JP4447926B2 - マゼンタトナー及びマゼンタ用二成分系現像剤 - Google Patents
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Description
このようなワックスのポリエステル樹脂への分散不良という問題に対して、様々な提案がされている。
また、スチレン、N含有ビニルモノマー及び(メタ)アクリル酸系モノマーからなる共重合体をポリオレフィンにグラフトしたワックス分散剤、炭化水素系ワックス、ハイブリッド樹脂を少なくとも含有する、ワックスの分散性が良好で、混色性と透過性の優れた高グロスを満足するトナーも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
3参照)。
さらに、溶媒に溶解したポリエステル樹脂の溶液に、微粒子化したワックスのスラリー及び顔料スラリーを混合してこれを水中で造粒し、その後に溶媒を常温で留去することにより、ワックスを0.1〜40質量%含有し、トナー表面に露出するワックスの存在割合を1〜10質量%とした、ワックスの形状が薄片状であり、ワックスの数平均分散径を0.1〜2μmとしたトナーが提案されている(例えば、特許文献5参照)。
しかし、これらのワックス分散が改良されたポリエステル系のトナーであっても、未だワックス分散の最適化は充分とは言えない。ワックスがさらに微細化、均一化されるように、すなわち、ワックスを分子レベルでポリエステル系樹脂中に均一に分散させて、ワックス粒子やワックスドメインがトナー中にほとんど存在しない状態とし、より一層の低温定着性、耐高温オフセット性等の定着性能が改善されたトナーが求められている。
該マゼンタトナーは、重量平均粒径が4〜9μmであり、
該マゼンタトナー粒子は、粉砕工程を経由して生成されたものであり、
該ワックスは、脂肪族炭化水素系ワックスであり、
該結着樹脂は、ビニル系共重合体ユニットとポリエステルユニットとを有しており、
23℃においてn−ヘキサン中に15mg/cm3の濃度で該マゼンタトナーを分散さ
せて1分間抽出して得られる抽出液のワックス濃度C[01](mg/cm3)が、0.08〜0.50mg/cm3の範囲であり、
23℃においてトルエン中に15mg/cm3の濃度で該マゼンタトナーを分散させて
ワックスを抽出して得られる抽出液のワックス濃度D(mg/cm3)と、該ワックス濃
度C[01](mg/cm3)と、ワックス濃度C[20](mg/cm3)と、ワックス濃度C[90](mg/cm3)とが下記(i)〜(iii)の関係を満たすことを特徴とするマゼンタトナー。
(i)C[01]≧D×0.2
(ii)C[01]≧C[20]×0.6
(iii)C[20]≧C[90]×0.8
(式中、Dはマゼンタトナーをトルエンで12時間抽出したときのワックス濃度、C[20]はマゼンタトナーをn−ヘキサンで20分間抽出したときのワックス濃度、C[90]はマゼンタトナーをn−ヘキサンで90分間抽出したときのワックス濃度を表す。)
(2)前記キナクリドン系顔料は、C.I.ピグメントレッド122,208及びC.I.ピグメントバイオレット19からなる群より選ばれる1種又はそれ以上の組み合わせであることを特徴とする請求項1に記載のマゼンタトナー。
(3)前記マゼンタトナー粒子中の着色剤は、個数平均粒径が0.01〜0.30μmの粒子であることを特徴とする請求項1又は2に記載のマゼンタトナー。
(4)前記マゼンタトナー粒子中の着色剤は、粒径が0.05〜0.25μmの粒子を65個数%以上含有し、粒径0.4μm以上の粒子を10個数%以下含有していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のマゼンタトナー。
(5)前記マゼンタトナーを23℃、50%RHに24時間放置したときの凝集度をA(%)とし、前記マゼンタトナーに、50℃において1.56KPaの荷重を24時間かけ
、その後荷重を開放して23℃、50%RHに24時間放置したときの凝集度をB(%)としたときに、B/A≦2.0の関係を満たすことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のマゼンタトナー。
(6)前記マゼンタトナーをメタノール45体積%水溶液に2mg/cm3の濃度で分散
させた溶液の、波長600nmにおける透過率が、5〜70%の範囲にあることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のマゼンタトナー。
(7)前記マゼンタトナーの示差熱分析(DSC)測定における吸熱曲線において、温度30〜200℃の範囲に1個又は複数の吸熱ピークを有し、該吸熱ピーク中の最大吸熱ピークのピーク温度が60〜105℃の範囲にあることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のマゼンタトナー。
(8)前記ワックスがパラフィンワックスであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のマゼンタトナー。
(9)前記結着樹脂は、ワックスが分散されたハイブリッド樹脂であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載のマゼンタトナー。
(10)前記マゼンタトナーが、さらに芳香族カルボン酸の金属化合物を含有することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載のマゼンタトナー。
(11)前記マゼンタトナーの円相当径3μm以上の粒子の平均円形度が0.920〜0.950の範囲であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載のマゼンタトナー。
(12)マゼンタトナーと磁性キャリアとを少なくとも含有するマゼンタ用二成分系現像剤において、前記マゼンタトナーは請求項1乃至11のいずれか一項に記載のマゼンタトナーであり、前記磁性キャリアは表面が樹脂によりコートされている樹脂コートキャリアであることを特徴とするマゼンタ用二成分系現像剤。
本発明のマゼンタトナーは、結着樹脂、キナクリドン系顔料を有する着色剤及びワックスを少なくとも含有し、23℃においてn−ヘキサン中に15mg/cm3の濃度で該マ
ゼンタトナーを分散させて1分間抽出して得られる抽出液のワックス濃度が0.08〜0.50mg/cm3であることが必須である。前記ワックス濃度がこの範囲を外れると、
優れた低温定着性や耐高温オフセット性が発現されない。
本発明のマゼンタトナーは、ワックスが微細化、均一化されるように、すなわち、マゼンタトナーの結着樹脂中にワックスの少なくとも一部を分子レベルで均一に分散させた状態となるように製造する。
させて、1分間抽出して得られる抽出液のワックス濃度をガスクロマトグラフ法により定量するという方法で、ワックスの分散度合いを簡便且つ再現性良く判定できることを見出
した。
の濃度で該トナーを分散させて1分間抽出して得られる抽出液のワックス濃度を特定の範囲に調整したマゼンタトナーについては知られておらず、また、本発明者等が確認したところ、これらの従来知られているマゼンタトナーは、前記した23℃においてn−ヘキサン中に15mg/cm3の濃度で該トナーを分散させて1分間抽出して得られる抽出液の
ワックス濃度は0.08mg/cm3未満であった。また、それらのマゼンタトナーの定
着性能を評価したところ、低温定着性、耐高温オフセット性に改善の余地があることが明らかとなった。
また、特許文献2及び3に記載されている、スチレン、N含有ビニルモノマー及び(メタ)アクリル酸系モノマーからなる共重合体をポリオレフィンにグラフトしたワックス分散剤を用いて製造されたトナーや、特許文献4に記載されている混練を段階的に繰り返すことにより製造されたトナーは、ワックスの一次平均分散径自体は微粒子化しているもの
の、トナー製造工程においてワックスと結着樹脂を混合するという工程を経るため、どうしても分散粒子が近接して凝集したワックスドメインを多数形成しやすく、また、このドメインの粒子径が溶融混練条件により大きくなり過ぎたり、場合によってはワックス分散粒子の再凝集が生じ、ワックス分散径の粗大化を起こすことがあり、結果として前記抽出液のワックス濃度が0.08mg/cm3未満となってしまう。
の濃度で該トナーを分散させて1分間抽出して得られる抽出液のワックス濃度を0.08〜0.50mg/cm3とするためには、ワックスを分子レベルで結着樹脂中に均一に分散させて、ワックス粒子やワックスドメインがほとんど存在しない状態とすることにより、製造することができる。
ゼンタトナーを分散させて、1分間抽出して得られる抽出液のワックス濃度が0.08〜0.50mg/cm3であるマゼンタトナーに関してさらに検討を進めた。その結果、多
数枚の画像出力を行った際に、前記抽出液のワックス濃度がほぼ同じ値のトナーであっても、トナー種により画像濃度、カブリ、階調性といった現像性や、中抜けに代表される転写性の耐久安定性が大きく異なる場合があることを見出した。そして、この現像性、転写性の耐久安定性の違うトナーが、トナーを加熱、加圧といった過酷な状態に放置した際に、凝集度の悪化度合いという指標で明確に区別できることも見出した。
本発明のマゼンタトナーは、23℃、50%RHに24時間放置したときの凝集度をA(%)とし、前記マゼンタトナーに50℃において1.56KPaの荷重を24時間かけ、その後荷重を開放して23℃、50%RHに24時間放置したときの凝集度をB(%)としたときに、凝集度の比B/Aが2.0以下であることが好ましく、より好ましくは1.5以下である。また、前記凝集度Aが3〜80%、前記凝集度Bが3〜99%の範囲であると、現像性と転写性が優れたものとなり、好ましい。
も、ワックスのトナー表面への遊離が低いレベルに抑えられ、現像スリーブ等の部材の汚染が防止される。また、外添剤の埋め込みについても抑制されて、トナーの流動性の低下や帯電性能の低下が起こりにくく、現像性と転写性が長期にわたり安定となる。さらに、B/Aを1.5以下とすることにより、例えば、高温高湿といった苛酷な環境下においても耐久安定性が向上し、トナーの感光体ドラム等の部材への融着等も起こりにくく、安定した画像が得られる。
トナー中に含有されるワックスは、通常、複数の低融点化合物からなる混合物であり、その融点に多少なりとも幅を有している。
抽出して得られる抽出液のワックス濃度(mg/cm3)が下式(i)〜(iii)の関係を満たすマゼンタトナーは、低温定着性や耐高温オフセット性といった定着性能や、現像性、転写性の耐久安定性に優れることはもちろん、高い着色力、良好な混色性と色再現性を有し、環境安定性にも優れるだけでなく、キナクリドン系顔料に特有の電気的特性の影響によって発生する静電オフセットの発生を抑制する効果が得られることが判明した。
(ii)C[01]≧C[20]×0.6
(iii)C[20]≧C[90]×0.8
(但し、Dはマゼンタトナーをトルエンで12時間抽出したときのワックス濃度、C[01]はマゼンタトナーをn−ヘキサンで1分間抽出したときのワックス濃度、C[20]はマゼンタトナーをn−ヘキサンで20分間抽出したときのワックス濃度、C[90]は
マゼンタトナーをn−ヘキサンで90分間抽出したときのワックス濃度を表す。)
で、上述したような優れたトナーとすることができる。
トナーからn−ヘキサン及びトルエンへ溶出するワックスの濃度を上記式(i)〜(iii)の範囲にするということは、トナー中のワックスのかなりの部分が分子レベルで結着
樹脂中に完全に均一に分散された状態となることを意味する。このレベルまでワックスが完全に均一分散されると、トナー中の着色剤粒子の近傍にはワックスが必ず存在し、場合によっては着色剤粒子がワックスで取り囲まれるような状態となる。このような状態となると、定着時のトナーの溶融の際に、ワックスとともにワックス近傍の着色剤粒子も速やかに転写材上に広がり、他色のトナー中の着色剤粒子とも混ざり合うので、極めて優れた混色性と色再現性が発現される。また、着色剤に起因するトナーの環境変動の問題、例えば、高温高湿環境下で着色剤がリークサイトとなり、トナーの帯電量が低下してカブリが増加する問題や、低温低湿環境下で着色剤自身がチャージアップを生じ、トナーの帯電量が上昇して画像濃度が低下するといった問題が従来のトナーでは生じやすいが、トナーからn−ヘキサンへのワックスの溶出速度を上記の範囲とした本発明のトナーの場合には、着色剤粒子の近傍に均一に微分散したワックスが存在することで、着色剤はリークサイトとなりにくくなり、また、着色剤のチャージアップも防止されるため、これらの着色剤起因の問題が抑制されたものとなる。
次に本発明のトナーの組成について説明する。
本発明のトナーに含有される結着樹脂は、トナー中にワックスが高分散される限り、従来トナーに用いられる一般的なものが用いられ特に限定されないが、ポリエステルユニットとビニル系共重合体ユニットとを有するハイブリッド樹脂、又はポリエステル樹脂、又はビニル系共重合体とこれらの樹脂との混合物のいずれかのポリエステル系樹脂であることが好ましく、ハイブリッド樹脂がより好ましい。
有するモノマー成分である。
本発明において「ハイブリッド樹脂」とは、ビニル系共重合体ユニットとポリエステルユニットが化学的に結合された樹脂を意味する。具体的には、例えば(メタ)アクリル酸エステル等のカルボン酸エステル基を有するモノマーを重合したビニル系共重合体ユニットとポリエステルユニットとがエステル交換反応によって形成されるものであり、好ましくはビニル系共重合体ユニットを幹重合体、ポリエステルユニットを枝重合体としたグラフト共重合体(又はブロック共重合体)を形成するものである。
本発明のトナーに含有される結着樹脂として、ポリエステル樹脂又はポリエステルユニットを有するハイブリッド樹脂を用いる場合、ポリエステル樹脂又はハイブリッド樹脂のポリエステルユニットを生成するためのポリエステル系モノマーとして、多価のアルコールと多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物、又は多価カルボン酸エステル等が原料モノマーとして使用できる。
なお、上記の中でも、特に、下記一般式(1)で代表されるビスフェノール誘導体をジオール成分とし、2価以上のカルボン酸又はその酸無水物、又はその低級アルキルエステルとからなるカルボン酸成分(例えば、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等)を酸成分として、これらを縮重合したポリエステルユニットを有する結着樹脂が特に好ましい。この組成としたポリエステル樹脂は、良好な帯電特性を有する。
れらの酸無水物及びこれらのモノエステル等のカルボキシル基を有するモノマーが挙げられる。さらに、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸エステル類;4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルヘキシル)スチレン等のヒドロキシ基を有するモノマーが挙げられる。
リル、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチル−プロパン)、メチルエチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−クミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、m−トリオイルパーオキサイド、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシカーボネート、ジ−メトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシカーボネート、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエイト、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエイト、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート、t−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート,ジ−t−ブチルパーオキシアゼレート等が挙げられる。
ビニル系共重合体ユニット及びポリエステルユニットが製造される。この場合、ハイブリッド樹脂は上記(2)〜(4)の製造方法により製造されるものを使用することもでき、必要に応じて公知の製造方法により製造されたものを使用することもできる。さらに、適宜、有機溶媒を使用することができる。
上記の(1)〜(6)の製造方法のうち、本発明のマゼンタトナーに用いられるハイブリッド樹脂を得るため、(6)の製造方法が好適に採用される。(6)の製造方法により得られたハイブリッド樹脂は、ビニル系共重合体ユニットとポリエステルユニットが非常に均一な状態となりやすく、好ましい。
さらに、ビニル系モノマーの付加重合の際に、水素引き抜き能力の比較的強い重合開始剤(例えば、t−ブトキシラジカルが分解により生成するジ−t−ブチルパーオキサイド等)を使用して比較的高い重合温度で行う等、適当に重合条件を選択して、ビニル系共重合体の生成とともにワックスへのビニル系モノマーのグラフト重合を起こせば、ワックスのビニル系共重合体への相溶性、及びワックスのハイブリッド樹脂への相溶性を向上させることができ、結果として、トナー中にワックスを分子レベルで均一に分散することが可能であり、特に好ましい。
本発明に用いるキナクリドン系顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ48,49,C.I.ピグメントレッド12,57,122,202,206,208,209、C.I.ピグメントバイオレット19,42からなる群より選ばれる1種又はそれ以上の組み合わせであることが好ましい。
ン系顔料はその帯電性が強いため、トナーを負帯電性とした場合、定着部材をポジ性に帯電させる特性が顕著に表れる。そして、ポジ性に帯電された定着部材は、未定着トナー像を定着ニップ部周辺で、静電気的に付着させることによって、静電オフセットが発生するものと考えられる。一般的には、定着部材周辺に、バイアス印加を行うことによって、静電気的にトナーの移動を抑制して、静電オフセットの発生を低減させている。しかしながら、本発明のようにトナー中のワックスを特徴的に微細化、均一化した場合には、キナクリドン系顔料に特有の帯電性の発現を抑制させることができ、定着ニップ部周辺でトナー中のワックスが定着部材とトナー粒子との離型性に対して有効に機能するため、定着ニップ部周辺でバイアス印加を行わない簡略的な構成の定着器を用いた場合であっても、未定着トナー像が定着部材に静電気的に付着することがなく、静電オフセットのない良好な画像を得ることが出来るものと推察している。
着色剤の含有量が15質量部より多い場合には、透明性が低下し、加えて人間の肌色に代表される様な中間色の再現性も低下し易くなり、更にはトナーの帯電性の安定性が低下し、目的とする帯電量が得られにくくなる。また、着色剤の含有量が1質量部より少ない場合には、目的とする着色力が得られ難く、高い画像濃度の高品位画像が得られ難い。
本発明のトナーに含有させることができるワックスとしては、例えば次のものが挙げられる。ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、オレフィン共重合体ワックスワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス、パラフィンワックス等の脂肪族炭化水素系ワックス、また酸化ポリエチレンワックス等の脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物、又はそれらのブロック共重合物;カルナウバワックス、モンタン酸エステルワックス等の脂肪酸エステルを主成分とするワックス類、ベヘン酸ベヘニルやステアリン酸ベヘニル等の高級脂肪酸と高級アルコールとの合成反応物であるエステルワックス、及び脱酸カルナウバワックス等の脂肪酸エステル類を一部又は全部を脱酸化したもの等が挙げられる。
ミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド等の飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’ジオレイルセバシン酸アミド等の不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’ジステアリルイソフタル酸アミド等の芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等の脂肪族金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸等のビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリド等の脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加等によって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物等が挙げられる。
本発明のマゼンタトナーは、示差熱分析(DSC)測定における吸熱曲線において、温度30〜200℃の範囲に1個又は複数の吸熱ピークを有し、該吸熱ピーク中の最大吸熱ピークのピーク温度が60〜105℃の範囲にあることが好ましく、60〜105℃の範囲にあることが更に好ましく、特に好ましくは70〜90℃の範囲である。最大吸熱ピークのピーク温度がこの範囲にあれば、優れた低温定着性と現像性とのバランスが良好となる。最大吸熱ピークのピーク温度が60℃未満であるとトナーの保存安定性が劣る場合があり、105℃を超えると省エネの観点から望まれる低温定着を行うことが困難となる場合がある。なお、最大吸熱ピークのピーク温度を60〜105℃とするには、前述した最大吸熱ピークのピーク温度が60〜105℃のワックスを、トナーに含有させることにより達成可能である。
液を、芳香族カルボン酸を溶解した水酸化ナトリウム水溶液に滴下し、加熱撹拌し、次に水溶液のpHを調整し、常温まで冷却した後、ろ過水洗することにより合成することができるが、上記の合成方法だけに限定されるものではない。2価の金属としてMg2+、Ca2+、Sr2+、Pb2+、Fe2+、Co2+、Ni2+、Zn2+、Cu2+が挙げられる。これらのうち、Zn2+、Ca2+、Mg2+、Sr2+が好ましい。3価以上の金属としてはAl3+、Cr3+、Fe3+、Ni3+、Zr4+が挙げられる。これら3価以上の金属の中で好ましいのはAl3+、Cr3+、Zr4+であり、特に好ましいのはAl3+、Zr4+である。
本発明のマゼンタトナーは、マゼンタトナー粒子に流動性向上剤が外部添加(以下、「外添」という)されているトナーであることが好ましい。ここで、流動性向上剤とは、マゼンタトナー粒子に外添することにより、流動性が増加し得る機能を有するものであり、画質向上の観点から添加される。例えば、フッ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフルオロエチレン微粉末等のフッ素系樹脂粉末;湿式製法で得られるシリカ微粉末、乾式製法で得られるシリカ微粉末等のシリカ微粉末;それらシリカ微粉末をシラン化合物、チタンカップリング剤、シリコーンオイル等の処理剤により表面処理を施した処理シリカ微粉末;酸化チタン微粉末;アルミナ微粉末、処理酸化チタン微粉末、処理酸化アルミナ微粉末等が用いられる。このような流動性向上剤は、BET法で測定した窒素吸着による比表面積が30m2/g以上、好ましくは50m2/g以上のものが良好な結果を与える。
本発明のマゼンタトナーは重量平均粒径が4〜9μm、特に5〜8μmであることが好ましい。マゼンタトナーの重量平均粒径をこの範囲として小粒径化することにより、画像の輪郭部分、特に文字画像やラインパターンの現像での再現性が良好なものとなる。重量平均粒径が4μm未満であると、例えば感光体ドラムの表面への付着力が高くなり、転写不良に基づく画像の不均一、ムラの原因となりやすい。また、トナーの単位質量あたりの帯電量が高くなり、例えば低温低湿環境下において画像濃度が低下してしまう場合がある。さらに、流動性の低下や部材への付着性の増加により、例えば二成分系現像剤とした場合、キャリアとの摩擦帯電がスムーズに行われにくく、充分に帯電し得ないトナーが増大し、非画像部のカブリが目立つ様になる。また、重量平均粒径が9μmを超えると、高画質化に寄与し得る微粒子が少ないことを意味し、トナーの流動性に優れるというメリットがあるものの、感光体ドラム上の微細な静電荷像上に忠実に付着しづらく、ハイライト部の再現性が低下し、さらに階調性も低下する場合がある。また、感光体ドラム表面等の部材への融着が起きやすい。
本発明のトナーは、円相当径が3μm以上の粒子において、平均円形度が0.920〜0.950、特に0.925〜0.945の範囲にあることが好ましい。トナーの平均円形度を上記範囲とすることにより、トナーの流動性、転写性、帯電性を好適なものとすることが出来る。平均円形度が0.920より小さいと転写性、特に転写効率に劣り、逆に、平均円形度が0.950より大きいと形状が球形となりすぎるため、感光体ドラムのクリーニングの際に転写残トナーがクリーニングブレードをすり抜ける等、クリーニング不良による画像欠陥が出る場合がある。
この45体積%のメタノール水溶液におけるトナーの透過率は、トナーを水とメタノールの混合溶液中で強制分散させ、さらに一定時間後の透過率を測定することにより得られる値であり、トナー表面近傍のワックスの存在量を再現性良く、且つ正確に把握できるものである。このような透過率の測定方法によれば、疎水性であるワックスがトナー表面に多く存在すると、溶媒に分散しにくく凝集するため、上記透過率が70%を超える高い値になる。逆にトナー表面のワックスが少ないと、親水性である結着樹脂のポリエステルユニットが多く存在するため、トナーが混合溶媒中に均一分散し、上記透過率が5%未満の小さな値になる。
普及しつつある。中間転写体を設けた画像形成装置の場合、転写工程が実質2回行われるため、転写効率の低下はトナーの利用効率の低下を招き問題となる。しかし、本発明のマゼンタトナーは、粒度分布、平均円形度及び前記透過率等を上記のように調製することによって、高い転写性が達成され、中間転写体を設けた画像形成装置にも好適に使用できる。このような高転写性を有する本発明のマゼンタトナーを用いれば、中間転写体を用いた系で起こりやすい転写抜け等の転写不良がほとんど生じないため、2次色の色再現性や色味が極めて良好となり、多種多様の転写材を用いた場合でも、美しいカラー画像を得ることができる。
上記のうち機械的衝撃法によりマゼンタトナー粒子を得た場合には、トナー粒子表面のワックス量の調整が簡便であり、より好ましい。トナー粒子表面のワックス量の調整(すなわち45体積%のメタノール水溶液におけるトナーの透過率の調整)は原材料の物性、特に樹脂の粘弾性を制御したり、製造条件、特に溶融混練条件や重合条件を制御することによって行うことができるが所望の物性が得られれば特に限定されない。
式的平面図である。表面改質装置は、発生する微粉を系外に排出しながら、機械的衝撃力を与えることにより、所望の形状、性能を得るものである。通常、機械的に球形化処理する場合には、粉砕時に生じる、かなり小さな微粉が再度凝集することで形状を凹凸にするため、発生する微粉を系外に排出しながら行わなければならず、所望の球形度にするには必要以上に機械的衝撃力が必要となる。その結果、余分な熱量を与えトナー表面のワックス量が多くなる弊害が生じる。また、ごく小さな微粉はキャリアへのスペントを悪化させる大きな原因となる。これに対し、図1及び図2に示す表面改質装置においては、機械的衝撃力を加えている同一気流を止めることなく分級するため、再凝集させることなく効率良く系外に排出することができる。
秒であることが有効である。
本発明のマゼンタトナーを二成分系現像剤として用いる場合、本発明のマゼンタトナーと磁性キャリアとを混合して二成分系現像剤とすればよい。磁性キャリアとしては、例えば表面酸化又は未酸化の鉄、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム、カルシウム、マグネシウム、希土類等の金属及びそれらの合金又は酸化物及び磁性フェライト等の磁性キャリアが使用出来る。
本発明のマゼンタトナーと上記形態の磁性キャリアとを混合して二成分系現像剤を調製する場合、その混合比率は現像剤中のマゼンタトナー濃度として、2〜15質量%、好ましくは4〜13質量%にすると通常良好な結果が得られる。トナー濃度が2質量%未満では画像濃度が低下しやすく、15質量%を超えるとカブリや機内飛散が発生しやすく、現像剤の耐用寿命が低下しやすい。
十分な画像濃度を出し、ドット再現性に優れ、且つ感光体ドラムへの磁性キャリアが付着しない現像を行うために、現像スリーブ12上の磁気ブラシ11の感光体ドラム13との接触幅(現像ニップC)を好ましくは3〜8mmにする。
現像スリーブの表面粗度Ra(μm)を1.5以下とすることで、該現像スリーブ上のトナー層を薄層化することができる。現像スリーブの表面移動速度を感光体ドラムの表面移動速度に対し1.05〜3.0倍となるように設定することが好ましい。
度をもって回転させ、現像スリーブ上へのトナー供給と共に、現像スリーブ上の現像後のトナー(未現像トナー)のはぎ取りをも行う。
現像スリーブ上に供給されたトナーは、規制部材によって薄層かつ均一に塗布される。トナーを薄層化するための規制部材は、現像スリーブと一定の間隙をおいて配置される金属ブレード、磁性ブレード等のドクターブレードである。また、トナー薄層化の規制部材としてトナーを圧接塗布する為の弾性ブレードや弾性ローラ等の弾性体を用いても良い。
弾性ブレードと現像スリーブとの間隙は、50〜400μmに設定されることが好ましい。
<トナー抽出液のワックス濃度の定量>
(1)サンプルの調製及びワックス濃度の算出
以下の操作は、23℃に温度制御された室内で行う。
30cm3のサンプルビン(例えば、商品名「SV−30」:日電理化硝子(株)製)にトナー300mgを精秤し、これにマグネティックスターラー用の長さ2cmの攪拌子を入れる。次いで、マグネティックスターラーを用いて攪拌子を回転させながら、液温を23℃に調整した溶剤(n−ヘキサン又はトルエン)20cm3を速やかに容器に入れて密閉し、トナーが溶剤に充分に分散するように攪拌子の回転数を調整し、抽出時間の計測を行う。所定時間が経過したら直ちに抽出液をシリンジで吸引し、ポア径が0.45μmの耐溶剤性メンブランフィルター(例えば、商品名「マエショリディスク」東ソー(株)製)で濾過して、トナー抽出液としてのサンプル溶液とする。
得られたサンプル溶液について、以下の条件でガスクロマトグラフ分析を行う。抽出液のワックス濃度の算出には、予めワックスをn−ヘキサン及びトルエンに完全に溶解した標品数点を用意し、これをガスクロマトグラフ分析することでワックス濃度とガスクロマトグラフチャートにおけるワックスピークの面積値から検量線を作成し、この検量線に基づいて、サンプル溶液中のワックス濃度を算出する。
(2)ガスクロマトグラフ測定装置及び測定条件
ガスクロマトグラフ:HEWLETT PACKARD 6890GC
検出器:FID(水素炎イオン化検出器)
カラム:DB−1ht
(J&W(株)製、キャピラリーカラム、長さ30m、内径0.25mm、膜厚0.10μm)
注入口温度:400℃
検出器温度:430℃
キャリアーガス:He
オーブン温度:150℃スタート、10℃/分で400℃まで昇温、15分ホールド
注入量:5.0×10−3cm3
スプリットレス、コンスタントフロー1.0cm3/min
本発明において、トナー中の着色剤の個数平均粒径は、下記の様にして測定する。具体的には、紫外線硬化型のアクリル樹脂中にトナーを充分に分散させた後、紫外線を照射して硬化させ、得られた硬化物をウルトラミクロトームを用いて面出しし、それを四酸化ルテニウム(RuO4)、又は必要に応じて四酸化オスミウム(OsO4)を併用して電子染色を施した後、ダイヤモンドナイフを備えたウルトラミクロトームを用いて薄片状のサンプルを切り出し、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いてトナーの断面層形態を観察する。こうして得られたトナーの断面写真(例えば4万倍に拡大した断面写真)より、凝集体を形成していない着色剤について、無作為に抽出し解析を行うこととしサンプリング数が300回を超えるまで測定を繰り返して平均粒径を求める。
本発明では画像処理装置を用いて着色剤を球形近似し、得られる直径より定義される値を着色剤の個数平均粒径(A)とする。また、TEM写真より直接着色剤の平均一次粒径を測定する際には、着色剤の長径を粒径とし、同じくサンプリング数が300回を超えるまで測定を繰り返して個数平均粒径(B)を求める。本発明では、上記の(A)も(B)もほぼ同じ結果が得られた。
(1)サンプルの調製
(i)凝集度A測定用サンプルの調製
直径4cmの円筒状の容器にトナー20gを計りとり、表面を平らにして30分間放置した。その後、パウダーテスター(ホソカワミクロン(株)製)のタッピングモードを使用し、タッピング速度1回/1秒にて50回のタッピングを行い、1時間放置する。そし
て、容器を23℃、50%RHにて24時間放置した後、トナー全量をポリエチレン製サンプルビンに移し、トナーの凝集塊が無いようによく振った。
(ii)凝集度B測定用サンプルの調製
直径4cmの円筒状の容器にトナー20gを計りとり、表面を平らにして30分間放置する。その後、パウダーテスター(ホソカワミクロン(株)製)のタッピングモードを使用し、タッピング速度1回/1秒にて50回のタッピングを行い1時間放置する。そして、試料表面に均等に荷重がかかるようにして1.56KPaの荷重をかけ、50℃の乾燥機中に24時間放置する。その後、荷重をはずして23℃、50%RHにて24時間放置した後、トナー全量をポリエチレン製サンプルビンに移し、トナーの凝集塊が無いようによく振った。
測定はホソカワミクロン(株)製のパウダーテスターPT−R型を用い、目開き150μm、75μm、38μmの三種類の篩をそれぞれ上段、中段、下段として用いる。均一に混合した上記のトナー5.0gを最上段の篩上に計り取り、振動幅0.50mmで10秒間振動させ、各々の篩上に残存したトナー量から下記式を用い算出する。
目開き150μmの篩上に残ったトナー質量×100/5.0=a
目開き75μmの篩上に残ったトナー質量×0.6×100/5.0=b
目開き38μmの篩上に残ったトナー質量×0.2×100/5.0=c
凝集度(%)=a+b+c
(1)トナー分散液の調整
メタノールと水の体積混合比が45:55の水溶液を作製する。この水溶液10cm3を30cm3のサンプルビン(日電理化硝子(株)製:SV−30)に入れ、トナー20
mgを液面上に浸しビンのフタをする。その後、ヤヨイ式振とう器(モデル:YS−LD、(株)ヤヨイ製)により2.5S−1で5秒間振とうする。この時、振とうする角度は、振とう器の真上(垂直)を0度とすると、前方に15度、後方に20度、振とうする支柱が動くようにする。サンプルビンは支柱の先に取り付けた固定用ホルダー(サンプルビンの蓋が支柱中心の延長上に固定されたもの)に固定する。サンプルビンを取り出した後、30秒後の分散液を測定用分散液とする。
(2)透過率の測定
上記(1)で得た分散液を1cm角の石英セルに入れ、分光光度計MPS2000((株)島津製作所製)を用いて10分後の分散液の波長600nmにおける透過率(%)を測定する。
透過率(%)=I/I0×100
(上記式において、Iは入射光束、I0は透過光束を表す)
トナーの重量平均粒径及び粒度分布はコールターカウンターTA−II型又はコールターマルチサイザー(ベックマンコールター(株)製)等種々の方法で測定可能である。本発明においては、コールターマルチサイザー(ベックマンコールター(株)製)を用い、個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科機バイオス(株)製)及びパーソナルコンピュータを接続し、電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調整する。たとえば、ISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン(株)製)が使用できる。
トナーの平均円形度は、フロー式粒子像測定装置「FPIA−2100型」(シスメックス(株)製)を用いて測定を行い、下式を用いて算出する。
また、円形度頻度分布の平均値を意味する平均円形度Cは、粒度分布の分割点iでの円形度(中心値)をci、測定粒子数をmとすると、次式から算出される。
示差走査熱量計(DSC測定装置)、DSC−7(パーキンエルマー社製)やDSC2920(TAインスツルメンツジャパン(株)製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。測定試料は2〜10mg、好ましくは5mgを精密に秤量する。これをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定温度範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで測定を行う。なお、測定においては、昇温、続いて降温をまず始めに一回行った後に再度昇温を行い、この昇温過程における温度30〜200℃の範囲におけるDSC曲線の最大の吸熱ピークを、本発明における最大吸熱ピークのピーク温度とする。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるテトラヒドロフラン(THF)に可溶な樹脂成分の分子量分布の測定は、以下の様にして行えばよい。
結着樹脂又はトナーをTHFに常温で24時間静置して溶解した溶液を、ポア径が0.45μmの耐溶剤性メンブランフィルター(例えば、商品名「マエショリディスク」、東ソー(株)製)で濾過してサンプル溶液とし、以下の条件で測定する。なお、サンプル調製は、THFに可溶な成分の濃度が0.4〜0.6質量%になるようにTHFの量を調整する。
装置:高速GPC HLC8120 GPC(東ソー(株)製)
カラム:Shodex KF−801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工(株)製)
溶離液:テトラヒドロフラン
流速:1.0cm3/min
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:0.10cm3
また、試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(東ソー(株)製、TSK スタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−5.000、A−1000、A−500)により作成した分子量校正曲線を使用する。
(ハイブリッド樹脂Aの製造例)
温度計、攪拌機、コンデンサー及び窒素導入管を備えたオートクレーブに、トルエン100部、オクタン100.00部、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン48.10部(35.0モル%)、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン19.20部(15.0モル%)、テレフタル酸20.40部(31.3モル%)、無水トリメリット酸9.40部(12.4モル%)、フマル酸2.90部(6.3モル%)、DSCにおける最大吸熱ピークのピーク温度が75℃の精製ノルマルパラフィンワックスA4.00部及び酸化ジブチル錫0.30部を入れ、オートクレーブ内を窒素ガスで置換した後、密閉した。その後、撹拌しながら徐々に昇温し、180℃で保持した。
温度計、撹拌機、コンデンサー及び窒素導入管を備えた反応容器に、ポリオキシプロピ
レン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン48.10部(35.0モル%)、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン19.20部(15.0モル%)、テレフタル酸20.40部(31.3モル%)、無水トリメリット酸9.40部(12.4モル%)、フマル酸2.90部(6.3モル%)及び酸化ジブチル錫0.30部を入れ、反応容器内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、135℃の温度で撹拌した。
温度計、撹拌機、コンデンサー及び窒素導入管を備えた反応容器に、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン48.10部(35.0モル%)、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン19.20部(15.0モル%)、テレフタル酸20.40部(31.3モル%)、無水トリメリット酸9.40部(12.4モル%)、フマル酸2.90部(6.3モル%)及び酸化ジブチル錫0.30部を入れ、反応容器内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、215℃で4時間縮合反応させ、ポリエステル樹脂Cを得た。GPCによる分子量測定結果を表1に示す。
温度計、撹拌機、コンデンサー及び窒素導入管を備えた反応容器にキシレン200部を仕込み、撹拌しながら容器内を十分に窒素で置換して120℃に昇温させた。そこに、下記の各成分を常温でよく混合したものを5時間かけて滴下して、ラジカル重合を行った。さらに昇温を行い、キシレン還流下でラジカル重合を完了し、減圧下で溶媒を蒸留除去して、ビニル系共重合体Dを得た。GPCによる分子量測定結果を表1に示す。
・アクリル酸2−エチルヘキシル 18部
・マレイン酸モノブチル 5部
・ジ−t−ブチルパーオキサイド 1部
(キナクリドン系顔料分散樹脂Aの製造例)
・ハイブリッド樹脂B 50部
・キナクリドン系顔料(C.I.ピグメントレッド122) 50部
・3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 1部
キナクリドン系顔料として、C.I.ピグメントレッド122を37.5部、C.I.ピグメントバイオレット19を12.5部使用すること以外は、キナクリドン系顔料分散樹脂Aの製造例と同様にして、キナクリドン系顔料分散樹脂Bを得た。
キナクリドン系顔料として、C.I.ピグメントレッド208を使用すること以外は、キナクリドン系顔料分散樹脂Aの製造例と同様にして、キナクリドン系顔料分散樹脂Cを得た。
(トナーの製造例1)
・前記ハイブリッド樹脂A 104部(ワックスAを4部含有:表2の*2参照)
・キナクリドン系顔料分散樹脂A 11部
・3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 2部
上記の材料を十分にヘンシェルミキサーにより予備混合した。その後、二軸押出し混練機で溶融混練し、冷却後ハンマーミルを用いて約1〜2mm程度に粗粉砕し、次いでエアージェット方式による微粉砕機で20μm以下の粒径に微粉砕した。
その後、図1及び図2に示す、機械式衝撃力を用いる表面改質処理(球形化処理)と分級を同時に行う装置にて微粉砕物を処理して、平均円形度が0.930であり、着色剤粒子の個数平均粒径が0.2μm、粒径0.05〜0.25μmの着色剤粒子を75個数%含有し、粒径0.4μm以上の着色剤粒子を6個数%含有しているトナー粒子1を得た。
さらに、このトナー粒子1 100部と、i−C4H9Si(OCH3)3 30部で処理した疎水性酸化チタン微粉末(BET法による比表面積150m2/g)1.5部とをヘン
シェルミキサーにより混合して、マゼンダトナー1を得た。
トナー1の内添処方を表2に、トナー1の物性を表3及び4に示す。
※1有機金属化合物X:3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物
有機金属化合物Y:3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸ジルコニウム化合物
(商品名TN−105、保土谷化学工業(株)製)
※2ワックスA:DSCにおける最大吸熱ピークのピーク温度が75℃の精製ノルマルパラフィンワックス、である。)
※3:トナーをn−ヘキサンで1分間抽出した時のワックス濃度(mg/cm3)
※4:トナーをn−ヘキサンで20分間抽出した時のワックス濃度(mg/cm3)
※5:トナーをn−ヘキサンで90分間抽出した時のワックス濃度(mg/cm3)
※6:トナーをトルエンで12時間抽出した時のワックス濃度(mg/cm3)
※7:トナーを23℃、50%RHに24時間放置した時の凝集度をA(%)とし、トナーに50℃において1.56KPaの荷重を24時間かけ、その後荷重を開放して23℃、50%RHに24時間放置した時の凝集度をB(%)とした時の、凝集度Bと凝集度Aとの比
※8:トナーのメタノール45体積%水溶液における透過率
※9:DSCにおけるトナーの最大吸熱ピークのピーク温度
※10:GPCによる分子量分布測定における、トナーに含有される樹脂成分のピーク分子量(Mp)、及び重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)
※11:トナーの重量平均粒径(μm)
※12:4μm以下の粒径を有するトナーの個数%
※13:10μm以上の粒径を有するトナーの体積%
※14:トナーの円相当径3μm以上の粒子の平均円形度、である。)
トナーの製造例1において、キナクリドン系顔料分散樹脂Aの替わりにキナクリドン系顔料分散樹脂Bを使用すること、図1及び図2に示す装置の運転条件を変更した以外はトナーの製造例1と同様にして、平均円形度が0.945のマゼンタトナー2を得た。トナー2の内添処方を表2に、トナー2の物性を表3及び4に示す。
トナーの製造例1において、キナクリドン系顔料分散樹脂Aの替わりにキナクリドン系顔料分散樹脂Cを使用すること、図1及び図2に示す装置の運転条件を変更した以外はトナーの製造例1と同様にして、平均円形度が0.958のマゼンタトナー3を得た。トナー3の内添処方を表2に、トナー3の物性を表3及び4に示す。
トナーの製造例2において、図1及び図2に示す装置による微粉砕物の処理を行わず、風力分級装置(エルボージェット分級機、日鉄鉱業(株)製)を用いて分級を行い、トナー粒子4を得た。その後、トナーの製造例1と同様にして、平均円形度が0.915のマゼンタトナー4を得た。トナー4の内添処方を表2に、トナー4の物性を表3及び4に示す。
3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物を3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸ジルコニウム化合物(商品名TN−105、保土谷化学工業(株)製)に代えた以外はトナーの製造例2と同様にして、マゼンタトナー5を得た。トナー5の内添処方を表2に、トナー5の物性を表3及び4に示す。
ハイブリッド樹脂A 104部(ワックスAを4部含有)を、ハイブリッド樹脂A78部
(ワックスAを3部含有)とポリエステル樹脂C 25部に代え、DSCにおける最大吸熱ピークのピーク温度が75℃の精製ノルマルパラフィンワックスを1部さらに加えた以外はトナーの製造例1と同様にして、マゼンタトナー6を得た。トナー6の内添処方を表2に、トナー6の物性を表3及び4に示す。
ハイブリッド樹脂A 104部(ワックスAを4部含有)を、ハイブリッド樹脂A78部
(ワックスAを3部含有)とビニル系共重合体D 25部に代え、DSCにおける最大吸熱ピークのピーク温度が75℃の精製ノルマルパラフィンワックスを1部さらに加えた以外はトナーの製造例1と同様にして、マゼンタトナー7を得た。トナー7の内添処方を表2に、トナー7の物性を表3及び4に示す。
ハイブリッド樹脂A 104部(ワックスAを4部含有)を、ハイブリッド樹脂A52部
(ワックスAを2部含有)とハイブリッド樹脂B 50部に代え、DSCにおける最大吸熱ピークのピーク温度が75℃の精製ノルマルパラフィンワックスを2部さらに加えた以外はトナーの製造例1と同様にして、マゼンタトナー8を得た。トナー8の内添処方を表2に、トナー8の物性を表3及び4に示す。
トナーの製造例8において、図1及び図2に示す装置による微粉砕物の処理を行わず、風力分級装置(エルボージェット分級機)を用いて分級を行って、トナー粒子9を得た。その後、トナーの製造例1と同様にして、平均円形度が0.916のマゼンタトナー9を得た。トナー9の内添処方を表2に、トナー9の物性を表3及び4に示す。
ハイブリッド樹脂A 104部(ワックスAを4部含有)を、ハイブリッド樹脂A52部
(ワックスAを2部含有)とポリエステル樹脂C 50部に代え、DSCにおける最大吸熱ピークのピーク温度が75℃の精製ノルマルパラフィンワックスを2部さらに加えた以外はトナーの製造例1と同様にして、マゼンタトナー10を得た。トナー10の内添処方を表2に、トナー10の物性を表3及び4に示す。
ハイブリッド樹脂A 104部(ワックスAを4部含有)を、ハイブリッド樹脂A52部
(ワックスAを2部含有)とビニル系共重合体D 50部に代え、DSCにおける最大吸熱ピークのピーク温度が75℃の精製ノルマルパラフィンワックスを2部さらに加えた以外はトナーの製造例1と同様にして、マゼンタトナー11を得た。トナー11の内添処方を表2に、トナー11の物性を表3及び4に示す。
ハイブリッド樹脂A 104部(ワックスAを4部含有)を、ハイブリッド樹脂A52部
(ワックスAを2部含有)とハイブリッド樹脂B 50部に代え、DSCにおける最大吸熱ピークのピーク温度が68℃のステアリン酸ステアリル(エステルワックス)を2部さらに加えた以外はトナーの製造例1と同様にして、マゼンタトナー12を得た。トナー12の内添処方を表2に、トナー12の物性を表3及び4に示す。
粉砕装置の運転条件を変更した以外はトナーの製造例8と同様にして、10μm以上の粒径を有するトナーが15体積%、重量平均粒径が9.6μmのマゼンタトナー13を得た。トナー13の内添処方を表2に、トナー13の物性を表3及び4に示す。
粉砕装置の運転条件を変更した以外はトナーの製造例8と同様にして、4μm以下の粒径を有するトナーが58個数%、重量平均粒径が3.9μmのマゼンタトナー14を得た。トナー14の内添処方を表2に、トナー14の物性を表3及び4に示す。
顔料として、CI.ピグメントレッド122を7部、CI.ピグメントバイオレット19を3部使用すること以外はトナーの製造例1と同様にして、マゼンタトナー15を得た。トナー15の内添処方を表2に、トナー15の物性を表3及び4に示す。
ハイブリッド樹脂A 104部(ワックスAを4部含有)を、ハイブリッド樹脂A52部
(ワックスAを2部含有)とハイブリッド樹脂B 50部に代えたこと、顔料として、CI.ピグメントレッド122を11部使用すること以外は、トナーの製造例1と同様にして、マゼンタトナー16を得た。トナー16の内添処方を表2に、トナー16の物性を表3及び4に示す。
3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物を使用しない以外はトナーの製造
例8と同様にして、マゼンタトナー17を得た。トナー17の内添処方を表2に、トナー17の物性を表3及び4に示す。
ハイブリッド樹脂A 104部(ワックスAを4部含有)を、ハイブリッド樹脂A52部
(ワックスAを2部含有)とハイブリッド樹脂B 50部に代え、DSCにおける最大吸熱ピークのピーク温度が120℃の低分子量ポリエチレンを4部さらに加えた以外はトナーの製造例4と同様にして、マゼンタトナー18を得た。トナー18の内添処方を表2に、トナー18の物性を表3及び4に示す。
トナーの製造例9で製造した平均円形度が0.916のトナー粒子9をハイブリタイザー((株)奈良機械製作所製)を用いて球形化処理し、平均円形度が0.964のトナー粒子19を得た。その後、トナーの製造例1と同様にして、マゼンタトナー19を得た。トナー19の内添処方を表2に、トナー19の物性を表3及び4に示す。
・前記ハイブリッド樹脂B 100部
・DSCにおける最大吸熱ピークのピーク温度が 4部
75℃の精製パラフィンワックス
・キナクリドン系顔料分散樹脂A) 11部
・3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 2部
さらに、このトナー粒子20 100部と、i−C4H9Si(OCH3)3 30部で処理した疎水性酸化チタン微粉末(BET法による比表面積150m2/g)1.5部とをヘン
シェルミキサーにより混合して、マゼンタトナー20を得た。トナー20の内添処方を表2に、トナー20の物性を表3及び4に示す。
ハイブリッド樹脂B 100部の代わりに、前記ポリエステル樹脂C70部と前記ビニル
系共重合体D 30部を使用した以外はトナーの製造例20と同様にして、マゼンタトナ
ー21を得た。トナー21の内添処方を表2に、トナー21の物性を表3及び4に示す。
ハイブリッド樹脂B 100部の代わりに、前記ポリエステル樹脂C100部を使用した
以外はトナーの製造例22と同様にして、マゼンタトナー22を得た。トナー22の内添処方を表2に、トナー22の物性を表3及び4に示す。
ハイブリッド樹脂B 100部の代わりに、前記ビニル系共重合体D100部を使用した
以外はトナーの製造例20と同様にして、マゼンタトナー23を得た。トナー23の内添処方を表2に、トナー23の物性を表3及び4に示す。
ハイブリッド樹脂B 100部の代わりに、ハイブリッド樹脂A 104部(ワックスAを4部含有)を使用したこと、DSCにおける最大吸熱ピークのピーク温度が75℃の精製パラフィンワックスAを15部使用したこと以外は、トナーの製造例20と同様にして、マゼンタトナー24を得た。トナー24の内添処方を表2に、トナー24の物性を表3及び4に示す。
4つ口フラスコ中に、イオン交換水700部と0.1kmol/m3のNa3PO4水溶
液800部を投入して60℃に加温した。これをTK式ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて170s-1で撹拌しつつ、1.01kmol/m3のCaCl2水溶液70部を添加し、微小な難水溶性分散剤Ca3(PO4)2を含む水系分散媒体を調製した。
一方、下記からなる混合物をアトライター(三井金属(株)製)を用いて常温で4時間分散し、均一な重合性単量体組成物を調製した。
・スチレン 78部
・アクリル酸n−ブチル 22部
・ジビニルベンゼン 0.2部
・C.I.ピグメントレッド122 4部
・DSCにおける最大吸熱ピークのピーク温度が 10部
78℃のベヘン酸ベヘニル(エステルワックス)
・3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 2部
・2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル) 3部
で、ホモミキサーで10分間撹拌して、造粒を行った。その後、撹拌装置をパドル撹拌羽根に換え、3.3s-1で撹拌しながら60℃で5時間保持した後、さらに80℃まで昇温して5時間保持し、トナー粒子の懸濁液を得た。
その後懸濁液を冷却し、希塩酸を添加して2時間撹拌を行い、分散剤Ca3(PO4)2を溶解した。さらに、この懸濁液をろ過し、トナー粒子の水洗を繰り返し行った。その後、得られた含水トナー粒子を40℃で3日間熱風乾燥して、トナー粒子25を得た。
さらに、このトナー粒子25 100部と、i−C4H9Si(OCH3)3 30部で処理した疎水性酸化チタン微粉末(BET法による比表面積150m2/g)1.5部とをヘン
シェルミキサーにより混合してマゼンタトナー25を得た。トナー25の内添処方を表2に、トナー25の物性を表3及び4に示す。
ポリエステル樹脂C 3部、C.I.ピグメンレッド122を5部、酢酸エチル97部を
アトライターを用いて分散し、顔料分散液を調整した。
ポリエステル樹脂C 98部、顔料分散液:(顔料濃度5質量%)80部、微粒子化ワックスの分散液:(ワックス濃度15質量%)26部、酢酸エチル32部を混合し、ポリエステル樹脂を充分に溶解した。そして、混合物をTK式ホモミキサーにて回転数170s−1で10分間撹拌し、均一な油相を調整した。
さらに、このトナー粒子26 100部と、i−C4H9Si(OCH3)3 30部で処理した疎水性酸化チタン(BET法による比表面積150m2/g)1.5部とをヘンシェル
ミキサーにより混合して、マゼンタトナー26を得た。トナー26の内添処方を表2に、トナー26の物性を表3及び4に示す。
スチレン2500g、アクリル酸n−ブチル300g、アクリル酸56g、ドデカンチオール110g、4臭化炭素30gを混合し、油相を調製した。一方、フラスコ中でポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル43g、及びアルキルベンゼンスルフォン酸ナトリ
ウム59gをイオン交換水3500gに溶解し、次いで、上記の油相を分散させて乳化し、10分間ゆっくりと混合しながら、過硫酸アンモニウム29gを溶解したイオン交換水700gを投入し、窒素置換を行った。その後フラスコを攪拌しながらオイルバスで内容物を70℃になるまで加熱し、6時間そのまま乳化重合を継続し、分散樹脂微粒子の平均粒径が155nmのアニオン性の樹脂微粒子分散液(1)を得た。
C.I.ピグメンレッド122 210g、アルキルベンゼンスルフォン酸ナトリウム42g、水1400gを混合溶解し、超音波分散機を10回通過させて、顔料分散液を得た。
樹脂微粒子分散液(1)835g、樹脂微粒子分散液(2)550g、顔料分散液210g、離型剤分散液280g、水4300gを加熱ジャケット付攪拌槽で室温で十分に混合した後、凝集剤水溶液を180gを攪拌槽上部より3分間かけて加えながら、5分間攪拌を継続し、その後6分間分散処理を行い、分散液を調整した。この分散液の重量平均径は約2.5μmであった。
た疎水性酸化チタン(BET法による比表面積150m2/g)1.5部とをヘンシェル
ミキサーにより混合して、マゼンタトナー27を得た。トナー27の内添処方を表2に、トナー27の物性を表3及び4に示す。
前記トナーの製造例で製造した各トナーについて、磁性フェライトキャリアをシリコーン樹脂で表面被覆した樹脂コートキャリア(平均粒径50μm:Mn−Mgフェライト)と、トナー濃度が6質量%になるように均一に混合し、二成分系現像剤を作製した。
本実施例に用いた画像形成装置について説明する。図3は本実施例に適用される画像形成装置の概略図であり、図4は、図3に示す画像形成装置の現像部の概略図である(なお、図4において感光体ドラムに対し現像器は1つのみ示してあるが、図3における現像器の一つを具体的に記載したものである。)。
加熱定着装置には、静電オフセット発生防止のためのバイアス印加、アースが無く、またオイル塗布機能のない熱ロール方式の定着装置を用いた。この時上部ローラ、下部ローラ共にフッ素系樹脂の表面層を有するものを使用し、ローラの直径は50mmであった。定着温度を180℃、ニップ幅を4mmに設定した。
前記した現像剤1〜19、比較用現像剤20〜27の各々を現像器に充填し、画像形成装置とともに高温高湿(30℃、80%RH)環境下に移動して一週間放置した。そして、後述する耐高温オフセット性の評価を行った後、トナー濃度が一定となるようにトナーを逐次補給しながら、転写材として複写機用普通紙(80g/m2、キヤノン(株)製)を用い、画像面積比率12%の画像5000枚を、単色モード、24枚(A4サイズ)/分の速度で出力した。次に、画像形成装置を現像器とともに、低温低湿(15℃、10%RH)環境下に移動して一週間放置した。そして、後述する低温定着性について評価を行った後、画像面積比率4%の画像5000枚を出力した。その後、この画像形成装置を現像器とともに、常温常湿(23℃、50%RH)環境下に移動して一週間放置した。その
後、後述する着色力の評価を行った後、画像面積比率7%の画像を5000枚出力した。
(1)低温定着性
以下の操作は低温低湿(15℃、10%RH)環境下で行った。
定着装置を画像形成装置から取り外し、「プローバーボンド紙」(105g/m2、フォックスリバー社製)を転写材として用い、紙上のトナーの載り量が0.45〜0.50mg/cm2のベタ画像の未定着画像20枚を用意した。次いで、定着装置の速度を40枚(A4サイズ)/分に設定し(定着温度は180℃設定)、前記の未定着画像20枚を定着装置に連続で通し、定着させた。
20枚目の定着画像の後端から5cmの部分について、4.9KPaの荷重をかけつつ柔和な薄紙(例えば、商品名「ダスパー」、小津産業(株)製)により、得られた定着画像を5往復摺擦し、摺擦前と摺擦後の画像濃度をそれぞれ測定して、下式により画像濃度の低下率ΔD1(%)を算出した。なお、画像濃度はX−Riteカラー反射濃度計(Color reflection densitometer X−Rite 404A)で測定した。
ΔD1(%)=(摺擦前の画像濃度−摺擦後の画像濃度)×100/摺擦前の画像濃度
ΔD2(%)=(テープを貼る前の画像濃度−テープを剥がした後の画像濃度)×100/テープを貼る前の画像濃度
ΔD3(%)=(折り曲げる前の画像濃度−折り曲げて5往復摺擦した後の画像濃度)×100/折り曲げる前の画像濃度
A:非常に良好(10%未満)
B:良好(10%以上、20%未満)
C:普通(20%以上、30%未満)
D:悪い(30%以上)
以下の操作は高温高湿(30℃、80%RH)環境下で行った。
定着装置を画像形成装置から取り外し、複写機用再生紙(68g/m2、キヤノン(株)製)を転写材として用い、紙上のトナーの載り量が1.5mg/cm2の未定着画像10枚を用意した。次いで、定着装置の速度を8枚(A4サイズ)/分に設定し、前記の未定着画像10枚を定着装置に連続で通し、その直後に、前記複写機用再生紙1枚を定着装置に通した。そして、最後に定着装置に通した再生紙と未使用の再生紙の白色度の最悪値をそれぞれ測定し、これらの白色度の差を算出した。そして、この白色度の差について、
以下の基準で耐高温オフセット性を評価した。尚、白色度はアンバーフィルターを搭載したリフレクトメーター(東京電色(株)製の「REFLECTOMETER MODEL
TC−6DS」)によって測定した。
A:非常に良好(0.5%未満)
B:良好(0.5%以上、1.0%未満)
C:普通(1.0%以上、2.0%未満)
D:悪い(2.0%以上)
以下の操作は常温温低湿(23℃、5%RH)環境下で行った。
カラー複写機用普通紙(80g/m2、キヤノン(株)製)を転写材として用い、紙上のトナーの載り量が0.45〜0.50mg/cm2のベタ画像の未定着画像10枚を用意した。次いで、定着装置の速度を40枚(A4サイズ)/分に設定し(定着温度は180℃設定)、前記の未定着画像10枚を定着装置に連続で通し、定着させた。前記の未定着画像10枚を定着装置に連続で通し、その直後に、前記カラー複写機用普通紙1枚を定着装置に通した。そして、最後に定着装置に通した普通紙と未使用の普通紙の白色度の最悪値をそれぞれ測定し、これらの白色度の差を算出した。そして、この白色度の差について、以下の基準で耐静電オフセット性を評価した。尚、白色度はグリーンフィルターを搭載したリフレクトメーター(東京電色(株)製の「REFLECTOMETER MODEL TC−6DS」)によって測定した。
A:非常に良好(0.5%未満)
B:良好(0.5%以上、1.0%未満)
C:普通(1.0%以上、2.0%未満)
D:悪い(2.0%以上)
オーバーヘッドプロジェクター(OHP)に投影したOHP画像の透明性については、市販のオーバーヘッドプロジェクターを用いて、トランスペアレンシーフィルムに形成したカラー画像を投影して、以下の評価基準に基づいて評価した。評価基準は以下の通りである。
A:透明性に優れ、明暗ムラも無く、色再現性も優れる。
B:若干明暗ムラがあるものの、実用上問題ない。
C:明暗ムラがあり、色再現性に乏しい。
D:透明性、色再現性に乏しく実用上問題あり。
以下の操作は常温常湿(23℃、50%RH)環境下で行った。
カラー複写機用普通紙(80g/m2、キヤノン(株)製)を転写材として用い、紙上のトナーの載り量が0.2mg/cm2から0.8mg/cm2の範囲の数種類のベタ画像を作製し、それらの定着画像の画像濃度を前記したX−Riteカラー反射濃度計を用いて測定し、転写紙上のトナー量と画像濃度の関係をグラフ化する。そして、紙上のトナーの載り量が0.50mg/cm2のときの画像濃度をグラフから読み取り、以下のようにして相対的に着色力を評価した。
A:非常に良好(1.40以上)
B:良好(1.35以上、1.40未満)
C:普通(1.20以上、1.35未満)
D:悪い(1.20未満)
常温常湿環境下における3000枚目のベタ画像の画像濃度により評価した。尚、画像
濃度は前記したX−Riteカラー反射濃度計で測定した。
A:非常に良好(1.60以上)
B:良好(1.40以上、1.60未満)
C:普通(1.20以上、1.40未満)
D:悪い(1.20未満)
高温高湿環境下での画像出力が終了した後、ベタ白画像を出力し、ベタ白画像形成途中で画像形成装置を強制的に停止させ、感光体ドラム上のベタ白画像部分を透明な粘着テープでテーピングし、白色紙に貼りつけた。同じ白色紙に未使用のテープのみを貼りつけてそれぞれの白色度を測定し、白色度の差からカブリを算出した。尚、白色度は前記したリフレクトメーターによって測定した。
A:非常に良好(2.0%未満)
B:良好(2.0%以上、3.0%未満)
C:普通(3.0%以上、5.0%未満)
D:悪い(5.0%以上)
低温低湿環境下、及び高温高湿環境下における4000枚目のベタ画像の画像濃度をそれぞれ測定し、これらの濃度差を算出した。この濃度差をトナーの環境安定性の指標とした。尚、画像濃度は前記したX−Riteカラー反射濃度計で測定した。
A:非常に良好(0.10未満)
B:良好(0.10以上、0.15未満)
C:普通(0.15以上、0.25未満)
D:悪い(0.25以上)
高温高湿環境下における1000枚目と4000枚目のベタ画像の画像濃度をそれぞれ測定し、その濃度差を算出した。この濃度差をトナーの耐久安定性の指標とした。なお、画像濃度は前記したX−Riteカラー反射濃度計で測定した。
A:非常に良好(0.10未満)
B:良好(0.10以上、0.15未満)
C:普通(0.15以上、0.25未満)
D:悪い(0.25以上)
耐久後の階調性の評価については、常温常湿環境下での画像出力が終了した後、カラー複写機用普通紙(80g/m2、キヤノン(株)製)を転写材として、図7に示すパターン形成方法の異なる8種類の画像を出力し、前記したX−Riteカラー反射濃度計によりそれぞれの画像濃度を測定することにより判断した。
階調性再現性の点から、各パターン画像の濃度範囲は以下の範囲であることが好ましく、この観点から評価を行った。
パターン1:0.10〜0.15
パターン2:0.15〜0.20
パターン3:0.20〜0.30
パターン4:0.25〜0.40
パターン5:0.55〜0.70
パターン6:0.65〜0.80
パターン7:0.75〜0.90
パターン8:1.40以上
判断基準は、以下の通りである。
A:非常に良好(すべてのパターン画像が上記の濃度範囲を満足する。)
B:良好(一つのパターン画像が上記の濃度範囲をはずれる。)
C:普通(二つ又は三つのパターン画像が上記の濃度範囲をはずれる。)
D:悪い(四つ以上のパターン画像が上記の濃度範囲をはずれる。)
耐久後の中抜けについては、常温常湿環境下での画像出力が終了した後、カラー複写機用普通紙(80g/m2、キヤノン(株)製)を転写材として、図6aに示した「驚」文字パターン画像を出力し、「驚」文字パターンの中抜け(図6bの状態)を目視で評価した。
A:非常に良好(ほとんど発生せず)
B:良好(軽微)
C:普通(多少発生)
D:悪い(かなり発生)
32:微粉回収
33:原料供給口
34:ライナー
35:冷風導入口
36:分散ローター
37:製品排出口
38:排出弁
39:ガイドリング
40:ピン
41:第一の空間
42:第二の空間
1:感光体ドラム
2:帯電ローラ
3:露光手段
4:4色現像器(4−1、4−2、4−3、4−4)
5:中間転写体
6:転写材
7:転写ローラ
12:現像剤担持体
13:感光体ドラム
14:磁石
15:スクリュー
16:現像剤搬送ローラ
17:現像器
18:磁性ブレード
21:トナー容器
22:供給部材
23:弾性ブレード
24:現像スリーブ
25:感光体ドラム
Claims (12)
- 結着樹脂、キナクリドン系顔料を有する着色剤及びワックスを少なくとも含有するマゼンタトナー粒子を有するマゼンタトナーであって、
該マゼンタトナーは、重量平均粒径が4〜9μmであり、
該マゼンタトナー粒子は、粉砕工程を経由して生成されたものであり、
該ワックスは、脂肪族炭化水素系ワックスであり、
該結着樹脂は、ビニル系共重合体ユニットとポリエステルユニットとを有しており、
23℃においてn−ヘキサン中に15mg/cm3の濃度で該マゼンタトナーを分散さ
せて1分間抽出して得られる抽出液のワックス濃度C[01](mg/cm 3 )が、0.08〜0.50mg/cm3の範囲であり、
23℃においてトルエン中に15mg/cm 3 の濃度で該マゼンタトナーを分散させて
ワックスを抽出して得られる抽出液のワックス濃度D(mg/cm 3 )と、該ワックス濃
度C[01](mg/cm 3 )と、ワックス濃度C[20](mg/cm 3 )と、ワックス濃度C[90](mg/cm 3 )とが下記(i)〜(iii)の関係を満たすことを特徴とするマゼンタトナー。
(i)C[01]≧D×0.2
(ii)C[01]≧C[20]×0.6
(iii)C[20]≧C[90]×0.8
(式中、Dはマゼンタトナーをトルエンで12時間抽出したときのワックス濃度、C[20]はマゼンタトナーをn−ヘキサンで20分間抽出したときのワックス濃度、C[90]はマゼンタトナーをn−ヘキサンで90分間抽出したときのワックス濃度を表す。) - 前記キナクリドン系顔料は、C.I.ピグメントレッド122,208及びC.I.ピグメントバイオレット19からなる群より選ばれる1種又はそれ以上の組み合わせであることを特徴とする請求項1に記載のマゼンタトナー。
- 前記マゼンタトナー粒子中の着色剤は、個数平均粒径が0.01〜0.30μmの粒子であることを特徴とする請求項1又は2に記載のマゼンタトナー。
- 前記マゼンタトナー粒子中の着色剤は、粒径が0.05〜0.25μmの粒子を65個
数%以上含有し、粒径0.4μm以上の粒子を10個数%以下含有していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のマゼンタトナー。 - 前記マゼンタトナーを23℃、50%RHに24時間放置したときの凝集度をA(%)とし、前記マゼンタトナーに、50℃において1.56KPaの荷重を24時間かけ、その後荷重を開放して23℃、50%RHに24時間放置したときの凝集度をB(%)としたときに、B/A≦2.0の関係を満たすことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のマゼンタトナー。
- 前記マゼンタトナーをメタノール45体積%水溶液に2mg/cm 3 の濃度で分散させ
た溶液の、波長600nmにおける透過率が、5〜70%の範囲にあることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のマゼンタトナー。 - 前記マゼンタトナーの示差熱分析(DSC)測定における吸熱曲線において、温度30〜200℃の範囲に1個又は複数の吸熱ピークを有し、該吸熱ピーク中の最大吸熱ピークのピーク温度が60〜105℃の範囲にあることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のマゼンタトナー。
- 前記ワックスがパラフィンワックスであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のマゼンタトナー。
- 前記結着樹脂は、ワックスが分散されたハイブリッド樹脂であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載のマゼンタトナー。
- 前記マゼンタトナーが、さらに芳香族カルボン酸の金属化合物を含有することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載のマゼンタトナー。
- 前記マゼンタトナーの円相当径3μm以上の粒子の平均円形度が0.920〜0.950の範囲であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載のマゼンタトナー。
- マゼンタトナーと磁性キャリアとを少なくとも含有するマゼンタ用二成分系現像剤において、前記マゼンタトナーは請求項1乃至11のいずれか一項に記載のマゼンタトナーであり、前記磁性キャリアは表面が樹脂によりコートされている樹脂コートキャリアであることを特徴とするマゼンタ用二成分系現像剤。
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