JP6098243B2 - トナー及び該トナーの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明はトナー及び該トナーの製造方法に関するものである。
電子写真法では、感光体上に静電荷像(潜像)を形成し、次いで、該潜像をトナーで現像し、トナー画像を形成している。該形成されたトナー画像は、紙等の転写材上に転写され、次いで、加熱等の方法で画像が定着される。
このような、トナー用結着樹脂としては、スチレン・アクリル系樹脂やポリエステル樹脂などの石油由来の熱可塑性樹脂が使用されている。
しかし、近年、環境への配慮から、廃棄時に環境への負荷が少なく、再生可能資源からつくられるバイオマス由来の生分解性樹脂を用いることが注目されている。
特許文献1の特開平4−179967号公報には、前記生分解性樹脂として、微生物産生脂肪族ポリエステルを使用することが開示されているが、前記微生物産生脂肪族ポリエステルは結晶性が高く、トナー用樹脂として使用すると、トナーの軟化温度が高くなるため、定着温度を高く設定しなくてはならず、省エネという観点からみると不適であるという問題がある。
生分解性樹脂を用いたトナーの定着温度を低下させるため、特許文献2の特許第2597452号公報には、植物系のワックスを多量に添加してトナーの軟化温度を下げる方法が提案されているが、ワックス成分によりトナーが凝集し易くなり、生産性の悪化やトナーの流動性が悪化することで現像機内でのトナー搬送性が劣るなどの問題が発生する。
また、特許文献3の特開2006−91278号公報、特許文献4の特開2006−285150号公報には、軟化点の異なる2種類の樹脂と生分解性樹脂(ポリ乳酸)を含有する結着樹脂を用い、低軟化点を有する樹脂が、高軟化点を持つ樹脂と生分解性樹脂とのつなぎの役割を果たすことで、生分解性樹脂を結着樹脂中に均一に分散させ、トナーの低温定着性及び定着安定性を得ることが開示されている。
しかし、生分解性樹脂の配合割合を高く設定すると生分解性樹脂の分散不良が起こり、帯電性能のバラツキによる現像性の低下などにつながり、耐久性が悪化するため、生分解性樹脂の結着樹脂中の配合率は、20質量%程度と非常に低く、環境負荷の低減が充分でない。
また、これらのトナーは、着色剤、帯電制御剤、オフセット防止剤等の配合剤と結着樹脂とを溶融混練し、得られたトナー組成物を粉砕し、分級することにより、製造された粉砕トナーである。
前記トナー組成物は、経済的に使用可能な装置により粉砕され、分級できるものでなければならず、溶融混練されたトナー組成物は、充分に脆くなければならないため、トナー用材料の選択に制限があり、さらなる低温定着性の向上は困難である。
さらに、トナー組成物を粉砕してトナー粒子とするため、広範囲の粒径分布が形成され易く、良好な解像度と階調性のある複写画像を得るには、トナーの粒度分布をシャープにする必要があり、例えば、粒径5μm以下の微粉と20μm以上の粗粉とを分級により除去しなければならず、収率が非常に低くなるという問題がある。
加えて、粉砕法では、着色剤、帯電制御剤等の配合剤を熱可塑性樹脂中に均一に分散することが困難であり、配合剤の分散が不均一であると、トナーの流動性、現像性、耐久性、画像品質等に悪影響を及ぼす。
これに対して、例えば特許文献5の特許第3344214号公報や、特許文献6の特許第3455523号公報には、生分解性樹脂を用いるものではないが、予め、結着樹脂を有機溶媒に溶解させた樹脂溶液を、水性媒体中に分散させ、トナー粒子を造粒する方法(溶解樹脂懸濁法)が提案されている。
これらの提案の方法によれば、分級工程を必要とすることなく均一な粒子が得られる。
しかし、植物資源を原料とする生分解性樹脂として汎用され、入手しやすいポリ乳酸は、単一のモノマー系で重合すると、結晶性が高いため、有機溶剤への溶解性が極めて低く、有機溶剤に溶解した後に水系で造粒する前記手法を用いることは困難である。
ポリ乳酸は、ポリ乳酸を構成するL体またはD体の光学異性体いずれか一方のモノマーのみではなく、他方の光学異性体を混合し、L体/D体比率を変化させることで結晶性を低下させて、有機溶剤への溶解性を向上させることが可能となる。
しかし、ポリ乳酸は、分子量のコントロールが難しいこと、及び、エステル結合を介する分子鎖が炭素原子(N=1)のみであることから、ポリ乳酸のみでトナーに必要な物性を達成することは困難である。
この問題に対しては、ポリ乳酸とそれ以外の第2の樹脂を混合することで、トナーに必要な物性、及び、熱特性を確保することが考えられる。
しかし、ポリ乳酸は、結晶性を低下させ、有機溶剤への溶解性を向上させても、トナーに汎用に用いられるポリエステル樹脂やスチレン−アクリル共重合体との相溶性や分散性が極めて悪く、他の樹脂を併用することでトナーに必要な物性を達成させるトナーを製造することは非常に困難であるのが現状である。
これらの課題に対して、特許文献7の特開2008−262179号公報では、ポリ乳酸構成単位と、ポリ乳酸を含まないポリエステルを構成単位としたブロックポリマーを使用することで相溶性を向上させ、トナーにおける樹脂組成を均一化でき、安定した画像出力が可能となることが開示されている。
また、特許文献8の特開2010−14757号公報では、熱特性、耐熱保存安定性、および透明性に優れたポリ乳酸トナーとして、ポリ乳酸とポリ乳酸を伸張剤により反応させたものからなる樹脂粒子に、他の樹脂微粒子で皮膜を形成する方法が提示されている。
しかし、これらの手法ではトナーの耐熱保存性、透明性に関しては有用であるが、一般的にポリ乳酸を用いたトナーは、溶融粘度が高く、定着温度の低いトナーを構築することは困難であり、省エネという観点からみると不適であるという問題がある。
ポリ乳酸は、分子量を下げることで溶融粘度を低下させることができるが、ポリ乳酸の分子量を単純に下げることでは、溶融粘度を低下させることができても、それに伴い残モノマーやオリゴマーが増えてしまい、ポリ乳酸の耐加水分解性が低下し、トナーの保存安定性を十分に発現することが困難となる。
特許文献9の特開2011−149999号公報には、定着助剤として脂肪酸アミドを添加し、定着温度を下げる方法が開示されている。
この手法では、トナー材料を有機溶媒に溶解又は分散した油相を、水系媒体中に分散してトナー粒子を造粒する工程において、前記脂肪酸アミドが、有機溶媒や水系媒体に溶出することなどから、小粒径かつ粒度分布が狭いトナーを得ることが困難となる。
また、一般的なポリ乳酸は他の有機材料とは相溶し難いことが知られており、ポリ乳酸と定着助剤とを併用しても、定着助剤によるトナーの溶融粘度を下げる効果が充分得られないことや、トナー粒子内部での定着助剤の配置制御が容易ではなく、トナー粒子表面に定着助剤が露出することで、現像機内部での機械的ストレスによる凝集体が形成され易くなるという問題がある。
以上のように、植物由来樹脂をトナーの結着樹脂の主要な樹脂成分とするには課題が多く、結着樹脂の一部を植物由来樹脂で置き換える方法では、植物由来樹脂の配合量が限られており、トナー用結着樹脂として必要とされる特性を維持しつつ、より多くの植物由来樹脂を配合する技術の開発が期待されている。
本発明は、従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。
即ち、本発明は、低温定着性と耐熱保存性とを両立させた、植物由来原材料から形成されるトナー、並びに該トナーを用いた現像剤、及び画像形成方法を提供することを目的とする。
上記課題は、本発明の、下記(1)〜(15)によって解決される。
(1)結着樹脂と着色剤を含有するトナー粒子を含む静電荷像現像用トナーであって、前記結着樹脂はポリヒドロキシカルボン酸骨格を有する樹脂を含有し、前記トナーは高架式フローテスタの昇温法による1/2流出温度が80℃以上120℃以下であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
(2)前記結着樹脂は第一の結着樹脂と第二の結着樹脂とを含むものであり、前記第一の結着樹脂は主鎖にポリヒドロキシカルボン酸骨格を有する樹脂であることを特徴とする前記(1)項に記載の静電荷像現像用トナー。
(3)前記第二の結着樹脂は、非結晶性樹脂ユニットと結晶性樹脂ユニットとを有し、かつ融点が50℃以上80℃以下の共重合体であり、前記非結晶性樹脂ユニットが主鎖にポリヒドロキシカルボン酸骨格を有する樹脂であることを特徴とする前記(1)項または(2)項に記載の静電荷像現像用トナー静電荷像現像用トナー。
(4)前記第二の結着樹脂中の結晶性樹脂ユニットが結晶性ポリエステルであることを特徴とする前記(1)項乃至前記(3)のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
(5)前記トナーは、さらに定着助剤を含有するものであることを特徴とする前記(1)項乃至前記(4)項に記載の静電荷像現像用トナー。
(6)前記定着助剤は結晶性ポリエステル樹脂を含むものであり、該結晶性ポリエステルの融点が前記第二の結着樹脂の融点±15℃であることを特徴とする前記(1)乃至前記(5)項のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
(7)ゲル浸透クロマトグラフィーで測定される前記トナーのテトラヒドロフラン可溶分の重量平均分子量が、20,000〜50,000であることを特徴とする前記(1)項乃至前記(6)項のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
(8)前記第二の結着樹脂は、結晶性樹脂ユニットを20wt%以上80wt%以下含むものであることを特徴とする前記(1)項乃至前記(7)項のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
(9)前記第一の結着樹脂のガラス転移温度が40℃以上70℃以下であることを特徴とする前記(1)項乃至前記(8)項のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
(10)前記第一の結着樹脂と第二の結着樹脂との混合比(第一の結着樹脂/第二の結着樹脂)が、95/5〜50/50であることを特徴とする前記(1)項乃至前記(9)項のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
(11)前記定着助剤を1wt%以上20wt%以下含むことを特徴とする前記(1)項乃至前記(10)項のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
(12)トナーの体積平均粒径Dv/数平均粒経Dnが1.00〜1.30である前記(1)項乃至前記(11)項のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
(13)第一の結着樹脂及び第二の結着樹脂、必要に応じて、定着助剤、着色剤、離型剤等の配合剤を含むトナー材料を、有機溶媒に溶解乃至分散させてなる油相を、水系媒体中で乳化分散して得たトナー粒子を含むことを特徴とする前記(1)項乃至前記(12)項のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
(14)前記(1)項乃至前記(13)項のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーを含むことを特徴とする現像剤。
(15)電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、前記帯電された電子写真感光体上に静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像を形成された電子写真感光体上にトナー像を形成する現像手段とを有する画像形成装置であって、前記トナーは前記(1)項乃至前記(13)項のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーであることを特徴とする画像形成装置。
以下の詳細かつ具体的な説明から理解されるように、本発明によれば、低温定着性と耐熱保存性とを両立させた、植物由来原材料から形成されるトナー、並びに該トナーを用いた現像剤、及び画像形成方法を提供することができる。
本発明のトナーにおける、高架式フローテスタにより測定されるフローカーブの一例である。
本発明のトナーについて詳細に説明する。
なお、いわゆる当業者は上記に示した本発明の態様について適宜変更・修正をして他の実施形態をなすことは容易であり、これらの変更・修正は本発明に含まれるものであり、以下の説明はこの発明の好ましい実施形態における例であって、本発明を限定するものではない。
本発明のトナーは、ポリヒドロキシカルボン酸骨格を有する樹脂を含有し、高架式フローテスタの昇温法による1/2流出温度が80℃以上120℃以下のトナーである。
1/2流出温度が80℃以上120℃以下であることにより、植物由来原材料を用いてホットオフセット防止と低温定着性とを両立できる。
トナーの1/2流出温度が80℃未満であると、トナーの耐熱保存性が低下し、120℃を超えると、トナーの低温定着性が低下する。
<昇温法における1/2流出温度の測定>
本発明においては、1/2流出温度の測定は、高架式フローテスターCFT500型(島津製作所製)を使用し、JIS K72101に記載された方法に準拠して行った。1cm3の試料を昇温速度3℃/minで加熱しながら、プランジャーにより30kg/cmの荷重を与え、直径0.5mm、長さ1mmのノズルを押し出すようにし、これにより、プランジャー降下量−温度曲線を描く。
このフローテスターのフローカーブは図1に示されるようなデータになり、そこから各々の温度を読み取ることができる。図中、Aは測定開始温度、BはTs(軟化温度)、Cは(流出開始温度)、Dは1/2流出温度、Eは測定終了温度である。
<結着樹脂>
本発明の結着樹脂は、ポリヒドロキシカルボン酸骨格を有する樹脂を含有するものであり、1/2流出温度が80℃以上120℃以下であれば使用できる。
結晶性を有する樹脂は融点において結晶転移を起こすと同時に、固体状態から急激に溶融粘度が低下し、紙などの記録媒体への定着機能を発現する。一方、非晶性樹脂は、Tgから徐々に溶融粘度が低下し、Tgと定着機能を発現するほど溶融粘度が低下する温度(たとえば1/2流出温度)との間には、通常、数10℃の差がある。
したがって、非晶性樹脂のみを用いたトナーを低温定着にするためには、樹脂Tgを低くしたり、分子量を低くするなどして、1/2流出温度を下げる必要があるが、副作用として耐熱保存性や耐ホットオフセット性が不十分になりやすい。
そこで、結晶性を有する樹脂と非晶性樹脂とを組み合わせることにより、耐熱保存性や耐ホットオフセット性の悪化を伴なわない溶融粘度の低下による低温定着化を達成できる。
本発明の結着樹脂は、ポリヒドロキシカルボン酸骨格を有する樹脂を含有し、ポリヒドロキシカルボン酸骨格を有する樹脂を含有する第一の結着樹脂と第二の結着樹脂とを含むものであることが好ましい。
(第一の結着樹脂)
前記第一の結着樹脂は、結着樹脂の主成分を構成するものであり、主鎖にポリヒドロキシカルボン酸骨格を有し、例えば、乳酸やヒドロキシアルキルカルボン酸などが重縮合した構造を繰返し単位中に含む生分解性樹脂である。
前記生分解性を有する樹脂は、主鎖にエステル基を高濃度に有し、かつ、短鎖のアルキル鎖を側鎖に有するものであり、従来の芳香族鎖を主鎖とするポリエステル樹脂に比べて、分子量あたりのエステル基の濃度が高く、非結晶状態で高い透明性を有すると共に、カルボン酸に代表される有機酸や水酸基などの官能基が僅かでありながらも、各種の着色剤と高い親和性を得ることができる。
前記第一の結着樹脂は、非結晶性樹脂であることが好ましい。生分解性樹脂の非結晶化は、モノマーとしてL体とD体のモノマーを適量併用したラセミ体を用いることで達成できる。
例えば、ラクチドを用いる場合、L−ラクチド、D−ラクチドをそれぞれ混合し、用いることもできるが、メソ−ラクチドを開環重合することや、D体、L体いずれかのラクチドとメソ−ラクチドを混合して用いることでも非結晶性樹脂を得ることができる。
前記生分解性樹脂は、以下の光学純度がモノマー成分換算で、80%以下であることが好ましく、60%以下であることがさらに好ましい。この範囲であると、溶剤溶解性、樹脂の透明性が向上する。

光学純度X(%)=|X(L体)−X(D体)|

〔ただし、X(L体)は光学活性モノマー換算でのL体比率(モル%)、X(D体)は光学活性モノマー換算でのD体比率(モル%)を表す〕
前記ポリヒドロキシカルボン酸骨格は、ヒドロキシカルボン酸が(共)重合した骨格を有し、ヒドロキシカルボン酸を直接脱水縮合する方法、あるいは、対応する環状エステルを開環重合する方法、リパーゼなどの酵素反応を利用して合成する方法で形成できる。
ポリヒドロキシカルボン酸骨格を形成するモノマーとしては、脂肪族ヒドロキシカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸の環状エステルを用いることができる。
トナーの透明性と熱特性の観点からは、脂肪族ヒドロキシカルボン酸が好ましく、炭素数2〜6のヒドロキシカルボン酸がさらに好ましく、例えば、乳酸、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸などが挙げられ、乳酸であることが特に好ましい。
また、重合されるポリヒドロキシカルボン酸の分子量を大きくするという観点からは、環状エステルを開環重合することが好ましい。
開環重合して得られる樹脂のヒドロキシカルボン酸骨格は、環状エステルを構成するヒドロキシカルボン酸が重合した骨格となる。
例えば、ラクチドを用いて得られる樹脂のポリヒドロキシカルボン酸骨格は、乳酸が重合した骨格になる。
前記非結晶生分解性樹脂は、市販品を使用してもよく、該市販品としては、例えば、ポリ乳酸(東ソー社製バイロエコールBE−410)等を挙げることができる。
前記第一の結着樹脂の重量平均分子量(以下、Mwと略記)は、耐熱保存性と低温定着性の観点から、THF可溶分のGPCによる分子量分布において、7000〜70,000が好ましく、さらに好ましくは10,000〜40,000、最も好ましくは15,000〜35,000である。
また、前記第一の結着樹脂のガラス転移温度は、40℃以上70℃以下が好ましく、45℃以上65以下がより好ましい。ガラス転移温度が、40℃未満では耐熱保存性が不十分となることがあり、70℃を超えると低温定着性が不十分となることがある。
(第二の結着樹脂)
前記第二の結着樹脂は、非結晶性ユニットと結晶性ユニットとを有するものであり、第一の結着樹脂との親和性を有し、かつトナーの溶融温度を低下させるものであり、さらに、後述する定着助剤を含有する場合は、第一の結着樹脂と定着助剤とを相分離を防止するものである。
前記第二の結着樹脂の非結晶性ユニットは、ポリヒドロキシ酸骨格を主鎖の一部に含有するものであり、生分解性を有するものである。
第二の結着樹脂の非結晶性ユニットとしては、前記第一の結着樹脂と同様な樹脂を用いることができる。
前記第二の結着樹脂は、結晶性ユニットを有することで、ポリヒドロキシ酸骨格を主鎖の一部に含有するユニットの分子量を低下させることなく、トナーの溶融温度を低下させることができる。
第二の結着樹脂の結晶性ユニットとしては、結晶性を有するものであれば用いることができるが、定着時にシャープメルトし、画像表面を平滑化できる点で、結晶性ポリエステル樹脂であることが好ましい。
前記結晶性ポリエステル樹脂は、多価アルコール単位及びカルボン酸単位を含む、−OCOC−R−COO−(CH2)n−(但し、式中、Rは炭素数2〜20の直鎖状飽和脂肪族基を示し、nは2〜20の整数を示す)で表される構造を、樹脂全体における全エステル結合の60モル%以上含有することが好ましく、前記式中、Rの炭素数は6〜12であり、nは、6〜12の整数であることがさらに好ましい。
前記結晶性ポリエステル樹脂は、(1)直鎖状飽和脂肪族二価カルボン酸又はその反応性誘導体からなる多価カルボン酸単位と、(2)直鎖状脂肪族ジオールからなる多価アルコール単位とを、常法により重縮合反応させることによって製造することができる。
前記直鎖状飽和脂肪族基の具体例としては、1,8−オクタンジカルボン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸1,10−デカンジカルボン酸等の直鎖状飽和二価カルボン酸由来の直鎖状飽和脂肪族基を挙げることができる。
前記(CH2)nは直鎖状脂肪族二価アルコール残基を示す。この場合における直鎖状脂肪族二価アルコール残基の具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール等の直鎖状脂肪族二価アルコールから誘導されたものを示すことができる。
前記結晶性ポリエステル樹脂は、カルボン酸単位として、直鎖状飽和脂肪族ジカルボン酸単位を用いたことから、芳香族ジカルボン酸単位を用いた場合に比べて結晶構造を形成し易いという作用効果を示す。
必要に応じて添加することができる多価カルボン酸単位の具体例を示すと、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、シトラコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の二価カルボン酸単位;無水トリメット酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸等の三価以上の多価カルボン酸単位等を挙げることができる。
前記多価アルコール単位には、必要に応じ、少量の脂肪族系の分岐鎖二価アルコール単位や環状二価アルコール単位の他、三価以上の多価アルコール単位が含まれていてもよい。その含有量は、全アルコール単位に対して、30モル%以下が好ましく、10モル%以下がより好ましく、得られるポリエステルが結晶性を有する範囲内で適宜添加される。
必要に応じて添加される多価アルコール単位を例示すると、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン単位、ポリエチレングリコール単位、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物単位、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物単位、グリセリン単位等が挙げられる。
第二の結着樹脂は、ポリヒドロキシ酸骨格を主鎖の一部に含有するユニットと、結晶性ポリエステルとを共重合させることによる得ることができ、共重合方法としては、目的に応じて適宜選択した公知の方法に従って重合させることにより得ることができ、例えば、以下の方法が好適に挙げられる。
(1)予め重合反応(ラクチドの開環重合、乳酸の脱水縮合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した、ポリヒドロキシ酸骨格を主鎖の一部に含有するユニットと、予め重合反応により調製した結晶性ポリエステル樹脂とを、溶融混練し減圧下でエステル交換反応により調整する方法。
(2)予め重合反応(ラクチドの開環重合、乳酸の脱水縮合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した、ポリヒドロキシ酸骨格を主鎖の一部に含有するユニットと、予め重合反応により調製した結晶性ポリエステル樹脂とを、適当な溶媒に溶解あるいは分散させ、イソシアネート基、エポキシ基等ポリマー鎖末端の水酸基あるいはカルボン酸と反応する官能基を2以上有する伸長剤と反応させることにより共重合する方法。
(3)予め重合反応により調製した結晶性ポリエステル樹脂の水酸基を重合開始成分として使用し、ポリエステル樹脂のポリマー鎖末端からポリ乳酸を重合し共重合する方法。
本発明の第二の結着樹脂は、結晶性樹脂ユニットを20wt%以上80wt%以下含むものであることが好ましく、40wt%以上60wt%以下含むものであることがさらに好ましい。20wt%未満であるとトナーの溶融粘度が高くなることがあり、80wt%を超えると前記第1の結着樹脂との親和性が低下し、均一性が低下し、画質が低下することがある。
また、第二の結着樹脂の融点は、50℃以上80℃以下であり、好ましくは60℃以上70℃以下である。
前記第二の結着樹脂の融点が50℃より低い場合には、トナー母体粒子の融点も低下することから、十分な耐熱保存性を発現することができずトナー粒子同士の凝集が発生してしまう。
前記第二の結着樹脂の融点が80℃より高い場合には、耐熱保存性が向上するものの、トナーの低温定着性を阻害する場合がある。
本発明の結着樹脂は、前記第一の結着樹脂と第二の結着樹脂の混合比(第一の結着樹脂/第二の結着樹脂)としては95/5〜50/50の範囲が好ましい。
第二の結着樹脂の割合が5未満では、トナーの粘弾性を低下させる効果が十分に発現されず、低温定着性を向上させることが困難となることがあり、第二の結着樹脂の割合が50を超えると、トナーの粘弾性が低下しすぎてしまうことから定着上限温度が低下してしまう懸念がある。
前記第一の結着樹脂と第二の結着樹脂とを用いず、結着樹脂として第二の結着樹脂のみ、あるいは第一の結着樹脂と後述する定着助剤で構成されたトナーでは、低温定着性に優れたトナーを得ることができるが、トナーの溶融粘度が下がり過ぎてしまうことから定着上限温度も同様に低下し、定着温度幅が狭くなってしまう。
<定着助剤>
定着助剤は、結着樹脂の熱特性をコントロールするものであり、結着樹脂と相溶し、可塑効果を示す、融解混和性物質である。
本発明の定着助剤は結着樹脂と相溶し、所望の融点を有する結晶性有機化合物であれば、目的に応じて使用することができるが、例えば、長鎖脂肪酸エステル化合物、長鎖脂肪酸、長鎖アルコール、脂肪酸とアミン類とがアミド結合してなる脂肪酸アミド、結晶性ポリエステル等が挙げられ、結晶性ポリエステルであることが好ましい。
前記結晶性ポリエステルとしては、前記第二の結着樹脂に用いられる結晶性ポリエステルと同様なものを使用できる。
結晶性ポリエステル樹脂において、その分子量分布は、低温定着性の点から、シャープであるのが好ましく、また、その分子量は、比較的低分子量であるのが好ましい。結晶性ポリエステル樹脂の分子量は、そのTHF可溶分のGPCによる分子量分布において、その質量平均分子量(Mw)が5,500〜6,500、その数平均分子量(Mn)が1,300〜1,500、及び(Mw/Mn)比が2〜5であることが好ましい。
定着助剤の融点は、使用する目的により異なるが、60〜100℃であることが好ましく、65〜800℃であることがさらに好ましい。
融点が60℃未満であると、該定着助剤が融解しやすく、耐熱保存性に劣ることがあり、100℃を超えると、定着助剤を融解させるのに、トナーを高温加熱する必要があるため十分な低温定着性が得られないことがある。
また、定着助剤の融点は、前記第二の結着樹脂±15℃の範囲であることが好ましく、±10℃の範囲であることがさらに好ましい。定着助剤が第二の結着樹脂とほぼ同時に融解することで、定着助剤と結着樹脂とが相分離することを防止できると伴にトナーの粘弾性を一気に低下させることで低温定着性と耐熱保存性に両立が可能となる。
定着助剤のトナー中の含有量は、低温定着性と耐熱保存性とを両立し、帯電性、解像度等のトナー特性を高いレベルで維持することができる点から、1wt%以上20wt%以下であることが好ましく、3wt%以上10wt%以下であることがさらに好ましい。
定着助剤の含有量が、1wt%未満であると、低温定着性に劣ることがあり、20wt%以上であると、トナー粒子表面における前記定着助剤の面積が増大し、流動性に劣ることがある。
(結晶性の評価)
本発明におけるポリエステル樹脂の結晶性の有無は、X線回折法により結晶性ピークの有無で評価することができる。装置と条件を以下に示す。

XRD:(株)リガク製 RINT−TTRIII型 広角X線回折装置
X線源 ;CuKα線
管電圧−管電流 ;50kV−300mA
ステップ幅 ;0.02deg.
測定範囲 ;2°〜60°
測定速度 ;5deg./min
スリット系 ;0.5deg.−0.15mm−0.5deg.
回折線湾曲結晶モノクロメータ
<その他の成分>
その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、着色剤、離型剤、帯電制御剤、無機微粒子、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料、金属石鹸、等が挙げられる。
<着色剤>
前記着色剤としては、特に制限はなく、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができる。
例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトポン、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記着色剤の前記トナーにおける含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1質量%〜15質量%が好ましく、3質量%〜10質量%がより好ましい。前記含有量が、1質量%未満であると、トナーの着色力の低下が見られ、15質量%を超えると、トナー中での顔料の分散不良が起こり、着色力の低下、及びトナーの電気特性の低下を招くことがある。
前記着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして使用してもよい。該樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、ポリエステル、スチレン又はその置換体の重合体、スチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックス、等が挙げられるが、分散性の観点から、ポリ乳酸であることが好ましく、前記第一の結着樹脂と同様な樹脂を使用できる。
これらの樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記マスターバッチは、前記マスターバッチ用樹脂と、前記着色剤とを高せん断力をかけて混合又は混練させて製造することができる。この際、着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を添加することが好ましい。
また、いわゆるフラッシング法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができ、乾燥する必要がない点で好適である。このフラッシング法は、着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合又は混練し、着色剤を樹脂側に移行させて水分及び有機溶剤成分を除去する方法である。前記混合又は混練には、例えば三本ロールミル等の高せん断分散装置が好適に用いられる。
<離型剤>
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、融点が50℃〜120℃の低融点の離型剤が好ましい。低融点の離型剤は、前記樹脂と分散されることにより、離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これによりオイルレス(定着ローラにオイル等の離型剤を塗布しない)でもホットオフセット性が良好である。
前記離型剤としては、例えば、ロウ類、ワックス類等が好適なものとして挙げられる。前記ロウ類及びワックス類としては、例えば、カルナウバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス;ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス;オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス;などの天然ワックスが挙げられる。
また、これら天然ワックスのほか、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス;エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス;などが挙げられる。更に、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド;低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等);側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子、などを用いてもよい。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記離型剤の融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50℃〜120℃が好ましく、60℃〜90℃がより好ましい。前記融点が、50℃未満であると、ワックスが耐熱保存性に悪影響を与えることがあり、120℃を超えると、低温での定着時にコールドオフセットを起こし易いことがある。
前記離型剤の溶融粘度としては、該ワックスの融点より20℃高い温度での測定値として、5cps〜1,000cpsが好ましく、10cps〜100cpsがより好ましい。
前記溶融粘度が、5cps未満であると、離型性が低下することがあり、1,000cpsを超えると、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果が得られなくなることがある。
前記離型剤の前記トナーにおける含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、40質量%以下が好ましく、3質量%〜30質量%がより好ましい。前記含有量が、40質量%を超えると、トナーの流動性が悪化することがある
<帯電制御剤>
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、公知のもの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又はその化合物、タングステンの単体又はその化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸の金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記帯電制御剤は、市販品を使用してもよく、該市販品としては、例えば、ニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(いずれも、オリエント化学工業株式会社製);第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(いずれも、保土谷化学工業株式会社製);第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(いずれも、ヘキスト社製);LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット株式会社製);銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物、などが挙げられる。
前記帯電制御剤の前記トナーにおける含有量としては、前記樹脂の種類、添加剤の有無、分散方法等により異なり、一概に規定することができないが、例えば、前記結着樹脂100質量部に対し、0.1質量部〜10質量部が好ましく、0.2質量部〜5質量部がより好ましい。前記含有量が、0.1質量部未満であると、帯電制御性が得られないことがあり、10質量部を超えると、トナーの帯電性が大きくなりすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させて、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や画像濃度の低下を招くことがある。
<無機微粒子>
前記無機微粒子は、トナー粒子に流動性、現像性、帯電性等を付与するための外添剤として使用することができる。
前記無機微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、などが挙げられ、流動性向上剤により処理されたものであることが好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記無機微粒子の一次粒子径としては、5nm〜2μmが好ましく、5nm〜500nmがより好ましい。
前記無機微粒子の前記トナーにおける含有量としては、0.01質量%〜5.0質量%が好ましく、0.01質量%〜2.0質量%がより好ましい。
(流動性向上剤)
前記流動性向上剤は、表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止可能なものを意味し、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル、などが挙げられる。前記シリカ、前記酸化チタンは、このような流動性向上剤により表面処理行い、疎水性シリカ、疎水性酸化チタンとして使用するのが特に好ましい。
<クリーニング性向上剤>
前記クリーニング性向上剤は、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するために前記トナーに添加され、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子、などが挙げられる。該ポリマー微粒子は、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、体積平均粒径が0.01μm〜1μmのものが好適である。
<磁性材料>
前記磁性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、鉄粉、マグネタイト、フェライト、等が挙げられる。これらの中でも、色調の点で白色のものが好ましい。
[トナー物性]
<1/2流出温度>
本発明のトナーは、高架式フローテスタの昇温法による1/2流出温度は80℃以上120℃以下であり、90℃以上110℃以下であることが好ましい。
前記1/2流出温度80℃未満であると、定着温度が高温であるときにはトナー溶融時の粘弾性が低すぎることから定着時にトナー画像の上側が定着部材に付着してしまう、いわゆるホットオフセット現象が発生することがあり、120℃以上であると定着時の加熱によるトナーの粘弾性低下が不十分で、低温定着性が低下し定着画像からトナーが剥離しやすくなる。
<重量平均分子量>
また、本発明のトナーは、テトラヒドロフラン可溶分の重量平均分子量は20,000〜50,000であることが好ましく、25,000以上40,000以下であることがより好ましい。
重量平均分子量が50,000を超えると、結着樹脂全体が高分子量すぎるため定着性が悪化し、光沢が低すぎたり、定着後の画像が外的ストレスで容易に欠落するため好ましくない。また、20,000未満の場合には定着温度が低いときには問題なく定着ができたとしても、定着温度が高温であるときにはトナー溶融時の内部凝集力が小さいためにホットオフセット現象が発生することがあり、画像品位が著しく損なわれる。
溶融後の粘弾性を制御する手段として分子量を考えた場合、当然ながら分子量が大きいほど分子鎖の移動に障害が多くなるため粘弾性が大きくなる。さらに、分子量が大きい場合には絡まりが発生するために弾性的な挙動を示すようになる。紙への定着性に着目して考えると、分子量が小さいほうが溶融時の粘度が低いため好ましい反面、ある程度の弾性がなければホットオフセットが発生してしまう。
しかしながら、分子量を全体的に上げてしまうと、定着性が損なわれ、特に厚紙においては定着時のトナーへの熱の伝達効率が低いために定着状態がさらに悪化する。
<本発明のトナーの製造方法>
次に本発明のトナーの製造方法について説明する。
本発明のトナーは、第一の結着樹脂及び第二の結着樹脂、必要に応じて、定着助剤、着色剤、離型剤等の配合剤を含むトナー材料を、有機溶媒中に溶解又は分散させてなる油相を、水系媒体中で乳化乃至分散させて造粒した後、有機溶媒を除去することで得られる。
(トナー材料の溶解ないし分散液)
トナー材料の溶解ないし分散した油相は、トナー材料を有機溶媒に溶解ないし分散させて調製する。前記トナー材料としては、トナーを形成可能である限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、結着樹脂と着色剤を含み、さらに必要に応じて、定着助剤、離型剤、帯電制御剤等の上記その他の成分を含んでいてもよい。
なお、有機溶媒は、トナーの造粒時ないし造粒後に除去することが好ましい。
(有機溶剤)
前記有機溶剤としては、前記トナー材料を溶解乃至分散可能な溶媒であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、除去の容易性の点で沸点が150℃未満の揮発性のものが好ましく、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、などが挙げられる。これらの中でも、トルエン、キシレン、ベンゼン、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、等が好ましく、酢酸エチルが特に好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記有機溶剤の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
(水系媒体)
水系媒体としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、水、水と混和可能な溶剤、これらの混合物、などを用いることができるが、水であることが特に好ましい。
前記水と混和可能な溶剤としては、水と混和可能であれば特に制限はなく、例えば、アルコール、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類、低級ケトン類、などを用いることができる。
アルコールとしては、例えば、メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール等が挙げられる。
また、低級ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
水系媒体は樹脂微粒子を含有することが好ましい。樹脂微粒子を含有することでトナー母体粒子の分散安定性が向上し、小粒径かつ粒度分布がシャープなトナーを製造できる。
また、造粒されたトナー母体粒子に樹脂微粒子を付着させ、有機溶媒を除去した後に加熱して樹脂微粒子をトナー母体粒子表面に固定化することで、耐熱保存性を向上させることができる。
トナー母体粒子に樹脂微粒子を固着させる場合の水系媒体の調製は、例えば、アニオン性界面活性剤の存在下で樹脂微粒子を水系媒体に分散させることが好ましい。
前記樹脂微粒子がアニオン性界面活性剤と凝集性を有する場合は、水系媒体を乳化前に高速せん断分散機にて分散させておくことが好ましい。
(アニオン性界面活性剤)
本発明のトナーの製造で用いられるアニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステル等が挙げられ、フルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤が好適に挙げられる。フルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、例えば、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸又はその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(炭素数6〜11)オキシ]−1−アルキル(炭素数3〜4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(炭素数6〜8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(炭素数11〜20)カルボン酸又はその金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(炭素数7〜13)又はその金属塩、パーフルオロアルキル(炭素数4〜12)スルホン酸又はその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(炭素数6〜16)エチルリン酸エステル等が挙げられる。
フルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤の市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製);フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製);ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製);メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製);エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204(ト−ケムプロダクツ社製);フタージェントF−100、F150(ネオス社製)、等
が挙げられる。
アニオン性界面活性剤の水系媒体中への添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.5〜10質量%が好ましい。
(樹脂微粒子)
本発明で用いられる樹脂微粒子用の樹脂としては、水系媒体中で水性分散液を形成しうる樹脂であれば特に制限はなく、樹脂微粒子用の樹脂としては、熱可塑性樹脂であっても熱硬化性樹脂でもよく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができる。
例えば、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂、などを用いることができる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、微細な球状の樹脂微粒子の水性分散液が得られ易い点で、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂及びポリエステル樹脂から選択される少なくとも1種で形成されるのが好ましい。
なお、ビニル樹脂は、ビニルモノマーを単独重合又は共重合したポリマーであり、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−アクリル酸エステル重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、などが挙げられる。
前記樹脂微粒子は、アニオン性であることが好ましい。アニオン性であると前記アニオン性界面活性剤とともに用いた際の凝集を防止できる。
アニオン性の樹脂微粒子は、アニオン活性剤を用いることや、樹脂中にカルボン酸基、スルホン酸基などのアニオン性基を導入することによって作製できる。
樹脂微粒子は、目的に応じて適宜選択した公知の方法に従って重合させることにより得ることができるが、樹脂微粒子の水性分散液として得ることが好ましい。樹脂微粒子の水性分散液の調製方法としては、例えば、以下の方法が好適に挙げられる。
(1)ビニル樹脂の場合、ビニルモノマーを出発原料として、懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法及び分散重合法から選択されるいずれかの重合反応により、直接、樹脂微粒子Aの水性分散液を製造する方法。
(2)ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加ないし縮合系樹脂の場合、前駆体(モノマー、オリゴマー等)又はその溶剤溶液を適当な分散剤の存在下、水性媒体中に分散させた後、加熱、又は硬化剤を添加して硬化させて、樹脂微粒子の水性分散液を製造する方法。
(3)ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加ないし縮合系樹脂の場合、前駆体(モノマー、オリゴマー等)又はその溶剤溶液(液体であることが好ましい。加熱により液状化してもよい)中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する方法。
(4)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を機械回転式又はジェット式等の微粉砕機を用いて粉砕し、次いで、分級することによって樹脂微粒子を得た後、適当な分散剤の存在下、水中に分散させる方法。
(5)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液を霧状に噴霧することにより樹脂微粒子を得た後、該樹脂微粒子を適当な分散剤の存在下、水中に分散させる方法。
(6)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液に貧溶剤を添加するか、又は予め溶剤に加熱溶解した樹脂溶液を冷却することにより樹脂微粒子を析出させ、次に溶剤を除去して樹脂微粒子を得た後、樹脂微粒子を適当な分散剤存在下、水中に分散させる方法。
(7)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液を、適当な分散剤存在下、水性媒体中に分散させた後、加熱又は減圧等によって溶剤を除去する方法。
(8)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する方法。
樹脂微粒子の粒子径は、平均一次粒径が5〜50nmであることが好ましく、10〜25nmであることがさらに好ましい。前記範囲であると、トナー母体粒子の粒子径と粒子径分布を制御するのに重要である。
なお、粒子径はSEM、TEM、光散乱法などによって測定できる。好ましくはレーザー散乱測定法による堀場製作所製LA−920によって、測定レンジにはいるように適切な濃度に希釈して測定すればよい。粒子径は体積平均径として求められる。
樹脂微粒子の水系媒体中への添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.5〜10質量%が好ましい。
(乳化ないし分散)
トナー材料を含む油相の水系媒体中への乳化ないし分散は、トナー材料を含む油相を水系媒体中で攪拌しながら分散させることが好ましい。
分散の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の分散機などを用いて行うことができる。
分散機としては、低速せん断式分散機、高速せん断式分散機などが挙げられる。本発明トナーの製造方法においては、乳化ないし分散の際、樹脂微粒子は、乳化中または乳化後に水系媒体に加えてもよい。
高速せん断分散機にて分散させながら行うか乳化後低速攪拌に切り替えて添加するか適宜トナーへの架橋樹脂微粒子の付着性、固定化状況を見ながら行われる。
本発明のトナーは、トナーの体積平均粒径Dv/数平均粒経Dnが1.00〜1.30であることが好ましい。体積平均粒径Dv/数平均粒経Dnが1.30を超えると、帯電特性等にバラツキが生じ画質が低下することがある。
[トナーの特性測定方法]
<重量平均粒径(Dw)、体積平均粒径(Dv)、及び個数平均粒径(Dn)>
トナーの重量平均粒径(Dw)、体積平均粒径(Dv)、及び個数平均粒径(Dn)は、粒度測定器(「マルチサイザーIII」、ベックマンコールター社製)を用い、アパーチャー径100μmで測定し、解析ソフト(Beckman Coulter Multisizer 3 Version3.51)にて解析を行なった。具体的にはガラス製100mlビーカーに10wt%界面活性剤(アルキルベンゼンスフォン酸塩ネオゲンSC−A;第一工業製薬性)を0.5ml添加し、各トナー0.5g添加しミクロスパーテルでかき混ぜ、次いでイオン交換水80mlを添加した。得られた分散液を超音波分散器(W−113MK−II本多電子社製)で10分間分散処理した。前記分散液を前記マルチサイザーIIIを用いて、測定用溶液としてアイソトンIII(ベックマンコールター製)を用いて測定を行なった。測定は装置が示す濃度が8±2%に成るように前記トナーサンプル分散液を滴下した。本測定法は粒径の測定再現性の点から前記濃度を8±2%にすることが重要である。この濃度範囲であれば粒径に誤差は生じない。
<重量平均分子量の測定>
測定装置GPC−8020(東ソー株式会社製)を用い、カラムはTSKgel SuperHZM―Hを3本連結して使用した。測定は以下の方法で行った。
40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHFを毎分0.35mLの流速で流し、試料濃度として0.05質量%〜0.6質量%に調製したトナー及び樹脂のテトラヒドロフラン(THF)試料溶液を10μL注入して測定した。重量平均分子量Mw、個数平均分子量Mn、ピークトップ分子量Mpの測定に当たっては、試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては昭和電工社製ShowdexSTANDARDシリーズのMpが6540000、3570000、651000、251000、110000、45000、19300、6700、2800、580のもの及びトルエンを使用し、検出器にはRI(屈折率)検出器を用いた。
本発明のトナーは、一成分現像剤として用いてもよく、またはキャリアと混合し二成分現像剤として用いることができる。
<画像形成方法>
本発明のフルカラー画像形成方法は、電子写真感光体を帯電手段により帯電させる帯電工程と、前記帯電された電子写真感光体上に露光手段により静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像を形成された電子写真感光体上にトナーを含む現像手段によりトナー像を形成する現像工程と、前記電子写真感光体上に形成されたトナー像を一次転写手段により中間転写体上に転写する一次転写工程と、前記中間転写体上に転写されたトナー像を二次転写手段により記録材上に転写する二次転写工程と、前記記録材上に転写されたトナー像を熱及び圧力定着部材を含む定着手段により記録材上に定着させる定着工程と、前記一次転写手段によりトナー像を中間転写体上に転写した電子写真感光体の表面に付着している転写残トナーをクリーニング手段によりクリーニングするクリーニング工程とを備えている。
そして、現像工程におけるトナーが上述の本発明のトナーである。このフルカラー画像形成方法においては、二次転写工程におけるトナー像の記録材への転写の線速度、所謂印字速度は100〜1000mm/secであり、二次転写手段のニップ部での転写時間は0.5〜60msecであることが好ましい。
さらに、本発明のフルカラー画像形成方法は、電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段、一次転写手段、及びクリーニング手段のセットを複数有するタンデム型であることが好ましい。
電子写真感光体を複数個配備して、各々の回転時に1色ずつ現像するいわゆるタンデム型では、潜像形成工程と現像・転写工程とが各色毎に行なわれて各色のトナー像が形成されるため、単色の画像形成速度とフルカラーの画像形成速度との差が小さく、高速印字に対応できる利点を有している。しかし、各色のトナー像を別々の電子写真感光体に形成し、各色トナー層の積層(色重ね)を行なうことによりフルカラー画像を形成するため、各色のトナー粒子間での帯電性等が異なるなど、特性にばらつきがあると各色のトナー粒子による現像トナー量に差が生じ、色重ねによる二次色の色相の変化が大きくなり、色再現性が低下する。
タンデム型による画像形成方法に使用されるトナーにおいては、各色のバランスを制御するための現像トナー量を安定化すること(各色のトナー粒子間でばらつきがないこと)、各色のトナー粒子間で電子写真感光体及び記録材に対する付着性が均一であることが必要である。この点に関しては、本発明のトナーは好適である。
帯電手段は、少なくとも交番電圧を重畳した直流電圧を印加するのが好ましい。交番電圧を重畳した直流電圧を印加することにより、直流電圧のみを印加する場合に比べて電子写真感光体の表面電圧を所望の値に安定化させることができるため、より均一帯電させることが可能となる。
さらに、帯電手段は、電子写真感光体に帯電部材を接触させ、帯電部材に電圧を印加することによって帯電を行なうのが好ましい。電子写真感光体に帯電部材を接触させ、帯電部材に電圧を印加して帯電を行なうことによって、特に交番電圧を重畳した直流電圧を印加することで得られる均一帯電性の効果をさらに向上させることが可能となる。
定着手段は、磁性金属から構成されて電磁誘導により加熱される加熱ローラと、加熱ローラと平行に配置された定着ローラと、加熱ローラと定着ローラとに張り渡され、加熱ローラにより加熱されるとともにこれらのローラによって回転される無端帯状のトナー加熱媒体(加熱ベルト)と、加熱ベルトを介して定着ローラに圧接されるとともに、加熱ベルトに対して順方向に回転して定着ニップ部を形成する加圧ローラとを有することにより、定着ベルトの温度が短時間で上昇し、かつ安定した温度制御が可能となる。また、表面の粗い記録材を使用した場合にも、定着時にある程度転写紙の表面に応じた状態で定着ベルトが作用するため、十分な定着性が得られるようになる。
定着手段は、オイルレスあるいはオイル微量塗布タイプであることが好ましい。これを達成するために、トナー粒子中に離型剤(WAX)を含有し、さらにそれがトナー粒子中に微分散しているものを定着することが好ましい。
離型剤がトナー粒子中に微量分散しているトナーにより、定着時に離型剤が浸み出しやすく、オイルレス定着装置において、あるいは微量オイル塗布定着装置でオイル塗布効果が少なくなってきた場合においても、トナーのベルト側への転移を抑制することができる。
離型剤がトナー粒子中に分散した状態で存在するためには、離型剤と結着樹脂とは相溶しないことが好ましい。また、離型剤がトナー粒子中に微分散するためには、例えばトナー材料を有機溶媒に溶解乃至分散させる際の剪断力を利用する方法がある。
離型剤の分散状態は、トナー粒子の薄膜切片をTEMで観察することにより判断できる。
離型剤の分散径は小さい方が好ましいが、小さすぎると定着時の染み出しが不十分な場合がある。
したがって、倍率1万倍で離型剤が確認できれば、離型剤が分散した状態で存在していると判断する。1万倍で離型剤が確認できない大きさでは、微分散していたとしても、定着時の染み出しが不十分な場合がある。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
(合成例1)
−第二の結着樹脂(2−A)の合成−
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した5リットルの四つ口フラスコに、セバシン酸68.9質量部、1,3−プロパンジオール31.1質量部、ジブチルスズオキシド0.2質量部を添加し180℃で10時間反応させた後、200℃に昇温して3時間反応させた後、8.3kPaにて2時間反応させて結晶性樹脂ユニットの結着樹脂aを得た。
さらに、窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した5リットルの四つ口フラスコに、前記結晶性樹脂aを50質量部、非結晶性樹脂ユニットとしてポリ乳酸(東ソー社製バイロエコールBE−410:ガラス転移温度48.8℃)を50質量部、ジブチルスズオキシド0.2質量部を添加し180℃で2時間反応させて第二の結着樹脂Aを得た。得られた第二の結着樹脂Aの融点は50.5℃であった。
(合成例2〜5)
−第二の結着樹脂(2−B〜E)の合成−
合成例1において、下記表に示すように、結晶性樹脂ユニット材料の投入量を調整した以外は、合成例1と同様にして、第二の結着樹脂(2−B〜E)を得た。
(合成例6)
−第二の結着樹脂(2−F)−
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した5リットルの四つ口フラスコに、結晶性ポリエステル樹脂(東洋紡社製 バイロンGA−6400)50質量部、非結晶性樹脂ユニットとして、ポリ乳酸(東ソー社製バイロエコールBE−410:ガラス転移温度48.8℃)を50質量部、ジブチルスズオキシド0.2質量部を添加し180℃で2時間反応させて第一の結着樹脂Fを得た。得られた第二の結着樹脂Fの融点は88.5℃であった。
次に、作製した第二の結着樹脂(2−A〜F)を用いて以下のようにして諸特性の評価を行った。
結果を表2に示す。
<融点及びガラス転移点の測定>
ここで、本発明における融点、ガラス転移点とは、具体的に次のような手順で決定される。測定装置として島津製作所製TA−60WS、及びDSC−60を用い、次に示す測定条件で測定した。
測定条件
サンプル容器:アルミニウム製サンプルパン(フタあり)
サンプル量:5mg
リファレンス:アルミニウム製サンプルパン(アルミナ10mg)
雰囲気:窒素(流量50ml/min)
温度条件
開始温度:20℃
昇温速度:10℃/min
終了温度:150℃
保持時間:なし
降温温度:10℃/min
終了温度:−20℃
保持時間:なし
昇温速度:10℃/min
終了温度:150℃
(合成例7)
−第1の結着樹脂(1−B)の合成−
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した5リットルの四つ口フラスコにL−ラクチド850質量部、D−ラクチド150質量部、エチレングリコール10質量部、ジブチルスズオキシド0.2質量部を仕込み190℃で2時間反応させた後、1kPaにてさらに1時間反応させて非結晶性の[第1の結着樹脂(1−B)]を得た。
得られた第1の結着樹脂(1−B)のMwは12,000、Tgは51℃であった。
(合成例8)
―結晶性ポリエステル樹脂の合成―
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した5リットルの四つ口フラスコに、1,10−デカン二酸2300g、1、8−オクタンジオール2530g、ハイドロキノン4.9gを入れ、180℃で10時間反応させた後、200℃に昇温して3時間反応させ、さらに8.3kPaにて2時間反応させて[結晶性ポリエステル樹脂]を得た。
[結晶性ポリエステル樹脂]の融点は、64.8℃であった。
(合成例9)
−アニオン性樹脂微粒子の合成−
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業製)16部、スチレン83部、メタクリル酸83部、アクリル酸ブチル110部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[アニオン性樹脂微粒子分散液]を得た。[アニオン性樹脂微粒子分散液]の体積平均粒径(堀場製作所製 LA−920で測定)は38nm、重量平均分子量は420000、Tgは63℃であった。
[実施例1]
〜マスターバッチ(MB)の調製〜
水1000質量部、及びカーボンブラック(「Printex35」;デグサ社製、DBP吸油量=42ml/100g、pH=9.5)540質量部、及び第一の結着樹脂(東ソー社製ポリ乳酸 バイロエコールBE−410)1200質量部を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて混合した。
該混合物を二本ロールで150℃にて30分混練した後、圧延冷却し、パルペライザー(ホソカワミクロン社製)で粉砕して、マスターバッチを調製した
〜定着助剤の分散液作製〜
金属製2L容器に、前記[結晶性ポリエステル樹脂]を100g、酢酸エチル400gを入れ、75℃で加熱溶解させた後、氷水浴中で27℃/分の速度で急冷した。これにガラスビーズ(3mmφ)500mlを加え、バッチ式サンドミル装置(カンペハピオ社製)で10時間粉砕を行い、[結晶性ポリエステル分散液]を得た。
〜油相の調製〜
ビーカー内に、第一の結着樹脂(1−A)(ポリ乳酸:東ソー社製バイロエコールBE−410)を50質量部、前記第二の結着樹脂Aを50質量部、酢酸エチル130質量部、前記結晶性ポリエステル分散液25質量部を、攪拌又し溶解させた。
次いで、カルナウバワックス(分子量=1,800、酸価=2.5、針入度=1.5mm(40℃))10質量部、及び前記マスターバッチ10質量部を仕込み、ビーズミル(「ウルトラビスコミル」;アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/s、及び0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で3パスして原料溶解液を調製し、[トナー材料の溶解乃至分散液]を調製した。
これを[油相]とする。
〜水系媒体相の調製〜
水660質量部、前記アニオン性樹脂微粒子分散液 25質量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5質量%の水溶液(「エレミノールMON−7」;三洋化成工業製)25質量部、及び酢酸エチル60質量部を混合撹拌し、乳白色の水系媒体(水相)を得た。
前記水系媒体を、TK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用い、回転数8000rpmで攪拌すると該凝集体がほぐれ、数μmの小凝集体に分散できることを光学顕微鏡によって確認した。
〜乳化乃至分散液の調製〜
前記[水系媒体]150質量部を容器に入れ、TK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用い、回転数12,000rpmで攪拌し、これに前記[トナー材料の溶解乃至分散液]100質量部を添加し、10分間混合して乳化乃至分散液を調製した。
これを[乳化スラリー]とする。
〜有機溶媒の除去〜
脱気用配管、攪拌機及び温度計をセットしたフラスコに、前記乳化スラリー100質量部を仕込み、攪拌周速20m/分で攪拌しながら30℃にて12時間減圧下、脱溶剤し[脱溶剤スラリー]とした。
〜洗浄〜
前記[脱溶剤スラリー]全量を、減圧濾過した後、濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合、再分散(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過する操作を3回行い、再分散したスラリーの伝導度が0.1μS/cm以上且つ10μS/cm以下になったところで[洗浄スラリー]とした。
〜加熱処理〜
攪拌機及び温度計をセットしたフラスコに、得られた[洗浄スラリー]を攪拌周速20m/分で攪拌しながら50℃で60分間攪拌下、加熱処理しトナー表面に付着した微粒子B1を固定化処理した後濾過した。
〜乾燥〜
得られた濾過ケーキを順風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、[トナー母体粒子a]を得た。
〜外添処理〜
[トナー母体粒子a]100質量部に対して、平均粒径100nmの疎水性シリカ0.6質量部と、平均粒径20nmの酸化チタン1.0質量部と、平均粒径15nmの疎水性シリカ微粉体を0.8部とをヘンシェルミキサーにて混合し、[トナーa]を得た。
−キャリアの作製−
トルエン100質量部に、シリコーン樹脂(オルガノストレートシリコーン)100質量部、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン5質量部、及びカーボンブラック10質量部を添加し、ホモミキサーで20分間分散させて、樹脂層塗布液を調製した。流動床型コーティング装置を用いて、平均粒径50μmの球状マグネタイト1000質量部の表面に樹脂層塗布液を塗布して、キャリアを作製した。
−現像剤の作製−
ボールミルを用いて、[トナーa]5質量部とキャリア95質量部を混合し、現像剤を作製した。
次に、作製した現像剤を用いて、以下のようにして諸特性の評価を行った。結果を表3,4に示す。
<低温定着性>
定着ローラとして、テフロン(登録商標)ローラを使用した複写機(MF−200、株式会社リコー製)の定着部を改造した装置を用いて、タイプ6200紙(株式会社リコー製)をセットし、定着ローラの温度を5℃刻みで変化させて、複写テストを行った。定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ローラの温度の最小値を定着下限温度とした。
定着下限温度は、消費電力が抑えられることから、低いことが好ましく、130℃以上では問題の発生する可能性が高いので130℃より高いものを×として判定した。
〔評価基準〕
〔定着上限温度の評価基準〕
◎:定着上限温度が190℃以上
○:定着上限温度が180℃以上190℃未満
△:定着上限温度が170℃以上180℃未満
×:定着上限温度が170℃未満
〔定着下限温度の評価基準〕
◎:定着下限温度が110℃未満
○:定着下限温度が120℃以上130℃未満
△:定着下限温度が120以上130℃未満
×:定着下限温度が130℃以上
<耐熱保存性>
50mlのガラス容器にトナーを充填し、50℃の恒温槽に24時間放置した後、24℃に冷却し、針入度試験(JIS K2235−1991)により、針入度を測定し、下記基準により耐熱保存性を評価した。なお、針入度が大きい程、耐熱保存性が優れていることを意味し、針入度が5mm未満であるもの(×)は、使用上、問題が発生する可能性が高い。
〔評価基準〕
○:針入度15mm以上25mm未満
△:針入度5mm以上15mm未満
×:針入度5mm未満
[実施例2]
実施例1の油相の調製において、第二の結着樹脂Aを第二の結着樹脂Bに代えた以外は、実施例1と同様にして、実施例2のトナーbを作製した。
[実施例3]
実施例1の油相の調製において、第二の結着樹脂Aを第二の結着樹脂Cに代えた以外は、実施例1と同様にして、実施例3のトナーcを作製した。
[実施例4]
実施例1の油相の調製において、結晶性ポリエステル分散液を添加しない以外は、実施例1と同様にして、実施例4のトナーdを作製した。
[実施例5]
実施例2の定着助剤分散液の調製において、結晶性ポリエステルをN−ステアリルオレイン酸アマイド(日本化成株式会社製ニッカアマイドSO、融点67℃)に変えた以外は、実施例1と同様にして、実施例5のトナーeを作製した。
参考例6]
実施例1の油相の調製において、第1の結着樹脂を[東ソー社製バイロエコールBE−410]から[第1の結着樹脂B]に変え、添加量を100質量部に変更し、結晶性ポリエステル分散液及び第二の結着樹脂Aを添加しない以外は、実施例1と同様にして、参考例6のトナーfを作製した。
参考例7]
実施例1の油相の調製において、第1の結着樹脂を[東ソー社製バイロエコールBE−410]から[第1の結着樹脂B]に変え、添加量を100質量部に変更し、第二の結着樹脂Aを添加しない以外は、実施例1と同様にして、参考例7のトナーgを作製した。
[実施例8]
実施例2の油相の調製において、第1の結着樹脂を[東ソー社製バイロエコールBE−410]から[第1の結着樹脂B]に変え、結晶性ポリエステル分散液を添加しない以外は、実施例2と同様にして、実施例8のトナーhを作製した。
[実施例9]
実施例2の油相の調製において、第1の結着樹脂を[東ソー社製バイロエコールBE−410]から[第1の結着樹脂B]に変えた以外は、実施例2と同様にして、実施例9のトナーiを作製した。
[比較例1]
実施例1の油相の調製において、第二の結着樹脂Aを、第二の結着樹脂Dに代えた以外は、実施例1と同様にして、比較例1のトナーjを作製した。
[比較例2]
実施例1の油相の調製において、第二の結着樹脂Aを第二の結着樹脂Eに代えた以外は、実施例1と同様にして、比較例2のトナーkを作製した。
[比較例3]
実施例1の油相の調製において、第二の結着樹脂Aを第二の結着樹脂Fに代えた以外は、実施例1と同様にして、比較例3のトナーlを作製した。
[比較例4]
実施例1のマスターバッチ(MB)の調製及び油相の調製において第二の結着樹脂(東ソー社製ポリ乳酸 バイロエコールBE−410)をポリスチレンに代えた以外は、実施例1と同様にして、比較例4のトナーmを作製した。
[比較例5]
実施例1のマスターバッチ(MB)の調製及びトナー材料相の調製において第一の結着樹脂(東ソー社製ポリ乳酸 バイロエコールBE−410)を、前記結着樹脂Aに代えた以外は、実施例1と同様にして、比較例5のトナーnを作製した。
[比較例6]
実施例1の油相の調製において、第1の結着樹脂[東ソー社製バイロエコールBE−410]の添加量を100質量部に変更し、結晶性ポリエステル分散液及び第二の結着樹脂Aを添加しない以外は、実施例1と同様にして、比較例6のトナーoを作製した。
[比較例7]
実施例1の油相の調製において、第1の結着樹脂[東ソー社製バイロエコールBE−410]の添加量を100質量部に変更し、第二の結着樹脂Aを添加しない以外は、実施例1と同様にして、比較例7のトナーpを作製した。
トナーb〜トナーpを実施例1と同様にして評価した。評価結果を表3、表4に示す。
上記のとおり、実施例1〜5では、定着性、耐熱保存性共に優れたトナーが得られた。特に、実施例2では第二の結着樹脂の融点が好ましい範囲であり、定着性、耐熱保存性の両立において最も優れた効果が確認された。
参考例6〜7、及び実施例〜9は、テトラヒドロフラン可溶分の重量平均分子量が小さく、定着上限及び低熱保存性が実施例1〜5よりも低下した。
比較例1では、第二の結着樹脂の融点が発現せず常温で液状であることからトナーの耐熱保存性に劣る結果となった。
比較例2では、第二の結着樹脂の融点が低すぎることからトナーの粘弾性が低下しすぎてしまい十分な定着上限温度を得ることができなかった。
比較例3では、比較例2とは対照的に第二の結着樹脂の融点が高すぎることから十分な低温定着性が得られなかった。
比較例5では第一の結着樹脂が含まれないことからトナーの粘弾性が低すぎ、耐熱保存性に劣る結果となった。
比較例6、7は、1/2流出温度が高く定着下限が劣るものであった。
特開平4−179967号公報 特許第2597452号公報 特開2006−91278号公報 特開2006−285150号公報 特許第3344214号公報 特許第3455523号公報 特開2008−262179号公報 特開2010−14757号公報 特開2011−149999号公報

Claims (8)

  1. 結着樹脂と着色剤を含有するトナー粒子を含む静電荷像現像用トナーであって、
    前記結着樹脂は第一の結着樹脂と第二の結着樹脂とを含むものであり、
    前記第一の結着樹脂は主鎖にポリヒドロキシカルボン酸骨格を有し、
    前記第二の結着樹脂は、非結晶性樹脂ユニットと結晶性樹脂ユニットとを有し、かつ融点が50℃以上80℃以下の共重合体であり、前記非結晶性樹脂ユニットが主鎖にポリヒドロキシカルボン酸骨格を有し、
    前記静電荷像現像用トナーは高架式フローテスタの昇温法による1/2流出温度が80℃以上120℃以下であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. 前記第二の結着樹脂中の結晶性樹脂ユニットが結晶性ポリエステルであることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 前記静電荷像現像用トナーは、さらに定着助剤を含有するものであることを特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 前記定着助剤は結晶性ポリエステル樹脂を含むものであり、該結晶性ポリエステル樹脂の融点が前記第二の結着樹脂の融点±15℃であることを特徴とする請求項3に記載の静電荷像現像用トナー。
  5. ゲル浸透クロマトグラフィーで測定される前記静電荷像現像用トナーのテトラヒドロフラン可溶分の重量平均分子量が、20,000〜50,000であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  6. 前記第二の結着樹脂は、結晶性樹脂ユニットを20wt%以上80wt%以下含むものであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーを含むことを特徴とする現像剤。
  8. 電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、前記帯電された電子写真感光体上に静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像を形成された電子写真感光体上に静電荷像現像用トナーを用いてトナー像を形成する現像手段とを有する画像形成装置であって、
    前記静電荷像現像用トナーは請求項1乃至6のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーであることを特徴とする画像形成装置。
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