JP6107259B2 - トナー、現像剤、画像形成装置、プロセスカートリッジ - Google Patents
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Description
植物由来の原材料を使用した樹脂をトナー用材料として活用する手段として、結着樹脂に生分解性を有する微生物産生脂肪族ポリエステルを使用する例があるが(例えば特許文献1)、該ポリエステルをトナー用樹脂として使用した場合、トナーの軟化温度が高いため、定着温度を高く設定しなくてはならず、省エネの観点からみると不適であった。
定着温度を低下させる手法としては、天然由来の樹脂に植物系のワックスを多量に添加して軟化温度を下げる方法(例えば、特許文献2)が提案されているが、トナーの軟化温度を下げることはできても、ワックス成分によりトナーが凝集し易くなることが多く、生産性の悪化やトナーの流動性が悪化することにより、現像機内でのトナー搬送性が劣るなどの問題があった。
他方、トナーの定着温度を低くする手段としては、結着樹脂のガラス転移点を低くする技術が一般的である。このガラス転移点はトナーバインダーの設計ポイントであり、ガラス転移点により定着特性を制御することができるが、代表的な天然由来樹脂である非晶性ポリ乳酸は乳酸ユニットのみから構成される。したがって、ガラス転移点を制御する手段は限定的であり、ポリ乳酸樹脂を高濃度に含有するトナーにおいて、これまで以上に低温定着可能なトナーを得ることはできていないばかりか、従来のトナーよりも高温が必要であった。
更に、いずれの先行技術においても特に明示されていないが、これら天然由来樹脂を使用した系は、従来のトナーバインダーより加水分解しやすく、ガラス転移点や熱変形温度の低下が起こり、高温多湿下で輸送、保管等を行った際に、粒子同士あるいは形成画像が膠着し、使用に耐えないという欠点も有している。
以上のように、天然由来樹脂をトナーの結着樹脂の主要な樹脂成分とするには課題が多く、結着樹脂の一部を天然由来樹脂で置き換えた場合でも、その配合量が限られており、結着樹脂としての特性を維持しつつ、より多くの天然由来樹脂の配合が期待されている。
1) 少なくとも結着樹脂と離型剤を含有するトナーであって、該結着樹脂が少なくとも乳酸が脱水縮合された構成単位を有するポリエステル樹脂を含み、前記乳酸が脱水縮合された構成単位中の下記式で示されるモノマー成分換算での光学純度X(%)が80%以下であり、モノカルボジイミド化合物をトナー重量に対して0.1〜5重量%含有し、前記ポリエステル樹脂が脂肪族結晶性ポリエステルセグメント又は非晶性ポリエステルセグメントを含むことを特徴とするトナー。
光学純度X(%)=|X(L体)−X(D体)|
〔ただし、X(L体)は乳酸モノマー換算でのL体比率(%)、X(D体)は乳酸モノマー換算でのD体比率(%)を表す。〕
2) 前記モノカルボジイミド化合物が、芳香環を有することを特徴とする1)に記載のトナー。
3) 1)又は2)に記載のトナーを含むことを特徴とする現像剤。
4) 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された前記静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像を、トナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、前記トナーが、1)又は2)に記載のトナーであることを特徴とする画像形成装置。
5) 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像をトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有し、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジであって、前記トナーが、1)又は2)に記載のトナーであることを特徴とするプロセスカートリッジ。
本発明のトナーは、乳酸が脱水縮合された構成単位を有するポリエステル樹脂及びモノカルボジイミド化合物を含有する。
本発明者らは、結着樹脂としてポリ乳酸を実質主成分として用いた場合においても、モノカルボジイミド化合物を含有させることにより、低温定着性と耐ホットオフセット性に優れ、かつ長期保管後においても物性の変動が少なく安定した画像を出力可能なトナーを提供できることを見出した。
モノカルボジイミドの代わりに、分子中に2つ以上のカルボジイミド基を有するポリカルボジイミドを使用した場合は、可塑化効果が得られないだけでなく、鎖延長や架橋が起こり、著しい低温定着性の悪化を招く場合がある。また、ポリカルボジイミドでは分子中の均一拡散性・分散性が悪化するため、カルボキシル基と反応しにくくなり、長期保管後の物性変動を抑制できない場合がある。
その具体例としては、N,N′−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−o−トリルカルボジイミド、N,N′−ジフェニルカルボジイミド、N,N′−ジオクチルデシルカルボジイミド、N,N′−ジ−2,6−ジメチルフェニルカルボジイミド、N−トリル−N′−シクロヘキシルカルボジイミド、N,N′−ジ−2,6−ジ−tert−ブチルフェニルカルボジイミド、N−トリル−N′−フェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−p−ニトロフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−p−アミノフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−p−ヒドロキシフェニルカルボジイミド、N,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N′−ジ−p−トリルカルボジイミド、p−フェニレンビスジ−o−トリルカルボジイミド、p−フェニレンビスジシクロヘキシルカルボジイミド、ヘキサメチレンビスジシクロヘキシルカルボジイミド、エチレンビスジフェニルカルボジイミド,N,N′−ベンジルカルボジイミド、N−オクタデシル−N′−フェニルカルボジイミド、N−ベンジル−N′−フェニルカルボジイミド、N−オクタデシル−N′−トリルカルボジイミド、N−シクロヘキシル−N′−トリルカルボジイミド、N−フェニル−N′−トリルカルボジイミド、N−ベンジル−N′−トリルカルボジイミド、N,N′−ジ−o−エチルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−p−エチルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−o−イソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−p−イソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−o−イソブチルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−p−イソブチルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−2,6−ジエチルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−2−エチル−6−イソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−2−イソブチル−6−イソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−2,4,6−トリメチルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−2,4,6−トリイソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−2,4,6−トリイソブチルフェニルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、ジメチルカルボジイミド、ジイソブチルカルボジイミド、ジオクチルカルボジイミド、t−ブチルイソプロピルカルボジイミド、ジ−β−ナフチルカルボジイミド、ジ−t−ブチルカルボジイミドなどが挙げられる。
これらのモノカルボジイミド化合物は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
更に、モノカルボジイミド化合物としては市販品を使用してもよく、例えば、ラインケミー社製「スタバックゾールI」「スタバックゾールI−LF」、松本油脂社製「EN160」、「NCN」などが挙げられる。
モノカルボジイミド化合物のトナー中の含有量は0.1〜5重量%とする必要があり、好ましくは0.2〜4重量%、更に好ましくは0.5〜3重量%である。0.1重量%未満では、低温定着性や長期保管後の安定した出力画像が得られないし、5重量%を超えると、トナーの耐熱保存性、帯電特性等の他の物性に悪影響を与える。
前記モノカルボジイミド化合物のトナー中の含有量測定方法には特に制限は無く、目的に応じて適宜選択できる。例えば、トナーを適当な溶媒に溶解させた後、ろ過により液中の顔料、離型剤、外添剤等の固形分を除去し、カルボジイミド化合物を含む溶液を得る。この溶液を高速液体クロマトグラフ(HPLC)で測定し、カルボジイミド化合物に由来するピーク面積から含有量を定量する。
前記カルボジイミド化合物の配合方法には特に制限はなく、結着樹脂などのトナー成分と溶融混練させても良いし、有機溶媒中で結着樹脂などのトナー成分と混合しても良い。
前記ポリ乳酸の製造方法は特に限定されず従来公知の方法を用いることができる。例えば、原料となるトウモロコシ等の澱粉を発酵させて乳酸を得た後、乳酸モノマーから直接脱水縮合する方法、乳酸から環状二量体ラクチドを経て、触媒の存在下で開環重合によって合成する方法などが挙げられる。中でも、分子量の制御を開始剤量で制御できること、及び反応を短時間で完結できることなどの生産性の観点から、開環重合による方法が好ましい。
前記共重合体としては、脂肪族結晶性ポリエステルセグメントや非晶性ポリエステルセグメントを含むものを用いる。このような共重合体としては、脂肪族結晶性ポリエステルポリオールや非晶性ポリエステルポリオールの末端水酸基よりラクチドを開環重合させた共重合体、ポリエステルポリオールとポリ乳酸をジフェニルメタンジイソシアネート等のジイソシアネート類を用いてウレタン変性ポリエステルとした共重合体等、公知のものを適宜選択して用いることができる。
また、低温定着性と耐熱保存性だけでなく、優れた帯電特性及び顔料分散性の観点から非晶性ポリエステルとの共重合体が特に好ましい。非晶性ポリエステルとの共重合体とすることにより、顔料分散性が向上し良好な色再現性が得られるだけでなく、顔料の偏析による定着特性の悪化を抑制できる。また、トナーの抵抗が上昇し良好な帯電特性が得られる。前記非晶性ポリエステルとの共重合体を生成する共重合方式としては、非晶性ポリエステルポリオールの末端水酸基よりラクチドを開環重合する方法が、均一な構造が得られトナーとした場合に組成のばらつきが少なく、低温定着性と耐熱保存性を有しつつ優れた帯電特性及び顔料分散性を発揮しうるので好ましい。
X(%)=|X(L体)−X(D体)|
〔ただし、X(L体)は乳酸モノマー換算でのL体比率(%)、X(D体)は乳酸モノマー換算でのD体比率(%)を表す。〕
X(L体)%=100×S(L)/〔S(L)+S(D)〕
X(D体)%=100×S(D)/〔S(L)+S(D)〕
光学純度X%=|X(L体)−X(D体)|
前記ポリエステル樹脂の分子構造は、溶液や固体によるNMR測定の他、GC/MS、LC/MS、IR測定などにより確認することができる。
前記多価アルコール成分としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジオール、3価以上のアルコールが挙げられる。
前記ジオールとしては、例えば飽和脂肪族ジオールが挙げられる。前記飽和脂肪族ジオールとしては、直鎖型飽和脂肪族ジオール、分岐型飽和脂肪族ジオールが挙げられるが、これらの中でも、直鎖型飽和脂肪族ジオールが好ましく、炭素数が4〜12の直鎖型飽和脂肪族ジオールがより好ましい。分岐型飽和脂肪族ジオールの場合、脂肪族結晶性ポリエステルの結晶性が低下し、融点が低下してしまうことがある。また、主鎖部分の炭素数が4未満では、芳香族ジカルボン酸と縮重合させる場合に融解温度が高くなり、低温定着が困難となることがある。一方、主鎖部分の炭素数が12を超えると、実用上の材料の入手が困難となる。
前記3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。
上記多価アルコールは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記多価カルボン酸成分としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2価のカルボン酸、3価以上のカルボン酸が挙げられる。
前記2価のカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸等の飽和脂肪族ジカルボン酸などが挙げられ、更に、これらの無水物や低級アルキルエステルも挙げられる。
これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記脂肪族結晶性ポリエステルの重量平均分子量は、目的に応じて適宜選択することができるが、5000〜30000が好ましく、7000〜20000がより好ましい。
また、前記共重合体における前記脂肪族結晶性ポリエステルの含有量は10〜40重量%が好ましい。含有量が10%未満では、ポリ乳酸骨格の支配が強く十分な低温定着性が発現しない。一方、40重量%を超えると、より低温で流動しやすくなるが、オフセットしやすくなるため定着温度域が狭くなる。
前記脂肪族結晶性ポリエステルの分子構造は、溶液や固体によるNMR測定の他、GC/MS、LC/MS、IR測定などにより確認することができる。
非結晶性ポリエステルに用いられるアルコール成分としては、2価のアルコール(ジオール)、具体的には、炭素数2〜36のアルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール及び1,6−ヘキサンジオールなど);炭素数4〜36のアルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びポリブチレングリコールなど);炭素数6〜36の脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール及び水素添加ビスフェノールAなど);上記脂環式ジオールの炭素数2〜4のアルキレンオキシド〔エチレンオキシド(以下、EOと略記する)、プロピレンオキシド(以下、POと略記する)及びブチレンオキシド(以下、BOと略記する)など〕付加物(付加モル数1〜30);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF及びビスフェノールSなど)の炭素数2〜4のアルキレンオキシド(EO、PO及びBOなど)付加物(付加モル数2〜30)などが挙げられる。
また、前記非晶性ポリエステルの重量平均分子量は5000〜30000が好ましく、7000〜20000がより好ましい。
前記非晶性ポリエステルの分子構造は、溶液や固体によるNMR測定の他、GC/MS、LC/MS、IR測定などにより確認することができる。
トナーに配合する離型剤としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、融点が50℃〜120℃の低融点の離型剤が好ましい。低融点の離型剤は、結着樹脂と一緒に分散されることにより、定着ローラとトナーとの界面で効果的に離型剤として働き、これによりオイルレス(定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布しない)でもホットオフセット性が良好となる。
離型剤の溶融粘度は、その融点より20℃高い温度での測定値として、5〜1000cpsが好ましく、10〜100cpsがより好ましい。溶融粘度が5cps未満では離型性が低下することがあり、1,000cpsを超えると、耐ホットオフセット性、低温定着性の向上効果が得られないことがある。
離型剤のトナー中の含有量には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、40重量%以下が好ましく、3〜30重量%がより好ましい。含有量が40重量%を超えると、トナーの流動性が悪化することがある。
トナーに配合する着色剤としては特に制限はなく、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができる。その例としては、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン、等が挙げられる。
これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
トナーに配合するその他の成分としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば帯電制御剤、無機微粒子、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料、などが挙げられる。
帯電制御剤としては特に制限はなく、公知のもの中から目的に応じて適宜選択することができる。その例としては、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又はその化合物、タングステンの単体又はその化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸の金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩、等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
無機微粒子は、トナー粒子に流動性、現像性、帯電性等を付与するための外添剤として使用することができる。
無機微粒子としては特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができる。その例としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
無機微粒子の一次粒子径は、5nm〜2μmが好ましく、5〜500nmがより好ましい。
前記無機微粒子のトナー中の含有量は、0.01〜5.0重量%が好ましく、0.01〜2.0重量%がより好ましい。
流動性向上剤は、表面処理を行って疎水性を上げ、高湿度下でも流動特性や帯電特性が悪化しないようにするものであり、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが挙げられる。前記無機微粒子のシリカや酸化チタンは、このような流動性向上剤により表面処理行い、疎水性シリカ、疎水性酸化チタンとして使用するのが特に好ましい。
クリーニング性向上剤は、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するためにトナーに添加される。その例としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子、などが挙げられる。該ポリマー微粒子は、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、体積平均粒径が0.01〜1μmのものが好適である。
−磁性材料−
磁性材料としては特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、鉄粉、マグネタイト、フェライト、等が挙げられる。これらの中でも、色調の点で白色のものが好ましい。
トナー材料を有機溶剤に溶解乃至分散させることにより、溶解乃至分散液を調製する。
トナー材料としては、少なくとも結着樹脂と離型剤を含み、必要に応じて着色剤、帯電制御剤等のその他の成分を含むものを用いる。なお、前記有機溶剤は、トナーの造粒時乃至造粒後に除去される。
前記有機溶剤としては、トナー材料を溶解乃至分散可能であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、除去の容易性の点で沸点が150℃未満の揮発性のものが好ましい。その例としては、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、等が挙げられるが、エステル系溶剤が好ましく、酢酸エチルが特に好ましい。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
有機溶剤の使用量には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トナー材料100重量部に対し、40〜300重量部が好ましく、60〜140重量部がより好ましく、80〜120重量部が更に好ましい。
水系媒体としては特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、水、水と混和可能な溶剤、これらの混合物などが挙げられるが、特に水が好ましい。
前記水と混和可能な溶剤としては、水と混和可能であれば特に制限はなく、例えば、アルコール、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類、低級ケトン類、などが挙げられる。
前記アルコールとしては、例えば、メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール等が挙げられる。前記低級ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
水系媒体の調製は、例えば、樹脂微粒子を水系媒体に分散させればよい。
該樹脂微粒子の水系媒体中の添加量には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.5〜10重量%が好ましい。
該樹脂微粒子の水性分散液の調製方法としては、例えば、次の(i)〜(viii)などが好適な調製方法として挙げられる。
(i)前記ビニル樹脂の場合、ビニルモノマーを出発原料として、懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法及び分散重合法から選択されるいずれかの重合反応により、直接、樹脂微粒子の水性分散液を製造する方法
(ii)前記ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加乃至縮合系樹脂の場合、前駆体(モノマー、オリゴマー等)又はその溶剤溶液を適当な分散剤の存在下、水性媒体中に分散させた後、加熱、又は硬化剤を添加して硬化させて、樹脂微粒子の水性分散体を製造する方法
(iii)前記ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加乃至縮合系樹脂の場合、前駆体(モノマー、オリゴマー等)又はその溶剤溶液(液体であることが好ましい。加熱により液状化してもよい)中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する方法
(iv)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を機械回転式又はジェット式等の微粉砕機を用いて粉砕し、次いで、分級することによって樹脂微粒子を得た後、適当な分散剤存在下、水中に分散させる方法
(v)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液を霧状に噴霧することにより樹脂微粒子を得た後、該樹脂微粒子を適当な分散剤存在下、水中に分散させる方法
(vi)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液に貧溶剤を添加するか、又は予め溶剤に加熱溶解した樹脂溶液を冷却することにより樹脂微粒子を析出させ、次に溶剤を除去して樹脂粒子を得た後、該樹脂粒子を適当な分散剤存在下、水中に分散させる方法
(vii)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液を、適当な分散剤存在下、水性媒体中に分散させた後、加熱又は減圧等によって溶剤を除去する方法
(viii)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する方法
前記分散剤としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、界面活性剤、難水溶性の無機化合物分散剤、高分子系保護コロイド、等が挙げられる。
これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも界面活性剤が好ましい。
前記陰イオン界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステル、フルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤等が挙げられ、フルオロアルキル基を有するものが好適である。
前記フルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、例えば、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸又はその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルキル(炭素数6〜11)オキシ]−1−アルキル(炭素数3〜4)スルホン酸ナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルカノイル(炭素数6〜8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(炭素数11〜20)カルボン酸又はその金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(炭素数7〜13)又はその金属塩、パーフルオロアルキル(炭素数4〜12)スルホン酸又はその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(炭素数6〜16)エチルリン酸エステル等が挙げられる。
該フルオロアルキル基を有する界面活性剤の市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製);フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製);ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製);メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ化学工業社製);エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204(ト−ケムプロダクツ社製);フタージェントF−100、F150(ネオス社製)等が挙げられる。
前記アミン塩型界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリン等が挙げられる。前記四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。前記フルオロアルキル基を有する陽イオン界面活性剤としては、例えばフルオロアルキル基を有する脂肪族一級、二級又は三級アミン酸、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10個)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩等の脂肪族四級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、などが挙げられる。
前記カチオン界面活性剤の市販品としては、例えば、サーフロンS−121(旭硝子社製);フロラードFC−135(住友3M社製);ユニダインDS−202(ダイキン工業社製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ化学工業社製);エクトップEF−132(ト−ケムプロダクツ社製);フタージェントF−300(ネオス社製)等が挙げられる。
前記両性界面活性剤としては、例えば、アラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシン、N−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタイン等が挙げられる。
前記高分子系保護コロイドとしては、例えば、酸類、水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、ビニルアルコール又はビニルアルコールとのエーテル類、ビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、アミド化合物又はこれらのメチロール化合物、クロライド類、窒素原子若しくはその複素環を有するもの等のホモポリマー又は共重合体、ポリオキシエチレン系、セルロース類、等が挙げられる。
前記酸類としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等が挙げられる。
前記ビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等が挙げられる。
前記アミド化合物又はこれらのメチロール化合物としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド酸、又はこれらのメチロール化合物、などが挙げられる。
前記クロライド類としては、例えば、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライド等が挙げられる。
前記ポリオキシエチレン系としては、例えば、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステル等が挙げられる。
前記セルロース類としては、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。
該分散安定剤としては、例えば、リン酸カルシウム塩等の酸、アルカリに溶解可能なもの等が挙げられる。
また、前記溶解乃至分散液の結着樹脂として活性水素基含有化合物と反応可能な変性ポリエステル(プレポリマー)を含む場合には、前記水系媒体中に例えばジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどの該反応における触媒を用いることもできる。
トナー材料の溶解乃至分散液の前記水系媒体中への乳化乃至分散は、トナー材料の溶解乃至分散液を前記水系媒体中で攪拌しながら分散させるのが好ましい。
該分散の方法は特に限定されないが、ホモジナイザー(IKA社製)、ポリトロン(キネマティカ社製)、TKオートホモミキサー(特殊機化工業社製)等のバッチ式乳化機、エバラマイルダー(在原製作所製)、TKフィルミックス、TKパイプラインホモミキサー(特殊機化工業社製)、コロイドミル(神鋼パンテック社製)、スラッシャー、トリゴナル湿式微粉砕機(三井三池化工機社製)、キャピトロン(ユーロテック社製)、ファインフローミル(太平洋機工社製)等の連続式乳化機、マイクロフルイダイザー(みずほ工業社製)、ナノマイザー(ナノマイザー社製)、APVガウリン(ガウリン社製)等の高圧乳化機、膜乳化機(冷化工業社製)等の膜乳化機、バイブロミキサー(冷化工業社製)等の振動式乳化機、超音波ホモジナイザー(ブランソン社製)等の超音波乳化機等が挙げられる。中でも、粒径の均一化の観点から、APVガウリン、ホモジナイザー、TKオートホモミキサー、エバラマイルダー、TKフィルミックス、TKパイプラインホモミキサーを用いることが好ましい。
前記乳化乃至分散により得られた乳化スラリーから有機溶剤を除去する。
有機溶剤の除去は、(1)反応系全体を徐々に昇温させて、油滴中の有機溶剤を完全に蒸発除去する方法、(2)乳化分散体を乾燥雰囲気中に噴霧して、油滴中の非水溶性有機溶剤を完全に除去してトナー微粒子を形成し、併せて水系分散剤を蒸発除去する方法、等が挙げられる。
前記有機溶剤の除去が行われるとトナー粒子が形成される。該トナー粒子に対し、洗浄、乾燥等を行うことができ、更にその後、所望により分級等を行うことができる。該分級は、例えば、液中でサイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことにより行うことができ、乾燥後に粉体として取得した後に分級操作を行ってもよい。なお、分散安定剤として前記水系媒体にリン酸カルシウム塩などの酸・アルカリに溶解可能なものを用いた場合には、塩酸などの酸によって該分散安定剤を溶解し、水洗いする方法によりトナー粒子から除去することができる。
こうして、得られたトナー粒子に対し、必要に応じてシリカ微粒子や酸化チタン微粒子等の無機微粒子である離型剤、帯電制御剤等の粒子を混合したり、更に機械的衝撃力を印加することにより、該トナー粒子の表面から該離型剤等の粒子が脱離するのを防止することができる。
前記機械的衝撃力を印加する方法としては、例えば、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し加速させて粒子同士又は複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法、等が挙げられる。この方法に用いる装置としては、例えば、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して粉砕エアー圧カを下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢、等が挙げられる。
トナーの体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)の比(Dv/Dn)は1.00〜1.25が好ましい。(Dv/Dn)が1.00未満であると、二成分現像剤では現像装置における長期の撹拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させたり、クリーニング性を悪化させることがある。また、一成分現像剤では、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するため、ブレード等の部材へのトナー融着が発生し易くなることがある。また、1.30を超えると、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなり、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなることがある。
前記体積平均粒径及び(Dv/Dn)は、例えば、ベックマン・コールター社製の粒度測定器「マルチサイザーII」を用いて測定することができる。
前記針入度は、JIS K2235−1991に従って測定することができ、具体的には、50mLのガラス容器にトナーを充填し、50℃の恒温槽に20時間放置する。このトナーを室温まで冷却し、針入度試験を行うことにより針入度を測定することができる。なお、前記針入度の値が大きいほど、耐熱保存性が優れることを示している。
なお、ここでいう定着下限温度とは、例えば画像形成装置を用い、転写紙をセットして複写テストを行い、得られた定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ロール温度である。
また、前記オフセット未発生温度は、例えば、画像形成装置を用い、転写紙をセットして、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各単色、及び中間色としてレッド、ブルー及びグリーンのベタ画像を各単色で現像されるように調整し、定着ベルトの温度が可変となるように調整して、オフセットの発生しない温度を測定することにより求めることができる。
本発明の現像剤は、少なくとも本発明のトナーを含有し、キャリア等の適宜選択したその他の成分を含有する。該現像剤は、一成分現像剤でも二成分現像剤でもよいが、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンタ等に使用する場合には、寿命向上等の点で、二成分現像剤が好ましい。
本発明のトナーを用いた一成分現像剤の場合、トナーの収支が行われてもトナーの粒子径の変動が少なく、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化する為のブレード等の部材へのトナーの融着がなく、現像装置の長期の使用(撹拌)においても、良好で安定した現像性及び画像が得られる。また、本発明のトナーを用いた二成分現像剤の場合、長期に亘るトナーの収支が行われても、現像剤中のトナー粒子径の変動が少なく、現像装置における長期の撹拌においても、良好で安定した現像性が得られる。
前記芯材の材料には特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができる。例えば、50〜90emu/gのマンガン−ストロンチウム(Mn−Sr)系材料、マンガン−マグネシウム(Mn−Mg)系材料等が好ましく、画像濃度の確保の点では、鉄粉(100emu/g以上)、マグネタイト(75〜120emu/g)等の高磁化材料が好ましい。また、トナーが穂立ち状態となっている感光体への当りを弱くでき、高画質化に有利である点で、銅−ジンク(Cu−Zn)系(30〜80emu/g)等の弱磁化材料が好ましい。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記芯材の粒径は、体積平均粒径(D50)で、10〜150μmが好ましく、20〜80μmがより好ましい。体積平均粒径が10μm未満では、キャリア粒子の分布において微粉系が多くなり、1粒子当たりの磁化が低くなってキャリア飛散を生じることがあり、150μmを超えると、比表面積が低下し、トナーの飛散が生じることがあり、ベタ部分の多いフルカラーでは、特にベタ部の再現が悪くなることがある。
前記樹脂層は、例えば、前記樹脂等を溶剤に溶解させて塗布溶液を調製した後、該塗布溶液を前記芯材の表面に公知の塗布方法により均一に塗布し、乾燥した後、焼付を行うことにより形成することができる。前記塗布方法としては、例えば、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法、等が挙げられる。
前記溶剤には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えばトルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、セルソルブチルアセテート、等が挙げられる。
前記焼付には特に制限はなく、外部加熱方式でも内部加熱方式でもよく、例えば、固定式電気炉、流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉等を用いる方法、マイクロウエーブを用いる方法、などが挙げられる。
前記現像剤が二成分現像剤である場合、キャリアの二成分現像剤における含有量には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、90〜98重量%が好ましく、93〜97重量%がより好ましい。
<分子量の測定>
・装置:GPC(東ソー社製)、検出器:RI、測定温度:40℃、
・移動相:テトラヒドロフラン、流量:0.35mL/min.
分子量Mn及び分子量Mwは、分子量既知のポリスチレン試料によって作成した検量線を標準として、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定される数平均分子量及び重量平均分子量である。
DSC(TAインスツルメンツ社製、Q2000)を測定装置とし、試料5〜10mgをアルミ製の簡易密閉パンに充填したものを以下の測定フローに供した。
・1st Heating:30℃〜220℃、5℃/min.、220℃到達後1分保持
・冷却:温度制御なしで−60℃までクエンチ、−60℃到達後1分保持
・2nd Heating:−60℃〜180℃、5℃/min.
ガラス転移温度(Tg)は、2nd Heatingのサーモグラムにおいて、ASTM D3418/82に記載される方法に基づいてミッドポイントによるガラス転移温度を求めて評価を行った。また、融点(Tm)は吸熱ピークのピークトップ温度とした。
窒素導入管、攪拌器及び熱伝対を装備した2Lの四つ口フラスコに、L−ラクチド及びD−ラクチドを下記表1に記載の比率で投入し、60℃で2時間減圧乾燥した。次にエチレングリコールをラクチドの仕込み重量に対して0.63重量%、2−エチルヘキサン酸スズを200ppm添加し、窒素気流下、190℃で2時間重合させた後、170℃で1時間減圧してモノマーを留去し、ポリ乳酸樹脂1を得た。
L−ラクチド及びD−ラクチドの比率を下記表1のように変えた点以外はポリ乳酸樹脂1の合成と同様にして、ポリ乳酸樹脂2〜8を得た。
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した1Lの四つ口フラスコに、ジオールとして1,6−ヘキサンジオール、ジカルボン酸としてセバシン酸を、OH/COOH=1.15で仕込み、300ppmのチタンテトライソプロポキシドを添加し、窒素気流下で水を流出させながら反応させ、最終的に230℃に昇温して樹脂酸価が5以下になるまで反応させた。その後、10mmHg以下の真空度で2時間反応させて脂肪族結晶性ポリエステル1を得た。得られた樹脂の酸価は0.42mgKOH/g、水酸基価は35.8mgKOH/g、Tmは67.2℃であった。
次いで、窒素導入管、攪拌器及び熱伝対を装備した2Lの四つ口フラスコに、前記脂肪族結晶性ポリエステル1、L−ラクチド、及びD−ラクチドを、下記表1に記載の比率で投入し、60℃で2時間減圧乾燥した。次に、2−エチルヘキサン酸スズを200ppm添加し、窒素気流下、190℃で2時間重合させた後、170℃で1時間減圧してモノマーを留去し、共重合体1を得た。
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した1Lの四つ口フラスコに、ジオールとしてプロピレングリコール、ジカルボン酸としてテレフタル酸ジメチルとアジピン酸ジメチルをモル比で90/10、OH/COOH=1.2となるように仕込み、300ppmのチタンテトライソプロポキシド添加し、窒素気流下でメタノールを流出させながら反応させ、最終的に230℃に昇温して樹脂酸価が5以下になるまで反応させた。その後、20〜30mmHgの減圧で2時間反応させて非晶性ポリエステル1を得た。この樹脂の酸価は0.5mgKOH/g、水酸基価は23.3mgKOH/g、Tgは59.2℃であった。
次いで、窒素導入管、攪拌器及び熱伝対を装備した2Lの四つ口フラスコに、前記非晶性ポリエステル1、L−ラクチド、及びD−ラクチドを、下記表1に記載の比率で投入し、60℃で2時間減圧乾燥した。次に2−エチルヘキサン酸スズを200ppm添加し、窒素気流下、190℃で2時間重合させた後、170℃で1時間減圧してモノマーを留去し、共重合体2を得た。
N,N′−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド20部、及び[ポリ乳酸樹脂1]1580部を、二本ロールにより150℃で30分混練した後、圧延冷却し、パルペライザー(ホソカワミクロン社製)で粉砕して、[樹脂複合体1]を得た。
[ポリ乳酸樹脂1]1580部を[ポリ乳酸樹脂2]1560部、N,N′−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミドの部数を40部とした点以外は、[樹脂複合体1の作製]と同様にして、[樹脂複合体2]を得た。
[ポリ乳酸樹脂2]の部数を1540部、N,N′−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミドの部数を60部とした点以外は、[樹脂複合体2の作製]と同様にして、[樹脂複合体3]を得た。
[ポリ乳酸樹脂2]の部数を1520部、N,N′−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミドの部数を80部とした点以外は、[樹脂複合体2の作製]と同様にして、[樹脂複合体4]を得た。
[ポリ乳酸樹脂2]の部数を1590部、N,N′−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミドの部数を90部とした点以外は、[樹脂複合体2の作製]と同様にして、[樹脂複合体5]を得た。
[ポリ乳酸樹脂2]の部数を1595部、N,N′−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミドの部数を95部に変更した点以外は、[樹脂複合体2の作製]と同様にして、[樹脂複合体6]を得た。
[ポリ乳酸樹脂2]を[ポリ乳酸樹脂3]に変更した点以外は[樹脂複合体2の作製]と同様にして、[樹脂複合体7]を得た。
[ポリ乳酸樹脂2]を[ポリ乳酸樹脂4]に変更した点以外は[樹脂複合体2の作製]と同様にして、[樹脂複合体8]を得た。
[ポリ乳酸樹脂2]を[ポリ乳酸樹脂6]に変更した点以外は[樹脂複合体2の作製]と同様にして、[樹脂複合体9]を得た。
[ポリ乳酸樹脂2]を[ポリ乳酸樹脂7]に変更した点以外は[樹脂複合体2の作製]と同様にして、[樹脂複合体10]を得た。
[ポリ乳酸樹脂2]を[ポリ乳酸樹脂8]に変更した点以外は[樹脂複合体2の作製]と同様にして、[樹脂複合体11]を得た。
[ポリ乳酸樹脂2]を[共重合体1]に変更した点以外は、[樹脂複合体2の作製]と同様にして、[樹脂複合体12]を得た。
[ポリ乳酸樹脂2]を[共重合体2]に変更した点以外は、[樹脂複合体2の作製]と同様にして、[樹脂複合体13]を得た。
N,N′−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミドをN,N′−ジイソプロピルカルボジイミドに変更した点以外は、[樹脂複合体2の作製]と同様にして、[樹脂複合体14]を得た。
[ポリ乳酸樹脂2]の部数を1500部、N,N′−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミドの部数を100部とした点以外は、[樹脂複合体2の作製]と同様にして、[樹脂複合体15]を得た。
[ポリ乳酸樹脂2]の部数を1600部、N,N′−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミドの部数を0部とした点以外は、[樹脂複合体2の作製]と同様にして、[樹脂複合体16]を得た。
[ポリ乳酸樹脂2]を[ポリ乳酸樹脂5]に変えた点以外は、[樹脂複合体2の作製]と同様にして、[樹脂複合体17]を得た。
N,N′−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミドをLA−1(日清紡ケミカル社製;ポリカルボジイミド)に変えた点以外は[樹脂複合体2の作製]と同様にして[樹脂複合体18]を得た。
〜スチレン/アクリル樹脂微粒子の調製〜
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業社製)16部、スチレン83部、メタクリル酸83部、アクリル酸ブチル110部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。更に加熱して系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。次いで、1%過硫酸アンモニウム水溶液を30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[スチレン/アクリル樹脂微粒子分散液]を得た。[スチレン/アクリル樹脂微粒子分散液]の体積平均粒径(堀場製作所製 LA−920で測定)は14nm、酸価は45mgKOH/g、分子量Mwは300,000、Tgは60℃であった。
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、水683部、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム(カチオンDS、花王社製)10部、メタクリル酸メチル176部、アクリル酸ブチル18部、過硫酸アンモニウム1部、エチレングリコールジメタクリレート2部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。更に加熱して系内温度65℃まで昇温し10時間反応させた。次いで、1%過硫酸アンモニウム水溶液を30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(メタクリル酸メチル)の水性分散液[アクリル樹脂微粒子分散液a]を得た。[アクリル樹脂微粒子a]の体積平均粒径(堀場製作所製 LA−920で測定)は35nm、酸価は2mgKOH/g、分子量Mwは30,000、Tgは82℃であった。
水660部、前記[スチレン/アクリル樹脂微粒子分散液]25部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5重量%の水溶液(「エレミノールMON−7」;三洋化成工業製)25部、及び酢酸エチル60部を混合撹拌し、[アクリル樹脂微粒子分散液a]を50部加えて乳白色の液体[水相1]を得た。
水1,000部、及びDBP吸油量42mL/100g、pH9.5のカーボンブラック(Printex35、デグサ社製)530部、及び1200部のポリ乳酸樹脂2を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて混合した。
得られた混合物を、二本ロールを用いて150℃で30分間混練した後、圧延冷却し、パルペライザー(ホソカワミクロン社製)で粉砕して、マスターバッチを得た。
反応容器内に、[樹脂複合体1]100部、及び酢酸エチル100部を入れて攪拌し、樹脂溶液1を調製した。
次に、樹脂溶液1にカルナウバワックス〔分子量1,800、酸価2.7mgKOH/g、針入度1.7mm(40℃)〕5部、及びマスターバッチ5部を仕込み、ビーズミルのウルトラビスコミル(アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/時、ディスク周速度6m/秒で、粒径0.5mmのジルコニアビーズを80体積%充填した条件で3パスしてトナー材料液を得た。
次に、容器内に[水相1]を150部入れ、TK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて、12,000rpmで攪拌しながら、トナー材料液100部を添加し、10分間混合して乳化スラリーを得た。
更に、攪拌機、及び温度計をセットしたコルベンに、乳化スラリー100部を仕込み、攪拌周速20m/分で攪拌しながら、30℃で10時間脱溶剤し、分散スラリーを得た。
次に、分散スラリー100部を減圧濾過し、得られた濾過ケーキにイオン交換水100部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過した。
得られた濾過ケーキに10重量%水酸化ナトリウム水溶液20部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで30分間混合した後、減圧濾過した。
得られた濾過ケーキにイオン交換水300部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過した。
得られた濾過ケーキにイオン交換水300部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過する操作を2回行った。
得られた濾過ケーキに10重量%塩酸20部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、フッ素系第四級アンモニウム塩化合物:フタージェントF−310(ネオス社製)を、フッ素系四級アンモニウム塩がトナーの固形分100部に対して0.1部相当になるよう5%メタノール溶液で添加し、10分間攪拌した後、濾過した。
得られた濾過ケーキにイオン交換水300部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過する操作を2回行い濾過ケーキを得た。
得られた濾過ケーキを、循風乾燥機を用いて40℃で36時間乾燥し、目開きが75μmのメッシュで篩い、トナー母粒子1を得た。
次に、100部のトナー母粒子1に対し、疎水性シリカ(キャボット社製TS720)を1.5部添加し、ヘンシェルミキサーにより、3000rpmで5分間ブレンドして、トナー1を得た。
参考例1における[樹脂複合体1]を、[樹脂複合体2]〜[樹脂複合体14]に変更した点以外は、参考例1と同様の手順により、実施例12〜13、参考例2〜11、14のトナー2〜14を得た。
参考例1における[樹脂複合体1]を、[樹脂複合体15]〜[樹脂複合体18]に変更した点以外は、参考例1と同様の手順により、比較例1〜4のトナー15〜18を得た。
トルエン100部に、シリコーン樹脂(東レ・ダウコーニングシリコーン社製、SR2411)100部、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン5部、及びカーボンブラック10部を添加し、ホモミキサーで20分間分散させて、コート層形成液を調製した。該コート層形成液を、流動床型コーティング装置を用い、粒径50μmの球状マグネタイト1,000部の表面にコーティングして磁性キャリアを作製した。
50mLのガラス容器に各トナーを充填し、50℃の恒温槽で24時間放置した。次いでトナーを24℃に冷却し、針入度試験(JIS K2235−1991)により針入度(mm)を測定し、下記基準に基づいて評価した。なお、針入度の値が大きいほど耐熱保存性が優れており、5mm未満の場合には、使用上問題が発生する可能性が高い。
〔評価基準〕
○:針入度15mm以上
△:針入度 5mm以上、15mm未満
×:針入度 5mm未満
各トナー5部と前記キャリア95部をボールミルで混合し、実施例12〜13、参考例1〜11、14、及び比較例1〜4の各二成分現像剤を作製した。これらの現像剤を用い、定着ローラとしてテフロン(登録商標)ローラを使用したリコー社製複写機MF−200の定着部を改造した装置を用いて、普通紙及び厚紙の転写紙(リコー社製のタイプ6200及びNBSリコー社製の複写印刷用紙<135>)に、0.85±0.1mg/cm2のトナー付着量でベタ画像を印字し、定着性を評価した。定着ベルトの温度を変化させて定着試験を行い、普通紙でホットオフセットの発生しない上限温度を定着上限温度とした。また、厚紙で定着下限温度を測定した。定着下限温度は、得られた定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ロール温度をもって定着下限温度とした。
〔評価基準〕
○:定着性が極めて良好
△:定着性が良好
×:定着性が不良
(1)15秒撹拌帯電量
50mLのガラス容器に各トナーを充填し、40℃70%RHに調整された恒温恒湿槽に7日間放置後の各トナー10gと、フェライトキャリア100gを、温度28℃、湿度80%の環境内で内容積の3割までステンレス製ポットに入れ、100rpmの撹拌速度で15秒撹拌し、現像剤の帯電量(μC/g)を、ブローオフ装置〔東芝ケミカル社製:TB−200〕により測定した。
(2)60秒撹拌帯電量
(1)と同様にして60秒撹拌したときの帯電量を測定した。
30分硬化型2液混合エポキシ樹脂中にトナーを包埋して24時間硬化させた後、ウルトラミクロトームを用いてトナーを包埋したエポキシ樹脂を厚さ約0.5μmに切断し、トナーの断面を光学顕微鏡で観察して、トナー内部の顔料分散状態を下記基準により評価した。
〔評価基準〕
○:トナーの内部に均一に顔料粒子が分散している。
△:一部の顔料がトナーの表面近傍に偏在しているが、実用上問題になるレベルで
はない。
×:ほとんどの顔料がトナーの表面近傍に偏在していて、実用上問題になるレベル
である。
Claims (5)
- 少なくとも結着樹脂と離型剤を含有するトナーであって、該結着樹脂が少なくとも乳酸が脱水縮合された構成単位を有するポリエステル樹脂を含み、前記乳酸が脱水縮合された構成単位中の下記式で示されるモノマー成分換算での光学純度X(%)が80%以下であり、モノカルボジイミド化合物をトナー重量に対して0.1〜5重量%含有し、前記ポリエステル樹脂が脂肪族結晶性ポリエステルセグメント又は非晶性ポリエステルセグメントを含むことを特徴とするトナー。
光学純度X(%)=|X(L体)−X(D体)|
〔ただし、X(L体)は乳酸モノマー換算でのL体比率(%)、X(D体)は乳酸モノマー換算でのD体比率(%)を表す。〕 - 前記モノカルボジイミド化合物が、芳香環を有することを特徴とする請求項1に記載のトナー。
- 請求項1又は2に記載のトナーを含むことを特徴とする現像剤。
- 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された前記静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像を、トナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、前記トナーが、請求項1又は2に記載のトナーであることを特徴とする画像形成装置。
- 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像をトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有し、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジであって、前記トナーが、請求項1又は2に記載のトナーであることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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