JP2013076975A - 電子写真用トナー、及び該トナーを用いた現像剤、画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも昇温速度5℃/分での示差走査熱量計におけるガラス転移温度が二箇所Tg1およびTg2に観察される結着樹脂を含有し、Tg1は−20℃〜20℃、Tg2は35℃〜65℃の範囲であって、それぞれのガラス転移に伴うベースラインの差h1およびh2の比率h1/h2が1.0未満であり、該結着樹脂のタッピングモードAFMによって観察される位相像において、位相像を、該位相像における位相差の最大値と位相差の最小値との中間値で二値化処理した二値化像において、位相差の大きい部位からなる第一の位相差像と、位相差の小さい部位からなる第二の位相差像とを有し、前記第一の位相差像が前記第二の位相差像中に分散された構造をとる電子写真用トナー。
【選択図】図1
Description
本発明は、前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。
(1)昇温速度5℃/分での示差走査熱量計におけるガラス転移温度がTg1およびTg2の二箇所に観察される結着樹脂を含有するトナーであって、Tg1は−20℃〜20℃の範囲であり、Tg2は35℃〜65℃の範囲であって、それぞれのガラス転移に伴うベースラインの差h1およびh2の比率h1/h2が1.0未満であり、かつ、該結着樹脂のタッピングモードAFMによって観察される位相像を、該位相像における位相差の最大値と位相差の最小値との中間値で二値化処理した二値化像において、位相差の大きい部位からなる第一の位相差像と、位相差の小さい部位からなる第二の位相差像とを有し、前記第一の位相差像が前記第二の位相差像中に分散された構造をとることを特徴とする電子写真用トナー。
(2)前記位相差の大きい部位からなる第一の位相差像の分散相における最大フェレ径の平均が100nm未満であることを特徴とする前記(1)に記載の電子写真用トナー。
(3)前記結着樹脂がポリエステル骨格を有し、少なくとも、ヒドロキシカルボン酸が脱水縮合された構成単位を繰返し構造に有するポリエステル骨格Aと、ヒドロキシカルボン酸が脱水縮合された構成単位を繰り返し構造に含まない骨格Bとを、ブロック共重合させてなることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の電子写真用トナー。
(4)前記ヒドロキシカルボン酸が脱水縮合された構成単位を繰り返し構造に含まない骨格Bがヒドロキシカルボン酸が脱水縮合された構成単位を繰り返し構造に含まないポリエステルであり、該ポリエステルが分岐構造を有することを特徴とする前記(3)に記載の電子写真用トナー。
(5)前記ヒドロキシカルボン酸が脱水縮合された構成単位を繰り返し構造に含まないポリエステルの酸成分において、三価以上の多価カルボン酸が1.5mol%以上含有されてなることを特徴とする前記(4)に記載の電子写真用トナー。
(6)前記ヒドロキシカルボン酸が脱水縮合された構成単位を繰返し構造に有するポリエステル骨格Aが、L−ラクチドとD−ラクチドの混合物を開環重合して得られたものであることを特徴とする前記(3)〜(5)のいずれかに記載の電子写真用トナー。
(7)前記結着樹脂における骨格Bの質量比率が25%以上50%以下であることを特徴とする前記(3)〜(6)のいずれかに記載の電子写真用トナー。
(8)前記結着樹脂における骨格Bの数平均分子量Mn(B)が3000以上5000以下であることを特徴とする前記(3)〜(7)のいずれかに記載の電子写真用トナー。
(9)前記結着樹脂の数平均分子量Mnが20000以下であることを特徴とする前記(1)〜(8)のいずれかに記載の電子写真用トナー。
(10)前記(1)〜(9)のいずれかに記載の電子写真用トナーを含むことを特徴とする現像剤。
(11)静電潜像担持体と、該静電潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像を現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、前記現像剤が、前記(10)に記載の現像剤であることを特徴とする画像形成装置。
本発明のトナーは、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含み、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
本発明に係るトナー用結着樹脂は、有機溶剤に可溶な結着樹脂であって、少なくとも昇温速度5℃/分での示差走査熱量計におけるガラス転移温度がTg1およびTg2の二箇所に観察され、Tg1は−20℃〜20℃の範囲であり、Tg2は35℃〜65℃の範囲であって、それぞれのガラス転移に伴うベースラインの差h1およびh2の比率h1/h2が1.0未満であり、かつ、結着樹脂のタッピングモードAFMによって観察される位相像を、該位相像における位相差の最大値と位相差の最小値との中間値で二値化処理した二値化像において、位相差の大きい部位からなる第一の位相差像と、位相差の小さい部位からなる第二の位相差像とを有し、前記第一の位相差像が前記第二の位相差像中に分散された構造をとることを特徴とする。前記位相差の大きい部位からなる第一の位相差像の分散相における最大フェレ径の平均が100nm未満であることが好ましい。
尚、本発明において結着樹脂のAFMによって観察される位相像の二値化像において、前記第一の位相差像が前記第二の位相差像中に分散された構造をとるとは、二値化像において、ドメイン間の境界が規定でき、第一の位相差像の分散相におけるフェレ径が規定できることを言う。二値化像における第一の位相差像が、画像ノイズか位相差像かの判別が難しい微小粒径となる場合や、明確なフェレ径を規定できない場合は「分散された構造ではない」と判断する。第一の位相差像は画像ノイズに埋もれて、ドメイン間の境界が規定できない場合、フェレ径が規定できなくなる。
X(%)=|X(L体)−X(D体)|
〔ただし、X(L体)は乳酸モノマー換算でのL体比率(%)、X(D体)は乳酸モノマー換算でのD体比率(%)を表す。〕
X(L体)% = 100× S(L)/(S(L)+S(D))
X(D体)% = 100× S(D)/(S(L)+S(D))
光学純度X% = |X(L体)−X(D体)|
なお、当然のことながら、原料で用いているL体、D体は光学異性体であり、光学異性体は、光学特性以外の物理的、化学的性質は同じであるため、重合に用いた場合その反応性は等しく、モノマーの成分比と重合体におけるモノマーの成分比は同じとなる。
上記光学純度が80%以下であると、溶剤溶解性、樹脂の透明性が向上するため好ましい。
A−(OH)m ・・・ 一般式(1)
ただし、前記一般式(1)中、Aは炭素数1〜20のアルキル基、アルキレン基、置換基を有していてもよい芳香族基若しくはヘテロ環芳香族基を表す。mは2〜4の整数を表す。
B−(COOH)n ・・・ 一般式(2)
ただし、前記一般式(2)式中、Bは炭素数1〜20のアルキル基、アルキレン基、置換基を有していてもよい芳香族基若しくはヘテロ環芳香族基を表す。nは2〜4の整数を表す。
1st Heating:30℃〜220℃、5℃/min.、220℃到達後1分保持
冷却 :温度制御なしで−60℃までクエンチ、−60℃到達後1分保持
2nd Heating:−60℃〜180℃、5℃/min.
・切削厚み:60nm
・切削速度:0.4mm/sec
・ダイヤモンドナイフ(Ultra Sonic 35°)使用
・ target amplitude:0.5V
・ target percent:-5%
・ amplitude setpoint:315mV
・ scan rate:1Hz
・ scan points:256×256
・ scan angle:0°
前記最大フェレ径の平均値は100nm未満であることが好ましく、20nm以上であることがより好ましい。更に好ましくは30nm以上70nm以下である。前記最大フェレ径の平均値が100nm以上になると、保管時にトナーブロッキングが生じやすくなりやすく、20nm未満であると、低温定着性が悪化する場合がある。
なお、図2に本発明における代表的な結着樹脂である実施例1で用いた結着樹脂1の位相像を示し、この位相像に前記二値化処理を施した二値化像を図3に示した。図3中、明るい領域は位相差が大きい部位からなる第一の位相差像(位相差の大きい像)であり、暗い領域が位相差が小さい部位からなる第二の位相差像(位相差の小さい像)に相当する。
また、前記結着樹脂の数平均分子量は20000以下であることが好ましく、8000〜15000であることがより好ましい。数平均分子量が20000を超えると定着性が損なわれると共に、溶剤への溶解性も低下することがあり好ましくない。
トナーにおける前記結着樹脂の含有量は60wt%以上が好ましく、さらに好ましくは80wt%以上である。60wt%より少ないと、低温定着性やトナーブロッキング性が著しく損なわれる場合がある。
前記着色剤としては、特に制限はなく、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、離型剤、帯電制御剤、無機微粒子、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料、などが挙げられる。
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、融点が50℃〜120℃の低融点の離型剤が好ましい。低融点の離型剤は、前記樹脂と分散されることにより、離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これによりオイルレス(定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布しない)でもホットオフセット性が良好である。
前記離型剤の溶融粘度としては、該ワックスの融点より20℃高い温度での測定値として、5cps〜1000cpsが好ましく、10cps〜100cpsがより好ましい。前記溶融粘度が、5cps未満であると、離型性が低下することがあり、1,000cpsを超えると、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果が得られなくなることがある。
前記離型剤の前記トナーにおける含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、40質量%以下が好ましく、3質量%〜30質量%がより好ましい。前記含有量が、40質量%を超えると、トナーの流動性が悪化することがある。
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、公知のもの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又はその化合物、タングステンの単体又はその化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸の金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記帯電制御剤は、市販品を使用してもよく、該市販品としては、例えば、ニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(いずれも、オリエント化学工業株式会社製);第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(いずれも、保土谷化学工業株式会社製);第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(いずれも、ヘキスト社製);LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット株式会社製);銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物、などが挙げられる。
前記無機微粒子は、トナー粒子に流動性、現像性、帯電性等を付与するための外添剤として使用することができる。
前記無機微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記無機微粒子の一次粒子径としては、5nm〜2μmが好ましく、5nm〜500nmがより好ましい。
前記無機微粒子の前記トナーにおける含有量としては、0.01質量%〜5.0質量%が好ましく、0.01質量%〜2.0質量%がより好ましい。
前記流動性向上剤は、表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止可能なものを意味し、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル、などが挙げられる。前記シリカ、前記酸化チタンは、このような流動性向上剤により表面処理行い、疎水性シリカ、疎水性酸化チタンとして使用するのが特に好ましい。
前記クリーニング性向上剤は、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するために前記トナーに添加され、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子、などが挙げられる。該ポリマー微粒子は、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、体積平均粒径が0.01μm〜1μmのものが好適である。
前記磁性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、鉄粉、マグネタイト、フェライト、等が挙げられる。これらの中でも、色調の点で白色のものが好ましい。
本発明のトナー製造方法としては、トナー材料の溶解乃至分散液を水系媒体中に乳化乃至分散させて乳化乃至分散液を調製した後トナーを造粒することによるものが好ましく、以下の工程(1)〜(6)より成ることが好ましい。
前記トナー材料の溶解乃至分散液は前記トナー材料を有機溶剤に溶解乃至分散させてなる。
前記トナー材料としては、トナーを形成可能である限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、前記結着樹脂を少なくとも含み、更に必要に応じて、離型剤、着色剤、帯電制御剤等の前記その他の成分を含んでなる。
前記トナー材料の溶解乃至分散液は、前記トナー材料を前記有機溶剤に溶解乃至分散させて調製することで得られる。なお、前記有機溶剤は、トナーの造粒時乃至造粒後に除去される。
前記有機溶剤の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記トナー材料100質量部に対し、40質量部〜300質量部が好ましく、60質量部〜140質量部がより好ましく、80質量部〜120質量部が更に好ましい。
前記水系媒体としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、水、該水と混和可能な溶剤、これらの混合物、などが挙げられるが、これらの中でも、水が特に好ましい。
前記水と混和可能な溶剤としては、前記水と混和可能であれば特に制限はなく、例えば、アルコール、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類、低級ケトン類、などが挙げられる。
前記アルコールとしては、例えば、メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール等が挙げられる。前記低級ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記水系媒体の調製は、例えば、樹脂微粒子を前記水系媒体に分散させることにより行うことができる。該樹脂微粒子の該水系媒体中の添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.5質量%〜10質量%が好ましい。
前記樹脂微粒子としては、水系媒体中で水性分散液を形成しうる樹脂であれば特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができ、熱可塑性樹脂であってもよいし、熱硬化性樹脂でもよく、例えば、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂、などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも微細な球状の樹脂粒子の水性分散液が得られ易い点で、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂及びポリエステル樹脂から選択される少なくとも1種で形成されているのが好ましい。
なお、前記ビニル樹脂は、ビニルモノマーを単独重合又は共重合したポリマーであり、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−アクリル酸エステル重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、などが挙げられる。
前記少なくとも2つの不飽和基を持つ単量体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(「エレミノールRS−30」;三洋化成工業株式会社製)、ジビニルベンゼン、1,6−ヘキサンジオールアクリレートなどが挙げられる。
前記分散剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、界面活性剤、難水溶性の無機化合物分散剤、高分子系保護コロイド、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、界面活性剤が好ましい。
前記陰イオン界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステル、フルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤等が挙げられ、フルオロアルキル基を有するものが好適に挙げられる。前記フルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、例えば、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸又はその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルキル(炭素数6〜11)オキシ]−1−アルキル(炭素数3〜4)スルホン酸ナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルカノイル(炭素数6〜8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(炭素数11〜20)カルボン酸又はその金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(炭素数7〜13)又はその金属塩、パーフルオロアルキル(炭素数4〜12)スルホン酸又はその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(炭素数6〜16)エチルリン酸エステル等が挙げられる。該フルオロアルキル基を有する界面活性剤の市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子株式会社製);フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M株式会社製);ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業株式会社製);メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ化学工業株式会社製);エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204(ト−ケムプロダクツ社製);フタージェントF−100、F150(ネオス社製)等が挙げられる。
前記カチオン界面活性剤の市販品としては、例えば、サーフロンS−121(旭硝子株式会社製);フロラードFC−135(住友3M株式会社製);ユニダインDS−202(ダイキン工業株式会社製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ化学工業株式会社製);エクトップEF−132(ト−ケムプロダクツ社製);フタージェントF−300(ネオス社製)等が挙げられる。
前記両性界面活性剤としては、例えば、アラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシン、N−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタイン等が挙げられる。
前記高分子系保護コロイドとしては、例えば、酸類、水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、ビニルアルコール又はビニルアルコールとのエーテル類、ビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、アミド化合物又はこれらのメチロール化合物、クロライド類、窒素原子若しくはその複素環を有するもの等のホモポリマー又は共重合体、ポリオキシエチレン系、セルロース類、等が挙げられる。
前記酸類としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等が挙げられる。
前記ビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等が挙げられる。
前記アミド化合物又はこれらのメチロール化合物としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド酸、又はこれらのメチロール化合物、などが挙げられる。
前記クロライド類としては、例えば、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライド等が挙げられる。
前記ポリオキシエチレン系としては、例えば、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステル等が挙げられる。
前記セルロース類としては、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。
該分散安定剤としては、例えば、リン酸カルシウム塩等の酸、アルカリに溶解可能なもの等が挙げられる。
また、前記溶解乃至分散液の結着樹脂として活性水素基含有化合物と反応可能な変性ポリエステル(プレポリマー)を含む場合においては、前記水系媒体中に例えばジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどの該反応における触媒を用いることもできる。
前記トナー材料の溶解乃至分散液の前記水系媒体中への乳化乃至分散は、前記トナー材料の溶解乃至分散液を前記水系媒体中で攪拌しながら分散させるのが好ましい。該分散の方法としては、特に限定されるものではないが、ホモジナイザー(IKA社製)、ポリトロン(キネマティカ社製)、TKオートホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)等のバッチ式乳化機、エバラマイルダー(在原製作所製)、TKフィルミックス、TKパイプラインホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)、コロイドミル(神鋼パンテック株式会社製)、スラッシャー、トリゴナル湿式微粉砕機(三井三池化工機株式会社製)、キャピトロン(ユーロテック社製)、ファインフローミル(太平洋機工株式会社製)等の連続式乳化機、マイクロフルイダイザー(みずほ工業株式会社製)、ナノマイザー(ナノマイザー社製)、APVガウリン(ガウリン社製)等の高圧乳化機、膜乳化機(冷化工業株式会社製)等の膜乳化機、バイブロミキサー(冷化工業株式会社製)等の振動式乳化機、超音波ホモジナイザー(ブランソン社製)等の超音波乳化機等が挙げられる。中でも、粒径の均一化の観点から、APVガウリン、ホモジナイザー、TKオートホモミキサー、エバラマイルダー、TKフィルミックス、TKパイプラインホモミキサーを用いることが好ましい。
前記乳化乃至分散により得られた乳化スラリーから、前記有機溶剤を除去する。
前記有機溶剤の除去は、(1)反応系全体を徐々に昇温させて、前記油滴中の前記有機溶剤を完全に蒸発除去する方法、(2)乳化分散体を乾燥雰囲気中に噴霧して、油滴中の非水溶性有機溶剤を完全に除去してトナー微粒子を形成し、併せて水系分散剤を蒸発除去する方法、等が挙げられる。
前記有機溶剤の除去が行われると、トナー粒子が形成される。該トナー粒子に対し、洗浄、乾燥等を行うことができ、更にその後、所望により分級等を行うことができる。該分級は、例えば、液中でサイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことにより行うことができ、乾燥後に粉体として取得した後に分級操作を行ってもよい。なお、分散安定剤として前記水系媒体にリン酸カルシウム塩などの酸・アルカリに溶解可能なものを用いた場合には、塩酸などの酸によって該分散安定剤を溶解し、水洗いする法によりトナー粒子から除去することができる。
こうして、得られたトナー粒子を、必要に応じて、シリカ微粒子や酸化チタン微粒子等の無機微粒子、帯電制御剤等の粒子と共に混合したり、更に機械的衝撃力を印加することにより、該トナー粒子の表面から該離型剤等の粒子が脱離するのを防止することができる。
前記機械的衝撃力を印加する方法としては、例えば、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し加速させて粒子同士又は複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法、等が挙げられる。この方法に用いる装置としては、例えば、オングミル(ホソカワミクロン株式会社製)、I式ミル(日本ニューマチック株式会社製)を改造して粉砕エアー圧カを下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所製)、クリプトロンシステム(川崎重工業株式会社製)、自動乳鉢、等が挙げられる。
前記トナーにおける体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)としては、1.00〜1.25がより好ましい。
前記体積平均粒径と個数平均粒径との比(Dv/Dn)が、1.00未満であると、二成分現像剤では現像装置における長期の撹拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させたり、クリーニング性を悪化させることがあり、また、一成分現像剤では、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するため、ブレード等の部材へのトナー融着が発生し易くなることがあり、1.30を超えると、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなり、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなることがある。
前記体積平均粒径、及び、前記体積平均粒径と個数平均粒子径との比(Dv/Dn)は、例えば、ベックマン・コールター社製の粒度測定器「マルチサイザーII」を用いて測定することができる。
前記針入度が、15mm未満であると、耐熱保存性が悪化することがある。
前記針入度は、JIS K2235−1991に従って測定することができ、具体的には、50mlのガラス容器にトナーを充填し、50℃の恒温槽に20時間放置する。このトナーを室温まで冷却し、針入度試験を行うことにより針入度を測定することができる。
なお、本発明における針入度とは貫入量の深さをmmで示した値を指す。前記針入度の値が大きいほど、前記耐熱保存性が優れることを示している。
なお、定着下限温度は、例えば、画像形成装置を用い、転写紙をセットし、複写テストを行い、得られた定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ロール温度を定着下限温度としたものである。
前記オフセット未発生温度は、例えば、画像形成装置を用いて、転写紙をセットし、イエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックの各単色、及び中間色としてレッド、ブルー、及びグリーンのベタ画像を各単色で現像されるように調整し、定着ベルトの温度が可変となるように調整して、オフセットの発生しない温度を測定することにより求めることができる。
本発明の現像剤は、本発明の前記トナーを少なくとも含有してなり、キャリア等の適宜選択したその他の成分を含有してなる。該現像剤としては、一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよいが、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンタ等に使用する場合には、寿命向上等の点で前記二成分現像剤が好ましい。
本発明の前記トナーを用いた前記一成分現像剤の場合、トナーの収支が行われても、トナーの粒子径の変動が少なく、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化する為のブレード等の部材へのトナーの融着がなく、現像装置の長期の使用(撹拌)においても、良好で安定した現像性及び画像が得られる。また、本発明の前記トナーを用いた前記二成分現像剤の場合、長期にわたるトナーの収支が行われても、現像剤中のトナー粒子径の変動が少なく、現像装置における長期の撹拌においても、良好で安定した現像性が得られる。
前記芯材の材料としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、50emu/g〜90emu/gのマンガン−ストロンチウム(Mn−Sr)系材料、マンガン−マグネシウム(Mn−Mg)系材料等が好ましく、画像濃度の確保の点では、鉄粉(100emu/g以上)、マグネタイト(75emu/g〜120emu/g)等の高磁化材料が好ましい。また、トナーが穂立ち状態となっている感光体への当りを弱くでき高画質化に有利である点で、銅−ジンク(Cu−Zn)系(30emu〜80emu/g)等の弱磁化材料が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよい、2種以上を併用してもよい。
前記芯材の粒径としては、体積平均粒径で、10μm〜150μmが好ましく、20μm〜80μmがより好ましい。
前記平均粒径(体積平均粒径(D50))が、10μm未満であると、キャリア粒子の分布において、微粉系が多くなり、1粒子当たりの磁化が低くなってキャリア飛散を生じることがあり、150μmを超えると、比表面積が低下し、トナーの飛散が生じることがあり、ベタ部分の多いフルカラーでは、特にベタ部の再現が悪くなることがある。
前記樹脂層は、例えば、前記シリコーン樹脂等を溶剤に溶解させて塗布溶液を調製した後、該塗布溶液を前記芯材の表面に公知の塗布方法により均一に塗布し、乾燥した後、焼付を行うことにより形成することができる。前記塗布方法としては、例えば、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法、等が挙げられる。
前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、セルソルブチルアセテート、等が挙げられる。
前記焼付としては、特に制限はなく、外部加熱方式であってもよいし、内部加熱方式であってもよく、例えば、固定式電気炉、流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉等を用いる方法、マイクロウエーブを用いる方法、などが挙げられる。
前記現像剤が前記二成分現像剤である場合、前記キャリアの該二成分現像剤における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、90質量%〜98質量%が好ましく、93質量%〜97質量%がより好ましい。
本発明で用いるプロセスカートリッジは、静電潜像を担持する静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に担持された静電潜像を、現像剤を用いて現像し可視像を形成する現像手段とを、少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段を有してなる。
前記現像手段としては、本発明の前記現像剤を収容する現像剤収容器と、該現像剤収容器内に収容された現像剤を担持しかつ搬送する現像剤担持体とを、少なくとも有してなり、更に、担持させるトナー層厚を規制するための層厚規制部材等を有していてもよい。
前記プロセスカートリッジは、各種電子写真方式の画像形成装置に着脱可能に備えさせることができ、後述する本発明で用いる画像形成装置に着脱可能に備えさせるのが好ましい。
次に、図5に示すプロセスカートリッジによる画像形成プロセスについて示すと、静電潜像担持体101は、矢印方向に回転しながら、帯電手段102による帯電、露光手段(不図示)による露光103により、その表面に露光像に対応する静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像手段104で現像され、得られた可視像は転写手段108により、記録媒体105に転写され、プリントアウトされる。次いで、像転写後の静電潜像担持体表面は、クリーニング手段107によりクリーニングされ、更に除電手段(不図示)により除電されて、再び、以上の操作を繰り返すものである。
本発明に係る画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程、制御工程等を含む。
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
前記静電潜像担持体(「電子写真感光体」、「感光体」、「像担持体」と称することがある)としては、その材質、形状、構造、大きさ、等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、その形状としてはドラム状が好適に挙げられ、その材質としては、例えばアモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体(OPC)、などが挙げられる。これらの中でも、長寿命性の点でアモルファスシリコン等が好ましい。
前記静電潜像形成手段は、例えば前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電器(帯電手段)と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光器(露光手段)とを少なくとも備える。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、などが挙げられる。
また、前記帯電器としては、静電潜像担持体に接触乃至非接触状態で配置され、直流及び交流電圧を重畳印加することによって静電潜像担持体表面を帯電するものが好ましい。
また、前記帯電器が、静電潜像担持体にギャップテープを介して非接触に近接配置された帯電ローラであり、該帯電ローラに直流並びに交流電圧を重畳印加することによって静電潜像担持体表面を帯電するものが好ましい。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、などの各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
前記現像工程は、前記静電潜像を、本発明の前記トナー又は現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を本発明の前記トナー乃至現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、例えば、本発明の前記トナー乃至現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、本発明の前記トナー乃至現像剤を収容し、前記静電潜像に該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられる。
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記静電潜像担持体(感光体)を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。
なお、前記記録媒体としては、特に制限はなく、公知の記録媒体(記録紙)の中から適宜選択することができる。
前記定着装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組合せ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せ、などが挙げられる。
前記定着装置が、発熱体を具備する加熱体と、該加熱体と接触するフィルムと、該フィルムを介して前記加熱体と圧接する加圧部材とを有し、前記フィルムと前記加圧部材の間に未定着画像を形成させた記録媒体を通過させて加熱定着する手段であることが好ましい。前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80℃〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体上に残留する前記電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
複写装置本体150には、無端ベルト状の中間転写体50が中央部に設けられている。そして、中間転写体50は、支持ローラ14、15及び16に張架され、図8中、時計回りに回転可能とされている。支持ローラ15の近傍には、中間転写体50上の残留トナーを除去するための中間転写体クリーニング装置17が配置されている。支持ローラ14と支持ローラ15とにより張架された中間転写体50には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの画像形成手段18が対向して並置されたタンデム型現像器120が配置されている。タンデム型現像器120の近傍には、露光装置21が配置されている。中間転写体50における、タンデム型現像器120が配置された側とは反対側には、二次転写装置22が配置されている。二次転写装置22においては、無端ベルトである二次転写ベルト24が一対のローラ23に張架されており、二次転写ベルト24上を搬送される記録媒体(転写紙)と中間転写体50とは互いに接触可能である。二次転写装置22の近傍には定着装置25が配置されている。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26と、これに押圧されて配置された加圧ローラ27とを備えている。
なお、タンデム画像形成装置においては、二次転写装置22及び定着装置25の近傍に、転写紙の両面に画像形成を行うために該転写紙を反転させるためのシート反転装置28が配置されている。
[実施例及び比較例で用いた成分の各物性値の測定方法]
(分子量の測定)
装 置:GPC(東ソー(株)製)、 検出器:RI、測定温度:40℃、
移動相:テトラヒドロフラン、 流 量:0.45mL/min.
分子量Mn、Mw、は分子量既知のポリスチレン試料によって作成した検量線を標準としてGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)にて測定される数平均分子量、重量平均分子量である。
装置:DSC(TAインスツルメンツ社製、Q2000)
試料5〜10mgをアルミ製の簡易密閉パンに充填したものを以下の測定フローに供した。
1st Heating:30℃〜220℃、5℃/min.、220℃到達後1分保持
冷却 :温度制御なしで−60℃までクエンチ、−60℃到達後1分保持
2nd Heating:−60℃〜180℃、5℃/min.
ガラス転移温度は、2nd HeatingのサーモグラムにおいてASTM D3418/82に記載される方法に基づいてミッドポイントによるガラス転移温度を求めて評価を行った。このとき、観察される低温側のガラス転移温度をTg1、高温側のガラス転移温度をTg2とした。
装置:AFM(アサイラムテクノロジー社製 MFP−3D)
・ カンチレバー:OMCL-AC240TS-C3target amplitude:0.5V
・ target percent:-5%
・ amplitude setpoint:315mV
・ scan rate:1Hz
・ scan points:256×256
・ scan angle:0°
結着樹脂をライカ製ウルトラミクロトーム ULTRACUT UCTを用いて以下の条件で結着樹脂のブロックを切断して切片を出したものを用いて観察した。
・切削厚み:60nm
・切削速度:0.4mm/sec
・ダイヤモンドナイフ(Ultra Sonic 35°)使用
得られたAFM位相像について、該位相像における位相差の最大値と位相差の最小値との中間値で二値化処理した二値化像を作成し、300nm四方の範囲における画像10点のうち位相差の大きい部位からなる第一の位相差像(すなわち軟質・低Tgユニット)の最大フェレ径の大きいものから順に30点選んでその平均値を最大フェレ径の平均値として算出した。
結着樹脂1の合成
冷却管、撹拌機及び窒索導入管の付いた300mlの反応容器中に、アルコール成分、酸成分を表1に示すような比率で試薬全体の質量が250gとなるように加えた。その際、重合触媒として、チタンテトライソプロポキシド(1000ppm対樹脂成分)も合わせて投入した。窒素気下中、4時間程度で200℃まで昇温し、ついで、2時間かけて230℃に昇温し、流出成分がなくなるまで反応を行った。その後さらに、10mmHg〜15mmHgの減圧で5時間反応し「ポリエステル開始剤(1)」を得た。
得られた「ポリエステル開始剤(1)」の数平均分子量Mn・ガラス転移温度Tgを表2に記載した。
次いで、温度計、及び攪拌機の付いたオートクレーブ反応槽内に、前記「ポリエステル開始剤(1)」、L−ラクチド、及びD−ラクチドを、下記表2に記載の比率で投入し、更にテレフタル酸チタンを外割で1質量%添加し、窒素置換後160℃で6時間重合し、結着樹脂1を合成した。得られた結着樹脂1の分子量、ガラス転移温度を表3に記載した。
結着樹脂2の合成
製造例1におけるポリエステル開始剤(1)の仕込み量を表2記載の比率に変更した以外は製造例1と同様にして結着樹脂2を合成した。得られた結着樹脂2の分子量、ガラス転移温度を表3に記載した。
結着樹脂3の合成
製造例1におけるポリエステル開始剤(1)のアルコール成分、酸成分を表1に示すような比率に変更した以外は製造例1と同様にして「ポリエステル開始剤(2)」を得た。
得られた「ポリエステル開始剤(2)」の数平均分子量Mn・ガラス転移温度Tgを表2に記載した。
次いで、温度計、及び攪拌機の付いたオートクレーブ反応槽内に、前記「ポリエステル開始剤(2)」、L−ラクチド、及びD−ラクチドを、下記表2に記載の比率で投入し、更にテレフタル酸チタンを外割で1質量%添加し、窒素置換後160℃で6時間重合し、結着樹脂3を合成した。得られた結着樹脂3の分子量、ガラス転移温度を表3に記載した。
結着樹脂4の合成
製造例1におけるポリエステル開始剤(1)のアルコール成分、酸成分を表1に示すような比率に変更した以外は製造例1と同様にして「ポリエステル開始剤(3)」を得た。
得られた「ポリエステル開始剤(3)」の数平均分子量Mn・ガラス転移温度Tgを表2に記載した。
次いで、温度計、及び攪拌機の付いたオートクレーブ反応槽内に、前記「ポリエステル開始剤(3)」、L−ラクチド、及びD−ラクチドを、下記表2に記載の比率で投入し、更にテレフタル酸チタンを外割で1質量%添加し、窒素置換後160℃で6時間重合し、結着樹脂4を合成した。得られた結着樹脂4の分子量、ガラス転移温度を表3に記載した。
結着樹脂5の合成
製造例1におけるポリエステル開始剤(1)のアルコール成分、酸成分を表1に示すような比率に変更した以外は製造例1と同様にして「ポリエステル開始剤(4)」を得た。
得られた「ポリエステル開始剤(4)」の数平均分子量Mn・ガラス転移温度Tgを表2に記載した。
次いで、温度計、及び攪拌機の付いたオートクレーブ反応槽内に、前記「ポリエステル開始剤(4)」、L−ラクチド、及びD−ラクチドを、下記表2に記載の比率で投入し、更にテレフタル酸チタンを外割で1質量%添加し、窒素置換後160℃で6時間重合し、結着樹脂5を合成した。得られた結着樹脂5の分子量、ガラス転移温度を表3に記載した。
結着樹脂6の合成
製造例1におけるポリエステル開始剤(1)のアルコール成分、酸成分を表1に示すような比率に変更した以外は製造例1と同様にして「ポリエステル開始剤(5)」を得た。
得られた「ポリエステル開始剤(5)」の数平均分子量Mn・ガラス転移温度Tgを表2に記載した。
次いで、温度計、及び攪拌機の付いたオートクレーブ反応槽内に、前記「ポリエステル開始剤(5)」、L−ラクチド、及びD−ラクチドを、下記表2に記載の比率で投入し、更にテレフタル酸チタンを外割で1質量%添加し、窒素置換後160℃で6時間重合し、結着樹脂6を合成した。得られた結着樹脂6の分子量、ガラス転移温度を表3に記載した。
結着樹脂7の合成
製造例1におけるポリエステル開始剤(1)のアルコール成分、酸成分を表1に示すような比率に変更した以外は製造例1と同様にして「ポリエステル開始剤(6)」を得た。
得られた「ポリエステル開始剤(6)」の数平均分子量Mn・ガラス転移温度Tgを表2に記載した。
次いで、温度計、及び攪拌機の付いたオートクレーブ反応槽内に、前記「ポリエステル開始剤(6)」、L−ラクチド、及びD−ラクチドを、下記表2に記載の比率で投入し、更にテレフタル酸チタンを外割で1質量%添加し、窒素置換後160℃で6時間重合し、結着樹脂7を合成した。得られた結着樹脂7の分子量、ガラス転移温度を表3に記載した。
結着樹脂8の合成
製造例1におけるポリエステル開始剤(1)のアルコール成分、酸成分を表1に示すような比率に変更した以外は製造例1と同様にして「ポリエステル開始剤(7)」を得た。
得られた「ポリエステル開始剤(7)」の数平均分子量Mn・ガラス転移温度Tgを表2に記載した。
次いで、温度計、及び攪拌機の付いたオートクレーブ反応槽内に、前記「ポリエステル開始剤(7)」、L−ラクチド、及びD−ラクチドを、下記表2に記載の比率で投入し、更にテレフタル酸チタンを外割で1質量%添加し、窒素置換後160℃で6時間重合し、結着樹脂8を合成した。得られた結着樹脂8の分子量、ガラス転移温度を表3に記載した。
結着樹脂9の合成
製造例1におけるポリエステル開始剤(1)の仕込み量を表2記載の比率に変更した以外は製造例1と同様にして結着樹脂9を合成した。得られた結着樹脂9の分子量、ガラス転移温度を表3に記載した。
結着樹脂10の合成
製造例1におけるポリエステル開始剤(1)のアルコール成分、酸成分を表1に示すような比率に変更した以外は製造例1と同様にして「ポリエステル開始剤(8)」を得た。
得られた「ポリエステル開始剤(8)」の数平均分子量Mn・ガラス転移温度Tgを表2に記載した。
次いで、温度計、及び攪拌機の付いたオートクレーブ反応槽内に、前記「ポリエステル開始剤(8)」、L−ラクチド、及びD−ラクチドを、下記表2に記載の比率で投入し、更にテレフタル酸チタンを外割で1質量%添加し、窒素置換後160℃で6時間重合し、結着樹脂10を合成した。得られた結着樹脂10の数平均分子量Mn、ガラス転移温度Tgを表3に記載した。
結着樹脂11の合成
温度計、及び攪拌機の付いたオートクレーブ反応槽内に、開始剤として、ポリエステルポリオール(住友バイエルウレタン社製:デスモフェン1200 数平均分子量約1000、水酸基価165mgKOH/g)L−ラクチド、及びD−ラクチドを、下記表2に記載の比率で投入し、更にテレフタル酸チタンを外割で1質量%添加し、窒素置換後160℃で6時間重合し、結着樹脂11を合成した。得られた結着樹脂11の数平均分子量Mn、ガラス転移温度Tgを表3に記載した。
結着樹脂12の合成
冷却管、攪拌機、及び窒素導入管の付いた反応槽内に、1,2−プロピレングリコール43.8質量部、テレフタル酸ジメチルエステル44.8質量部、アジピン酸11.2質量部、及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート0.2質量部を入れ、窒素気流下にて180℃にて8時間、次いで、230℃にて4時間反応させた。更に5〜20mmHgの減圧下で反応させた後、軟化点が150℃になった時点で取り出した。取り出した樹脂を冷却後、粉砕して「ポリエステル開始剤(9)」を得た。得られた「ポリエステル開始剤(9)」の分子量・ガラス転移温度を表2に記載した。
次いで、温度計、及び攪拌機の付いたオートクレーブ反応槽内に、前記「ポリエステル開始剤(9)」、L−ラクチド、及びD−ラクチドを、下記表2に記載の比率で投入し、更にテレフタル酸チタンを外割で1質量%添加し、窒素置換後160℃で6時間重合し、結着樹脂12を合成した。得られた結着樹脂12の分子量、ガラス転移温度を表3に記載した。
結着樹脂13の合成
温度計、及び攪拌機の付いたオートクレーブ反応槽内に、開始剤として、ラウリルアルコール、L−ラクチド、及びD−ラクチドを、下記表2に記載の比率で投入し、更にテレフタル酸チタン1質量%を入れ、窒素置換後160℃で6時間重合し、結着樹脂13を合成した。得られた結着樹脂13の数平均分子量、ガラス転移温度Tgを表3に記載した。
結着樹脂1のタッピングモードAFMによる位相像を図2に、該位相像における位相差の最大値と位相差の最小値との中間値で二値化処理した二値化像を図3に示す。また、結着樹脂11のタッピングモードAFMによる位相像を図4に示す。
トナー1の作製
−樹脂粒子Wの水性分散液の製造−
攪拌棒および温度計をセットした反応容器に、水600部、スチレン120部、メタクリル酸100部、アクリル酸ブチル45部、アルキルアリルスルホコハク酸ナトリウム塩(エレミノールJS−2、三洋化成工業製)10部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で20分攪拌したところ、白色の乳濁液が得られた。これを加熱して、系内温度75℃まで昇温し6時間反応させた。
さらに1%過硫酸アンモニウム水溶液30部を加え、75℃で6時間熟成してビニル樹脂(スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸ブチル−アルキルアリルスルホコハク酸ナトリウム塩の共重合体)の水性分散液である微粒子分散液Wを得た。
微粒子分散液WをELS−800で測定した体積平均粒径は0.08μmであった。
微粒子分散液Wの一部を乾燥して樹脂分を単離し、該樹脂分のフローテスター測定によるガラス転移温度は74℃であった。
イオン交換水300質量部、微粒子分散液W300質量部、及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2質量部を混合撹拌して均一に溶解させて水系媒体を調製した。
水1,000質量部、及びDBP吸油量が42ml/100g、pHが9.5のカーボンブラック(Printex35、デグサ社製)530質量部、及び1200質量部の結着樹脂1を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)を用いて混合した。
二本ロールを用いて、得られた混合物を150℃で30分間混練した後、圧延冷却し、パルペライザー(ホソカワミクロン株式会社製)で粉砕して、マスターバッチを作製した。
反応容器内に結着樹脂1を100質量部、及び酢酸エチル100質量部を加えて攪拌して、樹脂溶液1を調製した。
次に、樹脂溶液1にカルナウバワックス(分子量1,800、酸価2.7mgKOH/g、針入度1.7mm(40℃))5質量部、及びマスターバッチ5質量部を仕込み、ビーズミルのウルトラビスコミル(アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/時、ディスク周速度6m/秒で、粒径が0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で3パスしてトナー材料液を得た。
次に、容器内に水系媒体150質量部を入れ、TK式ホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて、12,000rpmで攪拌しながら、トナー材料液100質量部を添加し、10分間混合して乳化スラリーを得た。
更に、攪拌機、及び温度計をセットしたコルベンに、乳化スラリー100質量部を仕込み、攪拌周速20m/分で攪拌しながら、30℃で10時間脱溶剤し、分散スラリーを得た。
次に、分散スラリー100質量部を減圧濾過し、得られた濾過ケーキにイオン交換水100質量部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過した。
循風乾燥機を用いて、得られた濾過ケーキを40℃で36時間乾燥し、目開きが75μmのメッシュで篩い、トナー母粒子1を作製した。次にトナー母粒子1の100質量部に対し、疎水性シリカ(キャボット製、TS720)を1.5質量部添加し、ヘンシェルミキサーにて3000rpmで5分間ブレンドしてトナー1を得た。
トナー2〜8の作製
実施例1において、使用する樹脂を結着樹脂2〜8に変更した以外は実施例1と同様の手順により実施例2〜8のトナー2〜8を作製した。
実施例1において、使用する樹脂を結着樹脂9〜13に変更した以外は実施例1と同様の手順により比較例1〜5のトナー9〜13を作製した。
トルエン100質量部に、シリコーン樹脂(東レ・ダウコーニングシリコーン社製、SR2411)100質量部、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン5質量部、及びカーボンブラック10質量部を添加し、ホモミキサーで20分間分散させて、コート層形成液を調製した。該コート層形成液を、流動床型コーティング装置を用い、粒径50μmの球状マグネタイト1,000質量部の表面にコーティングして磁性キャリアを作製した。
実施例1〜8及び比較例1〜5の各トナー5質量部と前記キャリア95質量部とをボールミル混合し、実施例1〜8及び比較例1〜5の各二成分現像剤を製造した。
得られた各現像剤について、以下のようにして、(a)画像濃度、(b)耐熱保存性、及び(c)定着性を測定した。結果を表3に示した。
タンデム型カラー電子写真装置(imagio Neo 450、株式会社リコー製)を用いて、複写紙(TYPE 6000<70W>、株式会社リコー製)に各現像剤の付着量が1.00±0.05mg/cm2のベタ画像を定着ローラの表面温度が160±2℃で形成した。得られたベタ画像における任意の6箇所の画像濃度を、分光計(938 スペクトロデンシトメータ、X−Rite社製)を用いて測定し、下記評価基準に基づいて、評価を行った。なお、画像濃度値は、6箇所の画像濃度の平均値で示した。
〔評価基準〕
○:2.0以上
△:1.70以上2.0未満
×:1.70未満
50mlのガラス容器に各トナーを充填し、50℃の恒温槽に24時間放置した。このトナーを24℃に冷却し、針入度試験(JIS K2235−1991)により針入度(mm)を測定し、下記基準に基づいて評価した。なお、本発明における針入度とは貫入量の深さをmmで示した値を指す。前記針入度の値が大きいほど耐熱保存性が優れていることを示し、5mm未満の場合には、使用上問題が発生する可能性が高い。
〔評価基準〕
◎:針入度25mm以上
○:針入度15mm以上25mm未満
△:針入度5mm以上15mm未満
×:針入度5mm未満
定着ローラとしてテフロン(登録商標)ローラを使用した株式会社リコー製複写機MF−200の定着部を改造した装置を用いて、普通紙及び厚紙の転写紙(株式会社リコー製のタイプ6200及びNBSリコー製の複写印刷用紙<135>)にベタ画像で、0.85±0.1mg/cm2のトナー付着量で定着評価した。定着ベルトの温度を変化させて定着試験を行い、普通紙でホットオフセットの発生しない上限温度を定着上限温度とした。また、厚紙で定着下限温度を測定した。定着下限温度は、得られた定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ロール温度をもって定着下限温度とした。
〔評価基準〕
−定着上限温度−
定着上限温度は190℃以上の場合は◎、180℃以上190℃未満の場合は○、170℃以上180℃未満の場合は△、170℃未満の場合は×とした。
−定着下限温度−
定着下限温度は120℃未満の場合は◎、120℃以上130℃未満の場合は○、130℃以上140℃未満の場合は△、140℃以上の場合は×とした。
10K ブラック用静電潜像担持体
10Y イエロー用静電潜像担持体
10M マゼンタ用静電潜像担持体
10C シアン用静電潜像担持体
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 中間転写クリーニング装置
18 画像形成手段
20 帯電ローラ
21 露光装置
22 二次転写装置
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 シート反転装置
30 露光装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 現像装置
41 現像ベルト
42K 現像剤収容部
42Y 現像剤収容部
42M 現像剤収容部
42C 現像剤収容部
43K 現像剤供給ローラ
43Y 現像剤供給ローラ
43M 現像剤供給ローラ
43C 現像剤供給ローラ
44K 現像ローラ
44Y 現像ローラ
44M 現像ローラ
44C 現像ローラ
45K ブラック用現像器
45Y イエロー用現像器
45M マゼンタ用現像器
45C シアン用現像器
49 レジストローラ
50 中間転写体
51 ローラ
52 コロナ帯電器
53 定電流源
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排出トレイ
58 分離ローラ
60 クリーニング装置
61 現像器
62 転写帯電器
63 感光体クリーニング装置
64 除電器
70 除電ランプ
80 転写ローラ
90 クリーニング装置
95 転写紙
100 画像形成装置
120 タンデム型現像器
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 複写装置本体
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)
Claims (11)
- 昇温速度5℃/分での示差走査熱量計におけるガラス転移温度がTg1およびTg2の二箇所に観察される結着樹脂を含有するトナーであって、Tg1は−20℃〜20℃の範囲であり、Tg2は35℃〜65℃の範囲であって、それぞれのガラス転移に伴うベースラインの差h1およびh2の比率h1/h2が1.0未満であり、かつ、該結着樹脂のタッピングモードAFMによって観察される位相像を、該位相像における位相差の最大値と位相差の最小値との中間値で二値化処理した二値化像において、位相差の大きい部位からなる第一の位相差像と、位相差の小さい部位からなる第二の位相差像とを有し、前記第一の位相差像が前記第二の位相差像中に分散された構造をとることを特徴とする電子写真用トナー。
- 前記位相差の大きい部位からなる第一の位相差像の分散相における最大フェレ径の平均が100nm未満であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナー。
- 前記結着樹脂がポリエステル骨格を有し、少なくとも、ヒドロキシカルボン酸が脱水縮合された構成単位を繰返し構造に有するポリエステル骨格Aと、ヒドロキシカルボン酸が脱水縮合された構成単位を繰り返し構造に含まない骨格Bとを、ブロック共重合させてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真用トナー。
- 前記ヒドロキシカルボン酸が脱水縮合された構成単位を繰り返し構造に含まない骨格Bがヒドロキシカルボン酸が脱水縮合された構成単位を繰り返し構造に含まないポリエステルであり、該ポリエステルが分岐構造を有することを特徴とする請求項3に記載の電子写真用トナー。
- 前記ヒドロキシカルボン酸が脱水縮合された構成単位を繰り返し構造に含まないポリエステルの酸成分において、三価以上の多価カルボン酸が1.5mol%以上含有されてなることを特徴とする請求項4に記載の電子写真用トナー。
- 前記ヒドロキシカルボン酸が脱水縮合された構成単位を繰返し構造に有するポリエステル骨格Aが、L−ラクチドとD−ラクチドの混合物を開環重合して得られたものであることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の電子写真用トナー。
- 前記結着樹脂における骨格Bの質量比率が25%以上50%以下であることを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載の電子写真用トナー。
- 前記結着樹脂における骨格Bの数平均分子量Mn(B)が3000以上5000以下であることを特徴とする請求項3〜7のいずれかに記載の電子写真用トナー。
- 前記結着樹脂の数平均分子量Mnが20000以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の電子写真用トナー。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の電子写真用トナーを含むことを特徴とする現像剤。
- 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像を現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、前記現像剤が、請求項10に記載の現像剤であることを特徴とする画像形成装置。
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