JP4447926B2 - マゼンタトナー及びマゼンタ用二成分系現像剤 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法及びトナージェット法のような画像形成方法に用いられるマゼンタトナー、特にオイルレス定着に適したマゼンタトナーに関するものである。
近年、複写機やレーザービームプリンターを始めとする電子写真方式の画像形成装置は、省スペース、省エネルギー等の要求から、小型、軽量、高速、高画質、高信頼性が厳しく追及されてきており、画像形成装置は種々の点でよりシンプルな要素で構成されるようになってきている。その結果、トナーに要求される性能はより高度になり、トナーの性能向上が達成できなければ、よりすぐれた画像形成装置が成り立たなくなってきている。また、近年多様なニーズに伴い、フルカラー画像出力に対する需要も急増しており、更に一層の高画質、高解像度等が望まれている。
通常のフルカラー複写機に搭載されるカラートナーは、色再現性の向上やOHP画像の透明性が重要であり、シャープメルトで低分子量のポリエステル樹脂等を結着樹脂として使用し、定着工程で各色のカラートナーが充分混色するように設計されている。しかし、このようなシャープメルト性を有する樹脂は自己凝集力が弱く、定着ローラ等に溶融したトナーが付着する高温オフセット現象が生じるという問題がある。そこで、従来より高温オフセット現象の防止を目的として定着ローラへシリコーンオイル等を均一塗布することが行われてきたが、この様な構成で得られた画像は、その表面に余分のシリコーンオイル等が付着しているため、特にOHP画像において、ユーザーが使用する際、不快感を生じ好ましくない。
一方、市場で広く使用されているモノクロ複写機、モノクロプリンター用の黒トナーについては、オフセット防止のためにワックスが含有され、定着ローラへのシリコーンオイルの塗布を不要としているものが多い。近年フルカラー用のトナーにおいても、ワックスをトナーに含有させることが試みられているが、前述したようにフルカラー用のトナーは一般にポリエステル樹脂により構成されているためワックスとの相溶性が悪く、結果としてワックスの分散不良が生じ、定着性能が充分ではないだけでなく、トナーの現像性、耐久性、保存安定性等に種々の問題が生じる。
このようなワックスのポリエステル樹脂への分散不良という問題に対して、様々な提案がされている。
例えば、ビニル系共重合体を形成するためのビニル系モノマー、ポリエステル樹脂を形成するための酸及びアルコール成分、並びにワックスからなる混合物からハイブリッド樹脂を合成することにより、ワックスの分散性が改良されたハイブリッド樹脂を用いたトナーが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、スチレン、N含有ビニルモノマー及び(メタ)アクリル酸系モノマーからなる共重合体をポリオレフィンにグラフトしたワックス分散剤、炭化水素系ワックス、ハイブリッド樹脂を少なくとも含有する、ワックスの分散性が良好で、混色性と透過性の優れた高グロスを満足するトナーも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
分子量5000〜70000の領域にメインピークを有し、Mw/Mnが100以上であり、集束イオンビーム(FIB)によるトナーの断面観察において、ワックスを含む分散粒径が0.001〜4μmの一次分散粒子が局在されて0.01〜5μmのドメインを形成している、ハイブリッド樹脂を含有するトナーも提案されている(例えば、特許文献
3参照)。
また、トナーの平均円形度が0.92〜0.96であり、メタノール疎水化度における降下開始点が35〜60体積%であり、ワックスを含む分散粒径が0.005〜4μmの一次分散粒子が局在されて0.01〜5μmのドメインを形成している、ハイブリッド樹脂を含有するトナーも提案されている(例えば、特許文献4参照)。
さらに、溶媒に溶解したポリエステル樹脂の溶液に、微粒子化したワックスのスラリー及び顔料スラリーを混合してこれを水中で造粒し、その後に溶媒を常温で留去することにより、ワックスを0.1〜40質量%含有し、トナー表面に露出するワックスの存在割合を1〜10質量%とした、ワックスの形状が薄片状であり、ワックスの数平均分散径を0.1〜2μmとしたトナーが提案されている(例えば、特許文献5参照)。
しかし、これらのワックス分散が改良されたポリエステル系のトナーであっても、未だワックス分散の最適化は充分とは言えない。ワックスがさらに微細化、均一化されるように、すなわち、ワックスを分子レベルでポリエステル系樹脂中に均一に分散させて、ワックス粒子やワックスドメインがトナー中にほとんど存在しない状態とし、より一層の低温定着性、耐高温オフセット性等の定着性能が改善されたトナーが求められている。
一方、キナクリドン系顔料及びワックス成分を含むマゼンタトナーに関して、従来より様々な提案がされている(例えば、特許文献6参照。)。しかしながら、これらのマゼンタトナーは、バイアス印加やアースを取るための構成を有しない定着器構成において、キナクリドン系顔料特有の電気的特性によって発生する静電オフセットと定着性に関して、改善すべき点がある。
特開平11−352720号公報 特開2003−76066号公報 特開2003−76056号公報 特開2003−76065号公報 特許3225889号公報 特開2000−91086号公報
本発明は、高精彩性を満足した画像を安定的に形成できるマゼンタトナーを提供することを課題とする。より具体的には、優れた低温定着性や耐高温オフセット性が発現されるだけでなく、静電オフセット性、現像性、耐久性及び環境安定性が良好で、高い着色力を有し、混色性、転写効率、階調性に優れるマゼンタトナー及びマゼンタ用二成分系現像剤を提供することを課題とする。
本発明者等は、鋭意検討の結果、マゼンタトナー中のワックスの分散度合いと、マゼンタトナーをn−ヘキサンに分散したときのマゼンタトナーからn−ヘキサンへのワックスの溶出速度との間に相関があり、トナー中にワックスが高度に分散し、トナー中に存在するワックス粒子やワックスドメインの存在量が減少するほど、n−ヘキサンへのトナーからのワックスの溶出速度が速くなるということを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)結着樹脂、キナクリドン系顔料を有する着色剤及びワックスを少なくとも含有するマゼンタトナー粒子を有するマゼンタトナーであって、
該マゼンタトナーは、重量平均粒径が4〜9μmであり、
該マゼンタトナー粒子は、粉砕工程を経由して生成されたものであり、
該ワックスは、脂肪族炭化水素系ワックスであり、
該結着樹脂は、ビニル系共重合体ユニットとポリエステルユニットとを有しており、
23℃においてn−ヘキサン中に15mg/cm3の濃度で該マゼンタトナーを分散さ
せて1分間抽出して得られる抽出液のワックス濃度C[01](mg/cm)が、0.08〜0.50mg/cm3の範囲であり、
23℃においてトルエン中に15mg/cm3の濃度で該マゼンタトナーを分散させて
ワックスを抽出して得られる抽出液のワックス濃度D(mg/cm3)と、該ワックス濃
度C[01](mg/cm3)と、ワックス濃度C[20](mg/cm3)と、ワックス濃度C[90](mg/cm3)とが下記(i)〜(iii)の関係を満たすことを特徴とするマゼンタトナー。
(i)C[01]≧D×0.2
(ii)C[01]≧C[20]×0.6
(iii)C[20]≧C[90]×0.8
(式中、Dはマゼンタトナーをトルエンで12時間抽出したときのワックス濃度、C[20]はマゼンタトナーをn−ヘキサンで20分間抽出したときのワックス濃度、C[90]はマゼンタトナーをn−ヘキサンで90分間抽出したときのワックス濃度を表す。)
(2)前記キナクリドン系顔料は、C.I.ピグメントレッド122,208及びC.I.ピグメントバイオレット19からなる群より選ばれる1種又はそれ以上の組み合わせであることを特徴とする請求項1に記載のマゼンタトナー。
(3)前記マゼンタトナー粒子中の着色剤は、個数平均粒径が0.01〜0.30μmの粒子であることを特徴とする請求項1又は2に記載のマゼンタトナー。
(4)前記マゼンタトナー粒子中の着色剤は、粒径が0.05〜0.25μmの粒子を65個数%以上含有し、粒径0.4μm以上の粒子を10個数%以下含有していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のマゼンタトナー。
(5)前記マゼンタトナーを23℃、50%RHに24時間放置したときの凝集度をA(%)とし、前記マゼンタトナーに、50℃において1.56KPaの荷重を24時間かけ
、その後荷重を開放して23℃、50%RHに24時間放置したときの凝集度をB(%)としたときに、B/A≦2.0の関係を満たすことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のマゼンタトナー。
(6)前記マゼンタトナーをメタノール45体積%水溶液に2mg/cmの濃度で分散
させた溶液の、波長600nmにおける透過率が、5〜70%の範囲にあることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のマゼンタトナー。
(7)前記マゼンタトナーの示差熱分析(DSC)測定における吸熱曲線において、温度30〜200℃の範囲に1個又は複数の吸熱ピークを有し、該吸熱ピーク中の最大吸熱ピークのピーク温度が60〜105℃の範囲にあることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のマゼンタトナー。
(8)前記ワックスがパラフィンワックスであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のマゼンタトナー。
(9)前記結着樹脂は、ワックスが分散されたハイブリッド樹脂であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載のマゼンタトナー。
(10)前記マゼンタトナーが、さらに芳香族カルボン酸の金属化合物を含有することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載のマゼンタトナー。
(11)前記マゼンタトナーの円相当径3μm以上の粒子の平均円形度が0.920〜0.950の範囲であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載のマゼンタトナー。
(12)マゼンタトナーと磁性キャリアとを少なくとも含有するマゼンタ用二成分系現像剤において、前記マゼンタトナーは請求項1乃至11のいずれか一項に記載のマゼンタトナーであり、前記磁性キャリアは表面が樹脂によりコートされている樹脂コートキャリアであることを特徴とするマゼンタ用二成分系現像剤

本発明によれば、定着性に優れ、着色力、混色性、静電オフセット性、現像性、耐久性及び環境安定性も良好で、転写効率、階調性に優れ、高精彩性を満足した画像を安定的に形成できるマゼンタトナー及びマゼンタ用二成分系現像剤を提供することができる。
また、定着工程における定着部材表面と加圧部材表面、定着記録材及び未定着トナー表層との接触で発生する電荷を緩和させるためのバイアス印加やアースを取るための構成を有しない簡略的な定着器構成においても、静電オフセットの発生しないマゼントナーを提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のマゼンタトナーは、結着樹脂、キナクリドン系顔料を有する着色剤及びワックスを少なくとも含有し、23℃においてn−ヘキサン中に15mg/cm3の濃度で該マ
ゼンタトナーを分散させて1分間抽出して得られる抽出液のワックス濃度が0.08〜0.50mg/cm3であることが必須である。前記ワックス濃度がこの範囲を外れると、
優れた低温定着性や耐高温オフセット性が発現されない。
本発明のマゼンタトナーは、ワックスが微細化、均一化されるように、すなわち、マゼンタトナーの結着樹脂中にワックスの少なくとも一部を分子レベルで均一に分散させた状態となるように製造する。
なお、本発明においては、結着樹脂として主にポリエステル系樹脂が好適に用いられる。
なお、ここで言う「ポリエステル系樹脂」とは、ポリエステルユニットを有している樹脂のことであり、ポリエステルユニットとビニル系共重合体ユニットとを有するハイブリッド樹脂、又はポリエステル樹脂、又はビニル系共重合体とこれらの樹脂との混合物のいずれかを示しており、本発明においては、ハイブリッド樹脂が好適に用いられる。また、本発明においては、結着樹脂全体の50質量%以上がポリエステルユニットを有する樹脂が好ましく、さらに結着樹脂全体の70質量%以上がポリエステルユニットを有する樹脂が好ましい。
本発明者等は、トナー中のワックスを均一に微分散させるために、結着樹脂の種類、組成及び製造条件、ワックスの種類、融点、添加量、並びにその他のトナー原材料の種類、添加量、トナーの製造条件等について種々の検討を行い、得られたトナーの定着性について検討を行った結果、ワックスを微分散するほど低温定着性と耐高温オフセット性が良好となることを見出した。また同時に、特殊な手法を用いて、ワックスのさらなる微細化と均一化を行い、結着樹脂中にワックスの少なくとも一部を分子レベルで均一に分散させた状態とすることにより、例えば、厚紙を転写材として出力したカラー画像を折り曲げても、定着画像の剥離による画像欠陥が生じにくく、美しい画像が転写材に保持されるという、従来に無い優れた低温定着性が発現されることを見出した。
また、トナー中のワックスの分散度合いと、トナーをn−ヘキサンに分散したときのトナーからn−ヘキサンへのワックスの溶出速度との間には相関があり、トナー中にワックスが高度に分散しトナー中に存在するワックス粒子やワックスドメインの存在量が減少するほど、n−ヘキサンへのトナーからのワックスの溶出速度が速くなるということも見出した。そして、ワックスの分散度合いを簡便且つ再現性良く定量化する手段について検討を行った結果、23℃においてn−ヘキサン中に15mg/cm3の濃度でトナーを分散
させて、1分間抽出して得られる抽出液のワックス濃度をガスクロマトグラフ法により定量するという方法で、ワックスの分散度合いを簡便且つ再現性良く判定できることを見出
した。
種々のマゼンタトナーについて、23℃においてn−ヘキサン中に15mg/cmでの濃度で該トナーを分散させて1分間抽出して得られる抽出液のワックス濃度の測定と、マゼンタトナーの定着性についての検討を行った結果、抽出液のワックス濃度が0.08〜0.50mg/cm3、より好ましくは0.12〜0.40mg/cm3となるマゼンタトナーにすることで、ワックスが分子レベルで結着樹脂中に均一に分散されて、トナー中にワックス粒子やワックスドメインがほとんど存在しない状態となることがわかった。このことにより定着時にトナー内部からも速やかにワックスがしみ出し、ワックスの添加効果が最大限に発現され、前述したように、厚紙を転写材として出力したカラー画像を折り曲げても、定着画像の剥離による画像欠陥が生じにくく、美しい画像が転写材に保持されるという、従来に無い優れた低温定着性が発現されることを見出した。
なお、ワックスが分子レベルで結着樹脂中に均一に分散されて、トナー中にワックス粒子やワックスドメインがほとんど存在しない状態となることで、n−ヘキサンへのワックスの溶出速度が速くなる理由については必ずしも定かではないが、本発明者等は以下のように推定している。
結着樹脂に比較して極性が低く、融点が低いワックスは、非極性溶媒であるn−ヘキサンに対する飽和溶解度が常温で数質量%と比較的高いものの、その溶解速度は非常に遅く、数時間をかけて膨潤した後に、徐々に均一に溶解していく。その溶解速度はワックスの粒子径に強く依存しており、粒子径が小さいほど、その溶解速度は加速度的に上昇していく。従って、トナー中に存在するワックスについても同様のことが予想され、トナー中におけるワックスの分散粒子径が小さいほどn−ヘキサンへの溶出速度が上昇すると考えられ、その究極の状態が分子レベルでのワックスの均一分散といえる。また、トナーにワックスを微分散させると、本来n−ヘキサンとは相互作用のほとんどない結着樹脂であっても、分子レベルで均一に分散したワックスの影響で、n−ヘキサンと結着樹脂との馴染み性が良好となる。以上のような理由から、ワックスの少なくとも一部を分子レベルで結着樹脂中に均一に分散させた状態とした本発明のトナーは、n−ヘキサンに分散したときに、トナー内部からも極めて速やかにワックスの溶出が見られるようになったものと考えられる。
前述したように、結着樹脂へのワックスの分散性を改良したトナーがいくつか知られている。しかし、本発明の特徴である、23℃においてn−ヘキサン中に15mg/cm3
の濃度で該トナーを分散させて1分間抽出して得られる抽出液のワックス濃度を特定の範囲に調整したマゼンタトナーについては知られておらず、また、本発明者等が確認したところ、これらの従来知られているマゼンタトナーは、前記した23℃においてn−ヘキサン中に15mg/cm3の濃度で該トナーを分散させて1分間抽出して得られる抽出液の
ワックス濃度は0.08mg/cm3未満であった。また、それらのマゼンタトナーの定
着性能を評価したところ、低温定着性、耐高温オフセット性に改善の余地があることが明らかとなった。
例えば、前述した特許文献1に記載されている、ビニル系モノマー、酸及びアルコール成分、並びにワックスからなる混合物から合成したハイブリッド樹脂をトナー原材料として用いた場合、溶融混練を行った際に樹脂中に分散していたワックス粒子の再凝集が生じやすく、結果として前記抽出液のワックス濃度が0.08mg/cm3未満となる。
また、特許文献2及び3に記載されている、スチレン、N含有ビニルモノマー及び(メタ)アクリル酸系モノマーからなる共重合体をポリオレフィンにグラフトしたワックス分散剤を用いて製造されたトナーや、特許文献4に記載されている混練を段階的に繰り返すことにより製造されたトナーは、ワックスの一次平均分散径自体は微粒子化しているもの
の、トナー製造工程においてワックスと結着樹脂を混合するという工程を経るため、どうしても分散粒子が近接して凝集したワックスドメインを多数形成しやすく、また、このドメインの粒子径が溶融混練条件により大きくなり過ぎたり、場合によってはワックス分散粒子の再凝集が生じ、ワックス分散径の粗大化を起こすことがあり、結果として前記抽出液のワックス濃度が0.08mg/cm3未満となってしまう。
さらに、特許文献5に記載されている、溶媒に溶解したポリエステルの溶液に、微粒子化したワックスのスラリー及び顔料スラリーを混合してこれを水中で造粒し、その後に溶媒を常温で留去することにより製造したトナーは、ワックスを機械的に微粒子化してこれを溶液状の結着樹脂と混合するというものであり、ワックスの数平均分散径は1μm程度と微分散とは言い難く、前記抽出液のワックス濃度も0.08mg/cm3未満である。
本発明のマゼンタトナーにおいて、23℃においてn−ヘキサン中に15mg/cm3
の濃度で該トナーを分散させて1分間抽出して得られる抽出液のワックス濃度を0.08〜0.50mg/cmとするためには、ワックスを分子レベルで結着樹脂中に均一に分散させて、ワックス粒子やワックスドメインがほとんど存在しない状態とすることにより、製造することができる。
本発明において、ワックスの少なくとも一部を分子レベルで結着樹脂中に均一に分散させた状態とする方法としては、例えば、ワックス、ビニル系共重合体ユニットを形成するためのビニル系モノマー及びポリエステルユニットを形成するための酸及びアルコール成分の混合物からハイブリッド樹脂を合成する際に、ビニル系モノマーの重合反応を、水素引き抜き能力の比較的強い重合開始剤(例えば、t−ブトキシラジカルが分解により生成するジ−t−ブチルパーオキサイド等)を使用して比較的高い重合温度で行い、ビニル系モノマーの共重合と共にビニル系モノマーのワックスへのグラフト重合を意図的に起こし、ワックスのビニル系共重合体への相溶性及びワックスのハイブリッド樹脂への相溶性を向上させる方法が挙げられる。また、上記モノマー混合物にワックス及びハイブリッド樹脂の良溶媒を添加し、完全に溶解した状態でハイブリッド樹脂を合成し、ワックスを分子レベルで均一に分散する方法、さらに、溶媒に溶解したワックスとハイブリッド樹脂の均一混合物から、低温で溶媒を除去してワックスの高分散性を維持する方法等が適用可能であり、もちろんこれらを組み合わせて適用することもできる。
本発明者等は、前記した23℃においてn−ヘキサン中に15mg/cm3の濃度でマ
ゼンタトナーを分散させて、1分間抽出して得られる抽出液のワックス濃度が0.08〜0.50mg/cm3であるマゼンタトナーに関してさらに検討を進めた。その結果、多
数枚の画像出力を行った際に、前記抽出液のワックス濃度がほぼ同じ値のトナーであっても、トナー種により画像濃度、カブリ、階調性といった現像性や、中抜けに代表される転写性の耐久安定性が大きく異なる場合があることを見出した。そして、この現像性、転写性の耐久安定性の違うトナーが、トナーを加熱、加圧といった過酷な状態に放置した際に、凝集度の悪化度合いという指標で明確に区別できることも見出した。
本発明のマゼンタトナーは、23℃、50%RHに24時間放置したときの凝集度をA(%)とし、前記マゼンタトナーに50℃において1.56KPaの荷重を24時間かけ、その後荷重を開放して23℃、50%RHに24時間放置したときの凝集度をB(%)としたときに、凝集度の比B/Aが2.0以下であることが好ましく、より好ましくは1.5以下である。また、前記凝集度Aが3〜80%、前記凝集度Bが3〜99%の範囲であると、現像性と転写性が優れたものとなり、好ましい。
本発明者等の検討によれば、トナーに、50℃において1.56KPaの荷重を24時間かけたとき、その前後での凝集度の比B/Aが2.0以下となるマゼンタトナーにすることにより、例えば、長期使用において現像器内で繰り返し機械的ストレスを受け続けて
も、ワックスのトナー表面への遊離が低いレベルに抑えられ、現像スリーブ等の部材の汚染が防止される。また、外添剤の埋め込みについても抑制されて、トナーの流動性の低下や帯電性能の低下が起こりにくく、現像性と転写性が長期にわたり安定となる。さらに、B/Aを1.5以下とすることにより、例えば、高温高湿といった苛酷な環境下においても耐久安定性が向上し、トナーの感光体ドラム等の部材への融着等も起こりにくく、安定した画像が得られる。
前記凝集度の比B/Aを2.0以下とすることにより、前述した種々の優れた効果が発現される理由は定かではないが、本発明者等は以下のように推定している。
トナー中に含有されるワックスは、通常、複数の低融点化合物からなる混合物であり、その融点に多少なりとも幅を有している。
このようなワックスを含有するトナーを50℃の環境にさらした場合、ワックス成分中のより低融点の成分が軟化し、溶融しかけた状態となりやすい。この状態のトナーにさらに1.56KPaの荷重をかけると、溶融しかけた低融点成分のワックスが近接するワックスをも軟化させ、トナー中に分散しているワックスが凝集、合一を繰り返して粗大粒子状のワックスとなり、トナー表面にもワックスが遊離してしまうことになる。このような状態となったトナーは、トナー同士の付着性が増大することから凝集度が高くなる。前記B/Aが2を超えるトナーは、表面に結着樹脂よりも柔らかいワックスが遊離しているため、現像器内で機械的なストレスを受けた際に外添剤がトナー表面に埋没しやすく、その結果として、トナーの流動性の低下や帯電性能の低下が起こりやすく、現像性と転写性が悪化しやすい。また、感光体ドラムや現像スリーブ等の部材との摩擦により、これらの部材へのトナーの融着も生じやすくなり、その結果として画像欠陥が出る場合がある。
トナー中にワックス粒子やワックスドメインが多数形成されている、ワックス分散が不充分なトナーの場合、この傾向は非常に強く、ワックス粒子やワックスドメインがトナー中に多いほど、50℃において1.56KPaの荷重をかけたときのトナー表面へのワックスの遊離が多く、凝集度が悪化し、前記B/Aは高い値となってしまう。そして、前記した外添剤の埋没に由来する種々の弊害や部材へのトナーの融着が生じる。一方、ワックスの少なくとも一部が分子レベルで結着樹脂中に均一に分散されて、トナー中に存在するワックス粒子やワックスドメインの存在量が少ない状態となっているトナーの場合には、例えワックスの低融点成分が軟化した状態となっても、近接するワックスがほとんど存在しないため、ワックス分散が初期の状態を維持しやすく、結果として前記B/Aは低い値となり、外添剤の埋没も極めて起こりにくくなる。そのため、現像性や転写性の耐久安定性が良好となる。
本発明において、着色剤として少なくともキナクリドン系顔料を用い、23℃においてn−ヘキサン及びトルエン中に15mg/cm3の濃度でトナーを分散させてワックスを
抽出して得られる抽出液のワックス濃度(mg/cm3)が下式(i)〜(iii)の関係を満たすマゼンタトナーは、低温定着性や耐高温オフセット性といった定着性能や、現像性、転写性の耐久安定性に優れることはもちろん、高い着色力、良好な混色性と色再現性を有し、環境安定性にも優れるだけでなく、キナクリドン系顔料に特有の電気的特性の影響によって発生する静電オフセットの発生を抑制する効果が得られることが判明した。
(i)C[01]≧D×0.2
(ii)C[01]≧C[20]×0.6
(iii)C[20]≧C[90]×0.8
(但し、Dはマゼンタトナーをトルエンで12時間抽出したときのワックス濃度、C[01]はマゼンタトナーをn−ヘキサンで1分間抽出したときのワックス濃度、C[20]はマゼンタトナーをn−ヘキサンで20分間抽出したときのワックス濃度、C[90]は
マゼンタトナーをn−ヘキサンで90分間抽出したときのワックス濃度を表す。)
なお、Dは23℃においてトナーをトルエンで12時間抽出した時のワックス濃度であるが、トルエンはワックス及び結着樹脂の両方を室温で比較的速やかに溶解するので、前記ワックス濃度Dはトナーに含有されるワックスのほぼ全量が溶出したときの濃度に相当する。
本発明においては、トナーからn−ヘキサン及びトルエンへ溶出するワックスの濃度を上記式(i)〜(iii)の範囲とし、ワックスの溶出速度が制御されたトナーとすること
で、上述したような優れたトナーとすることができる。
このような優れた効果が発現される理由は定かではないが、本発明者等は以下のように推定している。
トナーからn−ヘキサン及びトルエンへ溶出するワックスの濃度を上記式(i)〜(iii)の範囲にするということは、トナー中のワックスのかなりの部分が分子レベルで結着
樹脂中に完全に均一に分散された状態となることを意味する。このレベルまでワックスが完全に均一分散されると、トナー中の着色剤粒子の近傍にはワックスが必ず存在し、場合によっては着色剤粒子がワックスで取り囲まれるような状態となる。このような状態となると、定着時のトナーの溶融の際に、ワックスとともにワックス近傍の着色剤粒子も速やかに転写材上に広がり、他色のトナー中の着色剤粒子とも混ざり合うので、極めて優れた混色性と色再現性が発現される。また、着色剤に起因するトナーの環境変動の問題、例えば、高温高湿環境下で着色剤がリークサイトとなり、トナーの帯電量が低下してカブリが増加する問題や、低温低湿環境下で着色剤自身がチャージアップを生じ、トナーの帯電量が上昇して画像濃度が低下するといった問題が従来のトナーでは生じやすいが、トナーからn−ヘキサンへのワックスの溶出速度を上記の範囲とした本発明のトナーの場合には、着色剤粒子の近傍に均一に微分散したワックスが存在することで、着色剤はリークサイトとなりにくくなり、また、着色剤のチャージアップも防止されるため、これらの着色剤起因の問題が抑制されたものとなる。
次に本発明のトナーの組成について説明する。
本発明のトナーは結着樹脂を少なくとも含有する。
本発明のトナーに含有される結着樹脂は、トナー中にワックスが高分散される限り、従来トナーに用いられる一般的なものが用いられ特に限定されないが、ポリエステルユニットとビニル系共重合体ユニットとを有するハイブリッド樹脂、又はポリエステル樹脂、又はビニル系共重合体とこれらの樹脂との混合物のいずれかのポリエステル系樹脂であることが好ましく、ハイブリッド樹脂がより好ましい。
上述しているが「ポリエステル系樹脂」とは、ポリエステルユニットを有している樹脂のことであり、結着樹脂全体の50質量%以上がポリエステルユニットを有する樹脂が好ましく、さらに結着樹脂全体の70質量%以上がポリエステルユニットを有する樹脂が好ましい。結着樹脂全体の50質量%以上がポリエステルユニットを有する樹脂とすることにより、高い着色力、鮮明な色味と良好な混色性、そして優れた透明性がより顕著に発現できる。さらに、結着樹脂全体の50質量%以上がポリエステルユニットを有するハイブリッド樹脂とすることにより、良好な顔料分散性、ワックス分散性、低温定着性、さらに耐高温オフセット性の向上が期待できる。
なお、本発明において「ポリエステルユニット」とはポリエステルに由来する部分を示し、「ビニル系共重合体ユニット」とはビニル系共重合体に由来する部分を示す。ポリエステルユニットを構成するポリエステル系モノマーは、多価カルボン酸成分と多価アルコール成分である。ビニル系共重合体ユニットを構成するビニル系モノマーは、ビニル基を
有するモノマー成分である。
本発明において「ハイブリッド樹脂」とは、ビニル系共重合体ユニットとポリエステルユニットが化学的に結合された樹脂を意味する。具体的には、例えば(メタ)アクリル酸エステル等のカルボン酸エステル基を有するモノマーを重合したビニル系共重合体ユニットとポリエステルユニットとがエステル交換反応によって形成されるものであり、好ましくはビニル系共重合体ユニットを幹重合体、ポリエステルユニットを枝重合体としたグラフト共重合体(又はブロック共重合体)を形成するものである。
本発明のトナーに含有される結着樹脂として、ポリエステル樹脂又はポリエステルユニットを有するハイブリッド樹脂を用いる場合、ポリエステル樹脂又はハイブリッド樹脂のポリエステルユニットを生成するためのポリエステル系モノマーとして、多価のアルコールと多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物、又は多価カルボン酸エステル等が原料モノマーとして使用できる。
具体的には、例えば2価アルコール成分としては、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物や、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。
3価以上のアルコール成分としては、例えばソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。
2価カルボン酸成分としては、例えばフタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸類又はその無水物;コハク酸、ドデセニルコハク酸、アジピン酸、セバシン酸及びアゼライン酸等のアルキルジカルボン酸類又はその無水物;炭素数6〜12のアルキル基で置換されたコハク酸又はその無水物;フマル酸、マレイン酸及びシトラコン酸等の不飽和ジカルボン酸類又はその無水物;が挙げられる。
また、3価以上のカルボン酸成分としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(別名トリメリット酸)、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸及びこれらの無水物やエステル化合物が挙げられる。
なお、上記の中でも、特に、下記一般式(1)で代表されるビスフェノール誘導体をジオール成分とし、2価以上のカルボン酸又はその酸無水物、又はその低級アルキルエステルとからなるカルボン酸成分(例えば、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等)を酸成分として、これらを縮重合したポリエステルユニットを有する結着樹脂が特に好ましい。この組成としたポリエステル樹脂は、良好な帯電特性を有する。
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本発明のトナーに含有される結着樹脂として、ビニル系共重合体又はビニル系共重合体ユニットを有するハイブリッド樹脂を用いる場合、ビニル系共重合体又はハイブリッド樹脂のビニル系共重合体ユニットを生成するためのビニル系モノマーとして、次のようなものを用いることができる。スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−ニトロスチレン等のスチレン及びその誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等の不飽和モノオレフィン類;ブタジエン、イソプレン等の不飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等のビニルエステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸又はメタクリル酸誘導体等が挙げられる。
さらに、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸等の不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物等の不飽和二塩基酸無水物;マレイン酸メチルハーフエステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン酸ブチルハーフエステル、シトラコン酸メチルハーフエステル、シトラコン酸エチルハーフエステル、シトラコン酸ブチルハーフエステル、イタコン酸メチルハーフエステル、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル、フマル酸メチルハーフエステル、メサコン酸メチルハーフエステル等の不飽和二塩基酸のハーフエステル;ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸等の不飽和二塩基酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸等のα,β−不飽和酸;クロトン酸無水物、ケイヒ酸無水物等のα,β−不飽和酸無水物、該α,β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物;アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、こ
れらの酸無水物及びこれらのモノエステル等のカルボキシル基を有するモノマーが挙げられる。さらに、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸エステル類;4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルヘキシル)スチレン等のヒドロキシ基を有するモノマーが挙げられる。
本発明のトナーに含有させる結着樹脂として、ビニル系共重合体又はビニル系共重合体ユニットを有するハイブリッド樹脂を用いる場合には、これらの樹脂はビニル基を2個以上有する架橋剤で架橋されたものであってもよい。この場合に用いられる架橋剤としては、以下のものが挙げられる。ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等の芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート等のアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの;ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート等のエーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類及び以上の化合物のアクリレートをメタアクリレートに代えたもの;ポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、ポリオキシエチレン(4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート等の芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの等が挙げられる。
上記以外に多官能の架橋剤を用いることもでき、多官能架橋剤としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの;トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテート等が挙げられる。
ビニル系共重合体ユニットやポリエステルユニットを有するハイブリッド樹脂をトナーに含有させる場合、そのビニル系共重合体ユニットやポリエステルユニット中には、両樹脂成分と互いに反応し得るモノマー成分を含むことが好ましい。ポリエステルユニットを構成するポリエステル系モノマーのうちビニル系共重合体ユニットと反応し得るものとしては、例えば、フタル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸又はその無水物等が挙げられる。ビニル系共重合体ユニットを構成するビニル系モノマーのうちポリエステルユニットと反応し得るものとしては、カルボキシル基又はヒドロキシ基を有するもの、アクリル酸又はメタクリル酸エステル類が挙げられる。
ビニル系共重合体ユニットとポリエステルユニットとの反応生成物を得る方法としては、先にあげたビニル系共重合体ユニット及びポリエステルユニットのそれぞれと反応し得るモノマー成分を含むポリマーが存在しているところで、どちらか一方又は両方の樹脂の重合反応をさせることにより得る方法が好ましい。
ビニル系共重合体やビニル系共重合体ユニットを有するハイブリッド樹脂を製造する場合に用いられるラジカル重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(−2メチルブチロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2−(カーバモイルアゾ)−イソブチロニト
リル、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチル−プロパン)、メチルエチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−クミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、m−トリオイルパーオキサイド、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシカーボネート、ジ−メトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシカーボネート、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエイト、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエイト、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート、t−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート,ジ−t−ブチルパーオキシアゼレート等が挙げられる。
本発明のトナーに含有させることができるハイブリッド樹脂の製造方法としては、例えば、以下の(1)〜(6)に示す製造方法を挙げることができる。
(1)ビニル系共重合体、ポリエステル樹脂及びハイブリッド樹脂をそれぞれ製造後にブレンドする方法であり、ブレンドは有機溶媒(例えば、キシレン)に溶解・膨潤した後に有機溶媒を留去することで行う。尚、ハイブリッド樹脂は、ビニル系共重合体とポリエステル樹脂を別々に製造後、少量の有機溶媒に溶解・膨潤させ、エステル化触媒及びアルコールを添加し、加熱することによりエステル交換反応を行って合成されるエステル化合物を用いることができる。
(2)ビニル系共重合体ユニット製造後に、これの存在下にポリエステルユニット及びハイブリッド樹脂を製造する方法である。ハイブリッド樹脂はビニル系共重合体ユニット(必要に応じてビニル系モノマーも添加できる)とポリエステル系モノマー(アルコール、カルボン酸)及び/又はポリエステルユニットとの反応により製造される。この場合も適宜、有機溶媒を使用することができる。
(3)ポリエステルユニット製造後に、これの存在下にビニル系共重合体ユニット及びハイブリッド樹脂を製造する方法である。ハイブリッド樹脂はポリエステルユニット(必要に応じてポリエステル系モノマーも添加できる)とビニル系モノマー及び/又はビニル系共重合体ユニットとの反応により製造される。
(4)ビニル系共重合体ユニット及びポリエステルユニット製造後に、これらの重合体ユニット存在下にビニル系モノマー及び/又はポリエステル系モノマー(アルコール、カルボン酸)を添加することによりハイブリッド樹脂が製造される。この場合も適宜、有機溶媒を使用することができる。
(5)ハイブリッド樹脂を製造後、ビニル系モノマー及び/又はポリエステル系モノマー(アルコール、カルボン酸)を添加して付加重合及び/又は縮重合反応を行うことにより
ビニル系共重合体ユニット及びポリエステルユニットが製造される。この場合、ハイブリッド樹脂は上記(2)〜(4)の製造方法により製造されるものを使用することもでき、必要に応じて公知の製造方法により製造されたものを使用することもできる。さらに、適宜、有機溶媒を使用することができる。
(6)ビニル系モノマー及びポリエステル系モノマー(アルコール、カルボン酸等)を混合して付加重合及び縮重合反応を連続して行うことによりビニル系共重合体ユニット、ポリエステルユニット及びハイブリッド樹脂が製造される。さらに、適宜、有機溶媒を使用することができる。
上記(1)〜(5)の製造方法において、ビニル系共重合体ユニット及び/又はポリエステルユニットは複数の異なる分子量、架橋度を有する重合体ユニットを使用することができる。
上記の(1)〜(6)の製造方法のうち、本発明のマゼンタトナーに用いられるハイブリッド樹脂を得るため、(6)の製造方法が好適に採用される。(6)の製造方法により得られたハイブリッド樹脂は、ビニル系共重合体ユニットとポリエステルユニットが非常に均一な状態となりやすく、好ましい。
また、本発明においては、ビニル系モノマー及びポリエステル系モノマーに加えて、さらにワックスもモノマー混合物に共存させ、その状態で付加重合及び縮重合反応を連続して行えば、ワックスの分散性が向上しやすく、好ましい。
さらに、ビニル系モノマーの付加重合の際に、水素引き抜き能力の比較的強い重合開始剤(例えば、t−ブトキシラジカルが分解により生成するジ−t−ブチルパーオキサイド等)を使用して比較的高い重合温度で行う等、適当に重合条件を選択して、ビニル系共重合体の生成とともにワックスへのビニル系モノマーのグラフト重合を起こせば、ワックスのビニル系共重合体への相溶性、及びワックスのハイブリッド樹脂への相溶性を向上させることができ、結果として、トナー中にワックスを分子レベルで均一に分散することが可能であり、特に好ましい。
本発明において用いられる結着樹脂は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定における分子量分布において、テトラヒドロフラン(THF)に可溶な成分のピーク分子量(Mp)が4000〜20000の範囲にあることが好ましく、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が5以上であることが好ましい。前記Mpが4000未満の場合、得られるトナーの保存安定性に問題が生じたり、耐高温オフセット性が不充分になるとともに、感光体ドラムへの融着及びフィルミング等が発生しやすくなる場合がある。一方、Mpが20000を越える場合、低温定着性が不充分となるとともに、画像のグロスが低くなりすぎたり、混色性に問題が生じる場合がある。また、Mw/Mnが5未満である場合には耐高温オフセット性に問題が生じる場合がある。
本発明のトナーは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定における分子量分布において、該トナーに含有されるTHFに可溶な結着樹脂成分のピーク分子量(Mp)が4000〜20000、特に6000〜15000の範囲にあることが好ましく、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が100以上、特に200以上であることが好ましい。トナーに含有される樹脂成分のピーク分子量が4000未満の場合、トナーの保存安定性に問題が生じたり、耐高温オフセット性が不充分になるとともに、感光体ドラムへの融着及びフィルミング等が発生しやすくなる場合がある。一方、ピーク分子量が20000を越える場合、低温定着性が不充分となるとともに、画像のグロスが低くなりすぎたり、混色性に問題が生じる場合がある。また、Mw/Mnが100未満である場合には耐高温オフセット性に問題が生じる場合がある。
本発明のトナーに含有されるTHFに可溶な結着樹脂成分のMpを4000〜20000の範囲にするためには、THFに可溶な成分のMpが4000〜20000の結着樹脂をトナーの原材料として用いればよい。また、(Mw/Mn)を100以上とするためには、(Mw/Mn)が100以上である結着樹脂を用いても良いし、(Mw/Mn)が100未満の結着樹脂と後述する有機金属化合物とをトナー製造工程のひとつである混練工程において金属架橋させて、Mw/Mnを100以上とすることもできる。また、この金属架橋による方法を用いて(Mw/Mn)を調整する場合には、有機金属化合物の種類、添加量や混練時の温度の調整で、(Mw/Mn)の調整が可能である。
本発明のトナーは、マゼンタトナー用の着色剤としてキナクリドン系顔料を含有する。キナクリドン系顔料を用いるメリットとしては、以下の5点があげられる。(1)低濃度から高濃度までの広いダイナミックレンジをカバーする高着色力を有する。(2)彩度、明度が高い。(3)OHP透明性に優れる。(4)着色剤の分散性に優れる。(5)高耐光性を有する。
本発明に用いるキナクリドン系顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ48,49,C.I.ピグメントレッド12,57,122,202,206,208,209、C.I.ピグメントバイオレット19,42からなる群より選ばれる1種又はそれ以上の組み合わせであることが好ましい。
上記顔料のみ使用しても構わないが、本発明のマゼンタトナーをフルカラー画像形成に用いる場合、画質の点から、前記キナクリドン系顔料の他に、染料や顔料を1種類以上併用してその鮮明度を向上させて用いることも可能である。
本発明のマゼンタトナーの着色剤にキナクリドン系顔料と共に用いるマゼンタ用着色顔料としては、C.I.ピグメントレッド1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,13,14,15,16,17,18,19,21,22,23,30,31,32,37,38,39,40,41,48,49,50,51,52,53,54,55,58,60,63,64,68,81,83,87,88,89,90,112,114,123,163,207,C.I.バットレッド1,2,10,13,15,23,29,35などが挙げられる。
また、本発明のマゼンタトナーの着色剤にキナクリドン系顔料と共に用いるマゼンタ用染料としては、C.I.ソルベントレッド1,3,8,23,24,25,27,30,49,81,82,83,84,100,109,121、C.I.ディスパースレッド9、C.I.ソルベントバイオレット8,13,14,21,27、C.I.ディスパースバイオレット1等の油溶染料;C.I.ベーシックレッド1,2,9,12,13,14,15,17,18,22,23,24,27,29,32,34,35,36,37,38,39,40、C.I.ベーシックバイオレット1,3,7,10,14,15,21,25,26,27,28等の塩基性染料が挙げられる。
本発明の、キナクリドン系顔料を有する着色剤を含有するマゼントナーは、トナー中のワックスを微細化、均一化することによって、より好ましくは着色剤粒子の粒径及び粒度分布を制御することによって、バイアスを印加しない簡略的な構成の定着器構成においても、静電オフセットの発生を抑制し、優れた定着性との両立を達成できる。上記構成によって、静電オフセットの発生が抑制される理由については必ずしも定かではないが、以下のように推定している。
キナクリドン系顔料が含有されるトナーの未定着トナー像を転写材に定着するために、該トナーが定着ニップ部周辺での定着部材との接触する又は分離される際に、キナクリド
ン系顔料はその帯電性が強いため、トナーを負帯電性とした場合、定着部材をポジ性に帯電させる特性が顕著に表れる。そして、ポジ性に帯電された定着部材は、未定着トナー像を定着ニップ部周辺で、静電気的に付着させることによって、静電オフセットが発生するものと考えられる。一般的には、定着部材周辺に、バイアス印加を行うことによって、静電気的にトナーの移動を抑制して、静電オフセットの発生を低減させている。しかしながら、本発明のようにトナー中のワックスを特徴的に微細化、均一化した場合には、キナクリドン系顔料に特有の帯電性の発現を抑制させることができ、定着ニップ部周辺でトナー中のワックスが定着部材とトナー粒子との離型性に対して有効に機能するため、定着ニップ部周辺でバイアス印加を行わない簡略的な構成の定着器を用いた場合であっても、未定着トナー像が定着部材に静電気的に付着することがなく、静電オフセットのない良好な画像を得ることが出来るものと推察している。
さらに、本発明のマゼンタトナーに含有される着色剤を、粒径及び粒度分布を制御した粒子とすることによって、ワックスによるキナクリドン系顔料の帯電性制御の効果を増大させることが出来る上に、より高品位な画像特性を得ることができるものと考えている。
本発明のマゼンタトナー中の着色剤は、個数平均粒径が0.01〜0.30μmの粒子であることが良い。より好ましくは、個数平均粒径0.05〜0.25μmの粒子である。さらに、マゼンタトナー中の着色剤は、粒径0.05〜0.25μmの粒子を65個数%以上、好ましくは75個数%以上含有し、粒径0.4μm以上の粒子を10個数%以下、好ましくは8個数%以下含有していることが良い。着色剤の粒子が、個数平均粒径0.30μmよりも大きい場合には、微細化、均一化したワックスによるキナクリドン系顔料の帯電特性の発現を効果的に抑制できなくなるため、好ましくない。一方、粒径0.01μmよりも小さい場合には、帯電特性の制御が困難となるため、好ましくない。また、粒径0.05〜0.25μmの粒子が、65個数%より少ない場合には、高い着色力が得られなくなるため好ましくない。さらに、粒径0.4μm以上の粒子を10個数%より多く含有している場合には、OHT透過性が低下する傾向になるため、好ましくない。
着色剤の使用量は、中間色の再現性と着色力とのバランスから、結着樹脂100質量部に対して、1〜15質量部、好ましくは3〜10質量部含有していることが良い。
着色剤の含有量が15質量部より多い場合には、透明性が低下し、加えて人間の肌色に代表される様な中間色の再現性も低下し易くなり、更にはトナーの帯電性の安定性が低下し、目的とする帯電量が得られにくくなる。また、着色剤の含有量が1質量部より少ない場合には、目的とする着色力が得られ難く、高い画像濃度の高品位画像が得られ難い。
本発明のマゼンタトナーはワックスを含有する。
本発明のトナーに含有させることができるワックスとしては、例えば次のものが挙げられる。ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、オレフィン共重合体ワックスワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス、パラフィンワックス等の脂肪族炭化水素系ワックス、また酸化ポリエチレンワックス等の脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物、又はそれらのブロック共重合物;カルナウバワックス、モンタン酸エステルワックス等の脂肪酸エステルを主成分とするワックス類、ベヘン酸ベヘニルやステアリン酸ベヘニル等の高級脂肪酸と高級アルコールとの合成反応物であるエステルワックス、及び脱酸カルナウバワックス等の脂肪酸エステル類を一部又は全部を脱酸化したもの等が挙げられる。
パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸等の飽和直鎖脂肪酸類;ブランジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸等の不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコール等の飽和アルコール類;ソルビトール等の多価アルコール類;リノール酸ア
ミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド等の飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’ジオレイルセバシン酸アミド等の不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’ジステアリルイソフタル酸アミド等の芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等の脂肪族金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸等のビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリド等の脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加等によって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物等が挙げられる。
本発明において、好ましく用いられるワックスとしては脂肪族炭化水素系ワックスが挙げられ、より好ましくは低分子量ポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュワックス、パラフィンワックス、特に好ましくはパラフィンワックスが挙げられる。脂肪族炭化水素系ワックスを用いると、ワックスのマゼンタトナー中での分散状態を最適としやすく、低温定着性に優れるだけでなく、高い着色力、鮮明な色味と混色性が発現され、現像性、転写性、耐久性等の各種特性のバランスの優れたトナーが得られやすい。
また、優れた低温定着性、高い着色力、鮮明な色味と混色性、及び優れた環境安定性、耐久性を達成するために、前記ワックスの示差熱分析(DSC)測定における吸熱曲線において、最大吸熱ピークのピーク温度が60〜105℃の範囲にあることが好ましく、70〜90℃の範囲にあることがより好ましい。50℃未満であると、例えばトナーの保存安定性が劣る場合があり、105℃を超えると省エネの観点から望まれる低温定着を行うことが困難となる場合がある。
ワックスは結着樹脂100質量部あたり1〜10質量部、好ましくは2〜7質量部使用するのが良い。1質量部よりも少ないと低温定着性に効果が無く、10質量部を超えるとトナーの保存安定性や現像性に問題が出る場合がある。
本発明のマゼンタトナーは、示差熱分析(DSC)測定における吸熱曲線において、温度30〜200℃の範囲に1個又は複数の吸熱ピークを有し、該吸熱ピーク中の最大吸熱ピークのピーク温度が60〜105℃の範囲にあることが好ましく、60〜105℃の範囲にあることが更に好ましく、特に好ましくは70〜90℃の範囲である。最大吸熱ピークのピーク温度がこの範囲にあれば、優れた低温定着性と現像性とのバランスが良好となる。最大吸熱ピークのピーク温度が60℃未満であるとトナーの保存安定性が劣る場合があり、105℃を超えると省エネの観点から望まれる低温定着を行うことが困難となる場合がある。なお、最大吸熱ピークのピーク温度を60〜105℃とするには、前述した最大吸熱ピークのピーク温度が60〜105℃のワックスを、トナーに含有させることにより達成可能である。
本発明のマゼンタトナーには、さらに有機金属化合物を含有させてもよい。有機金属化合物を含有させると、帯電レベルを調整でき、帯電の立ち上がりを良くし、トナーの熱溶融特性を改良することが出来る等の点で好ましい。本発明のマゼンタトナーに含有させる有機金属化合物としては、芳香族オキシカルボン酸及び芳香族アルコキシカルボン酸から選択される芳香族カルボン酸誘導体、該芳香族カルボン酸誘導体の金属化合物であることが好ましく、その金属としては、2価以上の金属が好ましい。また、芳香族カルボン酸誘導体としては、サリチル酸誘導体が好ましい。
芳香族カルボン酸の金属化合物は、例えば、2価以上の金属イオンが溶解している水溶
液を、芳香族カルボン酸を溶解した水酸化ナトリウム水溶液に滴下し、加熱撹拌し、次に水溶液のpHを調整し、常温まで冷却した後、ろ過水洗することにより合成することができるが、上記の合成方法だけに限定されるものではない。2価の金属としてMg2+、Ca2+、Sr2+、Pb2+、Fe2+、Co2+、Ni2+、Zn2+、Cu2+が挙げられる。これらのうち、Zn2+、Ca2+、Mg2+、Sr2+が好ましい。3価以上の金属としてはAl3+、Cr3+、Fe3+、Ni3+、Zr4+が挙げられる。これら3価以上の金属の中で好ましいのはAl3+、Cr3+、Zr4+であり、特に好ましいのはAl3+、Zr4+である。
本発明のマゼンタトナーに有機金属化合物を含有させる場合、有機金属化合物は結着樹脂100質量部あたり0.1〜5質量部含有させることが好ましい。この範囲の含有量とすると、トナーの帯電レベルを適度に調整できるため現像時に必要な絶対帯電量が得られやすく、また、混練時の金属架橋による(Mw/Mn)の調整も可能であり、トナーの熱溶融特性も改良することができる。
本発明のマゼンタトナーは、マゼンタトナー粒子に流動性向上剤が外部添加(以下、「外添」という)されているトナーであることが好ましい。ここで、流動性向上剤とは、マゼンタトナー粒子に外添することにより、流動性が増加し得る機能を有するものであり、画質向上の観点から添加される。例えば、フッ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフルオロエチレン微粉末等のフッ素系樹脂粉末;湿式製法で得られるシリカ微粉末、乾式製法で得られるシリカ微粉末等のシリカ微粉末;それらシリカ微粉末をシラン化合物、チタンカップリング剤、シリコーンオイル等の処理剤により表面処理を施した処理シリカ微粉末;酸化チタン微粉末;アルミナ微粉末、処理酸化チタン微粉末、処理酸化アルミナ微粉末等が用いられる。このような流動性向上剤は、BET法で測定した窒素吸着による比表面積が30m2/g以上、好ましくは50m2/g以上のものが良好な結果を与える。
流動性向上剤は、マゼンタトナー粒子100質量部に対して0.01〜10質量部、好ましくは0.05〜5質量部使用するのが良い。
本発明のマゼンタトナーは重量平均粒径が4〜9μm、特に5〜8μmであることが好ましい。マゼンタトナーの重量平均粒径をこの範囲として小粒径化することにより、画像の輪郭部分、特に文字画像やラインパターンの現像での再現性が良好なものとなる。重量平均粒径が4μm未満であると、例えば感光体ドラムの表面への付着力が高くなり、転写不良に基づく画像の不均一、ムラの原因となりやすい。また、トナーの単位質量あたりの帯電量が高くなり、例えば低温低湿環境下において画像濃度が低下してしまう場合がある。さらに、流動性の低下や部材への付着性の増加により、例えば二成分系現像剤とした場合、キャリアとの摩擦帯電がスムーズに行われにくく、充分に帯電し得ないトナーが増大し、非画像部のカブリが目立つ様になる。また、重量平均粒径が9μmを超えると、高画質化に寄与し得る微粒子が少ないことを意味し、トナーの流動性に優れるというメリットがあるものの、感光体ドラム上の微細な静電荷像上に忠実に付着しづらく、ハイライト部の再現性が低下し、さらに階調性も低下する場合がある。また、感光体ドラム表面等の部材への融着が起きやすい。
さらに、4μm以下の粒径を有するトナーが3〜40個数%含有され、10μm以上の粒径を有するトナーが10体積%以下含有されていると、現像性、転写性のバランスの取れたトナーが得られやすく、特に好ましい。
本発明のトナーは、円相当径が3μm以上の粒子において、平均円形度が0.920〜0.950、特に0.925〜0.945の範囲にあることが好ましい。トナーの平均円形度を上記範囲とすることにより、トナーの流動性、転写性、帯電性を好適なものとすることが出来る。平均円形度が0.920より小さいと転写性、特に転写効率に劣り、逆に、平均円形度が0.950より大きいと形状が球形となりすぎるため、感光体ドラムのクリーニングの際に転写残トナーがクリーニングブレードをすり抜ける等、クリーニング不良による画像欠陥が出る場合がある。
しかしながら、トナー中にワックスを含有させたトナーにおいては、トナーの粒径や円形度を制御するのみでは転写性や帯電性等の性能特性が不充分となる場合がある。このようなワックスを含有するトナーにおいて優れた性能特性を発現させるには、さらにトナー表面におけるワックスの量を制御することが重要であることを本発明者等は見出した。そこで、45体積%のメタノール水溶液におけるトナーの透過率が、トナー表面近傍のワックスの量を把握するための簡易且つ精度の高い方法であること、及びこの透過率を特定の値とすることにより、上記ワックスを含有するトナーにおいても優れた性能特性を発現できることを、本発明者等は見出した。
本発明のトナーは、45体積%のメタノール水溶液にトナーを2mg/cm の濃度で分散させた溶液の、波長600nmにおける透過率が5〜70%であることが好ましく、さらに好ましくは10〜50%である。
この45体積%のメタノール水溶液におけるトナーの透過率は、トナーを水とメタノールの混合溶液中で強制分散させ、さらに一定時間後の透過率を測定することにより得られる値であり、トナー表面近傍のワックスの存在量を再現性良く、且つ正確に把握できるものである。このような透過率の測定方法によれば、疎水性であるワックスがトナー表面に多く存在すると、溶媒に分散しにくく凝集するため、上記透過率が70%を超える高い値になる。逆にトナー表面のワックスが少ないと、親水性である結着樹脂のポリエステルユニットが多く存在するため、トナーが混合溶媒中に均一分散し、上記透過率が5%未満の小さな値になる。
45体積%のメタノール水溶液におけるトナーの透過率が70%より大きいと、トナー表面のワックスが過度に多いため、例えばワックスが現像スリーブ表面に融着して現像スリーブが高抵抗化することになり、そのため現像にかかる実際の現像バイアスの効力が下がり、ひいては画像濃度の低下が生じる場合がある。一方、上記透過率が5%より小さいと、表面に露出しているワックスが少なすぎることから、定着時にワックスの効果が現れにくく、省エネルギーの低温定着を行うことが困難な場合がある。
本発明のマゼンタトナーは、前述したようにトナーからn−ヘキサンへのワックスの溶出速度が非常に速いトナーである。粒子径の非常に小さいワックスがトナー表面に多量に存在している場合、n−ヘキサンへのワックスの溶出速度はある程度高くなることが予想される。しかし、このようなトナーでは、ここでいう45体積%のメタノール水溶液におけるトナーの透過率が非常に高いものとなる。本発明のトナーは、45体積%のメタノール水溶液における透過率を5〜70%とすることが好ましく、前記透過率をこの範囲とすることで、定着性、現像性、転写性等、種々の特性のバランスのとれた、長期にわたり性能の安定したトナーが得られる。
本発明のマゼンタトナーは、トナーの粒度分布、平均円形度、分子量、最大吸熱ピーク及び透過率等を上記のように調製することによって、帯電分布がさらにシャープなものとなり、それにより現像効率が向上するばかりでなく、カブリが激減するといった効果も得られる。さらなる効果として、感光体ドラム上に形成された潜像を忠実に再現することが可能であり、網点及びデジタルの様な微小ドット潜像の再現性にも優れ、特にハイライト部の階調性及び解像性に優れたマゼンタトナー像を与えることができる。さらに画像出力を続けた場合でも高画質を保持し、且つ高濃度の画像の場合でも少ないトナー消費量で良好な現像を行うことが可能であり、長期に渡り鮮明な色味で色再現性が良好なマゼンタカラー画像が得られる。
本発明のマゼンタトナーは、中間転写体を設けた画像形成装置への適用も可能である。中間転写体を設けた画像形成装置は多種多様の転写材に対応可能であるため、近年急速に
普及しつつある。中間転写体を設けた画像形成装置の場合、転写工程が実質2回行われるため、転写効率の低下はトナーの利用効率の低下を招き問題となる。しかし、本発明のマゼンタトナーは、粒度分布、平均円形度及び前記透過率等を上記のように調製することによって、高い転写性が達成され、中間転写体を設けた画像形成装置にも好適に使用できる。このような高転写性を有する本発明のマゼンタトナーを用いれば、中間転写体を用いた系で起こりやすい転写抜け等の転写不良がほとんど生じないため、2次色の色再現性や色味が極めて良好となり、多種多様の転写材を用いた場合でも、美しいカラー画像を得ることができる。
本発明のマゼンタトナーは、結着樹脂、キナクリドン系顔料を有する着色剤、及びワックスを少なくとも含有するトナー粒子と、必要に応じてマゼンタトナー粒子に外添される流動性向上剤等の外添剤とから構成される。本発明におけるマゼンタトナー粒子は、以下で述べる方法により得ることができる。すなわち、マゼンタトナー原材料をヘンシェルミキサー、ボールミル等の混合機により充分混合し、ニーダー、エクストルーダー等の熱混練機を用いて溶融、捏和及び練肉し、溶融混練物を冷却固化後に固化物を粉砕し、粉砕物を分級することにより、所定の平均粒径のマゼンタトナー粒子を得ることができる。
本発明のマゼンタトナーにおいて、平均円形度を調整する手段としては特に限定されないが、例えば、機械的衝撃法により粉砕トナー粒子を球形化する方法、ディスク又は多流体ノズルを用い溶融混合物を空気中に霧化し球状トナー粒子を得る方法等様々な方法が採用できる。
上記のうち機械的衝撃法によりマゼンタトナー粒子を得た場合には、トナー粒子表面のワックス量の調整が簡便であり、より好ましい。トナー粒子表面のワックス量の調整(すなわち45体積%のメタノール水溶液におけるトナーの透過率の調整)は原材料の物性、特に樹脂の粘弾性を制御したり、製造条件、特に溶融混練条件や重合条件を制御することによって行うことができるが所望の物性が得られれば特に限定されない。
しかし、従来用いられていた多くの製造手段においては、これらの物性を同時に満足することは困難である。例えば、エアージェット式を用いた場合は45体積%のメタノール水溶液におけるトナーの透過率を5〜70%と所望の値とすることができるものの、平均円形度が所望の値には至らず0.920未満となってしまう。そこで球形化する手段として、例えば(株)奈良機械製作所製のハイブリタイザー等を行うこともできるが、トナー粒子に過度の熱履歴がかかるためトナー表面にワックスが遊離し、前記透過率が70%を超えるものとなってしまう。また粉砕と球形化を同時に行うものとして、川崎重工業(株)製のクリプトロンシステム、日清エンジニアリング(株)製のスーパーローター等があるが、これらも同様に過度の熱履歴がトナー粒子にかかるため、前記透過率が70%を超えてしまう。
このように従来のトナーの物性において、平均円形度が0.920未満の場合は前記透過率が5〜70%の範囲にあるものも存在するが、円形度が小さく転写性等に関して不充分である。逆に平均円形度が0.920〜0.950となるようにトナーに球形化処理をすると、ワックスが表面に出やすくなり、前記透過率が70%を超えてしまい現像特性等に弊害を生じている。
そこで、本発明のマゼンタトナーの平均円形度を0.920〜0.950とする有効なものとしては、図1及び図2に記載の装置を用いることが好ましい。この装置を用いれば同時に前記透過率を5〜70%の範囲とすることが可能である。
図1は、本発明のトナーの製造に好ましく用いられる表面改質装置の構成の一例を示す模式的断面図であり、図2は、図1の表面改質装置が有する分散ローターの構成を示す模
式的平面図である。表面改質装置は、発生する微粉を系外に排出しながら、機械的衝撃力を与えることにより、所望の形状、性能を得るものである。通常、機械的に球形化処理する場合には、粉砕時に生じる、かなり小さな微粉が再度凝集することで形状を凹凸にするため、発生する微粉を系外に排出しながら行わなければならず、所望の球形度にするには必要以上に機械的衝撃力が必要となる。その結果、余分な熱量を与えトナー表面のワックス量が多くなる弊害が生じる。また、ごく小さな微粉はキャリアへのスペントを悪化させる大きな原因となる。これに対し、図1及び図2に示す表面改質装置においては、機械的衝撃力を加えている同一気流を止めることなく分級するため、再凝集させることなく効率良く系外に排出することができる。
さらに詳しく説明すると、図1に示す表面改質装置は、ケーシング、冷却水又は不凍液を通水できるジャケット(図示しない)、ケーシング内において中心回転軸に取り付けられた、上面に角型のディスク又は円筒型のピン40を複数個有し、高速で回転する円盤状の回転体である表面改質手段としての分散ローター36、分散ローター36の外周に一定間隔を保持して配置された、表面に多数の溝が設けられているライナー34(なお、ライナー表面上の溝はなくても構わない)、表面改質された原料を所定粒径に分級するための手段である分級ローター31、冷風を導入するための冷風導入口35、被処理原料を導入するための原料供給口33、表面改質時間を自在に調整可能となるように開閉可能なように設置された排出弁38、処理後の粉体を排出するための粉体排出口37、分級ローター31と分散ローター36−ライナー34との間の空間を、分級ローター31へ導入される前の第一の空間41と、分級ローター31により微粉を分級除去された粒子を表面処理手段へ導入するための第二の空間42に仕切る案内手段である円筒形のガイドリング39から構成されている。分散ローター36とライナー34との間隙部分が表面改質ゾーンであり、分級ローター31及びその周辺部分が分級ゾーンである。
以上のような構成の表面改質装置は、排出弁38を閉じた状態で原料供給口33から微粉砕品を投入すると、投入された微粉砕品は、まずブロワー(図示しない)により吸引され、分級ローター31で分級される。その際、分級された所定粒径以下の微粉は装置外へ連続的に排出除去され、所定粒径以上の粗粉は遠心力によりガイドリング39の内周(第二の空間42)に沿いながら分散ローター36により発生する循環流にのり表面改質ゾーンへ導かれる。
表面改質ゾーンに導かれた原料は、分散ローター36とライナー34間で機械式衝撃力を受け、表面改質処理される。表面改質された表面改質粒子は、機内を通過する冷風にのって、ガイドリング39の外周(第一の空間41)に沿いながら分級ゾーンに導かれる。この時発生した微粉は、分級ローター31により再度機外へ排出され、粗粉は循環流に乗って再度表面改質ゾーンに戻され、繰り返し表面改質作用を受ける。一定時間経過後、排出弁38を開き、排出口37より表面改質粒子を回収する。
本発明者等が検討した結果、上記表面改質装置を用いた表面改質処理の工程において、原料供給口33からの微粉砕品の投入から排出弁開放までの時間(サイクルタイム)と分散ローターの回転数が、トナーの平均円形度と前記透過率(即ち、トナー粒子表面のワックス量)をコントロールする上で重要なことが分かった。平均円形度を上げるには、サイクルタイムを長くするか、分散ローターの周速を上げるのが効果的である。またトナーの透過率を低く抑えようとするなら、逆にサイクルタイムを短くするか、周速を下げることが有効である。その中でも特に分散ローターの周速がある一定以上にならないと、トナーを効率的に球形化できないため、サイクルタイムを長くして球形化しなければならず、必要以上にトナーの透過率を高くしてしまうことがある。前記透過率を所定以下に抑えつつトナーの円形度を向上させて、トナーの平均円形度及び前記透過率を上記範囲とするためには、分散ローターの周速は1.2×105mm/s以上で、サイクルタイムは5〜60
秒であることが有効である。
本発明のマゼンタトナーは、一成分系現像剤としても二成分系現像剤としても使用可能であるが、二成分系現像剤として使用すると、長期に渡り鮮明なマゼンタカラー画像が得られやすく、好ましい。
本発明のマゼンタトナーを二成分系現像剤として用いる場合、本発明のマゼンタトナーと磁性キャリアとを混合して二成分系現像剤とすればよい。磁性キャリアとしては、例えば表面酸化又は未酸化の鉄、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム、カルシウム、マグネシウム、希土類等の金属及びそれらの合金又は酸化物及び磁性フェライト等の磁性キャリアが使用出来る。
また、上記磁性キャリアの表面を樹脂等で被覆した樹脂コートキャリアは、本発明において好適に用いられる。樹脂コートキャリアの製造方法としては、従来公知の方法を採用することができ特に限定されないが、一例を挙げれば、磁性キャリアを浮遊流動させながら樹脂溶液をスプレーしキャリア表面にコート膜を形成させる方法、スプレードライ法、樹脂等の被覆材を溶剤中に溶解又は懸濁させて磁性キャリアと混合し、剪断応力を加えながら溶剤を徐々に揮発させる方法、単に粉体と磁性キャリアを混合する方法等が挙げられる。
磁性キャリアの被覆材料としては、トナー融着等の磁性キャリアへのスペント化を防ぐ為に有用と考えられる表面エネルギーの小さい樹脂、例えばシリコーン樹脂、フッ素樹脂等が挙げられ、その他にもポリエステル樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド、ポリビニルブチラール、アミノアクリレート樹脂等が例示され、これらは単独又は組み合わせて用いられる。
また、磁性キャリアに対する接着性を高めるために、種々の添加物を併用し被膜の強靭性を高めることが好ましい。特にシリコーン樹脂を被覆する際は使用する被覆樹脂希釈溶剤中に水を添加する事で、得られる被覆キャリアの耐久性及び帯電特性が更に改良される。これは、硬化型シリコーン樹脂の架橋点及びシランカップリング剤の加水分解が促進され、硬化反応がより進行する事、及び短時間ではあるがシリコーン樹脂の表面エネルギーが増加し、磁性キャリアとの密着性が向上することによるものである。
被膜樹脂の磁性キャリアに対する塗布量は、磁性キャリア100質量部あたり樹脂固形分が0.05〜10質量部、好ましくは0.1〜5質量部である。
また、磁性キャリアの重量平均粒径は25〜80μm、より好ましくは30〜65μmであることが好ましい。粒径の測定はマイクロトラック粒度分析計(日機装(株)製)のSRAタイプを使用し、0.7〜125μmのレンジ設定で行うことができる。磁性キャリアの重量平均粒径が25μmよりも小さい場合、トナーとの混合が難しくなる。また、重量平均粒径が80μmを超えると、磁性キャリアの比表面積が小さいことから、トナー補給時の帯電能力が劣り、カブリやトナー飛散の原因となることがある。
本発明のマゼンタトナーと上記形態の磁性キャリアとを混合して二成分系現像剤を調製する場合、その混合比率は現像剤中のマゼンタトナー濃度として、2〜15質量%、好ましくは4〜13質量%にすると通常良好な結果が得られる。トナー濃度が2質量%未満では画像濃度が低下しやすく、15質量%を超えるとカブリや機内飛散が発生しやすく、現像剤の耐用寿命が低下しやすい。
次に本発明のマゼンタトナーが適用される画像形成方法の一例を、該画像形成方法を適用した画像形成装置を示す図面を参照しながら以下に説明する。
本発明のマゼンタトナーは磁性キャリアと混合してマゼンタ用二成分系現像剤として用いることができる。図3は二成分系現像剤用の画像形成装置である。現像器4−1、4−2、4−3、4−4に、それぞれシアントナーを有する現像剤、本発明のマゼンタトナーを有する現像剤、イエロートナーを有する現像剤及びブラックトナーを有する現像剤が導入され、磁気ブラシ現像方式によって感光体である感光体ドラム1に形成された静電荷像を現像し、各色トナー像が感光体ドラム1上に形成される。
なお、本発明のマゼンタトナーとともにシアントナー、イエロートナー、ブラックトナーを使用する場合には、公知の材料を使用することができる。しかしながら、本発明のマゼンタトナーと同様の優れた定着性、着色力、混色性、現像性、耐久性及び環境安定性や高精細、高品位のフルカラー画像を得るためには、本発明のマゼンタトナーと同様にヘキサン中に抽出するワックス濃度を本発明の範囲内としたものを用いることが好ましい。
図3に示す画像形成装置に用いられる現像器を具体的に図4に示す(なお、図4において、感光体ドラムに対し現像器は1つのみ示してあるが、図3における現像器の一つを具体的に記載したものである。)。具体的には交番電界を印加しつつ、磁気ブラシ11が感光体ドラム13に接触している状態で現像を行うことが好ましい。現像剤担持体としての現像スリーブ12と感光体ドラム13の距離Bは100〜1000μmが好ましい。
交番電界のピーク間の電圧(Vpp)は500〜5000Vが好ましく、周波数(f)は500〜10000Hzであり、波形としては三角波、矩形波、正弦波、又はDuty比を変えた波形等種々選択して用いることができる。コントラスト電位としては、十分画像濃度がでるように200〜500Vが好ましく用いられる。
十分な画像濃度を出し、ドット再現性に優れ、且つ感光体ドラムへの磁性キャリアが付着しない現像を行うために、現像スリーブ12上の磁気ブラシ11の感光体ドラム13との接触幅(現像ニップC)を好ましくは3〜8mmにする。
本発明のマゼンタトナーは、磁性キャリアと混合せずに、例えば図5に示すような非磁性一成分現像剤用の現像手段を用いて現像を行うこともできる。図5は非磁性一成分現像用の画像形成装置の概略図である。図5において、25は感光体ドラムであり、潜像形成は電子写真プロセス手段により形成される。トナー担持体としての現像スリーブ24は、バイアス電源26により感光体ドラムとの間にバイアスが印加される。現像スリーブ24はステンレス、アルミニウム等から成る円筒が好ましく用いられ、また必要に応じ表面を金属類、カーボンブラック、帯電制御剤等の微粒子を分散した樹脂でコートしても良い。感光体ドラムと現像スリーブ24との間隙αは、ジャンピング現像の場合には50〜500μmに設定され、接触現像の場合には感光体ドラムと現像スリーブは接触(すなわちα=0)又はトナー層よりも狭い間隙で対向させ、現像ニップ幅は0.2〜8.0mmに設定されることが好ましい。また、接触現像の場合には、現像スリーブとして、表面に弾性層を有する、いわゆる弾性ローラが好ましく用いられ、使用される弾性層の材料の硬度としては、30〜60度(asker−C/荷重1kg)のものが好適に使用される。
現像スリーブ24の略右半周面はトナー容器21内のトナー溜りに常時接触していて、その現像スリーブ面近傍のトナーが現像スリーブ面に静電気力により付着保持される。
現像スリーブの表面粗度Ra(μm)を1.5以下とすることで、該現像スリーブ上のトナー層を薄層化することができる。現像スリーブの表面移動速度を感光体ドラムの表面移動速度に対し1.05〜3.0倍となるように設定することが好ましい。
トナーTはトナー容器21に貯蔵されており、供給部材22によって現像スリーブ上へ供給される。供給部材として、多孔質弾性体、例えば軟質ポリウレタンフォーム等の発泡材より成る供給ローラが好ましく用いられ、現像スリーブに対して順又は逆方向に相対速
度をもって回転させ、現像スリーブ上へのトナー供給と共に、現像スリーブ上の現像後のトナー(未現像トナー)のはぎ取りをも行う。
現像スリーブ上に供給されたトナーは、規制部材によって薄層かつ均一に塗布される。トナーを薄層化するための規制部材は、現像スリーブと一定の間隙をおいて配置される金属ブレード、磁性ブレード等のドクターブレードである。また、トナー薄層化の規制部材としてトナーを圧接塗布する為の弾性ブレードや弾性ローラ等の弾性体を用いても良い。
例えば図5において、弾性ブレード23はその上辺部側である基部をトナー容器21側に固定保持され、下辺部側をブレードの弾性に抗して現像スリーブ24の順方向又は逆方向にたわめ状態にしてブレード内面側(逆方向の場合には外面側)を現像スリーブ24表面に適度の弾性押圧をもって当接させる。この様な装置によると、環境の変動に対しても安定で、緻密なトナー層が得られる。該弾性ブレードには所望の極性にトナーを帯電させるのに適した摩擦帯電系列の材質を選択することが好ましく、シリコーンゴム、ウレタンゴム、NBR等のゴム弾性体;ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂弾性体;ステンレス、鋼、リン青銅等の金属弾性体が使用できる。また、それらの複合体であっても良い。また、規制部材と現像スリーブに耐久性が要求される場合には、金属弾性体に樹脂やゴムを現像スリーブ当接部に当るように貼り合わせたり、コーティング塗布したものを規制部材として用いることが好ましい。
前記弾性部材と現像スリーブとの当接圧力は、0.1〜30KPaが有効である。
弾性ブレードと現像スリーブとの間隙は、50〜400μmに設定されることが好ましい。
以下、本発明で用いられる各種物性の測定方法について説明する。
<トナー抽出液のワックス濃度の定量>
(1)サンプルの調製及びワックス濃度の算出
以下の操作は、23℃に温度制御された室内で行う。
30cmのサンプルビン(例えば、商品名「SV−30」:日電理化硝子(株)製)にトナー300mgを精秤し、これにマグネティックスターラー用の長さ2cmの攪拌子を入れる。次いで、マグネティックスターラーを用いて攪拌子を回転させながら、液温を23℃に調整した溶剤(n−ヘキサン又はトルエン)20cmを速やかに容器に入れて密閉し、トナーが溶剤に充分に分散するように攪拌子の回転数を調整し、抽出時間の計測を行う。所定時間が経過したら直ちに抽出液をシリンジで吸引し、ポア径が0.45μmの耐溶剤性メンブランフィルター(例えば、商品名「マエショリディスク」東ソー(株)製)で濾過して、トナー抽出液としてのサンプル溶液とする。
得られたサンプル溶液について、以下の条件でガスクロマトグラフ分析を行う。抽出液のワックス濃度の算出には、予めワックスをn−ヘキサン及びトルエンに完全に溶解した標品数点を用意し、これをガスクロマトグラフ分析することでワックス濃度とガスクロマトグラフチャートにおけるワックスピークの面積値から検量線を作成し、この検量線に基づいて、サンプル溶液中のワックス濃度を算出する。
(2)ガスクロマトグラフ測定装置及び測定条件
ガスクロマトグラフ:HEWLETT PACKARD 6890GC
検出器:FID(水素炎イオン化検出器)
カラム:DB−1ht
(J&W(株)製、キャピラリーカラム、長さ30m、内径0.25mm、膜厚0.10μm)
注入口温度:400℃
検出器温度:430℃
キャリアーガス:He
オーブン温度:150℃スタート、10℃/分で400℃まで昇温、15分ホールド
注入量:5.0×10−3cm
スプリットレス、コンスタントフロー1.0cm/min
<トナー中の着色剤の個数平均粒径測定>
本発明において、トナー中の着色剤の個数平均粒径は、下記の様にして測定する。具体的には、紫外線硬化型のアクリル樹脂中にトナーを充分に分散させた後、紫外線を照射して硬化させ、得られた硬化物をウルトラミクロトームを用いて面出しし、それを四酸化ルテニウム(RuO4)、又は必要に応じて四酸化オスミウム(OsO4)を併用して電子染色を施した後、ダイヤモンドナイフを備えたウルトラミクロトームを用いて薄片状のサンプルを切り出し、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いてトナーの断面層形態を観察する。こうして得られたトナーの断面写真(例えば4万倍に拡大した断面写真)より、凝集体を形成していない着色剤について、無作為に抽出し解析を行うこととしサンプリング数が300回を超えるまで測定を繰り返して平均粒径を求める。
本発明では画像処理装置を用いて着色剤を球形近似し、得られる直径より定義される値を着色剤の個数平均粒径(A)とする。また、TEM写真より直接着色剤の平均一次粒径を測定する際には、着色剤の長径を粒径とし、同じくサンプリング数が300回を超えるまで測定を繰り返して個数平均粒径(B)を求める。本発明では、上記の(A)も(B)もほぼ同じ結果が得られた。
<凝集度A及び凝集度Bの測定>
(1)サンプルの調製
(i)凝集度A測定用サンプルの調製
直径4cmの円筒状の容器にトナー20gを計りとり、表面を平らにして30分間放置した。その後、パウダーテスター(ホソカワミクロン(株)製)のタッピングモードを使用し、タッピング速度1回/1秒にて50回のタッピングを行い、1時間放置する。そし
て、容器を23℃、50%RHにて24時間放置した後、トナー全量をポリエチレン製サンプルビンに移し、トナーの凝集塊が無いようによく振った。
(ii)凝集度B測定用サンプルの調製
直径4cmの円筒状の容器にトナー20gを計りとり、表面を平らにして30分間放置する。その後、パウダーテスター(ホソカワミクロン(株)製)のタッピングモードを使用し、タッピング速度1回/1秒にて50回のタッピングを行い1時間放置する。そして、試料表面に均等に荷重がかかるようにして1.56KPaの荷重をかけ、50℃の乾燥機中に24時間放置する。その後、荷重をはずして23℃、50%RHにて24時間放置した後、トナー全量をポリエチレン製サンプルビンに移し、トナーの凝集塊が無いようによく振った。
(2)測定
測定はホソカワミクロン(株)製のパウダーテスターPT−R型を用い、目開き150μm、75μm、38μmの三種類の篩をそれぞれ上段、中段、下段として用いる。均一に混合した上記のトナー5.0gを最上段の篩上に計り取り、振動幅0.50mmで10秒間振動させ、各々の篩上に残存したトナー量から下記式を用い算出する。
目開き150μmの篩上に残ったトナー質量×100/5.0=a
目開き75μmの篩上に残ったトナー質量×0.6×100/5.0=b
目開き38μmの篩上に残ったトナー質量×0.2×100/5.0=c
凝集度(%)=a+b+c
<45体積%メタノール水溶液におけるトナーの透過率の測定>
(1)トナー分散液の調整
メタノールと水の体積混合比が45:55の水溶液を作製する。この水溶液10cmを30cmのサンプルビン(日電理化硝子(株)製:SV−30)に入れ、トナー20
mgを液面上に浸しビンのフタをする。その後、ヤヨイ式振とう器(モデル:YS−LD、(株)ヤヨイ製)により2.5S−1で5秒間振とうする。この時、振とうする角度は、振とう器の真上(垂直)を0度とすると、前方に15度、後方に20度、振とうする支柱が動くようにする。サンプルビンは支柱の先に取り付けた固定用ホルダー(サンプルビンの蓋が支柱中心の延長上に固定されたもの)に固定する。サンプルビンを取り出した後、30秒後の分散液を測定用分散液とする。
(2)透過率の測定
上記(1)で得た分散液を1cm角の石英セルに入れ、分光光度計MPS2000((株)島津製作所製)を用いて10分後の分散液の波長600nmにおける透過率(%)を測定する。
透過率(%)=I/I0×100
(上記式において、Iは入射光束、I0は透過光束を表す)
<トナーの重量平均粒径及び粒度分布の測定>
トナーの重量平均粒径及び粒度分布はコールターカウンターTA−II型又はコールターマルチサイザー(ベックマンコールター(株)製)等種々の方法で測定可能である。本発明においては、コールターマルチサイザー(ベックマンコールター(株)製)を用い、個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科機バイオス(株)製)及びパーソナルコンピュータを接続し、電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調整する。たとえば、ISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン(株)製)が使用できる。
測定法としては、前記電解水溶液100〜150cm中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩0.1〜0.3cmを加え、さらに測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記コールターマルチサイザーによりアパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、2μm以上のトナー粒子の体積、個数を測定して体積分布と個数分布とを算出する。
それから、本発明に係わるところの体積分布から求めた重量平均粒径(D4:各チャンネルの中央値をチャンネルの代表値とする)を求めることができる。
<トナーの平均円形度の測定>
トナーの平均円形度は、フロー式粒子像測定装置「FPIA−2100型」(シスメックス(株)製)を用いて測定を行い、下式を用いて算出する。
Figure 0004447926
ここで、「粒子投影面積」とは二値化されたトナー粒子像の面積であり、「粒子投影像の周囲長」とは該トナー粒子像のエッジ点を結んで得られる輪郭線の長さと定義する。測定は、512×512の画像処理解像度(0.3μm×0.3μmの画素)で画像処理した時の粒子像の周囲長を用いる。
本発明における円形度はトナー粒子の凹凸の度合いを示す指標であり、トナー粒子が完全な球形の場合に1.000を示し、表面形状が複雑になる程、円形度は小さな値となる。
また、円形度頻度分布の平均値を意味する平均円形度Cは、粒度分布の分割点iでの円形度(中心値)をci、測定粒子数をmとすると、次式から算出される。
Figure 0004447926
なお、本発明で用いている測定装置である「FPIA−2100」は、各粒子の円形度を算出後、平均円形度及び円形度標準偏差の算出に当たって、得られた円形度によって、粒子を円形度0.4〜1.0を0.01ごとに等分割したクラスに分け、その分割点の中心値と測定粒子数を用いて平均円形度及び円形度標準偏差の算出を行う。
具体的な測定方法としては、容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水10mlを用意し、その中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を加えた後、更に測定試料を0.02g加え、均一に分散させる。分散させる手段としては、超音波分散機「Tetora150型」(日科機バイオス(株)製)を用い、2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、該分散液の温度が40℃以上とならない様に適宜冷却する。また、円形度のバラツキを抑えるため、フロー式粒子像分析装置FPIA−2100の機内温度が26〜27℃になるよう装置の設置環境を23℃±0.5℃にコントロールし、一定時間おきに、好ましくは2時間おきに2μmラテックス粒子を用いて自動焦点調整を行う。
トナー粒子の円形度測定には、前記フロー式粒子像測定装置を用い、測定時のトナー粒子濃度が3000〜1万個/μlとなる様に該分散液濃度を再調整し、トナー粒子を1000個以上計測する。計測後、このデータを用いて、円相当径3μm未満のデータをカットして、トナー粒子の平均円形度を求める。なお、円相当径は下記式により求められる。
Figure 0004447926
さらに本発明で用いている測定装置である「FPIA−2100」は、従来トナーの形状を算出するために用いられていた「FPIA−1000」と比較して、シースフローの薄層化(7μm→4μmに)及び処理粒子画像の倍率の向上、さらに取り込んだ画像の処理解像度を向上(256×256→512×512)によりトナーの形状測定の精度が上がっており、それにより微粒子のより確実な捕捉を達成している装置である。従って、本発明のように、より正確に形状を測定する必要がある場合には、より正確に形状に関する情報が得られるFPIA−2100の方が有用である。
<示差熱分析測定>
示差走査熱量計(DSC測定装置)、DSC−7(パーキンエルマー社製)やDSC2920(TAインスツルメンツジャパン(株)製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。測定試料は2〜10mg、好ましくは5mgを精密に秤量する。これをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定温度範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで測定を行う。なお、測定においては、昇温、続いて降温をまず始めに一回行った後に再度昇温を行い、この昇温過程における温度30〜200℃の範囲におけるDSC曲線の最大の吸熱ピークを、本発明における最大吸熱ピークのピーク温度とする。
<分子量分布の測定>
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるテトラヒドロフラン(THF)に可溶な樹脂成分の分子量分布の測定は、以下の様にして行えばよい。
結着樹脂又はトナーをTHFに常温で24時間静置して溶解した溶液を、ポア径が0.45μmの耐溶剤性メンブランフィルター(例えば、商品名「マエショリディスク」、東ソー(株)製)で濾過してサンプル溶液とし、以下の条件で測定する。なお、サンプル調製は、THFに可溶な成分の濃度が0.4〜0.6質量%になるようにTHFの量を調整する。
装置:高速GPC HLC8120 GPC(東ソー(株)製)
カラム:Shodex KF−801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工(株)製)
溶離液:テトラヒドロフラン
流速:1.0cm/min
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:0.10cm
また、試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(東ソー(株)製、TSK スタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−5.000、A−1000、A−500)により作成した分子量校正曲線を使用する。
以下、本発明の具体的実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、配合量の「部」は「質量部」を意味する。
<結着樹脂の製造>
(ハイブリッド樹脂Aの製造例)
温度計、攪拌機、コンデンサー及び窒素導入管を備えたオートクレーブに、トルエン100部、オクタン100.00部、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン48.10部(35.0モル%)、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン19.20部(15.0モル%)、テレフタル酸20.40部(31.3モル%)、無水トリメリット酸9.40部(12.4モル%)、フマル酸2.90部(6.3モル%)、DSCにおける最大吸熱ピークのピーク温度が75℃の精製ノルマルパラフィンワックス4.00部及び酸化ジブチル錫0.30部を入れ、オートクレーブ内を窒素ガスで置換した後、密閉した。その後、撹拌しながら徐々に昇温し、180℃で保持した。
一方、スチレン17.80部、アクリル酸2−エチルヘキシル4.80部、フマル酸2.00部、ジ−t−ブチルパーオキサイド0.50部を常温でよく混合し、この混合物を先のオートクレーブに5時間かけて注入してビニル系モノマーのラジカル重合を行い、ビニル系共重合体の生成と共に、前記パラフィンワックスへのビニル系モノマーのグラフト化反応を行った。その後、反応液を200℃まで昇温して3時間保持した後、一旦反応液を100℃まで冷却、保持し、減圧下で、反応で生成した縮合水と共にトルエン、オクタンの大部分を留去した。その後、さらに反応液を200℃まで昇温し、3時間保持することで、縮合反応を完結すると共に脱水、脱溶剤を行い、ハイブリッド樹脂Aを得た。GPCによる分子量測定結果を表1に示す。
(ハイブリッド樹脂Bの製造例)
温度計、撹拌機、コンデンサー及び窒素導入管を備えた反応容器に、ポリオキシプロピ
レン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン48.10部(35.0モル%)、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン19.20部(15.0モル%)、テレフタル酸20.40部(31.3モル%)、無水トリメリット酸9.40部(12.4モル%)、フマル酸2.90部(6.3モル%)及び酸化ジブチル錫0.30部を入れ、反応容器内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、135℃の温度で撹拌した。
一方、スチレン4.18部、アクリル酸2−エチルヘキシル1.15部、フマル酸0.52部、α−メチルスチレンの2量体0.12部、ジクミルパーオキサイド0.20部を常温でよく混合し、これを先の反応容器に4時間かけて滴下した。その後、反応液を200℃まで昇温し、6時間反応させてハイブリッド樹脂Bを得た。GPCによる分子量測定結果を表1に示す。
(ポリエステル樹脂Cの製造例)
温度計、撹拌機、コンデンサー及び窒素導入管を備えた反応容器に、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン48.10部(35.0モル%)、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン19.20部(15.0モル%)、テレフタル酸20.40部(31.3モル%)、無水トリメリット酸9.40部(12.4モル%)、フマル酸2.90部(6.3モル%)及び酸化ジブチル錫0.30部を入れ、反応容器内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、215℃で4時間縮合反応させ、ポリエステル樹脂Cを得た。GPCによる分子量測定結果を表1に示す。
(ビニル系共重合体Dの製造例)
温度計、撹拌機、コンデンサー及び窒素導入管を備えた反応容器にキシレン200部を仕込み、撹拌しながら容器内を十分に窒素で置換して120℃に昇温させた。そこに、下記の各成分を常温でよく混合したものを5時間かけて滴下して、ラジカル重合を行った。さらに昇温を行い、キシレン還流下でラジカル重合を完了し、減圧下で溶媒を蒸留除去して、ビニル系共重合体Dを得た。GPCによる分子量測定結果を表1に示す。
・スチレン 77部
・アクリル酸2−エチルヘキシル 18部
・マレイン酸モノブチル 5部
・ジ−t−ブチルパーオキサイド 1部
Figure 0004447926
<キナクリドン系顔料分散樹脂の製造>
(キナクリドン系顔料分散樹脂Aの製造例)
・ハイブリッド樹脂B 50部
・キナクリドン系顔料(C.I.ピグメントレッド122) 50部
・3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 1部
上記の原材料をヘンシェルミキサーで十分に混合した後、ニーダー型ミキサーに仕込み、混合しながら非加圧下で昇温させる。105℃に達した後、さらに30分間加熱溶融混練させ、顔料を樹脂中に分散させる。その後、さらに130℃まで昇温させ、約30分間加熱溶融混練を行い顔料を十分に分散させる。分散させた後、混練物を取り出し、冷却させ、ハンマーミルを用いて約1〜2mm程度に粗粉砕して、キナクリドン系顔料分散樹脂Aを得た。
(キナクリドン系顔料分散樹脂Bの製造例)
キナクリドン系顔料として、C.I.ピグメントレッド122を37.5部、C.I.ピグメントバイオレット19を12.5部使用すること以外は、キナクリドン系顔料分散樹脂Aの製造例と同様にして、キナクリドン系顔料分散樹脂Bを得た。
(キナクリドン系顔料分散樹脂Cの製造例)
キナクリドン系顔料として、C.I.ピグメントレッド208を使用すること以外は、キナクリドン系顔料分散樹脂Aの製造例と同様にして、キナクリドン系顔料分散樹脂Cを得た。
<トナーの製造>
(トナーの製造例1)
・前記ハイブリッド樹脂A 104(ワックスAを4部含有:表2の*2参照)
・キナクリドン系顔料分散樹脂A 11部
・3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 2部
上記の材料を十分にヘンシェルミキサーにより予備混合した。その後、二軸押出し混練機で溶融混練し、冷却後ハンマーミルを用いて約1〜2mm程度に粗粉砕し、次いでエアージェット方式による微粉砕機で20μm以下の粒径に微粉砕した。
その後、図1及び図2に示す、機械式衝撃力を用いる表面改質処理(球形化処理)と分級を同時に行う装置にて微粉砕物を処理して、平均円形度が0.930であり、着色剤粒子の個数平均粒径が0.2μm、粒径0.05〜0.25μmの着色剤粒子を75個数%含有し、粒径0.4μm以上の着色剤粒子を6個数%含有しているトナー粒子1を得た。
さらに、このトナー粒子1 100部と、i−C49Si(OCH33 30部で処理した疎水性酸化チタン微粉末(BET法による比表面積150m2/g)1.5部とをヘン
シェルミキサーにより混合して、マゼンダトナー1を得た。
トナー1の内添処方を表2に、トナー1の物性を表3及び4に示す。

Figure 0004447926
(なお、表2において、
※1有機金属化合物X:3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物
有機金属化合物Y:3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸ジルコニウム化合物
(商品名TN−105、保土谷化学工業(株)製)
※2ワックスA:DSCにおける最大吸熱ピークのピーク温度が75℃の精製ノルマルパラフィンワックス、である。)
Figure 0004447926
Figure 0004447926
(なお、表3及び4において、
※3:トナーをn−ヘキサンで1分間抽出した時のワックス濃度(mg/cm
※4:トナーをn−ヘキサンで20分間抽出した時のワックス濃度(mg/cm
※5:トナーをn−ヘキサンで90分間抽出した時のワックス濃度(mg/cm
※6:トナーをトルエンで12時間抽出した時のワックス濃度(mg/cm
※7:トナーを23℃、50%RHに24時間放置した時の凝集度をA(%)とし、トナーに50℃において1.56KPaの荷重を24時間かけ、その後荷重を開放して23℃、50%RHに24時間放置した時の凝集度をB(%)とした時の、凝集度Bと凝集度Aとの比
※8:トナーのメタノール45体積%水溶液における透過率
※9:DSCにおけるトナーの最大吸熱ピークのピーク温度
※10:GPCによる分子量分布測定における、トナーに含有される樹脂成分のピーク分子量(Mp)、及び重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)
※11:トナーの重量平均粒径(μm)
※12:4μm以下の粒径を有するトナーの個数%
※13:10μm以上の粒径を有するトナーの体積%
※14:トナーの円相当径3μm以上の粒子の平均円形度、である。)
(トナーの製造例2)
トナーの製造例1において、キナクリドン系顔料分散樹脂Aの替わりにキナクリドン系顔料分散樹脂Bを使用すること、図1及び図2に示す装置の運転条件を変更した以外はトナーの製造例1と同様にして、平均円形度が0.945のマゼントナー2を得た。トナー2の内添処方を表2に、トナー2の物性を表3及び4に示す。
(トナーの製造例3)
トナーの製造例1において、キナクリドン系顔料分散樹脂Aの替わりにキナクリドン系顔料分散樹脂Cを使用すること、図1及び図2に示す装置の運転条件を変更した以外はトナーの製造例1と同様にして、平均円形度が0.958のマゼントナー3を得た。トナー3の内添処方を表2に、トナー3の物性を表3及び4に示す。
(トナーの製造例4)
トナーの製造例2において、図1及び図2に示す装置による微粉砕物の処理を行わず、風力分級装置(エルボージェット分級機、日鉄鉱業(株)製)を用いて分級を行い、トナー粒子4を得た。その後、トナーの製造例1と同様にして、平均円形度が0.915のマゼントナー4を得た。トナー4の内添処方を表2に、トナー4の物性を表3及び4に示す。
(トナーの製造例5)
3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物を3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸ジルコニウム化合物(商品名TN−105、保土谷化学工業(株)製)に代えた以外はトナーの製造例2と同様にして、マゼントナー5を得た。トナー5の内添処方を表2に、トナー5の物性を表3及び4に示す。
(トナーの製造例6)
ハイブリッド樹脂A 104部(ワックスAを4部含有)を、ハイブリッド樹脂A78部
(ワックスAを3部含有)とポリエステル樹脂C 25部に代え、DSCにおける最大吸熱ピークのピーク温度が75℃の精製ノルマルパラフィンワックスを1部さらに加えた以外はトナーの製造例1と同様にして、マゼンタトナー6を得た。トナー6の内添処方を表2に、トナー6の物性を表3及び4に示す。

(トナーの製造例7)
ハイブリッド樹脂A 104部(ワックスAを4部含有)を、ハイブリッド樹脂A78部
(ワックスAを3部含有)とビニル系共重合体D 25部に代え、DSCにおける最大吸熱ピークのピーク温度が75℃の精製ノルマルパラフィンワックスを1部さらに加えた以外はトナーの製造例1と同様にして、マゼンタトナー7を得た。トナー7の内添処方を表2に、トナー7の物性を表3及び4に示す。

(トナーの製造例8)
ハイブリッド樹脂A 104部(ワックスAを4部含有)を、ハイブリッド樹脂A52部
(ワックスAを2部含有)とハイブリッド樹脂B 50部に代え、DSCにおける最大吸熱ピークのピーク温度が75℃の精製ノルマルパラフィンワックスを2部さらに加えた以外はトナーの製造例1と同様にして、マゼンタトナー8を得た。トナー8の内添処方を表2に、トナー8の物性を表3及び4に示す。

(トナーの製造例
トナーの製造例において、図1及び図2に示す装置による微粉砕物の処理を行わず、風力分級装置(エルボージェット分級機)を用いて分級を行って、トナー粒子を得た。その後、トナーの製造例1と同様にして、平均円形度が0.916のマゼンタトナーを得た。トナーの内添処方を表2に、トナーの物性を表3及び4に示す。
(トナーの製造例10)
ハイブリッド樹脂A 104部(ワックスAを4部含有)を、ハイブリッド樹脂A52部
(ワックスAを2部含有)とポリエステル樹脂C 50部に代え、DSCにおける最大吸熱ピークのピーク温度が75℃の精製ノルマルパラフィンワックスを2部さらに加えた以外はトナーの製造例1と同様にして、マゼンタトナー10を得た。トナー10の内添処方を表2に、トナー10の物性を表3及び4に示す。

(トナーの製造例11)
ハイブリッド樹脂A 104部(ワックスAを4部含有)を、ハイブリッド樹脂A52部
(ワックスAを2部含有)とビニル系共重合体D 50部に代え、DSCにおける最大吸熱ピークのピーク温度が75℃の精製ノルマルパラフィンワックスを2部さらに加えた以外はトナーの製造例1と同様にして、マゼンタトナー11を得た。トナー11の内添処方を表2に、トナー11の物性を表3及び4に示す。

(トナーの製造例12)
ハイブリッド樹脂A 104部(ワックスAを4部含有)を、ハイブリッド樹脂A52部
(ワックスAを2部含有)とハイブリッド樹脂B 50部に代え、DSCにおける最大吸熱ピークのピーク温度が68℃のステアリン酸ステアリル(エステルワックス)を2部さらに加えた以外はトナーの製造例1と同様にして、マゼンタトナー12を得た。トナー12の内添処方を表2に、トナー12の物性を表3及び4に示す。

(トナーの製造例13
粉砕装置の運転条件を変更した以外はトナーの製造例と同様にして、10μm以上の粒径を有するトナーが15体積%、重量平均粒径が9.6μmのマゼンタトナー13を得た。トナー13の内添処方を表2に、トナー13の物性を表3及び4に示す。
(トナーの製造例14
粉砕装置の運転条件を変更した以外はトナーの製造例と同様にして、4μm以下の粒径を有するトナーが58個数%、重量平均粒径が3.9μmのマゼンタトナー14を得た。トナー14の内添処方を表2に、トナー14の物性を表3及び4に示す。
(トナーの製造例15)
顔料として、CI.ピグメントレッド122を7部、CI.ピグメントバイオレット19を3部使用すること以外はトナーの製造例と同様にして、マゼンタトナー15を得た。トナー15の内添処方を表2に、トナー15の物性を表3及び4に示す。

(トナーの製造例16)
ハイブリッド樹脂A 104部(ワックスAを4部含有)を、ハイブリッド樹脂A52部
(ワックスAを2部含有)とハイブリッド樹脂B 50部に代えたこと、顔料として、CI.ピグメントレッド122を11部使用すること以外は、トナーの製造例1と同様にして、マゼンタトナー16を得た。トナー16の内添処方を表2に、トナー16の物性を表3及び4に示す。

(トナーの製造例17
3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物を使用しない以外はトナーの製造
と同様にして、マゼンタトナー17を得た。トナー17の内添処方を表2に、トナー17の物性を表3及び4に示す。
(トナーの製造例18)
ハイブリッド樹脂A 104部(ワックスAを4部含有)を、ハイブリッド樹脂A52部
(ワックスAを2部含有)とハイブリッド樹脂B 50部に代え、DSCにおける最大吸熱ピークのピーク温度が120℃の低分子量ポリエチレンを4部さらに加えた以外はトナーの製造例4と同様にして、マゼンタトナー18を得た。トナー18の内添処方を表2に、トナー18の物性を表3及び4に示す。

(トナーの製造例19
トナーの製造例で製造した平均円形度が0.916のトナー粒子をハイブリタイザー((株)奈良機械製作所製)を用いて球形化処理し、平均円形度が0.964のトナー粒子19を得た。その後、トナーの製造例1と同様にして、マゼンタトナー19を得た。トナー19の内添処方を表2に、トナー19の物性を表3及び4に示す。
(トナーの製造例20
・前記ハイブリッド樹脂B 100部
・DSCにおける最大吸熱ピークのピーク温度が 4部
75℃の精製パラフィンワックス
・キナクリドン系顔料分散樹脂A) 11部
・3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 2部
上記の材料を十分にヘンシェルミキサーにより予備混合した。その後、二軸押出し混練機で溶融混練し、冷却後ハンマーミルを用いて約1〜2mm程度に粗粉砕し、次いでエアージェット方式による微粉砕機で20μm以下の粒径に微粉砕した。その後、風力分級装置(エルボージェット分級機)を用いて分級を行い、トナー粒子20を得た。
さらに、このトナー粒子20 100部と、i−C49Si(OCH33 30部で処理した疎水性酸化チタン微粉末(BET法による比表面積150m2/g)1.5部とをヘン
シェルミキサーにより混合して、マゼンタトナー20を得た。トナー20の内添処方を表2に、トナー20の物性を表3及び4に示す。
(トナーの製造例21
ハイブリッド樹脂B 100部の代わりに、前記ポリエステル樹脂C70部と前記ビニル
系共重合体D 30部を使用した以外はトナーの製造例20と同様にして、マゼンタトナ
21を得た。トナー21の内添処方を表2に、トナー21の物性を表3及び4に示す。
(トナーの製造例22
ハイブリッド樹脂B 100部の代わりに、前記ポリエステル樹脂C100部を使用した
以外はトナーの製造例22と同様にして、マゼンタトナー22を得た。トナー22の内添処方を表2に、トナー22の物性を表3及び4に示す。
(トナーの製造例23
ハイブリッド樹脂B 100部の代わりに、前記ビニル系共重合体D100部を使用した
以外はトナーの製造例20と同様にして、マゼンタトナー23を得た。トナー23の内添処方を表2に、トナー23の物性を表3及び4に示す。
(トナーの製造例24)
ハイブリッド樹脂B 100部の代わりに、ハイブリッド樹脂A 104(ワックスAを4部含有)を使用したこと、DSCにおける最大吸熱ピークのピーク温度が75℃の精製パラフィンワックスAを15部使用したこと以外は、トナーの製造例20と同様にして、マゼンタトナー24を得た。トナー24の内添処方を表2に、トナー24の物性を表3及び4に示す。

(トナーの製造例25
4つ口フラスコ中に、イオン交換水700部と0.1kmol/mのNaPO水溶
液800部を投入して60℃に加温した。これをTK式ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて170s-1で撹拌しつつ、1.01kmol/mのCaCl2水溶液70部を添加し、微小な難水溶性分散剤Ca(PO)を含む水系分散媒体を調製した。
一方、下記からなる混合物をアトライター(三井金属(株)製)を用いて常温で4時間分散し、均一な重合性単量体組成物を調製した。
・スチレン 78部
・アクリル酸n−ブチル 22部
・ジビニルベンゼン 0.2部
・C.I.ピグメントレッド122 4部
・DSCにおける最大吸熱ピークのピーク温度が 10部
78℃のベヘン酸ベヘニル(エステルワックス)
・3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 2部
・2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル) 3部
次に、前記水系分散媒体中に該重合性単量体組成物を投入し、内温60℃の窒素雰囲気下
で、ホモミキサーで10分間撹拌して、造粒を行った。その後、撹拌装置をパドル撹拌羽根に換え、3.3s-1で撹拌しながら60℃で5時間保持した後、さらに80℃まで昇温して5時間保持し、トナー粒子の懸濁液を得た。
その後懸濁液を冷却し、希塩酸を添加して2時間撹拌を行い、分散剤Ca(PO)を溶解した。さらに、この懸濁液をろ過し、トナー粒子の水洗を繰り返し行った。その後、得られた含水トナー粒子を40℃で3日間熱風乾燥して、トナー粒子25を得た。
さらに、このトナー粒子25 100部と、i−C49Si(OCH33 30部で処理した疎水性酸化チタン微粉末(BET法による比表面積150m2/g)1.5部とをヘン
シェルミキサーにより混合してマゼンタトナー25を得た。トナー25の内添処方を表2に、トナー25の物性を表3及び4に示す。
(トナーの製造例26
ポリエステル樹脂C 3部、C.I.ピグメンレッド122を5部、酢酸エチル97部を
アトライターを用いて分散し、顔料分散液を調整した。
次いで、DSCにおける最大吸熱ピークのピーク温度が75℃の精製ノルマルパラフィンワックス15部とトルエン85部を加熱可能な分散機に投入し、撹拌しながら100℃に加熱し、3時間撹拌した。そして、撹拌しながら毎分約2℃の割合で室温まで冷却し、微粒子化したワックスを析出させた。ワックスの平均粒度は約1μmであった。このワックス分散液を高圧乳化機(APV GAULIN HOMOGENIZER 15MR型)を用い、圧力49MPaで再度分散を行った。ワックス粒度を測定したところ0.81μmであった。作製した微粒子化ワックスの分散液は、ワックスの濃度が15質量%になるように酢酸エチルで希釈した。
ポリエステル樹脂C 98部、顔料分散液:(顔料濃度5質量%)80部、微粒子化ワックスの分散液:(ワックス濃度15質量%)26部、酢酸エチル32部を混合し、ポリエステル樹脂を充分に溶解した。そして、混合物をTK式ホモミキサーにて回転数170s−1で10分間撹拌し、均一な油相を調整した。
一方、炭酸カルシウム(重量平均粒径0.03μm)60部、水40部をボールミルで4日間撹拌し、炭酸カルシウム水溶液を調製した。カルボキシルメチルセルロース2部、水98部を添加し、カルボキシルメチルセルロース水溶液を調製した。
上記の油相60部、炭酸カルシウム水溶液10部、カルボキシルメチルセルロース水溶液30部をコロイドミル(日本精機(株)製)に投入し、ギャップ間隔1.5mm、回転数133s−1で20分間乳化をおこなった。次にこの乳化物を、ロータリーエバポレータに投入し、室温の減圧(15hPa)下で3時間脱溶媒を行った。その後12N塩酸をpH2になるまで加え、炭酸カルシウムをトナー粒子表面から除去した。その後、10Nの水酸化ナトリウムをpH10になるまで加え、さらに超音波洗浄槽中で撹拌機で撹拌しながら一時間撹拌を継続した。さらに遠心沈降を行い、その上澄みを三回交換して洗浄した後、乾燥してトナー粒子26を得た。
さらに、このトナー粒子26 100部と、i−C49Si(OCH33 30部で処理した疎水性酸化チタン(BET法による比表面積150m2/g)1.5部とをヘンシェル
ミキサーにより混合して、マゼンタトナー26を得た。トナー26の内添処方を表2に、トナー26の物性を表3及び4に示す。
(トナーの製造例27
スチレン2500g、アクリル酸n−ブチル300g、アクリル酸56g、ドデカンチオール110g、4臭化炭素30gを混合し、油相を調製した。一方、フラスコ中でポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル43g、及びアルキルベンゼンスルフォン酸ナトリ
ウム59gをイオン交換水3500gに溶解し、次いで、上記の油相を分散させて乳化し、10分間ゆっくりと混合しながら、過硫酸アンモニウム29gを溶解したイオン交換水700gを投入し、窒素置換を行った。その後フラスコを攪拌しながらオイルバスで内容物を70℃になるまで加熱し、6時間そのまま乳化重合を継続し、分散樹脂微粒子の平均粒径が155nmのアニオン性の樹脂微粒子分散液(1)を得た。
スチレン1940g、アクリル酸n−ブチル830g、アクリル酸57gを混合し、油相を調製した。一方、フラスコ中でポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル43g、及びアルキルベンゼンスルフォン酸ナトリウム90gをイオン交換水3500gに溶解し、次いで、上記の油相を分散させて乳化し、10分間ゆっくりと混合しながら過硫酸アンモニウム15gを溶解したイオン交換水700gを投入し、窒素置換を行った。その後、フラスコを攪拌しながらオイルバスで内容物が70℃になるまで加熱し、6時間そのまま乳化重合を継続し、分散樹脂微粒子の平均粒径が100nmのアニオン性の樹脂微粒子分散液(2)を得た。
C.I.ピグメンレッド122 210g、アルキルベンゼンスルフォン酸ナトリウム42g、水1400gを混合溶解し、超音波分散機を10回通過させて、顔料分散液を得た。
DSCにおける最大吸熱ピークのピーク温度が75℃の精製ノルマルパラフィンワックス350g、アルキルベンゼンスルフォン酸ナトリウム53g、水1400gを95℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理して離型剤分散液を得た。分散離型剤の平均粒径は250nmであった。
ポリ塩化アルミニウム(10質量%)18g、0.1%硝酸水溶液162gをホモジナイザーを用いて5分間分散し、分散された凝集剤水溶液を得た。
樹脂微粒子分散液(1)835g、樹脂微粒子分散液(2)550g、顔料分散液210g、離型剤分散液280g、水4300gを加熱ジャケット付攪拌槽で室温で十分に混合した後、凝集剤水溶液を180gを攪拌槽上部より3分間かけて加えながら、5分間攪拌を継続し、その後6分間分散処理を行い、分散液を調整した。この分散液の重量平均径は約2.5μmであった。
次いで、前記攪拌槽の加熱ジャケットで分散液を48℃まで加熱し、60分間保持した。その際の分散液中に凝集粒子が確認され、凝集粒子の重量平均粒径は約4.8μmであった。この分散液に樹脂微粒子分散液(1)を緩やかに430g追加し、さらに1時間保持すると、重量平均径が約5.4μmの凝集粒子が確認された。次いで、この分散液に、4%水酸化ナトリウム水溶液150gを追加して97℃まで加熱し、さらに2質量%の硝酸水溶液100gを添加して6時間保持して凝集粒子を融合した。その後、冷却し、ろ過し、水で充分洗浄した後、400メッシュの篩でろ過を行った。前記融合粒子を水で洗浄した後、真空乾燥機で乾燥してトナー粒子27を得た。
さらに、このトナー粒子27100部と、i−C49Si(OCH33 30部で処理し
た疎水性酸化チタン(BET法による比表面積150m2/g)1.5部とをヘンシェル
ミキサーにより混合して、マゼンタトナー27を得た。トナー27の内添処方を表2に、トナー27の物性を表3及び4に示す。
<二成分現像剤の調製>
前記トナーの製造例で製造した各トナーについて、磁性フェライトキャリアをシリコーン樹脂で表面被覆した樹脂コートキャリア(平均粒径50μm:Mn−Mgフェライト)と、トナー濃度が6質量%になるように均一に混合し、二成分系現像剤を作製した。
<実施例1〜7、参考例8〜18、実施例19、比較例1〜8>
本実施例に用いた画像形成装置について説明する。図3は本実施例に適用される画像形成装置の概略図であり、図4は、図3に示す画像形成装置の現像部の概略図である(なお、図4において感光体ドラムに対し現像器は1つのみ示してあるが、図3における現像器の一つを具体的に記載したものである。)。

感光体ドラム1は、基材1a上に有機光半導体を有する感光層1bを有し、矢印方向に回転し、対抗し接触回転する帯電ローラ2(導電性弾性層2a、芯金2b)により感光体ドラム1を一様に帯電させる。露光3は、ポリゴンミラーにより感光体ドラム上にデジタル画像情報に応じてオン−オフさせることで静電荷像が形成される。現像器4−1を用いてトナーを感光体ドラム1上に反転現像で現像する。感光体ドラム1上のトナー画像は、中間転写体5上に転写され、感光体1ドラム上の転写残トナーはクリーナー部材8により、残トナー容器9中に回収される。中間転写体5は、パイプ状の芯金5b上にカーボンブラックをニトリル−ブタジエンラバー(NBR)中に十分分散させた弾性層5aをコーティングしたものである。
転写ローラ7の外径は20mmであり、転写ローラ7は直径10mmの芯金7b上にカーボンブラックをエチレン−プロピレン−ジエン系三元共重合体(EPDM)の発泡体中に十分分散させたものをコーティングすることにより作製した弾性層7aを有する。
加熱定着装置には、静電オフセット発生防止のためのバイアス印加、アースが無く、またオイル塗布機能のない熱ロール方式の定着装置を用いた。この時上部ローラ、下部ローラ共にフッ素系樹脂の表面層を有するものを使用し、ローラの直径は50mmであった。定着温度を180℃、ニップ幅を4mmに設定した。
前記した現像剤1〜19、比較用現像剤2027の各々を現像器に充填し、画像形成装置とともに高温高湿(30℃、80%RH)環境下に移動して一週間放置した。そして、後述する耐高温オフセット性の評価を行った後、トナー濃度が一定となるようにトナーを逐次補給しながら、転写材として複写機用普通紙(80g/m、キヤノン(株)製)を用い、画像面積比率12%の画像5000枚を、単色モード、24枚(A4サイズ)/分の速度で出力した。次に、画像形成装置を現像器とともに、低温低湿(15℃、10%RH)環境下に移動して一週間放置した。そして、後述する低温定着性について評価を行った後、画像面積比率4%の画像5000枚を出力した。その後、この画像形成装置を現像器とともに、常温常湿(23℃、50%RH)環境下に移動して一週間放置した。その
後、後述する着色力の評価を行った後、画像面積比率7%の画像を5000枚出力した。
次に、各評価項目について説明する。評価結果を表5に示す。
(1)低温定着性
以下の操作は低温低湿(15℃、10%RH)環境下で行った。
定着装置を画像形成装置から取り外し、「プローバーボンド紙」(105g/m、フォックスリバー社製)を転写材として用い、紙上のトナーの載り量が0.45〜0.50mg/cmのベタ画像の未定着画像20枚を用意した。次いで、定着装置の速度を40枚(A4サイズ)/分に設定し(定着温度は180℃設定)、前記の未定着画像20枚を定着装置に連続で通し、定着させた。
20枚目の定着画像の後端から5cmの部分について、4.9KPaの荷重をかけつつ柔和な薄紙(例えば、商品名「ダスパー」、小津産業(株)製)により、得られた定着画像を5往復摺擦し、摺擦前と摺擦後の画像濃度をそれぞれ測定して、下式により画像濃度の低下率ΔD1(%)を算出した。なお、画像濃度はX−Riteカラー反射濃度計(Color reflection densitometer X−Rite 404A)で測定した。
ΔD1(%)=(摺擦前の画像濃度−摺擦後の画像濃度)×100/摺擦前の画像濃度
次に、前記20枚目の定着画像の中心部の画像濃度を測定し、この部分に素材がポリエステルの透明な粘着テープを貼り、その上から4.9KPaの荷重をかけつつ柔和な薄紙により5往復摺擦した。その後、テープを剥がして画像濃度を測定し、テープを貼る前とテープを剥がした後での画像濃度の低下率ΔD2(%)を下式により算出した。
ΔD2(%)=(テープを貼る前の画像濃度−テープを剥がした後の画像濃度)×100/テープを貼る前の画像濃度
さらに、前記20枚目の定着画像の先端から5cmの部分の画像濃度を測定し、まずその部分を縦方向に軽く折り曲げ、その上から4.9KPaの荷重をかけつつ柔和な薄紙により1往復摺擦した。その後、折り曲げた定着画像を一旦開き、今度は先端から5cmの部分を横方向に折り曲げて同様に摺擦した。次いで、折り曲げた定着画像を開き、定着画像上の縦と横の折り目の交差した部分に、4.9KPaの荷重をかけつつ柔和な薄紙により5往復摺擦し、折り曲げる前の画像濃度と折り曲げて5往復摺擦した後の画像濃度をそれぞれ測定し、画像濃度の低下率ΔD3(%)を下式により算出した。
ΔD3(%)=(折り曲げる前の画像濃度−折り曲げて5往復摺擦した後の画像濃度)×100/折り曲げる前の画像濃度
そして、ΔD1、ΔD2、及びΔD3の合計値ΔD(%)を算出し(ΔD=ΔD1+ΔD2+ΔD3)、ΔDについて以下の基準で低温定着性を評価した。
A:非常に良好(10%未満)
B:良好(10%以上、20%未満)
C:普通(20%以上、30%未満)
D:悪い(30%以上)
(2)耐高温オフセット性
以下の操作は高温高湿(30℃、80%RH)環境下で行った。
定着装置を画像形成装置から取り外し、複写機用再生紙(68g/m、キヤノン(株)製)を転写材として用い、紙上のトナーの載り量が1.5mg/cmの未定着画像10枚を用意した。次いで、定着装置の速度を8枚(A4サイズ)/分に設定し、前記の未定着画像10枚を定着装置に連続で通し、その直後に、前記複写機用再生紙1枚を定着装置に通した。そして、最後に定着装置に通した再生紙と未使用の再生紙の白色度の最悪値をそれぞれ測定し、これらの白色度の差を算出した。そして、この白色度の差について、
以下の基準で耐高温オフセット性を評価した。尚、白色度はアンバーフィルターを搭載したリフレクトメーター(東京電色(株)製の「REFLECTOMETER MODEL
TC−6DS」)によって測定した。
A:非常に良好(0.5%未満)
B:良好(0.5%以上、1.0%未満)
C:普通(1.0%以上、2.0%未満)
D:悪い(2.0%以上)
(3)耐静電オフセット性
以下の操作は常温温低湿(23℃、5%RH)環境下で行った。
カラー複写機用普通紙(80g/m、キヤノン(株)製)を転写材として用い、紙上のトナーの載り量が0.45〜0.50mg/cmのベタ画像の未定着画像10枚を用意した。次いで、定着装置の速度を40枚(A4サイズ)/分に設定し(定着温度は180℃設定)、前記の未定着画像10枚を定着装置に連続で通し、定着させた。前記の未定着画像10枚を定着装置に連続で通し、その直後に、前記カラー複写機用普通紙1枚を定着装置に通した。そして、最後に定着装置に通した普通紙と未使用の普通紙の白色度の最悪値をそれぞれ測定し、これらの白色度の差を算出した。そして、この白色度の差について、以下の基準で耐静電オフセット性を評価した。尚、白色度はグリーンフィルターを搭載したリフレクトメーター(東京電色(株)製の「REFLECTOMETER MODEL TC−6DS」)によって測定した。
A:非常に良好(0.5%未満)
B:良好(0.5%以上、1.0%未満)
C:普通(1.0%以上、2.0%未満)
D:悪い(2.0%以上)
(4)OHT透過性
オーバーヘッドプロジェクター(OHP)に投影したOHP画像の透明性については、市販のオーバーヘッドプロジェクターを用いて、トランスペアレンシーフィルムに形成したカラー画像を投影して、以下の評価基準に基づいて評価した。評価基準は以下の通りである。
A:透明性に優れ、明暗ムラも無く、色再現性も優れる。
B:若干明暗ムラがあるものの、実用上問題ない。
C:明暗ムラがあり、色再現性に乏しい。
D:透明性、色再現性に乏しく実用上問題あり。
(5)着色力
以下の操作は常温常湿(23℃、50%RH)環境下で行った。
カラー複写機用普通紙(80g/m、キヤノン(株)製)を転写材として用い、紙上のトナーの載り量が0.2mg/cmから0.8mg/cmの範囲の数種類のベタ画像を作製し、それらの定着画像の画像濃度を前記したX−Riteカラー反射濃度計を用いて測定し、転写紙上のトナー量と画像濃度の関係をグラフ化する。そして、紙上のトナーの載り量が0.50mg/cmのときの画像濃度をグラフから読み取り、以下のようにして相対的に着色力を評価した。
A:非常に良好(1.40以上)
B:良好(1.35以上、1.40未満)
C:普通(1.20以上、1.35未満)
D:悪い(1.20未満)
(6)画像濃度
常温常湿環境下における3000枚目のベタ画像の画像濃度により評価した。尚、画像
濃度は前記したX−Riteカラー反射濃度計で測定した。
A:非常に良好(1.60以上)
B:良好(1.40以上、1.60未満)
C:普通(1.20以上、1.40未満)
D:悪い(1.20未満)
(7)カブリ
高温高湿環境下での画像出力が終了した後、ベタ白画像を出力し、ベタ白画像形成途中で画像形成装置を強制的に停止させ、感光体ドラム上のベタ白画像部分を透明な粘着テープでテーピングし、白色紙に貼りつけた。同じ白色紙に未使用のテープのみを貼りつけてそれぞれの白色度を測定し、白色度の差からカブリを算出した。尚、白色度は前記したリフレクトメーターによって測定した。
A:非常に良好(2.0%未満)
B:良好(2.0%以上、3.0%未満)
C:普通(3.0%以上、5.0%未満)
D:悪い(5.0%以上)
(8)環境安定性
低温低湿環境下、及び高温高湿環境下における4000枚目のベタ画像の画像濃度をそれぞれ測定し、これらの濃度差を算出した。この濃度差をトナーの環境安定性の指標とした。尚、画像濃度は前記したX−Riteカラー反射濃度計で測定した。
A:非常に良好(0.10未満)
B:良好(0.10以上、0.15未満)
C:普通(0.15以上、0.25未満)
D:悪い(0.25以上)
(9)耐久安定性
高温高湿環境下における1000枚目と4000枚目のベタ画像の画像濃度をそれぞれ測定し、その濃度差を算出した。この濃度差をトナーの耐久安定性の指標とした。なお、画像濃度は前記したX−Riteカラー反射濃度計で測定した。
A:非常に良好(0.10未満)
B:良好(0.10以上、0.15未満)
C:普通(0.15以上、0.25未満)
D:悪い(0.25以上)
(10)耐久後の階調性
耐久後の階調性の評価については、常温常湿環境下での画像出力が終了した後、カラー複写機用普通紙(80g/m、キヤノン(株)製)を転写材として、図7に示すパターン形成方法の異なる8種類の画像を出力し、前記したX−Riteカラー反射濃度計によりそれぞれの画像濃度を測定することにより判断した。
階調性再現性の点から、各パターン画像の濃度範囲は以下の範囲であることが好ましく、この観点から評価を行った。
パターン1:0.10〜0.15
パターン2:0.15〜0.20
パターン3:0.20〜0.30
パターン4:0.25〜0.40
パターン5:0.55〜0.70
パターン6:0.65〜0.80
パターン7:0.75〜0.90
パターン8:1.40以上
判断基準は、以下の通りである。
A:非常に良好(すべてのパターン画像が上記の濃度範囲を満足する。)
B:良好(一つのパターン画像が上記の濃度範囲をはずれる。)
C:普通(二つ又は三つのパターン画像が上記の濃度範囲をはずれる。)
D:悪い(四つ以上のパターン画像が上記の濃度範囲をはずれる。)
(11)耐久後の中抜け
耐久後の中抜けについては、常温常湿環境下での画像出力が終了した後、カラー複写機用普通紙(80g/m、キヤノン(株)製)を転写材として、図6aに示した「驚」文字パターン画像を出力し、「驚」文字パターンの中抜け(図6bの状態)を目視で評価した。
A:非常に良好(ほとんど発生せず)
B:良好(軽微)
C:普通(多少発生)
D:悪い(かなり発生)
Figure 0004447926
本発明のトナーを製造する際の表面改質工程において使用される表面改質装置の一例の概略的断面図である。 図1に示す表面改質装置が有する分散ローターの上面図の一例を示す概略図である。 本発明の実施例に用いた二成分現像剤用の画像形成装置の概略的説明図である。 本発明の実施例に用いた二成分現像剤用の現像装置の要部の拡大横断面図である。 本発明のトナーを適用する非磁性一成分現像剤用の画像形成装置の概略的説明図である。 実施例の耐久後の中抜けを評価するための文字画像の中抜けの状態を示す模式図である。 実施例の階調性の評価に用いた、8種類の画像パターンを示す図である。
符号の説明
31:分級ローター
32:微粉回収
33:原料供給口
34:ライナー
35:冷風導入口
36:分散ローター
37:製品排出口
38:排出弁
39:ガイドリング
40:ピン
41:第一の空間
42:第二の空間
1:感光体ドラム
2:帯電ローラ
3:露光手段
4:4色現像器(4−1、4−2、4−3、4−4)
5:中間転写体
6:転写材
7:転写ローラ
12:現像剤担持体
13:感光体ドラム
14:磁石
15:スクリュー
16:現像剤搬送ローラ
17:現像器
18:磁性ブレード
21:トナー容器
22:供給部材
23:弾性ブレード
24:現像スリーブ
25:感光体ドラム

Claims (12)

  1. 結着樹脂、キナクリドン系顔料を有する着色剤及びワックスを少なくとも含有するマゼンタトナー粒子を有するマゼンタトナーであって、
    該マゼンタトナーは、重量平均粒径が4〜9μmであり、
    該マゼンタトナー粒子は、粉砕工程を経由して生成されたものであり、
    該ワックスは、脂肪族炭化水素系ワックスであり、
    該結着樹脂は、ビニル系共重合体ユニットとポリエステルユニットとを有しており、
    23℃においてn−ヘキサン中に15mg/cm3の濃度で該マゼンタトナーを分散さ
    せて1分間抽出して得られる抽出液のワックス濃度C[01](mg/cm が、0.08〜0.50mg/cm3の範囲であり、
    23℃においてトルエン中に15mg/cm 3 の濃度で該マゼンタトナーを分散させて
    ワックスを抽出して得られる抽出液のワックス濃度D(mg/cm 3 )と、該ワックス濃
    度C[01](mg/cm 3 )と、ワックス濃度C[20](mg/cm 3 )と、ワックス濃度C[90](mg/cm 3 )とが下記(i)〜(iii)の関係を満たすことを特徴とするマゼンタトナー。
    (i)C[01]≧D×0.2
    (ii)C[01]≧C[20]×0.6
    (iii)C[20]≧C[90]×0.8
    (式中、Dはマゼンタトナーをトルエンで12時間抽出したときのワックス濃度、C[20]はマゼンタトナーをn−ヘキサンで20分間抽出したときのワックス濃度、C[90]はマゼンタトナーをn−ヘキサンで90分間抽出したときのワックス濃度を表す。)
  2. 前記キナクリドン系顔料は、C.I.ピグメントレッド122,208及びC.I.ピグメントバイオレット19からなる群より選ばれる1種又はそれ以上の組み合わせであることを特徴とする請求項1に記載のマゼンタトナー。
  3. 前記マゼンタトナー粒子中の着色剤は、個数平均粒径が0.01〜0.30μmの粒子であることを特徴とする請求項1又は2に記載のマゼンタトナー。
  4. 前記マゼンタトナー粒子中の着色剤は、粒径が0.05〜0.25μmの粒子を65個
    数%以上含有し、粒径0.4μm以上の粒子を10個数%以下含有していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のマゼンタトナー。
  5. 前記マゼンタトナーを23℃、50%RHに24時間放置したときの凝集度をA(%)とし、前記マゼンタトナーに、50℃において1.56KPaの荷重を24時間かけ、その後荷重を開放して23℃、50%RHに24時間放置したときの凝集度をB(%)としたときに、B/A≦2.0の関係を満たすことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のマゼンタトナー。
  6. 前記マゼンタトナーをメタノール45体積%水溶液に2mg/cm の濃度で分散させ
    た溶液の、波長600nmにおける透過率が、5〜70%の範囲にあることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のマゼンタトナー。
  7. 前記マゼンタトナーの示差熱分析(DSC)測定における吸熱曲線において、温度30〜200℃の範囲に1個又は複数の吸熱ピークを有し、該吸熱ピーク中の最大吸熱ピークのピーク温度が60〜105℃の範囲にあることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のマゼンタトナー。
  8. 前記ワックスがパラフィンワックスであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のマゼンタトナー。
  9. 前記結着樹脂は、ワックスが分散されたハイブリッド樹脂であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載のマゼンタトナー。
  10. 前記マゼンタトナーが、さらに芳香族カルボン酸の金属化合物を含有することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載のマゼンタトナー。
  11. 前記マゼンタトナーの円相当径3μm以上の粒子の平均円形度が0.920〜0.950の範囲であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載のマゼンタトナー。
  12. マゼンタトナーと磁性キャリアとを少なくとも含有するマゼンタ用二成分系現像剤において、前記マゼンタトナーは請求項1乃至11のいずれか一項に記載のマゼンタトナーであり、前記磁性キャリアは表面が樹脂によりコートされている樹脂コートキャリアであることを特徴とするマゼンタ用二成分系現像剤。
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