JP5495028B2 - トナー、現像剤、及び画像形成方法 - Google Patents
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Description
また、特許文献2では、スチレン系モノマーを構成単位とする樹脂から成るマトリックス相と、マトリックス相中に分散されたアクリル酸系モノマーを構成単位とする樹脂から成るドメイン相とを有し、両方あるいはいずれかの相に定着助剤を含有するトナーであって、二つの相を構成する樹脂の分子量、ガラス転移温度の関係を規定することが提案されている。定着助剤と結着樹脂の親和性を制御し、定着助剤による樹脂の軟化効果が一方の相に対して選択的に作用させることで低温定着性と耐熱保存性の両立を狙った設計であるが、定着助剤を含まない相を形成する樹脂は軟化されないため、充分な低温定着性が得られないという問題があった。
また、非結晶性ポリエステル樹脂(a)が、光学活性モノマーからなるポリヒドロキシカルボン酸骨格を含有し、その光学純度を適正な範囲に規定することで、樹脂の結晶化による定着助剤のブリードアウトが抑制され、低温定着性が更に向上すると共に、透明性に優れた画像が得られることを見出した。
<1>少なくとも第一の結着樹脂、着色剤、離型剤、及び定着助剤を含有するトナーであって、該第一の結着樹脂が、少なくともポリヒドロキシカルボン酸骨格を主鎖の一部に含有する非結晶性ポリエステル樹脂(a)を含有し、該定着助剤は結晶性を有し、融点が60℃以上100℃以下であり、トナー中において結晶状態で存在することを特徴とするトナーである。
<2>前記トナーが、更に表面に第二の結着樹脂を含有するシェル粒子を付着させてなるコアシェル構造であることを特徴とする前記<1>に記載のトナーである。
<3>前記第二の結着樹脂が、ガラス転移温度が55℃以上80℃以下のポリエステル樹脂(b)であることを特徴とする前記<2>に記載のトナーである。
<4>前記トナーのDSC測定において、昇温速度10℃/minにて20℃から150℃まで昇温した際(昇温一回目)における前記定着助剤由来の融解ピークの吸熱量をQ1とし、続いて降温速度10℃/minにて一旦0℃まで降温した後、再度昇温速度10℃/minにて150℃まで昇温した際(昇温二回目)における前記定着助剤由来の融解ピークの吸熱量をQ2とするとき、下記式(1)を満たすことを特徴とする前記<1>〜<3>のいずれかに記載のトナーである。
0≦(Q2/Q1)≦0.30・・・(1)
<5>前記非結晶性ポリエステル樹脂(a)が、光学活性モノマーからなるポリヒドロキシカルボン酸骨格を含有し、該光学活性モノマーからなるポリヒドロキシカルボン酸骨格がモノマー成分換算で光学純度X(%)=|X(L体)−X(D体)|〔ただし、X(L体)は光学活性モノマー換算でのL体比率(モル%)、X(D体)は光学活性モノマー換算でのD体比率(モル%)を表す〕が80%以下であることを特徴とする前記<1>〜<4>のいずれかに記載のトナーである。
<6>前記定着助剤が、脂肪酸エステル化合物、炭素数16〜24の脂肪酸、炭素数16〜24のアルコール、脂肪酸とアミン類とがアミド結合してなる脂肪酸アミドから選ばれる少なくとも一種以上の化合物を含有することを特徴とする前記<1>〜<5>のいずれかに記載のトナーである。
<7>前記非結晶性ポリエステル樹脂(a)が、ポリヒドロキシカルボン酸骨格を含有する直鎖状のポリエステルジオールであることを特徴とする前記<1>〜<6>のいずれかに記載のトナーである。
<8>前記非結晶性ポリエステル樹脂(a)が、ポリヒドロキシカルボン酸骨格を含有する直鎖状のポリエステルジオール(a11)と、(a11)以外のポリエステルジオール(a12)とを、伸長剤とともに反応させて得られる直鎖状のポリエステル系樹脂(A)を含有することを特徴とする前記<1>〜<6>のいずれかに記載のトナーである。
<9>前記ポリヒドロキシカルボン酸骨格を含有するポリエステルジオール(a11)と、(a11)以外のポリエステルジオール(a12)との質量比が31:69〜90:10であることを特徴とする前記<8>に記載のトナーである。
<10>前記非結晶性ポリエステル樹脂(a)のポリヒドロキシカルボン酸骨格が、LラクチドとDラクチドの混合物を開環重合して得られたものであることを特徴とする前記<1>〜<9>のいずれかに記載のトナーである。
<11>前記非結晶性ポリエステル樹脂(a)のポリヒドロキシカルボン酸骨格が、メソ型DLラクチドを開環重合して得られたものであることを特徴とする前記<1>〜<9>のいずれかに記載のトナーである。
<12>前記<1>〜<11>のいずれかに記載のトナーを含有することを特徴とする現像剤である。
<13>更にキャリアを含有することを特徴とする前記<12>に記載の現像剤である。
<14>静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像を前記<12>又は<13>に記載の現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含むことを特徴とする画像形成方法である。
本発明のトナーは、少なくとも第一の結着樹脂、着色剤、離型剤、及び定着助剤を含有するトナーであって、前記トナーの表面に、少なくとも第二の結着樹脂を含有するシェル粒子を付着させたコアシェル型のトナーであることが好ましく、更に、必要に応じてその他の成分を含有してなる。前記コアシェル構造を有することにより、トナーの耐熱保存性、特に高湿度条件下での保存性が顕著に改善される。
本発明のトナーは、前記第一の結着樹脂として、少なくともポリヒドロキシカルボン酸骨格を主鎖の一部に含有する非結晶性ポリエステル樹脂(a)を含有することを特徴とする。
ここでいう非結晶性ポリエステル樹脂(a)とは具体的には、乳酸やヒドロキシアルキルカルボン酸などの重縮合物を繰返し単位として構造に含む樹脂である。これらの樹脂は樹脂骨格主鎖に高濃度にエステル基を有し、かつ、短鎖のアルキル鎖を側鎖に有する。従来の芳香族鎖を主鎖とするポリエステル樹脂に比べて、分子量あたりのエステル基の濃度が高く、非結晶状態では高い透明性を有するとともに、カルボン酸に代表される有機酸や水酸基などの官能基がわずかでありながらも各種の着色剤と高い親和性を得ることができる。
また、前記非結晶性ポリエステル樹脂(a)のガラス転移温度については50℃以上70℃以下が好ましく、55℃以上65以下がより好ましい。ガラス転移温度が、50℃未満では耐熱保存性が不十分となることがあり、70℃を超えると低温定着性が不十分となることがある。
X(L体)% = 100× S(L)/(S(L)+S(D))
X(D体)% = 100× S(D)/(S(L)+S(D))
光学純度X% = |X(L体)−X(D体)|
本発明のトナーに用いられる定着助剤は、結晶性を有し、融点が60以上100℃以下の化合物であり、60℃以上90℃以下がより好ましい。該定着助剤の融点が、60℃未満であると、該定着助剤が融解しやすく、耐熱保存性に劣ることがあり、100℃より高いと、前記ポリヒドロキシカルボン酸骨格を主鎖の一部に含有する非結晶性ポリエステル樹脂(a)に対する可塑化効果が不十分となり、十分な低温定着性が得られないことがある。
また、定着助剤はトナー中において結晶状態で存在することが重要である。定着助剤は、定着時のように定着助剤の融点以上の温度で加熱された場合にのみ前記非結晶性ポリエステル樹脂(a)に対して可塑化効果を発揮し、それ以外の場合には可塑化効果を発揮しないことで低温定着性と耐熱保存性の両立が可能になる。この可塑化効果は定着助剤と非結晶性ポリエステル樹脂(a)との相溶性で制御しており、相溶することで可塑化効果を発揮する。この相溶性を制御しているのが定着助剤の結晶性であり、定着助剤がトナー中で結晶状態で存在することにより、定着助剤の融点以上の温度で加熱された場合のみ前記非結晶性ポリエステル樹脂に対して可塑化効果を発揮する。
前記定着助剤が樹脂と相溶し、トナー外部にブリードしないことは、前記トナーのDSC測定において、昇温速度10℃/minにて20℃から150℃まで昇温した際(昇温一回目)における前記定着助剤由来の融解ピークの吸熱量をQ1とし、続いて降温速度10℃/minにて一旦0℃まで降温した後、再度昇温速度10℃/minにて150℃まで昇温した際(昇温二回目)における前記定着助剤由来の融解ピークの吸熱量をQ2とするときに、次式(1)、
0≦(Q2/Q1)≦0.30・・・(1)
を満たすことで実現される。
前記定着助剤の融解ピークの吸熱量測定としては、例えば、DSCシステム(示差走査熱量計)(「DSC−60」、島津製作所製)を用いて、以下の方法により測定することができる。昇温一回目における定着助剤の融解ピーク吸熱量(以下、Q1と称する)については、まず、樹脂又はトナー(試料)約5.0mgをアルミニウム製の試料容器に入れ、該試料容器をホルダーユニットに載せ、電気炉中にセットする。次いで、窒素雰囲気下、20℃から昇温速度10℃/minにて150℃まで加熱し、示差走査熱量計(「DSC−60」、島津製作所製)によりDSC曲線を計測する。得られたDSC曲線から、DSC−60システム中の解析プログラムを用いて、定着助剤の融解ピークのショルダー間を選択し、Q1を算出することができる。
昇温二回目における定着助剤の融解ピーク吸熱量(以下、Q2と称する)については、前記一回目の昇温の後、150℃から降温速度10℃/minにて0℃まで冷却し、更に窒素雰囲気下、昇温速度10℃/minにて150℃まで加熱し、示差走査熱量計(「DSC−60」、島津製作所製)によりDSC曲線を計測する。得られたDSC曲線から、DSC−60システム中の解析プログラムを用いて、定着助剤の融解ピークのショルダー間を選択し、Q2を算出することができる。
上記により算出した昇温一回目、昇温二回目の定着助剤の融解ピーク比である(Q2/Q1)が0以上0.30以下であることで、定着助剤のブリードを防止し、充分な低温定着性を得ることができる。
前記脂肪酸エステル化合物としては、以下のアルコール成分と、脂肪酸成分をエステル化したもの等が挙げられる。
脂肪酸としては炭素数16以上24以下のものが好ましい。具体的には、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、エイコサン酸、ベヘニン酸、リグノセリン酸等の単体、又はそれらの混合物等が挙げられる。前記炭素数が16未満であると、融点が低下し、充分な耐熱保存性が得られないことがある。
アルコールとしては、炭素数16以上24以下のものが好ましい。具体的には、ヘキシルアルコール、ステアリルアルコール、エイコサノール、ベヘニルアルコール等の単体、又は、それらの混合物等が挙げられる。前記炭素数が16未満であると、融点が低下し、充分な耐熱保存性が得られないことがある。
前記脂肪酸アミドは、脂肪酸とアミン類とがアミド結合してなり、該脂肪酸アミドとしては、例えばエチレンビスステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘニン酸アミド、n−ステアリルエルカ酸アミド、n−オレイルパルミチン酸アミド、n−ステアリルステアリン酸アミド、エチレンビスイソステアリン酸アミド、メチロールステアリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンステアリン酸アミド、エチレンビスベヘニン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド等の単体、又はその混合物等が挙げられる。
本発明のトナーに用いられる着色剤としては、特に制限はなく、公知の着色剤から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明のトナーに用いられる離型剤としては、特に制限はなく、公知のものが全て使用できるが、特に脱遊離脂肪酸型カルナウバワックス、ポリエチレンワックス、モンタンワックス及び酸化ライスワックスを単独又は組み合わせて使用することができる。カルナウバワックスとしては、微結晶のものが良く、酸価が5mgKOH/g以下であり、トナーバインダー中に分散した時の粒子径が1μm以下の粒径であるものが好ましい。モンタンワックスについては、一般に鉱物より精製されたモンタン系ワックスを指し、カルナウバワックス同様、微結晶であり、酸価が5〜14mgKOH/gであることが好ましい。酸化ライスワックスは、米ぬかワックスを空気酸化したものであり、その酸価は10〜30が好ましい。その理由は本発明のトナー結着樹脂に対してこれらのワックスは適度に微分散するため後述するようにオフセット防止性と転写性・耐久性ともに優れたトナーとすることが容易なためである。これらワックス類は1種又は2種以上を併用して用いることができる。
前記離型剤の融点は、例えば、示差走査熱量計(セイコー電子工業株式会社製、DSC210)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で昇温し、融解熱の最大ピーク温度を融点として求めることができる。
また、トナーに適切な帯電能を付与するために、必要に応じて帯電制御剤をトナーに含有させることも可能である。
帯電制御剤としては、公知の帯電制御剤がいずれも使用可能である。有色材料を用いると色調が変化することがあるため、無色乃至白色に近い材料が好ましく、例えば、トリフェニルメタン系染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又はその化合物、タングステンの単体又はその化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸の金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、トナーの形状を異型化する目的で、必要に応じてトナーに異型化剤を含有させることも可能である。
前記異型化剤としては、特に制限はないが、層状無機鉱物が有する層間のイオンの少なくとも一部を有機物イオンで変性した層状無機鉱物を含有することが好ましい。該変性層状無機鉱物としては、スメクタイト系の基本結晶構造を持つものを有機カチオンで変性したものが望ましい。また、層状無機鉱物の2価金属の一部を3価の金属に置換することにより、金属アニオンを導入することが出来る。しかし、金属アニオンを導入すると親水性が高いため、金属アニオンの少なくとも一部を有機アニオンで変性した層状無機化合物が望ましい。
一般式(1)
R1(OR2)nOSO3M
[式中、R1は炭素数13を有するアルキル基、R2は炭素数2から6を有するアルキレン基を表す。nは2から10の整数を表し、Mは1価の金属元素を表す]
本トナーは流動性改質や帯電量調整、電気特性の調整などの目的として各種の外添剤を添加することが出来る。外添剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、シリカ微粒子、疎水化されたシリカ微粒子、脂肪酸金属塩(例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウムなど);金属酸化物(例えばチタニア、アルミナ、酸化錫、酸化アンチモンなど)又はこれらの疎水化物、フルオロポリマーなどが挙げられる。これらの中でも、疎水化されたシリカ微粒子、チタニア粒子、疎水化されたチタニア微粒子、が好適に挙げられる。
前記無機微粒子としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化鉄、酸化銅、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、べンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。これらの中でも、シリカ、二酸化チタンが特に好ましい。
前記外添剤の添加量は、前記トナーに対し0.1〜5質量%が好ましく、0.3〜3質量%がより好ましい。
前記流動性向上剤は、表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止可能なものを意味し、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル、などが挙げられる。前記シリカ、前記酸化チタンは、このような流動性向上剤により表面処理行い、疎水性シリカ、疎水性酸化チタンとして使用するのが特に好ましい。
前記クリーニング性向上剤は、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するために前記トナーに添加され、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子等が挙げられる。該ポリマー微粒子は、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、体積平均粒径が0.01μm〜1μmのものが好適である。
前記磁性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、鉄粉、マグネタイト、フェライト等が挙げられる。これらの中でも、色調の点で白色のものが好ましい。
前記のトナーを製造する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、粉砕法、特定の結晶性高分子及び重合性単量体を含有する単量体組成物を水相中で直接的に重合する重合法(懸濁重合法、乳化重合法)、特定の結晶性高分子及びイソシアネート基含有プレポリマーを含有する組成物を水相中においてアミン類で直接的に伸長/架橋する重付加反応法、イソシアネート基含有プレポリマーを用いた重付加反応法、溶剤で溶解し脱溶剤して粉砕する方法、溶融スプレー法等が挙げられる。
以上の少なくとも第一の結着樹脂、着色剤、離型剤、定着助剤を含むトナー材料を混合し、該混合物を溶融混練機に仕込んで溶融混練する。該溶融混練機としては、例えば、一軸の連続混練機、二軸の連続混練機、ロールミルによるバッチ式混練機を用いることができる。例えば、神戸製鋼所製KTK型二軸押出機、東芝機械株式会社製TEM型押出機、ケイシーケイ社製二軸押出機、株式会社池貝製PCM型二軸押出機、ブス社製コニーダー等が好適に用いられる。この溶融混練は、バインダー樹脂の分子鎖の切断を招来しないような適正な条件で行うことが好ましい。具体的には、溶融混練温度は、バインダー樹脂の軟化点を参考にして行われ、該軟化点より高温過ぎると切断が激しく、低温すぎると分散が進まないことがある。
前記分級は、前記粉砕で得られた粉砕物を分級して所定粒径の粒子に調整する。前記分級は、例えば、サイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことにより行うことができる。
前記粉砕及び分級が終了した後に、粉砕物を遠心力等で気流中に分級し、所定の粒径のコア粒子を製造する。
作製したコア粒子に対して前記第二の結着樹脂を含有するシェル粒子を、ハイブリタイザー、メカノフュージョン等の装置を用いることで付着させてトナー母粒子を製造する。
必要に応じて、ヘンシェルミキサー等によりトナー母粒子の表面に前記外添剤粒子を被覆させても良い。
前記重合性単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸又は無水マレイン酸等の酸類;アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド又はこれらのメチロール化合物;ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミン、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等のアミノ基を有する(メタ)アクリレート等を一部用いることによってトナー粒子表面に官能基を導入できる。
また、使用する分散剤として酸基や塩基性基を有するものを選ぶことによって粒子表面に分散剤を吸着残存させ、官能基を導入することができる。
前記活性水素基含有化合物と反応可能な官能基(α1)としては、イソシアネート基(α1a)、ブロック化イソシアネート基(α1b)、エポキシ基(α1c)、酸無水物基(α1d)および酸ハライド基(α1e)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、(α1a)、(α1b)および(α1c)であり、特に好ましいものは、(α1a)および(α1b)である。ブロック化イソシアネート基(α1b)は、ブロック化剤によりブロックされたイソシアネート基のことをいう。上記ブロック化剤としては、オキシム類[アセトオキシム、メチルイソブチルケトオキシム、ジエチルケトオキシム、シクロペンタノンオキシム、シクロヘキサノンオキシム、メチルエチルケトオキシム等];ラクタム類[γ−ブチロラクタム、ε−カプロラクタム、γ−バレロラクタム等]:炭素数1〜20の脂肪族アルコール類[エタノール、メタノール、オクタノール等];フェノール類[フェノール、−クレゾール、キシレノール、ノニルフェノール等];活性メチレン化合物[アセチルアセトン、マロン酸エチル、アセト酢酸エチル等];塩基性窒素含有化合物[N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、2−ヒドロキシピリジン、ピリジンN−オキサイド、2−メルカプトピリジン等]:およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。これらのうち好ましいのはオキシム類であり、特に好ましいものはメチルエチルケトオキシムである。
〔1〕二以上の構成成分のうちの一つを過剰に用いることで構成成分の官能基を末端に残存させる方法、
〔2〕二以上の構成成分のうちの一つを過剰に用いることで構成成分の官能基を末端に残存させ、さらに残存した該官能基と反応可能な官能基および反応性基を含有する化合物を反応させる方法などが挙げられる。
前記製造方法(I)における前記トナー材料を溶解乃至分散させるための有機溶剤の具体例としては、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、テトラリン等の芳香族炭化水素系溶剤、n−ヘキサン、n−へブタン、ミネラルスピリットシクロヘキサン等の脂肪族又は脂環式炭化水素系溶剤、塩化メチル、臭化メチルヨウ化メチル、メチレンジクロライド、四塩化炭素、トリクロロエチレン、パークロロエチレン等のハロゲン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシブチルアセテート、メチルセロソルブアセテートエチルセロソルブアセテート等のエステル系又はエステルエーテル系溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランジオキサン、エチルセロソルブ、プチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジ−n−ブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、メタノールエタノールn−プロパノールイソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノールt−ブタノール、2−エチルヘキシルアルコールベンジルアルコール等のアルコール系溶剤、ジメチルホルムアミドジメチルアセトアミド等のアミド系溶剤、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶剤、N−メチルピロリドン等の複素環式化合物系溶剤、これらの2種以上の混合溶剤が挙げられる。
前記製造方法(I)において、構成成分の乳化/分散を目的として、乳化剤又は分散剤を用いてもよい。乳化剤又は分散剤としては、公知の界面活性剤、水溶性ポリマー等を用いることができる。また、乳化又は分散の助剤として、上記の有機溶剤及び可塑剤等を併用することができる。界面活性剤としては、特に制限はなく、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤等が挙げられる。界面活性剤は、1種単独又は2種以上の界面活性剤を併用してもよい。界面活性剤の具体例としては、以下に述べるもの等が挙げられる。
前記アニオン界面活性剤としては、カルボン酸又はその塩、硫酸エステル塩、カルボキシメチル化物の塩、スルホン酸塩及びリン酸エステル塩等が用いられる。
カチオン界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩型界面活性剤及びアミン塩型界面活性剤等が使用できる。
両性界面活性剤としては、カルボン酸塩型両性界面活性剤、硫酸エステル塩型両性界面活性剤、スルホン酸塩型両性界面活性剤及びリン酸エステル塩型両性界面活性剤などが使用できる。
[式中、Rは、1価の炭化水素基;nは、1又は2;mは、1又は2;Mは、水素イオン、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アンモニウムカチオン、アミンカチオン、アルカノールアミンカチオンなどである。]
非イオン界面活性剤としては、AO付加型非イオン界面活性剤及び多価アルコール型非イオン界面活性剤などが使用できる。
水溶性ポリマーとしては、セルロース系化合物(例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びそれらのケン化物など)、ゼラチン、デンプン、デキストリン、アラビアゴム、キチン、キトサン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリエチレンイミン、ポリアクリルアミド、アクリル酸(塩)含有ポリマー(ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸カリウム、ポリアクリル酸アンモニウム、ポリアクリル酸の水酸化ナトリウム部分中和物、アクリル酸ナトリウム−アクリル酸エステル共重合体)、スチレン−無水マレイン酸共重合体の水酸化ナトリウム(部分)中和物、水溶性ポリウレタン(ポリエチレングリコール、ポリカプロラクトンジオール等とポリイソシアネートの反応生成物等)などが挙げられる。
前記シェル粒子の体積平均粒径は10nm以上300nm以下が好ましく、30nm以上120nm以下がより好ましい。また、重量平均分子量は9,000以上45,000以下が好ましい。
添加剤の混合は一般の粉体の混合機が用いられるがジャケット等装備して、内部の温度を調節できることが好ましい。なお、添加剤に与える負荷の履歴を変えるには、途中又は漸次添加剤を加えていけばよい。この場合、混合機の回転数、転動速度、時間、温度等を変化させてもよい。又はじめに強い負荷を、次に、比較的弱い負荷を与えてもよいし、その逆でもよい。使用できる混合設備としては、例えば、V型混合機、ロッキングミキサー、レーディゲミキサー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサー等が挙げられる。次いで、250メッシュ以上の篩を通過させて、粗大粒子、凝集粒子を除去し、トナーが得られる。
前記平均円形度が、0.900未満であると、満足できる転写性やチリのない高画質画像が得られないことがあり、0.980を超えると、ブレードクリーニング等を採用している画像形成システムでは、感光体上及び転写ベルト等のクリーニング不良が発生し、画像上の汚れ、例えば、写真画像等の画像面積率の高い画像形成の場合において、給紙不良等で未転写の画像を形成したトナーが感光体上に転写残トナーとなって蓄積した画像の地汚れが発生してしまうことがあり、あるいは、感光体を接触帯電させる帯電ローラ等を汚染してしまい、本来の帯電能力を発揮できなくなってしまうことがある。
前記体積平均粒径、及び前記体積平均粒径と個数平均粒径との比(体積平均粒径/個数平均粒径)は、粒度測定器(「マルチサイザーIII」、ベックマンコールター社製)を用い、アパーチャー径100μmで測定し、解析ソフト(Beckman CoulterMutlisizer 3 Version3.51)にて解析を行った。具体的には、ガラス製100mlビーカーに10質量%界面活性剤(アルキルベンゼンスフォン酸塩、ネオゲンSC−A、第一工業製薬株式会社製)を0.5ml添加し、各トナー0.5g添加しミクロスパーテルでかき混ぜ、次いでイオン交換水80mlを添加した。得られた分散液を超音波分散器(W−113MK−II、本多電子株式会社製)で10分間分散処理した。前記分散液を前記マルチサイザーIIIを用い、測定用溶液としてアイソトンIII(ベックマンコールター社製)を用いて測定を行った。測定は装置が示す濃度が8±2%になるように前記トナーサンプル分散液を滴下した。本測定法は粒径の測定再現性の点から前記濃度を8±2%にすることが重要である。この濃度範囲であれば粒径に誤差は生じない。
本発明の現像剤は、本発明のトナーを少なくとも含有してなり、キャリア等の適宜選択したその他の成分を含有してなる。該現像剤としては、一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよいが、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンター等に使用する場合には、寿命向上等の点で前記二成分現像剤が好ましい。
キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、該芯材を被覆する樹脂層(被覆層)とを有するものが好ましい。
前記芯材としては、磁性を有する粒子であれば特に限定されるものではなく、例えば、フェライト、マグネタイト、鉄、ニッケル等が好適に挙げられる。また、近年著しく進む環境面への適応性を配慮した場合には、フェライトであれば、従来の銅−亜鉛系フェライトではなく、例えば、マンガンフェライト、マンガン−マグネシウムフェライト、マンガン−ストロンチウムフェライト、マンガン−マグネシウム−ストロンチウムフェライト、リチウム系フェライト等を用いることが好適である。
また、芯材の抵抗を制御する目的や、製造安定性を高める目的等で、芯材の組成成分として、他の元素、例えば、Li、Na、K、Ca、Ba、Y、Ti、Zr、V、Ag、Ni、Cu、Zn、Al、Sn、Sb、Bi等の元素を一種以上配合させても良い。これらの配合量としては、総金属元素量の5原子%以下であることが好ましく、3原子%以下であることがより好ましい。
被覆層は、少なくとも結着樹脂を含有しており、必要に応じて無機微粒子等の他の成分を含有していても良い。
キャリアの被覆層を形成するための結着樹脂としては、特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択できるが、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等)やその変性品、スチレン、アクリル樹脂、アクリロニトリル、ビニルアセテート、ビニルアルコール、塩化ビニル、ビニルカルバゾール、ビニルエーテル等を含む架橋性共重合物;オルガノシロキサン結合からなるシリコーン樹脂又はその変性品(例えば、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリイミド等による変性品);ポリアミド;ポリエステル;ポリウレタン;ポリカーボネート;ユリア樹脂;メラミン樹脂;ベンゾグアナミン樹脂;エポキシ樹脂;アイオノマー樹脂;ポリイミド樹脂、及びこれらの誘導体等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アクリル樹脂と、シリコーン樹脂が特に好ましい。
前記アクリル樹脂のガラス転移温度(Tg)としては、20〜100℃の範囲が好ましく、25〜80℃の範囲がより好ましい。樹脂のTgをこの範囲とすることによって、該結着樹脂は適度な弾性を持ち、現像剤の摩擦帯電時にキャリアが受ける衝撃を軽減させると考えられ、被覆層の剥離や磨耗が抑制される。
また、適度にキャリアの帯電付与能力を制御する必要がある場合には、グアナミン及び/又はメラミンと、他のアミノ樹脂を併用しても差し支えない。このようなアミノ樹脂と架橋し得るアクリル樹脂としては、水酸基やカルボン酸基を有するものが好ましく、水酸基を有するものがより好ましい。水酸基を有することにより、前述の芯材や微粒子との密着性を更に向上させることができ、微粒子の分散安定性についても向上させることができる。このときの水酸基価は好ましくは10mgKOH/g以上であり、更に好ましくは20mgKOH/g以上である。
該シリコーン部位の構成単位としては、メチルトリシロキサン単位、ジメチルジシロキサン単位、トリメチルシロキサン単位の少なくとも一種を含むことが好ましく、該シリコーン部分は、他のコート層樹脂と化学的に結合していても良く、ブレンド状態であっても良く、又は、多層状になっていても良い。
前記ストレートシリコーン樹脂としては、KR271、KR272、KR282、KR252、KR255、KR152(信越化学工業社製)、SR2400、SR2405、SR2406(東レダウコーニングシリコーン社製)などが挙げられる。また、上記変性シリコーン樹脂の具体例としては、エポキシ変性物:ES−1001N、アクリル変性シリコーン:KR−5208、ポリエステル変性物:KR−5203、アルキッド変性物:KR−206、ウレタン変性物:KR−305(以上、信越化学工業社製)、エポキシ変性物:SR2115、アルキッド変性物:SR2110(東レダウコーニングシリコーン社製)等が挙げられる。
前記被覆層液に、必要に応じて更にアミノシランカップリング剤を含有することができる。アミノシランカップリング剤を含有させることにより、トナーに対するキャリアの帯電量を良好に制御することができる。アミノシランカップリング剤としては、例えば、下記化学式(3)に示す構造式で表されるものが好適である。
前記被覆層には、必要に応じて微粒子を含有させてもよく、該微粒子としては、特に制限はなく、従来公知の材料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属粉、酸化錫、酸化亜鉛、シリカ、酸化チタン、アルミナ、チタン酸カリウム、チタン酸バリウム、ホウ酸アルミニウム等の無機微粒子や、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリ(パラ−フェニレンスルフィド)、ポリピロール、パリレン等の導電性高分子、カーボンブラック等の有機微粒子等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
前記微粒子は、更に、表面が導電性処理をされていてもよい。このような導電性処理の方法としては、微粒子の表面に、アルミニウム、亜鉛、銅、ニッケル、銀、又はこれらの合金、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンをドープした酸化スズ及び酸化ジルコニウム等を固溶体や融着の形態として被覆させる方法等が挙げられる。これらの中でも、酸化スズ、酸化インジウム、スズをドープした酸化インジウムを用いて導電性処理をする方法が好ましい。
なお、前記微粒子の体積平均粒径については、例えばレーザードップラー/動的光散乱式粒度分布装置等を用いて測定することができる。
前記被覆層の厚さとしては、0.1μm〜5μmであることが好ましく、0.3μm〜2μmであることが更に好ましい。
ここで、被覆層の厚さは、例えば、FIB(集束イオンビーム)でキャリア断面を作成後、透過型電子顕微鏡(TEM)、走査型透過電子顕微鏡(STEM)を用いて50点以上のキャリア断面を観察し、求めた膜厚の平均値として算出することができる。
キャリアへの被覆層の形成法としては、特に制限はなく、従来公知の被覆層形成方法が使用でき、結着樹脂又は結着樹脂前駆体を始めとする上述の被覆層用の原料を溶解した被覆層溶液を、芯材の表面に噴霧法又は浸漬法等を用いて塗布する方法が挙げられる。芯材表面に被覆層溶液を塗布し、塗布層が形成されたキャリアを加熱することにより、結着樹脂又は結着樹脂前駆体の重合反応を促進させることが好ましい。該加熱処理は、被覆層形成後、引き続きコート装置内で行っても良く、あるいは、被覆層形成後、通常の電気炉や焼成キルン等、別の加熱手段によって行っても良い。
加熱処理温度としては、使用する被覆層の構成材料によって異なるため、一概に決められるものではないが、120℃〜350℃程度が好ましく、被覆層構成材料の分解温度以下であることが特に好ましい。なお、該被覆層構成材料の分解温度としては、220℃程度までの上限温度であることが好ましく、加熱処理時間としては、5分〜120分間程度であることが好ましい。
前記キャリアの体積平均粒径は、10〜100μmの範囲であることが好ましく、20〜65μmの範囲であることがより好ましい。
前記キャリアの体積平均粒径が、10μm未満では前記芯材粒子の均一性が低下することに起因するキャリア付着が発生することがあり好ましくなく、100μmを超える場合には画像細部の再現性が悪く精細な画像が得られないことがあり好ましくない。
前記体積平均粒径の測定方法としては、粒度分布を測定できる機器であれば特に制限はなく、例えば、マイクロトラック粒度分布計:モデルHRA9320―X100(日機装(株)製)を用いて測定することができる。
前記体積抵抗率が9[log(Ω・cm)]未満の場合は非画像部でのキャリア付着が生じて好ましくなく、16[log(Ω・cm)]より大きい場合は現像時、エッジ部における画像濃度が強調される、いわゆるエッジ効果が顕著になり好ましくない。該体積抵抗率は必要に応じて、キャリアの被覆層の膜厚、前記導電性の微粒子の含有量を調整することで、該範囲内で任意に調整可能である。
R=Log[r×(2.5cm×4cm)/0.2cm]・ ・・式
本発明の現像剤は、容器に収容して用いることができる。
前記容器としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、現像剤容器本体とキャップとを有してなるもの等が好適に挙げられる。
前記現像剤容器本体としては、その大きさ、形状、構造、材質等については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記形状としては、円筒状等が好ましく、内周面にスパイラル状の凹凸が形成され、回転させることにより内容物である現像剤が排出口側に移行可能であり、かつ該スパイラル部の一部又は全部が蛇腹機能を有しているもの、等が特に好ましい。
前記現像剤容器本体の材質としては、特に制限はなく、寸法精度がよいものが好ましく、例えば、樹脂が好適に挙げられ、その中でも、例えば、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリル酸、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂等が好適に挙げられる。
前記現像剤入り容器は、保存、搬送等が容易であり、取扱性に優れ、後述する画像形成装置等に、着脱可能に取り付けて現像剤の補給に好適に使用することができる。
本発明の画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程、制御工程等を含む。
本発明に用いられる画像形成装置は、静電潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
前記静電潜像形成工程は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程である。
前記静電潜像担持体(「電子写真感光体」、「感光体」と称することがある)としては、その材質、形状、構造、大きさ、等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、その形状としてはドラム状が好適に挙げられ、その材質としては、例えばアモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体(OPC)、等が挙げられる。これらの中でも、長寿命性の点でアモルファスシリコン等が好ましい。
前記静電潜像形成手段は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電器と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、等が挙げられる。
前記帯電器としては、静電潜像担持体に接触乃至非接触状態で配置され、直流及び交流電圧を重畳印加することによって静電潜像担持体表面を帯電するものが好ましい。
また、前記帯電器が、静電潜像担持体にギャップテープを介して非接触に近接配置された帯電ローラであり、該帯電ローラに直流並びに交流電圧を重畳印加することによって静電潜像担持体表面を帯電するものが好ましい。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、等の各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
前記現像工程は、前記静電潜像を、本発明の前記現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を本発明の前記現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、例えば、本発明の前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、本発明の前記現像剤を収容し、前記静電潜像に該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適であり、前記現像剤入り容器を備えた現像器等がより好ましい。
前記現像器内では、例えば、前記トナーと前記キャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記静電潜像担持体(感光体)近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該静電潜像担持体(感光体)の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該静電潜像担持体(感光体)の表面に該トナーによる可視像が形成される。
前記現像器に収容させる現像剤は、本発明の前記現像剤である。
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記静電潜像担持体(感光体)を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力
転写ローラ、粘着転写器、等が挙げられる。
なお、前記記録媒体としては、特に制限はなく、公知の記録媒体(記録紙)の中から適宜選択することができる。
前記定着工程は、記録媒体に転写された可視像を定着装置を用いて定着させる工程であり、各色の現像剤に対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色の現像剤に対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組合せ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せ、等が挙げられる。
前記定着装置が、発熱体を具備する加熱体と、該加熱体と接触するフィルムと、該フィルムを介して前記加熱体と圧接する加圧部材とを有し、前記フィルムと前記加圧部材の間に未定着画像を形成させた記録媒体を通過させて加熱定着する手段であることが好ましい。前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80℃〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体上に残留する前記トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
前記制御工程は、前記各工程を制御する工程であり、各工程は制御手段により好適に行うことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
複写装置本体150の中央部に設けられている中間転写ベルト50は、3個のローラ14、15及び16に張架されている無端ベルトであり、図中、矢印方向に移動することができる。ローラ15の近傍には、トナー像が記録紙に転写された中間転写ベルト50上に残留したトナーを除去するためのクリーニングブレードを有するクリーニング装置17が配置されている。ローラ14及び15により張架された中間転写ベルト50に対向すると共に、搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ及びブラックの画像形成ユニット120Y、120C、120M及び120Kが並置されている。また、画像形成ユニット120の近傍には、露光装置21が配置されている。さらに、中間転写ベルト50の画像形成ユニット120が配置されている側とは反対側には、二次転写ベルト24が配置されている。なお、二次転写ベルト24は、一対のローラ23に張架されている無端ベルトであり、二次転写ベルト24上を搬送される記録紙と中間転写ベルト50は、ローラ16と23の間で接触することができる。また、二次転写ベルト24の近傍には、一対のローラに張架されている無端ベルトである定着ベルト26と、定着ベルト26に押圧されて配置された加圧ローラ27とを備える定着装置25が配置されている。なお、二次転写ベルト24及び定着装置25の近傍に、記録紙の両面に画像を形成する場合に、記録紙を反転させるためのシート反転装置28が配置されている。
各色の画像形成ユニット120で形成された各色のトナー像は、ローラ14、15及び16に張架されて移動する中間転写体50上に順次転写(一次転写)され、重ね合わされて複合トナー像が形成される。
<非結晶性ポリエステル樹脂(a−1)の製造>
・L−ラクチド 70質量部
・D−ラクチド 30質量部
・ε−カプロラクトン 5質量部
・オクタン酸第1スズ 0.03質量部
温度計、攪枠機および窒素挿入管の付いたオートクレーブ反応槽中に、上記の原材料を入れ、窒素雰囲気下、190℃で1時間開環重合させた。その後、残留ラクチドを減圧留去し、ポリヒドロキシカルボン酸骨格を含有する[非結晶性ポリエステル樹脂(a−1)]を得た。[非結晶性ポリエステル樹脂(a−1)]の数平均分子量は9,200、重量平均分子量は37,000、光学純度は40%であった。
<非結晶性ポリエステル樹脂(a−2)の製造>
・L−ラクチド 70質量部
・LD−メソラクチド 60質量部
・オクタン酸第1スズ 0.05質量部
温度計、攪枠機および窒素挿入管の付いたオートクレーブ反応槽中に、上記の原材料を入れ、窒素雰囲気下、180℃で2時間開環重合させた。その後、残留ラクチドを減圧留去し、ポリヒドロキシカルボン酸骨格を含有する[非結晶性ポリエステル樹脂(a−2)]を得た。[非結晶性ポリエステル樹脂(a−2)]の数平均分子量は7,500、重量平均分子量は29,000、光学純度は54%であった。
<非結晶性ポリエステル樹脂(a−3)の製造>
・L−ラクチド 85質量部
・LD−メソラクチド 25質量部
・オクタン酸第1スズ 0.04質量部
温度計、攪枠機および窒素挿入管の付いたオートクレーブ反応槽中に、上記の原材料を入れ、窒素雰囲気下、180℃で2時間開環重合させた。その後、残留ラクチドを減圧留去し、ポリヒドロキシカルボン酸骨格を含有する[非結晶性ポリエステル樹脂(a−3)]を得た。[非結晶性ポリエステル樹脂(a−3)]の数平均分子量は8,800、重量平均分子量は36,000、光学純度は77%であった。
<ポリエステルジオール(a11−1)の製造>
・1,3−プロパンジオール 2質量部
・L−ラクチド 50質量部
・LD−メソラクチド 48質量部
・オクタン酸第1スズ 0.06質量部
温度計、攪枠機および窒素挿入管の付いたオートクレーブ反応槽中に、上記の原材料を入れ、窒素雰囲気下、160℃で15時間開環重合させた。その後、残留ラクチドを減圧留去し、ポリヒドロキシカルボン酸骨格を含有する[ポリエステルジオール(a11−1)]を得た。[ポリエステルジオール(a11−1)]の数平均分子量は8,200、重量平均分子量は34,000、光学純度は51%であった。
<非結晶性ポリエステル樹脂(A)の製造>
・1,3−プロパンジオール 2質量部
・L−ラクチド 54質量部
・D−ラクチド 14質量部
・オクタン酸第1スズ 0.015質量部
温度計、攪枠機および窒素挿入管の付いたオートクレーブ反応槽中に、上記の原材料を入れ、窒素雰囲気下、160℃で3時間開環重合させた。その後、残留ラクチドを減圧留去し、ポリヒドロキシカルボン酸骨格を含有する[ポリエステルジオール(a11−2)]を得た。
・テレフタル酸 15質量部
・オクタン酸第1スズ 0.01質量部
続いて、温度計、攪枠機および窒素挿入管の付いたオートクレーブ反応槽中に、上記の原材料を入れたトルエン溶液を入れて、200℃、8kPaで15時間反応を行った後、常温常圧に戻して[ポリエステルジオール(a12)]を得た。
<ポリヒドロキシカルボン酸骨格を有さない非結晶性ポリエステル樹脂(c)の製造>
・ビスフェノールA EO2モル付加物 10質量部
・テレフタル酸 8質量部
・アジピン酸 2質量部
・オクタン酸第1スズ 0.006質量部
温度計、攪枠機および窒素挿入管の付いたオートクレーブ反応槽中に、上記の原材料を入れたトルエン溶液を入れて、200℃、8kPaで15時間反応を行い、[非結晶性ポリエステル樹脂(c)]を得た。
<ポリエステル樹脂微粒子の水分散液(b−1)の製造>
テレフタル酸79質量部、イソフタル酸7質量部、エチレングリコール14質量部、ネオペンチルグリコール29質量部からなる混合物をオートクレーブ反応槽中で、260℃で4時間加熱してエステル化反応を行った。次いでテトラブチルチタネートを触媒として0.06質量部添加し、系の温度を280℃に昇温し、系内を徐々に減圧して1.5時間後に13Paとした。この条件下でさらに重縮合反応を続け、2時間後に系を窒素ガスで常圧にし、系の温度を下げ、270℃になったところでトリメリット酸2質量部を添加し、250℃で1時間撹拌して、解重合反応を行った。その後、窒素ガスで加圧状態にしておいてシート状に樹脂を払い出した。これを室温まで十分に冷却した後、クラッシャーで粉砕し、篩を用いて目開き1〜6mmの分画を採取し、粒状の[ポリエステル樹脂(b−1)]を得た。
ジャケット付きの1Lガラス容器を備えた撹拌機(特殊機化工業株式会社製、T.K.ロボミックス)に、[ポリエステル樹脂(b−1)]100質量部、イソプロピルアルコール60質量部、1.6質量部の28質量%アンモニア水、及び170質量部の蒸留水を仕込み、7000rpmで撹拌した。次いで、ジャケットに熱水を通して加熱し、系内温度を73〜75℃に保って更に60分間撹拌した。その後、ジャケット内に冷水を流し、回転速度を5000rpmに下げて攪拌しつつ室温まで冷却して、乳白色の均一な[ポリエステル樹脂(b−1)の水性分散体]を得た。
[ポリエステル樹脂(b−1)の水性分散体]300質量部と蒸留水80質量部を1Lの2口丸底フラスコに仕込み、メカニカルスターラーとリービッヒ型冷却器を設置し、フラスコをオイルバスで加熱していき、水性媒体を留去した。約160質量部の水性媒体を留去したところで、加熱を終了し、室温で冷却した。冷却後、フラスコ内の液状成分を600メッシュ(あやたたみ織り)のフィルターで濾過を行い、濾液の固形分濃度を測定したところ、40質量%であった。この濾液を攪拌しながら蒸留水を添加し、固形分濃度が30質量%になるように調整して、[ポリエステル樹脂微粒子の水分散液(b−1)]を得た。この[ポリエステル樹脂微粒子の水分散液(b−1)]中に含まれる粒子の体積平均粒径は68nmであり、樹脂分の重量平均分子量は9,800、Tgは68℃、酸価は30.3mgKOH/gであった。
<ポリエステル樹脂微粒子の水分散液(b−2)の製造>
テレフタル酸56質量部、イソフタル酸27質量部、エチレングリコール12質量部、ネオペンチルグリコール31質量部からなる混合物をオートクレーブ反応槽中で、260℃で4時間加熱してエステル化反応を行った。次いでテトラブチルチタネートを触媒として0.05質量部添加し、系の温度を280℃に昇温し、系内を徐々に減圧して1.5時間後に13Paとした。この条件下でさらに重縮合反応を続け、2時間後に系を窒素ガスで常圧にし、系の温度を下げ、270℃になったところでトリメリット酸22質量部を添加し、250℃で1時間撹拌して、解重合反応を行った。その後、窒素ガスで加圧状態にしておいてシート状に樹脂を払い出した。これを室温まで十分に冷却した後、クラッシャーで粉砕し、篩を用いて目開き1〜6mmの分画を採取し、粒状の[ポリエステル樹脂(b−2)]を得た。
ジャケット付きの1Lガラス容器を備えた撹拌機(特殊機化工業株式会社製、T.K.ロボミックス)に、[ポリエステル樹脂(b−2)]100質量部、イソプロピルアルコール60質量部、1.6質量部の28質量%アンモニア水、及び170質量部の蒸留水を仕込み、7000rpmで撹拌した。次いで、ジャケットに熱水を通して加熱し、系内温度を73〜75℃に保って更に60分間撹拌した。その後、ジャケット内に冷水を流し、回転速度を5000rpmに下げて攪拌しつつ室温まで冷却して、乳白色の均一な[ポリエステル樹脂(b−2)の水性分散体]を得た。
[ポリエステル樹脂(b−2)]の水性分散体300質量部と蒸留水80質量部を1Lの2口丸底フラスコに仕込み、メカニカルスターラーとリービッヒ型冷却器を設置し、フラスコをオイルバスで加熱していき、水性媒体を留去した。約160質量部の水性媒体を留去したところで、加熱を終了し、室温で冷却した。冷却後、フラスコ内の液状成分を600メッシュ(あやたたみ織り)のフィルターで濾過を行い、濾液の固形分濃度を測定したところ、40質量%であった。この濾液を攪拌しながら蒸留水を添加し、固形分濃度が30質量%になるように調整して、[ポリエステル樹脂微粒子の水分散液(b−2)]を得た。この[ポリエステル樹脂微粒子の水分散液(b−2)]中に含まれる粒子の体積平均粒径は107nmであり、樹脂分の重量平均分子量は13,500、Tgは63℃、酸価は22.3mgKOH/gであった。
<ポリエステル樹脂微粒子の水分散液(b−3)の製造>
テレフタル酸83質量部、1,2−プロパンジオール10質量部、エチレングリコール23質量部からなる混合物をオートクレーブ反応槽中で、240℃で3時間加熱してエステル化反応を行った。次いで系の温度を230℃に降温後、テトラブチルチタネートを触媒として0.06質量部添加し、系内を徐々に減圧して1.5時間後に13Paとした。この条件下でさらに重縮合反応を続け、2時間後にトリメリット酸3質量部を添加し、1時間撹拌して、解重合反応を行った。その後、系内を窒素ガスで加圧状態にしてシート状に樹脂を払い出した。これを室温まで十分に冷却した後、クラッシャーで粉砕し、篩を用いて目開き1〜6mmの分画を採取し、粒状の[ポリエステル樹脂(b−3)]を得た。
ジャケット付きの1Lガラス容器を備えた撹拌機(特殊機化工業株式会社製、T.K.ロボミックス)に、[ポリエステル樹脂(b−3)]100質量部、イソプロピルアルコール60質量部、1.6質量部の28質量%アンモニア水、及び170質量部の蒸留水を仕込み、7000rpmで撹拌した。次いで、ジャケットに熱水を通して加熱し、系内温度を73〜75℃に保って更に60分間撹拌した。その後、ジャケット内に冷水を流し、回転速度を5000rpmに下げて攪拌しつつ室温まで冷却して、乳白色の均一な[ポリエステル樹脂(b−3)の水性分散体]を得た。
[ポリエステル樹脂(b−3)]の水性分散体300質量部と蒸留水80質量部を1Lの2口丸底フラスコに仕込み、メカニカルスターラーとリービッヒ型冷却器を設置し、フラスコをオイルバスで加熱していき、水性媒体を留去した。約160質量部の水性媒体を留去したところで、加熱を終了し、室温で冷却した。冷却後、フラスコ内の液状成分を600メッシュ(あやたたみ織り)のフィルターで濾過を行い、濾液の固形分濃度を測定したところ、40質量%であった。この濾液を攪拌しながら蒸留水を添加し、固形分濃度が30質量%になるように調整して、[ポリエステル樹脂微粒子の水分散液(b−3)]を得た。この[ポリエステル樹脂微粒子の水分散液(b−3)]中に含まれる粒子の体積平均粒径は83nmであり、樹脂分の重量平均分子量は17,200、Tgは75℃、酸価は20.0mgKOH/gであった。
<樹脂微粒子の水分散液(d)の製造>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管のついた反応容器中に、ドデシル硫酸ナトリウム1.6質量部、及びイオン交換水486質量部を入れ、撹拌しながら80℃に加熱して溶解させた。その後、この反応容器中に、過硫酸カリウム2.8質量部をイオン交換水109質量部に溶解させたものを加え、その15分後に、スチレン180質量部、アクリル酸ブチル20質量部の混合液を90分かけて滴下した。その後、さらに60分間80℃に保ち重合反応をさせた。その後、冷却して、[樹脂微粒子の水分散液(d)]を得た。この[樹脂微粒子の水分散液(d)]中に含まれる粒子の体積平均粒径は78nmであり、樹脂分の重量平均分子量は220,000、Tgは85℃であった。
<トナーの製造>
―水相(1)〜(16)の調製―
水990質量部、(製造例7)〜(製造例10)にて製造した微粒子の水分散液(表1に従って選択した)83質量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5質量%水溶液(エレミノールMON−7、三洋化成工業株式会社製)37質量部、及び酢酸エチル90質量部を混合撹拌し、水相(1)〜(16)を得た。
・ビスフェノールAのエチレンオキシド2モル付加物 720質量部
・ビスフェノールAのプロピレンオキシド2モル付加物 90質量部
・テレフタル酸 290質量部
・無水トリメリット酸 25質量部
・ジブチルスズオキシド 2質量部
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器内に、上記の原材料を入れ、常圧下、230℃で8時間反応させた後、10〜15mmHgの減圧下で7時間反応させ、[中間体ポリエステル樹脂]を合成した。得られた[中間体ポリエステル樹脂]は、数平均分子量(Mn)が2,500、重量平均分子量(Mw)が10,700、ピーク分子量が3,400、ガラス転移点(Tg)が57℃、酸価が0.4mgKOH/g、水酸基価49mgKOH/gであった。
・イソホロンジイソシアネート 95質量部
・酢酸エチル 580質量部
次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器内に、上記の原材料を入れ、100℃で8時間反応させ、[ポリエステルプレポリマー]を合成した。得られた[ポリエステルプレポリマー]は、遊離イソシアネートの含有量が1.42質量%であった。
・イソホロンジアミン 30質量部
・メチルエチルケトン 70質量部
撹拌棒、及び温度計の付いた反応容器内に、上記の原材料を仕込み、50℃にて5時間反応を行い、[ケチミン化合物]を合成した。得られた[ケチミン化合物]のアミン価は423mgKOH/gであった。
・非結晶性ポリエステル樹脂(a−1) 100質量部
・カーボンブラック(Printex35、デグサ社製) 100質量部
(DBP吸油量:42mL/100g、pH:9.5)
・水 50質量部
上記の原材料を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)を用いて混合した。得られた混合物を、二本ロールを用いて80℃にて30分間混練後、圧延冷却し、パルペライザー(ホソカワミクロン株式会社製)で粉砕して[マスターバッチ(1)]を作製した。
・非結晶性ポリエステル樹脂(c) 100質量部
・カーボンブラック(Printex35、デグサ社製) 100質量部
(DBP吸油量:42mL/100g、pH:9.5)
・水 50質量部
上記の原材料を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)を用いて混合した。得られた混合物を、二本ロールを用いて80℃にて30分間混練後、圧延冷却し、パルペライザー(ホソカワミクロン株式会社製)で粉砕して[マスターバッチ(2)]を作製した。
・非結晶性ポリエステル樹脂(a−1) 300質量部
・カルナウバワックス 90質量部
(分子量1,800、酸価2.7mgKOH/g、針入度1.7mm(40℃))
・酢酸エチル 1000質量部
上記の原材料を仕込み、撹拌しながら79℃で溶解させた後に一気に4℃まで急冷した。これをビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス株式会社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填し、3パスの条件で分散を行い、体積平均粒径0.6μmの[ワックス分散液(1)]を調製した。
・非結晶性ポリエステル樹脂(c) 300質量部
・カルナウバワックス 90質量部
(分子量1,800、酸価2.7mgKOH/g、針入度1.7mm(40℃))
・酢酸エチル 1000質量部
上記の原材料を仕込み、撹拌しながら79℃で溶解させた後に一気に4℃まで急冷した。これをビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス株式会社製)を用いて、送液速度1kg/時、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填し、3パスの条件で分散を行い、体積平均粒径0.6μmの[ワックス分散液(2)]を調製した。
・ベヘン酸(日本油脂株式会社製、NAA222S、融点78℃)
・ベヘニルアルコール(日本油脂株式会社製、NAA180、融点62℃)
・ジグリセリンジステアレート(水酸基価80mgKOH/g、融点62℃)
・ジステアリルモノステアレート(酸価120mgKOH/g、融点72℃)
・オレイン酸アミド(日本精化株式会社製、ニュートロン、融点74℃)
・ステアリルステアレート(松本油脂株式会社製、ブリアンDPS−60、酸価10mgKOH/g、融点62℃)
・シュウ酸ジベンジルエステル(融点=102℃)
・ラウリン酸(融点45℃)
次に、表2に示す原材料を、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス株式会社製)を用いて、送液速度1kg/時、ディスク周速度6m/秒で、粒径が0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で3パスした。更に、ケチミン化合物2.5質量部を加えて溶解させ、油相(1)〜(16)を調製した。
次に、別の容器内に、[水相(1)]を150質量部入れ、TK式ホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて、12,000rpmで攪拌しながら、[油相(1)]100質量部を添加し、10分間混合して乳化スラリーを得た。更に、攪拌機及び温度計をセットしたコルベンに、乳化スラリー100質量部を仕込み、攪拌周速20m/分で攪拌しながら、30℃で10時間脱溶剤した後、洗浄、濾過、乾燥を行った。その後、目開き75μmメッシュで篩い、[トナー母体(1)]を作製した。
同様に、[水相(2)]〜[水相(16)]と[油相(2)]〜[油相(16)]を順に用いて、[トナー母体(2)]〜[トナー母体(16)]を作製した。
得られた[トナー母体(1)]〜[トナー母体(16)]を100質量部と、外添剤としての疎水性シリカ(H2000、クラリアントジャパン社製)1.0質量部を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)を用いて、周速30m/秒で30秒間混合し、1分間休止する処理を5サイクル行った後、目開きが35μmのメッシュで篩い、[トナー(1)]〜[トナー(16)]を作製した。
・シリコーン樹脂(オルガノストレートシリコーン) 100質量部
・γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン 5質量部
・カーボンブラック 10質量部
・トルエン 100質量部
上記の原材料を、ホモミキサーで20分間分散させて、[樹脂層塗布液]を調製した。その後、流動床型コーティング装置を用いて、体積平均粒径が35μmの球状フェライト1,000質量部の表面に[樹脂層塗布液]を塗布して、[キャリア]を作製した。
[トナー(1)]〜[トナー(16)]のそれぞれを5質量部と、前記[キャリア]95質量部とを混合して、実施例1〜11及び比較例1〜5の各現像剤を作製した。
<評価方法>
<<体積平均粒径(Dv)及び個数平均粒径(Dn)並びに比(Dv/Dn)の測定>>
トナー(トナー母体)の粒度分布は、コールターマルチサイザーを用いて行った。即ち、測定装置としてはコールターマルチサイザーIII(コールター社製)を用い、個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科機株式会社製)及びパーソナルコンピューターを接続し、電解液は、1級塩化ナトリウムを用いて1質量%NaCl水溶液を調製した。測定法としては、この電解液としての水溶液100〜150mL中に分散剤として界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1〜5mL加え、更に測定試料を2〜20mg加え、超音波分散器で約1〜3分の分散処理を行った。更に、別のビーカーに電解水溶液100〜200mLを入れ、その中に前記サンプル分散液を所定の濃度になるように加え、前記コールターマルチサイザーIIIによりアパーチャーとして100μmアパーチャーを用い、50,000個の粒子の平均を測定することにより行った。得られた体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)から両者の比(Dv/Dn)を求めた。
定着助剤のトナー中における結晶状態については結晶解析X線回折装置(X’Pert MRDX’Pert MRD フィリッップス社製)により確認することができる。以下測定方法を記す。まず、定着助剤単品を乳鉢によりすり潰し試料粉体を作製し、得られた試料粉体を試料ホルダーに均一に塗布する。その後、回折装置内に試料ホルダーをセットし、測定を行い、定着助剤の回折スペクトルを得る。次に、トナー粉体をホルダーに塗布し、同様に測定を行う。また、同様に各トナーに用いた結着樹脂単体をホルダーに塗布し、同様に測定を行う。得られた定着助剤可塑剤の回折スペクトルの中で、結着樹脂単体のピークと重ならない波数のピークを同定ピークとして選択し、トナー中に同定ピークが観測される場合を「結晶性有り」とし、同定ピークが観測されない場合を「結晶性無し」と判定した。
前記定着助剤の融解ピークの吸熱量測定としては、DSCシステム(示差走査熱量計)(「DSC−60」、島津製作所製)を用いて、以下の方法により測定した。昇温一回目における定着助剤の融解ピーク吸熱量(以下、Q1と称する)については、まず、樹脂又はトナー(試料)約5.0mgをアルミニウム製の試料容器に入れ、該試料容器をホルダーユニットに載せ、電気炉中にセットする。次いで、窒素雰囲気下、20℃から昇温速度10℃/minにて150℃まで加熱し、示差走査熱量計(「DSC−60」、島津製作所製)によりDSC曲線を計測する。得られたDSC曲線から、DSC−60システム中の解析プログラムを用いて、定着助剤の融解ピークのショルダー間を選択し、Q1を算出した。
昇温二回目における定着助剤の融解ピーク吸熱量(以下、Q2と称する)については、前記一回目の昇温の後、150℃から降温速度10℃/minにて0℃まで冷却し、更に窒素雰囲気下、昇温速度10℃/minにて150℃まで加熱し、示差走査熱量計(「DSC−60」、島津製作所製)によりDSC曲線を計測する。得られたDSC曲線から、DSC−60システム中の解析プログラムを用いて、定着助剤の融解ピークのショルダー間を選択し、Q2を算出した。
定着ローラとして、テフロン(登録商標)ローラを使用した電子写真方式の複写機(MF−200、株式会社リコー製)の定着部を改造した装置を用いて、定着ベルトの温度を変化させて、普通紙及び厚紙の転写紙タイプ6200(株式会社リコー製)及び複写印刷用紙<135>(NBSリコー社製)に、トナーの付着量が0.85±0.1mg/cm2のベタ画像を形成した。このとき、普通紙でホットオフセットの発生しない上限温度を定着上限温度とした。また、厚紙でベタ画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる下限温度を定着下限温度とした。このようにして得た定着上限温度及び定着下限温度について、下記の評価基準に基づいて、評価した。
◎:定着上限温度が190℃以上
○:定着上限温度が180℃以上190℃未満
△:定着上限温度が170℃以上180℃未満
×:定着上限温度が170℃未満
〔定着下限温度の評価基準〕
◎:定着下限温度が115℃未満
○:定着下限温度が115℃以上125℃未満
△:定着下限温度が125℃以上135℃未満
×:定着下限温度が135℃以上
50mLのガラス容器に各トナーを充填し、50℃の恒温槽に24時間放置した。このトナーを24℃に冷却し、針入度試験(JIS K2235−1991)により針入度(mm)を測定し、下記基準に基づいて評価した。なお、針入度の値が大きいほど耐熱保存性が優れていることを示し、5mm未満の場合には、使用上問題が発生する可能性が高い。
〔評価基準〕
◎:針入度25mm以上
○:針入度15mm以上25mm未満
△:針入度5mm以上15mm未満
×:針入度5mm未満
得られた現像剤を気温23℃、相対湿度50%の環境下(M/M環境)にてボールミルで5分間攪拌した後に、現像剤1.0gを採取し、ブローオフ帯電量測定装置(京セラケミカル社製TB−200)を用い、1分間窒素ブローした後の測定値を帯電量として用いた。また、この測定を気温40℃、相対湿度90%の環境下(H/H環境)、及び気温10℃、相対湿度30%の環境下(L/L環境)の2つの条件にて各現像剤の帯電量を評価した。このようにして得た帯電量に基づいて下記式より環境変動率を算出し、算出した環境変動率について、下記の評価基準に基づいて、評価した。環境変動率が低いほど帯電性の安定な現像剤であると言うことができる。
[H/H]・・・H/H環境での帯電量を示す
◎:環境変動率が40%未満
○:環境変動率が40%以上50%未満
△:環境変動率が50%以上60%未満
×:環境変動率が60%以上
タンデム型カラー画像形成装置(imagio Neo 450、株式会社リコー製)を用いて、定着ローラの表面温度を160±2℃にして、複写紙TYPE 6000<70W>(株式会社リコー製)に、トナーの付着量が1.00±0.05mg/cm2のベタ画像を形成した。得られたベタ画像の任意の6箇所の画像濃度を、分光計(938 スペクトロデンシトメータ、X−Rite社製)を用いて測定し、画像濃度(平均値)を求め、得た画像濃度(平均値)について、下記基準で評価した。
〔評価基準〕
○:画像濃度が2.0以上
△:画像濃度が1.70以上2.0未満
×:画像濃度が1.70未満
以上の評価結果から、総合的に判断して、下記基準により評価した。
〔評価基準〕
◎:非常に良好
○:良好
△:不良
×:極度に不良
10K ブラック用静電潜像担持体
10Y イエロー用静電潜像担持体
10M マゼンタ用静電潜像担持体
10C シアン用静電潜像担持体
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 中間転写クリーニング装置
18 画像形成手段
20 帯電ローラ
21 露光装置
22 二次転写装置
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ベルト
28 シート反転装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 現像装置
41 現像ベルト
42K 現像剤収容部
42Y 現像剤収容部
42M 現像剤収容部
42C 現像剤収容部
43K 現像剤供給ローラ
43Y 現像剤供給ローラ
43M 現像剤供給ローラ
43C 現像剤供給ローラ
44K 現像ローラ
44Y 現像ローラ
44M 現像ローラ
44C 現像ローラ
45K ブラック現像ユニット
45Y イエロー現像ユニット
45M マゼンタ現像ユニット
45C シアン現像ユニット
49 レジストローラ
50 中間転写ベルト
51 ローラ
52 分離ローラ
53 手差し給紙路
54 手差しトレイ
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排出トレイ
58 コロナ帯電装置
60 クリーニング装置
61 現像装置
62 転写ローラ
63 感光体クリーニング装置
64 除電ランプ
70 除電ランプ
80 転写ローラ
90 クリーニング装置
95 転写紙
100A、100B、100C 画像形成装置
120 画像形成ユニット
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 複写装置本体
160 帯電装置
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)
Claims (14)
- 少なくとも第一の結着樹脂、着色剤、離型剤、及び定着助剤を含有するトナーであって、該第一の結着樹脂が、少なくともポリヒドロキシカルボン酸骨格を主鎖の一部に含有する非結晶性ポリエステル樹脂(a)を含有し、該定着助剤は結晶性を有し、融点が60℃以上100℃以下であり、トナー中において結晶状態で存在することを特徴とするトナー。
- 前記トナーが、更に表面に第二の結着樹脂を含有するシェル粒子を付着させてなるコアシェル構造を有することを特徴とする請求項1に記載のトナー。
- 前記第二の結着樹脂が、ガラス転移温度が55℃以上80℃以下のポリエステル樹脂(b)であることを特徴とする請求項2に記載のトナー。
- 前記トナーのDSC測定において、昇温速度10℃/minにて20℃から150℃まで昇温した際(昇温一回目)における前記定着助剤由来の融解ピークの吸熱量をQ1とし、続いて降温速度10℃/minにて一旦0℃まで降温した後、再度昇温速度10℃/minにて150℃まで昇温した際(昇温二回目)における前記定着助剤由来の融解ピークの吸熱量をQ2とするとき、下記式(1)を満たすことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のトナー。
0≦(Q2/Q1)≦0.30・・・(1) - 前記非結晶性ポリエステル樹脂(a)が、光学活性モノマーからなるポリヒドロキシカルボン酸骨格を含有し、該光学活性モノマーからなるポリヒドロキシカルボン酸骨格がモノマー成分換算で光学純度X(%)=|X(L体)−X(D体)|〔ただし、X(L体)は光学活性モノマー換算でのL体比率(モル%)、X(D体)は光学活性モノマー換算でのD体比率(モル%)を表す〕が80%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のトナー。
- 前記定着助剤が、脂肪酸エステル化合物、炭素数16〜24の脂肪酸、炭素数16〜24のアルコール、脂肪酸とアミン類とがアミド結合してなる脂肪酸アミドから選ばれる少なくとも一種以上の化合物を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のトナー。
- 前記非結晶性ポリエステル樹脂(a)が、ポリヒドロキシカルボン酸骨格を含有する直鎖状のポリエステルジオールであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のトナー。
- 前記非結晶性ポリエステル樹脂(a)が、ポリヒドロキシカルボン酸骨格を含有する直鎖状のポリエステルジオール(a11)と、(a11)以外のポリエステルジオール(a12)とを、伸長剤とともに反応させて得られる直鎖状のポリエステル系樹脂(A)を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のトナー。
- 前記ポリヒドロキシカルボン酸骨格を含有するポリエステルジオール(a11)と、(a11)以外のポリエステルジオール(a12)との質量比が31:69〜90:10であることを特徴とする請求項8に記載のトナー。
- 前記非結晶性ポリエステル樹脂(a)のポリヒドロキシカルボン酸骨格が、LラクチドとDラクチドの混合物を開環重合して得られたものであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のトナー。
- 前記非結晶性ポリエステル樹脂(a)のポリヒドロキシカルボン酸骨格が、メソ型DLラクチドを開環重合して得られたものであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のトナー。
- 請求項1〜11のいずれかに記載のトナーを含有することを特徴とする現像剤。
- 更にキャリアを含有することを特徴とする請求項12に記載の現像剤。
- 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像を請求項12又は13に記載の現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含むことを特徴とする画像形成方法。
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