JP2006285150A - 電子写真用トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】 保存安定性、低温定着性、耐オフセット性及び環境安定性、更に、環境保全のいずれにも優れた改善効果を発揮する電子写真用トナーを提供する。
【解決手段】 結着樹脂および着色剤を含有する電子写真用トナーであって、結着樹脂が、下記の(A),(B),(C)を主成分とし、
(A)軟化点が120(℃)〜170(℃)、ガラス転移点が58(℃)〜75(℃)
、かつクロロホルム不溶分率が5〜50(質量%)である樹脂;
(B)軟化点が90(℃)〜120(℃)、ガラス転移点が58(℃)〜75(℃)で
ある樹脂;
(C)融点が80(℃)〜140(℃)である生分解性樹脂;
かつ、該結着樹脂のクロロホルム不溶分率が30(質量%)未満であり、さらに、トナー中に針入度が1.5以下で融点が80(℃)〜110(℃)であるワックス(W)が含有されていることを特徴とする電子写真用トナー。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される静電潜像の現像に用いられる電子写真用トナーに関する。
レーザープリンター、乾式静電複写機等の画像形成装置に用いられる電子写真法としては、光導電性絶縁層を一様に帯電させ(帯電工程)、次いでその層を露光せしめ、その露光された部分の電荷を消散させることにより電気的な潜像を形成し(露光工程)、更に該潜像にトナーと呼ばれる着色された電荷をもった微粉末を付着させることによって可視化させ(現像工程)、得られた可視像を転写紙等の転写材に転写させた(転写工程)後、加熱、加圧あるいはその他適当な定着法により永久定着させる(定着工程)工程からなる。
これらのうち、定着工程には、熱ローラー定着等の接触加熱定着方式やオーブン定着等の非接触加熱方式などが用いられている。接触方式は熱効率がよいことが特徴で、非接触方式に比べて、定着に必要な温度を下げることができ、省エネルギー化や複写機の小型化に有効である。しかしながら、この接触式加熱定着法においては、定着時に溶融したトナーの一部が熱ローラーに移り、後続の転写紙等に転写されるオフセット現象という問題が生じやすい。この現象を防止するため、従来より、熱ローラーの表面をフッ素系樹脂等の離型性の優れた材料で加工したり、熱ローラーの表面にシリコーンオイル等の離型剤を塗布したりされている。しかし、シリコーンオイル等を用いる方法は、定着装置が大きく複雑になるので、コスト高となったりトラブルの原因となることが考えられ、好ましくない。
従来より、この種のトナーにはスチレンアクリル共重合体に代表されるビニル系樹脂が用いられている。ビニル系樹脂の場合、耐オフセット性を向上させようとすると樹脂の軟化点や架橋密度を上げざるを得なくなり、低温定着性が犠牲となる。逆に低温定着性を重視すると耐オフセット性や耐ブロッキング性に支障をきたす。また、特開昭50−81342号公報(特許文献1)に記載の如くパラフィンワックス、低分子量ポリオレフィン等をオフセット防止剤として、トナー化時に添加する方法が知られているが、添加量が少ないと効果がなく、多すぎると現像剤の劣化が早い等の問題があった。
また、トナー化時にワックスを添加し、均一に分散させるために強く混合すると樹脂のポリマー鎖が切断するおそれがあるため、樹脂の物性を保持したまま、ワックスを均一に分散させることは容易ではない。一方、トナー用の結着樹脂としては、一般にポリエステルが用いられている。ポリエステルは本質的に定着性がよく、非接触定着方式においても充分に定着されるが、オフセット現象が発生し易いためヒートローラー定着方式には使用が困難であった。
そこで、定着性に優れたポリエステルと、スチレンアクリル樹脂を混合して用いる、次のような試みがなされている。
・ポリエステルとスチレンアクリル樹脂を混合する方法(特開平2−161464号公報(特許文献2)など);
・ポリエステルとスチレンアクリル樹脂を化学的に結合する方法;
・不飽和ポリエステルにビニル系モノマーを共重合せしめる方法(特開平2−5073号公報(特許文献3)など);
・(メタ)アクリロイル基を有するポリエステルにビニル系モノマーを共重合せしめる方法;
・ポリエステル存在下で、反応性ポリエステルとビニルモノマーを共重合させる方法(特開平2−29664号公報(特許文献4));
しかしながら、ポリエステルとスチレンアクリル樹脂は、本来相溶性が悪いため、単に機械的に混合を行う場合、混合比率によっては、トナー化を行う際に樹脂及びカーボンブラック等の内添剤の分散性が悪くなり、帯電性が不均一となるため、画像評価において地汚れ等の弊害が生じる。また、二種類の樹脂の分子量が異なる場合には、双方の溶融粘度に差異を生じることがあり、この為、分散相の樹脂の分散粒径を細かくすることが困難となり、トナー化を行った場合、カーボンブラック等の内添剤の分散が非常に悪く、画像安定性に大きく欠けるという問題が生じる。更に、反応性ポリエステルにビニルモノマーを重合させる場合、ゲル化を防ぐため、その組成が制限されるという問題もあった。
また、軟化点の違う2種のポリエステル(非線状と線状のポリエステル)を混合してなる結着樹脂(特開平4−362956号公報(特許文献5))が開示されているが、高軟化点の非線状ポリエステルと低軟化点の線状ポリエステルとを溶融混練させる際には、互いの溶融粘度が大きく異なるため、トナー中に線状ポリエステルを均一に分散させることが困難である。この方法で混合する樹脂の低軟化点側の割合を増やしていくと定着性は良好になるものの、耐ブロッキング性に問題が生じ、一方、低軟化点側のガラス転移点を高くすると耐ブロッキング性は解消されるものの、その割合を増やしても定着性に限界が生じる等、最近の複写機の高速化、小型化、省エネルギー化に鑑みれば、更なる低温定着性、及び耐オフセット性の改善が望まれる。
一方、近年、電子写真方式の複写機、プリンターから発生する回収トナーは、販売メーカーが回収する機運が高まっているが、回収後は産業廃棄物として大部分が焼却または埋め立てられているのが現状である。特開2003−57875号公報(特許文献6)に記載の如く、保存安定性、低温定着性、耐オフセット性及び環境安定性のいずれにも優れた改善効果を発揮する電子写真用トナーであっても、生分解性がないため、土中に永久に残存してしまうという問題点を含んでおり、廃棄物処理、環境保全、及びリサイクルの見地から、望ましくない。
特開2001−166537号公報(特許文献7)に記載の如く、ポリ乳酸系生分解性樹脂を混合することで優れた生分解性を発揮する試みがなされているものもあるが、軟化点が170(℃)と高く、低温定着性を満足するものではない。
特開昭50−81342号公報 特開平2−161464号公報 特開平2−5073号公報 特開平2−29664号公報 特開平4−362956号公報 特開2003−57875号公報 特開2001−166537号公報
かかる現状から、本発明は保存安定性、低温定着性、耐オフセット性及び環境安定性、更に、環境保全のいずれにも優れた改善効果を発揮する電子写真用トナーを提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決するために電子写真用トナーについて種々検討の結果、軟化点が異なり、好ましくは相溶性が向上した少なくとも2種類のポリエステルからなる結着樹脂中に特定の生分解性樹脂とワックスを含有させることで前記問題点を解決し得ることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明の電子写真用トナーは、少なくとも結着樹脂および着色剤を含有する電子写真用トナーであって、結着樹脂が下記(A)、(B)、(C)を主成分とし、
(A)軟化点で120(℃)〜170(℃)、ガラス転移点で58(℃)〜75(℃)、かつクロロホルム不溶分率で5(質量%)〜50(質量%)である樹脂;
(B)軟化点で90(℃)〜120(℃)、ガラス転移点で58(℃)〜75(℃)である樹脂;
(C)融点が80(℃)〜140(℃)である生分解性樹脂;
かつ、該結着樹脂のクロロホルム不溶分率が30(質量%)未満であり、さらに、トナー中に針入度が1.5以下で融点が80(℃)〜110(℃)であるワックス(W)が含有されていることを特徴とする。
なお、上記した(A)と(B)はポリエステルが好ましい。
本発明のトナーには、軟化点等の異なる少なくとも2種類の樹脂(A),(B)ならびに低融点の生分解性樹脂(C)が結着樹脂として含有されているため、低軟化点の樹脂(B)が高軟化点の樹脂(A)と生分解性樹脂(C)のつなぎの役割を果たし、結着樹脂中に生分解性樹脂(C)が均一に分散される。
さらに針入度が1.5以下で、かつ融点が80(℃)〜110(℃)であるワックス(W)を含むことからトナーの溶融粘度を下げることができ、低温定着性・保存性、更に、環境保全のいずれにも優れた改善効果を発揮する電子写真用トナーを得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。本発明の静電荷像現像用トナーは、軟化点の異なる2種以上の樹脂(A)、(B)と、融点が80(℃)〜140(℃)である低融点の生分解性樹脂(C)とを混合してなる結着樹脂中に、針入度が1.5以下で融点が80(℃)〜110(℃)であるワックス(W)を含有してなるものである。通常、高軟化点の結着樹脂とこれより低融点の生分解性樹脂とを溶融混練させる際には、互いの溶融粘度が大きく異なるため、結着樹脂中に生分解性樹脂を均一に分散させることが困難である。しかし、本発明のトナーには、軟化点等の異なる少なくとも2種類の樹脂(A)と(B)が含有されているため、低融点成分の生分解性樹脂(C)を溶融混練する際に、低軟化点成分の樹脂(B)が高軟化点成分の樹脂(A)と低融点成分の生分解性樹脂(C)のつなぎの役割を果たし、結着樹脂中に生分解性樹脂(C)が均一に分散される。
本発明において、樹脂(A)及び樹脂(B)の物性及び配合比率は、それぞれの樹脂が有する特性を十分に発現させて、低温定着性、耐オフセット性、耐ブロッキング性及び耐久性のいずれにも優れたトナーとするために、以下のように規定される。
先ず樹脂(A)の軟化点(以下、Tm(A)と記す)は、耐オフセット性及び耐久性の観点から120(℃)以上、最低定着温度の観点から170(℃)以下の範囲であり、好ましくは130(℃)〜165(℃)の範囲である。
また樹脂(A)のガラス転移点(以下、Tg(A)と記す)は、耐ブロッキング性の観点から58(℃)以上、最低定着温度の観点から75(℃)以下の範囲であり、好ましくは58(℃)〜70(℃)の範囲である。さらに樹脂(A)のクロロホルム不溶分率は、耐オフセット性及び耐久性の観点から5(質量%)以上で、最低定着温度の観点から50(質量%)以下の範囲であり、好ましくは10〜25(質量%)の範囲である。なお、本発明でのクロロホルム不溶分率とは、25(℃)においてクロロホルムに溶解しない樹脂成分の質量分率をいう。より詳細には実施例において説明する。ここでクロロホルム不溶分は、高分子量の重合体成分もしくは架橋された重合体成分であり、クロロホルム不溶分率が高いものほど、高分子量タイプであることを示している。
本発明においては、高軟化点の樹脂(A)に対する生分解性樹脂(C)の相溶性を高めるため、樹脂(B)の軟化点(以下、Tm(B)と記す)は90(℃)〜120(℃)、好ましくは90(℃)〜110(℃)であり、ガラス転移点(以下、Tg(B)と記す)は58(℃)〜75(℃)の範囲内、好ましくは58(℃)〜70(℃)である。また樹脂(A)、(B)、(C)を混合した結着樹脂のクロロホルム不溶分率は30(質量%)未満であることが好ましい。クロロホルム不溶分率が30(質量%)以上では定着性を下げる点で好ましくない。
また、樹脂(A)/樹脂(B)の配合質量比は、10/1〜10/5、好ましくは10/1〜10/3である。さらに、樹脂(A)/樹脂[(B)+(C)]の配合質量比は、好ましくは10/3〜10/8、より好ましくは10/4〜10/7であり、樹脂(B)/樹脂(C)の質量比は、1/1〜4/1、好ましくは1/1〜3/1である。また、結着樹脂中における樹脂(C)の配合率は5〜35(質量%)、特に5〜20(質量%)が好ましい。さらにまた、樹脂(A)と樹脂(B)の軟化点の差は20(℃)以上が好ましい。
なお、以上に説明した樹脂(A)、(B)の種類は上記の条件を満足する限り、特に限定されないが、生分解性樹脂(C)との相溶性をより高めるためには樹脂(A)、(B)は相互溶解性を有することが望ましい。かかる点でポリエステル系同士、さらに低温定着性、耐久性、及び着色剤の分散性の観点から、特に非晶性ポリエステル系同士が好ましい。なお非晶質とは結晶質のように明確な融点を有しないものであり、融解に必要なエネルギー量が少ないためにトナー定着性が向上できる。また、樹脂(A)、(B)および(C)はそれぞれ単独の樹脂からなるものであっても、2種以上を混合してなるものであってもよい。
本発明の樹脂(A),(B)に使用されるポリエステルは、通常、構成モノマーとして2価以上のアルコール単量体成分と、2価以上のカルボン酸、カルボン酸無水物、カルボン酸エステル等のカルボン酸単量体成分とを原料モノマーとして、縮重合によって得られる。特に非晶性ポリエステルは、上記の単量体に少なくとも3価以上の多価アルコール単量体及び/又は3価以上の多価カルボン酸単量体等を用いて縮重合することによって得られる。好ましい2価のアルコール単量体成分は、ビスフェノールAのアルキレン(炭素数2又は3)オキサイド付加物(平均付加モル数1〜10)、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等である。また、好ましい3価以上のアルコール単量体成分としては、ソルビトール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、グリセロール、トリメチロールプロパン等が挙げられる。
また酸成分としての2価のカルボン酸単量体成分としては、各種ジカルボン酸、炭素数1〜20のアルキル基又はアルケニル基で置換されたコハク酸、これらの酸の無水物及びアルキル(炭素数1〜12)エステル等が挙げられ、好ましくは、マレイン酸、フマル酸、テレフタル酸及び炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸である。また好ましい3価以上のカルボン酸成分は、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)及びその酸無水物、アルキル(炭素数1〜12)エステル等である。
ポリエステルの製造方法は、特に限定されることなく、上記の2価以上のアルコール単量体とカルボン酸単量体等を組み合わせてエステル化反応、又はエステル交換反応により製造することができる。原料モノマーを重合させる際には、反応を促進させるため、酸化ジブチル錫等の通常使用されているエステル化触媒等を適宜使用してもよい。
これらのうち、ポリエステル成分は、前記した如く2価以上のアルコール単量体成分と2価以上のカルボン酸、カルボン酸無水物、カルボン酸エステル等のカルボン酸単量体成分を原料モノマーとして縮重合によって得ることができる。また、ポリエステル・ポリアミド又はポリアミド中のアミド成分を形成するために用いる原料モノマーとしては、公知の各種ポリアミン、アミノカルボン酸類、アミノアルコール等が挙げられ、好ましくはヘキサメチレンジアミン及びε−カプロラクタムである。
次に、本発明に使用される生分解性樹脂(C)は、電子写真用トナーの低温定着性と耐ブロッキング性(保存性)を改善するために、結着樹脂中に均一に分散配合するものであり、特にその融点は、示差走査熱量分析計(以下、DSCと略す)による吸熱ピーク温度で表され、保存性と低温定着性の観点から通常80(℃)〜140(℃)であり、好ましくは80(℃)〜120(℃)である。生分解性樹脂(C)の融解は、保存性の観点から狭い温度範囲で起こることが好ましく、融解ピークの半値幅は通常20(℃)以下、好ましくは15(℃)以下である。なお、生分解性樹脂(C)を前記した樹脂(B)をつなぎ役として樹脂(A)に均一に分散させるためには、生分解性樹脂(C)の融点は、樹脂(B)の軟化点に近いことが好ましい。また、低温定着性の観点からは、生分解性樹脂(C)の150(℃)における溶融粘度は、通常5(センチポイズ)〜1,000(センチポイズ)、好ましくは5(センチポイズ)〜800(センチポイズ)、更に好ましくは10(センチポイズ)〜500(センチポイズ)である。
本発明に使用される生分解性樹脂(C)は、環境安定性の観点から、水酸基価が通常0.5(mgKOH/g)〜5(mgKOH/g)、好ましくは0.5(mgKOH/g)〜4(mgKOH/g)である。通常のポリエステルでは、水酸基価を低くするために酸成分を多く反応させると、その酸価が高くなり過ぎて、トナーにした場合に帯電性が悪くなる。また、酸成分としてカルボン酸の低級アルキルエステルを使用することも考えられるが、酸成分が昇華しやすかったり、反応が十分進みにくいために、水酸基価を5(mgKOH/g)以下にすることは困難である。さらに酸成分とアルコール成分との反応率を上げるだけでは粘度が高くなりすぎ、トナーにした場合の低温定着性の効果が小さくなる。生分解性樹脂(C)は、残存する水酸基をモノカルボン酸無水物でエステル化することによって、その水酸基価を0.5(mgKOH/g)〜5(mgKOH/g)にすることができる。また、トナーの帯電性の観点から、樹脂(C)の酸価は通常3(mgKOH/g)〜20(mgKOH/g)、好ましくは3(mgKOH/g)〜15(mgKOH/g)である。又、この生分解性樹脂(C)の重量平均分子量は比較的低分子量であって、通常1,000〜20,000であることが好ましく、2,000〜10,000であることがより好ましい。
本発明に用いる生分解性樹脂(C)としては、乳酸系ポリマー、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート・アジペート、ポリブチレンサクシネート・テレフタレート、ポリエチレンサクシネート、及びポリブチレンサクシーネート・カーボネート等のポリアルキレンサクシネート、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシ酪酸・ヒドロキシ吉草酸共重合体等が挙げられる。これらのうち、乳酸系ポリマーがより好ましい。
上記乳酸系ポリマーとしては、ポリ乳酸、または乳酸と他のヒドロキシカルボン酸とのコポリマーが挙げられる。コモノマーとして用いられる他のヒドロキシカルボン酸として、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシペンタン酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシヘプタン酸等が例示される。
これらの乳酸系ポリマーは、L−乳酸、D−乳酸および他のヒドロキシカルボン酸の中から必要とする構造のものを選んで原料とし、脱水重縮合することにより得ることができる。好ましくは、乳酸の環状二量体であるラクチド、グリコール酸の環状二量体であるグリコリド、およびカプロラクトン等から必要とする構造のものを選んで開環重合することにより得ることができる。
ラクチドには、L−乳酸の環状二量体であるL−ラクチド、D−乳酸の環状二量体であるD−ラクチド、D−乳酸とL−乳酸とが環状二量化したメソ−ラクチド、およびD−ラクチドとL−ラクチドとのラセミ混合物であるDL−ラクチドがある。本発明ではいずれのラクチドも用いることができる。
本発明で使用するポリ乳酸の製造方法としては特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。例えば、乳酸の二量体であるラクチドを溶融し、公知の重合触媒(例えばオクチル酸スズ、アルミニウムアセチルアセトナート、酢酸亜鉛、テトラブチルチタネート等)を使用して加熱開環重合させる方法や、加熱及び減圧による直接脱水重縮合を行う方法等が挙げられる。
なお、前記で説明した、樹脂(A)〜(C)のそれぞれの物性、すなわち軟化点、融点、ガラス転移点及びクロロホルム不溶分率の調整は、各樹脂を製造する際の原料モノマー、重合開始剤又は触媒等の種類、その量及び反応条件の選択等により容易に行うことができる。
本発明に用いられる結着樹脂は、樹脂(A)〜(C)の粉末状のものや、ペレット状のものが単に混合されたものであってもよく、それらの樹脂が溶融混練により均一に混合分散された後、粉砕等によって粉末状やペレット状にされたものであってもよい。また、本発明のトナーは、その粘弾性測定における150(℃)でのtanδ(G’/G”)が0.05〜1.5であって、かつ同温度でのG”が5.0×104(Pa)以下であることが好ましい。これは、低温定着性と高温オフセット性とのバランス、ならびに最適な低温定着性を実現するために規定される。また、トナー中の生分解性樹脂(C)の分散粒径は、定着性、保存安定性のバランスを最適化するために0.05(μm)〜0.2(μm)とすることが必要である。分散性が不良であると、帯電量分布が広がり、着色度も低下するので好ましくない。
更に本発明の電子写真用トナーには、トナーの流動性を高めトナーの溶融粘度を下げる目的で、針入度が1.5以下で、かつ、融点が80(℃)〜110(℃)であるワックス(W)を樹脂(C)/ワックス(W)の質量比で4/1〜1/1含むものである。針入度が1.5以上でかつ融点が80(℃)〜110(℃)の範囲外では、トナーの溶融粘度を下げる効果が低くなり、好ましくない。
なお融点は、示差走査熱量分析計(以下、DSCと略す)による吸熱ピーク温度で表される。ワックス(W)としては上記の条件を満たすものであれば構わないが、特にフィッシャートロピィッシュワックス(以下、FTワックスと記す)であることが好ましく、更には精製FTワックスであることがより好ましい。ワックス(W)の精製度は、融解ピークの半値幅で通常15(℃)以下、好ましくは10(℃)以下である。本発明の電子写真用トナーに適用するFTワックスは、天然ガスを原料にフィッシャートロピィッシュ法により製造されるものであって、一酸化炭素の触媒水素化により合成されたワックス状炭化水素である。
本発明のトナーにおいて用いられるワックス(W)は、構造的にはメチル分岐の少ない直鎖状のパラフィン系ワックスであることが好ましい。このような天然ガス系FTワックスとしては、シェル・MDS社製の商品名:FT−100、FT−0030、FT−0050、FT−0070、FT−0165、FT−1155、FT−60S、日本精鑞(株)製;MDP7010等が上市されている。天然ガス系FTワックスは、示差走査熱量分析計(以下、DSCと略す)による吸熱ピークが80(℃)〜110(℃)であるものが好ましい。吸熱ピークが80(℃)より低いものは、トナーの保存安定性に問題が生じやすく、また流動性が悪くなりやすい。一方、吸熱ピークが110(℃)より高いと、トナーの溶融粘度を下げる効果が少ないため、低温定着性に優れたトナーが得られにくくなる。天然ガス系FTワックスは結着樹脂との相溶性があまり良くないため、大量に使用するとワックスの分散が悪化し、粉砕時にワックス単体の脱離等により耐高温オフセット性、流動性が悪くなりやすいので好ましくない。従って、結着樹脂100(質量部)に対して、FTワックスは2(質量部)〜10(質量部)であることが好ましい。
また、本発明でいうDSCによる吸熱ピークは、吸収熱量のピーク温度のことであり、セイコー電子工業(株)SSC−5200を用い、20(℃)〜150(℃)の間を10(℃/分)の割合で昇温させ、次に150(℃)から20(℃)に急冷させる過程を2回繰り返して、2回目の吸収熱量を測定したものである。生分解性樹脂(C)とFTワックスを組み合わせて含有することにより、トナーの低温定着性と保存性(耐ブロッキング性)を両立・最適化することができるが、その量は、生分解性樹脂(C)/ワックス(W)の質量比で4/1〜1/1であることが望ましい。
本発明のトナーには、従来知られている染料及び顔料を着色剤として使用することができる。例えば、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、ピーコックブルー、パーマネントレッド、レーキレッド、ローダミンレーキ、ハンザイエロー、パーマネントイエロー、ベンジジンイエロー等を使用することができる。これらの添加量は、結着樹脂100(質量部)に対して、0.5(質量部)〜20(質量部)であることが最も好適である。
トナーの帯電制御は、上記した結着樹脂と着色剤自体で行ってもよいが、必要に応じて帯電制御剤やシリカ等の各種添加剤を併用してもよい。帯電制御剤としては、例えばニグロシン系染料、4級アンモニウム塩、トリメチルエタン系染料、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、金属錯塩アゾ系染料、アゾクロムコンプレックス等の重金属含有酸性染料等が必要に応じて用いられる。これらの中にはオリエント化学(株)製「ボントロンS−32」、保土ヶ谷化学(株)製「Aizen Spilon Black TRH」等がある。
カラートナーにおいては無色の帯電制御剤を使用するのが望ましく、サリチル酸またはサリチル酸とアルキルアルコールのエステルの金属錯化合物である、オリエント化学(株)製「ボントロンE−84」、日本カーリット(株)製「LR−147」等が挙げられる。
更に、必要に応じて種々のワックス類をトナー中に分散して用いることができる。例えばモンタン酸エステルワックスの如き天然ワックス、高圧法ポリエチレン、ポリプロピレンの如きポリオレフィン系ワックス、シリコーン系ワックス、フッ素系ワックス等が使用できる。好適なワックス類としては、例えばビスコール660P、ビスコーソレ550Pビスコール330P、TP−32〔三洋化成工業(株)製〕、ミツイハイワックスNP505、同P200、同P300、同P400等がある。
本発明のトナーを得るための製造方法としては、公知ないしは慣用の任意の製造方法を採用することができる。例えば、樹脂と着色剤と更に必要に応じて各種添加剤を樹脂の融点(軟化点)以上で溶融混練した後、粉砕し、分級することにより得ることができる。着色剤は樹脂中に均一に分散するようにあらかじめフラッシング処理、あるいは樹脂と高濃度で溶融混練したマスターバッチを用いても良い。具体的には例えば、上記の樹脂と着色剤とを必須成分として、2本ロール、3本ロール、加圧ニーダー、又は2軸押出機等の混練手段により混合する。この際、樹脂中に着色剤が均一に分散すればよく、その溶融混練の条件は特に限定されるものではないが、通常、80(℃)〜180(℃)で10分間〜2時間である。次いで、それを冷却後、ジェットミル等の粉砕機で微粉砕し、風力分級機等により分級し、所望の平均粒子径のトナーを得る。
トナー粒子としては、平均粒子径5μm〜10μmのものが好ましい。必要に応じて、トナー粒子にシリカを外添することにより、トナーの粉体流動性等をより向上させることができ、実用上好適である。
シリカとしては、二酸化珪素のうちで疎水性等を有するものが挙げられ、例えば二酸化珪素を各種のポリオルガノシロキサンやシランカップリング剤等で表面処理したものが挙げられる。例えば、AEROSIL R972,R974,R202,R805,R812,RX200,RY200、R809,RX50〔日本アエロジル(株)製〕、Wacker HDK H2000、H2050EP〔(株)ワッカーケミカルズイーストアジア製〕、Nipsil SS-10、SS-15,SS-20,SS-50,SS-60,SS-100、SS-50B,SS-50F,SS-10F、SS-40、SS-70,SS-72F〔日本シリカ工業(株)製〕といった商品名で市販されているシリカが、本発明のトナーに外添するために使用され得る。
シリカとしては、比較的大きい平均粒子径を有するものと、比較的小さい平均粒子径を有するものがあり、これらを単独で用いても併用してもよい。シリカの外添量としては、トナーに必要な帯電量の付与、潜像担持体への影響、トナーの環境特性等を考慮して、トナー粒子100(質量部)に対して0.5(質量部)〜5.0(質量部)が実用上好適である。なお、この外添は、トナー粒子の表面にシリカを付着させるようにしても良いし、シリカの一部がトナー粒子に埋め込まれるようにしても良い。
本発明のトナーは、更に、キャリアと混合して静電写真現像剤とすることができる。キャリアとしては、従来公知のキャリアを使用することができる。具体的には、鉄、ニッケル、コバルト等の強磁性金属、これらの金属を含む合金、フェライト、マグネタイト等の強磁性金属の化合物の粒子に、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂等を単層もしくは多層被覆してなるキャリアを好ましく用いることができる。かかるキャリアの平均粒子径は20μm〜200μmの範囲が好ましく、特に30μm〜150μmの範囲が好ましい。
以下に具体的に実施例により本発明を説明する。
〈物性値測定方法〉
〔軟化点(Tm)〕
高化式フローテスター((株)島津製作所製、CFT−500)を用い、サンプルの半分が流出する温度を軟化点とする。
・試料:1(g)
・昇温速度:6(℃/min)
・荷重:20(kg/cm2
・ノズル:1(mmφ)×1(mm)
〔ガラス転移点(Tg)〕
示差走査熱量計(セイコー電子工業(株)製、DSC210)を用いて昇温速度10(℃/min)で測定した際に、ガラス転移点以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの間での最大傾斜を示す接線との交点の温度とする。
〔分子量測定〕
昭和電工(株)製 SYSTEM−11装置を用い、
・カラム: 東ソー(株)製 TSK gel GMHXL 2本 (直列)
・測定温度:40(℃)
・試料溶液:0.25(質量%)のテトラヒドロフラン溶液
・注入量:100(ml)
・検出器 :屈折率検出器
にて測定した。
なお、分子量校正曲線は標準ポリスチレンを用いて作成した。
〔融点測定〕
JIS−K7122−1987に準じて測定し、吸熱ピークの温度を融点とした。
〔クロロホルム不溶分率〕
100(cc)のふた付きガラス瓶に樹脂粉体5(g)、ラジオライト「#700」5(g)(昭和化学工業(株)製)及びクロロホルム100(ml)を入れ、ボールミルにて25(℃)で5(時間)攪拌した後、ラジオライト5(g)を均一に敷き詰めた濾紙(東洋濾紙(株)製、No.2)で加圧濾過する。濾紙上の固形物をクロロホルム100(ml)で2回洗浄(洗浄に用いるクロロホルムの総量は200ml)し、乾燥させた後、以下の式に従い不溶分率を算出する。
不溶分率(質量%)=[(濾紙上に残った固形物の乾燥後の質量−10(g))/5(g)]
×100
[製造例1](生分解性樹脂(C),請求項の範囲内)
<ポリ乳酸(C−1)>
L−ラクチド30(kg)、DL−ラクチド20(kg)、オクチル酸スズ15(g)を重合反応槽に仕込み、窒素雰囲気下、190(℃)で3(時間)加熱開環重合させて、L−乳酸とD−乳酸のモル比(L/D)が0.05、分子量が、重量平均分子量Mw:11000、数平均分子量Mn:4100、融点129(℃)、酸価4.1、水酸基価1.2のポリ乳酸(C−1)を得た。
[製造例2](生分解性樹脂(C),請求項の範囲内)
<ポリ乳酸(C−2)>
[製造例1]と同様の方法により、L−乳酸とD−乳酸のモル比(L/D)が20、分子量が、重量平均分子量Mw:12000、数平均分子量Mn:4300、融点123(℃)、酸価4.8、水酸基価1.9のポリ乳酸(C−2)を得た。
[製造例3](生分解性樹脂(C),請求項の範囲外)
<ポリ乳酸(C−3)>
[製造例1]と同様の方法により、L−乳酸とD−乳酸のモル比(L/D)が4、融点66(℃)、水酸基価が2、酸価が10のポリ乳酸(C−3)を得た。
[製造例4](生分解性樹脂(C),請求項の範囲外)
<ポリ乳酸(C−4)>
[製造例1]と同様の方法により、L−乳酸とD−乳酸のモル比(L/D)が4、融点は92(℃)、水酸基価が36、酸価が15のポリ乳酸(C−4)を得た。
[製造例5](生分解性樹脂(C),請求項の範囲内)
<ポリ乳酸(C−5)>
[製造例1]と同様の方法により、L−乳酸とD−乳酸のモル比(L/D)が4、融点が85(℃)、水酸基価が3.3、酸価が18のポリ乳酸(C−5)を得た。
[製造例6]
<樹脂(A),(B)の製造例>
表1に示す縮重合系樹脂の原料を、窒素雰囲気下、220(℃)で反応させ、軟化点が所定の温度に達したときに反応を終了し、冷却後、粉砕し、A−1,2,B−1〜4を得た。得られた樹脂の軟化点、ガラス転移点及びクロロホルム不溶分率を表2に示す。
Figure 2006285150
(表1に記載の縮重合系樹脂の原料の略称)
BPA・PO:ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン
BPA・EO:ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン
i−DSA:イソドデセニル無水コハク酸
TPA:テレフタル酸
TMA:無水1,2,4−ベンゼントリカルボン酸
FA:フマル酸(両反応性モノマー)
HMDA:ヘキサメチレンジアミン
DBO:ジブチル錫オキシド(エステル化触媒)
Figure 2006285150
[製造例7]
<結着樹脂TB−1〜TB−15の製造例>
上記で得られた(A−1,2)と(B−1,2,3,4)及び(C−1,2,3,4,5)をそれぞれ樹脂(A)、樹脂(B)、樹脂(C)として、表3に示す配合率で各種組み合わせて混合し、結着樹脂TB−1〜TB−15を調製した。
Figure 2006285150
(表3についての説明)
TB−9:C成分が請求項の範囲外
TB−10:C成分が請求項の範囲外
TB−11:成分A,B,Cの質量比が請求項の範囲外
TB−12:成分A,B,Cの質量比が請求項の範囲外
TB−13:C成分量が請求項の範囲外
TB−15:B成分が請求項の範囲外
[トナー製造例]
<トナーTN−1〜TN−19の製造例>
表3に記載の結着樹脂TB−1〜TB−15の各々88(質量部)にカーボンブラック(三菱化学(株)製MA100)6(質量部)、及び荷電調整剤(保土ヶ谷化学工業(株)製スピロンブラックTRH)2(質量部)、ポリプロピレンワックス4(質量部)、フィッシャートロピィシュワックス(日本精鑞(株)製;FT100:融点100(℃)、針入度1)を表4に示す割合で均一混合した後、内温150(℃)の二軸押出機で混練、冷却物をジェットミルで微粉砕し、ディスパージョンセパレータで分級し、表面処理剤を外添して平均粒径9(μm)のトナーTN−1〜TN−19を得た。但しTN−19については、フィッシャートロピィシュワックス(FT100)の代わりにカルナバワックス(融点85(℃)、針入度8以上)を使用した。
トナーTN−1〜TN−19の各々4(質量部)にフェライトキャリア(パウダーテック(株)製F−150)96(質量部)を均一混合し、市販複写機(シャープ(株)製AR450M)を用いて紙上にトナー像を転写し、転写された紙上のトナーを市販複写機(シャープ(株)製AR450M)の定着部を改造して、A4紙45(枚/分)のスピードで複写して、下記に示す物性評価試験(実施例1〜10、比較例1〜9)を行った。
〈物性評価試験方法〉
(1)定着性
定着ローラーの温度を100(℃)〜240(℃)の間でコントロールし、定着機を通して定着された画像の上を学振式堅牢度試験機(砂消しゴムに1(kg)の荷重を載せて使用)により、3往復こすり、こする前後でマクベス社の反射濃度計にて光学反射密度を測定し、以下の定義による定着率が70(%)を越える際の定着ローラー温度をもって、定着性の評価を行った。
定着率(%)=[(こすった後の像濃度)/(こする前の像濃度)]×100
○:160(℃)未満
△:160(℃)以上175(℃)未満
×:175(℃)以上
(2)ホットオフセット発生温度(H.O.)
上記最低定着温度の測定に準じて、トナー像を転写して上述の定着ローラーにより定着処理を行い、次いで白紙の転写紙を同様の条件下で当該定着ローラーに送って、これにトナー汚れが生ずるか否かを目視観察する操作を、前記定着ローラーの設定温度を順次上昇させた状態で繰り返し、トナー汚れの生じた最低の設定温度をもって、ホットオフセット発生温度とした。
○:210(℃)以上
△:190(℃)以上210(℃)未満
×:190(℃)未満
(3)耐ブロッキング性
100(ml)のガラス瓶に10(g)のトナーを入れ、温度50(℃)の恒温槽に2日間放置し、以下の基準で評価した。
○:全くブロッキングが見られない。
△:ソフトケーキング状態。
×:ハードケーキングしている。
(4)生分解性
トナーを厚さ約50(μm)のフィルム状に溶融形成し、土壌中に12ケ月放置し、以下の基準で評価した。
○:フィルム形状が完全に消失した。
△:フィルム形状が大部分消失した。
×:フィルム形状がそのまま残っている。
上記の各テスト結果を、トナーTN−1〜TN−19中の生分解性樹脂(C)の分散粒径(μm)の測定結果とともに、表4にまとめて示す。
Figure 2006285150

Claims (10)

  1. 少なくとも結着樹脂および着色剤を含有する電子写真用トナーであって、結着樹脂が下記(A),(B),(C)を主成分とし、
    (A) 軟化点が120(℃)〜170(℃)、ガラス転移点が58(℃)〜75(℃)
    、かつクロロホルム不溶分率が5〜50(質量%)である樹脂;
    (B) 軟化点が90(℃)〜120(℃)、ガラス転移点が58(℃)〜75(℃)で
    ある樹脂;
    (C) 融点が80(℃)〜140(℃)である生分解性樹脂;
    かつ、該結着樹脂のクロロホルム不溶分率が30(質量%)未満であり、さらに、トナー中に針入度が1.5以下で融点が80(℃)〜110(℃)であるワックス(W)が含有されていることを特徴とする電子写真用トナー。
  2. 樹脂(A)/樹脂(B)の質量比が10/1〜10/5であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナー。
  3. 樹脂(A)/[樹脂(B)+樹脂(C)]の質量比が10/3〜10/8であり、かつ樹脂(B)/樹脂(C)の質量比が1/1〜4/1であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真用トナー。
  4. 結着樹脂中における樹脂(C)の配合率が5(質量%)〜20(質量%)であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子写真用トナー。
  5. 樹脂(C)/ワックス(W)の質量比が4/1〜1/1であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の電子写真用トナー。
  6. トナー中の生分解性樹脂(C)の分散粒径が0.05(μm)〜0.2(μm)である請求項1〜5のいずれか一項に記載の電子写真用トナー。
  7. 樹脂(A)と樹脂(B)のそれぞれがポリエステルであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の電子写真用トナー。
  8. 生分解性樹脂(C)がポリ乳酸であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の電子写真用トナー。
  9. ワックス(W)のDSC測定における融点分布の半値幅が、15(℃)以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の電子写真用トナー。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の電子写真用トナーからなる静電写真現像剤。
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