JP5557025B2 - トナー、及び、そのトナーの製造方法、並びに、そのトナーを用いた画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジ - Google Patents

トナー、及び、そのトナーの製造方法、並びに、そのトナーを用いた画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジ Download PDF

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Description

本発明は、トナー、及び、そのトナーの製造方法、並びに、そのトナーを用いた画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジに関する。
近年、地球温暖化などの環境問題が活発に議論されており、そのなかで地球温暖化の原因として考えられている二酸化炭素の排出の抑制がさまざまな産業分野で行われている。
電子写真用トナーにおいても、その主成分として従来は石油系材料を主原料とする樹脂が使用されてきたが、最近はポリ乳酸(PLA)などの植物由来ポリマーを主成分とするトナーが提案されている。
トナーの分野のものではないが、特許文献1の特開2009−29927号公報には、ポリ乳酸とセルロースナノファイバーとの水分散体とを混練して得た熱可塑性樹脂組成物は強度が向上することが開示されている。
しかし、PLAはエステル部位が多いため一般的に硬く、従来の粉砕方式で製造すると粉砕に要するエネルギーが甚大になってしまい、また乳化凝集法のような方法で製造する場合においても、PLAは加水分解しやすいため、凝集後に合一・形状制御する過程で分解してしまう可能性があり、前記樹脂組成物をそのままトナーに用いることはできない。
着色剤とPLAなどを有機溶媒に溶解あるいは分散させたものを水系媒体中に分散させて所望の粒径の油滴を作成し、その後溶媒を除去して得たトナーが知られており、特許文献2の特開2010−122667号公報には、樹脂が光学活性モノマーからなるポリヒドロキシカルボン酸骨格を含有し、前記光学活性モノマーからなるポリヒドロキシカルボン酸骨格がモノマー成分換算で光学純度X(%)=|X(L体)−X(D体)|〔ただし、X(L体)は光学活性モノマー換算でのL体比率(モル%)、X(D体)は光学活性モノマー換算でのD体比率(モル%)を表す〕が80%以下であるトナーは、画像濃度、定着性、及び耐熱保存性に優れ、低温での離型性に優れ、フィルミングの発生が少なく、高画質な画像を安定に得ることができる旨が開示されている。
しかし、PLA骨格のみの樹脂では、樹脂の特性の自由度が少なく、たとえばトナーの力学的耐性を維持しつつ定着性を持たせる設計が難しい、また、前記造粒方法では、ほぼ球形のトナー粒子しか得られず、そのためクリーニング性に問題があることが今回判明した。
特許文献3の特開2009−92822号公報には、PLA樹脂を用いるものではないが、トナー粒子中に繊維を含有させることが提案されている。このトナーは海島構造の島を形成する離型剤中に繊維を含有させ、離型剤の溶融時に定着圧力に対する離型剤の粘度をコントロールするもので、クリーニング性向上のために異形化するものではない。
また、樹脂中に従来のトナー用ポリエステルとしてよく用いられているビスフェノール系骨格やフタル酸系骨格などのフェニレン骨格を導入する方法も考えられるが、これらはいずれも石油由来の原料を主原料とするものであるため、環境への影響を考慮すると、近年ではできる限り避けることが好ましい。
したがって、植物由来のポリマーを用い、クリーニング性、および力学的耐性と定着性の両立させたトナーが要望される。
本発明は、PLA骨格を含む結着樹脂を主成分として含むトナーにおいて、クリーニングに適した形状を有し、力学的耐性と定着性の両立を可能にすることを目的とする。
本発明者らが鋭意検討したところ、少なくとも、着色剤とPLA骨格を含む結着樹脂を含むトナー材料中に、セルロースナノファイバーを含有させ、このトナー材料を有機溶媒に溶解あるいは分散させた油相を、水系媒体中に分散させて所望の粒径の油滴を作成し、その後溶媒を除去することにより、前記セルロースナノファイバーによりトナー粒子が異形化され、かつ、力学的耐性と定着性を向上できることを見出した。
すなわち、上記課題は、本発明の(1)〜(29)によって解決される。
(1)少なくとも着色剤、結着樹脂を含むトナーであって、さらにセルロースナノファイバーを含み、前記結着樹脂は、光学活性モノマーからなるポリヒドロキシカルボン酸骨格を含有し、前記光学活性モノマー由来のポリヒドロキシカルボン酸骨格がモノマー成分換算で、光学純度X(%)=|X(L体)−X(D体)|〔ただし、X(L体)は光学活性モノマー換算でのL体比率(モル%)、X(D体)は光学活性モノマー換算でのD体比率(モル%)を表す〕が90%以下であることを有することを特徴とするトナー。
(2)前記セルロースナノファイバーをトナー100重量部に対して0.2〜15重量部含むことを特徴とする前記(1)に記載のトナー。
(3)前記セルロースナノファイバーの最大の太さが900nmであることを特徴とする前記(1)または(2)に記載のトナー。
(4)前記セルロースナノファイバーの平均太さが4〜30nmであることを特徴とする前記(1)乃至(3)のいずれかに記載のトナー。
(5)前記結着樹脂の重量平均分子量が2000〜50000であることを特徴とする前記(1)乃至(4)のいずれかに記載のトナー。
(6)前記結着樹脂の重量平均分子量が4000〜30000であることを特徴とする前記(1)乃至(5)のいずれかに記載のトナー。
(7)前記結着樹脂の重量平均分子量が5000〜15000であることを特徴とする前記(1)乃至(6)のいずれかに記載のトナー。
(8)前記結着樹脂のポリヒドロキシカルボン酸骨格が、炭素数2〜6のヒドロキシカルボン酸が(共)重合した骨格であることを特徴とする前記(1)乃至(7)のいずれかに記載のトナー。
(9)前記結着樹脂のポリヒドロキシカルボン酸骨格が、乳酸を(共)重合して得られたものであることを特徴とする前記(1)乃至(8)のいずれかに記載のトナー。
(10)前記結着樹脂のポリヒドロキシカルボン酸骨格が、ラクチドを開環重合して得られたものであることを特徴とする前記(1)乃至(9)のいずれかに記載のトナー。
(11)前記結着樹脂のポリヒドロキシカルボン酸骨格が、L−ラクチドとD−ラクチドの混合物を開環重合して得られたものであることを特徴とする(1)乃至(10)のいずれかに記載のトナー。
(12)前記トナーの体積平均粒径が3μm以上8μm以下であり、該トナーの個数平均粒径(Dn)に対する体積平均粒径(Dv)の比(Dv/Dn)が1.00以上1.25以下であることを特徴とする(1)乃至(11)のいずれかに記載のトナー。
(13)少なくとも着色剤、結着樹脂を含むトナーを製造する方法であって、少なくとも着色剤、結着樹脂、及び、セルロースナノファイバーを有機溶媒中に溶解あるいは分散した油相を粒子とした後、前記有機溶媒を除去するものであり、前記結着樹脂が、光学活性モノマー由来のポリヒドロキシカルボン酸骨格を含有し、前記光学活性モノマーからなるポリヒドロキシカルボン酸骨格がモノマー成分換算で、光学純度X(%)=|X(L体)-X(D体)|〔ただし、X(L体)は光学活性モノマー換算でのL体比率(モル%)、X(D体)は光学活性モノマー換算でのD体比率(モル%)を表す〕が90%以下であることを有することを特徴とするトナーの製造方法。
(14)前記セルロースナノファイバーがトナー100重量部に対して0.2〜15重量部含むことを特徴とする(13)に記載のトナーの製造方法。
(15)前記セルロースナノファイバーの最大の太さが900nmであることを特徴とする(13)または(14)に記載のトナーの製造方法。
(16)前記セルロースナノファイバーの平均太さが4〜30nmであることを特徴とする(13)乃至(15)のいずれかに記載のトナーの製造方法。
(17)前記結着樹脂の重量平均分子量が2000〜50000であることを特徴とする(13)乃至(16)のいずれかに記載のトナーの製造方法。
(18)前記結着樹脂の重量平均分子量が4000〜30000であることを特徴とする(13)乃至(17)のいずれかに記載のトナーの製造方法。
(19)前記結着樹脂の重量平均分子量が5000〜15000であることを特徴とする(13)乃至(18)のいずれかに記載のトナーの製造方法。
(20)前記結着樹脂のポリヒドロキシカルボン酸骨格が、炭素数2〜6のヒドロキシカルボン酸が(共)重合した骨格であることを特徴とする(13)乃至(19)のいずれかに記載のトナーの製造方法。
(21)前記結着樹脂のポリヒドロキシカルボン酸骨格が、乳酸を(共)重合して得られたものであることを特徴とする(13)乃至(20)のいずれかに記載のトナーの製造方法。
(22)前記結着樹脂のポリヒドロキシカルボン酸骨格が、ラクチドを開環重合して得られたものであることを特徴とする(13)乃至(21)いずれかに記載のトナーの製造方法。
(23)前記結着樹脂のポリヒドロキシカルボン酸骨格が、L−ラクチドとD−ラクチドの混合物を開環重合して得られたものであることを特徴とする(13)乃至(22)のいずれかに記載のトナーの製造方法。
(24)前記トナーの体積平均粒径が3μm以上8μm以下であり、該トナーの個数平均粒径(Dn)に対する体積平均粒径(Dv)の比(Dv/Dn)が1.00以上1.25以下であることを特徴とする(13)乃至(23)のいずれかに記載のトナーの製造方法。
(25)静電潜像担持体と、該静電潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーを含む現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、前記トナーが、(1)乃至(12)のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成装置。
(26)前記現像工程が、トナー搬送部材、該搬送部材と接触してトナーを該搬送部材表面に供給するトナー供給部材、および該搬送部材表面に当接され、前記搬送部材表面に供給されたトナーの層厚を規制するトナー規制部材を有する現像装置を用いるものであることを特徴とする(25)に記載の画像形成装置。
(27)静電潜像担持体と、該静電潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーを含む現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成方法であって、前記トナーが、(1)乃至(12)のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成方法。
(28)前記現像工程が、トナー搬送部材、該搬送部材と接触してトナーを該搬送部材表面に供給するトナー供給部材、および該搬送部材表面に当接され、前記搬送部材表面に供給されたトナーの層厚を規制するトナー規制部材を有する現像装置を用いるものであることを特徴とする(27)に記載の画像形成方法。
(29)静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像をトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有し、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジであって、前記トナーが、(1)乃至(12)のいずれかに記載のトナーであることを特徴とするプロセスカートリッジ。
以下の詳細かつ具体的な説明から理解されるように、本発明によれば、少なくとも、着色剤とPLA骨格を含む結着樹脂を含むトナー材料中に、セルロースナノファイバーを含有させ、このトナー材料を有機溶媒に溶解あるいは分散させた油相を、水系媒体中に分散させて所望の粒径の油滴を作成し、その後溶媒を除去することにより、トナー粒子の異形化が可能でクリーニングに適した形状を有すると同時に、力学的耐性と定着性に適したトナーを得ることができる。
本発明に係る画像形成装置の一例を示す図である。 現像器の一例を示す断面図である。 現像器の一例を示す断面図である。 プロセスカートリッジの一例を示す図である。
(トナー)
本発明のトナーは、結着樹脂としてPLAを主成分とするトナーにセルロースナノファイバーを含有させたものであり、更に必要に応じてその他の構成成分を有してなる。
<セルロースナノファイバー>
本発明で用いられるセルロースナノファイバーとは、太さが数nm〜200nmの範囲にある微小かつ結晶性の高いセルロースの繊維のことである。
セルロースは木材やパルプなどの主成分であり、その一般的な繊維の太さは数μmである。そのため、粒径が数μmであるトナー粒子中に内包させることが不可能である。
しかし、セルロースナノファイバーは細く、トナー中に存在させることが可能であり、太さが可視光の波長である数100nmよりも細いため光の透過性にも優れ、トナー中に存在させても発色性を損ねにくい。
また、前記セルロースナノファイバーは、PLAと親和性が高いため、油滴中に均一に分散しやすく、油滴に適度な粘性を与え、油滴の作成時に一部の小さな油滴は、合一過程で完全な球形にはならず、適度に異型化され、また、分子量が比較的低いPLAを使用した場合においてもトナー粒子全体としては適度な強度を有しつつ、定着時には低分子量のPLAが瞬時に溶融し、低い定着温度においても紙などの記録媒体に定着でき、さらにセルロースナノファイバーは、太さが可視光の波長よりも細いため、可視光の反射や散乱がおきにくく、トナーの着色性への影響が小さく、加えて、植物由来であるセルロースが主成分であるため、カーボンニュートラルに近く環境にやさしい材料である。
前記セルロースナノファイバーは、パルプなどをホモジナイザなどで処理をすることによりミクロフィブリル化して得る方法(ミクロフィブリル化セルロース)、酢酸菌などによりセルロースを産出させる方法(バクテリアセルロース)により得ることができる。
前記セルロースナノファイバーの太さは細いことが好ましい。
具体的には、直径が900nm以上のものを含んでいないことが好ましく、さらに好ましくは500nm以上のものを含んでいないことが好ましく、もっとも好ましいのは可視光波長域に入る400nm以上のものが含まれないことである。
また、前記セルロースナノファイバーの平均太さは、平均で30nm以下であることが好ましく、透明性の観点から、4〜20nmであることがより好ましい。
セルロースナノファイバーの平均太さが30nmを超えると、可視光の波長の1/10に近づき、結着樹脂などとの界面で可視光の屈折及び散乱が生じ易く、透明性が低下し、また、太さが4nm未満のセルロースナノファイバーの製造は実質的でない。
セルロースナノファイバーの平均太さはSEM等の顕微鏡により測定できる。
具体的には、トナー断面をSEMやTEM等で観察し、ランダムに抽出した12点のうち最大と最小を除く10点の測定値の平均を求める。
なお、複合体中のセルロースナノファイバーの平均太さは、複合体をそのまま破断したり、必要に応じて液体窒素などで冷却してから破断したりして、破断面を出し、その破断面をSEMやTEM等で観察し、ランダムに抽出した12点のうち最大と最小を除く10点の測定値を平均することで求めることができる。
セルロースナノファイバーの長さは、平均で50〜2000nmが好ましく、100〜1000nmがより好ましい。
セルロースナノファイバーの長さが50nmより短いと、トナー粒子の現像ストレス耐性が不十分となる可能性があり、2000nmを超えるとトナー粒子中に内包できない恐れがある。
このようなセルロースナノファイバーの含有量は、トナー100重量部に対して0.2〜15重量部であることが好ましい。
<結着樹脂>
結着樹脂は光学活性モノマーからなるポリヒドロキシカルボン酸骨格を含有し、該ポリヒドロキシカルボン酸骨格は、ヒドロキシカルボン酸が(共)重合した骨格を有し、ヒドロキシカルボン酸を直接脱水縮合する方法、あるいは、対応する環状エステルを開環重合する方法で形成できる。重合法は、重合されるポリヒドロキシカルボン酸の分子量を大きくするという観点から環状エステルの開環重合が好ましい。トナーの透明性と熱特性の観点から、ポリヒドロキシカルボン酸骨格を形成する光学活性モノマーとしては、脂肪族ヒドロキシカルボン酸が好ましく、さらに好ましくは炭素数2〜6のヒドロキシカルボン酸であり、特に好ましくは乳酸、ラクチドである。ポリマーの原材料としてヒドロキシカルボン酸以外に、ヒドロキシカルボン酸の環状エステルを用いる事も可能であり、その場合には重合して得られる樹脂のヒドロキシカルボン酸骨格は、環状エステルを構成するヒドロキシカルボン酸が重合した骨格となる。例えば、ラクチドを用いて得られる樹脂のポリヒドロキシカルボン酸骨格は、乳酸が重合した骨格になる。
光学活性モノマーからなるポリヒドロキシカルボン酸骨格は、モノマー成分換算で光学純度X(%)=|X(L体)−X(D体)|〔ただし、X(L体)は光学活性モノマー換算でのL体比率(モル%)、X(D体)は光学活性モノマー換算でのD体比率(モル%)を表す〕が80%以下であることが好ましく、さらに好ましくは60%以下である。この範囲であると、溶剤溶解性、樹脂の透明性が向上する。
光学活性モノマーからなるポリヒドロキシカルボン酸骨格を含有する樹脂は樹脂骨格主鎖に高濃度にエステル基を有し、かつ、短鎖のアルキル鎖を側鎖に有する。従来の芳香族鎖を主鎖とするポリエステル樹脂に比べて、分子量あたりのエステル基の濃度が高く、非結晶状態では高い透明性を有するとともに、カルボン酸に代表される有機酸や水酸基などの官能基がわずかでありながらも各種の離型剤と高い親和性を得ることができ、トナー中の離型剤が良好に分散される。更に、光学活性モノマーからなるポリヒドロキシカルボン酸骨格は、モノマー成分換算で光学純度X(%)=|X(L体)−X(D体)|〔ただし、X(L体)は光学活性モノマー換算でのL体比率(モル%)、X(D体)は光学活性モノマー換算でのD体比率(モル%)を表す〕が80%以下であることが好ましく、さらに好ましくは60%以下である。この範囲であると、溶剤溶解性、樹脂の透明性が向上し、定着性や耐熱保存性を損ねることなく、より好適に用いることができる。
前記光学純度は、光学活性モノマーとしてL体とD体のモノマーを適量併用し、ラセミ体を得ることで達成できる。ラクチドを用いる場合、L−ラクチド、D−ラクチドをそれぞれ混合し、用いることもできるが、メソ−ラクチドを開環重合することや、D体、L体いずれかのラクチドとメソ−ラクチドを混合して用いてもよい。
なお、自明なことではあるが、原料で用いているL体、D体は光学異性体であり、光学異性体は、光学特性以外の物理的、化学的性質は同じであるため、重合に用いた場合その反応性は等しく、モノマーの成分比と重合体におけるモノマーの成分比は同じとなる。
また、ポリヒドロキシカルボン酸骨格を有する樹脂の重合時にアルコール類、ラクトン類を用いても良い。アルコール類としては公知のアルコールを用いることができるが、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオールが、得られる樹脂の熱溶融特性の面で好ましい。ラクトン類としては、公知のラクトンを用いることができるが、ε−カプロラクトンが、得られる樹脂の熱溶融特性の面で好ましい。
また、前記結着樹脂は光学活性モノマーからなるポリヒドロキシカルボン酸骨格を含有するポリエステルジオール(b11)と(b11)以外のポリエステルジオール(b12)とを、伸長剤とともに反応させて得られる直鎖状のポリエステル系樹脂(b1)を含有してもよい。直鎖状のポリエステルとするためには、(b11)、(b12)および伸長剤が、それぞれ2官能である必要がある。いずれかが3官能以上であると、架橋反応が進行し直鎖状のポリエステルを得ることができない。
直鎖状のポリエステルは、分岐状又は網目状のポリエステルに比べて分子量の大きさの割には溶剤溶解性が高い、粘弾性的にトナーに向いており、また製造性に優れるという利点を有している。
また、直鎖状のポリエステルは構造が単純であり分子量によって生じる物性(熱特性、他樹脂との相溶性など)の制御が容易である。また、本発明における直鎖状のポリエステル樹脂は(b11)と(b12)のユニットから構成され、(b12)のユニットに用いるポリエステル種、分子量、構造によっても(b1)の物性制御が可能になることがメリットであり、従来の乳酸を含有する組成物に対し、物性制御手段を明確に具備させたことが特徴である。
(b11)を構成するポリヒドロキシカルボン酸骨格は、ヒドロキシカルボン酸が重合した骨格を有し、ヒドロキシカルボン酸を直接脱水縮合する方法、あるいは、対応する環状エステルを開環重合する方法で形成できる。重合法は、重合されるポリヒドロキシカルボン酸の分子量を大きくするという観点から環状エステルの開環重合が好ましい。トナーの透明性と熱特性の観点から、ポリヒドロキシカルボン酸骨格を形成する光学活性モノマーとしては、脂肪族ヒドロキシカルボン酸が好ましく、さらに好ましくは炭素数2〜6のヒドロキシカルボン酸であり、特に好ましくは乳酸、ラクチドである。ポリマーの原材料としてヒドロキシカルボン酸以外に、ヒドロキシカルボン酸の環状エステルを用いることも可能であり、その場合には重合して得られる樹脂のヒドロキシカルボン酸骨格は、環状エステルを構成するヒドロキシカルボン酸が重合した骨格となる。例えば、ラクチドを用いて得られる樹脂のポリヒドロキシカルボン酸骨格は、乳酸が重合した骨格になる。
光学活性モノマーからなるポリヒドロキシカルボン酸骨格は、モノマー成分換算で光学純度X(%)=|X(L体)−X(D体)|〔ただし、X(L体)は光学活性モノマー換算でのL体比率(モル%)、X(D体)は光学活性モノマー換算でのD体比率(モル%)を表す〕が80%以下であることが好ましく、さらに好ましくは60%以下である。この範囲であると、溶剤溶解性、樹脂の透明性が向上する。
先に記載したように、原料で用いているL体、D体は光学異性体であり、光学異性体は、光学特性以外の物理的、化学的性質は同じであるため、重合に用いた場合その反応性は等しく、モノマーの成分比と重合体におけるモノマーの成分比は同じとなる。
ポリヒドロキシカルボン酸骨格を形成する際に、後述の多価アルコールを添加して共重合することで、ポリヒドロキシカルボン酸骨格を含有するポリエステルジオール(b11)が得られる。多価アルコールとして好ましいものは、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど)のアルキレンオキサイド(アルキレンオキサイドを以下AOと略記する、具体例としてはエチレンオキサイド(以下EOと略記)、プロピレンオキサイド(以下POと略記)、ブチレンオキサイド(以下BOと略記)などが挙げられる)付加物(付加モル数2〜30)、およびこれらの併用であり、さらに好ましくは、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ビスフェノールAのAO付加物であり、特に好ましくは1,3−プロピレングリコールである。
(b11)以外のポリエステルジオール(b12)は、後述のポリエステル樹脂のうち、多価アルコールと多価カルボン酸の反応物と同様のものが使用可能であり、重合時に多価アルコールと多価カルボン酸の仕込み比率を調整して、水酸基を過剰にすることで得られる。(b12)として好ましいものは、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど)のAO(EO、PO、BOなど)付加物(付加モル数2〜30)、およびこれらの併用から選ばれる1種以上と、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、コハク酸、およびこれらの併用から選ばれる1種以上との反応物である。
(b11)と(b12)との伸長に用いる伸長剤としては、(b11)および(b12)に含有される水酸基と反応可能な官能基を2つ有しているものであれば、特に制限されないが、後述の多価カルボン酸およびその無水物、ポリイソシアネート、ポリエポキシドのうち、2官能のものが挙げられる。これらのうち、(b11)および(b12)との相溶性の観点から、好ましいものは、ジイソシアネート化合物、ジカルボン酸化合物であり、さらに好ましくはジイソシアネート化合物である。具体的には、コハク酸、アジピン酸、マレイン酸(および無水物)、フマル酸(および無水物)、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,3−および/または1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−および/または2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、2,4’−および/または4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ビスフェノールAジグリシジルエーテル等が挙げられ、これらのうち、好ましいものは、コハク酸、アジピン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸(および無水物)、フマル酸(および無水物)、およびHDI、IPDIであり、もっとも好ましくはマレイン酸(および無水物)、フマル酸(および無水物)、およびIPDIである。
(b1)中の伸長剤の含有量は、透明性と熱特性の観点から、好ましくは0.1〜30質量%であり、さらに好ましくは1〜20質量%である。
前記結着樹脂に含有される直鎖状ポリエステル樹脂(b1)の含有量は、用途によって好ましい範囲に適宜調整すればよいが、透明性と熱特性の観点から、好ましくは、前記分散用樹脂に対して40〜100質量%であり、さらに好ましくは60〜90質量%である。前記分散樹脂に含有されるヒドロキシカルボン酸が乳酸のように光学活性モノマーの場合でも、モノマー成分換算で光学純度が80%以下であれば、溶剤溶解性の観点から、同様の含有量が好ましい。モノマー成分換算で光学純度が80%を越える場合は、溶剤溶解性の観点から、前記結着樹脂中の樹脂(b1)の含有量は、前記結着樹脂中の樹脂(b1)の含有率Y(%)とXの関係がY=−1.5X+220を満たすことが好ましい。
直鎖状ポリエステルを構成する、ポリヒドロキシカルボン酸骨格を含有するポリエステルジオール(b11)と(b11)以外のポリエステルジオール(b12)との質量比は、好ましくは31:69〜90:10であり、透明性と熱特性の観点から、さらに好ましくは、40:60〜80:20である。
前記結着樹脂に含有される樹脂は、上記の直鎖状ポリエステル(b1)以外に、公知のいかなる樹脂を併用してもよく、用途・目的に応じて適宜好ましいものを選択することができる。
一般に、併用される樹脂として好ましいものは、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、およびそれらの併用であり、さらに好ましいのは、ポリウレタン樹脂、およびポリエステル樹脂であり、とくに好ましいのは、1,2−プロピレングリコールを構成単位として含有する、ポリエステル樹脂およびポリウレタン樹脂である。
上記直鎖状ポリエステル樹脂(b1)以外の樹脂の含有量は、用途によって好ましい範囲に適宜調整すればよいが、透明性と熱特性の観点から、前記結着樹脂に対して0〜60質量%が好ましく、さらに好ましくは10〜40質量%である。
このような結着樹脂は、重量平均分子量が2000〜50000であり、4000〜30000であることが好ましく、5000〜15000がより好ましい。
−着色剤−
前記着色剤としては、特に制限はなく、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロロオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロムバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトポン等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記着色剤のトナーにおける含有量は、1質量%〜15質量%が好ましく、3質量%〜10質量%がより好ましい。前記含有量が、1質量%未満であると、トナーの着色力が低下することがあり、15質量%を超えると、トナー中での顔料の分散不良が起こり、着色力の低下及びトナーの電気特性の低下を招くことがある。
前記着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして使用してもよい。このような樹脂としては、例えば、ポリエステル、スチレン又はその置換体の重合体、スチレン系共重合体、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、PLA、塩素化パラフィン、パラフィンワックス等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、PLAが特に好ましい。
前記スチレン又はその置換体の重合体としては、例えば、ポリスチレン、ポリ(p−クロロスチレン)、ポリビニルトルエン等が挙げられる。スチレン系共重合体としては、例えば、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタレン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロロメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等が挙げられる。
前記マスターバッチは、高せん断力をかけて、樹脂と着色剤を混合又は混練させて製造することができる。この際、着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶媒を添加することが好ましい。また、いわゆるフラッシング法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができ、乾燥する必要がない点で好適である。フラッシング法は、着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶媒と共に混合又は混練し、着色剤を樹脂側に移行させて水及び有機溶媒を除去する方法である。混合又は混練には、例えば、三本ロールミル等の高せん断分散装置を用いることができる。
本発明のトナーは、前記結着樹脂、着色剤、セルロースナノファイバー以外にも、離型剤、帯電制御剤、無機微粒子、クリーニング性向上剤、磁性材料等を更に含有することができる。
−離型剤−
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ワックス類等を用いることができる。
前記ワックス類としては、例えば低分子量ポリオレフィンワックス、合成炭化水素系ワックス、天然ワックス類、石油ワックス類、高級脂肪酸又はその金属塩、高級脂肪酸アミド、これらの各種変性ワックス等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記低分子量ポリオレフィンワックスとしては、例えば低分子量ポリエチレンワックス、低分子量ポリプロピレンワックス等が挙げられる。前記合成炭化水素ワックスとしては、例えばフィッシャートロプシュワックス等が挙げられる。前記天然ワックス類としては、例えば蜜ろう、カルナバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、モンタンワックス等が挙げられる。前記石油ワックス類としては、例えばパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。前記高級脂肪酸としては、例えばステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸等が挙げられる。
これらの中でも、カルボニル基を含有するワックスが好ましい。カルボニル基含有ワックスとしては、例えば、ポリアルカン酸エステル、ポリアルカノールエステル、ポリアルカン酸アミド、ポリアルキルアミド、ジアルキルケトン、などが挙げられる。ポリアルカン酸エステルとしては、例えば、カルナウバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート等が挙げられる。ポリアルカノールエステルとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエート等が挙げられる。ポリアルカン酸アミドとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリルアミド等が挙げられる。ジアルキルケトンとしては、例えば、ジステアリルケトン等が挙げられる。これらカルボニル基含有ワックスの中でも、ポリアルカン酸エステルが特に好ましい。
前記離型剤の融点は、40℃〜160℃が好ましく、50℃〜120℃がより好ましく、60℃〜90℃が更に好ましい。前記融点が、40℃未満であると、ワックスが耐熱保存性に悪影響を及ぼすことがあり、160℃を超えると、低温定着時にコールドオフセットを起こしやすく、定着機への紙の巻き付き等が発生することがある。
−帯電制御剤−
前記帯電制御剤としては、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、リンの単体又は化合物、タングステンの単体又は化合物、フッ素系界面活性剤、サリチル酸の金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記帯電制御剤としては、市販品を用いることができ、該市販品としては、例えば、ニグロシン系染料のボントロン03、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(いずれも、オリエント化学工業株式会社製);4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(いずれも、保土谷化学工業株式会社製);4級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(いずれも、ヘキスト社製);LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(いずれも、日本カーリット社製);銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩基等の官能基を有する高分子系の化合物等が挙げられる。
前記帯電制御剤の含有量は、前記結着樹脂100質量部に対して、0.1質量部〜10質量部が好ましく、0.2質量部〜5質量部がより好ましい。前記含有量が、0.1質量部未満であると、帯電制御性が得られないことがあり、10質量部を超えると、トナーの帯電性が大きくなりすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させて、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、トナーの流動性低下や画像濃度の低下を招くことがある。
−無機微粒子−
前記無機微粒子は、トナーに流動性、現像性、帯電性等を付与するための外添剤として用いられる。無機微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記無機微粒子は、一次粒径が5nm〜2μmであることが好ましく、5nm〜500nmがより好ましい。
前記無機微粒子のトナーにおける含有量は、0.01質量%〜5.0質量%が好ましく、0.01質量%〜2.0質量%がより好ましい。
また、前記無機微粒子は、流動性向上剤で表面処理されていることが好ましい。これにより、無機微粒子の疎水性が向上し、高湿度下においても流動性や帯電性の低下を抑制することができる。流動性向上剤としては、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル等が挙げられる。シリカ、酸化チタンは、流動性向上剤で表面処理し、疎水性シリカ、疎水性酸化チタンとして用いることが好ましい。
前記クリーニング性向上剤は、転写後に感光体や一次転写媒体に残存するトナーを除去し易くするために用いられる。前記クリーニング性向上剤としては、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩、ポリメタクリル酸メチル微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子等が挙げられる。ポリマー微粒子は、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、体積平均粒径が0.01μm〜1μmであることが好ましい。
前記磁性材料としては、例えば、鉄粉、マグネタイト、フェライト等が挙げられる。なお、磁性材料は、トナーの色調の点から、白色のものが好ましい。
本発明のトナー粒子は、体積平均粒径(Dv)が3μm〜8μmであることが好ましく、個数平均粒径(Dn)に対するDvの比(Dv/Dn)が1.00〜1.25であることが好ましい。これにより、耐熱保存性、低温定着性及び耐ホットオフセット性のいずれにも優れ、とりわけフルカラー複写機等に用いた場合に、画像の光沢性に優れる。更に、二成分現像剤に用いた場合は、長期に亘るトナーの収支(トナーの消費と、消費されたトナーを補償するためのトナーの補充)が行われても、トナーの粒径の変動が少なくなる。その結果、現像装置における長期の攪拌においても、良好で安定した現像性が得られる。従来、例えば、粒径が大きいトナーの方が速やかに消費される結果、長期ランの後には、粒径が小さいトナーの含有率が上昇する現象が生じることがあった。また、一成分現像剤として用いた場合も、トナーの収支が行われても、トナーの粒径の変動が少なくなると共に、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するためのブレード等の部材へのトナーの融着を抑制することができる。その結果、現像装置の長期の使用(攪拌)においても、良好で安定した現像性及び画像が得られる。
一般には、トナーの粒径が小さい程、高解像で高画質の画像を得るために有利であると言われているが、逆に転写性やクリーニング性に対しては不利である。前記体積平均粒径(Dv)が3μm未満のトナー母体粒子を有するトナーを二成分現像剤に用いると、現像装置における長期の攪拌において、キャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させることがある。
また、一成分現像剤として用いた場合には、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するためのブレード等の部材へのトナーの融着が発生しやすくなることがある。
一方、前記トナー粒子の体積平均粒径(Dv)が8μmを超える場合及びDv/Dnが1.25を超える場合には、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなると共に、現像剤中のトナーの収支が行われた場合に、トナーの粒径の変動が大きくなることが多い。
前記体積平均粒径(Dv)及び個数平均粒径(Dn)は、例えば粒度測定器(マルチサイザーIII、ベックマンコールター社製)などを用いて、アパーチャー径100μmで測定し、解析ソフトBeckman Coulter Multisizer 3 Version3.51で解析を行うことができる。具体的には、ガラス製100mlビーカーに、アルキルベンゼンスルホン酸塩(ネオゲンSC−A、第一工業製薬株式会社製)の10質量%水溶液0.5ml及びトナー母体粒子0.5gを添加し、ミクロスパーテルでかき混ぜた後、イオン交換水80mlを添加する。得られた分散液を超音波分散器W−113MK−II(本多電子株式会社製)で10分間分散処理した。更に、分散処理された試料分散液を、マルチサイザーIII及び測定用溶液アイソトンIII(ベックマンコールター社製)を用いて測定する。なお、測定は、マルチサイザーIIIが示す濃度が8±2%になるように、試料分散液を滴下した。本測定法は、粒径の測定再現性の点から、濃度を8±2%にすることが重要である。
(トナーの製造方法)
前記のトナーを製造する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、粉砕法、結着樹脂及び重合性単量体を含有する単量体組成物を水相中で直接的に重合する重合法(懸濁重合法、乳化重合法)、結着樹脂及びイソシアネート基含有プレポリマーを含有する組成物を水相中においてアミン類で直接的に伸長/架橋する重付加反応法、イソシアネート基含有プレポリマーを用いた重付加反応法、溶剤で溶解し脱溶剤して粉砕する方法、溶融スプレー法などが挙げられる。
前記粉砕法は、例えば、結着樹脂、着色剤、セルロースナノファイバー含むのトナー材料を溶融乃至混練し、粉砕、分級等することにより、前記トナーの母体粒子を得る方法である。なお、該粉砕法の場合、前記トナーの平均円形度を高くする目的で、得られたトナーの母体粒子に対し、機械的衝撃力を与えて形状を制御してもよい。この場合、前記機械的衝撃力は、例えば、ハイブリタイザー、メカノフュージョンなどの装置を用いて前記トナーの母体粒子に付与することができる。
以上のトナー材料を混合し、該混合物を溶融混練機に仕込んで溶融混練する。該溶融混練機としては、例えば、一軸の連続混練機、二軸の連続混練機、ロールミルによるバッチ式混練機を用いることができる。例えば、神戸製鋼所製KTK型二軸押出機、東芝機械株式会社製TEM型押出機、ケイシーケイ社製二軸押出機、株式会社池貝製PCM型二軸押出機、ブス社製コニーダー等が好適に用いられる。この溶融混練は、結着樹脂の分子鎖の切断を招来しないような適正な条件で行うことが好ましい。具体的には、溶融混練温度は、バインダー樹脂の軟化点を参考にして行われ、該軟化点より高温過ぎると切断が激しく、低温すぎると分散が進まないことがある。
前記粉砕では、前記混練で得られた混練物を粉砕する。この粉砕においては、まず、混練物を粗粉砕し、次いで微粉砕することが好ましい。この際ジェット気流中で衝突板に衝突させて粉砕したり、ジェット気流中で粒子同士を衝突させて粉砕したり、機械的に回転するローターとステーターの狭いギャップで粉砕する方式が好ましく用いられる。
前記分級は、前記粉砕で得られた粉砕物を分級して所定粒径の粒子に調整する。前記分級は、例えば、サイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことにより行うことができる。
前記粉砕及び分級が終了した後に、粉砕物を遠心力などで気流中に分級し、所定の粒径のトナーを製造する。
前記懸濁重合法は、油溶性重合開始剤、重合性単量体中に、結着樹脂、着色剤、セルロースナノファイバー含むトナー材料を分散し、界面活性剤、その他固体分散剤等が含まれる水系媒体中で後に述べる乳化法によって乳化分散する。その後重合反応を行い粒子化した後に、トナー粒子表面に無機微粒子を付着させる湿式処理を行えばよい。その際、余剰にある界面活性剤等を洗浄し、除去したトナー粒子に処理を施すことが好ましい。
前記重合性単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸又は無水マレイン酸などの酸類;アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド又はこれらのメチロール化合物;ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミン、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等のアミノ基を有する(メタ)アクリレートなどを一部用いることによってトナー粒子表面に官能基を導入できる。
また、使用する分散剤として酸基や塩基性基を有するものを選ぶことによって粒子表面に分散剤を吸着残存させ、官能基を導入することができる。
前記乳化重合法としては、水溶性重合開始剤、重合性単量体を水中で界面活性剤を用いて乳化し、通常の乳化重合の手法によりラテックスを合成する。別途結着樹脂、着色剤、セルロースナノファイバー含むトナー材料を水系媒体中分散した分散体を用意し、混合の後にトナーサイズまで凝集させ、加熱融着させることによりトナーを得る。その後、無機微粒子の湿式処理を行えばよい。ラテックスとして懸濁重合法に使用される単量体と同様なものを用いればトナー粒子表面に官能基を導入できる。
これらの中でも、樹脂の選択性が高く、低温定着性が高く、また、造粒性に優れ、粒径、粒度分布、形状の制御が容易であるため、前記トナーとしては、少なくとも結着樹脂及び着色剤及びセルロースナノファイバーとを含むトナー材料を有機溶剤に溶解乃至分散させてトナー溶液を調製した後、該トナー溶液を水系媒体中に乳化乃至分散させて分散液を調製し、トナーを造粒することが好適である。
更に前記結着樹脂がイソシアネート基等の活性水素基と反応可能な官能基を有するポリエステル樹脂をさらに含有し、該水系媒体中で、活性水素基含有化合物と、前記活性水素基含有化合物と反応可能なポリエステル樹脂とを反応させて結着樹脂を粒子状に生成させ、前記有機溶剤を除去して得られるものがより好適である。具体的には、以下の工程(1)〜(6)を含むことが好ましい。
(1)トナー材料液の調製
トナー材料を有機溶媒に溶解乃至分散させることにより、トナー材料液を調製する。有機溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ポリエステル樹脂の溶解性に優れることから、エステル系溶剤が好ましく、除去が容易であることから、酢酸エチルが特に好ましい。
前記有機溶媒の使用量は、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トナー材料100質量部に対して、40質量部〜300質量部が好ましく、60質量部〜140質量部がより好ましく、80質量部〜120質量部が更に好ましい。
(2)水系媒体の調製
前記水系媒体は、例えば、樹脂微粒子を水性溶媒に分散させることにより調製することができる。水性溶媒中の樹脂微粒子の添加量は、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5〜10質量%であることが好ましい。
前記水性溶媒としては、例えば、水、水と混和可能な溶剤等が挙げられ、2種以上併用してもよいが、中でも、水が好ましい。水と混和可能な溶剤としては、例えば、アルコール(例えば、メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール等)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ(登録商標)類、低級ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン等)等が挙げられる。
前記樹脂微粒子の材料としては、水性溶媒中で分散することが可能な樹脂であれば、特に限定されないが、例えば、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂等の熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、微細な球状の樹脂粒子の水性分散液が得られやすいことから、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂及びポリエステル樹脂が好ましい。なお、ビニル樹脂は、ビニルモノマーを単独重合又は共重合することにより得られる樹脂であり、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体等が挙げられる。
また、不飽和基を2個以上有する単量体を用いて、樹脂微粒子を形成することもできる。不飽和基を2個以上有する単量体としては、例えば、メタクリル酸のエチレンオキシド付加物の硫酸エステルのナトリウム塩、ジビニルベンゼン、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート等が挙げられる。
前記樹脂微粒子は、公知の重合方法を用いて形成することができるが、樹脂微粒子の水性分散液として得ることが好ましい。樹脂微粒子の水性分散液を調製する方法としては、例えば、以下の(a)〜(h)に示す方法が挙げられる。
(a)ビニルモノマーを出発原料として懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法及び分散重合法のいずれかの重合反応により、直接、樹脂微粒子の水性分散液を調製する方法。
(b)ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加乃至縮合系樹脂の前駆体(モノマー、オリゴマー等)又はその溶剤溶液を適当な分散剤の存在下、水性媒体中に分散させた後、加熱又は硬化剤を添加して硬化させて、樹脂微粒子の水性分散液を調製する方法。
(c)ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加乃至縮合系樹脂の前駆体(モノマー、オリゴマー等)又はその溶剤溶液(液体であることが好ましく、加熱により液状化してもよい。)中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化させて、樹脂微粒子の水性分散液を調製する方法。
(d)予め重合反応(例えば、付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等)により合成した樹脂を機械回転式又はジェット式等の微粉砕機を用いて粉砕し、分級することによって樹脂微粒子を得た後、適当な分散剤の存在下、水中に分散させて、樹脂微粒子の水性分散液を調製する方法。
(e)予め重合反応(例えば、付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等)により合成した樹脂を溶剤に溶解させた樹脂溶液を霧状に噴霧することにより樹脂微粒子を形成した後、樹脂微粒子を適当な分散剤の存在下、水中に分散させて、樹脂微粒子の水性分散液を調製する方法。
(f)予め重合反応(例えば、付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等)により合成した樹脂を溶剤に溶解させた樹脂溶液に貧溶剤を添加する、又は予め溶剤に加熱溶解させた樹脂溶液を冷却することにより樹脂微粒子を析出させ、溶剤を除去して樹脂微粒子を形成した後、樹脂微粒子を適当な分散剤の存在下、水中に分散させて、樹脂微粒子の水性分散液を調製する方法。
(g)予め重合反応(例えば、付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等)により合成した樹脂を溶剤に溶解させた樹脂溶液を、適当な分散剤の存在下、水性媒体中に分散させた後、加熱、減圧等によって溶剤を除去して、樹脂微粒子の水性分散液を調製する方法。
(h)予め重合反応(例えば、付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等)により合成した樹脂を溶剤に溶解させた樹脂溶液中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化させて、樹脂微粒子の水性分散液を調製する方法。
また、水系媒体は、トナー材料液を乳化乃至分散させる際に、油滴を安定化させ、所望の形状を得ながら、粒度分布をシャープにする観点から、必要に応じて、分散剤を含有することが好ましい。
前記分散剤としては、例えば、界面活性剤、難水溶性の無機化合物分散剤、高分子系保護コロイド等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤等の界面活性剤が特に好ましい。
前記陰イオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステル等が挙げられ、フルオロアルキル基を有するものが好ましい。フルオロアルキル基を有する陰イオン性界面活性剤としては、例えば、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸又はその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(炭素数6〜11)オキシ]−1−アルキル(炭素数3〜4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(炭素数6〜8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(炭素数11〜20)カルボン酸又はその金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(炭素数7〜13)又はその金属塩、パーフルオロアルキル(炭素数4〜12)スルホン酸又はその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(炭素数6〜16)エチルリン酸エステル等が挙げられる。また、フルオロアルキル基を有する陰イオン性界面活性剤の市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113(以上、旭硝子株式会社製);フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(以上、住友3M株式会社製);ユニダインDS−101、DS−102(以上、ダイキン工業株式会社製);メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(以上、大日本インキ化学工業株式会社製);エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204(トーケムプロダクツ社製);フタージェントF−100、F150(ネオス社製)等が挙げられる。
前記陽イオン性界面活性剤としては、例えば、アミン塩型の界面活性剤、4級アンモニウム塩型の界面活性剤等が挙げられる。アミン塩型の界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリン等が挙げられる。また、4級アンモニウム塩型の界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。中でも、フルオロアルキル基を有する脂肪族1級、2級又は3級アミン酸、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10個)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩等の脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩等が好ましい。陽イオン性界面活性剤の市販品としては、例えば、サーフロンS−121(旭硝子株式会社製);フロラードFC−135(住友3M社製);ユニダインDS−202(ダイキン工業株式会社製)、メガファックF−150、F−824(以上、大日本インキ化学工業株式会社製);エクトップEF−132(トーケムプロダクツ社製);フタージェントF−300(ネオス社製)等が挙げられる。
前記非イオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体等が挙げられる。
前記両性界面活性剤としては、例えば、アラニン、ドデシルビス(アミノエチル)グリシン、ビス(オクチルアミノエチル)グリシン、N−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタイン等が挙げられる。
難水溶性の無機化合物分散剤としては、例えば、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等が挙げられる。
高分子系保護コロイドとしては、例えば、酸モノマー、水酸基を有する(メタ)アクリル系モノマー、ビニルアルコールのエーテル、ビニルアルコールとカルボキシル基を有する化合物のエステル、アミド結合を有するモノマー、アミド結合を有するモノマーのメチロール化物、酸塩化物モノマー、窒素原子又は窒素原子を含有する複素環を有するモノマー等の単独重合体又は共重合体、ポリオキシエチレン系樹脂、セルロース類等が挙げられる。
前記酸モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等が挙げられる。
前記水酸基を有する(メタ)アクリル系モノマーとしては、例えば、アクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリレート、ジエチレングリコールモノメタクリレート、グリセリンモノアクリレート、グリセリンモノメタクリレート、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等が挙げられる。
前記ビニルアルコールのエーテルとしては、例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル等が挙げられる。
前記ビニルアルコールとカルボキシル基を有する化合物のエステルとしては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等が挙げられる。
前記アミド結合を有するモノマーとしては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド酸等が挙げられる。
前記酸塩化物モノマーとしては、例えば、アクリル酸塩化物、メタクリル酸塩化物等が挙げられる。
前記窒素原子又は窒素原子を含有する複素環を有するモノマーとしては、例えば、ビニルビリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミン等が挙げられる。
前記ポリオキシエチレン系樹脂としては、例えば、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステル等が挙げられる。
前記セルロース類としては、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。
樹脂微粒子の水性分散液を調製する際には、必要に応じて、分散安定剤を用いることができる。分散安定剤としては、例えば、リン酸カルシウム塩等の酸、アルカリに可溶な化合物等が挙げられる。
また、結着樹脂がポリエステルプレポリマーを含有する場合は、水系媒体は、例えば、ジブチルスズラウレート、ジオクチルスズラウレート等のウレア反応、ウレタン反応の触媒を含有することもできる。
(3)乳化スラリーの調製
乳化スラリーは、トナー材料液を水系媒体中に乳化乃至分散させることにより調製されるが、攪拌しながら乳化乃至分散させることが好ましい。乳化乃至分散させる装置としては、例えば、ホモジナイザー(IKA株式会社製)、ポリトロン(キネマティカ株式会社製)、TKオートホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)等のバッチ式乳化機、エバラマイルダー(荏原製作所製)、TKフィルミックス、TKパイプラインホモミキサー(以上、特殊機化工業株式会社製)、コロイドミル(神鋼パンテック株式会社製)、スラッシャー、トリゴナル湿式微粉砕機(以上、三井三池化工機株式会社製)、キャピトロン(ユーロテック社製)、ファインフローミル(太平洋機工株式会社製)等の連続式乳化機、マイクロフルイダイザー(みずほ工業株式会社製)、ナノマイザー(ナノマイザー社製)、APVガウリン(ガウリン社製)等の高圧乳化機、膜乳化機(冷化工業株式会社製)等の膜乳化機、バイブロミキサー(冷化工業株式会社製)等の振動式乳化機、超音波ホモジナイザー(ブランソン社製)等の超音波乳化機等が挙げられる。中でも、粒径の均一化の観点から、APVガウリン、ホモジナイザー、TKオートホモミキサー、エバラマイルダー、TKフィルミックス、TKパイプラインホモミキサーが好ましい。
(4)有機溶媒の除去
乳化スラリーから、有機溶媒を除去する際には、反応系全体を徐々に昇温させて、乳化分散体中の有機溶媒を蒸発除去する方法、乳化分散体を乾燥雰囲気中に噴霧して、有機溶媒を除去すると共に、水性溶媒を蒸発除去する方法等が挙げられる。
(5)洗浄、乾燥、分級等
乳化スラリーから有機溶媒が除去されると、トナー母体粒子が形成される。トナー母体粒子に対しては、洗浄、乾燥等を行うことができ、更に、所望により分級等を行うことができる。例えば、水系媒体中でサイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子成分を取り除くことにより分級してもよいし、乾燥後のトナー母体粒子を分級してもよい。
なお、分散安定剤として、リン酸カルシウム塩等の酸、アルカリに可溶な化合物を用いた場合には、塩酸等の酸で分散安定剤を溶解させた後に、水洗する方法等により、トナー母体粒子から分散安定剤を除去することができる。
(6)無機微粒子等の外添
トナー母体粒子を、必要に応じて、シリカ、酸化チタン等の無機微粒子等と共に混合し、更に機械的衝撃力を印加することにより、トナー母体粒子の表面からの無機微粒子等の脱離を抑制することができる。機械的衝撃力を印加する方法としては、例えば、高速で回転する羽根を用いて、粒子に衝撃力を印加する方法、高速気流中に粒子を投入して加速させて粒子同士又は複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させて衝撃力を印加する方法等が挙げられる。機械的衝撃力を印加する装置としては、例えば、オングミル(ホソカワミクロン株式会社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して粉砕エアー圧カを低下させた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所製)、クリプトロンシステム(川崎重工業株式会社製)、自動乳鉢等が挙げられる。
本発明のトナーの着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、ブラックトナー、シアントナー、マゼンタトナー及びイエロートナーから選択される少なくとも1種とすることができ、各色のトナーは前記着色剤の種類を適宜選択することにより得ることができる。
本発明のトナーは、流動性、クリーニング性、定着性等の諸特性が良好であり、優れた低温定着性と耐熱保存性を両立することができる。したがって、本発明のトナーは、各種分野で使用することができ、特に、電子写真法による画像形成に使用することが好ましい。
(現像剤)
本発明の現像剤は、本発明の前記トナーを少なくとも含有してなり、キャリア等の適宜選択したその他の成分を含有してなる。該現像剤としては、一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよいが、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンタ等に使用する場合には、寿命向上等の点で前記二成分現像剤が好ましい。
本発明の前記トナーを用いた前記一成分現像剤の場合、トナーの収支が行われても、トナー粒径の変動が少なく、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化する為のブレード等の部材へのトナーの融着がなく、現像装置の長期の使用(撹拌)においても、良好で安定した現像性及び画像が得られる。
また、本発明の前記トナーを用いた前記二成分現像剤の場合、長期にわたるトナーの収支が行われても、現像剤中のトナー粒径の変動が少なく、現像装置における長期の撹拌においても、良好で安定した現像性が得られる。
前記キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、該芯材を被覆する樹脂層とを有するものが好ましい。
前記芯材の材料としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、50emu/g〜90emu/gのマンガン−ストロンチウム(Mn−Sr)系材料、マンガン−マグネシウム(Mn−Mg)系材料等が好ましく、画像濃度の確保の点では、鉄粉(100emu/g以上)、マグネタイト(75emu/g〜120emu/g)等の高磁化材料が好ましい。また、トナーが穂立ち状態となっている感光体への当りを弱くでき高画質化に有利である点で、銅−ジンク(Cu−Zn)系(30emu〜80emu/g)等の弱磁化材料が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよい、2種以上を併用してもよい。
前記芯材の粒径としては、体積平均粒径で、10μm〜150μmが好ましく、20μm〜80μmがより好ましい。
前記平均粒径(体積平均粒径(D50))が、10μm未満であると、キャリア粒子の分布において、微粉系が多くなり、1粒子当たりの磁化が低くなってキャリア飛散を生じることがあり、150μmを超えると、比表面積が低下し、トナーの飛散が生じることがあり、ベタ部分の多いフルカラーでは、特にベタ部の再現が悪くなることがある。
前記樹脂層の材料としては、特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アミノ系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、フッ化ビニリデンとフッ化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンと非フッ化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、シリコーン樹脂、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アミノ系樹脂としては、例えば、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる前記ポリビニル系樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等が挙げられる。前記ポリスチレン系樹脂としては、例えば、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル共重合樹脂等が挙げられる。前記ハロゲン化オレフィン樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。前記ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等が挙げられる。
前記樹脂層には、必要に応じて導電粉等を含有させてもよく、該導電粉としては、例えば、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛、等が挙げられる。これらの導電粉の平均粒子径としては、1μm以下が好ましい。前記平均粒子径が1μmを超えると、電気抵抗の制御が困難になることがある。
前記樹脂層は、例えば、前記シリコーン樹脂等を溶剤に溶解させて塗布溶液を調製した後、該塗布溶液を前記芯材の表面に公知の塗布方法により均一に塗布し、乾燥した後、焼付を行うことにより形成することができる。前記塗布方法としては、例えば、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法、等が挙げられる。
前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、セルソルブチルアセテート、等が挙げられる。
前記焼付としては、特に制限はなく、外部加熱方式であってもよいし、内部加熱方式であってもよく、例えば、固定式電気炉、流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉等を用いる方法、マイクロウエーブを用いる方法、などが挙げられる。
前記樹脂層の前記キャリアにおける量としては、0.01質量%〜5.0質量%が好ましい。前記量が、0.01質量%未満であると、前記芯材の表面に均一な前記樹脂層を形成することができないことがあり、5.0質量%を超えると、前記樹脂層が厚くなり過ぎてキャリア同士の造粒が発生し、均一なキャリア粒子が得られないことがある。
前記現像剤が前記二成分現像剤である場合、前記キャリアの該二成分現像剤における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、90質量%〜98質量%が好ましく、93質量%〜97質量%がより好ましい。
本発明の現像剤は、磁性一成分現像方法、非磁性一成分現像方法、二成分現像方法等の公知の各種電子写真法による画像形成に好適に用いることができる。
本発明の画像形成方法及び画像形成装置は、定着上限温度、定着下限温度、及び耐熱保存性に優れ、ヘイズ度が良好な画像が得られる本発明の前記トナーを用いているので、高画質画像が効率よく形成できる。
<画像形成方法及び画像形成装置>
静電潜像担持体表面を帯電させる帯電工程と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、現像剤として 本発明のトナー又は本発明の2成分現像剤を用いる。
さらに本発明の画像形成装置は、潜像担持体(感光体)と、該静電潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有しており、またさらに転写後の潜像担持体をクリーニングするクリーニング手段を備えており、現像剤として本件発明のトナー又は本件発明の2成分現像剤を備えている。
(画像形成装置)
本発明のトナーを用いる画像形成装置の概略について以下述べる。
本発明の画像形成装置は静電潜像担持体(感光体)と、該静電潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有しており、使用するトナーとして本発明のトナーを用いる。
本発明の電子写真式画像形成装置の一例としての複写機を図1に示す。
図1は、本発明の一実施の形態に係るカラー画像形成装置の内部構成図の一例を示す。 この具体例はタンデム型間接転写方式の電子写真複写装置であるが、本発明の画像形成装置は本具体例に限ったものではない。
図中符号(100)は複写装置本体、(200)は複写装置本体(100)を載せる給紙テーブル、(300)は複写装置本体(100)上に取り付けるスキャナ(読取り光学系)、(400)はさらにその上に取り付ける原稿自動搬送装置(ADF)である。複写装置本体(100)の中央位置には、横方向へ延びる無端ベルト状の中間転写体(10)を設ける。
そして、図示例では中間転写体を3つの支持ローラ(14)・(15)・(16)に掛け回して図中時計回りに回転搬送可能とする。この図示例では、3つの支持ローラの中で、第2の支持ローラ(15)の左に、画像転写後に中間転写体(10)上に残留する残留トナーを除去する中間転写体クリーニング装置(17)を設ける。また、3つの支持ローラの中で第1の支持ローラ(14)と第2の支持ローラ(15)間に張り渡した中間転写体(10)上には、その搬送方向に沿って、ブラック・イエロー・マゼンタ・シアンの4つの画像形成手段(18)を横に並べて配置してタンデム画像形成部(20)を構成する。
タンデム画像形成部(20)の直上には、図に示すように、さらに露光装置(21)を設ける。一方、中間転写体(10)を挟んでタンデム画像形成部(20)と反対の側には、2次転写装置(22)を備える。2次転写装置(22)は、図示例では、2つのローラ(23)間に、無端ベルトである2次転写ベルト(24)を掛け渡して構成し、中間転写体(10)を介して第3の支持ローラ(16)に押し当てて配置し、中間転写体(10)上の画像をシートに転写する。2次転写装置(22)の横には、シート上の転写画像を定着する定着装置(25)を設ける。定着装置(25)は、無端ベルトである定着ベルト(26)に加圧ローラ(27)を押し当てて構成する。上述した2次転写装置(22)は、画像転写後のシートをこの定着装置(25)へと搬送するシート搬送機能も備えている。
なお、図示例では、このような2次転写装置22および定着装置(25)の下に、上述したタンデム画像形成部(20)と平行に、シートの両面に画像を記録すべくシートを反転するシート反転装置(28)を備える。
さて、いまこのカラー電子写真装置を用いてコピーをとるときは、原稿自動搬送装置(400)の原稿台(30)上に原稿をセットする。または、原稿自動搬送装置(400)を開いてスキャナ(300)のコンタクトガラス(32)上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置(400)を閉じてそれで押さえる。不図示のスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置(400)に原稿をセットしたときは、原稿を搬送してコンタクトガラス(32)上へと移動させた後、他方コンタクトガラス(32)上に原稿をセットしたときは、直ちにスキャナ(300)を駆動し、第1走行体(33)および第2走行体(34)を走行する。そして、第1走行体(33)で光源から光を発射するとともに原稿面からの反射光をさらに反射して第2走行体(34)に向け、第2走行体(34)のミラーで反射して結像レンズ(35)を通して読取りセンサ(36)に入れ、原稿内容を読み取る。
また、不図示のスタートスイッチを押すと、不図示の駆動モータで支持ローラ(14)、(15)、(16)のうちの1つを回転駆動して他の2つの支持ローラを従動回転し、中間転写体(10)を回転搬送する。同時に、個々の画像形成手段(18)でその感光体(40)を回転して各感光体(40)上にそれぞれ、ブラック・イエロー・マゼンタ・シアンの単色画像を形成する。
そして、中間転写体(10)の搬送とともに、それらの単色画像を順次転写して中間転写体(10)上に合成カラー画像を形成する。一方、不図示のスタートスイッチを押すと、給紙テーブル(200)の給紙ローラ(42)の1つを選択回転し、ペーパーバンク(43)に多段に備える給紙カセット(44)の1つからシートを繰り出し、分離ローラ(45)で1枚ずつ分離して給紙路(46)に入れ、搬送ローラ(47)で搬送して複写機本体(100)内の給紙路(48)に導き、レジストローラ(49)に突き当てて止める。そして、中間転写体(10)上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ(49)を回転し、中間転写体(10)と2次転写装置(22)との間にシートを送り込み、2次転写装置(22)で転写してシート上にカラー画像を記録する。画像転写後のシートは、2次転写装置(22)で搬送して定着装置(25)へと送り込み、定着装置(25)で熱と圧力とを加えて転写画像を定着した後、切換爪(55)で切り換えて排出ローラ(56)で排出し、排紙トレイ(57)上にスタックする。または、切換爪(55)で切り換えてシート反転装置(28)に入れ、そこで反転して再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録して後、排出ローラ(56)で排紙トレイ(57)上に排出する。一方、画像転写後の中間転写体(10)は、中間転写体クリーニング装置(17)で、画像転写後に中間転写体(10)上に残留する残留トナーを除去し、タンデム画像形成部(20)による再度の画像形成に備える。
さて、上述したタンデム画像形成部(20)において、個々の画像形成手段(18)は、ドラム状の感光体(40)のまわりに、帯電装置(60)、現像装置(61)、1次転写装置(62)、除電装置(64)などを備えている。感光体クリーニング装置(63)は少なくともブレードクリーニング部材を持つ。また、現像装置(61)は、図2に示すように現像剤容器内に、現像剤攪拌・搬送手段としてのトナー補給側攪拌室(86)、現像側攪拌室(87)、現像スリーブ(68)、トナー濃度センサ(75)、ドクタブレード(77)を備える。トナー補給側撹拌室(86)の容器外壁には図示しない補給口を設けて図示しないトナー補給装置からトナーが供給される。トナー補給側の攪拌スクリューは、トナー補給装置から補給されたトナーと現像剤容器内の現像剤(磁性粒子とトナーとを有する二成分現像剤)とを攪拌、搬送する。また、現像剤撹拌室(87)(現像剤担持体側)の攪拌スクリューは、現像剤容器内の現像剤を攪拌、搬送する。
補給側攪拌室と現像側攪拌室は図3に示すように仕切り板(80)で仕切られており、両端部に現像剤の受け渡す開口部がある。
現像側攪拌室の現像剤は現像スリーブに汲み上げられ、ドクタブレードによって量を規制され潜像坦持体との摺擦部に供給される。この時、ドクタブレードにより現像剤は最も大きな摺擦力を与えられる。
図4に本発明のトナーを用いるプロセスカートリッジの概略構成を示す。図4において、(1)はプロセスカートリッジ全体を示し、(2)は感光体、(3)は帯電手段、(4)は現像手段、(5)はクリーニング手段を示す。
本発明においては、上述の感光体(2)、帯電手段(3)、現像手段(4)及びクリーニング手段(5)等の構成要素のうち、複数のものをプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やプリンタ等の画像形成装置本体に対して着脱可能に構成する。
本発明のトナーを用いるプロセスカートリッジを有する画像形成装置は、感光体が所定の周速度で回転駆動される。感光体は回転過程において、帯電手段によりその周面に正または負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレーザビーム走査露光等の像露光手段からの画像露光光を受ける。こうして感光体の周面に静電潜像が順次形成され、形成された静電潜像は現像手段によりトナーで現像され、現像されたトナー像は、給紙部から感光体と転写手段との間に感光体の回転と同期されて給送された転写材に、転写手段により順次転写されていく。像転写を受けた転写材は感光体面から分離されて像定着手段へ導入されて像定着され、複写物(コピー)として装置外へプリントアウトされる。像転写後の感光体の表面は、少なくともブレードクリーニング部材を持つクリーニング手段によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、更に除電された後、繰り返し画像形成に使用される
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(樹脂A〜Jの合成)
窒素導入管、攪拌装置、減圧装置、温度計を備えた反応釜に、以下に示す表1に記載の割合で材料を投入し、5時間真空乾燥後、窒素置換を行った。その後、窒素雰囲気下攪拌をしながら190℃で2時間反応を行った。さらに190℃のまま窒素導入を停止して2時間減圧を行った。その後再度窒素導入を行って常圧に戻し、反応釜中の重合体を取り出した。
Figure 0005557025
ε−CL:ε−カプロラクトン
(樹脂Yの合成)
冷却管、攪拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器内に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物329質量部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物429質量部、テレフタル酸154質量部、イソフタル酸54質量部、アジピン酸20質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を仕込み、常圧下、230℃で8時間反応した。
次いで、10〜15mmHgの減圧下に6時間反応した後、反応容器内に無水トリメリット酸41質量部を入れ、180℃、常圧で2時間反応し、[樹脂Y]を合成した。
(樹脂Zの合成)
冷却管、撹拌機および窒素導入管のついた反応容器中に、ドデシル硫酸ナトリウム0.6部、イオン交換水466部をいれ、攪拌しながら80℃に加熱して溶解させた後、過硫酸カリウム2.5部をイオン交換水100部に溶解させたものを加え、その15分後に 、スチレンモノマー153部、ブチルアクリレート42部、メタクリル酸5部、n−オクタンチオール4.6部の単量体混合液を90分かけて滴下し、その後さらに60分間80℃に保ち重合反応をさせた。
その後、冷却、乾燥し白色の樹脂Zを得た。
樹脂A〜J、樹脂Y、Zの重量平均分子量を表2に示す。
Figure 0005557025
(セルロースナノファイバーの調整)
食材として利用されているセルロースナノファイバーゲルであるナタデココ(フジッコ社製,固形分率:約0.5重量%)のサイコロ片を十分に水洗して水溶性の糖分などの不純物を除去し、ついで溶媒をイソプロパノールに置換、ついで酢酸エチルに置換した後、ろ過をしてセルロースナノファイバーの酢酸エチル分散体を得た。固形分濃度は12.7%であった。
さらに、得られたセルロースナノファイバーの酢酸エチル分散体を風乾することで、セルロースナノファイバーの固体を得た。この固形分濃度は67%であった。
<トナー1の製造>
(樹脂微粒子分散液の調製)
撹拌棒、及び温度計をセットした反応容器内に、水680質量部、メタクリル酸のエチレンオキシド付加物の硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業株式会社製)13質量部、スチレン80質量部、メタクリル酸80質量部、アクリル酸ブチル105質量部、及び過硫酸アンモニウム2質量部を仕込み、4,200rpmで1時間撹拌し、白色の乳濁液を得た。
次に、系内温度を75℃まで昇温し、4時間反応させた。
更に、1質量%の過硫酸アンモニウム水溶液30質量部を加え、75℃で6時間熟成し、樹脂微粒子分散液1を調製した。
得られた樹脂微粒子分散液1について、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LA−920、堀場製作所製)で測定したところ、体積平均粒径が50nmであった。
また、樹脂微粒子分散液1の一部を乾燥して樹脂分を単離したところ、樹脂分は、ガラス転移温度(Tg)が52℃、重量平均分子量(Mw)が120,000であった。
次に、水780質量部、140質量部の前記樹脂微粒子分散液1、及びドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5質量%水溶液(エレミノールMON−7、三洋化成工業株式会社製)80質量部を混合攪拌し、乳白色の液体[樹脂微粒子分散液]を得た。
(マスターバッチ1)
(ピグメントブルー 15:3):45部、樹脂 E:55部、をヘンシェルミキサーにて混合し、顔料と樹脂の混合物を得た。これをロ−ル表面温度130℃に設定した2本ロールにより45分間混練を行い、パルベライザーで1mmの大きさに粉砕し、[マスターバッチ1]を得た。
(顔料・WAX分散液(油相)の作製)
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[樹脂 D] 545部、[セルロースナノファイバーの酢酸エチル分散体]の12.7%酢酸エチル溶液 350部、[カルナウバワックス] 115部、酢酸エチル 650部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却した。次いで容器に[マスターバッチ1]195部、酢酸エチル 100部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液1]を得た。
[原料溶解液1]1500部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、顔料、WAXの分散を行った。次いで、[樹脂D]の65%酢酸エチル溶液 655部加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料・WAX分散液1]を得た。[顔料・WAX分散液1]の固形分濃度(130℃、30分)が50%となるように酢酸エチルを加えて調整した。
(水相の調製)
イオン交換水 970部、分散安定用の有機樹脂微粒子(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の25wt%水性分散液40部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液 150部、酢酸エチル 98部を混合撹拌し、[水相1]を得た。"
(乳化工程)
[顔料・WAX分散液1]976部、イソホロンジアミン 2部をTKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmにて1分間混合した後、を加えTKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmにて1分間混合した後、[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数2,000〜15,000rpmで調整しながら20分間混合し[分散スラリー1]を得た。
次に、分散スラリー100質量部を減圧濾過し、得られた濾過ケーキにイオン交換水100質量部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過した。
得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過する操作を2回行った。
得られた濾過ケーキに10質量%水酸化ナトリウム水溶液20質量部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで30分間混合した後、減圧濾過した。
得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過した。
得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過する操作を2回行った。
得られた濾過ケーキに10質量%塩酸20質量部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過した。
得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過する操作を2回行い、濾過ケーキを得た。
循風乾燥機を用いて、得られた濾過ケーキを45℃で48時間乾燥し、目開きが75μmのメッシュで篩い、トナー母体粒子1を作製した。
得られたトナー母体粒子1を100質量部と、外添剤としての疎水性シリカ(H2000、クラリアントジャパン社製)1.0質量部を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)を用いて、周速30m/秒で30秒間混合し、1分間休止する処理を5サイクル行った後、目開きが35μmのメッシュで篩い、トナー1を作製した。
トナー1の体積平均粒子径は5.3μm、円形度は0.961であった。
<トナー2〜15、101〜105の製造>
トナー1の製造で用いた樹脂、繊維の種類及びその含有量を、表3の記載のものに変更する以外はトナー1の製造と同様にしてトナー2〜15、トナー101〜105を作成した。
Figure 0005557025
CNF:セルロースナノファイバー
CNT:カーボンナノチューブ

トナー1〜15、101〜105の体積平均粒径(Dv)及び体積平均粒径と個数平均粒径との比(Dv/Dn)、樹脂のガラス転移温度(Tg)、並びに樹脂の重量平均分子量(Mw)及びピークトップ分子量は、以下のようにして測定した。
(体積平均粒径(Dv)及び体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)の測定)
トナー(トナー母体粒子)の粒度分布は、コールターマルチサイザーを用いて行った。
即ち、測定装置としてはコールターマルチサイザーIII型(コールター社製)を用い、個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科機株式会社製)及びパーソナルコンピューターを接続し、電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1質量%NaCl水溶液を調製した。
測定法としては、前記電解水溶液150ml中に分散剤として界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸塩)を5ml加え、更に測定試料を20mg加え、超音波分散器で約3分の分散処理を行った。
更に、別のビーカーに電解水溶液200mlを入れ、その中に前記サンプル分散液を所定の濃度になるように加え、前記コールターマルチサイザーIIIによりアパーチャーとして100μmアパーチャーを用い、50,000個の粒子の平均を測定することにより行った。
得られた体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)から両者の比(Dv/Dn)を求めた。
(樹脂のガラス転移温度(Tg)の測定)
樹脂のガラス転移温度(Tg)を測定する装置として、TG−DSCシステム(TAS−100、理学電機株式会社製)を使用した。
まず、試料約10mgをアルミニウム製試料容器に入れ、それをホルダユニットに載せ、電気炉中にセットする。
次に、室温から昇温速度10℃/分で150℃まで加熱した後、150℃で10分間放置した後、室温まで試料を冷却して10分間放置し、更に、窒素雰囲気下で再度150℃まで昇温速度10℃/分で加熱してDSC測定を行った。
ガラス転移温度(Tg)は、TAS−100システム中の解析システムを用いて、吸熱カーブ部分の接線とベースラインとの交点から算出した。
(樹脂の重量平均分子量(Mw)及びピークトップ分子量の測定)
樹脂の重量平均分子量(Mw)及びは、THF可溶分についてGPCを用いて以下の条件で測定した。
・装置:東ソー株式会社製 HLC−8120 ・カラム:TSKgelGMHXL(2本)・TSKgelMultiporeHXL−M(1本)・測定温度:40℃・試料溶液:0.25質量%のTHF溶液・溶液注入量:100μl ・検出装置:屈折率検出器・基準物質:ポリスチレンまた、得られたクロマトグラム上の最大のピーク高さを示す分子量をピークトップ分子量として求めた。
得られたトナーを以下の方法で評価した。
(定着性)
定着ユニットを取り外して定着前の画像を取り出せるように改造したリコー社製IPSiO SP C220にトナーを入れ、リコー製 タイプ6200Y目紙上に、付着量が9g/mになるように設定して40mm角の未定着ベタ画像を印字した試験紙を25枚用意した。
次に、リコー社製IPSiO SP C220から定着ユニットを取り出し定着ローラ上の温度およびシステムスピードを外部から任意に変更できるように改造した定着ユニットを用い、システムスピードを180mm/secに設定し、用意した試験紙を通紙して画像を定着させた。定着温度を85℃から5℃刻みで205℃まで試験を行った。
定着下限温度は、定着画像について上島製作所製描画試験器 AD−401を使用し定着画像(B)の着色部分にサファイヤ針125μR、針回転直径8mm、荷重1gの条件で当接した状態で走行させ、サファイヤ針尖端部の走行面を目視により観察したときに、引っかき傷の白い点が明確に認められない最低温度とした。当然ながら定着下限温度は低いほど装置の消費電力を抑えられるので好ましい。
また温度を5℃刻みで上げていきながら試験を行ったときに、定着装置への試験紙巻きつき、画像の定着ローラへの付着、あるいは前回の試験(定着温度が5℃低い条件での試験)に対する光沢度の低下、のいずれかが起こった場合も定着不良とし、この定着不良の起こらなかった最高温度を定着上限温度とした。
なお、定着可能温度幅は、定着下限温度から定着上限温度までの温度幅である。この幅が大きいほど定着装置の温度制御の自由度があって好ましい。実使用上、温度幅は最低でも30℃は必要で、好ましくは40℃以上あるとよく、50℃以上あれば定着装置の設計がかなり行いやすいものとなる。

次に、定着下限温度よりも10℃高い温度で定着した試験紙を目視で観察したときのシアン色の様子を評価した。(定着下限温度よりも10℃高い温度で定着した試験紙を用いたのは、ある程度定着が安定している状態を評価するためである。)

◎ 鮮やかなシアン色の画像が得られた。
○ 若干白っぽいが鮮やかなシアン色の画像が得られた。
△ 明らかに白っぽいシアン色の画像が得られ、実使用上問題と考えられる。
× 明らかにシアン色とはいえないくすんだ色の画像が得られ、実使用上問題と考えられる。
(現像性)
リコー社製IPSiO SP C220にトナーを入れ、印字率が5%になるような画像を連続的に1000枚出力した。出力後、現像装置を分解し規制ブレードを取り出し、エアブローで付着している粉体を吹き飛ばし、ウエスで軽く拭いた後の規制ブレードの様子を観察した。

◎ 規制ブレードには付着物は見られなかった。
○ 規制ブレードにはうっすらと付着物が見られた。
△ 規制ブレードに塊となった付着物がまばらに見られた。
× 規制ブレードの全面に硬い付着物が見られた。

付着物の塊や硬い付着物は、トナーの薄層形成に悪影響を及ぼし画像品位を著しく損ねるため、実使用上問題となる。
(クリーニング性)
感光体の様子を観察した。

◎ 感光体の回転方法と平行なスジ上のトナー付着は見られなかった。
○ 感光体の回転方法と平行なスジ上のトナー付着が1本見られた。
△ 感光体の回転方法と平行なスジ上のトナー付着が2〜9本見られた。
× 感光体の回転方法と平行なスジ上のトナー付着が10本以上見られた。

以上の評価結果を表4に示す。
Figure 0005557025
Figure 0005557025

色(定着後)
◎ 鮮やかなシアン色の画像が得られた。
○ 若干白っぽいが鮮やかなシアン色の画像が得られた。
△ 白っぽいシアン色の画像が得られた。
× 明らかにシアン色とはいえないくすんだ色の画像が得られた。
1 プロセスカートリッジ
2 感光体
3 帯電手段
4 現像手段
5 クリーニング手段
10 中間転写体
14・15・16 支持ローラ
17 中間転写体クリーニング装置
18 画像形成手段
20 タンデム画像形成部
21 露光装置
22 2次転写装置
23 ローラ
24 2次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 シート反転装置
30 原稿台
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 感光体(静電潜像担持体)
42 給紙ローラ
43 ペーパーバンク
44 給紙カセット
45 分離ローラ
46 給紙路
47 搬送ローラ
48 給紙路
49 レジストローラ
55 切換爪
56排出ローラ
57 排紙トレイ
60 帯電装置
61 現像装置
62 1次転写装置
63 感光体クリーニング装置
64 除電装置
68 現像スリーブ
75 トナー濃度センサ
77 ドクタブレード
78 現像剤経路規制部材
80 仕切り板
86 トナー補給側攪拌室
87 現像側攪拌室
100 複写装置本体
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)
特開2009−29927号公報 特開2010−122667号公報 特開2009−92822号公報

Claims (18)

  1. 少なくとも着色剤、結着樹脂を含むトナーであって、さらにセルロースナノファイバーを含み、前記結着樹脂は、光学活性モノマーからなるポリヒドロキシカルボン酸骨格を含有し、前記光学活性モノマー由来のポリヒドロキシカルボン酸骨格がモノマー成分換算で、光学純度X(%)=|X(L体)−X(D体)|〔ただし、X(L体)は光学活性モノマー換算でのL体比率(モル%)、X(D体)は光学活性モノマー換算でのD体比率(モル%)を表す〕が90%以下であることを有することを特徴とするトナー。
  2. 前記セルロースナノファイバーをトナー100重量部に対して0.2〜15重量部含むことを特徴とする請求項1に記載のトナー。
  3. 前記セルロースナノファイバーの最大の太さが900nmであることを特徴とする請求項1または2に記載のトナー。
  4. 前記セルロースナノファイバーの平均太さが4〜30nmであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のトナー。
  5. 前記結着樹脂の重量平均分子量が2000〜50000であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のトナー。
  6. 前記結着樹脂の重量平均分子量が4000〜30000であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のトナー。
  7. 前記結着樹脂の重量平均分子量が5000〜15000であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のトナー。
  8. 前記結着樹脂のポリヒドロキシカルボン酸骨格が、炭素数2〜6のヒドロキシカルボン酸が(共)重合した骨格であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のトナー。
  9. 前記結着樹脂のポリヒドロキシカルボン酸骨格が、乳酸を(共)重合して得られたものであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のトナー。
  10. 前記結着樹脂のポリヒドロキシカルボン酸骨格が、ラクチドを開環重合して得られたものであることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のトナー。
  11. 前記結着樹脂のポリヒドロキシカルボン酸骨格が、L−ラクチドとD−ラクチドの混合物を開環重合して得られたものであることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載のトナー。
  12. 前記トナーの体積平均粒径が3μm以上8μm以下であり、該トナーの個数平均粒径(Dn)に対する体積平均粒径(Dv)の比(Dv/Dn)が1.00以上1.25以下であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載のトナー。
  13. 少なくとも着色剤、結着樹脂を含むトナーを製造する方法であって、少なくとも着色剤、結着樹脂、及び、セルロースナノファイバーを有機溶媒中に溶解あるいは分散した油相を粒子とした後、前記有機溶媒を除去するものであり、前記結着樹脂が、光学活性モノマー由来のポリヒドロキシカルボン酸骨格を含有し、前記光学活性モノマーからなるポリヒドロキシカルボン酸骨格がモノマー成分換算で、光学純度X(%)=|X(L体)-X(D体)|〔ただし、X(L体)は光学活性モノマー換算でのL体比率(モル%)、X(D体)は光学活性モノマー換算でのD体比率(モル%)を表す〕が90%以下であることを有することを特徴とするトナーの製造方法。
  14. 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーを含む現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、前記トナーが、請求項1乃至12のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成装置。
  15. 前記現像工程が、トナー搬送部材、該搬送部材と接触してトナーを該搬送部材表面に供給するトナー供給部材、および該搬送部材表面に当接され、前記搬送部材表面に供給されたトナーの層厚を規制するトナー規制部材を有する現像装置を用いるものであることを特徴とする請求項14に記載の画像形成装置。
  16. 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーを含む現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成方法であって、前記トナーが、請求項1乃至12のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成方法。
  17. 前記現像工程が、トナー搬送部材、該搬送部材と接触してトナーを該搬送部材表面に供給するトナー供給部材、および該搬送部材表面に当接され、前記搬送部材表面に供給されたトナーの層厚を規制するトナー規制部材を有する現像装置を用いるものであることを特徴とする請求項16に記載の画像形成方法。
  18. 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像をトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有し、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジであって、前記トナーが、請求項1乃至12のいずれかに記載のトナーであることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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