モノマーは、ビニル基を有するモノマー成分である。
本発明において「ハイブリッド樹脂」とは、ビニル系共重合体ユニットとポリエステルユニットが化学的に結合された樹脂を意味する。具体的には、例えば(メタ)アクリル酸エステル等のカルボン酸エステル基を有するモノマーを重合したビニル系共重合体ユニットとポリエステルユニットとがエステル交換反応によって形成されるものであり、好ましくはビニル系共重合体ユニットを幹重合体、ポリエステルユニットを枝重合体としたグラフト共重合体(又はブロック共重合体)を形成するものである。
本発明のトナーに含有される結着樹脂として、ポリエステル樹脂又はポリエステルユニットを有するハイブリッド樹脂を用いる場合、ポリエステル樹脂又はハイブリッド樹脂のポリエステルユニットを生成するためのポリエステル系モノマーとして、多価のアルコールと多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物、又は多価カルボン酸エステル等が原料モノマーとして使用できる。
具体的には、例えば2価アルコール成分としては、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物や、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。
3価以上のアルコール成分としては、例えばソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。
2価カルボン酸成分としては、例えばフタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸類又はその無水物;コハク酸、ドデセニルコハク酸、アジピン酸、セバシン酸及びアゼライン酸等のアルキルジカルボン酸類又はその無水物;炭素数6〜12のアルキル基で置換されたコハク酸又はその無水物;フマル酸、マレイン酸及びシトラコン酸等の不飽和ジカルボン酸類又はその無水物;が挙げられる。
又、3価以上のカルボン酸成分としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(別名トリメリット酸)、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸及びこれらの無水物やエステル化合物が挙げられる。
尚、上記の中でも、特に、下記一般式(11)で代表されるビスフェノール誘導体をジオール成分とし、2価以上のカルボン酸又はその酸無水物、又はその低級アルキルエステルとから成るカルボン酸成分(例えば、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等)を酸成分として用いることが好ましい。この組成としたポリエステル樹脂又はポリエステルユニットを含有する樹脂は、良好な帯電特性を有する。
本発明のトナーに含有される結着樹脂として、ビニル系共重合体又はビニル系共重合体ユニットを有するハイブリッド樹脂を用いる場合、ビニル系共重合体又はハイブリッド樹脂のビニル系共重合体ユニットを生成するためのビニル系モノマーとして、次のようなものを用いることができる。
スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、痾−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−ニトロスチレン等のスチレン及びその誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等の不飽和モノオレフィン類;ブタジエン、イソプレン等の不飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等のビニルエステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等の痾−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸又はメタクリル酸誘導体等が挙げられる。
更に、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸等の不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物等の不飽和二塩基酸無水物;マレイン酸メチルハーフエステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン酸ブチルハーフエステル、シトラコン酸メチルハーフエステル、シトラコン酸エチルハーフエステル、シトラコン酸ブチルハーフエステル、イタコン酸メチルハーフエステル、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル、フマル酸メチルハーフエステル、メサコン酸メチルハーフエステル等の不飽和二塩基酸のハーフエステル;ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸等の不飽和二塩基酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸等の痾,竈−不飽和酸;クロトン酸無水物、ケイヒ酸無水物等の痾,竈−不飽和酸無水物、該痾,竈−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物;アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、これらの酸無水物及びこれらのモノエステル等のカルボキシル基を有するモノマーが挙げられる。
更に、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸エステル類;4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルヘキシル)スチレン等のヒドロキシ基を有するモノマーが挙げられる。
本発明のトナーに含有させる結着樹脂として、ビニル系共重合体又はビニル系共重合体ユニットを有するハイブリッド樹脂を用いる場合には、これらの樹脂はビニル基を2個以上有する架橋剤で架橋されたものであっても良い。この場合に用いられる架橋剤としては、以下のものが挙げられる。
ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等の芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート等のアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの;ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート等のエーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類及び以上の化合物のアクリレートをメタアクリレートに代えたもの;ポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、ポリオキシエチレン(4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート等の芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの等が挙げられる。
上記以外に多官能の架橋剤を用いることもでき、多官能架橋剤としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの;トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテート等が挙げられる。
ビニル系共重合体ユニットやポリエステルユニットを有するハイブリッド樹脂をトナーに含有させる場合、そのビニル系共重合体ユニットやポリエステルユニット中には、両樹脂成分と互いに反応し得るモノマー成分を含むことが好ましい。ポリエステルユニットを構成するポリエステル系モノマーのうちビニル系共重合体ユニットと反応し得るものとしては、例えば、フタル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸又はその無水物等が挙げられる。ビニル系共重合体ユニットを構成するビニル系モノマーのうちポリエステルユニットと反応し得るものとしては、カルボキシル基又はヒドロキシ基を有するもの、アクリル酸又はメタクリル酸エステル類が挙げられる。
ビニル系共重合体ユニットとポリエステルユニットとの反応生成物を得る方法としては、先に挙げたビニル系共重合体ユニット及びポリエステルユニットのそれぞれと反応し得るモノマー成分を含むポリマーが存在しているところで、どちらか一方又は両方の樹脂の重合反応をさせることにより得る方法が好ましい。
ビニル系共重合体やビニル系共重合体ユニットを有するハイブリッド樹脂を製造する場合に用いられるラジカル重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(−2メチルブチロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2−(カーバモイルアゾ)−イソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチル−プロパン)、メチルエチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−クミルパーオキサイド、痾,畚quote −ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、m−トリオイルパーオキサイド、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシカーボネート、ジ−メトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシカーボネート、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエイト、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエイト、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート、t−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート,ジ−t−ブチルパーオキシアゼレート等が挙げられる。
本発明のトナーに含有させることができるハイブリッド樹脂の製造方法としては、例えば、以下の(1)〜(6)に示す製造方法を挙げることができる。
(1)ビニル系共重合体、ポリエステル樹脂及びハイブリッド樹脂をそれぞれ製造後にブレンドする方法であり、ブレンドは有機溶剤(例えば、キシレン)に溶解・膨潤した後に有機溶剤を留去することで行う。尚、ハイブリッド樹脂は、ビニル系共重合体とポリエステル樹脂を別々に製造後、少量の有機溶剤に溶解・膨潤させ、エステル化触媒及びアルコールを添加し、加熱することによりエステル交換反応を行って合成されるエステル化合物を用いることができる。
(2)ビニル系共重合体ユニット製造後に、これの存在下にポリエステルユニット及びハイブリッド樹脂を製造する方法である。ハイブリッド樹脂はビニル系共重合体ユニット(必要に応じてビニル系モノマーも添加できる)とポリエステル系モノマー(アルコール、カルボン酸)及び/又はポリエステルとの反応により製造される。この場合も適宜、有機溶剤を使用することができる。
(3)ポリエステルユニット製造後に、これの存在下にビニル系共重合体ユニット及びハイブリッド樹脂を製造する方法である。ハイブリッド樹脂はポリエステルユニット(必要に応じてポリエステル系モノマーも添加できる)とビニル系モノマー及び/又はビニル系共重合体ユニットとの反応により製造される。
(4)ビニル系共重合体ユニット及びポリエステルユニット製造後に、これらの重合体ユニット存在下にビニル系モノマー及び/又はポリエステル系モノマー(アルコール、カルボン酸)を添加することによりハイブリッド樹脂が製造される。この場合も適宜、有機溶剤を使用することができる。
(5)ハイブリッド樹脂を製造後、ビニル系モノマー及び/又はポリエステル系モノマー(アルコール、カルボン酸)を添加して付加重合及び/又は縮重合反応を行うことによりビニル系共重合体ユニット及びポリエステルユニットが製造される。この場合、ハイブリッド樹脂は上記(2)〜(4)の製造方法により製造されるものを使用することもでき、必要に応じて公知の製造方法により製造されたものを使用することもできる。更に、適宜、有機溶剤を使用することができる。
(6)ビニル系モノマー及びポリエステル系モノマー(アルコール、カルボン酸等)を混合して付加重合及び縮重合反応を連続して行うことによりビニル系共重合体ユニット、ポリエステルユニット及びハイブリッド樹脂が製造される。更に、適宜、有機溶剤を使用することができる。
(1)ビニル系共重合体、ポリエステル樹脂及びハイブリッド樹脂をそれぞれ製造後にブレンドする方法であり、ブレンドは有機溶剤(例えば、キシレン)に溶解・膨潤した後に有機溶剤を留去することで行う。尚、ハイブリッド樹脂は、ビニル系共重合体とポリエステル樹脂を別々に製造後、少量の有機溶剤に溶解・膨潤させ、エステル化触媒及びアルコールを添加し、加熱することによりエステル交換反応を行って合成されるエステル化合物を用いることができる。
(2)ビニル系共重合体ユニット製造後に、これの存在下にポリエステルユニット及びハイブリッド樹脂を製造する方法である。ハイブリッド樹脂はビニル系共重合体ユニット(必要に応じてビニル系モノマーも添加できる)とポリエステル系モノマー(アルコール、カルボン酸)及び/又はポリエステルとの反応により製造される。この場合も適宜、有機溶剤を使用することができる。
(3)ポリエステルユニット製造後に、これの存在下にビニル系共重合体ユニット及びハイブリッド樹脂を製造する方法である。ハイブリッド樹脂はポリエステルユニット(必要に応じてポリエステル系モノマーも添加できる)とビニル系モノマー及び/又はビニル系共重合体ユニットとの反応により製造される。
(4)ビニル系共重合体ユニット及びポリエステルユニット製造後に、これらの重合体ユニット存在下にビニル系モノマー及び/又はポリエステル系モノマー(アルコール、カルボン酸)を添加することによりハイブリッド樹脂が製造される。この場合も適宜、有機溶剤を使用することができる。
(5)ハイブリッド樹脂を製造後、ビニル系モノマー及び/又はポリエステル系モノマー(アルコール、カルボン酸)を添加して付加重合及び/又は縮重合反応を行うことによりビニル系共重合体ユニット及びポリエステルユニットが製造される。この場合、ハイブリッド樹脂は上記(2)〜(4)の製造方法により製造されるものを使用することもでき、必要に応じて公知の製造方法により製造されたものを使用することもできる。更に、適宜、有機溶剤を使用することができる。
(6)ビニル系モノマー及びポリエステル系モノマー(アルコール、カルボン酸等)を混合して付加重合及び縮重合反応を連続して行うことによりビニル系共重合体ユニット、ポリエステルユニット及びハイブリッド樹脂が製造される。更に、適宜、有機溶剤を使用することができる。
上記(1)〜(5)の製造方法において、ビニル系共重合体ユニット及び/又はポリエステルユニットは複数の異なる分子量、架橋度を有する重合体ユニットを使用することができる。
上記(1)〜(6)の製造方法のうち、本発明のトナーを得るためには(6)の製造方法が好適に採用される。(6)の製造方法により得られたハイブリッド樹脂は、ビニル系共重合体ユニットとポリエステルユニットが非常に均一な状態となり易く好ましい。
又、本発明においては、ビニル系モノマー及びポリエステル系モノマーに加えて、更にワックスもモノマー混合物に共存させ、その状態で付加重合及び縮重合反応を連続して行えば、ワックスの分散性が向上し易く好ましい。
更に、ビニル系モノマーの付加重合の際に、水素引き抜き能力の比較的強い重合開始剤を使用して比較的高い重合温度で行う等、適当に重合条件を選択して、ビニル系共重合体の生成とともにワックスや樹脂へのビニル系モノマーのグラフト重合を意図的に起こせば、ワックスのビニル系共重合体への相溶性及びワックスのハイブリッド樹脂への相溶性を更に向上させることができ、結果として、トナー中にワックスの少なくとも一部を分子レベルで均一に分散することが容易であり、特に好ましい。
本発明において用いられる結着樹脂は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定における分子量分布において、テトラヒドロフラン(THF)に可溶な成分のピーク分子量(Mp)が4000〜20000の範囲にあることが好ましく、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が5以上であることが好ましい。前記Mpが4000未満の場合、得られるトナーの保存安定性に問題が生じたり、耐高温オフセット性が不充分になるとともに、電子写真感光体への融着及びフィルミング等が発生し易くなる場合がある。一方、Mpが20000を超える場合、低温定着性が不充分となるとともに、画像のグロスが低くなり過ぎたり、混色性に問題が生じる場合がある。又、Mw/Mnが5未満である場合には耐高温オフセット性に問題が生じる場合がある。
本発明のトナーは、GPC測定における分子量分布において、該トナーに含有されるTHFに可溶な結着樹脂成分のMpが4000〜20000の範囲にあることが好ましく、MwとMnとの比(Mw/Mn)が100以上であることが好ましい。トナーに含有される樹脂成分のMpが4000未満の場合、トナーの保存安定性に問題が生じたり、耐高温オフセット性が不充分になるとともに、電子写真感光体への融着及びフィルミング等が発生し易くなる場合がある。
一方、Mpが20000を超える場合、低温定着性が不充分となるとともに、画像のグロスが低くなり過ぎたり、混色性に問題が生じる場合がある。又、Mw/Mnが100未満である場合には耐高温オフセット性に問題が生じる場合がある。
本発明のトナーに含有されるTHFに可溶な結着樹脂成分のMpを4000〜20000の範囲にするためには、THFに可溶な成分のMpが4000〜20000の結着樹脂をトナーの原材料として用いれば良い。又、(Mw/Mn)を100以上とするためには、(Mw/Mn)が100以上である結着樹脂を用いても良く、(Mw/Mn)が100未満の結着樹脂と後述する有機金属化合物とをトナー製造工程の1つである混練工程において金属架橋させて、Mw/Mnを100以上とすることもできる。又、この金属架橋による方法を用いて(Mw/Mn)を調整する場合には、有機金属化合物の種類、添加量や混練時の温度の調整で、(Mw/Mn)の調整が可能である。
本発明のトナーは、シアントナー用、マゼンタトナー用、イエロートナー用又はブラックトナー用の着色剤を含有する。
例えば、シアントナー用の着色剤としては、C.I.ピグメントブルー2,3,15:1,15:2,15:3,16,17,C.I.アシッドブルー6,C.I.アシッドブルー45又はフタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料等が挙げられる。
又、マゼンタトナー用の着色顔料としては、C.I.ピグメントレッド1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,21,22,23,30,31,32,37,38,39,40,41,48,49,50,51,52,53,54,55,57,58,60,63,64,68,81,83,87,88,89,90,112,114,122,123,163,202,206,207,209,238,C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.バットレッド1,2,10,13,15,23,29,35等が挙げられる。
更に、マゼンタトナー用の染料としては、C.I.ソルベントレッド1,3,8,23,24,25,27,30,49,81,82,83,84,100,109,121,C.I.ディスパースレッド9、C.I.ソルベントバイオレット8,13,14,21,27、C.I.ディスパースバイオレット1等の油溶染料;C.I.ベーシックレッド1,2,9,12,13,14,15,17,18,22,23,24,27,29,32,34,35,36,37,38,39,40、C.I.ベーシックバイオレット1,3,7,10,14,15,21,25,26,27,28等の塩基性染料が挙げられる。
イエロートナー用の着色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1,2,3,4,5,6,7,10,11,12,13,14,15,16,17,23,65,73,74,83,93,97,155,180、C.I.バットイエロー1,3,20等が挙げられる。
ブラックトナー用の着色剤としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、黒鉛、鉄黒、アニリンブラック、シアニンブラック等が挙げられる。
着色剤の使用量は、中間色の再現性と着色力とのバランスから、結着樹脂100質量部に対して、1〜15質量部、好ましくは3〜10質量部含有していることが良い。
着色剤の含有量が15質量部より多い場合には、透明性が低下し、加えて人間の肌色に代表されるような中間色の再現性も低下し易くなり、更にはトナーの帯電性の安定性が低下し、目的とする帯電量が得られにくくなる。又、着色剤の含有量が1質量部より少ない場合には、目的とする着色力が得られ難く、高い画像濃度の高品位画像が得られ難い。
本発明のトナーはワックスを含有する。
本発明のトナーに含有させることができるワックスとしては、例えば次のものが挙げられる。ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、オレフィン共重合体ワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス、パラフィンワックス等の脂肪族炭化水素系ワックス、又、酸化ポリエチレンワックス等の脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物、又はそれらのブロック共重合物;カルナウバワックス、モンタン酸エステルワックス等の脂肪酸エステルを主成分とするワックス類、ベヘン酸ベヘニルやステアリン酸ベヘニル等の高級脂肪酸と高級アルコールとの合成反応物であるエステルワックス及び脱酸カルナウバワックス等の脂肪酸エステル類を一部又は全部を脱酸化したもの等が挙げられる。
更に、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸等の飽和直鎖脂肪酸類;ブランジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸等の不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコール等の飽和アルコール類;ソルビトール等の多価アルコール類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド等の飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N' ジオレイルアジピン酸アミド、N,N' ジオレイルセバシン酸アミド等の不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N' ジステアリルイソフタル酸アミド等の芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等の脂肪族金属塩(一般に金属石けんと言われているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸等のビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリド等の脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加等によって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物等が挙げられる。
本発明において、好ましく用いられるワックスとしては脂肪族炭化水素系ワックスが挙げられ、より好ましくはポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュワックス、パラフィンワックス、特に好ましくはパラフィンワックスが挙げられる。脂肪族炭化水素系ワックスを用いると、ワックスのトナー中での分散状態を最適とし易く、低温定着性に優れるだけでなく、高い着色力、鮮明な色味と混色性が発現され、現像性、転写性、耐久性等の各種特性のバランスの優れたトナーが得られ易い。
又、優れた低温定着性、高い着色力、鮮明な色味と混色性、及び優れた環境安定性、耐久性を達成するために、前記ワックスの示差熱分析(DSC)測定における吸熱曲線において、最大吸熱ピークのピーク温度が60〜105℃の範囲にあることが好ましく、70〜90℃の範囲にあることがより好ましい。60℃未満であると、例えばトナーの保存安定性が劣る場合があり、105℃を超えると省エネの観点から望まれる低温定着を行うことが困難となる場合がある。
ワックスは結着樹脂100質量部当たり1〜10質量部、好ましくは2〜7質量部使用するのが良い。1質量部よりも少ないと低温定着性に効果が無く、10質量部を超えるとトナーの保存安定性や現像性に問題が出る場合がある。
本発明のトナーは、示差熱分析(DSC)測定における吸熱曲線において、温度30〜200℃の範囲に1個又は複数の吸熱ピークを有し、該吸熱ピーク中の最大吸熱ピークのピーク温度が60〜105℃の範囲にあることが好ましく、特に好ましくは70〜90℃の範囲である。最大吸熱ピークのピーク温度がこの範囲にあれば、優れた低温定着性と現像性とのバランスが良好となる。最大吸熱ピークのピーク温度が60℃未満であるとトナーの保存安定性が劣る場合があり、105℃を超えると省エネの観点から望まれる低温定着を行うことが困難となる場合がある。尚、最大吸熱ピークのピーク温度を60〜105℃とするには、前述した最大吸熱ピークのピーク温度が60〜105℃のワックスを、トナーに含有させることにより達成可能である。
又、本発明のトナーには、更に有機金属化合物を含有させても良い。有機金属化合物を含有させると、帯電レベルを調整でき、帯電の立ち上がりを良くし、トナーの熱溶融特性を改良することができる等の点で好ましい。本発明のトナーに含有させる有機金属化合物としては、芳香族オキシカルボン酸及び芳香族アルコキシカルボン酸から選択される芳香族カルボン酸誘導体、該芳香族カルボン酸誘導体の金属化合物であることが好ましく、その金属としては、2価以上の金属が好ましい。又、芳香族カルボン酸誘導体としては、サリチル酸誘導体が好ましい。
芳香族カルボン酸の金属化合物は、例えば、2価以上の金属イオンが溶解している水溶液を、芳香族カルボン酸を溶解した水酸化ナトリウム水溶液に滴下し、加熱撹拌し、次に水溶液のpHを調整し、常温まで冷却した後、ろ過水洗することにより合成することができるが、上記の合成方法だけに限定されるものではない。2価の金属としてMg2+、Ca2+、Sr2+、Pb2+、Fe2+、Co2+、Ni2+、Zn2+、Cu2+が挙げられる。これらのうち、Zn2+、Ca2+、Mg2+、Sr2+が好ましい。3価以上の金属としてはAl3+、Cr3+、Fe3+、Ni3+、Zr4+が挙げられる。これら3価以上の金属の中で好ましいのはAl3+、Cr3+、Zr4+であり、特に好ましいのはAl3+、Zr4+である。
本発明のトナーに有機金属化合物を含有させる場合、有機金属化合物は結着樹脂100質量部当たり0.1〜5質量部含有させることが好ましい。この範囲の含有量とするとトナーの帯電レベルを適度に調整できるため現像時に必要な絶対帯電量が得られ易くなり、前述した混練時の金属架橋による(Mw/Mn)の調整も可能であり、トナーの熱溶融特性も改良することができる。
本発明のトナーは、トナー粒子に流動性向上剤が外部添加(以下、「外添」と言う)されているトナーであることが好ましい。ここで、流動性向上剤とは、トナー粒子に外添することにより、流動性が増加し得る機能を有するものであり、画質向上の観点から添加される。例えば、フッ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフルオロエチレン微粉末等のフッ素系樹脂粉末;湿式製法で得られるシリカ微粉末、乾式製法で得られるシリカ微粉末等のシリカ微粉末;それらシリカ微粉末をシラン化合物、チタンカップリング剤、シリコーンオイル等の処理剤により表面処理を施した処理シリカ微粉末;酸化チタン微粉末;アルミナ微粉末、処理酸化チタン微粉末、処理酸化アルミナ微粉末等が用いられる。このような流動性向上剤は、BET法で測定した窒素吸着による比表面積が30m2
/g以上、好ましくは50m2 /g以上のものが良好な結果を与える。
/g以上、好ましくは50m2 /g以上のものが良好な結果を与える。
流動性向上剤は、トナー粒子100質量部に対して0.01〜10質量部、好ましくは0.05〜5質量部使用するのが良い。
本発明のトナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤、ワックスを含有するトナー粒子と、必要に応じてトナー粒子に外添される流動性向上剤等の外添剤とから構成される。
本発明におけるトナー粒子は、以下で述べる方法により得ることができる。即ち、トナー原材料をヘンシェルミキサー、ボールミル等の混合機により充分混合し、ニーダー、エクストルーダー等の熱混練機を用いて溶融、捏和及び練肉し、溶融混練物を冷却固化後に固化物を粉砕し、粉砕物を分級することにより、所定の平均粒径のトナー粒子を得ることができる。
本発明のトナーは重量平均粒径が4〜9μmであることが好ましい。このようにトナーの重量平均粒径を小粒径化することにより、画像の輪郭部分、特に文字画像やラインパターンの現像での再現性が良好なものとなる。重量平均粒径が4μm未満であると、例えば電子写真感光体の表面への付着力が高くなり、転写不良に基づく画像の不均一ムラの原因となり易い。又、トナーの単位質量当たりの帯電量が高くなり、例えば低温低湿環境下において画像濃度が低下してしまう場合がある。更に、流動性の低下や部材への付着性の増加により、例えば二成分系現像剤とした場合、キャリアとの摩擦帯電がスムーズに行われにくく、充分に帯電し得ないトナーが増大し、非画像部のカブリが目立つようになる。
又、重量平均粒径が9μmを超えると、高画質化に寄与し得る微粒子が少ないことを意味し、トナーの流動性に優れるというメリットがあるものの、電子写真感光体上の微細な静電荷像上に忠実に付着しづらく、ハイライト部の再現性が低下し、更に階調性も低下する場合がある。又、電子写真感光体表面等の部材への融着が起き易い。
更に、4μm以下の粒径を有するトナーが3〜40個数%含有され、10μm以上の粒径を有するトナーが10体積%以下含有されていると、現像性、転写性のバランスの取れたトナーが得られ易く、特に好ましい。
本発明のトナーは、一成分系現像剤としても二成分系現像剤としても使用可能であるが、二成分系現像剤として使用すると、長期に亘って鮮明なフルカラー画像がより得られ易く好ましい。
本発明のトナーを二成分系現像剤として用いる場合、本発明のトナーと磁性キャリアとを混合して二成分系現像剤とすれば良い。磁性キャリアとしては、例えば表面酸化又は未酸化の鉄、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム、カルシウム、マグネシウム、希土類等の金属及びそれらの合金又は酸化物及び磁性フェライト等の磁性キャリアが使用できる。
又、上記磁性キャリアの表面を樹脂等で被覆した樹脂コートキャリアは、本発明において好適に用いられる。樹脂コートキャリアの製造方法としては、従来公知の方法を採用することができ特に限定されないが、一例を挙げれば、磁性キャリアを浮遊流動させながら樹脂溶液をスプレーしキャリア表面にコート膜を形成させる方法、スプレードライ法、樹脂等の被覆材を溶剤中に溶解又は懸濁させて磁性キャリアと混合し、剪断応力を加えながら溶剤を徐々に揮発させる方法、単に粉体と磁性キャリアを混合する方法等が挙げられる。
磁性キャリアの被覆材料としては、トナー融着等の磁性キャリアへのスペント化を防ぐために有用と考えられる表面エネルギーの小さい樹脂、例えばシリコーン樹脂、フッ素樹脂等が挙げられ、その他にもポリエステル樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド、ポリビニルブチラール、アミノアクリレート樹脂等が例示され、これらは単独又は組み合わせて用いられる。
又、磁性キャリアに対する接着性を高めるために、種々の添加物を併用し被膜の強靭性を高めることが好ましい。特にシリコーン樹脂を被覆する際は使用する被覆樹脂希釈溶剤中に水を添加することで、得られる被覆キャリアの耐久性及び帯電特性が更に改良される。これは、硬化型シリコーン樹脂の架橋点及びシランカップリング剤の加水分解が促進され、硬化反応がより進行すること、及び短時間ではあるがシリコーン樹脂の表面エネルギーが増加し、磁性キャリアとの密着性が向上することによるものである。
被膜樹脂の磁性キャリアに対する塗布量は、磁性キャリア100質量部当たり樹脂固形分が0.05〜10質量部、好ましくは0.1〜5質量部である。
又、磁性キャリアの重量平均粒径は25〜80μm、より好ましくは30〜65μmであることが好ましい。粒径の測定はマイクロトラック粒度分析計(日機装(株)製)のSRAタイプを使用し、0.7〜125μmのレンジ設定で行うことができる。磁性キャリアの重量平均粒径が25μmよりも小さい場合、トナーとの混合が難しくなる。又、重量平均粒径が80μmを超えると、磁性キャリアの比表面積が小さいことから、トナー補給時の帯電能力が劣り、カブリやトナー飛散の原因となることがある。
本発明のトナーと上記形態の磁性キャリアとを混合して二成分系現像剤を調製する場合、その混合比率は現像剤中のトナー濃度として、2〜15質量%、好ましくは4〜13質量%にすると通常良好な結果が得られる。トナー濃度が2質量%未満では画像濃度が低下し易く、15質量%を超えるとカブリや機内飛散が発生し易く、現像剤の耐用寿命が低下し易い。
次に、本発明の電子写真感光体について説明する。
本発明の電子写真感光体は、支持体上に感光層を有する電子写真感光体である。
感光層は、電荷輸送物質と電荷発生物質を同一の層に含有する単層型感光層であっても、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とに分離した積層型(機能分離型)感光層であっても良い。
又、支持体と感光層との間には、レーザー光等の散乱による干渉縞の防止、支持体の傷の被覆を目的とした導電層や、バリア機能や接着機能を有する中間層等を設けても良い。
上記各層の一部又は全部は、少なくともそれぞれの層用の塗布液を塗布して塗膜を得る塗布工程、及び、塗布工程により得られた塗膜を乾燥して乾燥塗膜を得る乾燥工程を経て形成される。
本発明の電子写真感光体の表面層のガラス転移温度は、130℃以上であることが必須である。
電子写真感光体表面の膜強度の指標の1つとしてガラス転移温度がある。即ち、電子写真感光体の耐摩耗性及び耐傷性を向上させる1つの手段として、高いガラス転移温度を有する表面層を電子写真感光体に持たせることが挙げられる。
本発明において、高いガラス転移温度を有し、電子写真感光体の耐キズ性及び耐摩耗性の機械的強度と電気的特性を両立し、繰り返し安定性に優れた電子写真感光体を得るためには、電荷輸送物質とバインダー樹脂を相溶させて表面層を得ることが好ましい。
本発明において使用できる電荷輸送物質の構造については特に限定はしないが、バインダーと相溶させて上記物性を達成させるためには、電荷輸送物質の添加率を低く抑える必要があり、そのためには、電荷輸送物質自体が持っている電荷輸送能力が高いことが重要である。
本発明に用いられる電荷輸送物質としては、上記式(1)〜(5)で示される構造を有し、且つ、分子量が1500〜4000である電荷輸送物質式に加えて、低分子量の電荷輸送物質や高分子量の電荷輸送物質を同時に含有しても良いが、電子写真感光体の機械的強度や電子写真特性の点から、上記式(1)で示される構造を有し、且つ、分子量が1500〜4000である電荷輸送物質の占める割合が、感光層に含有される電荷輸送物質の全質量に対して90質量%〜100質量%であることが好ましく、より好ましくは95質量%〜100質量%であって、更に好ましくは100質量%である。
又は、上記式(2)で示される構造を有し、且つ、分子量が1500〜4000である電荷輸送物質の占める割合が、感光層に含有される電荷輸送物質の全質量に対して90質量%〜100質量%であることが好ましく、より好ましくは95質量%〜100質量%であって、更に好ましくは100質量%である。
又は、上記式(3)で示される構造を有し、且つ、分子量が1500〜4000である電荷輸送物質の占める割合が、感光層に含有される電荷輸送物質の全質量に対して90質量%〜100質量%であることが好ましく、より好ましくは95質量%〜100質量%であって、更に好ましくは100質量%である。
又は、上記式(4)で示される構造を有し、且つ、分子量が1500〜4000である電荷輸送物質の占める割合が、感光層に含有される電荷輸送物質の全質量に対して90質量%〜100質量%であることが好ましく、より好ましくは95質量%〜100質量%であって、更に好ましくは100質量%である。
又は、上記式(5)で示される構造を有し、且つ、分子量が1500〜4000である電荷輸送物質の占める割合が、感光層に含有される電荷輸送物質の全質量に対して90質量%〜100質量%であることが好ましく、より好ましくは95質量%〜100質量%であって、更に好ましくは100質量%である。
本発明の電荷輸送材料を構成する置換或は無置換の芳香環基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセン誘導体、ピレン誘導体などが挙げられ、置換或は無置換の芳香族複素環基としては、ピリジル基、インドール基、キノリン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ジベンゾフラン誘導体、ベンゾチオフェン誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体等が挙げられる。中でも、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、ベンゾフラン誘導体、ベンゾチオフェン誘導体が好ましい。これらが有する置換基としては、水素、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、ハロゲン、フッ化アルキル基、シアノ基、ニトロ基などが挙げられ、中でも、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、メトキシ基、エトキシ基、フッ素、塩素、臭素、トリフルオロメチル基が好ましい。
上記式(1)中の本発明の電荷輸送材料は、分子内に芳香環基又は芳香族複素環基の何れかにより各々独立して置換された3級アミンを6個以上10個以下有する単体であれば、その配列形式は、直鎖状、分岐状、スターバースト状、或はそれらの混在した形態の何れかの場合においても構わないが、中でも下記構造式(1)で示される構造が好ましい。
Ar101〜Ar108、上記式(2)中のAr201
〜Ar209 、上記式(3)中のAr3
01〜Ar310、上記式(4)中のAr401 〜Ar411 及び上記式(5)中のAr501
〜Ar512 で示される (1)
(式中、Ar1、Ar2及びAr3は、各々独立して置換又は無置換の一価の芳香環基、及び芳香族複素環基を示す。Ar4は、繰り返し構造中において、置換又は無置換の一価の芳香環基、及び芳香族複素環基の中より選択される同一或は異種の芳香環基、及び芳香族複素環基を示す。Zは繰り返し構造中において、置換又は無置換の二価の芳香環基、及び芳香族複素環基の中より選択される同一或は異種の芳香環基、及び芳香族複素環基を示す。nは5,6,7,8,9の何れかであることを示す。)
Ar1,Ar2,Ar3及びAr4を構成する置換または無置換の一価の芳香族炭化水素環基芳香環基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセンアントラセニル基誘導体、ピレニル基ピレン誘導体等が挙げられ、置換或は無置換の一価の芳香族複素環基としては、ピリジル基、インドール基、キノリニル基キノリン誘導体、ベンゾフラニル基ベンゾフラン誘導体、ジベンゾフラニル基ジベンゾフラン誘導体、ベンゾチオフェニル基ベンゾチオフェン誘導体、ジベンゾチオフェニル基ジベンゾチオフェン誘導体等が挙げられる。中でも、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、ベンゾフラニル基ベンゾフラン誘導体、ベンゾチオフェニル基ベンゾチオフェン誘導体が好ましい。これらが有する置換基としては、水素原子、炭素数が1〜8の何れかであるアルキル基、炭素数が31〜12の何れかである芳香族炭化水素環基、炭素数が1〜8の何れかであるアルコキシ基、ハロゲン原子、フッ化アルキル基、シアノ基、ニトロ基等が挙げられ、中でも、水素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、トリフルオロメチル基が好ましい。
上記式(1)中のZ11〜Z15、上記式(2)中のZ21〜Z26、上記式(3)中のZ31〜Z37、上記式(4)中のZ41〜Z48、及び上記式(5)中のZ51〜Z59Zをで示される構成する置換又は無置換の二価の芳香環族炭化水素環基としては、フェニレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基、フルオレニレン基フルオレン誘導体、ナフチレン基、アントラセニレン基アントラセン誘導体、ピレニレン基ピレン誘導体、又は前述した二価の芳香環基が、単結合、置換或は無置換の炭素数1〜4のアルキレン基、アルキリデン基、置換或は無置換のケイ素数1〜4のシリレン基、酸素原子、硫黄原子により連結することで形成される二価の芳香環基等が挙げられ、置換又は無置換の二価の芳香族複素環基としては、ピリジニレン基、インドーリレン基、キノリニレン基、ベンゾフラニレン基、ジベンゾフラニレン基、ベンゾチオフェニレン基、ジベンゾチオフェンニレン基ピリジル基、インドール基、キノリン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ジベンゾフラン誘導体、ベンゾチオフェン誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体などが挙げられる。
Ar101〜Ar108、上記式(2)中のAr201
〜Ar209 、上記式(3)中のAr3
01〜Ar310、上記式(4)中のAr401 〜Ar411 及び上記式(5)中のAr501
〜Ar512 で示される (1)
(式中、Ar1、Ar2及びAr3は、各々独立して置換又は無置換の一価の芳香環基、及び芳香族複素環基を示す。Ar4は、繰り返し構造中において、置換又は無置換の一価の芳香環基、及び芳香族複素環基の中より選択される同一或は異種の芳香環基、及び芳香族複素環基を示す。Zは繰り返し構造中において、置換又は無置換の二価の芳香環基、及び芳香族複素環基の中より選択される同一或は異種の芳香環基、及び芳香族複素環基を示す。nは5,6,7,8,9の何れかであることを示す。)
Ar1,Ar2,Ar3及びAr4を構成する置換または無置換の一価の芳香族炭化水素環基芳香環基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセンアントラセニル基誘導体、ピレニル基ピレン誘導体等が挙げられ、置換或は無置換の一価の芳香族複素環基としては、ピリジル基、インドール基、キノリニル基キノリン誘導体、ベンゾフラニル基ベンゾフラン誘導体、ジベンゾフラニル基ジベンゾフラン誘導体、ベンゾチオフェニル基ベンゾチオフェン誘導体、ジベンゾチオフェニル基ジベンゾチオフェン誘導体等が挙げられる。中でも、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、ベンゾフラニル基ベンゾフラン誘導体、ベンゾチオフェニル基ベンゾチオフェン誘導体が好ましい。これらが有する置換基としては、水素原子、炭素数が1〜8の何れかであるアルキル基、炭素数が31〜12の何れかである芳香族炭化水素環基、炭素数が1〜8の何れかであるアルコキシ基、ハロゲン原子、フッ化アルキル基、シアノ基、ニトロ基等が挙げられ、中でも、水素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、トリフルオロメチル基が好ましい。
上記式(1)中のZ11〜Z15、上記式(2)中のZ21〜Z26、上記式(3)中のZ31〜Z37、上記式(4)中のZ41〜Z48、及び上記式(5)中のZ51〜Z59Zをで示される構成する置換又は無置換の二価の芳香環族炭化水素環基としては、フェニレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基、フルオレニレン基フルオレン誘導体、ナフチレン基、アントラセニレン基アントラセン誘導体、ピレニレン基ピレン誘導体、又は前述した二価の芳香環基が、単結合、置換或は無置換の炭素数1〜4のアルキレン基、アルキリデン基、置換或は無置換のケイ素数1〜4のシリレン基、酸素原子、硫黄原子により連結することで形成される二価の芳香環基等が挙げられ、置換又は無置換の二価の芳香族複素環基としては、ピリジニレン基、インドーリレン基、キノリニレン基、ベンゾフラニレン基、ジベンゾフラニレン基、ベンゾチオフェニレン基、ジベンゾチオフェンニレン基ピリジル基、インドール基、キノリン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ジベンゾフラン誘導体、ベンゾチオフェン誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体などが挙げられる。
又は、前述した上述の二価の芳香族炭化水素環又は二価の芳香環基、或は二価の芳香族複素環基が、単結合、置換又は無置換の炭素数が1〜4の何れかであるアルキレン基、アルキリデン基、置換又は無置換のケイ素数が1〜4の何れかであるシリレン基、酸素原子、硫黄原子により連結することで形成されるものも置換又は無置換の二価の芳香族炭化水素環基、又は置換或は無置換の二価の芳香族複素環基等が挙げられる。置換又は無置換の二価の芳香族炭化水素環基、又は、置換又は無置換の二価の芳香族複素環基のうち、ビフェニレン基、フルオレニレン基、ピリジニレン基、ジベンゾフラニレン基、ベンゾチオフェニレン基が好ましい。
より好ましくは、上記式(1)中のZ11〜Z15が置換又は無置換のビフェニレン基、置換又は無置換のジベンゾフラニレン基、又は、置換又は無置換のジベンゾチオフェニレン基であり、或は、上記式(2)中のZ21〜Z26が置換又は無置換のビフェニレン基、置換又は無置換のジベンゾフラニレン基、又は、置換又は無置換のジベンゾチオフェニレン基であり、或は、上記式(3)中のZ31〜Z37が置換又は無置換のビフェニレン基、置換又は無置換のジベンゾフラニレン基、又は、置換又は無置換のジベンゾチオフェニレン基であり、或は、上記式(4)中のZ41〜Z48が置換又は無置換のビフェニレン基、置換又は無置換のジベンゾフラニレン基、又は、置換又は無置換のジベンゾチオフェニレン基であり、或は、上記式(5)中のZ51〜Z59が、置換又は無置換のビフェニレン基、置換又は無置換のジベンゾフラニレン基、又は、置換又は無置換のジベンゾチオフェニレン基である。
更に好ましくは、上記式(1)中のZ11〜Z15のうち、1つが置換又は無置換のジベンゾフラニレン基、又は、置換又は無置換のジベンゾチオフェニレン基であって、その他のZ11〜Z15が置換又は無置換のビフェニレン基であり、或は、上記式(2)中のZ21〜Z26のうち、1つが置換又は無置換のジベンゾフラニレン基、又は、置換又は無置換のジベンゾチオフェニレン基であって、その他のZ21〜Z26が置換又は無置換のビフェニレン基であり、或は、上記式(3)中のZ31〜Z37のうち、1つが置換又は無置換のジベンゾフラニレン基、又は、置換又は無置換のジベンゾチオフェニレン基であって、その他のZ21〜Z26が置換又は無置換のビフェニレン基であり、或は、上記式(4)中のZ41〜Z48のうち、1つが置換又は無置換のジベンゾフラニレン基、又は、置換又は無置換のジベンゾチオフェニレン基であって、その他のZ21〜Z26が置換又は無置換のビフェニレン基であり、或は、上記式(5)中のZ51〜Z59のうち、1つが置換又は無置換のジベンゾフラニレン基、又は、置換又は無置換のジベンゾチオフェニレン基であって、その他のZ11〜Z59が置換又は無置換のビフェニレン基である。
これらの二価の芳香族炭化水素環基又は二価の芳香族複素環基が有する置換基としては、水素原子、炭素数が1〜8の何れかであるアルキル基、炭素数が3〜12の何れかである芳香族炭化水素環基、炭素数が1〜8の何れかであるアルコキシ基、ハロゲン原子、フッ化アルキル基、シアノ基、ニトロ基等が挙げられ、中でも、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、メトキシ基、エトキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、トリフルオロメチル基が好ましい。これら構造の中で、ビフェニレン基、フルオレン誘導体、ピリジル基、ジベンゾフラン誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体が好ましい。中でも、ジベンゾフラン誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体が好ましい。これらが有する置換基としては、水素、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、ハロゲン、フッ化アルキル基、シアノ基、ニトロ基等が挙げられ、中でも、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、メトキシ基、エトキシ基、フッ素、塩素、臭素、トリフルオロメチル基が好ましい。
次に、本発明の電荷輸送材料電荷輸送物質の具体的な例を挙げるが、必ずしも提示した構造に限定されない。
本発明における電荷輸送物質本発明における電荷輸送材料は、単体である特定の化学構造式のみによって示される単一性の高い高分子量の電荷輸送物質であることを特徴としているため、モノマーの繰り返し重合反応による製造法では製造困難である。従って、低分子量電荷輸送材料電荷輸送物質の製造で使用していた合成法を繰り返し行う逐次合成法によってり製造合成された電荷輸送物質を用いるすることが好ましい。即ち、逐次合成法とは、原材料と反応対象物との化学反応により主生成物として単一の化合物を生成する反応を多段階で行う合成法であり、重合反応により分子量分布を有する化合物を合成する製造法とは異なり、分子量分布を持たないほどの単一性の高い電荷輸送単体の物質材料が選択的に製造できる。
逐次合成法に用いられる合成反応は、従来からの低分子量電荷輸送材料電荷輸送物質の製造で使用していた合成法反応が用いられる。即ち、ウルマン反応や金属触媒による合成方法が利用される。又、多段階の合成を順次連続して製造しても良く、又、合成の一工程終了後、次段階の合成までの工程の間に精製工程を入れても良い。又、最終工程終了後、従来から一般に用いられている精製方法を使用することができる。即ち、活性白土、活性炭、シリカ、アルミナといった吸着剤による処理や、シリカ或はアルミナ等によるカラムクロマトグラフィー、ポリスチレン微粒子等を利用したゲルパーミッションカラムクロマトグラフィー等の精製、再結晶や晶析等の結晶化による精製手法を使用しても良い。
次に、本発明における電荷輸送材料電荷輸送物質の製造例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
(製造例1)電荷輸送物質の例示化合物(CT−10)の製造
<ビス(2,4−ジメチルフェニル)アミンの製造>
冷却管及びメカニカルスターラーを付した1Lの3口反応容器に、2,4−ジメチルフェニルアミン133g(1.1mol)、1−ブロモ−2,4−ジメチルベンゼン185g(1.0mol)、酢酸パラジウム11.2g(0.05mol)、2−tert−ブチルフォスフィノイル−2−メチルプロパン32.4g(0.2mol)、リン酸三カリウム212g(1.0mol)、ジメチルホルムアミド500mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、12時間還流させた。反応終了後、室温まで放冷し、トルエン/水により抽出、塩酸水で洗浄し、その後、有機層を減圧蒸留し、目的のビス(2,4−ジメチルフェニル)アミンを得た。得られた化合物の収量は189g、収率は84%であった。得られた化合物を元素分析器(CHNコーダー MT−5、YANACO(株)製)を用いて測定した。尚、以下の元素分析による実測値及び計算値の単位は質量%である。実測値:C,85.24、H,8.53、N,6.63(計算値:C,85.28、H,8.50、N,6.22)。
<ビス(2,4−ジメチルフェニル)アミンの製造>
冷却管及びメカニカルスターラーを付した1Lの3口反応容器に、2,4−ジメチルフェニルアミン133g(1.1mol)、1−ブロモ−2,4−ジメチルベンゼン185g(1.0mol)、酢酸パラジウム11.2g(0.05mol)、2−tert−ブチルフォスフィノイル−2−メチルプロパン32.4g(0.2mol)、リン酸三カリウム212g(1.0mol)、ジメチルホルムアミド500mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、12時間還流させた。反応終了後、室温まで放冷し、トルエン/水により抽出、塩酸水で洗浄し、その後、有機層を減圧蒸留し、目的のビス(2,4−ジメチルフェニル)アミンを得た。得られた化合物の収量は189g、収率は84%であった。得られた化合物を元素分析器(CHNコーダー MT−5、YANACO(株)製)を用いて測定した。尚、以下の元素分析による実測値及び計算値の単位は質量%である。実測値:C,85.24、H,8.53、N,6.63(計算値:C,85.28、H,8.50、N,6.22)。
<ビス(2,4−ジメチルフェニル)[4−(ブロモフェニル)フェニル]アミンの製造>
冷却管及びメカニカルスターラーを付した2Lの3口反応容器に、(2,4−ジメチルフェニル)アミン112.5g(0.5mol)、4,4’−ジブロモビフェニル156g(0.5mol)、酢酸パラジウム5.6g(0.025mol)、ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン27.7g(0.05mol)、tert−ブトキシナトリウム63.7g(0.7mol)、キシレン800mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、5時間還流させた。
冷却管及びメカニカルスターラーを付した2Lの3口反応容器に、(2,4−ジメチルフェニル)アミン112.5g(0.5mol)、4,4’−ジブロモビフェニル156g(0.5mol)、酢酸パラジウム5.6g(0.025mol)、ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン27.7g(0.05mol)、tert−ブトキシナトリウム63.7g(0.7mol)、キシレン800mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、5時間還流させた。
反応終了後、室温まで放冷し、トルエン/水により抽出、塩酸水で洗浄し、その後、有機層を減圧蒸留し、シリカゲルカラム(展開溶媒ヘキサン/トルエン=2:1)にて精製を行い、目的の(ビス(2,4−ジメチルフェニル)[4−(ブロモフェニル)フェニル]アミンを得た。得られた化合物の収量は155.2g、収率は68質量%であった。得られた化合物を上述と同様の元素分析器を用いて測定した。実測値:C,73.44、H,5.62、N,2.98(計算値:C,73.68、H,5.74、N,3.07)。
<ビス(2,4−ジメチルフェニル)(4−{4−[(2、4−ジメチルフェニル)アミノ]フェニル}フェニル)アミンの製造>
冷却管及びメカニカルスターラーを付した1Lの3口反応容器に、(ビス(2,4−ジメチルフェニル)[4−(ブロモフェニル)フェニル]アミン91.3g(0.2mol)、2,4−ジメチルフェニルアミン36.3g(0.3mol)、酢酸パラジウム2.24g(0.01mol)、ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン11.1g(0.02mol)、tert−ブトキシナトリウム26.9g(0.28mol)、キシレン500mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、3時間還流させた。反応終了後、室温まで放冷し、トルエン/水により抽出、塩酸水で洗浄し、その後、有機層を減圧蒸留し、シリカゲルカラム(展開溶媒ヘキサン/トルエン=1:1)にて精製を行い、目的のビス(2,4−ジメチルフェニル)(4−{4−[(2、4−ジメチルフェニル)アミノ]フェニル}フェニル)アミンを得た。得られた化合物の収量は83.4g、収率は84質量%であった。得られた化合物を上述と同様の元素分析器を用いて測定した。実測値:C,87.03、H,7.26、N,5.71(計算値:C,87.05、H,7.31、N,5.64)。
冷却管及びメカニカルスターラーを付した1Lの3口反応容器に、(ビス(2,4−ジメチルフェニル)[4−(ブロモフェニル)フェニル]アミン91.3g(0.2mol)、2,4−ジメチルフェニルアミン36.3g(0.3mol)、酢酸パラジウム2.24g(0.01mol)、ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン11.1g(0.02mol)、tert−ブトキシナトリウム26.9g(0.28mol)、キシレン500mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、3時間還流させた。反応終了後、室温まで放冷し、トルエン/水により抽出、塩酸水で洗浄し、その後、有機層を減圧蒸留し、シリカゲルカラム(展開溶媒ヘキサン/トルエン=1:1)にて精製を行い、目的のビス(2,4−ジメチルフェニル)(4−{4−[(2、4−ジメチルフェニル)アミノ]フェニル}フェニル)アミンを得た。得られた化合物の収量は83.4g、収率は84質量%であった。得られた化合物を上述と同様の元素分析器を用いて測定した。実測値:C,87.03、H,7.26、N,5.71(計算値:C,87.05、H,7.31、N,5.64)。
<ビス(2,4−ジメチルフェニル)[4−(4−{(2、4−ジメチルフェニル)[4−(4−ブロモフェニル)フェニル]アミノ}フェニル)フェニル]アミンの製造>
冷却管及びメカニカルスターラーを付した1Lの3口反応容器に、ビス(2,4−ジメチルフェニル)(4−{4−[(2、4−ジメチルフェニル)アミノ]フェニル}フェニル)アミン49.7g(0.1mol)、4,4’−ジブロモビフェニル31.2g(0.1mol)、酢酸パラジウム1.13g(0.005mol)、ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン5.54g(0.01mol)、tert−ブトキシナトリウム13.4g(0.14mol)、キシレン300mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、5時間還流させた。反応終了後、室温まで放冷し、トルエン/水により抽出、塩酸水で洗浄し、その後、有機層を減圧蒸留し、シリカゲルカラム(展開溶媒ヘキサン/トルエン=2:1)にて精製を行い、目的のビス(2,4−ジメチルフェニル)[4−(4−{(2、4−ジメチルフェニル)[4−(4−ブロモフェニル)フェニル]アミノ}フェニル)フェニル]アミンを得た。得られた化合物の収量は50.9g、収率は70質量%であった。得られた化合物を上述と同様の元素分析器を用いて実測値を測定した。実測値:C,79.26、H,5.98、N,3.83(計算値:C,79.22、H,5.96、N,3.85)。
冷却管及びメカニカルスターラーを付した1Lの3口反応容器に、ビス(2,4−ジメチルフェニル)(4−{4−[(2、4−ジメチルフェニル)アミノ]フェニル}フェニル)アミン49.7g(0.1mol)、4,4’−ジブロモビフェニル31.2g(0.1mol)、酢酸パラジウム1.13g(0.005mol)、ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン5.54g(0.01mol)、tert−ブトキシナトリウム13.4g(0.14mol)、キシレン300mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、5時間還流させた。反応終了後、室温まで放冷し、トルエン/水により抽出、塩酸水で洗浄し、その後、有機層を減圧蒸留し、シリカゲルカラム(展開溶媒ヘキサン/トルエン=2:1)にて精製を行い、目的のビス(2,4−ジメチルフェニル)[4−(4−{(2、4−ジメチルフェニル)[4−(4−ブロモフェニル)フェニル]アミノ}フェニル)フェニル]アミンを得た。得られた化合物の収量は50.9g、収率は70質量%であった。得られた化合物を上述と同様の元素分析器を用いて実測値を測定した。実測値:C,79.26、H,5.98、N,3.83(計算値:C,79.22、H,5.96、N,3.85)。
<(2,4−ジメチルフェニル){8−[(2,4ジメチルフェニル)アミノ]ジベンゾ[b、d]フラン−2−イル}アミンの製造>
冷却管及びメカニカルスターラーを付した500mLの3口反応容器に、2,8−ジブロモジベンゾフラン65.2g(0.2mol)、2,4−ジメチルフェニルアミン72.6g(0.6mol)、酢酸パラジウム2.24g(0.01mol)、トリ(o−トリル)ホスフィン12.2g(0.04mol)、tert−ブトキシナトリウム51.8g(0.54mol)、キシレン300mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、5時間還流させた。反応終了後、減圧蒸留により過剰量の2,4−ジメチルフェニルアミン、及び溶媒を留去、室温まで放冷し、トルエン/水により抽出、塩酸水で洗浄し、その後、有機層を減圧により溶媒留去、再結晶により目的の(2,4−ジメチルフェニル){8−[(2,4ジメチルフェニル)アミノ]ジベンゾ[b、d]フラン−2−イル}アミンを得た。得られた化合物の収量は71.5g、収率は88質量%であった。得られた化合物を上述と同様の元素分析器を用いて測定した。実測値:C,82.68、H,6.44、N,6.92(計算値:C,82.73、H,6.45、N,6.89)。
冷却管及びメカニカルスターラーを付した500mLの3口反応容器に、2,8−ジブロモジベンゾフラン65.2g(0.2mol)、2,4−ジメチルフェニルアミン72.6g(0.6mol)、酢酸パラジウム2.24g(0.01mol)、トリ(o−トリル)ホスフィン12.2g(0.04mol)、tert−ブトキシナトリウム51.8g(0.54mol)、キシレン300mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、5時間還流させた。反応終了後、減圧蒸留により過剰量の2,4−ジメチルフェニルアミン、及び溶媒を留去、室温まで放冷し、トルエン/水により抽出、塩酸水で洗浄し、その後、有機層を減圧により溶媒留去、再結晶により目的の(2,4−ジメチルフェニル){8−[(2,4ジメチルフェニル)アミノ]ジベンゾ[b、d]フラン−2−イル}アミンを得た。得られた化合物の収量は71.5g、収率は88質量%であった。得られた化合物を上述と同様の元素分析器を用いて測定した。実測値:C,82.68、H,6.44、N,6.92(計算値:C,82.73、H,6.45、N,6.89)。
<電荷輸送物質の例示化合物(CT−10)の製造>
冷却管及びメカニカルスターラーを付した500mLの3口反応容器に、ビス(2,4−ジメチルフェニル)[4−(4−{(2、4−ジメチルフェニル)[4−(4−ブロモフェニル)フェニル]アミノ}フェニル)フェニル]アミン36.4g(0.05mol)、(2,4−ジメチルフェニル){8−[(2,4ジメチルフェニル)アミノ]ジベンゾ[b、d]フラン−2−イル}アミン10.2g(0.025mol)、酢酸パラジウム0.57g(0.0025mol)、ビフェニル−2−イル−ジ−tert−ブチルフォスフィン3.0g(0.01mol)、tert−ブトキシナトリウム6.7g(0.07mol)、キシレン200mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、4時間還流させた。
冷却管及びメカニカルスターラーを付した500mLの3口反応容器に、ビス(2,4−ジメチルフェニル)[4−(4−{(2、4−ジメチルフェニル)[4−(4−ブロモフェニル)フェニル]アミノ}フェニル)フェニル]アミン36.4g(0.05mol)、(2,4−ジメチルフェニル){8−[(2,4ジメチルフェニル)アミノ]ジベンゾ[b、d]フラン−2−イル}アミン10.2g(0.025mol)、酢酸パラジウム0.57g(0.0025mol)、ビフェニル−2−イル−ジ−tert−ブチルフォスフィン3.0g(0.01mol)、tert−ブトキシナトリウム6.7g(0.07mol)、キシレン200mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、4時間還流させた。
反応終了後、室温まで放冷し、トルエン/水により抽出、塩酸水で洗浄し、その後、有機層を減圧により溶媒留去し、シリカゲルカラム(展開溶媒ヘキサン/トルエン=1:1)にて精製を行い、例示化合物(CT−10)で示された目的の電荷輸送物質を得た。得られた化合物の収量は39.1g、収率は89質量%であった。得られた化合物を上述と同様の元素分析器を用いて測定した。実測値:C,84.80、H,5.81、N,4.83(計算値:C,84.85、H,5.85、N,4.79)。
又、得られた化合物の質量分析をレーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析(MALDI−TOF−MASS)装置(REFLEXIII 、BRUKER社製、マトリックス;9−ニトロアントラセン)を用いて行った。このとき得られた質量スペクトルの測定結果を図1に示す。なお、この質量スペクトルの横軸は質量電荷比(生成イオンの質量(m)/生成イオンの電荷の価数(z))、縦軸は検出した生成イオンの強度を示す。
(製造例2)電荷輸送物質の例示化合物(CT−17)の製造
<(2,4−ジメチルフェニル){8−[(2,4ジメチルフェニル)アミノ]ジベンゾ[b]ベンゾ[b]チオフェン−2−イル}アミンの製造>
冷却管及びメカニカルスターラーを付した500mLの3口反応容器に、2,8−ジブロモジベンゾチオフェン68.4g(0.2mol)、2,4−ジメチルフェニルアミン72.6g(0.6mol)、酢酸パラジウム2.24g(0.01mol)、トリ(o−トリル)ホスフィン12.2g(0.04mol)、tert−ブトキシナトリウム51.8g(0.54mol)、キシレン300mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、5時間還流させた。
<(2,4−ジメチルフェニル){8−[(2,4ジメチルフェニル)アミノ]ジベンゾ[b]ベンゾ[b]チオフェン−2−イル}アミンの製造>
冷却管及びメカニカルスターラーを付した500mLの3口反応容器に、2,8−ジブロモジベンゾチオフェン68.4g(0.2mol)、2,4−ジメチルフェニルアミン72.6g(0.6mol)、酢酸パラジウム2.24g(0.01mol)、トリ(o−トリル)ホスフィン12.2g(0.04mol)、tert−ブトキシナトリウム51.8g(0.54mol)、キシレン300mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、5時間還流させた。
反応終了後、減圧蒸留により過剰量の2,4−ジメチルフェニルアミン及び溶媒を留去、室温まで放冷し、トルエン/水により抽出、塩酸水で洗浄し、その後、有機層を減圧により溶媒留去、再結晶により目的の(2,4−ジメチルフェニル){8−[(2,4ジメチルフェニル)アミノ]ジベンゾ[b]ベンゾ[b]チオフェン−2−イル}アミンの製造を得た。得られた化合物の収量は71.0g、収率は84質量%であった。得られた化合物を上述と同様の元素分析器を用いて測定した。実測値:C,79.60、H,6.24、N,6.52(計算値:C,79.58、H,6.20、N,6.63)。
<電荷輸送物質の例示化合物(CT−17)の製造>
冷却管及びメカニカルスターラーを付した500mLの3口反応容器に、ビス(2,4−ジメチルフェニル)[4−(4−{(2、4−ジメチルフェニル)[4−(4−ブロモフェニル)フェニル]アミノ}フェニル)フェニル]アミン36.4g(0.05mol)、(2,4−ジメチルフェニル){8−[(2,4ジメチルフェニル)アミノ]ジベンゾ[b]ベンゾ[b]チオフェン−2−イル}アミン10.6g(0.025mol)、酢酸パラジウム0.57g(0.0025mol)、ビフェニル−2−イル−ジ−tert−ブチルフォスフィン3.0g(0.01mol)、tert−ブトキシナトリウム6.7g(0.07mol)、キシレン200mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、4時間還流させた。反応終了後、室温まで放冷し、トルエン/水により抽出、塩酸水で洗浄し、その後、有機層を減圧により溶媒留去し、シリカゲルカラム(展開溶媒ヘキサン/トルエン=1:1)にて精製を行い、例示化合物(CT−17)で示された目的の電荷輸送物質を得た。得られた化合物の収量は37.3g、収率は87質量%であった。得られた化合物を上述と同様の元素分析器を用いて測定した。実測値:C,86.80、H,6.40、N,4.86(計算値:C,86.78、H,6.46、N,4.90)。また、得られた化合物の質量分析を上述と同様の装置を用いて行った。このとき得られた質量スペクトルの測定結果を図2に示す。
冷却管及びメカニカルスターラーを付した500mLの3口反応容器に、ビス(2,4−ジメチルフェニル)[4−(4−{(2、4−ジメチルフェニル)[4−(4−ブロモフェニル)フェニル]アミノ}フェニル)フェニル]アミン36.4g(0.05mol)、(2,4−ジメチルフェニル){8−[(2,4ジメチルフェニル)アミノ]ジベンゾ[b]ベンゾ[b]チオフェン−2−イル}アミン10.6g(0.025mol)、酢酸パラジウム0.57g(0.0025mol)、ビフェニル−2−イル−ジ−tert−ブチルフォスフィン3.0g(0.01mol)、tert−ブトキシナトリウム6.7g(0.07mol)、キシレン200mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、4時間還流させた。反応終了後、室温まで放冷し、トルエン/水により抽出、塩酸水で洗浄し、その後、有機層を減圧により溶媒留去し、シリカゲルカラム(展開溶媒ヘキサン/トルエン=1:1)にて精製を行い、例示化合物(CT−17)で示された目的の電荷輸送物質を得た。得られた化合物の収量は37.3g、収率は87質量%であった。得られた化合物を上述と同様の元素分析器を用いて測定した。実測値:C,86.80、H,6.40、N,4.86(計算値:C,86.78、H,6.46、N,4.90)。また、得られた化合物の質量分析を上述と同様の装置を用いて行った。このとき得られた質量スペクトルの測定結果を図2に示す。
製造例1(2−1)の製造
<ビス(2,4−ジメチルフェニル)アミンの製造>
冷却管及びメカニカルスターラーを付した1Lの3口反応容器に、2,4−ジメチルフェニルアミン133g(1.1mol)、1−ブロモ−2,4−ジメチルベンゼン185g(1.0mol)、酢酸パラジウム11.2g(0.05mol)、2−tert−ブチルフォスフィノイル−2−メチルプロパン32.4g(0.2mol)、リン酸三カリウム212g(1.0mol)、ジメチルホルムアミド500mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、12時間還流させた。反応終了後、室温まで放冷し、トルエン/水により抽出、塩酸水で洗浄し、その後、有機層を減圧蒸留し、目的のビス(2,4−ジメチルフェニル)アミンを得た。収量189g、収率84%。元素分析(YANACO、CHNコーダー MT−5):C,85.24、H,8.53、N,6.63(計算値:C,85.28、H,8.50、N,6.22)。
<(8−ブロモジベンゾフラン−2−イル)−ビス(2,4−ジメチルフェニル)アミンの製造>
冷却管及びメカニカルスターラーを付した2Lの3口反応容器に、(2,4−ジメチルフェニル)アミン112.5g(0.5mol)、2,8−ジブロモジベンゾフラン163g(0.5mol)、酢酸パラジウム5.6g(0.025mol)、ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン27.7g(0.05mol)、tert−ブトキシナトリウム63.7g(0.7mol)、キシレン800mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、5時間還流させた。反応終了後、室温まで放冷し、トルエン/水により抽出、塩酸水で洗浄し、その後、有機層を減圧蒸留し、シリカゲルカラム(展開溶媒ヘキサン/トルエン=2:1)にて精製を行い、目的の(8−ブロモジベンゾフラン−2−イル)−ビス(2,4−ジメチルフェニル)アミンを得た。収量159.8g、収率68%。元素分析:C,71.44、H,5.12、N,2.94(計算値:C,71.49、H,5.14、N,2.98)。
<N,N,N’−トリス(2,4−ジメチルフェニル)ジベンゾフラン−2,8−ジアミンの製造>
冷却管及びメカニカルスターラーを付した1Lの3口反応容器に、(8−ブロモジベンゾフラン−2−イル)−ビス(2,4−ジメチルフェニル)アミン94.1g(0.2mol)、2,4−ジメチルフェニルアミン36.3g(0.3mol)、酢酸パラジウム2.24g(0.01mol)、ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン11.1g(0.02mol)、tert−ブトキシナトリウム26.9g(0.28mol)、キシレン500mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、3時間還流させた。反応終了後、室温まで放冷し、トルエン/水により抽出、塩酸水で洗浄し、その後、有機層を減圧蒸留し、シリカゲルカラム(展開溶媒ヘキサン/トルエン=1:1)にて精製を行い、目的のN,N,N’−トリス(2,4−ジメチルフェニル)ジベンゾフラン−2,8−ジアミンを得た。収量85.8g、収率84%。元素分析:C,84.62、H,6.70、N,5.50(計算値:C,84.67、H,6.71、N,5.49)。
<N−(8−ブロモジベンゾフラン−2−イル)−N,N’,N’−トリス(2,4−ジメチルフェニル)ジベンゾフラン−2,8−ジアミンの製造>
冷却管及びメカニカルスターラーを付した1Lの3口反応容器に、N,N,N’−トリス(2,4−ジメチルフェニル)ジベンゾフラン−2,8−ジアミン51.1g(0.1mol)、2,8−ジブロモジベンゾフラン32.6g(0.1mol)、酢酸パラジウム1.13g(0.005mol)、ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン5.54g(0.01mol)、tert−ブトキシナトリウム13.4g(0.14mol)、キシレン300mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、5時間還流させた。反応終了後、室温まで放冷し、トルエン/水により抽出、塩酸水で洗浄し、その後、有機層を減圧蒸留し、シリカゲルカラム(展開溶媒ヘキサン/トルエン=2:1)にて精製を行い、目的のN−(8−ブロモジベンゾフラン−2−イル)−N,N’,N’−トリス(2,4−ジメチルフェニル)ジベンゾフラン−2,8−ジアミンを得た。収量52.9g、収率70%。元素分析:C,76.26、H,5.18、N,3.73(計算値:C,76.28、H,5.20、N,3.71)。
<N,N’−ビス(2,4−ジメチルフェニル)ジベンゾフラン−2,8−ジアミンの製造>
冷却管及びメカニカルスターラーを付した500mLの3口反応容器に、2,8−ジブロモジベンゾフラン65.2g(0.2mol)、2,4−ジメチルフェニルアミン72.6g(0.6mol)、酢酸パラジウム2.24g(0.01mol)、トリ(o−トリル)ホスフィン12.2g(0.04mol)、tert−ブトキシナトリウム51.8g(0.54mol)、キシレン300mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、5時間還流させた。反応終了後、減圧蒸留により過剰量の2,4−ジメチルフェニルアミン及び溶媒を留去、室温まで放冷し、トルエン/水により抽出、塩酸水で洗浄し、その後、有機層を減圧により溶媒留去、再結晶により目的のN,N’−ビス(2,4−ジメチルフェニル)ジベンゾフラン−2,8−ジアミンを得た。収量71.5g、収率88%。元素分析:C,82.68、H,6.44、N,6.92(計算値:C,82.73、H,6.45、N,6.89)。<(2−1の製造)>
冷却管及びメカニカルスターラーを付した500mLの3口反応容器に、N−(8−ブロモジベンゾフラン−2−イル)−N,N’,N’−トリス(2,4−ジメチルフェニル)ジベンゾフラン−2,8−ジアミン37.8g(0.05mol)、N,N’−ビス(2,4−ジメチルフェニル)ジベンゾフラン−2,8−ジアミン10.2g(0.025mol)、酢酸パラジウム0.57g(0.0025mol)、ビフェニル−2−イル−ジ−tert−ブチルフォスフィン3.0g(0.01mol)、tert−ブトキシナトリウム6.7g(0.07mol)、キシレン200mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、4時間還流させた。反応終了後、室温まで放冷し、トルエン/水により抽出、塩酸水で洗浄し、その後、有機層を減圧により溶媒留去し、シリカゲルカラム(展開溶媒ヘキサン/トルエン=1:1)にて精製を行い、目的の(2−1)を得た。収量39.1g、収率89%。元素分析:C,84.80、H,5.81、N,4.83(計算値:C,84.85、H,5.85、N,4.79)。
(製造例32)電荷輸送物質の例示化合物(CT2−39)の製造)
<(2,4−ジメチルフェニル)−p−トリルアミンの製造>
冷却管及びメカニカルスターラーを付した1Lの3口反応容器に、2,4−ジメチルフェニルアミン133g(1.1mol)、1−ブロモ−4−メチルベンゼン171g(1.0mol)、酢酸パラジウム11.2g(0.05mol)、2−tert−ブチルフォスフィノイル−2−メチルプロパン32.4g(0.2mol)、リン酸三カリウム212g(1.0mol)、ジメチルホルムアミド500mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、12時間還流させた。反応終了後、室温まで放冷し、トルエン/水により抽出、塩酸水で洗浄し、その後、有機層を減圧蒸留し、目的の(2,4−ジメチルフェニル)−p−トリルアミンを得た。得られた化合物の収量は189.5g、収率は88質量%であった。得られた化合物を上述と同様の元素分析器を用いて測定した。実測値元素分析:C,85.27、H,8.09、N,6.64(計算値:C,85.26、H,8.11、N,6.63)。
<ビス(2,4−ジメチルフェニル)アミンの製造>
冷却管及びメカニカルスターラーを付した1Lの3口反応容器に、2,4−ジメチルフェニルアミン133g(1.1mol)、1−ブロモ−2,4−ジメチルベンゼン185g(1.0mol)、酢酸パラジウム11.2g(0.05mol)、2−tert−ブチルフォスフィノイル−2−メチルプロパン32.4g(0.2mol)、リン酸三カリウム212g(1.0mol)、ジメチルホルムアミド500mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、12時間還流させた。反応終了後、室温まで放冷し、トルエン/水により抽出、塩酸水で洗浄し、その後、有機層を減圧蒸留し、目的のビス(2,4−ジメチルフェニル)アミンを得た。収量189g、収率84%。元素分析(YANACO、CHNコーダー MT−5):C,85.24、H,8.53、N,6.63(計算値:C,85.28、H,8.50、N,6.22)。
<(8−ブロモジベンゾフラン−2−イル)−ビス(2,4−ジメチルフェニル)アミンの製造>
冷却管及びメカニカルスターラーを付した2Lの3口反応容器に、(2,4−ジメチルフェニル)アミン112.5g(0.5mol)、2,8−ジブロモジベンゾフラン163g(0.5mol)、酢酸パラジウム5.6g(0.025mol)、ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン27.7g(0.05mol)、tert−ブトキシナトリウム63.7g(0.7mol)、キシレン800mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、5時間還流させた。反応終了後、室温まで放冷し、トルエン/水により抽出、塩酸水で洗浄し、その後、有機層を減圧蒸留し、シリカゲルカラム(展開溶媒ヘキサン/トルエン=2:1)にて精製を行い、目的の(8−ブロモジベンゾフラン−2−イル)−ビス(2,4−ジメチルフェニル)アミンを得た。収量159.8g、収率68%。元素分析:C,71.44、H,5.12、N,2.94(計算値:C,71.49、H,5.14、N,2.98)。
<N,N,N’−トリス(2,4−ジメチルフェニル)ジベンゾフラン−2,8−ジアミンの製造>
冷却管及びメカニカルスターラーを付した1Lの3口反応容器に、(8−ブロモジベンゾフラン−2−イル)−ビス(2,4−ジメチルフェニル)アミン94.1g(0.2mol)、2,4−ジメチルフェニルアミン36.3g(0.3mol)、酢酸パラジウム2.24g(0.01mol)、ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン11.1g(0.02mol)、tert−ブトキシナトリウム26.9g(0.28mol)、キシレン500mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、3時間還流させた。反応終了後、室温まで放冷し、トルエン/水により抽出、塩酸水で洗浄し、その後、有機層を減圧蒸留し、シリカゲルカラム(展開溶媒ヘキサン/トルエン=1:1)にて精製を行い、目的のN,N,N’−トリス(2,4−ジメチルフェニル)ジベンゾフラン−2,8−ジアミンを得た。収量85.8g、収率84%。元素分析:C,84.62、H,6.70、N,5.50(計算値:C,84.67、H,6.71、N,5.49)。
<N−(8−ブロモジベンゾフラン−2−イル)−N,N’,N’−トリス(2,4−ジメチルフェニル)ジベンゾフラン−2,8−ジアミンの製造>
冷却管及びメカニカルスターラーを付した1Lの3口反応容器に、N,N,N’−トリス(2,4−ジメチルフェニル)ジベンゾフラン−2,8−ジアミン51.1g(0.1mol)、2,8−ジブロモジベンゾフラン32.6g(0.1mol)、酢酸パラジウム1.13g(0.005mol)、ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン5.54g(0.01mol)、tert−ブトキシナトリウム13.4g(0.14mol)、キシレン300mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、5時間還流させた。反応終了後、室温まで放冷し、トルエン/水により抽出、塩酸水で洗浄し、その後、有機層を減圧蒸留し、シリカゲルカラム(展開溶媒ヘキサン/トルエン=2:1)にて精製を行い、目的のN−(8−ブロモジベンゾフラン−2−イル)−N,N’,N’−トリス(2,4−ジメチルフェニル)ジベンゾフラン−2,8−ジアミンを得た。収量52.9g、収率70%。元素分析:C,76.26、H,5.18、N,3.73(計算値:C,76.28、H,5.20、N,3.71)。
<N,N’−ビス(2,4−ジメチルフェニル)ジベンゾフラン−2,8−ジアミンの製造>
冷却管及びメカニカルスターラーを付した500mLの3口反応容器に、2,8−ジブロモジベンゾフラン65.2g(0.2mol)、2,4−ジメチルフェニルアミン72.6g(0.6mol)、酢酸パラジウム2.24g(0.01mol)、トリ(o−トリル)ホスフィン12.2g(0.04mol)、tert−ブトキシナトリウム51.8g(0.54mol)、キシレン300mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、5時間還流させた。反応終了後、減圧蒸留により過剰量の2,4−ジメチルフェニルアミン及び溶媒を留去、室温まで放冷し、トルエン/水により抽出、塩酸水で洗浄し、その後、有機層を減圧により溶媒留去、再結晶により目的のN,N’−ビス(2,4−ジメチルフェニル)ジベンゾフラン−2,8−ジアミンを得た。収量71.5g、収率88%。元素分析:C,82.68、H,6.44、N,6.92(計算値:C,82.73、H,6.45、N,6.89)。<(2−1の製造)>
冷却管及びメカニカルスターラーを付した500mLの3口反応容器に、N−(8−ブロモジベンゾフラン−2−イル)−N,N’,N’−トリス(2,4−ジメチルフェニル)ジベンゾフラン−2,8−ジアミン37.8g(0.05mol)、N,N’−ビス(2,4−ジメチルフェニル)ジベンゾフラン−2,8−ジアミン10.2g(0.025mol)、酢酸パラジウム0.57g(0.0025mol)、ビフェニル−2−イル−ジ−tert−ブチルフォスフィン3.0g(0.01mol)、tert−ブトキシナトリウム6.7g(0.07mol)、キシレン200mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、4時間還流させた。反応終了後、室温まで放冷し、トルエン/水により抽出、塩酸水で洗浄し、その後、有機層を減圧により溶媒留去し、シリカゲルカラム(展開溶媒ヘキサン/トルエン=1:1)にて精製を行い、目的の(2−1)を得た。収量39.1g、収率89%。元素分析:C,84.80、H,5.81、N,4.83(計算値:C,84.85、H,5.85、N,4.79)。
(製造例32)電荷輸送物質の例示化合物(CT2−39)の製造)
<(2,4−ジメチルフェニル)−p−トリルアミンの製造>
冷却管及びメカニカルスターラーを付した1Lの3口反応容器に、2,4−ジメチルフェニルアミン133g(1.1mol)、1−ブロモ−4−メチルベンゼン171g(1.0mol)、酢酸パラジウム11.2g(0.05mol)、2−tert−ブチルフォスフィノイル−2−メチルプロパン32.4g(0.2mol)、リン酸三カリウム212g(1.0mol)、ジメチルホルムアミド500mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、12時間還流させた。反応終了後、室温まで放冷し、トルエン/水により抽出、塩酸水で洗浄し、その後、有機層を減圧蒸留し、目的の(2,4−ジメチルフェニル)−p−トリルアミンを得た。得られた化合物の収量は189.5g、収率は88質量%であった。得られた化合物を上述と同様の元素分析器を用いて測定した。実測値元素分析:C,85.27、H,8.09、N,6.64(計算値:C,85.26、H,8.11、N,6.63)。
<(4’−ブロモビフェニル−4−イル)−(2,4−ジメチルフェニル)−p−トリルアミンの製造>
空気冷却管及びメカニカルスターラーを付した2Lの3口反応容器に、(2,4−ジメチルフェニル)−p−トリルアミン105.7g(0.5mol)、4’−ブロモ−4−ヨードビフェニル215.4g(0.6mol)、銅粉50g、炭酸カリウム60g、o−ジクロロベンゼン600mLを入れ、オイルバスにて12時間加熱した。反応終了後、室温まで放冷し、ろ過により固形物を除去後、トルエン/水により抽出。有機層より溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラム(展開溶媒ヘキサン/トルエン=2:1)にて精製を行い、目的の(4’−ブロモビフェニル−4−イル)−(2,4−ジメチルフェニル)−p−トリルアミンを得た。得られた化合物の収量は165.9g、収率は75質量%であった。得られた化合物を上述と同様の元素分析器を用いて測定した。実測値元素分析:C,73.33、H,5.48、N,3.17(計算値:C,73.30、H,5.47、N,3.17)。
空気冷却管及びメカニカルスターラーを付した2Lの3口反応容器に、(2,4−ジメチルフェニル)−p−トリルアミン105.7g(0.5mol)、4’−ブロモ−4−ヨードビフェニル215.4g(0.6mol)、銅粉50g、炭酸カリウム60g、o−ジクロロベンゼン600mLを入れ、オイルバスにて12時間加熱した。反応終了後、室温まで放冷し、ろ過により固形物を除去後、トルエン/水により抽出。有機層より溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラム(展開溶媒ヘキサン/トルエン=2:1)にて精製を行い、目的の(4’−ブロモビフェニル−4−イル)−(2,4−ジメチルフェニル)−p−トリルアミンを得た。得られた化合物の収量は165.9g、収率は75質量%であった。得られた化合物を上述と同様の元素分析器を用いて測定した。実測値元素分析:C,73.33、H,5.48、N,3.17(計算値:C,73.30、H,5.47、N,3.17)。
<N4,N4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−N4−p−トリルビフェニル−4,4’−ジアミンの製造>
冷却管及びメカニカルスターラーを付した1Lの3口反応容器に、(4’−ブロモビフェニル−4−イル)−(2,4−ジメチルフェニル)−p−トリルアミン88.5g(0.2mol)、2,4−ジメチルフェニルアミン26.7g(0.22mol)、酢酸パラジウム2.2g(0.01mol)、ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン11.1g(0.02mol)、tert−ブトキシナトリウム26.8g(0.28mol)、キシレン400mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、5時間還流させた。反応終了後、室温まで放冷し、トルエン/水により抽出、塩酸水で洗浄し、その後、有機層を減圧蒸留し、シリカゲルカラム(展開溶媒ヘキサン/トルエン=1:1)にて精製を行い、目的のN4,N4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−N4−p−トリルビフェニル−4,4’−ジアミンを得た。得られた化合物の収量は71.4g、収率は74質量%であった。得られた化合物を上述と同様の元素分析器を用いて測定した。実測値元素分析:C,87.05、H,7.14、N,5.81(計算値:C,87.10、H,7.10、N,5.80)。
冷却管及びメカニカルスターラーを付した1Lの3口反応容器に、(4’−ブロモビフェニル−4−イル)−(2,4−ジメチルフェニル)−p−トリルアミン88.5g(0.2mol)、2,4−ジメチルフェニルアミン26.7g(0.22mol)、酢酸パラジウム2.2g(0.01mol)、ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン11.1g(0.02mol)、tert−ブトキシナトリウム26.8g(0.28mol)、キシレン400mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、5時間還流させた。反応終了後、室温まで放冷し、トルエン/水により抽出、塩酸水で洗浄し、その後、有機層を減圧蒸留し、シリカゲルカラム(展開溶媒ヘキサン/トルエン=1:1)にて精製を行い、目的のN4,N4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−N4−p−トリルビフェニル−4,4’−ジアミンを得た。得られた化合物の収量は71.4g、収率は74質量%であった。得られた化合物を上述と同様の元素分析器を用いて測定した。実測値元素分析:C,87.05、H,7.14、N,5.81(計算値:C,87.10、H,7.10、N,5.80)。
<N4−(4’−ブロモビフェニル−4−イル)−N4,N4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−N4−p−トリルビフェニル−4,4’−ジアミンの製造>
空気冷却管及びメカニカルスターラーを付した2Lの3口反応容器に、(N4,N4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−N4−p−トリルビフェニル−4,4’−ジアミン48.3g(0.1mol)、4’−ブロモ−4−ヨードビフェニル39.5g(0.11mol)、銅粉20g、o−ジクロロベンゼン200mLを入れ、オイルバスにて12時間加熱した。反応終了後、室温まで放冷し、ろ過により固形物を除去後、トルエン/水により抽出。有機層より溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラム(展開溶媒ヘキサン/トルエン=2:1)にて精製を行い、目的のN4−(4’−ブロモビフェニル−4−イル)−N4,N4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−N4−p−トリルビフェニル−4,4’−ジアミンを得た。得られた化合物の収量は45.0g、収率は63質量%であった。得られた化合物を上述と同様の元素分析器を用いて測定した。実測値元素分析:C,78.88、H,5.69、N,3.96(計算値:C,79.09、H,5.79、N,3.92)。
空気冷却管及びメカニカルスターラーを付した2Lの3口反応容器に、(N4,N4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−N4−p−トリルビフェニル−4,4’−ジアミン48.3g(0.1mol)、4’−ブロモ−4−ヨードビフェニル39.5g(0.11mol)、銅粉20g、o−ジクロロベンゼン200mLを入れ、オイルバスにて12時間加熱した。反応終了後、室温まで放冷し、ろ過により固形物を除去後、トルエン/水により抽出。有機層より溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラム(展開溶媒ヘキサン/トルエン=2:1)にて精製を行い、目的のN4−(4’−ブロモビフェニル−4−イル)−N4,N4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−N4−p−トリルビフェニル−4,4’−ジアミンを得た。得られた化合物の収量は45.0g、収率は63質量%であった。得られた化合物を上述と同様の元素分析器を用いて測定した。実測値元素分析:C,78.88、H,5.69、N,3.96(計算値:C,79.09、H,5.79、N,3.92)。
<N4,N4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−ビフェニル−4,4’−ジアミンの製造>
冷却管及びメカニカルスターラーを付した1Lの3口反応容器に、4、4’−ジブロモビフェニル62.4g(0.2mol)、2,4−ジメチルフェニルアミン72.6g(0.6mol)、酢酸パラジウム2.24g(0.01mol)、トリ(o−トリル)ホスフィン12.2g(0.04mol)、tert−ブトキシナトリウム51.8g(0.54mol)、キシレン300mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、5時間還流させた。反応終了後、減圧蒸留により過剰量の2,4−ジメチルフェニルアミン及び溶媒を留去、室温まで放冷し、トルエン/水により抽出、塩酸水で洗浄し、その後、有機層を減圧により溶媒留去、再結晶により目的のN4,N4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−ビフェニル−4,4’−ジアミンを得た。得られた化合物の収量は62.7g、収率は80質量%であった。得られた化合物を上述と同様の元素分析器を用いて測定した。元素分析実測値:C,85.66、H,7.18、N,7.16(計算値:C,85.67、H,7.19、N,7.14)。
冷却管及びメカニカルスターラーを付した1Lの3口反応容器に、4、4’−ジブロモビフェニル62.4g(0.2mol)、2,4−ジメチルフェニルアミン72.6g(0.6mol)、酢酸パラジウム2.24g(0.01mol)、トリ(o−トリル)ホスフィン12.2g(0.04mol)、tert−ブトキシナトリウム51.8g(0.54mol)、キシレン300mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、5時間還流させた。反応終了後、減圧蒸留により過剰量の2,4−ジメチルフェニルアミン及び溶媒を留去、室温まで放冷し、トルエン/水により抽出、塩酸水で洗浄し、その後、有機層を減圧により溶媒留去、再結晶により目的のN4,N4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−ビフェニル−4,4’−ジアミンを得た。得られた化合物の収量は62.7g、収率は80質量%であった。得られた化合物を上述と同様の元素分析器を用いて測定した。元素分析実測値:C,85.66、H,7.18、N,7.16(計算値:C,85.67、H,7.19、N,7.14)。
<電荷輸送物質の例示化合物(CT2−39)の製造>
冷却管及びメカニカルスターラーを付した500mLの3口反応容器に、N4−(4’−ブロモビフェニル−4−イル)−N4,N4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−N4−p−トリルビフェニル−4,4’−ジアミン35.7g(0.05mol)、N4,N4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−ビフェニル−4,4’−ジアミン9.8g(0.025mol)、酢酸パラジウム0.57g(0.0025mol)、ビフェニル−2−イル−ジ−tert−ブチルフォスフィン3.0g(0.01mol)、tert−ブトキシナトリウム6.7g(0.07mol)、キシレン200mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、4時間還流させた。反応終了後、室温まで放冷し、トルエン/水により抽出、塩酸水で洗浄し、その後、有機層を減圧により溶媒留去し、シリカゲルカラム(展開溶媒ヘキサン/トルエン=1:1)にて精製を行い、目的の例示化合物(CT−392−1)で示された目的の電荷輸送物質を得た。得られた化合物の収量は34.4g、収率は83質量%であった。得られた化合物を上述と同様の元素分析器を用いて測定した。実測値元素分析:C,88.40、H,6.51、N,5.09(計算値:C,88.37、H,6.56、N,5.07)。また、得られた化合物の質量分析を上述と同様の装置を用いて行った。このとき得られた質量スペクトルの測定結果を図3に示す。
冷却管及びメカニカルスターラーを付した500mLの3口反応容器に、N4−(4’−ブロモビフェニル−4−イル)−N4,N4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−N4−p−トリルビフェニル−4,4’−ジアミン35.7g(0.05mol)、N4,N4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−ビフェニル−4,4’−ジアミン9.8g(0.025mol)、酢酸パラジウム0.57g(0.0025mol)、ビフェニル−2−イル−ジ−tert−ブチルフォスフィン3.0g(0.01mol)、tert−ブトキシナトリウム6.7g(0.07mol)、キシレン200mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、4時間還流させた。反応終了後、室温まで放冷し、トルエン/水により抽出、塩酸水で洗浄し、その後、有機層を減圧により溶媒留去し、シリカゲルカラム(展開溶媒ヘキサン/トルエン=1:1)にて精製を行い、目的の例示化合物(CT−392−1)で示された目的の電荷輸送物質を得た。得られた化合物の収量は34.4g、収率は83質量%であった。得られた化合物を上述と同様の元素分析器を用いて測定した。実測値元素分析:C,88.40、H,6.51、N,5.09(計算値:C,88.37、H,6.56、N,5.07)。また、得られた化合物の質量分析を上述と同様の装置を用いて行った。このとき得られた質量スペクトルの測定結果を図3に示す。
次に、本発明の電子写真感光体の表面層に用いられるバインダー樹脂について説明する。
バインダー樹脂においても構造については 特に限定はしないが、前述した電荷輸送物質との組み合わせにおいて、高いガラス転移温度を達成するために、熱可塑性樹脂を用いることが好ましく、より好ましくはエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、及びポリアリレート樹脂であって、さらに好ましくは下記式(3)で示される繰り返し構造単位を有する樹脂である。
とR10が結合することによって形成される置換又は無置換のアルキリデン基又は置換又は無置換のフルオレニリデン基を示し、Yは2価の有機基を示す。)
電荷輸送物質との相溶性の観点から、上記式(3)中のR1
〜R4 のうち少なくとも1つがアルキル基を有していることが好ましく、より好ましくは上記式(3)中のR1
〜R4 のうち少なくとも1つが、メチル基またはエチル基であって、更に好ましくはメチル基である。
又、上記式(3)中のYで示される2価の有機基としては、1,4−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,2−フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基、−CH2
−、−(CH2 )2
−、−(CH2 )3
−、−(CH2 )4
−、−(CH2 )5
−、−(CH2 )6
−、−(CH2 )7
−、−(CH2 )8
−、又は−CH=CH−等が挙げられ、この中でも、1,4−フェニレン基、1,3−フェニレン基、又は1,2−フェニレン基であることが好ましい。
−、−(CH2 )2
−、−(CH2 )3
−、−(CH2 )4
−、−(CH2 )5
−、−(CH2 )6
−、−(CH2 )7
−、−(CH2 )8
−、又は−CH=CH−等が挙げられ、この中でも、1,4−フェニレン基、1,3−フェニレン基、又は1,2−フェニレン基であることが好ましい。
本発明に用いられるポリカーボネート樹脂の繰り返し構造単位の具体例を示すが、これらの構造に特に限定はされない。
ポリカーボネート樹脂又はポリアリレート樹脂を構成する二価の有機残基部分は、置換又は無置換の二価のビフェニル残基、置換又は無置換の二価のビスフェニル残基、置換又は無置換の二価のビフェニルエーテル残基、又は、置換又は無置換の二価のビフェニルチオエーテル残基等、二価の有機残基であればどのよう構造であっても可能であるが、置換又は無置換の二価のビフェニル残基、置換又は無置換の二価のビスフェニル残基、又は、置換又は無置換の2価のビフェニルエーテル残基であることが好ましい。
バインダー樹脂の重量平均分子量(Mw)としてMw=50000〜200000が好ましく、強度、生産性等の面から、Mw=80000〜150000が特に好ましい。
強度や溶解性等の他特性を付加するために他構造のビスフェノールとの共重合体とすることも可能である。共重合の比率は、95/5から5/95において各々の特性の効果を出すことができる。更に、生産性の向上等のために他構造のポリアリレート樹脂やポリカーボネート樹脂とブレンドすることも可能であるが、強度や電荷輸送物質との相溶性の観点より、本発明のポリアリレート樹脂が感光層中に含有されるバインダー樹脂全質量に対して50質量%以上含有されることが好ましい。
次に、本発明の電子写真感光体の構成について説明する。
感光層は、上述の通り、単層型感光層であっても、積層型(機能分離型)感光層であっても良いが、電子写真特性の観点からは積層型感光層が好ましい。又、積層型感光層には、支持体側から電荷発生層、電荷輸送層の順に積層した順層型感光層と、支持体側から電荷輸送層、電荷発生層の順に積層した逆層型感光層があるが、電子写真特性の観点からは順層型感光層が好ましい。
支持体としては、導電性を有していれば良く(導電性支持体)、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス等の金属製の支持体を用いることができる。又、アルミニウム、アルミニウム合金、酸化インジウム−酸化スズ合金等を真空蒸着によって被膜形成された層を有する上記金属製支持体やプラスチック製支持体を用いることもできる。又、カーボンブラック、酸化スズ粒子、酸化チタン粒子、銀粒子等の導電性粒子を適当な結着樹脂と共にプラスチックや紙に含浸した支持体や、導電性結着樹脂を有するプラスチック製の支持体等を用いることもできる。支持体の形状としては、円筒状、ベルト状等が挙げられる。
上述の通り、支持体と感光層または中間層との間には、レーザー光等の散乱による干渉縞の防止や、支持体の傷の被覆を目的とした導電層を設けても良い。導電層は、カーボンブラック、金属粒子等の導電性粒子を結着樹脂に分散させて形成することができる。導電層の膜厚は、0.1〜30μmであることが好ましく、特には0.5〜20μmであることがより好ましい。
又、レーザー光等の散乱による干渉縞の防止を目的として、導電層を設ける代わりに、支持体の表面に切削処理、疎面化処理、アルマイト処理等を施しても良い。
又、支持体又は導電層と感光層との間には、バリア機能や接着機能を有する中間層を設けても良い。中間層は、感光層の接着性改良、塗工性改良、支持体からの電荷注入性改良、感光層の電気的破壊に対する保護等のために形成される。中間層は、カゼイン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エチルセルロース樹脂、エチレン−アクリル酸コポリマー、ポリアミド樹脂、変性ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ゼラチン樹脂、酸化アルミニウムなどの材料を用いて形成することができる。中間層の膜厚は0.05〜5μmであることが好ましく、特には0.3〜1.5μmであることがより好ましい。
本発明の電子写真感光体に用いられる電荷発生物質としては、例えば、モノアゾ、ジスアゾ、トリスアゾ等のアゾ顔料や、金属フタロシアニン、非金属フタロシアニン等のフタロシアニン顔料や、インジゴ、チオインジゴ等のインジゴ顔料や、ペリレン酸無水物、ペリレン酸イミド等のペリレン顔料や、アンスラキノン、ピレンキノン等の多環キノン顔料や、スクワリリウム色素や、ピリリウム塩及びチアピリリウム塩や、トリフェニルメタン色素や、セレン、セレン−テルル、アモルファスシリコン等の無機物質や、キナクリドン顔料や、アズレニウム塩顔料や、シアニン染料や、キサンテン色素や、キノンイミン色素や、スチリル色素や、硫化カドミウムや、酸化亜鉛等が挙げられる。これら電荷発生物質は1種のみ用いても良く、2種以上用いても良い。
感光層が積層型感光層である場合、電荷発生層に用いる結着樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリスルホン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂等が挙げられる。特には、ブチラール樹脂等が好ましい。これらは単独、混合又は共重合体として1種又は2種以上用いることができる。
電荷発生層は、電荷発生物質を結着樹脂及び溶剤と共に分散して得られる電荷発生層用塗布液を塗布し、乾燥することによって形成することができる。分散方法としては、ホモジナイザー、超音波、ボールミル、サンドミル、ロールミル、振動ミル、アトライター、液衝突型高速分散機等を用いた方法が挙げられる。電荷発生物質と結着樹脂との割合は、1:0.3〜1:4(質量比)の範囲が好ましい。
電荷発生層用塗布液に用いる溶剤は、使用する結着樹脂や電荷発生物質の溶解性や分散安定性から選択されるが、有機溶剤としてはアルコール、スルホキシド、ケトン、エーテル、エステル、脂肪族ハロゲン化炭化水素、芳香族化合物等が挙げられる。
電荷発生層の膜厚は5μm以下であることが好ましく、特には0.1〜2μmであることがより好ましい。
又、電荷発生層には、種々の増感剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤等を必要に応じて添加することもできる。
本発明の電子写真感光体に用いられる電荷輸送物質としては、前記電荷輸送物質と結着樹脂を溶剤に溶解して得られる電荷輸送層用塗布液を塗布し、乾燥することによって形成することができる。電荷輸送物質と結着樹脂との割合は、5:1〜1:5(質量比)の範囲が好ましく、3:1〜1:3(質量比)の範囲がより好ましい。
電荷輸送層用塗布液に用いる溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル、クロロベンゼン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン原子で置換された炭化水素等が用いられる。
電荷輸送層用塗布液を塗布する際には、例えば、浸漬塗布法(浸漬コーティング法)、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ローラーコーティング法、マイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法等の塗布方法を用いることができる。
又、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルビレン等の有機光導電性ポリマーを用いることもできる。
電荷輸送層の膜厚は5〜50μmであることが好ましく、特には10〜35μmであることがより好ましい。
感光層が単層型感光層である場合、該単層型感光層は、上記電荷発生物質及び上記電荷輸送物質を上記結着樹脂及び上記溶剤と共に分散して得られる単層型感光層用塗布液を塗布し、乾燥することによって形成することができる。
上記各層の塗布液を塗布する際には、例えば、浸漬コーティング法(浸漬塗布法)、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ローラーコーティング法、マイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法等の塗布方法を用いることができる。
次に、本発明の電子写真装置について説明する。
図4にプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す。
図4において、1は円筒状の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。
回転駆動される電子写真感光体1の表面は、帯電手段(一次帯電手段:帯電ローラ等)3により、正または負の所定電位に均一に帯電され、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光等の露光手段(不図示)から出力される露光光(画像露光光)4を受ける。こうして電子写真感光体1の表面に、目的の画像に対応した静電潜像が順次形成されていく。
電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、現像手段5の現像剤に含まれるトナーにより現像されてトナー像となる。次いで、電子写真感光体1の表面に形成担持されているトナー像が、転写手段(転写ローラ等)7からの転写バイアスによって、転写材供給手段(不図示)から電子写真感光体1と転写手段7との間(当接部)に電子写真感光体1の回転と同期して取り出されて給送された転写材(紙等)Pに順次転写されていく。
トナー像の転写を受けた転写材Pは、電子写真感光体1の表面から分離されて定着手段11へ導入されて像定着を受けることにより画像形成物(プリント、コピー)として装置外へプリントアウトされる。
トナー像転写後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段(クリーニングブレード)6によって転写残りの現像剤(トナー)の除去を受けて清浄面化され、更に前露光手段(不図示)からの前露光光(不図示)により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。尚、図4に示すように、帯電手段3が帯電ローラ等を用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
上述の電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5、転写手段7、クリーニング手段6等の構成要素のうち、複数のものを容器に納めてプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンタ等の電子写真装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。図4では、電子写真感光体1と、帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段6を一体に支持してカートリッジ化して、電子写真装置本体のレール等の案内手段13を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ12としている。
図5に中間転写方式のカラー電子写真装置の概略構成の一例を示す。中間転写方式の場合、転写手段は主に一次転写部材、中間転写体、二次転写部材から構成される。
図5において、1Y,1M,1C,1Kは円筒状の電子写真感光体であり、軸2Y,2M,2C,2Kを中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。
回転駆動される電子写真感光体1Y,1M,1C,1Kの表面は、帯電手段(一次帯電手段:帯電ローラ等)3Y,3M,3C,3Kにより、正又は負の所定電位に均一に帯電され、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光等の露光手段(不図示)から出力される露光光(画像露光光)4Y,4M,4C,4Kを受ける。この際の露光光は、目的のカラー画像の第1色成分像(例えばイエロー成分像)に対応した露光光である。こうして電子写真感光体1Y,1M,1C,1Kの表面に、目的のカラー画像の第1色成分像に対応した第1色成分静電潜像(例えばイエロー成分静電潜像)が順次形成されていく。
電子写真感光体1Yの表面に形成された第1色成分静電潜像は、第1色用現像手段(イエロー用現像手段)5Yの現像剤に含まれる第1色トナー(イエロートナー)により現像されて第1色トナー像(イエロートナー像)となる。次いで、電子写真感光体1Yの表面に形成担持されている第1色トナー像が、一次転写手段7Yにより中間転写体8の表面に順次一次転写されていく。
第1色トナー像転写後の電子写真感光体1Yの表面は、クリーニング手段7Yによって一次転写残りの現像剤(トナー)の除去を受けて清浄面化された後、次色の画像形成に使用される。
第2色トナー像(マゼンタトナー像)、第3色トナー像(シアントナー像)、第4色トナー像(ブラックトナー像)も、第1色トナー像と同様にして電子写真感光体1M,1C,1Kの表面に形成され、中間転写体8の表面に順次転写される。こうして中間転写体8の表面に目的のカラー画像に対応した合成トナー像が形成される。
中間転写体8の表面に形成された合成トナー像は、二次転写手段9により転写材(紙等)Pに順次二次転写されていく。
合成トナー像の転写を受けた転写材Pは、中間転写体8の表面から分離されて定着手段11へ導入されて像定着を受けることによりカラー画像形成物(プリント、コピー)として装置外へプリントアウトされる。
又、クリーニング手段7Y,7M,7C,7Kによる転写残りの現像剤(トナー)除去後の電子写真感光体1Y,1M,1C,1Kの表面を、前露光手段(不図示)からの前露光光(不図示)により除電処理しても良いが、図5に示すように、帯電手段3Y,3M,3C,3Kが帯電ローラ等を用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
又、図5に示される構成のカラー電子写真装置においても、図4に示される構成の電子写真装置と同様、電子写真感光体、帯電手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段等の構成要素のうち、複数のものを容器に納めてプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンター等の電子写真装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。
以下、本発明で用いられる各種物性の測定方法について説明する。
<トナー抽出液のワックス濃度の定量>
(1)サンプルの調製
以下の操作は、23℃に温度制御された室内で行う。
<トナー抽出液のワックス濃度の定量>
(1)サンプルの調製
以下の操作は、23℃に温度制御された室内で行う。
30cm3 のサンプルビン(例えば、商品名「SV−30」、日電理化硝子(株)製)にトナー300mgを精秤し、これにマグネティックスターラー用の長さ2cmの攪拌子を入れる。次いで、マグネティックスターラーを用いて攪拌子を回転させながら、液温を23℃に調整した溶剤(n−ヘキサン又はトルエン)20cm3
を速やかに容器に入れて密閉し、トナーが溶剤に充分に分散するように攪拌子の回転数を調整し、抽出時間の計測を行う。所定時間が経過したら直ちに抽出液をシリンジで吸引し、ポア径が0.45μmの耐溶剤性メンブランフィルター(例えば、商品名「マエショリディスク」、東ソー(株)製)で濾過して、トナー抽出液としてのサンプル溶液とする。
(2)ガスクロマトグラフ測定装置及び測定条件
得られたサンプル溶液について、以下の条件でガスクロマトグラフ分析を行う。抽出液のワックス濃度の算出には、予めワックスをn−ヘキサン又はトルエンに完全に溶解した標品数点を用意し、これをガスクロマトグラフ分析することでワックス濃度とガスクロマトグラフチャートにおけるワックスピークの面積値から検量線を作成し、この検量線に基づいて、サンプル溶液中のワックス濃度を算出する。
を速やかに容器に入れて密閉し、トナーが溶剤に充分に分散するように攪拌子の回転数を調整し、抽出時間の計測を行う。所定時間が経過したら直ちに抽出液をシリンジで吸引し、ポア径が0.45μmの耐溶剤性メンブランフィルター(例えば、商品名「マエショリディスク」、東ソー(株)製)で濾過して、トナー抽出液としてのサンプル溶液とする。
(2)ガスクロマトグラフ測定装置及び測定条件
得られたサンプル溶液について、以下の条件でガスクロマトグラフ分析を行う。抽出液のワックス濃度の算出には、予めワックスをn−ヘキサン又はトルエンに完全に溶解した標品数点を用意し、これをガスクロマトグラフ分析することでワックス濃度とガスクロマトグラフチャートにおけるワックスピークの面積値から検量線を作成し、この検量線に基づいて、サンプル溶液中のワックス濃度を算出する。
ガスクロマトグラフ:HEWLETT PACKARD 6890GC
検出器:FID(水素炎イオン化検出器)
カラム:DB−1ht
(J&W(株)製 キャピラリーカラム、長さ30m、内径0.25mm、膜厚0.10μm)
注入口温度:400℃
検出器温度:430℃
キャリアーガス:He
オーブン温度:150℃スタート、10℃/分で400℃まで昇温、15分ホールド注入量:5.0×10−3cm3
スプリットレス、コンスタントフロー1.0cm3
/min
<トナーの重量平均粒径及び粒度分布の測定>
トナーの重量平均粒径及び粒度分布はコールターカウンターTA−II型又はコールターマルチサイザー(ベックマンコールター(株)製)等種々の方法で測定可能である。本発明においては、コールターマルチサイザーを用い、個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科機バイオス(株)製)及びパーソナルコンピュータを接続し、電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調整する。例えば、ISOTONR−II(コールターサイエンティフィックジャパン(株)製)が使用できる。
検出器:FID(水素炎イオン化検出器)
カラム:DB−1ht
(J&W(株)製 キャピラリーカラム、長さ30m、内径0.25mm、膜厚0.10μm)
注入口温度:400℃
検出器温度:430℃
キャリアーガス:He
オーブン温度:150℃スタート、10℃/分で400℃まで昇温、15分ホールド注入量:5.0×10−3cm3
スプリットレス、コンスタントフロー1.0cm3
/min
<トナーの重量平均粒径及び粒度分布の測定>
トナーの重量平均粒径及び粒度分布はコールターカウンターTA−II型又はコールターマルチサイザー(ベックマンコールター(株)製)等種々の方法で測定可能である。本発明においては、コールターマルチサイザーを用い、個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科機バイオス(株)製)及びパーソナルコンピュータを接続し、電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調整する。例えば、ISOTONR−II(コールターサイエンティフィックジャパン(株)製)が使用できる。
測定法としては、前記電解水溶液100〜150cm3
中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩0.1〜0.3cm3
を加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記コールターマルチサイザーにより100μmアパーチャーを用いて、2μm以上のトナー粒子の体積、個数を測定して体積分布と個数分布とを算出する。
中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩0.1〜0.3cm3
を加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記コールターマルチサイザーにより100μmアパーチャーを用いて、2μm以上のトナー粒子の体積、個数を測定して体積分布と個数分布とを算出する。
それから、本発明に係わるところの体積分布から求めた重量平均粒径(D4:各チャンネルの中央値をチャンネルの代表値とする)を求めることができる。
<電子写真感光体の表面層のガラス転移温度の測定>
本発明において、電子写真感光体の表面層のガラス転移温度の測定は、動的粘弾性測定法によって行った。先ず、電子写真感光体の表面層(単層型であれば感光層、機能分離型であれば電荷輸送層を意味する。)をコロナ処理の施されていないポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に塗工し、この後PETフィルム上から剥がし取って、幅3mmの短冊を作成して測定用サンプルとした。このサンプルをレオメーター(Rheometrics RSAII)にて測定した。測定モードは引っ張りモードとし、ひずみ率を0.3%、Initial Static Forceは70gに設定して−138℃〜200℃まで掃引を行い、得られた温度と圧力の波形の微分曲線の変曲点から求めたガラス転移温度を本発明における電子写真感光体の表面層のガラス転移温度とした。
<電子写真感光体の表面層のガラス転移温度の測定>
本発明において、電子写真感光体の表面層のガラス転移温度の測定は、動的粘弾性測定法によって行った。先ず、電子写真感光体の表面層(単層型であれば感光層、機能分離型であれば電荷輸送層を意味する。)をコロナ処理の施されていないポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に塗工し、この後PETフィルム上から剥がし取って、幅3mmの短冊を作成して測定用サンプルとした。このサンプルをレオメーター(Rheometrics RSAII)にて測定した。測定モードは引っ張りモードとし、ひずみ率を0.3%、Initial Static Forceは70gに設定して−138℃〜200℃まで掃引を行い、得られた温度と圧力の波形の微分曲線の変曲点から求めたガラス転移温度を本発明における電子写真感光体の表面層のガラス転移温度とした。
以下、本発明を実施例に従ってより詳細に説明する。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。
<トナー結着樹脂の製造>
(ハイブリッド樹脂Aの製造例)
温度計、攪拌機、コンデンサー及び窒素導入管を備えたオートクレーブに、トルエン100.00部、オクタン100.00部、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン48.10部(35.0モル%)、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン19.20部(15.0モル%)、テレフタル酸20.40部(31.3モル%)、無水トリメリット酸9.40部(12.4モル%)、フマル酸2.90部(6.3モル%)、DSCにおける最大吸熱ピークのピーク温度が75℃の精製ノルマルパラフィンワックス4.00部及び酸化ジブチル錫0.30部を入れ、オートクレーブ内を窒素ガスで置換した後、密閉した。その後、撹拌しながら徐々に昇温し、180℃で保持した。
<トナー結着樹脂の製造>
(ハイブリッド樹脂Aの製造例)
温度計、攪拌機、コンデンサー及び窒素導入管を備えたオートクレーブに、トルエン100.00部、オクタン100.00部、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン48.10部(35.0モル%)、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン19.20部(15.0モル%)、テレフタル酸20.40部(31.3モル%)、無水トリメリット酸9.40部(12.4モル%)、フマル酸2.90部(6.3モル%)、DSCにおける最大吸熱ピークのピーク温度が75℃の精製ノルマルパラフィンワックス4.00部及び酸化ジブチル錫0.30部を入れ、オートクレーブ内を窒素ガスで置換した後、密閉した。その後、撹拌しながら徐々に昇温し、180℃で保持した。
一方、スチレン17.80部、アクリル酸2−エチルヘキシル4.80部、フマル酸2.00部、ジ−t−ブチルパーオキサイド0.50部を常温で良く混合し、この混合物を先のオートクレーブに3時間掛けて注入してビニル系モノマーのラジカル重合を行い、ビニル系共重合体の生成と共に、前記パラフィンワックスへのビニル系モノマーのグラフト化反応を行った。その後、反応液を200℃まで昇温して3時間保持した後、一旦反応液を100℃まで冷却、保持し、減圧下で、反応で生成した縮合水と共にトルエン、オクタンの大部分を留去した。その後、更に反応液を200℃まで昇温し、3時間保持することで、縮合反応を完結すると共に脱水、脱溶剤を行い、ハイブリッド樹脂Aを得た。
(ハイブリッド樹脂Bの製造例)
温度計、撹拌機、コンデンサー及び窒素導入管を備えた反応容器に、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン48.10部(35.0モル%)、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン19.20部(15.0モル%)、テレフタル酸20.40部(31.3モル%)、無水トリメリット酸9.40部(12.4モル%)、フマル酸2.90部(6.3モル%)及び酸化ジブチル錫0.30部を入れ、反応容器内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、130℃の温度で撹拌した。
(ハイブリッド樹脂Bの製造例)
温度計、撹拌機、コンデンサー及び窒素導入管を備えた反応容器に、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン48.10部(35.0モル%)、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン19.20部(15.0モル%)、テレフタル酸20.40部(31.3モル%)、無水トリメリット酸9.40部(12.4モル%)、フマル酸2.90部(6.3モル%)及び酸化ジブチル錫0.30部を入れ、反応容器内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、130℃の温度で撹拌した。
一方、スチレン4.18部、アクリル酸2−エチルヘキシル1.15部、フマル酸0.52部、痾−メチルスチレンの2量体0.12部、ジクミルパーオキサイド0.20部を常温で良く混合し、これを先の反応容器に5時間掛けて滴下した。その後、反応液を200℃まで昇温し、6時間反応させてハイブリッド樹脂Bを得た。
(ポリエステル樹脂Cの製造例)
温度計、撹拌機、コンデンサー及び窒素導入管を備えた反応容器に、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン48.10部(35.0モル%)、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン19.20部(15.0モル%)、テレフタル酸20.40部(31.3モル%)、無水トリメリット酸9.40部(12.4モル%)、フマル酸2.90部(6.3モル%)及び酸化ジブチル錫0.30部を入れ、反応容器内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、215℃で4時間縮合反応させ、ポリエステル樹脂Cを得た。
(ビニル系共重合体Dの製造例)
温度計、撹拌機、コンデンサー及び窒素導入管を備えた反応容器にキシレン200.00部を仕込み、撹拌しながら容器内を十分に窒素で置換して120℃に昇温させた。そこに、下記の各成分を常温で良く混合したものを5時間掛けて滴下して、ラジカル重合を行った。更に昇温を行い、キシレン還流下でラジカル重合を完了し、減圧下で溶媒を蒸留除去して、ビニル系共重合体Dを得た。
・スチレン 77.00部
・アクリル酸2−エチルヘキシル 18.00部
・マレイン酸モノブチル 5.00部
・ジ−t−ブチルパーオキサイド 1.00部
<トナーの製造>
(トナーの製造例1)
・前記ハイブリッド樹脂A 104.00部
・C.I.Pigment Blue 15:3 4.00部
・3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 2.00部
上記の材料を十分にヘンシェルミキサーにより予備混合した。その後、二軸押出し混練機で溶融混練し、冷却後ハンマーミルを用いて約1〜2mm程度に粗粉砕し、次いでエアージェット方式による微粉砕機で20μm以下の粒径に微粉砕した。
(ポリエステル樹脂Cの製造例)
温度計、撹拌機、コンデンサー及び窒素導入管を備えた反応容器に、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン48.10部(35.0モル%)、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン19.20部(15.0モル%)、テレフタル酸20.40部(31.3モル%)、無水トリメリット酸9.40部(12.4モル%)、フマル酸2.90部(6.3モル%)及び酸化ジブチル錫0.30部を入れ、反応容器内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、215℃で4時間縮合反応させ、ポリエステル樹脂Cを得た。
(ビニル系共重合体Dの製造例)
温度計、撹拌機、コンデンサー及び窒素導入管を備えた反応容器にキシレン200.00部を仕込み、撹拌しながら容器内を十分に窒素で置換して120℃に昇温させた。そこに、下記の各成分を常温で良く混合したものを5時間掛けて滴下して、ラジカル重合を行った。更に昇温を行い、キシレン還流下でラジカル重合を完了し、減圧下で溶媒を蒸留除去して、ビニル系共重合体Dを得た。
・スチレン 77.00部
・アクリル酸2−エチルヘキシル 18.00部
・マレイン酸モノブチル 5.00部
・ジ−t−ブチルパーオキサイド 1.00部
<トナーの製造>
(トナーの製造例1)
・前記ハイブリッド樹脂A 104.00部
・C.I.Pigment Blue 15:3 4.00部
・3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 2.00部
上記の材料を十分にヘンシェルミキサーにより予備混合した。その後、二軸押出し混練機で溶融混練し、冷却後ハンマーミルを用いて約1〜2mm程度に粗粉砕し、次いでエアージェット方式による微粉砕機で20μm以下の粒径に微粉砕した。
その後、機械式衝撃力を用いる表面改質処理(球形化処理)と分級を同時に行う装置にて微粉砕物を処理して、トナー粒子1を得た。
更に、このトナー粒子1 100.00部と、i−C4
H9 Si(OCH3
)3 30.00部で処理した疎水性酸化チタン微粉末(BET法による比表面積150m2
/g)1.50部とをヘンシェルミキサーにより混合して、シアントナー1とした。
H9 Si(OCH3
)3 30.00部で処理した疎水性酸化チタン微粉末(BET法による比表面積150m2
/g)1.50部とをヘンシェルミキサーにより混合して、シアントナー1とした。
トナー1の物性を表1に示す。
(トナーの製造例2)
ハイブリッド樹脂A 104.00部を、ハイブリッド樹脂A 78.00部とハイブリッド樹脂B 25.00部に代え、ハイブリッド樹脂Aの製造例で使用したDSCにおける最大吸熱ピークのピーク温度が75℃の精製ノルマルパラフィンワックスを1.00部更に加えた以外はトナーの製造例1と同様にして、シアントナー2を得た。トナー2の物性を表1に示す。
(トナーの製造例3)
ハイブリッド樹脂A 104.00部を、ハイブリッド樹脂A 78.00部とポリエステル樹脂C 25.00部に代え、ハイブリッド樹脂Aの製造例で使用したDSCにおける最大吸熱ピークのピーク温度が75℃の精製ノルマルパラフィンワックスを1.00部さらに加えた以外はトナーの製造例1と同様にして、シアントナー3を得た。トナー3の物性を表1に示す。
(トナーの製造例4)
ハイブリッド樹脂A 104.00部を、ハイブリッド樹脂A 78.00部とビニル系共重合体D 25.00部に代え、ハイブリッド樹脂Aの製造例で使用したDSCにおける最大吸熱ピークのピーク温度が75℃の精製ノルマルパラフィンワックスを1.00部さらに加えた以外はトナーの製造例1と同様にして、シアントナー4を得た。トナー4の物性を表1に示す。
(トナーの製造例5)
DSCにおける最大吸熱ピークのピーク温度が75℃の精製ノルマルパラフィンワックスの添加量を更に8.00部添加した以外はトナーの製造例1と同様にして、シアントナー5を得た。トナー5の物性を表1に示す。
(トナーの製造例6)
・前記ハイブリッド樹脂B 100.00部
・ハイブリッド樹脂Aの製造例で使用したDSCにおける最大吸熱ピークのピーク温
度が75℃の精製ノルマルパラフィンワックス 4.00部
・C.I.Pigment Blue 15:3 4.00部
・3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 2.00部
上記の材料を十分にヘンシェルミキサーにより予備混合した。その後、二軸押出し混練機で溶融混練し、冷却後ハンマーミルを用いて約1〜2mm程度に粗粉砕し、次いでエアージェット方式による微粉砕機で20μm以下の粒径に微粉砕した。その後、風力分級装置(エルボージェット分級機)を用いて分級を行い、トナー粒子6を得た。
(トナーの製造例2)
ハイブリッド樹脂A 104.00部を、ハイブリッド樹脂A 78.00部とハイブリッド樹脂B 25.00部に代え、ハイブリッド樹脂Aの製造例で使用したDSCにおける最大吸熱ピークのピーク温度が75℃の精製ノルマルパラフィンワックスを1.00部更に加えた以外はトナーの製造例1と同様にして、シアントナー2を得た。トナー2の物性を表1に示す。
(トナーの製造例3)
ハイブリッド樹脂A 104.00部を、ハイブリッド樹脂A 78.00部とポリエステル樹脂C 25.00部に代え、ハイブリッド樹脂Aの製造例で使用したDSCにおける最大吸熱ピークのピーク温度が75℃の精製ノルマルパラフィンワックスを1.00部さらに加えた以外はトナーの製造例1と同様にして、シアントナー3を得た。トナー3の物性を表1に示す。
(トナーの製造例4)
ハイブリッド樹脂A 104.00部を、ハイブリッド樹脂A 78.00部とビニル系共重合体D 25.00部に代え、ハイブリッド樹脂Aの製造例で使用したDSCにおける最大吸熱ピークのピーク温度が75℃の精製ノルマルパラフィンワックスを1.00部さらに加えた以外はトナーの製造例1と同様にして、シアントナー4を得た。トナー4の物性を表1に示す。
(トナーの製造例5)
DSCにおける最大吸熱ピークのピーク温度が75℃の精製ノルマルパラフィンワックスの添加量を更に8.00部添加した以外はトナーの製造例1と同様にして、シアントナー5を得た。トナー5の物性を表1に示す。
(トナーの製造例6)
・前記ハイブリッド樹脂B 100.00部
・ハイブリッド樹脂Aの製造例で使用したDSCにおける最大吸熱ピークのピーク温
度が75℃の精製ノルマルパラフィンワックス 4.00部
・C.I.Pigment Blue 15:3 4.00部
・3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 2.00部
上記の材料を十分にヘンシェルミキサーにより予備混合した。その後、二軸押出し混練機で溶融混練し、冷却後ハンマーミルを用いて約1〜2mm程度に粗粉砕し、次いでエアージェット方式による微粉砕機で20μm以下の粒径に微粉砕した。その後、風力分級装置(エルボージェット分級機)を用いて分級を行い、トナー粒子6を得た。
更に、このトナー粒子6 100.00部と、i−C4
H9 Si(OCH3
)3 30.00部で処理した疎水性酸化チタン微粉末(BET法による比表面積150m2
/g)1.50部とをヘンシェルミキサーにより混合して、シアントナー6を得た。トナー6の物性を表1に示す。
(トナーの製造例7)
ハイブリッド樹脂Aの製造例で使用したDSCにおける最大吸熱ピークのピーク温度が75℃の精製ノルマルパラフィンワックスを15.00部更に加え、装置による微粉砕物の処理を行わず、風力分級装置(エルボージェット分級機)を用いて分級を行った以外はトナーの製造例1と同様にしてシアントナー7を得た。トナー7の物性を表1に示す。
H9 Si(OCH3
)3 30.00部で処理した疎水性酸化チタン微粉末(BET法による比表面積150m2
/g)1.50部とをヘンシェルミキサーにより混合して、シアントナー6を得た。トナー6の物性を表1に示す。
(トナーの製造例7)
ハイブリッド樹脂Aの製造例で使用したDSCにおける最大吸熱ピークのピーク温度が75℃の精製ノルマルパラフィンワックスを15.00部更に加え、装置による微粉砕物の処理を行わず、風力分級装置(エルボージェット分級機)を用いて分級を行った以外はトナーの製造例1と同様にしてシアントナー7を得た。トナー7の物性を表1に示す。
トナーの製造例1〜7で製造した各トナーについて、磁性フェライトキャリアをシリコーン樹脂で表面被覆した樹脂コートキャリア(平均粒径50μm:Mn−Mgフェライト)と、トナー濃度が6質量%になるように均一に混合し、二成分系現像剤1〜7を作製した。
<電子写真感光体の作製>
(電子写真感光体の製造例1)
直径30mm、長さ357.5mmのアルミニウムシリンダーを支持体とした。
次に、SnO2 コート処理硫酸バリウム(導電性顔料)10部、酸化チタン(抵抗調整用顔料)2部、フェノール樹脂6部、シリコーンオイル(レベリング剤)0.001部、及び、メタノール4部/メトキシプロパノール16部の混合溶媒を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で2時間分散して、導電層用塗布液を調整した。
この導電層用塗布液を、支持体上に浸漬塗布し、140℃で30分間熱硬化して、膜厚が15μmの導電層を形成した。
次に、N−メトキシメチル化ナイロン3部及び共重合ナイロン3部を、メタノール65部/n−ブタノール30部の混合溶媒に溶解して、中間層用塗布液を調整した。
この中間層用塗布液を、導電層上に浸漬塗布し、80℃で10分間乾燥して、膜厚が0.5μmの中間層を形成した。
次に、CuKαのX線回折スペクトルにおける回折角2θ±0.2°の7.4°、28.2°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン4部と、ポリビニルブチラール(エスレックBX−1、積水化学(株)製)2部と、シクロヘキサノン60部とを、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で4時間分散した後、エチルアセテート100部を加えて、電荷発生層用分散液を調製した。
この電荷発生層用塗布液を、中間層上に浸漬コーティングし、80℃で10分間乾燥して、膜厚が0.3μmの電荷発生層を形成した。
次に、例示化合物(CT−10)で示される構造を有する電荷輸送物質4部と、結着樹脂として繰り返し単位構造の構造例(PA4−2)で示されるした樹脂(重量平均分子量(Mw)=130000、、樹脂中におけるテレフタル酸とイソフタル酸の質量比:テレフタル酸/イソフタル酸=50/50)10部とを、モノクロロベンゼン80部とジメトキシメタン10部の混合溶媒に溶解し、電荷輸送層用塗布液を調製した。
この電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に浸漬法浸漬塗布法で塗布し、120℃で1時間乾燥して、膜厚が25μmの電荷輸送層が表面層である電子写真感光体1を作製した。
この電子写真感光体1の表面層のガラス転移温度は149℃であった。電子写真感光体1の物性を表2に示す。
(電子写真感光体の製造例2)
電荷輸送物質として化合物例(CT−17)で示される構造を有する電荷輸送物質を使用した以外は電子写真感光体の製造例1と同様にして電子写真感光体2を作製した。
(電子写真感光体の製造例2)
電荷輸送物質として化合物例(CT−17)で示される構造を有する電荷輸送物質を使用した以外は電子写真感光体の製造例1と同様にして電子写真感光体2を作製した。
この電子写真感光体2の表面層のガラス転移温度は152℃であった。電子写真感光体2の物性を表2に示す。
(電子写真感光体の製造例3)
電荷輸送層の結着樹脂としてポリカーボネート樹脂(結着樹脂構造繰り返し構造単位の例(PC3−5);ユーピロンZ−400、:三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製)を使用した以外は電子写真感光体製造例2と同様にして電子写真感光体3を作製した。
(電子写真感光体の製造例3)
電荷輸送層の結着樹脂としてポリカーボネート樹脂(結着樹脂構造繰り返し構造単位の例(PC3−5);ユーピロンZ−400、:三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製)を使用した以外は電子写真感光体製造例2と同様にして電子写真感光体3を作製した。
この電子写真感光体3の表面層のガラス転移温度は136℃であった。電子写真感光体3の物性を表2に示す。
(電子写真感光体の製造例4)
電荷輸送層の決着樹脂として繰り返し単位構造の例(PA−2)及び(PA−9)で示される構造の共重合樹脂(重量平均分子量(Mw)=125000、繰り返し単位構造比:PA−2/PA−9=7/3、樹脂中におけるテレフタル酸とイソフタル酸の質量比:テレフタル酸/イソフタル酸=50/50)を使用した以外は電子写真感光体の製造例2と同様にして電子写真感光体4を作製した。
(電子写真感光体の製造例4)
電荷輸送層の決着樹脂として繰り返し単位構造の例(PA−2)及び(PA−9)で示される構造の共重合樹脂(重量平均分子量(Mw)=125000、繰り返し単位構造比:PA−2/PA−9=7/3、樹脂中におけるテレフタル酸とイソフタル酸の質量比:テレフタル酸/イソフタル酸=50/50)を使用した以外は電子写真感光体の製造例2と同様にして電子写真感光体4を作製した。
この電子写真感光体4の表面層のガラス転移温度は174℃であった。電子写真感光体4の物性を表2に示す。
(電子写真感光体の製造例5)
電荷輸送物質として化合物例(CT−39)で示される構造を有する電荷輸送物質を使用した以外は電子写真感光体の製造例1と同様にして電子写真感光体5を作製した。
(電子写真感光体の製造例5)
電荷輸送物質として化合物例(CT−39)で示される構造を有する電荷輸送物質を使用した以外は電子写真感光体の製造例1と同様にして電子写真感光体5を作製した。
この電子写真感光体5の表面層のガラス転移温度は155℃であった。電子写真感光体5の物性を表2に示す。
(電子写真感光体の製造例6)
電荷輸送物質として、特許文献11に記載されている重合反応によって下記式(6)で示される化合物を作製した。下記式(6)で示される化合物は通常のGPCによる測定(使用カラム:昭和電工(株)製KF−802、展開溶媒:メタノール/テトラヒドロフラン=7/3、検出器:RI検出器、サンプルの分子量はポリスチレン換算法により決定)のピーク面積比により、繰り返し回数n=4:n=5:n=6:n=7:n=8が7:23:50:17:3の比率で混合されている電荷輸送物質であった。この下記式(6)で示される化合物を使用した以外は電子写真感光体の実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
(電子写真感光体の製造例6)
電荷輸送物質として、特許文献11に記載されている重合反応によって下記式(6)で示される化合物を作製した。下記式(6)で示される化合物は通常のGPCによる測定(使用カラム:昭和電工(株)製KF−802、展開溶媒:メタノール/テトラヒドロフラン=7/3、検出器:RI検出器、サンプルの分子量はポリスチレン換算法により決定)のピーク面積比により、繰り返し回数n=4:n=5:n=6:n=7:n=8が7:23:50:17:3の比率で混合されている電荷輸送物質であった。この下記式(6)で示される化合物を使用した以外は電子写真感光体の実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
この電子写真感光体6の表面層のガラス転移温度は167℃であった。電子写真感光体6の物性を表2に示す。
この電子写真感光体6の表面層のガラス転移温度は115℃であった。電子写真感光体7の物性を表2に示す。
電子写真感光体8〜14の物性を表2に示す。
本実施例の評価について説明する。評価する装置としては、キヤノン(株)製プリンターLBP5700を、帯電手段を電子写真感光体に接触配置された帯電部材に、直流に交流電圧を重畳した電圧を印加(870Hz、1250μA)して電子写真感光体を帯電させるAC/DC帯電方式とし、2成分現像剤が現像できるように改造し、現像器をプリンター本体から取り外して内部の現像剤を抜き取り、シアントナー1を充填した。クリーニング装置は、硬度70度(JIS A)の弾性ゴムブレードを電子写真感光体に対する線圧が30g/cmになるように調整した。
前露光手段は、LED、波長660nm、電子写真感光体表面上での光量が10.5mJ/m2
なるように調整した。この感光体ユニットに電子写真感光体1を装着した。
なるように調整した。この感光体ユニットに電子写真感光体1を装着した。
尚、評価は全てシアン単色画像を出力して行った。
次に、各評価項目について説明する。評価結果を表3に示す。
(1)低温定着性
以下の評価は低温低湿(15℃、10%RH)環境下で行った。
(1)低温定着性
以下の評価は低温低湿(15℃、10%RH)環境下で行った。
本体の電源を入れ2時間放置した後、A4サイズのカラー複写機用厚紙(104.7g/m2
、キヤノン(株)製)を転写材として用い、紙上のトナーの載り量が0.50〜0.55mg/cm2
のベタ画像を連続20枚出力した。20枚目の画像の後端から5cmの部分について、4.9kPaの荷重を掛けつつ柔和な薄紙(例えば、商品名「ダスパー」、小津産業(株)製)により5往復摺擦し、摺擦前と摺擦後の画像濃度の低下率を確認した。尚、評価1〜3は、数字が大きいほど低下率が低く、低温定着性が良好であることを示す。
(2)耐高温オフセット性
以下の評価を高温高湿(30℃、80%RH)環境下で行った。
、キヤノン(株)製)を転写材として用い、紙上のトナーの載り量が0.50〜0.55mg/cm2
のベタ画像を連続20枚出力した。20枚目の画像の後端から5cmの部分について、4.9kPaの荷重を掛けつつ柔和な薄紙(例えば、商品名「ダスパー」、小津産業(株)製)により5往復摺擦し、摺擦前と摺擦後の画像濃度の低下率を確認した。尚、評価1〜3は、数字が大きいほど低下率が低く、低温定着性が良好であることを示す。
(2)耐高温オフセット性
以下の評価を高温高湿(30℃、80%RH)環境下で行った。
A4サイズの複写機用再生紙(64g/m2
、キヤノン(株)製)を転写材として用い、紙上のトナーの載り量が0.50〜0.55mg/cm2
のベタ画像を連続100枚出力した。その直後に、前記複写機用再生紙1枚をベタ白画像で出力した。そして、最後に出力した再生紙と未使用の再生紙の白色度の変化率を確認した。尚、評価1〜3は、数字が大きいほど変化率が低く、耐高温オフセット性が良好であることを示す。
(3)クリーニング性
クリーニング性は画像スジとトナーすり抜けの2種類の評価を行った。
、キヤノン(株)製)を転写材として用い、紙上のトナーの載り量が0.50〜0.55mg/cm2
のベタ画像を連続100枚出力した。その直後に、前記複写機用再生紙1枚をベタ白画像で出力した。そして、最後に出力した再生紙と未使用の再生紙の白色度の変化率を確認した。尚、評価1〜3は、数字が大きいほど変化率が低く、耐高温オフセット性が良好であることを示す。
(3)クリーニング性
クリーニング性は画像スジとトナーすり抜けの2種類の評価を行った。
画像スジの評価は高温高湿(30℃、80%RH)環境下で行い、先ず、A3サイズの複写機用再生紙(64g/m2
、キヤノン(株)製)を転写材として用い、紙上のトナーの載り量が0.50〜0.55mg/cm2
のベタ画像を連続10枚出力した。画像を出力した後、そのままの状態で本体を24時間放置し、再び前記複写機用再生紙1枚を用い、紙上のトナーの載り量が0.20mg/cm2
のハーフトーン画像を出力し、電子写真感光体周期の画像スジの有無を確認した。
、キヤノン(株)製)を転写材として用い、紙上のトナーの載り量が0.50〜0.55mg/cm2
のベタ画像を連続10枚出力した。画像を出力した後、そのままの状態で本体を24時間放置し、再び前記複写機用再生紙1枚を用い、紙上のトナーの載り量が0.20mg/cm2
のハーフトーン画像を出力し、電子写真感光体周期の画像スジの有無を確認した。
トナーすり抜けの評価は低温低湿(15℃、10%RH)環境下で、前記本体を改造して行った。改造は、転写ベルトユニット及び定着器を装着せず、且つ、コピー用紙の無い状態でも動作するようにした。
本体の転写ベルトユニット及び定着器を取り外した後、電子写真感光体上のトナーの載り量が0.55〜0.60mg/cm2
のA3原稿3枚分のベタ画像を形成し、電子写真感光体のクリーニングまで行った。その後、本体から電子写真感光体を取り出し、クリーニングブレードをすり抜けた電子写真感光体上のトナーの量を確認した。尚、評価1〜3は、数字が大きいほどトナーの量が少なく、クリーニング性が良好であることを示す。
(4)電子写真感光体の感度評価、電子写真感光体の繰り返し使用時の電位変動評価ならびに耐久評価
以下の評価は、常温常湿環境下(23℃、65%)で行った。
のA3原稿3枚分のベタ画像を形成し、電子写真感光体のクリーニングまで行った。その後、本体から電子写真感光体を取り出し、クリーニングブレードをすり抜けた電子写真感光体上のトナーの量を確認した。尚、評価1〜3は、数字が大きいほどトナーの量が少なく、クリーニング性が良好であることを示す。
(4)電子写真感光体の感度評価、電子写真感光体の繰り返し使用時の電位変動評価ならびに耐久評価
以下の評価は、常温常湿環境下(23℃、65%)で行った。
作製した電子写真感光体表面上での前記レーザー光量が3.5mJ/m2
となるように設定し、電子写真感光体における初期の暗部電位を−450Vになるように一次帯電設定を調節した。この時の明部電位を測定し感度とした。
となるように設定し、電子写真感光体における初期の暗部電位を−450Vになるように一次帯電設定を調節した。この時の明部電位を測定し感度とした。
電子写真感光体の繰り返し使用による電位特性の変動評価は、A4サイズの普通紙を1枚プリントごとに1度停止する間欠モード(15秒/枚のプリント間隔)にて、印字比率3%の画像を20000枚のプリントを行い、その前後での感度を測定し、その差をΔVLとした。
電子写真感光体の表面電位の測定は、電子写真感光体上端より180mmの位置に電位測定用プローブが位置するように固定された冶具と現像器とを交換して現像器位置で行った。
電子写真感光体の繰り返し使用による耐久性特性の評価は、A4サイズの普通紙を1枚プリントごとに1度停止する間欠モードにて20000枚のプリントを行い、その後、電子写真感光体膜厚の摩耗量を測定した。膜厚の測定は膜厚測定器(フィッシャー(株)製;フィッシャースコープMMS 渦電流法プローブEAW3.3)で行った。又、繰り返し使用後の電子写真感光体上の傷の評価を行った。傷の評価は、表面粗さ測定器((株)小西研究所;サーフコーダーSE−3400)でJIS B 0601:2001における十点平均粗さ(Rz)評価に則った評価(評価長さ8mm)を行い、電子写真感光体上端より180mmの位置を測定した。又、20000枚プリント後の画像サンプルについて、目視による画像評価を行い、優は◎、良は○、可は△、不可は×とした。
評価結果を表3に示す。
実施例1において、電子写真感光体1を電子写真感光体2に変更した以外は、実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
実施例1において、電子写真感光体1を電子写真感光体3に変更した以外は、実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
実施例1において、電子写真感光体1を電子写真感光体4に変更した以外は、実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
実施例1において、電子写真感光体1を電子写真感光体5に変更した以外は、実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
実施例1において、電子写真感光体1を電子写真感光体6に変更した以外は、実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
実施例1において、現像剤1を現像剤2に変更した以外は、実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
実施例1において、現像剤1を現像剤3に変更した以外は、実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
実施例1において、現像剤1を現像剤4に変更した以外は、実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
実施例1において、現像剤1を現像剤5に変更した以外は、実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
<比較例1>
実施例1において、現像剤1を現像剤6に変更した以外は、実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
<比較例2>
実施例1において、現像剤1を現像剤7に変更した以外は、実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
<比較例3>
実施例1において、電子写真感光体1を電子写真感光体7に変更した以外は、実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
<比較例4>
実施例1において、電子写真感光体1を電子写真感光体7に、現像剤1を現像剤6に変更した以外は、実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
<比較例5>
実施例1において、電子写真感光体1を電子写真感光体7に、現像剤1を現像剤7に変更した以外は、実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
<比較例1>
実施例1において、現像剤1を現像剤6に変更した以外は、実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
<比較例2>
実施例1において、現像剤1を現像剤7に変更した以外は、実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
<比較例3>
実施例1において、電子写真感光体1を電子写真感光体7に変更した以外は、実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
<比較例4>
実施例1において、電子写真感光体1を電子写真感光体7に、現像剤1を現像剤6に変更した以外は、実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
<比較例5>
実施例1において、電子写真感光体1を電子写真感光体7に、現像剤1を現像剤7に変更した以外は、実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
評価する装置として、図5の中間転写方式のカラー電子写真装置において(電子写真感光体に接触配置された帯電部材に、直流に交流電圧を重畳した電圧を印加(1350Hz、2000μA)して電子写真感光体を帯電させるAC/DC帯電方式、プロセススピード140mm/sec、現像方法は2成分現像法)を、レーザー光量を調節できるように改造して用いた。現像器をプリンター本体から取り外して内部の現像剤を抜き取り、シアントナー1を充填した。クリーニング装置は、硬度60度(JIS A)の弾性ゴムブレードを電子写真感光体に対する線圧が40g/cmになるように調整した。この感光体ユニットに電子写真感光体1 を装着した。
尚、評価は全てシアン単色画像を出力して行った。
評価項目については、実施例1と同様に(1)低温定着性、(2)耐高温オフセット性、(3)クリーニング性の評価を行った。(4)電子写真感光体の感度評価、電子写真感光体の繰り返し使用時の電位変動評価並びに耐久評価については、電子写真感光体表面上での前記レーザー光量が2.4mJ/m2
となるように設定し、電子写真感光体における初期の暗部電位を−580Vになるように一次帯電設定を調節した以外は、実施例1と同様に評価を行った。評価結果を表3に示す。
となるように設定し、電子写真感光体における初期の暗部電位を−580Vになるように一次帯電設定を調節した以外は、実施例1と同様に評価を行った。評価結果を表3に示す。
実施例11において、電子写真感光体1を電子写真感光体2に変更した以外は、実施例11と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
実施例11において、電子写真感光体1を電子写真感光体3に変更した以外は、実施例11と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
実施例11において、電子写真感光体1を電子写真感光体3に変更した以外は、実施例11と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
実施例11において、電子写真感光体1を電子写真感光体5に変更した以外は、実施例11と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
実施例11において、電子写真感光体1を電子写真感光体6に変更した以外は、実施例11と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
実施例11において、現像剤1を現像剤2に変更した以外は、実施例11と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
実施例11において、現像剤1を現像剤3に変更した以外は、実施例11と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
実施例11において、現像剤1を現像剤4に変更した以外は、実施例11と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
実施例11において、現像剤1を現像剤5に変更した以外は、実施例11と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
<比較例6>
実施例11において、現像剤1を現像剤6に変更した以外は、実施例11と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
<比較例7>
実施例11において、現像剤1を現像剤7に変更した以外は、実施例11と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
<比較例8>
実施例11において、電子写真感光体1を電子写真感光体7に変更した以外は、実施例11と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
<比較例9>
実施例11において、電子写真感光体1を電子写真感光体7に、現像剤1を現像剤6に変更した以外は、実施例11と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
<比較例10>
実施例11において、電子写真感光体1を電子写真感光体7に、現像剤1を現像剤7に変更した以外は、実施例11と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
<比較例6>
実施例11において、現像剤1を現像剤6に変更した以外は、実施例11と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
<比較例7>
実施例11において、現像剤1を現像剤7に変更した以外は、実施例11と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
<比較例8>
実施例11において、電子写真感光体1を電子写真感光体7に変更した以外は、実施例11と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
<比較例9>
実施例11において、電子写真感光体1を電子写真感光体7に、現像剤1を現像剤6に変更した以外は、実施例11と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
<比較例10>
実施例11において、電子写真感光体1を電子写真感光体7に、現像剤1を現像剤7に変更した以外は、実施例11と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
評価する装置として、中間転写方式のカラー電子写真装置であるキヤノン(株)製プリンターLBP2160(電子写真感光体に接触配置された帯電部材に、直流に交流電圧を重畳した電圧を印加(1150Hz、1750μA)して電子写真感光体を帯電させるAC/DC帯電方式)を、2成分現像剤が現像でき、更にレーザー光量を調節できるように改造して用いた。
現像器をプリンター本体から取り外して内部の現像剤を抜き取り、シアントナー1を充填した。
クリーニング装置は、硬度50度(JIS A)の弾性ゴムブレードを電子写真感光体に対する線圧が50g/cmになるように調整した。前露光手段は、LED、波長660nm、電子写真感光体表面上での光量が11.0mJ/m2
とした。この感光体ユニットに電子写真感光体8を装着した。
とした。この感光体ユニットに電子写真感光体8を装着した。
尚、評価は全てシアン単色画像を出力して行った。
評価項目については、実施例1と同様に(1)低温定着性、(2)耐高温オフセット性、(3)クリーニング性の評価を行った。(4)電子写真感光体の感度評価、電子写真感光体の繰り返し使用時の電位変動評価並びに耐久評価については、電子写真感光体表面上での前記レーザー光量が2.4mJ/m2
となるように設定し、電子写真感光体における初期の暗部電位を−550Vになるように一次帯電設定を調節した。そして、電位変動評価は、A4サイズの普通紙を1枚プリントごとに1度停止する間欠モード(30秒/枚のプリント間隔)にて、印字比率3%の画像を20000枚のプリントを行い、その前後での感度を測定し、その差をΔVLとした以外は、実施例1と同様に評価を行った。評価結果を表3に示す。
となるように設定し、電子写真感光体における初期の暗部電位を−550Vになるように一次帯電設定を調節した。そして、電位変動評価は、A4サイズの普通紙を1枚プリントごとに1度停止する間欠モード(30秒/枚のプリント間隔)にて、印字比率3%の画像を20000枚のプリントを行い、その前後での感度を測定し、その差をΔVLとした以外は、実施例1と同様に評価を行った。評価結果を表3に示す。
実施例21において、電子写真感光体8を電子写真感光体9に変更した以外は、実施例21と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
実施例21において、電子写真感光体8を電子写真感光体10に変更した以外は、実施例21と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
実施例21において、電子写真感光体8を電子写真感光体11に変更した以外は、実施例21と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
実施例21において、電子写真感光体8を電子写真感光体12に変更した以外は、実施例21と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
実施例21において、電子写真感光体8を電子写真感光体13に変更した以外は、実施例21と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
実施例21において、現像剤1を現像剤2に変更した以外は、実施例21と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
実施例21において、現像剤1を現像剤3に変更した以外は、実施例21と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
実施例21において、現像剤1を現像剤4に変更した以外は、実施例21と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
実施例21において、現像剤1を現像剤5に変更した以外は、実施例21と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
<比較例11>
実施例21において、現像剤1を現像剤6に変更した以外は、実施例21と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
<比較例12>
実施例21において、現像剤1を現像剤7に変更した以外は、実施例21と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
<比較例13>
実施例21において、電子写真感光体8を電子写真感光体14に変更した以外は、実施例21と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
<比較例14>
実施例21において、電子写真感光体8を電子写真感光体14に、現像剤1を現像剤6に変更した以外は、実施例21と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
<比較例15>
実施例21において、電子写真感光体8を電子写真感光体14に、現像剤1を現像剤7に変更した以外は、実施例21と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
<比較例11>
実施例21において、現像剤1を現像剤6に変更した以外は、実施例21と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
<比較例12>
実施例21において、現像剤1を現像剤7に変更した以外は、実施例21と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
<比較例13>
実施例21において、電子写真感光体8を電子写真感光体14に変更した以外は、実施例21と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
<比較例14>
実施例21において、電子写真感光体8を電子写真感光体14に、現像剤1を現像剤6に変更した以外は、実施例21と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
<比較例15>
実施例21において、電子写真感光体8を電子写真感光体14に、現像剤1を現像剤7に変更した以外は、実施例21と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
評価する装置として、図5の中間転写方式のカラー電子写真装置において(電子写真感光体に接触配置された帯電部材に、直流に交流電圧を重畳した電圧を印加(1350Hz、2000μA)して電子写真感光体を帯電させるAC/DC帯電方式、プロセススピード140mm/sec、現像方法は2成分現像法)を、電子写真感光体表面と帯電ローラー表面との間に50μmの空隙を設け非接触状態である近接帯電ができ、レーザー光量を調節できるように改造して用いた。
現像器をプリンタ本体から取り外して内部の現像剤を抜き取りシアントナー1を充填した。クリーニング装置は硬度60度(JIS A)の弾性ゴムブレードを電子写真感光体に対する線圧が40g/cmになるように調整した。この感光体ユニットに電子写真感光体1 を装着した。
尚、評価は全てシアン単色画像を出力して行った。
評価項目については、実施例1と同様に(1)低温定着性、(2)耐高温オフセット性、(3)クリーニング性の評価を行った。(4)電子写真感光体の感度評価、電子写真感光体の繰り返し使用時の電位変動評価ならびに耐久評価については、電子写真感光体表面上での前記レーザー光量が2.4mJ/m2
となるように設定し、電子写真感光体における初期の暗部電位を−580Vになるように一次帯電設定を調節した以外は、実施例1と同様に評価を行った。評価結果を表3に示す。
となるように設定し、電子写真感光体における初期の暗部電位を−580Vになるように一次帯電設定を調節した以外は、実施例1と同様に評価を行った。評価結果を表3に示す。
実施例31において、電子写真感光体1を電子写真感光体2に変更した以外は、実施例31と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
実施例31において、電子写真感光体1を電子写真感光体3に変更した以外は、実施例31と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
実施例31において、電子写真感光体1を電子写真感光体4に変更した以外は、実施例31と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
実施例31において、電子写真感光体1を電子写真感光体5に変更した以外は、実施例31と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
実施例31において、電子写真感光体1を電子写真感光体6に変更した以外は、実施例31と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
実施例31において、現像剤1を現像剤2に変更した以外は、実施例31と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
実施例31において、現像剤1を現像剤3に変更した以外は、実施例31と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
実施例31において、現像剤1を現像剤4に変更した以外は、実施例31と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
実施例31において、現像剤1を現像剤5に変更した以外は、実施例31と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
<比較例16>
実施例31において、現像剤1を現像剤6に変更した以外は、実施例31と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
<比較例17>
実施例31において、現像剤1を現像剤7に変更した以外は、実施例31と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
<比較例18>
実施例31において、電子写真感光体1を電子写真感光体7に変更した以外は、実施例31と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
<比較例19>
実施例31において、電子写真感光体1を電子写真感光体7に、現像剤1を現像剤6に変更した以外は、実施例31と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
<比較例20>
実施例31において、電子写真感光体1を電子写真感光体7に、現像剤1を現像剤7に変更した以外は、実施例31と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
<比較例16>
実施例31において、現像剤1を現像剤6に変更した以外は、実施例31と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
<比較例17>
実施例31において、現像剤1を現像剤7に変更した以外は、実施例31と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
<比較例18>
実施例31において、電子写真感光体1を電子写真感光体7に変更した以外は、実施例31と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
<比較例19>
実施例31において、電子写真感光体1を電子写真感光体7に、現像剤1を現像剤6に変更した以外は、実施例31と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
<比較例20>
実施例31において、電子写真感光体1を電子写真感光体7に、現像剤1を現像剤7に変更した以外は、実施例31と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
1:1Y,1M,1C,1K 電子写真感光体
2:2Y,2M,2C,2K 感光体回転軸
3:3Y,3M,3C,3K 帯電手段
4:4Y,4M,4C,4K 露光光
5:5Y,5M,5C,5K 現像手段
6:6Y,6M,6C,6K 感光体クリーニング手段(クリーニング装置)
7:7Y,7M,7C,7K 転写手段(一次転写手段)
8 中間転写体
9 二次転写手段
10 中間転写体クリーニング手段
11 定着手段
12 プロセスカートリッジ
13 案内手段
2:2Y,2M,2C,2K 感光体回転軸
3:3Y,3M,3C,3K 帯電手段
4:4Y,4M,4C,4K 露光光
5:5Y,5M,5C,5K 現像手段
6:6Y,6M,6C,6K 感光体クリーニング手段(クリーニング装置)
7:7Y,7M,7C,7K 転写手段(一次転写手段)
8 中間転写体
9 二次転写手段
10 中間転写体クリーニング手段
11 定着手段
12 プロセスカートリッジ
13 案内手段
Claims (13)
- 支持体上に感光層を有する電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、定着手段及びクリーニング手段を有する電子写真装置において、
前記電子写真感光体の表面層のガラス転移温度が130℃以上であり、該現像手段が結着樹脂、着色剤及びワックスを少なくとも含有するトナーを有し、23℃においてn−ヘキサン中に15mg/cm3
の濃度で該トナーを分散させて1分間抽出して得られる抽出液のワックス濃度が0.080〜0.500mg/cm3
範囲であることを特徴とする電子写真装置。 - 前記表面層が電荷輸送物質とバインダー樹脂を含有することを特徴とする請求項1記載の電子写真装置。
- 前記電子写真感光体の表面層のバインダー樹脂が熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の電子写真装置。
- 前記ワックスが脂肪族炭化水素系ワックスであることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の電子写真装置。
- 前記ワックスがパラフィンワックスであることを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載の電子写真装置。
- 前記トナーの結着樹脂は、少なくともポリエステルユニットを有している樹脂であることを特徴とする請求項1〜10の何れかに記載の電子写真装置。
- 前記トナーが芳香族カルボン酸の金属化合物を含有することを特徴とする請求項1〜11のの何れかに記載の電子写真装置。
- 前記現像手段がトナーと磁性キャリアを有する二成分現像手段であることを特徴とする請求項1〜12の何れかに記載の電子写真装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005249474A JP2007065172A (ja) | 2005-08-30 | 2005-08-30 | 電子写真装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005249474A JP2007065172A (ja) | 2005-08-30 | 2005-08-30 | 電子写真装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007065172A true JP2007065172A (ja) | 2007-03-15 |
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ID=37927479
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005249474A Withdrawn JP2007065172A (ja) | 2005-08-30 | 2005-08-30 | 電子写真装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2007065172A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009190974A (ja) * | 2008-02-12 | 2009-08-27 | Kyushu Univ | オルト位置換トリアリールアミン類の製造方法 |
US9563140B2 (en) | 2012-11-29 | 2017-02-07 | Ricoh Company, Ltd. | Toner |
-
2005
- 2005-08-30 JP JP2005249474A patent/JP2007065172A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009190974A (ja) * | 2008-02-12 | 2009-08-27 | Kyushu Univ | オルト位置換トリアリールアミン類の製造方法 |
US9563140B2 (en) | 2012-11-29 | 2017-02-07 | Ricoh Company, Ltd. | Toner |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20081104 |